説明

温熱具の包装構造

【課題】温熱具の長期保存が可能であり、使用時の操作性に優れる温熱具の包装構造を提供すること。
【解決手段】本発明の温熱具の包装構造1は、空気中の酸素と反応して発熱する温熱具2が収容されている非通気性の第1包装体10と、流動性を有する薬剤Wが封入され、該第1包装体10の外面に接合されている第2包装体20とを備えている。使用時に第2包装体20を開封することにより、薬剤Wが第1包装体10の内部に供給されるようになされている。第1包装体10に、薬剤Wを該第1包装体10の内部に供給するための供給口11が形成されている。供給口11及びその周辺部が第2包装体20で破壊可能に被覆されて、未使用時に第1包装体10の内部が気密になされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液が付与された状態で身体の所望の部位に施用され、該部位に対して温熱を付与して薬液を浸透させる温熱具の包装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、腰痛、肩こり等の緩和のために、身体に温熱を与える温熱具が使用されている。このような温熱具を利用した技術として、医薬成分、化粧料等の各種成分を含む薬液が塗布されたシート状の発熱体、あるいは薬液が含浸されたシートが接合されたシート状発熱体を顔面等の身体の所望の部位に装着し、該発熱体から生じる熱を利用して、各種成分の肌への浸透を促進させたり、毛穴を開いたりさせる技術が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。これらの技術において提案されているシート状の発熱体の構造は、鉄粉等の被酸化性金属の粉体が密封可能に収容された収容部を備えた包材の外面に、薬液を塗布したもの、あるいは薬液が含浸されたシートが接着等の手段によりシート状発熱体に接合したものとなっている。
【0003】
また、このような発熱体は、使用時に所定の温度特性を発現することが重要であり、そのためには、発熱体の組成のみならず、発熱体の保存状態にも十分な配慮が必要である。発熱体が使用時に所定の温度特性を発現できるようにするためには、発熱開始剤として作用する水や酸素に対してバリア性を有する包装袋内に、発熱体を密封保存しておく必要がある。
【0004】
このような密封状態にある包装袋内に、上述の如き薬液が付与された発熱体を封入すると、薬液に含まれていた水分が発熱体に混入したり、あるいはこれとは逆に、発熱体に含まれていた水分が薬液に混入したりすることがあり、薬液や発熱体の特性に望ましくない変化が生じるおそれがある。また、薬液が例えば二相系のように不安定な場合等は、発熱体に付与されてから使用されるまでの間に該薬液に相分離が発生し、所定の効果が得られないおそれがある。また、これらの問題を避けるため、薬液が付与されていない発熱体を包装袋内に密封した場合には、使用に際し、包装袋を開封して発熱体を取り出すと共に、該発熱体とは別個独立に包装されている薬液を適量取り出し、取り出した発熱体の所定部位に該薬液を付与するという煩雑な操作が必要となり、操作性に劣る。また斯かる場合には、薬液を包装していた包装材が使用後にゴミとなり、環境の点でも好ましくない。
【0005】
一方、吸液性シート基材と液体とをそれぞれ分離した室内に収納しておき、使用時において隔壁を破壊して液体を吸液性シート基材に含浸させるタイプの包装体が種々提案されている(例えば特許文献3及び4参照)。
【0006】
しかし、特許文献3及び4に記載の包装体は、被包装体として、保存状態に特別な配慮を要する発熱体を想定しているものではない。特に、特許文献3に記載の包装体は、被包装体が収容されている包装体に設けられた穴によって、薬液が封入されているブリスターパックを保持するようになされ、且つ該ブリスターパックに可動性を付与するために、該穴と該ブリスターパックとの間に隙間が設けられているため、包装体の内部が気密になされておらず、発熱体の保管には適用できないものである。また特許文献4に記載の包装体は、特許文献3に記載されているように、その構造上、保管時や輸送時に外部から強い衝撃や応力が加わった際、弱シール部が破壊されてしまい、不意の含浸が起こるおそれがある。
【0007】
【特許文献1】特開昭56−85336号公報
【特許文献2】特開2006−198325号公報
【特許文献3】特開2006−21034号公報
【特許文献4】特表2002−522310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の目的は、温熱具の長期保存が可能であり、使用時の操作性に優れる温熱具の包装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、空気中の酸素と反応して発熱する温熱具が収容されている非通気性の第1包装体と、流動性を有する薬剤が封入され、該第1包装体の外面に接合されている第2包装体とを備え、使用時に該第2包装体を開封することにより、該薬剤が該第1包装体の内部に供給されるようになされている温熱具の包装構造であって、前記第1包装体に、前記薬剤を該第1包装体の内部に供給するための供給口が形成されており、該供給口及びその周辺部が前記第2包装体で破壊可能に被覆されて、未使用時に該第1包装体の内部が気密になされている温熱具の包装構造を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0010】
また本発明は、空気中の酸素と反応して発熱する温熱具が収容されている非通気性の第1包装体と、流動性を有する薬剤が収容され、該第1包装体の外面に接合されている第2包装体とを備え、使用時に該第2包装体を押圧することにより、該薬剤が該第1包装体の内部に供給されるようになされている温熱具の包装構造であって、前記第1包装体に、前記薬剤を該第1包装体の内部に供給するための供給口が形成されており、該供給口及びその周辺部が前記第2包装体で被覆されて、未使用時に該第1包装体の内部が気密になされており、前記第2包装体が、前記第1包装体の外面に接合され且つ前記供給口及びその周辺部を被覆するシール材を備え、前記シール材が、該シール材における前記供給口を被覆していない部位の一部が前記第1包装体の外方に向けて突出してなる、中空の突出部を有しており、該突出部の内部に前記薬剤の収容空間が存しており、前記シール材における前記突出部から前記供給口に亘る領域の一部が、前記第1包装体の外面に対して易剥離可能に接合されており、使用時に前記突出部を押圧することにより、該押圧によって前記収容空間内に生じる圧力で、前記シール材における前記領域の一部が前記第1包装体の外面から剥離し、この剥離したシール材と該外面との間に、前記収容空間と前記供給口とを結ぶ前記薬剤の供給路が形成されるようになされている温熱具の包装構造を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0011】
また本発明は、空気中の酸素と反応して発熱する温熱具が収容されている非通気性の第1包装体と、流動性を有する薬剤が封入されている収容空間を有し、該第1包装体に連接されている第2包装体とを備え、使用時に該第2包装体を押圧することにより、該薬剤が該第1包装体の内部に供給されるようになされている温熱具の包装構造であって、前記第1包装体の内部と前記収容空間とを結ぶ前記薬剤の供給路を形成している供給路形成体を備え、前記供給路形成体の内部に、相対向する該供給路形成体の内面どうしが易剥離可能に接合されている易剥離接合部が形成されており、該易剥離接合部によって未使用時に前記供給路が閉塞されていると共に、前記第1包装体の内部及び前記収容空間がそれぞれ気密になされており、使用時に前第2包装体を押圧することにより、該押圧によって前記収容空間内に生じる圧力で、前記易剥離接合部において易剥離可能に接合されている前記供給路形成体の内面どうしが剥離し、前記供給路が開通するようになされている温熱具の包装構造を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0012】
また本発明は、空気中の酸素と反応して発熱する温熱具と、流動性を有する薬剤が封入されている薬剤包装体と、該温熱具及び該薬剤包装体が一体化された状態で収容されている非通気性の包装袋とを備え、使用時に該薬剤包装体を開封することにより、該薬剤が該温熱具に供給されるようになされている温熱具の包装構造であって、前記薬剤包装体が、前記薬剤を封入可能な封入具と、該封入具に連接され、該封入具を前記温熱具に分離可能に固定する固定手段とを備えている温熱具の包装構造を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の温熱具の包装構造は、未使用時には、温熱具の品質を維持した状態でこれを長期保存することができ、使用時には、適量の薬剤を温熱具に簡単に付与することができ、保存性及び操作性が高レベルで両立されている。
【0014】
また本発明の温熱具の包装構造は、温熱具が収容されている包装体(第1包装体)と薬剤が封入されている包装体(第2包装体)とが一体化されているため、これらが個別に包装されて独立している場合に比して、使用後にゴミとして廃棄される量が少なく、環境への負担が軽減されている。
【0015】
またこの種の薬剤には、保存性を向上させるために保存料が含まれている場合があるが、本来、この保存量は薬剤の効能を発現させる上では不要であり、人体に悪影響を及ぼすおそれもある。本発明の温熱具の包装構造においては、薬剤は未使用時において温熱具から分離した状態で保存性良く包装袋内に封入され、温熱具の使用直前に初めて該包装袋を開封して温熱具に付与するように構成されているため、薬剤に保存料を含ませる必要は無く、上述した問題を回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1には、本発明の温熱具の包装構造(以下、包装構造ともいう)の第1実施形態の平面図が示されている。図2は、図1におけるX−X線断面の模式図である。第1実施形態の包装構造1は、空気中の酸素と反応して発熱する温熱具10が収容されている非通気性の第1包装体20と、流動性を有する薬剤Wが封入され、第1包装体20の外面(第1の面20a)に接合されている第2包装体30とを備えている。
【0017】
温熱具10は略偏平で平面視して長方形形状をしている。図2に示すように温熱具10は、発熱部11及び該発熱部11を収容する収容体12を備えている。収容体12は扁平なものであり、複数(本実施形態では2枚)のシート材を貼り合わせて、発熱部11が収容される密閉空間が形成されたものである。この密閉空間が発熱部11の収容部になっている。収容体12を構成する複数のシート材は、該収容体12の周縁部において熱融着や接着等の接合手段によって互いに接合されている。扁平な形状を有する収容体12は、未使用時に第1包装体20の後述する供給口21と対向し且つ使用時に使用者の肌に近い側に位置する第1の面12a、及び該第1の面12aと反対側に位置し且つ使用時に使用者の肌から遠い側に位置する第2の面12bを有している。第1の面12a上には、供給口21から供給される薬剤Wを保持し得る薬剤保持層13と、温熱具10を使用者の身体に固定する固定手段としての粘着剤層15が配されている。
【0018】
第1包装体20は、温熱具10と同様に、略偏平で平面視して長方形形状をしている。第1包装体20は、複数(本実施形態では2枚)の非通気性のシート材を貼り合わせて、温熱具10が収容される空間が形成されたものである。第1包装体20を構成する複数のシート材は、該第1包装体20の周縁部において熱融着や接着等の接合手段により互いに接合されている。偏平な形状を有する第1包装体20は、第2包装体30が接合されている第1の面20a、及び該第1の面20aと反対側に位置する第2の面20bを有している。
【0019】
第1包装体20には、第2包装体30によって封入されている薬剤Wを該第1包装体20の内部に供給するための供給口21が形成されている。供給口21は、第1包装体20の第1の面20aを構成するシート材に形成されており、該シート材を厚み方向に貫通している貫通口である。
【0020】
第2包装体30は、第1包装体20の外面(第1の面20a)に接合され且つ供給口21及びその周辺部を被覆するシール材31と、該シール材31上に配され且つ薬剤Wの収容空間Sを有する収容具32とを備えている。収容具32の真下には供給口21が位置しており、収容具32と供給口21とは平面視して略同位置にある。シール材31と第1の面20aとの間、及びシール材31と収容具32との間は、それぞれ熱融着や接着等の接合手段によって接合されている。このように収容具32の開口部がシール材31によってシールされていることにより、収容空間Sは密閉空間とされている。収容空間Sと第1包装体20の内部とは、シール材31によって分け隔てられている。
【0021】
シール材31は、後述する開封部材(凸部33)で押圧することによって容易に突き破ることができるように構成・配置されており、該開封部材によって物理的に破壊可能になされている。シール材31の構成材料としては、物理的な破壊が容易であることに加え、薬剤及び酸素・水蒸気に対するバリア性が必要であることから、アルミニウム箔のような金属薄膜を用いる。
【0022】
収容具32は、プラスチック等の成型可能な可撓性材料からなり、中空で略半球状をしている。収容具32は可撓性(柔軟性があり折り曲げても亀裂が生じない性質)を有していることが好ましい。収容具32が可撓性を有していないと、使用時に収容具32を押圧し、後述する開封部材33を介してシール材31を破壊することが困難となり、第2包装体32の開封が困難となるためである。また収容具32が可撓性を有していないと、収容具32に外力が加わったときに応力が集中しやすく、意図しない収容具32の破壊が生じるおそれがある。また、収容具32が無色透明であると、薬剤Wの質的あるいは量的変化を目視で容易に確認することができるため、好ましい。このような収容具は公知の方法で製造することができる。
【0023】
収容具32の内部には、シール材31を物理的に破壊可能な開封部材が収容されている。第1実施形態の開封部材は、図2に示すように、収容具32と一体化された先鋭な凸部33である。凸部33は、収容具32の構成部材から一体成形されたものでも良く、収容具32とは別体に製造された凸部を収容具32の所定部位に接合したものでも良い。凸部33は、収容具32の内面からシール材31に向かって突出している。凸部33は半球状の収容具32の頂部に位置しており、該凸部33の先鋭な先端部33aが、該頂部の真下に位置するシール材31(供給口21)に向けられている。開封部材としての凸部33がこのように配されていることにより、使用時に収容具32を押圧するだけで、凸部33の先端部33aでシール材31を突き破ることができ、第2包装体30を容易に開封することができる。
【0024】
凸部33の先端部33aは、シール材31の破壊を容易にする観点からは、丸みを帯びずに鋭く尖っていることが好ましいが、丸みが少なすぎると、シール材31を突き破った先端部33aがシール材31の真下に位置する温熱具10に達した場合に、該温熱具10を突き破ってしまうおそれがある。斯かる観点から、凸部33の先端部33aの曲率半径は0.3mm以上、特に0.5〜1.0mmが好ましい。
【0025】
また、未使用時における凸部33の先端部33aとシール材31とは、図2に示すように離間していることが好ましい。両者が離間してこれらの間に空隙が存在すると、輸送時などの使用時以外に収容具32に不意の衝撃が加わっても、シール材31が突き破られるおそれが少なくなる。未使用時における先端部33aとシール材31との離間距離は特に制限されないが、第2包装体30の開封性も考慮すると、好ましくは1.0〜3.0mmである。
【0026】
上述したように第1実施形態においては、第1包装体20に形成されている供給口21及びその周辺部が第2包装体30で破壊可能に被覆されており、未使用時に第1包装体20の内部が気密になされている。このように温熱具10は、未使用時において第1包装体20の内部に密封されており、使用時に所定の温度特性が発現できるように、良好な保存環境下で保存されている。
【0027】
第1実施形態の包装構造1について更に説明すると、温熱具10における第1の面12a(供給口21の対向面)上には、供給口21から供給される薬剤Wを保持し得る薬剤保持層13が配されている。薬剤保持層13は、平面視して発熱部11と同形状(矩形形状)で略同寸法のシート状物である。薬剤保持層13としては、例えば繊維材料からなるシートを用いることができる。薬剤保持層13は、第1の面12aの中央部(発熱部11が存在する部位)に位置し、該中央部を被覆しているが、該第1の面12aにおける該中央部以外の部位は被覆していない。薬剤保持層13は、第1の面12aに熱融着や接着等の接合手段により接合されている。
【0028】
温熱具10を構成する発熱部11は、被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱を利用して発熱を起こさせる部位である。発熱部11は具体的には、金属粉(例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅等)、触媒となる塩類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩化物等)、及び水を含有した組成物から構成される。この組成物には、更に保水剤(例えば、バーミキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔質物質、アルミナ、パルプ、木紛、吸水ポリマー等)、反応促進剤(例えば、活性炭、カーボンブラック、黒鉛等)等を含有させることができる。
【0029】
上述の成分を含有する発熱部11は、発熱シート又は発熱粉体の形態となっている。特に発熱シートの形態になっていることが、温熱具10の使用中に被酸化性金属等の偏りを防止でき、均一な発熱を行い得る点から好ましい。発熱シートとしては、湿式抄造により得られたシート状物や、発熱粉体を紙等で挟持してなる積層体等が挙げられる。そのような発熱シートは、例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いて製造することができる。
【0030】
発熱部11を収容する収容体12における第1の面12aは非通気面になっている。一方、第2の面12bは通気面になっており、空気の透過が可能になっている。温熱具10は、収容体12における第1の面12aの側が薬剤保持層13に対向し、第2の面12bの側が外方を向くように使用される。第2の面12bを透過してきた空気(酸素)は、収容体12内に収容されている発熱部11を構成する被酸化性金属と反応し、それによって発熱が起こる。発生した熱は、第1の面12aを通じて薬剤保持層13及び使用者の肌に付与される。
【0031】
収容体12における第1の面12a及び第2の面12bは何れもシート材から構成されている。収容体12には、第1の面12a及び第2の面12bをそれぞれ構成するシート材を互いに接合して形成された閉じた形状の環状接合部16が形成されている。環状接合部16は発熱部11の外周縁に沿って連続に形成されている。収容体12は、環状接合部16よりも内側の部分において第1の面12aと第2の面12bとが非接合状態になっている。この非接合状態の領域が、発熱部11の収容部である。
【0032】
温熱具10は、その平面視して発熱部11よりも外側の位置にフラップ部14を備えている。フラップ部14は、発熱部11の左右両側部からそれぞれ外方に延出した第1の面12aと第2の面12bから形成されている。つまりフラップ部14は、発熱部11を挟んで該発熱部11の両側に一対設けられている。尚、フラップ部14を形成している第1の面12aと第2の面12bとはその接する面において、全面的に接合されていても良く、部分的に接合されていても良く、全く接合されていなくても良い。
【0033】
各フラップ部14における第1の面12a上には、粘着剤層15がそれぞれ形成されている。粘着剤層15は、温熱具10を使用者の身体に固定する固定手段としての働きを有するものである。粘着剤層15は、温熱具10の平面視して発熱部11よりも外側の位置に設けられている。薬剤保持層13と粘着剤層15とは同一面上に形成されているが、両者は所定間隔を置いて配置されている。このように薬剤保持層13と粘着剤層15とを離間させて配置することにより、薬剤保持層13に供給・保持された薬剤Wが粘着剤層15に移行してこれを濡らすという不都合が、効果的に防止される。未使用時において粘着剤層15の外面は剥離シート17で被覆されて保護されている。
【0034】
以上の構成を有する第1実施形態の包装構造1は、次のようにして使用される。図2に示す未使用状態において収容具32の頂部を指で押圧して、該収容具32を図3に示すように押し潰す。すると、収容具32の内部にて該収容具32と一体化されている凸部33の先端部33aがシール材31を突き破り、これにより該シール材31でシールされていた供給口21が開封され、第2包装体30内に封入されていた薬剤Wが供給口21を通じて第1包装体20の内部に速やかに供給される。第1包装体20の内部に侵入した薬剤Wは、温熱具10の第1の面12a上に配された薬剤保持層13によって保持される。
【0035】
収容具32を押圧後、収容空間Sが空になったところで、図4に示すように、第1包装体20を開封して温熱具10を取り出す。第1包装体20の開封によって、温熱具10中の被酸化性金属が空気(酸素)と接触して発熱が起こる。次に、温熱具10における粘着剤層15を被覆している剥離シート17を剥がし、粘着剤層15を露出させる。そして、露出した粘着剤層15を使用者の肌に当接させて、温熱具10を身体に固定する。このとき、薬剤Wが保持された薬剤保持層13も使用者の肌に当接される。
【0036】
この状態下に温熱具10から付与される熱が薬剤保持層13に伝わって、該薬剤保持層13に含まれている有効成分が使用者の皮膚に浸透しやすくなる。また発生した熱が使用者の肌にも伝わって毛穴が開き、それによっても有効成分が使用者の皮膚に浸透しやすくなる。皮膚に熱を付与している時間は10〜60分程度とすることが好ましい。この間の皮膚温度は37〜42℃に維持されることが好ましい。このような皮膚温度となるような温熱具10の発熱温度や発熱時間は、温熱具10を構成する収容体12の透湿度、通気度や、収容体12に収容される発熱部11の組成によってコントロールすることができる。
【0037】
次に、第1実施形態の包装構造1を構成する部材の詳細について説明すると、温熱具10を構成する収容体12において、第1の面12a及び第2の面12bは、それぞれ透湿性を有していても良く、あるいは透湿性を有していなくても(非透湿性でも)良く、温熱具の用途等に応じて適宜選択することができる。
【0038】
収容体12の形態の一例として例えば、第1の面12aが非透湿性フィルムから構成され、第2の面12bが透湿性フィルム又は通気性フィルムから構成された形態が挙げられる。非透湿性フィルムとしては、各種熱可塑性樹脂からなるフィルムが用いられる。第2の面12bが透湿性フィルムから構成される場合、該透湿性フィルムは例えば、熱可塑性樹脂と無機フィラーとを溶融混練して押し出した溶融物をフィルム状に成形し、成形されたフィルムを一軸又は二軸延伸することで製造される。透湿性フィルムの透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH)は、200〜5000g/(m2・24hr)、特に500〜1000g/(m2・24hr)であることが好ましいが、透湿度(JIS Z0208で規定)及び通気度(JIS P8117で規定)は、発熱部11の組成や量、使用形態(短時間発熱型、長時間発熱型、水蒸気発生型等)により適宜選定される。収容体12の肌触りを良好にする目的で、第1の面12aを構成するフィルム及び/又は第2の面12bを構成するフィルムの外面に、不織布等の風合いの良好なシートをラミネートしても良い。
【0039】
収容体12における第1の面12aに形成される薬剤保持層13としては、柔軟性や伸縮性を有する材料からなる繊維シートを用いることが、使用者の身体に追従しやすくなる観点から好ましい。そのような材料としては、各種不織布、例えばエアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、これらの不織布の複合材料、これらの不織布とフィルムとの複合材料などが挙げられる。薬剤保持層13の坪量は、薬剤Wの供給量や温熱具10の取り扱い性等を考慮して決定され、例えば20〜200g/m2、特に40〜120g/m2とすることができる。
【0040】
収容体12における第1の面12aに形成される粘着剤層15としては、例えばホットメルト粘着剤を用いることができる。ホットメルト粘着剤は一般に粘着基剤、粘着付与樹脂及び軟化剤を構成成分として含有している。
【0041】
第1包装体20を構成する非通気性のシート材としては、酸素及び水蒸気を通気させないものが好ましく用いられる。このような酸素・水蒸気バリア性を有するシート材としては、例えばアルミ箔にオレフィン、ポリエステルなどの樹脂フィルムを積層した複合フィルム;ポリエステルなどの樹脂フィルムにアルミを蒸着したフィルム;エチレン/ビニルアルコール共重合(EVOH)樹脂とオレフィン、ポリエステルなどの樹脂フィルムとを積層した複合フィルム;ポリ塩化ビニル(PVC)等が挙げられる。第1包装体20を構成する非通気性のシート材の透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH)は、好ましくは0.05〜1g/(m2・24hr)、更に好ましくは0.3g/(m2・24hr)以下であり、また通気度(JIS P8117で規定)は、好ましくは0.05〜1g/(m2・24hr)、更に好ましくは0.3g/(m2・24hr)以下である。
【0042】
第2包装体30を構成する収容具32の材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、フッ素系樹脂類等、公知の溶融成形性樹脂の中から適宜選択して使用することができる。内容物の保存安定性を向上するために、酸素吸収層、酸素遮断層などを設けた積層型の酸素バリア性素材を使用することもできる。また、収容具32の形状は特に限定されず、半球状の他、立方体等でも良い。
【0043】
第2包装体30に封入される薬剤Wは、流動性を有しているものであればその剤状は特に限定されず、水系の液体、乳化物、ゲル、クリーム、ワセリン等種々のものがある。薬剤Wの組成も特に限定されず、任意のものを使用できる。また薬剤Wは水性であっても良く、油性であっても良い。第2包装体30に封入される薬剤Wの量は、温熱具10の使用による効能等を考慮して適宜調整される。
【0044】
薬剤Wの含有成分としては、例えば経皮吸収されて真皮引き締め、美白、血行促進、脂肪分解促進、抗炎症等の効果を発現する物質が挙げられる。具体的には、植物抽出物、動物抽出物、グアニジン誘導体、カテコールアミン類、アミノ酸、ビタミン類、ホルモン、有機酸、天然抽出のスフィンゴシン誘導体、合成セラミド類似体等が挙げられる。
【0045】
薬剤Wの粘度は、流動性の観点から、好ましくは0.1〜150000mPa・s、更に好ましくは0.1〜10000mPa・sである。薬剤Wの粘度はB8L型粘度計を用いて測定される。使用ローター及び回転数は、薬剤Wの粘度に応じて適宜変更する。
【0046】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。後述する他の実施形態については、先に詳述した第1実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
【0047】
図5には、第2実施形態の温熱具の包装構造の図2相当図(包装構造の長手方向に沿った断面の模式図)が示されている。第2実施形態の包装構造1は、開封部材として、シール材31と一体化された凸部34を用いている。凸部34は、シール材31における収容空間S側の面から収容具32の内面に向かって突出している。凸部34は、シール材31とは別体に製造された凸部をシール材31の所定部位に接着等の接合手段により接合して形成されている。凸部34は、シール材31の中央部(供給口21の中央部)に位置している。凸部34の構成材料としては、シール材31に接合可能なものが好ましく用いられ、収容具32の構成材料と同様の各種プラスチック等を用いることができる。
【0048】
以上の構成を有する第2実施形態は、第1実施形態と同様に使用することができ、第1実施形態と同様の効果を奏する。第2実施形態においては、収容具32を押圧してこれを押し潰すと、図6に示すように、押し潰された収容具32の頂部の内面が凸部34の先端部に当接し、更に該頂部を押圧することで凸部34の基端部が押し下げられ、その圧力でシール材31が突き破られて、第2包装体30が開封される。第2実施形態における第2包装体30は以上のようにして開封されるものであるから、開封部材である凸部34の先端部は、上述した第1実施形態における凸部33の先端部33aのように先鋭である必要は無い。また、未使用時における凸部34の先端部と収容具32の内面との離間距離は特に制限されないが、好ましくは1〜3mmである。
【0049】
図7には、第3実施形態の温熱具の包装構造の図2相当図が示されている。第3実施形態の包装構造1においては、収容具32の内部に、シール材31を物理的に破壊可能な開封部材35が薬剤Wと共に封入されている。第3実施形態における開封部材35は、収容具32及びシール材31とは一体化されておらず且つ先鋭な凸部を有している。即ち開封部材35は、収容空間Sにおいて固定されずに自由状態で収容されている。図7に示す開封部材35は、表面から多数の先鋭な凸部が突出しているプラスチック製粒状物である。開封部材35の構成材料としては、収容具32の構成材料と同様の各種プラスチック等を用いることができる。
【0050】
以上の構成を有する第3実施形態は、第1実施形態と同様に使用することができ、第1実施形態と同様の効果を奏する。第3実施形態においては、収容具32を押圧してこれを押し潰すと、図8に示すように、押し潰された収容具32の頂部の内面が、薬剤Wに混入されている開封部材35に当接し、更に該頂部を押圧することで開封部材35が押圧されてその先鋭な凸部でシール材31が突き破られて、第2包装体30が開封される。開封部材35の大きさ(体積)は特に限定されないが、開封部材35が収容される収容空間Sの全容積の10〜30%を占めるような大きさであることが好ましい。
【0051】
図9には、第4実施形態の温熱具の包装構造の図2相当図が示されている。第4実施形態の包装構造1は、薬剤保持層13が第1の面12a(供給口21の対向面)の略全面を被覆するように配されている点、及び上述した粘着剤層15のような、温熱具の身体への固定手段が設けられていない点で第1実施形態と異なる。第4実施形態の温熱具10を身体に固定させる場合、必要に応じ包帯、ベルト、サポーター、テーピング等の公知の固定手段を用いることができる。以上の構成を有する第4実施形態は、第1実施形態と同様に使用することができ、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0052】
図10には、第5実施形態の温熱具の包装構造の平面図が示されている。図11は、図10におけるX−X線断面の模式図である。第5実施形態の包装構造1は、空気中の酸素と反応して発熱する温熱具10が収容されている非通気性の第1包装体20と、流動性を有する薬剤Wが収容され、該第1包装体20の外面に接合されている第2包装体30とを備え、使用時に第2包装体30を押圧することにより、薬剤Wが第1包装体20の内部に供給されるようになされている。
【0053】
第5実施形態においては、第1包装体20に、薬剤Wを該第1包装体20の内部に供給するための供給口21が形成されており、該供給口21及びその周辺部が第2包装体30で被覆されて、未使用時に第1包装体20の内部が気密になされている。第2包装体30は、第1包装体20の外面(第1の面20a)に接合され且つ供給口21及びその周辺部を被覆するシール材31を備えている。シール材31は、平面視して角が丸みを帯びた矩形形状をしている。第1の面20aの全面積に対するシール材31の全面積の割合は特に限定されないが、通常、10〜50%程度である。
【0054】
第5実施形態におけるシール材31は、図10及び図11に示すように、該シール材31における供給口21を被覆していない部位の一部が第1包装体20の外方に向けて突出してなる、中空の突出部40を有しており、該突出部40の内部に薬剤Wの収容空間Sが存している。つまり突出部40は薬剤Wの収容具として機能する。突出部40は、供給口21の形成面(第1の面20a)上に該供給口21と重ならないように配置固定されている。突出部40は、角が丸みを帯びた直方体形状をしている。突出部40の形状は特に限定されず、半球状、立方体等でも良い。
【0055】
シール材31における突出部40から供給口21に亘る領域の一部(図10中、斜線を付した部分)は、第1包装体20の外面(第1の面20a)に対して易剥離可能に接合されて、易剥離領域31aが形成されている。ここで、「易剥離可能に接合されている」とは、シール材31の接合面と、対向する第1の面20aとが、適度の力で剥離できる程度に接合された状態となっていることを意味する。易剥離可能に接合されているシール材31の接合面と第1包装体20の外面との間の剥離強度T1としては、概ね0.5〜15N/15mm幅程度としておけば良い。
【0056】
上述した易剥離可能な接合は、例えばシール材31の接合面又は第1の面20aに、公知の易剥離性接着層(イージーピール層)を設けることにより達成することができる。易剥離性接着層は、剥離容易に構成された接着層であり、一般には凝集剥離、層間剥離、界面剥離の3つのタイプがある。凝集剥離は、異種プラスチックどうしは熱溶着できない性質を利用したものであり、異種プラスチックを所定比率で混合して易剥離性接着層を構成し、フィルムどうしの熱溶着性を変えることで、剥離し易さを調整するものである。層間剥離は、共押し出しで少なくともフィルムを2層に形成し、層間の接着強度を低下させておくことで、両フィルム層を剥離容易にする。界面剥離では、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等の易接着性樹脂を利用することで剥離強度を調整している。本発明においては、「易剥離可能に接合されている」を実現し得る公知の手段を特に制限無く用いることができ、上述した易剥離性接着層のタイプも特に限定されない。
【0057】
図10に示すように易剥離領域31aは、平面視して突出部40と供給口21とを結ぶ所定幅の直線形状をしている。供給口21及びその開口周辺部は易剥離領域31aの一部となっている。直線形状をしている易剥離領域31aの幅は、供給口21の直径よりも大きくなされている。また、シール材31の全面積(突出部40の面積を含む)に対する易剥離領域31aの面積の割合は特に限定されないが、5〜30%であることが漏れ防止の点で好ましい。
【0058】
シール材31における易剥離領域31a以外の領域(突出部40を除く)は、易剥離領域31aよりも第1包装体20の外面に対して強固に接合している。即ち、易剥離領域31a以外の領域におけるシール材31の接合面と、対向する第1の面20aとの間の剥離強度T2は、前記剥離強度T1よりも大きくなされている。T2とT1との比(T2/T1)は、好ましくは4〜40、更に好ましくは10〜20である。
【0059】
以上の構成を有する第5実施形態は、第1実施形態と同様に使用することができ、第1実施形態と同様の効果を奏する。第5実施形態においては、収容具として機能している突出部40を押圧してこれを押し潰すと、図12に示すように、該押圧によって収容空間S内に生じる圧力で、易剥離領域31aのシール材31が第1包装体の外面20aから剥離する。このシール材31の剥離は、収容空間Sに連なるシール材31を起点として、易剥離領域31aの供給口21側の端部に向かって順次なされる。易剥離領域31a全体が剥離するのに要する時間はほんのわずかである。一方、易剥離領域31aに位置していないシール材31は、突出部40の押圧によっては剥離せず、外面20aに接合されたままである。こうして、外面20aに接合されているシール材31の一部が剥離し、剥離した部位のみが外方に膨らむことで、シール材31に変形が生じる。そして、剥離したシール材31と外面20aとの間に、収容空間Sと供給口21とを結ぶ薬剤Wの供給路41が形成される。すると、収容空間Sに封入されていた薬剤Wが、供給路41を通って供給口21に到達し、更に第1包装体20の内部に侵入する。第1包装体20の内部に侵入した薬剤Wは、温熱具10の第1の面12a上に配された薬剤保持層13によって保持される。
【0060】
図13には、第6実施形態の温熱具の包装構造の平面図が示されている。図14は、図13におけるA−A線断面の模式図である。第6実施形態の包装構造1は、空気中の酸素と反応して発熱する温熱具10が収容されている非通気性の第1包装体20と、流動性を有する薬剤Wが封入されている収容空間Sを有し、第1包装体20に連接されている第2包装体30とを備え、使用時に第2包装体30を押圧することにより、薬剤Wが第1包装体20の内部に供給されるようになされている。第6実施形態の包装構造1は、第1包装体20の内部と収容空間Sとを結ぶ薬剤Wの供給路37を形成している供給路形成体38を備えている。
【0061】
第6実施形態における第2包装体30は、薬剤Wの収容空間Sを有する本体36と、該本体36から外方に向けて突出し、内部に収容空間Sと連通する薬剤Wの前記供給路37を有する前記供給路形成体(供給ノズル)38とを備えている。第2包装体30は、略偏平で平面視してT字状形状をしている。第2包装体30は、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、フッ素系樹脂類等)等の成形可能な可撓性材料からなり、複数の非通気性のシート材を貼り合わせて、薬剤Wの収容空間S及び該収容空間Sと連通する供給路37が形成されたものである。第2包装体30を構成する複数のシート材は、該第2包装体30の周縁部において熱融着や接着等の接合手段により互いに接合されている。偏平な形状を有する第2包装体30は、第1の面30a、及び該第1の面20aと反対側に位置する第2の面30bを有している。第2の面30bは、図14に示すように第1包装体20の内部において温熱具10(薬剤保持層13)に近い側に位置している。収容空間S及び供給路37は、相対向する第1の面30aと第2の面30bとの間に形成されている。
【0062】
本体36及び供給路形成体38は、何れも略偏平で平面視して長方形形状をしている。供給路形成体38は、その長手方向(供給路37の延びる方向)を本体36の長手方向と直交する方向(幅方向)に一致させて、該本体36の長手方向に沿った一側縁36sの略中央部から外方に突出している。供給路形成体38は、本体36の構成部材(可撓性材料)から一体成形されたものでも良く、本体36とは別体に製造された供給路形成体を本体36の所定部位に接合したものでも良い
【0063】
供給路形成体38の先端(薬剤Wの供給方向の一端)38aは第1包装体20の内部に挿入されている。第6実施形態における第1包装体20と第2包装体30とは、略偏平で平面視して長方形形状をしている第1包装体20の長手方向に沿った一側縁20sと、本体36における供給路形成体38が設けられている一側縁36sとを一致させて連接されており、供給路形成体38の先端38aのみならずその略全体が、第1包装体20の内部に挿入されている。本体36の一側縁36s(供給路形成体38が設けられている側縁)は、図14に示すように第1包装体20の長手方向に沿った一側縁20sにおいて、第1包装体20の第1の面20aを構成するシート材と第2の面20bを構成するシート材との間に挟まれ、各該シート材と接合されている。
【0064】
供給路形成体38の先端38aは、図13に示すように平面視して温熱具10(発熱部11)と重なっている。図示の形態においては、供給路形成体38の先端38aは、温熱具10(発熱部11)の上方に位置している。該先端38aと該温熱具10との間には、薬剤Wを保持し得る薬剤保持層13が配されている。より具体的には、偏平な形状を有する温熱具10における第1の面12a上に、供給路形成体38から供給される薬剤Wを保持し得る薬剤保持層13が配されており、該供給路形成体38の先端38aは、該薬剤保持層13の表面と接した状態で該薬剤保持層13の略中央部(発熱部11の略中央部)に位置している。供給路形成体38の先端38aには、薬剤Wを供給する供給口(開口)が形成されている。
【0065】
供給路形成体38の内部には、相対向する該供給路形成体38の内面どうしが易剥離可能に接合されている易剥離接合部39が形成されている。ここで、「易剥離可能に接合されている」については、上述した第5実施形態における説明が適用され、斯かる接合形態は、上述した易剥離性接着層を設けることで実現可能である。第6実施形態における易剥離接合部39は、供給路形成体38の基端部(他端部)、より具体的には、第1包装体20の長手方向に沿った一側縁20sと本体36における供給路形成体38が設けられている一側縁36sとの重なり部分及びその近傍に位置し、第2包装体30を構成する相対向する第1の面30aと第2の面30bとが易剥離可能に接合されて形成されている。易剥離接合部39によって未使用時に供給路37が閉塞されていると共に、第1包装体20の内部及び収容空間Sがそれぞれ気密になされている。この気密状態の第1包装体20の内部に温熱具10が密封され、同じく気密状態の収容空間S内に薬剤Wが封入されている。
【0066】
以上の構成を有する第6実施形態は、第1実施形態と同様に使用することができ、第1実施形態と同様の効果を奏する。第6実施形態においては、第2包装体30の本体36を押圧してこれを押し潰すと、図15に示すように、該押圧によって収容空間S内に生じる圧力で、易剥離接合部39において易剥離可能に接合されていた供給路形成体(供給ノズル)38の内面どうし(第1の面30aと第2の面30b)が剥離し、これにより未使用時に閉塞されていた供給路37が開通する。すると、本体36の収容空間Sに封入されていた薬剤Wが、供給路37を通って供給路形成体38の先端38aに到達し、該先端38aの供給口(開口)を介して第1包装体20の内部に侵入する。第1包装体20の内部に侵入した薬剤Wは、温熱具10の第1の面12a上に配された薬剤保持層13によって保持される。
【0067】
図16には、第7実施形態の温熱具の包装構造の平面図が示されている。図17は、図16におけるA−A線断面の模式図である。第7実施形態の包装構造1は、後述するいくつかの点を除き、第6実施形態と同様に構成されており、両実施形態の基本構造は略同じである。
【0068】
第7実施形態の包装構造1は、供給路形成体(供給ノズル)38が第2包装体30の一部となっておらず、供給路形成体38が第1包装体20及び第2包装体30とは別個独立した部材として包装構造1の内部に収容されている点で第6実施形態と異なる。第7実施形態における供給路形成体38は、包装構造1の内部において、隣接する第1包装体20と第2包装体30との間に配されており、その長手方向一端(薬剤Wの供給方向の先端)38aが第1包装体20内の温熱具10の上方に位置し、長手方向他端38bが第2包装体30内の収容空間S内に挿入されている。
【0069】
また第7実施形態の包装構造1は、第1包装体20と第2包装体30との間を接合する接合部を有しておらず、両包装体20,30が該接合部無しに一体化されてなる一の包装体70を備えている点でも第6実施形態と異なる。包装体70は、温熱具10と同様に、略偏平で平面視して矩形形状をしている。包装体70は、複数(本実施形態では2枚)の非通気性のシート材を貼り合わせて、温熱具10の収容空間及び薬剤Wの収容空間Sが形成されたものである。この温熱具10の収容空間が形成されている部位が、第1包装体(第1包装部)20であり、その他の部位、即ち薬剤Wの収容空間Sが形成されている部位が、第2包装体(第2包装部)30である。
【0070】
包装体70を構成する複数のシート材は、該包装体70の周縁部において熱融着や接着等の接合手段により互いに接合されている。包装体70の内部において、温熱具10の収容空間(第1包装体20)と薬剤Wの収容空間S(第2包装体30)とは、該包装体70を構成する相対向するシート材どうしを熱融着や接着等の接合手段によって接合してなる接合部71によって区分されている。接合部71は、平面視して直線状をしており、薬剤Wの供給方向(供給路形成体38の長手方向)と直交する方向に延びている。供給路形成体38は、接合部71において接合されている包装体70を構成する相対向するシート材間に挟まれ、各該シート材と接合されている。包装体70を構成するシート材としては、上述した第1実施形態における第1包装体20を構成する非通気性のシート材と同様のものを用いることができる。
【0071】
以上の構成を有する第7実施形態は、第6実施形態と同様に使用することができ、第6実施形態と同様の効果を奏する。第7実施形態においては、包装体70の一部である第2包装体(第2包装部)30を押圧してこれを押し潰すと、該押圧によって収容空間S内に生じる圧力で、易剥離接合部39において易剥離可能に接合されていた供給路形成体(供給ノズル)38の内面どうしが剥離し、これにより未使用時に閉塞されていた供給路37が開通し、収容空間S内に封入されていた薬剤Wが、該供給路37を通って第1包装体(第1包装部)20の内部に供給される。こうして供給された薬剤Wは薬剤保持層13によって保持される。
【0072】
図18には、第8実施形態の温熱具の包装構造の図2相当図(温熱具の長手方向に沿った断面の模式図)が示されている。第8実施形態の包装構造1は、空気中の酸素と反応して発熱する温熱具10と、流動性を有する薬剤Wが封入されている薬剤包装体50と、該温熱具10及び該薬剤包装体50が一体化された状態で収容されている非通気性の包装袋60とを備え、使用時に薬剤包装体50を開封することにより、薬剤Wが温熱具10に供給されるようになされている。また、温熱具10における薬剤Wが供給される面(第1の面12a)上には、薬剤Wを保持し得る薬剤保持層13が配されている。
【0073】
薬剤包装体50は、薬剤Wを封入可能な封入具51と、該封入具51に連接され、該封入具51を温熱具10に分離可能に固定する固定手段52とを備えている。封入具51は、固定手段52に連接されている点を除き、上述した第1実施形態における第2包装体30と略同様に構成されている。即ち封入具51は、薬剤Wの収容空間Sを有する収容具32と、該収容具32の開口部をシールするシール材31とを備え、該収容具32の内部には、該シール材31を物理的に破壊可能な開封部材として、収容具32と一体化された先鋭な凸部33が収容されている。
【0074】
薬剤包装体50を構成する固定手段52は、図18に示すように、所定の間隔を置いて対向配置された一対の固定具55,56と、該一対の固定具55,56どうしを連結する連結具57とを備え、該一対の固定具55,56間で温熱具10を把持できるようになされている。一対の固定具55,56のうちの一方の固定具55に、封入具51が配されている。固定具55,56及び連結具57は、何れも平面視して矩形形状をしており、平板状の部材からなる。固定具55は、封入具51を構成する収容具32の開口周辺部に連接されており、封入具51の支持体としての役割を果たすと共に、温熱具10を構成する収容体12における第1の面12a側から該温熱具10を押さえる役割を果たす。一方、固定具56は、収容体12における第2の面12b側から温熱具10を押さえる役割を果たす。
【0075】
一対の固定具55,56は、該固定具55の一端部55aと該固定具56の一端部56aとを一致させて上下に対向配置されており、これら一端部55a,56aそれぞれに連結具57が連接されている。連結具57は、両固定具55,56それぞれに対して略直交するように配されている。このように構成部材が配されてなる固定手段52は、図18に示すように側面視してコ字状をなしている。
【0076】
固定具56における、連結具57が連接されている一端部56aと反対側の他端部56bは、固定具55と反対側に屈曲されており、これにより摘み部58が形成されている。摘み部58は、一対の固定具55,56間に温熱具10をセットするとき、あるいは一対の固定具55,56間にセットされている温熱具10を取り出すときに利用され、摘み部58を把持してこれらの作業を行うことで、作業性が一層向上する。
【0077】
固定手段52を構成する固定具55,56及び連結具57は、収容具32と同様に、プラスチック等の成型可能な可撓性材料からなる。固定手段52が可撓性を有していると、該固定手段52による温熱具10の把持性能が一層高まって温熱具10をより安定して把持することが可能となり、また温熱具10のセット時あるいは取り出し時に加えられる外力によって固定手段52が破壊されるおそれが少なくなる。
【0078】
図18に示すように、温熱具10と薬剤包装体50とは、固定手段52によって分離可能に一体化された一体化物の形態で非通気性の包装袋60内に収容されている。斯かる一体化物は、固定手段52を構成する一対の固定具55,56間の間隙に温熱具10を挿入することにより作製される。斯かる一体化物において、薬剤包装体50は、通常、薬剤Wが封入されている封入具51が、温熱具10に固定されている薬剤保持層13の略中央部(温熱具10を構成する発熱部11の略中央部)に位置するように配される。温熱具10あるいは薬剤保持層13と薬剤包装体50との位置関係をこのように調整することで、薬剤Wを供給対象物により均一に付与させることが容易になる。
【0079】
包装袋60は、温熱具10と同様に、略偏平で平面視して長方形形状をしている。包装袋60は、複数(本実施形態では2枚)の非通気性のシート材を貼り合わせて、温熱具10と薬剤包装体50との一体化物が収容される空間が形成されたものである。包装袋60を構成する複数のシート材は、該包装袋60の周縁部において熱融着や接着等の接合手段により互いに接合されている。包装袋60を構成するシート材としては、上述した第1実施形態における第1包装体20を構成する非通気性のシート材と同様のものを用いることができる。
【0080】
以上の構成を有する第8実施形態は、次のようにして使用される。先ず、図18に示す未使用状態において、包装袋60を開封し、温熱具10と薬剤包装体50との一体化物を取り出す。この包装袋60の開封によって、温熱具10中の被酸化性金属が空気(酸素)と接触して発熱が起こる。次に、前記一体化物における収容具32の頂部を指で押圧して、該収容具32を図19に示すように押し潰し、収容具32内の凸部33の先端部33aでシール材31を突き破る。これにより、封入具51内に封入されていた薬剤Wが温熱具10に供給される。第8実施形態においては、封入具51と温熱具10との間に薬剤保持層13が配されているので、封入具51から流れ出した薬剤Wは該薬剤保持層13に保持される。
【0081】
収容具32を押圧後、収容空間Sが空になったところで、図20に示すように温熱具10と薬剤包装体50とを分離する。そして、薬剤Wが保持された薬剤保持層13を使用者の肌に当接させて、温熱具10を身体に固定する。温熱具10の身体への固定は、第1実施形態のように温熱具の肌当接面に配された粘着剤層を用いても良く、あるいは包帯、ベルト、サポーター、テーピング等の公知の固定手段を用いても良い。この状態下に温熱具10から付与される熱が薬剤保持層13に伝わって、該薬剤保持層13に含まれている有効成分が使用者の皮膚に浸透しやすくなる。このように、第8実施形態によれば第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0082】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。前述した一の実施形態のみが有する部分は、適宜相互に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態の温熱具の包装構造の平面図である。
【図2】図2は、図1のX−X線断面を模式的に示した断面図である。
【図3】図3は、図1に示す包装構造の使用状態を示す図2相当図であり、第2包装体が開封された状態を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、図1に示す包装構造の使用状態を示す図2相当図であり、第1包装体が開封されて温熱具が取り出される状態を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態の温熱具の包装構造の図2相当図である。
【図6】図6は、図5に示す包装構造の使用状態を示す図3相当図である。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態の温熱具の包装構造の図2相当図である。
【図8】図8は、図7に示す包装構造の使用状態を示す図3相当図である。
【図9】図9は、本発明の第4実施形態の温熱具の包装構造の図2相当図である。
【図10】図10は、本発明の第5実施形態の温熱具の包装構造の平面図である。
【図11】図11は、図10のX−X線断面を模式的に示した断面図である。
【図12】図12は、図10に示す包装構造の使用状態を示す図11相当図であり、第2包装体が開封された状態を模式的に示す断面図である。
【図13】図13は、本発明の第6実施形態の温熱具の包装構造の平面図である。
【図14】図14は、図13のA−A線断面を模式的に示した断面図である。
【図15】図15は、図13に示す包装構造の使用状態を示す図14相当図であり、第2包装体が開封された状態を模式的に示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の第7実施形態の温熱具の包装構造の平面図である。
【図17】図17は、図16のA−A線断面を模式的に示した断面図である。
【図18】図18は、本発明の第8実施形態の温熱具の包装構造の図2相当図(温熱具の長手方向に沿った断面の模式図)である。
【図19】図19は、図18に示す包装構造の使用状態を示す図18相当図であり、包装袋が取り除かれ薬剤包装体が開封された状態を模式的に示す断面図である。
【図20】図20は、図18に示す包装構造の使用状態を示す図18相当図であり、薬剤包装体が温熱具から分離される状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 温熱具の包装構造
10 温熱具
13 薬剤保持層
20 第1包装体(第1包装部)
21 供給口
30 第2包装体(第2包装部)
31 シール材
32 収容具
33,34 凸部(開封部材)
35 開封部材
36 本体
37 薬剤の供給路
38 供給路形成体(供給ノズル)
38a 供給路形成体の先端(薬剤の供給方向の一端)
39 易剥離接合部
40 突出部
41 薬剤の供給路
50 薬剤包装体
51 封入具
52 固定手段
55,56 固定具
57 連結具
60 包装袋
70 包装体
S 薬剤の収容空間
W 薬剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の酸素と反応して発熱する温熱具が収容されている非通気性の第1包装体と、流動性を有する薬剤が封入され、該第1包装体の外面に接合されている第2包装体とを備え、使用時に該第2包装体を開封することにより、該薬剤が該第1包装体の内部に供給されるようになされている温熱具の包装構造であって、
前記第1包装体に、前記薬剤を該第1包装体の内部に供給するための供給口が形成されており、該供給口及びその周辺部が前記第2包装体で破壊可能に被覆されて、未使用時に該第1包装体の内部が気密になされている温熱具の包装構造。
【請求項2】
前記第2包装体が、前記第1包装体の外面に接合され且つ前記供給口及びその周辺部を被覆するシール材と、該シール材上に配され且つ前記薬剤の収容空間を有する収容具とを備え、該収容空間と該第1包装体の内部とが、該シール材によって分け隔てられており、
前記収容具の内部に、前記シール材を物理的に破壊可能な開封部材が収容されており、
前記開封部材が、前記収容具と一体化された凸部であり、該凸部が、該収容具の内面から前記シール材に向かって突出しており、
使用時に前記収容具を介して前記開封部材を押圧することにより、前記シール材が破壊されて前記第2包装体が開封されるようになされている請求項1記載の温熱具の包装構造。
【請求項3】
前記第2包装体が、前記第1包装体の外面に接合され且つ前記供給口及びその周辺部を被覆するシール材と、該シール材上に配され且つ前記薬剤の収容空間を有する収容具とを備え、該収容空間と該第1包装体の内部とが、該シール材によって分け隔てられており、
前記収容具の内部に、前記シール材を物理的に破壊可能な開封部材が収容されており、
前記開封部材が、前記シール材と一体化された凸部であり、該凸部が、該シール材における前記収容空間側の面から前記収容具の内面に向かって突出しており、
使用時に前記収容具を介して前記開封部材を押圧することにより、前記シール材が破壊されて前記第2包装体が開封されるようになされている請求項1記載の温熱具の包装構造。
【請求項4】
前記第2包装体が、前記第1包装体の外面に接合され且つ前記供給口及びその周辺部を被覆するシール材と、該シール材上に配され且つ前記薬剤の収容空間を有する収容具とを備え、該収容空間と該第1包装体の内部とが、該シール材によって分け隔てられており、
前記収容具の内部に、前記シール材を物理的に破壊可能な開封部材が前記薬剤と共に封入されており、
前記開封部材が、前記収容具及び前記シール材とは一体化されておらず且つ凸部を有しており、
使用時に前記収容具を介して前記開封部材を押圧することにより、前記シール材が破壊されて前記第2包装体が開封されるようになされている請求項1記載の温熱具の包装構造。
【請求項5】
空気中の酸素と反応して発熱する温熱具が収容されている非通気性の第1包装体と、流動性を有する薬剤が収容され、該第1包装体の外面に接合されている第2包装体とを備え、使用時に該第2包装体を押圧することにより、該薬剤が該第1包装体の内部に供給されるようになされている温熱具の包装構造であって、
前記第1包装体に、前記薬剤を該第1包装体の内部に供給するための供給口が形成されており、該供給口及びその周辺部が前記第2包装体で被覆されて、未使用時に該第1包装体の内部が気密になされており、
前記第2包装体が、前記第1包装体の外面に接合され且つ前記供給口及びその周辺部を被覆するシール材を備え、
前記シール材が、該シール材における前記供給口を被覆していない部位の一部が前記第1包装体の外方に向けて突出してなる、中空の突出部を有しており、該突出部の内部に前記薬剤の収容空間が存しており、
前記シール材における前記突出部から前記供給口に亘る領域の一部が、前記第1包装体の外面に対して易剥離可能に接合されており、
使用時に前記突出部を押圧することにより、該押圧によって前記収容空間内に生じる圧力で、前記シール材における前記領域の一部が前記第1包装体の外面から剥離し、この剥離したシール材と該外面との間に、前記収容空間と前記供給口とを結ぶ前記薬剤の供給路が形成されるようになされている温熱具の包装構造。
【請求項6】
前記温熱具における前記供給口との対向面上に、該供給口から供給される薬剤を保持し得る薬剤保持層が配されている請求項1〜5の何れかに記載の温熱具の包装構造。
【請求項7】
空気中の酸素と反応して発熱する温熱具が収容されている非通気性の第1包装体と、流動性を有する薬剤が封入されている収容空間を有し、該第1包装体に連接されている第2包装体とを備え、使用時に該第2包装体を押圧することにより、該薬剤が該第1包装体の内部に供給されるようになされている温熱具の包装構造であって、
前記第1包装体の内部と前記収容空間とを結ぶ前記薬剤の供給路を形成している供給路形成体を備え、
前記供給路形成体の内部に、相対向する該供給路形成体の内面どうしが易剥離可能に接合されている易剥離接合部が形成されており、該易剥離接合部によって未使用時に前記供給路が閉塞されていると共に、前記第1包装体の内部及び前記収容空間がそれぞれ気密になされており、
使用時に前第2包装体を押圧することにより、該押圧によって前記収容空間内に生じる圧力で、前記易剥離接合部において易剥離可能に接合されている前記供給路形成体の内面どうしが剥離し、前記供給路が開通するようになされている温熱具の包装構造。
【請求項8】
前記供給路形成体における前記薬剤の供給方向の一端が、平面視して前記温熱具と重なっており、該一端と該温熱具との間に、前記薬剤を保持し得る薬剤保持層が配されている請求項7記載の温熱具の包装構造。
【請求項9】
空気中の酸素と反応して発熱する温熱具と、流動性を有する薬剤が封入されている薬剤包装体と、該温熱具及び該薬剤包装体が一体化された状態で収容されている非通気性の包装袋とを備え、使用時に該薬剤包装体を開封することにより、該薬剤が該温熱具に供給されるようになされている温熱具の包装構造であって、
前記薬剤包装体が、前記薬剤を封入可能な封入具と、該封入具に連接され、該封入具を前記温熱具に分離可能に固定する固定手段とを備えている温熱具の包装構造。
【請求項10】
前記固定手段が、所定の間隔を置いて対向配置された一対の固定具と、該一対の固定具どうしを連結する連結具とを備え、該一対の固定具間で前記温熱具を把持できるようになされており、
前記一対の固定具のうちの一方に、前記封入具が配されている請求項9記載の温熱具の包装構造。
【請求項11】
前記温熱具における前記薬剤が供給される面上に、該薬剤を保持し得る薬剤保持層が配されている請求項9又は10記載の温熱具の包装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−291319(P2009−291319A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146134(P2008−146134)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】