説明

溝部を有する金型の製法及びハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法。

【課題】精度良く、短時間に成形金型を作製する。
【解決手段】ハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法であって、
所定の形状に加工された成形金型基体10の一方の面10bから所定の孔径の成形材料導入孔11を形成し、次にレーザ加工により成形金型基体10の他方の面10aから成形材料導入孔11の軸芯を通る所定の概形成形溝部13を形成し、次に概形成形溝部13を放電加工により成形材料導入孔11の径より小さい溝幅Mを有し一部が成形材料導入孔11と連通する所望の整形成形溝部16に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溝部を有する金型の製法及びハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法に関するもので、特に六角形の成形溝部を有する成形金型の製法に好適である。
【背景技術】
【0002】
例えば六角形の成形溝部を有するハニカム構造体成形用金型を加工する場合、成形溝部がその全長に亘って一直線状態でなく途中で屈曲しているため、円盤状砥石では成形溝部の全長をハニカム状に加工することができない。
【0003】
そのため成形溝部を下記特許文献1に記載されているようにレーザ加工あるいは放電加工を用いて形成している。
【0004】
しかしながら、一方のレーザ加工は加工時間が短いという利点があるものの、レーザ光線がパルス的に放射されるため加工表面の精度が上げられない(面粗度が粗い)と言う難点がある。また、レーザ加工はエネルギーを加工部位に集中させるためにレーザ光線をレンズで集光させており、レーザ光線の先端は尖った光線束を放射しているため加工部位の底部はV字状となり外力が加わると応力集中が発生する。取り分けハニカム構造体成形用金型においては成形材料に大きな押出し力を与えて成形溝部内を通すため、成形溝部の加工面には精度よく且つ平滑面が要求され、また、成形溝部の底部では応力集中により作用すると大きな応力が発生するためハニカム構造体成形用金型の寿命が短くなるという難点がある。
【0005】
他方の放電加工は溝部の加工精度が高く且つ加工面が平滑に加工できるものの、加工時間がかかるという難点がある。
【特許文献1】特開2002−301581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、金型の溝部の加工段階をそれぞれの利点を持つレーザ加工と放電加工で分担することにより、溝部を精度良く且つ短時間で加工することができる溝部を有する金型の製法及び成形溝部を精度良く且つ短時間で加工することができるハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明では、溝部を有する金型の製法であって、
所定の形状に加工された金型基体にレーザ加工により所定の概形溝部を形成し、次に前記概形溝部を放電加工により所望の整形溝部に形成する。
【0008】
上記構成によれば、平坦な金型基体から加工部分の多い概形溝部を加工時間の速いレーザ加工で行い、平滑な加工精度が要求される完成状態の整形溝部を加工精度の良い放電加工で行っているから、溝部を精度良く且つ短時間に加工して金型を作製することができる。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記レーザ加工による概形溝部を前記整形溝部の形成状態に対して少なくとも70%以上の加工を施している。
【0010】
上記構成によれば、加工時間が速いレーザ加工で溝部の大部分の加工を行っているから、溝部の加工精度を維持して短時間に金型を作製できる。
【0011】
請求項3に係る発明では、前記レーザ加工による概形溝部を前記整形溝部の形成状態に対して90%以上の加工を施している。
【0012】
上記構成によれば、加工時間が速いレーザ加工で溝部のほとんどの部分の加工を行っているから、溝部の加工精度を維持して大幅に金型の作製時間を短縮することができる。
【0013】
請求項4に係る発明では、ハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法であって、
所定の形状に加工された成形金型基体の一方の面部から所定の孔径の成形材料導入孔を形成し、次にレーザ加工により前記成形金型基体の他方の面部から前記成形材料導入孔の軸心を通る所定の概形成形溝部を形成し、次に前記概形成形溝部を放電加工により所望の整形成形溝部に形成する。
【0014】
上記構成によれば、平坦な成形金型基体から加工部分の多い概形溝部をレーザ加工で行い、平滑な加工精度が要求される完成状態の整形溝部を放電加工で行っているから、成形溝部を精度良く且つ短時間に成形金型を作製することができる。また、成形材料導入孔の形成をレーザ加工による前記成形材料導入孔の形成の前に行っているから、前記成形材料導入孔の加工を前記概形成形溝部の加工の後に行う場合は芯ズレで加工ドリルの先端が曲がって正規な加工できないが、レーザ加工時の前記成形材料導入孔との芯ズレが発生せず、従って成形材料導入孔と概形成形溝部との芯位置関係を正規な状態に加工をすることができる。
【0015】
請求項5に係る発明では、前記レーザ加工による概形成形溝部は前記整形成形溝部の形成状態に対して少なくとも70%以上の加工が施されている。
【0016】
上記構成によれば、加工時間が速いレーザ加工で成形溝部の大部分の加工を行っているから、成形溝部の加工精度を維持して極めて短時間に成形金型を作製できる。
【0017】
請求項6に係る発明では、前記レーザ加工による概形成形溝部を前記整形成形溝部の形成状態に対して90%以上の加工を施している。
【0018】
上記構成によれば、加工時間が速いレーザ加工で成形溝部のほとんどの部分の加工を行っているから、成形溝部の加工精度を維持して大幅に金型の作製時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明を図に基づき詳述する。まず図1〜図6により溝部を有する金型の製法を説明する。
【0020】
まず、図1に示すように型鋼材から所定の機械加工により金型基体1を作製する。
【0021】
次に図2に示すようにレーザ光線2によるレーザ加工を行い、概形溝部3を形成する。レーザ光線2は集光レンズ4により集光され光線エネルギーが集積されて金型基体1の面部1aから徐々に溝部が形成され、所定の深さ、開口幅wの概形溝部3が形成される。なお、概形溝部3とは本発明の説明においては、後述する完成状態の整形溝部6の下加工(荒加工)のための溝部を意味する。
【0022】
レーザ光線2は集光レンズ4により集光されるため、レーザ光線2は細長い円錐状になり、その先端のエネルギー集中部分で金型基体1を溶かし概形溝部3が形成される。
【0023】
レーザ加工においては、レーザ光線2の外周にウォータジェットが施され、レーサ光線2の飛散防止、加工屑、金型基体1の冷却を行っている。また、レーザ光線2を加工すべき概形溝部3の長さ方向(図面と直交方向)と深さ方向に何回も移動(送り操作)させて図3に示すような所定形状の概形溝部3を形成する。また、レーザ加工においては、概形溝部3の形成度合いは、後述する完成溝部である整形溝部6の形成状態(整形溝部6の容積)に対して少なくとも70%以上の加工を施こすことにより加工時間の短縮を行うことができる。そして望ましくは90%以上の加工を施こせば、より一層の大幅な加工時間の短縮を行うことができる。
【0024】
また、レーザ加工はレーザ光線2がパルス状に放射されるため、加工表面の面粗度は粗く充分な面粗度は得られないが、加工時間が速く金型の全加工時間の短縮に大きく寄与する。従って、上述したように加工すべき概形溝部3の部分の割合が金型の加工に大きく占めるように設定することが望ましい。
【0025】
次に図4に示すように、概形溝部3の開口幅wより幅tの小さい所定形状に形成された放電電極5を概形溝部3の開口3a付近に設置して放電加工を行い、図5に示すように所望の溝深さh、溝幅mを有する整形溝部6を形成し、その後研磨材で金型基体1の面部1a等のバリ取りを行って図6に示すように金型Aを完成させる。ここで整形溝部6とは完成状態の溝部を意味する。
【0026】
放電加工においては、放電電極5の幅tを概形溝部3の開口幅wより小さく設定して放電開始時の放電ギャップを与えて放電加工を始める。放電加工が進行するに連れ概形溝部3の内肉部が除去され放電ギャップも大きくなり、所定の概形溝部3(金型基体1)の肉部が放電除去されて所望の所望の溝深さh、溝幅mを有する整形溝部6が形成される。
【0027】
また、放電加工においては、所定形状に形成された放電電極5を加工すべき整形溝部6の深さ方向(h方向)に何回も移動(送り操作)させて図6に示すような所望形状の整形溝部6を形成する。整形溝部6の全体形成にあたっては、整形溝部6の一部を上記加工操作で行って形成し、次に放電電極5あるいは金型基体1を移動させ上記加工操作を行い、これらの操作を繰り返し整形溝部6の全体を形成する。
【0028】
この場合、整形溝部6の溝幅mが概形溝部3の開口幅wより大きく加工されるように放電ギャップ等の放電加工の加工条件を設定することが肝要である。整形溝部6の溝幅mが概形溝部3の開口幅wより大きく加工されれば概形溝部3の面粗度の粗い表面が完全に除去されるため、整形溝部6の表面は放電加工による良好な面粗度を有し、面粗度の良好な表面の溝部(整形溝部6)を有する金型Aを作製することができる。
【0029】
放電加工は上述のレーザ加工に比べて加工時間を要するものの、加工精度においてレーザ加工より優れており、溝部の仕上を精度良く行うことができる。
【0030】
以上本発明溝部を有する金型の製法においては、金型基体から加工部分の多い概形溝部を加工時間の速いレーザ加工で行い、平滑な加工精度が要求される完成状態の整形溝部を加工精度の良い放電加工で行っているから、溝部を精度良く且つ短時間に金型を作製することができる。なお、溝部を有する金型において、溝部とは上述した溝幅と溝長さを有する整形溝部6に限定されず、円筒状の孔でもよい。
【0031】
次に図7〜図14に基づき本発明になるハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法について説明する。本発明製法における成形金型は六角形のハニカム形状であり、加工すべき各部の寸法は完成状態を示す図13、14にように、整形成形溝部16の溝幅Lは90μm、溝深さHは2.5mm、溝長さKは6.9mm、成形材料導入孔11の径Dは0.8mmである。なお、図7〜図12は図13、14において六角形ハニカムの一角の成形材料導入孔11部位の加工順序を示す。
【0032】
まず、図7に示すようにSKD等の型鋼材から所定の機械加工により成形金型基体10を作製する。成形金型基体10を作製するにあたって、その上面部10aと下面部10bは平行面になるように加工されている。
【0033】
次に図8に示すように、ドリル機械加工により成形金型基体10の下面部(一方の面部)10bから垂直に所望の数の成形材料導入孔11を形成する。孔径Dは0.8mmで先端はテーパ状に形成されている。
【0034】
次の図9に示すように、成形金型基体10の上面部(他方の面部)10aから垂直に成形材料導入孔11の軸芯と一致させ且つ軸芯を通る概形成形溝部13をレーザ光線12によるレーザ加工により形成する。なお、概形成形溝部13とは本発明の説明においては、後述する完成状態の整形成形溝部16の下加工(荒加工)のための成形溝部を意味する。
【0035】
レーザ光線12は集光レンズにより集光された光線エネルギーが集積され、レーザ光線12を所定のパターン(例えばハニカム六角形状の連続する二辺に沿ってジグザグ状の経路)に従って図面と直交する方向(図13においては図面に沿う方向で一点鎖線矢印Yで示す)と深さ方向に繰り返し移動させて徐々に成形溝部を加工し、所定の深さ、開口幅Wの概形成形溝部13が形成される。なお、レーザ光線12の移動方向については、一点鎖線矢印Yで示す方向は一例であって、これに制限されるものではなく、種々の経路が選択される。
【0036】
レーザ光線12は集光レンズ14により集光されるため、レーザ光線12は細長い円錐状になりその先端のエネルギー集中部分で成形金型基体10を溶かし概形成形溝部13が形成される。
【0037】
レーザ加工においては、レーザ光線12の外周にウォータジェットが施され、レーサ光線12の飛散防止、加工屑、成形金型基体10の冷却を行っている。また、レーザ光線12を加工すべき概形成形溝部13の長さ方向(図面と直交方向)と深さ方向に何回も移動(送り操作)させて図10に示すような所定形状の概形溝部13を形成する。また、レーザ加工においては、概形溝部13の形成度合いは、後述する完成溝部である整形成形溝部16の形成状態(整形成形溝部16の容積)に対して少なくとも70%以上の加工を施こすことにより加工時間の短縮を行うことができる。そして望ましくは90%以上の加工を施こせば、より一層の大幅な加工時間の短縮を行うことができる。
【0038】
また、レーザ加工はレーザ光線12がパルス状に放射されるため、加工表面の面粗度は粗く充分な面粗度は得られないが、加工時間が速く金型の全加工時間の短縮に大きく寄与する。従って、上述したように加工すべき概形成形溝部13の部分の割合が成形金型の加工に大きく占めるように設定することが望ましい。
【0039】
なお、上記のレーザ加工は、出力は900〜2000W、パルス時間は0.08〜0.20msec(ミリセカンド)、周波数は150〜1000Hz、送り速度は1〜15mm/sec、ウォータジェット水圧は100〜300barの条件で行った。この加工条件は一例であり、必要に応じて条件範囲を設定してもよい。
【0040】
次に図11に示すように、概形成形溝部13の開口幅Wより幅tの小さい所定形状に形成された放電電極15を概形成形溝部13の開口13a付近に設置して放電加工を行い、図12に示すように所望の溝深H、溝幅M、溝長さKを有する六角形状の整形成形溝部16を形成し、その後研磨材で成形金型基体10の上面部1a、下面部1b等のバリ取りを行って図13、14に示すように成形金型Bを完成させる。なお、整形成形溝部16とは完成した成形溝部を意味する。
【0041】
放電加工においては、放電電極15の幅tを概形成形溝部13の開口幅Wより小さく設定して放電開始時の放電ギャップを与えて放電加工を始める。放電加工が進行するに連れ概形成形溝部13の内肉部が除去され放電ギャップも大きくなり、所定の概形成形溝部13(成形金型基体10)の肉部が放電除去されて所望の所望の溝深さH、溝幅M、溝長さKを有する整形成形溝部16の一部が形成される。そして放電電極15を横に移動させ上記放電加工を繰り返し行い、六角形の整形成形溝部16を形成する。
【0042】
また、放電加工においては、図13に示すように所定形状(例えば複数の六角形を組み合わせた形状)に形成された放電電極15を加工すべき整形成形溝部16の深さ方向に何回も移動(送り操作)させて所定深さHの整形成形溝部16の一部を形成する。整形成形溝部16の全体形成にあたっては、上述したように整形成形溝部16の一部を上記加工操作で行って形成し、次に放電電極15あるいは成形金型基体10を移動させ上記加工操作を行い、これらの操作を繰り返し整形成形溝部16の全体を形成する。
【0043】
この場合、整形成形溝部16の溝幅Mが概形成形溝部13の開口幅Wより大きく加工されるように放電ギャップ等の放電加工の加工条件を設定することが肝要である。整形成形溝部16の溝幅Mが概形成形溝部13の開口幅Wより大きく加工されれば概形成形溝部13の面粗度の粗い表面が完全に除去されるため、整形成形溝部16の表面は放電加工による良好な面粗度を有し、面粗度の良好な表面の溝部(整形成形溝部16)を有する成形金型Bを作製することができる。
【0044】
放電加工は上述のレーザ加工に比べて加工時間を要するものの、加工精度においてレーザ加工より優れており、整形成形溝部の仕上加工に適しており整形成形溝部の表面の面粗度を精度よく仕上ることができる。
【0045】
また、本発明成形金型製法では、成形材料導入孔11の形成をレーザ加工による概形成形溝部13の形成の前に行っているから、成形材料導入孔11の加工を概形成形溝部13の加工の後に行う場合は芯ズレで加工ドリルの先端が曲がって正規な加工できないが、レーザ加工時の成形材料導入孔11との芯ズレが発生せず、従って成形材料導入孔11と概形成形溝部13との芯位置関係を正規な状態に加工することができる。また、本発明成形金型製法では、成形材料導入孔11の形成を最初に行っているから、レーザ加工におけるレーザ光線12の尖状先端により形成されるV字状部分を成形材料導入孔11の先端の空洞部分11aで生じないようにしているから、従って応力集中による大きな応力が発生するV字状部分が存在せず成形金型の寿命を延ばすこともできる。また、上記V字状部分は放電加工による整形成形溝部16の形成によっても確実に除去される。
【0046】
なお、上記の放電加工は、電極は銅材、電極の幅tは約65μm、出力は1〜9A、80〜280V、電圧NO−OFF(1:1)時間は2〜100μsec、放電ギャップは片側で0.01〜0.15mm、送り速度(放電時)は0.01mm/min、加工液使用の条件で行った。この加工条件は一例であり、必要に応じて条件範囲を設定してもよい。
【0047】
以上本発明ハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法においては、成形金型基体から加工部分の多い概形溝部を加工時間の速いレーザ加工で行い、平滑な加工精度が要求される完成状態の整形成形溝部を加工精度の良い放電加工で行っているから、整形成形溝部を精度良く且つ短時間に成形金型を作製することができる。また、成形材料導入孔の形成をレーザ加工による成形材料導入孔の形成の前に行っているから、成形材料導入孔の加工を概形成形溝部の加工の後に行う場合は芯ズレで加工ドリルの先端が曲がって正規な加工できないが、レーザ加工時の成形材料導入孔との芯ズレが発生せず、従って成形材料導入孔と概形成形溝部との芯位置関係を正規な状態に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明溝部を有する金型の製法の説明に供するのもで、金型基体1の断面図である。
【図2】金型基体1にレーザ加工を施している状態を示す断面図である。
【図3】金型基体1にレーザ加工により概形溝部3を形成した状態を示す断面図である。
【図4】金型基体1に形成した概形溝部3に放電加工を施している状態を示す断面図である。
【図5】放電加工が完了した状態を示す断面図である。
【図6】放電加工により整形溝部6が形成され完成した金型Aの断面図である。
【図7】本発明ハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法の説明に供するのもで、成形金型基体10の断面図である。
【図8】成形金型基体10に成形材料導入孔11を形成した状態を示す断面図である。
【図9】成形材料導入孔11が形成された成形金型基体10にレーザ加工を施している状態を示す断面図である。
【図10】成形金型基体10にレーザ加工により概形成形溝部13を形成した状態を示す断面図である。
【図11】成形金型基体10に形成した概形成形溝部13に放電加工を施している状態を示す断面図である。
【図12】放電加工により整形成形溝部16が形成された状態を示す断面図である。
【図13】ハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型Bの平面図である。
【図14】図13のX−X線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 金型基体
2 レーザ光線
3 概形溝部
4 集光レンズ
5 放電電極
6 整形溝部
A 金型
m 溝部(整形溝部)の溝幅
h 溝部(整形溝部)の溝深さ
w 概形溝部の開口幅
10 整形金型基体
10a 他方の面部(上面部)
10b 一方の面部(下面部)
11 成形材料導入孔
12 レーザ光線
13 概形成形溝部
14 集光レンズ
15 放電電極
16 整形成形溝部
B 整形金型
M 成形溝部(整形成形溝部)の溝幅
H 成形溝部(整形成形溝部)の溝深さ
W 概形成形溝部の開口幅
t 放電電極5、15の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝部を有する金型の製法であって、
所定の形状に加工された金型基体にレーザ加工により所定の概形溝部を形成し、
次に前記概形溝部を放電加工により所望の整形溝部に形成することを特徴とする溝部を有する金型の製法。
【請求項2】
前記レーザ加工による概形溝部は前記整形溝部の形成状態に対して少なくとも70%以上の加工が施されていることを特徴とする請求項1記載の溝部を有する金型の製法。
【請求項3】
前記レーザ加工による概形溝部は前記整形溝部の形成状態に対して90%以上の加工が施されていることを特徴とする請求項1記載の溝部を有する金型の製法。
【請求項4】
ハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法であって、
所定の形状に加工された成形金型基体の一方の面部から所定の孔径の成形材料導入孔を形成し、
次にレーザ加工により前記成形金型基体の他方の面部から前記成形材料導入孔の軸芯を通る所定の概形成形溝部を形成し、
次に前記概形成形溝部を放電加工により前記成形材料導入孔の径より小さい溝幅を有し一部が前記成形材料導入孔と連通する所望の整形成形溝部に形成することを特徴とするハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法。
【請求項5】
前記レーザ加工による概形成形溝部は前記整形成形溝部の形成状態に対して少なくとも70%以上の加工が施されていることを特徴とする請求項4記載のハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法。
【請求項6】
前記レーザ加工による概形成形溝部は前記整形成形溝部の形成状態に対して90%以上の加工が施されていることを特徴とする請求項4記載のハニカム構造体成形用の成形溝部を有する成形金型の製法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−12286(P2009−12286A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176462(P2007−176462)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】