説明

溶融炉への熱供給方法

【課題】灰を含有する燃料を使用して溶融生成物を作るために溶融炉に熱を供給する方法。
【解決手段】灰成分を有する燃料をスラグ燃焼器のスラグチャンバーに導入し、スラグチャンバー内で第1酸化剤混合物及び第2酸化剤混合物とともに少なくとも部分的に燃焼させる。灰成分をスラグチャンバー内の溶融スラグの層として回収する。スラグ燃焼器気体流出物をスラグ燃焼器のスラグチャンバーから溶融炉の燃焼空間に高温で送って、溶融生成物を作るための熱を供給する。溶融スラグをスラグ燃焼器のスラグチャンバーから抜き出す。溶融スラグは溶融炉に選択的に導入してもよく、溶融炉に導入しなくてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に言えば、溶融する物質及び溶融炉の分野に関し、より詳細には、溶融プロセスに熱を供給するため灰を含有する燃料を燃焼することにより溶融する物質に関する。
【背景技術】
【0002】
気体及び液体燃料は、溶融炉に熱を供給するために広く使用されている。気体又は液体燃料は、空気、酸素富化空気及び/又は工業用酸素であることができる酸化剤とともに溶融炉に導入され、溶融物及び/又は投入物を覆う燃焼炎を形成する。灰成分が溶融生成物へ欠陥を導入する可能性及び灰成分が炉の耐火材料の劣化を促進する可能性のため、固形の灰含有燃料を溶融炉で使用することは異例である。
【0003】
固形燃料を利用して溶融炉に熱を供給する従来技術では、低灰分燃料の使用、異なる加熱炉耐火材料の使用、固形燃料の燃焼前に灰分を除去するための固形燃料の改良、及び溶融室の外へ灰粒子を空気輸送するようにする炉の運転、が教示されてきた。
【0004】
ガラス溶融炉において腐食及び粒子排出を低減するためのコバヤシの米国特許出願第2006/0150677号明細書には、燃料中の灰がガラス溶融物中に混ざりガラスの品質に影響を与える危険性を低くするため、そしてまた灰の堆積による耐火材料の腐食の危険性を低くするため、低灰分の燃料が好ましいと記載されている。石炭及び石油コークスは、それぞれ5〜20重量%及び0.1〜1重量%の灰分を一般的に有する。従って、石油コークスは、コバヤシの方法の好ましい燃料である。
【0005】
ガラス溶融炉に微粉燃料を供給し燃焼する方法と装置、及びそれに使用するためのバーナーに関するOlin−Nunezらの米国特許第6789396号明細書には、発明の目的として、ガラス溶融炉へ微粉燃料を供給し燃焼する方法と装置を提供すると記載されているが、それでは、特にV25により生じる効果により、前記微粉燃料の燃焼により生じる侵食と研磨の影響を低減する目的で、ガラス溶融炉のチャンバーの建設に特殊な耐火材料を使用している。
【0006】
Stambaughらの米国特許第4055400号明細書、Nowakの米国特許第5312462号明細書、Salemらの米国特許第4741741号明細書には、石炭の灰分を低減する方法が開示されている。
【0007】
ガラスを溶融する方法に関するDaigaの米国特許第4006003号明細書には、石炭の燃焼から出る流動残留灰分の十分な速度を保つことにより、残留灰分を気体流中に浮遊したままにすることができ、それにより灰分を、溶融ガラス又はその表面によって支えられているバッチ成分のいずれにも接触せずに、ガラス溶融室からその適当な出口を通して空気輸送することができると記載されている。この方法では、ガラス表面の上方の気体流の速度を調整することにより、実質的に全ての残留灰分を、その下の溶融プールに接触することなく除去できる。
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第2006/0150677号明細書
【特許文献2】米国特許第6789396号明細書
【特許文献3】米国特許第4055400号明細書
【特許文献4】米国特許第5312462号明細書
【特許文献5】米国特許第4741741号明細書
【特許文献6】米国特許第4006003号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
灰により生じる許容できない欠陥を導入せずに、灰を含有する燃料を使用することが望ましいであろう。
【0010】
炉の耐火材料の許容できない劣化を起こさずに、灰を含有する燃料を使用することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、溶融生成物を作るために溶融炉に熱を供給するための方法に関する。この方法は、スラグ燃焼器のスラグチャンバーに灰成分及び可燃性成分を有する第1燃料を導入すること、スラグ燃焼器のスラグチャンバーに第1酸化剤混合物を導入し、この第1酸化剤混合物は10体積%から100体積%の、又は10体積%から20体積%の、又は20体積%から30体積%の酸素濃度を有すること、場合によりスラグ燃焼器のスラグチャンバーに第2燃料を導入すること、スラグ燃焼器のスラグチャンバーに第2酸化剤混合物を導入し、この第2酸化剤混合物は22体積%から100体積%の、又は60体積%から75体積%の、又は85体積%から100体積%の酸素濃度を有すること、第1燃料の可燃性成分の少なくとも一部及び場合により第2燃料の少なくとも一部をスラグ燃焼器のスラグチャンバー中で燃焼させ、それにより分離した灰成分を生成させるとともにスラグ燃焼器気体流出物を生成させること、分離した灰成分の少なくとも一部をスラグチャンバーの内表面の少なくとも一部と接触した溶融スラグの層として回収すること、スラグ燃焼器気体流出物の少なくとも一部を、スラグ燃焼器のスラグチャンバーから溶融炉の燃焼空間へ1000℃から2500℃の温度で送って、溶融生成物を生成するための熱を供給すること、及びスラグ燃焼器のスラグチャンバーから溶融スラグを抜き出すこと、を含む。
【0012】
スラグ燃焼器気体流出物は、少なくとも1種の未燃焼可燃性気体を含むことがある。本発明の方法は更に、溶融炉の燃焼空間に第3酸化剤混合物を導入し、この第3酸化剤混合物は20体積%から100体積%の、又は60体積%から75体積%の、又は85体積%から100体積%の酸素濃度を有すること、及びスラグ燃焼器気体流出物からの少なくとも1種の未燃焼可燃性気体の少なくとも一部を、第3酸化剤混合物の少なくとも一部とともに溶融炉の燃焼空間中で燃焼させること含んでもよい。第3酸化剤混合物は、スラグ燃焼器気体流出物と溶融物/原料スペースの間に導入することができる。
【0013】
第1酸化剤混合物は、10体積%から20体積%の酸素濃度を有することができ、第1酸化剤混合物は溶融炉からの燃焼排ガスを含有することができる。
【0014】
第2燃料は、スラグ燃焼器気体流出物の少なくとも一部を含有することができる。
【0015】
本発明の方法は更に、溶融スラグを溶融炉に導入することを含んでもよい。
【0016】
溶融炉は、溶融帯域と清澄帯域を有するガラス溶融炉であることができる。本発明の方法は更に、溶融帯域に溶融スラグを導入し、清澄帯域には溶融スラグを導入しないことを含んでもよい。
【0017】
本発明の方法は更に、スラグチャンバーにスラグ添加剤を導入することを含んでもよい。スラグ添加剤は、ガラスカレット、ガラス製造原料、及び他のプロセスからの灰分のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、溶融生成物を作るために溶融炉に熱を供給する方法に関する。この方法は、以下の特徴のうちの1又は2以上を、単独で、又は技術的に可能な組み合わせでもって、含むことができる。この方法を実施するための代表的な装置1の概略図を図1に示す。この装置は、溶融炉10及びスラグ燃焼器14を含む。
【0019】
簡潔及び明快にする目的で、不要な詳細で本発明の説明を分かりにくくしないように、公知の装置及び方法の詳細な説明は省略する。
【0020】
溶融炉は、熱を発生して固体材料から液化材料を製造するどのような閉鎖構造でもよい。運転時には、溶融炉は一般に、溶融材料及び未溶融材料を含む溶融物/原料スペース18の上に位置する燃焼空間16を有する。燃焼空間は、溶融材料及び未溶融材料を含むスペースの上の大部分気体の領域であり、炉の壁及び天井と境を接している。例えば高温の非可燃性気体が炉に導入されて材料を溶融する場合又は無炎燃焼技術が利用される場合を除き、燃焼空間には目に見える燃焼炎が一般的に存在する。ガラス溶融炉、銅溶融炉及びアルミニウム溶融炉が、溶融炉の例である。溶融炉は公知である。建設材料及び建設の方法は公知である。
【0021】
溶融生成物は、熱により融解又は液化した生成物である。溶融ガラス、溶融銅及び溶融アルミニウムが、溶融生成物の例である。溶融生成物を作る方法には、熱を供給することに加え、溶融生成物製造材料を溶融炉に導入することが含まれる。
【0022】
熱を供給する方法は、スラグ燃焼器14のスラグチャンバー12へ第1燃料20を導入することを含む。第1燃料は、灰成分及び可燃性成分を有する。第1燃料は、スラグチャンバーに直接導入してもよく、二次バーナーコンジット経由で間接的に導入してもよい。第1燃料は、典型的には空気であるキャリアガスとともに導入してもよい。第1燃料は、例えばkg/秒という単位又は他の適当な測定単位を持つ、第1燃料流量F1で導入される。第1燃料は、例えば、J/kgの単位又は他の適当な測定単位を有する、第1燃料総発熱量H1を有する。
【0023】
燃料は、焼却又は燃焼により熱又は動力を生み出すのに使用される炭素含有物質である。石炭、石油コークス(ペトコークス)、バイオ燃料、燃料油、ディーゼル、ガソリン、灯油、プロパン、メタン及び天然ガスが、燃料の例である。
【0024】
第1燃料は、灰成分及び可燃性成分を有するどのような燃料でもよい。例えば、第1燃料は、石炭でも、石油コークスでも、バイオ燃料でも、あるいはこれらの混合物でもよい。
【0025】
灰成分は、可燃性物質が化学的手段により完全に燃焼又は酸化される時に残留物として残される不燃性無機質として定義される。灰は、多くの場合ケイ素、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム及びバナジウムの酸化物を含んでなる、母体である燃料に存在する無機の不燃性物質を含む。
【0026】
可燃性成分は、酸素と化学的に発熱反応することができる任意の物質である。
【0027】
スラグ燃焼器は、灰成分を有する燃料の少なくとも一部を酸化剤とともに燃焼させる装置であって、燃料及び/又は酸化剤を導入するための少なくとも1つのコンジット、少なくとも1つのスラグチャンバー、及びスラグ燃焼器気体流出物を排出するための少なくとも1つの排気口を有する。溶融スラグは、この少なくとも1つの排気口から、又は1以上の他の溶融スラグ排出口又は排出タップを通して排出できる。
【0028】
スラグチャンバーは、灰成分を有する少なくとも1種の燃料を受け取るため及び少なくとも1種の酸化剤混合物を受け取るために溶融スラグと適合する材料で建設され、灰成分の少なくとも一部を溶融スラグの層として回収するチャンバー又はコンジットとして定義される。灰成分を有する燃料及び酸化剤をスラグチャンバーに導入し、少なくとも部分的に燃焼させることができる。燃料に含まれる灰は、灰の融点を超える温度に加熱して、それにより灰を固体から液体又は溶融相に変えることができる。溶融灰(スラグ)を燃料燃焼の気体生成物から物理的に分離して、スラグの溶融層として回収することができる。スラグチャンバー内での気体生成物からの溶融灰の分離は、遠心力、慣性力、重力、静電力、磁力、その他の好適な力又はそれらの組み合わせにより行うことができる。
【0029】
遠心力によるスラグチャンバーは円柱状の「容器」でよく、そこに灰成分を有する燃料を、スラグ層が形成されるチャンバーの壁への灰粒子の加速を引き起こす接線方向のかなりな運動量で導入する。溶融スラグは、排出及び廃棄のため、スラグタップへ重力により流れることができる。
【0030】
慣性力及び/又は重力によるスラグチャンバーは、「U」字型コンジットを含んでよい。灰成分を有する燃料と酸化剤混合物は、「U」字型コンジットに下向きに導入することができ、燃焼して燃焼生成物及び分離した灰成分を生じることができる。分離した灰成分は「U」字型コンジットの底部でスラグ層を形成することができる。溶融スラグは、「U」字型コンジットの底部から抜き出すことができる。慣性力及び/又は重力により燃焼生成物から分離した灰成分を分離するのに、種々の形態が容易に想像できる。
【0031】
燃料(複数可)及び酸化剤(複数可)は、水平部分及び垂直部分を持つ、重力に基づくスラグチャンバーに水平に導入することができる。気体は垂直部分において上向きに流れ、その一方、分離した灰成分は垂直部分の壁に衝突し、その後下向きに移動して、垂直部分の底部から抜き出される。
【0032】
当業者は、スラグチャンバーを備えた好適なスラグ燃焼器を容易に選択することができる。スラグチャンバーの特定の形態は、本発明の方法にとって重要ではない。
【0033】
ボイラー用のスラグ燃焼器は公知である。例えば、D’Agostiniらの米国特許第6910432号及び第6968791号明細書、Ashworthの米国特許第6085674号明細書、Farzanらの米国特許第5878700号明細書、及びKhinkisの米国特許第5209187号明細書を参照されたい。
【0034】
本発明の方法は、第1酸化剤混合物22をスラグ燃焼器のスラグチャンバーに導入することを含む。第1酸化剤混合物は一般的に気体であり、10体積%から100体積%の酸素濃度Y1を有する。第1酸化剤混合物の残部は、窒素及びアルゴンなどの種を含むことができ、そして更に、例えば燃焼排ガスの再循環が利用される場合、二酸化炭素、二酸化硫黄及び水蒸気などの種を含有することがある。
【0035】
第1酸化剤混合物は、20体積%から30体積%の酸素濃度を有することもある。第1酸化剤混合物は空気でもよい。
【0036】
燃焼排ガス再循環の利用により、第1酸化剤混合物は溶融炉からの燃焼排ガスを含むことができ、10体積%から20体積%の酸素濃度を有することができる。第1酸化剤混合物は、図1に示すようにスラグチャンバーへ直接導入してもよく、あるいは二次バーナーコンジット経由で間接的に導入してもよい。第1酸化剤混合物は、第1酸化剤混合物体積流量V1で導入される。
【0037】
第1酸化剤混合物は接線方式で導入されて、第1燃料からの分離した灰成分をスラグチャンバーの内壁に向けて移動させる遠心力を生み出すことができる。
【0038】
場合により、本発明の方法は、第2燃料30をスラグ燃焼器のスラグチャンバーに導入することを含む。第2燃料は、有意量の灰成分のない、すなわち0.1重量%未満の、燃料でよい。第2燃料は、燃料油、ディーゼル、ガソリン、灯油、プロパン、メタン、天然ガス又はこれらの混合物でよい。第2燃料は、スラグ燃焼器気体流出物の一部を含んでいてもよい。第2燃料を供給し、スラグチャンバー内の燃焼を増加させ温度を上昇させて、それによりスラグチャンバーで回収された溶融スラグの層の粘度に影響を与えることができる。第2燃料を使用する場合、第2燃料は、例えばkg/秒の単位又は他の適当な測定単位を有する第2燃料流量F2で導入される。第2燃料は、例えばJ/kgの単位又は他の適当な測定単位を有する、第2燃料総発熱量H2を有する。第2燃料を使用する場合、第2燃料は、
【0039】
【数1】

【0040】
となるように、スラグ燃焼器に導入される総エネルギーの最大25%までを提供することができる。
【0041】
本発明の方法は、第2酸化剤混合物32をスラグ燃焼器のスラグチャンバーに導入することを含む。第2酸化剤混合物は一般的に気体であり、22体積%から100体積%の酸素濃度Y2を有することができる。第2酸化剤混合物の残部は、窒素、二酸化炭素、水蒸気、アルゴン及び微量の他の種を含むことができる。
【0042】
第2酸化剤混合物は、60体積%から75体積%の酸素濃度を有してもよい。窒素製造のための空気分離装置は、酸素濃度が60体積%から75体積%の酸素排出流を有することがある。
【0043】
第2酸化剤混合物は、85体積%から100体積%の酸素濃度を有してもよい。第2酸化剤混合物は、空気分離装置から製造される工業用グレードの酸素でよい。
【0044】
米国特許第6968791号明細書において更に説明されているとおり、第2酸化剤混合物を使用してスラグチャンバーにおける燃焼を増加させそして温度を上昇させて、それによりスラグチャンバーで回収された溶融スラグの層の粘度に影響を与えることができる。第2酸化剤混合物は、第2酸化剤混合物体積流量V2で導入される。
【0045】
本発明の方法は、第1燃料の可燃性成分の少なくとも一部と、存在する場合、第2燃料の少なくとも一部を、スラグ燃焼器のスラグチャンバーで燃焼させ、それにより、分離した灰成分を生成させそしてスラグ燃焼器気体流出物40を生じさせることを含む。
【0046】
分離した灰成分は、燃焼中に可燃性成分から分離した第1燃料からの灰成分を含んでなる非気体成分である。
【0047】
スラグ燃焼器気体流出物は、スラグ燃焼器からの気体流出物である。スラグ燃焼器気体流出物は、燃焼生成物及び/又は少なくとも1種の未燃焼可燃性気体を含有することができる。
【0048】
本質的に全ての、例えば少なくとも95%の、第1燃料と、全ての第2燃料を、スラグ燃焼器内で燃焼させることができる。あるいは、第1燃料の一部をスラグ燃焼器内で燃焼させて、溶融炉10内での燃焼に利用可能な、燃焼の不完全な生成物とも呼ばれる、少なくとも1種の未燃焼可燃性気体を残してもよい。第1燃料の一部のみをスラグ燃焼器内で燃焼させる場合、スラグ燃焼器気体流出物は、未燃焼可燃性気体の1つとして一般的に一酸化炭素を含む。
【0049】
本発明の方法は、分離した灰成分の少なくとも一部を溶融スラグ44の層として回収することを含む。溶融スラグの層は、スラグチャンバーの内表面の少なくとも一部と接触して形成することができる。溶融スラグの層は、スラグチャンバー内に存在し得る高温の炎からスラグチャンバーの壁を保護する助けとなる。スラグ燃焼器は、基本的に全ての、すなわち90%より多くの分離した灰成分がスラグチャンバー内で溶融スラグの層として回収されるように、設計し運転することができる。回収される灰成分の割合は、第1燃料中の灰の平均含量及びスラグチャンバーから抜き出されるスラグの量を知れば、物質収支から計算することができる。スラグチャンバーでほとんどの灰が回収されるので、灰が溶融生成物中で欠陥を引き起こす機会は少ない。
【0050】
溶融炉中に放出される分離した灰成分は、溶融炉耐火材料の劣化を促進することもある。炉の燃焼空間に入る分離した灰成分の量を減らすと、溶融炉耐火材料の腐食が低減する可能性がある。
【0051】
溶融炉中に放出される分離した灰成分は、溶融炉から排出される固体粒子の質量流量を増大させることもある。従って、燃焼空間に入る分離した灰成分の量を減らすと、溶融炉からの排気流を洗浄するのに必要な粒子制御装置の大きさを小さくできる。
【0052】
第2酸化剤混合物を使用し、そして場合により第2燃料を使用することには、いくつかの利点がある。向上したスラグ温度制御は、本発明の方法の利点の1つであるが、それは、粒子の捕捉を増やすのを可能にし、プロセスターンダウンを向上させるからである。スラグ温度と粒子回収とは、スラグ粘度により関連づけられる。好適なスラグ粘度は、スラグチャンバーの壁に付着した溶融スラグによる効率よい粒子の捕捉に必要である。スラグ温度が低いと、粘度が高くなり過ぎて、局所的な凝固を招き、その後粒子がスラグ表面から気相へと戻ることになる。逆に、スラグ温度が高いと、低粘度状態を生みだし、粘着性が比較的乏しい流れやすいスラグが生じることになる。酸素富化燃料及び/又は二次燃料の選択的使用は、他のプロセス運転パラメータから独立してスラグ温度を制御する効果的な手段を提供する。
【0053】
本発明の方法は、スラグ燃焼器のスラグチャンバーから溶融炉10の燃焼空間16にスラグ燃焼器気体流出物を1000℃から2500℃の温度で送り、熱を供給して溶融生成物を作ることを含む。高温の燃焼気体を利用して、原料を溶融するための熱を供給し溶融生成物を生じさせることができる。
【0054】
吸引高温計、例えば、スウェーデン国EnkopingのMETLABから入手できる水冷式吸引高温計プローブを利用して、温度を測定することができる。水冷式吸引高温計プローブは、オランダ国のInternational Flame Research Foundation(IFRF)から入手することもできる。炉内ガスの温度測定は当該技術分野で公知である。当該技術分野で公知の好適な装置を使用して、スラグ燃焼器気体流出物の温度を測定してもよい。
【0055】
スラグ燃焼器気体流出物は、一般的に、溶融炉に熱を供給するための非発光性気体媒体である。輝度(luminosity)は、輝度比(luminosity rate)で表すことができる。輝度比は、ここでは、600〜4800nm帯域幅の加熱源から発する熱放射に対する600〜1500nm帯域幅の加熱源から発する熱放射の比として定義される(例えば、米国特許第5575637号明細書を参照のこと)。非発光性加熱源は0.14以下の輝度比値を有する一方で、発光性加熱源は0.14を超える輝度比値を有する。輝度比は、気体加熱媒体のスペクトル放射特性から計算できる。スペクトル放射データは、Macam Spectroradiometer装置などの分光放射計を使用して測定できる。
【0056】
高温の気体の輝度は、気体中に含まれる粒子から発する黒体放射により生じる。これらの粒子は、燃料燃焼プロセスの間に気体状炭化水素の核形成により形成される煤粒子と、燃料源に含まれる残留粒子の、2成分を含む。しかし、スラグチャンバー内で比較的大量の燃焼が起こり灰の融点より温度を高く保つので、本方法により生じる気体状炭化水素の濃度は低い。更に、本発明の方法によりもたらされる灰除去プロセスのために、残留燃料粒子の量は少ない。従って、溶融チャンバー内の主な加熱の様式は、スラグ燃焼器気体流出物からの溶融物/原料への対流と、溶融炉の壁及び屋根からの溶融物/原料への放射である。
【0057】
非発光性の加熱は、石炭又は他の微粉固体燃料を使用する当該技術分野の教示とは反対である。
【0058】
例えば、Daigaの米国特許第4006003号明細書には、それぞれ27重量%の石炭(73%油)を有する及び40重量%の石炭(60重量%油)を有する、石炭と油のスラリーから生じる炎は、油のみより明るいことも観察されたと記載されている。Daigaには、バーナーを溶融ガラスの高さのおよそ2フィート上に配置し、そして炎をガラスの溶融プールの表面に向けて下向きに傾けて、ガラスの溶融プールの上に浮かんでいるバッチ成分の上面を炎の端が舐めるように調整したことも記載されている。
【0059】
Millerらの米国特許第3969068号明細書は、ガラスタンク炉の直接石炭燃焼のための方法及び装置であり、ここでは空気流に同伴した微粉石炭をノズルを通して炉内へ送り込み、ガラス炉の溶融物の直ぐ上の雰囲気中で燃焼させて輝炎を形成しており、直接の石炭燃焼が補足的な通常の加熱源とともに好ましく利用されている。米国特許第3969068号明細書の目的は、ガラス溶融物のより効率的な加熱のために輝炎を提供するため、ガラスタンク炉を石炭で直接燃焼させるための新規で改良された方法及び装置を提供することである。
【0060】
Olin−Nunezらの米国特許第6789396号明細書には、炉の運転中に、燃焼空気サイクルと排気サイクルの間で蓄熱室を代わるがわるサイクル運転することが記載されている。特定の炉に応じて20分ごと、又は30分ごとに、一連のバーナーの炎の経路を逆向きにする。そのようにして、各バーナーで生じた炎及び燃焼生成物は溶融ガラスの表面を越えて進み、溶融チャンバー及び清澄チャンバー内のガラスに熱を伝える。
【0061】
コバヤシの米国特許出願第2006/0150677号明細書には、オキシ燃料バーナーを、それらが維持する炎が溶融ガラスの表面上の炉の内側にあるように配置することが記載されている。
【0062】
第3燃料を溶融炉の燃焼空間に注入し、第3燃料の少なくとも一部をスラグ燃焼器気体流出物の少なくとも一部と混合し、そして溶融炉の燃焼空間中で第3燃料の少なくとも一部を燃焼させて輝炎を生じさせることにより、スラグ燃焼器気体流出物の輝度を任意に増加させることができる。第3燃料は、有意の灰成分のない、すなわち0.1重量%未満の、燃料でよい。第3燃料は、燃料油、ディーゼル、ガソリン、灯油、プロパン、メタン、天然ガス、又はその混合物でよい。第3燃料は第2燃料と同じ組成でもよい。
【0063】
本発明の方法は、スラグ燃焼器14のスラグチャンバー12から溶融スラグ42を抜き出すことを含む。溶融スラグに溶融生成物との適合性がない場合、溶融スラグは廃棄してもよい。溶融スラグに溶融生成物との適合性がある場合には、溶融スラグを溶融物/原料スペース18に制御可能なやり方で導入してもよい。
【0064】
ガラス溶融炉の場合には、溶融スラグは、ガラス溶融炉の溶融端部又は溶融帯域に選択的に導入でき、清澄帯域には導入できない。ガラス溶融炉の溶融帯域へ溶融スラグを導入すると、ガラス成形操作の前にガラス溶融炉がガラス製品中の溶融スラグを均質化する機会が大きくなる。
【0065】
ガラス溶融炉は、溶融帯域及び清澄帯域の2つの帯域に分けることができる。溶融帯域は、溶融物の表面上に目に見えるバッチ(未溶融原料)を有するガラス溶融炉の部分である。溶融物の表面上の目に見えるバッチは、バッチブランケット、バッチパイル、バッチアイランド、バッチログなどの形態であることができる。溶融帯域の長さは、後壁から最も遠い下流の目に見えるバッチまで達し、そしてガラス表面上に目に見えるバッチのない溶融物の領域を含んでもよい。清澄帯域は、ガラス溶融炉の残りの部分である。ここに記載される前壁とは、下流の炉壁に対応し、後壁とは、上流の炉壁に対応する。長さ寸法は、後壁から前壁までのガラス溶融物のバルク流に対応する寸法である。投入端部分は、ガラス製造原料が導入される炉の端部分に対応する。ガラス製造原料は、後壁で、又は後壁に近い側面の片方又は両方から、炉に導入することができる。
【0066】
ガラス炉においては、本発明の方法を種々の混成した構成で使用することができる。本発明の方法は、溶融帯域において50%を超えるオキシ燃料の燃焼を行うこと、及び清澄帯域において50%を超える空気−燃料の燃焼を行うことができる。本発明の方法は、溶融帯域においてスラグ燃焼器を利用すること、そして清澄帯域において従来のオキシ燃料バーナー及び/又は空気−燃料バーナーを利用することができる。
【0067】
オキシ燃料の燃焼は、ここでは、燃焼のための酸化剤混合物の平均酸素濃度が30体積%から100体積%までである燃焼として定義される。空気−燃料の燃焼は、ここでは、燃焼のための酸化剤混合物の平均酸素濃度が15体積%から22体積%までである燃焼として定義される。酸素富化空気−燃料の燃焼は、ここでは、燃焼のための酸化剤混合物の平均酸素濃度が22体積%と30体積%の間である燃焼として定義される。多数の酸化剤流が燃料の燃焼のため導入される場合、燃焼のタイプの決定は、多数の酸化剤流の体積流量の加重平均を基にする。
【0068】
上述のとおり、第1燃料の一部のみをスラグ燃焼器内で燃焼させて、溶融炉10内での燃焼に利用可能な未燃焼の可燃性気体を残してもよい。本発明の方法は、第1燃料の一部のみを反応させて、有意量の少なくとも1種の未燃焼可燃性気体を残すことを含んでもよい。本発明の方法は、第3酸化剤混合物を溶融炉10の燃焼空間16に導入することを更に含んでもよい。第3酸化剤混合物は、第3酸化剤混合物体積流量V3で導入することができる。
【0069】
第3酸化剤混合物は、20体積%から100体積%の酸素濃度Y3を有することができる。第3酸化剤混合物の残部は、窒素、二酸化炭素、水蒸気、アルゴン、及び微量の他の種を含むことができる。
【0070】
第3酸化剤混合物は、60体積%から75体積%の、又は85体積%から100体積%の酸素濃度を有することができる。第3酸化剤混合物は、窒素プラントからの排気流からのものであってもよい。第3酸化剤混合物は、空気分離装置から製造される工業用グレードの酸素でもよい。第3酸化剤混合物は、第2酸化剤混合物と同じ供給源に由来してもよく、第2酸化剤混合物と同じ組成であってもよい。
【0071】
本発明の方法は、スラグ燃焼器気体流出物からの少なくとも1種の未燃焼可燃性気体のうちの少なくとも一部を、第3酸化剤混合物のうちの少なくとも一部とともに、溶融炉の燃焼空間で燃焼することを含んでもよい。
【0072】
第3酸化剤混合物は、スラグ燃焼器気体流出物と溶融物/原料スペースとの間に導入してもよい。スラグ燃焼器は、スラグ燃焼器気体流出物を排出するための少なくとも1つの排気口を有する。第3酸化剤混合物を導入するためのノズルは、スラグ燃焼器流出物を排出するための少なくとも1つの排気口と溶融物/原料スペースの間に位置することができる。
【0073】
本発明の方法は、スラグチャンバーにスラグ添加剤を導入することを更に含んでもよい。スラグ添加剤は、ガラスカレット、1種以上のガラス製造原料、及び/又は他のプロセスからの灰を含むことができる。
【0074】
第1燃料の灰含量が、石油コークス又は無煙炭などのように、非常に低い場合、溶融スラグの好適な層を形成するのが困難なことがある。溶融スラグの層は、下にあるスラグチャンバーの下地を高温による損傷から保護するバリアとして働く。添加剤の他の役目は、燃料/灰混合物から汚染物質を除去することである。従来のカルシウム又はマグネシウム系収着剤は、この目的に使用できる収着剤の例である。スラグ添加剤は、どのような好適な方法でスラグチャンバーに導入してもよい。スラグ添加剤は、第1燃料、第2燃料、第1酸化剤混合物、第2酸化剤混合物とともに導入してもよく、あるいは別な流れとして導入してもよい。
【0075】
当業者は、酸素の選択的な使用によりNOxの排出を低減できることを認識しよう。例えば、第1燃料がスラグチャンバーへ導入される第1燃料ノズル付近での酸素の注入は、第1燃料と第1酸化剤混合物の完全な混合前に、第1燃料の揮発を増加させる。あるいは、酸化剤混合物をスラグチャンバーの下流部分に導入し、それによりスラグチャンバー内の燃焼を実現することができる。第3酸化剤混合物に関して上述のとおり、酸化剤混合物を炉内に導入し、それにより炉内及びスラグチャンバーの外部で燃焼を実現することができる。
【0076】
任意的な第2燃料を使用する場合、NOxの排出が、第2燃料と第2酸化剤混合物の当量比により影響されることが観察された。第2燃料及び第2酸化剤混合物は、1.4から3の当量比で導入することができる。一般論として、当量比は、燃料:酸化剤比を、完全燃焼に相当する燃料:酸化剤比で割ったものとして定義される。後者の比(完全燃焼に相当する燃料:酸化剤比)は、化学量論的な燃料:酸化剤比と称されることが多い。当量比1は、燃料及び酸化剤が、理論的に正確な又は化学量論的な量で供給されることを意味する。1を超える当量比は燃料リッチであり、1未満の当量比は燃料リーンである。
【0077】
図2は、第2燃料と第2酸化剤混合物の当量比の関数としての、標準化したNOx排出のプロットを示している。これらの実験について言うと、第1酸化剤混合物は空気であり、第1燃料は瀝青炭であり、第2燃料は第2番燃料油であり、第2酸化剤混合物はほとんど100%酸素(LOX源よりの)である。第2燃料からの燃料エネルギー量は、総エネルギーの18%であった。全ての燃料及び酸化剤混合物を含めた、燃焼プロセスの全体的な当量比は、約0.79であった。図2から分かるように、NOxは、第2燃料及び第2酸化剤混合物のほぼ化学量論的な運転(すなわち約1に等しい当量比)の場合の値の半分より多く減少している。当量比が増すにつれ、液体スラグ層の維持を支援する第2燃料と第2酸化剤混合物の有効性は低下し、当量比の上限が約3であることを示唆している。
【0078】
酸素を使用することのもう一つの潜在的な利点は、溶融炉に熱を供給しやすい燃料の範囲が広がることである。これはやはり、上述のとおり第2酸化剤混合物/第2燃料の燃焼か又は選択的酸素富化のいずれかを調整することによりスラグ温度を独立に制御できることによるものである。例えば、灰の溶融温度が高い石炭の燃焼は、安定したスラグ流を維持するのに十分高い温度を生じさせることができないため、空気−燃料で燃焼するスラグ燃焼器では従来問題を含んでいた。灰の溶融温度が高い低硫黄分の石炭を燃焼させる2.5MMBtu/h(0.73MW)のスラグ燃焼器で実施した試験結果から、第2番燃料油の20%共燃焼で運転した本発明の方法により安定したスラグ化及び全体的な性能運転が示された。逆に、安定した溶融スラグは、空気−燃料の燃焼のみを使用することでは維持できなかった。同様な利点を、多くの高水分の石炭及びバイオ燃料を含めた、スラグに挑む他の固体燃料で得ることができる。
【0079】
本発明の方法の特定の実施形態を詳細に説明したが、当業者は、開示の全体的な教示に照らして種々の改変及び変更を行うことが可能であることを認識しよう。従って、ここでは特定の具体的な実施形態及びその変形版に関して例示し説明してはいるが、本発明はここに示しそして説明した詳細に限定されるものではない。むしろ、特許請求の範囲に記載されたものの均等の範囲内で、また本発明の精神から逸脱せずに、種々の改変を細部にわたって行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】スラグ燃焼器を備えた溶融炉の概略図である。
【図2】第2燃料と第2酸化剤混合物の当量比に対するNOx排出のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融生成物を作るため溶融炉に熱を供給するための方法であって、
スラグ燃焼器のスラグチャンバーに灰成分及び可燃性成分を有する第1燃料を導入すること、
スラグ燃焼器のスラグチャンバーに、10体積%から100体積%の酸素濃度を有する第1酸化剤混合物を導入すること、
場合により、スラグ燃焼器のスラグチャンバーに第2燃料を導入すること、
スラグ燃焼器のスラグチャンバーに、22体積%から100体積%の酸素濃度を有する第2酸化剤混合物を導入すること、
前記第1燃料の可燃性成分のうちの少なくとも一部、及び場合により前記第2燃料のうちの少なくとも一部を、スラグ燃焼器のスラグチャンバー内で燃焼させ、それにより分離した灰成分を生じさせるとともにスラグ燃焼器気体流出物を作ること、
前記分離した灰成分のうちの少なくとも一部をスラグチャンバーの内表面の少なくとも一部と接触した溶融スラグの層として回収すること、
スラグ燃焼器気体流出物のうちの少なくとも一部をスラグ燃焼器のスラグチャンバーから溶融炉の燃焼空間に1000℃から2500℃の温度で送り、溶融生成物を作るための熱を供給すること、及び
スラグ燃焼器のスラグチャンバーから溶融スラグを抜き出すこと、
を含む溶融炉への熱供給方法。
【請求項2】
前記第1酸化剤混合物の酸素濃度が20体積%から30体積%である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1酸化剤混合物の酸素濃度が10体積%から20体積%である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2酸化剤混合物の酸素濃度が60体積%から75体積%である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2酸化剤混合物の酸素濃度が85体積%から100体積%である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記スラグ燃焼器気体流出物が少なくとも1種の未燃焼の可燃性気体を含有している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
溶融炉の燃焼空間に、20体積%から100体積%の酸素濃度を有する第3酸化剤混合物を導入すること、及び
スラグ燃焼器気体流出物からの前記少なくとも1種の未燃焼の可燃性気体のうちの少なくとも一部を、前記第3酸化剤混合物のうちの少なくとも一部とともに溶融炉の燃焼空間で燃焼させること、
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第3酸化剤混合物の酸素濃度が60体積%から75体積%である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第3酸化剤混合物の酸素濃度が85体積%から100体積%である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第3酸化剤混合物を、スラグ燃焼器気体流出物と溶融物/原料スペースの間で導入する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記溶融スラグを溶融炉に導入することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記溶融炉が溶融帯域と清澄帯域を有するガラス溶融炉であり、当該方法が前記溶融スラグを前記溶融帯域に導入し、前記溶融スラグを前記清澄帯域には導入しないことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
スラグ添加剤をスラグチャンバーに導入することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記スラグ添加剤が、ガラスカレット、ガラス製造原料、及び他のプロセスからの灰のうちの少なくとも一つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1酸化剤混合物が溶融炉からの燃焼排ガスを含有し、且つ当該第1酸化剤混合物が10体積%から20体積%の酸素濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第2燃料がスラグ燃焼器気体流出物のうちの少なくとも一部を含有している、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第2燃料及び前記第2酸化剤混合物が1.4から3の当量比で導入される、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−2639(P2009−2639A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−120265(P2008−120265)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】