説明

演奏ガイド機能付きカラオケシステム

【課題】利用者毎の所望の楽器に特化したマイナスワン演奏するカラオケシステムを提供する。
【解決手段】利用者ID取得手段と、利用者別指定楽器登録手段と、選曲予約手段と、演奏制御手段と、演奏ガイド表示制御手段とを備え、前記予約データに基づく楽曲の演奏時、その利用者IDにつき、前記利用者別指定楽器登録部に楽器IDが登録され、かつ、当該楽曲の演奏データを構成する楽器ID毎に対応する複数の音源データをそれぞれ保持する複数チャンネルの何れかに当該登録された楽器IDが割り当てられていた場合、その対応する音源データの再生を行わずに演奏データを再生し、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏楽譜ないし演奏コードからなる演奏ガイドテロップを、当該演奏データの再生に同期させ、所定の表示手段に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏ガイド機能付きカラオケシステムに関するものであり、特に、MIDI(Musical Instruments Digital Interface)音源を有し、所定の音源データを再生せずに演奏データを再生できる、所謂「マイナスワン演奏」が可能なカラオケシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、楽器演奏を趣味とする者が増えてきており、特に、若年層に限らず、壮年層の楽器演奏への興味が増している。演奏を練習する場所としては、以前は、広場や河川敷のような屋外であったが、近時、本格的な専用スタジオを利用して練習する傾向が強まっている。ところが、専用スタジオは全国的に数が少なく、また、決して利用料金も安くないことから、最近では、スタジオ同様の防音設備を備え、しかも、他の楽器類とオーケストラ合奏ができるカラオケボックスを利用する者が現れてきた。
【0003】
しかし、カラオケシステムを利用して楽器類(例えば、ギター、ピアノ、キーボード、バイオリン、フルート、トランペット、オカリナなど)を練習する場合、オーケストラ合奏時に、自らが習いたい種類の楽器を含めた演奏が行われてしまうと、自らの楽器演奏が聴き取り難くなり、練習に支障をきたしてしまう。
【0004】
従来から、このような、カラオケシステムを利用した楽器の演奏練習に関連する技術として、所定の演奏パートについてMIDI音源データの再生を行わない、所謂「マイナスワン演奏」の関連技術が想到されてきた。例えば、特許文献1では、演奏手段が、それぞれ別の音色で構成されている複数パートのカラオケ演奏を実行し、受付手段が、利用者からの音色名(楽器名)の入力を受け付けると、この音色名に対応するパートを検索し、そのパートをミュートする技術が開示されている。また、特許文献2では、自動演奏装置やカラオケ装置において、マイナスワン演奏を行う場合に、マイナスする演奏パートを利用者の演奏に合わせて自動的に変更できるシステムが開示されている。
【0005】
また、カラオケ表示画面において、従来の歌詞テロップに加え、楽譜テロップを表示する技術が想到されている。例えば、特許文献3では、楽器の練習用ではないが、歌唱の練習として、伴奏音の進行に同期した歌詞付き楽譜が背景に合成表示されるレビューモードを備えたカラオケ演奏装置が開示されている。すなわち、この技術に基づき、従来の歌詞テロップに代わり、演奏楽譜や演奏(和音)コードをテロップ表示することで、効率的な演奏練習の支援ができるものと考えられる。
【特許文献1】特開平08−30284号公報
【特許文献2】特開平09−258728号公報
【特許文献3】特開平06−95681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
個々の利用者が楽器演奏を練習する場合、毎回、練習の度に楽器の種類が変わることはなく、通常は、利用者毎に楽器は決まっている。しかしながら、従来のカラオケシステムのマイナスワン演奏を利用した技術では、利用者は、毎回、マイナスワン対応の楽器を一々指定しなければならず、非常に手間がかかった。さらに、従来では、カラオケシステムの通常の利用手順、すなわち、一連の選曲予約による楽曲演奏の流れに従いながら、利用者が所望する楽器に特化した、効率的で効果的な演奏練習の支援システムは存在していなかった。
【0007】
そこで、本発明は、利用者毎の所望の楽器に特化し、利用者に手間をかけずに、一連の選曲予約による楽曲演奏の流れに従い、演奏データを構成する楽器ID毎に対応する複数の音源データをそれぞれ保持する複数チャンネルに、当該楽器の音源データが含まれる楽曲において、効率的で効果的な演奏練習の支援ができるカラオケシステムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を鑑み、本発明者は、カラオケ演奏装置とネットワーク通信回線を介して接続されたカラオケホスト装置とを主体として構成し、利用者ID毎に指定された楽器IDを登録し、利用者が選曲予約する際、当該利用者IDと該利用者ID毎に指定された楽曲IDを含めた予約データを所定の演奏待ち行列に登録し、この予約データに基づく楽曲の演奏時、その利用者IDにつき、楽器IDが登録され、かつ、当該楽曲の演奏データを構成する楽器ID毎に対応する複数の音源データをそれぞれ保持する複数チャンネルの何れかに当該登録された楽器IDが割り当てられていた場合、その対応する音源データの再生を行わずに演奏データを再生すると共に、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏楽譜ないし演奏コードからなる演奏ガイドテロップを、当該演奏データの再生に同期させ、所定の表示手段に表示させることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明の演奏ガイド付きカラオケシステムを想到した。
【0009】
すなわち、本発明の請求項1記載の演奏ガイド付きカラオケシステムは、複数のカラオケ演奏装置と、これら装置とネットワーク通信回線を介して接続されたカラオケホスト装置とを主体として構成され、利用者ID取得手段と、利用者別指定楽器登録手段と、選曲予約手段と、演奏制御手段と、演奏ガイド表示制御手段とを備えてなるカラオケシステムであって、
(ア)利用者ID取得手段は、利用者が当該カラオケシステムにログインする際、当該利用者ID記録媒体から当該利用者IDを識別して取得し、
(イ)利用者別指定楽器登録手段は、利用者IDが取得された任意の利用者につき、その利用者ID毎に指定された楽器IDを所定の利用者別指定楽器登録部に登録し、
(ウ)選曲予約手段は、利用者が選曲した楽曲を予約する際、当該利用者IDと該利用者ID毎に指定された楽曲IDを含めた予約データを所定の演奏待ち行列に登録し、
(エ)演奏制御手段は、前記予約データに基づく楽曲の演奏時、その選曲した利用者IDにつき、前記利用者別指定楽器登録部に楽器IDが登録され、かつ、当該楽曲の演奏データを構成する楽器ID毎に対応する複数の音源データをそれぞれ保持する複数チャンネルの何れかに当該登録された楽器IDが割り当てられていた場合、その対応する音源データの再生を行わずに演奏データを再生し、
(オ)演奏ガイド表示制御手段は、前記音源データの再生が行われずに演奏データが再生される場合、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏楽譜ないし演奏コードからなる演奏ガイドテロップを、当該演奏データの再生に同期させ、所定の表示手段に表示させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2記載の演奏ガイド付きカラオケシステムは、請求項1記載のシステムにおいて、さらに演奏ガイド印字制御手段を備え、当該制御手段は、前記音源データの再生が行われずに演奏データが再生される場合、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏楽譜ないし演奏コードからなる演奏ガイドを、当該演奏終了後の任意のタイミングにて、所定の印字手段から印字させることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の請求項3記載の演奏ガイド付きカラオケシステムは、請求項1ないし請求項2記載のシステムにおいて、前記利用者別指定楽曲登録部が前記カラオケホスト装置内に組み込まれてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1記載の演奏ガイド機能付きカラオケシステムによれば、利用者IDが取得された任意の利用者につき、その利用者ID毎に指定された楽器IDを登録し、その利用者IDにつき、楽器IDが登録され、かつ、演奏楽曲に当該楽器IDが割り当てられていた場合、その対応する音源データの再生を行わずに演奏データを再生すると共に、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏ガイドテロップを所定の表示手段に表示させることから、利用者毎の所望の楽器に特化し、利用者に手間をかけず、一連の選曲予約による楽曲演奏の流れに従い、効率的で効果的な演奏練習の支援ができるといった効果を奏する。
【0013】
さらに、本発明の請求項2記載の演奏ガイド機能付きカラオケシステムによれば、音源データの再生が行われずに演奏データが再生される場合、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏楽譜ないし演奏コードからなる演奏ガイドを、当該演奏終了後に印字させることから、当該演奏の終了後でも、その演奏ガイドの印刷を見ることで、復習的に単独で演奏練習をすることができるといった効果を奏する。
【0014】
さらに、本発明の請求項3記載の演奏ガイド機能付きカラオケシステムによれば、利用者別指定楽曲登録部がカラオケホスト装置内に組み込まれることから、カラオケホスト装置に接続された如何なるカラオケ演奏装置からも、各利用者の指定楽器情報を採取でき、その情報を反映できると共に、如何なる接続されたカラオケ演奏装置での利用でも、同じサービスを還元できるため、利用者への当該システム利用によるサービス面が大きく向上されるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る演奏ガイド機能付きカラオケシステムについて、好適な実施例をあげて説明する。利用者毎の所望の楽器に特化し、利用者に手間をかけずに、一連の選曲予約による楽曲演奏の流れに従い、演奏データを構成する楽器ID毎に対応する複数の音源データをそれぞれ保持する複数チャンネルに、当該楽器の音源データが含まれる楽曲において、効率的で効果的な演奏練習の支援ができるようにするという目的を達成するために、
利用者ID取得手段と、利用者別指定楽器登録手段と、選曲予約手段と、演奏制御手段と、演奏ガイド表示制御手段とを備えてなるカラオケシステムであって、利用者が当該カラオケシステムにログインする際、当該利用者ID記録媒体から当該利用者IDを識別して取得する利用者ID取得手段と、利用者IDが取得された任意の利用者につき、その利用者ID毎に指定された楽器IDを所定の利用者別指定楽器登録部に登録する利用者別指定楽器登録手段と、利用者が選曲した楽曲を予約する際、当該利用者IDと該利用者ID毎に指定された楽曲IDを含めた予約データを所定の演奏待ち行列に登録する選曲予約手段と、前記予約データに基づく楽曲の演奏時、その利用者IDにつき、前記利用者別指定楽器登録部に楽器IDが登録され、かつ、当該楽曲の演奏データを構成する楽器ID毎に対応する複数の音源データをそれぞれ保持する複数チャンネルの何れかに当該登録された楽器IDが割り当てられていた場合、その対応する音源データの再生を行わずに演奏データを再生する演奏制御手段と、前記音源データの再生が行われずに演奏データが再生される場合、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏楽譜ないし演奏コードからなる演奏ガイドテロップを、当該演奏データの再生に同期させ、所定の表示手段に表示させる演奏ガイド表示制御手段とを備えた演奏ガイド機能付きカラオケシステムを提供することにより実現した。
【実施例】
【0016】
図1はカラオケシステムのブロック図であり、カラオケ演奏装置10はCPU、RAM、ROM等を含む中央制御部11を有し、ルータやモデム等の回線終端装置12を介してネットワーク通信回線100に接続され、該ネットワーク通信回線100を介してカラオケホスト装置200に接続されている。後述するように、カラオケ演奏装置10から利用者の選曲情報をカラオケホスト装置200へ送り、カラオケホスト装置200からカラオケデータを受け取ってハードディスク装置13に格納する。また、利用者から利用者IDを取得してカラオケホスト装置200へ送り、カラオケホスト装置200から当該利用者の利用者情報を受け取る。
【0017】
カラオケ演奏装置10はリモコン装置50を有し、該リモコン装置50には演奏予約部51が設けられている。利用者が演奏予約部51により所望の楽曲を選択してカラオケ演奏装置10へ選曲情報信号を送信すれば、この選曲情報信号がカラオケ演奏装置10に備えられているリモコン受信部14にて受信され、受信された選曲情報信号は操作制御部15を介して前記中央制御部11に送られる。或いは、カラオケ演奏装置10の本体に設けられている操作パネル16にて直接楽曲番号を入力することにより、操作パネル16から操作制御部15を介して前記中央制御部11に選曲情報信号が送られる。
【0018】
中央制御部11は操作制御部16から選曲情報信号を受け取ると、選曲された楽曲を選曲予約手段にて予約し、該当するカラオケデータを前記ハードディスク装置13から読み出す。選曲情報に該当するカラオケデータがハードディスク装置13に存在しないときは、前述した回線終端装置12を介してネットワーク通信回線100と接続し、前記カラオケホスト装置200から該当するカラオケデータをダウンロードしてハードディスク装置13に格納する。
【0019】
前記カラオケデータは、カラオケ楽曲の伴奏音楽を生成するための演奏データと、モニタ等の表示手段に出力される歌詞テロップ或いは任意の楽器演奏パートの楽譜を生成するための画像データ等を含んでいる。演奏データはMIDI規格等によって符号化された音源制御情報であり、画像データはコード化された歌詞文字群や歌唱時期指示或いは楽譜等の情報を含んでいる。
【0020】
中央制御部11は該当するカラオケデータから楽曲データをシンセサイザ17に順次転送し、該シンセサイザ17はこの楽曲データに従って伴奏音楽を生成する。シンセサイザ17によって生成された伴奏音楽は、ミキシングアンプ18を通ってスピーカ19から再生される。中央制御部11はこの伴奏音楽の生成に同期させて歌詞描出データを処理し、歌詞文字群を順次ビデオRAM20にビットマップ展開させる。また、利用者が歌唱する音声はマイク21に集音され、前記ミキシングアンプ18で伴奏音楽とミキシングされてスピーカ19から再生される。利用者が楽器演奏する場合は、その楽器22の演奏音をマイク21で集音するか、あるいは電子楽器の場合はその楽器をカラオケ演奏装置10に接続し、ミキシングアンプ18で伴奏音楽あるいは合奏音楽とミキシングしてスピーカ19から再生する。
【0021】
さらに、中央制御部11はDVDチェンジャ23を制御し、DVD(図示せず)に収録されている背景映像を再生する。そして、中央制御部11は映像制御部24を制御して前記背景映像に前記歌詞文字群をスーパーインポーズし、背景映像と歌詞文字群を表示手段であるモニタ25の画面に表示させる。また印字手段であるプリンタ60は、カラオケ演奏装置10に備えられているUSBインターフェース26に接続され、利用者毎に指定された楽器IDに対応する演奏楽譜あるいは演奏コードからなる演奏ガイドを印字する。
【0022】
ここで、前記リモコン装置50には演奏予約部51のほかに、利用者ID記録媒体の一例であるICカード52を読み取るためのカードリーダ53が設けられている。利用者が自分のICカード52を前記カードリーダ53にセットすれば、利用者ID取得手段が利用者IDを識別して取得し、取得された利用者IDが前記中央制御部11に送られる。そして、ネットワーク通信回線100によりカラオケホスト装置200へ転送されて、当該利用者がカラオケシステムにログインすることができる。
【0023】
さらに、当該利用者が楽器演奏を練習する場合に自分の所望する楽器を選択して指定すれば、指定された楽器IDが利用者別指定楽器登録部に登録され、前記利用者IDとともにカラオケホスト装置200に転送される。一度登録された楽器IDは当該利用者がログインする都度自動的に認識され、特に楽器の選択を変更しない限り、利用者ID毎に指定された楽器が選択される。
【0024】
後述するように、利用者が自分の楽器で楽曲を演奏する際は、前記利用者別指定楽器登録部に登録された当該利用者の楽器IDに基づき、選曲された楽曲の演奏データから登録された楽器IDに対応する音源データの再生を行わずに演奏データを再生する。すなわち、当該利用者の演奏パートについては音源データを再生しない所謂「マイナスワン演奏」が行われる。そして、再生が行われない当該利用者の演奏パートに対応する演奏楽譜あるいは演奏コードからなる演奏ガイドテロップを、当該演奏データの再生に同期させて前記モニタ25に表示させる。
【0025】
なお、前記利用者ID記録媒体としては前述のICカード52に限定されず、例えば携帯電話に利用者IDを記録するマイクロチップを内蔵しておき、該携帯電話をリモコン装置にセットして利用者IDを読み取るように構成することもできる。かかる構成の場合は、特にICカードを別途用意する必要がなく、利用者が通常に持っている携帯電話にてカラオケシステムにログインすることができ、当該利用者が使用する楽器の選択も自動的に行われる。また、利用者ID記録媒体から利用者IDを読み取る装置は、前記リモコン装置50に設けなくてもよく、他の機器或いは単独して設置してもよい。
【0026】
図2はカラオケデータの構成図であり、1曲のカラオケデータトラックは、ヘッダと、演奏データトラックと、画像データトラックと、音声データトラック等、複数のトラックから構成されている。ヘッダは、その曲の題名、ジャンル、曲の演奏時間等のデータが記録されている。
【0027】
図3に示すように、演奏データトラックには、各楽器別に複数の音源データトラックから構成されている。例えば、ピアノ、ギター、サックス、キーボード等の音源データがMIDI規格等により符号化して記録されている。
【0028】
図4に示すように、画像データトラックには、楽曲演奏に同期して表示される歌詞テロップと歌唱時期指示等の歌詞データトラック、楽曲演奏に同期して表示される演奏楽譜データトラック、楽曲演奏に同期して表示される演奏コードデータトラック等の画像表示データがコード化して記録されている。演奏楽譜あるいは演奏コードは、マイナスワン演奏時に表示される。
【0029】
図5に示すように、音声データトラックには、シンセサイザ17で合成しにくいバックコーラスやハーモニーメロディ等の人声を発生するためのデータが記録されている。
【0030】
而して、本発明のカラオケシステムにおいて利用者が所望の楽器で「マイナスワン演奏」を行う手順を図1〜図6に従って説明する。前述したように、先ずリモコン装置50のカードリーダ53に自分のICカード52をセットしてカラオケシステムにログインする。このとき、利用者ID取得手段により利用者IDが取得され、該利用者IDが中央制御部11からネットワーク通信回線100を介してカラオケホスト装置200に送られて、カラオケホスト装置200から当該利用者の利用者情報を受け取る。この利用者情報には当該利用者のマイリストやランキング履歴等のほか、予め登録した自分の楽器IDが含まれている。この楽器IDは利用者別指定楽器登録手段により利用者別指定楽器登録部に登録される。この利用者別指定楽器登録部はカラオケホスト装置200内に組み込まれている。
【0031】
当該利用者がカラオケシステムにログインした後、リモコン装置50の演奏予約部51により所望の楽曲を選択して予約すべく、カラオケ演奏装置10へ選曲情報信号を送信すれば、カラオケ演奏装置10のリモコン受信部14で受信された選曲情報信号が中央制御部11に送られる。この選曲情報信号を受け取ると、中央制御部11は選曲予約手段により、当該利用者IDと該利用者ID毎に指定された楽曲IDを含めた予約データとして、所定の演奏待ち行列に登録する。
【0032】
そして、前記予約データに基づいて該当するカラオケデータをハードディスク装置13から読み出して楽曲を演奏するが、中央制御部11は、当該利用者が選曲した楽曲の演奏データに含まれている複数の音源データの中で、前記利用者別指定楽器登録部に登録されている当該利用者ID毎に指定された楽器IDに対応する音源データの再生を行わずに演奏データを再生する。すなわち、当該利用者が登録した楽器ID演奏に対応する演奏パートについては、音源データを再生しない「マイナスワン演奏」が自動的に行われる。
【0033】
そして、演奏ガイド表示制御手段により、前記音源データの再生が行われずに演奏データが再生される場合、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏楽譜ないし演奏コードからなる演奏ガイドテロップが、図6に示すように、当該演奏データの再生に同期して前記モニタ25に表示される。
【0034】
図示は省略するが、上記「マイナスワン演奏」が行われた後に当該利用者が所望すれば、演奏ガイド印字制御手段により、当該利用者の楽器IDに対応する演奏楽譜あるいは演奏コードからなる演奏ガイドを、前記プリンタ60で印字させることができる。
【0035】
このように、当該利用者は「マイナスワン演奏」により、当該利用者が楽曲演奏に参加した臨場感ある音響や映像を体験できるとともに、前記モニタ25に表示される演奏ガイドテロップを見ることにより、自分の演奏タイミングを確実に知ることができ、しかも、楽器の音程や演奏コードを確認することができるため、きわめて効率的な演奏練習の支援となる。また、当該利用者がログインすれば、自動的に利用者の所望する楽器が登録されるため、毎回楽器を指定する手間が省けて利便性が著しく向上できる。
【0036】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るカラオケシステムのブロック図。
【図2】カラオケデータの構成図。
【図3】演奏データトラックの構成図。
【図4】画像データトラックの構成図。
【図5】音声データトラックの構成図。
【図6】楽譜が表示されたモニタ画面の説明図。
【符号の説明】
【0038】
10 カラオケ演奏装置
11 中央制御部
13 ハードディスク装置
18 ミキシングアンプ
19 スピーカ
22 楽器
25 モニタ
50 リモコン装置
51 演奏予約部
52 ICカード
53 カードリーダ
60 プリンタ
100 ネットワーク通信回線
200 カラオケホスト装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカラオケ演奏装置と、これら装置とネットワーク通信回線を介して接続されたカラオケホスト装置とを主体として構成され、利用者ID取得手段と、利用者別指定楽器登録手段と、選曲予約手段と、演奏制御手段と、演奏ガイド表示制御手段とを備えてなるカラオケシステムであって、
(ア)利用者ID取得手段は、利用者が当該カラオケシステムにログインする際、当該利用者ID記録媒体から当該利用者IDを識別して取得し、
(イ)利用者別指定楽器登録手段は、利用者IDが取得された任意の利用者につき、その利用者ID毎に指定された楽器IDを所定の利用者別指定楽器登録部に登録し、
(ウ)選曲予約手段は、利用者が選曲した楽曲を予約する際、当該利用者IDと該利用者ID毎に指定された楽曲IDを含めた予約データを所定の演奏待ち行列に登録し、
(エ)演奏制御手段は、前記予約データに基づく楽曲の演奏時、その利用者IDにつき、前記利用者別指定楽器登録部に楽器IDが登録され、かつ、当該楽曲の演奏データを構成する楽器ID毎に対応する複数の音源データをそれぞれ保持する複数チャンネルの何れかに当該登録された楽器IDが割り当てられていた場合、その対応する音源データの再生を行わずに演奏データを再生し、
(オ)演奏ガイド表示制御手段は、前記音源データの再生が行われずに演奏データが再生される場合、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏楽譜ないし演奏コードからなる演奏ガイドテロップを、当該演奏データの再生に同期させ、所定の表示手段に表示させる、
ことを特徴とする演奏ガイド機能付きカラオケシステム。
【請求項2】
さらに演奏ガイド印字制御手段を備え、当該制御手段は、前記音源データの再生が行われずに演奏データが再生される場合、その再生が行われなかった楽器IDに対応する演奏楽譜ないし演奏コードからなる演奏ガイドを、当該演奏終了後の任意のタイミングにて、所定の印字手段から印字させる、
ことを特徴とする請求項1記載の演奏ガイド機能付きカラオケシステム。
【請求項3】
前記利用者別指定楽曲登録部が前記カラオケホスト装置内に組み込まれてなることを特徴とする請求項1または2記載の演奏ガイド機能付きカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−193273(P2007−193273A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13799(P2006−13799)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】