説明

濃厚ポリマー溶液の生産のための工程及び装置

本発明は、ポリマー粒体から高濃度のポリマー溶液を生産する方法に関し、この方法においては、粒体は、第1の段階において水中に分散され、第2の段階においてより低い1mあたりの混合又は分散出力で再分散される。また、本発明は、この方法を行うための装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状のポリマー、具体的には高分子合成ポリマーから水溶性ポリマーの溶液を生産するための工程と、前記工程を実施するための装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
水溶性ポリマーは、特に高分子量を有する場合に、溶解性が劣ることが多い。例えばポリアクリルアミドは、水溶性ポリマーの大きなグループを代表している。アクリルアミドポリマーは、固液分離の多くの領域において、高分子の(平均分子量>10)アニオン性、カチオン性、又は両性的なコポリマーの形態で専ら使用されている。公営の排水処理施設及び製紙工業に加えて、採鉱業は凝集剤の別の重要な使用者である。
【0003】
ポリマーは水溶液として使用され、ポリマーの濃度は約0.5重量%である。水溶液を準備する場合に、必要とされる量のポリマーは、撹拌されつつ水に加えられ溶液中に拡散される。水中の固体アクリルアミドポリマーの分散は、水に接した際に、それ自体の集塊を形成しやすい、つまり凝集しやすい傾向によって妨害される。固体ポリマーの集塊は、ポリマー粉体の水中への導入後に、水に濡れたポリマーの外側コーティング内の溶解していない固体の封止を通じて直接的に形成され、水が固体の分体内にさらに侵入するのを遅れさせる。この凝集は、特に200μm以下のポリマー粉体の細かい断片によって引き起こされる。
【0004】
1〜2時間の熟成時間が、連続した適度な撹拌によるポリマーの完全な溶解のために必要である。活性な物質の溶液を準備するために、それぞれが3m〜10mの容量を有する熟成タンクと貯蔵タンクとを備える2−タンクシステムが、製造者又は望ましい容量によって知られている。熟成の後に、準備された溶液は貯蔵タンクに戻され、溶液は貯蔵タンクにおいて同様に連続的に撹拌され、空になるまでそこから連続的に排出される。熟成タンクにおいてその間に新たに準備されたポリマー溶液は、次いで空の貯蔵タンクにポンプで吸引される。
ポリマー溶液は、大きな充填容量と、長い熟成時間、最充填の待ち時間、及び排出時間とのために、使用の前に数日間タンクの中に残っている場合がある。このために、ポリマー溶液の有効性は生物学的及び剪断誘起の劣化プロセスのために減少する場合がある。
【0005】
ポリマー溶液の半連続的な供給を保証するために、いわゆる3−チャンバ溶解システムが使用されている。3−チャンバ溶解システムにおいては、水の接線方向の流れによって濡れた粒子は、第1のチャンバの中に入り、撹拌システムによって均一化されるとともに溶解される。第1のチャンバ内の液レベルの上昇によって液はオーバーフローし、よって溶液は第2のチャンバの中に入り、そこには撹拌装置が同様に存在して均一化と溶解を生じさせる。第2のチャンバの中の液体がオーバーフローの標点に達すると、溶液は第3のチャンバの中に流れ、そこで溶液の均一化及び溶解が撹拌装置によって再度実施される。最小の接触点(チャンバ1における濡れ工程の開始)及び最大の接触点(チャンバ1における濡れ工程の停止)を有するレベルゲージは、第3のチャンバの中にあり、液体のレベルに従って第1のチャンバ内における濡れ工程を開始または停止させる。このように溶解される粒子は、約30〜60分の熟成時間の後に、生産工程に対して使用することができる。
【0006】
また、熟成時間の後には、ポリマーの水溶液中には、溶解していないポリマーを含んでいるゲルの部分が依然として存在している。ゲルの含有は、ポリマー溶液の作用の損失を生じるばかりではなく、プラグドスクリーンによる技術的な問題、又は紙の生産の場合には不均一な紙表面による技術的な問題を引き起こしてしまう。
【0007】
約0.5重量%までの溶液は、非常に緩やかにポンプで吸引することができるので、ポンプによる吸引中に顕著な剪断による劣化が生じることは無い。高度に濃縮された溶液の強制的な輸送は完全に可能であるが、ポリマーの一部の劣化が常に生じる。工業スケールの低濃度のポリマー溶液への制限は、大規模で、使用しにくく、経費のかかる溶解ステーションの設置を必然的に伴っている。
【0008】
可能な限りゲルの無いポリマー溶液を得るために、様々な剪断システムが従来技術において知られており、この技術においては、ゲルの量を削減はするけれども、ポリマー溶液の粘度の望ましくない低下を引き起こす。粘度の低下は、ポリマーの分子量の減少によるものであり、効果の低下を引き起こす。
【0009】
このように、特許文献1においては、工程は、ポリマー溶液を含有する水性ゲルが圧力の下でメッシュの幅が縮小されているインラインフィルタを通過するように記載されている。
【0010】
特許文献2には、ポリマー粉を分散し、続いて、溶媒の乱流中に溶解させるための装置及び工程が記載されている。この場合には、ポリマー粉の粒子サイズへの高い依存性があることがわかる。分散は、ポリマー粉と接線方向の液体との供給のための充填開口部を有する漏斗と、円形状のノズルを有する排液パイプと、ジェットポンプとから実質的に構成された装置の中で行われる。この場合、効果の減少が、>800マイクロメータの粒子サイズのポリマー粉において、溶解していない膨潤した粒子本体によって明瞭に現れる。微細に分割されたポリマー粉の含有は、過剰な溶液の粘度と装置の詰まりを引き起こす。
【0011】
特許文献3には、乱流中のポリアクリルアミドゲルの粒体の溶解のための工程が記載されている。この場合、溶解段階は多価の塩の溶液による、20分までの時間に亘るポリマー粒子の処理によって行われる。このように形成された膨潤したポリマー物質は、溶解タンク及びパイプシステムからなるフロータイプの装置を通じて、膨潤した物体が壊れるまで循環される。フロー装置は、特許文献4中に記載されている。添加された塩によって、この工程によって生産されたポリマー溶液は凝集剤としての効果の減少を呈する。
【0012】
特許文献5は、高分子電解質のポリマー粉を水と混合する工程と装置とを記載しており、ここでは、粉体はパイプの中に空気によって圧入され、液体とともにスプレーされ、続いて撹拌手段を有して設けられた溶解タンクの中に液体によって移送される。粉体を移送する導管は透明なプラスティック材料から製造され、凝集したポリマー粉によって生じた詰まりを見つけることを可能にすることが推奨されている。
【0013】
特許文献6は、粉体が垂直な円柱状カラムの中に空圧で圧入され、均一な溶液を形成する目的で湿潤される、装置及び工程を開示している。カラムはノズルを有しており、このノズルを通じて溶媒が供給される。しかし、この工程は、非常に小さいゲル粒子及び極めて小さいゲル粒子の形成を妨げることはできない。
【0014】
特許文献7は、混合タンクが、液体若しくは粉体のポリマーと、水とを有する渦巻き式カップを介して供給される、溶解装置を開示している。混合タンク中の混合バフルによって、2−ゾーン式の再循環する混合が、ポリマー粉の溶解を起こすように意図された循環流又は乱流によって生じる。使用状態にされたポリマー溶液は、溶解装置の底から引き抜かれる。ポリマーの劣化は、内在する強い乱流から生じ、ポリマー溶液の有効性は弱められる。実際には、粉状のポリマーの溶解は、望まれないゲルの含有が完全には回避できないという事実による問題を提供する。1重量%を明確に越えるバッチのポリマー濃度は、この装置では生産することはできない。
【0015】
特許文献8は、粉末状の物質を液体と連続的に混合するための装置について記載しており、この装置においては、粉末状の固体は、中央の供給パイプを通じて、ロータリーポンプと、分散して設置されたギアリングを有するインペラホィールとを備えて設けられた環状の混合チャンバの中に引き抜かれる。液体の流れは、接線方向に混合チャンバの中に導入される。輸送された粉体は液相とともに回転子−固定子の(rotor−stator)ギアリングの迷路の中に遠心分離され、この強制された輸送中にコロイド状に溶解されるか、又は分散される。この分散溶液は次いで静止したスクリーンを通じて引き抜かれる。
【0016】
特許文献9は、マルチディスクのリングを永久的に設置されることによって改良されたこの溶解システムの開発について記載している。比較的精巧な混合技術にもかかわらず、このシステムは、全体的にゲルの無いポリ電解質粉の溶液の生産には適していない。さらに、高分子の水溶性凝集剤ポリマーのような剪断に対して敏感な生成物の場合には、分子量が減少し、よって効率の損失が生じる。
【0017】
特許文献10は、液体にあまり濡れない粉末状物質を連続的に粉砕するための装置について記載しており、この装置は、粉末状物質のための筒状の供給装置と、その下流の分散装置とから構成されており、液体は供給ユニットと分散ユニットとの間で圧力下で射出され、粉体に接触する領域に付着しないようにしている。粘度の高い媒体の場合には、分散装置はその下流に設けられたポンプを有する必要があり、分散装置から離間した液体の信頼できる輸送を保証している。
【0018】
特許文献11は、前以って決められた量の液体に前以って決められた量の粉体を分散させるための設備について記載しており、この設備においては、前以って決められた量の液体が強力に撹拌された供給タンクから混合装置を通じて、何回も再循環され、よってそれぞれのときに追加的な固体を追加される。可溶性の固体粉を溶解する場合の問題は、議論されていない。
【0019】
特許文献12は、汚染の無い計量と、粉体供給容器から分散タンク又は溶解タンクの中へ固体粉を輸送するための工程と装置とについて記載しており、前記粉体はこれらタンク中で分散されるか、又は溶解される。粉体は、ダストの無い状態で計量され、漏斗の中に入り、その底部の出口において液体ジェットポンプの中に引き抜かれ、分散され、溶解され、次いで溶解タンクへ輸送される。この工程はダストの無い粉体の輸送を可能にしているが、溶解されたポリマーはゲルの含有がないわけではない。
【0020】
特許文献13は、ガス、液体、及び/又は浮遊しやすい固体を、分散する、懸濁する、又はエマルジョン化するための装置を開示しており、この装置は、2つの物質用入口と1つの生成物用出口とを有する分散チャンバの中に、円板形状のロータを有している。物質の流れは、歯又は翼板を有して設けられたロータ円板の縁領域において物理的に結合されている。任意的に、分散ユニットは、放射状の開口部を有し、追加的な分散及び剪断作用を行う追加的な固定子を有して操作される。水溶性ポリマーの粒子の分散及び溶解中に生じる強い剪断作用の故に、効率の損失が分子的な劣化によって生じてしまう。
【特許文献1】国際公開第95/20431号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第0050312号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0051264号明細書
【特許文献4】DE−OS−2807709
【特許文献5】DE−OS−2627367
【特許文献6】英国特許第2067908号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第10210511号明細書
【特許文献8】独国特許第3243671号明細書
【特許文献9】独国特許出願公開第3517879号明細書
【特許文献10】独国特許第19717161号明細書
【特許文献11】欧州特許出願公開第729780号明細書
【特許文献12】独国特許出願公開第19622191号明細書
【特許文献13】国際公開第92/21436号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明の目的は、水溶性であり、粉末状である、特に高分子量のポリマーを溶解するための工程を提供することであり、この方法によって実質的にゲルの無い溶液を生産し、よって後続のゲル含有物の除去のコストを省くことである。例えば溶解工程におけるような本発明の工程によって引き起こされるポリマーの効率の劣化は無いか、又はわずかでしかないべきであり、ポリマー分子は重大な破壊無しに溶解されなければならない。本発明の別の目的は、ポリマー溶液の生産のための工程を、短期間のバッチタイプで、又は連続的に行うことができ、1重量%の濃度の溶液の生産を可能にするように、構築することである。
【0022】
また、本発明の工程は、250μm未満の、特に通常は溶解が困難である100μ未満のポリマー微粒子の高い濃度を有するポリマー粉を、溶液の特性に関係する欠点を生じさせること無く、溶解する可能性を提供するべきである。
【0023】
本発明のまた別の目的は、この工程を行うために好適な装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
目的は、分散ユニットの中で水とポリマー粒子とを物理的に結合させることによって、水溶性のポリマーの固体粒子から、ポリマー水溶液を生産するための工程によって達成され、この工程は、
− 粒子の水中での分散が、1mあたりの第1の出力レベルを適用することによって行われ、
− 水/粒子の混合物が、分散ユニットを出た後に、撹拌タンクに移され、その中で撹拌によって実質的に溶解され、
− ポリマー水溶液は、撹拌タンク中に存在した時間の後に、第1の分散におけるより低い1mあたりの出力レベルを使用する分散における第2の分散操作にかけられる
ことを特徴としている。
【0025】
水溶性ポリマーのゲルの無い水溶液の生産が、第2の分散が低い混合または分散の1mあたりの出力レベルで行われる2段階の分散によって、分子量の減少を大幅に回避しつつ可能であることが、驚くべきことに判明した。
【0026】
水/ポリマー粉の混合物の第1の分散のための好ましい実施形態においては、出力レベルは550〜1600Wh/m、より好ましくは100〜1000Wh/mに限定されている。混合エネルギーが低すぎる場合には分散効果は最適ではなく、結果的に下流の撹拌容器における在留時間が延長される。混合エネルギーが高すぎる場合には、ポリマーの分子構造の部分的な破壊が生じ、例えば、分子量の実質的な減少及び凝集剤としてのポリマーの効果の付随する減少を生じる。
【0027】
本発明の工程においては、分散ユニットは、好ましくは特許文献13に記載されているように使用される。この文献は、参照によってここに組み込まれている。分散ユニットは、分散チャンバ中の円板形状のロータからなり、ポリマー粉及び水のための2つの入口と、1つの生成物出口とを設けられている。2つの物質の流れは、ロータ円板の縁領域において物理的に結合されており、この点において分散工程が行われる。生成物出口は、分散チャンバの外側端部に配置されている。その外側端部において、ロータは、歯又は放射状の開口部を有するロータリムを有している。任意的に、ポリマー粉を分散するための放射状の開口部を有して設けられた固定子が、ロータと協働するための分散装置中に設けられても良い。
【0028】
第1の分散段階の後には、細かい粒子が既に部分的に溶解しているとともに、粗いポリマー粒子が分散されているポリマー/水の混合物は、撹拌タンクに移送され、そこでゆっくりと回転する撹拌子によって撹拌される。この撹拌は、ポリマー粒子の実質的にすべてが濡れ、初期の溶解が行われるようにされるのを保証し、残りの溶解工程中の沈降が妨げられるとともに、撹拌による剪断による劣化がこの構成によって生じることは無い。本発明の工程において使用することのできる好適な撹拌機は、例えば、真直ぐなアームのパドル撹拌機、翼板撹拌機、及びアンカー撹拌機である。300rpmまでの回転速度でのゆっくりと回転するブレード撹拌機の使用は、工程の実現において効果的であることが証明された。他の好適な撹拌機は当業者に良く知られている。
【0029】
撹拌タンク中のポリマー/水の混合物の滞在時間は、好ましくは1〜15分、より好ましくは2〜10分、最も好ましくは3〜6分である。撹拌タンクに新たなポリマー/水の混合物が連続的に補給される連続的工程の場合には、上述の滞在時間は平均滞在時間として適用される。分散されるポリマーの種類によって、滞在時間は変動する場合があり、例えば、カチオン性ポリマーはアニオン性ポリマーより短い滞在時間を必要とすることが多い。
【0030】
撹拌タンクを出た後、部分的に溶解していないゲル断片をまだ含んでいるポリマー水溶液は、第2の分散工程にかけられ、この第2の分散工程の間に、ゲル含有物は、ポリマーの劣化を回避しつつ、溶解状態へとゆっくりと変換される。好ましい実施形態においては、200〜500Wh/m,より好ましくは250〜400Wh/mのレベルの混合及び分散出力が維持される。混合エネルギーが小さすぎる場合には、ゲル断片は完全には溶解することができず、大きすぎる場合には、ポリマーは剪断による劣化を受けてしまう。
【0031】
本発明の工程は、広い範囲の濃度に亘る水溶性ポリマーの溶液の生産を可能にする。この濃度範囲は、ポリマーの分子量によって変動する場合がある。高分子量の合成ポリマーの場合には、1%より高い溶液は高い粘度の発現の故に濃縮されたように考えられるが、低い分子量のポリマーの場合には、明瞭に高濃度とすることが可能である。高分子量の水溶性ポリマーは、好ましくは本発明に従って、1重量%より高い、より好ましくは2重量%より高い、最も好ましくは2.5重量%より高い濃度範囲で生産される。
【0032】
本発明の工程によって有利に溶解される水溶性ポリマーは、合成タイプ及び天然タイプの両方を含んでいる。
【0033】
上述された天然ポリマーは、例えば、セルロースに由来する水溶性のポリサッカライド、スターチ、ガラクトース、キトサン、及びキサンタン、そしてこれら物質の水溶性の誘導体からなることができる。誘導体化は、物理的工程及び/又はエーテル化及びエステル化剤の使用のような化学的工程によって達成することができ、中性生産物、アニオン生産物、非イオン性生産物、及びカチオン生産物を形成する。好適な化学的誘導体は、主にカーボキシル、カーボキシアルキル、ハイドロキシアルキル、及びこれら物質の混合物のタイプの誘導体である。上述の物質の例は、カーボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ハイドロキシプロピルセルロース、カーボキシメチルスターチ、酸化されたスターチ、ゼラチン化されたスターチ、及びカチオンスターチエーテルの化合物からなることができる。
【0034】
本発明の工程は、凝集剤として使用されるポリマーのような特に合成水溶性ポリマーを溶解するために好適であり、これらポリマーの平均分子量は、通常10より大きく、好ましくは10より大きい。ポリマーは、通常、粉体の形状であり、市販されている粉体の粒子は、通常、生産工程でスクリーニングによって得られる250μm〜1250μmの範囲に亘っている。
【0035】
この発明の目的のための合成水溶性ポリマーは、ラディカル重合による水溶性のエチレン性不飽和モノマーから形成されている。モノマー組成によって、非イオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、又は両性ポリマーを形成することができる。
【0036】
ポリアクリルアミドは、本発明に従って使用することのできる水溶性合成ポリマーの中の好ましいグループを代表するものである。この特許の目的に対しては、“ポリアクリルアミド”は、モノマーの成分としてアクリルアミドを含有するホモポリマー又はコポリマーを参照している。
【0037】
ポリアクリルアミドに対する好適なアニオン性コモノマーの例は、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニルサルフォン酸、アクリルアミドメチルプロパンサルフォン酸、(メタ)アリルサルフォン酸、マレイン酸、フマリン酸、及びイタコン酸である。挙げられたすべての酸は、遊離酸として、塩として、又はこれら酸又は塩の混合物として重合させることができる。モノマーは、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アミン、アミノアルコール及び/又はアンモニアによって中和することができる。これらに加えて、酸とともに水溶性の塩を形成する別の塩基を使用することができ、異なる塩基を使用する混合中和もまた可能である。好ましいアニオン性コモノマーは、アクリル酸、ビニルサルフォン酸、及びアクリルアミドメチルプロパンサルフォン酸、及び/又はこれら物質の塩である。
【0038】
ポリアクリルアミドに対して好ましい非イオン性のコモノマーは、完全に、又は部分的に例えばメタアクリロニトリル、NN−ジメチルアクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルアセテート、メタアクリルアミドのような水溶性のモノマー、重合可能な酸のエステルを含むハイドロキシグループ、アクリル酸及びメタアクリル酸のハイドロキシエチルエステル及びハイドロキシプロピルエステル、例えばアクリル酸及びメタアクリル酸のジメチルアミノエステル及びジエチルアミノエステル、例えばジメチルアミノエチルアクリレートのような、重合可能な酸のエステル及びアミンを含有するアミノグループ、又は、例えばジメチルアミノプロピルアクリルアミドのような対応するアミンである。部分的に水溶性のモノマーは、結果的なコポリマーの水溶性を害さない限りでのみ使用される。
【0039】
カチオン性ポリアクリルアミドの好適なコモノマーは、例えば、ジメチルアミノエチル 〈メタ〉アクリレート、ジエチルアミノエチル (メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル (メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル (メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル (メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル (メタ)アクリレート、ジエチルアミノブチル (メタ)アクリレートのような、(メタ)アクリル酸のカチオン化されたエステル、ジメチルアミノエチル (メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル (メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル (メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル (メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル (メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノブチル (メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノブチル (メタ)アクリルアミドのような、(メタ)アクリル酸のカチオン化されたアミド、N−メチル (メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、ターシャル‐ブチル (メタ)アクリルアミドのような、1〜6の炭素を含んだアルキルラジカルを有するカチオン化されたN−アルキル モノ及びジアミド、N−ビニルー2−メチルイミダゾール、N−ビニルー4−メチルイミダゾール、N−ビニルー5−メチルイミダゾール、N−ビニルー2−エチルイミダゾールのようなカチオン化されたN−ビニルイミダゾール及び置換されたN−ビニルイミダゾール、及びビニルイミダゾリン、N−ビニルー2−メチルイミダゾリン、及びN−ビニルー2−エチルイミダゾリンのような、カチオン化されたN−ビニルイミダゾリンである。
【0040】
塩基性モノマーは、無機酸又は有機酸で中和された形、若しくは4級化された形で使用され、4級化は、好ましくはジメチルサルフェート、ジエチルサルフェート、メチルクロライド、エチルクロライド、又はベンジルクロライドで行われる。好ましい実施形態においては、メチルクロライド又はベンジルクロライドで4級化されたモノマーが使用される。
【0041】
カチオン性ポリアクリルアミドノための好ましいコモノマーは、カチオン化された(メタ)アクリル酸のエステル及びアミドであり、それぞれの場合において1つの4級化されたN原子を含んでおり、4級化されたジメチルアミノプロピル‐アクリルアミド及び4級化されたジメチルアミノエチルアクリレートが非常に好ましく使用される。
【0042】
本発明の工程の別の利点は、この工程は、使用されるポリマー粒子の粒子サイズの分布に左右されないということである。実際には、これらポリマー粉は、250μm以下の範囲の最も小さい可能な断片を有して生産され、一方ではダストの生成を妨害し、他方ではこれら微細粒が溶解水の中に導入された場合に、これら微細粒の凝集を回避する。本発明の工程によって、これら微細に分割された構成成分は問題なく溶解することができるので、これら微細に分割された構成成分を製品中に残すことが可能になる。本発明の工程の有利な実施形態においては、ポリマー溶液は、200μm以下の、好ましくは150μm以下の粒子サイズを有する、微細に分割されたポリマー粉を専ら使用して生産される。ポリマー粉の粒子のサイズの上限に関しては、1250μm以上の粒子サイズを有する粉体を問題なく溶解することができる。
【0043】
本発明の別の目的は、請求項11による、バッチ式の本発明の工程を行うための装置と、請求項12による連続的操業のための装置とを提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1は、本発明の工程を、溶液のバッチ式生産の形態で行うことができる装置の図である。ポリマー粒体は、空気式搬送機(H0001)によって、例えば大きな袋又はザックなどのポリマー粒体の貯蔵容器から、計量ユニット(H0002)の補給ホッパへ搬送される。計量ユニット(H0002)は、粒体の必要量を(要求される濃度に従って)粉体供給タンク(B0001)の中へ計量して供給する。
【0045】
代替的に、粒体は、柔軟なコンベヤスクリューによって、ポリマー粒体の貯蔵容器からタンク(B0001)へと搬送することができる。
【0046】
タンク(B0004)は、水供給部材として働き、溶液のバッチに必要な量の水を収容している。
【0047】
バッチ式の分散ユニット(U0001)が始動し、供給された水の一部がタンク(B0004)から排出され、容器(B0002)中の撹拌装置(R0001)もまた始動する。
【0048】
バルブ(H0003)が、バルブ(H0004)が端部位置に達するとすぐに開く。粒体は、分散ユニット(U0001)によって生成された真空によって引き抜かれる。粒体は水によって濡らされ、続いてタンク(B0002)の中にポンプで吸い込まれる。分散ユニット(U0001)は円板形状のロータからなり、任意的な実施形態中では追加的な固定子で操作される。
【0049】
粒体の容器(B0001)が完全に空の場合には、バルブ(H0003)は閉じられている。
【0050】
容器(B0002)は、分散ユニットを介して、タンク(B0004)の中にまだ残留している水でレベルゲージ(L0001)が分散ユニット(U0001)のスイッチを切るまで充填され、水のバルブ(H0004)を閉じる。
【0051】
タンク(B0002)の内容物は、撹拌装置(R0001)によって、約1〜15分間で均一化される。
【0052】
撹拌時間の結果、溶液は、ユニット(U0001)の助けを借りてタンク(B0002)から除去され、貯蔵用溶液タンク(B0003)の中に搬送される。分散ユニット(U0001)は、充填ポンプ及び分散ユニットとして作用し、剪断変形を加えるように適用され、よって溶解し、ゲルはまだ存在している。ユニットは、当初の分散操作の場合より低いmあたりの混合及び分散出力で駆動される。レベルゲージ(L0001)は、充填工程を終了し、手順が再び開始される。
【0053】
図2は、本発明の工程が、溶液の連続生産の形態で行われる装置を示している。
【0054】
ポリマー粒体は、空気式搬送機(H0001)によって、例えば大きな袋又はザックなどのポリマー粒子の貯蔵容器から、計量ユニット(H0002)の補給ホッパへ搬送される。
【0055】
粒体は、計量ユニット(H0002)へ(予備固定された搬送出力で)供給される。代替的に、ユニットH0001及びH0002は、柔軟なスクリューコンベヤによって置き換えることができる。
【0056】
必要な水は、圧力及び供給速度の変動無しにオンラインで使用可能とされている。
【0057】
溶液の生産は、水の供給を開始することによって始まり、その後、分散ユニット(U0001)の粒体用バルブ(H0003)は開けられ、計量ユニット(H0002)が始動される、ここで粒体は、分散ユニット(U0001)によって生成された真空によって引き込まれる。粒体は、水によって濡らされ、タンク(B0002)の中に搬送される。分散ユニット(U0001)は円板形状のロータからなり、任意的な実施形態中では追加的な固定子で操作される。
【0058】
タンク(B0002)の内容物は、撹拌装置(R0001)によって均一化され、沈降しないようにされている。平均のタンクの中の滞留時間は、1〜15分である。タンクから出た溶液は、追加的な分散ユニット(U0002)によって貯蔵用溶液タンクの中に搬送される。ユニット(U0001)は、剪断をもたらすように適用され、よって溶解し、ゲルはまだ存在している。ユニット(U0002)は、ユニット(U0001)より低い1mあたりの混合及び分散出力レベルで操作する。
【0059】
[個々の構成要素の説明]
〈B0001:粒体供給装置〉
粒体供給装置は、分散ユニットのバッチ式操作のためにのみ必要とされ、必要とされる量の粒体を、水の量と必要な濃度に比例して提供することができる。
【0060】
〈B0002: タンク〉
タンクは、水の中に分散されたポリマー粒体を収容するように作用する。タンクは、レベルモニターと撹拌装置とを有して設けられている。撹拌装置は、粒体が溶解するように水/ポリマー粒体の混合物を均一化すること、及び分散したポリマー粒体の沈降を妨げることという作用を有している。分散された粒体への剪断効果は、可能な限り回避される。
【0061】
したがって、ゆっくりと回転する撹拌機が、好ましくはこの段階で使用される。直線アームのパドル撹拌機、翼板撹拌機、及びアンカー撹拌機は、使用することのできる撹拌装置の例である。
【0062】
連続モードにおいて操作する場合には、2つ以上の撹拌されるタンクが直列的に接続されているか、又はいわゆる連続的な流動チャンバシステム(いわゆる多数チャンバ設備)が使用される場合が有利であり得る。
【0063】
〈B0003: タンク〉
このタンクは、ゲルの無い、高い濃度の凝集剤溶液の貯蔵のために作用する。必要とされる濃度によって、貯蔵溶液又は使用に供される溶液は、このタンクから使用者に入手可能とされる。
【0064】
〈H0001:吸入搬送機〉
吸入搬送機は、粒体を搬送するように作用し、常に計量装置の上に配置されている。例えば、粒体が大きな袋状部材から吸入された場合には、吸入された粒体は、次いで計量用スクリューの供給ホッパの中に落ちる。
【0065】
(H0002: 計量用スクリュー)
計量用スクリューは、必要とされる速度で粒体を計量する。搬送出力は、スクリューの駆動部の回転速度を変化させることによって調整される。特定された計量された量は、前以って重さを測られ、特定の要求に合わせられる。操作状態においては、スクリューは必要とされる量を粉体収用容器の中に搬送する〈バッチ式工程〉か、又は水の流れに比例して搬送する〈連続工程〉。計量用スクリューのホッパは、必要に応じて吸入搬送機によって充填される。ホッパは、値が最小値より下に落ちるとすぐに警告を送る電気容量性近接スイッチによって追加的にモニターされており、下流のシステムを停止するように使用することができる。
【0066】
〈H0003: 粒子バルブ〉
バルブは、計量用スクリューと分散ユニットとの間に設置され、濡らし工程が開始するとすぐに開けられる。
【0067】
〈R0001: 撹拌システム〉
撹拌装置は、初期に溶解されたポリマー粉と、分散ユニットの中で集積されている濡れた粉末粒子との混合物の均一化と溶解とを加速し、まだ完全には溶解していない粒体の沈殿を防止する。
【0068】
〈U0001及びU0002: 分散ユニット〉
分散ユニットは、様々な円板形状のロータシステムを備えるインライン式の分散装置である。この設計の故に、分散ユニットの中を流れる液体は、粉体/粒子を損失無しに、かつダストを生じることなく、引き込むことができる高真空を作り上げる。
【0069】
インライン式の分散装置は、好ましくは、周波数変換に好適なモータを有して設けられる。モータシャフトと、別に取り付けられた装置シャフトとの間の分離は、クラッチによって行われる。2つの部分からなるロータは、2つの好ましくは高度に研磨されたロータハブと、付着を防止するための2つのストリッパーとを有する、混合チャンバ(ロータハブ及びロータ翼板搬送機)中に設置されている。液体の流入及び流出はフランジを通じて行われ、粉末は、混合チャンバ上に同心状にとり付けられた取り入れ治具を通じて入ることができる。
【0070】
分散ユニットは、分散チャンバ中の円板形状のロータからなり、ポリマー粉と水とのための2つの物質用入口、及び1つの生成物用出口を有して設けられている。2つの物質の流れは、ロータディスクの周縁において、好ましくは軸方向に、物理的に結合され、そのときに分散工程が行われる。生成物用出口は、濡らしチャンバの外側端部に配置されている。その周縁において、ロータは、歯又は放射状の開口部を有するロータリムを有している。
【0071】
任意的に、ポリマー粉を分散するための放射状の開口部を有して設けられた固定子は、ロータと協働するために分散ユニットの中に設けられている。
【0072】
本発明は、以下のようなすべての分野において役立つように使用することができる。
‐ 凝集剤は、1%以上の濃度を有して提供される溶液として計量される。
‐ ゲルの無い凝集剤溶液が要求される。
‐ 大量の凝集剤が、短時間に必要とされ、大型の溶解設備のために十分な空間が入手できない。
‐ 高い濃度の貯蔵溶液の生産が求められている。
【0073】
本発明の工程によって生産される高濃度のポリマー溶液は、スラリーの清澄化と、特にスラリーが大量に連続的に沈殿する場合の、例えば、下水処理施設、沈泥浚渫又は鉱山における沈殿物のようなスラッジからの水の除去に特に良好に適合している。また、ポリマー溶液は、特に製紙工程における凝集剤として、第3次石油の搬送におけるサージポリマーとしての使用に対して特に好適である。
【0074】
[実施例]
〈実施例1〉
公営の下水のチャンバーフィルタプレス上のスラッジの脱水のために、カチオン性ポリアクリルアミドの溶液を加圧するフィルタである、タイプPraestoff(R)658BC−S#が、2重量%の濃度の凝集剤として使用され、この溶液は本発明の工程によって、図1に示された装置中で準備された。第1の分散段階において、900Wh/mのレベルの分散出力がかけられ、第2の分散段階においては、300Wh/mの分散出力がかけられた。撹拌タンクB0002は、ゆっくりと回転するブレード撹拌機(250rpm)を有して設置された。比較のために、下水スラッジは、同じカチオン性ポリアクリルアミドの従来どおりに準備された0.2%溶液で処理された。合計で49の試験バッチが、それぞれ1mの凝集剤溶液で行われた。本発明の工程による凝集剤溶液は、ゲル体を含まず、顕著な凝集効果を有していた。0.2%濃度の溶液が使用された場合に、フィルタケーキにおける約40%の固形含有量を達成するために、約4.5Kgの凝集剤が乾燥した物質のトン当たりで必要とされた一方で、本発明によって生産された溶液では、3.7Kgしか必要とされなかった。
【0075】
#:Praestol(R)658 BC−Sは、Stockhausen GmbHによって供給されたカチオンのポリアクリルアミドであり、10より大きいモル分子量、及び8%のカチオン生成性を有し、<315μmの粒子の含有量は10%であり、<100μmの粒子の含有量は5%以下である。
【0076】
〈実施例2〉
実施例1の装置及び設定を使用して、1%濃度のポリマー溶液が、専ら微細断片からなるカチオン性ポリマー粉から準備された。
【0077】
篩による分析によれば、ポリマーは以下の組成を有していた。
>1250μm: 0.1%
>1000μm: 0.7%
>800μm: 5.7%
>500μm: 7.8%
>315μm: 3.4%
>100μm: 44.7%
>63μm: 29.4%
<63μm: 8.2%
【0078】
第1の分散段階を900Wh/mで通過した後、撹拌は分散タンク内で5分間続き、その後、水/粒子の混合物は本質的に溶液となった。すなわち、粒子は水に溶解するか、又は少なくとも水に濡らされ、溶解し始めた。撹拌容器を通じた通路の後に、第2の分散段階が300Wh/mで行われた。
【0079】
高い微粒子の含有にもかかわらず、ポリマー溶液は問題なく生産することができたとともに、5ml/Lより少ない少量のゲル含有量しか示さなかった(ゲル含有量は、1000mLのポリマー溶液を0.1重量%の濃度まで希釈し、0.315mmのメッシュ幅を有する標準的な篩にかけてゲル体を収集し、次に測定用シリンダーの中で体積を測定することによって測定した)。1%濃度の溶液の粘度は、生産後に1500mPa・sであり、1時間経過後にも変化しなかった。
【0080】
この試験結果は、本発明の工程によって生産されたポリマー溶液の利点を証明した。ポリマー溶液は、通常の操作手順に比較して高濃度であり、凝集剤溶液の体積と供給水のコストを約90%削減させ、凝集剤の量を約15%削減した。さらに、供給出力のコストの80%の削減が、撹拌及び計量における節約の結果として得られた。本発明の工程の別の利点は、微細に分割されたポリマー粉からポリマー溶液を生産する可能性であり、微細ポリマー粉は、従来の溶解では、強い凝集しやすさによって使用することができなかったものである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の工程を、溶液のバッチ式生産の形態で行うことができる装置の図である。
【図2】本発明の工程が、溶液の連続生産の形態で行われる装置である。
【符号の説明】
【0082】
H0001・・・搬送機
H0002・・・計量ユニット
H0003、H0004・・・バルブ
U0001、U0002・・・分散ユニット
L0001・・・レベルゲージ
R0001・・・撹拌装置
B0001、B0002、B0003、B0004・・・タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水とポリマー粒子を分散ユニット中で物理的に結合させることによる、水溶性ポリマーの固体粒子からなるポリマーの水溶液の生産のための工程であって、
‐ 前記粒子の水中における分散は、立方メータあたりの第1の出力レベルを適用して行われ、
‐ 前記分散ユニットを出た後の水/粒子の混合物は、撹拌タンクへと移動され、そこで撹拌によって実質的に溶解され、
‐ 前記ポリマー水溶液は、撹拌タンク中における滞留時間の後に、分散ユニット中において前記第1の分散中に使用されたのより低い立方メータあたりの出力レベルで第2の分散にかけられる、
ことを特徴とする工程。
【請求項2】
前記第1の分散中において、混合又は拡散に550〜1600Wh/mの出力レベルがかけられることを特徴とする請求項1に記載の工程。
【請求項3】
前記第2の分散中において、混合又は拡散に200〜500Wh/mの出力レベルがかけられることを特徴とする請求項1又は2に記載の工程。
【請求項4】
前記分散されたポリマー粒子は、1〜15分の前記撹拌タンク中における滞留時間を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の工程。
【請求項5】
前記ポリマー粒子は、ゆっくりと回転する撹拌機によって前記撹拌タンク中における沈降を防止されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の工程。
【請求項6】
前記第1及び第2の分散は、円板形状のロータを含む分散チャンバを備える分散ユニット中において行われ、ロータの周縁領域には歯又は放射状の開口部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の工程。
【請求項7】
使用された前記水溶性のポリマーは、アニオン性合成ポリマー、カチオン性合成ポリマー、又は両性合成ポリマーであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の工程。
【請求項8】
前記ポリマー溶液は、1重量%より高い濃度を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の工程。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の工程によって生産されたポリマー水溶液の凝集剤としての使用であって、特に、スラリーの清澄化及び排水処理施設から、鉱山廃液から、及び沈泥輸送設備から得られたスラッジの脱水のための使用、及び製紙に含まれる凝集工程に対する使用。
【請求項10】
第3次石油生産における付帯設備としての、請求項1〜8のいずれか一項に記載された工程によって生産されたポリマー水溶液の使用。
【請求項11】
電気的に相互結合した水溶性ポリマー粉/水の溶解のための装置であって、
1a. 水の供給タンク(B0004)、
2a. 分散ユニット(U0001)、
3a. 撹拌タンク(B0002)、及び
4a. 貯蔵タンク(B0003)
を備え、
拡散タンクの生成物出口は、分散ユニット(U0001)を通じて貯蔵タンク(B0003)へ案内されていることを特徴とする装置。
【請求項12】
電気的に相互結合した水溶性ポリマー粉/水の連続的溶解の装置であって、
1b 水供給手段、
2b 分散ユニット(U0001)
3b 撹拌タンク(B0002)
4b 分散ユニット(U0002)、及び
5b 貯蔵タンク(B0003)、
を備えることを特徴とする装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−534757(P2008−534757A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504676(P2008−504676)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003081
【国際公開番号】WO2006/105942
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(505301103)アシュランド・ライセンシング・アンド・インテレクチュアル・プロパティー・エルエルシー (40)
【Fターム(参考)】