説明

濃度検知装置、濃度検知方法及び画像形成装置

【課題】濃度センサの取り付け誤差の影響を正反射成分及び乱反射成分の2つに分けて取り除けるようにすると共に、画像の濃度を高精度に検知できるようにする。
【解決手段】ベルト素面に測定光L0を照射して正反射成分の反射光Lp及び乱反射成分の反射光Lsを受光し、反射光Lp,Lsを各々光電変換して2成分のP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssを出力する濃度センサ71と、ベルト素面と濃度センサ71の取り付け面との間の離隔距離を測定して測距検知信号S82を出力する測距センサ82と、この測距検知信号S82に基づいてベルト素面に対する濃度センサ71の取り付け誤差を算出し、ベルト素面の濃度値に対する濃度検知電圧をプロットした正反射及び乱反射成分の電圧検知特性を各々作成する演算部707とを備える。濃度センサ71の取り付け誤差に基づいて各々の電圧検知特性を補正し、第1及び第2のオフセット除去特性を作成するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像濃度センサから得られる画像濃度情報に基づいてトナー画像の濃度を調整する機能を備えたカラー用、白黒用のプリンタや、複写機、これら複合機に適用して好適な濃度検知装置、濃度検知方法及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー用の画像情報に基づいて色画像を形成するカラープリンタや、原稿の画像を読み取ってカラー画像再生用の画像信号を出力するスキャン機能を備えたカラー用の複写機や、複合機が使用される場合が多くなってきた。例えば、カラー原稿を読み取って赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)系の画像データを取得し、この画像データに基づいて色画像を形成するデジタルカラー複写機が広く使用されている。
【0003】
この種のカラー複写機において、電子写真方式の画像形成部が備えられ、画像形成部では、RGB系の画像データがYMCK系の画像データに色変換され、色変換後のイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色及び黒(BK)色用の画像データに基づいてカラーのトナー像が形成される。画像形成部は、Y,M,C,BK色の像形成出力機能を各々分担する画像形成ユニットを備え、各作像色毎に帯電部によって一様に帯電された感光体ドラムに、画像データに基づいて静電潜像が、ポリゴンミラー等を使用した走査露光部により形成される。
【0004】
この静電潜像は各作像色毎に現像装置によって現像される。このような帯電、露光、現像を行い、感光体ドラム上に形成されたカラートナー像が、中間転写ベルト上で重ね合わされ、ここに重ね合わされたカラートナー像が転写部によって用紙に転写される。用紙は、用紙給紙部によって、給紙トレイから転写部へ搬送される。所定の用紙上に転写されたトナー像は、定着部により定着される。この結果、画像データに基づくカラー画像を所定の用紙に形成することができる。
【0005】
この種のカラー用の画像形成装置によれば、高画質かつ高品質のカラー画像を形成するために、濃度検知装置が備えられ、各色毎に中間転写ベルトに形成されたパッチ画像を読み取って、ここに得られた濃度検知情報に基づいてカラー画像の濃度を調整するようになされる。カラー画像の濃度は、例えば、濃度検知情報に基づいて現像バイアスを制御し、現像装置から感光体ドラムへ被着されるトナー剤の被着量を調整することで行われる。
【0006】
この種の濃度検知機能を備えたカラー複写機に関連して、特許文献1には画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、画像形成手段、画像濃度取得手段、トナー量演算手段及び、画像濃度補正手段及び照射光量演算部を備えている。画像濃度取得手段には、光反射式の濃度センサ及び測距センサが設けられる。
【0007】
画像形成装置では、画像形成手段が像担持体にトナー量検出用のパッチ画像を形成すると、画像濃度取得手段が、画像形成手段によって像担持体に形成されたパッチ画像の濃度を取得する。このとき、濃度センサはパッチ画像の形成箇所に測定光を照射する一方で、当該パッチ画像の形成箇所から反射されてくる反射光を受光して濃度を検知する。測距センサは、パッチ画像の形成箇所と、濃度センサとの間の距離を測る。
【0008】
トナー量演算手段は、画像濃度取得手段によって取得されたパッチ画像の濃度に基づいて実際のトナー量を求める。画像濃度補正手段では、トナー量演算手段によって求められた実際のトナー量と、予め定められる基準のトナー量とに基づいて画像濃度を補正する。照射光量演算部は、測距センサによる測距値と、予め定められる基準距離とに基づいて、当該両者間における距離偏差の影響を打ち消すための、パッチ画像の形成箇所への照射光量を演算し、当該演算結果を濃度センサにフィードバック出力する。
【0009】
これらを前提にして、濃度センサが、照射光量演算部で演算された照射光量に基づいて、パッチ画像の形成箇所へ光を照射するようになされる。このように画像形成装置を構成すると、像担持体におけるパッチ画像の形成箇所と濃度センサとの間において、距離の変動を生じた場合であっても、濃度補正精度を高水準に維持できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−72585号公報(第6頁 図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、特許文献1に見られるような濃度検知機能を備えた画像形成装置によれば、次のような問題がある。
【0012】
i.特許文献1の画像形成装置によれば、測距センサによる測距値と、予め定められた基準距離とに基づいて当該両者間における距離偏差の影響を打ち消すことを考慮して、照射光量演算部がパッチ画像の形成箇所へ照射光量を演算し、当該演算結果を濃度センサにフィードバック出力し、これを受けて濃度センサでは、照射光量演算部で演算された、照射光量をもって、パッチ画像の形成箇所へ測定光を照射している。
【0013】
このため、濃度センサにIDC(Image Density Control)センサ等を用いた場合、濃度検知誤差が大きくなるという問題がある。この問題は、IDCセンサによれば、単一のLED発光源から照射される測定光に対して、正反射成分及び乱反射成分をそれぞれ独立に取り込み、その差分で濃度を相対的に測定している。しかし、IDCセンサに取り込まれる正反射成分及び乱反射成分のそれぞれの波形が濃度に対して直線性を有していない。これにより、IDCセンサと像担持体との距離や、角度特性等によって、濃度検知誤差が大きくなるというものである。
【0014】
ii.因みに、上述の問題を解決するために、メカ取付精度を挙げ、IDCセンサと像担持体との間の離隔距離を一定に保つ対策が考えられる。しかし、像担持体が転写ベルト等のように動的に安定しないものである場合、メカの取付精度を上げて、センサ検知誤差を低減させるのは困難である。従って、距離差や角度差等によるベース面の電圧変化に起因して、濃度検知誤差がベルト走行中に取得される濃度検知情報に混入する場合が想定される。これにより、濃度センサの取付精度や、像担持体の動的変動による濃度検知誤差が濃度検知情報に不本意に含まれてしまい、その出力値である画像濃度値にバラツキを生じるという問題がある。
【0015】
iii.また、ベルト検知面がテンションローラや、バックアップローラ等である場合でも、軸の偏芯などで、距離差や、角度差等が発生する。なお、ベルト検知面は鏡面反射体であり、通常の光学センサで、濃度センサと像担持体との間の距離を測定するのは困難であるという問題がある。
【0016】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、濃度センサの取り付け誤差の影響を正反射成分及び乱反射成分の2つに分けて取り除けるようにすると共に、画像の濃度を高精度に検知できるようにした濃度検知装置、濃度検知方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の濃度検知装置は、濃度被検知面に測定光を照射して正反射成分の反射光を受光すると共に乱反射成分の反射光を受光し、前記正反射成分及び乱反射成分の反射光を各々光電変換して2成分の濃度検知情報を出力する濃度センサと、前記濃度被検知面と前記濃度センサの取り付け面との間の距離を測定して測距情報を出力する測距センサと、前記濃度センサから2成分の前記濃度検知情報を入力し、当該濃度検知情報に基づいて濃度被検知面の濃度値に対する濃度検知電圧をプロットした正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を作成する情報作成部とを備え、前記情報作成部は、前記測距センサから前記測距情報を入力し、当該測距情報に基づいて濃度被検知面に対する前記濃度センサの取り付け誤差を算出し、算出した前記濃度センサの取り付け誤差に基づいて前記正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を補正して、前記濃度被検知面の正反射成分の反射光に対応する第1のオフセット除去特性を作成すると共に、前記濃度被検知面の乱反射成分の反射光に対応する第2のオフセット除去特性を作成することを特徴とするものである。
【0018】
請求項1に記載の濃度検知装置によれば、濃度センサは、濃度被検知面に測定光を照射して正反射成分の反射光を受光すると共に乱反射成分の反射光を受光し、正反射成分及び乱反射成分の反射光を各々光電変換して2成分の濃度検知情報を情報作成部へ出力する。測距センサは、濃度被検知面と濃度センサの取り付け面との間の距離を測定して測距情報を情報作成部へ出力する。情報作成部は、濃度センサから2成分の濃度検知情報を入力し、当該濃度検知情報に基づいて濃度被検知面の濃度値に対する濃度検知電圧をプロットした正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を作成する。
【0019】
これらを前提にして、情報作成部が測距センサから測距情報を入力し、当該測距情報に基づいて濃度被検知面に対する濃度センサの取り付け誤差を算出し、ここに算出した濃度センサの取り付け誤差に基づいて正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を補正し、濃度被検知面の正反射成分の反射光に対応する第1のオフセット除去特性を作成すると共に、濃度被検知面の乱反射成分の反射光に対応する第2のオフセット除去特性を作成するようになる。
【0020】
画像濃度検知時に、画像濃度センサから取得された画像の正反射成分の濃度検知情報に第1のオフセット除去特性を演算できるようになると共に、その乱反射成分の濃度検知情報に第2のオフセット除去特性を演算できるようになる。従って、画像濃度検知時に得られた濃度検知情報から濃度センサの取り付け誤差の影響を正反射成分及び乱反射成分の2つに分けて取り除くことができる。
【0021】
請求項2に記載の濃度検知装置は、請求項1において、前記情報作成部が、画像濃度検知時に、前記濃度被検知面に形成された画像に測定光を照射して当該画像の正反射成分の反射光を受光すると共に、前記画像の乱反射成分の反射光を受光し、前記画像の正反射成分及び乱反射成分の反射光を光電変換して当該画像の濃度検知情報を取得し、ここに取得された前記画像の正反射成分の濃度検知情報に前記第1のオフセット除去特性を演算すると共に、取得された前記画像の乱反射成分の濃度検知情報に前記第2のオフセット除去特性を演算し、前記第1のオフセット除去特性を演算した前記画像の正反射成分の濃度検知情報と、前記第2のオフセット除去特性を演算した前記画像の乱反射成分の濃度検知情報との差分を演算することにより当該画像の濃度を検知することを特徴とするものである。
【0022】
請求項3に記載の濃度検知装置は、請求項2において、前記情報作成部が、前記濃度被検知面に対する濃度センサの取り付け誤差から傾斜角度情報を演算し、当該傾斜角度情報に基づいて前記正反射成分の電圧検知特性を回転して前記第1のオフセット除去特性を作成すると共に、前記乱反射成分の電圧検知特性を回転して前記第2のオフセット除去特性を作成することを特徴とするものである。
【0023】
請求項4に記載の濃度検知方法は、濃度被検知面に形成された画像の濃度を検知する濃度検知装置が濃度センサ、測距センサ及び情報作成部を有し、前記濃度センサが、前記濃度被検知面に測定光を照射して正反射成分の反射光を受光すると共に乱反射成分の反射光を受光し、前記正反射成分及び乱反射成分の反射光を各々光電変換して2成分の濃度検知情報を取得し、前記測距センサが、前記濃度被検知面と前記濃度センサの取り付け面との間の距離を測定して測距情報を取得し、前記情報作成部が、前記濃度センサから2成分の前記濃度検知情報を入力し、当該濃度検知情報に基づいて濃度被検知面の濃度値に対する濃度検知電圧をプロットした正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を作成し、その後、前記測距センサから前記測距情報を入力し、当該測距情報に基づいて濃度被検知面に対する前記濃度センサの取り付け誤差を算出し、算出した前記濃度センサの取り付け誤差に基づいて正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を補正し、前記濃度被検知面の正反射成分の反射光に対応する第1のオフセット除去特性を作成すると共に、前記濃度被検知面の乱反射成分の反射光に対応する第2のオフセット除去特性を作成することを特徴とするものである。
【0024】
請求項5に記載の画像形成装置は、濃度被検知面を有して所定の速度で移動される像担持体に、所定の濃度のトナー画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部によって前記像担持体の濃度被検知面に形成された前記トナー画像の濃度を検知する請求項1乃至3に記載の濃度検知装置とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に係る濃度検知装置及び請求項4に係る濃度検知方法によれば、濃度センサの取り付け誤差に基づいて正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を補正し、濃度被検知面の正反射成分の反射光に対応する第1のオフセット除去特性を作成すると共に、濃度被検知面の乱反射成分の反射光に対応する第2のオフセット除去特性を作成する情報作成部を備えるものである。
【0026】
この構成によって、画像濃度検知時に、画像濃度センサから取得された画像の正反射成分の濃度検知情報に第1のオフセット除去特性を演算できるようになると共に、その乱反射成分の濃度検知情報に第2のオフセット除去特性を演算できるようになる。従って、画像濃度検知時に得られた濃度検知情報から濃度センサの取り付け誤差の影響を取り除くことができる。
【0027】
請求項2に記載の濃度検知装置によれば、濃度センサの取り付け誤差の影響を取り除かれた画像の正反射成分の濃度検知情報と、濃度センサの取り付け誤差の影響を取り除かれた画像の乱反射成分の濃度検知情報との差分から当該画像の濃度を精度良く検知できるようになる。
【0028】
請求項3に記載の濃度検知装置によれば、画像濃度検知時に得られる濃度検知情報から濃度センサの取り付け誤差の影響を取り除くための正反射成分の第1のオフセット除去特性や、その乱反射成分の第2のオフセット除去特性を容易に作成できるようになる。
【0029】
請求項5に記載の画像形成装置によれば、本発明に係る濃度検知装置を備えるので、所定の速度で移動される像担持体の使用環境による速度変化(走行性)や、濃度センサが取り付けられた濃度センサ取付板の温度による位置変化(距離・角度)等も含めて、高精度に画像の濃度を検知できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る実施形態としてのカラー複写機100の構成例を示す概念図である。
【図2】(A)〜(C)は、濃度センサ71の取り付け例を示す斜視図及びその側面図である。
【図3】(A)及び(B)は、センサ取り付け板78の測距例を示す説明図である。
【図4】濃度検知装置70における濃度検知例を示すグラフ図である。
【図5】P波検知信号Spに係る電圧検知特性の補正例を示すグラフ図である。
【図6】S波検知信号Ssに係る電圧検知特性の補正例を示すグラフ図である。
【図7】濃度検知装置70の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図8】濃度検知装置70の初期補正例を示すフローチャートである。
【図9】濃度検知装置70のベルトベースライン光量補正例(その1)を示すフローチャートである。
【図10】濃度検知装置70のベルトベースライン光量補正例(その2)を示すフローチャートである。
【図11】濃度検知装置70におけるパッチ画像の濃度検知例をフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る濃度検知装置、濃度検知方法及び画像形成装置について説明をする。なお、本欄の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や、用語の意味等を限定するものではない。
【0032】
図1に示すカラー複写機100は、タンデム型の電子写真方式の画像形成装置の一例を構成し、装置本体部101を有している。装置本体部101には、画像形成部60、中間転写ベルト6、定着装置17、操作&表示部48、濃度検知装置70、制御装置90及び画像読取装置102が備えられる。
【0033】
画像読取装置102は装置本体部101の上部に配置され、原稿台上に載置された原稿が走査露装置の光学系により走査露光され、ラインイメージセンサで画像が読み込まれる。画像読取装置102で光電変換された画像情報信号は、画像処理部(不図示)において、アナログ処理、アナログ/ディジタル(以下A/Dという)変換処理、シューディング補正、画像圧縮処理等を行った後に、画像形成部60の光書込み部に入力される。
【0034】
画像形成部60は、ベルト素面を有して所定の速度で移動される中間転写ベルト6に所定の濃度のトナー画像を形成する。画像形成部60は、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yと、マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kとを備えて構成される。この例では、それぞれ共通する機能名称、例えば、符号10の後ろに形成する色を示すY,M,C,Kを付して表記する。
【0035】
画像形成ユニット10Yは感光体ドラム1Yを有し、その周囲には帯電部2Y、光書込み部3Y、現像装置4Y及びクリーニング部8Yが配設されている。画像形成ユニット10Mは感光体ドラム1Mを有し、その周囲には帯電部2M、光書込み部3M、現像装置4M及びクリーニング部8Mが配設されている。画像形成ユニット10Cは感光体ドラム1Cを有し、その周囲には帯電部2C、光書込み部3C、現像装置4C及びクリーニング部8Cが配設されている。画像形成ユニット10Kは感光体ドラム1Kを有し、その周囲には帯電部2K、光書込み部3K、現像装置4K及びクリーニング部8Kが配設されている。
【0036】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおけるそれぞれの感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、帯電部2Y,2M,2C,2K、光書込み部3Y,3M,3C,3K、現像装置4Y,4M,4C,4K、クリーニング部8Y,8M,8C,8Kは、それぞれ共通する内容の構成である。以下、特に、区別が必要な場合を除き、Y,M,C,Kを付さずに表記することとする。
【0037】
画像形成ユニット10では、帯電部2が感光体ドラム1を帯電する。光書込み部3には、例えば、ポリゴンミラー方式のレーザー露光走査装置が使用される。光書込み部3が画像情報信号を感光体ドラム1に書き込み静電潜像を形成する。現像装置4が静電潜像を現像する。これにより、感光体ドラム1上に可視画像であるトナー画像が形成される。
【0038】
画像形成部60では、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kのそれぞれの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色及び、黒(K)色の画像が形成される。感光体ドラム1のそれぞれに形成された各色のトナー像は、Y,M,C,K色用の感光体ドラム1に対応して一次転写ローラ7Y,7M,C,Kを動作させて中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。
【0039】
中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、走行可能に支持されている。中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、二次転写部7Aに向けて搬送される。二次転写部7Aは、画像形成部60の下方であって、中間転写ベルト6の最下方位置に配設される。
【0040】
画像形成部60の下方には用紙搬送部20が設けられ、画像形成部60へ用紙Pを搬送する。用紙搬送部20は給紙トレイ291,292,293を有し、用紙Pが収容される。用紙Pは、第1給紙部21により給紙され、搬送ローラ22A,22B,22C、レジストローラ23を経て二次転写部7Aに搬送される。中間転写ベルト6上のトナー画像は、二次転写部7Aで、中間転写ベルト6から用紙Pに一括して転写される(二次転写)。
【0041】
二次転写部7Aの下流側には定着装置17が設けられ、カラー画像が転写された用紙Pを定着処理する。定着処理後の記録紙は、定着搬送ローラ24及び、排紙ローラ25を経て装置外へ排紙される。カラー複写機100は、用紙反転部26を備えており、定着がなされた用紙Pを定着搬送ローラ24から用紙反転部26に導いて表裏を反転し、排出あるいは用紙の両面に画像を形成する。
【0042】
感光体ドラム1の各々の左側下方には、Y,M,C,K色用の感光体ドラム1に対応してクリーニング部8Y,8M,8C,8Kが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1に残留したトナー剤を除去(クリーニング)するように動作する。中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、二次転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。
【0043】
中間転写ベルト6の周囲領域の所定の位置には濃度検知装置70が配設され、画像形成部60によって中間転写ベルト6のベルト素面に形成されたトナー画像の濃度を検知する。濃度センサ71は、例えば、クリーニング部8Aの上流側又はBK色の画像形成ユニット10Kの下流側に配置され、中間転写ベルト6等に書かれた濃度検知用のパッチ画像を中間転写ベルト6から離れたところから画像濃度を検知する。これらにより、カラー複写機100を構成する。
【0044】
ここで、図2A〜Cを参照して、濃度センサ71の取り付け例について説明する。この例では、ベルト走行面に並行に濃度センサ71をセンサ仕様値分の離隔距離(以下で単に距離dという)を置いて、センサ取り付け板78(平行板)に取り付ける構造を採る。図2Aに示す濃度センサ71は、センサ取り付け板78のほぼ中央付近に固定して取り付けられる。センサ取り付け板78は、中間転写ベルト6の搬送方向と直交する幅方向(感光体ドラムの主走査方向に平行)に沿って配置される。この例では、センサ取り付け板78と中間転写ベルト6との間において、その奥側も、手前側も距離dを維持して装置本体部101に取り付けられている。
【0045】
図2Bに示すセンサ取り付け板78は、工場出荷時、その左右端部の距離dが同等となるように取り付けられる。しかし、カラー複写機100の使用態様や、その経時変化等によって、図2Cに示すセンサ取り付け板78が、不本意に微小角度θだけ回転した状態となった場合が想定される。センサ取り付け板78が微小角度θだけ回転した状態によれば、その左右端部の距離dにずれを生じる。図2Cに示す奥側の距離はd+Δdであり、その手前側の距離がd−Δdである。
【0046】
この状態によれば、奥側と手前側の距離dが異なり、濃度センサ71が傾いた状態となるので、正反射成分の反射光を検知するP波検知受光器703(図7参照)への受光量が減少する。反対に、乱反射成分の反射光を検知するS波検知受光器705(図7参照)への受光量が増加する。この奥側と手前側の距離dの差は、どうしても無くならない機械間差である。これにより、中間転写ベルト6の濃度被検知面(以下でベルト面又はトナー検知面という)に対する濃度センサ71の姿勢が傾いた状態でパッチ画像等の基準画像の濃度が検知されてしまう。本発明では、濃度センサ71の姿勢傾きを原因とする濃度検知誤差をデータ処理上で補正するようにした。
【0047】
次に、図3A及びBを参照して、センサ取り付け板78の測距例について説明する。図3Aに示すセンサ取り付け板78には、2つの測距センサ82,82が設けられている。測距センサ82,82は、中間転写ベルト6の非画像形成領域(画像形成領域の両極端部)と対峙する位置であって、センサ取り付け板78の両端、例えば、センサ取り付け板78の手前側及び奥側に取り付けられる。測距センサ82,82は、ベルト面と濃度センサ71の取り付け面との間の距離dを測定して測距データD82を制御部72(図7参照)へ出力する。
【0048】
図3Bに示す測距センサ82は、距離dを測定するために、センサ−ベルト面距離測定棒801及びPSDセンサ802を有して構成されている。センサ−ベルト面距離測定棒801の一端にはローラ803が回動自在に取り付けられる共に、上下動可能な構造を有している。ローラ803は中間転写ベルト6に押し当てられる。
【0049】
センサ−ベルト面距離測定棒801の他端には距離測定板804が設けられ、距離測定板804の上部にはPSDセンサ802が設けられる。PSDセンサ802は連続的に距離dを測定し、測距検知信号S82を発生するようになる。PSDセンサ802は距離測定板804の鏡面を直接センスする。PSDセンサ802は、センサ−ベルト面距離測定棒801(ローラを含む)の長さをd1とし、PSDセンサ802と距離測定板804との間の離隔距離をd2としたとき、離隔距離d=d1+d2を含む測距検知信号S82を発生する。測距検知信号S82は図示しないアナログ・ディジタル(以下A/Dという)変換器でA/D変換されて測距データD82となる。
【0050】
測距センサ82,82には、ベルト面と濃度センサ71の取り付け面との離隔距離dがそれぞれ測定できるものであれば、無接点/接点方式の別を問わない。これにより、測距センサ82から得られる測距データD82を、濃度センサ71の姿勢位置傾きを原因とするオフセット量を除去する演算系(傾きの距離差を無くす系)にフィードバックできるようになるので、濃度センサ71の濃度検知情報を補正できるようになる。
【0051】
続いて、図4を参照して、濃度検知装置70における濃度検知例について説明する。この例では、P波検知信号Spに基づく濃度検知電圧Vp対濃度Dの関係例を示す電圧検知特性や、S波検知信号Ssに基づく濃度検知電圧Vs対濃度Dの関係例を示す電圧検知特性は、予め何通りかの曲線形状が準備され、記憶部内にテーブル化されている。この何通りかの電圧検知特性から対応する電圧検知特性が選択可能なテーブル選択方式が採られる。
【0052】
図4において、縦軸は濃度検知電圧Vp,Vsであり、横軸はベルト素面又はトナー検知面の濃度Dである。実線は、P波検知信号Spに基づく濃度検知電圧Vp対濃度Dの関係例を示す検知曲線Iである。破線は、S波検知信号Ssに基づく濃度検知電圧Vs対濃度Dの関係例を示す検知曲線IIである(電圧検知特性)。
【0053】
横軸の任意の濃度D1は、P波検知信号Spに基づく濃度検知電圧Vp1と、S波検知信号Ssに基づく濃度検知電圧Vs2との差分(P−S)に基づいて決定される。図中、実線に示す検知曲線Iと、破線に示す検知曲線IIとが交差する点が最大濃度Dmaxを示している。
【0054】
検知曲線I,IIは、図2Cに示したようにセンサ取り付け板78が、不本意に微小角度θだけ回転した状態において、ベルト素面の濃度D又はトナー濃度を濃度センサ71で読み取り、当該濃度センサ71から得られたP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssに基づいてプロットされたものである。上述の例で濃度D1には微小角度θだけ回転した状態が反映された誤差が含まれている。
【0055】
本発明では、微小角度θ回転した状態のセンサ取り付け板78に取り付けられた濃度センサ71から出力されるP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssの個々について測距データD82に基づいて個別に補正するようにした。
【0056】
続いて、図5を参照して、濃度検知装置70におけるP波検知信号Spの補正例について説明する。この例では、図4に示したP波検知信号Spの電圧検知特性をセンサ取り付け板78の傾き量に基づいて補正し、オフセット除去特性曲線I’を作成する形態が採られる。オフセット除去特性曲線I’は、データ上で離隔距離の差分Δdを無くして傾き量θの影響をゼロにするために作成される補正テーブルである。
【0057】
図5の一点鎖線に示す曲線I’は、P波検知信号Spのオフセット除去特性曲線(第1のオフセット除去特性)であり、実線に示したP波検知信号Spの電圧検知特性に係る検知曲線Iを移動したものである。検知曲線Iは、P波検知信号Spに基づく濃度検知電圧Vp対濃度Dの関係例を示している(図4参照)。オフセット除去特性曲線I’は、横軸の各濃度Dにおいて、検知曲線Iからオフセット量を取り除いた検知曲線となっている。任意の濃度D1’は、P波検知信号Spに基づく濃度検知電圧Vp1からオフセット量を除いた濃度検知電圧Vp1’で与えられる。図中、オフセット除去特性曲線I’は結果的に検知曲線Iを濃度Dの濃い側を回転中心にして反時計方向回りに回転した状態となっている。
【0058】
この例では、センサ取り付け板78の傾き量に基づいて検知曲線Iを平行に移動又は、検知曲線Iの一端を回転中心にしてグラフを回転する。センサ取り付け板78の傾き量は、センサ取り付け板78の全長をαとし、その左右端部とベルト面との離隔距離dの差分の長さをβとし、センサ取り付け板78の傾斜角度をθとしたとき、(1)式、すなわち、
tanθ=β/α ・・・・・(1)
から求められる。以下で、傾斜角度θを示すデータ(傾斜角度情報)を傾き量データD83とする。センサ取り付け板78の左右端部とベルト面との離隔距離dの差分の長さβは、左右の測距センサ82から得られる測距データD82から算出される。図2Cに示した例によれば、Δdが離隔距離dの差分の長さβ=Δdである。
【0059】
記憶部708には測距データD82の他に、傾き量データD83とP波検知信号Spのオフセット除去特性曲線I’と対応付けた何通りかのテーブルデータDtpを予め作成して保持されている(図7参照)。画像濃度検知時、傾き量データD83をアドレスにして、P波検知信号Spのオフセット除去特性曲線I’に係るテーブルデータDtpを読み出すようになされる。これらにより、オフセット除去特性曲線I’に基づいてP波検知信号Spを個別に補正できるようになる。
【0060】
続いて、図6を参照して、濃度検知装置70におけるS波検知信号Ssの補正例について説明する。この例でも、図5に示したP波検知信号Spと同様にして、S波検知信号Ssの電圧検知特性をセンサ取り付け板78の傾き量に基づいて補正し、オフセット除去特性曲線II’を作成する形態が採られる。オフセット除去特性曲線II’は、データ上で離隔距離dの差分Δdを無くして傾き量θの影響をゼロにするために作成される補正テーブルである。
【0061】
図6の二点鎖線に示すII’は、S波検知信号Ssのオフセット除去特性曲線(第2のオフセット除去特性)であり、実線に示した検知曲線IIを移動したものである。検知曲線IIは、S波検知信号Ssに基づく濃度検知電圧Vs対濃度Dの関係例を示している(図4参照)。オフセット除去特性曲線II’は、横軸の各濃度Dにおいて、検知曲線IIからオフセット量を取り除いた検知曲線となっている。任意の濃度D1’は、S波検知信号Ssに基づく濃度検知電圧Vs1からオフセット量を除いた濃度検知電圧Vs1’で与えられる。図中、オフセット除去特性曲線II’は結果的に検知曲線IIを濃度の薄い側を回転中心にして時計方向回りに回転した状態となっている。
【0062】
この例では、センサ取り付け板78の傾き量に基づいて検知曲線IIを平行に移動又は、検知曲線IIの一端を回転中心にしてグラフを回転する。センサ取り付け板78の傾き量は、P波検知信号Spと同様な値を用いることができる。
【0063】
記憶部708には傾き量データD83とS波検知信号Ssのオフセット除去特性曲線II’と対応付けた何通りかのテーブルデータDtsを予め作成して保持されている。画像濃度検知時、傾き量データD83をアドレスにして、S波検知信号Ssのオフセット除去特性曲線II’に係るテーブルデータDtsを読み出すようになされる。これらにより、オフセット除去特性曲線II’に基づいてS波検知信号Ssを個別に補正できるようになる。
【0064】
続いて、図7を参照して、濃度検知装置70の構成例について説明する。図7に示す濃度検知装置70は、濃度センサ71及び制御部72を有して構成される。濃度センサ71はベルト素面又はトナー検知面に測定光(以下でレーザー光L0という)を照射して正反射成分の反射光Lpを受光すると共に乱反射成分の反射光Lsを受光するために、増幅回路701、LED発光回路702、P波検知受光器703、S波検知受光器705及び、増幅回路704,706を有して構成される。濃度センサ71は、フォトダイオード及びトランジスタから構成される。濃度センサ71にはトナー濃度が読み取り可能な光学センサが使用される。
【0065】
LED発光回路702は増幅回路701に接続される。増幅回路701は制御部72のフィルタ回路75に接続され、当該フィルタ回路75から出力される所定のデューティ比の発光駆動信号S0を増幅して発光駆動電圧V0をLED発光回路702に出力する。LED発光回路702は増幅回路701から出力される発光駆動電圧V0に基づいて所定の強度のレーザー光L0を発生する。レーザー光L0はLED発光回路702の図示しないLED発光素子から中間転写ベルト6のトナー検知面に対してある角度で照射される。
【0066】
P波検知受光器703は増幅回路704に接続される。増幅回路704は制御部72のインピーダンス変換部76に接続される。P波検知受光器703はトナー検知面から正反射されてくる正反射成分の反射光Lpを受光し、当該反射光Lpを光電変換して、増幅回路704へP波検知信号Spを出力する。増幅回路704はP波検知信号Spを増幅してインピーダンス変換部76へ出力する。
【0067】
S波検知受光器705はトナー検知面から乱反射されてくる乱反射成分の反射光Lsを受光し、当該反射光Lsを光電変換して、増幅回路706へS波検知信号Ssを出力する。増幅回路706はS波検知信号Ssを増幅してインピーダンス変換部76へ出力する。これにより、濃度センサ71から制御部72へ濃度検知電圧Vp,Vsを含む2成分の濃度検知情報を出力できるようになる。
【0068】
制御部72は情報作成部73、入力/出力インターフェース(以下でI/Oという)部74、フィルタ回路75、インピーダンス変換部76及びA/D変換部77を有している。情報作成部73は、演算部707及び記憶部708を有して構成される。
【0069】
I/O部74は演算部707に接続される。I/O部にはフィルタ回路75が接続される。I/O部74は演算部707からLED発光データD0を受信してフィルタ回路75に転送する。LED発光データD0は、濃度検知電圧Vp,Vsがセンサ規定電圧範囲内に納まるような値を含んでいる。フィルタ回路75はLED発光データD0をフィルタ処理、例えば、PWM変調して所定のデューティ比の発光駆動信号S0を発生し、発光駆動信号S0を上述した濃度センサ71の増幅回路701へ出力する。
【0070】
一方、インピーダンス変換部76は濃度センサ71の増幅回路704,705に接続される。インピーダンス変換部76は増幅後のP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssをインピーダンス変換して、正反射成分の濃度検知電圧Vp及び、乱反射成分の濃度検知電圧VsをA/D変換部77へ出力する。インピーダンス変換部76には、高電圧駆動のハイ・インピーダンス回路を低電圧駆動のローインピーダンス回路に変換する回路装置が使用される。
【0071】
インピーダンス変換部76にはA/D変換部77が接続される。A/D変換部77はインピーダンス変換後の正反射成分の濃度検知電圧Vp及び、乱反射成分の濃度検知電圧Vsをアナログ・ディジタル変換して情報作成部73へP波検知データDp及び、S波検知データDsを出力する。
【0072】
情報作成部73は演算部707及び記憶部708を有して構成される。記憶部708は演算部707に接続される。演算部707は、初期補正時、測距センサ82,82が濃度センサ71とベルト面との距離dを測定し、測距センサ82,82から測距検知信号S82を入力し、測距検知信号S82をA/D変換した後の測距データD82を得る。
【0073】
演算部707はベルトベースライン光量補正時に、測距データD82から濃度センサ71(センサ取り付け板)の傾き量を算出して傾き量データD83を作成し、この傾き量データD83に基づいてLED発光回路702を制御してLED発光量を補正する。記憶部708にはP波検知データDp、S波検知データDs、測距データD82及び傾き量データD83が各々格納される。
【0074】
また、演算部707は、A/D変換部77又は記憶部708から2成分のP波検知データDp及びS波検知データDsを入力し、P波検知データDpに基づいてベルト素面の濃度値に対する濃度検知電圧をプロットした正反射成分の電圧検知特性(検知曲線I)を作成する。演算部707は、S波検知データDsに基づいてベルト素面の濃度値に対する濃度検知電圧をプロットした乱反射成分の電圧検知特性(検知曲線II)を作成する(図4参照)。
【0075】
更に、演算部707はP波検知データDpの取り込み値にオフセット値を反映するための演算をしたり、S波検知データDsの取り込み値にオフセット値を反映するための演算を実行する。例えば、傾き量データD83に基づいて濃度センサ71のP波検知データDp及びS波検知データDsのそれぞれのオフセット値を補正する。
【0076】
この例では、演算部707がベルト素面に対する濃度センサ71の取り付け誤差に基づいて、正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を補正し、ベルト素面の正反射成分の反射光Lpに対応する第1のオフセット除去特性を作成すると共に、ベルト素面の乱反射成分の反射光Lsに対応する第2のオフセット除去特性を作成する(図5及び図6参照)。
【0077】
続いて、図8〜図11を参照して、本発明に係る濃度検知方法に関して、濃度検知装置70における動作例について説明する。この例では、濃度検知装置70の初期補正例、そのベルトベースライン光量補正例及び、濃度検知装置70による画像の濃度検知例の3つに分けて説明する。
【0078】
[濃度検知装置70の初期補正例]
この例では、制御部72が濃度センサ71の初期補正命令を受信して初期補正を実行する。初期補正命令は、例えば、上位の制御装置90から制御部72に送信される。初期補正命令は、例えば、ユーザが画像濃度を調整する際に、操作&表示部48を操作して制御装置90へ指示される。初期補正命令を指示された制御装置90は、図8に示すステップST1で通紙条件を各駆動系に設定する。このとき、制御装置90は感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト6、一次転写部7Y,7M,7C,7K、二次転写部7A、現像装置4Y,4M,4C,4K等を動作開始する。
【0079】
初期補正命令を受信した制御部72は、ステップST2で測距センサ82,82による読み取りを準備する。そして、ステップST3で制御部72は中間転写ベルト6が安定するまで読み取りを待機する。
【0080】
中間転写ベルト6が安定したら、ステップST4で制御部72は、ある一定時間だけ測距センサ82,82をそれぞれ動作させて測距データD82を読み取る。測距センサ82,82はベルト素面と濃度センサ71の取り付け面との間の距離dを測定して測距検知信号S82を出力する。測距検知信号S82はA/D変換され、A/D変換後の測距データD82(読み取った値)が記憶部708(テーブル)に記憶(登録)される。
【0081】
その後、ステップST5で制御部73は中間転写ベルト6が指定量走行するまで、測距センサ82,82による読み取りを継続する。中間転写ベルト6が指定量走行したら、ステップST6に移行して制御部72は演算A処理を実行する。演算A処理では、演算部707が測距データD82に基づいてベルト素面に対する濃度センサ71の取り付け誤差を算出し、傾き量データD83を取得する。傾き量データD83は先に説明した(1)式を算出する。そして、ステップST7で制御部72は演算A結果である傾き量データD83を記憶部708に保持する。制御部72は制御装置90にデータ取得終了通知を送信する。
【0082】
データ取得終了通知を受信した制御装置90は、ステップST8で、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト6、一次転写部7Y,7M,7C,7K、二次転写部7A、現像装置4Y,4M,4C,4K等の動作を停止する。これにより、ベルトベースライン光量補正時に必要な傾き量データD83を準備できるようになる。
【0083】
[ベルトベースライン光量補正例]
この例では、濃度検知装置70のベルトベースライン光量補正時、濃度センサ71からP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssをそれぞれ入力し、制御部72でP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssを別々に補正する場合を前提としている。ベルトベースライン光量補正は、中間転写ベルト6のベルト鏡面にトナー画像が形成されていないトナー剤=「0」の状態で行われる。
【0084】
例えば、制御部72が濃度センサ71のベルトベースライン光量補正命令を受信して当該光量補正を実行する。この光量補正命令は、上位の制御装置90から制御部72に発行される。ベルトベースライン光量補正命令を送信した制御装置90は、図9に示すステップST11で通紙条件を各駆動系に設定する。このとき、図8に示した初期補正時と同様にして、制御装置90は感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト6、一次転写部7Y,7M,7C,7K、二次転写部7A、現像装置4Y,4M,4C,4K等を動作開始する。
【0085】
ベルトベースライン光量補正命令を受信した制御部72は、ステップST12で濃度センサ71のLED発光回路702のLED発光素子をONする。濃度センサ71は、ベルト素面にレーザー光L0を照射する。その後、ステップST13で制御部72は、中間転写ベルト6が安定するまで読み取りを待機する。中間転写ベルト6が安定したら、ステップST14で制御部72はある一定時間だけ濃度センサ71を動作させてP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssを読み取るように制御する。
【0086】
濃度センサ71は、正反射成分の反射光Lpを受光すると共に、乱反射成分の反射光Lsを受光し、正反射成分及び乱反射成分の反射光Lp,Lsを各々光電変換して2成分のP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssを発生する。その際に、例えば、ベルトn周分のP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssを検知する。
【0087】
A/D変換部77はP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssをインピーダンス変換した後の正反射成分の濃度検知電圧Vp及び、乱反射成分の濃度検知電圧Vsをアナログ・ディジタル変換して情報作成部73へP波検知データDp及び、S波検知データDsを出力する。A/D変換部77から得られたP波検知データDp及びS波検知データDs(値)は、記憶部708(テーブル)に登録される。
【0088】
ステップST15で制御部72は中間転写ベルト6が指定量走行するまで、濃度センサ71による読み取り処理を継続する。中間転写ベルト6が指定量走行したら、ステップST16に移行して制御部72は演算B処理を実行する。演算B処理では、P波検知信号Sp、S波検知信号Ssに基づく正反射成分の濃度検知電圧Vp及び乱反射成分の濃度検知電圧Vsを平均化して基準電圧を得る。
【0089】
その後、演算部707は濃度検知電圧Vp,Vsがセンサ規定電圧範囲内に納まるようなLED発光データD0をI/O部74を介してフィルタ回路85に出力する。フィルタ回路85はLED発光データD0に基づいて濃度検知電圧Vp,Vsがセンサ規定電圧範囲内に納まるように、LED発光回路702のLED発光素子への指令値であるPWM変調時のデューティ比(Duty値)を変化させる。
【0090】
例えば、ある一定のレーザー光L0を発生するためのLED発光素子への発光駆動電圧をV0とし、この発光駆動電圧V0のPWM変調時のデューティ比が60%に設定されていた場合であって、そのときの濃度検知電圧Vpが2.4Vであった場合を想定する。この場合、トナー”ゼロ”の状態を基準としたとき、濃度検知電圧が3.0Vで、そのデューティ比が70%である場合に、そのPWM変調時のデューティ比を60%から70%へ変更するようになされる。
【0091】
その後、ステップST17で制御部72は演算B結果をLED発光回路702のLED発光量へフィードバックする。このとき、フィルタ回路75から出力される所定のデューティ比の発光駆動電圧V0が増幅回路701で増幅され、発光駆動電圧V0がLED発光回路702に出力される。LED発光回路702は発光駆動電圧V0に基づいて所定の強度のレーザー光L0を発生する。レーザー光L0はLED発光回路702から中間転写ベルト6のトナー検知面に対してある角度で照射される。
【0092】
次に、図10に示すステップST18で制御部72は、濃度センサ71で、更に、ある一定時間だけ濃度センサ71を動作させてP波検知データDp及びS波検知データDsを読み取るように制御する。例えば、ベルトn周分のP波検知データDp及びS波検知データDsを読み取り、読み取ったP波検知データDp及びS波検知データDs(値)を記憶部708(テーブル)に登録する。
【0093】
このとき、演算部707が、A/D変換部77又は記憶部708から2成分のP波検知データDp及びS波検知データDsを入力し、P波検知データDp及びS波検知データDsに基づいてベルト素面の濃度値に対する濃度検知電圧をプロットした正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を作成する(図4参照)。
【0094】
その後、ステップST19で制御部72は、中間転写ベルト6が指定量走行するまで、濃度センサ71による読み取り処理を継続する。指定量走行を終了したか否かは、カウンタ出力や、エンコーダ出力、経過時間等を検出して判別する。中間転写ベルト6が指定量走行したら、ステップST20で制御部72は、濃度センサ71がセンサ指定範囲(読み取りレンジ)を読み取ったか否かを判別する。濃度センサ71がセンサ指定範囲を全て読み取っていない場合は、ステップST14に戻って制御部72は上述の読み取り処理を繰り返す。
【0095】
濃度センサ71がセンサ指定範囲を全て読み取った場合は、ベースライン値が決定するので、ステップST21に移行して、制御部72は、図8で説明した演算A結果を用いてP波検知信号Spを補正する。このとき、演算部707は、ベルト素面に対する濃度センサ71の取り付け誤差に基づいて正反射成分の電圧検知特性を補正し、ベルト素面の正反射成分の反射光Lpに対応する第1のオフセット除去特性を作成する。
【0096】
その後、ステップST22で、制御部72は演算A結果を用いてS波検知信号Ssを補正する。このとき、演算部707は、ベルト素面に対する濃度センサ71の取り付け誤差に基づいて乱反射成分の電圧検知特性を補正し、ベルト素面の乱反射成分の反射光Lsに対応する第2のオフセット除去特性を作成する。
【0097】
そして、ステップST23で制御部72は第1,第2のオフセット除去特性結果であるテーブルデータDtp,Dtsを記憶部708に保持する。制御部72は制御装置90にデータ取得終了通知を送信する。データ取得終了通知を受信した制御装置90は、ステップST8で、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト6、一次転写部7Y,7M,7C,7K、二次転写部7A、現像装置4Y,4M,4C,4K等の動作を停止する。これにより、画像濃度検知時に必要な第1,第2のオフセット除去特性の結果となるテーブルデータDtp,Dtsを準備できるようになる。
【0098】
[濃度検知装置70によるパッチ画像の濃度検知例]
この例では、ベルトベースライン光量補正時に演算A結果により補正したP波検知データDp及び、S波検知データDsの各々テーブルデータDtp,Dtsを記憶部708内に保持し、そこから選択したベースライン補正値によるオフセット値で、パッチ画像の濃度検知時のP波検知データDp及びS波検知データDs(濃度検知データ)を各濃度毎に調整するようにした。
【0099】
パッチ画像の濃度検知時、制御部72が濃度センサ71によるパッチ画像の濃度検知命令を受信して当該パッチ画像の濃度検知を実行する。この濃度検知命令は、上位の制御装置90から制御部72に発行される。濃度検知命令を送信した制御装置90は、図9に示すステップST31で通紙条件を各駆動系に設定する。このとき、図8に示した初期補正時と同様にして、制御装置90は感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト6、一次転写部7Y,7M,7C,7K、二次転写部7A、現像装置4Y,4M,4C,4K等を動作開始する。
【0100】
濃度検知命令を受信した制御部72は、ステップST32で濃度センサ71のLED発光回路702のLED発光素子をONする。濃度センサ71は、ベルト素面にレーザー光L0を照射する。その後、ステップST33で制御部72は、中間転写ベルト6が安定するまでパッチ画像の形成開始を待機する。中間転写ベルト6が安定したら、ステップST34で制御部72はパッチ画像を形成するように画像形成部60を制御する。
【0101】
画像形成部60は、ベルト素面にパッチ画像情報に基づくトナー画像を形成する。画像形成部60では、各色用の帯電部2が感光体ドラム1を帯電すると、光書込み部3が画像情報信号を感光体ドラム1に書き込み静電潜像を形成する。その後、現像装置4が静電潜像を現像することにより、感光体ドラム1上にパッチ画像(トナー画像)が形成される。
【0102】
そして、ステップST35で制御部72は、中間転写ベルト6に形成されたパッチ画像を読み取るように濃度センサ71を制御する。例えば、制御部72は、ベルト素面に形成されたパッチ画像(トナー画像)にレーザー光L0を照射して当該パッチ画像の正反射成分の反射光Lpを受光すると共に、パッチ画像の乱反射成分の反射光Lsを受光するように濃度センサ71を制御する。
【0103】
濃度センサ71では、P波検知受光器703がトナー検知面のパッチ画像から正反射されてくる正反射成分の反射光Lpを受光し、当該反射光Lpを光電変換して、増幅回路704へP波検知信号Spを出力する。増幅回路704はP波検知信号Spを増幅してインピーダンス変換部76へ出力する。
【0104】
S波検知受光器705はトナー検知面のパッチ画像から乱反射されてくる乱反射成分の反射光Lsを受光し、当該反射光Lsを光電変換して、増幅回路706へS波検知信号Ssを出力する。増幅回路706はS波検知信号Ssを増幅してインピーダンス変換部76へ出力する。
【0105】
インピーダンス変換部76は、増幅後のP波検知信号Sp及びS波検知信号Ssをインピーダンス変換して、正反射成分の濃度検知電圧Vp及び、乱反射成分の濃度検知電圧VsをA/D変換部77へ出力する。A/D変換部77はインピーダンス変換後の正反射成分の濃度検知電圧Vp及び、乱反射成分の濃度検知電圧Vsをアナログ・ディジタル変換する。A/D変換部77は、情報作成部73へP波検知データDp及び、S波検知データDsを出力する。
【0106】
情報作成部73では、演算部707がパッチ画像の正反射成分のP波検知データDpに、第1のオフセット除去特性を演算すると共に、当該パッチ画像の乱反射成分のS波検知データDsに第2のオフセット除去特性を演算する。例えば、第1,第2のオフセット除去特性に濃度検知電圧Vp,Vsを設定した状態で、本発明に係る濃度センサ71のP波検知信号Sp、S波検知信号Ssのそれぞれの基本波形が決まる。
【0107】
従って、演算A結果である濃度センサ71の位置、微小角度θを、P波検知信号Sp及びS波検知信号Ssの個別に上記ベースライン調整値に対する各濃度テーブルのオフセット除去特性で調整するようになる。その後、演算部707は、第1のオフセット除去特性を演算したパッチ画像の正反射成分のP波検知データDpと、第2のオフセット除去特性を演算したパッチ画像の乱反射成分のS波検知データDsとの差分(P−S)を演算することにより、当該パッチ画像のトナー濃度を検知するようになる。
【0108】
そして、ステップST36で制御部72は、濃度センサ71が中間転写ベルト6上のパッチ画像を全部読み取ったか否かを判別する。このとき、制御部72は、例えば、画像形成部60が保持するパッチ画像の形成予定数と、中間転写ベルト6上に形成されたパッチ画像の形成済み数との一致比較を検出して読み取り終了を判断する。
【0109】
濃度センサ71が中間転写ベルト6上のパッチ画像を全部読み取っていない場合は、ステップST35に戻って、制御部72は中間転写ベルト6上のパッチ画像の読み取りを継続する。濃度センサ71が中間転写ベルト6上のパッチ画像を全部読み取った場合は、ステップST36に移行して、制御部72はパッチ画像のP波検知データDpsを記憶部708に格納する。
【0110】
その後、制御部72は制御装置90にデータ取得終了通知を送信する。データ取得終了通知を受信した制御装置90は、ステップST37で、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト6、一次転写部7Y,7M,7C,7K、二次転写部7A、現像装置4Y,4M,4C,4K等の動作を停止する。これにより、パッチ画像のトナー濃度を示す濃度検知データDpsを取得できるようになる。
【0111】
このように実施形態としての濃度検知装置70及び濃度検知方法によれば、ベルト素面に対する濃度センサ71の取り付け誤差に基づいて正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を補正し、ベルト素面の正反射成分の反射光Lp,Lsに対応する第1のオフセット除去特性を作成すると共に、ベルト素面の乱反射成分の反射光Lp,Lsに対応する第2のオフセット除去特性を作成する演算部707を備えるものである。
【0112】
この構成によって、画像濃度検知時に、濃度センサ71から取得されたパッチ画像の正反射成分のP波検知データDpに第1のオフセット除去特性を演算できるようになると共に、その乱反射成分のS波検知データDsに第2のオフセット除去特性を演算できるようになる。
【0113】
従って、パッチ画像の濃度検知時に得られたP波検知データDp及びS波検知データDsから濃度センサ71の取り付け誤差の影響を個々に取り除くことができる。これにより、濃度センサ71の取り付け誤差の影響を取り除かれた、パッチ画像の正反射成分のP波検知データDpと、濃度センサ71の取り付け誤差の影響を取り除かれた、パッチ画像の乱反射成分のS波検知データDsとの差分から当該パッチ画像の濃度を精度良く検知できるようになる。
【0114】
上述した実施形態では、P波検知信号Sp及びS波検知信号Ssの検知曲線I,IIについて、基準濃度を測定したときの、オフセット量を除去する補正方法(調整)について説明したが、これに限られることはない。
【0115】
例えば、演算部707において、トナー検知面に対する濃度センサ71の取り付け誤差から傾き量データD83を演算し、当該傾き量データD83に基づいて正反射成分の電圧検知特性を任意の角度だけ回転して第1のオフセット除去特性曲線I’を作成したり、乱反射成分の電圧検知特性を任意の角度だけ回転して第2のオフセット除去特性曲線II’を作成するようにしてもよい(他の補正方法)。
【0116】
これにより、正反射成分の第1のオフセット除去特性曲線I’や、その乱反射成分の第2のオフセット除去特性曲線II’を容易に作成できるので、画像濃度検知時に得られる濃度検知情報から濃度センサ71の取り付け誤差の影響を取り除く際の複数のテーブル選択対象を記憶部708に格納できるようになる。
【0117】
しかも、実施形態としてのカラー複写機100によれば、本発明に係る濃度検知装置70を備えるので、所定の速度で移動される中間転写ベルト6の使用環境による速度変化(走行性)や、濃度センサ71が取り付けられたセンサ取り付け板78の温度による位置変化(距離・角度)等も含めて、高精度に画像の濃度を検知できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
この発明は、画像濃度センサから得られる画像濃度情報に基づいてトナー画像の濃度を調整する機能を備えたカラー用、白黒用のプリンタや、複写機、これら複合機に適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0119】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム(像担持体)
2Y,2M,2C,2K 帯電部(画像形成部)
3Y,3M,3C,3K 光書込み部(画像形成部)
4Y,4M,4C,4K 現像装置(画像形成部)
6 中間転写ベルト(像担持体)
8A,8Y,8M,8C,8K クリーニング部
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成部)
17 定着装置
21 第1給紙部
22A〜22C 搬送ローラ
23 レジストローラ
24 定着搬送ローラ
25 排紙ローラ
26 用紙反転部
60 画像形成部
70 濃度検知装置
71 濃度センサ
72 制御部
73 情報作成部
74 I/O部
75 フィルタ部
76 インピーダンス変換部
77 A/D変換部
78 センサ取り付け板
82 測距センサ
90 制御装置
100 カラー複写機
101 装置本体部
102 露光走査装置
707 演算部
708 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃度被検知面に測定光を照射して正反射成分の反射光を受光すると共に、乱反射成分の反射光を受光し、前記正反射成分及び乱反射成分の反射光を各々光電変換して2成分の濃度検知情報を出力する濃度センサと、
前記濃度被検知面と前記濃度センサの取り付け面との間の距離を測定して測距情報を出力する測距センサと、
前記濃度センサから2成分の前記濃度検知情報を入力し、当該濃度検知情報に基づいて濃度被検知面の濃度値に対する濃度検知電圧をプロットした正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を作成する情報作成部とを備え、
前記情報作成部は、
前記測距センサから前記測距情報を入力し、当該測距情報に基づいて濃度被検知面に対する前記濃度センサの取り付け誤差を算出し、
算出した前記濃度センサの取り付け誤差に基づいて前記正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を補正して、前記濃度被検知面の正反射成分の反射光に対応する第1のオフセット除去特性を作成すると共に、前記濃度被検知面の乱反射成分の反射光に対応する第2のオフセット除去特性を作成することを特徴とする濃度検知装置。
【請求項2】
前記情報作成部は、
画像濃度検知時に、
前記濃度被検知面に形成された画像に測定光を照射して当該画像の正反射成分の反射光を受光すると共に、前記画像の乱反射成分の反射光を受光し、
前記画像の正反射成分及び乱反射成分の反射光を光電変換して当該画像の濃度検知情報を取得し、
取得された前記画像の正反射成分の濃度検知情報に前記第1のオフセット除去特性を演算すると共に、取得された前記画像の乱反射成分の濃度検知情報に前記第2のオフセット除去特性を演算し、
前記第1のオフセット除去特性を演算した前記画像の正反射成分の濃度検知情報と、前記第2のオフセット除去特性を演算した前記画像の乱反射成分の濃度検知情報との差分を演算することにより当該画像の濃度を検知することを特徴とする請求項1に記載の濃度検知装置。
【請求項3】
前記情報作成部は、
前記濃度被検知面に対する濃度センサの取り付け誤差から傾斜角度情報を演算し、当該傾斜角度情報に基づいて前記正反射成分の電圧検知特性を回転して前記第1のオフセット除去特性を作成すると共に、前記乱反射成分の電圧検知特性を回転して前記第2のオフセット除去特性を作成することを特徴とする請求項1に記載の濃度検知装置。
【請求項4】
濃度被検知面に形成された画像の濃度を検知する濃度検知装置が濃度センサ、測距センサ及び情報作成部を有し、
前記濃度センサが、
前記濃度被検知面に測定光を照射して正反射成分の反射光を受光すると共に乱反射成分の反射光を受光し、前記正反射成分及び乱反射成分の反射光を各々光電変換して2成分の濃度検知情報を取得し、
前記測距センサが、
前記濃度被検知面と前記濃度センサの取り付け面との間の距離を測定して測距情報を取得し、
前記情報作成部が、
前記濃度センサから2成分の前記濃度検知情報を入力し、当該濃度検知情報に基づいて濃度被検知面の濃度値に対する濃度検知電圧をプロットした正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を作成し、
その後、前記測距センサから前記測距情報を入力し、当該測距情報に基づいて濃度被検知面に対する前記濃度センサの取り付け誤差を算出し、
算出した前記濃度センサの取り付け誤差に基づいて正反射成分及び乱反射成分の電圧検知特性を補正し、前記濃度被検知面の正反射成分の反射光に対応する第1のオフセット除去特性を作成すると共に、前記濃度被検知面の乱反射成分の反射光に対応する第2のオフセット除去特性を作成することを特徴とする濃度検知方法。
【請求項5】
濃度被検知面を有して所定の速度で移動される像担持体に、所定の濃度のトナー画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって前記像担持体の濃度被検知面に形成された前記トナー画像の濃度を検知する請求項1乃至3に記載の濃度検知装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−7787(P2013−7787A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138790(P2011−138790)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】