説明

炊飯器

【課題】加熱動作が誤って停止したり、清掃時などに加熱動作が誤って開始したりするのを抑制した炊飯器を提供する。
【解決手段】本体1の外観面1Aよりも奥に炊飯ボタン91と切ボタン94の表面が位置している。これにより、例えば炊飯や保温などの加熱動作中に、本体1の外観を清掃した場合に、停止切ボタン94に手などが触れにくくなり、加熱動作が誤って停止する不具合を低減できる。また、炊飯や保温を行なっていない切状態に、本体1の外観を清掃した場合でも、炊飯ボタン91に手などが触れにくくなり、加熱動作が誤って開始する不具合を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯中に誤って炊飯が停止したり、清掃中などに誤って動作が開始しないようにした炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の炊飯器は、容器に相当する内釜を本体に収納自在とし、ヒータや誘導加熱(IH)コイルなどの加熱手段によって内釜を加熱して、炊飯を行なうものが例えば特許文献1などで知られている。この特許文献1では、本体の上部に内釜の開口部を覆う蓋体が設けられている。
【0003】
一方、上面と上側面とを構成する合成樹脂製の上枠と、側面を構成する金属部材からなる外枠とにより本体を形成した炊飯器が、近年主流となっている。これは、本体の側面が金属部品となることで清掃性を向上させたり、外観品位を向上させることが主な目的である。
【0004】
炊飯器には、加熱手段を制御するための制御手段が設けられている。これは、炊飯を開始すると、米に水を浸透させる行程と、沸騰させる行程と、炊き上げる工程と、むらしを行なう行程を、温度や時間などを条件として順に移行させるためである。この制御手段は、操作手段からの指示により操作され、当該操作手段として、加熱手段の駆動開始を指示する開始操作部と、加熱手段の駆動停止を指示する停止操作部とからなる加熱制御選択操作部を備えている。このような加熱制御選択操作部は、直接加熱手段を操作するものとなる。
【0005】
また、炊飯だけでなく保温や予約機能を備えた炊飯器では、加熱手段として炊飯加熱手段と保温加熱手段とを有し、炊飯時において炊飯加熱手段と保温加熱手段を制御し、炊飯完了後に自動的に保温行程に移行する加熱制御手段の他に、保温制御手段と予約制御手段とを制御手段として備えている。
【0006】
ここでの加熱制御手段は、炊飯を開始すると、米に水を浸透させる行程と、沸騰させる行程と、炊き上げる工程と、むらしを行なう行程を、温度や時間などを条件として順に移行させ、炊飯を完了させた後に、自動的に保温行程へ移行させるために設けられている。また、保温制御手段は、炊飯を行なう場所と食事を行なう場所が異なる場合などにおいて、一旦炊飯器の電源プラグをコンセントから抜き、食卓まで炊飯器を運んだ後に、再度電源プラグをコンセントに差込んで保温行程を行なうときに、前記炊飯加熱手段と保温加熱手段の両方或いはいずれか一方を制御するものである。さらに予約制御手段は、設定した時刻(例えば午後6時30分)に炊飯が完了して、その後自動的に保温行程に移行するか、あるいは設定した時間(例えば4時間)が経過すると炊飯が完了して、その後自動的に保温行程に移行する予約炊飯を行なうように、炊飯加熱手段や保温加熱手段を制御するものである。
【0007】
こうした加熱制御手段,保温制御手段,予約制御手段も、操作手段からの指示により操作される。当該操作手段は、加熱制御手段の動作開始を指示する炊飯開始部と、保温制御手段の動作開始を指示する保温開始部と、予約制御手段の動作開始を指示する予約部と、加熱制御手段,保温制御手段,予約制御手段の動作停止を指示する停止部と、設定時刻若しくは設定時間や、現在時刻を設定する時計部とを備えている。その中で、炊飯開始部,保温開始部,予約部および停止部は、直接加熱手段を操作するものとなる。
【0008】
加えて加熱制御手段には、複数のコースに応じた加熱パターンが記憶されており、操作手段としてさらに設けた選択部によって、複数のコースから所望のコースを選択すると、その選択したコースでの加熱パターンにより、炊飯時に炊飯加熱手段や保温加熱手段を制御するようになっている。この場合の選択部は、複数のコースに応じた加熱パターンを選択することから、間接的に加熱手段を操作することになる。
【0009】
操作手段は、様々の印刷を施したシートや、このシートと合成樹脂材料とを一体成形した部品などで構成され、さらに指が触れる操作部は、操作の際に判りやすくなるように、膨らませておくことが一般的であった。そのために、シートと合成樹脂材料とを一体成形する場合には、加熱制御選択操作部はシートのみとしてある。こうすれば、シートを合成樹脂材料と一体成形する際に、合成樹脂材料は成形前後の温度差により収縮するが、シートは収縮しないので、この収縮差分だけシートが押されて、操作部を膨らませることができる。
【0010】
操作部は本体の外観面に対して若干凸に形成されている。その理由は、操作部を過度に膨らませると、前述のシートが切れたりする虞れがあるからである。
【特許文献1】特開2000−70129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上述した従来の炊飯器の構造では、次のような問題点があった。
【0012】
内釜内に水と米を適量入れ、開始部若しくは炊飯開始部を操作して、炊飯を開始させる。炊飯が完了するまでの時間は炊飯量に応じて異なり、この炊飯完了までの間に、使用者は例えば食事の際のおかずを作ったり、炊飯器自体を清掃するなど、色々な事を行なっている。
【0013】
炊飯器を清掃する際には、主に水を付け、絞ったタオルなどで汚れた部分を拭き取る作業である。操作部は炊飯を行なう場合に必ず触れる部分であり、最も汚れる部分の一つであるので、操作部の清掃は頻繁に行なわれている。この時、操作部は本体の外観面よりやや凸に形成されているので、不意に停止操作部を操作し、炊飯を途中で止めてしまうことがあった。
【0014】
また、予約炊飯を設定した後に清掃を行なった場合も同様に、不意に停止部を操作すると、予約設定が解除されることがあった。
【0015】
上述のように清掃により炊飯や予約炊飯を途中で止めてしまう不具合をなくすために、炊飯中は清掃を行なわず、切状態のときに炊飯器の清掃を行なう場合も多い。しかし、この場合に開始部若しくは炊飯開始部を不意に押してしまうと、使用者が認識しないまま炊飯加熱手段や保温加熱手段が動作してしまうことがある。これは、予約部を押してしまった場合も同様である。
【0016】
さらに、炊飯,予約炊飯,保温を実行していない切状態で、コンセントを抜かずに炊飯器が放置されている場合は多い。その場合に清掃を行なったときに、選択部を不意に押してしまうと、コースの変更に気付かないまま次の炊飯が行なわれ、所望のコースで炊飯が完了しないことがある。
【0017】
本発明は上記問題点に鑑み、清掃時などに加熱手段に関わる誤動作を防止することを共通の目的とする。
【0018】
より具体的には、加熱動作が誤って停止したり、清掃時などに加熱動作が誤って開始するのを抑制した炊飯器を提供することを、その第1の目的とする。
【0019】
本発明の第2の目的は、炊飯や保温が誤って停止したり、予約設定が誤って解除されるのを抑制すると共に、清掃時などに炊飯や保温の動作が誤って開始したり、予約設定が誤って行なわれるのを抑制した炊飯器を提供することにある。
【0020】
本発明の第3の目的は、炊飯や保温が誤って停止したり、予約設定が誤って解除されるのを抑制すると共に、清掃時などに炊飯や保温の動作が誤って開始したり、予約設定が誤って行なわれたり、コースが誤って選択されるのを抑制した炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の請求項1における炊飯器では、本体の外観面よりも奥に開始部と停止部の表面が位置しているので、例えば炊飯や保温などの加熱動作中に、本体の外観を清掃した場合に、停止部に手などが触れにくくなり、加熱動作が誤って停止する不具合を低減できる。また、炊飯や保温を行なっていない切状態に、本体の外観を清掃した場合でも、開始部に手などが触れにくくなり、加熱動作が誤って開始する不具合を低減できる。
【0022】
本発明の請求項2および請求項3における炊飯器では、例えば本体などの外面よりも奥に、炊飯開始部と、保温開始部と、予約部と、停止部の表面が位置しているので、炊飯や保温の動作中、若しくは予約炊飯の設定中に、本体の外観などを清掃した場合に、停止部に手などが触れにくくなり、炊飯や保温が誤って停止したり、予約炊飯の設定が誤って解除されるのを低減できる。また、炊飯や保温を行なっていない切状態に、本体の外観などを清掃した場合でも、炊飯開始部や、保温開始部や、予約部に手などが触れにくくなり、炊飯や保温が誤って開始したり、予約炊飯の設定が誤って行なわれる不具合を低減できる。さらに、選択部によって複数のコースから所望のコースを選択できることで、所望のコースでの動作が可能になり、その選択したコースを表示手段で確認できる。
【0023】
本発明の請求項4および請求項5における炊飯器では、例えば本体などの外面よりも奥に、炊飯開始部と、予約部と、停止部と、選択部の表面が位置しているので、炊飯や保温の動作中、若しくは予約炊飯の設定中に、本体の外観などを清掃した場合に、停止部に手などが触れにくくなり、炊飯や保温が誤って停止したり、予約炊飯の設定が誤って解除されるのを低減できる。また、炊飯や保温を行なっていない切状態に、本体の外観を清掃した場合でも、炊飯開始部や、予約部に手などが触れにくくなり、炊飯が誤って開始したり、予約炊飯の設定が誤って行なわれる不具合を低減できる。加えて、選択部は保温制御手段などの動作開始の指示をも選択できる構成となっているが、この選択部も手などが触れにくくなり、保温が誤って開始したり、コースが誤って選択されたまま次の炊飯が行なわれるのを低減できる。さらに、選択部によって所望のコースの選択だけでなく、食卓などに炊飯器を移動させたときにも容易に保温動作を開始させることができ、使い勝手のよい炊飯器を提供できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の請求項1における炊飯器によれば、加熱動作が誤って停止したり、清掃時などに加熱動作が誤って開始するのを抑制した炊飯器を提供できる。
【0025】
本発明の請求項2および請求項3における炊飯器によれば、炊飯や保温が誤って停止したり、予約設定が誤って解除されるのを抑制すると共に、清掃時などに炊飯や保温の動作が誤って開始したり、予約設定が誤って行なわれるのを抑制できる。また、所望のコースでの炊飯動作が可能になり、その選択したコースを表示手段で確認できる。
【0026】
本発明の請求項4および請求項5における炊飯器によれば、炊飯や保温が誤って停止したり、予約設定が誤って解除されるのを抑制すると共に、清掃時などに炊飯や保温の動作が誤って開始したり、予約設定が誤って行なわれたり、コースが誤って選択されるのを抑制できる。しかも、食卓などに炊飯器を移動させたときにも、選択部によって容易に保温動作を開始させることができ、使い勝手のよい炊飯器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明における炊飯器の好ましい実施例を説明する。
【0028】
まず、図1に基づき、各実施例に共通する炊飯器の全体的な構成について説明する。同図において、1は炊飯器の外郭となる本体で、この本体1は、ほぼ筒状の外枠2と、この外枠2の下面開口を覆って設けられた底板3とにより形成されている。本体1の上側には、その後部に位置するヒンジたるヒンジ軸4により、蓋すなわち蓋体5が回動自在に支持されている。また、外枠2の上部内周部から一体に垂下させて形成されるほぼ筒状の鍋収容部6と、この鍋収容部6の下面開口を覆って設けられた内枠8とにより、本体1内に有底筒状の鍋収容体9が形成される。なお、鍋収容体9の側部をなす鍋収容部6は、外枠2と一体化したPP(ポリプロピレン)などの合成樹脂からなる。また、鍋収容体9の底部をなす内枠8は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂で形成されている。
【0029】
炊飯器の本体外観は、その上部と側部を一体化した外側枠すなわち外枠2と、外枠2の底部を覆う底板3で構成してもよい。また本体外観を、上部を覆う上枠と、側部と底部を一体化した底側枠とにより構成したり、あるいは上部を覆う上枠と、側部を覆う側枠と、底部を覆う底板とにより構成してもよい。その際、外側枠,底板,上枠,底側枠は、いずれもPPなどの合成樹脂で形成されるが、側枠はPPなどの合成樹脂で形成してもよいし、ステンレスなどの金属板で形成してもよい。
【0030】
前記鍋収容体9内には、米や水などの被調理物を収容する有底筒状の鍋11が着脱自在に収容される。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて接合されたフェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体13とにより構成される。鍋11の側面中央から上部に発熱体13を設けないのは、鍋11の軽量化を図るためである。さらに、軽量化を図るために、磁性金属を設けなくてもよい。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成されている。
【0031】
前記内枠8は、鍋11の発熱体13に対向して位置しているが、この内枠8の外面の発熱体13に対向する側面下部および底面部には、鍋11の特に底部を電磁誘導加熱する加熱手段としての加熱コイル16が設けられている。この加熱コイル16は、前記鍋11の外面にある発熱体13に対向する状態で、内枠8の外面に螺旋状に巻き付け固定される。そして、後述する制御手段71のインバータ回路などから加熱コイル16に高周波電流を供給すると、加熱コイル16から発生する交番磁界によって、磁界中にある発熱体13に渦電流が発生する。そして、この渦電流がジュール熱に変換されることで発熱体13が発熱し、鍋11ひいては鍋11内の水や米などの被炊飯物が加熱されるようになっている。さらに、前記加熱コイル16を下側から覆ってフェライトコア17が設けられている。
【0032】
なお、加熱手段としては加熱コイル16の他に、シーズヒータ単体や、このシーズヒータをアルミニウムなどの金属材料に埋め込んだものを採用してもよい。
【0033】
内枠8の底部中央には、前記鍋11の底部外面に弾発的に当接して鍋11の外面温度を検出する鍋底温度検出手段としての鍋温度センサ21がセンサホルダ22により支持されて設けられている。この鍋温度センサ21は、好ましくは負特性サーミスタからなり、加熱コイル16による鍋11の底部の加熱温度を主に温度管理する。
【0034】
前記鍋収容体9の上端には、鍋11の側面上部、特にフランジ部14を加熱するための鍋側面加熱手段としてのコードヒータ26が、鍋11のフランジ部14の下側に位置して円環状に配置されている。このコードヒータ26は電熱式ヒータからなり、鍋収容体9の上端に載置するようにして取付けられた熱放散抑止部材としてのヒータリング27上に保持されると共に、コードヒータ26を上から覆うようにしてヒータリング27に取付けられ、かつ熱伝導性に優れた例えばアルミ板からなる固定金具と放熱部とを兼用する金属板29を備えている。この金属板29は、本体1と蓋体5との隙間30に対向して位置している。そして、前記金属板29の上面に鍋11のフランジ部14の下面が載置し、これにより、鍋11が吊られた状態で鍋収容体9内に収容されるようになっている。したがって、鍋11とこの鍋11が収容された鍋収容体9の上端との間における隙間がほとんどない構成になる。しかも、鍋11のフランジ部14は、外形がコードヒータ26と同等以上の大きさに形成されており、これにより、コードヒータ26が鍋11のフランジ部14で上から覆われるようになっている。ただし、図示していないが、例えば鍋収容体9の左右両側部においてコードヒータ26を下方へ屈曲させることにより、フランジ部14とコードヒータ26とを非接触としてこれらフランジ部14とコードヒータ26との間に部分的に隙間が形成されるようにしてあり、この隙間において、鍋11を着脱する際の持ち手部としてフランジ部14を使用できるようにしてある。また、前記部分的な隙間は、鍋11の外面に水が付着した状態で炊飯したときに蒸気を排出させる作用も有する。
【0035】
外枠2の後方には、ヒンジ部32が設けられる。このヒンジ部32は左右にヒンジ孔33が設けられていると共に、ねじりコイルバネなどで形成したヒンジバネ34が外枠2のヒンジ部32に収納される。
【0036】
蓋体5は、その上面外殻を形成する例えばプラスチック製の外蓋46と、蓋体5の内面である下面を形成する蓋下面材としての放熱板47と、これら外蓋46と放熱板47とを結合させて蓋体5の骨格を形成する蓋ベース材としての外蓋カバー48とを主たる構成要素としている。また、蓋体5の内面である下面には、この下面との間に所定の隙間を形成して、前記鍋11の上部開口部を直接覆う内蓋51が着脱自在に装着される。前記放熱板47および内蓋51はともに金属製であり、例えば、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属材料からなっている。また、前記内蓋51の外周部にはパッキンベース52が固定されており、このパッキンベース52と内蓋51とにより挟まれて蓋パッキン53が固定されている。この蓋パッキン53は、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材により環状に形成され、前記鍋11のフランジ部14の上面に当接してこの鍋11と内蓋51との間の隙間を塞ぎ、鍋11から発生する蒸気を密閉するものである。そして、蓋パッキン53における鍋11への当接部は、フランジ部14を挟んで前記コードヒータ26に対向している。
【0037】
こうして、前記内蓋51,パッキンベース52および蓋パッキン53からなる内蓋セット(内蓋体)を、外蓋カバー48に対し着脱自在に設けることで、炊飯毎に内蓋セットを単独で洗える構成とする。
【0038】
外蓋カバー48の後方には、前記外枠2のヒンジ部32に設けたヒンジ孔33に対向するように、別なヒンジ孔(図示せず)が設けられており、前記ヒンジ軸4を外枠2のヒンジ孔33と外蓋カバー48のヒンジ孔にそれぞれ連通することで、本体1を蓋体5に対し開閉自在に軸支する。ヒンジバネ34の一端は外蓋カバー48に引っ掛けられており、このヒンジバネ34の弾性力により、蓋体5はヒンジ軸4を支点として開く方向へ付勢されている。
【0039】
また、蓋体5の前部に設けられた蓋体係止部としてのクランプ42に、外枠2の前部上側に設けられたフック43が係脱自在に係合することにより、ヒンジばね41の力に抗して蓋体5が閉じた状態に保持されるようになっている。開閉ボタンを兼用するフック43の裏側には、クランプ42に係合する方向にフック43を付勢する圧縮ばね(図示せず)が設けられている。
【0040】
前記蓋体5の内部にあって、放熱板47の上面には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ56が設けられている。この蓋ヒータ56は、コードヒータなどの電熱式ヒータや、電磁誘導加熱式による加熱コイルでもよい。さらに前記放熱板47には、蓋体5の特に内蓋51の温度を検知する蓋温度検知手段としてのサーミスタ式の蓋温度センサ57が設けられていている。この蓋温度センサ57は、主に蓋ヒータ56により加熱される内蓋51の温度管理を行なうものである。前記蓋体5の上面後部には、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出するための蒸気口61が着脱可能に取付けられている。また、前記放熱板47および内蓋51における蒸気口61の下方の位置には、蒸気の通過用の開口孔がそれぞれ開口形成されており、蒸気口61の下端部には蒸気口パッキン62が設けられている。
【0041】
さらに、前記外蓋46の前部には操作パネル63が設けられている。そして、この操作パネル63の下方に位置して蓋体5内に形成された基板収納室64に操作基板65が配設されており、この操作基板65上には、時間や選択した炊飯コースを表示するLCD66や、現在の行程を表示するLED67や、炊飯を開始させたり炊飯コースを選択させるための自動復帰(モメンタリ)タイプのスイッチ68などが装着される。操作パネル63はボタン名などを表示するもので、電子部品である表示部にほこりや水が付着することも防止している。なお、操作パネル63を本体1の正面側に設けてもよい。
【0042】
71は、本体1の内部後方に設けられた制御手段である。この制御手段71は、加熱手段である加熱コイル16を駆動させるための発熱素子(図示せず)を基板に備えて構成される。この加熱コイル16を駆動する素子は、加熱コイル16の発振と共に加熱されるが、動作状態を保証する使用条件温度を有するので、一定温度以下で使用する必要がある。そのために、加熱コイル16を駆動する素子は、例えばアルミニウムのような熱伝導性の良好な材料で構成されるフィン状の放熱器72に熱的に接続され、冷却手段である冷却ファン73から発する風を放熱器72に当てて熱を奪うことにより、使用条件温度内で素子を駆動するようにしている。
【0043】
冷却ファン73は、制御手段71に取付けられた放熱器72の下方、若しくは側部に配置されている。また、本体1の底部若しくは側部には、冷却ファン73から発し、制御手段71に取付けられた放熱器72から熱を奪って温かくなった風を、本体1の外部へ排出するための孔74が複数設けられている。制御手段71は製品内部すなわち本体1内に収納されるが、鍋11の外周囲のどの位置に配置してもよい。また、本体1の底部若しくは側部に設けた孔74も、どの位置に配置してもよい。しかし、近年は製品の小形化設計が求められている背景もあり、制御手段71や冷却ファン73と、温かな風を排出する孔74は、鍋11をはさんで略反対位置に配置するのが好ましい。
【0044】
次に制御系統について、図2を参照しながら説明する。同図において、71は前述の制御手段で、これは前記鍋温度センサ21および蓋温度センサ57からの各温度情報を受信して、炊飯時および保温時に鍋11の底部を加熱する加熱コイル16と、鍋11の側部を加熱するコードヒータ26と、蓋体5を加熱する蓋ヒータ56とを各々制御するものである。これらの加熱コイル16,コードヒータ26,蓋ヒータ56は、鍋11ひいては鍋11内の被調理物を加熱する加熱手段76に相当する。
【0045】
特に本実施例の制御手段71は、鍋温度センサ21の検出温度に基づいて主に加熱コイル16が制御されて鍋11の底部を温度管理し、蓋温度センサ57の検出温度に基づいて主に蓋ヒータ56が制御されて放熱板47ひいては内蓋51を温度管理するようになっている。制御手段71は、自身の記憶手段(図示せず)に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、加熱手段76を制御して鍋11内の被調理物を炊飯加熱し、この炊飯から自動的に保温に移行させる加熱制御手段としての炊飯制御手段82と、加熱手段76を制御して鍋11内のご飯を所定の保温温度に保温加熱する保温制御手段83と、設定した時刻に炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように炊飯制御手段82や保温制御手段83を制御する予約制御手段84とをそれぞれ備えている。
【0046】
85は、制御手段71からの制御信号を受けて、加熱コイル16に所定の高周波電流を供給する高周波インバータ回路などを内蔵した加熱コイル駆動手段である。またこれとは別に、制御手段71の出力側には、制御手段71からの制御信号を受けて、放熱板47や内蓋51を加熱するように蓋ヒータ56を駆動させる蓋ヒータ駆動手段86と、制御手段71からの制御信号を受けてコードヒータ26を駆動させるコードヒータ駆動手段87と、制御手段71からの制御信号を受けて、LCD66やLED67からなる表示手段88を所望の表示形態に駆動させる表示駆動手段89が各々設けられる。前記炊飯制御手段82による炊飯時、および保温制御手段83による保温時には、鍋温度センサ21と蓋温度センサ57からの各温度検出により、加熱コイル16による鍋11の底部への加熱と、コードヒータ26による鍋11の側面への加熱と、蓋ヒータ56による蓋体5への加熱が行なわれるように構成する。また、前記炊飯制御手段82による炊飯が終了し、鍋11内の被調理物がご飯として炊き上がった後は、保温制御手段83による保温に自動的に移行し、鍋温度センサ21の検知温度に基づき、加熱コイル11やコードヒータ26による鍋11への加熱を調節することで、ご飯を所定の保温温度(約70℃〜76℃)に保温するように構成している。
【0047】
特に前記コードヒータ26による加熱について補足説明すると、炊飯後にご飯の温度が約100℃から約73℃の保温温度に低下するまでと、約73℃の保温安定時に、コードヒータ26を発熱させて、蓋体5と本体1との隙間30の空間に金属板29から熱放射して、この隙間30からの外気の侵入による冷えを抑制すると共に、鍋11のフランジ部14を加熱する。また、保温時にご飯を再加熱する期間にもコードヒータ26により鍋11のフランジ部14を加熱し、ご飯の加熱により発生する水分が鍋11の内面上部に結露することを防止するように構成している。
【0048】
次に、上記構成についてその作用を説明する。鍋11内に被調理物である米および水を入れて、炊飯制御手段82による炊飯を開始すると、鍋温度センサ21による鍋11の底部の温度検知に基づいて、加熱コイル16とコードヒータ26で鍋11の底部と側面部をそれぞれ加熱し、鍋11内の水温を45〜60℃に15〜20分間保持するひたし炊きが行なわれる。その後、加熱コイル16により鍋11を強加熱し、被調理物への沸騰加熱を行なう。この沸騰加熱時に鍋11の底部と側面部の温度が90℃以上になり、蓋体5の温度が90℃以上で安定したら、鍋11内が沸騰状態になったものとして、それまでよりも加熱量を低減した沸騰継続加熱に移行する。なお、蓋体5の温度が90℃以上で安定したことは、蓋温度センサ57からの検出温度の温度上昇率により検知される。また、この沸騰検知において、鍋温度センサ21と蓋温度センサ57とにより、鍋11の底部および蓋体5がいずれも90℃以上になったことを確認でき、完全に鍋11内が沸騰したことを精度よく検知できる。
【0049】
また、前記鍋11の底部,鍋11の側面部または蓋体5のいずれかが120℃以上の通常ではあり得ない検知温度になったら、制御手段71は何らかの異常があると判断して炊飯加熱における加熱量を低減して全ての動作を停止する切状態にするか、後述するむらしに移行するか、保温を行ない、異常加熱を防止する。逆に、前記鍋11の底部または蓋体5のいずれかが90℃以上になって所定時間(例えば5分)経過しているのに、それ以外の鍋11の底部または蓋体5のいずれかが90℃未満で低い状態の場合、この温度の低い状態の鍋温度センサ21または蓋温度センサ57が、何らかの理由(汚れや傾きや接触不良など)で温度検知精度が悪化していると判断し、同様に炊飯加熱における加熱量を低減して全ての動作を停止する切状態にするか、むらしに移行するか、保温を行ない、これに対処する。
【0050】
沸騰継続に移行すると、炊飯制御手段82は蓋ヒータ56による蓋加熱を開始させる。ここでの蓋加熱は、内蓋51の温度が100〜110℃になるように、蓋温度センサ57の検知温度により管理される。そして、鍋11の底部が所定の温度上昇を生じたら、炊き上げを検知して、むらしに移行する。むらし中は蓋温度センサ57の検出温度による温度管理によって蓋ヒータ56を通断電し、内蓋51への露付きを防止すると共に、ご飯が焦げない程度に高温(98〜100℃)が保持されるように、鍋11の底部または鍋11の側面部の温度を管理する。むらしは所定時間(15〜20分)続けられ、むらしが終了したら保温制御手段83による保温に移行する。
【0051】
保温になると、加熱コイル16にて鍋11の底部と側面下部を加熱すると共に、鍋11内に収容するご飯の温度よりも僅かに高く、蓋ヒータ56により蓋体5の下面を加熱し、さらに鍋11の側面をコードヒータ26でご飯が乾燥せず、かつ露が多量に付着しないように温度管理する。鍋11内のご飯の温度は70〜76℃に温度保持されるが、この保温時においても、鍋温度センサ21や蓋温度センサ57が相互に異常に高かったり、あるいは異常に低かったりした場合には、異常を検知してこの異常加熱を防止する。
【0052】
次に、本実施例の特徴部分を図3〜図6に基づき説明する。これらの各図に示す実施例の炊飯器では、本体1の内部に操作基板65を設け、この操作基板65に対向するようにして、操作パネル63が本体1の正面に設けられている。ここでの操作パネル63は、シートに粘着材を施して本体1の接着してもよいし、シートと合成樹脂材料を一体成形した部品としてもよい。いずれにせよ、シートの表面側には様々な印刷が施されている。
【0053】
また、図3に示す第1実施例では、加熱手段76の駆動開始を指示する開始部に相当し、炊飯制御手段82の動作開始を指示する炊飯開始部にも相当する炊飯ボタン91と、保温制御手段83の動作開始を指示する保温開始部に相当する保温ボタン92と、予約制御手段84の動作開始を指示する予約部に相当する予約ボタン93と、加熱手段76の駆動停止を指示し、ひいては前記炊飯制御手段82,保温制御手段83,または予約制御手段84の動作停止を指示する停止部に相当する切ボタン94が、第1の操作部95として操作パネル68に設けられている。この中で、炊飯ボタン91と切ボタン94は別々な構成とせず、一つのボタンとして構成してもよい。この場合、切状態で当該ボタンを押動操作すると炊飯が開始し、炊飯や保温、若しくは予約設定時に当該ボタンを押動操作すると切状態に移行するようになる。
【0054】
その他、操作パネル68には、設定時刻や現在時刻などの時間を設定する時計部として、時計合わせボタン96と、時ボタン97と、分ボタン98が設けられる。これらのボタン96〜98は、第2の操作部99として構成される。時計合わせボタン96は、これを一度操作すると、表示駆動手段89を介してLCD66に表示される予約の設定時刻や現在時刻を調整可能にするモードに制御手段71を移行させる。この状態で時ボタン97や分ボタン98を操作すると、前記設定時刻や現在時刻の時分が変更され、そこで時計合わせボタン96を再度操作すると、その変更した時分が設定時刻や現在時刻として制御手段71に登録される。制御手段71は内蔵するタイマ手段(図示せず)により、現在時刻を計時カウントする。また、切状態で予約ボタン93を押すと、現在時刻が設定時刻になると炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように予約制御手段84が制御を行なうようになっている。
【0055】
なお、ここでの時刻調整手段部は、例えば時計合わせボタン96を他のボタンと併用させ、時計合わせボタン96を廃止してもよい。また、設定した時間が経過すると炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように制御する予約制御手段84の場合には、予約制御手段84により炊飯が完了する設定時間を変更できるようにするために、当該設定時間を進めたり戻したりする例えば進むボタンや戻るボタンを、時刻調整手段部として採用してもよい。この場合、進むボタンを操作すれば設定時間が増加し、戻るボタンを操作すれば設定時間が減少するようになる。
【0056】
こうした第1の操作部95や第2の操作部99は、操作基板65に設けた複数のスイッチ68に対向して、このスイッチ68を個々に押すために設けられており、これらの操作部95,99には合成樹脂材料はなくシートのみの構成となっている。また、加熱手段76の操作に関与しない第2の操作部99は、本体1の外観面に対して外方に膨らませる形状に形成する。これは,シートを合成樹脂材料と一体成形した際に、合成樹脂材料は成形前後の温度差により収縮するが、シートは収縮しないので、この収縮差の分だけシートが押され、膨らむことによりそのような形状に形成できる。
【0057】
一方、加熱手段74の操作に関与する第1の操作部95は、図5や図6に示すように、本体1の外観面1Aに対して奥方(内方)に位置するように構成する。図5に示す例では、第1の操作部95が不意に押されるのをより確実に防ぐために、第1の操作部95そのものを本体1の内側に膨らませ、表面側を凹ませている。また、図6に示す例では、第1の操作部95の基準面95Aを本体1の外観面1Aよりも内側に位置させ、この本体1の外観面1Aより突出しないように、第1の操作部95そのものを本体1の外側に膨らませている。こうすると、第1の操作部95を触れたときに、どこにその中心部があるのかを外方への膨らみで容易に理解することができる。
【0058】
このように、図3に示す本実施例では、容器である鍋11を収容する本体1と、この鍋11を加熱する加熱手段76と、加熱手段76を制御する制御手段71と、制御手段71を操作する操作手段としての第1の操作部95を備え、第1の操作部95は、加熱手段76の駆動開始を指示する開始部としての炊飯ボタン91と、加熱手段76の駆動停止を指示する停止部としての切ボタン94と、を有する炊飯器において、炊飯ボタン91と切ボタン94の表面を、炊飯器の外面である本体1の外観面1Aよりも奥に位置するように設けている。
【0059】
この場合、本体1の外観面1Aよりも奥に炊飯ボタン91と切ボタン94の表面が位置しているので、例えば炊飯や保温などの加熱動作中に、本体1の外観を清掃した場合に、停止切ボタン94に手などが触れにくくなり、加熱動作が誤って停止する不具合を低減できる。また、炊飯や保温を行なっていない切状態に、本体1の外観を清掃した場合でも、炊飯ボタン91に手などが触れにくくなり、加熱動作が誤って開始する不具合を低減できる。
【0060】
図4に示す第2実施例では、前記第1実施例における保温ボタン92に代わり、炊飯制御手段82が実行する複数のメニュー(炊飯コース)から所望のメニューを選択する選択部として、メニューボタン101が設けられている。そして、前述の炊飯ボタン91,予約ボタン93,切ボタン94と共に、メニューボタン101が、図4や図5に示すような加熱手段74の操作に関与する第1の操作部95として、本体1の外観面1Aに対して奥に位置するように配設されている。
【0061】
第2実施例における制御手段71は、例えば標準の白米メニューの他に、無洗米メニューや、玄米メニューや、おかゆメニューなどの各メニューに応じた加熱パターンを記憶しており、メニューボタン101を押動操作する毎に、その中の1つのメニューが順に選択され、選択したメニューが表示手段88であるLED67にて表示される。そして、メニューボタン101にて所望のメニューを選択した状態で、炊飯ボタン91を押動操作すると、当該所望のメニューの加熱パターンが制御手段71で呼び出されて、その加熱パターンで炊飯制御手段82による炊飯や保温制御手段83による保温が行なわれるようになっている。
【0062】
また、ここでのメニューボタン101は、メニューの選択だけでなく、保温制御手段83の動作開始の指示をも選択できるようになっている。すなわち、炊飯を行なう場所と食事を行なう場所が異なる場合などにおいて、一旦炊飯器の電源プラグ(図示せず)をコンセントから抜き、食卓まで炊飯器を運んだ後に、再度電源プラグをコンセントに差込んで保温行程を行なう必要があるが、その場合にメニューボタン101で保温開始の指示を選択すれば、保温行程を容易に実行することができる。
【0063】
このように、図4に示す第2実施例では、鍋11を収容する本体1と、この鍋11を加熱する加熱手段76と、加熱手段76を制御して炊飯から自動的に保温に移行させる加熱制御手段としての炊飯制御手段82と、加熱手段76を制御して保温を実行する保温制御手段83と、設定した時刻に炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように制御する予約制御手段84と、操作手段である第1の操作部95や第2の操作部99とを備えた炊飯器において、設定時刻や現在時刻などを表示する表示手段88を備え、前記操作手段は、炊飯制御手段82の動作開始を指示する炊飯開始部としての炊飯ボタン91と、予約制御手段84の動作開始を指示する予約部としての予約ボタン93と、炊飯制御手段82,保温制御手段83,予約制御手段84の動作停止を指示する停止部として切ボタン94と、予約の設定時刻や現在時刻などの時間を設定する時計部としての時計合わせボタン96,時ボタン97および分ボタン98と、炊飯制御手段82が実行する複数のメニューすなわちコースから所望のコースを選択する選択部としてのメニューボタン101とを有し、操作手段の中で、第1の操作部95を構成する炊飯ボタン91,予約ボタン93,切ボタン94,メニューボタン101の表面を、炊飯器の外面である本体1の外観面1Aよりも奥に位置させ、メニューボタン101は、例えば保温制御手段83などの動作開始の指示をも選択できる構成となっている。
【0064】
この場合、本体1の外観面1Aよりも奥に、炊飯ボタン91,予約ボタン93,切ボタン94,メニューボタン101の各表面が位置しているので、炊飯や保温の動作中、若しくは予約炊飯の設定中に、本体1の外観を清掃した場合に、切ボタン94に手などが触れにくくなり、炊飯や保温が誤って停止したり、予約炊飯の設定が誤って解除されるのを低減できる。また、炊飯や保温を行なっていない切状態に、本体1の外観を清掃した場合でも、炊飯ボタン91や予約ボタン93に手などが触れにくくなり、炊飯が誤って開始したり、予約炊飯の設定が誤って行なわれる不具合を低減できる。
【0065】
加えて、メニューボタン101は保温制御手段83などの動作開始の指示をも選択できる構成となっているが、このメニューボタン101も手などが触れにくくなり、保温が誤って開始したり、コース(メニュー)が誤って選択されたまま次の炊飯が行なわれるのを低減できる。さらに、メニューボタン101によって所望のコースの選択だけでなく、食卓などに炊飯器を移動させたときにも容易に保温動作を開始させることができ、使い勝手のよい炊飯器を提供できる。
【0066】
また、このような作用効果は、設定した時間が経過すると炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように予約制御手段94が制御する構成になっており、この予約の設定時間や現在時刻を表示手段88で表示するようになっており、時計部がその設定時間や現在時刻を設定できるように、例えば時計合わせボタン96の他に、進むボタンや戻るボタンを備えた構成で同様に発揮できる。
【0067】
なお、図4における第2実施例では、図3に示した保温ボタン92を第1の操作部95として独立に設けてもよい。この場合のメニューボタン101は、複数のコースから所望のコースを選択するだけの機能となる。そして、操作手段の中で、少なくとも炊飯ボタン91と、保温ボタン92と、予約ボタン93と、切ボタン94の表面を、本体1の外観面1Aよりも奥に位置させ、メニューボタン101で選択したコースを表示手段88である例えばLED67で表示させるように構成する。
【0068】
このようにすれば、本体1の外観面1Aよりも奥に、炊飯ボタン91と、保温ボタン92と、予約ボタン93と、切ボタン94の各表面が位置しているので、炊飯や保温の動作中、若しくは予約炊飯の設定中に、本体1の外観を清掃した場合に、切ボタン94に手などが触れにくくなり、炊飯や保温が誤って停止したり、予約炊飯の設定が誤って解除されるのを低減できる。また、炊飯や保温を行なっていない切状態に、本体1の外観を清掃した場合でも、炊飯ボタン91や、保温ボタン92や、予約ボタン93に手などが触れにくくなり、炊飯や保温が誤って開始したり、予約炊飯の設定が誤って行なわれる不具合を低減できる。さらに、メニューボタン101によって複数のメニュー(コース)から所望のメニューを選択できることで、所望のメニューでの炊飯動作が可能になり、その選択したメニューを表示手段88で確認できる。
【0069】
そして、このような作用効果も、設定した時間が経過すると炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように予約制御手段94が制御する構成になっており、この予約の設定時間や現在時刻を表示手段88で表示するようになっており、時計部がその設定時間や現在時刻を設定できるように、例えば時計合わせボタン96の他に、進むボタンや戻るボタンを備えた構成で同様に発揮できる。
【0070】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。実施例中で示したメニュー(コース)はあくまでも一例に過ぎず、別なメニューを組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の各実施例に共通する炊飯器の全体縦断面図である。
【図2】同上、電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例における炊飯器の斜視図である。
【図4】同上、要部の斜視図である。
【図5】各実施例に共通して、第1の操作部及びその周辺の構成を示す縦断面図である。
【図6】各実施例に共通して、第1の操作部及びその周辺の構成を示す別な例の縦断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 本体
11 鍋(容器)
71 制御手段
76 加熱手段
82 炊飯制御手段(加熱制御手段)
83 保温制御手段
84 予約制御手段
88 表示手段
91 炊飯ボタン(開始部,炊飯開始部)
92 保温ボタン(保温開始部)
93 予約ボタン(予約部)
94 切ボタン(停止部)
95 第1の操作部(操作手段)
96 時計合わせボタン(時計部)
97 時ボタン(時計部)
98 分ボタン(時計部)
99 第2の操作部(操作手段)
101 メニューボタン(選択部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を収容する本体と、この容器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御手段と、操作する操作手段とを備え、
前記操作手段は、駆動開始を指示する開始部と、停止部とを有する炊飯器において、
前記開始部と前記停止部の表面は、外面よりも奥に位置することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
容器を収容する本体と、この容器を加熱する加熱手段と、制御して炊飯から自動的に保温に移行させる加熱制御手段と、制御して保温を実行する保温制御手段と、設定した時刻に炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように制御する予約制御手段と、操作手段とを備えた炊飯器において、
表示する表示手段を備え、
前記操作手段は、前記加熱制御手段の動作開始を指示する炊飯開始部と、前記保温制御手段の動作開始を指示する保温開始部と、前記予約制御手段の動作開始を指示する予約部と、前記加熱制御手段,前記保温制御手段,前記予約制御手段の動作停止を指示する停止部と、時間を設定する時計部と、実行する複数のコースから所望のコースを選択する選択部とを有し、
前記操作手段の中で、炊飯開始部と、保温開始部と、予約部と、停止部の表面を、外面よりも奥に位置させ、
前記選択部で選択したコースを前記表示手段に表示させる構成としたことを特徴とする炊飯器。
【請求項3】
容器を収容する本体と、この容器を加熱する加熱手段と、制御して炊飯から自動的に保温に移行させる加熱制御手段と、制御して保温を実行する保温制御手段と、設定した時間が経過すると炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように制御する予約制御手段と、操作手段とを備えた炊飯器において、
表示する表示手段を備え、
前記操作手段は、前記加熱制御手段の動作開始を指示する炊飯開始部と、前記保温制御手段の動作開始を指示する保温開始部と、前記予約制御手段の動作開始を指示する予約部と、前記加熱制御手段,前記保温制御手段,前記予約制御手段の動作停止を指示する停止部と、時間を設定する時計部と、実行する複数のコースから所望のコースを選択する選択部とを有し、
前記操作手段の中で、炊飯開始部と、保温開始部と、予約部と、停止部の表面を、外面よりも奥に位置させ、
前記選択部で選択したコースを前記表示手段に表示させる構成としたことを特徴とする炊飯器。
【請求項4】
容器を収容する本体と、この容器を加熱する加熱手段と、制御して炊飯から自動的に保温に移行させる加熱制御手段と、制御して保温を実行する保温制御手段と、設定した時刻に炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように制御する予約制御手段と、操作手段とを備えた炊飯器において、
表示する表示手段を備え、
前記操作手段は、前記加熱制御手段の動作開始を指示する炊飯開始部と、前記予約制御手段の動作開始を指示する予約部と、前記加熱制御手段,前記保温制御手段,前記予約制御手段の動作停止を指示する停止部と、時間を設定する時計部と、実行する複数のコースから所望のコースを選択する選択部とを有し、
前記操作手段の中で、炊飯開始部と、予約部と、停止部と、選択部の表面を、外面よりも奥に位置させ、
前記選択部は、動作開始の指示をも選択できる構成としたことを特徴とする炊飯器。
【請求項5】
容器を収容する本体と、この容器を加熱する加熱手段と、制御して炊飯から自動的に保温に移行させる加熱制御手段と、制御して保温を実行する保温制御手段と、設定した時間が経過すると炊飯が完了し、自動的に保温に移行するように制御する予約制御手段と、操作手段とを備えた炊飯器において、
表示する表示手段を備え、
前記操作手段は、前記加熱制御手段の動作開始を指示する炊飯開始部と、前記予約制御手段の動作開始を指示する予約部と、前記加熱制御手段,前記保温制御手段,前記予約制御手段の動作停止を指示する停止部と、時間を設定する時計部と、実行する複数のコースから所望のコースを選択する選択部とを有し、
前記操作手段の中で、炊飯開始部と、予約部と、停止部と、選択部の表面を、外面よりも奥に位置させ、
前記選択部は、動作開始の指示をも選択できる構成としたことを特徴とする炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−143894(P2007−143894A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342897(P2005−342897)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】