説明

炎症疾患治療のためのブラジキニンB1受容体アンタゴニストとしての4−ブロモ−5−(2−クロロ−ベンゾイルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(1−(アミノカルボニル)エト−1−イル)アミド誘導体および関連化合物

ブラジキニンB1受容体アンタゴニストであり、ブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の疾患を治療する、または疾患状態に関連する有害症状を軽減するために有用な、式(I)および(II)の化合物を開示する。特定の化合物は効力増強を示し、作用期間の延長も示すことが期待される。ただし、ZはO、SおよびNHから選択され;式(III)のQおよび他の置換基は請求項1の定義のとおりである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特定の3-アミド-5-置換ピラゾール誘導体および関連化合物を目的とする。これらの化合物は、疼痛、炎症、敗血症ショック、瘢痕化過程などを含む、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を軽減するための、ブラジキニンB1受容体アンタゴニストとして有用である。
【0002】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2003年5月2日出願の米国特許仮出願第60/467,695号および2003年9月15日出願の米国特許仮出願第60/503,269号の恩典を主張し、これらの出願はその全体が本明細書に組み入れられる。
【0003】
参考文献
下記文献および特許公開公報は、本明細書において上付数字として引用される。




【0004】
以上で特定した出版物は全て、各個々の出版物が特に、および個々に参照により全体として組み込まれるのと同じ程度まで、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0005】
最先端技術
ブラジキニンすなわちキニン-9(BK)は、血漿グロブリン、キニノゲンの配列を加水分解する、血漿カリクレインの作用によって生成する、血管作用性ノナペプチド、H-Arg1-Pro2-Pro3-Gly4-Phe5-Ser6-Pro7-Phe8-Arg9-OH(配列番号:1)である。血漿カリクレインは不活性チモーゲンとして循環し、それから活性カリクレインがハーゲマン因子によって放出される。組織カリクレインは経細胞電解質輸送に関与すると考えられる部位の上皮細胞膜の外表面上に主に局在すると思われる。
【0006】
腺性カリクレインは一残基前でキニノゲンを切断し、デカペプチドLys-ブラジキニン(カリジン、Lys-BK)(配列番号:2)を生じる。おそらくは白血球カリクレインの作用によって、Met-Lys-ブラジキニン(配列番号:3)も生成する。薬理学的に重要な類縁体にはdes-Arg9すなわちBK1-8(配列番号:1のアミノ酸1〜8)およびIle-Ser-ブラジキニン(すなわちT-キニン)(配列番号:4)、[Hyp3]ブラジキニン(配列番号:5)、ならびに[Hyp4]ブラジキニン(配列番号:6)が含まれる36
【0007】
ブラジキニン(BK)(配列番号:1)は、求心性C線維仲介性疼痛の最も強力な天然刺激物質の一つであることが知られている。BKは、血管の透過性を高め、血圧低下を引き起こす強力な血管拡張物質、浮腫生成物質、ならびに子宮、腸管および細気管支などの組織における様々な血管および非血管平滑筋の刺激物質でもある。ブラジキニン(配列番号:1)は様々な炎症状態および実験的アナフィラキシーショックにおいて生成される。キニン/キニノゲン活性化経路は、様々な生理学的および病態生理学的過程において重要な役割を果たし、炎症反応において活性化される最初の系の一つであり、かつ(i)ホスホリパーゼA2、したがってプロスタグランジンおよびロイコトリエンの生成;ならびに(ii)ホスホリパーゼC、したがってリン酸イノシトールおよびジアシルグリセロールの放出の最も強力な刺激因子の一つであることも報告されている。これらの効果は主にBK2型のBK受容体活性化により仲介される。
【0008】
ブラジキニン受容体はブラジキニン(BK)(配列番号:1)に結合し、その細胞内効果を仲介する、任意の膜タンパク質である。二つの型の受容体が確認されている:B1、ここでの効力の順はdes-Arg9-ブラジキニン(BK1-8)(配列番号:1のアミノ酸1〜8)=カリジン(Lys-BK)(配列番号:2)>BK(配列番号:1)である;およびB2、効力の順はカリジン(配列番号:2)>BK(配列番号:1)>>BK1-8(配列番号:1のアミノ酸1〜8)である。したがって、BK1-8(配列番号:1のアミノ酸1〜8)は強力な識別物質である36。B1受容体はほとんどの組織に存在するB2受容体に比べると、出現頻度がかなり低い。ラットB2受容体は、活性化されるとホスホイノシチド代謝回転を刺激することが明らかにされている、7回膜貫通型ドメインタンパク質である。B1サブタイプは炎症過程によって誘導される33。受容体B1は炎症状態においてのみ発現されるため、その分布は非常に限られている。BK受容体は異なる種、特にヒトB1受容体でクローン化されている(J.G. Menke et al.1、およびヒトB2受容体、J.F. Hess2参照)。例:B1、データベースコードBRB1_HUMAN、353アミノ酸(40.00kDa);B2、データベースコードBRB2_HUMAN、364アミノ酸(41.44kDa)36
【0009】
2つの主キニン前駆体蛋白質、高分子量および低分子量キニノーゲンは、肝臓で合成され、血漿中で循環し、尿および鼻液などの分泌液中で見られる。高分子量キニノーゲンは血漿カリクレインにより開裂され、BK(配列番号:1)が得られ、または組織カリクレインにより開裂され、カリジンが得られる。低分子量キニノーゲンは、しかしながら組織カリクレインにのみに対する基質である。さらに、カリジンのBK(配列番号:1)へのいくつかの変換が、起こることがある。カリジン(配列番号:2)のアミノ末端リシン残基は血漿アミノペプチダーゼにより除去されるからである。キニンに対する血漿半減期は約15秒であり、肺血管床を1回通過すると、80〜90%が破壊される。血管床中の主分解酵素はジペプチジルカルボキシペプチダーゼキニナーゼIIまたはアンジオテンシン変換酵素(ACE)である。遅効性酵素、キニナーゼI、またはカルボキシペプチダーゼN(カルボキシル末端Argを除去する)は、血漿中で非常に豊富に循環する。これにより、生理学的に、より重要な分解酵素であるかもしれないことが示唆される。BK(配列番号:1)またはカリジン(配列番号:2)にそれぞれ作用するキナーゼIにより形成されたdes-Arg9-ブラジキニン(配列番号:1のアミノ酸1〜8)およびdes-Arg10-カリジン(配列番号:2のアミノ酸1〜9)は、活性BK1受容体であるが、BK(配列番号:1)およびカリジン(配列番号:2)の両方が強力なアゴニストであるより豊富なBK2受容体では比較的不活性である。
【0010】
剥皮した皮膚にブラジキニン(配列番号:1)を直接塗布すると、または動脈内もしくは内臓注入により、ヒトを含む哺乳類で疼痛感覚が生じる。キニン様物質が様々な刺激により生じさせた炎症部位から単離されている。さらに、ブラジキニン受容体は、侵害受容性末梢神経経路に局在化しており、BK(配列番号:1)は中枢線維媒介疼痛感覚を刺激することが証明されている。ブラジキニン(配列番号:1)はまた、疼痛の動物モデルにおいて痛覚過敏を引き起こすことができることが示されている。Burch et al.3およびClark, W. G.4を参照のこと。
【0011】
これらの観察により、鎮痛薬としてのBKアンタゴニストの使用にかなりの注意が注がれることになった。多くの研究により、BKアンタゴニストが、ヒトを含む哺乳類において疼痛および痛覚過敏の両方を遮断または寛解させることができることが証明されている。Ammons, W. S. et al.5、Clark, W. G.4、Costello, A. H. et al.6、Laneuville、 et al.7、Steranka、et al.8、およびSteranka、et al.9を参照のこと。
【0012】
現在許容されている鎮痛薬への治療アプローチはかなり制限されている。軽度〜中程度の疼痛は非ステロイド性抗炎症薬および他の軽度の鎮痛薬を使用することにより軽減することができ、外科的処置、火傷および重度の外傷に伴って起こる重度の疼痛では、麻薬性の鎮痛薬の使用が必要である。これらの薬物は、乱用の可能性、身体的および心理学的依存性、精神状態の変化および呼吸抑制(これらによりそれらの実用性がかなり制限される)といった制限がある。
【0013】
BKアンタゴニストの分野における以前の努力により、そのようなアンタゴニストは様々な役割において有益であることが示される。これらには、火傷、手術前後の疼痛、偏頭痛および他の形態の疼痛、ショック、中枢神経経の損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性大腸炎、神経因性疼痛などの治療での使用が含まれる。例えば、Whalley, et. al.10は、BKアンタゴニストがヒト水疱基本モデルにおけるBK-誘発性疼痛を遮断することができることを証明している。これにより、そのようなアンタゴニストの局所塗布により、火傷を負った皮膚、例えば、長期にわたり多量の麻薬薬を必要とする重度の火傷を負った患者において、および比較的軽い火傷または他の形態の局所的な皮膚損傷の局所治療に対し、疼痛を阻止することができることが示唆される。
【0014】
手術前後の疼痛の取扱では、十分な用量の麻薬性鎮痛薬を使用し、疼痛を軽減させるが、過剰の呼吸抑制を誘発しないことが必要である。術後の麻酔薬により誘発された低換気により、患者は、術後の発熱の一般的な原因である肺セグメントの崩壊にかかりやすくなり、しばしば機械的人工換気の中断が遅れる。強力な非麻酔性の非経口鎮痛薬の可用性は、手術前後の疼痛の治療に重要な追加策となる。慢性的な疼痛の管理のために使用される適した薬物動態プロファイルを有する現在入手可能なBKアンタゴニストはないが、手術前後の疼痛の管理では、麻酔医および外科医がすでに一般的に、頻繁な投与および連続注入を使用している。
【0015】
いくつかの証明により、カリクレイン/キニン経路が、偏頭痛における血管反応性および無菌性炎症の開始または増幅に関与しているかもしれないことが示唆される(Back、 et al.11を参照のこと)。偏頭痛に対する予防および非麻酔性治療措置の両方の成功が制限されていること、ならびにこれらの患者における麻薬依存性のために、BKアンタゴニストの使用は、偏頭痛の治療に非常に望ましい別のアプローチを提供する。
【0016】
ブラジキニン(配列番号:1)は組織損傷中に産生され、冠状動脈の実験的閉塞後の冠状静脈血中で見出すことができる。さらに、腹腔に直接注入すると、BK(配列番号:1)は内臓痛を引き起こす(Ness、et al.12を参照のこと)。上記以外の設定において明らかに多くの他のメディエータも疼痛および痛覚過敏に関与しているが、BK(配列番号:1)のアンタゴニストが、なお、そのような形態の疼痛の軽減に関わっているとも考えられる。
【0017】
細菌感染に関連するショックは主な健康上の問題である。米国では、毎年、400,000症例の細菌性敗血症が生じ、そのうちの200,000がショックに進行し、これらの50%が死亡していると推定される。現在の療法は対症的であり、最近の研究では、グラム陰性内毒素に対するモノクローナル抗体は、疾病の結果にプラス効果を有するかもしれないことが示唆される。この特異的療法にもかかわらず、死亡率は依然と高く、かなりの割合の敗血症患者がグラム陽性菌に感染しており、グラム陽性菌は抗内毒素療法には適さない。
【0018】
複数の研究から、内毒素に関係するショックの発生におけるカリクレイン/キニン系に対する役割が示唆されている。Aasen、et al.13、Aasen、et al.14、Katori、et al.15、およびMarceau、et al.16を参照のこと。新しく入手可能なBKアンタゴニストを使用した最近研究により、動物モデルでは、これらの化合物は内毒素ショックの進行に大いに影響を与えることができることが証明されている(Weipert、et al.17を参照のこと)。グラム陽性菌による敗血症ショックの発生におけるBK(配列番号:1)および他のメディエータの役割に関する入手可能なデータは少ない。しかしながら、同様の機序が関係すると考えられる。外傷に続くショックはしばしば失血によるものあるが、これもまたカリクレイン/キニン系の活性化を伴う(Haberland18を参照のこと)。
【0019】
多くの研究により、脳中のカリクレイン/キニン系のかなりのレベルの活性が証明されている。カリクレインおよびBK(配列番号:1)は、中枢神経系(CNS)損傷の動物モデルにおいて脳血管を拡張する(Ellis、et al.19および、Kamitani、et al.20を参照のこと)。BKアンタゴニストはまた、脳外傷後動物における脳浮腫を減少させることが示されている。以上に基づき、BKアンタゴニストは、脳卒中および頭部外傷の管理において有益であると考えられている。
【0020】
他の研究により、BK受容体が肺中に存在すること、BK(配列番号:1)は動物および人間の両方において気管支収縮を引き起こすことができること、BK(配列番号:1)の気管支収縮効果に対する感受性が喘息患者において高くなっていることが証明されている。いくつかの研究では、BKアンタゴニストを使用すると動物モデルでBK(配列番号:1)およびアレルゲンに誘発された気管収縮の両方が阻害されることを証明することができる。これらの研究から、喘息の治療における臨床薬としてのBKアンタゴニストの使用に対する潜在的な役割が示される。(Barnes21、Burch et al.3、Fuller et al.23、Jin、et al.24、およびPolosa、et al.25を参照のこと)。BK(配列番号:1)はまた、アトピー性喘息において吸入されたブラジキニンにより誘発される気管支収縮に対するヒスタミンおよびプロスタノイドの産生に関与している25。ブラジキニン(配列番号:1)はまた、アレルギー性およびウイルス性鼻炎の両方における症状の発生に関与している。これらの研究は、鼻洗浄液中のカリクレインおよびBK(配列番号:1)両方の証明、およびこれらの物質のレベルは鼻炎の症状とよく相関することの証明を含む(Baumgarten、et al.26、Jin、et al.24、およびProud、et al.27を参照のこと)。
【0021】
さらに、研究によりBK(配列番号:1)自体が鼻炎の症状を引き起こすことができることが証明されている。StewartおよびVavrek28はペプチドBKアンタゴニストおよびBK(配列番号:1)の効果に対するそれらの可能な使用について議論している。改善された特性を有するそのようなアンタゴニストの開発に向けて多大な研究努力が費やされている。しかしながら、そのような改善されたBKアンタゴニストを見出すための広範囲にわたる努力にもかかわらず、さらに、より効果的なBKアンタゴニストが必要とされている。現在入手可能なBKアンタゴニストに関連する主問題のうちの2つは、効力レベルが低いこと、活性期間が非常に短いことである。このように、効力および作用期間が増大したBKアンタゴニストが特に必要とされている。
【0022】
2つの世代のB2受容体のペプチドアンタゴニストが開発されている。第二世代には第一世代の化合物に比べて鎮痛剤として二桁強力な化合物があり、最も重要な誘導体はイカチバントであった。1993年に報告されたB2受容体の最初の非ペプチドアンタゴニストは、修飾アミノ酸で分けられた二つのホスホニウムカチオンを有する。このジカチオン化合物の多くの誘導体が調製されている。B2のもう一つの非ペプチド化合物アンタゴニストは、天然物のマルチネリン(Martinelline)である。Elguero、et a1.30、およびSeabrook29参照。
【0023】
米国特許第3,654,275号31は、特定の1,2,3,4-テトラヒドロ-1-アシル-3-オキソ-2-キノキサリンカルボキサミドが抗炎症活性を有することを教示している。
【0024】
2002年7月2日に出願され、2003年1月30日に公開された、国際特許出願WO 03/007958号は、ブラジキニンアンタゴニストとして作用するテトラヒドロキノキサリンを開示している32
【0025】
米国特許第5,916,908号34は、3,5-二置換ピラゾールまたは3,4,5-三置換ピラゾールのキナーゼ阻害剤としての使用を教示している。
【0026】
日本特許出願第4910008035は、抗炎症剤としての2-アミノピラゾールを教示している。
【0027】
現在、ブラジキニンB1受容体阻害のための市販の治療薬はない。前述のことを考慮して、ブラジキニンB1受容体アンタゴニストである化合物は、ブラジキニンB1受容体によって仲介される疾患を治療する際に、特に有益であると思われる。
【発明の開示】
【0028】
発明の概要
本発明は、部分的には、ブラジキニンB1受容体アンタゴニストである化合物を目的とする。本発明はまた、哺乳動物における少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される疾患を治療する、または疾患状態に関連する有害症状を軽減するために有用な化合物も目的とする。例えば、ブラジキニンB1受容体の阻害は疼痛、炎症、敗血症ショック、瘢痕化過程などの緩和のために有用であると考えられる。これらの化合物は、好ましくは、B2受容体よりもB1受容体の拮抗作用に選択的である。特定の化合物は効力増強を示し、作用期間の延長も示すことが期待される。
【0029】
一つの態様において、本発明は式(I)および/または式(II)の化合物を提供する:

(式中
ZはO、SおよびNHから選択され;
Qは

であり;
R1は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R2およびR4は水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群より独立に選択され;
R3は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R5およびR6は水素、および天然もしくは非天然アミノ酸の側鎖から独立に選択され、ここでR5およびR6は一緒になってシクロアルキルもしくは置換シクロアルキルを形成してもよく;
R7は-NRbRcおよび-ORb(ここでRbおよびRcは水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より独立に選択されるか、またはRbおよびRcはそれらに結合している窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環基を形成する)からなる群より選択され;
Xは水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、およびアミノアシルからなる群より選択される);
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは異性体。
【0030】
式(I)または式(II)において、Zは好ましくはOである。
【0031】
式(I)または式(II)において、好ましいR1基にはアリールおよび置換アリール基が含まれる。好ましいアリール基には、フェニル、ナフト-2-イル、ナフト-1-イルなどが含まれる。好ましい置換アリール基には、一置換フェニル、一置換ナフチル、二置換フェニル、三置換フェニルなどが含まれる。
【0032】
特定の好ましいR1基は、例のみとして、5-ジメチルアミノナフト-1-イル、2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-ブロモフェニル、2-ヒドロキシフェニル、2-ニトロフェニル、2-メチルフェニル、2-メトキシフェニル、2-フェノキシフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、4-ニトロフェニル、4-メチルフェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-メトキシフェニル、4-エトキシフェニル、4-ブトキシフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-フェノキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-ヒドロキシメチルフェニル、3-メトキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、3-ニトロフェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、3-フェノキシフェニル、3-チオメトキシフェニル、3-メチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3,5-ジ-(トリフルオロメチル)フェニル、3,5-ジメトキシフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、3,4,5-トリフルオロフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、3,4,5-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,4,6-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロ-2-トリフルオロメチルフェニル、2-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、2-クロロ-6-フルオロフェニル、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル、2,5-ジメチルフェニル、4-フェニルフェニル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、2-(キノリン-8-イル)チオメチル)フェニル、2-((3-メチルフェン-1-イルチオ)メチル)フェニル等を含む。
【0033】
式(I)または式(II)の好ましいR1アルキル、置換アルキル、アルケニルおよびシクロアルキル基には、例として、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、-CH2CH=CH2、-CH2CH=CH(CH2)4CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-CH2-シクロプロピル、-CH2-シクロブチル、-CH2-シクロヘキシル、-CH2-シクロペンチル、-CH2CH2-シクロプロピル、-CH2CH2-シクロブチル、-CH2CH2-シクロヘキシル、-CH2CH2-シクロペンチル、ベンジル、2-フェニルエト-1-イル、3-フェニル-n-プロプ-1-イルなどが含まれる。
【0034】
式(I)または式(II)の好ましいR1ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールには、例として、ピリド-2-イル、ピリド-3-イル、ピリド-4-イル、フルオロピリジル(5-フルオロピリド-3-イルを含む)、クロロピリジル(5-クロロピリド-3-イルを含む)、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、ベンゾチアゾル-4-イル、2-フェニルベンゾキサゾル-5-イル、フラン-2-イル、ベンゾフラン-2-イル、チオナフテン-2-イル、2-クロロチオフェン-5-イル、3-メチルイソキサゾル-5-イル、2-(チオフェニル)チオフェン-5-イル、6-メトキシチオナフテン-2-イル、3-フェニル-1,2,4-チオオキサジアゾル-5-イル、2-フェニルオキサゾル-4-イル、5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾル-4-イル;2-メトキシカルボニル-チオフェン-3-イル;2,3-ジメチルイミダゾル-5-イル;2-メチルカルボニルアミノ-4-メチル-チアゾル-5-イル;キノリン-8-イル;チオフェン-2-イル;1-メチルイミジアゾル-4-イル;3,5-ジメチルイソキサゾル-4-イルなどが含まれる。
【0035】
特に好ましいR1基は、2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-(キノリン-8-イル)チオメチル)フェン-1-イルおよび2-((3-メチルフェン-1-イルチオ)メチル)フェン-1-イルである。
【0036】
R1は下記の式(V)(ここでR21は水素もしくはアルキルであり、R20はアミノ酸側鎖であるか、またはR20およびR21ならびにそれらが結合している原子は環原子が4から12個の複素環もしくはヘテロアリール基を形成し、かつR22はアルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールである)などのスルホン化アミノアルキルであってもよい。

【0037】
一つの態様において、R1はN-(4-メチルベンゼンスルホニル)ピロル-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)ピロル-2-イル、N-(ナフチルスルホニル)ピロル-2-イル、N-(ベジルスルホニル)ピロル-2-イル;N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)アゼチジン-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)ピペリジン-2-イル、1-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-N-メチル-アミノメチル;および1-[N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)アミノ]エト-1-イルなどである。
【0038】
R22は好ましくはフェニル、4-メチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、4-クロロフェニル、2,5-ジメチル-4-クロロフェニル、ベンジル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンなどからなる群より選択される。
【0039】
R20は好ましくは水素である。
【0040】
R21は好ましくは水素、メチル、またはエチルである。
【0041】
好ましくは、R20およびR21は一緒になってアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルなどの複素環基を形成する。
【0042】
好ましいR2およびR4基には、水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエト-1-イル、ピリド-3-イルメチル、ベンジル、t-ブトキシカルボニル-メチルなどが含まれる。
【0043】
特に好ましいR2およびR4基は水素である。
【0044】
好ましいR5は水素であり、R6はアミノ酸側鎖である。
【0045】
好ましくは、式(I)または式(II)のR5およびR6アミノ酸側鎖基は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立に選択される。上記の式(I)または式(II)の特に好ましいアミノ酸側鎖基には、例にすぎないが、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、-CH2CH2CH2NHC(=NH)NH2、-CH2C(O)NH2、-CH2C(O)OH、-CH2SH、-CH2CH2C(O)OH、-CH2CH2C(O)NH2、イミダゾール-5-イルメチル、-CH2CH2CH2CH2NH2、-CH2CH2SCH3、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、フェニル、4-ヒドロキシフェニル、ベンジル、4-ヒドロキシベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニル-n-プロピル、1H-インドル-3-イルメチル、-CH2CH=CH2、-CH2CH=CH(CH2)4CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキス-1-エニル、-CH2-シクロプロピル、-CH2-シクロブチル、-CH2-シクロヘキシル、-CH2-シクロペンチル、-CH2CH2-シクロプロピル、-CH2CH2-シクロブチル、-CH2CH2-シクロヘキシル、-CH2CH2-シクロペンチルなどが含まれる。
【0046】
一つの態様において、R7は-ORb(ここでRbは好ましくは水素、メチル、エチル、イソプロピル、ベンジル、フェニルなどからなる群より選択される)である。
【0047】
もう一つの態様において、R7は-NRaRb(ここでRaおよびRbは水素、メチル、エチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、2-ジメチルカルバモイルフェニルなどからなる群より独立に選択される)である。
【0048】
さらにもう一つの態様において、R7は-NRaRbであり、RaおよびRbはそれに結合している窒素原子と一緒になってピペリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピラジニル、4-メチルピラジン-1-イルなどを形成する。
【0049】
一つの態様において、R3は水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエト-1-イル、ピリド-3-イルメチル、ベンジル、t-ブトキシカルボニル-メチルなどから選択される。特に好ましいR3基には、水素、C1-4アルキル、置換されていてもよい単環式アリール、および置換されていてもよい単環式ヘテロアリールが含まれる。最も好ましいR3基は水素、メチルおよびフェニルである。
【0050】
一つの好ましい態様において、Qは下記の天然および非天然アミノ酸ならびにそれらの誘導体由来のα-アミノ基である:
2-アミノ-N,N-ジメチルプロパンアミド;
アラニンアミド;
アラニンメチルエステル;
(1-ジエチルカルバモイル-エチル)-アミン;
[(2-ジメチルカルバモイルフェニルカルバモイル)-メチル]アミン;
(1-ジメチルカルバモイル-プロピル)-アミン;
[1-(エチル-メチル-カルバモイル)-エチル]-アミン;
ロイシンメチルエステル;
(1-メチル-2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-アミン;
[2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミン;
(1-メチル-2-オキソ-2-ピペリジン-1-イル-エチル)-アミン;
ノルロイシンメチルエステル;
(2-オキソ-1-フェニル-2-ピペリジン-1-イル-エチル)-アミン;
フェニルアラニンメチルエステル;
2-フェニルグリシンメチルエステル;
2-フェニルグリシンメチルアミド
[3-フェニル-1-(ピペリジン-1-カルボニル)-プロピル]-アミン;
トリプトファンメチルエステル;
2-フェニルグリシン;
2-フェニルグリシンメチルアミド;
2-アミノ-N-メチル-N-フェニル-アセトアミド;
チロシンメチルエステル;
2-フェニルグリシンアミド;
2-アミノ-3-メチル-ブチルアミド;
2-(p-ヒドロキシフェニル)グリシンメチルエステル;
1-(2-アミノ-1-オキソプロピル)ピペリジン;
4-アザ-DL-ロイシン;
アラニル-L-プロリン;
ベータ-アラニンアミド;
ベータ-アラニンt-ブチルエステル;
p-ヒドロキシフェニルグリシンメチルエステル;
L-フェニルグリシン;
フェニルグリシンアミド;
チロシンメチルエステルまたは
バリンアミド。
【0051】
もう一つの好ましい態様において、Qは((1-メチル-ピペリジン-4-イルカルボニル)メチル)アミノ;((N-メチル-N-フェニル-アミノカルボニル)メチル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)-1-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)メチル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)エト-1-イル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)-3-(メチル)ブト-1-イル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロプ-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(メトキシカルボニル)-2-(1H-インドル-3-イル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)プロプ-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N-エチル-N-メチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル)アミノ;(1-(R)-1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル)アミノ;(1-(R)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-3-(フェニル)プロプ-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(アミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(メトキシカルボニル)ペント-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(アミノカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(カルボキシ)メチルアミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(メチルアミノカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-2-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)アミノ;および[(2-(ジメチルアミノカルボニル)フェン-1-イルアミノカルボニル)メチル]アミノからなる群より選択される。
【0052】
さらにもう一つの好ましい態様において、Qの-CR5R6C(O)R7部分は下記の基から選択される基である:
(1-(R)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ
(1-(S)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ
(1-(S)-1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチルアミノ
(1-(S)-1-(フェニル)-1-(カルボキシ)メチルアミノ
((1-(S)-2-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)アミノ
(1-(R)-1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル)アミノ
(1-(S)-1-(メトキシカルボニル)ペント-1-イル)アミノ
(1-(S)-1-(フェニル)-1-(メチルアミノカルボニル)メチル)アミノ
(1-(S)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル)アミノ
(1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル)アミノ
(1-(R)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル)アミノ
(1-(S)-1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル)アミノ
(1-(R)-1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル)アミノ
(1-(R)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)プロプ-1-イル)アミノ
(1-(R)-1-(N-エチル-N-メチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ
(1-(R)-1-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ
((N-メチル-N-フェニル-アミノ)カルボニルメチル)アミノ
((1-メチル-ピペリジン-4-イルカルボニル)メチル)アミノ
(1-(R)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-3-(フェニル)プロプ-1-イル)アミノ
(1-(メトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)エト-1-イル)アミノ
(1-(メトキシカルボニル)-1-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)メチル)アミノ
(1-(R)-1-(アミノカルボニル)-2-(メチルプロプ-1-イル)アミノ
1-(S)-1-(アミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ
1-(S)-1-フェニル-1-(アミノカルボニル)メチル)アミノ
(1-(R)-1-(メトキシカルボニル)-2-(1H-インドル-3-イル)エト-1-イル)アミノ
(1-(メトキシカルボニル)-3-(メチル)ブト-1-イル)アミノ
(1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)アミノ
[(2-(ジメチルアミノカルボニル)フェン-1-イルアミノカルボニル)メチル]アミノ
2-[(4-アミジノ)フェニル]-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル;
1-(S)-カルボキサミド-2-(インドル-3-イル)エト-1-イル;
カルボキサミドメチル;
1-カルボキサミド-2-(S)-メチル-ブト-1-イル;
1-(R)-カルボキサミド-2-(フェニル)エト-1-イル;
2-(4-シアノフェニル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル;
2-(4-シアノフェニル)-1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル;
2-(N-シクロプロピルピペリジン-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル;
1-(R)-1,3-ジ(ベンジルオキシカルボニル)プロプ-1-イル;
1-(S)-1,3-ジカルボキサミドプロプ-1-イル;
1-(S)-エトキシカルボニルエト-1-イル;
1-(R)-(1-N-エチルアミノ-カルボニル)-4-アミノ-n-ブチル;
1-(S)-(1-N-エチルアミノ-カルボニル)-4-アミノ-n-ブチル;
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ペント-5-イル;
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ペント-5-イル;
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(NN-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-5-イル;
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(NN-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-5-イル;
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-グアナジノ-n-ペント-5-イル;
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-グアナジノ-n-ペント-5-イル;
1-R,S-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(NN-t-ブトキシカルボニル)グアナジノ-n-ブト-1-イル;
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(NN-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ペント-5-イル;
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(NN-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ペント-5-イル;
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(S)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル;
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(S)-(イソプロポキシカルボニル)エト-1-イル;
2-[4-(イミダゾリン-2-イル)フェニル]-1-(R)-(ピロリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル;
1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル;
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル;
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-(N-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリド-4-イル)エト-1-イル;
2-(N-メチルピペリジン-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル;
2-(N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリド-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル;
2-(フェニル)-1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル;
2-(ピリド-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-アミジノ)フェニル-エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-アミジノ)フェニル-エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-5-アミノ-n-ペント-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-5-アミノ-n-ペント-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ビフェニル)エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ビフェニル)エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル-2-(4-ヨードフェニル)エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル-2-(4-ヨードフェニル)エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-カルボニル)-4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-カルボニル)-4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(2-イミダゾリン-2-イル)フェニル]エト-1-イル;
2-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル-3-フェニルプロプ-2-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-メチルピペリジン-2-イル)フェニル)]エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-メチルピペリジン-2-イル)フェニル)]エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-フェン-4-イル)]エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-フェン-4-イル)]エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピペリジン-2-イル)シクロヘキシル)]エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピペリジン-2-イル)シクロヘキシル)]エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(フェニル)ピペリジン-4-イル)]エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(フェニル)ピペリジン-4-イル)]エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-イル)]エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-イル)]エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリジン-4-イル)フェニル)]エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリジン-4-イル)フェニル)]エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリド-2-イル)フェニル]エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリド-2-イル)フェニル]エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリミジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリミジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル;
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-t-ブトキシカルボニルピロル-2-イル)フェニル]エト-1-イル;
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-t-ブトキシカルボニルピロル-2-イル)フェニル]エト-1-イル;
1-(S)-(t-ブトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェニル)エト-1-イル;
3-t-ブトキシカルボニル-1-メトキシカルボニルプロプ-1-イル;および
1-(R)-(t-ブトキシカルボニル)-2-(フェニル)エト-1-イル。
【0053】
好ましいX基には、水素、臭素、塩素およびメチルが含まれる。
【0054】
式(I)または式(II)において、R5およびR6基(両方が水素である場合以外)により二つの光学異性体が生じる。式(I)または式(II)のR3が水素以外である場合、二つの幾何異性体が存在することもある。R3が水素である場合、式(I)または式(II)は互変異性体である。式(I)または式(II)の化合物が互変異性体、光学異性体または幾何異性体として存在する場合には、前述の式は異性体混合物ならびに個々の異性体ブラジキニンB1受容体アンタゴニストまたは中間体異性体を表すことが意図され、それらはすべて本発明の範囲内に含まれる。
【0055】
さらに、式(I)または式(II)の化合物の薬学的適用に関するこれら化合物への言及は、式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩を含むことも意図される。
【0056】
本発明の範囲内の化合物には下記の表Iに示すものが含まれる:
【表I】



【0057】
特に好ましい化合物には下記の化合物が含まれる:
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(カルボキシ)メチル]アミド;
(S)-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[2-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-m-トリルチオメチル-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-2-{[4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)ペント-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メチルアミノカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル]アミド;
(R)-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)プロプ-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-エチル-N-メチルアミノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[N-メチル-N-フェニル-アミノカルボニル)メチル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[(1-メチル-ピペリジン-4-イルカルボニル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-3-(フェニル)プロプ-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-1-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(アミノカルボニル)-2-(メチル)プロプ-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(アミノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(アミノカルボニル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-2-(1H-インドル-3-イル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-3-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-3-メチルブト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-3-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-クロロ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[(2-(ジメチルアミノカルボニル)フェン-1-イルアミノカルボニル)メチル]アミド;または
その薬学的に許容される塩。
【0058】
式(I)および式(II)の化合物は、ブラジキニンB2受容体と比較してブラジキニンB1受容体の選択的アンタゴニストとして用いることができる。
【0059】
本発明はさらに、ブラジキニンB1およびB2受容体両方を含む生体試料中で、ブラジキニンB2受容体と比較してブラジキニンB1受容体を選択的に阻害する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の阻害有効量を生体試料に接触させる段階を含む方法を提供する。
【0060】
本発明はさらに、薬学的に許容される担体と、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物の、ブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和するのに有効な量とを含む薬学的組成物を提供する。
【0061】
本発明はさらに、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0062】
本発明はさらに、組織損傷または炎症後にブラジキニンB1受容体をアップレギュレートすることに関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和するための、薬学的に許容される担体と、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物の治療上有効な量とを含む薬学的組成物を提供する。
【0063】
本発明はさらに、組織損傷または炎症に関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0064】
本発明はさらに、哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0065】
本発明は、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の疼痛、炎症、敗血症ショックまたは瘢痕化過程を治療するまたは回復させる方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0066】
本発明は、火傷、術中疼痛、偏頭痛、ショック、中枢神経系損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性腸疾患または神経障害性疼痛に関連する哺乳動物の有害症状を治療するまたは回復させる方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0067】
本発明はさらに、哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその混合物、あるいはより一般的には薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0068】
本発明は、生体試料中のブラジキニンB1受容体アゴニストのレベルを定量する方法であって、該生体試料をあらかじめ決められた濃度の式(I)または式(II)の化合物と接触させる段階を含む方法も提供する。
【0069】
好ましい態様の詳細な説明
前述のとおり、本発明は、疼痛、炎症、敗血症ショック、瘢痕化過程などを含む、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を軽減するための、ブラジキニンB1受容体アンタゴニストとして有用である、特定の3-アミド-5-置換ピラゾール誘導体および関連化合物を目的とする。しかし、本発明をより詳細に説明する前に、まず下記の用語を定義する。
【0070】
定義
用語の特定の出現に関して明白に他の定義がなされていない限り、本明細書において用いられる下記の用語は大文字であるか否かにかかわらず下記の意味を有することになる:
【0071】
「アルキル」または「アルク」という用語は、1から15個の炭素原子、より好ましくは1から6個の炭素原子を有する一価アルキル基を意味し、直鎖および分枝鎖アルキル基の両方を含む。この用語の例は、メチル、t-ブチル、n-ヘプチル、オクチルなどの基である。C1-4アルキルという用語は1から4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0072】
「置換アルキル」という用語は、1〜15の炭素原子、より好ましくは1〜6の炭素原子を有し、1〜5の置換基、好ましくは1〜3の置換基を有するアルキル基を示し、置換基は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールオキシアリール、置換アリールオキシアリール、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、オキソ(>C=O)、チオキソ(>C=S)、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオ複素環、置換チオ複素環、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、-OS(O)2-アルキル、-OS(O)2-置換アルキル、-OS(O)2-アリール、-OS(O)2-置換アリール、-OS(O)2-OS(O)2-ヘテロアリール、-OS(O)2-置換ヘテロアリール、-OS(O)2-複素環、-OS(O)2-置換複素環、-OSO2-NRR(ここでRは水素またはアルキルである)、-NRS(O)2-アルキル、-NRS(O)2-置換アルキル、-NRS(O)2-アリール、-NRS(O)2-置換アリール、-NRS(O)2-ヘテロアリール、-NRS(O)2-置換ヘテロアリール、-NRS(O)2-複素環、-NRS(O)2-置換複素環、-NRS(O)2-NR-アルキル、-NRS(O)2-NR-置換アルキル、-NRS(O)2-NR-アリール、-NRS(O)2-NR-置換アリール、-NRS(O)2-NR-ヘテロアリール、-NRS(O)2-NR-置換ヘテロアリール、-NRS(O)2-NR-複素環、および-NRS(O)2-NR-置換複素環(ここでRは水素またはアルキルである)
【0073】
「アルコキシ」とは「アルキル-O-」なる基を意味し、例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、1,2-ジメチルブトキシなどが含まれる。
【0074】
「置換アルコキシ」とは「置換アルキル-O-」なる基を意味する。
【0075】
「アシル」とは、H-C(O)-、アルキル-C(O)-、置換アルキル-C(O)-、アルケニル-C(O)-、置換アルケニル-C(O)-、アルキニル-C(O)-、置換アルキニル-C(O)-、シクロアルキル-C(O)-、置換シクロアルキル-C(O)-、アリール-C(O)-、置換アリール-C(O)-、ヘテロアリール-C(O)-、置換ヘテロアリール-C(O)、複素環-C(O)-、および置換複素環-C(O)-なる基を意味し、ただし複素環または置換複素環の窒素原子は-C(O)-基に結合していない。
【0076】
「アミノ」とは-NH2なる基を意味する。
【0077】
「置換アミノ」とは、-NR41R41(ここで各R41基は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アルケニル、-SO2-置換アルケニル、-SO2-シクロアルキル、-SO2-置換シクロアルキル、-SO2-アリール、-SO2-置換アリール、-SO2-ヘテロアリール、-SO2-置換ヘテロアリール、-SO2-複素環、-SO2-置換複素環からなる群より独立に選択される)なる基を意味し、ただしR41基の両方が水素であることはないか;またはR41基は窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成することもできる。
【0078】
「アシルアミノ」あるいは接頭語としての「カルバモイル」もしくは「カルボキサミド」または「置換カルバモイル」もしくは「置換カルボキサミド」とは、-C(O)NR42R42(ここで各R42は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より独立に選択され、各R42は窒素原子と一緒になって複素環または置換複素環を形成し、ただしアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0079】
「チオカルボニルアミノ」あるいは接頭語としての「チオカルバモイル」、「チオカルボキサミド」または「置換チオカルバモイル」もしくは「置換チオカルボキサミド」とは、-C(S)NR43R43(ここで各R43基は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より独立に選択され、各R43は窒素原子と一緒になって複素環または置換複素環を形成し、ただしアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0080】
「アシルオキシ」はアシル-O-基を示し、ここで、アシルは本明細書で規定した通りである。
【0081】
「アルケニル」は2〜10の炭素原子、より好ましくは2〜6の炭素原子を有し、少なくとも1、好ましくは1〜2のアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を示す。
【0082】
「置換アルケニル」は、本明細書で定義するように置換アルキルに対して規定された置換基の群から独立して選択される1〜5の置換基、好ましくは1〜3の置換基を有するアルケニル基を有し、ただし、ヒドロキシル基、チオ基、オキソ基、またはチオキソ基はビニルまたは不飽和炭素原子に結合しないことを条件とする。
【0083】
「アルキニル」は2〜10の炭素原子、より好ましくは3〜6の炭素原子を有し、少なくとも1、好ましくは1〜2のアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を示す。
【0084】
「置換アルキニル」は、本明細書で定義するように置換アルキルに対して規定されたものと同じ置換基の群から選択される1〜5、好ましくは1〜3の置換基を有するアルキニル基を示し、ただし、ヒドロキシル基、チオ基、オキソ基、チオキソ基はアセチレン炭素原子に結合しないことを条件とする。
【0085】
「アミジノ」はH2NC(=NH)-基を示し、「アルキルアミジノ」という用語は、1〜3のアルキル基を有する化合物(例えば、アルキルHNC(=NH)-)を示す。
【0086】
「チオアミジノ」とはR44SC(=NH)-(ここでR44は水素または本明細書の定義のとおりのアルキルである)を意味する。
【0087】
「アミノアシル」とは、-NR45C(O)アルキル、-NR45C(O)置換アルキル、-NR45C(O)シクロアルキル、-NR45C(O)置換シクロアルキル、-NR45C(O)アルケニル、-NR45C(O)置換アルケニル、-NR45C(O)アルキニル、-NR45C(O)置換アルキニル、-NR45C(O)アリール、-NR45C(O)置換アリール、-NR45C(O)ヘテロアリール、-NR45C(O)置換ヘテロアリール、-NR45C(O)複素環、および-NR45C(O)置換複素環(ここでR45は水素またはアルキルであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0088】
「アミノカルボニルオキシ」とは、-NR46C(O)O-アルキル、-NR46C(O)O-置換アルキル、-NR46C(O)O-アルケニル、-NR46C(O)O-置換アルケニル、-NR46C(O)O-アルキニル、-NR46C(O)O-置換アルキニル、-NR46C(O)O-シクロアルキル、-NR46C(O)O-置換シクロアルキル、-NR46C(O)O-アリール、-NR46C(O)O-置換アリール、-NR46C(O)O-ヘテロアリール、-NR46C(O)O-置換ヘテロアリール、-NR46C(O)O-複素環、および-NR46C(O)O-置換複素環(ここでR46は水素またはアルキルであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0089】
「オキシカルボニルアミノ」または接頭語としての「カルバモイルオキシ」もしくは「置換カルバモイルオキシ」とは、-OC(O)NR47R47(ここで各R47は独立に水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環であるか、または各R47は窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成し、ただしアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0090】
「オキシチオカルボニルアミノ」とは、-OC(S)NR48R48(ここで各R48は独立に水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環であるか、または各R48は窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成し、ただしアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書の定義のとおりである)なる基を意味する。
【0091】
「アミノカルボニルアミノ」とは-NR49C(O)NR49-(ここでR49は水素およびアルキルからなる群より選択される)なる基を意味する。
【0092】
「アミノチオカルボニルアミノ」とは-NR50C(S)NR50-(ここでR50は水素およびアルキルからなる群より選択される)なる基を意味する。
【0093】
「アリール」または「Ar」とは、一つの環(すなわち単環式)(例えばフェニル)または複数の縮合環(例えばナフチルまたはアントリル)を有する、炭素原子6から14個の芳香族炭素環基を意味し、ただし縮合環は芳香族であってもなくてもよい(例えば、2-ベンゾキサゾリノン、2H-1,4-ベンゾキサジン-3(4H)-オンなど)。多環式縮合環構造の環の少なくとも一つが、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環またはヘテロアリールなどの非芳香族である場合、アリール基の中核構造への結合点はアリール原子の一つにある。好ましいアリールにはフェニルおよびナフチルが含まれる。
【0094】
「置換アリール」とは、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオ複素環、置換チオ複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、-S(O)2-アルキル、-S(O)2-置換アルキル、-S(O)2-シクロアルキル、-S(O)2-置換シクロアルキル、-S(O)2-アルケニル、-S(O)2-置換アルケニル、-S(O)2-アリール、-S(O)2-置換アリール、-S(O)2-ヘテロアリール、-S(O)2-置換ヘテロアリール、-S(O)2-複素環、-S(O)2-置換複素環、-OS(O)2-アルキル、-OS(O)2-置換アルキル、-OS(O)2-アリール、-OS(O)2-置換アリール、-OS(O)2-ヘテロアリール、-OS(O)2-置換ヘテロアリール、-OS(O)2-複素環、-OS(O)2-置換複素環、-OS(O)2-NRR(ここでRは水素またはアルキルである)、-NRS(O)2-アルキル、-NRS(O)2-置換アルキル、-NRS(O)2-アリール、-NRS(O)2-置換アリール、-NRS(O)2-ヘテロアリール、-NRS(O)2-置換ヘテロアリール、-NRS(O)2-複素環、-NRS(O)2-置換複素環、-NRS(O)2-NR-アルキル、-NRS(O)2-NR-置換アルキル、-NRS(O)2-NR-アリール、-NRS(O)2-NR-置換アリール、-NRS(O)2-NR-ヘテロアリール、-NRS(O)2-NR-置換ヘテロアリール、-NRS(O)2-NR-複素環、-NRS(O)2-NR-置換複素環(ここでRは水素またはアルキルである)からなる群より独立に選択される、1から4個、好ましくは1〜3個の置換基で置換されている、本明細書の定義のとおりのアリール基を意味する。
【0095】
「アリールオキシ」とはアリール-O-なる基を意味し、例としてフェノキシ、ナフトキシなどが含まれる。
【0096】
「置換アリールオキシ」とは置換アリール-O-基を意味する。
【0097】
「アリールオキシアリール」とは-アリール-O-アリールなる基を意味する。
【0098】
「置換アリールオキシアリール」とは、いずれか、または両方のアリール環上で、置換アリールについて定義された置換基からなる同じ群より独立に選択される、1から4個、好ましくは1〜3個の置換基で置換されている、アリールオキシアリール基を意味する。
【0099】
「カルボキシル」とは-COOHなる基およびその薬学的に許容される塩を意味する。
【0100】
「カルボキシルエステル」とは、-C(O)O-アルキル、-C(O)O-置換アルキル、-C(O)O-アルケニル、-C(O)O-置換アルケニル、-C(O)O-アルキニル、-C(O)O-置換アルキニル、-C(O)O-シクロアルキル、-C(O)O-置換シクロアルキル、-C(O)O-アリール、- C(O)O-置換アリール、-C(O)O-ヘテロアリール、-C(O)O-置換ヘテロアリール、-C(O)O-複素環、-C(O)O-置換複素環などの基を意味する。
【0101】
「シクロアルキル」とは、一つまたは複数の環を有する、炭素原子3から20個の環状アルキル基を意味し、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、アダマンチルなどが含まれる。本発明のシクロアルキル基には、構造の中核または骨格への結合点が非芳香族シクロアルキル環上にある限り、多環式環構造内の一つまたは複数の環がアリール、シクロアルケニル、ヘテロアリール、および/または複素環である、多環式縮合環も含まれる。
【0102】
「シクロアルケニル」とは、一つまたは複数の不飽和を有し、一つまたは複数の不飽和環であるが、芳香環ではない環を有する、炭素原子4から20個の環状アルケニル基を意味する。適当なシクロアルケニル基には、例として、シクロペンテニル、シクロオクテニルなどが含まれる。本発明のシクロアルケニル基には、構造の中核または骨格への結合点が非芳香族シクロアルケニル環上にある限り、多環式環構造内の一つまたは複数の環がアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび/または複素環である、多環式縮合環も含まれる。
【0103】
「置換シクロアルキル」および「置換シクロアルケニル」とは、置換アルキルについて定義されたものと同じ置換基群より独立に選択される、1から5個、好ましくは1〜3個の置換基を有する、本明細書の定義のとおりのシクロアルキルおよびシクロアルケニル基を意味する。
【0104】
「シクロアルコキシ」とは-O-シクロアルキル基(シクロアルキルは本明細書の定義のとおりである)を意味する。
【0105】
「置換シクロアルコキシ」とは-O-置換シクロアルキル基(置換シクロアルキルは本明細書の定義のとおりである)を意味する。
【0106】
「グアニジノ」または「置換グアニジノ」とは-NR52C(=NR52)NR52R52(ここで各R52は独立に水素またはアルキルである)なる基を意味する。
【0107】
「グアニジノスルホン」とは、-NR53C(=NR53)NRSO2-アルキル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換アルキル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-アルケニル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換アルケニル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-アルキニル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換アルキニル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-アリール、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換アリール、-NR53C(=NR53)NR53SO2-シクロアルキル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換シクロアルキル、-NR53C(=NR53)NR53SO2-ヘテロアリール、-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換ヘテロアリール、-NR53C(=NR53)NR53SO2-複素環、および-NR53C(=NR53)NR53SO2-置換複素環(ここで各R53は独立に水素およびアルキルである)なる基を意味する。
【0108】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0109】
「ヘテロアリール」とは、環内に2から10個の環炭素原子ならびに酸素、窒素および硫黄から選択される1から4個の環ヘテロ原子を有する芳香族基を意味する。そのようなヘテロアリール基は、非ヘテロアリールであってもよい一つの環(すなわち単環式)(例えばピリジルまたはフリル)または複数の縮合環(例えばインドリジニルまたはベンゾチエニル)を有することもできる。多環式縮合環構造内の少なくとも一つの環がアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルまたは複素環などの非ヘテロアリールである場合、ヘテロアリール基の中核構造への結合点はヘテロアリール原子の一つにある。好ましいヘテロアリールにはピリジル、ピロリル、インドリルおよびフリルが含まれる。
【0110】
「置換ヘテロアリール」とは、「置換アリール」について定義されたものと同じ置換基群より独立に選択される1から3個の置換基で置換されている、前述の定義のヘテロアリール基を意味する。
【0111】
「ヘテロアリールオキシ」とは、-O-ヘテロアリールなる基を意味し、「置換ヘテロアリールオキシ」とは-O-置換ヘテロアリールなる基を意味し、ただしヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールは前述の定義のとおりである。
【0112】
「複素環(heterocycle)」または「複素環(heterocyclic)」とは、環内に2から20個の環炭素原子および窒素、硫黄または酸素から選択される1から4個の環ヘテロ原子を有する、一つの環または複数の縮合環を有する、飽和または不飽和であるが、芳香族複素環ではない基を意味する。本発明の「複素環(heterocycle)」または「複素環(heterocyclic)」基には、構造の中核または骨格への結合点が複素環上にある限り、多環式環構造内の一つまたは複数の環が複素環ではない(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリールまたはヘテロアリール)多環式縮合環も含まれる。
【0113】
「置換複素環」とは、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、ならびに置換アリールについて定義されたものと同じ置換基群からなる群より独立に選択される、1から3個の置換基で置換されている、前述の定義のとおりの複素環基を意味する。
【0114】
複素環およびヘテロアリールの例には、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが含まれるが、それに限定されるわけではない。
【0115】
「ヘテロシクリルオキシ」とは-O-複素環なる基を意味し、「置換ヘテロシクリルオキシ」とは-O-置換複素環なる基を意味し、ただし複素環および置換ヘテロシクリオキシは前述の定義のとおりである。
【0116】
「チオール」とは-SHなる基を意味する。
【0117】
「チオアルキル」または「チオアルコキシ」とは-S-アルキルなる基を意味する。
【0118】
「置換チオアルキル」および「置換チオアルコキシ」とはS-置換アルキルなる基を意味する。
【0119】
「チオシクロアルキル」とは-S-シクロアルキルなる基を意味する。
【0120】
「置換チオシクロアルキル」とは-S-置換シクロアルキルなる基を意味する。
【0121】
「チオアリール」とは-S-アリールなる基を意味し、「置換チオアリール」とは-S-置換アリールなる基を意味する。
【0122】
「チオヘテロアリール」とは-S-ヘテロアリールなる基を意味し、「置換チオヘテロアリール」とは-S-置換ヘテロアリールなる基を意味する。
【0123】
「チオ複素環」とは-S-複素環なる基を意味し、「置換チオ複素環」とは-S-置換複素環なる基を意味する。
【0124】
アミノ酸とは、天然アミノ酸、ならびに合成類縁体(例えば、D-トレオニンなどの天然アミノ酸のD-立体異性体)およびその誘導体のいずれかを意味する。α-アミノ酸はアミノ基、カルボキシル基、水素原子、および「側鎖」と呼ばれる特徴的な基が結合している炭素原子を含む。天然アミノ酸の側鎖は当技術分野において周知で、例えば、水素(例えば、グリシンの場合)、アルキル(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンの場合)、置換アルキル(例えば、トレオニン、セリン、メチオニン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、およびリシンの場合)、アリールアルキル(例えば、フェニルアラニンおよびトリプトファンの場合)、置換アリールアルキル(例えば、チロシンの場合)、およびヘテロアリールアルキル(例えば、ヒスチジンの場合)が含まれる。例えば、Williams (ed.), Synthesis of Optically Active .alpha.-Amino Acids, Pergamon Press (1989); Evans et al., J. Amer. Chem. Soc., 112:4011-4030 (1990); Pu et al., J. Org. Chem., 56:1280-1283 (1991); Williams et al., J. Amer. Chem. Soc., 113:9276-9286 (1991); およびその中で引用されるすべての参照文献に示されるとおり、非天然アミノ酸も当技術分野において公知である。
【0125】
天然および非天然アミノ酸側鎖R5および/またはR6は、好ましくは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択される。
【0126】
「薬学的に許容される塩」とは、式(I)または式(II)の化合物の薬学的に許容される塩であって、当技術分野において周知であり、例にすぎないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどを含む様々な有機および無機対イオン由来の塩;ならびに分子が塩基性官能基を含む場合、塩酸塩、臭化水素塩、酒石酸塩、メシレート、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機または無機酸の塩を意味する。
【0127】
「薬学的に許容されるプロドラッグ」とは、インビボで代謝されて本発明の化合物またはその活性代謝物を提供する、一つまたは複数の官能基に対する当技術分野において認められた修飾を意味する。ヒドロキシルおよび/またはアミノ置換に対するアシル基、側鎖ヒドロキシル基の一つまたは複数はアルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシまたは置換アリールオキシ基などに変換されている、モノ、ジ、およびトリリン酸のエステルを含むそのような官能基は当技術分野において周知である。
【0128】
本明細書において定義された置換パターンは、いかなる化学的に不可能な置換パターンも含まないことが理解される。さらに、置換アリールのように基が「置換」という用語で規定され、可能な置換基が置換された基自体である、例えば、置換アリールで置換された置換アリールの場合、そのような置換パターンはポリマー、例えば、(置換アリール)nを生じるような限界のない繰り返しを意図することはない。したがって、すべての場合に、最大の反復数は4である。すなわち、nは1から4の整数である。
【0129】
化合物調製
本発明の化合物は、容易に入手することができる開始材料から下記一般方法および手順を用いて調製することができる。典型的なまたは好ましい処理条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)を示すが、特に記載がなければ、他の処理条件を使用することもできることは認識されるであろう。最適反応条件は使用した特別な反応物または溶媒と共に変動してもよいが、そのような条件は当業者であれば、ルーチン的な最適化手順により決定することができる。
【0130】
さらに、当業者にとっては明かであるように、一定の官能基を、望ましくない反応を受けないようにするのに従来の保護基が必要であるかもしれない。様々な官能基に対する適した保護基、ならびに特別な官能基を保護および脱保護するための適した条件は当技術分野において周知である。例えば、多くの保護基がT. W. Greene and G. M. Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、Third Edition、Wiley、New York、1999および本明細書で引用した参考文献において記述されている。
【0131】
本発明の化合物は典型的には1または複数のキラル中心を含む。したがって、所望であれば、そのような化合物を純粋な立体異性体として、すなわち、個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーとして、または立体異性体リッチ混合物として調製または単離することができる。そのような立体異性体(およびリッチ混合物)は全て、特に記載がなければ、本発明の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(またはリッチ混合物)は、例えば、当技術分野において周知の光学的に活性な開始材料または立体選択的な試薬を使用して調製してもよい。また、そのような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィ、キラル分離剤などを使用して分離することができる。
【0132】
下記反応に対する開始材料は一般に周知の化合物であり、または周知の手順もしくは明かなそれらの改良により調製することができる。例えば、開始材料の多くは商業的供給者、例えばAldrich Chemical Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー、USA)、Bachem(カリフォルニア州トーランス、USA)、Emka-ChemceまたはSigma(ミズーリ州セントルイス、USA)から入手可能である。他は、標準的基準テキスト、例えばFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、Volumes 1-15(John Wiley and Sons、1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers、1989)、Organic Reactions、Volumes 1-40 (John Wiley and Sons、1991)、March’s Advanced Organic Chemistry, (John Wiley and Sons、4th Edition)、およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations 2nd Edition (VCH Publishers Inc. 1999)に記述されている手順、またはそれらの明かな改良により調製してもよい。
【0133】
具体的には、置換ピラゾールおよび置換ピラゾールの調製において有用な様々な中間体は、好ましくは下記のスキームに示すとおりに調製する。
【0134】
スキーム1

【0135】
具体的には、スキーム1(ここでR1、R3、R4、R5、Xは前述の定義のとおりであり、R*はアルキルである)において、市販の3-ニトロ-5-カルボキシルピラゾールである化合物117を、酸性媒質中、メタノールなどの適当なアルコールを用いて、通常の条件下でエステル化し、対応するエステル118を得る。用いる特定のアルコールは重要ではなく、典型的には合成の容易さ、および費用に基づいて選択する。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には2から12時間、約25から約100℃の高い温度で実施する。得られる生成物の化合物118は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0136】
3-ニトロ-5-カルボキシルエステルピラゾールである化合物118を、通常の条件下、通常の保護基Pgで保護して化合物119を得る。選択した保護基は、水素添加以外の条件下で除去されるものである。好ましい保護基はBoc基である。
【0137】
保護3-ニトロ-5-カルボキシルエステルピラゾールである化合物119のニトロ基を、標準の還元反応を用いてアミンに還元する。例えば、化合物119を、炭素担持Pdなどの適当な触媒存在下、約10から60psiで水素ガスと反応させ、対応するアミンである化合物120を得る。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から5時間、約20から約80℃の温度で実施する。得られるアミンの化合物120は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0138】
3-アミノ-5-カルボキシルエステルピラゾールである化合物120を、通常の条件下、少なくとも化学量論量、好ましくは過剰の望ましい塩化アシルである化合物121との反応によりアシル化する。反応は好ましくは、生成した酸を捕捉するピリジンなどの塩基存在下、DMAPなどの通常の活性化剤存在下で実施する。反応は好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルムなどの不活性溶媒中で行うが、ピリジンなどの液体塩基を溶媒として用いて、生成した酸を捕捉することもできる。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には2から12時間、約-5から約35℃の温度で実施する。標準の脱保護反応後に生成物である化合物122が得られ、これはクロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0139】
メタノールおよび/またはTHF中の水酸化リチウムおよび水などの通常の条件を用いた、化合物122の加水分解により、3-(R1CO)-5-カルボン酸ピラゾールである化合物123が得られる。
【0140】
化合物123を、通常の方法によりピラゾール環の4位に官能基を導入して化合物107とする。例えば、Xがハロの場合、化合物123を少なくとも化学量論量の、N-ハロスクシンイミド、臭素などの適当なハロゲン化剤と接触させる。反応をジメチルホルムアミド、ジクロロメタンなどの不活性希釈剤中、ハロゲン化を行うのに十分な温度で実施する。典型的には反応は、反応が実質的に完了するまで、典型的には約0.1から10時間以内に完了するが、約0°から約40℃で実施する。得られる生成物の化合物107は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0141】
続いて、化合物107のカルボン酸基を、好ましくはHOBT、EDC・HCL、NMMなどのカップリングを行うための活性化剤を用いた、当技術分野において周知の通常条件下、少なくとも化学量論量、好ましくは過剰の適当なアミンHNR4R5を用いてアミド化する。得られる化合物125は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができる。
【0142】
または、化合物123を前述の通りにアミド化して化合物124を生成することもでき、これはクロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができる。化合物124を、化合物123から化合物107への変換について記載したものと同じ方法を用いて、通常の方法によりピラゾール環の4位に官能基を導入して化合物125とすることができる。
【0143】
別の合成態様において、Xがアルキルである式(I)または式(II)の化合物を、下記のスキーム2に示すとおりに調製することができる。
【0144】
スキーム2

【0145】
具体的には、スキーム2(ここでR1は前述の定義のとおりである)において、市販のシュウ酸ジエチルエステルである化合物145を、エタノール中、カリウムエトキシドなどの適当な塩基存在下、少なくとも化学量論量のアルキルニトリルである化合物146と混合する。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には12から24時間、約60℃から約100℃の温度で維持する。得られる生成物の化合物147は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0146】
次いで、化合物147をエタノール中、わずかに過剰のt-ブチルヒドラジン塩酸塩(示していない)を用いて環化する。反応は好ましくは、反応が実質的に完了するまで、典型的には12から24時間、約75から約150℃の温度および約1から10atmの圧などの高い温度と圧で実施する。得られる生成物の化合物148は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0147】
化合物148の反応は、化合物120について前述した様式で進み、Xがアルキルである式(I)または式(II)の化合物を得る。
【0148】
スキーム2はさらに、2-(Pg)-3-(-NHC(O)R1)-4-(X)-5-カルボキシルピラゾールである化合物149のカルボキシル基の誘導体化を例示している。具体的には、エステルの通常の加水分解により化合物152を得、次いでこれを任意に活性化剤存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの適当な不活性希釈剤中、通常のカップリング条件下で市販のN-O-ジメチル-ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させることにより、メトキシメチルアミドに変換する。反応は、例えば、約0から約40℃の温度で12から24時間を含む、化合物153を得るのに十分な条件下で維持する。得られる生成物の化合物153は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0149】
次いで、化合物153を、少なくとも化学量論量、好ましくは過剰のR^-Li(ここでR^はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択される)と接触させることにより誘導体化する。反応は典型的には、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの不活性溶媒中、実質的な反応完了に十分な時間、典型的には約12から24時間以内に完了するが、約0℃から約-78℃の低温で実施する。生成物の化合物155は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができる。
【0150】
前述の反応において用いる出発原料は市販されており、かつ/または当技術分野において周知の方法により調製することができる。例えば、式R1C(O)Xの酸ハロゲン化物は対応するカルボン酸から、例えば、ハロゲン化オキサリル、ハロゲン化チオニルなどとの反応により容易に調製される。式R1C(O)OHの酸は非常によく知られており、芳香族の酸(例えば、R1はアリールである)が含まれる。
【0151】
または、塩化o-(Ar-S-CH2-)ベンゾイルである化合物143を、下記のスキーム3(Arはアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環である)に例示したとおりに調製することができる。
【0152】
スキーム3

【0153】
具体的には、化合物140をo-ブロモメチル-安息香酸メチルエステルである化合物141(Dvornikovs J. Org. Chem, 2002, 67, 2160のとおりに調製した)に、DMF中、約30当量の炭酸カリウム存在下でカップリングさせる。この反応は典型的には、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から15日間、約0から約30℃の温度で実施する。得られる生成物の化合物142は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0154】
次いで、塩化o-(Ar-S-CH2-)ベンゾイルである化合物143を、化合物142におけるメチルエステルの通常の加水分解に続き、例えば、生成する酸を捕捉するための塩基存在下、ハロゲン化オキサリルを用いた、カルボキシル基のハロゲン化カルボキシルへの通常の変換により調製する。反応は典型的にはジクロロメタンなどの不活性溶媒中で実施する。この反応は典型的には、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から12時間、約-20から約10℃の温度で実施する。得られる生成物の化合物143は、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0155】
スキーム4

【0156】
一つの態様において、式1の置換ピラゾールのZは硫黄である。これらの置換ピラゾールはスキーム4(ここでPg、X、R4、R5およびR1は本明細書における前述の定義のとおりである)に示すとおりに調製する。
【0157】
具体的には、スキーム4において、市販の3-ニトロ-5-カルボキシルピラゾールである化合物117を、本明細書において前述したとおり、カップリングを行うための通常の条件、例えば、HOBT、EDC・HCl、NMMなどの活性化剤を用いることにより、アミンにカップリングさせる。得られる化合物108は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができる。
【0158】
3-ニトロ-5-カルボキシルアミドピラゾールである化合物108を、通常の条件下、保護基Pgで保護して、化合物109を得る。選択した保護基は、水素添加以外の条件下で除去されるものである。好ましい保護基はBoc基である。
【0159】
保護3-ニトロ-5-カルボキシルアミドピラゾールである化合物109のニトロ基を、標準の還元反応を用いてアミンに還元する。例えば、化合物109を、炭素担持Pdなどの適当な触媒存在下、約10から60psiで水素ガスと反応させ、対応するアミンである化合物110を得る。
【0160】
3-アミノ-5-カルボキシルアミドピラゾールである化合物110を、当技術分野において公知の通常の条件下、チオアミドである化合物111に変換する。アミノからのチオアミドの生成は、P4S10またはLawesson's試薬の使用を含むいくつかの公知の方法、ならびにErnst Schaumann in Comprehensive Organic Synthesis Barry M. Trost, Ed.; Pergamon Press: Oxford, 1991; Vol. 6, Chapter 2.4(この全体が参照により本明細書に組み入れられる)によって例示されたものなどの当技術分野において公知の他の方法を用いて達成することができる。
【0161】
3-アミノ-5-チオカルボキシルアミドピラゾールである化合物111を、通常の条件下、望ましい塩化アシルである化合物121との反応によりアシル化する。反応は好ましくは、生成した酸を捕捉するピリジンなどの塩基存在下、DMAPなどの通常の活性化剤存在下で実施する。反応は好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルムなどの不活性溶媒中で行う。または、ピリジンなどの液体塩基を溶媒として用いて、生成した酸を捕捉することもできる。反応は典型的には、完了まで、通常は約2から約12時間、約-5から約35℃の温度で実施する。標準の脱保護反応後に生成物である化合物112が得られ、これはクロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0162】
化合物112を、通常の方法によりピラゾール環の4位に官能基を導入して化合物113とする。例えば、Xがハロの場合、化合物112を少なくとも化学量論量の、N-ハロスクシンイミド、Br2などの適当なハロゲン化剤と接触させる。反応をジメチルホルムアミド、ジクロロメタンなどの不活性希釈剤中、ハロゲン化を行うのに十分な温度で実施する。典型的には反応は、反応が実質的に完了するまで、典型的には約0.1から10時間以内に完了するが、約0から約40℃で実施する。得られる生成物の化合物113は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0163】
スキーム5

【0164】
ZがNHである式1の置換ピラゾールの一つの態様において、置換ピラゾールをスキーム5に示すとおりに調製する。
【0165】
具体的には、スキーム5において、3-アミノ-5-シアノピラゾールである化合物161を、tert-ブチルヒドラゾンをフマロニトリルである化合物160に加えることにより調製する。この反応は典型的には、実質的に完了するまで、通常は約1から約48時間、約0から約110℃の温度で実施する。得られる生成物の化合物161は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0166】
3-アミノ-5-シアノピラゾールである化合物161を、通常の条件下、望ましい塩化アシルである化合物121との反応によりアシル化し、化合物162を得る。反応は好ましくは、生成した酸を捕捉するピリジンなどの塩基存在下、DMAPなどの通常の活性化剤存在下で実施する。反応は好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルムなどの不活性溶媒中で行うが、ピリジンなどの液体塩基を溶媒として用いて、生成した酸を捕捉することもできる。化合物162の標準の脱保護反応後に生成物である化合物163が得られ、これはクロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0167】
化合物163を、通常の方法によりピラゾール環の4位に官能基を導入して化合物164とする。例えば、Xがハロの場合、化合物163を少なくとも化学量論量の、N-ハロスクシンイミド、臭素などの適当なハロゲン化剤と接触させる。反応をジメチルホルムアミド、ジクロロメタンなどの不活性希釈剤中、ハロゲン化を行うのに十分な温度で実施する。典型的には反応は、反応が実質的に完了するまで、典型的には約0.1から10時間以内に完了するが、約0から約40℃で実施する。得られる生成物の化合物164は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0168】
化合物164を、当技術分野において公知の通常の条件下でアミジンである化合物165に変換する。ニトリルからのアミジンの生成は、アミンとの縮合を含むいくつかの公知の方法を用いて達成することができる。アミジンを調製する他の方法はWilli Kantlehner in Comprehensive Organic Synthesis Barry M. Trost, Ed.; Pergamon Press: Oxford, 1991; Vol. 6, Chapter 2.7により例示されている。
【0169】
R1は下記の式(VI)(R21は水素もしくはメチルであり、R20はアミノ酸側鎖であるか、またはR20およびR21ならびにそれらが結合している原子は4から12個の環原子の複素環もしくはヘテロアリール基を形成し、R22はアルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールである)などのスルホン化アミノアルキルであってもよい。

【0170】
R1がそのようなスルホン化アミノ基である式(I)または式(II)の化合物は、下記のスキーム6(ここでX、Z、Q、R2、R3、R20、R21およびR22は本明細書の定義のとおりである)に示すとおりに調製してもよい。
【0171】
スキーム6

【0172】
化合物170のアミン基を、適当な塩化スルホニルである化合物175および標準の反応条件を用いて、スルホンアミドに変換する。例えば、化合物170を塩化アリールスルホニルである化合物175と、炭酸ナトリウムなどの適当な塩基存在下、水などの不活性溶媒中、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から約24時間、約0℃から約100℃の温度で反応させてもよい。生成物の化合物171は、クロマトグラフィ、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または単離することなく、次の段階で用いることもできる。
【0173】
次いで、化合物171を標準の条件を用いて塩化アシルに変換する。例えば、化合物171をSOCl2と、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中、反応が実質的に完了するまで、典型的には1から約24時間、約-10℃から約39℃の温度で反応させてもよい。生成物の化合物172は、ろ過、結晶化などの通常の方法により回収することができ、あるいは精製および/または結晶化することなく、次の段階で用いることもできる。
【0174】
次いで、本明細書のスキーム1にアミド化反応について前述している周知の方法(化合物124および/または化合物125を調製するために用いる)を用いて、化合物172を化合物110にカップリングして化合物173を生成する。化合物123を、本明細書のスキーム1にハロゲン化反応について前述している通常の方法(化合物107および/または125を調製するために用いる)によりピラゾール環の4位に官能基導入して化合物174とする。
【0175】
前述の反応において用いる塩化スルホニルである化合物175は、公知の化合物または通常の合成法により公知の化合物から調製することができる化合物のいずれかである。そのような化合物は典型的には、対応するスルホン酸、すなわち式R22-SO3H(ここでR22は前述の定義のとおりである)の化合物から、三塩化リンおよび五塩化リンを用いて調製する。この反応は一般に、スルホン酸を約2から5モル当量の三塩化リンおよび五塩化リンと、ニートまたはジクロロメタンなどの不活性溶媒中、約0℃から約80℃の範囲の温度で約1から約48時間接触させることにより実施して、塩化スルホニルとする。または、塩化スルホニルは、対応するチオール化合物、すなわち式R22-SH(R22は前述の定義のとおりである)から、チオールを塩素(Cl2)および水で通常の反応条件下、処理することにより調製することができる。
【0176】
製剤
薬剤として使用する場合、化学式(I)または化学式(II)の化合物は通常、薬学的組成物の形態で投与される。これらの化合物は経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋内および鼻内を含む様々な経路により投与できる。これらの化合物は注射組成物および経口組成物の両方として効果的である。そのような組成物は薬学分野において周知の様式で調製され、少なくとも1つの活性化合物を含む。
【0177】
本発明はまた、活性成分として、上記化学式(I)または(II)の1または複数の化合物を、薬学的に許容される担体と共に有する薬学的組成物を含む。本発明の組成物を製造する際には、活性成分は通常、賦形剤と混合され、賦形剤により希釈され、またはそのような担体内に封入される。そのような担体はカプセル、サシェ(sachet)、紙または他の容器の形態とすることができる。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は、固体、半固体、または液体材料とすることができ、活性成分のためのビヒクル、担体または媒質として作用する。このように、組成物は、錠剤、ピル、粉末、トローチ、サシェ、カシェ(cachet)、エリキシル、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒質中)、例えば、最大10質量%までの活性成分を含む軟膏、ソフトおよびハードゼラチンカプセル、坐薬、滅菌注射溶液、および滅菌パッケージ粉末の形態とすることができる。
【0178】
製剤を調製する場合、他の成分と混合する前に、活性化合物を粉砕し適当な粒子サイズとする必要があるかもしれない。活性化合物が実質的に不溶性である場合、普通、200メッシュ未満の粒子サイズまで粉砕される。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒子サイズは普通粉砕により調節され、製剤中で実質的に均一に分配され、例えば約40メッシュである。
【0179】
適した賦形剤のいくつかの例としては、乳糖、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロール、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。製剤はさらに、下記を含むことができる:潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱物油;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;保存剤、例えば、メチル-およびプロピルヒドロキシ-ベンゾエート;甘味剤;および香味剤。本発明の組成物は、当技術分野において周知の手順を用いることにより患者に投与した後、活性成分が即時放出、持続放出または遅延放出されるように製剤化することができる。
【0180】
組成物は好ましくは単位用量形態で製剤化され、各々の用量が5〜約100mg、より普通には約10〜約30mgの活性成分を含む。「単位用量形態」という用語は、ヒト被験者および他の哺乳類のための単位用量として適当な物理的に別個の単位を示し、各単位が、適した薬学的賦形剤と共に、所望の治療効果を実現するように計算された予め決められた量の活性材料を含む。
【0181】
活性化合物は広範囲の用量範囲において効果的であり、一般に薬学的に有効な量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、関連する状況、例えば、治療される状態、選択した投与経路、投与した実際の化合物、各患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを考慮して、医師が決定することは理解されるであろう。
【0182】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主活性成分を薬学的賦形剤と共に混合し、本発明の化合物の均質混合物を含む固体予備製剤(preformulation)組成物を形成する。これらの予備製剤組成物を均質と呼ぶ場合、活性成分が組成物全体に均一に分散され、組成物を容易に等しい効果の単位用量形態、例えば錠剤、ピルおよびカプセルにさらに分割することができることを意味する。この固体予備製剤をその後、例えば、0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含む上記型の単位用量形態にさらに分割する。
【0183】
本発明の錠剤またはピルはコートしてもよく、またはそうでなければ配合して、持続性作用の利点が得られる用量形態としてもよい。例えば、錠剤またはピルは内側用量成分および外側用量成分を含み、後者は前者上のエンベロープ形態である。2つの成分は腸溶性層により分離することができ、腸溶性層は胃での崩壊に抵抗し、内側成分を無傷で十二指腸内に移行させるまたは放出を遅延させるように作用する。そのような腸溶性層またはコーティングには様々な材料を使用することができ、そのような材料としては多くの高分子酸、およびシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料ととの高分子酸の混合物が挙げられる。
【0184】
本発明の新規化合物が、経口または注射による投与のために組み入れられてもよい液体形態としては、水溶液、適当な香味シロップ、水性または油性懸濁液、および食用油、例えば綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油を有する香味エマルジョン、ならびにエリキシルおよび同様の薬学的ビヒクルが挙げられる。
【0185】
吸入または吹送のための組成物としては薬学的に許容される、水性もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物に溶解された溶液および懸濁液、ならびに粉末が挙げられる。液体または固体組成物は、上記のように適した、薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。好ましくは、組成物は局所または全身効果を得るために経口または鼻呼吸経路により投与される。好ましくは、薬学的に許容される溶媒中に溶解した組成物を、不活性ガスを使用することにより噴霧させてもよい。噴霧溶液は直接噴霧装置から吸い込んでもよく、または噴霧装置をフェースマスクテント、もしくは一時的な陽圧呼吸装置に取り付けてもよい。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、好ましくは、経口または鼻内により、適当な様式で製剤を送達する装置から投与してもよい。
【0186】
下記製剤例は本発明の薬学的組成物を説明する。
【0187】
製剤例1
下記成分を含むハードゼラチンカプセルを調製する:

【0188】
上記成分を混合し、ハードゼラチンカプセル中に340mgの量で充填する。
【0189】
製剤例2
錠剤処方を、下記成分を用いて調製する:

【0190】
成分をブレンドし、圧縮し錠剤を形成する。各々が240mgである。
【0191】
製剤例3
下記成分を含む乾燥粉末吸入製剤を調製する:

【0192】
活性混合物を乳糖と混合し、混合物を粉末吸入器具に加える。
【0193】
製剤例4
各々30mgの活性成分を含む錠剤を下記のように調製する:

【0194】
活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.20メッシュU.S.シーブに通し、完全に混合する。ポリビニル-ピロリドンの溶液を得られた粉末と混合し、その後16メッシュU.S.シーブに通す。そのように作製した顆粒を50E〜60ECで乾燥させ、16メッシュU.S.シーブに通す。前もってNo.30メッシュU.S.シーブに通したカルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを、その後、顆粒に添加し、混合後、錠剤機で圧縮すると、各々150mgの錠剤が得られる。
【0195】
製剤例5
各々40mgの薬剤を含むカプセルを下記のように作製する:

【0196】
活性成分、セルロース、デンプン、ステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.20メッシュU.S.シーブに通し、150mgの量でハードゼラチンカプセルに充填する。
【0197】
製剤例6
各々25mgの活性成分を含む坐薬を下記のように作製する:

【0198】
活性成分をNo.60メッシュU.S.シーブに通し、必要とされる最小の熱を用い前もって融解させた飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁させる。その後、混合物を公称2.0g容量の坐薬型に注ぎ入れ、冷却させる。
【0199】
製剤例7
各々、5.0mLの用量につき50mgの薬剤を含む懸濁液を下記のように作製する:

【0200】
薬剤、ショ糖およびキサンタンガムをブレンドし、No.10メッシュU.S.シーブに通し、その後、水に溶解した微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの前もって作製した溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香味剤、および着色剤を幾らかの水で希釈し、撹拌しながら添加する。その後十分な水を添加し、必要な体積とする。
【0201】
製剤例8

【0202】
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.20メッシュU.S.シーブに通し、560mgの量でハードゼラチンカプセルに充填する。
【0203】
製剤例9
静脈内製剤を下記のように調製してもよい:

【0204】
製剤例10
局所製剤を下記のように調製してもよい:

【0205】
ホワイトソフトパラフィンを融解するまで加熱する。流動パラフィンおよび乳化ろうを組み入れ、溶解するまで撹拌する。活性成分を添加し、分散するまで撹拌を続ける。その後、混合物を固体になるまで冷却する。
【0206】
本発明の方法において使用する別の好ましい製剤は、経皮送達装置(「パッチ」)を使用する。そのような経皮パッチを使用して、本発明の化合物を制御した量で連続または不連続注入してもよい。薬学的作用物質を送達するための経皮パッチの構成および使用は当技術分野において周知である。例えば、1991年6月11日に付与された米国特許第5,023,252号を参照のこと。この特許は参照により全体として本明細書に組み込まれる。そのようなパッチは、薬学的作用物質を連続して、パルス状に、または要求に応じて送達するように構成されてもよい。
【0207】
薬学的組成物を脳に導入することが望ましいまたは必要である場合、直接または間接技術のいずれかを使用してもよい。直接技術は通常、宿主の室系内に薬物送達カテーテルを配置し血液脳関門をバイパスすることを含む。身体の特定の解剖学的領域に生物学的要因を輸送するために使用される1つのそのような植え込み型送達システムは、米国特許第5,011,472号において記述されている。この特許は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0208】
間接技術は、一般に好ましく、この技術は通常、親水性薬物を脂溶性薬物に変換することによる薬物ラテンティエーション(latentiation)を提供する組成物を製剤化する段階を含む。ラテンティエーションは一般に、薬物上に存在するヒドロキシ、カルボニル、スルフェート、および1級アミン基をブロックし、薬物をより脂溶性とし、血液脳関門を横切る輸送に適したものとすることにより達成される。また、親水性薬物の送達は、一時的に血液脳関門を開くことができる高張液の動脈内注入により増強させてもよい。
【0209】
有用性
ブラジキニン(「BK」)は、急性および慢性の疼痛および炎症を伴う病態生理学的過程において重要な役割を果たすキニンである。ブラジキニンは、他の関連するキニンと同様、キニノゲンと呼ばれる血漿および組織前駆体に対するカリクレイン酵素の触媒作用によって産生されるオータコイドペプチドである。ブラジキニンB1アンタゴニストまたは逆アゴニストである化合物によるブラジキニンB1受容体の阻害により、BK B1受容体経路を通して望ましくない症状を仲介する疾病からの軽減が得られると考えられる。
【0210】
本発明の化合物はブラジキニンB1受容体アンタゴニストであり、したがって、哺乳動物の疼痛ならびに痛覚過敏を阻止または改善する際の使用に適している。そのような化合物は、例えば、骨および関節痛(骨関節炎)、反復運動痛、歯痛、癌性疼痛、筋筋膜疼痛(筋肉損傷、線維筋痛)、術中疼痛(一般外科、婦人科)および慢性疼痛を含む疼痛の治療または予防において有効であると思われる。特に、例えば、炎症性気道疾患(慢性閉塞性肺疾患)などの炎症性疼痛は、ブラジキニンB1アンタゴニスト化合物によって有効に治療されると思われる。
【0211】
本発明の化合物は、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される、哺乳動物の疾患状態の治療においても有用である。そのような疾患状態の例には、喘息、炎症性腸疾患、鼻炎、膵炎、膀胱炎(間質性膀胱炎)、ブドウ膜炎、炎症性皮膚疾患、慢性関節リウマチおよび火傷、捻挫または骨折に関連する外傷が原因の浮腫が含まれる。本発明の化合物は、外科的介入後(例えば、術後の鎮痛剤として)および様々な原因(例えば、骨関節炎、慢性関節リウマチ、リウマチ性疾患、腱鞘炎および痛風)の炎症性疼痛を治療するため、ならびにアンギナ、月経、または癌に関連する疼痛治療のために用いることもできる。これらの化合物は、糖尿病性脈管障害、後毛細管抵抗、または膵島炎に関連する糖尿病症状(例えば、高血糖、多尿、タンパク尿ならびに亜硝酸塩およびカリクレインの尿中排泄増加)を治療するために用いることもできる。これらの化合物は、胃腸管もしくは子宮の痙攣治療のための平滑筋弛緩剤として、またはクローン病、潰瘍性結腸炎もしくは膵炎の治療において用いることもできる。そのような化合物は、反応亢進性気道を治療するため、および気道疾患、例えば喘息に関連する炎症事象を治療するため、および喘息における気道反応亢進を制御、制限または逆転するために、治療的に用いることもできる。これらは、アレルギー性喘息(アトピー性または非アトピー性)を含む内因性および外因性喘息、ならびに運動誘発喘息、職業性喘息、細菌感染後喘息、他の非アレルギー性喘息および「乳幼児喘息様症候群(wheezy-infant syndrome)」を治療するために用いることもできる。これらは、アルミニウム症、炭粉症、石綿症、石粉症、睫毛脱落症、鉄症、珪肺症、タバコ症および綿肺症を含む塵肺症、ならびに成人呼吸障害症候群、慢性閉塞性肺または気道疾患、気管支炎、アレルギー性鼻炎、および血管運動神経性鼻炎に対しても有効でありうる。加えて、これらは肝疾患、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、敗血症ショック、例えば、血液量減少および/または低血圧治療薬として、脳浮腫、頭痛、偏頭痛、閉鎖頭部外傷、過敏性腸症候群ならびに腎炎に対しても有効でありうる。最後に、そのような化合物は、研究用ツール(インビボおよびインビトロで)としても有用である。
【0212】
上記のように、本発明の化合物は典型的には、薬学的組成物の形態で哺乳類に投与される。本発明の薬学的組成物は、様々な薬物送達システムにおいて使用するのに適している。本発明において使用するのに適した製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Company、Philadelphia、PA、17th ed.(1985)において見出される。
【0213】
血清半減期を増強するために、化合物はカプセル化してもよく、リポソームのルーメンに導入してもよく、コロイドとして調製してもよい。また、化合物の血清半減期を延長する他の従来の技術を使用してもよい。例えば、Szoka、et al., 米国特許第4,235,871号、Geho et al., 米国特許第4,501,728号、およびAllen et al., 米国特許第4,837,028号において記述されているように、リポソームを調製するための様々な方法が使用できる。これらの特許の各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0214】
患者に投与される量は、何が投与されるか、投与の目的、例えば予防または治療、患者の状態、投与様式などにより変動する。これらは全て担当臨床医の技術内である。治療用途では、組成物は、すでに疾患に苦しむ患者に、疾患およびその合併症の症状を治すまたは少なくとも一部阻止するのに十分な量で投与される。これを達成するのに十分な量は「治療上有効な用量」として規定される。この用途のために効果的な量は、治療する疾患状態、ならびに炎症の重篤度、患者の年齢、体重および一般的状態などの因子に基づく担当臨床医の判断に依存する。
【0215】
患者に投与される組成物は上記薬学的組成物の形態である。これらの組成物は従来の滅菌技術により滅菌されてもよく、または滅菌濾過されてもよい。得られた水溶液はそのまま使用するためにパッケージされてもよく、または凍結乾燥させてもよい。凍結乾燥された調製物は投与前に滅菌水性担体と混合される。化合物調製物のpHは典型的には3〜11の間、より好ましくは5〜9の間、最も好ましくは7〜8である。一定の前述の賦形剤、担体または安定化剤を使用すると、薬学的塩が形成することは理解されるであろう。
【0216】
本発明の化合物の治療用量は、例えば、治療が行われる特別な用途、化合物の投与様式、患者の健康および状態、処方医の判断により変動する。例えば、静脈内投与では、用量は典型的には約20μg〜約500μg/kg体重、好ましくは約100μg〜約300μg/kg体重の範囲内である。効果的な用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から導いた用量応答曲線から外挿することができる。
【0217】
または、約0.1mg/日から約1,000mg/日の本発明の化合物、または化合物の混合物、好ましくは約1mg/日から約100mg/日、より好ましくは5mg/日から約50mg/日を経口投与してもよい。非経口、舌下、鼻内またはクモ膜下投与のためには、約0.5から約100mg/日を患者に投与してもよく;デポー(depo)投与および植え込みのためには約0.5mg/日から約50mg/日;局所投与のためには約0.5mg/日から約200mg/日;直腸投与のためには約0.5mgから約500mg;およびより好ましくは、非経口投与のためには、約5から約50mg/日を投与してもよい。
【0218】
下記の合成および生物学的実施例は、本発明を例示するために提供するものであり、いかなる様式でも、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。特に明記されない限り、すべての温度は摂氏温度である。
【0219】
実施例
以下の実施例において、下記の略語は下記の意味を有する。略語が定義されていない場合、それは一般に認められる意味を有する。
Ac=アセチル
Boc=t-ブトキシカルボニル
BOP=ベンゾトリアゾル-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸
bs=ブロード一重線
conc.=濃縮
d=二重線
dd=二重線の二重線
DIAD=アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMAP=4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
EDCまたはEDC・HCL=1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
Et=エチル
EtOH=エタノール
eq.=当量
g=グラム
h=時間
HATU=O-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-1,1,3-,3-テトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロリン酸
HOAc=酢酸
HOBT=1-ヒドロキシベンゾチアゾール水和物
Hz=ヘルツ
HPLC=高性能液体クロマトグラフィ
MS=質量分光法
Me=メチル
MeOH=メタノール
m=多重線
M=モル濃度
mg=ミリグラム
min.=分
mL=ミリリットル
MHz=メガヘルツ
mmol=ミリモル
NBSN=N-ブロモスクシンイミド
NCS=N-クロロスクシンイミド
NMR=核磁気共鳴
NMM=N-メチルモルホリン
OAc=アセテート
psi=1平方インチの面積に働くポンド力量
q=四重線
rt=室温
Rt=保持時間
s=一重線
t=三重線
THF=テトラヒドロフラン
μL=マイクロリットル
δ=化学シフト
DMSO=ジメチルスルホキシド
EtOAc=酢酸エチル
J=カップリング定数
p-Tos-OH=パラトルエンスルホン酸
TFA=トリフルオロ酢酸
【0220】
下記実施例および手順では、「Aldrich」という用語は、手順で使用した化合物または試薬がAldrich Chemical Company、Inc. Milwaukee、WI53233USAから市販されていることを示し;「Sigma」という用語は、化合物または試薬がSigma、St. Louis MO 63178 USAから市販されていることを示し;「TCI」という用語は、化合物または試薬がTCI America、Portland OR 97203から市販されていることを示し、「Frontier」または「Frontier Scientific」という用語は、化合物または試薬がFrontier Scientific、Utah、USAから市販されていることを示し;「Bachem」という用語は、化合物または試薬がBachem、Torrance、California、USAから市販されていることを示す。「Matrix」という用語は、化合物または試薬がMatrix Scientific, Columbia, SC, USAから市販されていることを示している。「Ambinter」という用語は、化合物または試薬がAmbinter Paris, Franceから市販されていることを示している。「Novabiochem」という用語は、化合物または試薬がEMD, Biosciences, Inc, San Diego, CAから市販されていることを示している。
【0221】
下記の一般法は、式(I)または式(II)の3-アミド-5-置換ピラゾール誘導体およびこれを調製する際に有用なアミン中間体を調製するための一般合成経路を示している。
【0222】
一般法1
tert-ブトキシカルボニルアミノアセチルアミド(3)の調製

THF中、Boc-保護アミノ酸1(1.0eq.)、アミン(2)(1.2eq.)、HOBT(1.2eq.)、NMM(2.2eq.)、およびEDC・HCl(1.2eq.)の混合物を室温で撹拌した。反応完了に十分な時間の後、1M HClを反応混合物に加えた。酸性化した溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。混合物をろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけ、減圧下で乾燥して、アミド3を得た。
【0223】
一般法2
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸アミドの調製

アミド6を一般法1に記載のとおりに調製した。化合物8を一般法2に示すとおりに調製した。ニートTFA中のBoc-保護アミド6(1.2eq.)の溶液を室温で30分間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターにかけ、減圧下で乾燥して、遊離アミンを得た。脱保護したアミンをTHFに溶解した。撹拌しながら、7(1.0eq.)、HOBT(1.3eq.)、NMM(2.2eq.)およびEDC・HCl(1.2eq.)をこの順で加えた。反応混合物を室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、混合物をロータリーエバポレーターにかけた。未精製材料をMeOHに溶解し、溶離剤としてEtOAc-ヘキサン混合物を用いたフラッシュクロマトグラフィを行い、生成物8を得た。
【0224】
一般法3
[4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ酢酸(10)の調製

MeOH、THF、およびH2O(1:2:1)中、エステル9(1.0eq.)およびLiOH・H2O(2.6eq.)の溶液を室温で撹拌した。反応完了に十分な時間の後、反応溶液をロータリーエバポレーターにかけた。未精製の材料を水に溶解し、溶液のpHが約4になるまで1M HClを加えた。酸性化した溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥してろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけた。粗生成物をMeOHおよびヘキサンからの結晶化により精製して、酸10を得た。
【0225】
一般法5
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(7)の調製

【0226】
3-メトキシカルボニル-5-ニトロピラゾール(18)の調製
5-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(17、Aldrich、カタログ番号41,483-2)のMeOH溶液を調製した。撹拌しながら、溶液にHClを2分間通気した。反応混合物をエステル化が完了するのに十分な時間還流し、室温まで冷却した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。飽和NaHCO3水溶液を加えて未精製材料を塩基性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥してろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけ、減圧下で乾燥して、18を得た。
【0227】
1-tert-ブトキシカルボニル-3-メトキシカルボニル-5-ニトロピラゾール(19)の調製
18(1.0eq.)、(Boc)2O(1.1eq.)、Et3N(1.5eq.)、およびDMAP(0.05eq.)のCH2Cl2溶液を調製した。反応混合物を室温で反応完了に十分な時間撹拌し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。未精製材料を減圧下で乾燥し、生成物19を得た。
【0228】
5-アミノ-1-tert-ブトキシカルボニル-3-メトキシカルボニルピラゾール(20)の調製
19(1.0eq.)および10%炭素担持Pd(0.1 wt/wt eq.)の混合物を、10〜60psiの水素で反応完了に十分な時間水素添加した。反応混合物をセライトを通してろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。未精製材料を減圧下で乾燥して生成物20を得た。
【0229】
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチルエステル3-メチルエステル(28)の調製
20(1.0eq.)、ピリジン(1.5eq.)、およびDMAP(0.04eq.)のCH2C12溶液を調製した。0℃に冷却した後、塩化2-クロロベンゾイル(Aldrich、カタログ番号10,391-8)(1.1eq.)を加えた。反応溶液を室温に戻し、反応完了に十分な時間の後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去して、未精製の28を得た。
【0230】
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-3-メトキシカルボニルピラゾール(22)の調製
1M HCl中の28の溶液を5分間撹拌し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけ、減圧下で乾燥して、22を得た。
【0231】
5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(23)の調製
THF、MeOH、およびH2O(2:1:1)中の22(1.0eq.)およびLiOH・H2O(5.0eq.)の溶液を室温で撹拌した。反応完了に十分な時間の後、反応混合物をロータリーエバポレーターにかけた。混合物を濃HClで酸性化した。溶液のpHが約2に達すると、沈殿が生じた。固体をろ取し、減圧下で乾燥した後、生成物23を得た。
【0232】
標題化合物(7)の調製
23(1.0eq.)のDMF溶液を調製した。撹拌しながら、N-ブロモスクシンアミド(1.2eq.)のDMF溶液を加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、H2Oを加えた。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を1M HClで洗浄した後、MgSO4で乾燥し、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけた。未精製材料をCH2Cl2で粉砕し、減圧下で乾燥して、7を得た。
【0233】
一般法6
4-クロロ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(24)の調製

23(1.0eq.)のDMF溶液を調製した。撹拌しながら、N-クロロスクシンアミド(1.3eq.)および少量の濃HClを加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、H2Oを加えた。反応停止した溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけた。未精製材料をCH2Cl2で粉砕し、減圧下で乾燥して、24を得た。
【0234】
一般法7
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸アミド(25)の調製

化合物7を一般法5に示したとおりに調製した。化合物25を一般法7に示したとおりに調製した。THF中の7(1.0eq.)、2(1.1eq.)、HOBT(1.2eq.)、NMM(2.2eq.)、およびEDC・HCl(1.2eq.)の混合物を室温で撹拌した。反応完了に十分な時間の後、反応混合物をシリカゲルに吸着させ、溶離剤としてEtOAc/ヘキサンの混合物を用いるフラッシュクロマトグラフィにかけ、生成物25を得た。
【0235】
一般法8
5-[(2-クロロ-ベンゾイル)-メチル-アミノ]-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(29)の調製

エステル28(一般法5において調製したとおり)(1.0eq.)のTHF中の懸濁液を-78℃で撹拌し、n-BuLiのTHF中2.5M溶液(2.0eq.)を加えた。冷却浴を取り除き、反応混合物を加温しながら10分間撹拌した。混合物を再度-78℃に冷却し、MeI(2.0eq.)を加えた。冷却浴を再度取り除き、反応混合物を室温に戻した。反応完了に十分な時間の後、反応を1M HClで停止し、EtOAcで抽出した。有機層を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過して、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。材料を、溶離剤としてEtOAc-ヘキサンの混合物を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、29を得た。
【0236】
一般法9
4-ブロモ-5-[2-(キノリン-8-イルチオメチル)ベンゾイルアミノ]-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(43)の調製

【0237】
2-(キノリン-8-イルチオメチル)安息香酸メチルエステル(41)の調製
キノリン-8-チオール塩酸塩(39、Aldrich、カタログ番号35,978-5)(4.0eq.)の溶液をDMFに溶解した。これに、炭酸カリウム(32.0eq.)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、2-ブロモメチル-安息香酸メチルエステル(40、J. Org. Chem, 2002, 67, 2160)(1.0eq.)を加えた。混合物を室温で反応完了に十分な時間撹拌した。混合物を0.1Mクエン酸で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して濃縮した。生成物を、溶離剤としてEtOAc-ヘキサンの混合物を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、41を得た。
【0238】
塩化2-(キノリン-8-イルチオメチル)ベンゾイル(42)の調製
メタノールおよび水中のエステル41(1.0eq.)およびLiOH(3.0eq.)の溶液を65℃で加水分解完了に十分な時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、濃縮し、次いでH2Oで希釈した。水性混合物のpHを4.5に調節し、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して濃縮し、中間体の安息香酸を得た。
【0239】
2-(キノリン-8-イルチオメチル)安息香酸(1.0eq.)のCH2Cl2溶液を0℃まで冷却した。これに塩化オキサリル(1.1eq.)と続いて1滴のDMFを加えた。混合物を室温まで加温し、反応完了に十分な時間撹拌した。混合物を濃縮して42を得、これを直接用いた。
【0240】
標題化合物(43)の調製
塩化2-(キノリン-8-イルチオメチル)ベンゾイル(42)を用いて、化合物22について記載した方法を行った。化合物23について記載したとおり、メチルエステルの加水分解により、酸43を得た。
【0241】
一般法10
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸アミド(44)の調製

酸7(1.0eq.)、アミン2(1.0eq.)、およびEt3N(8.1eq.)のDMF溶液を調製した。撹拌しながら、DMFに溶解したHATU(1.0eq.)の溶液を加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、MP-カーボネート樹脂(6.0eq.)およびPS-トリスアミン樹脂(6.0eq.)(いずれもArgonaut Technologies, Inc.から)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、ろ過し、DMFおよびMeOHで洗浄した。未精製材料を、溶離剤としてアセトニトリル-水の混合物を用いる逆相HPLCで精製した。精製した材料を濃縮し、乾燥して、アミド44を得た。
【0242】
一般法11
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(51)の調製

【0243】
カリウム2-シアノ-1-エトキシカルボニル-2-メチルエテノラート(47)の調製
密封チューブにカリウムエトキシド(1.0eq.)およびEtOHを加え、溶解するまで振盪した。シュウ酸ジエチル(1.0eq.)およびプロピオニトリル(1.0eq.)の混合物を密封チューブに加え、混合物に栓をし、還流点で撹拌した。反応完了に十分な時間の後、反応混合物を冷却し、沈殿を回収し、ジエチルエーテルで洗浄して、47を得た。
【0244】
5-アミノ-1-tert-ブチル-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(48)の調製
密封加圧反応フラスコに47(1.0eq.)と、続いてEtOHおよびt-ブチルヒドラジン塩酸塩(1.1eq.)を加えた。加圧フラスコに栓をし、加熱還流した。反応完了に十分な時間の後、混合物を蒸発乾固し、得られた固体を同量のEtOAcおよび水に溶解した。有機層を飽和NaHCO3水溶液、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発させた。このわずかに黄色い固体をヘキサンで粉砕し、ろ過して、エステル48を得た。
【0245】
1-tert-ブチル-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(49)の調製
5-アミノ-1-tert-ブチル-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(49)を用いて、化合物22について記載した方法を行った。
【0246】
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(50)の調製
エステル49を最少量のギ酸に溶解し、反応完了に十分な時間、80℃に加熱した。ギ酸をロータリーエバポレーターで除去し、50を得た。
【0247】
標題化合物(51)の調製
5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル50を用いて、化合物23について記載した方法を行った。51を通常の技法で回収した。
【0248】
一般法12
N-(5-カルボキシアルキル-4-メチル-2H-ピラゾル-3-イル)-2-クロロ-ベンズアミド(55)の調製

【0249】
1-tert-ブチル-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(52)の調製
1-tert-ブチル-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルエステル(49)を用いて、方法3に記載した加水分解を行い、酸52を得た。
【0250】
1-tert-ブチル-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メトキシメチルアミド(53)の調製
1-tert-ブチル-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(52)およびN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(Aldrich、カタログ番号D16,370-8)を用いて、化合物3について記載した方法を行った。
【0251】
N-(5-カルボキシアルキル-2-tert-ブチル-4-メチル-2H-ピラゾル-3-イル)-2-クロロベンズアミド(54)の調製
撹拌子を備えたフラスコに、窒素雰囲気下、THFに溶解した53(1.0eq.)を加えた。混合物を-10℃まで冷却し、ジエチルエーテル中MeLiなどのRLiの1.4M溶液(6.0eq.)を滴加した。混合物を室温までゆっくり戻し、反応完了に十分な時間撹拌した。反応混合物を0.1N HClに注ぎ、ジクロロメタンで抽出し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、未精製油状物を得た。未精製材料を、カラムクロマトグラフィによりEtOAc-ヘキサンの混合物で溶出して精製し、54を得た。
【0252】
標題化合物(55)の調製
ベンズアミド 54を用いて、一般法11で化合物50について記載した方法を行った。
【0253】
一般法13
4-ブロモ-5-(2-m-トリルチオメチルベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(62)の調製

【0254】
塩化2-m-トリルチオメチル-ベンゾイル(59)の調製
58(Coll. Czech. Chem. Comm. 1982, 47, 3094)(1.0eq.)のCH2Cl2溶液を調製した。撹拌しながら、塩化オキサリル(1.1eq.)および1滴のDMFを加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、反応混合物をロータリーエバポレーターにかけ、減圧下で乾燥して、59を得た。
【0255】
5-(2-m-トリルチオメチベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(60)の調製
20(1.1eq.)、ピリジン(1.1eq.)、およびDMAP(0.07eq.)のCH2Cl2溶液を0℃まで冷却した。撹拌しながら、59(1.0eq.)のCH2Cl2溶液を加えた。反応溶液を室温に戻した。反応完了に十分な時間の後、反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、1.0M HClを加えた。酸性化した溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけ、未精製材料を、溶離剤としてEtOAc-ヘキサンの混合物を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、60を得た。
【0256】
4-ブロモ-5-(2-m-トリルチオメチルベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル(61)の調製
60(1.0eq.)のDMF溶液を調製した。撹拌しながらNBS(1.1eq.)のDMF溶液を加えた。室温で反応完了に十分な時間撹拌した後、水を加えた。溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、減圧ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターにかけ、未精製材料を、溶離剤としてEtOAc-ヘキサンの混合物を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、61を得た。
【0257】
標題化合物(62)の調製
メチルエステル61を用いて、化合物23について記載した方法を行い、酸62を得た。
【0258】
実施例1
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2に記載の方法を用いて(2R)-2-アミノ-N,N-ジメチルプロパンアミド(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0259】
実施例2
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2に記載の方法を用いて(2S)-2-アミノ-N,N-ジメチルプロパンアミド(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0260】
実施例3
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法7に記載の方法を用いて(S)-(+)-2-フェニルグリシンメチルエステル塩酸塩(Aldrich、30,867-6)とカップリングさせた。

【0261】
実施例4
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(カルボキシ)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法7に記載の方法を用いてL-フェニルグリシンメチルエステル(Novabiochem、04-10-0034)とカップリングさせた後、方法3に記載の方法を用いて加水分解を行った。

【0262】
実施例5
(S)-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法7に記載の方法を用いて(S)-(+)-2-フェニルグリシンメチルエステル塩酸塩(Aldrich、30,867-6)とカップリングさせた。

【0263】
実施例6
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[2-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法7に記載の方法を用いてL-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(Bachem、E-2270)とカップリングさせた。

【0264】
実施例7
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法7に記載の方法を用いて(R)-(-)-2-フェニルグリシンメチルエステル塩酸塩(Aldrich、30,788-2)とカップリングさせた。

【0265】
実施例8
(S)-4-ブロモ-5-(2-m-トリルチオメチル-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミドの調製

方法13に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法7に記載の方法を用いて(S)-(+)-2-フェニルグリシンメチルエステル塩酸塩(Aldrich、30,867-6)とカップリングさせた。

【0266】
実施例9
(S)-2-{[4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)ペント-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法7に記載の方法を用いてL-ノルロイシンメチルエステル塩酸塩(Bachem、F-1930)とカップリングさせた。

【0267】
実施例10
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メチルアミノカルボニル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2に記載の方法を用いてBoc-D-フェニルグリシンメチルアミド(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0268】
実施例11
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-(S)-(1-メチル-2-オキソ-2-ピペリジン-1-イル-エチル)-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0269】
実施例12
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2に記載の方法を用いてBoc-(1-メチル-2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0270】
実施例13
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-(R)-(1-メチル-2-オキソ-2-ピペリジン-1-イル-エチル)-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0271】
実施例14
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-(S)-(2-オキソ-1-フェニルー2-ピペリジン-1-イル-エチル)-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0272】
実施例15
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2に記載の方法を用いてBoc-(R)-(1-メチル-2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0273】
実施例16
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-(R)-(2-オキソ-1-フェニルー2-ピペリジン-1-イル-エチル)-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0274】
実施例17
(R)-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-(R)-(1-メチル-2-オキソ-2-ピペリジン-1-イル-エチル)-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0275】
実施例18
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)プロプ-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-(R)-(1-ジメチルカルバモイル-プロピル)-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0276】
実施例19
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-エチル-N-メチルアミノカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-(R)-[1-(エチル-メチル-カルバモイル)-エチル]-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0277】
実施例20
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-(R)-(1-ジエチルカルバモイル-エチル)-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0278】
実施例21
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[N-メチル-N-フェニル-アミノカルボニル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-[(メチル-フェニル-カルバモイル)-メチル]-アミン(WO 2002020530に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0279】
実施例22
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[(1-メチル-ピペリジン-4-イルカルボニル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2に記載の方法を用いてBoc-[2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0280】
実施例23
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-3-(フェニル)プロプ-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2に記載の方法を用いてBoc-(R)-[3-フェニル-1-(ピペリジン-1-カルボニル)-プロピル]-アミン(方法1に記載のとおりに調製)とカップリングさせた。

【0281】
実施例24
[4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法10の方法を用いてD,L-チロシンメチルエステル塩酸塩(Sigma、T9130)とカップリングさせた。
MS+=521.0
【0282】
実施例25
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-1-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法10に記載の方法を用いてp-ヒドロキシフェニルグリシンメチルエステル(Aldrichカタログ番号53,492-7)とカップリングさせた。
MS+=506.8
【0283】
実施例26
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(アミノカルボニル)-2-(メチル)プロプ-1-イル]アミドの調製

ピラゾール酸を方法5の方法により調製し、方法10に記載の方法を用いてD-バリンアミド塩酸塩(NOVABIOCHEM、04-13-5048)とカップリングさせた。
MS+=441.8
【0284】
実施例27
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(アミノカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法10に記載の方法を用いてL-アラニンアミド塩酸塩(Aldrich、45,921-6)とカップリングさせた。
MS+=413.9
【0285】
実施例28
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(アミノカルボニル)メチル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法10に記載の方法を用いてL-フェニルグリシンアミド塩酸塩(Bachem、F-3835)とカップリングさせた。
MS+=475.9
【0286】
実施例29
(R)-2-{[4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-2-(1H-インドル-3-イル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法10に記載の方法を用いてD-トリプトファンメチルエステル塩酸塩(Aldrich、36,450-9)とカップリングさせた。
MS+=544.0
【0287】
実施例30
4-ブロモ-3-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-3-メチルブト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法10に記載の方法を用いてD,L-ロイシンメチルエステル塩酸塩(Bachem、F-2925)とカップリングさせた。
MS+=471.0
【0288】
実施例31
4-ブロモ-3-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法10に記載の方法を用いてD,L-アラニンメチルエステル塩酸塩(Bachem、F-1150)とカップリングさせた。
MS+=428.9
【0289】
実施例32
(R)-4-クロロ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミドの調製

方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸を、方法2の方法を用いてBoc-1-[(2R)-2-アミノ-1-オキソプロピル]ピペリジン(方法1により調製)とカップリングさせた。
MS+=438.0

【0290】
実施例33
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[(2-(ジメチルアミノカルボニル)フェン-1-イルアミノカルボニル)メチル]アミドの調製

N-tert-ブトキシカルボニルグリシン(Aldrich、13,453-8)を、方法1に記載の方法を用いて2-アミノ-N,N-ジメチルベンズアミド(Ambinter、0117380096)とカップリングさせて、[(2-ジメチルカルバモイル-フェニルカルバモイル)メチル]カルバミン酸tert-ブチルエステルを得た。次いで、これを、方法2の方法を用いて、方法5に記載のとおりに調製したピラゾール酸とカップリングさせた。

【0291】
生物学的実施例
本発明の化合物のブラジキニンB1受容体を阻害する効力および有効性を、細胞による蛍光カルシウム動員アッセイで評価した。このアッセイは、天然ヒトブラジキニンB1受容体発現細胞において、ブラジキニンB1受容体アゴニストによる細胞内遊離Ca2+の増加を阻害する試験化合物の能力を調べる。
【0292】
本実施例において、下記の追加の略語は下記の意味を有する。前に定義した略語は前述の定義のとおりである。定義していない略語は当技術分野において認められている意味を有する。
BSA=ウシ血清アルブミン
DMSO=ジメチルスルホキシド
FBS=ウシ胎仔血清
MEM=最小必須培地
mM=ミリモル濃度
ng=ナノグラム
μg=マイクログラム
μM=マイクロモル濃度
【0293】
具体的には、カルシウムインジケーターを有する細胞を異なる濃度の試験化合物存在下または非存在下であらかじめインキュベートした後、Ca依存性蛍光をモニターしながら、選択的ブラジキニンB1受容体アゴニストペプチドで刺激する。
【0294】
IMR-90ヒト肺線維芽細胞(CCL 186、American Type Tissue Collection)を、ATCCにより推奨されている10%FBS添加MEM中で培養する。コンフルエントな細胞をトリプシン処理により回収し、壁が黒く底が澄明の96ウェルプレート(Costar #3904)に約13,000細胞/ウェルで播種する。翌日、細胞を10%FBS/MEM中の0.35ng/mLインターロイキン-1βで2時間処理して、ブラジキニンB1受容体をアップレギュレートする。誘導した細胞をアニオン輸送阻害剤(1%FBS/MEM中2.5mMプロベネシド)存在下、2.3μM Fluo-4/AM(Molecular Probes)と371Cで1.5時間インキュベートすることにより、細胞に蛍光カルシウムインジケーターを添加する。細胞外色素をアッセイ緩衝液(炭酸水素塩またはフェノールレッドを含まないハンクス液中、2.5mMプロベネシド、0.1%BSA、20mM HEPES、pH7.5)で洗浄することにより除去し、細胞プレートを使用まで暗所で維持する。試験化合物を7段階の濃度について3つずつのウェルでアッセイする。連続希釈をDMSO中最終濃度の100倍で半対数段階で行い、次いでアッセイ緩衝液で希釈する。化合物添加プレートは、2.5%DMSO/アッセイ緩衝液中、最終濃度の2.5倍の試験化合物または対照を含む。アゴニストプレートはアッセイ緩衝液中、最終濃度の5倍の2.5nM(3×EC50)ブラジキニンB1受容体アゴニストペプチドdes-Arg10-カリジン(DAKD、Bachem)を含む。試験化合物の細胞プレートへの添加、351Cで5分間のインキュベーション、およびブラジキニンB1受容体アゴニストDAKDの添加をFluorometric Imaging Plate Reader(FLIPR、Molecular Devices)中で、Ca依存性蛍光を持続的にモニターしながら行う。DAKD誘導性蛍光のピーク高さを、試験化合物の濃度の関数としてプロットする。IC50値を、非線形回帰を用いて4-パラメーターのロジスティック関数を濃度-反応データにあてはめることにより算出する(Xlfit、IDBS(ID Business Solutions Ltd.))。
【0295】
ブラジキニンB1受容体アゴニストペプチドで典型的に観察される効力は、des-Arg10-カリジンおよびdes-Arg9-ブラジキニンでそれぞれEC50=約0.8nMおよび約100nMであるが、ブラジキニンB1受容体アンタゴニストペプチドdes-Arg10,Leu9-カリジンではIC50=約1nMである。
【0296】
本発明の化合物は、前述のアッセイで50μM未満の結果が示すとおりの効力を有する。アッセイ結果が1μM未満であれば有利であり、0.5μM未満であればさらに有利である。
【0297】
前述のことを考慮して、これらの化合物はすべてブラジキニンB1受容体アンタゴニスト特性を示し、したがって、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される疾患状態を治療する際に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)もしくは式(II)の化合物:

(式中
ZはO、SおよびNHから選択され;
Qは

であり;
R1は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R2およびR4は水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群より独立に選択され;
R3は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R5およびR6は水素、および天然もしくは非天然アミノ酸の側鎖から独立に選択され、ここでR5およびR6は一緒になってシクロアルキルもしくは置換シクロアルキルを形成してもよく;
R7は-NRbRcおよび-ORb(ここでRbおよびRcは水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より独立に選択されるか、またはRbおよびRcはそれらに結合している窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環基を形成する)からなる群より選択され;
Xは水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、およびアミノアシルからなる群より選択される);
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは異性体。
【請求項2】
ZがOである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1がアリールおよび置換アリールからなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R1がフェニル、ナフト-2-イル、ナフト-1-イル、一置換フェニル、一置換ナフチル、二置換フェニルおよび三置換フェニルからなる群より選択される、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1が5-ジメチルアミノナフト-1-イル、2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-ブロモフェニル、2-ヒドロキシフェニル、2-ニトロフェニル、2-メチルフェニル、2-メトキシフェニル、2-フェノキシフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、4-ニトロフェニル、4-メチルフェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-メトキシフェニル、4-エトキシフェニル、4-ブトキシフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-フェノキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-ヒドロキシメチルフェニル、3-メトキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、3-ニトロフェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、3-フェノキシフェニル、3-チオメトキシフェニル、3-メチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3,5-ジ-(トリフルオロメチル)フェニル、3,5-ジメトキシフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、3,4,5-トリフルオロフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、3,4,5-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,4,6-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロ-2-トリフルオロメチルフェニル、2-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、2-クロロ-6-フルオロフェニル、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル、2,5-ジメチルフェニル、4-フェニルフェニル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、2-(キノリン-8-イル)チオメチル)フェニルおよび2-((3-メチルフェン-1-イルチオ)メチル)フェニルからなる群より選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R1がアルキル、置換アルキル、アルケニルおよびシクロアルキルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R1がイソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、-CH2CH=CH2、-CH2CH=CH(CH2)4CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-CH2-シクロプロピル、-CH2-シクロブチル、-CH2-シクロヘキシル、-CH2-シクロペンチル、-CH2CH2-シクロプロピル、-CH2CH2-シクロブチル、-CH2CH2-シクロヘキシル、-CH2CH2-シクロペンチル、ベンジル、2-フェニルエト-1-イル、および3-フェニル-n-プロプ-1-イルからなる群より選択される、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
R1がヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
R1がピリド-2-イル、ピリド-3-イル、ピリド-4-イル、5-フルオロピリド-3-イル、5-クロロピリド-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、ベンゾチアゾル-4-イル、2-フェニルベンゾキサゾル-5-イル、フラン-2-イル、ベンゾフラン-2-イル、チオナフテン-2-イル、2-クロロチオフェン-5-イル、3-メチルイソキサゾル-5-イル、2-(チオフェニル)チオフェン-5-イル、6-メトキシチオナフテン-2-イル、3-フェニル-1,2,4-チオオキサジアゾル-5-イル、2-フェニルオキサゾル-4-イル、5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾル-4-イル;2-メトキシカルボニル-チオフェン-3-イル;2,3-ジメチルイミダゾル-5-イル;2-メチルカルボニルアミノ-4-メチル-チアゾル-5-イル;キノリン-8-イル;チオフェン-2-イル;1-メチルイミダゾル-4-イル;および3,5-ジメチルイソキサゾル-4-イルからなる群より選択される、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R1が2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-(キノリン-8-イル)チオメチル)フェン-1-イルおよび2-((3-メチルフェン-1-イルチオ)メチル)フェン-1-イルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
R1が下記の式で表される、請求項1記載の化合物:

(式中、R21は水素またはアルキルであり、R20はアミノ酸側鎖であるか、またはR20およびR21ならびにそれらが結合している原子は環原子4から12個の複素環もしくはヘテロアリール基を形成し、かつR22はアルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールである)。
【請求項12】
R1がN-(4-メチルベンゼンスルホニル)ピロル-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)ピロル-2-イル、N-(ナフチルスルホニル)ピロル-2-イル、N-(ベジルスルホニル)ピロル-2-イル;N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)アゼチジン-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)ピペリジン-2-イル、1-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-N-メチル-アミノメチル;および1-[N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)アミノ]エト-1-イルからなる群より選択される、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
R22がフェニル、4-メチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、4-クロロフェニル、2,5-ジメチル-4-クロロフェニル、ベンジル、ナフチル、および1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンからなる群より選択される、請求項11記載の化合物。
【請求項14】
R20が水素である、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
R21が水素、メチル、およびエチルからなる群より選択される、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
R20およびR21が一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルなどの複素環基を形成する、請求項11記載の化合物。
【請求項17】
R2およびR4が水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエト-1-イル、ピリド-3-イルメチル、ベンジル、およびt-ブトキシカルボニル-メチルからなる群より独立に選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
R3が水素、C1-4アルキル、置換されていてもよい単環式アリール、および置換されていてもよい単環式ヘテロアリールからなる群より選択される、請求項17記載の化合物。
【請求項19】
R5およびR6アミノ酸側鎖基が水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立に選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
R5が水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、-CH2CH2CH2NHC(=NH)NH2、-CH2C(O)NH2、-CH2C(O)OH、-CH2SH、-CH2CH2C(O)OH、-CH2CH2C(O)NH2、イミダゾル-5-イルメチル、-CH2CH2CH2CH2NH2、-CH2CH2SCH3、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、フェニル、4-ヒドロキシフェニル、ベンジル、4-ヒドロキシベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニル-n-プロピル、1H-インドル-3-イルメチル、-CH2CH=CH2、-CH2CH=CH(CH2)4CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキス-1-エニル、-CH2-シクロプロピル、-CH2-シクロブチル、-CH2-シクロヘキシル、-CH2-シクロペンチル、-CH2CH2-シクロプロピル、-CH2CH2-シクロブチル、-CH2CH2-シクロヘキシル、および-CH2CH2-シクロペンチルからなる群より選択される、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
R7が-ORbであり、Rbが水素、メチル、エチル、イソプロピル、およびベンジルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項22】
R7が-NRaRb(ここでRaおよびRbは水素、メチル、エチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、および2-ジメチルカルバモイルフェニルからなる群より独立に選択される)である、請求項1記載の化合物。
【請求項23】
R7が-NRaRbであり、RaおよびRbがそれに結合している窒素原子と一緒になってピペリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピラジニル、および4-メチルピラジン-1-イル基を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項24】
Qが((1-メチル-ピペリジン-4-イルカルボニル)メチル)アミノ;((N-メチル-N-フェニル-アミノカルボニル)メチル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)-1-(4-ヒドロキシフェン-1- イル)メチル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)エト-1-イル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)-3-(メチル)ブト-1-イル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロプ-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(メトキシカルボニル)-2-(1H-インドル-3-イル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)プロプ-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N-エチル-N-メチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル)アミノ;(1-(R)-1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル)アミノ;(1-(R)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-3-(フェニル)プロプ-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(アミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(メトキシカルボニル)ペント-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(アミノカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(カルボキシ)メチルアミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(メチルアミノカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-2-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)アミノ;および[(2-(ジメチルアミノカルボニル)フェン-1-イルアミノカルボニル)メチル]アミノからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項25】
Xが水素、臭素、塩素およびメチルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項26】
下記からなる群より選択される化合物:
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(カルボキシ)メチル]アミド;
(S)-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[2-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-m-トリルチオメチル-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-2-{[4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)ペント-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メチルアミノカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル]アミド;
(R)-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)プロプ-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-エチル-N-メチルアミノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[N-メチル-N-フェニル-アミノカルボニル)メチル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[(1-メチル-ピペリジン-4-イルカルボニル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-3-(フェニル)プロプ-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-1-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(アミノカルボニル)-2-(メチル)プロプ-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(アミノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(アミノカルボニル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-2-(1H-インドル-3-イル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-3-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-3-メチルブト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-3-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-クロロ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[(2-(ジメチルアミノカルボニル)フェン-1-イルアミノカルボニル)メチル]アミド;または
その薬学的に許容される塩。
【請求項27】
ブラジキニンB2受容体と比較してブラジキニンB1受容体を選択的に阻害する方法であって、請求項1記載の化合物の阻害有効量をブラジキニンB1およびB2受容体両方を含む生体試料に接触させる段階を含む方法。
【請求項28】
薬学的に許容される担体と、請求項1記載の化合物またはその混合物の、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和するのに有効な量とを含む薬学的組成物。
【請求項29】
少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項30】
少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、該哺乳動物に請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項31】
組織損傷または炎症後のブラジキニンB1受容体のアップレギュレーションに関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、該哺乳動物に請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項32】
組織損傷または炎症後のブラジキニンB1受容体のアップレギュレーションに関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、該哺乳動物に請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項33】
哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項34】
哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項35】
少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の疼痛、炎症、敗血症ショックまたは瘢痕化過程を治療するまたは回復させる方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項36】
少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の疼痛、炎症、敗血症ショックまたは瘢痕化過程を治療するまたは回復させる方法であって、請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項37】
火傷、術中疼痛、偏頭痛、ショック、中枢神経系損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性腸疾患または神経障害性疼痛に関係するブラジキニンB1受容体のアップレギュレートに関連する哺乳動物の有害症状を治療するまたは回復させる方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項38】
火傷、術中疼痛、偏頭痛、ショック、中枢神経系損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性腸疾患または神経障害性疼痛に関係するブラジキニンB1受容体のアップレギュレートに関連する哺乳動物の有害症状を治療するまたは回復させる方法であって、請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項39】
哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項40】
哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)もしくは式(II)の化合物:

(式中
ZはO、SおよびNHから選択され;
Qは

であり;
R1は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R2およびR4は水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群より独立に選択され;
R3は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R5およびR6は水素、および天然もしくは非天然アミノ酸の側鎖から独立に選択され、ここでR5およびR6は一緒になってシクロアルキルもしくは置換シクロアルキルを形成してもよく;
R7は-NRbRcおよび-ORb(ここでRbおよびRcは水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より独立に選択されるか、またはRbおよびRcはそれらに結合している窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環基を形成する)からなる群より選択され;
Xは水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、およびアミノアシルからなる群より選択される);
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは異性体。
【請求項2】
ZがOである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1がアリールおよび置換アリールからなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R1がフェニル、ナフト-2-イル、ナフト-1-イル、一置換フェニル、一置換ナフチル、二置換フェニルおよび三置換フェニルからなる群より選択される、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1が5-ジメチルアミノナフト-1-イル、2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-ブロモフェニル、2-ヒドロキシフェニル、2-ニトロフェニル、2-メチルフェニル、2-メトキシフェニル、2-フェノキシフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-ブロモフェニル、4-ニトロフェニル、4-メチルフェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-メトキシフェニル、4-エトキシフェニル、4-ブトキシフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-フェノキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-ヒドロキシメチルフェニル、3-メトキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、3-ニトロフェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、3-フェノキシフェニル、3-チオメトキシフェニル、3-メチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3,5-ジ-(トリフルオロメチル)フェニル、3,5-ジメトキシフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、3,4,5-トリフルオロフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、3,4,5-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,4,6-トリ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロ-2-トリフルオロメチルフェニル、2-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、2-クロロ-6-フルオロフェニル、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル、2,5-ジメチルフェニル、4-フェニルフェニル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル、2-(キノリン-8-イル)チオメチル)フェニルおよび2-((3-メチルフェン-1-イルチオ)メチル)フェニルからなる群より選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R1がアルキル、置換アルキル、アルケニルおよびシクロアルキルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R1がイソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、-CH2CH=CH2、-CH2CH=CH(CH2)4CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-CH2-シクロプロピル、-CH2-シクロブチル、-CH2-シクロヘキシル、-CH2-シクロペンチル、-CH2CH2-シクロプロピル、-CH2CH2-シクロブチル、-CH2CH2-シクロヘキシル、-CH2CH2-シクロペンチル、ベンジル、2-フェニルエト-1-イル、および3-フェニル-n-プロプ-1-イルからなる群より選択される、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
R1がヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
R1がピリド-2-イル、ピリド-3-イル、ピリド-4-イル、5-フルオロピリド-3-イル、5-クロロピリド-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、ベンゾチアゾル-4-イル、2-フェニルベンゾキサゾル-5-イル、フラン-2-イル、ベンゾフラン-2-イル、チオナフテン-2-イル、2-クロロチオフェン-5-イル、3-メチルイソキサゾル-5-イル、2-(チオフェニル)チオフェン-5-イル、6-メトキシチオナフテン-2-イル、3-フェニル-1,2,4-チオオキサジアゾル-5-イル、2-フェニルオキサゾル-4-イル、5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾル-4-イル;2-メトキシカルボニル-チオフェン-3-イル;2,3-ジメチルイミダゾル-5-イル;2-メチルカルボニルアミノ-4-メチル-チアゾル-5-イル;キノリン-8-イル;チオフェン-2-イル;1-メチルイミダゾル-4-イル;および3,5-ジメチルイソキサゾル-4-イルからなる群より選択される、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R1が2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-(キノリン-8-イル)チオメチル)フェン-1-イルおよび2-((3-メチルフェン-1-イルチオ)メチル)フェン-1-イルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
R1が下記の式で表される、請求項1記載の化合物:

(式中、R21は水素またはアルキルであり、R20はアミノ酸側鎖であるか、またはR20およびR21ならびにそれらが結合している原子は環原子4から12個の複素環もしくはヘテロアリール基を形成し、かつR22はアルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールである)。
【請求項12】
R1がN-(4-メチルベンゼンスルホニル)ピロル-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)ピロル-2-イル、N-(ナフチルスルホニル)ピロル-2-イル、N-(ベジルスルホニル)ピロル-2-イル;N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)アゼチジン-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)ピペリジン-2-イル、1-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル、N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-N-メチル-アミノメチル;および1-[N-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)アミノ]エト-1-イルからなる群より選択される、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
R22がフェニル、4-メチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、4-クロロフェニル、2,5-ジメチル-4-クロロフェニル、ベンジル、ナフチル、および1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンからなる群より選択される、請求項11記載の化合物。
【請求項14】
R20が水素である、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
R21が水素、メチル、およびエチルからなる群より選択される、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
R20およびR21が一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルなどの複素環基を形成する、請求項11記載の化合物。
【請求項17】
R2およびR4が水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエト-1-イル、ピリド-3-イルメチル、ベンジル、およびt-ブトキシカルボニル-メチルからなる群より独立に選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
R3が水素、C1-4アルキル、置換されていてもよい単環式アリール、および置換されていてもよい単環式ヘテロアリールからなる群より選択される、請求項17記載の化合物。
【請求項19】
R5およびR6アミノ酸側鎖基が水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立に選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
R5が水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、-CH2CH2CH2NHC(=NH)NH2、-CH2C(O)NH2、-CH2C(O)OH、-CH2SH、-CH2CH2C(O)OH、-CH2CH2C(O)NH2、イミダゾル-5-イルメチル、-CH2CH2CH2CH2NH2、-CH2CH2SCH3、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、フェニル、4-ヒドロキシフェニル、ベンジル、4-ヒドロキシベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニル-n-プロピル、1H-インドル-3-イルメチル、-CH2CH=CH2、-CH2CH=CH(CH2)4CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキス-1-エニル、-CH2-シクロプロピル、-CH2-シクロブチル、-CH2-シクロヘキシル、-CH2-シクロペンチル、-CH2CH2-シクロプロピル、-CH2CH2-シクロブチル、-CH2CH2-シクロヘキシル、および-CH2CH2-シクロペンチルからなる群より選択される、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
R7が-ORbであり、Rbが水素、メチル、エチル、イソプロピル、およびベンジルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項22】
R7が-NRaRb(ここでRaおよびRbは水素、メチル、エチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、および2-ジメチルカルバモイルフェニルからなる群より独立に選択される)である、請求項1記載の化合物。
【請求項23】
R7が-NRaRbであり、RaおよびRbがそれに結合している窒素原子と一緒になってピペリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピラジニル、および4-メチルピラジン-1-イル基を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項24】
Qが((1-メチル-ピペリジン-4-イルカルボニル)メチル)アミノ;((N-メチル-N-フェニル-アミノカルボニル)メチル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)-1-(4-ヒドロキシフェン-1- イル)メチル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)エト-1-イル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)-3-(メチル)ブト-1-イル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(RまたはS)-1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロプ-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(メトキシカルボニル)-2-(1H-インドル-3-イル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)プロプ-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N-エチル-N-メチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル)アミノ;(1-(R)-1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル)アミノ;(1-(R)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-3-(フェニル)プロプ-1-イル)アミノ;(1-(R)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(アミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(メトキシカルボニル)ペント-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(アミノカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(カルボキシ)メチルアミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(メチルアミノカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル)アミノ;(1-(S)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル)アミノ;(1-(S)-2-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)アミノ;および[(2-(ジメチルアミノカルボニル)フェン-1-イルアミノカルボニル)メチル]アミノからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項25】
Xが水素、臭素、塩素およびメチルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項26】
下記からなる群より選択される化合物:
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)エト-1-イル)アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(カルボキシ)メチル]アミド;
(S)-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[2-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル)]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-m-トリルチオメチル-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メトキシカルボニル)メチル]アミド;
(S)-2-{[4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)ペント-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(メチルアミノカルボニル)メチル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-モルホリノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)メチル]アミド;
(R)-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)プロプ-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N-エチル-N-メチルアミノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[N-メチル-N-フェニル-アミノカルボニル)メチル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[(1-メチル-ピペリジン-4-イルカルボニル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-3-(フェニル)プロプ-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-1-(4-ヒドロキシフェン-1-イル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(アミノカルボニル)-2-(メチル)プロプ-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(アミノカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(S)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(フェニル)-1-(アミノカルボニル)メチル]アミド;
(R)-4-ブロモ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-2-(1H-インドル-3-イル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-3-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)-3-メチルブト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-3-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸[1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル]アミド;
(R)-4-クロロ-5-(2-クロロ-ベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[1-(ピペリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル]アミド;
4-ブロモ-5-(2-クロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸[(2-(ジメチルアミノカルボニル)フェン-1-イルアミノカルボニル)メチル]アミド;または
その薬学的に許容される塩。
【請求項27】
ブラジキニンB2受容体と比較してブラジキニンB1受容体を選択的に阻害する方法であって、請求項1記載の化合物の阻害有効量をブラジキニンB1およびB2受容体両方を含む生体試料に接触させる段階を含む方法。
【請求項28】
薬学的に許容される担体と、請求項1記載の化合物またはその混合物の、少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和するのに有効な量とを含む薬学的組成物。
【請求項29】
少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項30】
少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、該哺乳動物に請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項31】
組織損傷または炎症後のブラジキニンB1受容体のアップレギュレーションに関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、該哺乳動物に請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項32】
組織損傷または炎症後のブラジキニンB1受容体のアップレギュレーションに関連する哺乳動物の有害症状を治療または緩和する方法であって、該哺乳動物に請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項33】
哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項34】
哺乳動物においてブラジキニンB1受容体アゴニストの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和する方法であって、請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項35】
少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の疼痛、炎症、敗血症ショックまたは瘢痕化過程を治療するまたは回復させる方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項36】
少なくとも部分的にはブラジキニンB1受容体によって仲介される哺乳動物の疼痛、炎症、敗血症ショックまたは瘢痕化過程を治療するまたは回復させる方法であって、請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項37】
火傷、術中疼痛、偏頭痛、ショック、中枢神経系損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性腸疾患または神経障害性疼痛に関係するブラジキニンB1受容体のアップレギュレートに関連する哺乳動物の有害症状を治療するまたは回復させる方法であって、請求項1記載の化合物またはその混合物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。
【請求項38】
火傷、術中疼痛、偏頭痛、ショック、中枢神経系損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性腸疾患または神経障害性疼痛に関係するブラジキニンB1受容体のアップレギュレートに関連する哺乳動物の有害症状を治療するまたは回復させる方法であって、請求項28記載の薬学的組成物の治療上有効な量を投与する段階を含む方法。

【公表番号】特表2006−525349(P2006−525349A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514170(P2006−514170)
【出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/013400
【国際公開番号】WO2004/098590
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(399013971)エラン ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (75)
【Fターム(参考)】