点滅回路
【課題】消費電力を少なくするとともに、部品点数を少なくすることで低コスト化を図った点滅回路を提供することを目的とする。
【解決手段】発光サイリスタ20の第1端子であるアノード端子は、抵抗13を介して電源VDDに接続するとともにコンデンサ15を介してグランドに接続し、第2端子であるカソード端子は抵抗14を介してグランドに接続し、第3端子であるゲート端子は抵抗11と抵抗12の直列回路の接続中心に接続する。
【解決手段】発光サイリスタ20の第1端子であるアノード端子は、抵抗13を介して電源VDDに接続するとともにコンデンサ15を介してグランドに接続し、第2端子であるカソード端子は抵抗14を介してグランドに接続し、第3端子であるゲート端子は抵抗11と抵抗12の直列回路の接続中心に接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を点滅駆動する点滅回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子を点滅駆動する回路として、例えば非安定マルチバイブレータ回路がある。以下、図にしたがって説明する。図11は従来の非安定マルチバイブレータ回路を用いた点滅回路を示す。図11において、51〜54は抵抗、55はLED(発光ダイオード)、56、57はコンデンサ、58、59はNPNトランジスタ、61、62はダイオードである。
【0003】
抵抗51〜54の一端は電源VDDと接続され、抵抗51の他端はLED55のアノードと接続され、LED55のカソードはコンデンサ56の一端とトランジスタ58のコレクタと接続される。抵抗52の他端はコンデンサ56の他端に接続されるとともに、トランジスタ59のベースおよびダイオード62のカソードに接続される。抵抗53の他端はコンデンサ57の一端に接続されるとともに、トランジスタ58のベースおよびダイオード61のカソードに接続される。抵抗54の他端はコンデンサ57の他端に接続されるとともにトランジスタ59のコレクタと接続される。またトランジスタ58、59のエミッタおよびダイオード61、62のカソードはグランドに接続されている。
【0004】
次に動作を説明する。いま、トランジスタ58がオフで、トランジスタ59がオンであったとする。このとき、トランジスタ59のコレクタ電位は略0Vであり、抵抗54を介してコレクタ電流が流れる状態となっている。このとき、コンデンサ57には抵抗53を介して電源VDDから充電電流が流れ込み、コンデンサ57の他端は略0Vとなっているので、抵抗53の抵抗値とコンデンサ57の容量値で決まる時定数で充電されていく。
【0005】
このとき、コンデンサ57の充電電圧がトランジスタ58にベース電流を生じるレベルに達すると、トランジスタ58はオンしてコレクタ電位は略0Vとなって、コレクタ電流を生じ、LED55には電源VDD、抵抗51を介して流れる順電流を生じる。この順電流によりLED55は点灯する。このとき、トランジスタ58のコレクタ電位が略0Vにまで低下することで、コンデンサ56に充電されていた電荷はダイオード62を介して放電され、しかるのちコンデンサ56は抵抗52を介して電源VDDから充電されていく。これに伴いトランジスタ59のベース電位が所定電圧に達すると再び該トランジスタ59はオンとなる。
【0006】
このようにして、図11の回路のトランジスタ58がオンのとき、トランジスタ59はオフで、トランジスタ59がオンとなるとトランジスタ58はオフになるというように、交互にオン、オフ状態が入れ替わりつつ反転することで発振することになる。これに伴い、トランジスタ58のコレクタに接続されているLED55には断続的に順電流を生じ、LED55は所定周期で点滅動作を行う。
【0007】
このような非安定マルチバイブレータ回路を用いた点滅回路を開示するものとして、例えば、特開平6−268485号公報が挙げられる。
【特許文献1】特開平6−268485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、図11に示す従来の点滅回路においては、トランジスタ58がオンのときトランジスタ59はオフ、トランジスタ59がオンとなるとトランジスタ58はオフになるというように、交互にオン状態、オフ状態が入れ替わりつつ反転して発振することになり、これに伴い、トランジスタ58のコレクタに接続されているLED55には断続的に順電流を生じ、LED55は所定周期で点滅動作を行うのであるが、LED55の点灯状態においてはその駆動電流は抵抗51を介して電源VDDから供給されており、それに加えてLED55の消灯状態においてもトランジスタ59はオン状態になっているので、抵抗54を介して電源VDDからコレクタ電流が供給されている。
【0009】
このように電源VDDからみると、LED55の点灯、消灯の状態に無関係に、常にLED55の順電流を超えるような電源電流を生じており、その結果、消費電流が大きいものとなってしまうという問題があった。
【0010】
また、電源VDDとして乾電池やバッテリーといった限られた電気容量しか備えないものを用いる場合には、電源VDDの電池はLED駆動時の順電流や消灯時にも流れ続ける無効電流を負担することで消耗が激しくなってしまい、長時間動作をさせることができないという問題があった。それに加えて、LEDの点灯状態においてはその順電流は電池から供給されるので、電池が消耗してその内部抵抗が増加したときに前記順電流を供給しようとすると電池電圧が低下してしまい、LED点滅回路の動作を継続することができなくなって、電池の容量すべてを使い切ることができないという問題もあった。
【0011】
なお前述した図11に示す従来の点滅回路は、トランジスタ、抵抗、コンデンサといった個別部品を用いて構成する場合の例を示したが、シリコンICチップを用いて集積化された駆動回路を用いる構成も可能である。この場合にはアナログ回路的な動作を行う発振回路を用い、発振回路で作成されたクロック信号をもとにカウンタ回路等のデジタル回路を用いて所定周期でのLED駆動を行うことになる。
【0012】
このように、従来構成の点滅回路においては、発光素子であるLED以外の部品点数が多く必要であったり、シリコンICチップを用いた専用の駆動ICを用いる必要があったりするなど、点滅回路を備えた点滅装置を低コストで実現するうえでの制約となっていた。
【0013】
本発明は、消費電力を少なくするとともに、部品点数を少なくすることで低コスト化を図った点滅回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明の点滅回路は、電力を供給する電源部と、前記電源部から電力を供給されることにより充電を行う充電部と、前記充電部における電圧が所定の値に達すると発光素子に電流が流れる発光素子回路とを設け、前記発光素子回路に電流が流れることにより前記充電部が放電されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
上記構成を有する本発明に拠れば、発光素子を点灯させるための電流は充電部に充電されたものを使用するので、電源部から供給される電流は微小なものでよい。また本発明の点滅回路に要する能動素子は発光素子のみでよいので、別途半導体チップ等を備える必要がなく、低コストの回路を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。なお各図に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明の実施例1に係る点滅回路を示す回路図である。
【実施例1】
【0017】
図1において、1は点滅回路で、点滅回路1には、三端子スイッチ素子としての発光サイリスタ10、抵抗11〜14、コンデンサ15が設けられている。抵抗11、13の一端は電源VDDと接続され、抵抗13の他端はコンデンサ15の一端と発光サイリスタ10のアノードに接続されており、コンデンサ15の他端はグランドと接続される。抵抗11の他端は抵抗12の一端と発光サイリスタ10のゲート端子に接続される。抵抗12の他端はグランドに接続される。発光サイリスタ10のカソードは抵抗14を介してグランドに接続されている。
【0018】
即ち、発光サイリスタ10の第1端子であるアノード端子は、抵抗13を介して電源VDDに接続されるとともにコンデンサ15を介してグランドに接続され、第2端子であるカソード端子は抵抗14を介してグランドに接続され、第3端子であるゲート端子は抵抗11と抵抗12の直列回路の接続中心に接続されている。
【0019】
図2は図1で示した発光サイリスタ10の構成を示す構成図である。図2(a)は回路シンボルを示し、発光サイリスタ10はアノード端子A、カソード端子K、ゲート端子Gの三つの端子を備えていることを示す。
【0020】
図2(b)は発光サイリスタの断面構造を示す図である。本図にて示す発光サイリスタ10はGaAsウェハー基材を用い、公知のMO−CVD(Metal Organic-Chemical Vapor Deposition)法により前記基材の上層に所定の結晶をエピタキシャル成長させることで作成される。まず、所定のバッファ層(図示しない)をエピタキシャル成長させた後、AlGaAs基材にN型不純物を含ませたN型層103と、P型不純物を含ませ成層したP型層102と、N型不純物を含ませたN型層101とを順に積層させたNPNの3層構造からなるウェハーを構成する。
【0021】
次いで、最上層のN型層101の一部に公知のフォトリソグラフィー法を用いて選択的にP型不純物領域104を形成する。さらに、公知のドライエッチング法により溝部を形成することで素子分離を行う。また、前記エッチングの過程でサイリスタの最下層となるN型層103の一部を露出させ、該領域103に金属配線を形成してカソード電極を形成する。それと同時にP型領域104とN型領域101にもそれぞれアノード電極とゲート電極が形成される。
【0022】
図2(c)は発光サイリスタの別の形態を示す。図2(c)の構成においては、GaAsウェハー基材を用い、公知のMO−CVD法により前記基材の上層に所定の結晶をエピタキシャル成長させることで作成される。まず所定のバッファ層(図示しない)をエピタキシャル成長させた後、AlGaAs基材にN型不純物を含ませたN型層103と、P型不純物を含ませ成層したP型層102と、N型不純物を含ませたN型層101と、P型不純物を含ませ成層したP型層105を順に積層させたPNPNの4層構造のウェハーを構成する。
【0023】
さらに公知のドライエッチング法を用いて溝部を形成することで素子分離を行う。また前記エッチングの過程でサイリスタの最下層となるN型領域103の一部を露出させ、該領域103に金属配線を形成してカソード電極を形成する。同様に、最上層となるP型領域105の一部を露出させ、該領域105に金属配線を形成してアノード電極を形成する。それと同時にN型領域101にゲート電極が形成される。
【0024】
図2(d)は図2(b)および図2(c)と対比させて描いた発光サイリスタの等価回路である。発光サイリスタ10はPNPトランジスタ111とNPNトランジスタ112とからなり、PNPトランジスタ111のエミッタが発光サイリスタ10のアノード端子Aに相当し、PNPトランジスタ111のベースが発光サイリスタ10のゲート端子Gに対応しており、該ゲート端子はNPNトランジスタ112のコレクタとも接続される。またPNPトランジスタ111のコレクタはNPNトランジスタ112のベースと接続され、NPNトランジスタ112のエミッタは発光サイリスタ10のカソード端子Kに相当している。
【0025】
なお、図2に示した発光サイリスタ10は、GaAsウェハー基材上にAlGaAs層を構成したものであるが、これに限定されるものではなく、GaP、GaAsP、AlGaInPといった材料を用いるものであってもよく、またはサファイヤ基板上にGaNやAlGaNといった材料を成膜したものであっても良い。
【0026】
次に実施例1の動作を説明する。図3は実施例1の点滅回路の動作を説明する回路図、図4は実施例1の点滅回路の動作を示すタイムチャートである。図3において、破線にて囲まれた19は電池等からなる電源VDDの内部をモデル化して示すもので、VDDは電池の電圧発生部、r0は前記電源の内部抵抗をモデル化して示している。なお図3においては、抵抗11〜14の抵抗値をR1、R2、R3、Rkとし、またコンデンサ15の容量値をCとして図中に記載している。
【0027】
また、発光サイリスタ10のアノード電位をVa、ゲート電位をVg、カソード電流をIkと記号している。さらに、抵抗11、12を流れる電流をI1とし、抵抗13を介してコンデンサ15に流れる充電電流をI2と記号して図中に記載している。また図4の上段波形の実線部は発光サイリスタ10のアノード電位波形であって、発光サイリスタ10のオフ状態、オン状態を反映して鋸波状に変化する。なお図中に記載したT1は発光サイリスタ10のオフ期間を示し、T2は発光サイリスタ10のオン期間を示している。
【0028】
いま、発光サイリスタ10のオフ状態においては、そのアノード端子の電流は略ゼロであるので破線矢印にて示した電流I2が抵抗13を介してコンデンサ15の充電電流となって流れ、該充電電流によりコンデンサ15の両端電位が上昇する。
【0029】
図4の上段波形の破線部は発光サイリスタ10のゲート電位波形であって、発光サイリスタ10のオフ状態には抵抗11と抵抗12とで電源電圧VDDを分圧する電位に維持され、発光サイリスタ10のオン状態においてはそのゲート・カソード電位差が略0Vとなるのに応じて急速に電位低下する波形となる。
【0030】
いま、発光サイリスタ10がオフ状態にあるとき、図4の上段に示すように、アノード電位Vaは上昇過程にあって、前記ゲート電位Vgを超えて図中に記載した閾値電圧Vt分だけ高い電位になったとする。閾値電圧Vtは図2で示した発光サイリスタ10のアノード・ゲート間電圧であって、図2(b)、図2(c)に示すアノード・ゲート間のPN接合の順電圧に相当するものである。
【0031】
このとき発光サイリスタ10のアノード端子からゲート端子を抜けて流れる電流を生じて、発光サイリスタ10はターンオンさせられる。これにより発光サイリスタ10のアノード電位は急激に低下させられて、コンデンサ15に充電されていた電荷は発光サイリスタ10のアノード、カソード、抵抗14を介する破線矢印Ikのループで放電させられる。
【0032】
この結果、図4の下段波形に示すように、期間T2において示すように放電電流Ikが流れ、それに応じてコンデンサ15の両端電圧が低下してアノード電位Vaが急激に低下する波形が得られる。放電によりコンデンサ15の蓄積電荷が略ゼロとなるに従い、発光サイリスタ10のアノード電流(これはカソード電流に略等しい)が略ゼロとなると、発光サイリスタ10はターンオフすることになる。上記した過程を繰り返すことで発光サイリスタ10には断続的に電流Ikを生じることになる。
【0033】
さて、図2を用いて説明したように、図3に示す発光サイリスタ10は、AlGaAsなどの発光材料を用いて構成されたものであり、オン状態においてアノード・カソード間に電流を流すことで、その電流値に応じた光出力を得ることができる。また、発光サイリスタ10のオフ状態においては、アノード・カソード間には電流が流れないので、発光サイリスタ10による発光はなく、この結果、発光サイリスタ10は前記アノード・カソード間の電流波形に応じた点滅動作が行われることになる。
【0034】
さて、図3において、コンデンサ15への充電電流のピーク値(I2peak)は電源電圧VDDと抵抗13の抵抗値R3とに応じて定まるものであって、
I2peak = VDD/(r0+R3)
と概算することができる。発光サイリスタ10の点滅周期が目視により判別できる程度にゆっくりである場合には、抵抗13の抵抗値R3およびコンデンサ15の容量値Cからなる時定数回路は大きな値となり、抵抗13の抵抗値R3も大きな値となって前記したピーク電流I2peakは小さくすることができる。
【0035】
一方、コンデンサ15の放電過程においては、図3に示すように、破線で示すIk電流のループで放電電流が流れる。該電流Ikは主としてコンデンサ15に蓄積されていた電荷によるものであって、19で示す電圧源から供給される電流とは異なる。なお19で示す電圧源から供給される電流は前記電流I1と電流I2を合計したものである。
【0036】
ここで、抵抗11および抵抗12を介して流れる電流I1は、抵抗11、12のそれぞれの抵抗値R1、R2から
I1=VDD/(R1+R2)
であるので、抵抗値R1、R2の値を大きく設定することで、抵抗11、12を介して流れる電流値を目的とするところに応じて無視しうる程度にまで小さくすることができる。
【0037】
この結果、電圧源19から供給される電流は微小な電流値であってもよく、またそのピーク値は著しく小さくすることができる。そのため、電源19が例えば乾電池であって、それが消耗した後にその内部抵抗r0が大きく増大したあとでも図3に示す点滅回路1においては点滅動作を継続することができ、前記乾電池の蓄積エネルギーを最大限に活用して長時間にわたって点滅させることが可能となるのである。
【0038】
以上詳細に説明したように、実施例1における点滅回路1においては、電圧源から供給される電流は微小な電流値であってもよく、またそのピーク値は著しく小さくすることができる。そのため、電源が例えば乾電池であって、それが消耗した後にその内部抵抗が大きく増大したあとでも実施例1に示した点滅回路1においては点滅動作を継続することができ、乾電池の蓄積エネルギーを最大限に活用して長時間にわたって点滅させることが可能となるのである。
【0039】
また、実施例1では、点滅回路1に要する能動素子は発光サイリスタ10のみでよく、別途半導体ICチップ等を準備する必要がなく、きわめて低コストで所望の点滅回路を構成することが可能になるという効果が得られる。
【実施例2】
【0040】
次に実施例2の点滅回路を説明する。図5は実施例2の点滅回路を示す回路図である。図5において、実施例2の点滅回路2には、三端子スイッチ素子としての発光サイリスタ20、抵抗21〜24およびコンデンサ25が設けられている。
【0041】
抵抗21、24の一端はそれぞれ電源VDDに接続され、抵抗21の他端は抵抗22の一端と発光サイリスタ20のゲート端子に接続されており、抵抗22の他端はグランドに接続される。抵抗24の他端は発光サイリスタ20のアノード端子と接続される。コンデンサ25の一端は電源VDDに接続され、コンデンサ25の他端は発光サイリスタ20のカソード端子と抵抗23の一端に接続され、抵抗23の他端はグランドに接続されている。
【0042】
即ち、発光サイリスタ20の第1端子であるアノード端子は、抵抗24を介して電源VDDに接続され、第2端子であるカソード端子はコンデンサ25と抵抗23との接続中心に接続され、第3端子であるゲート端子は抵抗21と抵抗22の直列回路の接続中心に接続されている。
【0043】
図6は図5で示した発光サイリスタ20の構成を示す図である。図6(a)は発光サイリスタ20の回路シンボルを示し、アノード端子A、カソード端子K、ゲート端子Gの三つの端子を備えている。図6(b)は図6(a)にて示した発光サイリスタの断面構造を示す図である。
【0044】
図6(b)にて示す発光サイリスタ20はGaAsウェハー基材を用い、公知のMO−CVD法により前記基材の上層に所定の結晶をエピタキシャル成長させることで作成される。まず、所定のバッファ層(図示しない)をエピタキシャル成長させた後、AlGaAs基材にN型不純物を含ませたN型層103と、P型不純物を含ませ成層したP型層102と、N型不純物を含ませたN型層101とを順に積層させたNPNの3層構造からなるウェハーを構成する。
【0045】
次いで、最上層のN型層101の一部に公知のフォトリソグラフィー法を用いて選択的にP型不純物領域104を形成する。さらに公知のドライエッチング法により溝部を形成することで素子分離を行う。また、前記エッチングの過程でサイリスタの最下層となるN型領域103の一部を露出させ、該領域103に金属配線を形成してカソード電極を形成する。それと同時にP型領域104とP型領域102にもそれぞれアノード電極とゲート電極が形成される。
【0046】
図6(c)は発光サイリスタの別の形態を示す。本構成においては、GaAsウェハー基材を用い、公知のMO−CVD法により前記基材の上層に所定の結晶をエピタキシャル成長させることで作成される。まず所定のバッファ層(図示しない)をエピタキシャル成長させた後、AlGaAs基材にN型不純物を含ませたN型層103と、P型不純物を含ませ成層したP型層102と、N型不純物を含ませたN型層101と、P型不純物を含ませ成層したP型層105を順に積層させたPNPNの4層構造のウェハーを構成する。
【0047】
さらに公知のドライエッチング法を用いて溝部を形成することで素子分離を行う。また前記エッチングの過程でサイリスタの最下層となるN型領域103の一部を露出させ、該領域103に金属配線を形成してカソード電極を形成する。同様に、最上層となるP型領域105の一部を露出させ、該領域105に金属配線を形成してアノード電極を形成する。それと同時にP型領域102の露出した部分にゲート電極が形成される。
【0048】
図6(d)は図6(b)、図6(c)と対比させて描いた発光サイリスタの等価回路である。発光サイリスタ20はPNPトランジスタ111とNPNトランジスタ112とからなり、PNPトランジスタ111のエミッタが発光サイリスタ20のアノード端子Aに相当し、NPNトランジスタ112のベースが発光サイリスタ20のゲート端子Gに対応しており、該端子はPNPトランジスタ111のコレクタとも接続される。またPNPトランジスタ111のベースはNPNトランジスタ112のコレクタと接続され、NPNトランジスタ112のエミッタは発光サイリスタ20のカソード端子Kに相当している。
【0049】
なお、図6で示した発光サイリスタ20はGaAsウェハー基材上にAlGaAs層を構成したものであるが、これに限定されるものではなく、GaP、GaAsP、AlGaInPといった材料を用いるものであってもよく、またはサファイヤ基板上にGaNやAlGaNといった材料を成膜したものであっても良い。
【0050】
次に実施例2の動作を説明する。図7は実施例2の点滅回路の動作を説明するための回路図、図8は実施例2の動作を示すタイムチャートである。図7において、破線にて囲まれた19は電池等からなる電源VDDの内部をモデル化して示すもので、VDDは電池の電圧発生部で、r0は前記電源の内部抵抗をモデル化して示している。
【0051】
図7において、抵抗21〜24の抵抗値をそれぞれR1、R2、R3、Raとし、コンデンサ25の容量値をCとして図中に記載している。また発光サイリスタ20のカソード電位をVk、ゲート電位をVg、アノード電流をIaと記号している。また抵抗21および抵抗22を流れる電流をI1とし、抵抗23を介してコンデンサ25に流れる充電電流をI2と記号して図中に記載している。
【0052】
図8の上段波形の実線部は発光サイリスタ20のカソード電位波形Vkであって、発光サイリスタ20のオフ状態、オン状態を反映して鋸波状に変化する。なお図中に記載したT1は発光サイリスタ20のオフ期間を示し、T2は発光サイリスタ20のオン期間を示している。いま、発光サイリスタ20のオフ状態においては、そのカソード端子の電流は略ゼロであるので、図7に破線矢印にて示した電流I2が抵抗23を介してコンデンサ25の充電電流となって流れ、該充電電流によりコンデンサ25の両端電圧が増加する。
【0053】
また、図8の上段波形の破線部は発光サイリスタ20のゲート電位波形Vgであって、発光サイリスタ20のオフ状態には抵抗21と22とで電源電圧VDDを分圧する電位に維持され、発光サイリスタ20のオン状態においては発光サイリスタ20のアノード・ゲート電位差が略0Vとなるのに応じて急速に電位上昇する波形となる。
【0054】
いま、発光サイリスタ20がオフ状態にあるとき、コンデンサ25への充電電流の変化に伴い、発光サイリスタ20のカソード電位Vkは下降過程にあって、前記ゲート電位Vgを下回って図中に記載した閾値電圧Vt分だけ低い電位となったとする。閾値電圧Vtは図6で示した発光サイリスタ20のアノード・ゲート間電圧であって、図6(b)、図6(c)に示すゲート・カソード間のPN接合の順電圧に相当するものである。
【0055】
このとき、発光サイリスタ20のゲート端子からカソード端子を抜けて流れる電流を生じて、該発光サイリスタ20はターンオンさせられる。これにより発光サイリスタ20のカソード電位Vkは急激に上昇させられて、コンデンサ25に充電されていた電荷は抵抗24、発光サイリスタ20のアノード、カソードを介して図7の破線矢印Iaのループで放電させられる。この結果、図8の下段波形に示すように、期間T2のように放電電流Iaが流れ、それに応じてコンデンサ25の両端電圧が低下してカソード電位Vkが急激に上昇する波形が得られる。
【0056】
前記放電によりコンデンサ25の蓄積電荷が略ゼロとなるに従い、発光サイリスタ20のアノード電流(これはカソード電流に略等しい)が略ゼロとなると、該発光サイリスタ20はターンオフすることになる。上記した過程を繰り返すことで、発光サイリスタ20には断続的に電流Iaを生じることになる。
【0057】
さて、図6を用いて説明したように、本実施例に用いられる発光サイリスタ20はAlGaAsなどの発光材料を用いて構成されたものであり、オン状態においてアノード・カソード間に電流を流すことで該電流値に応じた光出力を得ることができる。また発光サイリスタ20のオフ状態においてはアノード・カソード間には電流が流れないので、該発光サイリスタ20による発光はなく、この結果、発光サイリスタ20は前記アノード・カソード間の電流波形に応じた点滅動作が行われることになる。
【0058】
さて、図7において、コンデンサ25への充電電流のピーク値(I2peak)は電源電圧VDDと抵抗23の抵抗値R3とに応じて定まるものであって、
I2peak = VDD/(r0+R3)
と概算することができる。発光サイリスタの点滅周期が目視により判別できる程度にゆっくりである場合には、抵抗値R3、コンデンサ25の容量値Cからなる時定数回路は大きな値となり、抵抗値R3も大きな値となって前記した電流I2peakは小さくすることができる。
【0059】
一方、コンデンサ25の放電過程においては、図7で示したように、破線で示すIa電流のループで放電電流が流れ、該電流は主としてコンデンサ25に蓄積されていた電荷によるものであって、19で示す電圧源から供給される電流とは異なる。なお、19で示す電圧源から供給される電流は前記電流I1と電流I2とを合計したものである。ここで、抵抗21、22を介して流れる電流I1は、それぞれの抵抗値R1、R2から
I1=VDD/(R1+R2)
であるので、抵抗値R1、R2の値を大きく設定することで、それを介して流れる電流値を目的とするところに応じて無視しうる程度にまで小さくすることができる。
【0060】
この結果、電圧源19から供給される電流は微小な電流値であってもよく、またそのピーク値は著しく小さい。そのため、電源19が例えば乾電池であって、それが消耗した後にその内部抵抗r0が大きく増大したあとでも図7に示した点滅回路においては点滅動作を継続することができ、前記乾電池の蓄積エネルギーを最大限に活用して長時間にわたって点滅させることが可能となるのである。
【0061】
以上詳細に説明したように実施例2においては、発光サイリスタ20を使用した点滅回路において、電圧源から供給される電流は微小な電流値であってもよく、またそのピーク値は著しく小さくすることができる。そのため、電源が例えば乾電池であって、それが消耗した後にその内部抵抗が大きく増大したあとでも実施例2の点滅回路においては点滅動作を継続することができ、乾電池の蓄積エネルギーを最大限に活用して長時間にわたって点滅させることが可能となるのである。
【0062】
また、点滅回路に要する能動素子はサイリスタのみでよく、別途半導体ICチップ等を準備する必要がなく、きわめて低コストで所望の点滅回路を構成することが可能になるのである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
上記実施例1、2で説明した点滅回路1、2は、各種の電子機器のインジケータ、あるいはイルミネーション装置や警告用の保安装置に適用することができる。図9に多機能プリンタを示す。図9に示す多機能プリンタ(MFP)200はスキャナ部201とプリンタ部202を有し、スキャナ部201には操作パネル203が設けられ、操作パネル203にはインジケータ204が配設されている。またプリンタ部202にも操作パネル205が設けられ、この操作パネル205にもインジケータ206が配設されている。上記のインジケータ204、206に本発明の点滅回路を用いることにより、操作者への通知を行うことができる。
【0064】
また図10は自転車を示す側面図である。図10において、自転車300のリアフォーク部301には尾灯303が取付けられている。この尾灯303に、本発明に係る赤色光を発する発光サイリスタを用いた点滅回路を用いることにより、夜間に走行中に後続の車両等に自車の存在を知らせることができ、夜間等における交通事故を未然に防止することに役立つ。なお符号302で示すのは車輪のスポークである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例1の点滅回路を示す回路図である。
【図2】実施例1における発光サイリスタの構成を示す構成図である。
【図3】実施例1の点滅回路の動作を示す回路図である。
【図4】実施例1の点滅回路の動作を示すタイムチャートである。
【図5】実施例2の点滅回路を示す回路図である。
【図6】実施例2における発光サイリスタの構成を示す構成図である。
【図7】実施例2の点滅回路の動作を示す回路図である。
【図8】実施例2の点滅回路の動作を示すタイムチャートである。
【図9】多機能プリンタを示す斜視図である。
【図10】自転車を示す側面図である。
【図11】従来の非安定マルチバイブレータ回路を用いた点滅回路を示す回路図である。
【符号の説明】
【0066】
1、2 点滅回路
10、20 発光サイリスタ
11、12、13、14 抵抗
21、22、23、24 抵抗
15、25 コンデンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を点滅駆動する点滅回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子を点滅駆動する回路として、例えば非安定マルチバイブレータ回路がある。以下、図にしたがって説明する。図11は従来の非安定マルチバイブレータ回路を用いた点滅回路を示す。図11において、51〜54は抵抗、55はLED(発光ダイオード)、56、57はコンデンサ、58、59はNPNトランジスタ、61、62はダイオードである。
【0003】
抵抗51〜54の一端は電源VDDと接続され、抵抗51の他端はLED55のアノードと接続され、LED55のカソードはコンデンサ56の一端とトランジスタ58のコレクタと接続される。抵抗52の他端はコンデンサ56の他端に接続されるとともに、トランジスタ59のベースおよびダイオード62のカソードに接続される。抵抗53の他端はコンデンサ57の一端に接続されるとともに、トランジスタ58のベースおよびダイオード61のカソードに接続される。抵抗54の他端はコンデンサ57の他端に接続されるとともにトランジスタ59のコレクタと接続される。またトランジスタ58、59のエミッタおよびダイオード61、62のカソードはグランドに接続されている。
【0004】
次に動作を説明する。いま、トランジスタ58がオフで、トランジスタ59がオンであったとする。このとき、トランジスタ59のコレクタ電位は略0Vであり、抵抗54を介してコレクタ電流が流れる状態となっている。このとき、コンデンサ57には抵抗53を介して電源VDDから充電電流が流れ込み、コンデンサ57の他端は略0Vとなっているので、抵抗53の抵抗値とコンデンサ57の容量値で決まる時定数で充電されていく。
【0005】
このとき、コンデンサ57の充電電圧がトランジスタ58にベース電流を生じるレベルに達すると、トランジスタ58はオンしてコレクタ電位は略0Vとなって、コレクタ電流を生じ、LED55には電源VDD、抵抗51を介して流れる順電流を生じる。この順電流によりLED55は点灯する。このとき、トランジスタ58のコレクタ電位が略0Vにまで低下することで、コンデンサ56に充電されていた電荷はダイオード62を介して放電され、しかるのちコンデンサ56は抵抗52を介して電源VDDから充電されていく。これに伴いトランジスタ59のベース電位が所定電圧に達すると再び該トランジスタ59はオンとなる。
【0006】
このようにして、図11の回路のトランジスタ58がオンのとき、トランジスタ59はオフで、トランジスタ59がオンとなるとトランジスタ58はオフになるというように、交互にオン、オフ状態が入れ替わりつつ反転することで発振することになる。これに伴い、トランジスタ58のコレクタに接続されているLED55には断続的に順電流を生じ、LED55は所定周期で点滅動作を行う。
【0007】
このような非安定マルチバイブレータ回路を用いた点滅回路を開示するものとして、例えば、特開平6−268485号公報が挙げられる。
【特許文献1】特開平6−268485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、図11に示す従来の点滅回路においては、トランジスタ58がオンのときトランジスタ59はオフ、トランジスタ59がオンとなるとトランジスタ58はオフになるというように、交互にオン状態、オフ状態が入れ替わりつつ反転して発振することになり、これに伴い、トランジスタ58のコレクタに接続されているLED55には断続的に順電流を生じ、LED55は所定周期で点滅動作を行うのであるが、LED55の点灯状態においてはその駆動電流は抵抗51を介して電源VDDから供給されており、それに加えてLED55の消灯状態においてもトランジスタ59はオン状態になっているので、抵抗54を介して電源VDDからコレクタ電流が供給されている。
【0009】
このように電源VDDからみると、LED55の点灯、消灯の状態に無関係に、常にLED55の順電流を超えるような電源電流を生じており、その結果、消費電流が大きいものとなってしまうという問題があった。
【0010】
また、電源VDDとして乾電池やバッテリーといった限られた電気容量しか備えないものを用いる場合には、電源VDDの電池はLED駆動時の順電流や消灯時にも流れ続ける無効電流を負担することで消耗が激しくなってしまい、長時間動作をさせることができないという問題があった。それに加えて、LEDの点灯状態においてはその順電流は電池から供給されるので、電池が消耗してその内部抵抗が増加したときに前記順電流を供給しようとすると電池電圧が低下してしまい、LED点滅回路の動作を継続することができなくなって、電池の容量すべてを使い切ることができないという問題もあった。
【0011】
なお前述した図11に示す従来の点滅回路は、トランジスタ、抵抗、コンデンサといった個別部品を用いて構成する場合の例を示したが、シリコンICチップを用いて集積化された駆動回路を用いる構成も可能である。この場合にはアナログ回路的な動作を行う発振回路を用い、発振回路で作成されたクロック信号をもとにカウンタ回路等のデジタル回路を用いて所定周期でのLED駆動を行うことになる。
【0012】
このように、従来構成の点滅回路においては、発光素子であるLED以外の部品点数が多く必要であったり、シリコンICチップを用いた専用の駆動ICを用いる必要があったりするなど、点滅回路を備えた点滅装置を低コストで実現するうえでの制約となっていた。
【0013】
本発明は、消費電力を少なくするとともに、部品点数を少なくすることで低コスト化を図った点滅回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明の点滅回路は、電力を供給する電源部と、前記電源部から電力を供給されることにより充電を行う充電部と、前記充電部における電圧が所定の値に達すると発光素子に電流が流れる発光素子回路とを設け、前記発光素子回路に電流が流れることにより前記充電部が放電されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
上記構成を有する本発明に拠れば、発光素子を点灯させるための電流は充電部に充電されたものを使用するので、電源部から供給される電流は微小なものでよい。また本発明の点滅回路に要する能動素子は発光素子のみでよいので、別途半導体チップ等を備える必要がなく、低コストの回路を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。なお各図に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明の実施例1に係る点滅回路を示す回路図である。
【実施例1】
【0017】
図1において、1は点滅回路で、点滅回路1には、三端子スイッチ素子としての発光サイリスタ10、抵抗11〜14、コンデンサ15が設けられている。抵抗11、13の一端は電源VDDと接続され、抵抗13の他端はコンデンサ15の一端と発光サイリスタ10のアノードに接続されており、コンデンサ15の他端はグランドと接続される。抵抗11の他端は抵抗12の一端と発光サイリスタ10のゲート端子に接続される。抵抗12の他端はグランドに接続される。発光サイリスタ10のカソードは抵抗14を介してグランドに接続されている。
【0018】
即ち、発光サイリスタ10の第1端子であるアノード端子は、抵抗13を介して電源VDDに接続されるとともにコンデンサ15を介してグランドに接続され、第2端子であるカソード端子は抵抗14を介してグランドに接続され、第3端子であるゲート端子は抵抗11と抵抗12の直列回路の接続中心に接続されている。
【0019】
図2は図1で示した発光サイリスタ10の構成を示す構成図である。図2(a)は回路シンボルを示し、発光サイリスタ10はアノード端子A、カソード端子K、ゲート端子Gの三つの端子を備えていることを示す。
【0020】
図2(b)は発光サイリスタの断面構造を示す図である。本図にて示す発光サイリスタ10はGaAsウェハー基材を用い、公知のMO−CVD(Metal Organic-Chemical Vapor Deposition)法により前記基材の上層に所定の結晶をエピタキシャル成長させることで作成される。まず、所定のバッファ層(図示しない)をエピタキシャル成長させた後、AlGaAs基材にN型不純物を含ませたN型層103と、P型不純物を含ませ成層したP型層102と、N型不純物を含ませたN型層101とを順に積層させたNPNの3層構造からなるウェハーを構成する。
【0021】
次いで、最上層のN型層101の一部に公知のフォトリソグラフィー法を用いて選択的にP型不純物領域104を形成する。さらに、公知のドライエッチング法により溝部を形成することで素子分離を行う。また、前記エッチングの過程でサイリスタの最下層となるN型層103の一部を露出させ、該領域103に金属配線を形成してカソード電極を形成する。それと同時にP型領域104とN型領域101にもそれぞれアノード電極とゲート電極が形成される。
【0022】
図2(c)は発光サイリスタの別の形態を示す。図2(c)の構成においては、GaAsウェハー基材を用い、公知のMO−CVD法により前記基材の上層に所定の結晶をエピタキシャル成長させることで作成される。まず所定のバッファ層(図示しない)をエピタキシャル成長させた後、AlGaAs基材にN型不純物を含ませたN型層103と、P型不純物を含ませ成層したP型層102と、N型不純物を含ませたN型層101と、P型不純物を含ませ成層したP型層105を順に積層させたPNPNの4層構造のウェハーを構成する。
【0023】
さらに公知のドライエッチング法を用いて溝部を形成することで素子分離を行う。また前記エッチングの過程でサイリスタの最下層となるN型領域103の一部を露出させ、該領域103に金属配線を形成してカソード電極を形成する。同様に、最上層となるP型領域105の一部を露出させ、該領域105に金属配線を形成してアノード電極を形成する。それと同時にN型領域101にゲート電極が形成される。
【0024】
図2(d)は図2(b)および図2(c)と対比させて描いた発光サイリスタの等価回路である。発光サイリスタ10はPNPトランジスタ111とNPNトランジスタ112とからなり、PNPトランジスタ111のエミッタが発光サイリスタ10のアノード端子Aに相当し、PNPトランジスタ111のベースが発光サイリスタ10のゲート端子Gに対応しており、該ゲート端子はNPNトランジスタ112のコレクタとも接続される。またPNPトランジスタ111のコレクタはNPNトランジスタ112のベースと接続され、NPNトランジスタ112のエミッタは発光サイリスタ10のカソード端子Kに相当している。
【0025】
なお、図2に示した発光サイリスタ10は、GaAsウェハー基材上にAlGaAs層を構成したものであるが、これに限定されるものではなく、GaP、GaAsP、AlGaInPといった材料を用いるものであってもよく、またはサファイヤ基板上にGaNやAlGaNといった材料を成膜したものであっても良い。
【0026】
次に実施例1の動作を説明する。図3は実施例1の点滅回路の動作を説明する回路図、図4は実施例1の点滅回路の動作を示すタイムチャートである。図3において、破線にて囲まれた19は電池等からなる電源VDDの内部をモデル化して示すもので、VDDは電池の電圧発生部、r0は前記電源の内部抵抗をモデル化して示している。なお図3においては、抵抗11〜14の抵抗値をR1、R2、R3、Rkとし、またコンデンサ15の容量値をCとして図中に記載している。
【0027】
また、発光サイリスタ10のアノード電位をVa、ゲート電位をVg、カソード電流をIkと記号している。さらに、抵抗11、12を流れる電流をI1とし、抵抗13を介してコンデンサ15に流れる充電電流をI2と記号して図中に記載している。また図4の上段波形の実線部は発光サイリスタ10のアノード電位波形であって、発光サイリスタ10のオフ状態、オン状態を反映して鋸波状に変化する。なお図中に記載したT1は発光サイリスタ10のオフ期間を示し、T2は発光サイリスタ10のオン期間を示している。
【0028】
いま、発光サイリスタ10のオフ状態においては、そのアノード端子の電流は略ゼロであるので破線矢印にて示した電流I2が抵抗13を介してコンデンサ15の充電電流となって流れ、該充電電流によりコンデンサ15の両端電位が上昇する。
【0029】
図4の上段波形の破線部は発光サイリスタ10のゲート電位波形であって、発光サイリスタ10のオフ状態には抵抗11と抵抗12とで電源電圧VDDを分圧する電位に維持され、発光サイリスタ10のオン状態においてはそのゲート・カソード電位差が略0Vとなるのに応じて急速に電位低下する波形となる。
【0030】
いま、発光サイリスタ10がオフ状態にあるとき、図4の上段に示すように、アノード電位Vaは上昇過程にあって、前記ゲート電位Vgを超えて図中に記載した閾値電圧Vt分だけ高い電位になったとする。閾値電圧Vtは図2で示した発光サイリスタ10のアノード・ゲート間電圧であって、図2(b)、図2(c)に示すアノード・ゲート間のPN接合の順電圧に相当するものである。
【0031】
このとき発光サイリスタ10のアノード端子からゲート端子を抜けて流れる電流を生じて、発光サイリスタ10はターンオンさせられる。これにより発光サイリスタ10のアノード電位は急激に低下させられて、コンデンサ15に充電されていた電荷は発光サイリスタ10のアノード、カソード、抵抗14を介する破線矢印Ikのループで放電させられる。
【0032】
この結果、図4の下段波形に示すように、期間T2において示すように放電電流Ikが流れ、それに応じてコンデンサ15の両端電圧が低下してアノード電位Vaが急激に低下する波形が得られる。放電によりコンデンサ15の蓄積電荷が略ゼロとなるに従い、発光サイリスタ10のアノード電流(これはカソード電流に略等しい)が略ゼロとなると、発光サイリスタ10はターンオフすることになる。上記した過程を繰り返すことで発光サイリスタ10には断続的に電流Ikを生じることになる。
【0033】
さて、図2を用いて説明したように、図3に示す発光サイリスタ10は、AlGaAsなどの発光材料を用いて構成されたものであり、オン状態においてアノード・カソード間に電流を流すことで、その電流値に応じた光出力を得ることができる。また、発光サイリスタ10のオフ状態においては、アノード・カソード間には電流が流れないので、発光サイリスタ10による発光はなく、この結果、発光サイリスタ10は前記アノード・カソード間の電流波形に応じた点滅動作が行われることになる。
【0034】
さて、図3において、コンデンサ15への充電電流のピーク値(I2peak)は電源電圧VDDと抵抗13の抵抗値R3とに応じて定まるものであって、
I2peak = VDD/(r0+R3)
と概算することができる。発光サイリスタ10の点滅周期が目視により判別できる程度にゆっくりである場合には、抵抗13の抵抗値R3およびコンデンサ15の容量値Cからなる時定数回路は大きな値となり、抵抗13の抵抗値R3も大きな値となって前記したピーク電流I2peakは小さくすることができる。
【0035】
一方、コンデンサ15の放電過程においては、図3に示すように、破線で示すIk電流のループで放電電流が流れる。該電流Ikは主としてコンデンサ15に蓄積されていた電荷によるものであって、19で示す電圧源から供給される電流とは異なる。なお19で示す電圧源から供給される電流は前記電流I1と電流I2を合計したものである。
【0036】
ここで、抵抗11および抵抗12を介して流れる電流I1は、抵抗11、12のそれぞれの抵抗値R1、R2から
I1=VDD/(R1+R2)
であるので、抵抗値R1、R2の値を大きく設定することで、抵抗11、12を介して流れる電流値を目的とするところに応じて無視しうる程度にまで小さくすることができる。
【0037】
この結果、電圧源19から供給される電流は微小な電流値であってもよく、またそのピーク値は著しく小さくすることができる。そのため、電源19が例えば乾電池であって、それが消耗した後にその内部抵抗r0が大きく増大したあとでも図3に示す点滅回路1においては点滅動作を継続することができ、前記乾電池の蓄積エネルギーを最大限に活用して長時間にわたって点滅させることが可能となるのである。
【0038】
以上詳細に説明したように、実施例1における点滅回路1においては、電圧源から供給される電流は微小な電流値であってもよく、またそのピーク値は著しく小さくすることができる。そのため、電源が例えば乾電池であって、それが消耗した後にその内部抵抗が大きく増大したあとでも実施例1に示した点滅回路1においては点滅動作を継続することができ、乾電池の蓄積エネルギーを最大限に活用して長時間にわたって点滅させることが可能となるのである。
【0039】
また、実施例1では、点滅回路1に要する能動素子は発光サイリスタ10のみでよく、別途半導体ICチップ等を準備する必要がなく、きわめて低コストで所望の点滅回路を構成することが可能になるという効果が得られる。
【実施例2】
【0040】
次に実施例2の点滅回路を説明する。図5は実施例2の点滅回路を示す回路図である。図5において、実施例2の点滅回路2には、三端子スイッチ素子としての発光サイリスタ20、抵抗21〜24およびコンデンサ25が設けられている。
【0041】
抵抗21、24の一端はそれぞれ電源VDDに接続され、抵抗21の他端は抵抗22の一端と発光サイリスタ20のゲート端子に接続されており、抵抗22の他端はグランドに接続される。抵抗24の他端は発光サイリスタ20のアノード端子と接続される。コンデンサ25の一端は電源VDDに接続され、コンデンサ25の他端は発光サイリスタ20のカソード端子と抵抗23の一端に接続され、抵抗23の他端はグランドに接続されている。
【0042】
即ち、発光サイリスタ20の第1端子であるアノード端子は、抵抗24を介して電源VDDに接続され、第2端子であるカソード端子はコンデンサ25と抵抗23との接続中心に接続され、第3端子であるゲート端子は抵抗21と抵抗22の直列回路の接続中心に接続されている。
【0043】
図6は図5で示した発光サイリスタ20の構成を示す図である。図6(a)は発光サイリスタ20の回路シンボルを示し、アノード端子A、カソード端子K、ゲート端子Gの三つの端子を備えている。図6(b)は図6(a)にて示した発光サイリスタの断面構造を示す図である。
【0044】
図6(b)にて示す発光サイリスタ20はGaAsウェハー基材を用い、公知のMO−CVD法により前記基材の上層に所定の結晶をエピタキシャル成長させることで作成される。まず、所定のバッファ層(図示しない)をエピタキシャル成長させた後、AlGaAs基材にN型不純物を含ませたN型層103と、P型不純物を含ませ成層したP型層102と、N型不純物を含ませたN型層101とを順に積層させたNPNの3層構造からなるウェハーを構成する。
【0045】
次いで、最上層のN型層101の一部に公知のフォトリソグラフィー法を用いて選択的にP型不純物領域104を形成する。さらに公知のドライエッチング法により溝部を形成することで素子分離を行う。また、前記エッチングの過程でサイリスタの最下層となるN型領域103の一部を露出させ、該領域103に金属配線を形成してカソード電極を形成する。それと同時にP型領域104とP型領域102にもそれぞれアノード電極とゲート電極が形成される。
【0046】
図6(c)は発光サイリスタの別の形態を示す。本構成においては、GaAsウェハー基材を用い、公知のMO−CVD法により前記基材の上層に所定の結晶をエピタキシャル成長させることで作成される。まず所定のバッファ層(図示しない)をエピタキシャル成長させた後、AlGaAs基材にN型不純物を含ませたN型層103と、P型不純物を含ませ成層したP型層102と、N型不純物を含ませたN型層101と、P型不純物を含ませ成層したP型層105を順に積層させたPNPNの4層構造のウェハーを構成する。
【0047】
さらに公知のドライエッチング法を用いて溝部を形成することで素子分離を行う。また前記エッチングの過程でサイリスタの最下層となるN型領域103の一部を露出させ、該領域103に金属配線を形成してカソード電極を形成する。同様に、最上層となるP型領域105の一部を露出させ、該領域105に金属配線を形成してアノード電極を形成する。それと同時にP型領域102の露出した部分にゲート電極が形成される。
【0048】
図6(d)は図6(b)、図6(c)と対比させて描いた発光サイリスタの等価回路である。発光サイリスタ20はPNPトランジスタ111とNPNトランジスタ112とからなり、PNPトランジスタ111のエミッタが発光サイリスタ20のアノード端子Aに相当し、NPNトランジスタ112のベースが発光サイリスタ20のゲート端子Gに対応しており、該端子はPNPトランジスタ111のコレクタとも接続される。またPNPトランジスタ111のベースはNPNトランジスタ112のコレクタと接続され、NPNトランジスタ112のエミッタは発光サイリスタ20のカソード端子Kに相当している。
【0049】
なお、図6で示した発光サイリスタ20はGaAsウェハー基材上にAlGaAs層を構成したものであるが、これに限定されるものではなく、GaP、GaAsP、AlGaInPといった材料を用いるものであってもよく、またはサファイヤ基板上にGaNやAlGaNといった材料を成膜したものであっても良い。
【0050】
次に実施例2の動作を説明する。図7は実施例2の点滅回路の動作を説明するための回路図、図8は実施例2の動作を示すタイムチャートである。図7において、破線にて囲まれた19は電池等からなる電源VDDの内部をモデル化して示すもので、VDDは電池の電圧発生部で、r0は前記電源の内部抵抗をモデル化して示している。
【0051】
図7において、抵抗21〜24の抵抗値をそれぞれR1、R2、R3、Raとし、コンデンサ25の容量値をCとして図中に記載している。また発光サイリスタ20のカソード電位をVk、ゲート電位をVg、アノード電流をIaと記号している。また抵抗21および抵抗22を流れる電流をI1とし、抵抗23を介してコンデンサ25に流れる充電電流をI2と記号して図中に記載している。
【0052】
図8の上段波形の実線部は発光サイリスタ20のカソード電位波形Vkであって、発光サイリスタ20のオフ状態、オン状態を反映して鋸波状に変化する。なお図中に記載したT1は発光サイリスタ20のオフ期間を示し、T2は発光サイリスタ20のオン期間を示している。いま、発光サイリスタ20のオフ状態においては、そのカソード端子の電流は略ゼロであるので、図7に破線矢印にて示した電流I2が抵抗23を介してコンデンサ25の充電電流となって流れ、該充電電流によりコンデンサ25の両端電圧が増加する。
【0053】
また、図8の上段波形の破線部は発光サイリスタ20のゲート電位波形Vgであって、発光サイリスタ20のオフ状態には抵抗21と22とで電源電圧VDDを分圧する電位に維持され、発光サイリスタ20のオン状態においては発光サイリスタ20のアノード・ゲート電位差が略0Vとなるのに応じて急速に電位上昇する波形となる。
【0054】
いま、発光サイリスタ20がオフ状態にあるとき、コンデンサ25への充電電流の変化に伴い、発光サイリスタ20のカソード電位Vkは下降過程にあって、前記ゲート電位Vgを下回って図中に記載した閾値電圧Vt分だけ低い電位となったとする。閾値電圧Vtは図6で示した発光サイリスタ20のアノード・ゲート間電圧であって、図6(b)、図6(c)に示すゲート・カソード間のPN接合の順電圧に相当するものである。
【0055】
このとき、発光サイリスタ20のゲート端子からカソード端子を抜けて流れる電流を生じて、該発光サイリスタ20はターンオンさせられる。これにより発光サイリスタ20のカソード電位Vkは急激に上昇させられて、コンデンサ25に充電されていた電荷は抵抗24、発光サイリスタ20のアノード、カソードを介して図7の破線矢印Iaのループで放電させられる。この結果、図8の下段波形に示すように、期間T2のように放電電流Iaが流れ、それに応じてコンデンサ25の両端電圧が低下してカソード電位Vkが急激に上昇する波形が得られる。
【0056】
前記放電によりコンデンサ25の蓄積電荷が略ゼロとなるに従い、発光サイリスタ20のアノード電流(これはカソード電流に略等しい)が略ゼロとなると、該発光サイリスタ20はターンオフすることになる。上記した過程を繰り返すことで、発光サイリスタ20には断続的に電流Iaを生じることになる。
【0057】
さて、図6を用いて説明したように、本実施例に用いられる発光サイリスタ20はAlGaAsなどの発光材料を用いて構成されたものであり、オン状態においてアノード・カソード間に電流を流すことで該電流値に応じた光出力を得ることができる。また発光サイリスタ20のオフ状態においてはアノード・カソード間には電流が流れないので、該発光サイリスタ20による発光はなく、この結果、発光サイリスタ20は前記アノード・カソード間の電流波形に応じた点滅動作が行われることになる。
【0058】
さて、図7において、コンデンサ25への充電電流のピーク値(I2peak)は電源電圧VDDと抵抗23の抵抗値R3とに応じて定まるものであって、
I2peak = VDD/(r0+R3)
と概算することができる。発光サイリスタの点滅周期が目視により判別できる程度にゆっくりである場合には、抵抗値R3、コンデンサ25の容量値Cからなる時定数回路は大きな値となり、抵抗値R3も大きな値となって前記した電流I2peakは小さくすることができる。
【0059】
一方、コンデンサ25の放電過程においては、図7で示したように、破線で示すIa電流のループで放電電流が流れ、該電流は主としてコンデンサ25に蓄積されていた電荷によるものであって、19で示す電圧源から供給される電流とは異なる。なお、19で示す電圧源から供給される電流は前記電流I1と電流I2とを合計したものである。ここで、抵抗21、22を介して流れる電流I1は、それぞれの抵抗値R1、R2から
I1=VDD/(R1+R2)
であるので、抵抗値R1、R2の値を大きく設定することで、それを介して流れる電流値を目的とするところに応じて無視しうる程度にまで小さくすることができる。
【0060】
この結果、電圧源19から供給される電流は微小な電流値であってもよく、またそのピーク値は著しく小さい。そのため、電源19が例えば乾電池であって、それが消耗した後にその内部抵抗r0が大きく増大したあとでも図7に示した点滅回路においては点滅動作を継続することができ、前記乾電池の蓄積エネルギーを最大限に活用して長時間にわたって点滅させることが可能となるのである。
【0061】
以上詳細に説明したように実施例2においては、発光サイリスタ20を使用した点滅回路において、電圧源から供給される電流は微小な電流値であってもよく、またそのピーク値は著しく小さくすることができる。そのため、電源が例えば乾電池であって、それが消耗した後にその内部抵抗が大きく増大したあとでも実施例2の点滅回路においては点滅動作を継続することができ、乾電池の蓄積エネルギーを最大限に活用して長時間にわたって点滅させることが可能となるのである。
【0062】
また、点滅回路に要する能動素子はサイリスタのみでよく、別途半導体ICチップ等を準備する必要がなく、きわめて低コストで所望の点滅回路を構成することが可能になるのである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
上記実施例1、2で説明した点滅回路1、2は、各種の電子機器のインジケータ、あるいはイルミネーション装置や警告用の保安装置に適用することができる。図9に多機能プリンタを示す。図9に示す多機能プリンタ(MFP)200はスキャナ部201とプリンタ部202を有し、スキャナ部201には操作パネル203が設けられ、操作パネル203にはインジケータ204が配設されている。またプリンタ部202にも操作パネル205が設けられ、この操作パネル205にもインジケータ206が配設されている。上記のインジケータ204、206に本発明の点滅回路を用いることにより、操作者への通知を行うことができる。
【0064】
また図10は自転車を示す側面図である。図10において、自転車300のリアフォーク部301には尾灯303が取付けられている。この尾灯303に、本発明に係る赤色光を発する発光サイリスタを用いた点滅回路を用いることにより、夜間に走行中に後続の車両等に自車の存在を知らせることができ、夜間等における交通事故を未然に防止することに役立つ。なお符号302で示すのは車輪のスポークである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例1の点滅回路を示す回路図である。
【図2】実施例1における発光サイリスタの構成を示す構成図である。
【図3】実施例1の点滅回路の動作を示す回路図である。
【図4】実施例1の点滅回路の動作を示すタイムチャートである。
【図5】実施例2の点滅回路を示す回路図である。
【図6】実施例2における発光サイリスタの構成を示す構成図である。
【図7】実施例2の点滅回路の動作を示す回路図である。
【図8】実施例2の点滅回路の動作を示すタイムチャートである。
【図9】多機能プリンタを示す斜視図である。
【図10】自転車を示す側面図である。
【図11】従来の非安定マルチバイブレータ回路を用いた点滅回路を示す回路図である。
【符号の説明】
【0066】
1、2 点滅回路
10、20 発光サイリスタ
11、12、13、14 抵抗
21、22、23、24 抵抗
15、25 コンデンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を供給する電源部と、
前記電源部から電力を供給されることにより充電を行う充電部と、
前記充電部における電圧が所定の値に達すると発光素子に電流が流れる発光素子回路とを設け、
前記発光素子回路に電流が流れることにより前記充電部が放電されることを特徴とする点滅回路。
【請求項2】
前記充電部はコンデンサを有する請求項1記載の点滅回路。
【請求項3】
前記発光素子回路は発光サイリスタを有する請求項2記載の点滅回路。
【請求項4】
前記発光サイリスタのアノード端子は前記コンデンサの一端側に接続され、前記発光サイリスタのカソード端子は前記コンデンサの他端側に接続される請求項3記載の点滅回路。
【請求項5】
電源と、
発光機能を有する三端子スイッチ素子と、
抵抗を介して前記電源に接続されたコンデンサとを具備し、
前記三端子スイッチ素子の第1端子は抵抗を介して前記電源に接続されるとともに前記コンデンサを介してグランドに接続され、第2端子は抵抗を介してグランドに接続され、第3端子は抵抗の直列回路の接続中心に接続されることを特徴とする点滅回路。
【請求項6】
電源と、
発光機能を有する三端子スイッチ素子と、
前記電源に接続されたコンデンサとを具備し、
前記コンデンサはグランドに接続された抵抗に接続され、
前記三端子スイッチ素子の第1端子は前記電源に接続され、第2端子は前記コンデンサと前記抵抗との接続中心に接続され、第3端子は抵抗の直列回路の接続中心に接続されることを特徴とする点滅回路。
【請求項7】
前記三端子スイッチ素子は発光サイリスタであり、前記第1端子はアノード端子、前記第2端子はカソード端子、前記第3端子はゲート端子である請求項6記載の点滅回路。
【請求項1】
電力を供給する電源部と、
前記電源部から電力を供給されることにより充電を行う充電部と、
前記充電部における電圧が所定の値に達すると発光素子に電流が流れる発光素子回路とを設け、
前記発光素子回路に電流が流れることにより前記充電部が放電されることを特徴とする点滅回路。
【請求項2】
前記充電部はコンデンサを有する請求項1記載の点滅回路。
【請求項3】
前記発光素子回路は発光サイリスタを有する請求項2記載の点滅回路。
【請求項4】
前記発光サイリスタのアノード端子は前記コンデンサの一端側に接続され、前記発光サイリスタのカソード端子は前記コンデンサの他端側に接続される請求項3記載の点滅回路。
【請求項5】
電源と、
発光機能を有する三端子スイッチ素子と、
抵抗を介して前記電源に接続されたコンデンサとを具備し、
前記三端子スイッチ素子の第1端子は抵抗を介して前記電源に接続されるとともに前記コンデンサを介してグランドに接続され、第2端子は抵抗を介してグランドに接続され、第3端子は抵抗の直列回路の接続中心に接続されることを特徴とする点滅回路。
【請求項6】
電源と、
発光機能を有する三端子スイッチ素子と、
前記電源に接続されたコンデンサとを具備し、
前記コンデンサはグランドに接続された抵抗に接続され、
前記三端子スイッチ素子の第1端子は前記電源に接続され、第2端子は前記コンデンサと前記抵抗との接続中心に接続され、第3端子は抵抗の直列回路の接続中心に接続されることを特徴とする点滅回路。
【請求項7】
前記三端子スイッチ素子は発光サイリスタであり、前記第1端子はアノード端子、前記第2端子はカソード端子、前記第3端子はゲート端子である請求項6記載の点滅回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−81336(P2010−81336A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248011(P2008−248011)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(500002571)株式会社沖デジタルイメージング (186)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(500002571)株式会社沖デジタルイメージング (186)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]