説明

無機質球状化粒子製造用バーナ、無機質球状化粒子製造装置、及び無機質球状化粒子の製造方法

【課題】本発明は、平均粒度が3μm以下の無機質球状化粒子を効率良く生成することの可能な無機質球状化粒子製造用バーナ、無機質球状化粒子製造装置、及び無機質球状化粒子の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】燃焼室Cの入口側に位置する噴出面34の中心に配置され、燃焼室Cに無機質原料粉体を含む原料スラリーを噴出する原料噴出孔31Bと、原料噴出孔31Bの外側に位置する噴出面34に配置され、燃焼室C内に原料スラリーを分散させる噴霧流体を噴出する噴霧流体噴出部32Bと、噴霧流体噴出部32Bよりも外側の位置に複数設けられ、燃料室Cに燃料ガスを噴出する燃料ガス噴出孔33Bと、燃料ガス噴出孔33Bよりも外側の位置に複数設けられ、燃料室Cに支燃性ガスを噴出する第1及び第2の支燃性ガス噴出孔35B,38と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機質球状化粒子製造用バーナ、該無機質球状化粒子製造用バーナを備えた無機質球状化粒子製造装置、及び該無機質球状化粒子製造装置を用いた無機質球状化粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無機質原料粉体を火炎により溶融させることで、無機質球状化粒子を製造することが行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
このような無機質球状化粒子を製造する際には、無機質球状化粒子製造用バーナの先端において形成される火炎(燃料ガス及び支燃性ガスの燃焼により形成される火炎)により無機質原料粉体を溶融することが行われる。
【0003】
図4は、特許文献2に開示された従来の無機質球状化粒子製造用バーナの断面図である。
この無機質球状化粒子製造用バーナ100は、中心に配置された原料粉体供給路101から酸素ガス或いは酸素富化ガスを搬送ガスとして原料粉体を、原料噴出孔102を介して、燃焼室103に供給し、原料噴出孔102の外周から燃料ガスを、更にその外周から1次酸素と2次酸素を供給するように形成され、最外周には、バーナを冷却する冷却水ジャケットが設けられている。
【0004】
図5は、特許文献3に開示された従来の無機質球状化粒子製造装置の概略構成を示す図である。
この無機質球状化粒子製造装置110は、原料粉体が通常のフィーダーAから切り出され、経路A’から供給されるキャリアガスに同伴されて酸素・ガス燃焼バーナBに搬送される。この、酸素・ガス燃焼バーナBには、酸素供給設備Cからの酸素と、LPG供給設備Dからの燃焼ガスとが供給されており、炉E内の火炎中で球状化された粒子は、経路Fから炉Eに導入された空気により温度希釈され、後段のサイクロンGや、バグフィルターHで回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭58−145613号公報
【特許文献2】特許第3312228号公報
【特許文献3】特許第3331491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、無機質原料粉体を生成する方法としては、ボールミルやジェットミル等を用いた乾式粉砕法と、湿式粉砕法とがある。乾式粉砕法を用いた場合、平均粒度が3μm以下の無機質原料粉体を生成することは困難である。
一方、湿式粉砕法を用いた場合、平均粒度が3μm以下の無機質原料粉体を生成することが可能である。
【0007】
よって、平均粒度が3μm以下の無機質球状化粒子を生成させたい場合、湿式粉砕法による原料を用いる必要がある。この原料を、例えば、図4に示したバーナを用いて処理することを考える。
【0008】
図4に示した従来のバーナは、キャリアガスで無機質原料粉体を搬送するものであり、同じ孔からキャリアガス及び無機質原料粉体を噴出させている。そのため、湿式粉砕法による湿度の高い無機質原料粉体を用いると、火炎中で十分に分散させることが困難となり、凝集して融着した粒子が生成されてしまうという問題があった。
【0009】
そこで、湿式粉砕法による無機質原料粉体を使用する場合、球状化処理を行なう前に、湿度の高い無機質原料粉体を乾燥及び解砕する必要があった。このため、製造工程が煩雑になってしまうという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、無機質球状化粒子の製造工程を煩雑にすることなく、平均粒度が3μm以下の無機質球状化粒子を効率良く生成することの可能な無機質球状化粒子製造用バーナ、無機質球状化粒子製造装置、及び無機質球状化粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、出口側が拡径した燃焼室と、前記燃焼室により露出され、前記燃焼室の入口側に配置された噴出面と、前記噴出面の中心に配置され、前記燃焼室に無機質原料粉体を含む原料スラリーを噴出する原料噴出孔と、前記原料噴出孔の外側に位置する前記噴出面に配置され、前記燃焼室内に前記原料スラリーを分散させる噴霧流体を噴出する噴霧流体噴出部と、前記噴霧流体噴出部よりも外側の位置に複数設けられ、前記燃料室に燃料ガスを噴出する燃料ガス噴出孔と、前記燃料ガス噴出孔よりも外側の位置に複数設けられ、前記燃料室に支燃性ガスを噴出する支燃性ガス噴出孔と、を有することを特徴とする無機質球状化粒子製造用バーナが提供される。
【0012】
また、請求項2に係る発明によれば、前記噴霧流体噴出部は、前記原料噴出孔を連続して囲む溝であることを特徴とする請求項1記載の無機質球状化粒子製造用バーナが提供される。
【0013】
また、請求項3に係る発明によれば、前記噴霧流体は、酸素、空気、窒素のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の無機質球状化粒子製造用バーナが提供される。
【0014】
また、請求項4に係る発明によれば、前記噴霧流体噴出部、複数の前記燃料ガス噴出孔、及び複数の前記支燃性ガス噴出孔を、前記噴出面の中心に対して同心円状に配置したことを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナが提供される。
【0015】
また、請求項5に係る発明によれば、前記支燃性ガスは、第1の支燃性ガス及び第2の支燃性ガスにより構成されており、前記支燃性ガス噴出孔は、複数の前記燃料ガス噴出孔よりも外側の位置に複数設けられ、かつ前記燃焼室の入口側から該燃焼室の出口側に向けて旋回流が形成されるように、前記第1の支燃性ガスを噴出する第1の支燃性ガス噴出孔と、複数の前記第1の支燃性ガス噴出孔よりも外側で、かつ前記燃焼室の出口側に複数設けられ、前記噴出面と直交する方向に前記第2の支燃性ガスを噴出する第2の支燃性ガス噴出孔と、を有することを特徴とする請求項1乃至4のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナが提供される。
【0016】
また、請求項6に係る発明によれば、複数の前記第1の支燃性ガス噴出孔と接続された第1の支燃性ガス供給路と、複数の前記第2の支燃性ガス噴出孔と接続された第2の支燃性ガス供給路と、を有することを特徴とする請求項5記載の無機質球状化粒子製造用バーナが提供される。
【0017】
また、請求項7に係る発明によれば、複数の前記燃料ガス噴出孔は、前記噴出面に対して直交する方向に前記燃料ガスを噴出することを特徴とする請求項1乃至6のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナが提供される。
【0018】
また、請求項8に係る発明によれば、前記燃焼室の外側に、冷却水が流れる冷却水用管路を有することを特徴とする請求項1乃至7のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナが提供される。
【0019】
また、請求項9に係る発明によれば、請求項1乃至8のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナと、竪型炉と、前記竪型炉と接続され、該竪型炉内で生成された無機質球状化粒子を捕集する捕集部と、を備え、前記竪型炉上に、前記竪型炉の上端と前記燃焼室とが対向するように、前記無機質球状化粒子製造用バーナを配置したことを特徴とする無機質球状化粒子製造装置が提供される。
【0020】
また、請求項10に係る発明によれば、前記原料噴出孔から噴出される前記噴霧流体の量を調整する噴霧流体量調整部を有することを特徴とする請求項9記載の無機質球状化粒子製造装置が提供される。
【0021】
また、請求項11に係る発明によれば、前記第1の支燃性ガス供給路に供給する前記第1の支燃性ガスの流量と、前記第2の支燃性ガス供給路に供給する前記第2の支燃性ガスの流量とを個別に制御する支燃性ガス制御部を有することを特徴とする請求項9または10記載の無機質球状化粒子製造装置が提供される。
【0022】
また、請求項12に係る発明によれば、前記捕集部は、前記竪型炉と接続され、前記無機質球状化粒子のうち、第1の粒子径とされた無機質球状化粒子を捕集するサイクロンと、前記サイクロンと接続され、前記無機質球状化粒子のうち、前記第1の粒子径よりも小さい第2の粒子径とされた無機質球状化粒子を捕集するバグフィルターと、を有することを特徴とする請求項9乃至11のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造装置が提供される。
【0023】
また、請求項13に係る発明によれば、請求項9乃至12のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造装置を用いた無機質球状化粒子の製造方法であって、火炎を形成し、前記噴霧流体により、前記燃焼室内に前記原料スラリーを分散させ、前記火炎により、分散された前記原料スラリーに含まれる前記無機質原料粉体を溶融させることで、前記無機質球状化粒子を生成する工程と、前記捕集部により前記無機質球状化粒子を捕集する工程と、を含むことを特徴とする無機質球状化粒子の製造方法が提供される。
【0024】
また、請求項14に係る発明によれば、前記無機質球状化粒子を生成する際、前記噴霧流体噴出部を中心とする旋回流が形成されるように、前記燃料ガスを噴出することを特徴とする請求項13記載の無機質球状化粒子の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の無機質球状化粒子製造用バーナによれば、噴出面の中心に配置され、燃焼室に無機質原料粉体を含む原料スラリーを噴出する原料噴出孔と、原料噴出孔の外側に位置する噴出面に配置され、燃焼室内に原料スラリーを分散させる噴霧流体を噴出する噴霧流体噴出部と、を有することにより、燃焼室内に原料スラリーに含まれる無機質原料粉体が分散されるため、湿式粉砕法により生成された3μm以下の無機質原料粉体を、乾燥及び解砕等の処理を行なうことなく用いることが可能となる。
これにより、無機質原料粉体の製造工程を煩雑にすることなく、平均粒度が1μm前後の無機質球状化粒子を効率良く生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る無機質球状化粒子製造装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す無機質球状化粒子製造用バーナを拡大した断面図である。
【図3】図2に示す無機質球状化粒子製造用バーナをB視した際の模式的な平面図である。
【図4】特許文献2に開示された従来の無機質球状化粒子製造用バーナの断面図である。従来の無機質球状化粒子製造用バーナの断面図である。
【図5】特許文献3に開示された従来の無機質球状化粒子製造装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の無機質球状化粒子製造装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0028】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る無機質球状化粒子製造装置の概略構成を示す模式図である。図1において、無機質球状化粒子製造用バーナ16の延在方向は、鉛直方向を示している。
図1を参照するに、本実施の形態の無機質球状化粒子製造装置10は、噴霧流体供給源11と、燃料ガス供給源12と、支燃性ガス供給源13と、原料フィーダー14と、冷却水循環供給源15と、無機質球状化粒子製造用バーナ16と、竪型炉17と、送風ブロア18と、捕集部19を構成するサイクロン21及びバグフィルター23と、空気導入口22と、空気供給管24と、ダクト25,26と、噴霧流体量調整部28と、支燃性ガス制御部29と、を有する。
【0029】
図1を参照するに、噴霧流体供給源11は、噴霧流体を供給可能な状態で、噴霧流体量調整部28を介して、無機質球状化粒子製造用バーナ16と接続されている。噴霧流体供給源11からの噴霧流体は、原料フィーダー14から供給された原料スラリーAを細かい液滴状にするため、無機質球状化粒子製造用バーナ16に供給される。噴霧流体としては、例えば、酸素、空気、窒素のうち、いずれかを用いることができる。
【0030】
図1を参照するに、燃料ガス供給源12は、燃料ガスを供給可能な状態で、無機質球状化粒子製造用バーナ16と接続されている。燃料ガスとしては、例えば、LPG(Liquefied petroleum gas)を用いることができる。
図1を参照するに、支燃性ガス供給源13は、支燃性ガスを供給可能な状態で、支燃性ガス制御部29を介して、無機質球状化粒子製造用バーナ16と接続されている。支燃性ガスとしては、例えば、酸素や酸素富化空気等を用いることができる。
【0031】
図1を参照するに、原料フィーダー14は、無機質球状化粒子製造用バーナ16に、無機質原料粉体(図示せず)を含む原料スラリーAを供給するためのものである。原料スラリーAとしては、水或いは水溶液に無機質原料粉体が分散されたものを用いる。また、無機質原料粉体としては、湿式粉砕法により形成され、平均粒度が3μm以下であり、その形状が非球形の無機質原料粉体を用いる。また、無機質原料粉体の材料としては、例えば、シリカ、ガラス、アルミナ、ジルコニア等を用いることができる。
【0032】
図1を参照するに、冷却水循環供給源15は、無機質球状化粒子製造用バーナ16に対して冷却水を供給、及び回収可能な状態で、無機質球状化粒子製造用バーナ16と接続されている。冷却水循環供給源15は、回収した冷却水を冷却し、再度、無機質球状化粒子製造用バーナ16に供給する。
【0033】
図1を参照するに、無機質球状化粒子製造用バーナ16は、無機質球状化粒子製造用バーナ16に設けられた燃焼室C(図1には図示せず、図2参照)が竪型炉17の上端に収容されるように配置されている。つまり、燃焼室Cは、竪型炉17の上端と対向している。
無機質球状化粒子製造用バーナ16は、原料スラリーAに含まれる無機質原料粉体を火炎により溶融させることで、無機質球状化粒子を生成するためのバーナである。
【0034】
図2は、図1に示す無機質球状化粒子製造用バーナを拡大した断面図である。図2では、図1に示す無機質球状化粒子製造用バーナ16を右側に90度回転させた状態の断面を示している。また、図2に示すDは、無機質球状化粒子製造用バーナ16の中心軸(以下、「中心軸D」という)を示している。また、図2に示す「入口側」は、燃焼室Cの入口側を示しており、図2に示す「出口側」は、燃焼室Cの出口側を示している。
図3は、図2に示す無機質球状化粒子製造用バーナをB視した際の模式的な平面図である。図3において、図2に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0035】
次に、図1〜図3を参照して、無機質球状化粒子製造用バーナ16の構成について説明する。
図2を参照するに、無機質球状化粒子製造用バーナ16は、燃焼室Cと、原料供給管31と、原料供給路31Aと、原料噴出孔31Bと、噴霧流体供給管32と、噴霧流体供給路32Aと、噴霧流体噴出部32Bと、燃料ガス供給管33と、燃料ガス供給路33Aと、燃料ガス噴出孔33Bと、噴出面34と、支燃性ガス供給管35と、第1の支燃性ガス供給路35Aと、第1の支燃性ガス噴出孔35Bと、外筒36と、第2の支燃性ガス供給路37と、第2の支燃性ガス噴出孔38と、冷却水用管路41と、を有する。
なお、本実施の形態では、第1の支燃性ガス噴出孔35B及び第2の支燃性ガス噴出孔38により支燃性ガス噴出孔が構成されている。
【0036】
図2を参照するに、燃焼室Cは、その断面が台形とされている。燃焼室Cは、燃焼室Cの入口側と比較して、燃焼室Cの出口側が拡径した形状とされている。
図2を参照するに、原料供給管31は、無機質球状化粒子製造用バーナ16の中心軸Dと原料供給管31の中心軸とが一致するように配置されている。燃焼室C側に位置する原料供給管31の端面31aは、平坦な面とされている。
【0037】
図2を参照するに、原料供給路31Aは、原料供給管31の内部に設けられた円筒形状の空間であり、無機質球状化粒子製造用バーナ16の中心軸D方向に延在している。
図1及び図2を参照するに、原料供給路31Aは、原料フィーダー14と接続されている。
図2を参照するに、原料噴出孔31Bは、燃焼室Cに露出された原料供給管31の端部に設けられており、原料供給路31Aと一体に構成されている。原料噴出孔31Bは、噴出面34の中心Eに配置されている。原料噴出孔31Bは、原料供給路31Aに供給された原料スラリーAを燃焼室Cに噴出する。
【0038】
図2を参照するに、噴霧流体供給管32は、円筒形状とされている。噴霧流体供給管32は、原料供給管31の外側に、隙間を介在させた状態で、原料供給管31の外周を囲むように設けられている。燃焼室C側に位置する噴霧流体供給管32の端面32aは、平坦な面とされており、原料供給管31の端面31aに対して面一とされている。
図2を参照するに、噴霧流体供給路32Aは、原料供給管31と噴霧流体供給管32との間に形成された円筒形状の空間である。噴霧流体供給路32Aは、図1に示す噴霧流体量調整部28を介して、噴霧流体供給源11(図1参照)と接続されている。
【0039】
図2及び図3を参照するに、噴霧流体噴出部32Bは、燃焼室Cに露出された原料供給管31の端部と燃焼室Cに露出された噴霧流体供給管32の端部との間に設けられている。
噴霧流体噴出部32Bは、原料噴出孔31Bよりも外側に位置する噴出面34に配置されている。図3に示すように、噴霧流体噴出部32Bは、原料噴出孔31Bを連続的に囲んでいる。噴霧流体噴出部32Bとしては、例えば、噴出面34の中心Eを中心とするリング状の溝を用いることができる。
噴霧流体噴出部32Bは、噴霧流体供給路32Aを経由して供給された噴霧流体を燃焼室Cに噴霧する。このとき、噴霧流体は、噴出面34と直交する方向(無機質球状化粒子製造用バーナ16の中心軸D方向)に噴出される。
【0040】
このように、燃焼室Cに無機質原料粉体を含む原料スラリーAを噴出する原料噴出孔31Bと、燃焼室34内に原料スラリーAを分散させる噴霧流体を噴出する噴霧流体噴出部32Bと、を有することにより、燃焼室C内に原料スラリーAに含まれる無機質原料粉体が分散される。そのため、乾燥及び解砕等の処理を行なうことなく、湿式粉砕法により生成された無機質原料粉体を無機質球状化粒子の製造に用いることが可能となる。
【0041】
また、原料噴出孔31Bを連続して囲むように、噴霧流体噴出部32Bを設けることにより、原料噴出孔31Bから噴出された原料スラリーAに含まれる無機質原料粉体をさらに効率良く分散させることができる。
【0042】
図2を参照するに、燃料ガス供給管33は、円筒形状とされている。燃料ガス供給管33は、噴霧流体供給管32の外側に、隙間を介在させた状態で、噴霧流体供給管32の外周を囲むように設けられている。燃焼室C側に位置する燃料ガス供給管33の端面33aは、平坦な面とされており、原料供給管31の端面31a及び噴霧流体供給管32の端面32aに対して面一とされている。
【0043】
図2を参照するに、燃料ガス供給路33Aは、噴霧流体供給管32と燃料ガス供給管33との間に形成された円筒形状の空間である。燃料ガス供給路33Aは、図1に示す燃料ガス供給源12と接続されている。
【0044】
図2及び図3を参照するに、燃料ガス噴出孔33Bは、燃焼室Cに露出された噴霧流体供給管32の端部と燃焼室Cに露出された燃料ガス供給管33の端部との間に複数設けられている。つまり、複数の燃料ガス噴出孔33Bは、噴霧流体噴出部32Bよりも外側に位置する噴出面34に配置されている。複数の燃料ガス噴出孔33Bは、円形リング形状とされた噴霧流体噴出部32Bに対して、同心円状に等間隔で配置されている。
【0045】
複数の燃料ガス噴出孔33Bは、燃料ガス供給路33Aと一体に構成されている。複数の燃料ガス噴出孔33Bは、噴霧流体噴出部32Bを中心とする旋回流が形成されるように、燃料ガス(例えば、LPG)を噴出する。
このように、噴霧流体噴出部32B付近を中心とする旋回流が形成されるように、燃料ガスを噴出することにより、噴霧流体噴出部32Bに原料スラリーAが付着することを防止でき、目詰まりを防止できる。
【0046】
図2を参照するに、噴出面34は、原料供給管31の端面31a、噴霧流体供給管32の端面32a、及び燃料ガス供給管33の端面33aにより構成されている。噴出面34は、円形とされている。噴出面34は、燃焼室Cにより露出されており、燃焼室Cの入口側に配置されている。
【0047】
図2を参照するに、支燃性ガス供給管35は、円筒形状とされている。支燃性ガス供給管35は、燃料ガス供給管33の外側に、隙間を介在させた状態で、燃料ガス供給管33の外周を囲むように設けられている。支燃性ガス供給管35は、噴出面34から中心軸Dに向かう方向に突出すると共に、噴出面34の中心Eに向かう方向に突出した突出部35Cを有する。突出部35Cは、燃焼室Cに露出された傾斜面35aを有する。この傾斜面35aにより、燃焼室Cは、燃焼室Cの入口側と比較して、燃焼室Cの出口側が拡径した形状とされている。
【0048】
図2及び図3を参照するに、第1の支燃性ガス供給路35Aは、燃料ガス供給管33と支燃性ガス供給管35との間に形成された円筒形状の空間である。第1の支燃性ガス供給路35Aは、支燃性ガス制御部29を介して、図1に示す支燃性ガス供給源13と接続されている。
【0049】
図2を参照するに、第1の支燃性ガス噴出孔35Bは、燃料ガス供給管33の端面33aと突出部35Cとの間に複数設けられている。つまり、複数の第1の支燃性ガス噴出孔35Bは、複数の燃料ガス噴出孔33Bの外側で、かつ燃焼室Cの入口側に同心円状に等間隔で配置されている。これら第1の支燃性ガス噴出孔35Bは、対向する側の突出部35Cの傾斜面35aに向かう方向に、第1の支燃性ガス(例えば、酸素や酸素富化空気等)を噴出する。
【0050】
このような構成とすることで、第1の支燃性ガス噴出孔35Bから第1の支燃性ガスを、燃焼室C内に突出部35Cの傾斜面35aに沿った旋回流として、噴出させることが可能となる。これにより、燃焼室Cの側壁(具体的には、突出部35Cの傾斜面35a)への原料スラリーAの付着を防止可能となるので、効率良く無機質球状化粒子を生成できる。
【0051】
図2を参照するに、外筒36は、支燃性ガス供給管35の外側に、隙間を介在させた状態で、支燃性ガス供給管35の外周を囲むように設けられている。外筒36は、その先端36Aが突出部35Cよりも燃焼室Cの出口側に突出している。外筒36の先端36Aの内壁は、燃焼室Cの側壁の一部を構成している。
【0052】
図2を参照するに、第2の支燃性ガス供給路37は、支燃性ガス供給管35と外筒36との間に形成された円筒形状の空間である。第2の支燃性ガス供給路37は、支燃性ガス制御部29を介して、図1に示す支燃性ガス供給源13と接続されている。
【0053】
図2を参照するに、第2の支燃性ガス噴出孔38は、支燃性ガス供給管35の突出部35Cと外筒36の先端36Aとの間に複数設けられている。つまり、複数の第2の支燃性ガス噴出孔38は、複数の第1の支燃性ガス噴出孔35Bの外側で、かつ燃焼室Cの出口側に配置されている。複数の第2の支燃性ガス噴出孔38は、第1の支燃性ガス噴出孔35Bに対して、同心円状に等間隔で配置されている。複数の第2の支燃性ガス噴出孔38は、噴出面34に対して直交する方向で、かつ燃焼室Cの入口側から燃焼室Cの出口側に向かう方向に第2の支燃性ガスを噴出する。
なお、本実施の形態では、上記説明した第1及び第2の支燃性ガスにより支燃性ガスが構成されている。
【0054】
上記説明したように、本実施の形態の無機質球状化粒子製造用バーナ16は、支燃性ガスと燃焼ガスとを別々の孔から噴出する拡散型バーナであるため、混合型バーナとは異なり、逆火が形成されることがない。
【0055】
図2を参照するに、冷却水用管路41は、燃焼室C、燃焼室C側に位置する原料供給管31の端部、燃焼室C側に位置する噴霧流体供給管32の端部、燃焼室C側に位置する燃料ガス供給管33の端部、及び燃焼室C側に位置する支燃性ガス供給管35の端部を冷却可能なように、外筒36に内設されている。これにより、冷却水用管路41の一部は、燃焼室Cの外側に配置されている。
【0056】
冷却水用管路41は、冷却水を冷却水用管路41に供給、或いは回収可能な状態で冷却水循環供給源15と接続されており、冷却水用管路41には、冷却水が循環されている。
このような冷却水用管路41を外筒36に設けることにより、無機質球状化粒子製造用バーナ16の先端が熱により破損することを防止できる。
【0057】
図1を参照するに、竪型炉17は、円筒形状とされた炉である。竪型炉17上には、竪型炉17の上端と燃焼室Cとが対向するように、無機質球状化粒子製造用バーナ16が配置されている。
竪型炉17の下端は、空気供給管24と接続されている。また、竪型炉17の下端側には、空気供給管24と対向するように、サイクロン21と接続されたダクト25が設けられている。
竪型炉17内では、無機質球状化粒子製造用バーナ16の火炎により、無機質原料粉体が溶融され、溶融した無機質原料粉体が竪型炉17の下方に移動しながら固まることで無機質球状化粒子となる。
【0058】
図1を参照するに、送風ブロア18は、空気供給管24と接続されている。送風ブロア18は、空気供給管24を介して、竪型炉17の下端に空気を供給する。送風ブロア18からの空気で、無機質球状化粒子を冷却すると共に、ダクト25を介して、冷却した無機質球状化粒子をサイクロン21に搬送する。
【0059】
図1を参照するに、サイクロン21は、竪型炉17の下流側に設けられており、ダクト25を介して、竪型炉17の下端と接続されている。サイクロン21は、搬送された無機質球状化粒子のうち、第1の粒子径の無機質球状化粒子を捕集するためのものである。第1の粒子径の無機質球状化粒子は、サイクロン21の下端から捕集される。第1の粒子径は、後述する第2の粒子径よりも大きい値である。
【0060】
図1を参照するに、空気導入口22は、サイクロン21の上端と接続されている。空気導入口22は、サイクロン21の上端に接続されたダクト26と対向するように配置されている。空気導入口22は、サイクロン21の上端に空気を導入するための導入口である。
空気導入口22を介して、サイクロン21の上端に導入された空気は、無機質球状化粒子を冷却すると共に、ダクト26を介して、無機質球状化粒子をバグフィルター23に搬送する。
【0061】
図1を参照するに、バグフィルター23は、サイクロン21の下流側に設けられており、ダクト26を介して、サイクロン21の上端と接続されている。バグフィルター23は、ダクト26を介して、第1の粒子径よりも小さい第2の粒子径の無機質球状化粒子を捕集する。
【0062】
図1及び図2を参照するに、噴霧流体量調整部28は、噴霧流体供給源11及び原料供給路31Aと接続されている。
噴霧流体の流量を制御する噴霧流体量調整部28を設けることにより、原料スラリーAの液滴の粒径を制御することが可能となる。
【0063】
図1及び図2を参照するに、支燃性ガス制御部29は、支燃性ガス供給源13、第1の支燃性ガス供給路35A、及び第2の支燃性ガス供給路37と接続されている。支燃性ガス制御部29は、第1の支燃性ガス供給路35Aに供給する第1の支燃性ガスの流量と、第2の支燃性ガス供給路37に供給する第2の支燃性ガスの流量とを個別に制御する。
【0064】
このように、第1の支燃性ガスの流量と、第2の支燃性ガスの流量とを個別に制御することにより、2つの支燃性ガスの流量を異ならせることが可能となるので、生成させたい無機質球状化粒子の粒径に応じた最適な火炎(例えば、温度や形状等)を形成することができる。
【0065】
具体的には、例えば、第1及び第2の支燃性ガスとして酸素を用い、第2の支燃性ガスの流量よりも第1の支燃性ガスの流量を多くして、第1の支燃性ガス噴出孔35Bから噴出する酸素の比率を高くした場合、第2の支燃性ガス噴出孔38から噴出される酸素と燃料ガス噴出孔33Bから噴出される燃料ガスとの混合が緩慢になるため、燃焼室Cの出口側での温度が低く、かつ燃焼室Cの入口側での温度の高い火炎を形成することができる。
逆に、第1の支燃性ガス噴出孔35Bから噴出する酸素の比率を低くした場合、第2の支燃性ガスと燃料ガスとの混合が促進されるため、燃焼室Cの出口側での温度の高い火炎を形成することができる。
【0066】
本実施の形態の無機質球状化粒子製造用バーナ16によれば、出口側が拡径した燃焼室Cと、燃焼室Cの入口側に配置され、燃焼室Cにより露出された噴出面34と、噴出面34の中心に設けられ、燃焼室Cに無機質原料粉体を含む原料スラリーAを噴出する原料噴出孔31Bと、原料噴出孔31Bを連続して囲むように、噴出面34に設けられ、燃焼室C内において無機質原料粉体を分散させる噴霧流体を噴出する噴霧流体噴出部32Bと、を備えることにより、燃焼室C内において、原料噴出孔31Bから噴出された原料スラリーAを細かい液滴として分散させることが可能となり、燃焼室C内において原料スラリーAに含まれる無機質原料粉体の凝集を抑制できる。
【0067】
これにより、乾燥及び解砕等の処理といった製造工程を繁雑にする工程を行なうことなく、湿式粉砕法により得られた3μm以下の無機質原料粉体を用いることが可能となる。
また、上記構成とされた無機質球状化粒子製造用バーナ16を備えた本実施の形態の無機質球状化粒子製造装置10は、無機質球状化粒子製造用バーナ16と同様な効果を得ることができる。
【0068】
ここで、図1を参照して、上記説明した無機質球状化粒子製造装置10を用いた無機質球状化粒子の製造方法について説明する。
始めに、燃料ガス(例えば、LPG)及び支燃性ガス(例えば、酸素)を、無機質球状化粒子製造用バーナ16に供給することで、燃焼室Cに火炎を形成する。このとき、燃料ガスは、噴霧流体噴出部32Bを中心とする旋回流が形成されるように形成する。
【0069】
次いで、原料フィーダー14から、平均粒度が3μm以下の無機質原料粉体を含む原料スラリーAを無機質球状化粒子製造用バーナ16に供給すると共に、噴霧流体(例えば、酸素、空気、窒素等)を無機質球状化粒子製造用バーナ16に供給することで、原料スラリーAを細かい液滴にして(微粒化して)、燃焼室C内に分散させる。
分散された原料スラリーAに含まれる無機質原料粉体を火炎により溶融させることで、平均粒度が3μm以下の無機質球状化粒子を生成する。
その後、サイクロン21により、第1の粒子径の無機質球状化粒子を捕集し、バグフィルター23により、第1の粒子径よりも小さい第2の粒子径の無機質球状化粒子を捕集する。
【0070】
本実施の形態の無機質球状化粒子の製造方法によれば、噴霧流体により、燃焼室C内に原料スラリーAを分散させ、火炎により、原料スラリーAに含まれる無機質原料粉体を溶融させることで、平均粒度が3μm以下の無機質球状化粒子を生成することができる。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施の形態について、平均粒度が3μm以下の無機質原料粉体を用いる場合について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、実施例においては、平均粒度が1μmの無機質原料粉体を用いる場合について述べる。
【0072】
(実施例1〜4)
図1に示す無機質球状化粒子製造装置10に設けられた図2に示す無機質球状化粒子製造用バーナ16に、水1L(リットル)に平均粒度が1μmのシリカ粉体を1kgの割合で混練することで作成された原料スラリーAを20L/hの供給量で供給し、噴霧流体として酸素を供給した。
このとき、無機質球状化粒子製造用バーナ16に、燃焼ガスとして5Nm/hのLPG、第1の支燃性ガスとして7.5Nm/hの酸素、及び第2の支燃性ガスとして17.5Nm/hの酸素を供給して火炎を形成し、該火炎により、シリカ粉体を溶融させて無機質球状化粒子を作成した。
【0073】
また、上記条件において、噴霧流体である酸素の供給量を1Nm/h(実施例1)、2Nm/h(実施例2)、3Nm/h(実施例3)、4Nm/h(実施例4)と変化させることで、噴霧流体の供給量が無機質球状化粒子の粒径に及ぼす影響について確認した。
表1に、上記条件により得られた実施例1〜4の無機質球状化粒子の平均粒度(μm)を示す。
【0074】
【表1】

【0075】
表1を参照するに、噴霧流体である酸素の供給量を増加させるにつれて、無機質球状化粒子の平均粒度が、原料となるシリカ粉体の平均粒度である1μmに近づくことが確認できた。このことから、噴霧流体の供給量を調整することで、無機質球状化粒子の平均粒度を制御可能なことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、無機質球状化粒子製造用バーナ、無機質球状化粒子製造装置、及び無機質球状化粒子の製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
10…無機質球状化粒子製造装置、11…噴霧流体供給源、12…燃料ガス供給源、13…支燃性ガス供給源、14…原料フィーダー、15…冷却水循環供給源、16…無機質球状化粒子製造用バーナ、17…竪型炉、18…送風ブロア、19…捕集部、21…サイクロン、22…空気導入口、23…バグフィルター、24…空気供給管、25,26…ダクト、28…噴霧流体量調整部、29…支燃性ガス制御部、31…原料供給管、31a,32a,33a…端面、31A…原料供給路、31B…原料噴出孔、32…噴霧流体供給管、32A…噴霧流体供給路、32B…噴霧流体噴出部、33…燃料ガス供給管、33A…燃料ガス供給路、33B…燃料ガス噴出孔、34…噴出面、35…支燃性ガス供給管、35a…傾斜面、35A…第1の支燃性ガス供給路、35B…第1の支燃性ガス噴出孔、35C…突出部、36…外筒、36A…先端、37…第2の支燃性ガス供給路、38…第2の支燃性ガス噴出孔、41…冷却水用管路、C…燃焼室、D…中心軸、E…中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口側が拡径した燃焼室と、
前記燃焼室により露出され、前記燃焼室の入口側に配置された噴出面と、
前記噴出面の中心に配置され、前記燃焼室に無機質原料粉体を含む原料スラリーを噴出する原料噴出孔と、
前記原料噴出孔の外側に位置する前記噴出面に配置され、前記燃焼室内に前記原料スラリーを分散させる噴霧流体を噴出する噴霧流体噴出部と、
前記噴霧流体噴出部よりも外側の位置に複数設けられ、前記燃料室に燃料ガスを噴出する燃料ガス噴出孔と、
前記燃料ガス噴出孔よりも外側の位置に複数設けられ、前記燃料室に支燃性ガスを噴出する支燃性ガス噴出孔と、
を有することを特徴とする無機質球状化粒子製造用バーナ。
【請求項2】
前記噴霧流体噴出部は、前記原料噴出孔を連続して囲む溝であることを特徴とする請求項1記載の無機質球状化粒子製造用バーナ。
【請求項3】
前記噴霧流体は、酸素、空気、窒素のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の無機質球状化粒子製造用バーナ。
【請求項4】
前記噴霧流体噴出部、複数の前記燃料ガス噴出孔、及び複数の前記支燃性ガス噴出孔を、前記噴出面の中心に対して同心円状に配置したことを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナ。
【請求項5】
前記支燃性ガスは、第1の支燃性ガス及び第2の支燃性ガスにより構成されており、
前記支燃性ガス噴出孔は、複数の前記燃料ガス噴出孔よりも外側の位置に複数設けられ、かつ前記燃焼室の入口側から該燃焼室の出口側に向けて旋回流が形成されるように、前記第1の支燃性ガスを噴出する第1の支燃性ガス噴出孔と、
複数の前記第1の支燃性ガス噴出孔よりも外側で、かつ前記燃焼室の出口側に複数設けられ、前記噴出面と直交する方向に前記第2の支燃性ガスを噴出する第2の支燃性ガス噴出孔と、
を有することを特徴とする請求項1乃至4のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナ。
【請求項6】
複数の前記第1の支燃性ガス噴出孔と接続された第1の支燃性ガス供給路と、
複数の前記第2の支燃性ガス噴出孔と接続された第2の支燃性ガス供給路と、
を有することを特徴とする請求項5記載の無機質球状化粒子製造用バーナ。
【請求項7】
複数の前記燃料ガス噴出孔は、前記噴出面に対して直交する方向に前記燃料ガスを噴出することを特徴とする請求項1乃至6のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナ。
【請求項8】
前記燃焼室の外側に、冷却水が流れる冷却水用管路を有することを特徴とする請求項1乃至7のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナ。
【請求項9】
請求項1乃至8のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造用バーナと、
竪型炉と、
前記竪型炉と接続され、該竪型炉内で生成された無機質球状化粒子を捕集する捕集部と、を備え、
前記竪型炉上に、前記竪型炉の上端と前記燃焼室とが対向するように、前記無機質球状化粒子製造用バーナを配置したことを特徴とする無機質球状化粒子製造装置。
【請求項10】
前記原料噴出孔から噴出される前記噴霧流体の量を調整する噴霧流体量調整部を有することを特徴とする請求項9記載の無機質球状化粒子製造装置。
【請求項11】
前記第1の支燃性ガス供給路に供給する前記第1の支燃性ガスの流量と、前記第2の支燃性ガス供給路に供給する前記第2の支燃性ガスの流量とを個別に制御する支燃性ガス制御部を有することを特徴とする請求項9または10記載の無機質球状化粒子製造装置。
【請求項12】
前記捕集部は、前記竪型炉と接続され、前記無機質球状化粒子のうち、第1の粒子径とされた無機質球状化粒子を捕集するサイクロンと、
前記サイクロンと接続され、前記無機質球状化粒子のうち、前記第1の粒子径よりも小さい第2の粒子径とされた無機質球状化粒子を捕集するバグフィルターと、
を有することを特徴とする請求項9乃至11のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造装置。
【請求項13】
請求項9乃至12のうち、いずれか1項記載の無機質球状化粒子製造装置を用いた無機質球状化粒子の製造方法であって、
火炎を形成し、前記噴霧流体により、前記燃焼室内に前記原料スラリーを分散させ、前記火炎により、分散された前記原料スラリーに含まれる前記無機質原料粉体を溶融させることで、前記無機質球状化粒子を生成する工程と、
前記捕集部により前記無機質球状化粒子を捕集する工程と、
を含むことを特徴とする無機質球状化粒子の製造方法。
【請求項14】
前記無機質球状化粒子を生成する際、前記噴霧流体噴出部を中心とする旋回流が形成されるように、前記燃料ガスを噴出することを特徴とする請求項13記載の無機質球状化粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−107828(P2012−107828A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257865(P2010−257865)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】