説明

無線センサネットワークシステム

【課題】太陽電池による給電の信頼性を向上させた無線センサを使用する無線センサネットワークシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】被管理端末を管理装置で集中管理する集中管理システムのための無線通信網であり、複数の無線センサを点在させてこれらの無線センサ間で相互に無線通信を行うことにより上記無線通信網を構成する無線センサネットワークシステムであって、上記各無線センサが、上記被管理端末である照明機器に取り付けられると共に、上記照明機器の光により発電する太陽電池12およびこれに並列接続された蓄電素子107を含む電源部105と、上記太陽電池の発電パターン及び上記電源部の電圧の少なくとも一方をモニタして取り付けられている照明機器の状態を検出し、送受信部103に上記管理装置に対して上記無線通信網を介して制御要求信号を送信させる電源制御手段101と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の無線センサを点在させて、これらの無線センサ間で相互に無線通信を行うことにより無線センサネットワークを構築し、この無線センサネットワークが形成する無線通信領域内で各種機器が無線センサネットワークを介して無線通信が行えるようにした無線センサネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記無線センサに相当する装置として、例えば天井の照明機器の蛍光管に取り付けられ、無線通信により複数の制御対象を集中制御する無線LAN集中制御装置があった。この集中制御装置は蛍光管を貫通可能な取り付け穴が形成された筐体を有し、これにより蛍光管を取り付け穴に通し、この蛍光管をブラケットに取り付けることにより天井に配置し、筐体の表面には太陽電池が実装されて、電力を太陽電池から得るようにしている。また、蛍光管の両端にあるブラケットの給電ソケットから装置の電力を取り出す給電端子(ライン)を設けるようにしている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−23335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来の無線センサネットワークの無線センサでは、太陽電池の発電パターンや太陽電池からの給電状態を監視する機構がなく、信頼性に課題があった。また、例えば、筐体の表面に太陽電池が実装されていることから蛍光管と太陽電池との間に距離があるために、太陽電池の面積を大きくとる必要があり、無線センサ全体が大きくなる、また蛍光管の給電用の給電ソケットから給電端子を介して給電を受ける場合には、蛍光管に沿って給電端子が延びる等、給電構造が複雑になる等の課題があった。
【0005】
この発明は、無線センサにおける太陽電池による給電の信頼性を向上させ、また無線センサをより小型で簡単な構造のものにした無線センサネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、被管理端末を管理装置で集中管理する集中管理システムのための無線通信網であり、複数の無線センサを点在させてこれらの無線センサ間で相互に無線通信を行うことにより上記無線通信網を構成する無線センサネットワークシステムであって、上記各無線センサが、上記被管理端末である照明機器に取り付けられると共に、上記照明機器の光により発電する太陽電池およびこれに並列接続された蓄電素子を含む電源部と、上記太陽電池の発電パターン及び上記電源部の電圧の少なくとも一方をモニタして取り付けられている照明機器の状態を検出し、送受信部に上記管理装置に対して上記無線通信網を介して制御要求信号を送信させる電源制御手段と、を備えたことを特徴とする無線センサネットワークシステムにある。
【発明の効果】
【0007】
この発明では、無線センサにおける太陽電池による給電の信頼性を向上させた無線センサネットワークシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明は、複数の無線センサを通信領域に配置して無線センサネットワークを構築する無線センサネットワークシステムであれば適用可能であるが、好ましくは、ZigBee(登録商標)の標準規格で動作する無線センサネットワークシステムに適用する。ZigBee(ジグビー)は、ブルートウース等と同様に、無線LANよりもさらに狭い範囲(数m〜数十m)で使う無線ネットワークであるWPAN(Wireless Personal Area Network)の標準規格の1つで、ブルートウース等の他の規格と比べて、使い方が簡単、小型、低コスト、低消費電力(省エネ)等の特徴を有する。
【0009】
また、以下では一例として、ビルに設置されている照明、空調、電気、水道、セキュリティ等に関する各種設備機器を被管理端末とし、これらを管理装置であるビルオートメーションシステム(BAS)管理装置で集中管理する集中管理システムであるビルオートメーションシステム(BAS)の無線通信網として、この発明による無線センサネットワークシステムを使用した場合について説明するが、その他の種類の無線通信網にも適用可能である。
【0010】
図1はこの発明による無線センサネットワークシステムのビル内における各構成機器の配置の一例を示す。ビルBLの各階では、例えばZigBee端末である後述する無線通信を行う本体部を含む無線センサ10が各階で無線通信領域を形成可能な間隔で天井側に設けられている。これらの無線センサ10は、相互に無線通信を行うことにより図2に示すような無線センサネットワークWSNを構築する。ビルBL内のビルオートメーションシステム(BAS)端末である例えば、玄関のセキュリティ機器SE1、電気・水道制御機器EW、ビル内の各種システムの管理機器MA、空調機器AR、ビル内の部屋の入退室セキュリティ機器SE2、照明機器LIや、これらのBAS端末を管理するBAS管理装置20は、無線通信網である無線センサネットワークWSNを介して互いに無線通信を行う。
【0011】
無線センサネットワークWSNは、例えば図2に示すように、無線センサ10で各階毎(F1、F2、F3、・・・)に無線ネットワークNT1、NT2、NT3、・・・を構成し、さらに各階の無線ネットワークNT1、NT2、NT3、・・・がNTCで示すように無線ネットワーク接続されて構成される。そして各BAS端末及びBAS管理装置20が無線センサネットワークWSNで無線による通信を行い、各BAS端末での情報をBAS管理装置20で収集し、さらにBAS管理装置20は必要に応じて各BAS端末を制御する。階と階との間の通信は、例えばエレベータELの昇降路を使用してもよく、また必要に応じて一部を有線(図示せず)とすることも可能である。無線センサネットワークWSNのネットワーク・トポロジは、スター型、バス型、ツリー型、メッシュ型やこれらの所望の組合せのものとすることができる。
【0012】
これらの各無線センサ10は、例えば図3に示すように、ZigBee端末機能を有する無線通信を行う本体部10aに取付機構である例えば太陽電池付クリップ11を一体に設けてなり、太陽電池付クリップ11により天井の照明機器LIの蛍光管LTに着脱可能に取り付けられる。
【0013】
図4に太陽電池付クリップ11の好ましい構造の一例を示す。なお図4では本体部10aの部分の図示は省略されている。図4の(a)、(b)は蛍光管LTの長手方向から見た太陽電池付クリップ11のそれぞれ開放時と、蛍光管LTを挟むことによって支持された(以下狭持とする)狭持時の状態の図、(c)は(b)の矢印Cの方向から見た部分的な図である。太陽電池付クリップ11は、1対の狭持部材11a,11bが軸部11cで互いに回転可能に支持されて構成される(例えば一方が他方を軸支する)。狭持部材11a,11bは例えば円柱形の蛍光管LTの曲面からなる側面(周面)を、蛍光管LTの長手方向に垂直な方向で互いに反対側(両側)からそれぞれに押さえ付けて狭持する、蛍光管LTの側面の半円近くまでに渡ってある幅でこれに沿って延びる形状を有する円弧形状部11aa,11baと、軸部11cにおいて円弧形状部11aa,11baと反対側に延びかつ狭持部材11a,11bが軸部11cで交差する方向に延びる細長いクリップ部11ab,11bbからなる。
【0014】
円弧形状部11aa,11baの蛍光管LT側となる内側の円弧面には、例えばフィルム状の薄型太陽電池12a,12bがこの内側円弧面に沿ってそれぞれに固定されて設けられている。そして図4の(b)に示す狭持時には、クリップ部11ab,11bbが閉じる方向に動かされることにより、円弧形状部11aa,11baが閉じた状態になり、薄型太陽電池12a,12bが蛍光管LTの側面を両側から蛍光管LTの曲面を覆う。薄型太陽電池12a,12bは面積を広くとるために、円弧形状部11aa,11baの内側の円弧面全体に渡って設けることが望ましい。さらに薄型太陽電池12a,12bを蛍光管LTの曲面になるべく近づける、さらには密着させることで、より効率のよい発電が行え(光の強さが光源からの距離の2乗に反比例する)、薄型太陽電池12a,12b、円弧形状部11aa,11ba、ひいては太陽電池付クリップ11を取付機構として設けた無線センサ10全体を小型にできる。
【0015】
クリップ部11ab,11bbは弾性を有すると共に、先端に互いに向き合って突出する突起部11ac,11bcが形成されている。そして図4の(b)に示す狭持時には、クリップ部11ab,11bbを双方が合わさり、さらにこれを超えて位置が入れ替わる位置まで動かすことにより、クリップ部11ab,11bbの弾性による復元力により円弧形状部11aa,11baがそれぞれ蛍光管LT側に押さえ付けられ、さらにこの状態を保持するように突起部11ac,11bcを互いに係合させてクリップ部11ab,11bbが元の位置に戻らない状態に保持する。そして突起部11ac,11bcの係合状態を開放すれば、クリップ部11ab,11bbの弾性による復元力により図4の(a)に示す開放時の状態に戻る。
【0016】
本体部10aは、軸部11cをずらして円弧形状部11aa,11baのいずれかの外側面下部に固定され、かつ双方の薄型太陽電池12a,12bと接続線(図示省略)等により電気的に接続されている。
【0017】
なお、薄型太陽電池12a,12bへの蛍光管LTの熱の影響が強い場合には、耐熱性及び断熱性を有する透明のフィルムや、蛍光管LTからの光を極力遮らないような、例えばメッシュ形状等の断熱材料で形成された膜を、薄型太陽電池12a,12bの表面に形成してもよい。また、狭持部材11a,11bは、円弧形状部11aa,11ba及びクリップ部11ab,11bbを耐熱性及び弾性を有する材料(耐熱性及び弾性を有する合成樹脂、プラスティック等、特に耐熱ポリプロピレンが好ましい)で一体に形成したものであってよい。さらには本体部10aも含めて一体に形成したものであってよい。
【0018】
このような無線通信を行う本体部10aにこれを蛍光管LTに取り付ける太陽電池付クリップ11を設けた構造の無線センサ10は、例えば図5の(b)に示すような従来のものに比べて軽量小型で着脱が容易であり、この特徴を生かして、例えば図5の(a)に示すように、1本の蛍光管LTに複数設置することが容易なため、無線センサネットワークWSNひいては無線センサネットワークシステムの信頼性を大幅に向上させることができる。特に通路や廊下において、通信を複線化できるので有効である。
【0019】
図6には、各無線センサ10の本体部10aと太陽電池12a,12bの電気的な概略構成図を示す。無線センサ10の本体部10aは、無線センサネットワークWSNの通信制御を行うコンピュータ等からなる無線センサネットワーク通信制御部101、この通信制御部101による制御に従って無線センサネットワークWSNでの無線信号の送受信を行う送受信部103、およびこれらに電力を供給する電源部105を含む。電源部105は上述の薄型太陽電池12(12a,12b)を電源とするものである。従って薄型太陽電池12は本体部10a内に設けられておらず、本体部10a内に設けられている部分(図6の薄型太陽電池12を除く部分)を無線センサ10の基幹部とする。
【0020】
電源部105において、薄型太陽電池12は薄型太陽電池12a、12bをまとめて示すものであり、薄型太陽電池12には逆流防止用のダイオード109、111を介して、蓄電素子107が並列接続されている。蓄電素子107はリチウム電池等からなる二次電池又はキャパシタンスの大きいコンデンサからなり、薄型太陽電池12により充電される。トランジスタ113は電源部105からの電力供給のオンオフ制御を行うスイッチである。そして電流検出部115は薄型太陽電池12からの給電される電流を検出し、電圧検出部117は蓄電素子107の電圧、すなわち電源部105の出力電圧を検出する。電流検出部115及び電圧検出部117は、例えば該無線センサ10が取り付けられている照明機器LIの状態を検出するために、薄型太陽電池12の発電パターン及び電源部105の状態をモニタするものである。
【0021】
図7は、コンピュータで構成される図6の無線センサネットワーク通信制御部101の機能ブロック図である。通信制御手段101aは、無線センサネットワークWSNの各無線センサで一般的に行われている、上述の各BAS端末及びBAS管理装置20が無線センサネットワークWSNを利用して無線による通信を行い、各BAS端末での情報をBAS管理装置20で収集し、さらにBAS管理装置20が必要に応じて各BAS端末を制御するための無線センサネットワークWSNでの無線通信の制御を行う。電源制御手段101bは、自身の電源部105に関する制御を行う。
【0022】
なお、この発明による無線センサネットワークシステムでは、各無線センサ10自身がBAS端末と同様のBAS管理装置20との通信を行うため、BAS管理制御に必要なBAS端末と同様のBASにおけるにおけるアドレス等のIDが割り当てられ、BAS端末と同等な動作を行う。
【0023】
図8は、無線センサネットワークWSNにより無線通信を行うBAS管理装置20、無線センサ10、この無線センサ10が取り付けられているBAS端末の一例である照明機器LIとの関係を示したもので、コンピュータで構成されるBAS管理装置20は概略的な機能ブロックで示されている。BAS管理手段201は、無線センサネットワークWSNを利用して一般的に行われている、上述の各BAS端末からの信号に基づいてBAS端末の管理制御を行う。無線センサ管理手段203は、無線センサ10からの要求信号に応答して照明機器LI等のBAS端末に強制的な制御を行う。
【0024】
図9には、この発明による無線センサネットワークシステムの特徴的な動作のフローチャートを示し、以下これに従って動作を説明する。図6に示すように、各無線センサ10の電源部105の電源である薄型太陽電池12には上述のように、蛍光管LTの消灯時や玉切れ時等で薄型太陽電池12において電力が発生されない場合のバックアップとして、蓄電素子107が並列に接続されている。
【0025】
無線センサ10の本体部10aの無線センサネットワーク通信制御部101における電源制御手段101bは、薄型太陽電池12からの電流値を発電パターンとしてモニタする電流検出部115からの信号に基づき、例えば電流が所定値(消灯状態を判定するため値)以下であることから、蛍光管LTすなわち照明機器LIが消灯状態にあることを検出し(ステップS1)、さらにこの消灯継続時間を測定(プログラムによるタイマ等使用)する。そして消灯継続時間が所定時間以上になると(ステップS2)、無線センサネットワークWSNを介してBAS管理装置20に照明点灯要求信号(制御要求信号)を送信する(ステップS3)。
【0026】
BAS管理装置20の無線センサ管理手段203は、照明点灯要求信号を受信すると(ステップS11)、例えば受信した照明点灯要求信号に付されている無線センサ10の送信元アドレスに基づき、該無線センサ10が取り付けられている照明機器LIに無線センサネットワークWSN及び該無線センサ10(通信制御手段101aによる動作)を介して点灯指示信号を送信する(ステップS12)。これにより照明機器LIは強制的に点灯させられる。なお、BAS管理装置20は無線センサ10とこれの取り付けられている照明機器LIの対応テーブルを所持している。
【0027】
該無線センサ10では、照明機器LIが点灯されたことにより薄型太陽電池12が発電し、これにより蓄電素子107の電圧である電源部105の電圧が上昇する。そして電源制御手段101bは、電源部105の出力電圧を検出する電圧検出部117の出力に基づき、これが上限値(無線センサ10の安定した動作が確保できる電圧値)以上になると(ステップS4)、無線センサネットワークWSNを介してBAS管理装置20に照明消灯要求信号を送信する(ステップS5)。
【0028】
BAS管理装置20の無線センサ管理手段203は、照明消灯要求信号を受信すると(ステップS13)、例えば受信した照明消灯要求信号に付されている無線センサ10の送信元アドレスに基づき、該無線センサ10が取り付けられている照明機器LIに無線センサネットワークWSN及び該無線センサ10(通信制御手段101aによる動作)を介して消灯指示信号を送信する(ステップS14)。これにより照明機器LIは強制的に消灯させられる。
【0029】
すなわち、照明機器LIの消灯が長時間継続した場合に、該照明機器LIを無線センサネットワークWSN経由で点灯させ、無線センサ10の電源部105が電力を補充したら照明機器LIを消灯させるようにする。これにより、無線センサ10の本体部10aの電源部105の給電電力をより確実に確保でき、ひいては無線センサネットワークシステムの信頼性が向上する。
【0030】
図10には、この発明による無線センサネットワークシステムの別の特徴的な動作のフローチャートを示し、以下これに従って動作を説明する。無線センサ10の本体部10aの無線センサネットワーク通信制御部101における電源制御手段101bは、電源部105の出力電圧を検出する電圧検出部117の出力に基づき、電源部105の出力電圧が所定値(太陽電池12が正常な発電をしていれば所定値以上の電流が必ず蓄電素子107側に流れて充電が行われる値)以下でありながら(ステップS1)、薄型太陽電池12からの電流値をモニタする電流検出部115からの信号に基づき、薄型太陽電池12からの電流が所定値(照明機器LIの蛍光管LTが球切れが近く、照度が低下していることを判定するため値)以下である場合に(ステップS2)、無線センサネットワークWSNを介してBAS管理装置20に照明機器が球切れが近い又は球切れ発生していることを示す照明機器球切れ警告信号(制御要求信号)を送信する(ステップS3)。
【0031】
BAS管理装置20の無線センサ管理手段203は、照明機器球切れ警告信号を受信すると(ステップS11)、照明機器における球切れの発生、及び、例えば受信した照明機器球切れ警告信号に付されている無線センサ10の送信元アドレスに基づく該当照明機器を伝えるために、BAS管理装置20から管理者に通報を行う。この通報は例えば、BAS管理装置20と通信可能なBAS端末である管理者のパソコン(図示せず)等に対して行われる。また、BAS管理装置20に接続された表示装置等(図示せず)に表示して管理者に知らせるようにしてもよい。
【0032】
すなわち、照明機器LIが球切れが近くて照度が低下しており、太陽電池12の正常な発電が行えない場合に、管理者に球切れの予告を行う。これにより管理者は、蓄電素子107のバックアップが停止するまでの間に、また球切れが発生していれば早急に、復旧措置を施すことができる。これにより、無線センサ10の電源部105の電力をより確実に確保でき、ひいては無線センサネットワークシステムの信頼性が向上する。
【0033】
なお、上述の図9の動作のステップS4において、所定時間経過しても電源部105の電圧が上限値に達しない場合に、照明機器LIが球切れが近くて照度が低下している又は球切れが発生しているとして、同様にして無線センサネットワークWSNを介してBAS管理装置20に照明機器球切れ警告信号(制御要求信号)を送信、これによりBAS管理装置20が管理者に通報を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明による無線センサネットワークシステムのビル内における各構成機器の配置の一例を示す図である。
【図2】この発明による無線センサネットワークシステムの無線センサネットワーク(無線通信網)の構成の一例を示す図である。
【図3】この発明による無線センサネットワークシステムの無線センサ及びその取付状態の一例を示す図である。
【図4】図3の無線センサの太陽電池付クリップの部分の構成の一例を詳細に示す図である。
【図5】この発明による無線センサネットワークシステムの無線センサの取付配置の特徴を説明するための図である。
【図6】この発明による無線センサネットワークシステムの無線センサの電気的な概略構成を示す図である。
【図7】図6の無線センサネットワーク通信制御部の機能ブロック図である。
【図8】この発明による無線センサネットワークシステムのBAS管理装置、無線センサ、この無線センサが取り付けられているBAS端末である照明機器との関係を示した図である。
【図9】この発明による無線センサネットワークシステムの特徴的な動作のフローチャートである。
【図10】この発明による無線センサネットワークシステムの別の特徴的な動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
10 無線センサ、10a 本体部、11 太陽電池付クリップ(取付機構)、11a,11b 狭持部材、11aa,11ba 円弧形状部、11ab,11bb クリップ部、11c 軸部、11ac,11bc 突起部、12 (薄型)太陽電池、12a,12b (薄型)太陽電池、20 BAS管理装置、101 無線センサネットワーク通信制御部、101a 通信制御手段、101b 電源制御手段、103 送受信部、105 電源部、107 蓄電素子、109,111 ダイオード、113 トランジスタ、115 電流検出部、117 電圧検出部、201 BAS管理手段、203 無線センサ管理手段、AR 空調機器、BL ビル、EL エレベータ、EW 電気・水道制御機器、LI 照明機器、LT 蛍光管、MA 管理機器、NT1〜NT3 無線ネットワーク、NTC 無線ネットワーク接続、SE1 セキュリティ機器、SE2 入退室セキュリティ機器、WSN 無線センサネットワーク(無線通信網)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被管理端末を管理装置で集中管理する集中管理システムのための無線通信網であり、複数の無線センサを点在させてこれらの無線センサ間で相互に無線通信を行うことにより上記無線通信網を構成する無線センサネットワークシステムであって、上記各無線センサが、上記被管理端末である照明機器に取り付けられると共に、上記照明機器の光により発電する太陽電池およびこれに並列接続された蓄電素子を含む電源部と、上記太陽電池の発電パターン及び上記電源部の電圧の少なくとも一方をモニタして取り付けられている照明機器の状態を検出し、送受信部に上記管理装置に対して上記無線通信網を介して制御要求信号を送信させる電源制御手段と、を備えたことを特徴とする無線センサネットワークシステム。
【請求項2】
上記電源制御手段が、上記太陽電池の発電パターンから照明機器の消灯継続時間が所定時間以上の時に、照明点灯を要求する上記制御要求信号を送信させることを特徴とする請求項1に記載の無線センサネットワークシステム。
【請求項3】
上記電源制御手段が、上記電源部の出力電圧が所定電圧以下でありながら、太陽電池からの電流が所定電流値以下である場合に管理者に対応を要求するための制御要求信号を送信させることを特徴とする請求項1に記載の無線センサネットワークシステム。
【請求項4】
上記各無線センサが、上記照明機器に照明機器の蛍光管の周面を両側から挟持する一対の挟持部材を有する取付機構により取付けられ、上記太陽電池が、上記各挟持部材の蛍光管側の面にそれぞれに固定され挟持部材と蛍光管との間に挟まれるように設けられた薄型の太陽電池からなことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の無線センサネットワークシステム。
【請求項5】
上記無線通信網がZigBee(登録商標)規格で動作するものであり、上記各無線センサがZigBee端末であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の無線センサネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−179411(P2007−179411A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378863(P2005−378863)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】