無線基地局装置、移動端末装置、及び無線通信方法
【課題】CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現できる無線基地局装置、移動端末装置及び無線通信方法を提供すること。
【解決手段】本発明の無線通信方法は、無線基地局装置において、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成し、自セルを接続セルとする移動端末装置に通知情報を送信し、移動端末装置において、接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信し、接続セルのサブフレーム情報を用いて接続セルのチャネル品質を測定すると共に、他セルのサブフレーム情報を用いて他セルのチャネル品質を測定することを特徴とする。
【解決手段】本発明の無線通信方法は、無線基地局装置において、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成し、自セルを接続セルとする移動端末装置に通知情報を送信し、移動端末装置において、接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信し、接続セルのサブフレーム情報を用いて接続セルのチャネル品質を測定すると共に、他セルのサブフレーム情報を用いて他セルのチャネル品質を測定することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおける無線基地局装置、移動端末装置、及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいては、周波数利用効率の向上、データレートの向上を目的として、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)やHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)を採用することにより、W−CDMA(Wideband‐Code Division Multiple Access)をベースとしたシステムの特徴を最大限に引き出すことが行われている。このUMTSネットワークについては、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてLTE(Long Term Evolution)が検討されている(非特許文献1)。
【0003】
第3世代のシステムは、概して5MHzの固定帯域を用いて、下り回線で最大2Mbps程度の伝送レートを実現できる。一方、LTEのシステムでは、1.4MHz〜20MHzの可変帯域を用いて、下り回線で最大300Mbps及び上り回線で75Mbps程度の伝送レートを実現できる。また、UMTSネットワークにおいては、更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTEの後継のシステムも検討されている(例えば、LTEアドバンスト(LTE−A))。したがって、将来的には、これら複数の移動通信システムが並存することが予想され、これらの複数のシステムに対応できる構成(無線基地局装置や移動端末装置など)が必要となることが考えられる。
【0004】
LTE−Aのシステムの下りリンクにおいては、チャネル品質測定のために、セル共通のCSI−RS(Channel State Information−Reference Signal)が使用されることが決まっている。このCSI−RSは、LTEシステムにおいて定められたCRS(Cell−specific Reference Signal)よりも低い密度、長い周期で多重される。また、このCSI−RSを挿入するサブフレームでは、CSI−RSを含むリソースエレメント(RE)を取り囲むように、物理下り共有チャネル(PDSCH)のREがマッピングされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP, TR25.912 (V7.1.0), "Feasibility study for Evolved UTRA and UTRAN", Sept. 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CSI−RSを用いたチャネル品質の測定においては、他セルからのデータ干渉により測定精度が劣化する場合がある。上述したように、CSI−RSは、低い密度、長い周期で多重されているので、他セルからのデータ干渉からCSI−RSを保護する必要がある。CSI−RSを保護する方法として、他セルのCSI−RSに対応する無線リソースにユーザデータを割り当てないミューティングが検討されている。ミューティングを行う場合、移動端末装置に対して、接続セルの無線基地局装置がCSI−RSの位置やミューティングの位置の情報を通知する。
【0007】
一方、LTE Rel−10においてはサポートされていないが、LTE Rel−11以降において、システム性能を向上させるためにセル間直交化を実現する技術として協調マルチポイント送受信(CoMP)が検討される。CoMPは、セル間連携技術であるので、上述のようにCSI−RSを保護する場合(他セル干渉対策)においても、セル間で連携を行う必要がある。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現できる無線基地局装置、移動端末装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の無線基地局装置は、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成する生成手段と、前記自セルを接続セルとする移動端末装置に前記通知情報を送信する送信手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の移動端末装置は、接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する受信手段と、前記接続セルのサブフレーム情報を用いて前記接続セルのチャネル品質を測定すると共に、前記他セルのサブフレーム情報を用いて前記他セルのチャネル品質を測定するチャネル品質測定手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
本発明の無線通信方法は、無線基地局装置において、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成する工程と、前記自セルを接続セルとする移動端末装置に前記通知情報を送信する工程と、前記移動端末装置において、前記接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する工程と、前記接続セルのサブフレーム情報を用いて前記接続セルのチャネル品質を測定すると共に、前記他セルのサブフレーム情報を用いて前記他セルのチャネル品質を測定する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線基地局装置から移動端末装置に対して、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を送信するので、移動端末装置において、自セルのサブフレーム情報に加えて他セルのサブフレーム情報も取得することができる。このため、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】リソースブロックにおけるCSI−RSの割り当てパターンを説明するための図である。
【図2】CSI−RSを用いたCQI測定におけるミューティングを説明するための図である。
【図3】ミューティング通知方法の一例を示す図である。
【図4】自セル及び他セルのCSI−RS送信/ミューティングを説明するための図である。
【図5】通知情報を個別信号で通知する場合のシーケンスを示す図である。
【図6】通知情報を個別信号で通知する場合のシーケンスを示す図である。
【図7】無線通信システムのシステム構成を説明するための図である。
【図8】無線基地局装置の全体構成を説明するための図である。
【図9】移動端末装置の全体構成を説明するための図である。
【図10】無線基地局装置による無線通信方法に対応した機能ブロック図である。
【図11】移動端末装置により無線通信方法に対応した機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、図1を参照して、LTEシステムの後継システムで適用される参照信号の1つであるCSI−RSについて説明する。CSI−RSは、チャネル状態としてのCQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)などのチャネル状態の測定(CSI測定)に用いられる参照信号である。CSI−RSは、全てのサブフレームに割り当てられるCRSと異なり、所定の周期、例えば10サブフレーム周期で割り当てられる。また、CSI−RSは、位置、系列及び送信電力というパラメータで特定される。CSI−RSの位置には、サブフレームオフセット、周期、サブキャリア−シンボルオフセット(インデックス)が含まれる。
【0015】
CSI−RSは、LTEで規定される1リソースブロックにおいて、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)信号などの制御信号、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)信号などのユーザデータ、CRS(Cell−specific Reference Signal)やDM−RS(Demodulation−Reference Signal)などの他の参照信号と重ならないように割り当てられる。1リソースブロックは、周波数方向に連続する12サブキャリアと、時間軸方向に連続する14シンボルとで構成される。PAPR(Peak−to−Average Power Ratio)を抑制する観点から、CSI−RSを送信可能なリソースは、時間軸方向に隣接する2つのリソースエレメントがセットで割り当てられる。
【0016】
図1に示されるCSI−RS構成では、CSI−RS用リソース(参照信号用リソース)として40リソースエレメントが確保されている。この40リソースエレメントには、CSI−RSポート数(アンテナ数)に応じてCSI−RSパターンが設定される。各CSI−RSパターンでは、1つのCSI−RSポートにつき、1つのリソースエレメントがCSI−RS用に割り当てられる。CSI−RSポート数が2の場合、40リソースエレメントの中の2つのリソースエレメントにCSI−RSが割り当てられる。よって、図1(a)では、インデックス#0−#19(CSI Configuration=0−19)で示される20パターンのCSI−RSパターンが設定される。ここでは、説明の便宜上、1パターンを構成するリソースエレメントに同一のインデックスを付している。
【0017】
CSI−RSポート数が4の場合、40リソースエレメントの中の4つのリソースエレメントにCSI−RSが割り当てられる。よって、図1(b)では、インデックス#0−#9(CSI Configuration=0−9)で示される10パターンのCSI−RSパターンが設定される。CSI−RSポート数が8の場合、40リソースエレメントの中の8つのリソースエレメントにCSI−RSが割り当てられる。よって、図1(c)に示すように、インデックス#0−#4(CSI Configuration=0−4)で示される5パターンのCSI−RSパターンが設定される。なお、CSI−RSパターンにおいて、CSI−RSが割り当てられなかったリソースエレメントには、ユーザデータが割り当てられる。そして、CSI−RSは、セル毎に異なるCSI−RSパターン(CSI Configuration)が選択されることで、セル間での干渉が抑えられている。
【0018】
ところで、CSI−RSを用いたCSI測定においては、他セルからのデータ干渉により測定精度が劣化する場合がある。例えば、図2(a)に示す場合においては、セルC1の下りリンクのリソースブロックに、他セルC2のCSI−RSに対応してユーザデータが割り当てられている。また、セルC2の下りリンクのリソースブロックに、他セルC1のCSI−RSに対応してユーザデータが割り当てられている。これらユーザデータは、各セルにおけるCSI−RSの干渉成分となり、セルC1及びセルC2の境界に位置する移動端末装置におけるCSIの測定精度を劣化させる要因となる。
【0019】
ユーザデータの割り当て位置に起因するCSIの測定精度の劣化を改善するため、ミューティングが検討されている。ミューティングにおいては、図2(b)に示すように、他セルのCSI−RSに対応するリソースにユーザデータが割り当てられない。セルC1の下りリンクのリソースブロックは、セルC2のCSI−RSに対応してミューティングされる。また、セルC2の下りリンクのリソースブロックは、セルC1のCSI−RSに対応してミューティングされる。この構成により、他セルのユーザデータに起因するCSI−RSの干渉成分を除去して、移動端末装置におけるCSIの測定精度を改善することができる。
【0020】
なお、ミューティングされるリソースは、全くデータが割り当てられないリソースとして規定されても良く、他セルのCSI−RSに干渉を与えない程度にデータが割り当てられるリソースとして規定されても良い。さらに、ミューティングされたリソースは、他セルのCSI−RSに対して干渉を与えない程度の送信電力で送信されるリソースとして規定されても良い。
【0021】
無線基地局装置が、移動端末装置に対してミューティングを通知する場合には、CSI−RSパターンを用いて通知する。この場合、CSI−RSパターンにナンバリングされるインデックス(CSI Configuration)とミューティングの有無とを1対1で対応付けしたビットマップ形式でミューティングを通知しても良い。また、ミューティングの通知とCSI−RSの通知とで、CSI−RSポート数が異なるCSI−RSパターンを使用しても良い。
【0022】
図3では、CSI−RSポート数が4の場合のCSI−RSパターンを用いて、ミューティングを通知する例を示している。ここでは、インデックス#0、#1(CSI Configuration=0,1)で示されるCSI−RS用リソースにミューティングが設定されている。この場合、FDD(Frequency Division Duplex)のノーマルパターンにTDD(Time Division Duplex)のアディショナルパターンを加えたインデックスに対応させて、16ビットのビットマップ情報[1100000000000000]が通知される。ビットマップ情報では、ミューティングされるリソースには“1”がセットされ、ミューティングされないリソースには“0”がセットされる。また、無線基地局装置は、ビットマップ情報の他に、送信周期(Duty Cycle)、サブフレームオフセットを移動端末装置に対して通知する。
【0023】
また、図3では、CSI−RSポート数が2の場合のCSI−RSパターンを用いてCSI−RSを通知している。ここでは、図1(a)のインデックス#1(CSI Configuration=1)で示されるCSI−RS用リソースにCSI−RSが割り当てられる。したがって、ビットマップ情報で示されるミューティングリソースのうち、CSI−RSが割り当てられるリソースを除いて、ミューティングが設定される。無線基地局装置は、ミューティング情報に加えてCSI−RSが割り当てられるリソースを移動端末装置に対して通知する。
【0024】
また、LTE Rel−10においては、CSI−RSを送信するサブフレームと、ページングを多重しているサブフレーム、SIB(System Information Block)Xを多重しているサブフレーム、MIB(Master Information Block)を多重しているサブフレーム、同期信号(PSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal))を多重しているサブフレームとが衝突する場合にはCSI−RSを送信しない。無線基地局装置は、上記ページングなどが多重しているサブフレームの情報を移動端末装置に対して通知する。
【0025】
ところで、LTE Rel−10においては、自セル(接続セル)のみを考慮してCSI−RS送信/ミューティングを適用すれば良いが、LTE Rel−11以降で検討されるセル間連携技術、例えばCoMPを想定すると、移動端末装置は、自セルのみならず、他セルのCSI−RS送信/ミューティングの情報(CSI−RS/Muting configuration information)なども必要となる。そこで、本発明者らは、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することができるように、他セルのサブフレーム情報、例えばCSI−RS送信/ミューティングの情報などのシグナリングを提案する。なお、他セルのサブフレーム情報としては、CSI−RS送信/ミューティングの情報に限定されず、セル間連携技術を考慮した場合における他セルのサブフレームに関する他の情報(例えば、ページング、SIBX、MIB、及び/又は同期信号を多重しているサブフレームの情報)を含むものとする。
【0026】
例えば、CoMPが適用される移動端末装置においては、図4に示すように、自セル(例えば、マクロセル#1)のみならず、他セル(例えば、マクロセル#2)のCSI−RS送信/ミューティングの情報も必要となる。これにより、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することができる。
【0027】
すなわち、本発明の骨子は、無線基地局装置において、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成し、自セルを接続セルとする移動端末装置に通知情報を送信し、移動端末装置において、接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信し、接続セルのサブフレーム情報を用いて接続セルのチャネル品質を測定すると共に、他セルのサブフレーム情報を用いて他セルのチャネル品質を測定することにより、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することである。
【0028】
本発明において、サブフレーム情報とは、セル間連携技術を考慮した場合における他セルのサブフレームに関する情報をいい、CSI−RS送信(未送信)/ミューティングのための情報(CSI−RS/Muting configuration information)をいい、必要に応じてページング、SIBX、MIB(報知情報)、及び/又は同期信号を多重しているサブフレームの情報を含む。具体的に、CSI−RS送信(未送信)の情報とは、CSI−RSを送信するサブフレームを示す情報あるいはCSI−RS送信しないサブフレームを示す情報をいい、CSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータを含む。ミューティングの情報とは、ミューティングするサブフレームを示す情報をいい、ミューティングリソース特定情報、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックスを含む。
【0029】
なお、他セルのサブフレーム情報については、SIBX、MIB、及び/又は同期信号を多重しているサブフレームの情報とし、必ずしも、CSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、ミューティングリソース特定情報、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックスを含まなくても良い。
【0030】
したがって、自セルのサブフレーム情報としては、自セルのCSI−RS/ミューティングのパラメータと、自セルのページング、報知情報とを含み、他セルのサブフレーム情報としては、他セルのページング、報知情報を含む。なお、他セルのサブフレーム情報に、他セルのCSI−RS/ミューティングのパラメータを含めても良い。
【0031】
ここで、自セルのサブフレーム情報及び/又は他セルのサブフレーム情報(通知情報)を無線基地局装置から移動端末装置に対して送信する方法について説明する。通知情報を送信する方法としては、(1)個別信号で送信する方法と、(2)報知信号で送信する方法とがある。これらの送信方法での送信態様としては、(a)自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を個別信号で送信する態様、(b)自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する態様、(c)自セルのサブフレーム情報を個別信号で送信し、他セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する態様、(d)他セルのサブフレーム情報を個別信号で送信し、自セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する態様が挙げられる。
【0032】
(1)通知情報を個別信号で送信する場合、図5に示す処理手順における、RRC CONNECTION RECONFIGURATION信号を用いて送信する。この処理手順においては、まず、移動端末装置UEが無線基地局装置eNBに対して、RACH preambleを送信する。無線基地局装置eNBは、RACH preambleを受信したときに、移動端末装置UEに対して、RACH responseを送信する。次いで、移動端末装置UEは、無線基地局装置eNBに対して、RRC CONNECTION REQUEST(Message 3)を送信する。無線基地局装置eNBは、RRC CONNECTION REQUEST(Message 3)を受信したときに、移動端末装置UEに対して、RRC CONNECTION SETUP(Message 4)を送信する。
【0033】
移動端末装置UEは、RRC CONNECTION SETUP(Message 4)を受信すると、無線基地局装置eNBに対して、RRC CONNECTION SETUP COMPLETEを送信する。無線基地局装置eNBは、RRC CONNECTION SETUP COMPLETEを受信すると、移動管理ノードMMEに対して、INITIAL UE MESSAGEを送信する。これにより、移動端末装置UEと移動管理ノードMMEとの間で、AuthenticationやNAS security procedureが行われる。その後、移動管理ノードMMEは、無線基地局装置eNBに対して、INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTを送信する。
【0034】
なお、INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTにUE CAPABILITYが含まれていない場合、無線基地局装置eNBは、移動端末装置UEに対して、UE CAPABILITY ENQUIRYを送信する。移動端末装置UEは、UE CAPABILITY ENQUIRYを受信したとき、無線基地局装置eNBに対して、UE CAPABILITY INFORMATIONを送信する。そして、無線基地局装置eNBは、移動管理ノードMMEに対して、UE CAPABILITY INFO INDICATIONを送信する。
【0035】
次いで、無線基地局装置eNBは、移動端末装置UEに対して、SECURITY MODE COMMANDを送信する。その後、無線基地局装置eNBは、移動端末装置UEに対して、通知情報(CSI−RS/Muting configuration information)を含むRRC CONNECTION RECONFIGURATIONを送信する。その後、図6に示すように、移動端末装置UEは、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONを受信したときに、無線基地局装置eNBに対して、RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPを送信する。無線基地局装置eNBは、RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPを受信した後、すなわち、Ambiguity periodが経過した後、CSI−RSを送信するサブフレームにおける移動端末装置UE宛ての下りデータの送信及び隣接セルの下りデータの送信停止(CSI−RS/ミューティング)を開始する。
【0036】
(2)通知情報は報知信号で送信しても良い。ここで、通知情報を報知信号で送信するとは、SIBXを多重しているサブフレームで通知情報を送信すること、MIBを多重しているサブフレームで通知情報を送信することをいう。
【0037】
なお、移動端末装置UEは、上記(1)、(2)のようにして送信された通知情報(CSI−RS/Muting configuration information)を受信すると、この通知情報に基づいて、チャネル品質測定を行う。具体的には、接続セルのサブフレーム情報を用いて接続セルのチャネル品質を測定すると共に、他セルのサブフレーム情報を用いて他セルのチャネル品質を測定する。
【0038】
無線基地局装置eNBは、他セルのサブフレーム情報を他セルの無線基地局装置eNBから取得する。例えば、無線基地局装置eNBは、他セルのサブフレーム情報を他セルの無線基地局装置eNBからX2インターフェースなどにより取得することができる。
【0039】
このようにして、移動端末装置UEは、自セルのサブフレーム情報に加えて他セルのサブフレーム情報を取得できるので、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することが可能となる。
【0040】
ここで、本発明の実施例に係る無線通信システムについて詳細に説明する。図7は、本実施例に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。なお、図7に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域を一単位とする複数の基本周波数ブロックを一体としたキャリアアグリゲーションが用いられている。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良く、4Gと呼ばれても良い。
【0041】
図7に示すように、無線通信システム1は、無線基地局装置20A,20Bと、この無線基地局装置20A,20Bと通信する複数の第1、第2の移動端末装置10A,10Bとを含んで構成されている。無線基地局装置20A,20Bは、上位局装置30と接続され、この上位局装置30は、コアネットワーク40と接続される。また、無線基地局装置20A,20Bは、有線接続又は無線接続により相互に接続されている。第1、第2の移動端末装置10A,10Bは、セルC1,C2において無線基地局装置20A,20Bと通信を行うことができる。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されない。
【0042】
第1、第2の移動端末装置10A,10Bは、LTE端末及びLTE−A端末を含むが、以下においては、特段の断りがない限り第1、第2の移動端末装置として説明を進める。また、説明の便宜上、無線基地局装置20A,20Bと無線通信するのは第1、第2の移動端末装置10A,10Bであるものとして説明するが、より一般的には移動端末装置も固定端末装置も含むユーザ装置(UE)でよい。
【0043】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用されるが、上りリンクの無線アクセス方式はこれに限定されない。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0044】
ここで、通信チャネルについて説明する。
下りリンクの通信チャネルは、第1、第2の移動端末装置10A,10Bで共有される下りデータチャネルとしてのPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)と、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とを有する。PDSCHにより、送信データ及び上位制御情報が伝送される。PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。
【0045】
上りリンクの通信チャネルは、各移動端末装置で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とを有する。このPUSCHにより、送信データや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、ACK/NACKなどが伝送される。
【0046】
図8を参照しながら、本実施の形態に係る無線基地局装置の全体構成について説明する。なお、無線基地局装置20A,20Bは、同様な構成であるため、無線基地局装置20として説明する。また、第1、第2の移動端末装置10A,10Bも、同様な構成であるため、移動端末装置10として説明する。無線基地局装置20は、送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(通知部)203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206とを備えている。下りリンクにより無線基地局装置20から移動端末装置に送信される送信データは、上位局装置30から伝送路インターフェース206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。
【0047】
ベースバンド信号処理部204において、下りデータチャネルの信号は、PDCPレイヤの処理、送信データの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、プリコーディング処理が行われる。また、下りリンク制御チャネルである物理下りリンク制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われる。
【0048】
また、ベースバンド信号処理部204は、報知チャネルにより、同一セルに接続する移動端末装置10に対して、各移動端末装置10が無線基地局装置20との無線通信するための制御情報を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅や、PRACH(Physical Random Access Channel)におけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)などが含まれる。
【0049】
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部202は周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201へ出力する。
【0050】
一方、上りリンクにより移動端末装置10から無線基地局装置20に送信される信号については、送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0051】
ベースバンド信号処理部204は、上りリンクで受信したベースバンド信号に含まれる送信データに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理を行う。復号された信号は伝送路インターフェース206を介して上位局装置30に転送される。
【0052】
呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局装置20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0053】
次に、図9を参照しながら、本実施の形態に係る移動端末装置の全体構成について説明する。LTE端末もLTE−A端末もハードウエアの主要部構成は同じであるので、区別せずに説明する。移動端末装置10は、送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部(受信部)103と、ベースバンド信号処理部104と、アプリケーション部105とを備えている。
【0054】
下りリンクのデータについては、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅され、送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部104でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクの送信データは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報も、アプリケーション部105に転送される。
【0055】
一方、上りリンクの送信データは、アプリケーション部105からベースバンド信号処理部104に入力される。ベースバンド信号処理部104においては、マッピング処理、再送制御(HARQ)の送信処理や、チャネル符号化、DFT処理、IFFT処理を行う。送受信部103は、ベースバンド信号処理部104から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101より送信する。
【0056】
図10を参照して、無線基地局装置の機能ブロックについて説明する。なお、図10の各機能ブロックは、主にベースバンド処理部の処理内容である。また、図10の機能ブロック図は、簡略化したものであり、ベースバンド処理部において通常備える構成を備えるものとする。また、以下の説明では、CSI−RSが配置されたリソースを特定するためのインデックスをCSI−RSインデックスとして説明する。
【0057】
図10に示すように、無線基地局装置20は、CRS配置部207と、CSI−RS配置部208と、CSI−RS/ミューティング情報生成部210と、報知信号/個別信号生成部209とを有している。CSI−RS/ミューティング情報生成部210は、CSI−RSインデックス生成部2101と、ミューティングリソース設定部2102と、ミューティングリソース特定情報生成部2103と、CSI−RSパラメータ生成部2104と、ミューティング間隔情報生成部2105と、ミューティングインデックス生成部2106とを有している。
【0058】
CRS配置部207は、リソーブロックにおけるCRS送信用リソースにCRSを配置する。CSI−RS配置部208は、リソーブロックにおけるCSI−RS送信用リソースに、CSI−RSポート数に応じてCSI−RSを配置する。
【0059】
CSI−RS/ミューティング情報生成部210のCSI−RSインデックス生成部2101は、CSI−RS配置部208によりCSI−RSが配置されたリソースに対応したCSI−RSインデックスを生成する。CSI−RSインデックス生成部2101で生成されたCSI−RSインデックスは、CSI−RSパラメータの一つとして報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0060】
ミューティングリソース設定部2102は、隣接セルにおいてCSI−RSが配置されるリソースに対応したリソースをミューティングリソースに設定する。なお、本実施の形態では、ミューティングリソースは、全くデータが割り当てられないリソースとしても良く、隣接セルのCSI−RSに干渉を与えない程度にデータが割り当てるリソースとして規定されても良い。さらに、ミューティングリソースは、隣接セルのCSI−RSに対して干渉を与えない程度の送信電力で送信されるリソースとして規定されても良い。
【0061】
ミューティングリソース特定情報生成部2103は、ミューティングの通知方法で用いられるミューティングリソース特定情報を生成する。ミューティングリソース特定情報としては、例えば、ビットマップ情報、ミューティングリソースの配置パターンなどが挙げられる。
【0062】
ミューティングリソース特定情報が移動端末装置10に通知されると、移動端末装置10側でミューティングリソース特定情報に示されるリソースがミューティングリソースとして認識される。ミューティングリソース特定情報は、ミューティングパラメータの一つとして報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0063】
CSI−RSパラメータ生成部2104は、CSI−RSインデックス以外のCSI−RSの系列や送信電力などのパラメータを生成する。CSI−RSパラメータ生成部2104で生成されたCSI−RSパラメータは、報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0064】
ミューティング間隔情報生成部2105は、複数セル間でCSI−RSの送信タイミングが一致するサブフレームの送信間隔(ミューティング間隔)を示すミューティング間隔情報を生成する。ミューティング間隔情報生成部2105は、自セルにおけるCSI−RSの送信周期と隣接セルから取得したCSI−RSの送信周期とに基づいてミューティング間隔情報を生成する。ミューティング間隔情報生成部2105で生成されたミューティング間隔情報は、報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0065】
ミューティングインデックス生成部2106は、ミューティングリソースのインデックスを生成する。ミューティングインデックスは、ミューティングリソース特定情報(ビットマップ情報、ミューティングリソースの配置パターン)の代わりに移動端末装置10に通知されるものである。ミューティングインデックス生成部2106で生成されたミューティングインデックスは、報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0066】
報知信号/個別信号生成部209は、自セルのサブフレーム情報(自セルのCSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、ミューティングリソース特定情報、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックス、及び自セルのページング情報(ページングが多重されたサブフレームの情報)、自セルの報知情報(MIBやSIBなどが多重されたサブフレームの情報))、及び他セルのサブフレーム情報(他セルのページング情報(ページングが多重されたサブフレームの情報)、他セルの報知情報(MIBやSIBなどが多重されたサブフレームの情報))を含む報知信号又は個別信号を生成する。
【0067】
報知信号/個別信号生成部209においては、(a)自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を個別信号で送信する場合には、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む個別信号を生成する。(b)自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する場合には、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む報知信号を生成する。(c)自セルのサブフレーム情報を個別信号で送信し、他セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する場合には、自セルのサブフレーム情報を含む個別信号を生成すると共に、他セルのサブフレーム情報を含む報知信号を生成する。(d)他セルのサブフレーム情報を個別信号で送信し、自セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する場合には、他セルのサブフレーム情報を含む個別信号を生成すると共に、自セルのサブフレーム情報を含む報知信号を生成する。
【0068】
送受信部203は、CRS、CSI−RS並びに報知信号/個別信号を移動端末装置10に送信する。
【0069】
図11は、移動端末装置による主にCQIを測定するための機能ブロックの説明図である。なお、図11の各機能ブロックは、主にベースバンド処理部の処理内容である。また、図11に示す機能ブロックは、本発明を説明するために簡略化したものであり、ベースバンド処理部において通常備える構成は備えるものとする。
【0070】
図11に示すように、移動端末装置10は、送受信部103と、CSI−RS/ミューティング情報取得部106と、ユーザデータ復調部107と、自セルチャネル品質測定部108と、他セルチャネル品質測定部109とを有している。送受信部103は、無線基地局装置20からCRS、CSI−RS及び報知信号/個別信号を受信する。
【0071】
ユーザデータ復調部107は、送受信部103を介して受信したユーザデータを復調する。ユーザデータ復調部107は、ミューティングリソース特定情報に示されるミューティングリソースを無視して、ユーザデータを復調する。このため、復調処理のスループット及び復調精度が向上される。なお、ユーザデータ復調部107を設ける代わりに、CSI−RS/ミューティング情報取得部106でユーザデータの復調処理を行っても良い。
【0072】
CSI−RS/ミューティング情報取得部106は、個別信号及び/又は報知信号を復調して、自セルのサブフレーム情報(自セルのCSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、ミューティングリソース特定情報、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックス、及び自セルのページング情報(ページングが多重されたサブフレームの情報)、自セルの報知情報(MIBやSIBなどが多重されたサブフレームの情報))、及び他セルのサブフレーム情報(他セルのページング情報(ページングが多重されたサブフレームの情報)、他セルの報知情報(MIBやSIBなどが多重されたサブフレームの情報))を取得する。
【0073】
CSI−RS/ミューティング情報取得部106は、自セルのCSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、自セルのページング情報、自セルの報知情報を自セルチャネル品質測定部108に出力する。また、CSI−RS/ミューティング情報取得部106は、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックス、他セルのページング情報、他セルの報知情報を他セルチャネル品質測定部109に出力する。なお、必要に応じて、CSI−RS/ミューティング情報取得部106は、ミューティングリソース特定情報を他セルチャネル品質測定部109に出力する。
【0074】
自セルチャネル品質測定部108は、自セルのCSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、自セルのページング情報、自セルの報知情報を用いて、自セル(接続セル)のチャネル品質を測定し、測定したチャネル品質から自セルCSIを求める。この場合、自セルのページング情報、自セルの報知情報が多重されているサブフレームでは、CSI−RSが多重されていないので、チャネル品質を測定せず、その他のサブフレームのCSI−RSを用いてチャネル品質を測定する。自セルチャネル品質測定部108は、この自セルCSI情報を送受信部103に出力する。
【0075】
他セルチャネル品質測定部109は、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックス、他セルのページング情報、他セルの報知情報を用いて、他セルのチャネル品質を測定し、測定したチャネル品質から他セルCSIを求める。この場合、他セルのページング情報、他セルの報知情報が多重されているサブフレームでは、CSI−RSが多重されていないので、チャネル品質を測定せず、その他のサブフレームのCSI−RSを用いてチャネル品質を測定する。他セルチャネル品質測定部109は、この他セルCSI情報を送受信部103に出力する。なお、自セルチャネル品質測定部108及び他セルチャネル品質測定部109は、同一の処理部で構成されていても良い。
【0076】
送受信部103は、自セルCSI情報を接続セルの無線基地局装置に送信すると共に、他セルCSI情報を他セルの無線基地局装置に送信する。
【0077】
このような無線通信システムにおいては、まず、無線基地局装置eNBにおいて、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報(報知信号/個別信号)を生成する。次いで、この通知情報を報知信号及び/又は個別信号で移動端末装置UEに送信する。移動端末装置UEにおいては、接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する。次いで、接続セルのサブフレーム情報を用いて接続セルのチャネル品質を測定すると共に、他セルのサブフレーム情報を用いて他セルのチャネル品質を測定する。このため、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現できる。
【0078】
上記実施の形態においては、複数セル間でミューティングされることで、チャネル品質の推定精度が改善される構成としているが、この構成に限定されるものではない。複数エリア間でミューティングされていればよく、例えば、複数セクタ間でミューティングされる構成としても良い。
【0079】
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明におけるミューティングリソースの設定位置、処理部の数、処理手順、ミューティングリソースの数については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 無線通信システム
10 移動端末装置
20 無線基地局装置
101 送受信アンテナ
102 アンプ部
103 送受信部(受信部)
104 ベースバンド信号処理部
105 アプリケーション部
106 CSI−RS/ミューティング情報取得部
107 ユーザデータ復調部
108 自セルチャネル品質測定部
109 他セルチャネル品質測定部
201 送受信アンテナ
202 アンプ部
203 送受信部(通知部)
204 ベースバンド信号処理部
205 呼処理部
206 伝送路インターフェース
207 CRS配置部
208 CSI−RS配置部
209 報知信号/個別信号生成部
210 CSI−RS/ミューティング情報生成部
2101 CSI−RSインデックス生成部
2102 ミューティングリソース設定部
2103 ミューティングリソース特定情報生成部
2104 CSI−RSパラメータ生成部
2105 ミューティング間隔情報生成部
2106 ミューティングインデックス生成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおける無線基地局装置、移動端末装置、及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいては、周波数利用効率の向上、データレートの向上を目的として、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)やHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)を採用することにより、W−CDMA(Wideband‐Code Division Multiple Access)をベースとしたシステムの特徴を最大限に引き出すことが行われている。このUMTSネットワークについては、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてLTE(Long Term Evolution)が検討されている(非特許文献1)。
【0003】
第3世代のシステムは、概して5MHzの固定帯域を用いて、下り回線で最大2Mbps程度の伝送レートを実現できる。一方、LTEのシステムでは、1.4MHz〜20MHzの可変帯域を用いて、下り回線で最大300Mbps及び上り回線で75Mbps程度の伝送レートを実現できる。また、UMTSネットワークにおいては、更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTEの後継のシステムも検討されている(例えば、LTEアドバンスト(LTE−A))。したがって、将来的には、これら複数の移動通信システムが並存することが予想され、これらの複数のシステムに対応できる構成(無線基地局装置や移動端末装置など)が必要となることが考えられる。
【0004】
LTE−Aのシステムの下りリンクにおいては、チャネル品質測定のために、セル共通のCSI−RS(Channel State Information−Reference Signal)が使用されることが決まっている。このCSI−RSは、LTEシステムにおいて定められたCRS(Cell−specific Reference Signal)よりも低い密度、長い周期で多重される。また、このCSI−RSを挿入するサブフレームでは、CSI−RSを含むリソースエレメント(RE)を取り囲むように、物理下り共有チャネル(PDSCH)のREがマッピングされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP, TR25.912 (V7.1.0), "Feasibility study for Evolved UTRA and UTRAN", Sept. 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CSI−RSを用いたチャネル品質の測定においては、他セルからのデータ干渉により測定精度が劣化する場合がある。上述したように、CSI−RSは、低い密度、長い周期で多重されているので、他セルからのデータ干渉からCSI−RSを保護する必要がある。CSI−RSを保護する方法として、他セルのCSI−RSに対応する無線リソースにユーザデータを割り当てないミューティングが検討されている。ミューティングを行う場合、移動端末装置に対して、接続セルの無線基地局装置がCSI−RSの位置やミューティングの位置の情報を通知する。
【0007】
一方、LTE Rel−10においてはサポートされていないが、LTE Rel−11以降において、システム性能を向上させるためにセル間直交化を実現する技術として協調マルチポイント送受信(CoMP)が検討される。CoMPは、セル間連携技術であるので、上述のようにCSI−RSを保護する場合(他セル干渉対策)においても、セル間で連携を行う必要がある。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現できる無線基地局装置、移動端末装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の無線基地局装置は、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成する生成手段と、前記自セルを接続セルとする移動端末装置に前記通知情報を送信する送信手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の移動端末装置は、接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する受信手段と、前記接続セルのサブフレーム情報を用いて前記接続セルのチャネル品質を測定すると共に、前記他セルのサブフレーム情報を用いて前記他セルのチャネル品質を測定するチャネル品質測定手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
本発明の無線通信方法は、無線基地局装置において、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成する工程と、前記自セルを接続セルとする移動端末装置に前記通知情報を送信する工程と、前記移動端末装置において、前記接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する工程と、前記接続セルのサブフレーム情報を用いて前記接続セルのチャネル品質を測定すると共に、前記他セルのサブフレーム情報を用いて前記他セルのチャネル品質を測定する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線基地局装置から移動端末装置に対して、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を送信するので、移動端末装置において、自セルのサブフレーム情報に加えて他セルのサブフレーム情報も取得することができる。このため、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】リソースブロックにおけるCSI−RSの割り当てパターンを説明するための図である。
【図2】CSI−RSを用いたCQI測定におけるミューティングを説明するための図である。
【図3】ミューティング通知方法の一例を示す図である。
【図4】自セル及び他セルのCSI−RS送信/ミューティングを説明するための図である。
【図5】通知情報を個別信号で通知する場合のシーケンスを示す図である。
【図6】通知情報を個別信号で通知する場合のシーケンスを示す図である。
【図7】無線通信システムのシステム構成を説明するための図である。
【図8】無線基地局装置の全体構成を説明するための図である。
【図9】移動端末装置の全体構成を説明するための図である。
【図10】無線基地局装置による無線通信方法に対応した機能ブロック図である。
【図11】移動端末装置により無線通信方法に対応した機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、図1を参照して、LTEシステムの後継システムで適用される参照信号の1つであるCSI−RSについて説明する。CSI−RSは、チャネル状態としてのCQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)などのチャネル状態の測定(CSI測定)に用いられる参照信号である。CSI−RSは、全てのサブフレームに割り当てられるCRSと異なり、所定の周期、例えば10サブフレーム周期で割り当てられる。また、CSI−RSは、位置、系列及び送信電力というパラメータで特定される。CSI−RSの位置には、サブフレームオフセット、周期、サブキャリア−シンボルオフセット(インデックス)が含まれる。
【0015】
CSI−RSは、LTEで規定される1リソースブロックにおいて、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)信号などの制御信号、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)信号などのユーザデータ、CRS(Cell−specific Reference Signal)やDM−RS(Demodulation−Reference Signal)などの他の参照信号と重ならないように割り当てられる。1リソースブロックは、周波数方向に連続する12サブキャリアと、時間軸方向に連続する14シンボルとで構成される。PAPR(Peak−to−Average Power Ratio)を抑制する観点から、CSI−RSを送信可能なリソースは、時間軸方向に隣接する2つのリソースエレメントがセットで割り当てられる。
【0016】
図1に示されるCSI−RS構成では、CSI−RS用リソース(参照信号用リソース)として40リソースエレメントが確保されている。この40リソースエレメントには、CSI−RSポート数(アンテナ数)に応じてCSI−RSパターンが設定される。各CSI−RSパターンでは、1つのCSI−RSポートにつき、1つのリソースエレメントがCSI−RS用に割り当てられる。CSI−RSポート数が2の場合、40リソースエレメントの中の2つのリソースエレメントにCSI−RSが割り当てられる。よって、図1(a)では、インデックス#0−#19(CSI Configuration=0−19)で示される20パターンのCSI−RSパターンが設定される。ここでは、説明の便宜上、1パターンを構成するリソースエレメントに同一のインデックスを付している。
【0017】
CSI−RSポート数が4の場合、40リソースエレメントの中の4つのリソースエレメントにCSI−RSが割り当てられる。よって、図1(b)では、インデックス#0−#9(CSI Configuration=0−9)で示される10パターンのCSI−RSパターンが設定される。CSI−RSポート数が8の場合、40リソースエレメントの中の8つのリソースエレメントにCSI−RSが割り当てられる。よって、図1(c)に示すように、インデックス#0−#4(CSI Configuration=0−4)で示される5パターンのCSI−RSパターンが設定される。なお、CSI−RSパターンにおいて、CSI−RSが割り当てられなかったリソースエレメントには、ユーザデータが割り当てられる。そして、CSI−RSは、セル毎に異なるCSI−RSパターン(CSI Configuration)が選択されることで、セル間での干渉が抑えられている。
【0018】
ところで、CSI−RSを用いたCSI測定においては、他セルからのデータ干渉により測定精度が劣化する場合がある。例えば、図2(a)に示す場合においては、セルC1の下りリンクのリソースブロックに、他セルC2のCSI−RSに対応してユーザデータが割り当てられている。また、セルC2の下りリンクのリソースブロックに、他セルC1のCSI−RSに対応してユーザデータが割り当てられている。これらユーザデータは、各セルにおけるCSI−RSの干渉成分となり、セルC1及びセルC2の境界に位置する移動端末装置におけるCSIの測定精度を劣化させる要因となる。
【0019】
ユーザデータの割り当て位置に起因するCSIの測定精度の劣化を改善するため、ミューティングが検討されている。ミューティングにおいては、図2(b)に示すように、他セルのCSI−RSに対応するリソースにユーザデータが割り当てられない。セルC1の下りリンクのリソースブロックは、セルC2のCSI−RSに対応してミューティングされる。また、セルC2の下りリンクのリソースブロックは、セルC1のCSI−RSに対応してミューティングされる。この構成により、他セルのユーザデータに起因するCSI−RSの干渉成分を除去して、移動端末装置におけるCSIの測定精度を改善することができる。
【0020】
なお、ミューティングされるリソースは、全くデータが割り当てられないリソースとして規定されても良く、他セルのCSI−RSに干渉を与えない程度にデータが割り当てられるリソースとして規定されても良い。さらに、ミューティングされたリソースは、他セルのCSI−RSに対して干渉を与えない程度の送信電力で送信されるリソースとして規定されても良い。
【0021】
無線基地局装置が、移動端末装置に対してミューティングを通知する場合には、CSI−RSパターンを用いて通知する。この場合、CSI−RSパターンにナンバリングされるインデックス(CSI Configuration)とミューティングの有無とを1対1で対応付けしたビットマップ形式でミューティングを通知しても良い。また、ミューティングの通知とCSI−RSの通知とで、CSI−RSポート数が異なるCSI−RSパターンを使用しても良い。
【0022】
図3では、CSI−RSポート数が4の場合のCSI−RSパターンを用いて、ミューティングを通知する例を示している。ここでは、インデックス#0、#1(CSI Configuration=0,1)で示されるCSI−RS用リソースにミューティングが設定されている。この場合、FDD(Frequency Division Duplex)のノーマルパターンにTDD(Time Division Duplex)のアディショナルパターンを加えたインデックスに対応させて、16ビットのビットマップ情報[1100000000000000]が通知される。ビットマップ情報では、ミューティングされるリソースには“1”がセットされ、ミューティングされないリソースには“0”がセットされる。また、無線基地局装置は、ビットマップ情報の他に、送信周期(Duty Cycle)、サブフレームオフセットを移動端末装置に対して通知する。
【0023】
また、図3では、CSI−RSポート数が2の場合のCSI−RSパターンを用いてCSI−RSを通知している。ここでは、図1(a)のインデックス#1(CSI Configuration=1)で示されるCSI−RS用リソースにCSI−RSが割り当てられる。したがって、ビットマップ情報で示されるミューティングリソースのうち、CSI−RSが割り当てられるリソースを除いて、ミューティングが設定される。無線基地局装置は、ミューティング情報に加えてCSI−RSが割り当てられるリソースを移動端末装置に対して通知する。
【0024】
また、LTE Rel−10においては、CSI−RSを送信するサブフレームと、ページングを多重しているサブフレーム、SIB(System Information Block)Xを多重しているサブフレーム、MIB(Master Information Block)を多重しているサブフレーム、同期信号(PSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal))を多重しているサブフレームとが衝突する場合にはCSI−RSを送信しない。無線基地局装置は、上記ページングなどが多重しているサブフレームの情報を移動端末装置に対して通知する。
【0025】
ところで、LTE Rel−10においては、自セル(接続セル)のみを考慮してCSI−RS送信/ミューティングを適用すれば良いが、LTE Rel−11以降で検討されるセル間連携技術、例えばCoMPを想定すると、移動端末装置は、自セルのみならず、他セルのCSI−RS送信/ミューティングの情報(CSI−RS/Muting configuration information)なども必要となる。そこで、本発明者らは、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することができるように、他セルのサブフレーム情報、例えばCSI−RS送信/ミューティングの情報などのシグナリングを提案する。なお、他セルのサブフレーム情報としては、CSI−RS送信/ミューティングの情報に限定されず、セル間連携技術を考慮した場合における他セルのサブフレームに関する他の情報(例えば、ページング、SIBX、MIB、及び/又は同期信号を多重しているサブフレームの情報)を含むものとする。
【0026】
例えば、CoMPが適用される移動端末装置においては、図4に示すように、自セル(例えば、マクロセル#1)のみならず、他セル(例えば、マクロセル#2)のCSI−RS送信/ミューティングの情報も必要となる。これにより、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することができる。
【0027】
すなわち、本発明の骨子は、無線基地局装置において、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成し、自セルを接続セルとする移動端末装置に通知情報を送信し、移動端末装置において、接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信し、接続セルのサブフレーム情報を用いて接続セルのチャネル品質を測定すると共に、他セルのサブフレーム情報を用いて他セルのチャネル品質を測定することにより、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することである。
【0028】
本発明において、サブフレーム情報とは、セル間連携技術を考慮した場合における他セルのサブフレームに関する情報をいい、CSI−RS送信(未送信)/ミューティングのための情報(CSI−RS/Muting configuration information)をいい、必要に応じてページング、SIBX、MIB(報知情報)、及び/又は同期信号を多重しているサブフレームの情報を含む。具体的に、CSI−RS送信(未送信)の情報とは、CSI−RSを送信するサブフレームを示す情報あるいはCSI−RS送信しないサブフレームを示す情報をいい、CSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータを含む。ミューティングの情報とは、ミューティングするサブフレームを示す情報をいい、ミューティングリソース特定情報、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックスを含む。
【0029】
なお、他セルのサブフレーム情報については、SIBX、MIB、及び/又は同期信号を多重しているサブフレームの情報とし、必ずしも、CSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、ミューティングリソース特定情報、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックスを含まなくても良い。
【0030】
したがって、自セルのサブフレーム情報としては、自セルのCSI−RS/ミューティングのパラメータと、自セルのページング、報知情報とを含み、他セルのサブフレーム情報としては、他セルのページング、報知情報を含む。なお、他セルのサブフレーム情報に、他セルのCSI−RS/ミューティングのパラメータを含めても良い。
【0031】
ここで、自セルのサブフレーム情報及び/又は他セルのサブフレーム情報(通知情報)を無線基地局装置から移動端末装置に対して送信する方法について説明する。通知情報を送信する方法としては、(1)個別信号で送信する方法と、(2)報知信号で送信する方法とがある。これらの送信方法での送信態様としては、(a)自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を個別信号で送信する態様、(b)自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する態様、(c)自セルのサブフレーム情報を個別信号で送信し、他セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する態様、(d)他セルのサブフレーム情報を個別信号で送信し、自セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する態様が挙げられる。
【0032】
(1)通知情報を個別信号で送信する場合、図5に示す処理手順における、RRC CONNECTION RECONFIGURATION信号を用いて送信する。この処理手順においては、まず、移動端末装置UEが無線基地局装置eNBに対して、RACH preambleを送信する。無線基地局装置eNBは、RACH preambleを受信したときに、移動端末装置UEに対して、RACH responseを送信する。次いで、移動端末装置UEは、無線基地局装置eNBに対して、RRC CONNECTION REQUEST(Message 3)を送信する。無線基地局装置eNBは、RRC CONNECTION REQUEST(Message 3)を受信したときに、移動端末装置UEに対して、RRC CONNECTION SETUP(Message 4)を送信する。
【0033】
移動端末装置UEは、RRC CONNECTION SETUP(Message 4)を受信すると、無線基地局装置eNBに対して、RRC CONNECTION SETUP COMPLETEを送信する。無線基地局装置eNBは、RRC CONNECTION SETUP COMPLETEを受信すると、移動管理ノードMMEに対して、INITIAL UE MESSAGEを送信する。これにより、移動端末装置UEと移動管理ノードMMEとの間で、AuthenticationやNAS security procedureが行われる。その後、移動管理ノードMMEは、無線基地局装置eNBに対して、INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTを送信する。
【0034】
なお、INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTにUE CAPABILITYが含まれていない場合、無線基地局装置eNBは、移動端末装置UEに対して、UE CAPABILITY ENQUIRYを送信する。移動端末装置UEは、UE CAPABILITY ENQUIRYを受信したとき、無線基地局装置eNBに対して、UE CAPABILITY INFORMATIONを送信する。そして、無線基地局装置eNBは、移動管理ノードMMEに対して、UE CAPABILITY INFO INDICATIONを送信する。
【0035】
次いで、無線基地局装置eNBは、移動端末装置UEに対して、SECURITY MODE COMMANDを送信する。その後、無線基地局装置eNBは、移動端末装置UEに対して、通知情報(CSI−RS/Muting configuration information)を含むRRC CONNECTION RECONFIGURATIONを送信する。その後、図6に示すように、移動端末装置UEは、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONを受信したときに、無線基地局装置eNBに対して、RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPを送信する。無線基地局装置eNBは、RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPを受信した後、すなわち、Ambiguity periodが経過した後、CSI−RSを送信するサブフレームにおける移動端末装置UE宛ての下りデータの送信及び隣接セルの下りデータの送信停止(CSI−RS/ミューティング)を開始する。
【0036】
(2)通知情報は報知信号で送信しても良い。ここで、通知情報を報知信号で送信するとは、SIBXを多重しているサブフレームで通知情報を送信すること、MIBを多重しているサブフレームで通知情報を送信することをいう。
【0037】
なお、移動端末装置UEは、上記(1)、(2)のようにして送信された通知情報(CSI−RS/Muting configuration information)を受信すると、この通知情報に基づいて、チャネル品質測定を行う。具体的には、接続セルのサブフレーム情報を用いて接続セルのチャネル品質を測定すると共に、他セルのサブフレーム情報を用いて他セルのチャネル品質を測定する。
【0038】
無線基地局装置eNBは、他セルのサブフレーム情報を他セルの無線基地局装置eNBから取得する。例えば、無線基地局装置eNBは、他セルのサブフレーム情報を他セルの無線基地局装置eNBからX2インターフェースなどにより取得することができる。
【0039】
このようにして、移動端末装置UEは、自セルのサブフレーム情報に加えて他セルのサブフレーム情報を取得できるので、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現することが可能となる。
【0040】
ここで、本発明の実施例に係る無線通信システムについて詳細に説明する。図7は、本実施例に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。なお、図7に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域を一単位とする複数の基本周波数ブロックを一体としたキャリアアグリゲーションが用いられている。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良く、4Gと呼ばれても良い。
【0041】
図7に示すように、無線通信システム1は、無線基地局装置20A,20Bと、この無線基地局装置20A,20Bと通信する複数の第1、第2の移動端末装置10A,10Bとを含んで構成されている。無線基地局装置20A,20Bは、上位局装置30と接続され、この上位局装置30は、コアネットワーク40と接続される。また、無線基地局装置20A,20Bは、有線接続又は無線接続により相互に接続されている。第1、第2の移動端末装置10A,10Bは、セルC1,C2において無線基地局装置20A,20Bと通信を行うことができる。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されない。
【0042】
第1、第2の移動端末装置10A,10Bは、LTE端末及びLTE−A端末を含むが、以下においては、特段の断りがない限り第1、第2の移動端末装置として説明を進める。また、説明の便宜上、無線基地局装置20A,20Bと無線通信するのは第1、第2の移動端末装置10A,10Bであるものとして説明するが、より一般的には移動端末装置も固定端末装置も含むユーザ装置(UE)でよい。
【0043】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用されるが、上りリンクの無線アクセス方式はこれに限定されない。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0044】
ここで、通信チャネルについて説明する。
下りリンクの通信チャネルは、第1、第2の移動端末装置10A,10Bで共有される下りデータチャネルとしてのPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)と、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とを有する。PDSCHにより、送信データ及び上位制御情報が伝送される。PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。
【0045】
上りリンクの通信チャネルは、各移動端末装置で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とを有する。このPUSCHにより、送信データや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、ACK/NACKなどが伝送される。
【0046】
図8を参照しながら、本実施の形態に係る無線基地局装置の全体構成について説明する。なお、無線基地局装置20A,20Bは、同様な構成であるため、無線基地局装置20として説明する。また、第1、第2の移動端末装置10A,10Bも、同様な構成であるため、移動端末装置10として説明する。無線基地局装置20は、送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(通知部)203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206とを備えている。下りリンクにより無線基地局装置20から移動端末装置に送信される送信データは、上位局装置30から伝送路インターフェース206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。
【0047】
ベースバンド信号処理部204において、下りデータチャネルの信号は、PDCPレイヤの処理、送信データの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、プリコーディング処理が行われる。また、下りリンク制御チャネルである物理下りリンク制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われる。
【0048】
また、ベースバンド信号処理部204は、報知チャネルにより、同一セルに接続する移動端末装置10に対して、各移動端末装置10が無線基地局装置20との無線通信するための制御情報を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅や、PRACH(Physical Random Access Channel)におけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)などが含まれる。
【0049】
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部202は周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201へ出力する。
【0050】
一方、上りリンクにより移動端末装置10から無線基地局装置20に送信される信号については、送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0051】
ベースバンド信号処理部204は、上りリンクで受信したベースバンド信号に含まれる送信データに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理を行う。復号された信号は伝送路インターフェース206を介して上位局装置30に転送される。
【0052】
呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局装置20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0053】
次に、図9を参照しながら、本実施の形態に係る移動端末装置の全体構成について説明する。LTE端末もLTE−A端末もハードウエアの主要部構成は同じであるので、区別せずに説明する。移動端末装置10は、送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部(受信部)103と、ベースバンド信号処理部104と、アプリケーション部105とを備えている。
【0054】
下りリンクのデータについては、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅され、送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部104でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクの送信データは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報も、アプリケーション部105に転送される。
【0055】
一方、上りリンクの送信データは、アプリケーション部105からベースバンド信号処理部104に入力される。ベースバンド信号処理部104においては、マッピング処理、再送制御(HARQ)の送信処理や、チャネル符号化、DFT処理、IFFT処理を行う。送受信部103は、ベースバンド信号処理部104から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101より送信する。
【0056】
図10を参照して、無線基地局装置の機能ブロックについて説明する。なお、図10の各機能ブロックは、主にベースバンド処理部の処理内容である。また、図10の機能ブロック図は、簡略化したものであり、ベースバンド処理部において通常備える構成を備えるものとする。また、以下の説明では、CSI−RSが配置されたリソースを特定するためのインデックスをCSI−RSインデックスとして説明する。
【0057】
図10に示すように、無線基地局装置20は、CRS配置部207と、CSI−RS配置部208と、CSI−RS/ミューティング情報生成部210と、報知信号/個別信号生成部209とを有している。CSI−RS/ミューティング情報生成部210は、CSI−RSインデックス生成部2101と、ミューティングリソース設定部2102と、ミューティングリソース特定情報生成部2103と、CSI−RSパラメータ生成部2104と、ミューティング間隔情報生成部2105と、ミューティングインデックス生成部2106とを有している。
【0058】
CRS配置部207は、リソーブロックにおけるCRS送信用リソースにCRSを配置する。CSI−RS配置部208は、リソーブロックにおけるCSI−RS送信用リソースに、CSI−RSポート数に応じてCSI−RSを配置する。
【0059】
CSI−RS/ミューティング情報生成部210のCSI−RSインデックス生成部2101は、CSI−RS配置部208によりCSI−RSが配置されたリソースに対応したCSI−RSインデックスを生成する。CSI−RSインデックス生成部2101で生成されたCSI−RSインデックスは、CSI−RSパラメータの一つとして報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0060】
ミューティングリソース設定部2102は、隣接セルにおいてCSI−RSが配置されるリソースに対応したリソースをミューティングリソースに設定する。なお、本実施の形態では、ミューティングリソースは、全くデータが割り当てられないリソースとしても良く、隣接セルのCSI−RSに干渉を与えない程度にデータが割り当てるリソースとして規定されても良い。さらに、ミューティングリソースは、隣接セルのCSI−RSに対して干渉を与えない程度の送信電力で送信されるリソースとして規定されても良い。
【0061】
ミューティングリソース特定情報生成部2103は、ミューティングの通知方法で用いられるミューティングリソース特定情報を生成する。ミューティングリソース特定情報としては、例えば、ビットマップ情報、ミューティングリソースの配置パターンなどが挙げられる。
【0062】
ミューティングリソース特定情報が移動端末装置10に通知されると、移動端末装置10側でミューティングリソース特定情報に示されるリソースがミューティングリソースとして認識される。ミューティングリソース特定情報は、ミューティングパラメータの一つとして報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0063】
CSI−RSパラメータ生成部2104は、CSI−RSインデックス以外のCSI−RSの系列や送信電力などのパラメータを生成する。CSI−RSパラメータ生成部2104で生成されたCSI−RSパラメータは、報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0064】
ミューティング間隔情報生成部2105は、複数セル間でCSI−RSの送信タイミングが一致するサブフレームの送信間隔(ミューティング間隔)を示すミューティング間隔情報を生成する。ミューティング間隔情報生成部2105は、自セルにおけるCSI−RSの送信周期と隣接セルから取得したCSI−RSの送信周期とに基づいてミューティング間隔情報を生成する。ミューティング間隔情報生成部2105で生成されたミューティング間隔情報は、報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0065】
ミューティングインデックス生成部2106は、ミューティングリソースのインデックスを生成する。ミューティングインデックスは、ミューティングリソース特定情報(ビットマップ情報、ミューティングリソースの配置パターン)の代わりに移動端末装置10に通知されるものである。ミューティングインデックス生成部2106で生成されたミューティングインデックスは、報知信号/個別信号生成部209に出力される。
【0066】
報知信号/個別信号生成部209は、自セルのサブフレーム情報(自セルのCSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、ミューティングリソース特定情報、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックス、及び自セルのページング情報(ページングが多重されたサブフレームの情報)、自セルの報知情報(MIBやSIBなどが多重されたサブフレームの情報))、及び他セルのサブフレーム情報(他セルのページング情報(ページングが多重されたサブフレームの情報)、他セルの報知情報(MIBやSIBなどが多重されたサブフレームの情報))を含む報知信号又は個別信号を生成する。
【0067】
報知信号/個別信号生成部209においては、(a)自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を個別信号で送信する場合には、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む個別信号を生成する。(b)自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する場合には、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む報知信号を生成する。(c)自セルのサブフレーム情報を個別信号で送信し、他セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する場合には、自セルのサブフレーム情報を含む個別信号を生成すると共に、他セルのサブフレーム情報を含む報知信号を生成する。(d)他セルのサブフレーム情報を個別信号で送信し、自セルのサブフレーム情報を報知信号で送信する場合には、他セルのサブフレーム情報を含む個別信号を生成すると共に、自セルのサブフレーム情報を含む報知信号を生成する。
【0068】
送受信部203は、CRS、CSI−RS並びに報知信号/個別信号を移動端末装置10に送信する。
【0069】
図11は、移動端末装置による主にCQIを測定するための機能ブロックの説明図である。なお、図11の各機能ブロックは、主にベースバンド処理部の処理内容である。また、図11に示す機能ブロックは、本発明を説明するために簡略化したものであり、ベースバンド処理部において通常備える構成は備えるものとする。
【0070】
図11に示すように、移動端末装置10は、送受信部103と、CSI−RS/ミューティング情報取得部106と、ユーザデータ復調部107と、自セルチャネル品質測定部108と、他セルチャネル品質測定部109とを有している。送受信部103は、無線基地局装置20からCRS、CSI−RS及び報知信号/個別信号を受信する。
【0071】
ユーザデータ復調部107は、送受信部103を介して受信したユーザデータを復調する。ユーザデータ復調部107は、ミューティングリソース特定情報に示されるミューティングリソースを無視して、ユーザデータを復調する。このため、復調処理のスループット及び復調精度が向上される。なお、ユーザデータ復調部107を設ける代わりに、CSI−RS/ミューティング情報取得部106でユーザデータの復調処理を行っても良い。
【0072】
CSI−RS/ミューティング情報取得部106は、個別信号及び/又は報知信号を復調して、自セルのサブフレーム情報(自セルのCSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、ミューティングリソース特定情報、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックス、及び自セルのページング情報(ページングが多重されたサブフレームの情報)、自セルの報知情報(MIBやSIBなどが多重されたサブフレームの情報))、及び他セルのサブフレーム情報(他セルのページング情報(ページングが多重されたサブフレームの情報)、他セルの報知情報(MIBやSIBなどが多重されたサブフレームの情報))を取得する。
【0073】
CSI−RS/ミューティング情報取得部106は、自セルのCSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、自セルのページング情報、自セルの報知情報を自セルチャネル品質測定部108に出力する。また、CSI−RS/ミューティング情報取得部106は、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックス、他セルのページング情報、他セルの報知情報を他セルチャネル品質測定部109に出力する。なお、必要に応じて、CSI−RS/ミューティング情報取得部106は、ミューティングリソース特定情報を他セルチャネル品質測定部109に出力する。
【0074】
自セルチャネル品質測定部108は、自セルのCSI−RSインデックス、CSI−RSパラメータ、自セルのページング情報、自セルの報知情報を用いて、自セル(接続セル)のチャネル品質を測定し、測定したチャネル品質から自セルCSIを求める。この場合、自セルのページング情報、自セルの報知情報が多重されているサブフレームでは、CSI−RSが多重されていないので、チャネル品質を測定せず、その他のサブフレームのCSI−RSを用いてチャネル品質を測定する。自セルチャネル品質測定部108は、この自セルCSI情報を送受信部103に出力する。
【0075】
他セルチャネル品質測定部109は、ミューティング間隔情報、ミューティングインデックス、他セルのページング情報、他セルの報知情報を用いて、他セルのチャネル品質を測定し、測定したチャネル品質から他セルCSIを求める。この場合、他セルのページング情報、他セルの報知情報が多重されているサブフレームでは、CSI−RSが多重されていないので、チャネル品質を測定せず、その他のサブフレームのCSI−RSを用いてチャネル品質を測定する。他セルチャネル品質測定部109は、この他セルCSI情報を送受信部103に出力する。なお、自セルチャネル品質測定部108及び他セルチャネル品質測定部109は、同一の処理部で構成されていても良い。
【0076】
送受信部103は、自セルCSI情報を接続セルの無線基地局装置に送信すると共に、他セルCSI情報を他セルの無線基地局装置に送信する。
【0077】
このような無線通信システムにおいては、まず、無線基地局装置eNBにおいて、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報(報知信号/個別信号)を生成する。次いで、この通知情報を報知信号及び/又は個別信号で移動端末装置UEに送信する。移動端末装置UEにおいては、接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する。次いで、接続セルのサブフレーム情報を用いて接続セルのチャネル品質を測定すると共に、他セルのサブフレーム情報を用いて他セルのチャネル品質を測定する。このため、CoMPのようなセル間連携技術を考慮した場合においても、他セル干渉対策を実現できる。
【0078】
上記実施の形態においては、複数セル間でミューティングされることで、チャネル品質の推定精度が改善される構成としているが、この構成に限定されるものではない。複数エリア間でミューティングされていればよく、例えば、複数セクタ間でミューティングされる構成としても良い。
【0079】
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明におけるミューティングリソースの設定位置、処理部の数、処理手順、ミューティングリソースの数については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 無線通信システム
10 移動端末装置
20 無線基地局装置
101 送受信アンテナ
102 アンプ部
103 送受信部(受信部)
104 ベースバンド信号処理部
105 アプリケーション部
106 CSI−RS/ミューティング情報取得部
107 ユーザデータ復調部
108 自セルチャネル品質測定部
109 他セルチャネル品質測定部
201 送受信アンテナ
202 アンプ部
203 送受信部(通知部)
204 ベースバンド信号処理部
205 呼処理部
206 伝送路インターフェース
207 CRS配置部
208 CSI−RS配置部
209 報知信号/個別信号生成部
210 CSI−RS/ミューティング情報生成部
2101 CSI−RSインデックス生成部
2102 ミューティングリソース設定部
2103 ミューティングリソース特定情報生成部
2104 CSI−RSパラメータ生成部
2105 ミューティング間隔情報生成部
2106 ミューティングインデックス生成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成する生成手段と、前記自セルを接続セルとする移動端末装置に前記通知情報を送信する送信手段と、を具備することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項2】
前記他セルのサブフレーム情報が個別信号で送信されることを特徴とする請求項1記載の無線基地局装置。
【請求項3】
前記他セルのサブフレーム情報がRRC Connection Reconfiguration信号を用いて送信されることを特徴とする請求項2記載の無線基地局装置。
【請求項4】
前記他セルのサブフレーム情報が報知信号で送信されることを特徴とする請求項1記載の無線基地局装置。
【請求項5】
前記サブフレーム情報は、CSI−RS未送信情報及びミューティング情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線基地局装置。
【請求項6】
接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する受信手段と、前記接続セルのサブフレーム情報を用いて前記接続セルのチャネル品質を測定すると共に、前記他セルのサブフレーム情報を用いて前記他セルのチャネル品質を測定するチャネル品質測定手段と、を具備することを特徴とする移動端末装置。
【請求項7】
前記受信手段は、個別信号で前記他セルのサブフレーム情報を受信することを特徴とする請求項6記載の移動端末装置。
【請求項8】
前記受信手段は、RRC Connection Reconfiguration信号と共に前記他セルのサブフレーム情報を受信することを特徴とする請求項7記載の移動端末装置。
【請求項9】
前記受信手段は、前記他セルのサブフレーム情報を含む報知信号を受信することを特徴とする請求項6記載の移動端末装置。
【請求項10】
前記サブフレーム情報は、CSI−RS未送信情報及びミューティング情報を含むことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載の移動端末装置。
【請求項11】
無線基地局装置において、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成する工程と、前記自セルを接続セルとする移動端末装置に前記通知情報を送信する工程と、
前記移動端末装置において、前記接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する工程と、前記接続セルのサブフレーム情報を用いて前記接続セルのチャネル品質を測定すると共に、前記他セルのサブフレーム情報を用いて前記他セルのチャネル品質を測定する工程と、を具備することを特徴とする無線通信方法。
【請求項12】
前記他セルのサブフレーム情報が個別信号で送信されることを特徴とする請求項11記載の無線通信方法。
【請求項13】
前記他セルのサブフレーム情報がRRC Connection Reconfiguration信号を用いて送信されることを特徴とする請求項12記載の無線通信方法。
【請求項14】
前記他セルのサブフレーム情報が報知信号で送信されることを特徴とする請求項11記載の無線通信方法。
【請求項15】
前記サブフレーム情報は、CSI−RS未送信情報及びミューティング情報を含むことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれかに記載の無線通信方法。
【請求項1】
自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成する生成手段と、前記自セルを接続セルとする移動端末装置に前記通知情報を送信する送信手段と、を具備することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項2】
前記他セルのサブフレーム情報が個別信号で送信されることを特徴とする請求項1記載の無線基地局装置。
【請求項3】
前記他セルのサブフレーム情報がRRC Connection Reconfiguration信号を用いて送信されることを特徴とする請求項2記載の無線基地局装置。
【請求項4】
前記他セルのサブフレーム情報が報知信号で送信されることを特徴とする請求項1記載の無線基地局装置。
【請求項5】
前記サブフレーム情報は、CSI−RS未送信情報及びミューティング情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線基地局装置。
【請求項6】
接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する受信手段と、前記接続セルのサブフレーム情報を用いて前記接続セルのチャネル品質を測定すると共に、前記他セルのサブフレーム情報を用いて前記他セルのチャネル品質を測定するチャネル品質測定手段と、を具備することを特徴とする移動端末装置。
【請求項7】
前記受信手段は、個別信号で前記他セルのサブフレーム情報を受信することを特徴とする請求項6記載の移動端末装置。
【請求項8】
前記受信手段は、RRC Connection Reconfiguration信号と共に前記他セルのサブフレーム情報を受信することを特徴とする請求項7記載の移動端末装置。
【請求項9】
前記受信手段は、前記他セルのサブフレーム情報を含む報知信号を受信することを特徴とする請求項6記載の移動端末装置。
【請求項10】
前記サブフレーム情報は、CSI−RS未送信情報及びミューティング情報を含むことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載の移動端末装置。
【請求項11】
無線基地局装置において、自セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を生成する工程と、前記自セルを接続セルとする移動端末装置に前記通知情報を送信する工程と、
前記移動端末装置において、前記接続セルのサブフレーム情報及び他セルのサブフレーム情報を含む通知情報を受信する工程と、前記接続セルのサブフレーム情報を用いて前記接続セルのチャネル品質を測定すると共に、前記他セルのサブフレーム情報を用いて前記他セルのチャネル品質を測定する工程と、を具備することを特徴とする無線通信方法。
【請求項12】
前記他セルのサブフレーム情報が個別信号で送信されることを特徴とする請求項11記載の無線通信方法。
【請求項13】
前記他セルのサブフレーム情報がRRC Connection Reconfiguration信号を用いて送信されることを特徴とする請求項12記載の無線通信方法。
【請求項14】
前記他セルのサブフレーム情報が報知信号で送信されることを特徴とする請求項11記載の無線通信方法。
【請求項15】
前記サブフレーム情報は、CSI−RS未送信情報及びミューティング情報を含むことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれかに記載の無線通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−147048(P2012−147048A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1419(P2011−1419)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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