説明

無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置、プログラムおよび無線通信方法

【課題】各分散仮想リソースブロックDVRBの受信品質が均等になるようなDVRBマッピングを行うこと
【解決手段】無線送信装置は、各無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成する送信ダイバーシチ処理部と、複数の無線受信装置に宛てた冗長化した信号を、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに、冗長化による信号の組を単位として多重する多重部と、多重部が多重した信号を送信する送信部とを具備する。無線受信装置は、無線送信装置が送信した信号を受信する受信部と、受信した信号のうち、物理リソースブロックに多重された信号から、多重部による配置順に基づき当該無線受信装置宛ての信号を抽出する多重分離部と、抽出した信号のうち、冗長化による信号の組を構成する信号を合成して、冗長化前の信号を生成する送信ダイバーシチ合成部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置、プログラムおよび無線通信方法、特に、送信ダイバーシチを用いた無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置、プログラムおよび無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信の第三世代(3G)無線アクセス方式として、W‐CDMA(Wideband Code Division Multiple Access;広帯域符号分割多元接続)方式が3GPP(3rd Generation Partnership Project)において標準化され、同方式によるセルラー移動通信サービスが開始されている。また、3Gの進化(Evolved Universal Terrestrial Radio Access;以下、「EUTRA」という)及び3Gネットワークの進化(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)が検討されている。
【0003】
EUTRAの下りリンクとして、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式が提案されている。また、EUTRAの上りリンクとして、DFT(Discrete Fourier Transform;離散フーリエ変換)−Spread OFDM方式のシングルキャリア通信方式が提案されている。
ここで、EUTRAにおけるチャネルの構造について、その概略を図1に示す。基地局装置BS1は、移動局装置UE1、UE2、UE3と無線通信を行う。基地局装置から移動局装置への無線通信のEUTRAの下りリンクは、下りリンクパイロットチャネルと、下りリンク同期チャネルと、報知チャネル、下りリンク制御チャネルと、下りリンク共有データチャネル、制御フォーマットインディケータチャネルとにより構成されている。また、EUTRAの上りリンクは、上りリンクパイロットチャネルと、ランダムアクセスチャネルと、上りリンク制御チャネルと、上りリンク共有データチャネルとにより構成されている。
【0004】
図2は、EUTRAにおける下りリンクフレームの概略構成である(非特許文献1)。横軸は周波数領域、縦軸は時間領域を表している。下りリンクフレームは、無線リソース割り当てなどの単位であり、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなるPRB(Physical Resource Block:物理リソースブロック)から構成されている。1個の物理リソースブロックPRBは周波数領域において12個のサブキャリアから構成され、時間領域において14個のOFDMシンボルから構成される。システム帯域幅は、基地局装置の通信帯域幅である。時間領域においては、7個のOFDMシンボルから構成されるスロット、2個のスロットから構成されるサブフレーム、10個のサブフレームから構成される無線フレームがある。なお、1個のサブキャリアと1個のOFDMシンボルから構成されるユニットをリソースエレメントと呼ぶ。また、下りリンクフレームではシステム帯域幅に応じて複数の物理リソースブロックPRBが配置される。
【0005】
各サブフレームには少なくとも、データの送信に用いる下りリンク共有データチャネル、制御データの送信に用いる下りリンク制御チャネルが配置される。下りリンク共有データチャネル及び下りリンク制御チャネルのチャネル推定に用いる下りリンクパイロットチャネルについては図示せず、その配置の説明は後述する。図2では、下りリンク制御チャネルはサブフレームの1番目と2番目と3番目のOFDMシンボルに配置され、下りリンク共有データチャネルはその他のOFDMシンボルに配置された場合を示しているが、下りリンク制御チャネルが配置されるOFDMシンボルはサブフレーム単位で変化する。なお、図2において図示は省略しているが、下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボル数を示す制御フォーマットインディケータチャネルは1OFDMシンボル目に配置され、下りリンク制御チャネルは1番目のOFDMシンボルのみに配置されたり、1番目と2番目のOFDMシンボルに配置されたりする。なお、同一のOFDMシンボルにおいて下りリンク制御チャネルと下りリンク共有データチャネルは一緒に配置されない。下りリンク制御チャネルは、移動局識別子または移動局群識別子、下りリンク共有データチャネルの無線リソース割り当て情報、マルチアンテナ関連情報、変調方式、符号化率、ペイロードサイズ、再送パラメータなどが配置される。
【0006】
図3は、EUTRAの下りリンクにおける1PRB内の下りリンクパイロットチャネルの配置を説明する図である。図3において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域を表している。ここでは、基地局装置が4本の送信アンテナ(送信アンテナ1、送信アンテナ2、送信アンテナ3、送信アンテナ4)を有する場合について説明する。図3において、R1は送信アンテナ1が送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表し、R2は送信アンテナ2が送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表し、R3は送信アンテナ3が送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表し、R4は送信アンテナ4が送信する下りリンクパイロットチャネルのリソースエレメントを表す。なお、基地局装置が2本の送信アンテナのみを有する場合は、2番目のOFDMシンボルにおけるリソースエレメントR3とR4では下りリンク制御チャネルが送信され、9番目のOFDMシンボルにおけるリソースエレメントR3とR4では下りリンク共有データチャネルが送信される。なお、4本の送信アンテナを有する基地局装置は、リソースR3とR4の送信を時間領域で適応的に制御することができる。すなわち、基地局装置は、あるサブフレームでは上述のように下りリンクパイロットチャネルであるリソースエレメントR3、R4を配置し、あるサブフレームではリソースエレメントR3、R4を配置せず、下りリンクパイロットチャネルとしてはリソースエレメントR1、R2のみを配置する。
【0007】
このような下りリンクにおいて、下りリンク制御チャネルや下りリンク共有データチャネルに対して送信ダイバーシチの適用を行うことができる。2本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシチ方式としてSFBC(Space Frequency Block Code;空間周波数ブロック符号)、4本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシチ方式としてSFBC+FSTD(Frequency Switched Transmit Diversity;周波数切換送信ダイバーシチ)の適用を行うことができる(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。図4は、送信ダイバーシチ方法を説明するための図である。図4(a)は、2本の送信アンテナ(Tx1、Tx2)を用いたSFBCを表す。2つの送信信号(s1、s2)と、該2つの送信信号に対し冗長化のために符号反転、共役転置した信号(s1、−s2)とを、各周波数領域、すなわち各サブキャリア(f1、f2)で各送信アンテナから送信する。図4(b)は、4本の送信アンテナ(Tx1、Tx2、Tx3、Tx4)を用いたSFBC+FSTDを表す。4つの送信信号(s1、s2、s3、s4)と、該4つの送信信号に対し冗長化のために符号反転、共役転置した信号(s1、−s2、s3、−s4)とを、各周波数領域(f1、f2、f3、f4)で各送信アンテナから送信する。つまり、Tx1とTx3のペアの空間周波数ブロック符号SFBCとTx2とTx4のペアの空間周波数ブロック符号SFBCを行い、各ペアは異なる周波数領域(f1とf2、f3とf4)で送信を行う。
【0008】
このように送信ダイバーシチの符号化を行った下りリンク共有データチャネルの送信信号は、各リソースエレメントに配置される。リソースエレメントへの配置方法としては、空間周波数ブロック符号SFBCの周波数ペア(2個の周波数)、SFBC+FSTDの周波数セット(4個の周波数)で配置することができる。すなわち、下りリンクのサブフレームの下りリンク共有データチャネルの最初の時間領域(OFDMシンボル)の周波数領域(サブキャリア)から順々に各リソースエレメントに周波数ペア(2リソースエレメント)、または周波数セット(4リソースエレメント)の送信信号を配置し、周波数領域で全てのリソースエレメントに配置したら次の時間領域のリソースエレメントの周波数領域から順々に配置することを繰り返すことができる。
【0009】
図5は、2本の送信アンテナを用いた空間周波数ブロック符号SFBCの送信信号の1つの物理リソースブロックPRB内の各リソースエレメントへの配置例を説明する図である。図5において、例えば、2個のリソースエレメントD12−1は、アンテナTx1とTx2で送信する周波数ペアナンバー1の送信信号を表し、一方のリソースエレメントに図4(a)のf1の送信信号を配置し、もう一方のリソースエレメントに図4(a)のf2の送信信号を配置する。このように、下りリンク共有データチャネルの最初の時間領域のリソースエレメントから順番にSFBCの周波数ペアを配置し、全てのリソースエレメントに配置した後、次の時間領域のリソースエレメントから順番に周波数ペアを再度配置する。図5のように、サブフレームの下りリンク制御チャネルが3OFDMシンボルで構成される場合、合計60個の周波数ペアが1つの物理リソースブロックPRB内で配置される。
【0010】
すなわち、図5の2個のリソースエレメントD12−1のうち、一方には、周波数ペアナンバー1の図4(a)の信号s1とs2の変調シンボルが配置され、そして信号s1の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx1で送信され、信号s2の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx2で送信される。他方には、周波数ペアナンバー1の図4(a)の信号−s2とs1の変調シンボルが配置され、そして信号−s2の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx1で送信され、信号s1の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx2で送信される。図5の次の2個のリソースエレメントD12−2の最初のものには、周波数ペアナンバー2の図4(a)の信号s1とs2の変調シンボルが配置され、そして信号s1の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx1で送信され、信号s2の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx2で送信される。他方には、周波数ペアナンバー2の図4(a)の信号−s2とs1の変調シンボルが配置され、そして信号−s2の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx1で送信され、信号s1の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx2で送信される。
【0011】
図6は、4本の送信アンテナを用いたSFBC+FSTDの送信信号の1つの物理リソースブロックPRB内の各リソースエレメントへの配置例を説明する図である。図6において、例えば、2個のリソースエレメントD13−1はTx1とTx3の周波数セットナンバー1の送信信号を表し、2個のリソースエレメントD24−1はTx2とTx4の周波数セットナンバー1の送信信号を表す。これらの2個のリソースエレメントD13−1と2個のリソースエレメントD24−1を合計した4個の信号により周波数セットナンバー1の送信信号が構成される。リソースエレメントD13−1のうち、一方のリソースエレメントに図4(b)のf1の送信信号を配置し、もう一方のリソースエレメントに図4(b)のf2の送信信号を配置し、リソースエレメントD24−1において一方のリソースエレメントに図4(b)のf3の送信信号を配置し、もう一方のリソースエレメントに図4(b)のf4の送信信号を配置する。
【0012】
すなわち、図6の2個のリソースエレメントD13−1のうち、一方には、周波数セットナンバー1の図4(b)の信号s1とs2の変調シンボルが配置され、そして信号s1の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx1で送信され、信号s2の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx3で送信される。他方には、周波数セットナンバー1の図4(b)の信号−s2とs1の変調シンボルが配置され、そして信号−s2の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx1で送信され、信号s1の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx3で送信される。図6の次の2個のリソースエレメントD24−1のうち、一方には、周波数セットナンバー1の図4(b)の信号s3とs4の変調シンボルが配置され、そして信号s3の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx2で送信され、信号s4の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx4で送信される。他方には、周波数セットナンバー1の図4(b)の信号−s4とs3の変調シンボルが配置され、そして信号−s4の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx2で送信され、信号s3の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx4で送信される。
【0013】
図6の次の2個のリソースエレメントD13−2のうち、一方には、周波数セットナンバー2の図4(b)の信号s1とs2の変調シンボルが配置され、そして信号s1の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx1で送信され、信号s2の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx3で送信される。他方には、周波数セットナンバー2の図4(b)の信号−s2とs1の変調シンボルが配置され、そして信号−s2の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx1で送信され、信号s1の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx3で送信される。図6の次の2個のリソースエレメントD24−2のうち、一方には、周波数セットナンバー2の図4(b)の信号s3とs4の変調シンボルが配置され、そして信号s3の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx2で送信され、信号s4の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx4で送信される。他方には、周波数セットナンバー2の図4(b)の信号−s4とs3の変調シンボルが配置され、そして信号−s4の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx2で送信され、信号s3の変調シンボルを含むOFDMシンボルはアンテナTx4で送信される。
【0014】
このように、4本の送信アンテナを用いたときは、下りリンク共有データチャネルの最初の時間領域のリソースエレメントから順番にSFBC+FSTDの周波数セットを配置し、当該物理リソースブロックPRBの当該時間領域の全てのリソースエレメントに配置した後、次の時間領域のリソースエレメントから順番に周波数セットを再度配置する。図6のように、サブフレームの下りリンク制御チャネルが3つのOFDMシンボルで構成される場合、合計29個の周波数セットが1つの物理リソースブロックPRB内で配置される。
【0015】
EUTRAでは、複数の送信方法が検討されている。移動局装置から基地局装置にフィードバックされるCQI(Channel Quality Indicator;チャネル品質指標)に基づいて基地局装置が無線伝播路品質の良い移動局装置に物理リソースブロックPRB単位で無線リソース割り当てを行う周波数スケジューリングの適用を主に想定した集中送信(Localized送信)と、高速移動中の移動局装置、VoIP(Voice over Internet Protocol)などの少量のデータ送受信を周期的に行う移動局装置など周波数スケジューリングを行わない移動局装置への適用を主に想定した分散送信(Distributed送信)がある。集中送信は物理リソースブロックPRB単位でまとまったサブキャリアを用いて送信を行う方法であり、分散送信は広帯域にわたって物理リソースブロックPRB単位よりも更に細かい単位で周波数リソースを分散して信号の送信を行う方法である。
【0016】
分散送信を行う移動局装置の送信データユニットをDVRB(Distributed Virtual Resource Block;分散仮想リソースブロック)と呼ぶ。分散仮想リソースブロックDVRBの送信に用いる物理リソースブロックPRBを分散物理リソースブロックDPRBという。1個の分散物理リソースブロックDPRBに多重する分散仮想リソースブロックDVRB数を多重数Ndという。また、EUTRAにおいては、1つの分散仮想リソースブロックDVRBが用いる物理リソース量を、1つの物理リソースブロックPRBと等しくすることができる(非特許文献2)。分散物理リソースブロックDPRB内の分散仮想リソースブロックDVRBの多重方法(以下、「分散仮想リソースブロックDVRBマッピング」という)として時間多重方法を用いることができる(非特許文献5、非特許文献6)。
【0017】
図7は、時間多重方法を用いた分散仮想リソースブロックDVRBマッピング例の概略を説明する図である。ここでは、物理リソースブロックPRB数が周波数領域において12個の場合について説明する。図7(a)は、分散物理リソースブロックDPRBが2個、多重数Ndが2の場合の分散仮想リソースブロックDVRBマッピングの例である。図7(a)において、物理リソースブロックPRB1とPRB7を分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2として用い、各分散物理リソースブロックDPRB1、DPRB2内において分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2を時間多重し、分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2間で異なる順番で分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2を時間多重する。
【0018】
図7(b)は、分散仮想リソースブロックDPRBが3個、多重数Ndが3の場合の分散仮想リソースブロックDVRBマッピングの例である。図7(b)において、物理リソースブロックPRB1とPRB5とPRB9を分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2とDPRB3として用い、各分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2とDPRB3内において分散仮想リソースブロックDVRB1と分散仮想リソースブロックDVRB2と分散仮想リソースブロックDVRB3を時間多重し、分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2とDPRB3間で異なる順番で分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2とを時間多重する。
【0019】
図7(c)は、図7(a)と比較して分散物理リソースブロックDPRBの数と分散仮想リソースブロックDVRBの数が2倍になった場合を示している。図7(c)において、物理リソースブロックPRB1とPRB4とPRB7とPRB10を分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2とDPRB3とDPRB4として用いる。分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2で、分散仮想リソースブロックDVRB1と分散仮想リソースブロックDVRB2を時間多重し、分散物理リソースブロックDPRB3とDPRB4で、分散仮想リソースブロックDVRB3とDVRB4を時間多重する。以上のような分散仮想リソースブロックDVRBマッピングにおいて、DVRBナンバーが基地局装置から移動局装置に通知され、移動局装置は通知されたDVRBナンバーの分散仮想リソースブロックDVRBを用いて受信を行う。
【非特許文献1】3GPP TS36.211‐v1.2.0(2007‐06)、Physical Channels and Modulation(Release 8)
【非特許文献2】3GPP TSG RAN1 #49,Kobe,Japan,7−11 May,2007 “Draft Report of 3GPP TSG RAN WG1 #49 v0.4.0”
【非特許文献3】3GPP TSG RAN1 #49bis,Orlando,Florida−USA,25−29 June,2007 “Draft Report of 3GPP TSG RAN WG1 #49b v0.1.0”
【非特許文献4】3GPP TSG RAN1 #49,Kobe,Japan,7−11 May,2007,R1−072239 “Performance of 4−Tx Antenna diversity with realistic channel estimation”
【非特許文献5】3GPP TSG RAN1 #49bis,Orlando,Florida−USA,25−29 June,2007,R1−072946 “RB−level Distributed Transmission Method for Shared Data Channel in E−UTRA Downlink”
【非特許文献6】3GPP TSG RAN1 #49bis,Orlando,Florida−USA,25−29 June,2007,R1−072687 “E−UTRA DL Distributed Multiplexing and Mapping Rules:Performance”
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、従来の4本の送信アンテナを用いたSFBC+FSTDのように、分散仮想リソースブロックDVRBを時間多重すると、リソースエレメントによって伝播路推定の精度が異なるために、分散仮想リソースブロックDVRBの受信品質が、ブロックによって異なり、均等にならないことがあるという問題がある。以下、この問題を説明する。図8は、SFBC+FSTDを適用した下りリンクフレームにおいて図7(b)の分散仮想リソースブロックDVRBを適用した場合を示す図である。図8から見てわかるように、各分散物理リソースブロックDPRBにおいてアンテナTx3とTx4が送信する下りリンクパイロットチャネルであるリソースエレメントR3とR4からの時間領域の距離が遠い分散仮想リソースブロックDVRBが存在する。
【0021】
図8において、分散物理リソースブロックDPRB1では分散仮想リソースブロックDVRB2(D13−11〜D24−20)と比較して分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB3がリソースエレメントR3とR4からの距離が遠い。同様に、分散物理リソースブロックDPRB2では分散仮想リソースブロックDVRB1(D13−11〜D24−20)と比較して分散仮想リソースブロックDVRB2とDVRB3がリソースエレメントR3とR4からの距離が遠く、分散物理リソースブロックDPRB3ではDVRB3と比較して分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2がリソースエレメントR3とR4からの距離が遠い。このようにリソースエレメントR3とR4からの距離が遠いリソースエレメントでは、伝播路の時間変動が大きいと、リソースエレメントR3とR4を用いた伝播路推定精度が劣化する。
【0022】
さらに、例えば、分散物理リソースブロックDPRB1では分散仮想リソースブロックDVRB1は2番目のOFDMシンボルと9番目のOFDMシンボルより推定した伝播路推定値を用いて実際に伝播路補償に用いる伝播路補償値を内挿補間により求めることができる。しかし、分散仮想リソースブロックDVRB3は内挿補間を行うことができないため、伝播路推定精度の劣化が顕著に現れる。4本の送信アンテナを用いたSFBC+FSTDでは、受信側でリソースエレメントR3とR4から推定した伝播路推定値を用いて受信信号の復調処理を行うため、劣化した伝播路推定値(伝播路補償値)を用いると受信信号を正しく復調することができなくなる。また、前述の分散送信は伝播路の時間変動の非常に大きい高速移動の移動局装置に用いることが想定されているため、伝播路推定精度の劣化は非常に大きな問題となる。
【0023】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、各分散仮想リソースブロックDVRBの受信品質が均等になるようなDVRBマッピングを行うことができる無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置、および無線通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の無線通信システムは、無線送信装置と複数の無線受信装置とを具備し、信号を冗長化して送信する送信ダイバーシチを用いて通信する無線通信システムにおいて、前記無線送信装置は、各前記無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成する送信ダイバーシチ処理部と、複数の前記無線受信装置に宛てた前記冗長化した信号を、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに、前記冗長化による信号の組を単位として多重する多重部と、前記多重部が多重した信号を送信する送信部とを具備し、前記無線受信装置は、前記無線送信装置が送信した信号を受信する受信部と、前記受信した信号のうち、前記物理リソースブロックに多重された信号から、前記多重部による配置順に基づき当該無線受信装置宛ての信号を抽出する多重分離部と、前記抽出した信号のうち、前記冗長化による信号の組を構成する信号を合成して、冗長化前の信号を生成する送信ダイバーシチ合成部とを具備することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記無線送信装置の多重部は、前記物理リソースブロックに、前記冗長化した信号の宛先となっている前記無線受信装置が同一の順番で繰り返されるように、前記冗長化した信号を配置して多重すること特徴とする。
【0026】
また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記無線送信装置の多重部は、前記物理リソースブロックに、前記冗長化した信号の宛先となっている前記無線受信装置が繰り返し毎に異なる順番で繰り返されるように、前記冗長化した信号を配置して多重すること特徴とする。
【0027】
また、本発明の無線通信システムは、上述のいずれかの無線通信システムであって、前記多重部は、前記順番が前記物理リソースブロック毎に異なるように、前記冗長化した信号を配置して多重すること特徴とする。
【0028】
また、本発明の無線通信システムは、上述のいずれかの無線通信システムであって、前記物理リソースブロックには、制御データの信号が多重され、前記無線送信装置の送信部は、一の前記受信装置に、前記物理リソースブロックに多重される制御データの信号の量を表す情報と、前記物理リソースブロックに多重される前記冗長化した信号の宛先となっている前記受信装置の数を表す情報と、前記宛先となっている前記受信装置群における前記一の受信装置の識別番号を表す情報とを少なくとも含むパラメータを送信し、前記無線受信装置の多重分離部は、前記受信した信号のうち前記物理リソースブロックにおける信号の配置順を、前記パラメータに基づき判定し、当該無線受信装置宛ての信号を前記物理リソースブロックから抽出することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の無線通信システムは、上述のいずれかの無線通信システムであって、前記送信ダイバーシチ処理部による信号の冗長化は、第1の信号を第1のアンテナから送信する第1の周波数に割り当て、第2の信号を第2のアンテナから送信する前記第1の周波数に割り当て、冗長化のために前記第2の信号を変換した信号を前記第1のアンテナから送信する第2の周波数に割り当て、冗長化のために前記第1の信号を変換した信号を前記第2のアンテナから送信する前記第2の周波数に割り当て、前記冗長化による信号の組は、前記第1の信号と前記第2の信号と前記第1の信号を変換した信号と前記第2の信号を変換した信号とからなる組であることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の無線通信システムは、上述のいずれかの無線通信システムであって、前記送信ダイバーシチ処理部による信号の冗長化は、第1の信号を第1のアンテナから送信する第1の周波数に割り当て、第2の信号を第2のアンテナから送信する前記第1の周波数に割り当て、冗長化のために前記第2の信号を変換した信号を前記第1のアンテナから送信する第2の周波数に割り当て、冗長化のために前記第1の信号を変換した信号を前記第2のアンテナから送信する前記第2の周波数に割り当て、第3の信号を第3のアンテナから送信する第3の周波数に割り当て、第4の信号を第4のアンテナから送信する前記第3の周波数に割り当て、冗長化のために前記第4の信号を変換した信号を前記第3のアンテナから送信する前記第4の周波数に割り当て、冗長化のために前記第3の信号を変換した信号を前記第4のアンテナから送信する前記第4の周波数に割り当て、前記冗長化による信号の組は、前記第1の信号と前記第2の信号と前記第1の信号を変換した信号と前記第2の信号を変換した信号と前記第3の信号と前記第4の信号と前記第3の信号を変換した信号と前記第4の信号を変換した信号とからなる組であることを特徴とする。
【0031】
また、本発明の無線通信システムは、上述のいずれかの無線通信システムであって、前記無線送信装置の送信部は、OFDM方式の信号を送信し、前記無線受信装置の受信部は、OFDM方式の信号を受信することを特徴とする。
【0032】
また、本発明の無線送信装置は、信号を冗長化して送信する送信ダイバーシチを用いて複数の無線受信装置と通信する無線送信装置において、各前記無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成する送信ダイバーシチ処理部と、複数の前記無線受信装置に宛てた前記冗長化した信号を、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに、前記冗長化による信号の組を単位として多重する多重部と、前記多重部が多重した信号を送信する送信部とを具備することを特徴とする。
【0033】
また、本発明のプログラムは、信号を冗長化して送信する送信ダイバーシチを用いて複数の無線受信装置と通信する無線送信装置が具備するコンピュータを、各前記無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成する送信ダイバーシチ処理部、複数の前記無線受信装置に宛てた前記冗長化した信号を、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに、前記冗長化による信号の組を単位として多重する多重部、前記多重部が多重した信号を送信する送信部として機能させるためのプログラム。
【0034】
また、本発明の無線受信装置は、信号が冗長化されて送信される送信ダイバーシチを用いて無線送信装置と通信する無線受信装置において、前記無線送信装置が送信した信号を受信する受信部と、前記受信した信号のうち、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに多重された信号から、前記無線送信装置による配置順に基づき当該無線受信装置宛ての信号を抽出する多重分離部と、前記抽出した信号のうち、前記冗長化による信号の組を構成する信号を合成して、該冗長化前の信号を生成する送信ダイバーシチ合成部とを具備することを特徴とする。
【0035】
また、本発明のプログラムは、信号が冗長化されて送信される送信ダイバーシチを用いて無線送信装置と通信する無線受信装置が具備するコンピュータを、前記無線送信装置が送信した信号を受信する受信部、前記受信した信号のうち、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに多重された信号から、前記無線送信装置による配置順に基づき当該無線受信装置宛ての信号を抽出する多重分離部、前記抽出した信号のうち、前記冗長化による信号の組を構成する信号を合成して、該冗長化前の信号を生成する送信ダイバーシチ合成部として機能させる。
【0036】
また、本発明の無線通信方法は、無線送信装置と複数の無線受信装置とを具備し、信号を冗長化して送信する送信ダイバーシチを用いて通信する無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記無線送信装置が、各前記無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成する第1の過程と、前記無線送信装置が、複数の前記無線受信装置に宛てた前記冗長化した信号を、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに、前記冗長化による信号の組を単位として多重する第2の過程と、前記無線送信装置が、前記多重部が多重した信号を送信する第3の過程と、前記無線受信装置が、前記無線送信装置が送信した信号を受信する第4の過程と、前記無線受信装置が、前記受信した信号のうち、前記物理リソースブロックに多重された信号から、前記第2の過程による配置順に基づき当該無線受信装置宛ての信号を抽出する第5の過程と、前記無線受信装置が、前記抽出した信号のうち、前記冗長化による信号の組を構成する信号を合成して、冗長化前の信号を生成する第6の過程とを備えることを特徴とする無線通信方法。
【発明の効果】
【0037】
この発明によれば、無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成し、複数の無線受信装置に宛てた冗長化した信号を、冗長化による信号の組を単位として物理リソースブロックに多重するので、分散仮想リソースブロックDVRBの受信品質が均等になるようなDVRBマッピングを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。本実施形態による無線通信システムは、4本の送信アンテナを用いたSFBC+FSTDにて送信する無線送信装置である基地局装置1と、該基地局装置1が送信した信号を受信する無線受信装置である複数の移動局装置2とを具備する。図9は、本発明の実施形態における基地局装置1の概略ブロック図である。図9に示すように、基地局装置1は、無線リソース制御部3、制御部4、送信処理部5、受信処理部6を具備する。
【0039】
無線リソース制御部3は、移動局装置2との間欠送受信サイクル、変調方式・符号化率、送信電力、無線リソース割り当て、下りリンク制御チャネルを構成するOFDMシンボル数、多重などを管理し、これら管理内容を指示する制御情報を制御部4に出力すると共に、制御部4、送信処理部5を通して移動局装置2に制御データとして通知する。制御部4は、無線リソース制御部3から入力された制御情報に基づいて送信処理部5と受信処理部6の制御を行うために、送信処理部5と受信処理部6に制御信号を出力する。制御部4は、送受信信号の変調方式、符号化率の設定、下りリンク制御チャネルが構成するOFDMシンボル数の設定、リソースエレメントへの配置設定などの制御を、送信処理部5および受信処理部6に対して行う。また、制御部4は、下りリンク制御チャネルに配置する制御データであるL1/L2制御データ(Layer1/Layer2制御データ)を生成し、送信処理部5に送信を指示する。また、制御部4は、下りリンク制御チャネルではなく下りリンク共有データチャネルに配置する制御データを生成し、送信処理部5に情報データと共にデータとして送信を行うように指示する。
【0040】
送信処理部5は、制御部4からの入力に基づき、下りリンク制御チャネル、下りリンク共有データチャネル、下りリンクパイロットチャネル、制御フォーマットインディケータチャネルを生成し、複数の、例えば4つの送信アンテナa1〜a4を介して、各移動局装置2に送信する。なお、本発明とは直接の関連がないため、報知チャネル、下りリンク同期チャネルに関する説明は省略する。受信処理部6は、制御部4からの入力に基づき、各移動局装置2が送信した上りリンク制御チャネル、上りリンク共有データチャネル、上りリンクパイロットチャネル、ランダムアクセスチャネルの受信を受信アンテナa5を介して行う。なお、本発明とは直接の関連がないため、上りリンクに関する説明は省略する。
【0041】
図10は、本実施形態における基地局装置1の送信処理部5の内部構成を示す概略ブロック図である。基地局装置1の送信処理部5は、複数のデータチャネル処理部10と、制御チャネル処理部11と、参照信号生成部12と、制御フォーマットインディケータ信号生成部13と、多重部14と、送信アンテナ毎にIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:高速逆フーリエ変換)部15と、GI(Guard Interval:ガードインターバル)挿入部16と、D/A(ディジタル/アナログ変換)部17と、送信RF(Radio Frequency;無線周波数)部18とを具備する。複数のデータチャネル処理部10は同様の構成及び機能を有するので、その一つを代表して説明する。
【0042】
データチャネル処理部10は、下りリンク共有データチャネルの処理を行う、すなわち各々のデータチャネル処理部10が、いずれか一つの移動局装置2宛ての情報データを受けて、該移動局装置2宛ての分散仮想リソースブロックの信号を生成する。データチャネル処理部10は、ターボ符号部20と、データ変調部21と、送信ダイバーシチ処理部22とを具備する。制御チャネル処理部11は、下りリンク制御チャネルの処理を行う。制御チャネル処理部11は、畳み込み符号部30と、QPSK変調部31と、送信ダイバーシチ処理部32とを具備する。
【0043】
複数のデータチャネル処理部10各々は、情報データ、および制御部4から入力された制御データから構成されるデータをOFDM方式で伝送するためのベースバンド処理を行う。ターボ符号部20は、制御部4からの符号化率の指示に従い、入力されたデータの誤り耐性を高めるためのターボ符号による誤り訂正符号化を行う。データ変調部21は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying;4相位相偏移変調)、16QAM(16Quadrature Amplitude Modulation;16値直交振幅変調)、64QAM(64Quadrature Amplitude Modulation;64値直交振幅変調)等のような変調方式のうち制御部4から指示された変調方式で、ターボ符号部20により誤り訂正符号化されたデータを変調する。本実施形態では、AMCS(Adaptive Modulation Coding Scheme;適応変復調・誤り訂正方式)を用いるので、この変調方式は適宜変更される。送信ダイバーシチ処理部22は、データ変調部21により変調された信号snを符号反転、共役転置して信号snを生成することで各移動局装置2に宛てて送信する信号を冗長化する。そして送信ダイバーシチ処理部22は、冗長化による信号の組として、2送信アンテナを用いた送信ダイバーシチの場合はSFBC処理を行う周波数ペア(s1、s2、s1、−s2)を生成し、4送信アンテナを用いた送信ダイバーシチの場合はSFBC+FSTD処理を行う周波数セット(s1、s2、s1、−s2、s3、s4、s3、−s4)を生成する。
【0044】
制御チャネル処理部11は、L1/L2制御データをOFDM方式で伝送するためのベースバンド処理を行う。畳み込み符号部30は、制御部4から入力されたL1/L2制御データの誤り耐性を高めるための畳み込み符号による誤り訂正符号化を行う。QPSK変調部31は、畳み込み符号部30により誤り訂正符号化されたL1/L2制御データをQPSK変調方式で変調する。送信ダイバーシチ処理部32は、送信ダイバーシチ処理部22と同様に、2送信アンテナを用いた送信ダイバーシチの場合はSFBC処理を行う2サブキャリア×2送信アンテナ分の送信信号の組みである周波数ペアを生成し、4送信アンテナを用いた送信ダイバーシチの場合はSFBC+FSTD処理を行う4サブキャリア×4送信アンテナ分の送信信号の組みである周波数セットを生成する。
【0045】
参照信号生成部12は、下りリンクパイロットチャネルで基地局装置1の各送信アンテナが送信する参照信号を生成する。制御フォーマットインディケータ信号生成部13は、下りリンク制御チャネルが構成するOFDM信号を示す情報を制御フォーマットインディケータチャネルで送信する制御フォーマットインディケータ信号を生成する。多重部14は、データチャネル処理部10が出力した符号化及び変調等の処理済の各移動局装置2宛ての情報データの送信信号と、制御チャネル処理部11が出力した符号化及び変調等の処理済みのL1/L2制御データの送信信号と、制御フォーマットインディケータ信号と、参照信号とをリソースエレメントに配置する。本発明の対象とする分散送信時には、分散送信用の物理リソースブロックPRBである分散物理リソースブロックDPRBに、送信ダイバーシチ処理部22が生成した冗長化による信号の組を単位として多重する。この多重による、下りリンク共有データチャネルのリソースエレメントへの信号配置に関する説明は後述する。
【0046】
IFFT部15は、多重部14から入力された信号を高速逆フーリエ変換し、OFDM方式の変調を行う。GI挿入部16は、OFDM変調済みの信号にガードインターバルを付加することで、OFDM方式におけるシンボルを生成する。ガードインターバルは、伝送するシンボルの先頭又は末尾の一部を複製する公知の方法によって得る。D/A部17は、GI挿入部16から入力されたベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換する。送信RF部18は、D/A部17から入力されたアナログ信号から、中間周波数の同相成分及び直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送信アンテナa1〜a4のいずれかに出力する。なお、本実施形態では、IFFT部15とGI挿入部16とD/A部17と送信RF部18とで送信部として機能する。基地局装置1は、この送信部を、送信に使用される送信アンテナa1〜a4の数だけ、すなわち、本実施形態では4つ具備し、各送信部は多重部14が出力した各送信アンテナa1〜a4向けの信号を処理する。
【0047】
図11は、本発明の実施形態における移動局装置2の概略ブロック図である。図11に示すように、移動局装置2は、制御部7、送信処理部8、受信処理部9を有する。受信処理部9は、受信アンテナa6を介して基地局装置1から受信した下りリンク制御チャネル、下りリンク共有データチャネル、下りリンクパイロットチャネル、制御フォーマットインディケータチャネルに対し受信処理を行う。制御部7は、基地局装置1より下りリンク制御チャネル、下りリンク共有データチャネルを用いて通知された制御データに基づいて、送信処理部8、受信処理部9を制御する。また、制御部7は、基地局装置1より通知されたDVRBマッピングに関する制御情報(多重数Ndの値、分散物理リソースブロックDPRBの周波数配置、分散仮想リソースブロックDVRBナンバー)、制御フォーマットインディケータに基づき、自移動局装置に分散送信された信号が配置されたリソースエレメントを検出し、受信した信号を抽出する制御信号を受信処理部9に出力する。自移動局装置に分散送信された信号が配置されたリソースエレメントの検出方法は後述する。
【0048】
図12は、本実施形態における移動局装置2の受信処理部9の内部構成を示す概略ブロック図である。移動局装置2の受信処理部9は、受信RF部40と、A/D部41と、GI除去部42と、FFT部43と、多重分離部44と、伝播路推定部45と、伝播路補償部46,47,48と、制御フォーマットインディケータ検出部55と、送信ダイバーシチ合成部49、52と、データ復調部50と、ターボ復号部51と、QPSK復調部53と、ビタビデコーダ部54とを具備する。本実施形態では、受信RF部40とA/D部41とGI除去部42とFFT部43とで、受信部として機能する。
【0049】
受信RF部40は、受信アンテナa6を介して受信した信号を増幅し、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分及び直交成分に基づいて、直交復調する。A/D部41は、受信RF部40により直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。GI除去部42は、A/D部41の出力したディジタル信号からガードインターバルに相当する部分を除去する。FFT部43は、GI除去部42から入力された信号を高速フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行う。
【0050】
多重分離部44は、制御部7からの指示に基づき、FFT部43がフーリエ変換した信号、すなわちOFDM方式により復調された受信信号から下りリンクパイロットチャネル(パイロットチャネル)、制御フォーマットインディケータチャネル、下りリンク共有データチャネル(データチャネル)、下りリンク制御チャネル(制御チャネル)を、配置されたリソースエレメントから抽出して、出力する。具体的には、多重分離部44は、固定の配置である下りリンクパイロットチャネルと制御フォーマットインディケータチャネルを抽出して、下りリンクパイロットチャネルは伝播路推定部45に出力し、制御フォーマットインディケータチャネルは伝播路補償部46に出力する。さらに、多重分離部44は、制御フォーマットインディケータチャネルに含まれる情報に基づいて下りリンク制御チャネルを抽出して、伝播路補償部48に出力する。また、多重分離部44は、下りリンク制御チャネルに含まれる情報に基づいて下りリンク共有データチャネルを抽出して、伝播路補償部47に出力する。多重分離部44は、分散送信された下りリンク共有データチャネル、すなわち分散物理リソースブロックDPRBの下りリンク共有データチャネルに多重化された信号から、基地局装置1の多重部14による信号配置順に基づき当該移動局装置2宛ての信号を抽出する。この抽出方法(リソースエレメントの検出方法)については後述する。
【0051】
伝播路推定部45は、多重分離部44が分離した下りリンクパイロットチャネルに配置された既知の参照信号の受信結果に基づいて基地局装置1の送信アンテナa1〜a4各々に対する伝播路変動を推定し、伝播路変動補償値を出力する。伝播路補償部46、47、48は、伝播路推定部45からの伝播路変動補償値に基づいて、入力された信号の伝播路変動の補償を行う。制御フォーマットインディケータ検出部55は、伝播路変動の補償が行われた制御フォーマットインディケータチャネルに配置された信号から下りリンク制御チャネルが構成されるOFDMシンボル数を示す制御フォーマットインディケータの情報を検出し、制御部7に出力する。送信ダイバーシチ合成部49、52は、伝播路補償部47または48が伝播路変動の補償を行った信号について、基地局装置1における冗長化による信号の組を構成する信号を合成して冗長化前の信号を生成する。このときの合成には、基地局装置1で用いられた送信ダイバーシチ方式に応じた合成を行う。
【0052】
この送信ダイバーシチ合成部49、52による合成処理について説明する。ただし、SFBC+FSTDは、異なる周波数ペアで2つのSFBCを行っているに過ぎない、すなわち、SFBC+FSTDのときは、SFBCの場合の合成処理を2回繰り返すだけなので、SFBCの合成処理について説明する。なお、図3、図4(b)の符号を適宜説明に用いる。周波数f1の受信信号をr1、周波数f2の受信信号をr2とする。
送信アンテナTx1、Tx3のペア、送信アンテナTx2、Tx4のペアのSFBCのそれぞれに対してSFBC合成としてアラムーチ(Alamouti)合成を行う。ここでは前述のように、送信アンテナTx1、Tx3のペアのSFBCに対するアラムーチ合成(詳細は、S.M.Alamouti, “A Simple Transmit Diversity Technique for Wireless Communicatins”,IEEE,Journal on Selected Areas of Communicatins,1998 Vol.16 No.8)について説明する。
【0053】
先ず、下りリンクパイロットチャネルR1より送信アンテナTx1の送信信号に対する伝播路推定値H1、下りリンクパイロットチャネルR3より送信アンテナTx3の送信信号に対する伝播路推定値H3を得る。次に、伝播路推定値H1の共役転置H1と受信信号r1を乗算し、伝播路推定値H3と受信信号r2の共役転置r2とを乗算し、両結果を加算して、s1に対する合成信号c1を得る。次に、伝播路推定値H3の共役転置H3と受信信号r1を乗算し、伝播路推定値H1の符号反転(−H1)と受信信号r2の共役転置r2とを乗算し、両結果を加算して、s2の合成信号c2を得る。結果として、c1、c2のそれぞれは伝播路推定値H1と伝播路推定値H3の振幅を二乗したものでs1、s2のそれぞれを重み付け合成した信号であり、重み付けによりデータ復調部50における復調性能を向上させる。
なお、演算が簡易な線形処理であるアラムーチ合成を行い、最適な特性を得るためには、周波数f1とf2における伝播路変動が同じである必要がある。そのため、SFBCは伝播路変動が最も近い周波数が隣り同士のリソースエレメントのペアで行う。
【0054】
データ復調部50は、送信ダイバーシチ合成部49により合成された下りリンク共有データチャネルの復調を行う。この復調は、基地局装置1のデータ変調部21で用いた変調方式に対応したものが行われ、変調方式に関する情報は制御部7から指示される。ターボ復号部51は、データ復調部50が復調した下りリンク共有データチャネルを復号する。この復号は、基地局装置1のターボ符号部で用いた符号化率に対応したものが行われ、符号化率に関する情報は制御部7から指示される。QPSK復調部53は、送信ダイバーシチ合成部52により合成された下りリンク制御チャネルのQPSK復調を行う。ビタビデコーダ部54は、QPSK復調部53が復調した下りリンク制御チャネルを復号する。
【0055】
次に、4本の送信アンテナを用いたSFBC+FSTDを適用した分散送信する下りリンク共有データチャネル、すなわち分散仮想リソースブロックDVRBを用いて送信する下りリンク共有データチャネルのリソースエレメントへの配置方法、すなわちDVRBマッピングについて説明する。基地局装置1の多重部14は、該配置方法を用いてリソースエレメントを配置する。また、移動局装置2の多重分離部44は、この配置方法に基づいて各チャネル、すなわち各分散仮想リソースブロックDVRBのリソースエレメントを判定して信号を抽出する。
【0056】
本発明のDVRBマッピングは、SFBC+FSTDの周波数セットを1ユニットとして、1つの分散物理リソースブロックDPRBに多重する分散仮想リソースブロックDVRB各々の下りリンク共有データチャネルの信号をユニット単位で順番に分散物理リソースブロックDPRB内に配置する。順番に配置する周期は、1分散物理リソースブロックDPRBに多重する分散仮想リソースブロックDVRB数である多重数Ndであり、1番目の分散仮想リソースブロックDVRB1からNd番目の分散仮想リソースブロックDVRB Ndの信号、すなわちSFBC+FSTDの周波数セットを1つずつ順番に配置した後、再度1番目の分散仮想リソースブロックDVRB1の信号から配置するという処理を全ての周波数セットに対して配置し終えるまで繰り返す。更に、各分散物理リソースブロックDPRB間で配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトして行う。これにより、分散物理リソースブロック毎に分散仮想リソースブロックDVRBの順番が異なるようになる。
【0057】
図13は、下りリンク制御チャネルが3つのOFDMシンボルから構成され、多重数Ndが2の場合のDVRBマッピングを説明する図である。すなわち、第1の移動局装置2宛ての信号からなる分散仮想リソースブロックDVRB1と、第2の移動局装置2宛ての信号からなる分散仮想リソースブロックDVRB2との、分散物理リソースブロックDPRB1、DPRB2への基地局装置1の多重部14によるマッピングを説明する図である。同時に移動局装置2の多重分離部44は該マッピング内容に基づき、当該移動局装置2宛ての分散仮想リソースブロックDVRBを抽出する。なお、図14、16、17、19、20、22についても同様である。
【0058】
本実施形態においても、従来のEUTRAと同様に、下りリンクフレームは、無線リソース割り当てなどの単位であり、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックPRBから構成されている。1個の物理リソースブロックPRBは周波数領域において12個のサブキャリアから構成され、時間領域において14個のOFDMシンボルから構成される。1個のサブキャリアと1個のOFDMシンボルから構成されるユニットをリソースエレメントと呼ぶ。図13に示すように、下りリンク制御チャネルが3OFDMシンボルから構成され、下りリンクパイロットチャネルが1、2、5、8、9、12番目のOFDMシンボルの1、4、7、10番目のサブキャリアから構成されているときは、各物理リソースブロックPRB内においてSFBC+FSTDの周波数セットは29個構成される。そして、分散物理リソースブロックDPRB1においてSFBC+FSTDの周波数セットの2n−1(n=1,...15)番目に、分散仮想リソースブロックDVRB1の周波数セットの2n−1(n=1,...15)番目の信号が順番に配置される。また、分散物理リソースブロックDPRB1においてSFBC+FSTDの周波数セットの2n(n=1,...14)番目に、分散仮想リソースブロックDVRB2の周波数セットの2n(n=1,...14)番目の信号が順番に配置される。ここで、2n−1(n=1,...15)番目および2n(n=1,...14)番目は周波数セットナンバーを示す。
【0059】
一方、分散物理リソースブロックDPRB2においては周波数セットに信号を配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番を分散物理リソースブロックDPRB1の場合からシフトする。分散物理リソースブロックDPRB2においてSFBC+FSTDの周波数セットの2n−1(n=1,...15)番目に、分散仮想リソースブロックDVRB2の周波数セットの2n−1(n=1,...15)番目の信号が順番に配置される。また、分散物理リソースブロックDPRB2においてSFBC+FSTDの周波数セットの2n(n=1,...14)番目に、分散仮想リソースブロックDVRB1のSFBC+FSTDの周波数セットの2n(n=1,...14)番目の信号が順番に配置される。分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2はそれぞれ、分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2で総合して29個のSFBC+FSTDの周波数セットが構成され、1物理リソースブロックPRBのリソースエレメント量と等しくなる。
【0060】
なお、ここでは、分散物理リソースブロックDPRB内におけるSFBC+FSTDの周波数セットの周波数セットナンバーと、分散仮想リソースブロックDVRBの周波数セットの周波数セットナンバーが同じ場合について示したが、異なってもよい。例えば、分散物理リソースブロックDPRB1のSFBC+FSTDの周波数セットの2n−1(n=1,...15)番目に、29個のSFBC+FSTDの周波数セットから構成される分散仮想リソースブロックDVRB1の周波数セットのm(m=1,...15)番目の信号が順番に配置され、分散物理リソースブロックDPRB2においてSFBC+FSTDの周波数セットの2n(n=1,...14)番目に、分散仮想リソースブロックDVRB1の周波数セットのm(m=16,...29)番目の信号が順番に配置されるようにすることもできる。
【0061】
図14は、下りリンク制御チャネルが3つのOFDMシンボルから構成され、多重数Ndが3の場合のDVRBマッピングを説明する図である。すなわち、第1の移動局装置2宛ての信号からなる分散仮想リソースブロックDVRB1と、第2の移動局装置2宛ての信号からなる分散仮想リソースブロックDVRB2と、第3の移動局装置2宛ての信号からなる分散仮想リソースブロックDVRB3との、分散物理リソースブロックDPRB1、DPRB2、DPRB3へのマッピングを説明する図である。図13と同様に図14においても各物理リソースブロックPRB内においてSFBC+FSTDの周波数セットは29個構成される。分散物理リソースブロックDPRB1においてSFBC+FSTDの周波数セットの3n−2(n=1,...10)番目に、分散仮想リソースブロックDVRB1の周波数セットの3n−2(n=1,...10)番目の信号が順番に配置される。また、分散物理リソースブロックDPRB1においてSFBC+FSTDの周波数セットの3n−1(n=1,...10)番目に、分散仮想リソースブロックDVRB2の周波数セットの3n−1(n=1,...10)番目の信号が順番に配置される。また、分散物理リソースブロックDPRB1においてSFBC+FSTDの周波数セットの3n(n=1,...9)番目に、分散仮想リソースブロックDVRB3の周波数セットの3n(n=1,...9)番目の信号が順番に配置される。
【0062】
一方、分散物理リソースブロックDPRB2、DPRB3においては周波数セットに信号を配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番を分散物理リソースブロックDPRB1、DPRB2と比較して1つシフトする。すなわち、分散物理リソースブロックDPRB1においては、分散仮想リソースDVRB1、DVRB2、DVRB3の順番で周波数セットを配置したが、分散物理リソースブロックDPRB2においては、分散仮想リソースDVRB2、DVRB3、DVRB1の順番で周波数セットを配置し、分散物理リソースブロックDPRB3においては、分散仮想リソースDVRB3、DVRB1、DVRB2の順番で周波数セットを配置する。
【0063】
分散物理リソースブロックDPRB2において分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−2(n=1,...10)番目に順番に3n−2(n=1,...10)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB3はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−1(n=1,...10)番目に順番に3n−1(n=1,...10)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの3n(n=1,...9)番目に順番に3n(n=1,...9)番目の周波数セットの信号が配置される。
【0064】
さらに、分散物理リソースブロックDPRB3においては上述のように周波数セットに信号を配置する分散仮想リソースDVRBの順番を分散物理リソースブロックDPRB2と比較して1つシフトする。ここで、分散仮想リソースブロックDVRBが分散物理リソースブロックDPRB1における順番とは異なる順番になるようにシフトする。分散物理リソースブロックDPRB3において分散仮想リソースブロックDVRB3はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−2(n=1,...10)番目に順番に信号が配置され、DVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−1(n=1,...10)番目に順番に信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの3n(n=1,...9)番目に順番に信号が配置される。分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2とDVRB3はそれぞれ、分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2とDPRB3で総合して29個のSFBC+FSTDの周波数セットが構成され、1PRBのリソースエレメント量と等しくなる。
【0065】
次に、下りリンク制御チャネルが2つのOFDMシンボルから構成される場合について説明する。図15は、下りリンク制御チャネルが2つのOFDMシンボルから構成される場合の下りリンク共有データチャネルに対するSFBC+FSTDの周波数セットの配置を説明する図である。この場合、下りリンクパイロットチャネルは、下りリンク制御チャネルが3OFDMシンボルから構成される場合と同様に配置され、各物理リソースブロックPRB内においてSFBC+FSTDの周波数セットは32個構成される。
【0066】
図16は、下りリンク制御チャネルが2OFDMシンボルから構成され、多重数Ndが2の場合のDVRBマッピングを説明するための図である。分散物理リソースブロックDPRB1において分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの2n−1(n=1,...16)番目に、順番に2n−1(n=1,...16)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの2n(n=1,...16)番目に、順番に2n(n=1,...16)番目の信号が配置される。一方、分散物理リソースブロックDPRB2においては周波数セットに信号を配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトする。分散物理リソースブロックDPRB2において分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの2n−1(n=1,...16)番目に、順番に2n−1(n=1,...16)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの2n(n=1,...16)番目に、順番に2n(n=1,...16)番目の周波数セットの信号が配置される。分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2はそれぞれ、分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2で総合して32個のSFBC+FSTDの周波数セットが構成され、1物理リソースブロックPRBのリソースエレメント量と等しくなる。
【0067】
図17は、下りリンク制御チャネルが2つのOFDMシンボルから構成され、多重数Ndが3の場合のDVRBマッピングを説明するための図である。分散物理リソースブロックDPRB1において分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−2(n=1,...11)番目に、順番に3n−2(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−1(n=1,...11)番目に、順番に3n−1(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB3はSFBC+FSTDの周波数セットの3n(n=1,...10)番目に、順番に3n(n=1,...10)番目に信号が配置される。
【0068】
一方、分散物理リソースブロックDPRB2においては周波数セットに信号を配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番を分散物理リソースブロックDPRB1と比較して1つシフトする。分散物理リソースブロックDPRB2において分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−2(n=1,...11)番目に、順番に3n−2(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB3はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−1(n=1,...11)番目に、順番に3n−1(n=1,...11)番目の信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの3n(n=1,...10)番目に、順番に3n(n=1,...10)番目の周波数セットの信号が配置される。
【0069】
さらに、分散物理リソースブロックDPRB3においては周波数セットに信号を配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番を分散物理リソースブロックDPRB2と比較して1つシフトする。ここで、分散仮想リソースブロックDVRBが分散物理リソースブロックDPRB1と同一の順番とは異なる順番になるようにシフトする。分散物理リソースブロックDPRB3において分散仮想リソースブロックDVRB3はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−2(n=1,...11)番目に、順番に3n−2(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−1(n=1,...11)番目に、順番に3n−1(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの3n(n=1,...10)番目に、順番に3n(n=1,...10)番目の周波数セットの信号が配置される。分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2とDVRB3はそれぞれ、分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2とDPRB3で総合して32個のSFBC+FSTDの周波数セットが構成され、1物理リソースブロックPRBのリソースエレメント量と等しくなる。
【0070】
次に、下りリンク制御チャネルが1つのOFDMシンボルから構成される場合について説明する。図18は、下りリンク共有データチャネルに対するSFBC+FSTDの周波数セットの配置を説明する図である。この場合、各物理リソースブロックPRB内においてSFBC+FSTDの周波数セットは34個構成される。
【0071】
図19は、下りリンク制御チャネルが1つのOFDMシンボルから構成され、多重数Ndが2の場合のDVRBマッピングを説明する図である。分散物理リソースブロックDPRB1において分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの2n−1(n=1,...17)番目に、順番に2n−1(n=1,...17)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの2n(n=1,...17)番目に、順番に2n(n=1,...17)番目の周波数セットの信号が配置される。
【0072】
一方、分散物理リソースブロックDPRB2においては周波数セットに信号を配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトする。分散物理リソースブロックDPRB2において分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの2n−1(n=1,...17)番目に、順番に2n−1(n=1,...17)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの2n(n=1,...17)番目に、順番に2n(n=1,...17)番目の周波数セットの信号が配置される。分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2はそれぞれ、分散物理リソースブロックDPRB1とDPRB2で総合して34個のSFBC+FSTDの周波数セットが構成され、1物理リソースブロックPRBのリソースエレメント量と等しくなる。
【0073】
図20は、下りリンク制御チャネルが1つのOFDMシンボルから構成され、多重数Ndが3の場合のDVRBマッピングを説明する図である。分散物理リソースブロックDPRB1において分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−2(n=1,...12)番目に、順番に3n−2(n=1,...12)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−1(n=1,...11)番目に、順番に3n−1(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB3はSFBC+FSTDの周波数セットの3n(n=1,...11)番目に、順番に3n(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置される。
【0074】
一方、分散物理リソースブロックDPRB2においては各周波数セットの位置に信号を配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番を、分散物理リソースブロックDPRB1における順番と比較して1つシフトする。分散物理リソースブロックDPRB2において分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−2(n=1,...12)番目に、順番に3n−2(n=1,...12)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB3はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−1(n=1,...11)番目に、順番に3n−1(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの3n(n=1,...11)番目に、順番に3n(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置される。
【0075】
さらに、分散物理リソースブロックDPRB3においては周波数セットに信号を配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番を分散物理仮想ブロックDPRB2と比較して1つシフトする。ここで、分散仮想リソースブロックDVRBの順番が分散物理リソースブロックDPRB1における順番とは異なる順番になるようにシフトする。分散物理リソースブロックDPRB3において分散仮想リソースブロックDVRB3はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−2(n=1,...12)番目に、順番に3n−2(n=1,...12)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB1はSFBC+FSTDの周波数セットの3n−1(n=1,...11)番目に、順番に3n−1(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置され、分散仮想リソースブロックDVRB2はSFBC+FSTDの周波数セットの3n(n=1,...11)番目に、順番に3n(n=1,...11)番目の周波数セットの信号が配置される。分散仮想リソースブロックDVRB1とDVRB2とDVRB3はそれぞれ、分散物理仮想リソースブロックDPRB1とDPRB2とDPRB3で総合して34個のSFBC+FSTDの周波数セットが構成され、1物理リソースブロックPRBのリソースエレメント量と等しくなる。
【0076】
次に、上述のDVRBマッピングを行う無線通信システムにおいて、移動局装置2が自移動局装置に割り当てられた下りリンク共有データチャネルが配置されたリソースエレメントを認識する手順について説明する。図21は、移動局装置2が自移動局装置に割り当てられた下りリンク共有データチャネル、すなわち分散仮想リソースブロックDVRBが配置されたリソースエレメントを、サブフレーム中から認識する手順を説明する図である。移動局装置2は、分散物理リソースブロックDPRB数、分散物理リソースブロックDPRBの周波数位置、多重数Ndの値、自装置宛の下りリンク共有データチャネルが割り当てられたDVRBナンバーを下りリンク共有データチャネルで受信する。この制御データの通知に用いる下りリンク共有データチャネルに関しては、分散送信ではなく、集中送信される。
【0077】
基地局装置1は、分散通信用のパラメータである分散物理リソースブロックDPRB数、分散物理リソースブロックDPRBの周波数位置、多重数Ndの値を特定の移動局装置2、または複数の移動局装置2に対して下りリンク共有データチャネルで送信する。具体的には、これら分散通信用のパラメータを特定の移動局装置2に対して送信する場合、下りリンク共有データチャネルの無線リソース割り当てなどの情報を含む下りリンク制御チャネルに特定の移動局装置2を示す移動局識別子を含めて送信し、前記無線リソース割り当てにおいて示す下りリンク共有データチャネルに分散通信用のパラメータを含めて送信する。また、分散通信用のパラメータを複数の移動局装置2に対して送信する場合、下りリンク共有データチャネルの無線リソース割り当てなどの情報を含む下りリンク制御チャネルに複数の移動局装置2を示す移動局群識別子を含めて送信し、前記無線リソース割り当てにおいて示す下りリンク共有データチャネルに分散通信用のパラメータを含めて送信する。移動局装置2は、下りリンク制御チャネルに含まれる移動局識別子が自移動局識別子と等しいか、または移動局群識別子が自移動局装置が属する移動局群識別子と等しいかを検出する。
【0078】
等しい場合、前記下りリンク制御チャネルに含まれる下りリンク共有データチャネルの無線リソース割り当ての情報を取得し、無線リソース割り当ての情報によって示された物理リソースブロックPRBの下りリンク共有データチャネルの復調を行い、下りリンク共有データチャネルに含まれた分散通信用のパラメータを検出する。移動局群識別子が用いられた場合、該移動局群識別子に属する複数の移動局装置が下りリンク共有データチャネルに含まれた分散通信用のパラメータを、共通して分散送信に用いる。また、基地局装置1は、分散物理リソースブロックDPRB数、分散物理リソースブロックDPRBの周波数配置、多重集Ndの値以外に、分散通信用のパラメータとしてDVRBナンバーを、該DVRBナンバーが指定する分散仮想リソースブロックの送信先となっている特定の移動局装置2に対して、下りリンク共有データチャネルで送信する。
【0079】
これら分散通信用のパラメータの基地局装置1から移動局装置2への通知は、移動局装置2が情報データの通信を開始する前の通信確立の段階で行われ、この段階において情報データの通信においては分散送信を行うということが通知される。または、これらの情報は分散送信を行う場合に使用する情報を示すだけで、実際の情報データの通信を行う段階において分散送信を行うか、集中送信を行うかを指定する情報を下りリンク制御チャネルに含めるようにしてもよい。移動局装置2は、通信確立後、実際の情報データの通信において下りリンク制御チャネルで分散送信であることを示された場合に前記パラメータを自移動局装置宛の信号、すなわち自移動局装置宛の分散仮想リソースブロックDVRBが配置されたリソースエレメントの認識に用いる。
【0080】
移動局装置2は、分散物理リソースブロックDPRB数の情報を基に下りリンクフレームの分散物理リソースブロックDPRBの数を認識する(S1)。次に、移動局装置2は、分散物理リソースブロックDPRBの周波数位置の情報を基に、どの物理リソースブロックPRBが分散物理リソースブロックDPRBであるかを認識する(S2)。移動局装置2は、多重数Ndの情報を基に、分散物理リソースブロックDPRB内で多重する分散仮想リソースブロックDVRB数を認識する(S3)。移動局装置2は、DVRBナンバーの情報を基に、分散物理リソースブロックDPRB内における自移動局装置に割り当てられた分散仮想リソースブロックDVRBのナンバーを認識する(S4)。
【0081】
通信確立後、移動局装置2は制御フォーマットインディケータを制御フォーマットインディケータチャネルで受信し、下りリンク制御チャネルが構成されるOFDMシンボル数を認識する(S5)。以上の情報を基に、サブフレーム内で自移動局装置に対して分散送信された信号が配置されたリソースエレメントを認識する(S6)。例えば、全体として図13、図14、図16、図17、図19、図20に示すどのタイプのDVRBマッピングかを、多重数Ndと制御フォーマットインディケータにより認識し、最終的に各タイプにおいて自移動局装置の信号、すなわち、分散仮想リソースブロックDVRBが配置されたリソースエレメントを、予め記憶している各タイプの信号配置順の情報とDVRBナンバーとにより認識する。
【0082】
なお、DPRB数、DPRBの周波数位置、Nd、DVRBナンバーをいくつかの情報を下りリンク共有データチャネルではなく、下りリンク制御チャネルに構成するようにしてもよい。なお、DPRB数とDPRBの周波数位置を一対一で予め対応付けし、DPRB数のみを通知するようにしてもよい。なお、DPRB数とNdが同一となるようにし、どちらか一方の情報のみを通知するようにしてもよい。なお、DVRBナンバーなどを下りリンク制御チャネルに構成した場合、下りリンク制御チャネルにおける集中送信に関する情報を示すビットを、分散送信を示す場合に意味付けを変更することを予め決め、DVRBナンバーを示すためにビットを流用してもよい。
【0083】
以上のように、各分散仮想リソースブロックDVRBの信号が分散物理リソースブロックDPRB内において時間領域に均等に分散されるので各分散仮想リソースブロックDVRBの受信品質を均等にすることができる。さらに、移動局装置2は付加的な制御データなしに自移動局装置の下りリンク共有データチャネルが配置されたリソースエレメントを認識することができる。
【0084】
また、分散仮想リソースブロックDVRBを順番に配置する繰返し周期毎に異なる順番となるように分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトする。図22は、下りリンク制御チャネルが3OFDMシンボルで構成され、多重数Ndが3の場合に、分散仮想リソースブロックDVRBの周波数セットを順番に配置する周期毎に分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトするDVRBマッピングを説明する図である。分散物理リソースブロックDPRB1において、最初から3つのSFBC+FSTDの周波数セットでは分散仮想リソースブロックDVRB1、DVRB2、DVRB3の順番に周波数セットの信号を下りリンク共有データチャネルに配置する。次の3つのSFBC+FSTDの周波数セットでは、分散仮想リソースブロックDVRBの順番を1つシフトし、分散仮想リソースブロックDVRB2、DVRB3、DVRB1の順番に周波数セットの信号を下りリンク共有データチャネルに配置する。次の3つのSFBC+FSTDの周波数セットでは、分散仮想リソースブロックDVRBの順番を1つシフトし、分散仮想リソースブロックDVRB3、DVRB1、DVRB2の順番に周波数セットの信号を下りリンク共有データチャネルに配置する。
【0085】
このような処理を以降のSFBC+FSTDの周波数セットに対して行う。分散物理リソースブロックDPRB2、DPRB3においては、最初のSFBC+FSTDの周波数セットに対する分散仮想リソースブロックDVRBの周波数セットの順番は異なるが、同様に分散仮想リソースブロックDVRBの周波数セットを順番に配置する周期毎に分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトする。
【0086】
以上のように図22に示したDVRBマッピングでは、図14に示すDVRBマッピングと比較して各分散仮想リソースブロックDVRBの信号を配置するリソースエレメントを周波数領域でばらばらにすることができる。これにより、周波数ダイバーシチ効果を得ることができ、更に、特定の周波数領域で隣接セルからなどの干渉が強い場合にずっと干渉を受け続けないように影響を分散する干渉ダイバーシチ効果を得ることができる。
【0087】
なお、分散仮想リソースブロックDVRBの周波数セットを順番に配置する周期毎に、分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトする処理を行うことにより、逆に分散仮想リソースブロックDVRBの信号が特定の周波数領域のリソースエレメントに集中してしまうような場合(下りリンク制御チャネルのOFDMシンボル数と多重数Ndの値に依存)はシフトを行わないようにしてもよい。このとき、分散仮想リソースブロックDVRBを順番に配置する周期毎に分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトするかしないかを、下りリンク制御チャネルのOFDMシンボル数と多重数Ndの値の組み合わせに対して予め決めておくことで、シフトの実施/非実施を指定する制御情報を基地局装置から伝送せずに、移動局装置はシフトの実施/非実施を判定可能であるので、制御データが増加して伝送容量を圧迫することもない。
【0088】
また、2本の送信アンテナを用いたSFBCを適用したDVRBマッピングにおいても本発明を適用して、分散仮想リソースブロック間の受信品質を均等にすることができる。その場合、SFBC周波数ペアを1ユニットとして、各分散仮想リソースブロックDVRBの下りリンク共有データチャネルの信号をユニット単位で順番に配置する。送信アンテナが4本の場合と同様に、順番に配置する周期は、1分散物理リソースブロックDPRBに多重する分散仮想リソースブロックDVRB数である多重数Ndであり、1番目の分散仮想リソースブロックDVRB1からNd番目の分散仮想リソースブロックDVRB Nd各々の1つのSFBCの周波数ペアの信号を順番に配置した後、再度1番目の分散仮想リソースブロックDVRB1の信号から配置するという処理を全ての周波数ペアに対して配置し終えるまで繰り返し、各分散物理リソースブロックDPRB間では、配置する分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトする。
【0089】
なお、上述の実施形態では、多重数Ndの値が2と3の場合について説明してきたが、本発明はこれらの値に限定されない。多重数Ndの値が4、6など、その他の値であってもよい。
なお、上述の実施形態では、図4(b)に示すように、図3において下りリンクパイロットチャネルR1、R3を送信する送信アンテナTx1、Tx3のペア、下りリンクパイロットチャネルR2、R4を送信する送信アンテナTx2、Tx4のペアでSFBC+FSTDのSFBC処理をそれぞれ行う場合について説明してきたが、送信アンテナTx1、Tx2のペア、送信アンテナTx3、Tx4のペアでSFBC+FSTDのSFBC処理をそれぞれ行う場合、及び送信アンテナTx1、Tx4のペア、送信アンテナTx2、Tx3のペアでSFBC+FSTDのSFBC処理をそれぞれ行うような場合にも本発明を適用することができる。また、あるOFDMシンボルにおいては送信アンテナTx1、Tx3のペア、送信アンテナTx2、Tx4のペアでSFBC+FSTDのSFBC処理を行い、異なるOFDMシンボルにおいては送信アンテナTx1、Tx2のペア、送信アンテナTx3、Tx4のペアでSFBC+FSTDのSFBC処理を行うように、異なる送信アンテナペアのSFBC+FSTDを組み合わせた場合にも本発明を適用することができる。
【0090】
また、図9における無線リソース制御部3、制御部4、送信処理部5、受信処理部6、および、図11における制御部7、送信処理部8、受信処理部9の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0091】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0092】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、移動体通信システムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】従来のEUTRAにおけるチャネルの構造を示す図である。
【図2】従来のEUTRAにおける下りリンクフレームの概略構成である
【図3】従来のEUTRAの下りリンクにおける1PRB内の下りリンクパイロットチャネルの配置を説明する図である。
【図4】従来の送信ダイバーシチ方法を説明するための図である。
【図5】従来の2本の送信アンテナを用いた空間周波数ブロック符号SFBCの送信信号の各リソースエレメントへの配置例を説明する図である。
【図6】従来の2本の送信アンテナを用いた空間周波数ブロック符号SFBCの送信信号の各リソースエレメントへの配置例を説明する図である。
【図7】従来の時間多重方法を用いた分散仮想リソースブロックDVRBマッピング例の概略を説明する図である。
【図8】従来のSFBC+FSTDを適用した下りリンクフレームにおいて図7(b)の分散仮想リソースブロックDVRBを適用した場合を示す図である。
【図9】この本発明の実施形態における基地局装置1の概略ブロック図である。
【図10】同実施形態における基地局装置1の送信処理部5の内部構成を示す概略ブロック図である。
【図11】同実施形態における移動局装置2の概略ブロック図を示す。
【図12】同実施形態における移動局装置2の受信処理部9の内部構成を示す概略ブロック図である。
【図13】同実施形態における下りリンク制御チャネルが3OFDMシンボルから構成され、多重数Ndが2の場合のDVRBマッピングを説明する図である。
【図14】同実施形態における下りリンク制御チャネルが3OFDMシンボルから構成され、多重数Ndが3の場合のDVRBマッピングを説明する図である。
【図15】同実施形態における下りリンク制御チャネルが2OFDMシンボルから構成される場合の下りリンク共有データチャネルに対するSFBC+FSTDの周波数セットの配置を説明する図である。
【図16】同実施形態における下りリンク制御チャネルが2OFDMシンボルから構成され、多重数Ndが2の場合のDVRBマッピングを説明する図である。
【図17】同実施形態における下りリンク制御チャネルが2OFDMシンボルから構成され、多重数Ndが3の場合のDVRBマッピングを説明する図である。
【図18】同実施形態における下りリンク共有データチャネルに対するSFBC+FSTDの周波数セットの配置を説明する図である。
【図19】同実施形態における下りリンク制御チャネルが1OFDMシンボルから構成され、多重数Ndが2の場合のDVRBマッピングを説明する図である。
【図20】同実施形態における下りリンク制御チャネルが1OFDMシンボルから構成され、多重数Ndが3の場合のDVRBマッピングを説明する図である。
【図21】同実施形態における移動局装置2が自移動局装置に割り当てられた下りリンク共有データチャネルを、サブフレーム中から認識する手順を説明する図である。
【図22】同実施形態における下りリンク制御チャネルが3OFDMシンボルで構成され、多重数Ndが3の場合に、周波数セットを順番に配置する周期毎に分散仮想リソースブロックDVRBの順番をシフトするDVRBマッピングを説明する図である。
【符号の説明】
【0095】
1…基地局装置
2…移動局装置
3…無線リソース制御部
4、7…制御部
5、8…送信処理部
6、9…受信処理部
10…データチャネル処理部
11…制御チャネル処理部
12…参照信号生成部
13…制御フォーマットインディケータ信号生成部
14…多重部
15…IFFT部
16…GI挿入部
17…D/A部
18…送信RF部
20…ターボ符号部
21…データ変調部
22、32…送信ダイバーシチ処理部
30…畳み込み符号部
31…QPSK変調部
40…受信RF部
41…A/D部
42…GI除去部
43…FFT部
44…多重分離部
45…伝播路推定部
46、47、48…伝播路補償部
49、52…送信ダイバーシチ合成部
50…データ復調部
51…ターボ復号部
53…QPSK復調部
54…ビタビデコーダ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信装置と複数の無線受信装置とを具備し、信号を冗長化して送信する送信ダイバーシチを用いて通信する無線通信システムにおいて、
前記無線送信装置は、
各前記無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成する送信ダイバーシチ処理部と、
複数の前記無線受信装置に宛てた前記冗長化した信号を、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに、前記冗長化による信号の組を単位として多重する多重部と、
前記多重部が多重した信号を送信する送信部と
を具備し、
前記無線受信装置は、
前記無線送信装置が送信した信号を受信する受信部と、
前記受信した信号のうち、前記物理リソースブロックに多重された信号から、前記多重部による配置順に基づき当該無線受信装置宛ての信号を抽出する多重分離部と、
前記抽出した信号のうち、前記冗長化による信号の組を構成する信号を合成して、冗長化前の信号を生成する送信ダイバーシチ合成部と
を具備することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記無線送信装置の多重部は、前記物理リソースブロックに、前記冗長化した信号の宛先となっている前記無線受信装置が同一の順番で繰り返されるように、前記冗長化した信号を配置して多重すること
特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記無線送信装置の多重部は、前記物理リソースブロックに、前記冗長化した信号の宛先となっている前記無線受信装置が繰り返し毎に異なる順番で繰り返されるように、前記冗長化した信号を配置して多重すること
特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記多重部は、前記順番が前記物理リソースブロック毎に異なるように、前記冗長化した信号を配置して多重すること
特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記物理リソースブロックには、制御データの信号が多重され、
前記無線送信装置の送信部は、一の前記受信装置に、前記物理リソースブロックに多重される制御データの信号の量を表す情報と、前記物理リソースブロックに多重される前記冗長化した信号の宛先となっている前記受信装置の数を表す情報と、前記宛先となっている前記受信装置群における前記一の受信装置の識別番号を表す情報とを少なくとも含むパラメータを送信し、
前記無線受信装置の多重分離部は、前記受信した信号のうち前記物理リソースブロックにおける信号の配置順を、前記パラメータに基づき判定し、当該無線受信装置宛ての信号を前記物理リソースブロックから抽出すること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記送信ダイバーシチ処理部による信号の冗長化は、第1の信号を第1のアンテナから送信する第1の周波数に割り当て、第2の信号を第2のアンテナから送信する前記第1の周波数に割り当て、冗長化のために前記第2の信号を変換した信号を前記第1のアンテナから送信する第2の周波数に割り当て、冗長化のために前記第1の信号を変換した信号を前記第2のアンテナから送信する前記第2の周波数に割り当て、
前記冗長化による信号の組は、前記第1の信号と前記第2の信号と前記第1の信号を変換した信号と前記第2の信号を変換した信号とからなる組であること
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記送信ダイバーシチ処理部による信号の冗長化は、第1の信号を第1のアンテナから送信する第1の周波数に割り当て、第2の信号を第2のアンテナから送信する前記第1の周波数に割り当て、冗長化のために前記第2の信号を変換した信号を前記第1のアンテナから送信する第2の周波数に割り当て、冗長化のために前記第1の信号を変換した信号を前記第2のアンテナから送信する前記第2の周波数に割り当て、第3の信号を第3のアンテナから送信する第3の周波数に割り当て、第4の信号を第4のアンテナから送信する前記第3の周波数に割り当て、冗長化のために前記第4の信号を変換した信号を前記第3のアンテナから送信する前記第4の周波数に割り当て、冗長化のために前記第3の信号を変換した信号を前記第4のアンテナから送信する前記第4の周波数に割り当て、
前記冗長化による信号の組は、前記第1の信号と前記第2の信号と前記第1の信号を変換した信号と前記第2の信号を変換した信号と前記第3の信号と前記第4の信号と前記第3の信号を変換した信号と前記第4の信号を変換した信号とからなる組であること
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記無線送信装置の送信部は、OFDM方式の信号を送信し、前記無線受信装置の受信部は、OFDM方式の信号を受信すること
を特徴とする請求項1から請求項7のいずれかの項に記載の無線通信システム。
【請求項9】
信号を冗長化して送信する送信ダイバーシチを用いて複数の無線受信装置と通信する無線送信装置において、
各前記無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成する送信ダイバーシチ処理部と、
複数の前記無線受信装置に宛てた前記冗長化した信号を、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに、前記冗長化による信号の組を単位として多重する多重部と、
前記多重部が多重した信号を送信する送信部と
を具備することを特徴とする無線送信装置。
【請求項10】
信号を冗長化して送信する送信ダイバーシチを用いて複数の無線受信装置と通信する無線送信装置が具備するコンピュータを、
各前記無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成する送信ダイバーシチ処理部、
複数の前記無線受信装置に宛てた前記冗長化した信号を、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに、前記冗長化による信号の組を単位として多重する多重部、
前記多重部が多重した信号を送信する送信部
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
信号が冗長化されて送信される送信ダイバーシチを用いて無線送信装置と通信する無線受信装置において、
前記無線送信装置が送信した信号を受信する受信部と、
前記受信した信号のうち、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに多重された信号から、前記無線送信装置による配置順に基づき当該無線受信装置宛ての信号を抽出する多重分離部と、
前記抽出した信号のうち、前記冗長化による信号の組を構成する信号を合成して、該冗長化前の信号を生成する送信ダイバーシチ合成部と
を具備することを特徴とする無線受信装置。
【請求項12】
信号が冗長化されて送信される送信ダイバーシチを用いて無線送信装置と通信する無線受信装置が具備するコンピュータを、
前記無線送信装置が送信した信号を受信する受信部、
前記受信した信号のうち、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに多重された信号から、前記無線送信装置による配置順に基づき当該無線受信装置宛ての信号を抽出する多重分離部、
前記抽出した信号のうち、前記冗長化による信号の組を構成する信号を合成して、該冗長化前の信号を生成する送信ダイバーシチ合成部
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
無線送信装置と複数の無線受信装置とを具備し、信号を冗長化して送信する送信ダイバーシチを用いて通信する無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記無線送信装置が、各前記無線受信装置に宛てて送信する信号を冗長化し、冗長化による信号の組を生成する第1の過程と、
前記無線送信装置が、複数の前記無線受信装置に宛てた前記冗長化した信号を、予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックに、前記冗長化による信号の組を単位として多重する第2の過程と、
前記無線送信装置が、前記多重部が多重した信号を送信する第3の過程と、
前記無線受信装置が、前記無線送信装置が送信した信号を受信する第4の過程と、
前記無線受信装置が、前記受信した信号のうち、前記物理リソースブロックに多重された信号から、前記第2の過程による配置順に基づき当該無線受信装置宛ての信号を抽出する第5の過程と、
前記無線受信装置が、前記抽出した信号のうち、前記冗長化による信号の組を構成する信号を合成して、冗長化前の信号を生成する第6の過程と
を備えることを特徴とする無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−60420(P2009−60420A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226509(P2007−226509)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】