説明

無線通信システム及び無線通信方法

【課題】通信方式に依存することなく、特定の受信対象にだけ選択的に受信を行わせることができる無線通信システムを提供する。
【解決手段】送信側の通信機器1は、データを送信する位置ブロックを決定すると、その位置ブロックに関連した鍵暗号鍵を決定し、データ暗号鍵により暗号化したデータと、鍵暗号鍵により暗号化したデータ暗号鍵とを送信する。一方、受信側の通信機器1では、データを受信する位置ブロックを決定すると、その位置ブロックに関連した鍵暗号鍵を選択又は決定し、その鍵暗号鍵によってデータ暗号鍵を復号化し、復号化したデータ暗号鍵によってデータを復号化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う機器の少なくとも一方が移動体に搭載される無線通信システム及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車車間通信などの移動体間で行う通信では電波信号を用いるため、送信信号が到達する範囲はある程度の拡がり持つことになる。その結果、送信側では受信されることを想定していない範囲まで信号が受信されたり、逆に、受信側では不要とされる情報まで受信してしまう事態が生じる。
斯様な問題を解決する技術として、特許文献1には、送信側で予測した位置情報に基づく通信パターンを、スペクトラム拡散方式におけるPN系列により生成して送信し、上記位置に該当する受信側が同じ通信パターンを生成することで、信号の受信を可能とするものが開示されている。
【特許文献1】特開2000−269886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術は、送信機及び受信機が、スペクトラム拡散という特殊な通信方式に対応した構成であることを前提としており、その他の通信方式を採用しているものには適用することができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信方式に依存することなく、特定の受信対象にだけ選択的に受信を行わせることができる無線通信システム及び無線通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の無線通信システムによれば、送信側通信機は、データを送信する位置領域を決定すると、その位置領域に関連した鍵暗号鍵を選択又は決定し、データ暗号鍵により暗号化したデータと、鍵暗号鍵により暗号化したデータ暗号鍵とを送信する。一方、受信側通信機では、データを受信する位置領域を決定すると、その位置領域に関連した鍵暗号鍵を選択又は決定し、その鍵暗号鍵によってデータ暗号鍵を復号化し、復号化したデータ暗号鍵によってデータを復号化する。尚、「位置領域」については、2次元的な領域,3次元的な領域の何れでも良い。
【0005】
したがって、送信側でデータの宛先として意図した位置領域に属する通信機にだけ、データの復号を可能とすることができる。またその場合、送受信側の何れか一方が移動体に搭載されることから、その移動位置を推定・予測することで複数の位置領域を選択する場合も想定される。そこで、1つの送信データ(送信パケット)についてデータ暗号鍵は共通とすることで、その鍵により暗号化されるデータは共通(1種類)となる。そして、鍵暗号鍵を位置領域に関連して決定し、データ暗号鍵を暗号化して送信すれば、送信対象の位置領域が複数ある場合は、共通の「暗号化」データと共に、位置領域数に応じた「暗号化」データ暗号鍵が送信される。故に、送信パケットのデータサイズを大幅に低減することができる。またこの場合、基本的には暗号鍵を使用するものであり、暗号化・復号化のプロセスが特定の通信方式に依存しないので、どのようなプロトコルを採用する通信にも適用することができる。
【0006】
請求項2記載の無線通信システムによれば、送信側通信機は、使用するデータ暗号鍵について生成したチェックコードも併せて送信し、受信側通信機は、復号化したデータ暗号鍵についてチェックコードを計算し、チェックコードが受信したものに一致すれば、そのデータ暗号鍵を用いて復号化を行う。したがって、複数の送信宛先に応じて暗号化データ暗号鍵が複数ある場合でも、復号化したデータ暗号鍵が自身宛であることを、チェックコードを利用して、データを復号する以前の段階で簡単に確認することができる。
【0007】
請求項3記載の無線通信システムによれば、送信側通信機は、送信データについて生成したチェックコードをデータ暗号鍵により暗号化して送信し、受信側通信機は、データ暗号鍵により送信データのチェックコードを復号化すると、そのチェックコードを用いて前記データをチェックする。したがって、チェックコードで確認したデータ暗号鍵によりデータのチェックコードを復号化して、データをチェックすることができる。
【0008】
請求項4記載の無線通信システムによれば、送信側通信機が移動体に搭載されている場合、データの送信宛先とする位置領域を任意に指定可能とするので、例えば自身の現在位置に応じて将来的に到達することが予測される位置領域と、その近傍となる位置領域などに対して選択的に送信を行うことができる。
【0009】
請求項5記載の無線通信システムによれば、送信側通信機が移動体に搭載されている場合、データの送信宛先としない位置領域を任意に指定可能とするので、例えばデータの内容などに応じて、受信されるのが不適当であると判断される位置領域を、選択的に除外することができる。
【0010】
請求項6記載の無線通信システムによれば、送信側通信機が移動体に搭載されている場合、移動体の移動速度が変化するのに応じて、データの送信宛先とする位置領域の数を増加又は減少させる。すなわち、移動速度が変化すれば、移動体が位置領域を通過する時間も変化するので、その速度変化に応じて位置領域の数を変化させれば、受信領域数を適切に調整できる。
【0011】
請求項7記載の無線通信システムによれば、受信側通信機が移動体に搭載されている場合、データを受信する位置領域を任意に指定可能に構成する。すなわち、受信側が移動している場合も同様に、自身の現在位置に応じて将来的に到達することが予測される位置領域と、その近傍となる位置領域などに位置した場合に受信できるように選択することができる。
【0012】
請求項8記載の無線通信システムによれば、受信側通信機が移動体に搭載されている場合、データを受信しない位置領域を任意に指定可能とするので、例えば受信側の位置に応じてデータの取得が不要と判断される場合などに、受信を拒否できる。
【0013】
請求項9記載の無線通信システムによれば、受信側通信機が移動体に搭載されている場合、移動体の移動速度が変化するのに応じてデータを受信する位置領域の数を増加又は減少させる。すなわち、受信側についても移動速度が変化すれば、移動体が位置領域を通過する時間も変化するので、その速度変化に応じて位置領域の数を変化させることで、受信領域数を適切に調整できる。
【0014】
請求項10記載の無線通信システムによれば、送信側通信機は、データの送信宛先とする位置領域の数を複数とする場合、それらの各位置領域について自身の到達率を決定し、到達率の高さに応じた優先順位で送信パケット内に暗号化されたデータ暗号鍵を配置する。すなわち、到達率が高い位置領域ほど、受信側がデータを受信する可能性も高くなると考えられるので、パケット内の「暗号化」データ暗号鍵の配列順を到達率の高さに応じて決定すれば、データが受信される確率を高めることができる。
【0015】
請求項11記載の無線通信システムによれば、送信側通信機は、必要に応じて暗号化しないデータを、全ての受信側通信機を宛先として送信する。すなわち、暗号化する必要がないデータは、宛先を特定する必要がないので、送信される電波を受信可能な通信機が全て受信できるようにして送信を行えば良い。
【0016】
請求項12記載の無線通信システムによれば、送信側通信機及び受信側通信機を、車両間において直接通信を行う車車間通信に適用する。すなわち、車車間通信は、送信側及び受信側が何れも移動可能な状態で行われるため、車両間において伝達する必要があるデータを、送信側,受信側の位置関係に応じて適切に選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図10を参照して説明する。図1は、車載通信機器1の構成を示す機能ブロック図である。通信機器1は、暗号処理部2,データ処理部3,車車間通信処理部4等を中心に構成されている。暗号処理部2には、GPS(Global Positioning System)受信機5,Gセンサ6,ジャイロ装置7,車速センサ8などからの各種信号が与えられている。GPS受信機5は、衛星軌道上のGPS衛星より送信されるGPS信号を複数受信して処理することで車両(移動体)の現在位置を特定し、(緯度,径度,高度を示す)位置信号を出力する。Gセンサ6は、衝突事故等が発生するなどして車両に作用する過大な加速度を検知した場合に、検知信号を出力する。ジャイロ装置7は、車両の垂直軸回りの角速度を検知した信号を出力し、車速センサ8は、車両の走行速度の検知信号を出力する。
【0018】
そして、上記の各出力信号の内、位置信号,加速度検知信号,角速度検知信号は、暗号処理部2の現在位置特定部9に与えられており、角速度検知信号及び車速検知信号は、同未来位置予測部10に与えられている。現在位置特定部9は、与えられる各検知信号に基づいて車両の現在位置を特定すると、その位置情報を、未来位置予測部10,送受信ブロック決定部11,暗号鍵取得部12に出力する。未来位置予測部10は、与えられた各信号や現在位置情報に基づいて車両が将来的に到達する位置を予測し、送受信ブロック決定部11に出力する。
【0019】
暗号鍵取得部12は、内部で発生させるランダム値(乱数)によりデータ暗号鍵を決定すると共に、現在位置特定部9,未来位置予測部10より与えられる信号に基づいて鍵暗号鍵を決定し、それらを、暗号・復号処理部13及びCRC演算処理部14に出力する。
データ処理部3は、送信データ処理部15,受信データ処理部16で構成され、車両側に配置されている各種センサ17(Gセンサ6を含む)からのセンサ信号が与えられると共に、車両制御装置(例えばECU(Electronic Control Unit)など)18との間でデータの送受信を行うようになっている。
【0020】
車車間通信処理部4は、通信制御部19,通信データ処理部20で構成され、車車間通信としての無線通信を行う送受信機21が受信した、暗号化された状態の受信データを暗号・復号処理部13に出力し、また、暗号化された状態の送信データを、送受信機21に出力する。車車間通信には、例えばIEEE802.11P等に準拠したプロトコルが用いられる。
【0021】
次に、本実施例の作用について図2乃至図10も参照して説明する。図2は、車車間通信を行う場合に使用する位置ブロック(位置領域)の区分例を示すものである。図2(a)は、緯度,径度により2次元的な領域に区分するための範囲種別の一例であり、1辺を0.01秒(約3cm)から例えば1000秒(約30km)まで7段階(種別:0x01〜0x07)に区切った場合を示す。これらのどの種別を選択するかは、予め固定しても良いし、状況に応じてダイナミックに変更しても良い。
【0022】
例えば、範囲種別:0x04の場合は、領域単位が1秒(約30m)となる。そして、自車両の現在位置が、
緯度: 34度59分43.486秒
径度:137度00分20.375秒
であったとすると、緯度経度より1秒以下を切り捨てて、
緯度: 34度59分43秒〜44秒
径度:137度00分20秒〜21秒
の範囲を、自車位置が属する位置領域とする。また、上記緯度経度より1秒以下を切り捨てて16進数のコードとすると、
緯度:0x00345943
径度:0x01370020
となり、両者を結合すれば、
0x0034594301370020
という数値となり、この数値をハッシュ関数等を用いて変換したものを、後ほど使用する「鍵暗号鍵」とする。
【0023】
また、図2(b)は、高度についても7段階(種別:0x01〜0x07)に区切った場合を示す(単位は、1m,2m,5m,10m,20m,50m,100m)。そして、図2(a)と組みわせて使用することで3次元的な位置ブロックを設定しても良い。例えば範囲種別:0x04の場合は、高度10mが単位となるので、自車両の現在高度が123mであれば、120m〜130mを自車位置が属する位置領域とし、コード0x120を上記に追加結合して使用すれば良い。
【0024】
図3は、通信機器1が送信側となる場合の処理内容を示すフローチャートであり、図4は、図3の処理により送信データパケットが生成されるイメージを示す。通信機器1の暗号処理部2は、先ず、暗号鍵取得部12によりランダム値によってデータ暗号鍵を生成すると(ステップS1)、CRC演算処理部14が、そのデータ暗号鍵のチェックコードとしてCRC(Cyclic Redundancy Check)コードを生成する(ステップS2)。それから、暗号・復号処理部13が、データ暗号鍵を利用して送信データ処理部15より与えられる送信データを暗号化する(ステップS3)。送信データは、車両センサ17より出力されるセンサ信号や、車両制御装置18より与えられるデータなどである。
【0025】
次に、暗号処理部2は、送受信ブロック決定部11により送信宛先とする位置ブロック(送信ブロック)を決定する(ステップS4)。ここでの位置ブロックは1つ以上であれば良く、例えば、図2で説明したように、現在位置特定部9により特定される自車両の現在位置が属しているブロックでも良いし、自車両の走行状態に応じて未来位置予測部10により予測される移行する可能性があるブロックや、それよりも更に拡がりを持たせたものでも良い。
【0026】
更に、必ずしも、この時点で自車両が属している位置ブロックを含む必要はない。例えば現在の位置ブロック内で境界付近に位置している場合は、遠からず進行方向上にある次の位置ブロックに移行することが推定されるので、送信する時点において属する位置ブロックを選択しても良いし、その更に先を選択しても良い。したがって、基本的には宛先を任意に選択しても良い。
【0027】
位置ブロックを決定すると、続くステップS5〜S8のループにおいて、暗号・復号処理部13が選択した位置ブロックの数に応じた暗号化処理を行う。すなわち、共通のデータ暗号鍵を、送信宛先として選択した1つ以上の位置ブロックに応じて生成される1つ以上の鍵暗号鍵によって暗号化する(ステップS6,S7)。そして、ヘッダ部分に、鍵数(送信先位置ブロック数),1つ以上の暗号化データ暗号鍵,データ暗号鍵用チェックコードを配置し、暗号化データ及びフッタと共に送信データパケットを生成すると、そのパケットを車車間通信処理部4並びに送受信機21を介して送信する(ステップS9)。
【0028】
図5(a)〜(c)は、通信機器1が受信側となる場合の処理内容を示すフローチャートであり、図6は、図5の処理により受信データが復号化されるイメージを示す。
送受信機21並びに車車間通信処理部4を介してデータパケットを受信すると、図5(a)のステップR1において、暗号処理部2は、先ず、自車両の現在位置に応じた位置ブロック(受信ブロック)を決定すると(→図5(b):ステップR5)、位置ブロックに応じて生成される鍵暗号鍵を取得する(→図5(b):ステップR6)。鍵暗号鍵の取得には、送信側と共通のハッシュ関数を使用する。尚、ステップR5で決定する位置ブロックも、送信時と同様に1つ以上であれば良い。
【0029】
次に、図5(a)のステップR2において、データ暗号鍵の取得処理を行う。この処理は、図5(c)に示すように、ステップR7〜R11のループを、受信したデータパケットのヘッダに配置されている鍵数に応じた回数だけ繰り返して行う。すなわち、前記ヘッダには、送信側が配置した1つ以上の暗号化データ暗号鍵が含まれているので、その暗号化データ暗号鍵を、ステップR6で取得した鍵暗号鍵を使用して復号処理する(ステップR8)。
【0030】
そして、復号処理したデータ暗号鍵についてCRCを計算すると(ステップR9)、データパケットに含まれているCRCのデータ値と比較する(ステップR10)。両者が一致すれば、送信側が宛先として選択した位置ブロック(の1つ)と、受信側の位置ブロック(の1つ)とが一致したことを示すので、データ暗号鍵の取得に成功したことを示す(ステップR13)。また、ステップR10で両者が一致しなかった場合は、ステップR8において、データパケットに含まれている次の暗号化データ暗号鍵を、鍵暗号鍵を使用して復号処理し、同様の判定を行う。
【0031】
全ての暗号化データ暗号鍵を復号した結果、CRCが一致しなかった場合は、データ暗号鍵の取得に失敗したこととなり(ステップR12)、受信したデータは、自身に宛てて送信されたものでなかったことを示す。したがって、そのデータは破棄する。
データ暗号鍵の取得に成功すると、図5(a)のステップR3において「YES」となり、そのデータ暗号鍵を用いて、データパケットに含まれている暗号化データの復号処理を行う(ステップR4)。そして、復号されたデータは、データ処理部3の受信データ処理部16に与えられ、必要に応じて車両制御装置18に転送される。
【0032】
尚、暗号化する対象のデータは、例えばドライバ個人や車両が特定されるような情報とする。また、送信データパケット中に、暗号化する必要がないデータも配置して送信することも当然可能である。その場合、ヘッダ中に、暗号化データ,非暗号化データのサイズをセットすれば良い。
【0033】
より具体的な例を挙げると、例えば車車間通信を、一定のエリア内に位置する車両間での交通情報,事故発生情報の共有に適用する場合、事故を起こした車両の通信機器1が送信側となって、自身及びその周辺の位置ブロックに事故発生情報を送信することを想定する。この場合、「事故が何時何処で発生した」という情報については、暗号化する必要はないが、例えば自己車両のナンバーや、運転者の個人情報などは暗号化して、事故発生地点を中心とするより狭いエリアだけに送信するのが好ましい。その情報が、救助作業や身元の特定等に役立つことが期待されるからである。
【0034】
ここで、図7は、上記の通信方法を用いた場合に、各位置ブロックで受信されるデータのイメージを示すもので、図8は、比較のため従来の一般的な車車間通信の場合を示す。図8における一般的な場合は、送信側が送信した電波信号が受信可能な位置ブロック内に属する全ての車両がデータを受信することができる。これに対して、図7に示す本実施例の場合、送信した電波信号が受信可能な位置ブロック内では、暗号化されていないデータ(非個人情報)を受信することはできるが、暗号化されているデータ(個人情報)については、送信側が指定した特定の位置ブロックに属する車両だけが、前記位置ブロックに応じた鍵暗号鍵によりデータ暗号鍵を復号化して、暗号化データを復号化することが可能となる。
【0035】
また、図9及び図10は、送信側が宛先として指定する位置ブロックが複数となる場合に、本実施例の方法により送信データパケットのサイズを低減できることを説明するものである(図中の「エリア」は位置ブロックに対応する)。一般的に送信データを暗号化する場合は、例えば特許文献1のように宛先の位置ブロックに対応したデータ暗号鍵を用いて暗号化を行う。その結果、宛先が複数の位置ブロックとなる場合は、図9(a)に示すように、各ブロック毎に暗号化したデータを含むパケットを送信する必要がある。
これに対して、本実施例では、宛先が複数の位置ブロックとなる場合でも、共通のデータ暗号鍵で暗号化したデータと、そのデータ暗号鍵を、各ブロック毎に対応した鍵暗号鍵で暗号化したものとを共通のパケットで送信する(図9(b)参照)。したがって、複数の暗号化データ暗号鍵が含まれるヘッダのサイズはやや大きくなるものの、暗号化データ部分はサイズが増えないため、パケットのサイズはトータルで大幅に小さくなる。
【0036】
図10は、パケット各部のサイズについて一例を設定した場合の比較である。図10(a)に示すように、
ヘッダ:16バイト,データ:4バイト,フッタ:4バイト
の場合、送信宛先が10ブロックでは、パケットデータサイズの差は1.4倍である。そして、図10(b)に示すように、
ヘッダ:16バイト,データ:16kバイト,フッタ:4バイト
の場合は、送信宛先が10ブロックでは、パケットデータサイズの差は8.8倍にもなる。一般に、データのサイズは、図10(b)のケースのようにヘッダのサイズに比較してかなり大きいので、上記のようなデータサイズの削減効果が十分に期待できる。
【0037】
以上のように本実施例によれば、送信側の通信機器1は、データを送信する位置ブロックを決定すると、その位置ブロックに関連した鍵暗号鍵を決定し、データ暗号鍵により暗号化したデータと、鍵暗号鍵により暗号化したデータ暗号鍵とを送信する。一方、受信側の通信機器1では、データを受信する位置ブロックを決定すると、その位置ブロックに関連した鍵暗号鍵を決定し、その鍵暗号鍵によってデータ暗号鍵を復号化し、復号化したデータ暗号鍵によってデータを復号化する。
【0038】
したがって、送信側でデータの宛先として意図した位置ブロックに属する通信機器1にだけ、暗号化データの復号を可能とすることができる。またその場合、1つの送信データ(送信パケット)についてデータ暗号鍵を共通とし、鍵暗号鍵を位置ブロックに関連して決定し、データ暗号鍵を暗号化して送信すれば、送信対象の位置ブロックが複数である場合は、共通の暗号化データと共に位置ブロック数に応じた暗号化データ暗号鍵が送信される。よって、送信パケットのデータサイズを大幅に低減することができる。そして、基本的には暗号鍵を使用するものであり、暗号化・復号化のプロセスが特定の通信方式に依存しないので、どのようなプロトコルを採用する通信にも広く適用することができる。
【0039】
また、送信側通信機器1は、使用するデータ暗号鍵について生成したチェックコードも併せて送信し、受信側通信機器1は、復号化したデータ暗号鍵についてチェックコードを計算し、チェックコードが受信したものに一致すれば、そのデータ暗号鍵を用いて復号化を行う。したがって、複数の送信宛先に応じて暗号化データ暗号鍵が複数ある場合でも、復号化したデータ暗号鍵が自身宛であることを、チェックコードを利用して、暗号化データを復号する以前の段階で簡単に確認することができる。
【0040】
また、送信側通信機器1がデータの送信宛先とする位置ブロックを任意に指定可能とするので、例えば自身の現在位置に応じて将来的に到達することが予測される位置ブロックと、その近傍となる位置ブロックなどに対して選択的に送信を行うことができる。加えて、通信機器1が受信側となる場合も、データを受信する位置ブロックを任意に指定可能とするので上記と同様の効果が得られる。
【0041】
更に、送信側通信機器1は、必要に応じて暗号化しないデータを、全ての受信側通信機器1を宛先として送信するので、暗号化する必要がないデータは、送信電波を受信可能な通信機器1に全て受信させることができる。そして、車両間において直接通信を行う車車間通信に適用するので、車両間において伝達する必要があるデータを、送信側,受信側の位置関係に応じて適切に選択することができる。
【0042】
(第2実施例)
図11及び図12は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例は、送信側の通信機器1が宛先として指定する位置ブロック数を、自車両の走行速度に応じてダイナミックに変化させる場合を示す。図11は、第1実施例のステップS4に対応する送信宛先の位置ブロックを決定する処理を示すものである。
この場合、暗号処理部2は、ジャイロ装置7より自車両の進行方向を取得すると共に(ステップS11)、車速センサ8より移動速度を取得する(ステップS12)。そして、これらの進行方向並びに移動速度に基づいて、送信宛先とする位置ブロックを決定する(ステップS13)。
【0043】
例えば図12(a)は、移動速度が比較的低速の場合であり、自車両の進行方向側となる宛先位置ブロックの選択数を少なくし、図12(b)に示す移動速度が比較的高速の場合には、自車両の進行方向側となる宛先位置ブロックの選択数をより多くする。すなわち、自車両が低速で移動している場合には、現在属している位置ブロックを外れる確率、若しくは外れた場合でもそこからより離れる確率は低いので、宛先を狭い範囲に絞っても問題がない。一方、自車両が高速で移動している場合には、現在属している位置ブロックを外れる確率及び、外れた場合にそこからより遠くに離れる確率は高いので、宛先を広い範囲に設定しておくことで、データが受信される可能性を高めるようにする。
【0044】
以上のように第2実施例によれば、自車両の移動速度が速くなるのに応じて、データの送信宛先とする位置ブロックの数を増加させるので、速度変化に応じて送信宛先を適切に調整できる。尚、速度の上昇に応じて宛先を減少させても良い。また、第2実施例の処理を、受信側で受信位置ブロックを決定する場合について、同様に適用しても良い。
【0045】
(第3実施例)
図13及び図14は本発明の第3実施例を示すものであり、第2実施例と異なる部分について説明する。図13は、第2実施例と同様に、第1実施例のステップS4に対応する送信宛先の位置ブロック決定に関する処理を示すもので、送信データパケット内に各位置ブロックに対応する暗号化データ暗号鍵を配置する順序を決定するため、到達率を指標として用いる。すなわち、第2実施例と同様に、ステップS11,S12を実行すると、これらの進行方向並びに移動速度から、自車両の現在位置を中心として、例えば進行方向側の位置ブロックにつき到達率を予測する(ステップS14)。
【0046】
ここで、到達率とは、例えば現時点から所定の時間が経過するまでの間に、自車両が各位置ブロックに到達しているであろうと推定される確率である。一例として図14に示すように決定されるが、この場合(a)低速移動時,(b)中速移動時,(c)高速移動時のそれぞれについて、予め到達率の設定パターンがテーブルで決められており、その設定パターンを読み出すことで決定・予測する。図14において、図中左端の太枠で示しているのが、自車両が現在属している位置ブロックであり、右方向矢印が進行方向を示す。この場合、現在位置に近く、現在の進行方向に沿って並んでいる位置ブロックほど到達率が高くなるように設定されている。
【0047】
そして、続くステップS15では、より現在位置に近く到達率が高いものを優先して、送信データパケットのヘッダにおける、暗号化データ暗号鍵の配置順序を決定する。すなわち、到達率が高い位置ブロックに属している車両の通信機器1の方が、パケットを受信する確率が高いので、その確率の高さに応じた順序で暗号化データ暗号鍵を配置しておけば、受信確率が高い通信機器1ではデータ暗号鍵をより早く復号化することが可能となる。
【0048】
以上のように第3実施例によれば、送信側の通信機器1は、データの送信宛先とする位置ブロック数を複数とする場合、それらの各位置ブロックについて自身の到達率を決定し、到達率の高さに応じた優先順位で送信パケット内に暗号化データ暗号鍵を配置するので、データが受信される確率を高めることができ、また、データを受信した通信機器1において、データ暗号鍵をより早く復号化してデータを復号化することができる。そして、第3実施例の処理を、受信側で受信位置ブロックを決定する場合について同様に適用しても良い。尚、到達率が一定以上低い位置ブロックについては、送信データパケットにつき許容されるサイズの制限に応じて宛先より外すように処理しても良い。
【0049】
(第4実施例)
図15及び図16は本発明の第4実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。図15及び図16は、第1実施例で示した図4,図6の一部相当図である。図15に示す送信処理側では、送信データについてCRC等のチェックコードを生成し(ステップS21)、そのチェックコードもデータ暗号鍵により暗号化する(ステップS22)。そして、暗号化したデータ用チェックコードも、パケットに配置して送信する。
【0050】
一方、図16に示す受信処理側では、暗号化データ用チェックコードもデータ暗号鍵により復号化し(ステップR21)、復号化したデータからチェックコードを生成する(ステップR22)。そして、復号化したチェックコードとの照合を行い(ステップR23)、両者が一致すればデータを確定し、両者が一致しなければデータを破棄する(ステップR24)。
【0051】
以上のように第4実施例によれば、送信側の通信機器1は、送信データについて生成したチェックコードをデータ暗号鍵により暗号化して送信し、受信側の通信機器1は、データ暗号鍵により送信データのチェックコードを復号化すると、そのチェックコードを用いて前記データをチェックする。したがって、チェックコードで確認したデータ暗号鍵によりデータのチェックコードを復号化して、復号化したデータが正常か否かをチェックすることができる。
【0052】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
位置ブロックに対応した鍵暗号鍵を予め決定しておき、データテーブルとして保持し、そのテーブルから読み出すことで選択しても良い。
また、位置ブロックの設定は、例えば特定の地図について予め設定されているメッシュを用いても良い。
送信側において、データの送信宛先としない位置ブロックを任意に指定可能としても良い。例えばデータの内容などに応じて、受信されるのが不適当であると判断される位置ブロックを、選択的に除外することができる。また、受信側についても同様である。
【0053】
第3実施例において、到達率を例えば関数等を用いて演算により決定しても良い。
データ暗号鍵は、ランダム値により決定するものに限らず、例えば送信側の現在位置や時刻などに基づいて決定しても良い。
チェックコードはCRCに限ることなく、例えばパリティ等でも良く、受信したデータチェックするためのコードであれば何を使用しても良い。
車車間通信に限ることはなく、少なくとも一方が移動体であれば良い。そして、送信側,受信側の通信機が直接通信を行うシステムに限ることなく、基地局を介して通信を行うシステムに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1実施例であり、車載通信機器の構成を示す機能ブロック図
【図2】位置ブロックの区分例を示す図
【図3】送信側の処理内容を示すフローチャート
【図4】送信データパケットが生成されるイメージを示す図
【図5】受信側の処理内容を示すフローチャート
【図6】受信したデータが復号化されるイメージを示す図
【図7】各位置ブロックで受信されるデータのイメージを示す図
【図8】従来の一般的な車車間通信の場合の図7相当図
【図9】送信データパケットのサイズを低減効果を説明する図
【図10】図9を具体数値例で示す図
【図11】本発明の第2実施例であり、第1実施例のステップS4に対応する処理を示すフローチャート
【図12】車両の移動速度に応じた、送信宛先位置ブロックの選択状態を示す図
【図13】本発明の第3実施例を示す図11相当図
【図14】図12相当図
【図15】本発明の第4実施例を示す図4の一部相当図
【図16】図6の一部相当図
【符号の説明】
【0055】
図面中、1は車載通信機器、2は暗号処理部、9は現在位置特定部、10は未来位置予測部、11は送受信ブロック決定部、12は暗号鍵取得部、13は暗号・復号処理部、14はCRC演算処理部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行う機器の少なくとも一方が移動体に搭載されるもので、
送信側通信機は、
使用するデータ暗号鍵を用いて送信データを暗号化すると、前記データの送信宛先とする1つ以上の位置領域を決定し、
前記位置領域について予め定められている鍵暗号鍵を選択するか、又は前記位置領域の属性に基づいて鍵暗号鍵を決定すると、前記鍵暗号鍵を用いて前記データ暗号鍵を暗号化し、
前記暗号化されたデータ暗号鍵と、前記暗号化されたデータとをパケットとして送信し、
受信側通信機は、
自身がデータを受信する位置領域について予め定められている鍵暗号鍵を選択するか、又は前記位置領域の属性に基づいて鍵暗号鍵を決定すると、当該鍵暗号鍵を用いて前記送信側通信機より送信されたパケットに含まれている暗号化されたデータ暗号鍵を復号化し、
前記データ暗号鍵を用いて前記パケットに含まれている暗号化されたデータを復号化することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記送信側通信機は、使用するデータ暗号鍵についてチェックコードを生成し、そのチェックコードも前記パケットにより送信し、
前記受信側通信機は、前記復号化したデータ暗号鍵についてチェックコードを計算し、前記チェックコードが前記パケットに含まれているものに一致すれば、前記データ暗号鍵を用いて復号化を行うことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記送信側通信機は、送信データについてチェックコードを生成し、そのチェックコードを前記データ暗号鍵により暗号化して前記パケットにより送信し、
前記受信側通信機は、前記データ暗号鍵を用いて前記送信データのチェックコードを復号化すると、前記チェックコードを用いて前記データをチェックすることを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記送信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記送信側通信機は、前記データの送信宛先とする位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記送信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記送信側通信機は、前記データの送信宛先としない位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記送信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記送信側通信機は、前記移動体の移動速度が変化するのに応じて、前記データの送信宛先とする位置領域の数を、増加又は減少させることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記受信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記受信側通信機は、前記データを受信する位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記受信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記受信側通信機は、前記データを受信しない位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記受信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記受信側通信機は、前記移動体の移動速度が変化するのに応じて、前記データを受信する位置領域の数を増加又は減少させることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記送信側通信機は、前記データの送信宛先とする位置領域の数を複数とする場合、それらの各位置領域について自身の到達率を決定し、前記到達率の高さに応じた優先順位で、前記送信パケット内に暗号化されたデータ暗号鍵を配置することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記送信側通信機は、前記送信パケットにおいて、必要に応じて暗号化しないデータを、全ての受信側通信機を宛先として送信することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項12】
前記送信側通信機及び前記受信側通信機は、何れも車両に搭載され、車両間において直接通信を行う車車間通信に適用されることを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項13】
無線通信を行う機器の少なくとも一方が移動体に搭載されるもので、
送信側において、
データの送信宛先とする1つ以上の位置領域を決定すると、前記位置領域について予め定められている鍵暗号鍵を選択するか、又は前記位置領域の属性に基づいて鍵暗号鍵を決定し、
前記鍵暗号鍵を用いて前記データの暗号化に使用したデータ暗号鍵を暗号化し、
前記暗号化されたデータ暗号鍵と、前記暗号化されたデータとをパケットとして送信し、
受信側において、
自身がデータを受信する位置領域ついて予め定められている鍵暗号鍵を選択するか、又は前記位置領域の属性に基づいて鍵暗号鍵を決定すると、当該鍵暗号鍵を用いて送信されたパケットに含まれている暗号化されたデータ暗号鍵を復号化し、
前記データ暗号鍵を用いて前記パケットに含まれている暗号化されたデータを復号化することを特徴とする無線通信方法。
【請求項14】
前記送信側は、使用するデータ暗号鍵についてチェックコードを生成し、そのチェックコードも前記パケットにより送信し、
前記受信側は、前記復号化したデータ暗号鍵についてチェックコードを計算し、前記チェックコードが前記パケットに含まれているものに一致すれば、前記データ暗号鍵を用いて復号化を行うことを特徴とする請求項13記載の無線通信方法。
【請求項15】
前記送信側は、送信データについてチェックコードを生成し、そのチェックコードを前記データ暗号鍵により暗号化して前記パケットにより送信し、
前記受信側は、前記データ暗号鍵を用いて前記送信データのチェックコードを復号化すると、前記チェックコードを用いて前記データをチェックすることを特徴とする請求項14記載の無線通信方法。
【請求項16】
前記送信側が移動体である場合、
前記送信側は、前記データの送信宛先とする位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項13ないし15の何れかに記載の無線通信方法。
【請求項17】
前記送信側が移動体である場合、
前記送信側は、前記データの送信宛先としない位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項13ないし16の何れかに記載の無線通信方法。
【請求項18】
前記送信側が移動体である場合、
前記送信側は、前記移動体の移動速度が変化するのに応じて、前記データの送信宛先とする位置領域の数を、増加又は減少させることを特徴とする請求項13ないし17の何れかに記載の無線通信方法。
【請求項19】
前記受信側が移動体である場合、
前記受信側は、前記データを受信する位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項13ないし18の何れかに記載の無線通信方法。
【請求項20】
前記受信側が移動体である場合、
前記受信側は、前記データを受信しない位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項13ないし19の何れかに記載の無線通信方法。
【請求項21】
前記受信側が移動体である場合、
前記受信側は、前記移動体の移動速度が変化するのに応じて、前記データを受信する位置領域の数を、増加又は減少させることを特徴とする請求項13ないし20の何れかに記載の無線通信方法。
【請求項22】
前記送信側は、前記データの送信宛先とする位置領域の数を複数とする場合、それらの各位置領域について自身の到達率を決定し、前記到達率の高さに応じた優先順位で、前記送信パケット内に暗号化されたデータ暗号鍵を配置することを特徴とする請求項13ないし21の何れかに記載の無線通信方法。
【請求項23】
前記送信側は、前記送信パケットにおいて、必要に応じて暗号化しないデータを、全ての受信側を宛先として送信することを特徴とする請求項13ないし22の何れかに記載の無線通信方法。
【請求項24】
車両間において直接通信を行う車車間通信に適用されることを特徴とする請求項13ないし23の何れかに記載の無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−224843(P2009−224843A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64137(P2008−64137)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】