説明

無線通信デバイス上でのメッセージ制御のための装置及び方法

無線通信デバイス上のメッセージング・サービス・メッセージ制御の装置及び方法に関する。移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に1つ以上の電話番号が保存される。着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように移動体通信デバイスの着信メッセージ受容標識子の状態が設定される。メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を含む着信メッセージング・サービス・メッセージが無線メッセージング・システムから受信される。メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号が移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳と比較される。移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に発信元の電話番号が存在する場合のみ、着信メッセージング・サービス・メッセージが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線メッセージ制御のための方法及び装置に関する。より詳細には、本開示は、無線通信デバイス上の電話帳を用いるメッセージング・サービス・メッセージ制御に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、無線ネットワークを介する電子デバイス間において、メッセージング・サービスに基づくメッセージを送信することが可能である。そのようなメッセージング・サービス・メッセージには、ショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージ、高度メッセージング・サービス(EMS)メッセージ、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)メッセージ等が含まれ得る。例えば、移動体電話のユーザは別の移動体電話のユーザに対し、メッセージング・サービス・メッセージを送信することが可能である。迅速なメッセージの送信において、このことは有用であり得る。ユーザが劇場又は図書館に存在する時等、通話が不可能である時のメッセージの送信においても、このことは有用であり得る。
【0003】
残念なことに、移動体通信デバイスのユーザが、一方的に送付される(unsolicited)メッセージの受信を所望しない場合もある。例えば、ユーザは不明な発信元からの広告又は公序良俗に反する(obscene)メッセージの受信を所望しない。児童等の未成年者においては、このことが危険な問題であり得る。特に、未成年者は成人よりも広告の影響を受け易い場合があるためである。また、公序良俗に反するメッセージは特に児童に対し有害であり得る。さらに、「応答」機能を用いることにより、又は含まれている電話番号を呼び出すことにより、児童が悪徳業者(predator)からの一方的に送付されるメッセージに応答する場合がある。児童の応答の後、悪徳業者が児童に所在を明かすことを強要する場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、無線通信デバイスにおいてメッセージング・サービス・メッセージを制御する必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示では、無線通信デバイス上でのメッセージング・サービス・メッセージ制御の装置及び方法を提供する。本発明の方法は、移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に1つ以上の電話番号を保存することと、着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように移動体通信デバイスの着信メッセージ受容標識子の状態を設定することと、メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を含む着信メッセージング・サービス・メッセージを無線メッセージング・システムから受信することと、メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳と比較することと、移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に発信元の電話番号が存在する場合のみ、着信メッセージング・サービス・メッセージを表示することとを含み得る。
【0006】
また、本発明の方法は、保存パスワードを移動体通信デバイスのメモリに保存することと、受信パスワードを受信することと、受信パスワードを保存パスワードと比較することと、受信パスワードが保存パスワードと一致するか否かを判定することと、受信パスワードが保存パスワードと一致する場合、着信メッセージ受容標識子の状態を変更することとを含み得る。受信パスワードを受信することは、移動体通信デバイスのユーザ入力部において受信パスワードを受信することを含み得る。状態を変更することは、着信メッセージ・非フィルタリング状態を示すように着信メッセージ受容標識子の状態を変更することを含み得る。発信元の電話番号は、着信メッセージング・サービス・メッセージに含まれる折り返し電話番号であり得る。比較することは、メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を、移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に保存された1つ以上の電話番号の各々と反復的に比較することと、発信元の電話番号が移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に保存された1つ以上の電話番号と一致する場合、反復的に比較することを停止することとを含み得る。また、この方法は、プライベート・メッセージ受容状態標識子変更コードを受信することと、プライベート・メッセージ受容状態標識子変更コードを受信することに応答し、メッセージ受容標識子の状態を変更することとを含み得る。着信メッセージング・サービス・メッセージは、ショート・メッセージング・サービス・メッセージ、高度メッセージング・サービス・メッセージ、又はマルチメディア・メッセージング・サービス・メッセージであり得る。
【0007】
本発明の別の実施形態では、本開示により移動体通信デバイスが提供される。この移動体通信デバイスは、移動体通信デバイス筐体と、移動体通信デバイス筐体に接続されたトランシーバと、このトランシーバが着信メッセージング・サービス・メッセージを無線メッセージング・システムから受信するように構成されていることと、この着信メッセージング・サービス・メッセージがメッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を含むことと、移動体通信デバイス筐体に接続されたディスプレイと、移動体通信デバイス筐体に接続されたメモリと、このメモリが着信メッセージ受容標識子、メッセージ受容標識子変更コード、及び1つ以上の電話番号を含む電話帳を有することと、移動体通信デバイス筐体に接続されたコントローラと、このコントローラがメモリ、ディスプレイ及びトランシーバにも接続されていることとを含み得る。このコントローラは、着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように着信メッセージ受容標識子の状態を設定し、メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳と比較し、移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に発信元の電話番号が存在する場合のみ、着信メッセージング・サービス・メッセージをディスプレイ上に表示するように構成されている。
【0008】
さらに、このコントローラは、保存パスワードを移動体通信デバイスのメモリに保存し、受信パスワードを受信し、受信パスワードを保存パスワードと比較し、受信パスワードが保存パスワードと一致するか否かを判定し、受信パスワードが保存パスワードと一致する場合、着信メッセージ受容標識子の状態を変更するように構成されている。また、移動体通信デバイスは筐体に接続されたユーザ入力部を含み得る。さらに、コントローラは、移動体通信デバイスのユーザ入力部において受信パスワードを受信することにより、受信パスワードを受信するように構成され得る。また、コントローラは、着信メッセージ・非フィルタリング状態を示すように着信メッセージ受容標識子の状態を変更することにより、状態を変更するように構成され得る。発信元の電話番号は着信メッセージング・サービス・メッセージに含まれる折り返し電話番号であり得る。
【0009】
これに加えて、コントローラは、メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に保存された1つ以上の電話番号の各々と反復的に比較することと、発信元の電話番号が移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に保存された1つ以上の電話番号のうちの1つの電話番号と一致する場合、反復的に比較することを停止することとにより比較するように構成され得る。また、コントローラは、プライベート・メッセージ受容状態標識子変更コードを受信し、プライベート・メッセージ受容状態標識子変更コードを受信することに応答して、メッセージ受容標識子の状態を変更するように構成され得る。着信メッセージング・サービス・メッセージは、ショート・メッセージング・サービス・メッセージ、高度メッセージング・サービス・メッセージ、マルチメディア・メッセージング・サービス・メッセージ等であり得る。
【0010】
本発明の別の実施形態では、本開示により移動体通信デバイスが提供される。この移動体通信デバイスは、移動体通信デバイス筐体と、移動体通信デバイス筐体に接続されたトランシーバと、このトランシーバが着信メッセージを無線メッセージング・システムから受信するように構成されていることと、この着信メッセージング・サービス・メッセージがメッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を含むことと、移動体通信デバイス筐体に接続されたディスプレイと、移動体通信デバイス筐体に接続されたメモリと、このメモリが着信メッセージ受容標識子、メッセージ標識子変更コード、及び1つ以上の電話番号を含む電話帳を有することと、移動体通信デバイス筐体に接続されたコントローラと、このコントローラがメモリ、ディスプレイ及びトランシーバにも接続されていることとを含み得る。このコントローラは、着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように着信メッセージ受容標識子の状態を設定するように構成されたメッセージ受容標識子状態状態モジュールと、メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳と比較するように構成された電話番号比較モジュールとを含み得る。このコントローラは、移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に発信元の電話番号が存在する場合のみ、着信メッセージング・サービス・メッセージのアラート、通知、又は標識子を提供するように構成され得る。例えば、コントローラがアイコンを表示すること、着信メッセージを表示すること、聴覚的なアラートを提供すること、触覚的なアラートを提供すること、又はユーザに対し着信メッセージを通知するために有用な任意の他のアラートを提供することが可能である。また、コントローラはメッセージ表示モジュールを含み得る。このメッセージ表示モジュールは、移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に発信元の電話番号が存在する場合のみ、着信メッセージング・サービス・メッセージをディスプレイ上に表示するように構成されている。
【0011】
着信メッセージング・サービス・メッセージは、ショート・メッセージング・サービス・メッセージ、高度メッセージング・サービス・メッセージ、マルチメディア・メッセージング・サービス・メッセージ等であり得る。さらに、コントローラは、プライベート・メッセージ受容状態標識子変更コードを受信するように、且つプライベート・メッセージ受容状態標識子変更コードを受信することにに応答し、メッセージ受容標識子の状態を変更するように構成され得る。発信元の電話番号は着信メッセージング・サービス・メッセージに含まれる折り返し電話番号であり得る。
【0012】
したがって、例えば、移動体電話の電話機等、移動体通信デバイスにおいて、全てのメッセージ制御が提供され得る。着信メッセージング・サービス・メッセージをフィルタリングするために、必ずしもネットワークの関与は必要でない。また、デバイスにて機能の有効化を制御することが可能であるため、ユーザがフィルタを有効又は無効とすることが可能である。移動体通信デバイスがメッセージの発信元に対し返信のメッセージング・サービス・メッセージを送信し、メッセージが表示されなかったことを発信元に通知してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
同様の符号が同様の要素を示す添付の図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるシステム100の例示的なブロック図である。システム100は、ネットワーク・コントローラ140、ネットワーク110及び1つ以上の端末120,130を含む。端末120,130は、電話、無線電話、セルラー電話、PDA、ページャ、パーソナル・コンピュータ、又は無線ネットワークを含むネットワーク上でメッセージング・サービス・メッセージを送受信することが可能である任意の他のデバイスを含んでよい。
【0014】
例示的な一実施形態では、ネットワーク・コントローラ140は、ネットワーク110に接続されている。ネットワーク110は、無線メッセージング・サービス・メッセージを送受信することが可能な任意の種類の無線ネットワークを含んでよい。例えば、ネットワーク110は、無線電気通信ネットワーク、セルラー電話ネットワーク、衛星通信ネットワーク、及び無線メッセージング・サービス・メッセージを送受信することが可能な他の同様の通信システムを含んでよい。さらに、ネットワーク110は1つより多くのネットワークを含んでもよく、複数の異なる種類のネットワークを含んでもよい。したがって、ネットワーク110は、複数のデータ・ネットワーク、複数の電気通信ネットワーク、データ・ネットワークと電気通信ネットワークとの組み合わせ、及び無線メッセージング・サービス・メッセージを送受信することが可能な他の同様の通信システムを含んでよい。
【0015】
動作中、端末120,130は、メッセージング・サービス・メッセージを送受信するために用いられ得る。加入者が端末130を使用して、例えば、別の端末120に対しメッセージング・サービス・メッセージを送信する時、通信信号は、ネットワーク・コントローラ140によりネットワーク110を経て送信され得る。ネットワーク・コントローラ140は受信端末120を判定するとともに、ネットワーク110を経て受信端末120にメッセージング・サービス・メッセージを送信することが可能である。メッセージを受信すると、受信端末120はネットワーク・コントローラ140に対し報告を送信するので、受信端末120がメッセージを受信したことを確認することが可能である。
【0016】
図2は、端末120又は端末130等、本発明の一実施形態による移動体通信デバイス200の例示的なブロック図である。移動体通信デバイス200は、筐体210、筐体210に接続されたコントローラ220、筐体210に接続された音声入出力回路230、筐体210に接続されたディスプレイ240、筐体210に接続されたトランシーバ250、筐体210に接続されたユーザ・インタフェース260、及び筐体210に接続されたメモリ270を備えることが可能である。コントローラ220はメッセージ受容標識子状態設定モジュール222、メッセージ表示モジュール224、電話番号比較モジュール226、及び状態変更モジュール228を備えることが可能である。モジュール222,224,226,228のうちの1つ以上はコントローラ220に接続されたハードウェアであってもよく、又はメモリ270に位置し、且つコントローラ220により実行されるソフトウェアであってもよい。メモリ270はアドレス帳又は連絡先リスト等である電話帳280、メッセージ受容標識子272、及びメッセージ受容標識子変更コード274を含むことが可能である。電話帳280は、対応する電話番号を各々含む電話帳エントリ282〜284を含むことが可能である。着信メッセージ受容標識子272は、フラグ、メモリ位置、又は着信メッセージ・フィルタリング状態を示すことが可能な任意の他の標識子であってよい。メッセージ受容標識子変更コード274は、パスワード、プライベート・キー、又は標識子の変更時のセキュリティのために用いられる任意の他のコードであることが可能である。ディスプレイ240は液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマ・ディスプレイ、又は情報を表示するための任意の他の手段であることが可能である。トランシーバ250は送信機及び受信機のうちの少なくとも一方を備えてよい。音声入出力回路230はマイクロフォン、スピーカ、トランスデューサ、又は任意の他の音声入出力回路を備えることが可能である。ユーザ・インタフェース260はキーパッド、ボタン、タッチ・パッド、ジョイスティック、追加のディスプレイ、又はユーザと電子デバイスとの間のインタフェースを提供するために有用な任意の他のデバイスを含むことが可能である。メモリ270はランダム・アクセス・メモリ、リード・オンリ・メモリ、光メモリ、加入者識別モジュール(subscriber identity module)メモリ、又は移動体通信デバイスに接続されることが可能な任意の他のメモリを含んでよい。
【0017】
動作中、トランシーバ250はシステム100等の無線メッセージング・システムから、着信するメッセージング・サービス・メッセージを受信することが可能である。この着信メッセージング・サービス・メッセージは、メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を含み得る。コントローラ220は、着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように着信メッセージ受容標識子272の状態を設定し、着信メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を電話帳280のエントリ282〜284の電話番号と比較し、発信元の電話番号が電話帳280に存在する場合のみ、着信メッセージング・サービス・メッセージの通知をディスプレイ240上に表示することが可能である。この通知はアイコン、短いメッセージ、実際の受信メッセージ、又は任意の他の有用な通知であってよい。着信メッセージ受容標識子272が着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように設定されており、且つ着信メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号が電話帳280における電話番号と一致しない場合、着信メッセージング・サービス・メッセージはディスプレイ240上に表示されない。着信メッセージ受容標識子272が着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように設定されていない場合、着信メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号が電話帳280における電話番号と一致するか否かに関わらず、メッセージがディスプレイ240上に表示される。また、メッセージが表示されるか否かに関わらず、コントローラ220はトランシーバ250を介して報告を送信するので、着信メッセージが受信されたことを確認することが可能である。例えば、ネットワーク・コントローラ140を用いるサービス・センタに対し、この報告が送信されてよい。
【0018】
本発明の一実施形態では、コントローラ220は、移動体通信デバイス200のメモリ270にメッセージ受容変更コード274等の保存パスワードを保存し、受信パスワードを受信し、受信パスワードを保存パスワードと比較し、受信パスワードが保存パスワードと一致するか否かを判定し、受信パスワードが保存パスワードと一致する場合、着信メッセージ受容標識子272の状態を変更することが可能である。パスワードは移動体通信デバイス200のユーザ・インタフェース260等、ユーザ入力部を介して、又はトランシーバ250を介して受信され得る。
【0019】
本発明の別の実施形態では、ユーザが着信メッセージ受容標識子272をフィルタリング状態から非フィルタリング状態に、又は非フィルタリング状態からフィルタリング状態に変更することを可能とするためには、着信メッセージ受容標識子変更コード274に対して特定的なパスワードが入力される必要がある。例えば、未成年者の移動体通信デバイスの保護者による規制(parental control)において、このことが用いられてもよい。それにしたがって、未成年者が不明な発信元から公序良俗に反するメッセージを受信することは不可能となる。このことが移動体通信デバイス200上でセキュリティのために用いられることも可能である。本発明の別の実施形態では、メッセージ受容標識子変更コード274を用いることなく着信メッセージ受容標識子272が変更されてもよい。
【0020】
発信元の電話番号は、着信メッセージング・サービス・メッセージに含まれる折り返し電話番号であることが可能である。コントローラ220は、メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を電話帳280に保存された1つ以上の電話番号の各々と反復的に比較することと、発信元の電話番号が電話帳280に保存された1つ以上の電話番号のうちの1つの電話番号と一致する場合、反復的に比較することを停止することとにより、着信メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を電話帳280と比較することが可能である。
【0021】
本発明の別の実施形態では、コントローラ220はモジュール222,224,226を用い、移動体通信デバイス200の機能を実行してよい。例えば、メッセージ受容標識子状態設定モジュール222は、着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように着信メッセージ受容標識子272の状態を設定することが可能である。電話番号比較モジュール226は、メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を電話帳280と比較することが可能である。メッセージ表示モジュール224は、発信元の電話番号が電話帳280に存在する場合のみ、着信メッセージング・サービス・メッセージをディスプレイ240上に表示することが可能である。状態変更モジュール228は、プライベート・メッセージ受容状態標識子変更コードを受信し、保存されたプライベート・メッセージ受容状態標識子変更コード274と受信コードを比較し、保存されたコード274と受信コードが一致する場合、メッセージ受容標識子272の状態を変更することが可能である。着信メッセージング・サービス・メッセージは、ショート・メッセージング・サービス・メッセージ、高度メッセージング・サービス・メッセージ、マルチメディア・メッセージング・サービス・メッセージ等であることが可能である。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態による移動体通信デバイス200の動作を示す例示的なフローチャート300である。フローチャートは工程310にて開始する。工程320にて、移動体通信デバイス200は、新たなメッセージング・サービス・メッセージが移動体通信デバイス200においてシステム100から受信されたか否かを判定する。受信されていない場合、移動体通信デバイス200は、メッセージの待機を続行する。メッセージが受信された場合、工程330にて、移動体通信デバイス200はメッセージがフィルタリングされているか否かを判定する。フィルタリングされていない場合、工程370にて、メッセージ又は新たなメッセージ標識子が表示される。メッセージがフィルタリングされている場合、工程340にて、移動体通信デバイス200はメッセージに含まれる発信元の電話番号を電話帳280における電話番号と比較する。例えば、発信元の電話番号はメッセージに含まれる折り返し番号であってよい。一致した場合、工程370にて、移動体通信デバイス200はメッセージ又は新たなメッセージ標識子をディスプレイ240上に表示する。一致しない場合、移動体通信デバイス200はメッセージ又は新たなメッセージ標識子を表示しない。メッセージが表示されなかったことの通知は必ずしも提供されない。例えば、通知は全く存在しなくてもよい。工程380にて、フローチャート300は終了する。
【0023】
本発明の一実施形態では、折り返し番号等の発信者番号により、受信メッセージング・サービス・メッセージに対する応答としてダイヤルされる番号が示され得る。本発明の別の実施形態では、発信者番号はメッセージング・サービス・ブロードキャスト・メッセージに対する応答に用いられる第三者の折り返し番号であることも可能である。本発明の別の実施形態では、発信者番号は、受信メッセージング・サービス・メッセージに対する応答としてダイヤルされる番号を示す、折り返し番号サブパラメータであることも可能である。このサブパラメータはサブパラメータ識別子フィールドと、サブパラメータ長フィールドと、デジット・モード・フィールドと、番号種別フィールドと、番号割当計画フィールドと、折り返し番号デジット数フィールドと、折り返し番号デジット又は文字フィールドと、予備ビット・フィールドとを含むことが可能である。サブパラメータ識別子フィールドは、00001110に設定され得る。サブパラメータ長フィールドは、サブパラメータ識別子フィールドとサブパラメータ長フィールドとを含まない、サブパラメータのオクテット数に設定されることが可能である。デジット・モード標識子フィールドは、折り返し番号デジットが4ビットDTMFコードであるか、又は8ビットASCIIコードであるかを示すことが可能である。このフィールドを0に設定しDTMFデジットの2進表現を用いる折り返し番号を指定することが可能であり、1に設定しASCII文字を用いる折り返し番号を指定することが可能である。折り返し番号がDTMFデジットを用いて指定されている場合、番号種別フィールドが番号種別に対応することが可能である。折り返し番号がDTMFデジットを用いて指定されている場合、番号割当計画フィールドが、必要な番号割当計画に対応することが可能である。折り返し番号デジット数フィールドは、サブパラメータに含まれる折り返し番号デジットの数に設定されることが可能である。折り返し番号デジット又は文字フィールドは、折り返し番号のデジット又は文字を含むことが可能である。予備ビット・フィールドは、サブパラメータ全体の長さを整数のオクテット数とするために必要なビット数を含むことが可能である。
【0024】
図4は、本発明の別の実施形態による移動体通信デバイス200の動作を示す例示的なフローチャート400である。このフローチャート400では、セキュリティ・コードを入力して機能を有効化又は無効化することにより、如何にしてメッセージ受容フィルタ機能がユーザにより切り換える(toggle)ことが可能であるかの一例を示す。フローチャートは工程410にて開始する。工程420にて、移動体通信デバイス200はパスワード等の状態変更コードを受信する。例えば、状態変更コードはユーザ・インタフェース260を介してユーザから、又はトランシーバ250を介してシステム100から受信される。工程430にて、移動体通信デバイス200は状態変更コードが正しいコードであるか否かを判定する。例えば、移動体通信デバイス200は受信状態変更コードをメッセージ受容標識子変更コード274と比較する。状態変更コードが正しいコードである場合、工程440にて、移動体通信デバイス200は着信メッセージ受容標識子272の状態を変更する。例えば、状態変更コードは着信メッセージ受容標識子272をフィルタリング状態と非フィルタリング状態との間で切り換える。これに代えて、状態変更コードがパスワードとして機能することにより、着信メッセージ受容標識子272の状態を変更するためのインタフェースに対し、ユーザ・アクセスを許可してもよい。工程450にて、フローチャート400は終了する。
【0025】
本発明のこの方法は、好適には、プログラムされたプロセッサにおいて実施される。しかしながら、コントローラ220が汎用又は専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及び周辺集積回路素子、ASIC又は他の集積回路、ディスクリート回路素子等のハードウェア電子回路又は論理回路、PLD,PLA,FPGA又はPAL等のプログラム可能な論理デバイス等において実施されてもよい。一般に、本発明のプロセッサ機能を実施するために、図面に示したフローチャートを実施することが可能な有限状態機械に属する任意のデバイスが用いられてよい。
【0026】
特定の実施形態を用いて本発明を説明したが、当業者には、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が明らかであろうことは疑いない。例えば、本発明の実施形態の種々の構成要素は、他の実施形態において、交換、追加又は置換され得る。したがって、本明細書において述べた本発明の好適な実施形態は、例示を意図するものであり、限定する意図はない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更がなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態によるシステムの例示的なブロック図。
【図2】本発明の一実施形態による移動体通信デバイスの例示的なブロック図。
【図3】本発明の一実施形態による移動体通信デバイスの動作を示す例示的なフローチャート。
【図4】本発明の別の実施形態による移動体通信デバイスの動作を示す例示的なフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信デバイスにおいて着信メッセージング・サービス・メッセージを管理する方法であって、
移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に1つ以上の電話番号を保存する電話番号保存工程と、
着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように移動体通信デバイスの着信メッセージ受容標識子の状態を設定する状態設定工程と、
メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を含む着信メッセージング・サービス・メッセージを無線メッセージング・システムから受信するメッセージ受信工程と、
メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳と比較する電話番号比較工程と、
移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に発信元の電話番号が存在する場合のみ、着信メッセージング・サービス・メッセージ及び新規メッセージ通知のうちの少なくとも一方を表示する表示工程とからなる方法。
【請求項2】
保存パスワードを移動体通信デバイスのメモリに保存するパスワード保存工程と、
受信パスワードを受信するパスワード受信工程と、
受信パスワードを保存パスワードと比較するパスワード比較工程と、
受信パスワードが保存パスワードと一致するか否かを判定する一致判定工程と、
受信パスワードが保存パスワードと一致する場合、着信メッセージ受容標識子の状態を変更する状態変更工程とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
パスワード受信工程は移動体通信デバイスのユーザ入力部において受信パスワードを受信する工程を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
状態変更工程は着信メッセージ・非フィルタリング状態を示すように着信メッセージ受容標識子の状態を変更する工程を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
発信元の電話番号は着信メッセージング・サービス・メッセージに含まれる折り返し電話番号である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
電話番号比較工程は、
メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に保存された1つ以上の電話番号の各々と反復的に比較する電話番号反復比較工程と、
発信元の電話番号が移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に保存された同1つ以上の電話番号と一致する場合、電話番号反復比較工程を停止する工程とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
プライベート・メッセージ受容状態標識子変更コードを受信する変更コード受信工程と、
変更コード受信工程に応答し、メッセージ受容標識子の状態を変更する工程とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
着信メッセージング・サービス・メッセージは、ショート・メッセージング・サービス・メッセージ、高度メッセージング・サービス・メッセージ及びマルチメディア・メッセージング・サービス・メッセージのうちの1つ以上を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
移動体通信デバイス筐体と、
移動体通信デバイス筐体に接続されており、且つメッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を含む着信メッセージング・サービス・メッセージを無線メッセージング・システムから受信するように構成されているトランシーバと、
移動体通信デバイス筐体に接続されたディスプレイと、
移動体通信デバイス筐体に接続されており、且つ着信メッセージ受容標識子、メッセージ受容標識子変更コード、及び1つ以上の電話番号を含む電話帳のうちの1つ以上を有するメモリと、
移動体通信デバイス筐体並びにメモリ、ディスプレイ及びトランシーバに接続されており、且つ着信メッセージ・フィルタリング状態を示すように着信メッセージ受容標識子の状態を設定し、着信メッセージング・サービス・メッセージの発信元の電話番号を移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳と比較し、移動体通信デバイスのメモリに位置する電話帳に発信元の電話番号が存在する場合のみ、着信メッセージング・サービス・メッセージをディスプレイ上に表示するように構成されているコントローラとを含む移動体通信デバイス。
【請求項10】
コントローラは保存パスワードを移動体通信デバイスのメモリに保存し、受信パスワードを受信し、受信パスワードを保存パスワードと比較し、受信パスワードが保存パスワードと一致するか否かを判定し、受信パスワードが保存パスワードと一致する場合、着信メッセージ受容標識子の状態を変更するように構成されていることを含む請求項9に記載の移動体通信デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2007−521744(P2007−521744A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517115(P2006−517115)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/014703
【国際公開番号】WO2005/006484
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】