説明

無線通信信号による衛星位置決めの強化

【課題】様々な無線環境で位置決め可能で、GPSシステムのような全地球衛星航行システムとセルラ形態系で実用の無線システムとを両方使うシステムを提供する。
【解決手段】SPS受信器は、少なくとも一つのSPS衛星からSPS信号を受信する。SPS受信器は、セルラ無線システムにおいてメッセージを送受信する通信システムに接続され、かつ典型的にはそれと一体的に構成されている。そして、セルベース・トランシーバと通信システムとの間におけるセル基準通信信号に含まれるメッセージの伝搬時間を表す時間測定値が測定される。SPS受信器の位置は、少なくとも、セル基準通信信号に含まれるメッセージの伝搬時間を表す時間測定値とSPS信号の伝搬時間を表す時間測定値の組み合わせから検知される。セル基準通信信号は、セルベース・トランシーバと通信システムとの間で双方向にデータメッセージを伝達することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムと組み合わせた衛星位置決めシステムと、無線位置決め技術とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信は、従来の電話通信を急速に強化している。無線セル電話、すなわちセルラ電話と呼ばれるものは、セルを基本とする、つまりセルラ系通信システムを形成している。これらシステムは多くの異なる場所で使用可能である。従来の電話通信においては、緊急911番サービスが長年存続し、時を経て進化、品質向上している。現在では、有線電話システムの殆どで強化911番サービスが利用できる。このサービスの場合、電話機から自動的に発呼を受けた緊急センターは、電話番号、発呼者の所在位置、発呼者の身元を、これら情報を発呼者から事前に得てなくとも察知する。セル電話の場合は、かような強化911番サービスは通常不可能である。現時点では、セルラ電話機からの発呼を受けた緊急センターは発呼者が何処から呼び出しているのかを知ることができない。セル電話に強化911番サービスを提供する方策として提案されているのは、セル系通信システム内のセル・オーバレイを利用することである。このオーバレイ利用の発想は、あるセル地点から次のセル地点までの有効無線通信距離がある程度まで重なる事実から出ている。このことを図1に示す。セル系通信システム10は、図1に示す範囲まで重なる4つのセル12、14、16,18を含む。これらセルは、トランシーバ21、22,23,24として示す無線セル系トランシーバそれぞれを囲んで描かれている。これらトランシーバは無線セル系通信信号を、無線移動セル系通信システム、例えば図1に示す無線セル系移動通信システム26、27、28へ送信し、これらシステムから受信する。当該分野で周知の通り、様々なセル系通信システム、例えばTDMA、GSM、PCS、ISM等のシステムはもとより、AMPSシステムやCDMAシステムが存在している。これらシステムの各々は、基本セル系通信無線接近路を共通に使っている。この接近路は、信号を送信しセルラ地域で実用される基地点(セル地点とも呼ばれる)から構成される。セルラ地域における各セルは、セル地点(無線セル系トランシーバ)への信号や、そこからの信号の通達範囲により定義され、セルのいくつかは他のセルと重なっている可能性がある。セルの重なりは、特に、セル重なり地域での無線位置決め作業の実施を可能にしている。例えば、図1に示す無線セル系移動通信システム27の位置はセル地点22と移動システム27間を通信信号が行き交う時間と、同様に移動システム27とトランシーバ23との間を無線系通信信号が行き交う時間とを計ることにより決定される。ある仮定(例えば、近似海抜高度)が設定され、かつ到着角度(AOA)技術を用いると、移動セル系システムの位置を、この移動ユニットと無線交信中の、わずか2台程度の移動セル系トランシーバにより決定可能である。しかし一般的には、二次元位置決めを達成するには、少なくとも3台の異なる無線セル系トランシーバ間の三つの無線交信が必要である。移動セルラ系通信システムの無線位置決めを達成するための方法としての、セルラ・オーバーレイを用いる従来技術には数多くの例がある。そのひとつは、着信時間(TOA)技術と呼ばれ、もうひとつはと着信時間差(TDOA)技術である。
【0003】
無線位置決めを達成するセルラ・オーバーレイ使用のための基盤設備は既にある程度まで存在している。しかし、セル間のオーバーレイは一般に、移動ユニットが取り得る様々な位置を十分に網羅するには狭すぎる。このことは図1から分かる。図1に示すように、移動ユニット28はひとつの無線セル系トランシーバとしか信号を交わせない。他のトランシーバ、すなわちのセル地点からの信号を受ける(また、他のセル地点へ信号を発する)ことができない。この状況において、無線ユニット28の位置はセル地点22を囲む円の位置程度にしか分からない。これすらも、システム内の誤動作や、送信、受信システムにおける時刻測定が十分正確にできないので達成できぬ可能性がある。
【0004】
移動通信しすてむの位置を決定するための、もう一つの方法は全地球位置決めシステム(GPS)などの衛星位置決めシステム(SPS)を通信システムへ密接に組み込むことである。多くの文献には、この方法が記述してある。この方法では、GPSシステム自体を使用して、これに組み込んだユニットの位置を決定する。このような組み込みユニットの一例がノーマンF.クラスナー取得の米国特許第5,663,734号に記載されている。GPS受信器と無線通信システムとを含む、このような統合システムの多くにおいて、GPS受信器は従来型の相関器系受信器であり、その位置を決定するための、十分な数のGPS衛星からのGPS信号の捕捉することがしばしば困難である。一般に、GPS受信器はGPS衛星からのGPS信号が遮断される環境では良好に作動しない。この信号遮断は、単に樹木のてっぺんによる場合もある。このような環境では、GPS受信器は衛星からの信号を得られず、衛星の追尾ができぬ場合がある。その結果、統合型GPS受信器通信システムが位置決めできず、そのために位置情報を通信システムを介して公共安全対策点(PSAP)における911番担当員へ送ることができない。
【0005】
無線通信システムの位置決め達成を目指した他の従来方法が米国特許第5,604,765号に記載してある。この特許は、航行指示を提供するために、CDMA航法信号を現存の無線通信システムへ組み込む技術を開示している。移動ユニットはGPS受信器を含み、セルラ基地局送信器、他の無線基地局送信器からの通信放送に入れ込んだGPS型の航法信号を受信可能な通信システムを含む。この技術においては、移動システムがGPSシステム、通信システム双方を使用できる。すなわち、通信システムはGPS信号が遮断された場合、GPS型の航法信号をセルラ通信信号内で使うことができ、GPS衛星からのGPS信号を強化したり取り替えたりして位置決めを達成する。米国特許第5,604,765号に記載のこの技術は、無線位置決めを行うためにセルラ・オーバレイを単に使うセル電話よりも利点がある。また、位置決めを行うためにGPSシステムを単に使う移動ユニットよりも利点がある。しかしながら、無線セルラ信号にGPS信号を入れ込むこの技術は、現存放送信号の改良を必要とし、よってセル系通信システムの基盤設備を大幅に改良する必要が生じる。
【0006】
米国特許第5,327,144号は、セルラ電話のセルラ送信を用いて、送信した信号の着信時間差(TDOA)を決定する位置決めシステムを」記述している。時間差はGPS受信器を使って得られ、これによりセルラ送信時刻を記録し、セルラ電話機と複数のセル地点との間で交わされるのセルラ送信間の時間差を計測する。しかし、GPS受信器は、セルラ電話機内のGPS受信器とGPS衛星のと間の疑似距離を決定するのに使用しない。米国特許第5,512,908号には、セルラ送信を用いてセル電話機の位置をセルラ送信着信時間差から決めるTDOAシステムが記述してある。ここでも、GPS信号をセル地点で使用し、これにより信号時間を記録して、信号移動時間差を計測している。GPS信号はセルラ電話機内のGPS受信器とGPS衛星との疑似距離を決定するのに使用していない。米国特許第5,612,703号は、往復信号時間計測に基づくセルラ通信システム内の位置決めシステムを記述している。米国特許第5,724,660号は、電話機とセル地点との間のセルラ送信の信号強さを測ることによりセルラ電話機の位置を決定する方法を記述している。測った位置は、位置決めを別途行ったGPS受信器から決定した位置と比較される。つまり、この特許技術では信号強さ計測値から得た位置をGPS計測による位置と比較して位置決めをしている。
【発明の概要】
【0007】
よって、様々な無線環境で位置決め可能で、GPSシステムのような全地球衛星航法システムとセルラ形態系で実用の無線システムとを、両方使うシステムを提供することが望まれている。
【0008】
本発明は、衛星位置決めシステム(SPS)と協働し、セル系通信信号中のメッセージの時間計測値を使って位置情報を処理する方法と装置とを提供する。本発明の方法の一例において、SPS受信器はSPS信号を少なくともひとつのSPS衛星から受け取る。セル系通信信号は、SPS受信器と接続された通信システムとSPS受信器から遠くに位置する第1のセル系トランシーバとの間で送信される。これらセル系通信信号は無線通信信号である。第1時間計測値を得る。この時間計測値は、第1セル系トランシーバと通信システムとの間のセル系通信信号内のメッセージの移動時間を表わす。また、第2時間計測値、すなわちSPS衛星までの疑似距離と言える値も得る。この値はSPS衛星からSPS受信器までのSPS信号の移動時間を表わす。そして、SPS受信器の位置を、少なくとも第1計測値と第2計測値から、または通常、これらと第3計測値とから決定する。時間計測を受けているセル系通信信号は一実施例においては二方向に情報メッセージを第1セル系トランシーバと通信システムとの間で交信できる。
【0009】
本発明の或る一実施例では、SPS衛星までの疑似距離とセル地点までの疑似距離を、共に使って移動統合ユニットの位置を決める。実施例によっては、一つのGPS衛星を視野に置き、二つのセル系トランシーバ(セル地点)を移動ユニットとの無線通信に供する。これにより、三つの疑似距離を使って移動ユニットの位置の決定が可能になる。無線通信システムによる衛星位置決めシステムの強化は、送信機の位置を特定する航法信号またはGPS型信号をセルラ系通信信号に組み込むこと無しに実施できる。よって、例えば移動ユニットとセル地点との間に交信されるメッセージは音声や情報メッセージであって良い。そして、これらメッセージを使って、セルラ疑似距離を決定するための時間計測を行っても良い。これらメッセージは、911番メッセージ、あるいはSPS衛星までの疑似距離を記述する疑似距離メッセージであっても良い。さらに、移動ユニットへ送られつつあるドップラ情報や他の支援情報(例えば、衛星位置推算用情報)であっても良い。
【0010】
本発明の他の実施例においては、統合システムはSPS受信器とセルラ系通信トランシーバのような通信システムとを含んでいる。SPS受信器はSPS信号を受けることができ、かつSPS衛星からSPS受信器までのSPS信号の移動時間を表わす第1時間計測値を決定するための情報(例えば、疑似距離)を提供することができる。この通信システムはSPS受信器に接続されているので、と多く離れたセル系トランシーバと無線方式で交信でき、かつ通信システムと遠隔地のセル系トランシーバとの間で交信のセル系通信信号内に組み込んだメッセージの移動時間を表わす第2時間計測値を決定するための情報(例えば、記録時間値またはセルラ疑似距離)を提供できる。セル系通信信号は、前記通信システムと前記遠隔地のセル系トランシーバとの間でメッセージ(例えば、音声や情報)を交信させることができる。遠隔地の統合システムの位置は、少なくとも第1と第2時間計測値の組み合わせから決めることが可能である。この組み合わせは、時間計測値が定める計測域内に納まっている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、隣接セル地点間で可能なオーバーレイを呈するセル系通信システムを示す。
【図2】図2は、無線通信システムと共にPSPシステムを利用するホン発明の位置決めシステムの一例を示す。
【図3】図3は、本発明において使用可能な位置決め用サーバの一例を示す。
【図4】図4は、SPS受信器と通信システムとの組み合わせの一例を示す。
【図5】図5は、本発明の一実施例で使用可能なGPS基準局の一例を示す。
【図6】図6は、本発明の方法の一例を示す。
【図7】図7は、本発明の方法の一例を示す。
【図8】図8は、本発明の方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の、他の様々な側面と諸実施例とを、以下さらに記述する。
【0013】
本発明を実施例に沿って説明するが、本発明は添付の図面に限定されるものではない。添付図面において、同じ参照記号は同様な構成要件を示す。
【0014】
本発明は、衛星測位受信機およびセルベースの通信システムを有する移動受信機の場所を決定するために衛星位置情報を拡大するためのセルベースの通信信号の使用に関する。以下の説明および図面は、本発明の例証となるが、本発明を制限するとして解釈されてはならない。多数の特定の詳細が、本発明の完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、一定の例では、周知のまたは従来の詳細は、本発明を詳しく不必要に不明確にしないために記述されていない。
【0015】
本発明の1つの実施形態においては、本発明に従ったシステムが以下の2つの要素から成り立っている:(1)GPSなどの衛星測位システム、および(2)各セルがその信号有効範囲ゾーンで画定され、いくつかのセルがおそらく重複している(セルラーと呼ばれることのある)セルベース(cell based)の構成で配備されている無線ラジオ通信システムである。セルベース無線ラジオ通信システムの1つの例は、米国セルラー電話(AMPS)信号である。セルベース無線ラジオ通信システムのそれ以外の例は、そのすべてが周知であるCDMAシステム、TDMAシステム、GSMシステム、PCSシステムおよびISMシステムを含む。信号を送信および/受信し、セルラートポロジー(cellular topology)で配備されている基地サイトを含む任意の無線セルベースの通信システムは、GPSシステムなどの衛星測位システムを拡大するために本発明で使用されてよい。
【0016】
セルベースの通信信号は、セルサイトと統合された無線通信システム/SPS受信機の間で移動するセルベースの通信システムでのメッセージの移動の時間を引き出すために使用されてよい。セルベースの通信信号内でのメッセージの移動の時間は、セルサイトに中心があり、半径が測定時間期間中に無線波によって移動される距離に等しい、三次元での球および二次元での円を画定する。これらの時間測定値は、特に、SPS衛星からSPS信号の妨害があるとき、あるいはSPSシステムが適切な位置情報を与えないそれ以外の状況において、ある実施形態に従って衛星擬似距離測定値を増強するために使用される。
【0017】
1つの実施形態においては、統合無線通信システム/SPS受信機は、SPS衛星およびセルベースの無線通信信号を含むすべての使用可能な信号から測位情報または到着時間情報を引き出し、それらを対応するタイミング情報とともに、位置導出について後述される位置決めサーバなどの遠隔基地局に伝送してよい。測位情報(擬似距離測定値)は、異なるソースから導出できるため、適切な加重方式が、拡大された解決策を最適化するために、その概算エラーに従って測定値を加重するために使用できる。代替実施形態においては、統合無線通信システム/SPS受信機は、遠隔位置決めサーバの補助なしにその場所を計算するために測位情報を使用してよい。それから、それは情報をメモリに記憶する、および/または無線セルベース通信システムを通してそれを被呼者または発呼者に伝送することができる。
【0018】
正確なタイミング情報が移動統合通信システム/SPS受信機で入手できない場合には、到着時間測定値が位置決めサーバ、またはセルベースの通信信号の送受の正確なタイミングを引きさすために使用できる、好ましくは受信された衛星ナビゲーション信号からタイミング情報を引き出す方法を有するなんらかの他のサイトに転送されてよい。
【0019】
移動統合通信システム/GPS受信機の遠隔に位置している位置決めサーバと一緒の構成は、到着時間測定値での共通モードのエラーを削除するために使用できる。いくつかの共通モードエラーは、衛星ナビゲーションシステムエラーのためであり、いくつかの(特にタイミングエラー)は、無線通信システムでのシステムエラーのためだろう。ある場合では、最も減衰されていない衛星信号からのGPS時間は、衛星への擬似距離を決定するため、および位置決めサーバでGPS時間を確立するために使用されたSPS信号の集合体のGPS時間を確立するために使用されてよい。このようにして、位置決めサーバでの時間および擬似距離測定値の時間(例えば、そこから擬似距離が求められたSPS信号が収集されたとき)は、同じソースから引き出され、共通モードエラーは抹消されるだろう。デジタルCDMAセルラーシステムなどのいくつかの例では、正確なタイミング情報がCDMAセルラー通信信号に埋め込まれ、このタイミング情報はCDMA通信信号でのメッセージの受信の時間、およびCDMA通信信号内でのメッセージの伝送の時間を引き出すために使用することができる。
【0020】
図2は、本発明のシステム101の一例を示す。システムは、そのそれぞれが、特定の地理学上の地方または場所にサービスを提供するように設計されている、複数のセルサイトを含むセルベースの通信システムを含む。このようなセルラーベースまたはセルベースの通信システムの例は、セルベースの電話システムなどの、技術で周知である。図2は、図1に示されているようなセルの重複を示すために描画されていないことが理解されるだろう。ただし、セルの信号有効範囲ゾーンは、実際には図1にあるように重複しないことがあるが、これは本発明には必要とされていない。セルの信号有効範囲ゾーンが実際に重複する場合には、セルラーシステムからの追加補助測定値が、後述されるように本発明に従って使用するために入手できることが理解されるだろう。図1に図示されているようなセルベースの通信システムは、セル102、103、および104を含む。対応するセルサイトおよび/またはセルラーサービス領域の複数のセルが、システム101に含まれ、移動交換機センター105および移動交換機センター106などの1つまたは複数のセルベースの交換機センターに接続されてもよいことが理解されるだろう。セル102などの各セルの中では、典型的には、セルベースの通信信号および移動SPS受信機を使用して通信するための受信機および送信機を含む、通信システムとのセルベース通信信号を使用する無線通信媒体を通して通信するように設計されているセル基地局102aなどの(セルサイトまたはセルベースと呼ばれることもある)無線セル基地局がある。この結合された通信システムおよび移動SPS受信機は、図2に示されている受信機102bなどの結合されたシステムを提供する。SPS受信機および通信システムを有するこのような結合されたシステムの一例が図4に示されており、SPSアンテナ77および通信システムアンテナシステム79の両方を含んでよい。各セルサイトは、典型的には移動交換機センター(MSC)に接続されている。図2においては、セルサイト102aおよび103aは、それぞれコネクション102cおよび103cを通して交換機センター105に接続され、セルベース104aは、コネクション104cを通して異なる移動交換機センター106に接続されている。これらのコネクションは、典型的には、各セルベースと移動交換機センター105と106の間での無線コネクションである。各セルベースは、特定のセルサイト/ベースによってサービスを提供されている通信システムと通信するためのアンテナを含む。1つの例では、セルサイトは、セルサイトによってサービスを提供されている領域内での移動セルラー電話と通信するセルラー電話セルサイトであってよい。
【0021】
本発明の典型的な実施形態においては、受信機102bなどの移動SPS受信機は、SPS受信機と通信システムの両方が同じハウジング内に封入されるように、SPS受信機と統合されているセルベースの通信システムを含む。これの1つの例が、セルラー電話トランシーバと共通の回路を共用する統合されたGPS受信機を有するセルラー電話である。この結合されたシステムがセルラー電話通信に使用されるとき、伝送は受信機102bとセルベース102aの間で発生する。それから、受信機102bからセルベース102aへの伝送は、移動交換機センター105へ、それから移動交換機センター105によってサービスを受けているセル内の別のセルラー電話、またはコネクション(典型的には有線)を介して陸上ベースの電話システム/ネットワーク112を通した別の電話のどちらかへコネクション102c上で伝播される。用語、有線が光ファイバーおよび銅ケーブル布線等のその他の被無線コネクションを含むことが理解されるだろう。受信機102bと通信しているその他の電話からの伝送は、コネクション102cおよびセルサイト102aを通して、従来のように、移動交換機センター105から受信機102bに戻される。典型的には、セルベース102aなどの各セルベースは、SPS受信機を含む(あるいは少なくともSPS時間を受信するために接続される)だろう。SPS受信機は、セルベースから移動装置へのメッセージの伝送の時刻にタイムスタンプを押し、移動装置からのセルベースでのメッセージの受信の時刻にタイムスタンプを押すために使用される。このようにして、セルベース通信信号内のメッセージの移動装置とセルベースの間の移動の時間を求めることができる。この移動の時間は、セルラー擬似距離と呼ばれてよい。本発明の1つの例では、伝送の時間およびメッセージの受信の時間が、メッセージのための移動の時間を計算するGPS位置決めサーバに送信され、それによってセルラー擬似距離を求める。
【0022】
図2の例においては、各移動交換機センター(MSC)は、1つの実施形態において信号方式7番(SS7)ネットワークとも呼ばれるネットワークを通して少なくとも1つの地方の短メッセージサービスセンター(SMSC)に結合される。このネットワークは、短メッセージ(例えば、制御情報とデータ)を電話網の要素の間で渡すことができるようにするように設計されている。図2が一例を示し、複数のMSCが1つの地域SMSCに接続できることが理解されるだろう。該SS7ネットワークは、MSC105と106を地域SMSC107と108に相互接続するコネクション105a、105bおよび106aによって表される。図2の例は、それぞれコネクション107aと108aを通して地域SMSC107と地域SMSC108に接続されている2つのGPS位置決めサーバ109と110も示す。図2の分散システムの1つの実施形態においては、コネクション107aおよび108aは、多様な地域SMSCを多様なGPS位置決めサーバと相互接続する恒久的なパケット交換データネットワークの一部である。これによって、各地域SMSCは、位置決めサーバでの輻輳、あるいは位置決め装置の故障の場合に使用できるどちらかのGPS位置決め装置への位置決めサービスに対する要求を送るためのルータとしての役割を果たすことができる。このようにして、地域SMSC107は、位置決めサーバ109が輻輳、または故障している場合、あるいはそれ以外の場合位置決めサービス要求を満たすことができない場合に、位置決めサービス要求を移動GPS受信機102b(例えば、移動GPS受信機102bは、統合セル電話上での911にダイヤルする)からGPS位置決めサーバ110に送ってよい。
【0023】
各GPS位置決めサーバは、典型的には、微分GPS補正および衛星天体位置推算表(ephemeris)データをGPS位置決めサーバに提供するGPS基準ステーションの広域ネットワークに接続されている。GPS基準ネットワーク111として示されるGPS基準ステーションのこの広帯域ネットワークは、典型的には、専用パケット交換データネットワークを介して各GPS位置決めサーバに結合される。したがって、位置決めサーバ109は、コネクション109aを通してネットワーク11からデータを受信し、コネクション110aを介してネットワーク111からデータを受信する。代わりに、GPS基準受信機は、衛星天体位置推算表、GPS測定値またはローカルエリア微分コネクションおよびGPS位置決めサーバへのGS時間を提供するために、各位置決めサーバで使用されてよい。図2に示されているように、各GPS位置決めサーバは、2つのアプリケーションサーバ114と116が接続されている)公衆電話交換網(PSTN)112にも接続されている。
【0024】
2つのGPS位置決めサーバは、1つの実施形態においては、移動GPS受信機によって受信されるGPS信号を使用して移動GPS受信機(例えば、受信機102b)の位置を求めるために使用される。
【0025】
各GPS位置決めサーバが、移動GPS受信機および衛星天体位置推算表から擬似距離(pseudoranges)を、およびGPS基準ネットワークから微分補正データを受信し、移動GPS受信機のための位置を計算し、それからこの位置は、該位置がアプリケーションサーバでユーザに提示される(例えば、マップ上に表示される)アプリケーションサーバの1つ(または両方)に対してPSTNを通して送信されるだろう。通常、GPS位置決めサーバは、GPS位置決めサーバでの位置を計算するが、(例えば、表示装置によって)提示しない。アプリケーションサーバは、GPS受信機の位置を決定し、その位置を特定のアプリケーションに報告するために、移動交換機センターを通して、ある特定の移動GPS受信機との会話を開始するGPS位置決めサーバへ、セルの内の1つでのある特定のGPSの位置について、要求を送信してよい。別の実施形態においては、GPS受信機の位置決定は、移動GPS受信機のユーザによって開始されてよく、例えば、移動GPS受信機のユーザは、移動GPS受信機の場所での緊急状況を示すためにセル電話の911(または「位置決め」ボタンなどの何か他のボタン)を押してよく、これがここに説明されるように位置決めプロセスを開始してよい。
【0026】
移動SPS受信機がその位置を決定する代替実施形態においては、GPS位置決めサーバは、場所に適切な衛星天体位置推算表情報を、移動SPS受信機に伝送させてよい。この移動SPS受信機は、衛星擬似距離を決定し、受信された衛星天体位置推算表情報から衛星位置を計算し、セルラー擬似距離(およびそれが通信しているセルサイトの場所)を求める。衛星擬似距離、衛星位置、セルラー擬似距離、およびセルサイト位置を使用して、移動SPS受信機自体がその位置を決定する。
【0027】
セルラーベース、またはセルベースの通信システムとは、そのそれぞれが、時間の任意の瞬間に事前に定義された、異なる地理学上の領域にサービスを提供する複数の送信機を有する通信システムであることに注意する必要がある。典型的には、各送信機は、カバーされている領域は特定のセルラーシステムに依存するが、20マイル未満の地理学上の半径を有するセルにサービスを提供する無線送信機である。セルラー電話、PCS(パーソナル通信システム)、SMR(特殊無線電話)システム、片方向および双方向ページャーシステム、RAM、ARDIS、および無線パケットデータシステムなどの多数の種類のセルラー通信システムがある。典型的には、事前に定義されている地理学上の領域はセルと呼ばれ、複数載セルはいっしょに1つのセルラーサービスエリアに分類され、これらの複数のセルは、陸上ベースの電話システムおよび/またはネットワークにコネクションを提供する1つまたは複数のセルラー交換機センターに結合される。したがって、複数のサービスエリア内のセルが1つの交換機センターに接続されている場合がある。代わりに、1つのサービスエリア内のセルが、特に人口密度の高い区域のさまざまな交換機センターに接続されていることもある。一般的には、サービスエリアは、互いに密な地理学上の近接内のセルの集合体と定義されている。前記説明に適合する別のクラスのセルラーシステムは衛星ベースであり、セルラー基地局またはセルサイトが、典型的に地球を周回する衛星である。これらのシステムにおいては、セルセクタおよびサービスエリアは、時間の関数として移動する。このようなシステムの例が、イリジウム(Iridium)、グローバルスター(Globalstar)、オーブコム(Orbcomm)、およびオデッセイ‘Odyssey)を含む。
【0028】
図3は、図2のGPSサーバ109またはGPSサーバ110として使用されてよいGPS位置決めサーバ50の一例を示す。図3のSPS位置決めサーバ50は、フォールトトレラント(fault-tolerant)デジタルコンピュータシステムであってよいデータ処理装置51を含む。SPS位置決めサーバ50は、モデムまたはその他の通信インタフェース52、およびモデムまたはその他の通信インタフェース53、およびモデムまたはその他の通信システム54も含む。これらの通信インタフェースは、ネットワーク60、62、および64として図示されている3つの異なるネットワーク間で、図3に図示されている位置決めサーバへの、および位置決めサーバからの情報の交換に接続性を提供する。ネットワーク60は、移動交換機センターまたはセンタおよび/または陸上ベースの電話システム交換機またはセルサイトを含む。このネットワークの一例が、GPSサーバ109が図3のサーバ50を表す図2に示されている。このようにして、ネットワーク60は、移動交換機センター105と106、およびセル102、103、および104を含むと見なされてよい。ネットワーク64は、それぞれが通常通信インタフェース付きのコンピュータシステムであるアプリケーションサーバ114と116を含むと考えられてよく、典型的には911緊急電話に答えるコントロールセンターである1つまたは複数の「PSAP」(公衆安全回答ポイント (Public Safety Answering Point))を含んでもよい。図2のSPS基準ネットワーク111を表すネットワーク62は、微分SPS補正情報を提供し、衛星天体位置推算表データを含むSPS信号データもデータ処理装置に提供するように設計されているSPS基準受信機である。サーバ50が非常に広い地理学上の領域にサービスを提供するとき、オプションSPS受信機56などの局所的なオプションのSPS受信機は、この領域全体で移動SPS受信機の視野内にあるすべてのSPS衛星を観察することはできない可能性がある。したがって、ネットワーク62は、衛星天体位置推算表データ(典型的には、1つの実施形態においては、未処理衛星ナビゲーションメッセージ全体の一部として)および本発明に従って広域で適用可能な微分SPS補正データを収集、提供する。
【0029】
図3に示されているように、大容量記憶装置デバイス55が、データ処理装置51に接続されている。典型的には、大容量記憶装置55は、図2の受信機102bなどの移動GS受信機から擬似距離を受信した後に、GPS位置の計算を実行するためのソフトウェアの記憶装置を含むだろう。これらの擬似距離は、通常、セルサイトおよび移動交換機センター、およびモデムまたはその他のインタフェース53を通して受信される。該大容量記憶装置デバイス55は、少なくとも1つの実施形態においては、GPS基準ネットワーク32によってモデムまたはその他のインタフェース54を通して提供される衛星天体位置推算表データおよび微分SPS補正データを受信し、使用するために使用されるソフトウェアも含む。該代用用記憶装置デバイス55は、典型的には、GPS位置決めサーバによってサービスを提供されるセルサイトの場所を指定するデータベースを含むだろう。これらの場所は、統合通信システム/GPS受信機などの移動装置の位置を決定するためのセルラー擬似距離と使用される。
【0030】
本発明の典型的な実施形態においては、(図3のネットワーク62として図示されている)図2のGPS基準ネットワーク111が、GPS基準ネットワーク内の多様な基準受信機の司会内の衛星からの未処理の衛星ナビゲーションメッセージだけではなく微分GPS情報も提供するので、オプションのSPS受信機56は必要ではない。モデムまたはその他のインタフェース54を通してネットワークから得られる衛星天体位置推算表データは、移動GPS受信機の位置情報を計算するために、移動GPS受信機から得られる擬似距離とともに従来のように使用されてよいことが理解されるだろう。インタフェース52、53および54は、それぞれ、ネットワーク64の場合でのようにその他のコンピュータシステムに、ネットワーク60の場合での用にセルラーベース通信システムに、およびネットワーク62でのコンピュータシステムなどの送信デバイスにデータ処理装置を接続するためのモデムまたはそれ以外の適切な通信インタフェースであってよい。1つの実施形態においては、ネットワーク62は、地理学上の領域で分散されている複数のGPS基準受信機を含むことが理解されるだろう。いくつかの実施形態においては、いどうGPS受信機とセルラーベース通信システムを通して通信しているセルサイトまたはセルラーサービスエリアの近くの受信機56から得られる微分GPS補正情報が、移動GPS受信機の近似場所に適切である微分GPS補正情報を提供するだろう。それ以外の場合では、ネットワーク62からの微分補正は、GPS受信機の場所に対して適切な微分補正を計算するために結合されてよい。
【0031】
図4は、SPS受信機および通信システムトランシーバを含む汎用結合システムを示す。1つの例では、通信システムトランシーバはセルラー電話である。システム75は、SPSアンテナ77を含むSPS受信機76、および通信アンテナ79を有する通信トランシーバ78を含む。該SPS受信機76は図4に図示されているコネクション80を通して通信トランシーバ78に結合される。1つの運転モードにおいては、通信システムトランシーバ78が、アンテナ79を通して近似ドップラー情報を受信し、この近似ドップラー情報をリンク80上で、SPSアンテナ77を通してSPS衛星からSPS信号を受信することによって擬似距離の決定を実行するGPS受信機76に提供される。それから、決定される擬似距離は、通信システムトランシーバ78を通してSPS位置決めサーバに送信される。典型的には、通信システムトランシーバ78は、アンテナ79を通して、それからこの情報をSPS位置決めサーバに戻すセルサイトに信号を送信する。システム75の多様な実施形態の例は、技術で既知である。例えば、米国特許第5,663,734号は、結合されたSPS受信機と、改善されたSPS受信システムを活用する通信システムの一例を説明する。結合されたSPSと通信システムの別の例は、1996年5月23日に出願された同時係属出願第08/652,833号に説明されている。SPS受信機を有する多数の代替通信システムだけではなく、図4のシステム75も、典型的には、移動装置でのメッセージの受信時刻および移動装置からのメッセージの伝送時刻のタイムスタンプを押すだろう。特に、システム75は、メッセージの移動装置での受信の時刻および移動装置からの別のメッセージの伝送の時刻にタイムスタンプを押すために、(GS衛星から受信される)GPS時間を使用するか、(好ましい実施形態における)CDMA伝送からの時間を使用してよい。代わりに、CDMA信号はスペクトル拡散(DSSS)信号であるため、システム75は、セルラー擬似距離を提供するために受信された信号を逆拡散することによって片方向信号の移動の時間を引き出すことができる。CDMAセルサイトによって生成されるCDMA信号はGPS時間に同期され、それはスペクトル拡散コードおよびデータ偏重の両方を有する。スペクトル拡散コード変調を使用すると、CDMAセルラー受信機は、相関関係動作を通して、CDMA信号の移動の時間を正確に決定することができ、データ変調は伝送の時間を提供する。好ましい実施形態においては、移動装置でのメッセージの受信時刻および移動装置からの別のメッセージの伝送の時刻は、移動装置で求められ、移動装置からGPS位置決めサーバへセルサイトを通して送信される。これらの時刻は、それからGPS位置決めサーバで(セルサイトからの対応する時刻とともに)メッセージのセルラー擬似距離を求めるために使用されるだろう。
【0032】
図5は、GPS基準ステーションの1つの実施形態を示す。各基準ステーションがこのようにして構築され、通信網または媒体に接続されてよいことが理解されるだろう。典型的には、図5のGPS基準ステーション90などの各GPS基準ステーションは、アンテナ91の視野にあるGPS衛星からGPS信号を受信するGPSアンテナ91に接続される二重周波数GPS基準受信機92を含むだろう。GPS基準受信機は、技術で周知である。GPS基準受信機92は、本発明の1つの実施形態に従って、受信機92からの出力として少なくとも2種類の情報を提供する。擬似距離出力および/または擬似距離微分補正93は、プロセッサおよびネットワークインタフェース95に提供され、これらの擬似距離出力は、GPSアンテナ91の視野にあるそれらの衛星について従来のように擬似距離微分補正を計算するために使用される。該プロセッサおよびネットワークインタフェース95は、技術で周知であるように、GPS基準受信機からデータを受信するためのインタフェースを備える従来のデジタルコンピュータシステムであってよい。該プロセッサ95は、典型的には、GPSアンテナ91の視野にある各衛星について適切な擬似距離補正を決定するために擬似距離データを処理するように設計されているソフトウェアを含むだろう。これらの擬似距離補正は、それから、通信ネットワークまたはその他のGPS基準ステーションが典型的には接続される媒体96へネットワークインタフェースを通して伝送される。該GPS基準受信機92は、衛星天体位置推算表データ出力94も提供する。このデータは、図2のGPS基準ネットワークに含まれる通信網96にこのデータを伝送するプロセッサおよびネットワークインタフェース95に提供される。
【0033】
該衛星天体位置推算表データ出力94は、典型的には、各GPS衛星から受信される実際のGPS信号の中で符号化される未処理の50ボーのナビゲーションバイナリデータ全体の少なくとも一部を提供する。この衛星天体位置推算表データは、GPS衛星からGPS信号内の毎秒50ビットデータストリームとして同報送信されるナビゲーションメッセージの一部であり、GPS ICD−200文書に詳細に説明される。該プロセッサおよびネットワークインタフェース95は、この衛星天体位置推算表データ出力94を受信し、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで通信網96にそれを伝送する。後述されるように、通信網に送信されるこの衛星天体位置推算表データは、後に、本発明の態様に従う多様なGPS位置決めサーバでネットワークを通して後に受信される。
【0034】
本発明の一定の実施形態においては、衛星天体位置推算表データメッセージなどのナビゲーションメッセージの一定のセグメントだけが、ネットワークインタフェースおよび通信網に対する大域幅要件を引き下げるために位置決めサーバに送信されてよい。典型的には、また、このデータは連続して提供される必要はない。例えば、5つすべてのフレームをいっしょにではなくむしろ天体位置推算表を含む第1の3つのフレームだけが定期的に通信網96に伝送されてよい。本発明の1つの実施形態においては、位置決めサーバが、Norman F.Krasnerによって1997年2月3日に出願された米国特許出願出願番号第08/794,649号に説明されている方法などの、衛星データメッセージに関係する時間を測定するための方法を実行するために、1つまたは複数のGPS基準受信機からネットワークに伝送されるナビゲーションメッセージ全体を受信してよいことが理解されるだろう。ここに使用されているように、用語「衛星天体位置推算表データ(satellite ephemeris data)」は、GPS衛星によって伝送される衛星ナビゲーションメッセージ(例えば50ボーのメッセージ)、または少なくともこの衛星天体位置推算表データの数学的な表記の一部にすぎないデータを含む。例えば、用語衛星天体位置推算表データは、少なくとも、GPS衛星から伝送されるGPS信号に符合化される50ボーデータメッセージの一部の表記を指す。また、GPS基準受信機92が、衛星天体位置推算表データを含む2進データ出力94を提供するために、基準受信機94の視野のさまざまなGPS衛星からのさまざまなGPS信号を復号化したことも理解されるだろう。
【0035】
図6は、セルベース通信信号内のメッセージがGPSシステムなどの衛星測位システムからの時間測定値を拡大するために使用されてよい時間測定値を提供するために使用される、本発明に従った方法の例を示す。本発明では、セルベース通信信号内のメッセージは、送信機の位置を指定するか、GPS状の信号である埋め込まれたナビゲーション信号ではない。むしろ、これらのメッセージは、音声メッセージまたはデータメッセージなどの任意のデータであってよく、メッセージは、典型的には、移動通信システムとセルベーストランシーバまたはセルサイトの間で双方向に通信されてよい。例えば、これらのメッセージは、ドップラーまたはセルサイトから移動統合通信システム/GPS受信機へ提供される(例えば、近似場所または時間)その他の補助情報であってよいか、あるいはそれは統合通信システム/GPS受信機からの911電話呼であってよいか、あるいはそれは移動装置からセルサイトに、最終的には本発明の1つの実施形態においてのように位置決めサーバへ通信されているGPS受信機によって求められるGPS衛星までの擬似距離であってよい。このようにして、これらのメッセージは、典型的には、双方向通信を行うことができ、任意のデータであってよく、埋め込まれた(embedded)ナビゲーションしんごうであってはならない。
【0036】
図6に図示されているような方法は、GPS信号が移動統合通信システム/GPS受信機で受信され、少なくとも1つのGPS衛星までの擬似距離が求められるステップ201で開始する。この1つの擬似距離は、GPS衛星から移動GPS受信機までのGPS信号の移動の時間を表す。ステップ203では、無線セルベースの通信信号内のメッセージの伝送が発生する。この伝送から、ステップ205では、統合通信システム/GPS受信機と第1セルサイトでの無線セルベーストランシーバの間の無線セルベース通信信号内のメッセージの移動の時間を表す時間測定値が求められる。移動統合通信システム/GPS受信機が複数のセルサイトと通信できる場合には、移動装置と複数載せるサイト間のメッセージの移動の時間を表す複数の時間測定値が求められてよい。同じメッセージまたは異なるメッセージは、移動装置と複数のセルサイト間で送信されてよく、時間測定値はこれらのメッセージから得られてよい。これらの時間測定値は、セルラー擬似距離またはセルベースの擬似距離と呼ばれてよい。特に少なくとも2つのGPS衛星までの擬似距離も決定できる場合には、複数のセルラー擬似距離を有すると、三次元位置決定を行う確率が高まる傾向がある。
【0037】
ステップ207では、衛星擬似距離および無線セルベーストランシーバの位置を決定するためのデータを収集するときのGPS衛星の位置が、決定される。この位置データは、移動装置の位置を決定するために擬似距離とともに使用されるだろう。ステップ209では、通信システムと統合されているGPS受信機の位置が、少なくとも1つのGPS衛星までの擬似距離から、および無線セルベース通信信号内のメッセージの時間測定値から、およびGPS衛星天体位置推算表データおよび移動統合装置の通信システムと通信していた無線セルベーストランシーバの位置から決定される。典型的には、位置は、別のGPS衛星までの別の擬似距離または通信システムと別の無線セルベーストランシーバ間の無線セルベース信号内のメッセージの別の時間測定値などの追加情報に基づいて求められる。セルラーオーバレイがセルの間で存在する場合、および通信システムが2つのセルサイトと通信できる場合、および2つのGPS衛星が獲得され、その擬似距離が求められた場合、4つの擬似距離が、移動装置の位置を求める際に使用するために入手可能であることが理解されるだろう。
【0038】
1つの実施形態においては、移動装置自体が、GPS衛星から、または別のソースから(例えば、セルベースの通信信号を通して)衛星天体位置推算表データを受信し、衛星擬似距離とセルラー擬似距離を受信するか、決定することによって、およびセルベース無線通信システム内でそれがメッセージと通信中であるある特定の1つまたは複数のセルサイトの位置を指定するローカルデータベースを使用することによって、その位置を決定してよい。代替実施形態においては、擬似距離測定値が位置決めサーバに送信され、位置決めサーバが衛星天体位置推算表データを受信し、統合移動装置内の通信システムと通信中のセルサイトの位置を受信するか、それ以外の場合決定するクライアントサーバアーキテクチャが使用される。
【0039】
本発明の別の例を説明する前に、測定値の最小セットおよびその組み合わせを考慮できるように、システム内の未知数を識別することが望ましい。
【0040】
遠隔SPS受信機にかする限り、未知数とは、三次元位置決定のためのクロックエラーt(SPS_rcvr)、および(x、y、z)、あるいは二次元位置決定のための(x、y)である。セルサイトトランシーバに関する限り、未知数は、トランシーバクロックエラーt(cell_trcvr)である。セルサイトトランシーバは、それがGPSであるか、あるいは照準(ranging)アプリケーションで有効であるためのなんらかの時間である場合に、なんらかの共通システム時間に同期されなければならない。選ばれた基準時間に関係なく、セルサイト基地局は完全に同期することはできない。任意のセルベース同期タイミングエラーは、セルラー擬似距離エラーを生じさせる(タイミングエラーの1ナノ秒は、信号が光の速度で伝播すると仮定して、照準エラーの1フィートに同等である)。しかしながら、以下の測定値の最小セットの導出では、セルベーストランシーバ間の同期は完璧であると仮定されるだろう。セルサイトでのトランシーバアンテナの位置は、正確に知られると仮定される。アンテナ位置決めでのエラーは、セルラー擬似距離エラーに変換される。
【0041】
二次元位置決定が、最初に考慮される。三次元位置決めは、二次元の場合の単純な拡大である。
【0042】
GPSシステム時間に同期されているセル基地局トランシーバの状況の場合では、合計3つの未知数がある。つまり、2つの空間エラー(xとy)、および1つの時間エラーである。基地局トランシーバクロックt(cell_trcvr)およびSPS受信機クロックt(SPS_rcvr)は共通基準時間に従属装置として作動させられるため、1つの時間エラーしかない。これを検討する別の方法は、移動の時間、または両方とも1つの共通の時間のソース―GPSシステム時間に同期されているSPS受信機およびセルラートランシーバクロックによって測定される2倍の差異である、セルラー擬似距離を考慮することである。3つの未知数は、3つの独立した測定値を必要とする。i+jが3より大きいまたは3に等しい場合のi SPS擬似距離とjセルラー擬似距離の組み合わせである。好ましい実施形態は、サーバ/クライアントアーキテクチャアプローチおよび特に機能拡張されている911アプリケーションでの通信リンク要件を満たすために少なくとも1つのセルラー基地局と通信しなければならない。各独立セルラー擬似距離は、時間測定値を生じさせるセルベーストランシーバを必要とする。したがって、iセルラー擬似距離とは、i回の測定を行うi個の別個のセルラー基地局を意味する。
【0043】
非GPSシステム時間に同期されているセル基地局トランシーバの状況の場合においては、合計4つの未知数がある。つまり、2つの空間エラー(xとy)および2つの時間エラー(トランシーバクロックt(cell_trcvr)エラーおよびSPS受信機クロックt(SPS_rcvr)エラー)である。
【0044】
4つの未知数は、4つの独立した測定値を必要とする。つまり、i+jが4より大きいか、4に等しい場合のi SPS擬似距離とjセルラー擬似距離の組み合わせである。例えば、TDOAオーバレイアプローチにおいては、各独立セルラーTDOA測定は、時間測定値を生成する1組のセル基地局トランシーバを必要とする。このようにして、iセルラー擬似距離とは、i+1解の測定を行うi+1個の別個のセルラー基地局を意味する。
【0045】
三次元測位の場合、加算未知数zがあるため、追加の独立した測定値に対するニーズがある。この測定値は追加のセルラーまたはSPS擬似距離、あるいは関心のある領域内での高度のなんらかの概算(高度補助)に基づいた測定値である場合がある。
【0046】
本発明に従った方法の別の例は、図7および図8を参照しながらここに説明されるだろう。この例においては、統合された移動装置は、CDMAタイプのセルベース通信信号プロトコルを使用する統合されたセル電話/GPS受信機であってよい。このようにして、移動装置でのメッセージの受信時刻は、CDMA信号自体から得られてよく、移動装置からのメッセージの伝送時刻もCDMA信号から得られてよい。セルサイトは、セルサイトでのメッセージの受信時刻またはセルサイトからのメッセージの伝送時刻を得るためにCDMA信号を使用してよいか、あるいはセルサイトに接続されているGPS基準受信機から得られるGPS時間を使用してよい。図7および図8に図示されている方法は、911メッセージがセル電話から(セルサイトでの)無線セルベーストランシーバに送信されるステップ302で開始する。この911メッセージは、典型的にはユーザがセル電話で911をダイヤルすることによって引き起こされる。この911メッセージを伝送する時間はセル電話で記録され、この時間は、典型的にはセル電話から基地局またはセルサイトへ送信される。ステップ304では、該911メッセージは無線セルベーストランシーバで受信され、このメッセージの受信時刻も記録される。無線セルベーストランシーバに送信される伝送時刻および無線セルベーストランシーバで記録されるメッセージの受信時刻は、この911メッセージのセルラー擬似距離を求めるために使用され、これらの時刻は、典型的には、セルラー擬似距離を求めるGPS位置決めサーバに転送される。ステップ306では、GPS位置決めサーバが911要求を受け取り、GPS位置決め動作のための補助情報を決定する。1つの実施形態においては、この補助情報は、セルサイトの場所に基づいた視野の中の衛星についてのドップラー情報、および視野内の衛星の仕様を含んでよい。該サーバは、この補助情報をセルサイト(無線セルベーストランシーバ)を通して移動電話/GPS受信機に送信する。該セルサイトは、この補助情報の伝送の時刻を記録する。該記録された時刻は、この特定のセルサイトと移動装置間の距離を求めるために使用されてよい別のセルラー擬似距離を決定するために、該補助情報の移動装置での受信時刻とともに使用される。このセルラー擬似距離は、同じセルサイトと移動装置間の他のセルラー擬似距離と平均化されてよいことが理解されるだろう。
【0047】
ステップ308では、移動電話/GPS受信機は、補助情報を受信し、この補助情報の受信の時刻を記録する。受信の時刻は、CDMA信号内の時間情報から得られるか、あるいは移動装置がGPS衛星からのGPS信号からこれらの時間信号を読み取ることができる場合には、GPS信号内の時間情報から得られてよい。ステップ310では、移動装置は、GPS衛星信号を受信し、これらの信号の受信時刻を記録する。移動装置は、GPS信号自体のCDMA信号またはGPS時間信号の時間情報からこれらの信号の受信時刻を記録してよい。移動装置は、GPS衛星から適切な信号が得られる場合には、1つの例では、少なくとも1つの衛星擬似距離を求める。代わりに、GPS信号は収集され、バッファに入れられ、(時間スタンプ付きで)擬似距離を求める位置決めサーバに送信されてよい。ステップ312では、移動装置が視野の中にある多様な衛星についてそれが決定した衛星擬似距離を送信し、これらの擬似距離の伝送の時間を求め、この時間を位置決めサーバに転送するセルサイトにこの時間を送信する。ステップ314では、無線セルベーストランシーバが衛星擬似距離、これらの擬似距離の収集の時間および擬似距離の伝送の時間も受信し、セルベーストランシーバで得られるGPS時間からの擬似距離の受信の時刻も記録する。それから、この情報は、移動装置の位置を決定するために必要とされる計算の残りを実行する位置決めサーバに転送される。ステップ316では、位置決めサーバが、統合されたセル電話/GPS受信機内のセル電話と無線セルベーストランシーバの間の無線セルベース通信信号内でのメッセージの移動時間を表す少なくとも1つのセルラー擬似距離を求める。これらのセルラー擬似距離は、セルラー通信信号の中に埋め込まれているある特定のメッセージの伝送時刻および受信時刻から求められる。ステップ318では、位置決めサーバが衛星の位置および移動装置と通信中であった無線セルベーストランシーバの位置を決定する。GPS衛星の位置は、GPS基準ネットワークから、あるいは位置決めサーバでのオプションのGPS基準受信機から決定されてよい。移動装置と通信していた無線セルベーストランシーバの位置は、システム内の無線セルベーストランシーバごとの位置を指定するデータベースから得られてよい。
【0048】
ステップ320では、位置決めサーバが、少なくともGPS衛星までの擬似距離とセルラー擬似距離からGPS受信機/セル電話の位置、およびGPS衛星の位置、および無線セルベーストランシーバの位置、および典型的には少なくとも1つの追加情報を求める。GPS衛星までの1つの擬似距離だけが入手可能である場合も、移動装置の(二次元での)位置は、2つのセルラー擬似距離を使用することによって決定されてよい。2つの衛星擬似距離が得られるときには、別のセルラー擬似距離と組み合わされたセルラー擬似距離が三次元位置決定を提供してよい。
【0049】
本発明の方法および装置は、GPS衛星に関して説明されてきたが、教示が、プシュドライト(psedolites)または衛星とプシュドライトの組み合わせを活用する位置決めシステムに等しく適用可能であることが理解されるだろう。プシュドライトは、一般的にはGPS時間と同期されている、Lバンド搬送波信号上で変調される(GPS信号に類似する)擬似ランダムPNコードを一斉送信する地上ベースの送信機である。各送信機には、遠隔受信機による識別を可能とするために一意のPNコードが割り当てられてよい。プシュドライトは、トンネル、鉱山、建物またはそれ以外に封入された領域などの周回する衛星からのGPS信号が使用できない可能性がある状況で有効である。ここに使用されているような用語「衛星」は、プシュドライトまたはプシュドライトの同等物を含むことが意図され、ここに使用されているような用語GPS信号はプシュドライトまたはプシュドライトの同等物からのGPS状の信号を含むことが意図される。
【0050】
前記説明の中で、本発明は、米国全地球測位衛星(GPS)システムに基づいたアプリケーションに関して説明されてきました。しかしながら、これらの方法が類似する衛星測位システム、特にロシアグロナス(Russian Glonass)システムに等しく適用可能であることが明らかでなければならない。グロナスシステムは、おもに、異なる衛星からのエミッションが、さまざまな擬似距離コードを活用するよりむしろ、わずかに異なる搬送波周波数を活用することによって互いから区別されるとい点でGPSシステムと異なる。ここに使用されている用語「GPS」は、ロシアグロナスシステムを含むこのような代替衛星測位システムを含む。
【0051】
前記明細書の中では、本発明はその特定の例示的な実施形態に関して説明されてきた。しかしながら、多様な修正および変更は、添付クレームの中に述べられているような発明のさらに広い精神および範囲から逸脱せずに、そこに加えられてよいことが明らかだろう。したがって、該明細書および図面は、制限的な意味よりむしろ例証的な意味で見なされなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を具備する、位置情報を処理するための方法、
少なくとも一つのSPS衛星からのSPS信号をSPS受信器において受信する、
前記SPS受信器に接続された通信システムと前記SPS受信器から離間して設けられた第一のセルベース・トランシーバとの間で、無線信号であるところの、セルベース通信信号を送信する、
前記第一のセルベース・トランシーバと前記通信システムとからなるセルベース通信システムにおいて、前記セルベース通信信号に含まれるメッセージの伝搬時間を表す第一の時間測定値を測定する、
前記SPS信号の伝搬時間を表す第二の時間測定値を測定する、及び、
少なくとも前記第一の時間測定値と第二の時間測定値とから、前記SPS受信器の位置を検知する、ここで、前記セルベース通信信号は、前記第一のセルベース・トランシーバと前記通信システムとの間で双方向にデータメッセージを伝達することが可能である。
【請求項2】
前記通信システムは、前記SPS受信器と一体的に設けられた移動セルベース・トランシーバを含み、前記セルベース通信信号は埋め込まれたナビゲーション信号を含まない、請求項1記載の位置情報処理方法。
【請求項3】
前記SPS受信器は、前記少なくとも一つの衛星までの擬似距離を含む前記第二の時間測定値を測定し、前記通信システムは前記擬似距離と前記第一の時間測定値とを前記第一のセルベース・トランシーバへ送信し、前記第一のセルベース・トランシーバは前記第一の時間測定値と前記擬似距離とを前記位置を検知するデジタル処理システムへ送信する、請求項1記載の位置情報処理方法。
【請求項4】
前記デジタル処理システムは、衛星天体位置推算表(ephemeris)データを受信し、前記第一のセルベーストランシーバのための基地局位置データを取得し、前記SPS受信器の前記位置は、前記擬似範囲、前記第一の時間測定値、前記衛星天体位置推算表(ephemeris)データ、前記基地局位置データ、及び(a)第三の時間測定値と(b)第四の時間測定値のうちの一つに基づいて検知され、前記第三の時間測定値は、他のSPS衛星から前記SPS受信器へのSPS信号の伝搬時間を表し、また前記第四の時間測定値は、前記通信システムと他のセルベース・トランシーバとからなる前記セルベース通信システムにおける、前記セルベース通信信号に含まれる他のメッセージの伝搬時間を表す、請求項3記載の位置情報処理方法。
【請求項5】
前記セルベース通信信号を送信する時間は記録され、前記セルベース通信信号を受信する時間は記録される、請求項1記載の位置情報処理方法。
【請求項6】
前記送信する時間と前記受信する時間とにより前記第一の時間測定値が測定される、請求項5記載の位置情報処理方法。
【請求項7】
前記SPS受信器は、前記少なくとも一つの衛星までの擬似距離を含む前記第二の時間測定値を測定し、前記通信システムは前記擬似距離と前記第一の時間測定値とを前記第一のセルベース・トランシーバへ送信し、前記第一のセルベース・トランシーバは前記第一の時間測定値と前記擬似距離とを前記位置を検知するデジタル処理システムへ送信する、請求項6記載の位置情報処理方法。
【請求項8】
前記デジタル処理システムは、衛星天体位置推算表(ephemeris)データを受信し、前記第一のセルベース・トランシーバのための基地局位置データを取得し、前記位置は、前記擬似範囲、前記第一の時間測定値、前記衛星天体位置推算表(ephemeris)データ及び前記基地局位置データに基づいて検知される、請求項7記載の位置情報処理方法。
【請求項9】
前記SPS受信器の前記位置は、前記第一の時間測定値、前記第二の時間測定値、及び第三の時間測定値に基づいて検知され、前記第三の時間測定値は他のSPS衛星から前記SPS受信器へのSPS信号の伝搬時間を表す、請求項6記載の位置情報処理方法。
【請求項10】
前記SPS受信器におけるSPS信号の受信時間を表すSPS受信時間は、一つのSPS衛星からの、信号減衰の最も少ないSPS信号から測定される、請求項6記載の位置情報処理方法。
【請求項11】
前記セルベース通信信号は、前記SPS受信器の視界内の衛星のドップラー情報を、前記第一のセルベース・トランシーバから前記SPS受信器へ伝達するために、かつ前記第二の時間測定値を前記第一のセルベース・トランシーバへ伝達するために用いられる、請求項6記載の位置情報処理方法。
【請求項12】
下記を具備する、デジタル処理システムにおいて位置情報を処理するための方法、
前記デジタル処理システムと通信する第一のセルベース・トランシーバと、前記第一のセルベース・トランシーバと無線で通信する通信システムとからなるセルベース通信システムにおいて、セルベース通信信号に含まれるメッセージの伝搬時間を表す第一の時間測定値を測定する、及び
少なくとも前記第一の時間測定値と第二の時間測定値とから、SPS受信器の位置を測定する、ここで、前記第二の時間測定値は、前記通信システムと一体的に設けられ、かつ前記第一のセルベース・トランシーバと前記デジタル処理システムとから離間して設けられている前記SPS受信器において受信されるSPS信号の伝搬時間を表し、前記セルベース通信信号は前記通信システムから前記第一のセルベース・トランシーバへメッセージを伝達することが可能である。
【請求項13】
前記セルベース通信信号はメッセージを前記第一のセルベース・トランシーバと前記通信システムとの間で双方向的に伝達することが可能であり、前記SPS受信器の前記位置は、前記第一の時間測定値、前記第二の時間測定値、及び(a)第三の時間測定値と(b)第四の時間測定値のうちの一つ、に基づいて検知され、前記第三の時間測定値は、他のSPS衛星から前記SPS受信器へのSPS信号の伝搬時間を表し、また前記第四の時間測定値は、前記通信システムと他のセルベース・トランシーバとからなる前記セルベース通信システムにおける、前記セルベース通信信号に含まれる他のメッセージの伝搬時間を表す、請求項12記載の位置情報処理方法。
【請求項14】
前記メッセージは音声メッセージを含む、請求項13記載の位置情報処理方法。
【請求項15】
前記第二の時間測定値は前記SPS受信器において測定され、前記第二の時間測定値は前記通信システムから前記第一のセルベース・トランシーバへ伝送される、請求項13記載の位置情報処理方法。
【請求項16】
前記セルベース通信信号は埋め込み型ナビゲーション信号を含まない、請求項15記載の位置情報処理方法。
【請求項17】
前記第二の時間測定値はSPS衛星までの擬似距離を含み、前記第一のセルベース・トランシーバは前記擬似距離を、衛星天体位置推算表データを受信しかつ前記第一のセルベース・トランシーバの位置を表す基地局位置データを取得する前記デジタル処理システムへ伝送し、前記SPS受信器の前記位置は、前記擬似範囲、前記第一の時間測定値、前記衛星天体位置推算表データ及び前記基地局位置データに基づいて検知される、請求項15記載の位置情報処理方法。
【請求項18】
前記セルベース通信信号に含まれる前記メッセージを送信する時間は記録され、前記セルベース通信信号に含まれる前記メッセージを受信する時間は記録される、請求項17記載の位置情報処理方法。
【請求項19】
前記送信する時間と前記受信する時間とにより前記第一の時間測定値が測定される、請求項18記載の位置情報処理方法。
【請求項20】
下記を具備する、位置情報を処理するためのシステム、 少なくとも一つのSPS衛星と通信システムとからSPS信号を受信するSPS受信器、前記通信システムは前記SPS受信器に接続され一体化されている、 前記SPS受信器から離間され、かつセルベース通信信号を用いて前記通信システムと無線で通信する第一のセルベース・トランシーバ、
前記第一のセルベース・トランシーバに接続されたデジタル処理システム、ここで、前記デジタル処理システムは前記SPS受信器の位置を少なくとも第一の時間測定値と第二の時間測定値とから前記SPS受信器の位置を検知し、前記第一の時間測定値は、前記第一のセルベース・トランシーバと前記通信システムとからなるセルベース通信システムにおける、セルベース通信信号に含まれるメッセージの伝搬時間を表し、前記第二の時間測定値は前記SPS信号の伝搬時間を表し、前記セルベース通信信号は前記第一のセルベース・トランシーバと前記通信システムとの間で双方向にデータメッセージを伝達することが可能である。
【請求項21】
前記セルベース通信信号は埋め込み型ナビゲーション信号を含まない、請求項20記載の位置情報処理システム。
【請求項22】
前記SPS受信器は、SPS衛星までの擬似距離を含む前記第二の時間測定値を測定し、前記通信システムは前記擬似距離を前記第一のセルベース・トランシーバへ送信し、前記第一のセルベース・トランシーバは前記擬似距離を前記デジタル処理システムへ送信する、請求項20記載の位置情報処理システム。
【請求項23】
前記デジタル処理システムは、衛星天体位置推算表データを受信し、前記第一のセルベース・トランシーバのための基地局位置データを取得し、前記SPS受信器の前記位置は、前記擬似範囲、前記第一の時間測定値、前記衛星天体位置推算表データ及び前記基地局位置データから検知される、請求項22記載の位置情報処理システム。
【請求項24】
前記セルベース通信信号に含まれる前記メッセージを送信する時間は記録され、前記セルベース通信信号に含まれる前記メッセージを受信する時間は記録され、前記送信する時間と前記受信する時間とにより前記第一の時間測定値が測定される、請求項23記載の位置情報処理システム。
【請求項25】
前記メッセージは前記擬似範囲を含む、請求項24記載の位置情報処理システム。
【請求項26】
前記メッセージは、前記SPS受信器の視界内の衛星のドップラー情報を含む、請求項24記載の位置情報処理システム。
【請求項27】
前記メッセージは、前記通信システムからの911形式のメッセージを含む、請求項24記載の位置情報処理システム。
【請求項28】
前記SPS受信器の前記位置は、前記擬似範囲、前記第一の時間測定値、前記衛星天体位置推算表データ、前記基地局位置データ、及び(a)第三の時間測定値と(b)第四の時間測定値と(c)前記SPS受信器の近似高度とのうちのいずれか一つ、に基づいて検知され、前記第三の時間測定値は、他のSPS衛星から前記SPS受信器へのSPS信号の伝搬時間を表し、また前記第四の時間測定値は、前記通信システムと他のセルベース・トランシーバとからなる前記セルベース通信システムにおける、前記セルベース通信信号に含まれる他のメッセージの伝搬時間を表す、請求項24記載の位置情報処理システム。
【請求項29】
前記SPS受信器の前記位置は、前記第一の時間測定値、前記第二の時間測定値、及び(a)第三の時間測定値と(b)前記SPS受信器の近似高度とのうちのいずれか一つ、に基づいて検知され、前記第三の時間測定値は、他のSPS衛星から前記SPS受信器へのSPS信号の伝搬時間を表す、請求項6記載の方法。
【請求項30】
下記を具備する、衛星測位システム(SPS)受信器とセルベース通信システムとを含む移動統合システム、
SPS信号を受信可能なSPS受信器、前記SPS受信器はSPS衛星から前記SPS受信器へのSPS信号の伝搬時間を表す第一の時間測定値を測定するためのデータを与えることのできるものである、
離間されたセルベース・トランシーバと無線で通信可能な通信システム、ここで、前記通信システムは、前記通信システムと前記離間されたセルベース・トランシーバとの間における、セルベース通信信号に含まれるメッセージの伝搬時間を表す第二の時間測定値測定を測定するためのデータを与えることのできるものであり、前記セルベース通信信号は前記通信システムと前記離間されたセルベース・トランシーバとの間でメッセージを伝達できるものであり、かつ前記SPS受信器は前記通信システムに接続されている。
【請求項31】
前記移動統合システムの位置は、少なくとも一つの前記第一の時間測定値と前記第二の時間測定値の組み合わせから検知される、請求項30記載の移動統合システム。
【請求項32】
前記SPS衛星は、地球の軌道を回るGPS衛星であり、前記組み合わせは前記第一及び第二の時間測定値によって規定される測定値領域(measurement domain)の中にある、請求項31記載の移動統合システム。
【請求項33】
前記セルベース通信信号は埋め込まれたナビゲーション信号を含まない、請求項30記載の移動統合システム。
【請求項34】
前記移動統合システムは前記第二の時間測定値を測定する、請求項30記載の移動統合システム。
【請求項35】
離間されたデジタル処理システムが前記第二の時間測定値と前記位置を測定する、請求項31記載の移動統合システム。
【請求項36】
前記移動統合システムは前記移動統合システムの位置を測定する、請求項34記載の移動統合システム。
【請求項37】
前記位置は、前記第一の時間測定値、前記第二の時間測定値、及び(a)第三の時間測定値と(b)第四の時間測定値とのうちのいずれか一つ、に基づいて検知され、前記第三の時間測定値は、他のSPS衛星から前記SPS受信器へのSPS信号の伝搬時間を表し、前記第四の時間測定値は、前記通信システムと他のセルベース・トランシーバとからなる前記セルベース通信システムにおける、前記セルベース通信信号に含まれる他のメッセージの伝搬時間を表す、請求項31記載の移動統合システム。
【請求項38】
前記移動統合システムは、前記セルベース通信信号に含まれる、少なくとも前記SPS衛星のための衛星天体位置推算表データを受信する、請求項32記載の移動統合システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−169688(P2010−169688A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−16801(P2010−16801)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【分割の表示】特願2000−545042(P2000−545042)の分割
【原出願日】平成11年4月12日(1999.4.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(500480274)スナップトラック・インコーポレーテッド (21)
【Fターム(参考)】