説明

無線通信装置、無線通信システム、及び感度調整方法

【課題】干渉信号に応じて受信タイミングが制御されることで非干渉信号の継続的な受信が途切れてしまうのを防止すること。
【解決手段】強度が閾値を下回る信号を排除するフィルタと、自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別する信号判別部と、干渉信号が前記フィルタを通過した場合に、前記フィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記閾値を引き上げる閾値調整部と、を備える、無線通信装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、無線通信装置、無線通信システム、及び感度調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像や音声などのデータをストリーミング配信する技術が広く利用されている。また、一般家庭においても無線ネットワークが普及してきている。そのため、無線ネットワークを介して、ストリーミング配信された映像や音声などのデータを再生装置に伝送する技術に注目が集まっている。但し、継続的に供給されるデータを途切れることなく無線伝送することは難しい。例えば、IEEE802.11に基づく無線ネットワークを利用する場合、キャリアセンスレベルを超える強度の干渉電波を受けると、CSMA/CAに基づく受信タイミングの制御が働き、データの受信が滞ってしまう。なお、下記の特許文献1、2には、外来ノイズや解読不能な信号を除去するために受信感度レベルを自動調整する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−191311号公報
【特許文献2】特開2009−193176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の特許文献1、2に記載の技術を用いても、近隣の無線ネットワーク内で送受信される解読可能なデータを干渉電波として排除することは難しい。そこで、本技術は、上記のような事情を受けて考案されたものであり、干渉信号に応じて受信タイミングが制御されることで非干渉信号の継続的な受信が途切れてしまうのを防止することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信システム、及び感度調整方法を提供することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本技術のある観点によれば、強度が閾値を下回る信号を排除するフィルタと、自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別する信号判別部と、干渉信号が前記フィルタを通過した場合に、前記フィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記閾値を引き上げる閾値調整部と、を備える、無線通信装置が提供される。
【0006】
また、上記の無線通信装置は、前記閾値調整部による閾値の調整後に、前記自装置が接続しているネットワーク内の他の無線通信装置に対して信号を送信する信号送信部と、前記信号送信部により送信された信号に応じて前記他の無線通信装置から送信される応答信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部により応答信号が受信される期間を予測する受信期間予測部と、をさらに備えていてもよい。この場合、前記閾値調整部は、前記受信期間予測部により予測された期間だけ一時的に前記閾値を引き下げる。
【0007】
また、上記の無線通信装置は、前記閾値調整部による閾値の調整後に、前記自装置が接続しているネットワーク内の他の無線通信装置に対して応答信号の送信を要求する信号要求部と、前記信号要求部による要求後、少なくとも1台の前記他の無線通信装置から前記応答信号を受信できなかった場合にチャンネルを変更するチャンネル変更部と、をさらに備えていてもよい。
【0008】
また、上記の無線通信装置は、前記閾値調整部による閾値の調整後に、前記自装置が接続しているネットワーク内の他の無線通信装置に対して応答信号の送信を要求する信号要求部をさらに備えていてもよい。この場合、前記閾値調整部は、前記信号要求部による要求後、少なくとも1台の前記他の無線通信装置から前記応答信号を受信できなかった場合に前記閾値を引き下げる。
【0009】
また、前記閾値調整部は、前記信号要求部による要求後、少なくとも1台の前記他の無線通信装置から前記応答信号を受信できなかった場合に、全ての前記他の無線通信装置から前記応答信号が受信されるまで前記閾値を段階的に引き下げるように構成されていてもよい。
【0010】
また、上記の無線通信装置は、前記信号要求部による要求後、少なくとも1台の前記他の無線通信装置から前記応答信号を受信できなかった場合に、前記応答信号を受信できなかった前記他の無線通信装置を識別するための識別情報を表示する情報表示部をさらに備えていてもよい。
【0011】
また、前記非干渉信号は、ストリーミング配信された映像又は音声を少なくとも含むものであってもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本技術の別の観点によれば、強度が第1の閾値を下回る信号を排除する第1のフィルタと、自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別する第1の信号判別部と、干渉信号が前記第1のフィルタを通過した場合に、前記第1のフィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記第1の閾値を引き上げる第1の閾値調整部と、を有する、第1の無線通信装置と、強度が第2の閾値を下回る信号を排除する第2のフィルタと、自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別する第2の信号判別部と、干渉信号が前記第2のフィルタを通過した場合に、前記第2のフィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記第2の閾値を引き上げる第2の閾値調整部と、を有し、前記ネットワークを介して前記第1の無線通信装置に接続された第2の無線通信装置と、を含み、前記第1の無線通信装置は、ストリーミング配信された映像又は音声を少なくとも含む非干渉信号を前記ネットワークを介して前記第2の無線通信装置に送信する、無線通信システムが提供される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本技術の別の観点によれば、強度が閾値を下回る信号を排除するフィルタを有する無線通信装置が、自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別する信号判別ステップと、干渉信号が前記フィルタを通過した場合に、前記フィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記閾値を引き上げる閾値調整ステップと、を含む、感度調整方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本技術によれば、干渉信号に応じて受信タイミングが制御されることで非干渉信号の継続的な受信が途切れてしまうのを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電波干渉による影響について説明するための説明図である。
【図2】音声配信システムの構成例を示した説明図である。
【図3】音声配信システムの構成例を示した説明図である。
【図4】アクセスポイントの機能構成例を示した説明図である。
【図5】音声出力装置の機能構成例を示した説明図である。
【図6】音声再生装置の機能構成例を示した説明図である。
【図7】本実施形態に係る無線処理部の機能構成例を示した説明図である。
【図8】本実施形態に係る感度調整方法について説明するための説明図である。
【図9】本実施形態に係る感度調整方法について説明するための説明図である。
【図10】本実施形態に係る感度調整方法について説明するための説明図である。
【図11】本実施形態に係る感度調整方法について説明するための説明図である。
【図12】本実施形態に係る感度調整方法(変形例#1)について説明するための説明図である。
【図13】本実施形態に係る感度調整方法(変形例#1)について説明するための説明図である。
【図14】本実施形態に係る感度調整方法(変形例#2)について説明するための説明図である。
【図15】本実施形態に係る感度調整方法(変形例#2)について説明するための説明図である。
【図16】本実施形態に係る感度調整方法について説明するための説明図である。
【図17】本実施形態に係る感度調整方法について説明するための説明図である。
【図18】本実施形態に係る感度調整方法について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本技術に係る好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する説明の流れについて簡単に述べる。
【0018】
まず、図1を参照しながら、電波干渉による影響について説明する。次いで、図2及び図3を参照しながら、音声配信システム100の構成例について説明する。次いで、図4を参照しながら、アクセスポイント110の構成例について説明する。次いで、図5を参照しながら、音声出力装置120の構成例について説明する。次いで、図6を参照しながら、音声再生装置130の構成例について説明する。次いで、図7を参照しながら、本実施形態に係る無線処理部114、124、134の構成例について説明する。次いで、図8〜図18を参照しながら、本実施形態に係る感度調整方法について説明する。
【0019】
最後に、本実施形態に係る技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
【0020】
(説明項目)
1:はじめに
1−1:電波干渉の影響について
1−2:音声配信システム100の構成例
1−2−1:システム構成
1−2−2:アクセスポイント110の構成例
1−2−3:音声出力装置120の構成例
1−2−4:音声再生装置130の構成例
1−3:ストリーミング配信について
2:実施形態
2−1:無線処理部114、124、134の構成例について
2−2:感度調整方法(アクセスポイント110の場合)
2−2−1:基本構成
2−2−2:変形例#1(チャンネル変更)
2−2−3:変形例#2(段階的な感度の緩和)
2−3:感度調整方法(端末の場合)
2−4:ACKを確実に受信するための構成
3:まとめ
【0021】
<1:はじめに>
はじめに、音声や映像などのデータを無線ネットワークによりストリーミング配信する状況で電波干渉がストリーミング配信に及ぼす影響について述べる。なお、以下の説明においては、無線ネットワークの一例として無線LAN(Local Area Network)を考える。また、ストリーミング配信されるデータの一例として音声データを考える。もちろん、映像データのストリーミング配信についても同様に考えることができる。
【0022】
[1−1:電波干渉の影響について]
無線LANの新たな用途として、ストリーミング配信された音声や映像などのデータを無線LANにより家庭内で伝送する用途が検討されている。これまで、無線LANの技術は、通信到達距離を少しでも長くすることや、スループットを少しでも向上させることを目指して改良が重ねられてきた。例えば、受信感度の調整法に関し、通信到達距離を少しでも長くするために受信感度を向上させるための技術改良が進められてきた。一方、受信感度を高めることにより不要な干渉電波を受信してしまうため、そうした不要な干渉電波を排除するための技術改良が進められてきた。
【0023】
受信感度の向上は、干渉電波を無視できるような環境において性能の向上に直結する。一方で、住宅密集地など、無線LANの電波が飛び交う環境においては干渉の頻度が増大し、結果として接続不良やスループットの低下を引き起こしてしまう。こうした理由から受信感度の設定は、環境や用途に応じて適切に行われることが好ましい。では、ストリーミング配信される音声データを家庭内で無線LANにより伝送するには、どのような受信感度に設定すればよいのだろうか。この疑問について少し検討してみたい。
【0024】
無線LANにより音声データを家庭内でストリーミング配信する場合、音声データの無線伝送に要求される要件は、音声データの無線伝送に用いるネットワークに接続された機器が円滑に通信を行えることである。つまり、家庭内のネットワークに接続された機器間で十分なスループットが得られ、途切れることなく音声データが無線伝送されることが要件になる。従って、通信到達距離は、家庭内のネットワークに接続された機器間の距離で十分である。しかしながら、外来ノイズの他に、隣家など、近隣の場所で発信された電波の干渉は避けられない。
【0025】
例えば、IEEE802.11規格に基づく無線LANの場合、電波干渉による伝送品質の低下を避ける仕組みとしてCSMA/CAが採用されている。CSMA/CAによると、対象機器が他の機器から送信された電波を受けている場合、他の機器が電波の送信が止むまでの間、対象機器は電波の送信を禁じられることになっている。電波の送信を禁じられた状態が長く続くと、音声データの伝送が途切れてしまう。また、この状態が頻繁に起きると、ストリーミング配信に耐えるスループットが得られなくなってしまう。
【0026】
このような状態を避けるため、環境に応じて適切に設定することが好ましい。しかしながら、電波干渉の影響は、ユーザが利用している無線環境や家屋の構造などに依存する。そのため、機器を製造しているメーカーが工場出荷時に適切な感度調整を行うことは難しい。こうした理由から、環境に応じて受信感度を自動調整する技術の検討が進められている。
【0027】
例えば、図1のモデルを考える。図1は、家屋10内に設置されたアクセスポイント12が受ける干渉電波のモデルを示した説明図である。図1には、隣接する家屋10、20が記載されている。また、家屋10には、無線通信端末11及びアクセスポイント12が設置されているものとする。同様に、家屋20には、無線通信端末21及びアクセスポイント22が設置されているものとする。
【0028】
いま、家屋10内で無線通信端末11とアクセスポイント12とが無線通信しているものとしよう。また、家屋20内で無線通信端末21とアクセスポイント22とが無線通信しているものと仮定する。この場合、無線通信端末11とアクセスポイント12との間で電波(非干渉電波)が送受信されている。一方、無線通信端末21とアクセスポイント22との間で送受信される電波は、一部が干渉電波としてアクセスポイント12に到達してしまう。また、家屋20以外の場所からもアクセスポイント12に干渉電波が到達することが考えられる。
【0029】
物理的な距離や遮蔽物の存在により干渉電波の強度は弱まる。そのため、無線LANの帯域内にある電波であっても、強度の弱まった電波は、識別不能な品質のノイズに過ぎない。一方、隣接する家屋20内で飛び交う電波は、家屋10に到達した段階でも十分に強度が弱まっておらず、識別可能な品質の信号としてアクセスポイント12に到達してしまうことがある。なお、ここではアクセスポイント12に注目したが、無線通信端末11も干渉電波の影響を受けている。但し、ここではアクセスポイント12に注目して話を進める。
【0030】
アクセスポイント12に到達する電波のうち、無線通信端末11から送信された非干渉電波が最も強いと考えられる。そして、アクセスポイント22又は無線通信端末21から送信された干渉電波が次に強いと考えられる。但し、どちらの干渉電波が強いかは環境に依存する。ここではアクセスポイント22から送信された干渉電波の方が無線通信端末21から送信された干渉電波よりも強いと仮定する。なお、家屋20以外の場所から送信された干渉電波は、アクセスポイント22又は無線通信端末21から送信された干渉電波よりも弱いと仮定する。
【0031】
CSMA/CAによると、干渉電波の強度がキャリアセンスレベルを超えた場合、その干渉電波を送信した他の機器が送信を停止するまで、アクセスポイント12は送信待機状態となる。例えば、アクセスポイント22から送信された干渉電波の強度がキャリアセンスレベルを超えた場合、アクセスポイント12は、アクセスポイント22が電波を送信している間、送信を禁じられてしまう。住宅密集地などでは、隣接する家屋に設置された機器から送信された電波の強度がキャリアセンスレベルを超えることが頻繁にある。そのため、こうした環境ではデータの伝送が頻繁に滞ってしまう。
【0032】
先に述べたように、家庭内の無線LANを利用して音声データをストリーミング配信する用途であれば、無線LANの通信到達距離は、家庭内にある機器間の距離に制限してもよい。従って、図1のモデルで言えば、家屋10の外にある機器(例えば、無線通信端末21やアクセスポイント22)から送信される電波を感知しないようにすることが好ましい。
【0033】
音声データをストリーミング配信するには十分な伝送速度が必要になる。伝送速度が十分でないと音声が途切れてしまう。例えば、サンプリング周波数=48kHz、量子化ビット数=16ビット、ステレオの条件下で、音声が途切れずに伝送される十分な伝送速度は、約1.5Mbpsである。IEEE802.11b/gの場合、実効伝送速度が物理伝送速度の約50%と考えられるので、何も障害が無い状態でも3Mbps以上という高速な物理伝送速度が求められることになる。そのため、音声データをストリーミング配信する場合には、実効伝送速度を下げる要因を極力排除する努力が求められる。
【0034】
以上、電波干渉の影響について説明した。ここでは音声データのストリーミング配信を例に挙げたが、映像データのストリーミング配信についても同様である。
【0035】
[1−2:音声配信システム100の構成例]
次に、図2〜図6を参照しながら、音声データのストリーミング配信を実現することが可能な音声配信システム100の構成例について述べる。
【0036】
(1−2−1:システム構成)
まず、図2及び図3を参照しながら、音声配信システム100のシステム構成について述べる。図2及び図3は、音声配信システム100のシステム構成例を示した説明図である。
【0037】
(例1)
図2に示すように、音声配信システム100は、例えば、アクセスポイント110及び音声出力装置120により構成することができる。この構成の場合、音声データは、有線でアクセスポイント110に入力される。音声データが入力されると、アクセスポイント110は、入力された音声データを音声出力装置120に無線伝送する。音声データを受信すると、音声出力装置120は、受信した音声データを出力する。このように、アクセスポイント110と音声出力装置120との間を無線LANにより接続する構成が考えられる。
【0038】
(例2)
また、図3に示すように、音声配信システム100は、例えば、アクセスポイント110、音声出力装置120、及び音声再生装置130により構成することもできる。この構成の場合、音声データは、音声再生装置130からアクセスポイント110に無線伝送される。音声データを受信すると、アクセスポイント110は、受信した音声データを音声出力装置120に無線伝送する。音声データを受信すると、音声出力装置120は、受信した音声データを出力する。このように、音声再生装置130とアクセスポイント110との間、及び、アクセスポイント110と音声出力装置120との間を無線LANにより接続する構成が考えられる。
【0039】
以上、音声配信システム100のシステム構成例について説明した。但し、音声配信システム100のシステム構成例はこれに限定されない。
【0040】
(1−2−2:アクセスポイント110の構成例)
次に、図4を参照しながら、アクセスポイント110の構成例について説明する。図4は、アクセスポイント110の構成例を示した説明図である。
【0041】
図4に示すように、アクセスポイント110は、主に、アンテナ111と、アンテナスイッチ112と、RF処理部113と、無線処理部114と、制御部115(MCU:マイクロコントローラユニット)と、メモリ116とにより構成される。なお、図4の例には、アンテナスイッチ112により送受信を切り替える仕組みを用いて1本のアンテナ111を送信及び受信に利用する構成が記載されているが、送信アンテナと受信アンテナとを別に設けてもよい。
【0042】
(受信時の動作)
まず、受信時の動作について説明する。
【0043】
アンテナ111により受信された信号は、アンテナスイッチ112を介してRF処理部113に入力される。信号が入力されると、RF処理部113は、信号の増幅、検波、復調など、信号をデジタル化する前段の処理を実行する。RF処理部113から出力された信号は、無線処理部114に入力される。無線処理部114は、入力された信号をデジタル信号に変換する。次いで、無線処理部114は、デジタル信号から送信元のESS−IDを抽出する。次いで、無線処理部114は、抽出したESS−IDと自身が保持するESS−IDとを照合し、入力された信号がネットワーク接続先から送信された信号か否かを判別する。
【0044】
また、無線処理部114は、デジタル信号に含まれる制御コマンドを解読し、その制御コマンドに応じて信号の送受信を制御する。さらに、無線処理部114は、パケットからデータを取り出したり、データの送受信に関する処理を制御したりする。また、無線処理部114は、後述するように受信感度を設定する機能を有する。なお、無線処理部114によりヘッダなどの冗長部分が取り除かれたデータは、メモリ116に格納される。また、アンテナスイッチ112、RF処理部113、無線処理部114の動作は制御部115により制御される。
【0045】
(送信時の動作)
次に、送信時の動作について説明する。
【0046】
まず、無線処理部114は、メモリ116に格納されたデータを読み出す。次いで、無線処理部114は、無線プロトコルに従ってデータを変換し、付随情報などを付加してデジタル信号を生成する。次いで、無線処理部114は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。無線処理部114から出力されたアナログ信号は、RF処理部113に入力される。アナログ信号が入力されると、RF処理部113は、入力されたアナログ信号をキャリア変調する。さらに、RF処理部113は、キャリア変調したアナログ信号を電力増幅し、アンテナスイッチ112を介してアンテナ111から送信する。
【0047】
以上、アクセスポイント110の構成例について説明した。
【0048】
(1−2−3:音声出力装置120の構成例)
次に、図5を参照しながら、音声出力装置120の構成例について説明する。図5は、音声出力装置120の構成例を示した説明図である。
【0049】
図5に示すように、音声出力装置120は、主に、アンテナ121と、アンテナスイッチ122と、RF処理部123と、無線処理部124と、音声処理部125と、制御部126(MCU)と、音声出力部127と、メモリ128とにより構成される。なお、図5の例には、アンテナスイッチ122により送受信を切り替える仕組みを用いて1本のアンテナ121を送信及び受信に利用する構成が記載されているが、送信アンテナと受信アンテナとを別に設けてもよい。
【0050】
(受信時の動作)
まず、受信時の動作について説明する。
【0051】
アンテナ121により受信された信号は、アンテナスイッチ122を介してRF処理部123に入力される。信号が入力されると、RF処理部123は、信号の増幅、検波、復調など、信号をデジタル化する前段の処理を実行する。RF処理部123から出力された信号は、無線処理部124に入力される。無線処理部124は、入力された信号をデジタル信号に変換する。次いで、無線処理部124は、デジタル信号から送信元のESS−IDを抽出する。次いで、無線処理部124は、抽出したESS−IDと自身が保持するESS−IDとを照合し、入力された信号がネットワーク接続先から送信された信号か否かを判別する。
【0052】
また、無線処理部124は、デジタル信号に含まれる制御コマンドを解読し、その制御コマンドに応じて信号の送受信を制御する。さらに、無線処理部124は、パケットからデータを取り出したり、データの送受信に関する処理を制御したりする。また、無線処理部124は、後述するように受信感度を設定する機能を有する。なお、無線処理部124によりヘッダなどの冗長部分が取り除かれたデータは、音声処理部125に入力される。例えば、音声処理部125には、メタデータなどの情報データ、音声データ、制御部126の要求に応じて出力されるデータなどが入力される。
【0053】
無線処理部124から出力される音声データは、デジタル音声フォーマットで規定されるサンプリング周波数に同期していない。そのため、音声処理部125は、入力された音声データをメモリ128に格納する。そして、音声処理部125は、デジタル音声フォーマットで規定されるサンプリング周波数に同期してメモリ128から音声データを読み出し、音声出力部127に入力する。音声出力部127は、入力された音声データを出力する。なお、アンテナスイッチ122、RF処理部123、無線処理部124、音声処理部125の動作は制御部126により制御される。
【0054】
(送信時の動作)
次に、送信時の動作について説明する。
【0055】
まず、無線処理部124は、無線プロトコルに従って制御部126から出力された送信データを変換し、付随情報などを付加してデジタル信号を生成する。次いで、無線処理部124は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。無線処理部124から出力されたアナログ信号は、RF処理部123に入力される。アナログ信号が入力されると、RF処理部123は、入力されたアナログ信号をキャリア変調する。さらに、RF処理部123は、キャリア変調したアナログ信号を電力増幅し、アンテナスイッチ122を介してアンテナ121から送信する。
【0056】
以上、音声出力装置120の構成例について説明した。
【0057】
(1−2−4:音声再生装置130の構成例)
次に、図6を参照しながら、音声再生装置130の構成例について説明する。図6は、音声再生装置130の構成例を示した説明図である。
【0058】
図6に示すように、音声再生装置130は、主に、アンテナ131と、アンテナスイッチ132と、RF処理部133と、無線処理部134と、音声処理部135と、制御部136(MCU)と、音声再生部137と、メモリ138とにより構成される。なお、図6の例には、アンテナスイッチ132により送受信を切り替える仕組みを用いて1本のアンテナ131を送信及び受信に利用する構成が記載されているが、送信アンテナと受信アンテナとを別に設けてもよい。
【0059】
(受信時の動作)
まず、受信時の動作について説明する。
【0060】
アンテナ131により受信された信号は、アンテナスイッチ132を介してRF処理部133に入力される。信号が入力されると、RF処理部133は、信号の増幅、検波、復調など、信号をデジタル化する前段の処理を実行する。RF処理部133から出力された信号は、無線処理部134に入力される。無線処理部134は、入力された信号をデジタル信号に変換する。次いで、無線処理部134は、デジタル信号から送信元のESS−IDを抽出する。次いで、無線処理部134は、抽出したESS−IDと自身が保持するESS−IDとを照合し、入力された信号がネットワーク接続先から送信された信号か否かを判別する。
【0061】
また、無線処理部134は、デジタル信号に含まれる制御コマンドを解読し、その制御コマンドに応じて信号の送受信を制御する。さらに、無線処理部134は、パケットからデータを取り出したり、データの送受信に関する処理を制御したりする。また、無線処理部134は、後述するように受信感度を設定する機能を有する。なお、無線処理部134によりヘッダなどの冗長部分が取り除かれたデータは、制御部136に入力される。なお、アンテナスイッチ132、RF処理部133、無線処理部134、音声処理部135の動作は制御部136により制御される。
【0062】
(送信時の動作)
次に、送信時の動作について説明する。
【0063】
まず、音声再生部137は、記録媒体やテレビジョン受像器などから音声データを取得し、デジタル音声フォーマットで規定されるサンプリング周波数に同期して音声処理部135に入力する。音声データが入力されると、音声処理部135は、入力された音声データをメモリ138に格納する。そして、音声処理部135は、無線処理部134の要求に応じてメモリ138から音声データを読み出し、読み出した音声データを無線処理部134に入力する。
【0064】
次いで、無線処理部134は、無線プロトコルに従って音声データを変換し、付随情報などを付加してデジタル信号を生成する。次いで、無線処理部134は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。無線処理部134から出力されたアナログ信号は、RF処理部133に入力される。アナログ信号が入力されると、RF処理部133は、入力されたアナログ信号をキャリア変調する。さらに、RF処理部133は、キャリア変調したアナログ信号を電力増幅し、アンテナスイッチ132を介してアンテナ131から送信する。
【0065】
以上、音声再生装置130の構成例について説明した。なお、音声再生装置130は、図示しない音声出力部をさらに有していてもよい。
【0066】
[1−3:ストリーミング配信について]
上記のように、アンテナ121、131から無線処理部124、134までのブロックで実行される無線動作の物理的な基準となる規定は、音声データの入出力に関する基準とは異なる。つまり、送受信のタイミング、パケットサイズ、伝送速度などは、デジタル音声フォーマットで規定されるサンプリング周波数とは同期していない。そのため、音声処理部125、135は、メモリ128、138に音声データを格納し、音声データの出力タイミングを調整する。そのため、無線LANを利用して音声データを途切れずに配信するには、無線LANの実効的な伝送速度≫音声データのサンプリング速度という関係を満たす必要がある。従って、CSMA/CAなどのタイミング制御を受けて実効的なスループットの低下が発生するのを防止する施策が求められる。
【0067】
こうした事情を受け、本件発明者は、自分のネットワーク上に無い機器から送信された電波を判別し、その電波を受信しないように感度調整を行う仕組みを考案した。この仕組みを利用することで、家庭内の無線LANを利用して音声データのストリーミング配信を円滑に行うことが可能になる。なお、ここでは無線LANを例に挙げて説明するが、Bluetooth(登録商標)や他の無線通信手段を用いても同様の仕組みを構築することが可能である。また、音声データのストリーミング配信を例に挙げて説明するが、映像データなど、他種類のデータをストリーミング配信する場合にも同じ仕組みを適用することができる。以下、この仕組みについて、より詳細に説明する。
【0068】
<2:実施形態>
本技術の一実施形態について説明する。本実施形態は、上記の無線処理部114、124、134の機能に関する。
【0069】
[2−1:無線処理部114、124、134の構成例について]
まず、図7を参照しながら、本実施形態に係る無線処理部114、124、134の構成例について説明する。図7は、本実施形態に係る無線処理部114、124、134の構成例を示した説明図である。但し、図7に示した構成例は、無線処理部114、124、134を構成する要素のうち、本実施形態に係る一部の要素(受信ブロック)を抜粋したものである。
【0070】
図7に示すように、無線処理部114、124、134の受信ブロックは、ADコンバータ141と、フィルタ142と、復調部143と、MAC処理部144と、RSSI検出部145と、遅延処理部146とを含む。なお、RSSIは、Received Signal Strength Indicationの略である。また、MACは、Media Access Controlの略である。
【0071】
ADコンバータ141には、RF処理部113、123、133により中間周波数(IF)に変換された信号(以下、IF信号)が入力される。ADコンバータ141は、入力されたアナログのIF信号をデジタル信号に変換し、フィルタ142及びRSSI検出部145に入力する。フィルタ142は、入力されたデジタル信号の強度が閾値を上回る場合に、そのデジタル信号を復調部143に入力する。つまり、フィルタ142の閾値は受信感度を決定する。復調部143は、フィルタ142を通過したデジタル信号を復調し、パケットの内容が判読可能なフォーマットに変換された信号をMAC処理部144に入力する。
【0072】
MAC処理部144は、パケットを送信した機器、その機器が属するネットワーク、そのパケットが送信される機器を判別する。自身が接続しているネットワーク内の機器から送信されたパケットであった場合、MAC処理部144は、パケットの内容を解読し、所定の処理を施して後段のブロックに出力する。一方、自身が接続していないネットワーク内の機器から送信されたパケットであった場合、MAC処理部144は、後述する受信感度の調整を実行する。
【0073】
RSSI検出部145は、入力されたデジタル信号の強度(RSSI)を検出する。RSSI検出部145により検出されたRSSIは、遅延処理部146に入力される。遅延処理部146は、フィルタ142を通過したデジタル信号が復調部143により復調されるまでの間、RSSIの出力を遅延させる。遅延後、RSSIは、MAC処理部144に入力される。なお、受信感度の調整を実行する場合、MAC処理部144は、入力されたRSSIをフィルタ142の閾値に設定する。この閾値の設定により、自身が接続していないネットワーク内の機器から送信されたデジタル信号をフィルタ142により排除できるようになる。
【0074】
以上、無線処理部114、124、134の受信ブロックの構成例について説明した。
【0075】
[2−2:感度調整方法(アクセスポイント110の場合)]
次に、本実施形態に係る感度調整方法について説明する。
【0076】
(2−2−1:基本構成)
次に、図8及び図9を参照しながら、本実施形態に係る感度調整方法の基本的な構成について説明する。図8及び図9は、本実施形態に係る感度調整方法の基本的な構成について説明するための説明図である。なお、以下で説明する感度調整方法は、アクセスポイント110に関するものである。また、ここで説明する感度調整方法は、主に無線処理部114の機能により実現される。
【0077】
図8に示すように、感度調整を開始すると、無線処理部114は、タイマー#1をスタートさせる(S101)。このタイマー#1は、N秒をカウントアップするタイマーであるとする。また、無線処理部114は、タイマー#1がN秒に達した場合、ステップS102〜S108の処理ステップを実行中でも処理をステップAに進める。次いで、無線処理部114は、同じネットワークに接続している全ての装置に対し、感度調整の開始をブロードキャストで通知する(S102)。例えば、無線処理部114は、音声出力装置120及び音声再生装置130に感度調整の開始を通知する。
【0078】
次いで、無線処理部114は、ステップS102で感度調整の開始を通知した全ての装置からACKを受信したか否かを判定する(S103)。全ての装置からACKを受信した場合、無線処理部114は、処理をステップS104に進める。一方、少なくとも1台の装置からACKを受信できなかった場合、無線処理部114は、処理をステップS103に戻し、ステップS103の処理を繰り返す。
【0079】
処理をステップS104に進めた場合、無線処理部114は、受信待ち受け状態になり、信号を受信したか否かを判定する(S104)。信号を受信した場合、無線処理部114は、処理をステップS105に進める。一方、信号を受信していない場合、無線処理部114は、処理をステップS104に戻し、ステップS104の処理を繰り返す。
【0080】
処理をステップS105に進めた場合、無線処理部114は、受信した信号が非干渉信号であるか否かを判定する(S105)。つまり、無線処理部114は、受信した信号が、同じネットワークに接続された装置により送信された信号(非干渉信号)であるか否かを判定する。受信した信号が非干渉信号である場合、無線処理部114は、処理をステップS104に進める。一方、受信した信号が非干渉信号でない場合、無線処理部114は、処理をステップS106に進める。
【0081】
処理をステップS106に進めた場合、無線処理部114は、受信した信号のRSSIを読み込む(S106)。次いで、無線処理部114は、フィルタ閾値XをX≧RSSIに設定する(S107)。次いで、無線処理部114は、タイマー#2をスタートさせ(S108)、処理をステップS104に進める。このタイマー#2は、n秒をカウントアップするタイマーであるとする。また、無線処理部114は、タイマー#2がn秒に達した場合、ステップS104〜S108の処理ステップを実行中でも処理をステップAに進める。
【0082】
処理をステップAに進めた場合、図9に示すように、無線処理部114は、インデックスiを1に初期化する(S109)。次いで、無線処理部114は、同じネットワークに接続された装置のうち、i番目の装置に対してデータ信号の送信を要求する(S110)。次いで、無線処理部114は、タイマー#3をスタートさせる(S111)。このタイマー#3は、m秒をカウントアップするタイマーであるとする。また、無線処理部114は、タイマー#3がm秒に達した場合、ステップS112〜S114の処理ステップを実行中でも処理をステップS116に進める。
【0083】
次いで、無線処理部114は、i番目の装置からデータ信号を受信し(S112)、処理をステップS113に進める。但し、i番目の装置からデータ信号を受信できない場合、無線処理部114は、i番目の装置からデータ信号が受信されるまで待機する。処理をステップS113に進めた場合、無線処理部114は、i=MAXか否かを判定する(S113)。但し、MAXは、同じネットワークに接続された装置の総数である。i=MAXの場合、無線処理部114は、処理をステップS115に進める。一方、i≠MAXの場合、無線処理部114は、処理をステップS114に進める。
【0084】
処理をステップS114に進めた場合、無線処理部114は、インデックスiを1だけインクリメントし(S114)、処理をステップS110に進める。一方、処理をステップS115に進めた場合、無線処理部114は、同じネットワークに接続された全ての装置に対して感度調整の終了を通知し(S115)、感度調整に関する一連の処理を終了する。
【0085】
また、処理の途中でタイマー#3がタイムアウトし、処理をステップS116に進めた場合、無線処理部114は、感度調整が失敗したものとしてエラー処理を実行する(S116)。例えば、図10に示すように、無線処理部114は、データ信号を受信できなかった装置の情報を表示デバイス(非図示)に表示する。このとき、その装置の設置位置を変更するようにユーザに促してもよい。また、図11に示すように、無線処理部114は、データ信号を受信できなかった装置を対象に感度調整を再実行する。
【0086】
以上、本実施形態に係る感度調整方法の基本的な構成について説明した。
【0087】
(2−2−2:変形例#1(チャンネル変更))
次に、図12及び図13を参照しながら、本実施形態の一変形例(変形例#1)に係る感度調整方法の構成について説明する。図12及び図13は、本実施形態の一変形例(変形例#1)に係る感度調整方法の構成について説明するための説明図である。なお、以下で説明する感度調整方法は、アクセスポイント110に関するものである。また、ここで説明する感度調整方法は、主に無線処理部114の機能により実現される。
【0088】
図12に示すように、感度調整を開始すると、無線処理部114は、タイマー#1をスタートさせる(S121)。このタイマー#1は、N秒をカウントアップするタイマーであるとする。また、無線処理部114は、タイマー#1がN秒に達した場合、ステップS122〜S128の処理ステップを実行中でも処理をステップAに進める。次いで、無線処理部114は、同じネットワークに接続している全ての装置に対し、感度調整の開始をブロードキャストで通知する(S122)。例えば、無線処理部114は、音声出力装置120及び音声再生装置130に感度調整の開始を通知する。
【0089】
次いで、無線処理部114は、ステップS122で感度調整の開始を通知した全ての装置からACKを受信したか否かを判定する(S123)。全ての装置からACKを受信した場合、無線処理部114は、処理をステップS124に進める。一方、少なくとも1台の装置からACKを受信できなかった場合、無線処理部114は、処理をステップS123に戻し、ステップS123の処理を繰り返す。
【0090】
処理をステップS124に進めた場合、無線処理部114は、受信待ち受け状態になり、信号を受信したか否かを判定する(S124)。信号を受信した場合、無線処理部114は、処理をステップS125に進める。一方、信号を受信していない場合、無線処理部114は、処理をステップS124に戻し、ステップS124の処理を繰り返す。
【0091】
処理をステップS125に進めた場合、無線処理部114は、受信した信号が非干渉信号であるか否かを判定する(S125)。つまり、無線処理部114は、受信した信号が、同じネットワークに接続された装置により送信された信号(非干渉信号)であるか否かを判定する。受信した信号が非干渉信号である場合、無線処理部114は、処理をステップS124に進める。一方、受信した信号が非干渉信号でない場合、無線処理部114は、処理をステップS126に進める。
【0092】
処理をステップS126に進めた場合、無線処理部114は、受信した信号のRSSIを読み込む(S126)。次いで、無線処理部114は、フィルタ閾値XをX≧RSSIに設定する(S127)。次いで、無線処理部114は、タイマー#2をスタートさせ(S128)、処理をステップS124に進める。このタイマー#2は、n秒をカウントアップするタイマーであるとする。また、無線処理部114は、タイマー#2がn秒に達した場合、ステップS124〜S128の処理ステップを実行中でも処理をステップAに進める。
【0093】
処理をステップAに進めた場合、図13に示すように、無線処理部114は、インデックスiを1に初期化する(S129)。次いで、無線処理部114は、同じネットワークに接続された装置のうち、i番目の装置に対してデータ信号の送信を要求する(S130)。次いで、無線処理部114は、タイマー#3をスタートさせる(S131)。このタイマー#3は、m秒をカウントアップするタイマーであるとする。また、無線処理部114は、タイマー#3がm秒に達した場合、ステップS132〜S134の処理ステップを実行中でも処理をステップS136に進める。
【0094】
次いで、無線処理部114は、i番目の装置からデータ信号を受信し(S132)、処理をステップS133に進める。但し、i番目の装置からデータ信号を受信できない場合、無線処理部114は、i番目の装置からデータ信号が受信されるまで待機する。処理をステップS133に進めた場合、無線処理部114は、i=MAXか否かを判定する(S133)。但し、MAXは、同じネットワークに接続された装置の総数である。i=MAXの場合、無線処理部114は、処理をステップS135に進める。一方、i≠MAXの場合、無線処理部114は、処理をステップS134に進める。
【0095】
処理をステップS134に進めた場合、無線処理部114は、インデックスiを1だけインクリメントし(S134)、処理をステップS130に進める。一方、処理をステップS135に進めた場合、無線処理部114は、同じネットワークに接続された全ての装置に対して感度調整の終了を通知し(S135)、感度調整に関する一連の処理を終了する。
【0096】
また、処理の途中でタイマー#3がタイムアウトし、処理をステップS136に進めた場合、無線処理部114は、同じネットワークに接続されている全ての装置に対して感度設定をリセットするように通知する(S136)。次いで、無線処理部114は、無線通信チャンネルを他のチャンネルに変更する(S137)。次いで、無線処理部114は、ネットワークの再接続を実行し(S138)、処理をステップBに進める。つまり、無線処理部114は、ステップS138の処理を実行後、図12のステップS121から再び感度調整の処理を実行し直す。
【0097】
以上、本実施形態の一変形例(変形例#1)に係る感度調整方法の構成について説明した。
【0098】
(2−2−3:変形例#2(段階的な感度の緩和))
次に、図14及び図15を参照しながら、本実施形態の一変形例(変形例#2)に係る感度調整方法の構成について説明する。図14及び図15は、本実施形態の一変形例(変形例#2)に係る感度調整方法の構成について説明するための説明図である。なお、以下で説明する感度調整方法は、アクセスポイント110に関するものである。また、ここで説明する感度調整方法は、主に無線処理部114の機能により実現される。但し、感度調整の開始からステップAまでの処理は図8と同じであるため、ステップAまでの処理に関する説明を省略する。
【0099】
処理をステップAに進めた場合、図14に示すように、無線処理部114は、インデックスiを1に初期化する(S141)。次いで、無線処理部114は、同じネットワークに接続された装置のうち、i番目の装置に対してデータ信号の送信を要求する(S142)。次いで、無線処理部114は、タイマー#3をスタートさせる(S143)。このタイマー#3は、m秒をカウントアップするタイマーであるとする。また、無線処理部114は、タイマー#3がm秒に達した場合、ステップS144〜S146の処理ステップを実行中でも処理をステップS148に進める。
【0100】
次いで、無線処理部114は、i番目の装置からデータ信号を受信し(S144)、処理をステップS145に進める。但し、i番目の装置からデータ信号を受信できない場合、無線処理部114は、i番目の装置からデータ信号が受信されるまで待機する。処理をステップS145に進めた場合、無線処理部114は、i=MAXか否かを判定する(S145)。但し、MAXは、同じネットワークに接続された装置の総数である。i=MAXの場合、無線処理部114は、処理をステップS147に進める。一方、i≠MAXの場合、無線処理部114は、処理をステップS146に進める。
【0101】
処理をステップS146に進めた場合、無線処理部114は、インデックスiを1だけインクリメントし(S146)、処理をステップS142に進める。一方、処理をステップS147に進めた場合、無線処理部114は、同じネットワークに接続された全ての装置に対して感度調整の終了を通知し(S147)、感度調整に関する一連の処理を終了する。
【0102】
また、処理の途中でタイマー#3がタイムアウトし、処理をステップS148に進めた場合、無線処理部114は、受信感度を1段階引き下げ(S148)、処理をステップAに進める。つまり、無線処理部114は、図15に示すように、フィルタ閾値Xを1段階引き上げる。引き上げる幅は、所定値であってもよいし、図15に示すように、干渉信号を1つずつ許容するように干渉信号のRSSIに基づいて決められてもよい。感度を引き下げた後でも、データ信号を受信できなかった装置が存在する場合には、さらに1段階だけ感度が引き下げられる。これらの処理は、同じネットワークに接続された全ての装置からデータ信号を受信できるようになるまで繰り返し実行される。
【0103】
以上、本実施形態の一変形例(変形例#2)に係る感度調整方法の構成について説明した。
【0104】
[2−3:感度調整方法(端末の場合)]
次に、図16及び図17を参照しながら、本実施形態に係る感度調整方法の構成について説明する。図16及び図17は、本実施形態に係る感度調整方法の構成について説明するための説明図である。なお、以下で説明する感度調整方法は、音声出力装置120及び音声再生装置130(端末)に関するものである。また、ここで説明する感度調整方法は、主に無線処理部124、134の機能により実現される。
【0105】
図16に示すように、感度調整を開始すると、無線処理部124、134は、タイマーをスタートさせる(S201)。このタイマーは、M秒をカウントアップするタイマーであるとする。また、無線処理部124、134は、タイマーがM秒に達した場合、ステップS202〜S209の処理ステップを実行中でも処理をステップBに進める。次いで、無線処理部124、134は、アクセスポイント110から、感度調整の開始通知を受信する(S202)。また、無線処理部124、134は、感度調整の開始通知を受信できたことを示すACKをアクセスポイント110に返す。
【0106】
次いで、無線処理部124、134は、受信待ち受け状態になり、信号を受信したか否かを判定する(S203)。信号を受信した場合、無線処理部124、134は、処理をステップS204に進める。一方、信号を受信していない場合、無線処理部124、134は、処理をステップS203に戻し、ステップS203の処理を繰り返す。処理をステップS204に進めた場合、無線処理部124、134は、受信した信号が非干渉信号であるか否かを判定する(S204)。つまり、無線処理部124、134は、受信した信号が、同じネットワークに接続された装置により送信された信号(非干渉信号)であるか否かを判定する。
【0107】
受信した信号が非干渉信号である場合、無線処理部124、134は、処理をステップS205に進める。一方、受信した信号が非干渉信号でない場合、無線処理部124、134は、処理をステップS206に進める。処理をステップS205に進めた場合、無線処理部124、134は、受信した非干渉信号がアクセスポイント110から送信されたデータ信号の送信要求であるか否かを判定する(S205)。データ信号の送信要求である場合、無線処理部124、134は、処理をステップAに進める。一方、データ信号の送信要求でない場合、無線処理部124、134は、処理をステップS204に進める。
【0108】
処理をステップS206に進めた場合、無線処理部124、134は、受信した信号のRSSIを読み込む(S206)。次いで、無線処理部124、134は、フィルタ閾値XをX≧RSSIに設定し(S207)、処理をステップS204に進める。
【0109】
処理をステップAに進めた場合、図17に示すように、無線処理部124、134は、アクセスポイント110にデータ信号を送信する(S208)。次いで、無線処理部124、134は、感度調整の終了通知をアクセスポイント110から受信し(S209)、処理をステップS210に進める。但し、無線処理部124、134は、感度調整の終了通知をアクセスポイント110から受信できない場合、そのまま待機する。処理をステップS210に進めた場合、無線処理部124、134は、タイマーを停止し(S210)、感度調整に関する一連の処理を終了する。
【0110】
また、処理の途中でタイマーがタイムアウトし、処理をステップBに進めた場合、無線処理部124、134は、フィルタ閾値Xを所定値に戻し(S211)、感度調整に関する一連の処理を終了する。
【0111】
以上、本実施形態に係る感度調整方法の構成について説明した。
【0112】
[2−4:ACKを確実に受信するための構成]
これまで説明してきたように、感度調整の開始通知、感度調整の終了通知、データ信号の送信要求、送信要求に応じたデータ信号の送信など、感度調整を行う上で様々な信号のやり取りが生じる。受信側の装置は、信号を正しく受信できた場合に送信側の装置に対してACKを返す。
【0113】
CSMA/CA方式の場合、図18に示すように、ACKは、信号(送信データ)の送信後、SIFS(Short Inter Frame Space)の期間をおいた直後に返す決まりになっている。そのため、ACKを返すタイミングを予測することができる。
【0114】
そこで、無線処理部114、124、134は、ACKを返すタイミングを予測し、図18に示すように、ACKを受信する期間だけフィルタ閾値Xを引き下げる。このようにフィルタ閾値Xを調整することで、確実にACKを受信することが可能になる。ACKを確実に受信することができるようになると、パケットの再送制御を行う機会を減らすことが可能になり、実質的なデータ伝送効率を高めることが可能になる。
【0115】
<3:まとめ>
最後に、本実施形態に係る技術的思想について簡単に纏める。以下に記載する技術的思想は、例えば、PC、携帯電話、ゲーム機、携帯情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステム、テレビジョン受像機、映像再生装置、映像録画再生装置、音楽再生装置、音楽出力装置等、種々の機器に対して適用することができる。
【0116】
上記の機器の機能構成は次のように表現することができる。当該機器は、以下に示すフィルタ、信号判定部、閾値調整部を有する。当該フィルタは、強度が閾値を下回る信号を排除するものである。また、上記の信号判別部は、自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別するものである。上記の閾値調整部は、干渉信号が前記フィルタを通過した場合に、前記フィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記閾値を引き上げるものである。
【0117】
上記の機器は、同じネットワーク内にある機器が送受信する信号を非干渉信号とみなし、異なるネットワーク内にある機器が送受信する信号を干渉信号とみなす。そして、上記の機器は、干渉信号を受信した場合にフィルタにより干渉信号を排除する。また、上記の機器は、干渉信号がフィルタを通過した場合、その干渉信号がフィルタを通過しないレベルまで閾値を引き上げる。つまり、上記の機器は、干渉信号の受信に応じて受信感度を調整する。
【0118】
かかる構成により、外来ノイズだけでなく、近隣のネットワークで送受信される信号(干渉信号)を排除することが可能になる。その結果、干渉信号の送信が停止するまで信号の送信を停止するようなタイミング制御の発動を抑制することが可能になり、干渉信号の受信に応じたタイミング制御により信号の継続的な送受信が妨げられる機会を低減することが可能になる。例えば、ストリーミング配信される映像や音声などのデータを伝送する場合に、上記のようなタイミング制御により、そのデータの伝送が途中で途切れてしまう不具合を回避することが可能になる。
【0119】
(備考)
上記のMAC処理部144は、信号判別部、閾値調整部の一例である。上記の無線処理部114、124、134は、信号送信部、信号受信部、受信期間予測部、信号要求部、チャンネル変更部の一例である。上記のアクセスポイント110、音声出力装置120、音声再生装置130は、無線通信装置の一例である。また、上記の音声配信システム100は、無線通信システムの一例である。
【0120】
以上、添付図面を参照しながら本技術に係る好適な実施形態について説明したが、本技術はここで開示した構成例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本技術の技術的範囲に属するものと了解される。
【0121】
例えば、上記の説明においては、一例として音声データをストリーミング配信する構成について説明したが、映像データをストリーミング配信する構成に変形してもよい。また、IEEE802.11に基づく無線LANを意識して説明を進めてきたが、他の無線通信方式に基づく無線伝送技術に転用することも可能である。例えば、Bluetooth(登録商標)やWireless USBなどの技術への転用も可能である。さらに、CSMA/CAに基づくタイミング制御を意識して説明を進めてきたが、その他の再送制御技術を採用したシステムに対しても本実施形態の技術は有効である。
【0122】
また、ストリーミング配信を意識して説明を進めてきたが、環境に応じて自動的に好適な受信感度を設定する技術と捉えれば、本実施形態に係る技術は、環境適応型のスループット向上技術と捉えることも可能である。このように、上記説明の中で述べた具体的な事項は、本実施形態の適用範囲を制限するものではなく、技術の理解を助けるために例示した事項である。従って、現在及び将来における技術常識に鑑みて本実施形態の適用範囲は想定されるべきである。
【符号の説明】
【0123】
10、20 家屋
11、21 無線通信端末
12、22 アクセスポイント
100 音声配信システム
110 アクセスポイント
111 アンテナ
112 アンテナスイッチ
113 RF処理部
114 無線処理部
115 制御部
116 メモリ
120 音声出力装置
121 アンテナ
122 アンテナスイッチ
123 RF処理部
124 無線処理部
125 音声処理部
126 制御部
127 音声出力部
128 メモリ
130 音声再生装置
131 アンテナ
132 アンテナスイッチ
133 RF処理部
134 無線処理部
135 音声処理部
136 制御部
137 音声再生部
138 メモリ
141 ADコンバータ
142 フィルタ
143 復調部
144 MAC処理部
145 RSSI検出部
146 遅延処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強度が閾値を下回る信号を排除するフィルタと、
自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別する信号判別部と、
干渉信号が前記フィルタを通過した場合に、前記フィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記閾値を引き上げる閾値調整部と、
を備える、
無線通信装置。
【請求項2】
前記閾値調整部による閾値の調整後に、前記自装置が接続しているネットワーク内の他の無線通信装置に対して信号を送信する信号送信部と、
前記信号送信部により送信された信号に応じて前記他の無線通信装置から送信される応答信号を受信する信号受信部と、
前記信号受信部により応答信号が受信される期間を予測する受信期間予測部と、
をさらに備え、
前記閾値調整部は、前記受信期間予測部により予測された期間だけ一時的に前記閾値を引き下げる、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記閾値調整部による閾値の調整後に、前記自装置が接続しているネットワーク内の他の無線通信装置に対して応答信号の送信を要求する信号要求部と、
前記信号要求部による要求後、少なくとも1台の前記他の無線通信装置から前記応答信号を受信できなかった場合にチャンネルを変更するチャンネル変更部と、
をさらに備える、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記閾値調整部による閾値の調整後に、前記自装置が接続しているネットワーク内の他の無線通信装置に対して応答信号の送信を要求する信号要求部をさらに備え、
前記閾値調整部は、前記信号要求部による要求後、少なくとも1台の前記他の無線通信装置から前記応答信号を受信できなかった場合に前記閾値を引き下げる、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記閾値調整部は、前記信号要求部による要求後、少なくとも1台の前記他の無線通信装置から前記応答信号を受信できなかった場合に、全ての前記他の無線通信装置から前記応答信号が受信されるまで前記閾値を段階的に引き下げる、
請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記信号要求部による要求後、少なくとも1台の前記他の無線通信装置から前記応答信号を受信できなかった場合に、前記応答信号を受信できなかった前記他の無線通信装置を識別するための識別情報を表示する情報表示部をさらに備える、
請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記非干渉信号は、ストリーミング配信された映像又は音声を少なくとも含む、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項8】
強度が第1の閾値を下回る信号を排除する第1のフィルタと、
自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別する第1の信号判別部と、
干渉信号が前記第1のフィルタを通過した場合に、前記第1のフィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記第1の閾値を引き上げる第1の閾値調整部と、
を有する、第1の無線通信装置と、
強度が第2の閾値を下回る信号を排除する第2のフィルタと、
自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別する第2の信号判別部と、
干渉信号が前記第2のフィルタを通過した場合に、前記第2のフィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記第2の閾値を引き上げる第2の閾値調整部と、
を有し、前記ネットワークを介して前記第1の無線通信装置に接続された第2の無線通信装置と、
を含み、
前記第1の無線通信装置は、ストリーミング配信された映像又は音声を少なくとも含む非干渉信号を前記ネットワークを介して前記第2の無線通信装置に送信する、
無線通信システム。
【請求項9】
強度が閾値を下回る信号を排除するフィルタを有する無線通信装置が、
自装置が接続しているネットワークで送受信される非干渉信号と、自装置が接続していないネットワークで送受信される干渉信号とを判別する信号判別ステップと、
干渉信号が前記フィルタを通過した場合に、前記フィルタにより当該干渉信号が排除されるレベルまで前記閾値を引き上げる閾値調整ステップと、
を含む、
感度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−195816(P2012−195816A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58985(P2011−58985)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】