説明

無線通信装置

【課題】無線通信装置において、バッテリーの充電を簡便にすることを目的とする。また、電池の消耗に起因する電池の交換作業をすることなく、個体情報を送受信することができる無線通信装置の提供を目的とする。
【解決手段】複数のアンテナ回路と、複数のアンテナ回路にそれぞれスイッチを介して電気的に接続された複数のバッテリーとを設け、複数のバッテリーをそれぞれ異なる回路に電気的に接続し、複数のアンテナ回路が電波を受信することにより、複数のアンテナ回路に電気的に接続された複数のバッテリーが充電され、複数のアンテナ回路のうち少なくとも一つは周波数が異なる電波を受信させるように設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信装置に関する。特に、電波を介したデータの送受信及び電力の受信を行う無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な電化製品の普及が進み、多種多様な製品が市場に出荷されている。特に、携帯型の無線通信装置の普及は顕著である。一例として、携帯電話、携帯テレビ等は、表示部の高精細化並びに電池の耐久性及び通信装置の低消費電力化が向上し、利便性に富んだものとなってきている。携帯型の無線通信装置を駆動するための電源としては、充電機能をもつバッテリーを内蔵した構造を有し、バッテリーより電源を確保している。バッテリーとしては、一般的にリチウムイオン電池等の2次電池(以下、バッテリーという)が用いられており、バッテリーの充電には、家庭用交流電源にコンセントを挿入したACアダプターより行われているのが現状である(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、近年、無線通信装置の使用形態として電磁界または電波等の無線通信を利用した個体識別技術が注目を集めている。特に、無線通信装置の一例として無線通信によりデータの交信を行うRFID(Radio Frequency Identification)タグを利用した個体識別技術が注目を集めている。RFIDタグは、IC(Integrated Circuit)タグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグとも呼ばれる。RFIDタグを用いた個体識別技術は、個々の対象物の生産、管理等に役立てられ始めており、個人認証への応用も期待されている。
【0004】
RFIDタグは、電源を内蔵するか、外部から電源供給を受けるかの違いにより、RFIDタグの情報を含んだ電波または電磁波を送信することが可能なアクティブタイプ(能動タイプ)のRFIDタグと、外部からの電波または電磁波(搬送波)を電力に変換して駆動するパッシブタイプ(受動タイプ)のRFIDタグとの二つのタイプに分けることができる(アクティブタイプに関しては特許文献2、パッシブタイプに関しては特許文献3を参照)。アクティブタイプのRFIDタグにおいては、RFIDタグを駆動するための電源を内蔵しており、電源として電池を備えて構成されている。また、パッシブタイプにおいては、RFIDタグを駆動するための電源として外部からの電波または電磁波(搬送波)を利用しており、電池を備えることのない構成を実現している。
【特許文献1】特開2005−150022号公報
【特許文献2】特開2005−316724号公報
【特許文献3】特表2006−503376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、携帯電話、携帯テレビ等の移動型電子機器の使用頻度は増加の一途をたどっている。このため、電池の耐久性及び電子機器の低消費電力化の向上が求められているが、使用時間に対応するための特性向上には限界がある。さらには、携帯電話、携帯テレビ等に内蔵されたバッテリーの充電には、家庭用交流電源にACアダプターを介して充電する、または市販の一次電池からの充電の他に方法が無かった。そのため、使用者にとって充電の作業は煩雑であり、屋外で長時間使用する際には給電手段であるACアダプターまたは一次電池そのものを携行する必要があり負担になるといった課題があった。
【0006】
また、駆動用の電池を備えたアクティブタイプのRFIDタグの場合、パッシブタイプのRFIDタグと比較して、通信距離が長くすることが可能であるが、個体情報の送受信、信号の送受信に必要な電波の強度に依存するものの、電池の消耗は避けられない。そして最終的には個体情報を送受信に必要な電力を発生できなくなるといった問題がある。このため、駆動用の電池を備えたアクティブタイプのRFIDタグを使用し続けるためには、電池の残存容量の確認や電池の交換をする作業が必要となるという課題があった。
【0007】
そこで本発明は、このような無線通信装置において、バッテリーの充電を簡便にすることを目的とする。また、電池の消耗に伴う電池の交換作業をすることなく、個体情報を送受信することができる無線通信装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の諸問題を解決するため、本発明は無線通信装置に含まれる回路に電力を供給するための電源としてRFバッテリー(無線電池)を設けることを特徴とする。そして本発明は、当該RFバッテリーに電力を供給する手段として、RFバッテリーへの充電を無線で行うためのアンテナ回路を設けることを特徴とする。また、本発明は、無線通信装置にRFバッテリーを複数設けることを特徴とする。以下、本発明の具体的な構成について示す。
【0009】
本発明の無線通信装置の一は、アンテナ回路と、アンテナ回路にスイッチを介して電気的に接続された複数のバッテリーとを有し、複数のバッテリーはそれぞれ異なる回路に電気的に接続され、アンテナ回路が電波を受信することにより、複数のバッテリーが充電されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の無線通信装置の一は、複数のアンテナ回路と、複数のアンテナ回路のいずれか一にスイッチを介して電気的に接続された複数のバッテリーとを有し、複数のバッテリーはそれぞれ異なる回路に電気的に接続され、スイッチを介して複数のバッテリーと接続しているアンテナ回路が電波を受信することにより、複数のバッテリーが充電され、複数のアンテナ回路のうち少なくとも一つは周波数が異なる電波を受信することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の無線通信装置の一は、複数のアンテナ回路と、複数のアンテナ回路のいずれか一にスイッチを介して電気的に接続された複数のバッテリーと、少なくとも複数のアンテナ回路のいずれか一に電気的に接続された通信制御回路とを有し、複数のバッテリーはそれぞれ異なる回路に電気的に接続され、通信制御回路は、当該通信制御回路と接続しているアンテナ回路を介して外部にデータを送信し、前記スイッチを介して複数のバッテリーと接続しているアンテナ回路が電波を受信することにより、複数のバッテリーが充電され、複数のアンテナ回路のうち少なくとも一つは周波数が異なる電波を受信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の無線通信装置の一は、第1のアンテナ回路及び第2のアンテナ回路と、第1のアンテナ回路に第1のスイッチを介して電気的に接続された第1のバッテリーと、第2のアンテナ回路に第2のスイッチを介して電気的に接続された第2のバッテリーとを有し、第1のアンテナ回路が電波を受信することにより第1のバッテリーが充電され、第2のアンテナ回路が電波を受信することにより第2のバッテリーが充電され、第1のバッテリーと第2のバッテリーは異なる回路に接続され、第1のアンテナ回路と第2のアンテナ回路は周波数が異なる電波を受信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の無線通信装置の一は、第1のアンテナ回路と、第2のアンテナ回路と、第3のアンテナ回路と、第1のアンテナ回路に第1のスイッチを介して電気的に接続され且つ第2のアンテナ回路に第2のスイッチを介して電気的に接続された第1のバッテリーと、第3のアンテナ回路に第3のスイッチを介して電気的に接続された第2のバッテリーとを有し、第1のアンテナ回路又は第2のアンテナ回路が電波を受信することにより第1のバッテリーが充電され、第3のアンテナ回路が電波を受信することにより第2のバッテリーが充電され、第1のバッテリーと第2のバッテリーは異なる回路に接続され、第1のアンテナ回路と第2のアンテナ回路は周波数が異なる電波を受信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の無線通信装置の一は、第1のアンテナ回路及び第2のアンテナ回路と、第1のアンテナ回路及び第2のアンテナ回路に電気的に接続された信号処理回路と、第1のアンテナ回路が電波を受信することにより充電が行われる第1のバッテリーと、第2のアンテナ回路が電波を受信することにより充電が行われる第2のバッテリーとを有し、第1のアンテナ回路は、信号処理回路に記憶されたデータを外部に送信するために信号を送受信し、第1のバッテリーと第2のバッテリーは信号処理回路に設けられた異なる回路に電源を供給し、第1のアンテナ回路と第2のアンテナ回路は周波数が異なる電波を受信することを特徴とする。
【0015】
また、上記構成において、バッテリーとして、蓄電手段を有していればよく、シート状に形成されたリチウム電池、好ましくはゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池や、リチウムイオン電池等を用いることができる。また、ニッケル水素電池、ニカド電池などの充電放電可能な電池であってもよい。また、バッテリーの代わりに電気二重層コンデンサー、セラミックコンデンサー、積層セラミックコンデンサー等のコンデンサー等を用いることも可能である。
【0016】
なお、本明細書でいう無線通信装置とは、無線で電波の送受信を行うことで機能しうる装置全般を指すものとする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、無線通信装置に無線で充電可能なバッテリーを設けることによって、無線通信装置に設けられたバッテリーに対する充電を簡便にし、電池の消耗に伴う電池の交換作業をすることなく、外部との情報の送受信が永続的に可能な無線通信装置を得ることができる。また、無線通信装置に複数のバッテリーを設けることによって、無線通信装置のシステムの停止を抑制することができる。また、消費電力が異なる回路毎に複数のバッテリーを設けることによって、過電力消費を抑制し無線通信装置の省電力化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0019】
(実施の形態1)
本実施の形態では、受電装置部を具備する無線通信装置の一例に関して図面を参照して説明する。
【0020】
本実施の形態で示す無線通信装置400は、受電装置部401、電源負荷部402を有している(図1参照)。
【0021】
受電装置部401は、アンテナ回路と、整流回路と、電圧制御回路と、スイッチと、充電制御回路と、バッテリーとを具備するRFバッテリー部を複数有している。図1では、受電装置部401にN個(図1においては、N≧3)のRFバッテリー部が設けられた構成を示しており、第1のRFバッテリー部401_1は、第1のアンテナ回路411_1、第1の整流回路412_1、第1の電圧制御回路413_1、第1のスイッチ414_1、第1の充電制御回路416_1、第1のバッテリー415_1を具備している。
【0022】
同様に、第2のRFバッテリー部401_2は、第2のアンテナ回路411_2、第2の整流回路412_2、第2の電圧制御回路413_2、第2のスイッチ414_2、第2の充電制御回路416_2、第2のバッテリー415_2を具備し、第NのRFバッテリー部401_Nは、第Nのアンテナ回路411_N、第Nの整流回路412_N、第Nの電圧制御回路413_N、第Nのスイッチ414_N、第Nの充電制御回路416_N、第Nのバッテリー415_Nを具備している。
【0023】
電源負荷部402は、無線通信装置を構成する回路が複数設けられており、ここでは、第1の回路417_1は第1のバッテリー415_1から電力が供給され、第2の回路417_2は第2のバッテリー415_2から電力が供給され、第Nの回路417_Nは第Nのバッテリー415_Nから電力が供給される例を示している。
【0024】
また、RFバッテリー部の動作に電源が必要な場合にRFバッテリー部に設けられたバッテリーを用いることも可能である。なお、回路417_1〜417_Nとしては、メモリ回路、メモリコントロール回路、論理回路、画素部、表示制御部、集積回路部等の特定の機能を実現するものであり、無線通信装置400の機能によって回路構成は異なる。
【0025】
また、第1のアンテナ回路411_1〜第Nのアンテナ回路411_Nの各々は、アンテナ451、共振容量452によって構成することができ、本明細書では、アンテナ451及び共振容量452を併せてアンテナ回路411という(図3(A)参照)。
【0026】
また、第1の整流回路412_1〜第Nの整流回路412_Nの各々は、アンテナが受信する電波により誘導される交流信号から直流信号に変換する回路であればよい。主に整流回路は、ダイオードと平滑容量で構成される。インピーダンスの調整を行うために抵抗や容量を持たせてもよい。例えば、図3(B)に示すように、ダイオード453、平滑容量455によって整流回路412を構成すればよい。
【0027】
第1の電圧制御回路413_1〜第Nの電圧制御回路413_Nは、整流回路から出力された直流電圧を一定の値に維持する回路(定電圧回路)であればよい。また、バッテリーの充電を定電流で行う場合には、電圧制御回路に変えて直流電流を一定の値に維持する回路(定電流源)であればよい。
【0028】
第1のスイッチ414_1〜第Nのスイッチ414_N及び第1の充電制御回路416_1〜第Nの充電制御回路416_Nは、バッテリーに充電を行う際に充放電の制御を行うために設けられている。バッテリーの充放電の制御を行うことによって、バッテリーが過充電となることを防止し効率的にバッテリーを利用することができる。
【0029】
ここでは、第1の充電制御回路416_1〜第Nの充電制御回路416_Nは、それぞれ第1のバッテリー415_1〜第Nのバッテリー415_Nと接続して当該バッテリーの充電状況をモニタリングし、充電状況に応じて第1のスイッチ414_1〜第Nのスイッチ414_NのON/OFFを制御する。第1のスイッチ414_1〜第Nのスイッチ414_NのON/OFFを制御することにより、第1のバッテリー415_1〜第Nのバッテリー415_Nへの過充電を抑制することができる。
【0030】
また、第1のバッテリー415_1と第1の回路417_1との間にもスイッチを設けてもよい。第1の充電制御回路416_1により第1のバッテリー415_1の充電状況をモニタリングして、充電状況に応じて当該スイッチのON/OFFを制御させてもよい。第1のバッテリー415_1と第1の回路417_1との間にスイッチを設けて制御することにより、第1のバッテリー415_1の過放電を抑制することができる。もちろん、第2のバッテリー415_2と第2の回路417_2との間、第Nのバッテリー415_Nと第Nの回路417_Nとの間にスイッチを設けてもよい。
【0031】
また、第1のバッテリー415_1〜第Nのバッテリー415_Nは、充電することで電力を回復することができるものであればよい。例えば、シート状に形成されたリチウム電池、好ましくはゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池や、リチウムイオン電池等を用いることで、無線通信装置の小型化が可能である。勿論、充電可能な電池であればなんでもよく、ニッケル水素電池、ニカド電池などの充電放電可能な電池であってもよい。また、バッテリーの代わりに電気二重層コンデンサー、セラミックコンデンサー、積層セラミックコンデンサー等のコンデンサー等を設けた構成としてもよい。
【0032】
本明細書において、バッテリーとは、外部から得た電気エネルギーを化学的エネルギーの形に変化して蓄え、必要に応じて、再び起電力として取り出すものを指す。また、コンデンサーとは、導体に多量の電荷を蓄積させるものを指し、絶縁した2つの導体が接近し正負の電荷を帯びると、その電荷間のクーロン力により電荷が蓄えられる。
【0033】
なお、電気通信装置において複数のバッテリーを設ける場合には、異なる種類のバッテリーやコンデンサーを組み合わせて設けてもよい。例えば、セラミックコンデンサーと電気二重層コンデンサーを組み合わせて設けることができる。
【0034】
複数のバッテリーの各々を異なる回路毎に接続して電力を供給する場合、消費電力が異なる回路毎にバッテリーを設けることによって、過電力消費を抑制し消費電力を低減することが可能となる。例えば、10V必要な回路と、3Vで十分な回路がある場合、バッテリーが一つしかないと3Vで十分な回路にも余分な電源を供給し消費電力の増加を招いていた。しかし、消費電力が異なる回路毎にバッテリーを設けることにより、電力を効率的に複数の回路に供給し無線通信装置の消費電力を低減することができる。
【0035】
また、図1では、複数のバッテリーをそれぞれ異なる機能を有する回路毎に電気的に接続して設けているが、一つの回路に複数のバッテリーを接続させて電源を供給してもよい。この場合、複数のバッテリーの各々に電気的に接続されたアンテナ回路がそれぞれ周波数の異なる電波を受信する構成とすることにより、バッテリーの充電に複数の周波数の電波を利用することが出来る。
【0036】
次に、図2に、受電装置部401に設けられた第1のアンテナ回路411_1〜第Nのアンテナ回路411_Nが、電波を受信して第1のバッテリー415_1〜第Nのバッテリー415_Nが充電される場合を示す。
【0037】
本実施の形態では、受電装置部401に設けられた第1のバッテリー415_1〜第Nのバッテリー415_Nは、第1のアンテナ回路411_1〜第Nのアンテナ回路411_Nが電波を受信することによって充電が行われる。つまり、バッテリーを無線で充電する構成となっている。
【0038】
第1のアンテナ回路411_1〜第Nのアンテナ回路411_Nが受信する電波は、給電器から発信された電波でもよいし、外部に無作為に生じている電波でもよい。給電器としては、特定の波長の電波を発信する装置であればよく、アンテナ回路に設けられたアンテナが受信し易い波長の電波を発信することが好ましい。外部に無作為に生じている電波としては、例えば、携帯電話の中継局の電波(800〜900MHz帯、1.5GHz、1.9〜2.1GHz帯等)、携帯電話から発振される電波、電波時計の電波(40kHz等)、家庭用の交流電源のノイズ(60Hz等)等を利用することができる。
【0039】
また、バッテリーの充電に給電器からの電波を利用するアンテナ回路と、外部に無作為に生じている電波を利用するアンテナ回路とを組み合わせて設けてもよい。ここでは、第1のアンテナ回路411_1が給電器420から発信された電波を受信することにより第1のバッテリー415_1の充電を行い、第2のアンテナ回路411_2〜第Nのアンテナ回路411_Nが外部の無作為に生じている電波205を受信することにより第2のバッテリー415_2〜第Nのバッテリー415_Nの充電を行う例を示している。
【0040】
複数のバッテリーを充電するために複数のアンテナ回路を設ける場合、複数のアンテナ回路が同一の周波数の電波を受信する構成としてもよいが、複数のアンテナ回路のうち少なくとも一つのアンテナ回路を他のアンテナ回路と異なる周波数の電波を受信する構成とすることが好ましい。複数のアンテナ回路が同一の周波数の電波を受信すると、アンテナ回路の数が増えるにつれ充電効率が低下するためである。
【0041】
給電器420を用いてバッテリーの充電を無線で行う場合、安定して充電を行うことができる。また、複数のアンテナ回路において、アンテナ回路に設けられたアンテナの形状を同一にすることによって、一つの給電器から発信された電波を複数のアンテナ回路が受信して複数のバッテリーを充電する構造としてもよい。
【0042】
また、図2における給電器420は、送電制御部601、アンテナ回路602によって構成することができる(図4参照)。送電制御部601は、無線通信装置400における受電装置部401に送信する送電用の電気信号を変調し、アンテナ回路602から送電用の電磁波を出力する。
【0043】
本実施の形態において、図4に示す給電器600のアンテナ回路602は、送電制御部601に接続され、LC並列共振回路を構成するアンテナ603及び共振容量604を有する。送電制御部601は、送電時にアンテナ回路602に誘導電流を供給し、アンテナ603より受電装置部401に送電用の電磁波を出力する。
【0044】
なお、給電器420より送電される信号の周波数は、例えば、サブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MHz、短波である3MHz〜30MHz、中波である300kHz〜3MHz、長波である30kHz〜300kHz、及び超長波である3kHz〜30kHzのいずれの周波数も用いることができる。
【0045】
一方、外部に無作為に生じている電波を受信してバッテリーの充電を無線で行う場合には、バッテリーを充電するための給電器等を別途必要としないため、低コスト化や携帯の利便性の向上を図ることができる。また、外部に無作為に生じている電波を受信して複数のバッテリーを充電する場合は、アンテナ回路に設けられるアンテナの形状は、これらの外部に無作為に生じている電波を受信しやすい形状で設ける。もちろん、複数のアンテナ回路において、同一形状のアンテナを設けて同一の周波数の電波を受信する構成としてもよいし、異なる形状のアンテナを設け異なる周波数の電波を受信する構成としてもよい。例えば、第1のアンテナ回路411_1〜第Nのアンテナ回路411_Nにおいて、アンテナの形状を全て異なる構造としてもよいし、同一形状のアンテナを複数個(例えば、m個(2≦m≦N))設けた構造としてもよい。
【0046】
また、図1、図2に示す無線通信装置400において、外部との情報の送受信を可能とする通信制御回路を設けてもよい(図12)。ここでは、第1の通信制御回路419_1を第1のアンテナ回路411_1と接続し、当該第1のアンテナ回路411_1を介して外部と情報の送受信を行う構成とすることができる。また、第1の通信制御回路419_1と第1のバッテリー415_1を電気的に接続することによって、第1のバッテリー415_1から第1の通信制御回路419_1に電源を供給することができる。
【0047】
第1の通信制御回路419_1は、外部との情報の送受信を可能とする回路を設ければよく、例えば、復調回路、変調回路、論理回路、メモリ回路等で構成することができる。また、第1〜第Nの通信制御回路と、第1〜第Nの整流回路、第1〜第Nの電圧制御回路、第1〜第Nのスイッチ、第1〜第Nの充電制御回路を合わせて信号処理回路と呼ぶ場合もある。なお、通信制御回路は、アンテナ回路毎に設けてもよくここでは第Nのアンテナ回路411_Nと電気的に接続するように第Nの通信制御回路419_Nを設けた例を示している。
【0048】
第1のアンテナ回路411_1〜第Nのアンテナ回路411_Nにおけるアンテナ451の形状については、特に限定されない。例えば、図5(A)のように回路が設けられたチップ440の周りに一面のアンテナ451を配した構造を取っても良い。また、図5(B)のように回路が設けられたチップ440の周りに細いアンテナ451が回るように配した構造をとってもよい。また、図5(C)のように回路が設けられたチップ440に対して、高周波数の電磁波を受信するためのアンテナ451の形状をとってもよい。また、図5(D)のように回路が設けられたチップ440に対して、180度無指向性(どの方向からでも同じく受信可能)なアンテナ451での形状をとってもよい。また、図5(E)のように、回路が設けられたチップ440に対して、棒状に長く伸ばし、折り返す形状のアンテナ451の形状をとってもよい。
【0049】
また、アンテナ451は、パッチアンテナであってもよい。また、回路417とアンテナ回路411におけるアンテナ451の接続については特に図示した構成には限定されない。例えば、アンテナ回路411と回路417を離して配置し、配線により接続されていてもよいし、近接して接続されていてもよい。また、アンテナ451の長さは、利用する電波の周波数によって適正な長さが異なるため利用する電波に応じて設けることが好ましい。
【0050】
このように、無線で充電可能なバッテリーを回路毎に複数設けることによって、一つのバッテリー切れによる無線通信装置のシステムの停止を抑制することができる。また、消費電力が異なる回路毎に複数のバッテリーを設けることによって、過電力消費を抑制することができる。例えば、動作にV1の電圧が必要な機能回路と、V2(V1>V2)の電圧が必要な機能回路がある場合、当該機能回路毎にバッテリーを設けて電源を供給することによって、無駄な電力供給を抑制し消費電力を低減することが可能となる。
【0051】
なお、本実施の形態で示した無線通信装置は、本明細書中の他の実施の形態で示す無線通信装置の構成と組み合わせて実施することが可能である。
【0052】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した無線通信装置の一例として、表示手段を有する無線通信装置(例えば、携帯電話、デジタルビデオカメラ等)の構成に関して図面を参照して説明する。
【0053】
本実施の形態で示す無線通信装置400は、第1のRFバッテリー部401_1と第2のRFバッテリー部401_2を具備した受電装置部401、画素部431及び表示制御部432が設けられた表示部430と集積回路部433が設けられた電源負荷部402を有している(図6参照)。集積回路部433は、表示部430以外の信号を処理する回路である。表示部430は、画素部431と当該画素部431を制御するための表示制御部432が設けられている。もちろん、表示部430の画素部431に設けられる表示素子については種類を問わず、エレクトロルミネッセンス素子や液晶素子等を適用することができる。
【0054】
なお、外部と情報の送受信を行う場合には、図12で示したように、通信制御回路を設けた構成としてもよい。例えば、第1のアンテナ回路411_1、第2のアンテナ回路411_2とそれぞれ電気的に接続するように、第1の通信制御回路419_1、第2の通信制御回路419_2を設けてもよい(図13参照)。第1の通信制御回路419_1、第2の通信制御回路419_2への電力の供給は、それぞれ第1のバッテリー415_1、第2のバッテリー415_2を利用することができる。第1のバッテリー415_1、第2のバッテリー415_2としては、上記実施の形態で示したバッテリーやコンデンサーを用いることができる。
【0055】
本実施の形態に示す無線通信装置において、画素部431及び表示制御部432は、第1のバッテリー415_1から電力が供給され、集積回路部433は、第2のバッテリー415_2から電力が供給される場合を示している。このように設けた場合、仮に、第1のバッテリー415_1と第2のバッテリー415_2の一方が切れると、画素部431及び表示制御部432と、集積回路部433のうち一方が動作しなくなるものの、他方は動作させ続けることができる。
【0056】
以下に、給電器を用いて第1のバッテリー415_1及び第2のバッテリー415_2を充電する場合に関して以下に説明する。なお、ここでは、第1の給電器421を用いて第1のバッテリー415_1の充電を行い、第2の給電器422を用いて第2のバッテリー415_2の充電を行う場合に関して説明する。
【0057】
まず、第1の給電器421から電波が発振される。受電装置部401に設けられた第1のアンテナ回路411_1が第1の給電器421から発振された電波を受信すると、第1の整流回路412_1により半波整流された後、第1の電圧制御回路413_1により一定の電圧が生成される。そして、第1のスイッチ414_1がONし、第1のバッテリー415_1への充電が開始される。
【0058】
なお、この際、第1のスイッチ414_1の制御は、第1の充電制御回路416_1により行われる。つまり、第1の充電制御回路416_1は、第1のバッテリー415_1への充電状況を監視しており、当該充電状況に応じて第1のスイッチ414_1のオン又はオフを制御する。例えば、第1の充電制御回路416_1は、充電が開始された後、第1のバッテリーの電圧値をモニタリングし、第1のバッテリー415_1の電圧が一定以上になると第1のスイッチ414_1をオフして充電を終了する。
【0059】
また、第1の通信制御回路419_1を設けた場合、充電が終了したことを伝える信号を第1のアンテナ回路411_1を介して発振し、当該信号を受信した第1の給電器421が電磁波の送信を停止する構成とすることができる。
【0060】
また、第2のバッテリー415_2の充電も同様に行うことができる。なお、第1のアンテナ回路411_1と第2のアンテナ回路411_2が異なる周波数の電波を受信するように設けることによって、効果的に第1のバッテリー415_1と第2のバッテリー415_2の充電を行うことができる。
【0061】
なお、上記図6では、バッテリーを2つ設けた例を示したがこれに限られず3つ以上バッテリーを設けた構成としてもよい。
【0062】
また、一つのバッテリーにアンテナ回路、整流回路、電圧制御回路、スイッチ及び充電制御回路を一つ設けた例を示したがこの構成に限られない。例えば、図7に示すように、第1のバッテリー415_1の充電を、第1のアンテナ回路411_1及び第2のアンテナ回路411_2を用いて行ってもよい。この場合、第1のアンテナ回路411_1と第2のアンテナ回路411_2が異なる周波数の電波を受信する構成とすることにより、第1のバッテリー415_1を充電するための周波数を複数利用できるため効果的に充電を行うことができる。
【0063】
また、第1のアンテナ回路411_1と第2のアンテナ回路411_2の一方で給電器からの電波を受信して第1のバッテリー415_1を充電し、他方で外部に無作為に生じている電波を受信して第1のバッテリー415_1を充電してもよい。この場合、給電器から電波を発信している場合はもちろん給電器から電波が発信されていない場合であっても第1のバッテリー415_1への充電が可能となる。
【0064】
また、図7に示す無線通信装置においては、第1の充電制御回路416_1を用いて、第1のバッテリー415_1の充電状況に応じて第1のスイッチ414_1及び第2のスイッチ414_2のON/OFFを制御する。ここでは、第2のバッテリー415_2の充電には、第3のアンテナ回路411_3、第3の整流回路412_3、第3の電圧制御回路413_3、第3のスイッチ414_3、第2の充電制御回路416_2を用いて行う例を示しているが、第1のバッテリー415_1と同様に複数のアンテナ回路を用いて充電する構成としてもよい。
【0065】
ここでは、第1のアンテナ回路411_1と第2のアンテナ回路411_2に設けられたアンテナの形状を、外部に無作為に生じている複数の周波数のうち受信しやすい2種類の周波数に合わせて設けることによって、第1のバッテリー415_1の充電を効果的に行うことができる。また、一つのアンテナ回路を介して充電が行われる第2のバッテリー415_2は、給電器から発振された電波を用いることによって、安定して充電を行うことができる。
【0066】
もちろん、図7において、給電器を3つ用意して第1のアンテナ回路411_1〜第3のアンテナ回路411_3を介して第1のバッテリー415_1及び第2のバッテリー415_2の充電を行ってもよい。
【0067】
また、複数のバッテリーの充電に一つのアンテナ回路を介して行う構成としてもよい。例えば、図8に示すように、第1のバッテリー415_1及び第2のバッテリー415_2の充電を、第1のアンテナ回路411_1、第1の整流回路412_1、第1の電圧制御回路413_1、第1のスイッチ414_1、第2のスイッチ414_2、第1の充電制御回路416_1を用いて行う構成としてもよい。
【0068】
このように、無線で充電可能なバッテリーを回路毎に複数設けることによって、無線通信装置の充電を容易に行うことが可能となる。また、複数のバッテリーを消費電力が異なる回路毎に設けることによって、無駄な電力供給を抑制し消費電力を低減することができる。
【0069】
なお、本実施の形態で示した無線通信装置は、本明細書中の他の実施の形態で示す無線通信装置の構成と組み合わせて実施することが可能である。
【0070】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる無線通信装置の一例に関して図面を参照して説明する。具体的には、無線通信装置の一例として、RFID(Radio Frequency Identification)タグ(IC(Integrated Circuit)タグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、無線チップ、電子タグとも呼ばれる)を例に挙げて説明する。
【0071】
本実施の形態で示す無線通信装置(以下、「RFIDタグ」とも記す)について、図9、図10に示すブロック図を用いて説明する。
【0072】
図9に示すRFIDタグ100は、第1のアンテナ回路101、第2のアンテナ回路121、信号処理回路110、第1のバッテリー105及び第2のバッテリー125を有している。信号処理回路110は、第1のバッテリーの充放電を制御する回路と、第2のバッテリーの充放電を制御する回路と、外部から特定の信号を受信し外部とデータの送受信を制御する回路(通信制御回路)とを有している。
【0073】
第1のバッテリー105の充放電を制御する回路として、第1の整流回路102、第1の電圧制御回路103、第1のスイッチ104、第1の充電制御回路106及び第2のスイッチ107等が設けられている。また、第2のバッテリー125の充放電を制御する回路として、第2の整流回路122、第2の電圧制御回路123、第3のスイッチ124及び第2の充電制御回路126等が設けられている。また、第1のアンテナ回路101を介して情報の送受信を制御する回路(通信制御回路)として、復調回路133、アンプ134、論理回路135、メモリコントロール回路136、メモリ回路137、論理回路138、アンプ139、変調回路140、第1の電源回路141、第2の電源回路142等が設けられている。
【0074】
また、図9において、情報の送受信を制御する回路は、第1の電源回路141を介して第1のバッテリー105から供給された電源、又は第2の電源回路142を介して第2のバッテリー125から供給された電源を利用して動作する。第1のバッテリー105、第2のバッテリー125としては、上記実施の形態1で示したバッテリーやコンデンサーを用いることができる。
【0075】
次に、RFIDタグ100が外部と無線で情報の送受信を行う場合、第1のバッテリー105と第2のバッテリー125に充電を行う場合について図10、図14を参照して説明する。なお、図10は、第1のアンテナ回路101がリーダ/ライタ201からの電波202を受信(又はリーダ/ライタ201へ電波202を送信)し、第2のアンテナ回路121が外部に無作為に生じている電波205を受信する場合について示している。
【0076】
はじめに、第1のアンテナ回路101がリーダ/ライタ201からの電波を受信した場合の動作について図14を参照して説明する。
【0077】
まず、リーダ/ライタ201から電波が送信されると(551)、第1のアンテナ回路101がリーダ/ライタ201から送信された電波202の受信を開始する(552)。次に、RFIDタグ100は、第1のバッテリー105の電圧が所定の電圧値(例えば、Vx)以上か否かを確認する(553)。そして、第1のバッテリー105の電圧がVxより低い場合には、第1のバッテリー105の電力を他の回路へ供給しないように第2のスイッチ107をOFFにする(554)。
【0078】
次に、リーダ/ライタ201からの電波の振幅が所定の電圧値(例えば、Vy)以上であるか否かを確認する(555)。所定の電圧値以下なら第1のスイッチ104をOFFし(556)、第1のバッテリー105への充電を停止する(557)。そして、リーダ/ライタ201からの電波の振幅が所定の電圧値以上になるまで待機する。リーダ/ライタ201からの電波の振幅が小さい場合には、第1のスイッチ104をOFFすることにより第1のバッテリー105から第1のアンテナ回路101への電力の逆流を防止することができる。
【0079】
リーダ/ライタ201からの電波の振幅が所定の電圧値以上である場合には、第1のスイッチ104がONして(558)、第1のバッテリー105の充電が開始される(559)。充電中は第1のバッテリー105の充電状況を第1の充電制御回路106により監視し、第1のバッテリー105の電圧値をモニタリングする。そして、第1のバッテリー105の電圧が所定の電圧値以上になった場合に、第1のスイッチ104をOFFし(560)、充電を停止する(561)。
【0080】
次に、第1のスイッチ104のOFFと同時又はその後に第2のスイッチ107をONして(562)、第1の電源回路141を介して信号処理回路110に設けられた回路に電力を供給し、RFIDタグ100は、通信を開始する信号が含まれた電波(以下、単に「信号」と記す場合がある)をリーダ/ライタ201に送信する(563)。そして、リーダ/ライタ201は当該信号を受信した後(564)、必要な情報をRFIDタグ100に送信する(565)。RFIDタグ100はリーダ/ライタ201から送信された信号を受信し(566)、受信した信号を処理して(567)、返信信号を送信する(568)。そして、リーダ/ライタ201は、RFIDタグ100から発信された信号を受信した後(569)、通信を終了する(570)。
【0081】
続いて、第2のアンテナ回路121が外部の電波205を受信した場合の動作について説明する。
【0082】
第2のアンテナ回路121が外部から電波205を受信すると、RFIDタグ100は、第2のバッテリー125の電圧が所定の電圧値以上か否かを確認する。そして、第2のバッテリー125の電圧が所定の電圧より低い場合には、第3のスイッチ124をONし(又はONの状態を維持し)、第2のバッテリー125への充電を行う。
【0083】
充電中は第2のバッテリー125の充電状況を第2の充電制御回路126により監視し、第2のバッテリー125の電圧値をモニタリングする。そして、第2のバッテリー125の電圧が所定の電圧値以上になった場合、第3のスイッチ124をOFFして充電を停止する。第3のスイッチ124をOFFすることによって、第2のバッテリー125への過充電を防止することができる。そして、第2のバッテリー125の電圧が所定の電圧より低くなった場合には、第3のスイッチをONし、第2のバッテリー125の充電を行う。
【0084】
第2のバッテリー125に蓄えられた電源は、第2の電源回路142を介して信号処理回路110の回路へ供給される。また、ここでは、第2のバッテリー125は、第2の電源回路142に常時電源を供給する構成となっている。
【0085】
このように、常時RFIDタグ100へ電源を供給する第2のバッテリー125を設けることによって、バッテリー切れによるRFIDタグ100のシステムの停止を抑制することができる。また、第2のバッテリー125の充電に外部に無作為に生じている電波を利用することにより、第2のバッテリー125を充電するための充電器等を別途必要としない。また、第2のアンテナ回路121に設けられるアンテナの形状は、これらの外部の電波を受信しやすい長さや形状で設ける。また、第2のアンテナ回路121に異なる形状のアンテナを複数設けることによって、外部の電波を複数受信して第2のバッテリー125の充電効率を向上することができる。
【0086】
また、常に第2のバッテリー125から第2の電源回路142に電源を供給する場合、当該第2のバッテリー125から電源を供給される回路は、消費電力の少ない回路を設けることが好ましい。例えば、RFIDタグ100に液晶表示素子を用いた表示部を設け、当該表示部に第2のバッテリー125から電源を供給することにより静止画の表示や時刻等の表示を常時行うことができる。また、電子ペーパー等の消費電力の小さい表示装置にRFIDタグ100を搭載することによって、バッテリーの交換が不要であり且つ無線で受信した情報を表示することができる。
【0087】
また、第1のアンテナ回路101に設けられるアンテナの形状についても、特に限定されない。つまり、RFIDタグ100に適用する信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式又はマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が適宜使用用途を考慮して選択すればよく、伝送方式に伴って最適な長さや形状のアンテナを設ければよい。
【0088】
例えば、伝送方式として、電磁結合方式又は電磁誘導方式(例えば、13.56MHz帯)を適用する場合には、電界密度の変化による電磁誘導を利用するため、第1のアンテナ回路101においてアンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
【0089】
また、伝送方式としてマイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電波の波長を考慮して、第1のアンテナ回路101においてアンテナとして機能する導電膜の長さや形状を適宜設定すればよく、アンテナとして機能する導電膜を例えば、線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
【0090】
なお、図10で示すRFIDタグ100では、第2のバッテリー125を充電するために、外部に無作為に生じている電波を利用する例を示したが、給電器を設けて第2のバッテリー125の充電を行う構成としてもよい。給電器203から発振された電波204を用いて第2のバッテリー125の充電を行う場合、第2のバッテリー125と第2の電源回路142の間に第4のスイッチ127を設け、第2のバッテリー125の放電を制御してもよい(図11参照)。
【0091】
例えば、第1のアンテナ回路101にUHF帯や2.45GHz帯等の電波を受信するアンテナを設け、第2のアンテナ回路121に13.56MHz帯の電波を受信するアンテナを設けでもよい。この場合、信号の送受信はマイクロ波方式で行い、バッテリーの充電はマイクロ波方式及び電磁誘導方式で行う構成とすることができる。また、第2のアンテナ回路121にも第1のアンテナ回路101と同様に変調回路や復調回路等を設けることによって、第2のアンテナ回路121を介して外部と情報の送受信を行う構成としてもよい。
【0092】
次に、本実施の形態のRFIDタグの一構成例について説明する。なお、ここでは、第1のアンテナ回路101に設けるアンテナの形状をコイル状とし、第2のアンテナ回路121に設けるアンテナの形状としてダイポール状として説明する。
【0093】
本実施の形態のRFIDタグ100は、第1のアンテナ回路101、第2のアンテナ回路121、信号処理回路110、第1のバッテリー105、第2のバッテリー125が、基板120上に積層、または並列に配したレイアウトを取り得る。
【0094】
図15に示すRFIDタグは、基板120上に、第1のアンテナ回路101と、第2のアンテナ回路121と、信号処理回路110回路を有するチップ129と、第1のバッテリー105、第2のバッテリー125とを有している。なお、第1のアンテナ回路101及び第2のアンテナ回路121とチップ129に設けられた信号処理回路110は電気的に接続されている。
【0095】
リーダ/ライタ201から発信された電波202は、第1のアンテナ回路101により受信された後、上記図14で示したように動作し、第1のバッテリー105の充電が行われる。また、外部の電波205は、第2のアンテナ回路121に受信され第2のバッテリー125の充電が行われる。
【0096】
ここでは、リーダ/ライタ201から送信された電波を第1のアンテナ回路101で受信し、外部に無作為に生じている電波205を第2のアンテナ回路121で受信している例を示している。
【0097】
また、第1のバッテリー105、第2のバッテリー125は、チップ129に設けられた信号処理回路と電気的に接続しており、第1のバッテリー105、第2のバッテリー125から適宜信号処理回路における電源回路に電力が供給される。第1のバッテリー105、第2のバッテリー125とチップ129との接続については特に限定されず、例えば、ワイヤボンディング接続やバンプ接続を用いて接続することができる。
【0098】
なお、図15におけるリーダ/ライタ201の一例について、図16を用いて説明する。リーダ/ライタ201は、受信部501、送信部502、制御部503、インターフェース部504、アンテナ回路505によって構成されている。制御部503は、インターフェース部504を介した上位装置506の制御により、データ処理命令、データ処理結果に基づいて、受信部501、送信部502を制御する。送信部502はRFIDタグ100に送信するデータ処理命令を変調し、アンテナ回路505から電磁波として出力する。また受信部501は、アンテナ回路505で受信された信号を復調し、データ処理結果として制御部503に出力する。
【0099】
本実施の形態において、図16に示すリーダ/ライタ201のアンテナ回路505は、受信部501及び送信部502に接続され、LC並列共振回路を構成するアンテナ507及び共振容量508を有する。アンテナ回路505は、受信時に、RFIDタグ100により出力された信号によってアンテナ回路505に誘導される起電力を電気的信号として受信する。また、送信時には、アンテナ回路505に誘導電流を供給し、アンテナ回路505よりRFIDタグ100に信号を送信する。
【0100】
また、第2のアンテナ回路121のアンテナの長さや形状は図15に示した構造に限られない。ここでは、第2のアンテナ回路121に、線状のアンテナ(ダイポールアンテナ)を設けた例を示したが、例えば、コイル状のアンテナを用いてもよいし、パッチアンテナを用いてもよい。なお、第1のアンテナ回路101のアンテナと、長さや形状の異なるものを設けることによりバッテリーの充電効率を向上させることができる。
【0101】
また、リーダ/ライタ201と信号の送受信を行うために用いられる第1のアンテナ回路101のアンテナも図15に示した構造に限られず、上述したように適用する伝送方式により様々な長さや形状のアンテナを用いることができる。
【0102】
例えば、第1のアンテナ回路101とリーダ/ライタ201間で送受信される信号の周波数は、125kHz、13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどがあり、それぞれISO規格などが設定される。勿論、第1のアンテナ回路101とリーダ/ライタ201間で送受信される信号の周波数はこれに限定されず、例えばサブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MHz、短波である3MHz〜30MHz、中波である300kHz〜3MHz、長波である30kHz〜300kHz、及び超長波である3kHz〜30kHzのいずれの周波数も用いることができる。また、第1のアンテナ回路101とリーダ/ライタ201間で送受信される信号は、搬送波を変調した信号である。搬送波の変調方式は、アナログ変調であってもデジタル変調であってよく、振幅変調、位相変調、周波数変調、及びスペクトラム拡散のいずれであってもよい。望ましくは、振幅変調、または、周波数変調にするとよい。
【0103】
以上のように、本実施の形態で示すRFIDタグは、無線で充電可能なバッテリーを有することを特徴とする。そのため、従来とは異なり、電池の消耗に伴う個体情報の送受信にするための電力の不足を防止することができる。また、充電器に直接接続することなく、外部の無線信号を利用してバッテリーを充電することができため、従来のアクティブタイプのRFIDタグのような電池の残存容量の確認や電池の交換をする作業が発生するといったことなく、使用し続けることが可能になる。加えて、RFIDタグを駆動するための電力を常にバッテリー内に保持することにより、RFIDタグが動作するための十分な電力が得られ、リーダ/ライタとの通信距離を伸ばすことができる。
【0104】
なお、本実施の形態で示す構成は、RFIDタグに限定されず無線通信によりデータの交信を行う無線通信装置であれば適用することができる。また、本実施の形態で示した無線通信装置は、本明細書中の他の実施の形態で示す無線通信装置の構成と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した無線通信装置の作製方法の一例に関して、図面を参照して説明する。
【0105】
まず、図19(A)に示すように、基板1901の一表面に絶縁膜1902を介して剥離層1903を形成し、続けて下地膜として機能する絶縁膜1904と半導体膜1905(例えば、非晶質珪素を含む膜)を積層して形成する。なお、絶縁膜1902、剥離層1903、絶縁膜1904および半導体膜1905は、連続して形成することができる。
【0106】
なお、基板1901は、ガラス基板、石英基板、金属基板(例えば、ステンレス基板など)、セラミック基板、Si基板等の半導体基板から選択されるものである。他にもプラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、アクリルなどの基板を選択することもできる。なお、本工程では、剥離層1903は、絶縁膜1902を介して基板1901の全面に設けているが、必要に応じて、基板1901の全面に剥離層を設けた後に、フォトリソグラフィ法により選択的に設けてもよい。
【0107】
また、絶縁膜1902、絶縁膜1904は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、絶縁膜1902、1904を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。絶縁膜1902は、基板1901から剥離層1903又はその上に形成される素子に不純物元素が混入するのを防ぐブロッキング層として機能し、絶縁膜1904は基板1901、剥離層1903からその上に形成される素子に不純物元素が混入するのを防ぐブロッキング層として機能する。このように、ブロッキング層として機能する絶縁膜1902、1904を形成することによって、基板1901からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、剥離層1903から剥離層に含まれる不純物元素がこの上に形成する素子に悪影響を与えることを防ぐことができる。なお、基板1901として石英を用いるような場合には絶縁膜1902、1904を省略してもよい。
【0108】
また、剥離層1903は、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる。金属膜としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または当該元素を主成分とする合金若しくは化合物からなる膜を単層又は積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。金属膜と金属酸化膜の積層構造は、上述した金属膜を形成した後に、酸素雰囲気化またはNO雰囲気下におけるプラズマ処理、酸素雰囲気化またはNO雰囲気下における加熱処理を行うことによって設けることができる。この場合には、金属膜表面に当該金属膜の酸化物または酸化窒化物が形成される。例えば、金属膜としてスパッタ法やCVD法等によりタングステン膜を設けた場合、タングステン膜にプラズマ処理を行うことによって、タングステン膜表面にタングステン酸化物からなる金属酸化膜を形成することができる。他にも、例えば、金属膜(例えば、タングステン)を形成した後に、当該金属膜上にスパッタ法で酸化珪素(SiO)等の絶縁膜を設けると共に、金属膜上に金属酸化物(例えば、タングステン上にタングステン酸化物)を形成してもよい。
【0109】
また、半導体膜1905は、スパッタリング法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。
【0110】
次に、図19(B)に示すように、半導体膜1905にレーザー光を照射して結晶化を行う。なお、レーザー光の照射と、RTA(Rapid Thermal Annealing)プロセス又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とを組み合わせた方法等により半導体膜1905の結晶化を行ってもよい。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶化した結晶質半導体膜1905a〜1905fを形成し、当該半導体膜1905a〜1905fを覆うようにゲート絶縁膜1906を形成する。
【0111】
なお、ゲート絶縁膜1906は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、ゲート絶縁膜1906を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成してもよい。
【0112】
結晶質半導体膜1905a〜1905fの作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚50〜60nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、レーザー光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いることよって結晶質半導体膜1905a〜1905fを形成する。なお、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化を行わずに、レーザー光の照射だけで非晶質半導体膜の結晶化を行ってもよい。
【0113】
なお、結晶化に用いるレーザー発振器としては、連続発振型のレーザービーム(CWレーザービーム)やパルス発振型のレーザービーム(パルスレーザービーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザービームは、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザーなどの気体レーザー、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザーまたは金蒸気レーザーのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザービームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザービームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVOレーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザーのパワー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。なお、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー、Arイオンレーザー、またはTi:サファイアレーザーは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザービームを発振させると、半導体膜がレーザーによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザーを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
【0114】
また、ゲート絶縁膜1906は、半導体膜1905a〜1905fに対し前述の高密度プラズマ処理を行い、表面を酸化又は窒化することで形成しても良い。例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素(NO)、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合、マイクロ波を導入すると、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。
【0115】
このような高密度プラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような、高密度プラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコン、或いは多結晶シリコン)を直接酸化(若しくは窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さのばらつきを極めて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界でも酸化が強くされることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常な酸化反応が起こることがなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
【0116】
なお、ゲート絶縁膜1906は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部に有するトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
【0117】
また、半導体膜に対し、連続発振レーザー若しくは10MHz以上の周波数で発振するレーザービームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた半導体膜1905a〜1905fは、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、上記ゲート絶縁層を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高い薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を得ることができる。
【0118】
次に、ゲート絶縁膜1906上に、第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。ここでは、第1の導電膜は、CVD法やスパッタリング法等により、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金若しくは化合物で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタングステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
【0119】
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、半導体膜1905a〜1905fの上方にゲート電極1907を形成する。ここでは、ゲート電極1907として、第1の導電膜1907aと第2の導電膜1907bの積層構造で設けた例を示している。
【0120】
次に、図19(C)に示すように、ゲート電極1907をマスクとして半導体膜1905a〜1905fに、イオンドープ法またはイオン注入法により、n型を付与する不純物元素を低濃度に添加し、その後、フォトリソグラフィ法によりレジストからなるマスクを選択的に形成して、p型を付与する不純物元素を高濃度に添加する。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1015〜1×1019/cmの濃度で含まれるように半導体膜1905a〜1905fに選択的に導入し、n型を示す不純物領域1908を形成する。また、p型を付与する不純物元素としてボロン(B)を用い、1×1019〜1×1020/cmの濃度で含まれるように選択的に半導体膜1905c、1905eに導入し、p型を示す不純物領域1909を形成する。
【0121】
続いて、ゲート絶縁膜1906とゲート電極1907を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素、珪素の酸化物又は珪素の窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層又は積層して形成する。次に、絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、ゲート電極1907の側面に接する絶縁膜1910(サイドウォールともよばれる)を形成する。絶縁膜1910は、LDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
【0122】
続いて、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、ゲート電極1907および絶縁膜1910をマスクとして用いて、半導体膜1905a、1905b、1905d、1905fにn型を付与する不純物元素を高濃度に添加して、n型を示す不純物領域1911を形成する。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1019〜1×1020/cmの濃度で含まれるように半導体膜1905a、1905b、1905d、1905fに選択的に導入し、不純物領域1908より高濃度のn型を示す不純物領域1911を形成する。
【0123】
以上の工程により、図19(D)に示すように、nチャネル型薄膜トランジスタ1900a、1900b、1900d、1900fとpチャネル型薄膜トランジスタ1900c、1900eが形成される。
【0124】
なお、nチャネル型薄膜トランジスタ1900aは、ゲート電極1907と重なる半導体膜1905aの領域にチャネル形成領域が形成される。ゲート電極1907及び絶縁膜1910と重ならない領域にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1911が形成される。絶縁膜1910と重なる領域であってチャネル形成領域と不純物領域1911の間に低濃度不純物領域(LDD領域)が形成されている。nチャネル型薄膜トランジスタ1900b、1900d、1900fにおいても同様に、チャネル形成領域、低濃度不純物領域及び不純物領域1911が形成されている。
【0125】
また、pチャネル型薄膜トランジスタ1900cは、ゲート電極1907と重なる半導体膜1905cの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極1907と重ならない領域にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1909が形成されている。また、pチャネル型薄膜トランジスタ1900eも同様にチャネル形成領域及び不純物領域1909が形成されている。なお、ここでは、pチャネル型薄膜トランジスタ1900c、1900eには、LDD領域を設けていないが、pチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けてもよいし、nチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けない構成としてもよい。
【0126】
次に、図20(A)に示すように、半導体膜1905a〜1905f、ゲート電極1907等を覆うように、絶縁膜を単層または積層して形成し、当該絶縁膜上に薄膜トランジスタ1900a〜1900fのソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1909、1911と電気的に接続する導電膜1913を形成する。絶縁膜は、CVD法、スパッタリング法、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の有機材料やシロキサン材料等により、単層または積層で形成する。ここでは、当該絶縁膜を2層で設け、1層目の絶縁膜1912aとして窒化酸化珪素膜で形成し、2層目の絶縁膜1912bとして酸化窒化珪素膜で形成する。また、導電膜1913は、薄膜トランジスタ1900a〜1900fのソース電極又はドレイン電極を形成する。
【0127】
なお、絶縁膜1912a、1912bを形成する前、または絶縁膜1912a、1912bのうちの1つまたは複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザーアニール法またはRTA法などを適用するとよい。
【0128】
また、導電膜1913は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金若しくは化合物で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜1913は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜1913を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に生じる薄い酸化膜がチタンによって還元され、結晶質半導体膜と導電膜1913は良好なコンタクトをとることができる。
【0129】
次に、導電膜1913を覆うように、絶縁膜1914を形成し、当該絶縁膜1914上に、半導体膜1905a、1905fのソース電極又はドレイン電極を形成する導電膜1913とそれぞれ電気的に接続する導電膜1915a、1915bを形成する。また、半導体膜1905b、1905eのソース電極又はドレイン電極を形成する導電膜1913とそれぞれ電気的に接続する導電膜1916a、1916bを形成する。なお、導電膜1915a、1915bと導電膜1916a、1916bは同一の材料で同時に形成してもよい。導電膜1915a、1915bと導電膜1916a、1916bは、上述した導電膜1913で示したいずれかの材料を用いて形成することができる。
【0130】
続いて、図20(B)に示すように、導電膜1916a、1916bにアンテナとして機能する導電膜1917a、1917bが電気的に接続されるように形成する。ここでは、アンテナとして機能する導電膜1917aと1917bの一方が上記実施の形態で示した第1のアンテナ回路のアンテナに相当し、他方が第2のアンテナ回路のアンテナに相当する。例えば、導電膜1917aが第1のアンテナ回路のアンテナであり、導電膜1917bが第2のアンテナ回路のアンテナであるとすると、薄膜トランジスタ1900a〜1900cが上記実施の形態で示した第1の信号処理回路として機能し、薄膜トランジスタ1900d〜1900fが上記実施の形態で示した第2の信号処理回路として機能する。
【0131】
なお、絶縁膜1914は、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン系樹脂、アクリル樹脂等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。
【0132】
また、導電膜1917a、1917bは、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金若しくは化合物で、単層構造又は積層構造で形成する。
【0133】
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電膜1917a、1917bを形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
【0134】
また、導電膜1915a、1915bは、後の工程において本実施の形態の無線通信装置に含まれるバッテリーと電気的に接続される配線として機能しうる。また、アンテナとして機能する導電膜1917a、1917bを形成する際に、導電膜1915a、1915bに電気的に接続するように別途導電膜を形成し、当該導電膜をバッテリーに接続する配線として利用してもよい。なお図20(B)における導電膜1917a、1917bは、上記実施の形態1で示した第1のアンテナ回路のアンテナ、及び第2のアンテナ回路のアンテナに対応する。
【0135】
次に、図20(C)に示すように、導電膜1917a、1917bを覆うように絶縁膜1918を形成した後、薄膜トランジスタ1900a〜1900f、導電膜1917a、1917b等を含む層(以下、「素子形成層1919」と記す)を基板1901から剥離する。ここでは、レーザー光(例えばUV光)を照射することによって、薄膜トランジスタ1900a〜1900fを避けた領域に開口部を形成後、物理的な力を用いて基板1901から素子形成層1919を剥離することができる。また、基板1901から素子形成層1919を剥離する前に、形成した開口部にエッチング剤を導入して、剥離層1903を選択的に除去してもよい。エッチング剤は、フッ化ハロゲンまたはハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF)を使用する。そうすると、素子形成層1919は、基板1901から剥離された状態となる。なお、剥離層1903は、全て除去せず一部分を残存させてもよい。こうすることによって、エッチング剤の消費量を抑え剥離層の除去に要する処理時間を短縮することが可能となる。また、剥離層1903をエッチング剤でエッチングした後にも、基板1901上に素子形成層1919を保持しておくことが可能となる。なお、素子形成層1919が剥離された基板1901を再利用することによって、コストの削減をすることができる。
【0136】
絶縁膜1918は、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン系樹脂、アクリル樹脂等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。
【0137】
本実施の形態では、図21(A)に示すように、レーザー光の照射により素子形成層1919に開口部を形成した後に、当該素子形成層1919の一方の面(絶縁膜1918の露出した面)に第1のシート材1920を貼り合わせた後、基板1901から素子形成層1919を剥離する。
【0138】
次に、図21(B)に示すように、素子形成層1919の他方の面(剥離により露出した面)に、第2のシート材1921を貼り合わせた後、加熱処理と加圧処理の一方又は両方を行って第2のシート材1921を貼り合わせる。第1のシート材1920、第2のシート材1921として、ホットメルトフィルム等を用いることができる。
【0139】
また、第1のシート材1920、第2のシート材1921として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、及び帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム基をもつ架橋性高分子を含む樹脂材料等を用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込んだり、塗布することによって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
【0140】
なお、バッテリーは、導電膜1915a、1915bに接続して形成されるが、バッテリーとの接続は、基板1901から素子形成層1919を剥離する前(図20(B)又は図20(C)の段階)に行ってもよいし、基板1901から素子形成層1919を剥離した後(図21(A)の段階)に行ってもよいし、素子形成層1919を第1のシート材及び第2のシート材で封止した後(図21(B)の段階)に行ってもよい。以下に、素子形成層1919とバッテリーを接続して形成する一例を図22、図23を用いて説明する。
【0141】
図20(B)において、アンテナとして機能する導電膜1917a、1917bと同時に導電膜1915a、1915bにそれぞれ電気的に接続する導電膜1931a、1931bを形成する。続けて、導電膜1917a、1917b、導電膜1931a、1931bを覆うように絶縁膜1918を形成した後、導電膜1931a、1931bの表面が露出するように開口部1932a、1932bを形成する。その後、図22(A)に示すように、レーザー光の照射により素子形成層1919に開口部を形成した後に、当該素子形成層1919の一方の面(絶縁膜1918の露出した面)に第1のシート材1920を貼り合わせた後、基板1901から素子形成層1919を剥離する。
【0142】
次に、図22(B)に示すように、素子形成層1919の他方の面(剥離により露出した面)に、第2のシート材1921を貼り合わせた後、素子形成層1919を第1のシート材1920から剥離する。従って、ここでは第1のシート材1920として粘着力が弱いものを用いる。続けて、開口部1932a、1932bを介して導電膜1931a、1931bとそれぞれ電気的に接続する導電膜1934a、1934bを選択的に形成する。
【0143】
導電膜1934a、1934bは、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金若しくは化合物で、単層構造又は積層構造で形成する。
【0144】
なお、ここでは、基板1901から素子形成層1919を剥離した後に導電膜1934a、1934bを形成する例を示しているが、導電膜1934a、1934bを形成した後に基板1901から素子形成層1919の剥離を行ってもよい。
【0145】
次に、図23(A)に示すように、基板上に複数の素子を形成している場合には、素子形成層1919を素子ごとに分断する。分断は、レーザー照射装置、ダイシング装置、スクライブ装置等を用いることができる。ここでは、レーザー光を照射することによって1枚の基板に形成された複数の素子を各々分断する。
【0146】
次に、図23(B)に示すように、分断された素子をバッテリーの接続端子と電気的に接続する。ここでは、素子形成層1919に設けられた導電膜1934a、1934bと基板1935上に設けられたバッテリーの接続端子となる導電膜1936a、1936bとをそれぞれ接続する。ここで、導電膜1934aと導電膜1936aとの接続、又は導電膜1934bと導電膜1936bとの接続は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))や異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等の接着性を有する材料を介して圧着させることにより電気的に接続する場合を示している。ここでは、接着性を有する樹脂1937に含まれる導電性粒子1938を用いて接続する例を示している。また、他にも、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤やはんだ接合等を用いて接続を行うことも可能である。
【0147】
バッテリーが素子より大きい場合には、図22、図23に示したように、一枚の基板上に複数の素子を形成し、当該素子を分断後にバッテリーと接続することによって、一枚の基板に作り込める素子の数を増やすことができるため、無線通信装置をより低コストで作製することが可能となる。
【0148】
以上の工程により、無線通信装置を作製することができる。なお、本実施の形態では、基板上に薄膜トランジスタ等の素子を形成した後に剥離する工程を示したが、剥離を行わずそのまま製品としてもよい。また、ガラス基板上に薄膜トランジスタ等の素子を設けた後に、当該ガラス基板を素子が設けられた面と反対側から研磨することにより、又はSi等の半導体基板を用いてMOS型のトランジスタを形成した後に当該半導体基板を研磨することによって、無線通信装置の薄膜化、小型化を行うことができる。
【0149】
なお、本実施の形態で示した無線通信装置の作製方法は、本明細書中の他の実施の形態で示す無線通信装置の作製方法に適用することが可能である。
【0150】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の無線通信装置の利用形態の一例であるRFIDタグの用途について説明する。RFIDタグは、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等)、包装用容器類(包装紙やボトル等)、記録媒体(DVDやビデオテープ等)、乗物類(自転車等)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札等の物品に設けることができ、いわゆるIDラベル、IDタグ、IDカードとして使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。以下に、図17を参照して、本発明の応用例、及びそれらを付した商品の一例について説明する。
【0151】
図17(A)は、本発明に係るRFIDタグの完成品の状態の一例である。ラベル台紙3001(セパレート紙)上に、RFIDタグ3002を内蔵した複数のIDラベル3003が形成されている。IDラベル3003は、ボックス3004内に収納されている。また、IDラベル3003上には、その商品や役務に関する情報(商品名、ブランド、商標、商標権者、販売者、製造者等)が記されている。一方、内蔵されているRFIDタグには、その商品(又は商品の種類)固有のIDナンバーが付されており、偽造や、商標権、特許権等の知的財産権侵害、不正競争等の不法行為を容易に把握することができる。また、RFIDタグ内には、商品の容器やラベルに記載しきれない多大な情報、例えば、商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状、価格、生産方法、使用方法、生産時期、使用時期、賞味期限、取扱説明、商品に関する知的財産情報等を入力しておくことができ、取引者や消費者は、簡易なリーダによって、それらの情報にアクセスすることができる。また、生産者側からは容易に書換え、消去等も可能であるが、取引者、消費者側からは書換え、消去等ができない仕組みになっている。なお、RFIDタグに表示部を設けこれらの情報を表示できる構成としてもよい。
【0152】
図17(B)は、RFIDタグ3012を内蔵したラベル状のRFIDタグ3011を示している。RFIDタグ3011を商品に備え付けることにより、商品管理が容易になる。例えば、商品が盗難された場合に、商品の経路を辿ることができ、その犯人を迅速に把握することができる。このように、RFIDタグを備えることにより、所謂トレーサビリティに優れた商品を流通させることができる。
【0153】
図17(C)は、本発明に係るRFIDタグ3022を内包したIDカード3021の完成品の状態の一例である。上記IDカード3021としては、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、電子乗車券、電子マネー、テレフォンカード、会員カード等のあらゆるカード類が含まれる。また、IDカード3021の表面に表示部を設け様々な情報を表示させる構成としてもよい。
【0154】
図17(D)は、無記名債券3031の完成品の状態を示している。無記名債券3031には、RFIDタグ3032が埋め込まれており、その周囲は樹脂によって成形され、RFIDタグを保護している。ここで、該樹脂中にはフィラーが充填された構成となっている。無記名債券3031は、本発明に係るRFIDタグと同じ要領で作成することができる。なお、上記無記名債券類には、切手、切符、チケット、入場券、商品券、図書券、文具券、ビール券、おこめ券、各種ギフト券、各種サービス券等が含まれるが、勿論これらに限定されるものではない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に本発明のRFIDタグ3032を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。
【0155】
図17(E)は、本発明に係るRFIDタグ3042を内包したIDラベル3041を貼付した書籍3043を示している。本発明のRFIDタグ3042は、表面に貼ったり、埋め込んだりして、物品に固定される。図17(E)に示すように、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。RFIDタグ3042は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後も、その物品自体のデザイン性を損なうことがない。
【0156】
また、ここでは図示しないが、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に上記実施の形態で示したRFIDタグを設けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。また乗物類にRFIDタグを設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物に無線タグを埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等を容易に識別することが可能となる。
【0157】
図18(A)、(B)は、上記実施の形態で示したRFIDタグを含んだIDラベル2502を貼付した書籍2701、及びペットボトル2702を示している。RFIDタグは非常に薄いため、上記書籍等の物品にIDラベルを搭載しても、機能、デザイン性を損ねることがない。更に、非接触型薄膜集積回路装置の場合、アンテナとチップを一体形成でき、曲面を有する商品に直接転写することが容易になる。
【0158】
図18(C)は、果物類2705の生鮮食品に、直接RFIDタグを含んだIDラベル2502を貼り付けた状態を示している。また、図18(D)は、包装用フィルム2703によって、野菜2704等の生鮮食品を包装した一例を示している。また、なお、チップ2501を商品に貼り付けた場合、剥がされる可能性があるが、包装用フィルム2703によって商品をくるんだ場合、包装用フィルム2703を剥がすのは困難であるため、防犯対策上のメリットがある。なお、上述した商品以外にも、あらゆる商品に、本発明に係る無線通信装置を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図2】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図3】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図4】本発明の無線通信装置に電波を送信する給電器の一構成例を示す図。
【図5】本発明の無線通信装置におけるアンテナの一構成例を示す図。
【図6】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図7】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図8】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図9】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図10】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図11】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図12】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図13】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図14】本発明の無線通信装置の動作の一例を示す図。
【図15】本発明の無線通信装置の一構成例を示す図。
【図16】本発明の無線通信装置に電波を送信するリーダ/ライタの一構成例を示す図。
【図17】本発明の無線通信装置の使用形態の一例を示す図。
【図18】本発明の無線通信装置の使用形態の一例を示す図。
【図19】本発明の無線通信装置の作製方法の一例を示す図。
【図20】本発明の無線通信装置の作製方法の一例を示す図。
【図21】本発明の無線通信装置の作製方法の一例を示す図。
【図22】本発明の無線通信装置の作製方法の一例を示す図。
【図23】本発明の無線通信装置の作製方法の一例を示す図。
【符号の説明】
【0160】
100 RFIDタグ
101 アンテナ回路
102 整流回路
103 電圧制御回路
104 スイッチ
105 バッテリー
106 充電制御回路
107 スイッチ
110 信号処理回路
120 基板
121 アンテナ回路
122 整流回路
123 電圧制御回路
124 スイッチ
125 バッテリー
126 充電制御回路
127 スイッチ
129 チップ
133 復調回路
134 アンプ
135 論理回路
136 メモリコントロール回路
137 メモリ回路
138 論理回路
139 アンプ
140 変調回路
141 電源回路
142 電源回路
201 リーダ/ライタ
202 電波
203 給電器
204 電波
205 電波
210 基板
351 アンテナ
400 無線通信装置
401 受電装置部
402 電源負荷部
411 アンテナ回路
412 整流回路
413 電圧制御回路
414 スイッチ
415 バッテリー
416 充電制御回路
417 回路
419 通信制御回路
420 給電器
421 給電器
422 給電器
430 表示部
431 画素部
432 表示制御部
433 集積回路部
440 チップ
451 アンテナ
452 共振容量
453 ダイオード
455 平滑容量
501 受信部
502 送信部
503 制御部
504 インターフェース部
505 アンテナ回路
506 上位装置
507 アンテナ
508 共振容量
600 給電器
601 送電制御部
602 アンテナ回路
603 アンテナ
604 共振容量
1901 基板
1902 絶縁膜
1903 剥離層
1904 絶縁膜
1905 半導体膜
1906 ゲート絶縁膜
1907 ゲート電極
1908 不純物領域
1909 不純物領域
1910 絶縁膜
1911 不純物領域
1913 導電膜
1914 絶縁膜
1918 絶縁膜
1919 素子形成層
1920 シート材
1921 シート材
1935 基板
1937 樹脂
1938 導電性粒子
2501 チップ
2502 IDラベル
2701 書籍
2702 ペットボトル
2703 包装用フィルム
2704 野菜
2705 果物類
3001 ラベル台紙
3002 RFIDタグ
3003 IDラベル
3004 ボックス
3011 RFIDタグ
3012 RFIDタグ
3021 IDカード
3022 RFIDタグ
3031 無記名債券
3032 RFIDタグ
3041 IDラベル
3042 RFIDタグ
3043 書籍
1900a 薄膜トランジスタ
1900b 薄膜トランジスタ
1900c 薄膜トランジスタ
1900d 薄膜トランジスタ
1900e 薄膜トランジスタ
1905a 半導体膜
1905b 半導体膜
1905c 半導体膜
1907a 導電膜
1907b 導電膜
1912a 絶縁膜
1912b 絶縁膜
1915a 導電膜
1916a 導電膜
1917a 導電膜
1917b 導電膜
1931a 導電膜
1932a 開口部
1934a 導電膜
1934b 導電膜
1936a 導電膜
1936b 導電膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ回路と、前記アンテナ回路にスイッチを介して電気的に接続された複数のバッテリーとを有し、
前記複数のバッテリーはそれぞれ異なる回路に電気的に接続され、
前記アンテナ回路が電波を受信することにより、前記複数のバッテリーが充電されることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
複数のアンテナ回路と、前記複数のアンテナ回路のいずれか一にスイッチを介して電気的に接続された複数のバッテリーとを有し、
前記複数のバッテリーはそれぞれ異なる回路に電気的に接続され、
前記複数のバッテリーがスイッチを介して接続されたアンテナ回路が電波を受信することにより、前記複数のバッテリーが充電され、
前記複数のアンテナ回路のうち少なくとも一つは周波数が異なる電波を受信することを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
複数のアンテナ回路と、前記複数のアンテナ回路のいずれか一にスイッチを介して電気的に接続された複数のバッテリーと、少なくとも前記複数のアンテナ回路のいずれか一に電気的に接続された通信制御回路とを有し、
前記複数のバッテリーはそれぞれ異なる回路に電気的に接続され、
前記通信制御回路は、前記複数のアンテナ回路を介して外部にデータを送信し、
前記複数のバッテリーがスイッチを介して接続されたアンテナ回路が電波を受信することにより、前記複数のバッテリーが充電され、
前記複数のアンテナ回路のうち少なくとも一つは周波数が異なる電波を受信することを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記複数のアンテナ回路のいずれか一は、電磁誘導方式により電波を受信することを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
第1のアンテナ回路及び第2のアンテナ回路と、
前記第1のアンテナ回路に第1のスイッチを介して電気的に接続された第1のバッテリーと、前記第2のアンテナ回路に第2のスイッチを介して電気的に接続された第2のバッテリーとを有し、
前記第1のアンテナ回路が電波を受信することにより前記第1のバッテリーが充電され、前記第2のアンテナ回路が電波を受信することにより前記第2のバッテリーが充電され、
前記第1のバッテリーと前記第2のバッテリーは異なる回路に接続され、
前記第1のアンテナ回路と前記第2のアンテナ回路は周波数が異なる電波を受信することを特徴とする無線通信装置。
【請求項6】
第1のアンテナ回路と、第2のアンテナ回路と、第3のアンテナ回路と、
前記第1のアンテナ回路に第1のスイッチを介して電気的に接続され且つ前記第2のアンテナ回路に第2のスイッチを介して電気的に接続された第1のバッテリーと、前記第3のアンテナ回路に第3のスイッチを介して電気的に接続された第2のバッテリーとを有し、
前記第1のアンテナ回路又は前記第2のアンテナ回路が電波を受信することにより前記第1のバッテリーが充電され、前記第3のアンテナ回路が電波を受信することにより前記第2のバッテリーが充電され、
前記第1のバッテリーと前記第2のバッテリーは異なる回路に接続され、
前記第1のアンテナ回路と前記第2のアンテナ回路は周波数が異なる電波を受信することを特徴とする無線通信装置。
【請求項7】
第1のアンテナ回路及び第2のアンテナ回路と、
前記第1のアンテナ回路及び前記第2のアンテナ回路に電気的に接続された信号処理回路と、
前記第1のアンテナ回路が電波を受信することにより充電が行われる第1のバッテリーと、前記第2のアンテナ回路が電波を受信することにより充電が行われる第2のバッテリーとを有し、
前記第1のアンテナ回路は、前記信号処理回路に記憶されたデータを外部に送信するために信号を送受信し、
前記第1のバッテリーと前記第2のバッテリーは前記信号処理回路に設けられた異なる回路に電源を供給し、
前記第1のアンテナ回路と前記第2のアンテナ回路は周波数が異なる電波を受信することを特徴とする無線通信装置。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか一項において、
前記第1のアンテナ回路と前記第2のアンテナ回路のいずれか一方は、電磁誘導方式により電波を受信することを特徴とする無線通信装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
前記バッテリーは、リチウム電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池であることを特徴とする無線通信装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
前記バッテリーに代えてセラミックコンデンサ又は電気二重層コンデンサーを設けることを特徴とする無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−86196(P2008−86196A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223955(P2007−223955)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】