照明装置における離間した波長変換
【課題】 光源から物理的に分離された波長変換素子を使用することにより、高い輝度を生じる増大した電流で駆動できる、波長変換を用いた照明装置を提供する。
【解決手段】 照明装置は、1以上の発光ダイオード、キセノンランプまたは水銀ランプのような光源から物理的に分離された、フォスファー体層のような波長変換素子を使用する。波長変換素子は光源から光学的に分離され、該波長変換素子によって放出される変換光が光源に入射するのを防止するようになっている。従って、波長変換素子の温度制限は排除され、それによって高輝度を生じる増大した電流で光源を駆動することが可能になる。更に、波長変換素子を光源から光学的に分離することにより、当該装置野変換およびリサイクル効率が改善され、これも輝度を増大させる。
【解決手段】 照明装置は、1以上の発光ダイオード、キセノンランプまたは水銀ランプのような光源から物理的に分離された、フォスファー体層のような波長変換素子を使用する。波長変換素子は光源から光学的に分離され、該波長変換素子によって放出される変換光が光源に入射するのを防止するようになっている。従って、波長変換素子の温度制限は排除され、それによって高輝度を生じる増大した電流で光源を駆動することが可能になる。更に、波長変換素子を光源から光学的に分離することにより、当該装置野変換およびリサイクル効率が改善され、これも輝度を増大させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関し、特に、半導体発光装置を含む高輝度光源によって生じた光の波長変換に関する。
【背景技術】
【0002】
青色の光または紫外もしくは近紫外の光を放出する効率の良い発光ダイオード(LED)の開発と共に、LEDの一次発光の一部(または一次発光全体)をより長い波長にフォスファー変換(phosphor conversion)することにより光を生じるLEDの製造が容易になってきている。LEDの一次発光をより長い波長に変換することは、通常、一次発光の下方変換と称されている。幾つかのシステムでは、望ましい色の光(例えば白色光)を生じるために、LEDの一次発光の未変換部分がより長い波長の変換光と組み合わされる。或いは、一次発光の全体がより長い波長をもった光に変換され、次いで望ましい光を生じるように組み合わされる。
【0003】
従来、LEDの一次発光の波長変換は、エポキシ、シリコーンまたは他の類似材料のような結合媒体中に保持されたフォスファー体を用いて達成されている。フォスファー体は一般に、硬化前の結合材料中に混合される粉末の形状である。フォスファー体粉末を含有する未硬化のスラリーは、LED上に堆積されてLEDを封止し、続いて硬化される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば投影機、自動車のヘッドライト、光ファイバー、および劇場の光のような多くの照明用途においては、高輝度のフォスファー変換されたLEDを使用するのが望ましい。しかし、フォスファー体封止されたLEDに伴う一つの困難は、高温に曝されると結合媒質が不透明になり、褐色に変化することである。従って、封止剤のこの温度制限はLEDを駆動できる電流を制限し、これはフォスファー変換型LEDの輝度を制限する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの実施形態に従えば、照明装置は、発光ダイオードもしくは発光ダイオードアレイ、キセノンランプ、または水銀ランプのような光源から物理的に分離された、波長変換素子を使用する。加えて、この波長変換素子(例えばフォスファー体層であってよい)は、波長変換素子によって放出される変換光が光源に入射しないように、光源から光学的に分離される。波長変換素子を光源から物理的に分離することによって、波長変換素子の温度制限が除かれ、それによって、該光源を、より高い輝度を生じる増大した電流で駆動させることが可能になる。
【0006】
従って、本発明の一つの側面において、照明装置は、第一のビーム経路に沿って第一の波長範囲を有する光を放出する光源、および該第一のビーム経路内にある波長変換素子を含んでいる。この波長変換素子は、光源から物理的に分離される。該波長変換素子は、第一の波長範囲を有する光を、第二のビーム経路に沿った第二の波長範囲を有する光に変換する。当該装置は、更に、前記光源と前記波長変換素子との間に配置された色分離素子を含んでいる。この色分離素子は、前記第二の波長範囲を有する実質的に全ての光が、前記光源に入射するのを防止するように構成される。
【0007】
本発明のもう一つの側面において、照明装置は、第一の波長範囲を有する光を放出する光源と、該光源に関連する第一の光学素子とを含んでいる。該第一の光学素子は、前記光源から第一のビーム経路に沿って放出される光をコリメートする。当該照明装置はまた、前記第一のビーム経路内にある色分離素子を含んでおり、ここでの色分離素子は、全ての前記コリメートされた光を、前記第一のビーム経路に沿って第二の光学素子へと向わせるように構成される。該第二の光学素子は、前記コリメートされた光を集光させる。波長変換素子は、前記第二の光学素子から集光された光を受取り、前記第一の波長範囲の光を少なくとも部分的に吸収して、第二の波長範囲を有する光を放出するように構成されている。前記第二の光学素子は、前記波長変換素子から放出された第二の波長範囲を有する光をコリメートする。前記色分離素子は、第二の波長範囲を有する光が前記光源に入射するのを防止する。
【0008】
もう一つの側面において、当該装置は、第一の波長範囲を有する光を放出する光源、および該放出された光を受光する第一の色分離素子を含んでいる。該第一の色分離素子は、前記光源によって放出された実質的に全ての光を、波長変換素子に向けさせるように構成される。該波長変換素子は、前記第一の波長範囲の光を少なくとも部分的に吸収し、第二の波長範囲を有する光を放出するように構成される。前記第一の色分離素子は、この第二の波長範囲を有する光が前記光源に入射するのを防止する。加えて、当該装置は、前記波長変換素子によって放出された光を受光する第二の色分離素子を含んでいる。該第二の色分離素子は、第一の波長範囲の光を反射して前記波長変換素子へと戻し、また第一の範囲の角度で前記第二の色分離素子に入射する第二の波長範囲の光を透過させる一方、前記第一の角度範囲外で前記第二の色分離素子に入射する光を反射させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に従う照明装置を示している。
【図2A】輝度向上構造を備えた波長変換素子の動作を示している。
【図2B】輝度向上構造を備えた波長変換素子の動作を示している。
【図3A】ヘッドライトとして使用される照明装置を示している。
【図3B】ヘッドライトとして使用される照明装置を示している。
【図4】図1に示した装置と同様であるが、装置の輝度を約2倍にするための追加の光源を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図5】例えば組み合わされた赤色、緑色および青色の光を生じるための複数の光源および波長変換素子を備えた、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図6】図5に示したのと同様の、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図7】光源および波長変換素子の直列配列を有する、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図8】図7に示した装置と同様であるが、装置の輝度を約2倍にするための追加の光源を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図9A】光学素子および二色性素子の機能が二色性球体において組み合わされた、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図9B】光学素子および二色性素子の機能が二色性球体において組み合わされた、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図10】図9Aに示した装置と同様であるが、装置の輝度を約2倍にするための追加の光源を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図11A】回転する波長変換素子を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図11B】回転する波長変換素子を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図12】液晶ディスプレー(LCD)パネルのためのバックライトとして使用し得る、フォスファー体ドットを備えた波長変換素子を含むもう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図13】半導体発行装置、第一の色分離素子、波長変換素子、光学的偏光回復素子、および第二の色分離素子を含んだ、一つの実施形態の装置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一つの実施形態に従えば、前記波長変換素子は前記光源から物理的に分離され、これは許容可能な温度、従って、半導体発光装置が駆動され得る電流(光源として使用される場合)を増大させる。従って、波長変換媒体の温度限界は、もはや光源の輝度に対する制限とはならないであろう。光源は、例えば半導体発光装置、またはキセノンランプもしくは水銀ランプのような他の短波長光源であってよい。加えて、波長変換された光のビーム経路は光源から分離される。即ち、変換された光は、光源に入射するのを防止される。従って、光源において生じ得る吸収ロスが有利に低減され、それにより変換およびリサイクルにおける大きな効率の利得を提供されて、これにより輝度が増大する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に従う照明装置100を示している。図1は光源102を含んでおり、単純化のために、以下ではこれを発光装置(LED)102と称する。この光源は、発光ダイオードもしくは発光ダイオードアレイのような半導体発光装置、またはキセノンランプもしくは水銀ランプのような短波長の光を発生できる他の種類の光源であってよい。一例として、LED102は、本開示と同じ譲受人を有する、2003年8月29日に提出された「半導体発光装置のためのパッケージ」と題するFrank Wall et al.の米国出願番号10/652,348に記載されたタイプの高輝度装置であってよく、この出願を本明細書の一部として援用する。LED102は任意のサブマウント104上に示されており、これはヒートシンク106上に装着される。
【0012】
図1に示すように、照明装置100は、LED102から物理的に分離された波長変換素子112を含んでいる。LED102および波長変換素子112は、例えば空気、ガスまたは真空によって、ビーム経路に沿って分離されてよい。LED102と波長変換素子112との物理的分離の長さは変化してよいが、一つの実施形態では、1 mmよりも大きい。このLED102と波長変換素子112との間の物理的分離は、LED102による波長変換素子112の実質的な熱伝導加熱を防止するために充分である(理想的には、この分離は如何なる熱伝導加熱を分離するためにも充分である)。
波長変換素子112は、例えば、慣用的に製造された、エポキシまたはシリコーンのような結合媒体中のフォスファー体または他の波長変換材料の層であってよい。この波長変換素子112の中に使用されるフォスファー体の種類および量は、LED102の一次発光波長範囲および望ましい変換光波長等の因子に依存する。LED102は、一般に、或る波長範囲を有する一次発光を生じることが理解されるべきである。この波長範囲は一般に狭く、従って、LEDはときには、生じたスペクトルにおける支配的波長またはピーク波長である単一の波長によって特徴付けられる。LED102が青、紫外もしくは近紫外スペクトルの波長を生じる一つの実施形態において、波長変換素子112は、光を緑色スペクトルの変換光を生じるためのチオ没食子酸塩(TG)、SrSiON:EU、SrBaSiO:Eu;琥珀色スペクトルの変換光を生じるためのBaSrSiN:Eu;赤色スペクトルの変換光を生じるためのCaS:Eu、(Sr0.5,Ca0.5)S:Eu、SrS:Eu、SrSiN:Eu;白色の変換光を生じるためのYAGのようなフォスファー体を使用してよい。参照を容易にするために、場合によって、ここでは波長変換素子をフォスファー体素子と称するが、色素のような他の波長変換材料も使用し得ることが理解されるべきである。
【0013】
フォスファー体素子112は、3Mによって製造されたESR正反射膜、またはトーレによって製造されたE60L白色拡散反射膜のような高反射率基板115上に装着され、ヒートシンク116に熱的に結合される。所望の場合に、もしヒートシンクがフォスファー体112の顕著な熱伝導加熱を防止するのに充分に大きければ、LED102およびフォスファー体素子112は同じヒートシンクを共有してもよいことに留意すべきである。フォスファー体素子112はLED102から物理的に分離されるので、LED102によって生じた熱は、フォスファー体素子112の動作に対して僅かしか影響せず、または全く影響しないであろう。従って、LED102は、高輝度を生じるための高い電流で駆動されることができる。更に、シートシンク116を使用すれば、フォスファー変換によって生じたフォスファー体素子112からの熱を消失させることができる。フォスファー体の加熱は約20〜30パーセントだけその特性を劣化させ得るので、ヒートシンク116の使用により、フォスファー体素子112の特性を劇的に増大させることができる。
【0014】
加えて、LED102から放出される光のビーム経路103の少なくとも一部は、フォスファー体112からの変換光のビーム経路113から離間される。装置100は色分離素子110を使用しており、該色分離素子は、LED102によって放出された一次光波長を反射し、フォスファー体素子112によって放出された変換光波長を透過させる。一つの実施形態において、色分離素子110は例えば二色性ミラーであってよく、参照を容易にするために、場合によってはこの色分離素子を二色性ミラーと称する。しかし、本発明と共に、二色性キューブ、回折光学素子またはホログラムのような他の色分離素子を使用してもよいことが理解されるべきである。充分な二色性ミラーは、例えば、リヒテンシュタインに所在のUnaxis Balzers Ltd.、またはカリホルニア州サンタローザに所在のオプティカル・コーティング・ラボラトリーズInc.から購入すればよい。
【0015】
色分離素子110は、フォスファー体112によって放出された実質的な量の変換光が、LED102に入射するのを防止するために使用される。理想的には、変換光は全くLED20に入射しないが、二色性ミラーのような色分離素子は理想的なものではなく、変換光の0〜30パーセントがリークする可能性がある。従って、LED102による変換光の吸収は低減され、それにより変換およびリサイクルの効率が改善されて、当該装置100の輝度が改善される。
【0016】
一次光、および二色性ミラーに入射する前の変換光をコリメートするために、光学素子が使用される。例えば、LED102によって放出された光をコリメートするために、LED102と二色性ミラー110との間にコリメータ108が使用される。フォスファー体素子112と二色性ミラー110との間のもう一つのコリメータ114は、フォスファー体素子112によって放出された変換光をコリメートするために、また二色性ミラー110によって反射された一次光をフォスファー体素子112上に集光させるために使用される。これらの光学素子はコリメータである必要はなく、他の光学素子、例えば反射性複合パラボラ集光素子、内部全反射光学素子、矩形反射角トランスフォーマ(rectangular reflective angle transformer)、コンデンサレンズ、レンズアセンブリー、またはこれら素子の組み合わせであってもよいことが理解されるべきである。二色性ミラーのような色分離素子は角度依存性なので、これらの光学素子は、好ましくは狭い光コーンを生じる。これらの光学素子は、例えば円形または矩形の形状を有していてよく、また、モールドされたプラスチックまたはアルミニウムもしくは金属アロイのような金属等の材料で慣用的に形成されてよい。LED102が高温で駆動されるときは、金属またはガラスのような、温度感受性のない材料を使用するのが特に有利である。
【0017】
動作において、フォスファー体素子112はLED102から一次光を受光し、該一次光を吸収して変換光を放出することにより、一次光をもう一つの波長範囲に変換する。フォスファー体素子112に吸収されなかったLED102からの光は、反射性基板115によって反射され、二色性ミラー110によってLED102へと逆に反射され、そこで光が反射されてフォスファー体素子112へと戻される。こうして、吸収されなかった一次光は、少なくとも部分的には、照明装置100の中でリサイクルされる。加えて、フォスファー体素子112は全方向に向けて光を放出するので、反射性基板115は、変換された光の一部を二色性ミラー110の方に向けて反射するために使用される。次いで、この変換光は二色性ミラー110を透過する。
【0018】
図1に示したように、二色性ミラーの後に、追加の光学素子が配置されてもよい。例えば、当該装置100は輝度向上フィルム118を含んでもよい。輝度向上フィルムは、例えば、スイス国チューリッヒに所在のHeptagon社によって製造されるような回折光学素子、または3Mによって製造されるようなミクロ反射素子もしくは輝度向上フィルムであってよい。加えて、装置100は、時には非吸収性偏光子とも称される偏光回復部品120、例えばユタ州オーレムに所在のMoxtec, Inc.または3Mによって製造される二重輝度向上フィルムとして知られているものを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、輝度向上フィルム118および偏光回復部材120の相対的位置は逆転されてもよい。
【0019】
輝度向上イフィルム118および偏光回復部品120は、望ましい光を透過させ、且つ望ましい光を反射してフォスファー体素子112へと戻すことにより、照明装置100によって発生された光の角度分布および偏光状態を限定する。フォスファー体素子112は発生した光を非常に僅かしか吸収しないので、リサイクル効率は非常に高い。
【0020】
図1は、相互に対して90°で配向されたLED102およびフォスファー体素子112を例示しているが、他の角度を用いてもよいことが理解されるべきである。例えば、色分離および二色性ミラーの効率は角度依存性なので、LED102およびフォスファー体素子112は、相互に対して45°未満で配向されるのが望ましい可能性もある。
【0021】
一つの実施形態においては、輝度向上構造122(および/または偏光回復部品)は、フォスファー体素子112を覆って装着されてもよい。図2Aおよび図2Bは、輝度向上構造122を備えたフォスファー体素子112の動作を拡大して示している。輝度向上構造122は、フォスファー体素子112から分離されていてもよく、またはフォスファー体素子112と物理的に接触していてもよい。輝度向上構造112は、例えば二色性ミラーまたは回折光学素子である。二色性ミラーが用いられる場合、図2Aおよび図2Bに示されるように、該二色性ミラーは、LED102によって放出された一次光については大きな入射角度範囲に亘って透過させるが、フォスファー体素子112によって放出された変換光については、限定された入射角度(例えば垂直表面から30°以下)でしか透過させないように設計される。変換光を狭い角度で透過させることによって、輝度向上構造122は、大きな比率の光が下流において利用されることを保証する。
【0022】
図2Bは、フォスファー体素子112によって大きな角度で放出された変換光が、輝度向上構造122によって反射され、フォスファー体素子112によって再吸収および再放出されることを図示死している。こうして、光の一部は第二の通過の際に放出され、それによって照明装置100の輝度は増大されるであろう。
【0023】
図3Aおよび図3Bは、装置100に類似した照明装置(同様に指定された素子は同じものである)を示している。図示のように、装置150は、自動車のヘッドライトとしての用途に適合されており、部品のための筐体152、および結果としてビーム156を生じる投射レンズ154を含んでいる。所望であれば、同様の構成をスポットライトとして使用してもよい。
【0024】
図3Bに示すように、フォスファー体素子112'は、例えば標準化されたヘッドライトビームパターンを形成するために、異なるタイプもしくは量のフォスファー体でパターン化してもよい。例えば、図3Bに示すように、フォスファー体素子112の第一の部分112'aは黄色および青色のブレンドを含んでもよく、この場合、LED102はより短い波長範囲、たとえばUV光を放出する。或いは、第一の部分112'aは黄色のフォスファー体を使用する一方、LED102は青色の光を放出し、二色性ミラー110は青色光を部分的に透過させてもよい。フォスファー体素子112'の第二の部分112'bは、フォスファー体を少ししか含まないか、または全く含まなくてもよく、或いは異なるフォスファー体のブレンドを含んでいてもよい。フォスファー体を少ししか含まず、または全く含まない部分112'bは、部分112'aよりも少ない光を変換するであろう。二色性ミラー110は、部分112'aによって変換された光を透過させ、また部分112'bからの未変換の青色光の殆どを反射して、これをLED102に向けて戻すであろう。こうして、部分112'aおよび112'bによって形成された標準化されたビームパターンが、投射レンズ154によって投射されるであろう。
【0025】
同様の方法で、照明装置150により、他のパターンを発生させてもよいことが理解されるべきである。例えば、フォスファー体素子112'を適切にパターンニングすることにより、装置150によってメッセージおよび/または記号を投射してもよい。
【0026】
図4は、もう一つの実施形態になる照明装置200を示しており、これは装置100に類似しており、同様に指定された素子は同じものを示している。照明装置200は、二つのLED102および202を使用することにより、装置100に対して輝度が約2倍になっている。第二のLED202は任意のサブマウント204上に保持されており、LED102と共にヒートシンク206を共有してもよい。第二のLED202が放出する光は、コリメータ208によってコリメートされ、且つ第二の色分離素子(即ち、二色性ミラー210)によって、フォスファー体素子112に向けて反射される。この実施形態において、第二のLED202により放出される光は、LED102により放出される光とは異なる波長範囲を有する。例えば、LED102および202は、約20 nmだけ異なるピーク波長、例えば、約430 nmおよび450 nm、または400 nmおよび435 nmのピーク波長をもった光を放出してよい。フォスファー体素子112は、LED102および202からの1次光が変換されるように、大きな吸収スペクトルまたはフォスファー体の混合物を有するべきである。二つのLED102および202を使用することにより、装置200は、装置100の約2倍の輝度を有する。
【0027】
図5は、複数の光源および複数の離間した波長変換素子を含んだ、もう一つの実施形態になる照明装置300を示している。装置300は、組み合わされた赤色、緑色および青色の光を発生するために使用してよく、例えばデジタル光処理(DLP)プロジェクタ、またはシリコン上の液晶(LCoS)プロジェクタのような、色シーケンス投影機において使用してよい。所望であれば、シアン色および琥珀色のような追加の色を、装置300によって発生させてよい。
【0028】
装置300は、動作においては装置100と同様であり、同様に指定された素子は同じでものを示している。しかし、装置300は、それぞれ任意のサブマウント304および324上に保持された追加のLED302および322を含んでいる。全てのLED102、302および322が同一のヒートシンク306を共有してよい。
【0029】
装置300は、図1を参照して上記で述べたのと同じ方法で、離間したフォスファー素子112および312を使用して、赤色および緑色の光を発生させる。従って、コリメータ308のような光学素子は、LED302からの一次光(青色光またはUV光であってよい)をコリメートし、また二色性ミラー310は、該光を第二のフォスファー体素子312に向けて反射する。コリメータ310は、この光を、反射ミラー315およびヒートシンク316上に保持されたフォスファー体素子312の上に集光させる。フォスファー体素子312からの変換された緑色光は、二色性ミラー310を透過し、また輝度向上フィルム318および偏光回復部品320を透過する(或いは、リサイクルのためにこれらによって反射される)。
【0030】
装置300は、例えば、青色スペクトルの一時発光をもつLED322を使用することによって、青色光を直接発生させてよい。図5に示すように、コリメータ328のような光学素子がこの青色の放出された光をコリメートし、該光は輝度向上フィルムおよび偏光回復部品340を透過する(或いはリサイクルのためにこれらにより反射される)。輝度向上フィルムおよび偏光回復部品の使用は、輝度および偏光を増大させて、装置300の照明を更に均一にする。
【0031】
所望であれば、図2Aおよび図2Bを参照して説明したような輝度向上フィルムを、フォスファー体素子112および312の前に配置してもよい。
【0032】
或いは、装置300は、UVスペクトルの一次発光を持つLEDを使用することにより、また、一次発光を青色光に変換する物理的に分離されたフォスファー体素子を使用することにより、図1を参照して上記で説明したのと同じ方法で青色光を生じさせてもよい。変換された青色光が使用される実施形態においては、必要な部品、即ち、色分離素子、光学素子およびフォスファー体素子が、図5の平面の中または外に伸びてもよい。
【0033】
装置300は、Xプレート324、例えば、交差した形態の二色性ミラー、並びに赤色、緑色および青色の光を組み合わせるためのコンデンサレンズ344を含んでいる。所望であれば、Xプレート342とコンデンサレンズ344の間に単一の輝度向上フィルムおよび分極修復部品の対を配置することにより、3対の輝度向上フィルムおよび分極修復部品を使用する必要性を不要にしてもよい。
【0034】
望ましい場合には、装置300は、図1を参照して説明したのと同じ方法で、追加のLEDおよびフォスファー体素子を使用することにより、追加の色、例えば琥珀色およびシアン色を発生させてもよい。追加のLED、フォスファー体素子、および付属の光学素子、並びに二色性ミラーは、当該図のページ平面の中または外へと広がってよい。
【0035】
図6は、装置300と同様の照明装置400を示しており、同様に指定された素子は同じものを表している。しかし、装置400は、エプソン(日本)によって製作されたタイプのような、3パネルLCD投影装置のために構成されている。装置400は、投射レンズ403の正面にXキューブ402を含んでいる。該Xキューブ402は、高温ポリシリコン(HTPS)LCDディスプレーである微小ディスプレー404、406および408によってそれぞれ発生された、赤、緑および青の画像を組合せる。
【0036】
図7は、もう一つの実施形態になる照明装置500を示している。装置500は、光源と、離間した、即ち物理的に分離された波長変換素子との直線形配置を有しており、これはフラッシュ光のような空間が制限される照明装置のために特に有利である。図7に示すように、装置500は、任意のサブマウント504およびヒートシンク506上に、LED502を含んでいる。コリメータ508または他の光学素子が、LED502から放出された一次光をコリメートし、この光はフォスファー体素子512に向って二色性ミラー510を透過する。第二のコリメータ514は、二色性ミラー510を透過した一次光をフォスファー体素子512上に集光させる。
【0037】
フォスファー体素子512は、LED502によって放出された一次光を吸収して、より長い波長を有する光を両方向に、即ち、二色性ミラー510に向う方向およびこれから遠ざかる方向に放出する。二色性ミラー510は、フォスファー体素子512によって放出された変換光を反射して、フォスファー体素子512に向わせる。従って、二色性ミラー510は、変換された光がLED502上に入射するのを防止し、これによって装置500の効率を改善する。
【0038】
フォスファー体素子512から放出された変換光の一部は、コリメータ516または他の適切な光学素子によってコリメートされる。第二の二色性ミラー518は、この変換された光を透過させ、また全ての未変換光を反射してフォスファー体素子512へと戻す。輝度向上フィルム520および偏光回復部品522は、装置500の下流で使用できない光をリサイクルするために、二色性ミラー518の後に配置されてもよい。所望であれば、追加の輝度向上フィルム524または偏光回復部品を、例えば図2Aおよび図2Bを参照して説明したように、フォスファー体素子512上に配置してもよい。
【0039】
図8は、装置500に類似したもう一つの実施形態になる照明装置550を示しており、同様に指定された素子は同じものを示している。しかし、装置550は追加の光源を使用して、フォスファー体素子512を正面および背面から照射し、それによって装置の輝度を約2倍にするようになっている。図8に示すように、装置550は、第二の光源として、第二のLED552(任意のサブマウント554およびヒートシンク556の上)およびコリメータ558を使用する。二色性キューブ560、または二色性ミラーのような他の適切な装置は、LED552によって放出された光をフォスファー体素子512に向けて反射し、またフォスファー体素子512からの変換光を透過させる。二つのLED502および552は、同じ波長範囲を有する一次光を放出してよい。
【0040】
図9Aは、もう一つの実施形態になる照明装置600を示している。照明装置600は二色性球体610を使用して、光学素子および二色性素子の機能を有利に組合せる。図9Aに示すように、装置600は、任意のサブマウント604およびヒートシンク606上に保持されたLED602を含んでいる。LED602に近接し、またはこれに接触して保持されるコンデンサレンズ608は、LED602をフォスファー体素子612上に投影する二色性球体610と共に使用されてよい。この二色性球体610は、例えば、二色性キューブに類似して、中心に二色性フィルムを配置したガラスまたはプラスチックの球体であってよい。
【0041】
コンデンサレンズ614は、反射性のサブマウント616およびヒートシンクに装着されたフォスファー体素子612に近接し、または接触して保持されてよい。フォスファー体素子612は、LED602から放出された光を波長のより長い光へと変換し、この変換光は二色性球体610をレンズ620へと透過する。変換光は、レンズ620によってコリメートされ、或いは集光される。所望であれば、輝度上昇フィルム622および偏光回復部品624を、レンズ620の後または前に配置してよい。
【0042】
図9Bは、より効率的な角度で動作する二色性球体610を備えた、もう一つの照明装置600を示している。上記で述べたように、二色性素子は、より小さい入射角度において、より良好な色分離および効率で動作する。従って、図9Bは、LED602およびフォスファー体素子612が相互に対して約45°の角度にあり、従って、二色性球体610は、LED602およびフォスファー体素子612の各々に対して約22.5°の角度にあることを示している。勿論、他の角度、例えば約22.5°未満を使用してもよい。
【0043】
図10は、装置600に類似したもう一つの実施例になる照明装置650であり、同様に指定された素子は同じものを示す。しかし、この装置650は、任意のサブマウント654およびヒートシンク656上に第二のLED652を含んでおり、これは、例えばコンデンサレンズ658を介して光学的に二色性球体660に結合される。LED602および652は、異なる波長の光を放出してもよい。二色性球体660は、LED602および652によって放出される波長に応答する二つの二色性ミラーを含んでいる。フォスファー体素子612は、異なる波長の光のための、フォスファー体の組合せを含んでよい。
【0044】
所望であれば、図9Bに記載した通り、フォスファー体素子612は、両方のLED602およびLED652に対して他の角度(例えば約45°以下)で配置されてよく、従って、二色性球体610における色分離素子は他の角度、例えばLED602および652並びにフォスファー体素子612の各々に対して約22.5°以下で配置されてよい。
【0045】
図11Aは、もう一つの実施形態になる照明装置700を示しており、該装置は、例えば色シーケンス投影機またはスタジオもしくは劇場用ライトとして使用してよい。装置700は、図1に示した装置100に類似しており、同様に指定された素子波同じものを示している。しかし、装置700は、二色性ミラー110の代りに、二色性キューブ710を使用する。更に、装置700における波長変換素子は、高反射性の基板を有するフォスファー体で覆われたディス712である。該ディスク712は複数の色区画を有しており、それぞれの区画が異なる種類および/または量のフォスファー体を有する。図11Bは、ディスク712の平面図を示しており、その三つの異なる区画は異なる種類のフォスファー体を有している。
【0046】
ディスク712は、モータ714によって回転される。ディスク712が回転されるときに、ディスク712の異なる区画、従って異なるフォスファー体が照射され、それによって異なる色を生じる。ディスク712を回転させることは、更に、フォスファーを冷却するために使用されてよく、また、ヒートシンク106を冷却する空気流を発生させるために使用できる。
【0047】
装置700によって放出される色は、LED102のデューティーサイクルおよびディスクの回転を同期させることによって制御されてよい。或いは、異なる色が望ましいときは、ディスク712の異なる部分を照射するために、ディスク712の回転を保持および停止させてよい。もう一つの適用において、ディスク712は複数の色のフォスファー体を含んでよく、または異なるメッセージもしくは記号(例えばロゴ)を備えた区画を含んでよい。こうして装置700はメッセージまたは記号を投影するが、この投影されるメッセージまたは記号は、ディスク712を回転させて、ディスク712上のもう一つのフォスファー体メッセージもしくは記号を照射することによって変更することができる。
【0048】
図12は、例えば、液晶ディスプレー(LCD)パネルのためのバックライトとして使用できる、もう一つの実施形態になる照明装置800を示している。この実施形態においては、青色バックライトを生じさせるために一つのLEDが使用され、該青色バックライトは赤および緑のフォスファー体ドットからなるフォスファー体ドットパターンと組合せて使用され、これらフォスファー体ドットは、それぞれ赤および緑の画像ピクセルを表すLCDピクセルに整列されるのに対して、青色のピクセルはブランクのまま残されるか、または非フォスファー体散乱材料を塗布される。所望であれば、該LEDは、UV光または近UV光を生じてもよく、この場合、赤および緑のフォスファー体ドットと組合せて青色のフォスファー体ドットが使用される。
【0049】
図12に示すように、任意のサブマウント804およびヒートシンク806上のLED802は、コリメータ808または他の適切な光学素子と共に使用される。LED802は、例えば青色またはUVの光を生じる。例えば赤および緑のフォスファー体ドット(およびLED802がUV光を生じるときは青のフォスファー体ドット)を含む波長変換素子812は、コリメータ808のLED802とは反対側の端部に配置される。二色性ミラー810は、LED802と波長変換素子812との間、例えばLED802上に配置される。二色性ミラー810は、LED802によって放出された青色光またはUV光を透過させるが、長い波長は反射する。従って、波長変換素子812によってLED802に向けて放出された実質的に全ての光は、二色性ミラー810によって反射され、LED802には入射しないであろう。
【0050】
第二の二色性ミラー814または輝度向上フィルムは、波長変換素子812と、LCDパネル816およびレンズ818との間に配置される。第二の二色性ミラー814は複数の二色性素子で構成されてよく、ここでの各二色性素子は対応するフォスファー体ドットに整列される。例えば、赤、緑および青の二色性素子は、赤色、緑色および青色を放出するフォスファー体ドットとそれぞれ整列される。図2Aおよび図2Bを参照して述べたように、第二の二色性ミラー814は、狭い角度範囲に亘って光を透過させ、該角度範囲外の光を反射して、波長変換素子812および二色性ミラー810の方に戻すように構成される。例えば、垂直平面から約30°未満の角度でフォスファー体ドットにより放出された光は、第二の二色性ミラー814を透過する一方、該範囲外の光は反射されるであろう。従って、LCDパネル816におけるピクセルは、狭い角度範囲で有利に光を受光する、それによって当該装置の特性を改善する。
【0051】
図13は、半導体発光装置852、第一の二色性素子854、波長変換素子856、偏光素子858、および第二の二色性素子860を含んだ実施形態になる装置850を示している。図13に示した種々の素子の幾つかまたは全部は、例えば空気ギャップによって分離されてよい。例えば、一つの実施形態において、種々の素子852、854、856、858、および860は、相互に1 mm以上分離されている。或いは、図13に示した幾つかまたは全ての素子は、物理的に接触してよい。即ち、頂部にある一つの素子が次の素子に物理的に接触していてもよい。
【0052】
この実施形態において、半導体発光装置852は、青色またはUV波長の光を放出する。波長変換素子856は、半導体発光装置852からの光を他の波長、例えば赤色、緑色または青色の光に変換する。図13に矢印で示したように、第一の二色性素子854は、半導体発光装置852によって放出された光を透過させ、波長変換素子856によって放出された光を反射する。所望であれば省略してよい偏光素子858は、偏光回復部品として働き、一つの偏光状態を透過させる一方、他の偏光状態を反射して波長変換素子856へと戻す。第二の二色性素子860は、例えば垂直から25℃以内の狭い角度範囲で波長変換素子856によって放出された光を透過させ、該角度範囲外にある光を反射させて波長変換素子856に向けて戻すことにより、輝度向上フィルムとして働く。第二の二色性素子860はまた、波長変換素子856を通してリークした、半導体発光装置852からの未変換の光を反射させて、波長変換素子856へと戻す。従って、第二の二色性素子860は、色および入射角度の両方に基づいて光を分離する。従って、二色性素子860を出る光は、偏光し且つ狭い角度範囲内にある変換光である。
【0053】
インストラクションの目的で、特定の実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の範囲を逸脱することなく、種々の適合および変形を行ってよい。例えば、この開示の全体を通して述べた要素の種々の組合せを、本発明に従って使用してよい。従って、各請求項の範囲および精神は上記の説明に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0054】
100…照明装置
102…光源(LED)
110…色分離素子(二色性ミラー)
112…波長変換素子(フォスファー体素子)
113…変換光のビーム経路
114…コリメータ
115…高反射率基板
116…ヒートシンク
118…輝度向上フィルム
120…偏光回復部品
122…輝度向上構造
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関し、特に、半導体発光装置を含む高輝度光源によって生じた光の波長変換に関する。
【背景技術】
【0002】
青色の光または紫外もしくは近紫外の光を放出する効率の良い発光ダイオード(LED)の開発と共に、LEDの一次発光の一部(または一次発光全体)をより長い波長にフォスファー変換(phosphor conversion)することにより光を生じるLEDの製造が容易になってきている。LEDの一次発光をより長い波長に変換することは、通常、一次発光の下方変換と称されている。幾つかのシステムでは、望ましい色の光(例えば白色光)を生じるために、LEDの一次発光の未変換部分がより長い波長の変換光と組み合わされる。或いは、一次発光の全体がより長い波長をもった光に変換され、次いで望ましい光を生じるように組み合わされる。
【0003】
従来、LEDの一次発光の波長変換は、エポキシ、シリコーンまたは他の類似材料のような結合媒体中に保持されたフォスファー体を用いて達成されている。フォスファー体は一般に、硬化前の結合材料中に混合される粉末の形状である。フォスファー体粉末を含有する未硬化のスラリーは、LED上に堆積されてLEDを封止し、続いて硬化される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば投影機、自動車のヘッドライト、光ファイバー、および劇場の光のような多くの照明用途においては、高輝度のフォスファー変換されたLEDを使用するのが望ましい。しかし、フォスファー体封止されたLEDに伴う一つの困難は、高温に曝されると結合媒質が不透明になり、褐色に変化することである。従って、封止剤のこの温度制限はLEDを駆動できる電流を制限し、これはフォスファー変換型LEDの輝度を制限する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの実施形態に従えば、照明装置は、発光ダイオードもしくは発光ダイオードアレイ、キセノンランプ、または水銀ランプのような光源から物理的に分離された、波長変換素子を使用する。加えて、この波長変換素子(例えばフォスファー体層であってよい)は、波長変換素子によって放出される変換光が光源に入射しないように、光源から光学的に分離される。波長変換素子を光源から物理的に分離することによって、波長変換素子の温度制限が除かれ、それによって、該光源を、より高い輝度を生じる増大した電流で駆動させることが可能になる。
【0006】
従って、本発明の一つの側面において、照明装置は、第一のビーム経路に沿って第一の波長範囲を有する光を放出する光源、および該第一のビーム経路内にある波長変換素子を含んでいる。この波長変換素子は、光源から物理的に分離される。該波長変換素子は、第一の波長範囲を有する光を、第二のビーム経路に沿った第二の波長範囲を有する光に変換する。当該装置は、更に、前記光源と前記波長変換素子との間に配置された色分離素子を含んでいる。この色分離素子は、前記第二の波長範囲を有する実質的に全ての光が、前記光源に入射するのを防止するように構成される。
【0007】
本発明のもう一つの側面において、照明装置は、第一の波長範囲を有する光を放出する光源と、該光源に関連する第一の光学素子とを含んでいる。該第一の光学素子は、前記光源から第一のビーム経路に沿って放出される光をコリメートする。当該照明装置はまた、前記第一のビーム経路内にある色分離素子を含んでおり、ここでの色分離素子は、全ての前記コリメートされた光を、前記第一のビーム経路に沿って第二の光学素子へと向わせるように構成される。該第二の光学素子は、前記コリメートされた光を集光させる。波長変換素子は、前記第二の光学素子から集光された光を受取り、前記第一の波長範囲の光を少なくとも部分的に吸収して、第二の波長範囲を有する光を放出するように構成されている。前記第二の光学素子は、前記波長変換素子から放出された第二の波長範囲を有する光をコリメートする。前記色分離素子は、第二の波長範囲を有する光が前記光源に入射するのを防止する。
【0008】
もう一つの側面において、当該装置は、第一の波長範囲を有する光を放出する光源、および該放出された光を受光する第一の色分離素子を含んでいる。該第一の色分離素子は、前記光源によって放出された実質的に全ての光を、波長変換素子に向けさせるように構成される。該波長変換素子は、前記第一の波長範囲の光を少なくとも部分的に吸収し、第二の波長範囲を有する光を放出するように構成される。前記第一の色分離素子は、この第二の波長範囲を有する光が前記光源に入射するのを防止する。加えて、当該装置は、前記波長変換素子によって放出された光を受光する第二の色分離素子を含んでいる。該第二の色分離素子は、第一の波長範囲の光を反射して前記波長変換素子へと戻し、また第一の範囲の角度で前記第二の色分離素子に入射する第二の波長範囲の光を透過させる一方、前記第一の角度範囲外で前記第二の色分離素子に入射する光を反射させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に従う照明装置を示している。
【図2A】輝度向上構造を備えた波長変換素子の動作を示している。
【図2B】輝度向上構造を備えた波長変換素子の動作を示している。
【図3A】ヘッドライトとして使用される照明装置を示している。
【図3B】ヘッドライトとして使用される照明装置を示している。
【図4】図1に示した装置と同様であるが、装置の輝度を約2倍にするための追加の光源を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図5】例えば組み合わされた赤色、緑色および青色の光を生じるための複数の光源および波長変換素子を備えた、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図6】図5に示したのと同様の、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図7】光源および波長変換素子の直列配列を有する、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図8】図7に示した装置と同様であるが、装置の輝度を約2倍にするための追加の光源を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図9A】光学素子および二色性素子の機能が二色性球体において組み合わされた、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図9B】光学素子および二色性素子の機能が二色性球体において組み合わされた、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図10】図9Aに示した装置と同様であるが、装置の輝度を約2倍にするための追加の光源を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図11A】回転する波長変換素子を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図11B】回転する波長変換素子を含んだ、もう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図12】液晶ディスプレー(LCD)パネルのためのバックライトとして使用し得る、フォスファー体ドットを備えた波長変換素子を含むもう一つの実施形態の照明装置を示している。
【図13】半導体発行装置、第一の色分離素子、波長変換素子、光学的偏光回復素子、および第二の色分離素子を含んだ、一つの実施形態の装置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一つの実施形態に従えば、前記波長変換素子は前記光源から物理的に分離され、これは許容可能な温度、従って、半導体発光装置が駆動され得る電流(光源として使用される場合)を増大させる。従って、波長変換媒体の温度限界は、もはや光源の輝度に対する制限とはならないであろう。光源は、例えば半導体発光装置、またはキセノンランプもしくは水銀ランプのような他の短波長光源であってよい。加えて、波長変換された光のビーム経路は光源から分離される。即ち、変換された光は、光源に入射するのを防止される。従って、光源において生じ得る吸収ロスが有利に低減され、それにより変換およびリサイクルにおける大きな効率の利得を提供されて、これにより輝度が増大する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に従う照明装置100を示している。図1は光源102を含んでおり、単純化のために、以下ではこれを発光装置(LED)102と称する。この光源は、発光ダイオードもしくは発光ダイオードアレイのような半導体発光装置、またはキセノンランプもしくは水銀ランプのような短波長の光を発生できる他の種類の光源であってよい。一例として、LED102は、本開示と同じ譲受人を有する、2003年8月29日に提出された「半導体発光装置のためのパッケージ」と題するFrank Wall et al.の米国出願番号10/652,348に記載されたタイプの高輝度装置であってよく、この出願を本明細書の一部として援用する。LED102は任意のサブマウント104上に示されており、これはヒートシンク106上に装着される。
【0012】
図1に示すように、照明装置100は、LED102から物理的に分離された波長変換素子112を含んでいる。LED102および波長変換素子112は、例えば空気、ガスまたは真空によって、ビーム経路に沿って分離されてよい。LED102と波長変換素子112との物理的分離の長さは変化してよいが、一つの実施形態では、1 mmよりも大きい。このLED102と波長変換素子112との間の物理的分離は、LED102による波長変換素子112の実質的な熱伝導加熱を防止するために充分である(理想的には、この分離は如何なる熱伝導加熱を分離するためにも充分である)。
波長変換素子112は、例えば、慣用的に製造された、エポキシまたはシリコーンのような結合媒体中のフォスファー体または他の波長変換材料の層であってよい。この波長変換素子112の中に使用されるフォスファー体の種類および量は、LED102の一次発光波長範囲および望ましい変換光波長等の因子に依存する。LED102は、一般に、或る波長範囲を有する一次発光を生じることが理解されるべきである。この波長範囲は一般に狭く、従って、LEDはときには、生じたスペクトルにおける支配的波長またはピーク波長である単一の波長によって特徴付けられる。LED102が青、紫外もしくは近紫外スペクトルの波長を生じる一つの実施形態において、波長変換素子112は、光を緑色スペクトルの変換光を生じるためのチオ没食子酸塩(TG)、SrSiON:EU、SrBaSiO:Eu;琥珀色スペクトルの変換光を生じるためのBaSrSiN:Eu;赤色スペクトルの変換光を生じるためのCaS:Eu、(Sr0.5,Ca0.5)S:Eu、SrS:Eu、SrSiN:Eu;白色の変換光を生じるためのYAGのようなフォスファー体を使用してよい。参照を容易にするために、場合によって、ここでは波長変換素子をフォスファー体素子と称するが、色素のような他の波長変換材料も使用し得ることが理解されるべきである。
【0013】
フォスファー体素子112は、3Mによって製造されたESR正反射膜、またはトーレによって製造されたE60L白色拡散反射膜のような高反射率基板115上に装着され、ヒートシンク116に熱的に結合される。所望の場合に、もしヒートシンクがフォスファー体112の顕著な熱伝導加熱を防止するのに充分に大きければ、LED102およびフォスファー体素子112は同じヒートシンクを共有してもよいことに留意すべきである。フォスファー体素子112はLED102から物理的に分離されるので、LED102によって生じた熱は、フォスファー体素子112の動作に対して僅かしか影響せず、または全く影響しないであろう。従って、LED102は、高輝度を生じるための高い電流で駆動されることができる。更に、シートシンク116を使用すれば、フォスファー変換によって生じたフォスファー体素子112からの熱を消失させることができる。フォスファー体の加熱は約20〜30パーセントだけその特性を劣化させ得るので、ヒートシンク116の使用により、フォスファー体素子112の特性を劇的に増大させることができる。
【0014】
加えて、LED102から放出される光のビーム経路103の少なくとも一部は、フォスファー体112からの変換光のビーム経路113から離間される。装置100は色分離素子110を使用しており、該色分離素子は、LED102によって放出された一次光波長を反射し、フォスファー体素子112によって放出された変換光波長を透過させる。一つの実施形態において、色分離素子110は例えば二色性ミラーであってよく、参照を容易にするために、場合によってはこの色分離素子を二色性ミラーと称する。しかし、本発明と共に、二色性キューブ、回折光学素子またはホログラムのような他の色分離素子を使用してもよいことが理解されるべきである。充分な二色性ミラーは、例えば、リヒテンシュタインに所在のUnaxis Balzers Ltd.、またはカリホルニア州サンタローザに所在のオプティカル・コーティング・ラボラトリーズInc.から購入すればよい。
【0015】
色分離素子110は、フォスファー体112によって放出された実質的な量の変換光が、LED102に入射するのを防止するために使用される。理想的には、変換光は全くLED20に入射しないが、二色性ミラーのような色分離素子は理想的なものではなく、変換光の0〜30パーセントがリークする可能性がある。従って、LED102による変換光の吸収は低減され、それにより変換およびリサイクルの効率が改善されて、当該装置100の輝度が改善される。
【0016】
一次光、および二色性ミラーに入射する前の変換光をコリメートするために、光学素子が使用される。例えば、LED102によって放出された光をコリメートするために、LED102と二色性ミラー110との間にコリメータ108が使用される。フォスファー体素子112と二色性ミラー110との間のもう一つのコリメータ114は、フォスファー体素子112によって放出された変換光をコリメートするために、また二色性ミラー110によって反射された一次光をフォスファー体素子112上に集光させるために使用される。これらの光学素子はコリメータである必要はなく、他の光学素子、例えば反射性複合パラボラ集光素子、内部全反射光学素子、矩形反射角トランスフォーマ(rectangular reflective angle transformer)、コンデンサレンズ、レンズアセンブリー、またはこれら素子の組み合わせであってもよいことが理解されるべきである。二色性ミラーのような色分離素子は角度依存性なので、これらの光学素子は、好ましくは狭い光コーンを生じる。これらの光学素子は、例えば円形または矩形の形状を有していてよく、また、モールドされたプラスチックまたはアルミニウムもしくは金属アロイのような金属等の材料で慣用的に形成されてよい。LED102が高温で駆動されるときは、金属またはガラスのような、温度感受性のない材料を使用するのが特に有利である。
【0017】
動作において、フォスファー体素子112はLED102から一次光を受光し、該一次光を吸収して変換光を放出することにより、一次光をもう一つの波長範囲に変換する。フォスファー体素子112に吸収されなかったLED102からの光は、反射性基板115によって反射され、二色性ミラー110によってLED102へと逆に反射され、そこで光が反射されてフォスファー体素子112へと戻される。こうして、吸収されなかった一次光は、少なくとも部分的には、照明装置100の中でリサイクルされる。加えて、フォスファー体素子112は全方向に向けて光を放出するので、反射性基板115は、変換された光の一部を二色性ミラー110の方に向けて反射するために使用される。次いで、この変換光は二色性ミラー110を透過する。
【0018】
図1に示したように、二色性ミラーの後に、追加の光学素子が配置されてもよい。例えば、当該装置100は輝度向上フィルム118を含んでもよい。輝度向上フィルムは、例えば、スイス国チューリッヒに所在のHeptagon社によって製造されるような回折光学素子、または3Mによって製造されるようなミクロ反射素子もしくは輝度向上フィルムであってよい。加えて、装置100は、時には非吸収性偏光子とも称される偏光回復部品120、例えばユタ州オーレムに所在のMoxtec, Inc.または3Mによって製造される二重輝度向上フィルムとして知られているものを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、輝度向上フィルム118および偏光回復部材120の相対的位置は逆転されてもよい。
【0019】
輝度向上イフィルム118および偏光回復部品120は、望ましい光を透過させ、且つ望ましい光を反射してフォスファー体素子112へと戻すことにより、照明装置100によって発生された光の角度分布および偏光状態を限定する。フォスファー体素子112は発生した光を非常に僅かしか吸収しないので、リサイクル効率は非常に高い。
【0020】
図1は、相互に対して90°で配向されたLED102およびフォスファー体素子112を例示しているが、他の角度を用いてもよいことが理解されるべきである。例えば、色分離および二色性ミラーの効率は角度依存性なので、LED102およびフォスファー体素子112は、相互に対して45°未満で配向されるのが望ましい可能性もある。
【0021】
一つの実施形態においては、輝度向上構造122(および/または偏光回復部品)は、フォスファー体素子112を覆って装着されてもよい。図2Aおよび図2Bは、輝度向上構造122を備えたフォスファー体素子112の動作を拡大して示している。輝度向上構造122は、フォスファー体素子112から分離されていてもよく、またはフォスファー体素子112と物理的に接触していてもよい。輝度向上構造112は、例えば二色性ミラーまたは回折光学素子である。二色性ミラーが用いられる場合、図2Aおよび図2Bに示されるように、該二色性ミラーは、LED102によって放出された一次光については大きな入射角度範囲に亘って透過させるが、フォスファー体素子112によって放出された変換光については、限定された入射角度(例えば垂直表面から30°以下)でしか透過させないように設計される。変換光を狭い角度で透過させることによって、輝度向上構造122は、大きな比率の光が下流において利用されることを保証する。
【0022】
図2Bは、フォスファー体素子112によって大きな角度で放出された変換光が、輝度向上構造122によって反射され、フォスファー体素子112によって再吸収および再放出されることを図示死している。こうして、光の一部は第二の通過の際に放出され、それによって照明装置100の輝度は増大されるであろう。
【0023】
図3Aおよび図3Bは、装置100に類似した照明装置(同様に指定された素子は同じものである)を示している。図示のように、装置150は、自動車のヘッドライトとしての用途に適合されており、部品のための筐体152、および結果としてビーム156を生じる投射レンズ154を含んでいる。所望であれば、同様の構成をスポットライトとして使用してもよい。
【0024】
図3Bに示すように、フォスファー体素子112'は、例えば標準化されたヘッドライトビームパターンを形成するために、異なるタイプもしくは量のフォスファー体でパターン化してもよい。例えば、図3Bに示すように、フォスファー体素子112の第一の部分112'aは黄色および青色のブレンドを含んでもよく、この場合、LED102はより短い波長範囲、たとえばUV光を放出する。或いは、第一の部分112'aは黄色のフォスファー体を使用する一方、LED102は青色の光を放出し、二色性ミラー110は青色光を部分的に透過させてもよい。フォスファー体素子112'の第二の部分112'bは、フォスファー体を少ししか含まないか、または全く含まなくてもよく、或いは異なるフォスファー体のブレンドを含んでいてもよい。フォスファー体を少ししか含まず、または全く含まない部分112'bは、部分112'aよりも少ない光を変換するであろう。二色性ミラー110は、部分112'aによって変換された光を透過させ、また部分112'bからの未変換の青色光の殆どを反射して、これをLED102に向けて戻すであろう。こうして、部分112'aおよび112'bによって形成された標準化されたビームパターンが、投射レンズ154によって投射されるであろう。
【0025】
同様の方法で、照明装置150により、他のパターンを発生させてもよいことが理解されるべきである。例えば、フォスファー体素子112'を適切にパターンニングすることにより、装置150によってメッセージおよび/または記号を投射してもよい。
【0026】
図4は、もう一つの実施形態になる照明装置200を示しており、これは装置100に類似しており、同様に指定された素子は同じものを示している。照明装置200は、二つのLED102および202を使用することにより、装置100に対して輝度が約2倍になっている。第二のLED202は任意のサブマウント204上に保持されており、LED102と共にヒートシンク206を共有してもよい。第二のLED202が放出する光は、コリメータ208によってコリメートされ、且つ第二の色分離素子(即ち、二色性ミラー210)によって、フォスファー体素子112に向けて反射される。この実施形態において、第二のLED202により放出される光は、LED102により放出される光とは異なる波長範囲を有する。例えば、LED102および202は、約20 nmだけ異なるピーク波長、例えば、約430 nmおよび450 nm、または400 nmおよび435 nmのピーク波長をもった光を放出してよい。フォスファー体素子112は、LED102および202からの1次光が変換されるように、大きな吸収スペクトルまたはフォスファー体の混合物を有するべきである。二つのLED102および202を使用することにより、装置200は、装置100の約2倍の輝度を有する。
【0027】
図5は、複数の光源および複数の離間した波長変換素子を含んだ、もう一つの実施形態になる照明装置300を示している。装置300は、組み合わされた赤色、緑色および青色の光を発生するために使用してよく、例えばデジタル光処理(DLP)プロジェクタ、またはシリコン上の液晶(LCoS)プロジェクタのような、色シーケンス投影機において使用してよい。所望であれば、シアン色および琥珀色のような追加の色を、装置300によって発生させてよい。
【0028】
装置300は、動作においては装置100と同様であり、同様に指定された素子は同じでものを示している。しかし、装置300は、それぞれ任意のサブマウント304および324上に保持された追加のLED302および322を含んでいる。全てのLED102、302および322が同一のヒートシンク306を共有してよい。
【0029】
装置300は、図1を参照して上記で述べたのと同じ方法で、離間したフォスファー素子112および312を使用して、赤色および緑色の光を発生させる。従って、コリメータ308のような光学素子は、LED302からの一次光(青色光またはUV光であってよい)をコリメートし、また二色性ミラー310は、該光を第二のフォスファー体素子312に向けて反射する。コリメータ310は、この光を、反射ミラー315およびヒートシンク316上に保持されたフォスファー体素子312の上に集光させる。フォスファー体素子312からの変換された緑色光は、二色性ミラー310を透過し、また輝度向上フィルム318および偏光回復部品320を透過する(或いは、リサイクルのためにこれらによって反射される)。
【0030】
装置300は、例えば、青色スペクトルの一時発光をもつLED322を使用することによって、青色光を直接発生させてよい。図5に示すように、コリメータ328のような光学素子がこの青色の放出された光をコリメートし、該光は輝度向上フィルムおよび偏光回復部品340を透過する(或いはリサイクルのためにこれらにより反射される)。輝度向上フィルムおよび偏光回復部品の使用は、輝度および偏光を増大させて、装置300の照明を更に均一にする。
【0031】
所望であれば、図2Aおよび図2Bを参照して説明したような輝度向上フィルムを、フォスファー体素子112および312の前に配置してもよい。
【0032】
或いは、装置300は、UVスペクトルの一次発光を持つLEDを使用することにより、また、一次発光を青色光に変換する物理的に分離されたフォスファー体素子を使用することにより、図1を参照して上記で説明したのと同じ方法で青色光を生じさせてもよい。変換された青色光が使用される実施形態においては、必要な部品、即ち、色分離素子、光学素子およびフォスファー体素子が、図5の平面の中または外に伸びてもよい。
【0033】
装置300は、Xプレート324、例えば、交差した形態の二色性ミラー、並びに赤色、緑色および青色の光を組み合わせるためのコンデンサレンズ344を含んでいる。所望であれば、Xプレート342とコンデンサレンズ344の間に単一の輝度向上フィルムおよび分極修復部品の対を配置することにより、3対の輝度向上フィルムおよび分極修復部品を使用する必要性を不要にしてもよい。
【0034】
望ましい場合には、装置300は、図1を参照して説明したのと同じ方法で、追加のLEDおよびフォスファー体素子を使用することにより、追加の色、例えば琥珀色およびシアン色を発生させてもよい。追加のLED、フォスファー体素子、および付属の光学素子、並びに二色性ミラーは、当該図のページ平面の中または外へと広がってよい。
【0035】
図6は、装置300と同様の照明装置400を示しており、同様に指定された素子は同じものを表している。しかし、装置400は、エプソン(日本)によって製作されたタイプのような、3パネルLCD投影装置のために構成されている。装置400は、投射レンズ403の正面にXキューブ402を含んでいる。該Xキューブ402は、高温ポリシリコン(HTPS)LCDディスプレーである微小ディスプレー404、406および408によってそれぞれ発生された、赤、緑および青の画像を組合せる。
【0036】
図7は、もう一つの実施形態になる照明装置500を示している。装置500は、光源と、離間した、即ち物理的に分離された波長変換素子との直線形配置を有しており、これはフラッシュ光のような空間が制限される照明装置のために特に有利である。図7に示すように、装置500は、任意のサブマウント504およびヒートシンク506上に、LED502を含んでいる。コリメータ508または他の光学素子が、LED502から放出された一次光をコリメートし、この光はフォスファー体素子512に向って二色性ミラー510を透過する。第二のコリメータ514は、二色性ミラー510を透過した一次光をフォスファー体素子512上に集光させる。
【0037】
フォスファー体素子512は、LED502によって放出された一次光を吸収して、より長い波長を有する光を両方向に、即ち、二色性ミラー510に向う方向およびこれから遠ざかる方向に放出する。二色性ミラー510は、フォスファー体素子512によって放出された変換光を反射して、フォスファー体素子512に向わせる。従って、二色性ミラー510は、変換された光がLED502上に入射するのを防止し、これによって装置500の効率を改善する。
【0038】
フォスファー体素子512から放出された変換光の一部は、コリメータ516または他の適切な光学素子によってコリメートされる。第二の二色性ミラー518は、この変換された光を透過させ、また全ての未変換光を反射してフォスファー体素子512へと戻す。輝度向上フィルム520および偏光回復部品522は、装置500の下流で使用できない光をリサイクルするために、二色性ミラー518の後に配置されてもよい。所望であれば、追加の輝度向上フィルム524または偏光回復部品を、例えば図2Aおよび図2Bを参照して説明したように、フォスファー体素子512上に配置してもよい。
【0039】
図8は、装置500に類似したもう一つの実施形態になる照明装置550を示しており、同様に指定された素子は同じものを示している。しかし、装置550は追加の光源を使用して、フォスファー体素子512を正面および背面から照射し、それによって装置の輝度を約2倍にするようになっている。図8に示すように、装置550は、第二の光源として、第二のLED552(任意のサブマウント554およびヒートシンク556の上)およびコリメータ558を使用する。二色性キューブ560、または二色性ミラーのような他の適切な装置は、LED552によって放出された光をフォスファー体素子512に向けて反射し、またフォスファー体素子512からの変換光を透過させる。二つのLED502および552は、同じ波長範囲を有する一次光を放出してよい。
【0040】
図9Aは、もう一つの実施形態になる照明装置600を示している。照明装置600は二色性球体610を使用して、光学素子および二色性素子の機能を有利に組合せる。図9Aに示すように、装置600は、任意のサブマウント604およびヒートシンク606上に保持されたLED602を含んでいる。LED602に近接し、またはこれに接触して保持されるコンデンサレンズ608は、LED602をフォスファー体素子612上に投影する二色性球体610と共に使用されてよい。この二色性球体610は、例えば、二色性キューブに類似して、中心に二色性フィルムを配置したガラスまたはプラスチックの球体であってよい。
【0041】
コンデンサレンズ614は、反射性のサブマウント616およびヒートシンクに装着されたフォスファー体素子612に近接し、または接触して保持されてよい。フォスファー体素子612は、LED602から放出された光を波長のより長い光へと変換し、この変換光は二色性球体610をレンズ620へと透過する。変換光は、レンズ620によってコリメートされ、或いは集光される。所望であれば、輝度上昇フィルム622および偏光回復部品624を、レンズ620の後または前に配置してよい。
【0042】
図9Bは、より効率的な角度で動作する二色性球体610を備えた、もう一つの照明装置600を示している。上記で述べたように、二色性素子は、より小さい入射角度において、より良好な色分離および効率で動作する。従って、図9Bは、LED602およびフォスファー体素子612が相互に対して約45°の角度にあり、従って、二色性球体610は、LED602およびフォスファー体素子612の各々に対して約22.5°の角度にあることを示している。勿論、他の角度、例えば約22.5°未満を使用してもよい。
【0043】
図10は、装置600に類似したもう一つの実施例になる照明装置650であり、同様に指定された素子は同じものを示す。しかし、この装置650は、任意のサブマウント654およびヒートシンク656上に第二のLED652を含んでおり、これは、例えばコンデンサレンズ658を介して光学的に二色性球体660に結合される。LED602および652は、異なる波長の光を放出してもよい。二色性球体660は、LED602および652によって放出される波長に応答する二つの二色性ミラーを含んでいる。フォスファー体素子612は、異なる波長の光のための、フォスファー体の組合せを含んでよい。
【0044】
所望であれば、図9Bに記載した通り、フォスファー体素子612は、両方のLED602およびLED652に対して他の角度(例えば約45°以下)で配置されてよく、従って、二色性球体610における色分離素子は他の角度、例えばLED602および652並びにフォスファー体素子612の各々に対して約22.5°以下で配置されてよい。
【0045】
図11Aは、もう一つの実施形態になる照明装置700を示しており、該装置は、例えば色シーケンス投影機またはスタジオもしくは劇場用ライトとして使用してよい。装置700は、図1に示した装置100に類似しており、同様に指定された素子波同じものを示している。しかし、装置700は、二色性ミラー110の代りに、二色性キューブ710を使用する。更に、装置700における波長変換素子は、高反射性の基板を有するフォスファー体で覆われたディス712である。該ディスク712は複数の色区画を有しており、それぞれの区画が異なる種類および/または量のフォスファー体を有する。図11Bは、ディスク712の平面図を示しており、その三つの異なる区画は異なる種類のフォスファー体を有している。
【0046】
ディスク712は、モータ714によって回転される。ディスク712が回転されるときに、ディスク712の異なる区画、従って異なるフォスファー体が照射され、それによって異なる色を生じる。ディスク712を回転させることは、更に、フォスファーを冷却するために使用されてよく、また、ヒートシンク106を冷却する空気流を発生させるために使用できる。
【0047】
装置700によって放出される色は、LED102のデューティーサイクルおよびディスクの回転を同期させることによって制御されてよい。或いは、異なる色が望ましいときは、ディスク712の異なる部分を照射するために、ディスク712の回転を保持および停止させてよい。もう一つの適用において、ディスク712は複数の色のフォスファー体を含んでよく、または異なるメッセージもしくは記号(例えばロゴ)を備えた区画を含んでよい。こうして装置700はメッセージまたは記号を投影するが、この投影されるメッセージまたは記号は、ディスク712を回転させて、ディスク712上のもう一つのフォスファー体メッセージもしくは記号を照射することによって変更することができる。
【0048】
図12は、例えば、液晶ディスプレー(LCD)パネルのためのバックライトとして使用できる、もう一つの実施形態になる照明装置800を示している。この実施形態においては、青色バックライトを生じさせるために一つのLEDが使用され、該青色バックライトは赤および緑のフォスファー体ドットからなるフォスファー体ドットパターンと組合せて使用され、これらフォスファー体ドットは、それぞれ赤および緑の画像ピクセルを表すLCDピクセルに整列されるのに対して、青色のピクセルはブランクのまま残されるか、または非フォスファー体散乱材料を塗布される。所望であれば、該LEDは、UV光または近UV光を生じてもよく、この場合、赤および緑のフォスファー体ドットと組合せて青色のフォスファー体ドットが使用される。
【0049】
図12に示すように、任意のサブマウント804およびヒートシンク806上のLED802は、コリメータ808または他の適切な光学素子と共に使用される。LED802は、例えば青色またはUVの光を生じる。例えば赤および緑のフォスファー体ドット(およびLED802がUV光を生じるときは青のフォスファー体ドット)を含む波長変換素子812は、コリメータ808のLED802とは反対側の端部に配置される。二色性ミラー810は、LED802と波長変換素子812との間、例えばLED802上に配置される。二色性ミラー810は、LED802によって放出された青色光またはUV光を透過させるが、長い波長は反射する。従って、波長変換素子812によってLED802に向けて放出された実質的に全ての光は、二色性ミラー810によって反射され、LED802には入射しないであろう。
【0050】
第二の二色性ミラー814または輝度向上フィルムは、波長変換素子812と、LCDパネル816およびレンズ818との間に配置される。第二の二色性ミラー814は複数の二色性素子で構成されてよく、ここでの各二色性素子は対応するフォスファー体ドットに整列される。例えば、赤、緑および青の二色性素子は、赤色、緑色および青色を放出するフォスファー体ドットとそれぞれ整列される。図2Aおよび図2Bを参照して述べたように、第二の二色性ミラー814は、狭い角度範囲に亘って光を透過させ、該角度範囲外の光を反射して、波長変換素子812および二色性ミラー810の方に戻すように構成される。例えば、垂直平面から約30°未満の角度でフォスファー体ドットにより放出された光は、第二の二色性ミラー814を透過する一方、該範囲外の光は反射されるであろう。従って、LCDパネル816におけるピクセルは、狭い角度範囲で有利に光を受光する、それによって当該装置の特性を改善する。
【0051】
図13は、半導体発光装置852、第一の二色性素子854、波長変換素子856、偏光素子858、および第二の二色性素子860を含んだ実施形態になる装置850を示している。図13に示した種々の素子の幾つかまたは全部は、例えば空気ギャップによって分離されてよい。例えば、一つの実施形態において、種々の素子852、854、856、858、および860は、相互に1 mm以上分離されている。或いは、図13に示した幾つかまたは全ての素子は、物理的に接触してよい。即ち、頂部にある一つの素子が次の素子に物理的に接触していてもよい。
【0052】
この実施形態において、半導体発光装置852は、青色またはUV波長の光を放出する。波長変換素子856は、半導体発光装置852からの光を他の波長、例えば赤色、緑色または青色の光に変換する。図13に矢印で示したように、第一の二色性素子854は、半導体発光装置852によって放出された光を透過させ、波長変換素子856によって放出された光を反射する。所望であれば省略してよい偏光素子858は、偏光回復部品として働き、一つの偏光状態を透過させる一方、他の偏光状態を反射して波長変換素子856へと戻す。第二の二色性素子860は、例えば垂直から25℃以内の狭い角度範囲で波長変換素子856によって放出された光を透過させ、該角度範囲外にある光を反射させて波長変換素子856に向けて戻すことにより、輝度向上フィルムとして働く。第二の二色性素子860はまた、波長変換素子856を通してリークした、半導体発光装置852からの未変換の光を反射させて、波長変換素子856へと戻す。従って、第二の二色性素子860は、色および入射角度の両方に基づいて光を分離する。従って、二色性素子860を出る光は、偏光し且つ狭い角度範囲内にある変換光である。
【0053】
インストラクションの目的で、特定の実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の範囲を逸脱することなく、種々の適合および変形を行ってよい。例えば、この開示の全体を通して述べた要素の種々の組合せを、本発明に従って使用してよい。従って、各請求項の範囲および精神は上記の説明に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0054】
100…照明装置
102…光源(LED)
110…色分離素子(二色性ミラー)
112…波長変換素子(フォスファー体素子)
113…変換光のビーム経路
114…コリメータ
115…高反射率基板
116…ヒートシンク
118…輝度向上フィルム
120…偏光回復部品
122…輝度向上構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置であって:
第一の波長範囲を有する光を、第一のビーム経路に沿って放出する光源と;
前記第一のビーム経路内にあり、前記光源から物理的に分離されており、第一の波長範囲を有する光を第二のビーム経路に沿った第二の波長範囲を有する光に変換する波長変換素子と;
前記光源と前記波長変換素子との間に配置され、前記第二の波長範囲を有する実質的に全ての光が前記光源に入射するのを防止する色分離素子と;
を具備してなる装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、前記光源が半導体発光装置、キセノンランプ、および水銀ランプのうちの一つである装置。
【請求項3】
請求項1に記載の照明装置であって、前記光源が1以上の発光ダイオードを含んでなる装置。
【請求項4】
請求項1に記載の照明装置であって、前記波長変換素子がフォスファー体である装置。
【請求項5】
請求項1に記載の照明装置であって、前記色分離素子は、二色性ミラー、二色性キューブ、二色性球体、回折光学素子およびホログラムからなる群から選択される装置。
【請求項6】
請求項1に記載の照明装置であって:更に、
前記光源と前記色分離素子との間に配置されて、前記光源から放出された光をコリメートする第一の光学素子と;
前記波長変換素子と前記色分離素子との間に配置されて、前記光源からのコリメートされた光を前記波長変換素子上に集光させ、且つ前記第二の波長範囲を有する変換光をコリメートする第二の光学素子と;
を具備してなる装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置であって、前記第一の光学素子および前記第二の光学素子の各々が、少なくとも一つのコリメータ、反射性複合パラボラ集光素子、内部全反射光学素子、矩形反射角トランスフォーマ、コンデンサレンズ、およびレンズアセンブリーのうちの少なくとも一つを含む装置。
【請求項8】
請求項1に記載の照明装置であって、前記色分離素子は、前記光源からの第一の波長範囲を有する光を前記波長変換素子へと透過させ、前記波長変換素子からの第二の波長範囲を有する光を反射して前記波長変換素子へと戻す装置。
【請求項9】
請求項8に記載の照明装置であって:該装置は更に、
前記光源と前記色分離素子との間に配置された第一の光学素子を具備し、該第一の光学素子は、前記光源から放出された光をコリメートすることと;
前記波長変換素子と前記色分離素子との間に配置された第二の光学素子を具備し、該第二の光学素子は、前記光源からのコリメートされた光を前記波長変換素子上に集光し、且つ前記色分離素子が前記第一の光学素子と該第二の光学素子との間に配置されることと;
第三の光学素子を具備し、前記波長変換素子は、前記第二の光学素子と該第三の光学素子との間に配置され、前記波長変換素子は、前記第二の波長範囲の光を前記第二のビーム経路に沿って、また該第二のビーム経路とは反対方向の前記第三のビーム経路に沿って放出し、該第三の光学素子は、前記第二の波長範囲を有する光を前記第二のビーム経路に沿ってコリメートすることと;
を含んでなる装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照明装置であって、前記第一の光学素子、前記第二の光学素子および前記第三の光学素子は、各々が、コリメータ、反射性複合パラボラ集光素子、内部全反射光学素子、矩形反射角トランスフォーマ、コンデンサレンズ、およびレンズアセンブリーのうちの少なくとも一つを含む装置。
【請求項11】
請求項9に記載の照明装置であって:更に、第二の色分離素子を具備し、前記波長変換素子が、前記第二の色分離素子と前記第二の光学素子との間に配置され、前記第二の色分離素子は、前記第二の波長範囲を有する光を透過し、且つ前記第一の波長範囲を有する光を反射して前記波長変換素子へと戻すことを含んでなる装置。
【請求項12】
請求項9に記載の照明装置であって、前記第一の波長範囲および前記第三の波長範囲が概略同じ波長範囲である装置。
【請求項13】
請求項1に記載の照明装置であって、前記波長変換素子は、前記光源から1ミリメータよりも大きく物理的に分離される装置。
【請求項14】
請求項1に記載の照明装置であって、前記波長変換素子は、前記光源による前記波長変換素子の実質的な熱伝導加熱を防止するために、前記光源から充分に物理的に分離される装置。
【請求項15】
第一の波長範囲を有する光を放出する光源と;
前記光源に付随する第一の光学素子であって、前記光源から放出される光を第一のビーム経路に沿ってコリメートする第一の光学素子と;
前記第一のビーム経路内にある色分離素子であって、前記コリメートされた光の実質的に全部を、前記第一のビーム経路に沿って第二の光学素子の方に向けるように構成されており、該第二の光学素子は前記コリメートされた光を集光するものである色分離素子と;
前記第二の光学素子から前記集光された光を受光する波長変換素子であって、該波長変換素子は前記第一の波長範囲の光を少なくとも部分的に吸収して、第二の波長範囲を有する光を放出するように構成されており、前記第二の光学素子は、前記波長変換素子により放出された第二の波長範囲を有する光をコリメートするものである波長変換素子と;
を具備し、
前記色分離素子は、前記第二の波長を有する光が前記光源に入射するのを防止する照明装置。
【請求項16】
請求項15に記載の照明装置であって、前記光源が半導体発光装置、キセノンランプ、および水銀ランプのうちの一つである装置。
【請求項17】
請求項15に記載の照明装置であって、前記光源が1以上の発光ダイオードを含んでなる装置。
【請求項18】
請求項15に記載の照明装置であって、前記色分離素子は第一の波長範囲を有する光を反射し、且つ第二の波長範囲を有する光を透過する装置。
【請求項19】
請求項18に記載の照明装置であって、前記波長変換素子が反射性基板上に装着される装置。
【請求項20】
請求項19に記載の照明装置であって、前記反射性基板がヒートシンク上に装着される装置。
【請求項21】
請求項15に記載の照明装置であって、前記色分離素子は第一の波長範囲を有する光を透過し、且つ第二の波長範囲を有する光を反射する装置。
【請求項22】
請求項21に記載の照明装置であって、更に第三の光学素子を具備し、前記波長変換素子は前記第二の光学素子と該第三の光学素子との間に配置され、また該第三の光学素子は前記波長変換素子によって放出された第二の波長範囲を有する光をコリメートする装置。
【請求項23】
請求項22に記載の照明装置であって、更に第二の色分離素子を具備し、前記第三の光学素子は該第二の色分離素子と前記波長変換素子との間に配置され、該第二の色分離素子は前記第二の波長範囲を有する光を透過させ、且つ前記第一の波長範囲を有する光を反射する装置。
【請求項24】
第一の波長範囲を有する光を放出する光源と;
前記光源によって放出された光を受光する第一の色分離素子であって、前記光源によって放出された光の実質的に全部を、波長変換素子に向わせるように構成された第一の色分離素子と;
前記第一の色分離素子からの光を受光する波長変換素子であって、前記第一の波長範囲を有する光を少なくとも部分的に吸収して第二の波長範囲を有する光を放出するように構成されており、前記第一の色分離素子によって、該第二の波長範囲を有する光の前記光源への入射を防止するようになっている波長変換素子と;
前記波長変換素子によって放出された光を受光する第二の色分離素子であって、前記第一の波長範囲の光を反射して前記波長変換素子へと戻し、また第一の角度範囲で該第二の色分離素子に入射する前記第二の波長範囲を有する光を透過させ、且つ前記第一の角度範囲外で該第二の色分離素子に入射する前記第二の波長範囲の光を反射するように構成された第二の色分離素子と;
を具備してなる照明装置。
【請求項25】
請求項24に記載の照明装置であって、前記光源が半導体発光装置、キセノンランプ、および水銀ランプのうちの一つである装置。
【請求項26】
請求項24に記載の照明装置であって、前記光源が1以上の発光ダイオードを含んでなる装置。
【請求項27】
請求項24に記載の照明装置であって、更に偏光回復部品を具備してなり、前記波長変換素子が該偏光回復部品と前記光源との間に配置される装置。
【請求項28】
請求項24に記載の照明装置であって、前記光源によって放出された第一の波長範囲を有する光は前記第一の色分離素子によって反射され、前記波長変換素子によって放出された第二の波長範囲を有する光は、前記第二の色分離素子に入射する前に前記第一の色分離素子を透過される装置。
【請求項29】
請求項24に記載の照明装置であって:更に、
前記光源と前記第一の色分離素子との間に配置された第一の光学素子であって、前記光源から放出された光をコリメートする第一の光学素子と;
前記第一の色分離素子と前記波長変換素子との間に配置された第二の光学素子であって、前記第一の色分離素子からの光を、前記波長変換素子に向けて集光する第二の光学素子と;
を具備してなる装置。
【請求項30】
請求項29に記載の照明装置であって、更に、前記波長変換素子と前記第二の色分離素子との間に配置された第三の光学素子を具備し、該第三の光学素子は、前記波長変換素子によって放出された光をコリメートする装置。
【請求項31】
請求項30に記載の照明装置であって、前記光源によって放出された第一の波長範囲を有する光は前記第一の色分離素子を透過し、前記波長変換阻止によって放出された第二の波長範囲を有する光は前記第一の色分離素子によって反射される装置。
【請求項32】
請求項24に記載の照明装置であって、前記波長変換素子は、空気、ガスおよび真空によって前記光源から物理的に分離される装置。
【請求項1】
照明装置であって:
第一の波長範囲を有する光を、第一のビーム経路に沿って放出する光源と;
前記第一のビーム経路内にあり、前記光源から物理的に分離されており、第一の波長範囲を有する光を第二のビーム経路に沿った第二の波長範囲を有する光に変換する波長変換素子と;
前記光源と前記波長変換素子との間に配置され、前記第二の波長範囲を有する実質的に全ての光が前記光源に入射するのを防止する色分離素子と;
を具備してなる装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、前記光源が半導体発光装置、キセノンランプ、および水銀ランプのうちの一つである装置。
【請求項3】
請求項1に記載の照明装置であって、前記光源が1以上の発光ダイオードを含んでなる装置。
【請求項4】
請求項1に記載の照明装置であって、前記波長変換素子がフォスファー体である装置。
【請求項5】
請求項1に記載の照明装置であって、前記色分離素子は、二色性ミラー、二色性キューブ、二色性球体、回折光学素子およびホログラムからなる群から選択される装置。
【請求項6】
請求項1に記載の照明装置であって:更に、
前記光源と前記色分離素子との間に配置されて、前記光源から放出された光をコリメートする第一の光学素子と;
前記波長変換素子と前記色分離素子との間に配置されて、前記光源からのコリメートされた光を前記波長変換素子上に集光させ、且つ前記第二の波長範囲を有する変換光をコリメートする第二の光学素子と;
を具備してなる装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置であって、前記第一の光学素子および前記第二の光学素子の各々が、少なくとも一つのコリメータ、反射性複合パラボラ集光素子、内部全反射光学素子、矩形反射角トランスフォーマ、コンデンサレンズ、およびレンズアセンブリーのうちの少なくとも一つを含む装置。
【請求項8】
請求項1に記載の照明装置であって、前記色分離素子は、前記光源からの第一の波長範囲を有する光を前記波長変換素子へと透過させ、前記波長変換素子からの第二の波長範囲を有する光を反射して前記波長変換素子へと戻す装置。
【請求項9】
請求項8に記載の照明装置であって:該装置は更に、
前記光源と前記色分離素子との間に配置された第一の光学素子を具備し、該第一の光学素子は、前記光源から放出された光をコリメートすることと;
前記波長変換素子と前記色分離素子との間に配置された第二の光学素子を具備し、該第二の光学素子は、前記光源からのコリメートされた光を前記波長変換素子上に集光し、且つ前記色分離素子が前記第一の光学素子と該第二の光学素子との間に配置されることと;
第三の光学素子を具備し、前記波長変換素子は、前記第二の光学素子と該第三の光学素子との間に配置され、前記波長変換素子は、前記第二の波長範囲の光を前記第二のビーム経路に沿って、また該第二のビーム経路とは反対方向の前記第三のビーム経路に沿って放出し、該第三の光学素子は、前記第二の波長範囲を有する光を前記第二のビーム経路に沿ってコリメートすることと;
を含んでなる装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照明装置であって、前記第一の光学素子、前記第二の光学素子および前記第三の光学素子は、各々が、コリメータ、反射性複合パラボラ集光素子、内部全反射光学素子、矩形反射角トランスフォーマ、コンデンサレンズ、およびレンズアセンブリーのうちの少なくとも一つを含む装置。
【請求項11】
請求項9に記載の照明装置であって:更に、第二の色分離素子を具備し、前記波長変換素子が、前記第二の色分離素子と前記第二の光学素子との間に配置され、前記第二の色分離素子は、前記第二の波長範囲を有する光を透過し、且つ前記第一の波長範囲を有する光を反射して前記波長変換素子へと戻すことを含んでなる装置。
【請求項12】
請求項9に記載の照明装置であって、前記第一の波長範囲および前記第三の波長範囲が概略同じ波長範囲である装置。
【請求項13】
請求項1に記載の照明装置であって、前記波長変換素子は、前記光源から1ミリメータよりも大きく物理的に分離される装置。
【請求項14】
請求項1に記載の照明装置であって、前記波長変換素子は、前記光源による前記波長変換素子の実質的な熱伝導加熱を防止するために、前記光源から充分に物理的に分離される装置。
【請求項15】
第一の波長範囲を有する光を放出する光源と;
前記光源に付随する第一の光学素子であって、前記光源から放出される光を第一のビーム経路に沿ってコリメートする第一の光学素子と;
前記第一のビーム経路内にある色分離素子であって、前記コリメートされた光の実質的に全部を、前記第一のビーム経路に沿って第二の光学素子の方に向けるように構成されており、該第二の光学素子は前記コリメートされた光を集光するものである色分離素子と;
前記第二の光学素子から前記集光された光を受光する波長変換素子であって、該波長変換素子は前記第一の波長範囲の光を少なくとも部分的に吸収して、第二の波長範囲を有する光を放出するように構成されており、前記第二の光学素子は、前記波長変換素子により放出された第二の波長範囲を有する光をコリメートするものである波長変換素子と;
を具備し、
前記色分離素子は、前記第二の波長を有する光が前記光源に入射するのを防止する照明装置。
【請求項16】
請求項15に記載の照明装置であって、前記光源が半導体発光装置、キセノンランプ、および水銀ランプのうちの一つである装置。
【請求項17】
請求項15に記載の照明装置であって、前記光源が1以上の発光ダイオードを含んでなる装置。
【請求項18】
請求項15に記載の照明装置であって、前記色分離素子は第一の波長範囲を有する光を反射し、且つ第二の波長範囲を有する光を透過する装置。
【請求項19】
請求項18に記載の照明装置であって、前記波長変換素子が反射性基板上に装着される装置。
【請求項20】
請求項19に記載の照明装置であって、前記反射性基板がヒートシンク上に装着される装置。
【請求項21】
請求項15に記載の照明装置であって、前記色分離素子は第一の波長範囲を有する光を透過し、且つ第二の波長範囲を有する光を反射する装置。
【請求項22】
請求項21に記載の照明装置であって、更に第三の光学素子を具備し、前記波長変換素子は前記第二の光学素子と該第三の光学素子との間に配置され、また該第三の光学素子は前記波長変換素子によって放出された第二の波長範囲を有する光をコリメートする装置。
【請求項23】
請求項22に記載の照明装置であって、更に第二の色分離素子を具備し、前記第三の光学素子は該第二の色分離素子と前記波長変換素子との間に配置され、該第二の色分離素子は前記第二の波長範囲を有する光を透過させ、且つ前記第一の波長範囲を有する光を反射する装置。
【請求項24】
第一の波長範囲を有する光を放出する光源と;
前記光源によって放出された光を受光する第一の色分離素子であって、前記光源によって放出された光の実質的に全部を、波長変換素子に向わせるように構成された第一の色分離素子と;
前記第一の色分離素子からの光を受光する波長変換素子であって、前記第一の波長範囲を有する光を少なくとも部分的に吸収して第二の波長範囲を有する光を放出するように構成されており、前記第一の色分離素子によって、該第二の波長範囲を有する光の前記光源への入射を防止するようになっている波長変換素子と;
前記波長変換素子によって放出された光を受光する第二の色分離素子であって、前記第一の波長範囲の光を反射して前記波長変換素子へと戻し、また第一の角度範囲で該第二の色分離素子に入射する前記第二の波長範囲を有する光を透過させ、且つ前記第一の角度範囲外で該第二の色分離素子に入射する前記第二の波長範囲の光を反射するように構成された第二の色分離素子と;
を具備してなる照明装置。
【請求項25】
請求項24に記載の照明装置であって、前記光源が半導体発光装置、キセノンランプ、および水銀ランプのうちの一つである装置。
【請求項26】
請求項24に記載の照明装置であって、前記光源が1以上の発光ダイオードを含んでなる装置。
【請求項27】
請求項24に記載の照明装置であって、更に偏光回復部品を具備してなり、前記波長変換素子が該偏光回復部品と前記光源との間に配置される装置。
【請求項28】
請求項24に記載の照明装置であって、前記光源によって放出された第一の波長範囲を有する光は前記第一の色分離素子によって反射され、前記波長変換素子によって放出された第二の波長範囲を有する光は、前記第二の色分離素子に入射する前に前記第一の色分離素子を透過される装置。
【請求項29】
請求項24に記載の照明装置であって:更に、
前記光源と前記第一の色分離素子との間に配置された第一の光学素子であって、前記光源から放出された光をコリメートする第一の光学素子と;
前記第一の色分離素子と前記波長変換素子との間に配置された第二の光学素子であって、前記第一の色分離素子からの光を、前記波長変換素子に向けて集光する第二の光学素子と;
を具備してなる装置。
【請求項30】
請求項29に記載の照明装置であって、更に、前記波長変換素子と前記第二の色分離素子との間に配置された第三の光学素子を具備し、該第三の光学素子は、前記波長変換素子によって放出された光をコリメートする装置。
【請求項31】
請求項30に記載の照明装置であって、前記光源によって放出された第一の波長範囲を有する光は前記第一の色分離素子を透過し、前記波長変換阻止によって放出された第二の波長範囲を有する光は前記第一の色分離素子によって反射される装置。
【請求項32】
請求項24に記載の照明装置であって、前記波長変換素子は、空気、ガスおよび真空によって前記光源から物理的に分離される装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−243586(P2011−243586A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172691(P2011−172691)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【分割の表示】特願2005−161004(P2005−161004)の分割
【原出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(500507009)フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【分割の表示】特願2005−161004(P2005−161004)の分割
【原出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(500507009)フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (197)
【Fターム(参考)】
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