説明

照明装置

【課題】 照明装置内部に電波センサを配置することにより、誤報の少ない防犯用侵入物検知装置が可能となる。
【解決手段】 本発明では、屋内の他の空間とを区画する壁や入出ドアや天井を構成する建材に固定された照明装置に電波センサを隠蔽した状態で、窓に接近する人体や屋内に存在する人体の動きを検知するものであり、出入り口の検知領域を床面から所定の高さに設定し、またセンサの出力信号から物体の大きさ、速度、移動の軌跡を検出しペットと侵入物の識別を行うため、誤報の少ない防犯用侵入物検知装置を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内施設に係り、照明装置に防犯用侵入物検知装置を配置した特に家庭内のセキュリティに好適な防犯システムに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来のセキュリティに使用されている人体検知センサは、窓サッシの窓枠や玄関ドアに設置したマグネット式のセンサが主流であり、窓あるいはドアの状態を磁性回路で発生する磁性の変化で検知するものであった。しかしながらこのようなセンサでは、侵入者がセンサの設置を事前に察知して、検知信号が発生しないような行為を行ったり、その場を突破された時に、屋内の侵入者の状態を全く検知することができない課題がある。
【0003】
そのため、部屋内部の人体を検知する為に焦電型センサが注目を集めている。このセンサは、人体が放射する赤外線の量を検知している為に、侵入者の有無を常に監視できるよさがある。しかしながら、本センサは、ヒータ等の熱源やペットから放射される赤外線をも検知するため、誤検知することが多くなる。そのため、誤検知した情報が、ネットワークを通じ外部機関へ放置される為、不必要な警備体制を設定することになり、無駄な労力が必要になる。
【0004】
従って、熱源やペット等を識別し、侵入者だけを確実に検知し、かつ侵入者からは容易にセンサの存在を認識できないセンサが求められ、電波式センサによるセンシングが注目されている。しかしながら、従来の電波センサは、侵入者が目撃できる位置に配設されているものが多く、電波の送受信を建材あるいは、窓サッシ等に隠蔽したり、外部から見えない位置に設置したものは特許文献1、2に記載されている公共電波(マスメディア)用の受信アンテナのものにすぎず、人体検知を目的とした防犯設備用センサとして提案されたものはない。
【特許文献1】特開2004−228608号公報
【特許文献2】特開平7−176924号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、屋内に飼われているペットによる誤検知がなく、侵入者に対し外部からの出入り口、内部の出入り口及び室内の動作を検知できる防犯用人体検知センサを構成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、電波の発信手段と、電波の受信手段とを備えた照明装置であって、前記発信手段および前記受信手段は、照明装置の所定位置に配設されており、前記発信手段からの電波を室内の基準位置における所定高さ以上のポイントまたは領域に向けて、水平方向又は下方に向けて放射したときの、前記受信手段に検知される受信信号の強度データに基づいて、侵入者の有無を識別するようにしたことを特徴とする照明装置である。
【0007】
ここで、基準位置とは、電波センサが置かれた空間から他の空間への出入り口、または侵入口を示す。
本発明では電波センサは、屋内の隣の部屋や廊下に隣接する壁や天井等を区画する建材に設置された照明装置内部に配設されており、前記電波センサの設置されている高さは、一般的な屋内に付設されている家電製品や植栽や机や椅子等の電波を遮断すると思われる物体を避けるように設定されているため、電波を確実に侵入者等のターゲットに放射することができる。更に屋内の基準位置例えば他の空間への入出口や金庫等貴重品が置いてある家具における所定の高さ以上のポイントであり、電波の指向性に伴う領域を検知するように電波を放射している為、人間以外のペット等の小動物を検知することなく侵入者だけを検知できる。このように電波センサは、熱源から発する赤外線の量を検知するのではなく、人体の動きをドップラー効果を利用して受信信号の信号の強度データにより検知するため、誤報の少ない防犯用侵入物検知装置を構成することができる。また、人の動きを検知するのに、監視カメラ等のレンズが存在しないため、仮に屋内に居住者がいた場合にも見られている印象をあたえない、プライバシーを保持した防犯用侵入物検知装置を提供できる。
【0008】
上記目的を達成するために請求項2記載の発明は、電波の発信手段と、電波の受信手段とを備えた照明装置であって、前記発信手段および前記受信手段は、照明装置の所定位置に配設されており、前記発信手段からの電波を室内への侵入口に位置する基準位置における所定高さ以上のポイントまたは領域に向けて、水平方向又は下方に向けて放射したときの、前記受信手段に検知される受信信号の強度データに基づいて、侵入者の有無を識別するようにした照明装置である。
【0009】
本発明では、屋内の他の空間を区画する壁や天井に用いられる建材に固定された照明装置内部に電波センサを配置し、前記電波センサの設置された高さは、前面に置かれる可能性のある屋内設備を避ける位置に設定されており、外部から侵入するであろう室内の侵入口に対して電波を放射し、受信信号の強度データに基づいて侵入者を検知でき、更に侵入口の所定の高さ以上の領域を検知している為、屋内に飼われているペット等の小動物が前記侵入口に近づいた時にも検知せず、侵入者だけを検知でき、誤報の少ない防犯用侵入物検知装置を構成することができる。また、電波は侵入口の一部がガラス、木材、プラスチック等の素材で構成されていれば透過する為、侵入口の外側(屋外側)に近づいた侵入者を事前に検知することができ、室内をあらされる前に所有者又は外部機関に放置できるため安全性の高い防犯システムを構成できる。
【0010】
上記目的を達成するために請求項3記載の発明は、電波の発信手段と、電波の受信手段と、を備えた照明装置であって、前記発信手段および前記受信手段は、照明装置の所定位置に配設されており、前記発信手段からの電波を室内の第一の基準位置における所定高さ以上のポイントまたは領域および、室内への侵入口に位置する第二の基準位置における所定高さ以上のポイントまたは領域に向けて、水平方向又は下方に向けて放射したときの前記受信手段に検知される受信信号の強度データに基づいて、侵入者の有無を識別するようにした照明装置である。
【0011】
本発明では電波センサを、一般的な屋内に付設されている家電製品や植栽や机や椅子等の電波を遮断すると思われる物体をさける高さに位置する屋内の他の空間を区画する壁や天井を構成する建材に固定された照明装置内部に設置されており、その場所から屋内の基準位置における所定の高さと室内への侵入口に位置する第2の基準位置の所定の高さ以上の2ポイントを検知対象としているため、電波センサが設置されている屋内空間に入る侵入者だけを侵入口に近づいた状態で確実に検知することができる為、誤報の少ない安全性の高い防犯用侵入物検知装置を構成することができる。
【0012】
上記目的を達成するために請求項4記載の発明は、前記送信手段から送信する電波が複数の方向切り替える電波切替え手段を有することを特徴とする照明装置である。
【0013】
本発明では電波センサから放射される電波の指向方向を任意に切替えことができる電波方向可変手段を有しているため、屋内に入り侵入口が何ヶ所あって基準位置が複数ある場合やまたその基準位置を二次元あるいは三次元方向に設定する場合であっても、更に複数の空間に対し設置する場合にも一種類のセンサで全ての空間の防犯用センサとして設置することができる為、汎用性の高いまた誤検知の少ない電波センサを構成し、しいては、誤報の少ない防犯用侵入物検知装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、窓に接近する人体や屋内に存在する人体の動きを検知するものであり、出入り口の検知領域を床面から所定の高さに設定し、またセンサの出力信号から物体の大きさ、速度、移動の軌跡を検出しペットと侵入物の識別を行うため、誤報の少ない防犯用侵入物検知装置を提供できる。という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明にかかる防犯用侵入物検知装置の実施の形態を図面により詳細に説明する。
(参考例1)
防犯用侵入物検知装置の第1の実施形態の外観図を図1(a)に、図1(a)のA視上面図を図1(b)に、図1(a)のB断面図を図1(c)に示す。図2に第1の実施例の第1の変形例を示し、図2(a)は、外観図、図2(a)のC視上面図を図2(b)に、D断面図を図2(c)に示す。また、図2(a)のE視図であり、電波センサの窓サッシへの固定状態を図3に示す。
【0016】
屋内施設1は、可動部である窓枠3と窓枠の外側に構成された窓サッシ2と、外枠4と、が設置されている。窓枠3及びその内部の設けられたガラス5と、電波センサ6とで構成されている。窓サッシ2は、窓枠上下に設置されたレールを介して床に対し水平方向に開動させることができる。人体検知用として電波センサ6が、前記外枠の内部に配置されており、外枠4の電波の送受信を行うアンテナ(後述)に対向する部位4aは、切りかかれている。電波センサ6から出力される信号から人体の位置、大きさ、接近・離遠、動きを判断し、外部出力信号として、判断結果を出力するコントローラ(図示せず)も設置されている。尚電波センサの構造の詳細は後述する。このように電波センサを窓サッシ内部に隠蔽し、外部からみえないように構成すると、侵入者から目撃され、センサの検知性能を阻害する行為を防止できるだけでなく、所有者が常日頃検知されているという感覚を受けず好ましい。ただし、窓枠や外枠構造によって死角になる位置に電波センサを配置できる場合は、外枠の屋内側表面に設置しても良く、カーテンよりも屋内側に設置すると外出時には、カーテンにより外部からは全く見えず好ましい。更に部屋内部に設けられるカーテン止めやロール式カーテンと干渉する場合には、外枠から取り付け自在のリモコンタイプにして、インテリアに合わせた状態に設置しても良い。
【0017】
電波センサ6の外観図を図4(a)に、図4(a)のG視図を図4(b)に、また、H断面図を図4(c)に示す。また、電波センサ6及びコントローラ25のブロック図を図5に示す。電波センサ6は、高周波を生成する発振部11と、発生した高周波を外部に放射する送信アンテナと、放射した電波が物体(ここでは人体)に反射し戻ってきた信号を受信する受信アンテナと、送信する信号と受信した信号から物体の大きさあるいは速さを出力する検波部12と、が構成されている。検波部からは、物体の移動速度を識別する為の交流信号15と、物体の存在する位置に応じた位相干渉状態を識別する直流信号16とを出力する。尚、センサを小型化にするため、本発明では送信アンテナと受信アンテナが一体にしている。(以下一体アンテナ14という)。電波センサ6の発振部11と検波部12は、シールドケース17内に収納されており、シールドケース17の天井面には別の一体アンテナ18が設置されている。そのため、電波は、シールドケース17を中心に前方あるいは後方に放射することが可能である。この前方に放射する分を屋内に、後方に放射する分を屋外用に設けると一つのセンサで窓サッシに接近する侵入者と侵入後の屋内の動きを検知することができる。尚、屋内外への電波の放射は、本方式に限定することはなく、金属材で構成された反射材を用いて屋内に放射する電波の一部を反射させても良いし、電波センサ設置部のスペースが確保できるようであれば2個のセンサを配置しても良い。また一体アンテナ14には電波の方向を可変する電波方向可変手段19があり、窓サッシに設置した電波センサからの電波を部屋内部の隅々および窓サッシ近辺の屋外まで放射できるよう走査可能である。尚本センサは屋内だけに電波を放射する場合には10.5G帯を用い、屋外にいて窓に接近する人体の動きを事前に検知する場合には24.15G帯を選択すると良い。コントローラ25は、電波センサ6の信号を取り込む信号処理部26と、信号処理部で得た情報を物体の、大きさ、位置、動き、移動方向を算出する演算処理部27と、演算処理部27の結果に基づき次に放射する電波の方向を設定する電波方向設定手段28とがある。なお、演算処理部27で異常事態が発生したと判断した際は、直接無線、電話線等を介して外部機関にその旨連絡しても良いし、屋内のそれぞれの部屋に設けた防犯用侵入物検知装置の検知結果を一括に管理する集中管理Box(ホームサーバ)に転送し、集中管理Boxから外部機関に情報を転送しても良い。
【0018】
本例に用いる電波方向可変手段19は、電気的な電波走査を行う為、モータとの駆動源を利用した電波走査とことなり高速に走査でき、人体の追尾が可能である。また、センサが動力源に追随して回転することなく固定されているため、窓サッシ内への収納設計が容易で、且つ小型なセンサが実現できる。また、電気的な電波走査として一般的であり軍事用途に用いられる、フェーズドアレイアンテナとは異なり、アンテナ上に発生する高周波電流の接地あるいは開放をアンテナ上に設けたスイッチ20だけで切替ることにより、アレイ化した一体アンテナ14の位相を変化させ、最終的にアンテナから放射される電波を傾けている為、スイッチ20に求められる高周波の伝達量及び位相変化量の制約がなく、安価な汎用スイッチを用いることができ、位相を変化させる為の給電回路の引き回しがなく、小型、集積化センサの実現が可能である。また本発明は、これまでの試験において、従来型に対し、スイッチング時のインピーダンス不整合による、出力強度の低下に伴う検知距離の減少が発生するが、アンテナ間の位相量及び電流量の関係により広角に電波を傾けることができることが分かっている。従って、センサ設置面に対面する人体を検知する為の距離(最大10m)を確保し、部屋全体を見渡せる電波可変角度(アンテナの法線方向に対する傾斜角度:40度)を有しており、一般家庭の各部屋サイズならば、1つのセンサで人体検知が可能である。このように、本発明では、広角に電波を放射すること及び小型集積化センサの提案を重視した電気的電波走査方式を用いたが、センサが設置される空間のサイズやセンサが固定される窓サッシの構造や、安価で小型高性能のスイッチング素子の開発が行われた場合には、この方式に限定することはなく、例えば発振部と一体アンテナ間に給電回路長による位相制御を行ったり、可変容量型のコンデンサを利用しても良い。
【0019】
電波センサ6は、送信した電波と受信した電波の差分を検波部12で識別するドップラー効果を利用したセンシングを行うため、物体の動きをダイレクトに検知することができる。そのため、人体の移動に対するドップラー信号を最大感度で検知する為には、電波の方向と人体の移動方向の三次元に分解したベクトル成分が一致あるいや正反対することが望ましい。また、使用する周波数帯域では、建材である木、タイル、樹脂等金属製以外の材料の誘電率が小さく、送受信アンテナから放射あるいは受信する電波は透過し、人(水)は誘電率が高く(60〜80)、反射する。従って、窓サッシの一部が樹脂製で構成されるならば、完全に隠蔽した状態で人体の動きのみを検知することができる。このように電波センサは、人を検知する為、焦電型センサのような熱源に対する誤検知をすることがない。また電波センサのアンテナから放射される電波の方向を窓サッシ(窓)に近寄った人、あるいは部屋内部の侵入者に対しても検知できるように設定すれば、例えば前者を検知した場合は、照明を点灯させたり、防犯ブザーを鳴らしたりして威嚇することができるし、内部からしかかからない駆動源付の電磁ロック21を施錠し侵入を防止したり、後者に対しては、他の空間の設備を動かし、人の存在を間接的に報知したり、窓サッシを外側から自動ロックし、侵入者を閉じ込めると同時にネットワークを介して外部22に通達し、所定の機関に委ねることも可能である。
【0020】
電波の指向方向をイメージした図を図6、部屋内部に電波を走査した時のそれぞれの上やいの電波の強度及びその時の重み付けを表した図を図7に、また実際の電波の走査方法の概念図を図8に示す。
電波センサから放射される電波の指向性は、一般に次のように表すことができる。つまり、アンテナの絶対利得Gaは、アンテナ有効面積をA、アンテナから送信される電波の波長をλとすると、アンテナ面積の増加に伴い電波の放射強度が強くなり、
Ga=A×4π/(λ×λ)
また、アンテナの絶対利得Gaと指向性利得Gdとの間には次式の関係があり、損失の無視できるアンテナの絶対利得は指向性利得(無指向性アンテナに対する利得)に等しく、指向性の形状(指向角度)で決まる。
Ga=ηrad×Gd
従って、アンテナの指向性はアンテナの面積に左右され、アレイ化したアンテナの個数が多いほど指向角度は狭く、少ないほど広角の指向性を有する。10.5G帯の周波数を用い、汎用性のある誘電率10以下の基板を用い、窓サッシに配置するセンサのサイズを考慮すると、アンテナから放射される指向角度はせいぜい30度(アンテナゲイン12dB)であり、光電センサのような狭指向性を有することがない。例えば図6を用いて説明する。尚説明の便宜上電波センサは、天井に設置している。今、電波センサは部屋の内部に9方向放射できるように設定されている。図6(a)〜(c)は三方向に放射され、この絵の手前から奥方向に同様に三方向放射できるようになっている。このように電波方向を順次変化させた場合、電波は所定の広がりを持った指向で放射される為隣に放射した電波とオーバラップする領域が発生する。そのため、検知した信号の変化の有無だけを識別したのでは、人体の正確な場所、大きさを判断することができない。そこで、図7に示す重み付けを設定する。図7(a)は、9方向に放射した電波が床に到達するエリアを表示したものであり、図7(b)は、部屋を25分割しそれぞれの位置に侵入者がいたとしたとき得られる反射信号の強度を表したものであり、ある強度(ここでは3)以上到達する部位を色分けしている。尚それぞれ9方向の電波強度は若干変化するが、最大電波強度を一定として記載している。図7(c)は、図7(b)のそれぞれの代表値を現したもので、図7(b)で物体の大きさを判断し、図7(c)で物体の位置を検知するようにしている。また、具体的な電波の走査は図8に示し、5枚の一体アンテナ14aに対して周辺の一体アンテナ14b、14c、14d、14eは位相をあらかじめ進ませてあり、14bと14cは同位相、14dと14eは同位相に設定されている為、通常時は一体アンテナ14aを中心に左右上下方向のバランスが保たれておりこの絵の紙面の裏から表方向に垂直に電波が放射される。次に一体アンテナ14b上に配置したスイッチをONしアンテナの一部とGNDを接続する(接地状態にする)と、14bアンテナから放射される電波がなくなり、上下方向の位相バランスが乱れ、中央の一体アンテナ14aに対し、下側に配置されたアンテナ14cの位相が進んでいるため、電波が図のように上側に傾く、同様に電波を傾けたい側のスイッチをONさせることで任意の方向に傾けることができる。尚、斜めの方向に曲げたい場合、例えば左上に曲げたい場合は、一体アンテナ14b、14e上のスイッチをONすると良い。この電波走査手段をもちいることで、部屋方向を9分割しそれぞれの領域に電波を放射することが可能である。尚電波の傾き角度は中心アンテナから周辺アンテナまでの距離及び、アンテナ上のスイッチを設置する場所によって様々帰ることができる為、電波センサ6を設置する窓サッシの位置や、放射する屋内空間の形状に応じて設定すると良い。
尚、センサが設置される空間のレイアウトや空間に置かれているインテリアによって、部屋全体に電波を放射した際の、それぞれの反射信号の直流成分は異なる。従って、部屋に付設する設備が移動することによって反射信号は変化する。そのため、人体がいない状態の直流成分を常に把握し、その値を一定の初期値例えば1Vになるようにオフセット調整をし、物体が部屋に侵入した際は、その初期値からの変化量に対して重み付けを行うことで、人体の位置、大きさを検出することができる。
【0021】
前記電波センサは、前記窓サッシが腰掛け窓の場合、例えば図1(c)に示すように床から所定の高さL1にある場合は、家具や家電製品や植栽が電波センサの前面に置かれたとしても電波の放射を遮断されること無く、部屋の対向する壁または出入り口に到達させることができる。従って所定の高さLは、高ければ高いほど良いが、本発明では、窓サッシ前面に置かれる前記インテリアの高さを考慮し1m以上に設定している。一方図1(b)に示すように外部への移動が可能な床から構成されている窓サッシの場合も、窓サッシ前面には、家庭のインテリアは設置されないが、机、椅子、コタツ等の部屋の付帯設備に電波が遮断される可能性があるため、やはり1m以上の高さに設置するのが良い。共に人体の移動に伴うドップラー信号を最大感度で検出する為に、図1(b)のように窓サッシと入出ドアの侵入者の移動方向Xと電波の放射方向Zとが一致するような位置関係が望ましい。
【0022】
電波は、図1、2に示す部屋内部にあり他の空間との移動がある入出口23を基準位置とし、所定高さL2に放射している。この所定高さL2は、留守中に部屋内部を行き来すると思われるペット等の小動物を検知することなく、侵入者だけを検知するように設定されており、本発明では、1mとしている。小動物を飼っていない場合や身長が小さい場合は、前記L2を小さく設定しても良く、その方が侵入者の検知ミスを制限することができる。また、窓サッシ2から侵入した侵入者や入出口23において、身を伏せて通過するなど万が一検知ミスをした場合にも確実に侵入者を捕らえられるように、部屋内部の全領域を見渡せるよう、電波方向可変手段19は設定されている。また、その部屋の特に見守りたい領域がある場合には、予め電波方向を設定するメモリ(図示せず)に記憶させることで、任意の場所をも検知することができる。しかしながら電波の放射方向は限定するものではなく、部屋全体を検知できるのであれば常に全領域をセンシングしても良い。
このように窓サッシ2の所定の高さから、部屋内部の基準位置である入出口23の所定高さに向かって電波を水平もしくは下方に電波を放射するとペットの動きを検知することなく、外部侵入者が退出する動きを検知することができ、誤報の少ない防犯システムを提供することができる。
尚、一般に電波の指向性は光電センサに比べて広角である為、電波の広がりを考慮して前期基準位置を設定するのが良い。尚空間内の物体の検知については、前記電波方向可変手段によって、部屋内部に電波を走査し、物体から反射するそれぞれの反射信号の出力強度や、検知エリアや、移動速度や、物体の移動する軌跡を記憶し特定の場所にじっと止まっているなどのペット特有の動きによって小動物であると判断し、万が一侵入者が床に這いつくばって移動した場合にも、移動体の大きさや物品を探す際の姿勢の変化を検知することで人と小動物の違いを検知できる。
【0023】
(第2の変形例)
図9に防犯用侵入物検知装置の第2の変形例を示す。図9(a)に外観図を示し、図9(b)に図9(a)の上方図を示し、図9(c)に図9(a)のJ視図を示し、図9(d)に図9(a)のK視図を示す。
屋内施設1は、可動部である窓枠3と、外枠4と、窓枠と外枠で構成される第1の窓サッシ2と、前記第1の窓サッシ2が設置されている面と隣り合う面に設置されている第2の窓サッシ8と、屋内の他の部屋に移動するための入出ドア23と前記第1の窓サッシ2に設置されている電波センサ6とで構成されている。
【0024】
前記電波センサ6は、前記第1の実施例同様図9(c)に示すように床から所定の高さ1m以上に設置されており、家具や家電製品や植栽が電波センサの前面に置かれたとしても電波の放射を遮断されること無く、部屋の対向する壁または出入り口に到達させることができる。電波センサ6から放射される電波は、図9(d)に示す入出口23を基準位置とする所定の高さL2と、図9(d)に示すように第2の窓サッシ8を基準位置としての所定高さL3と、図9(c)に示すように第1の窓サッシ2の電波センサ6が設置されていない側の垂直方向に配設されている外枠4bを基準位置として所定の高さL4と、に放射するよう電波方向可変手段19にて設定されている。この所定高さL2、L3、L4も第1の実施例同様ペット等の小動物を検知することなく、侵入者だけを検知するように1m以上に設定されている。このように第1の窓サッシの電波センサ6と対向する外枠と第2の窓サッシ8に向かって電波を放射すると電波は所定の指向性をもっている為一部が第1の窓サッシ外部に放射されたり、また第2の窓サッシの窓ガラスを透過し、直接外部を検知することができるため、外部からの侵入者を侵入以前に検知することができるため、屋内施設1に居住する居住者の安全性を確保した防犯システムを提供することができる。万が一他の空間の侵入口からの侵入者があった場合にも入出口23をも検知しているため、屋内施設1に近寄った侵入者をペット等の小動物とは確実に識別し、検知することが可能である。尚第2の窓サッシは、通常人がベランダ等へ行き来する床面から配設されるものであったり、勝手口であっても同様の高さに向かって放射すると侵入者だけを検知するシステムを提供することができる。
【0025】
このように複数の基準位置に向かって電波を放射する場合は、それぞれの基準位置を侵入者が通過するであろう時間から電波走査時間を設定すればよい。例えば第1の窓サッシの電波センサが設置されている外枠と対向する外枠4bの基準位置と、室内の入手口23の基準位置を交互に検知する際は、ドアを出入りする時間0.5秒に対し、窓サッシを突破する時間1分とするならば、ドアを検知する時間を30秒、窓サッシを検知する時間0.3秒と略1/2の時間間隔で交互に電波を切替えれば良く高速走査は不要である。この設定時間はドアや窓サッシの形態に応じて任意に変えて良く、また出入り口の個数によって走査方向を可変してよい。また、出入り口付近の検知は、その場所にいる人体を検知するよりは、人体の接近、離遠の状態をも検知したい為、検波部からの交流信号による識別が望ましい。交流信号は一般に検波部から取り出すまでの回路に直流成分を除去するフィルター29(図5(b))が搭載される為、その時定数の大きさにとり、高速電波走査時の検出には不向きである。しかしながら、この初期状態においては、前記のように検知する領域が限定される為、容易に検知することが可能である。尚、万が一出入り口を通過する人体を検知できなかったことを考慮し、定期的に部屋全体を見渡すように電波方向を切り替え、それぞれの直流信号により、侵入者の検知ミスがないか対応させると更に良い。
次に人体が出入り口に接近してきたことを検知すると、検知した領域を中心にその周辺に向かって電波を走査し、人体がどの方向に向かって移動するのか及びどのくらいの大きさなのかをコントローラで識別する。この場合は、出力強度を検知したくまた電波走査を高速に行い為、に直流成分を主に計測する)。識別した結果不法侵入と判断した場合は、上述のように家電製品や照明をonさせ威嚇したり、自動ロック機構を施錠モードにしたり外部出力信号を介して外部機関への通報を行う。
【0026】
以上のように、電波センサを用いた防犯用侵入物検知装置は、個人を識別するほどの分解能を必要とせず、人体の行動をそっと監視することができるため、屋内施設の所有者がいる場合に作動した場合にも、カメラのような見られているイメージがなく、前記所有者のプライバシーを維持することができる。また、カメラのような複雑な画像処理がなく、直流、交流信号の計測を巧みに使い分けることで、侵入者の動き、大きさ、位置を瞬時に確実に判断でき、ペット等の誤検知による誤報がなくリアルタイムに外部に信号を発振することが可能である。また窓サッシの素材の選定によっては、完全に隠蔽し、内部のインテリアを乱すデザインにすることがなく、侵入者から事前に確認されセンサの検知性能を阻害する行為を防止できる。
【0027】
(参考例2)
防犯用侵入物検知装置の第2の実施形態の外観図を図10(a)に示し、図10(b)に図10(a)の上方図を示し、図10(c)に図10(a)のL視図を示し、図10(d)に図10(a)のM視図を示す。
【0028】
屋内施設50は、屋外と屋内を区画する壁51と、隣り合う部屋をまじきる為の壁52と、床材59と、天井材(図示せず)と、第1の窓サッシ57と、第2の窓サッシ54と入出ドア58と、電波センサ56とで構成されている。電波センサ56は、屋内施設50に出入りし、前記施設内の人体の動きを検知する為に前記壁51の内部に構成されている。電波センサ56から出力される信号から人体の位置、大きさ、接近・離遠、を判断し、外部出力信号として、判断結果を出力するコントローラ(図示せず)も設置されている。尚、電波センサ56構成、電波方向切替手段の原理、信号処理に関しては、第1の実施例と同様のため省略する。
【0029】
図に示すようにセンサは、壁51を構成する板状建材の裏面側に、すなわち断熱材と屋内側のパネルの間に配置している。尚前記パネルは、樹脂あるいは木材で構成されており、またパネル表面に意匠性を付与した壁紙(紙は木材=パルプが原料)は、上述のように電波を透過させることができる為、パネルの内側に配設しても、屋内の人体を検知することができる。本発明は実施例1同構成の電気的な電波方向可変手段を用いている為に、省スペースにセンサを設け、しかも1つのセンサで空間全体をみわたすことができる為、センサを設置するために切り欠く建材の量を最小限でき、従来建材を流用し且つ屋内のインテリアに影響を与えないシステムを提案できる。
また、この電波センサ56は、屋内施設に出入りする窓サッシ57と入出ドア58の侵入者の移動方向Xと電波の放射方向Zとが3次元方向に分解したベクトルが直交しないように設置されているため、電波センサ56から出力されるドップラー信号を出力でき、検知精度の高いセンサシステムを実現できる。この電波センサ56は、前記第1の実施例同様図10(c)に示すように床から所定の高さ1m以上に設置されており、家具や家電製品や植栽が電波センサの前面に置かれたとしても電波の放射を遮断されること無く、部屋の対向する壁または出入り口に到達させることができる。電波は、図10(d)に示す入出口58を第1の基準位置とする床面からの所定の高さL5と、図10(d)に示すように第2の窓サッシ54を第2の基準位置としての所定高さL6と、図10(c)に示すように第1の窓サッシ57を第3の基準位置として所定の高さL7と、に放射するよう電波方向可変手段にて設定されている。この所定高さL5、L6、L7も第1の実施例同様ペット等の小動物を検知することなく、侵入者だけを検知するように1mに設定されている。このように第1の窓サッシ57と第2の窓サッシ54に向かって電波を放射すると電波は所定の指向性をもっている為一部が第1の窓サッシ外部に放射されたり、また第2の窓サッシを透過し、直接外部を検知することができるため、外部からの侵入者を侵入以前に検知することができるため、屋内施設50に居住する居住者の安全性を確保した防犯システムを提供することができる。万が一他の空間の侵入口からの侵入者があった場合にも入出口58をも検知しているため、屋内施設50に近寄った侵入者をペット等の小動物とは確実に識別し、検知することが可能である。尚本発明では、屋外と屋内を区画する壁51に電波センサ56を設置したが、隣り合う部屋をまじきる為の壁52に設置する場合も同様であり、第1、第2の窓サッシ及び入出口それぞれを基準位置として、所定の高さのところに向かって放射することにより、侵入者を確実に検知することが可能である。
【0030】
(実施例1)
防犯用侵入物検知装置の第3の実施形態の外観図を図11(a)に示し、その変形例を図11(b)に示す。
【0031】
屋内施設60は、屋外と屋内を区画する壁61と、隣り合う部屋をまじきる為の壁62と、床材63と、天井材64と、窓サッシ65と、入出ドア66と、電波センサ67とで構成されている。電波センサ67は、屋内施設に出入りし、前記施設内の空間の人体の動きを検知する為に前記天井材64内部に構成されている。電波センサから出力される信号から人体の位置、大きさ、接近・離遠、を判断し、外部出力信号として、判断結果を出力するコントローラ(図示せず)も設置されている。尚、電波センサ構成、電波方向切替手段の原理、信号処理に関しては、第1の実施例と同様のため省略する。
【0032】
図11(a)に示すように電波センサ67は、天井材の内部または裏面に配置されている。ここで、天井材とは、天板に補強材を施したものや、防音材、断熱材を一体化させたものも含み、電波センサの一体アンテナ前面には金属部材が配設されないように構成されており、一般に前記天板は、樹脂あるいは木材で構成されているため、上述のように電波を透過させることができる。従って、隠蔽した状態においても、屋内の人体を検知することができる。本発明は実施例1同様電気的な電波方向可変手段を用いている為に、1つのセンサで空間全体をみわたすことが可能である。
この電波センサ67は、屋内施設に出入りする窓サッシ65と入出ドア66の侵入者の移動方向Xと電波の励振方向(図4(b)、図11(a)のW−W方向)とが一致し、且つ電波の放射方向Zのベクトル成分ができるだけ一致あるいは正反対になるような位置関係に設置されているため、電波センサ67から出力されるドップラー信号を効率よく出力でき、検知精度の高い防犯用侵入物検知装置を実現できる。また、電波の放射方向が、入出ドア66を基準とし、床面から所定の高さL8と、窓サッシ65を第2の基準位置として所定の高さL9を放射するように電波方向可変手段によって切替えている為、屋内施設60に侵入する侵入者を窓サッシあるいはドアの外側にて事前に検知することができ、防犯性の高いシステムを提供することができる。尚この所定の高さL8、L9は第1、第2の実施例同様1m以上に設定されている為、ペット等の小動物を検知せずに侵入者だけを検知することができる。尚、万が一部屋内部に侵入した際も電波方向可変手段によって部屋内部の全領域を検知するため、侵入者を見逃すことの無いシステムが可能である。その際、図11(a)の斜線内の領域を検知しないように電波の放射方向を部分的に停止すると、部屋外部に退出するペット等は検知せず、侵入者を検知できる。このように窓サッシ65及びドア66を移動する人体の動きを捉えるのに都合の良い形態は、屋内施設のデザインにより様々あるため、本実施例では、天井材の裏面略中央に電波センサを設置したが、場所を最適の形態に移動させても良いし、一般に図10(b)に示すように屋内空間の略中央には照明器具68が設置されているため、天井材に限定せず、照明器具68の前面保護カバー69の裏側に配置するなどできるだけセンサ前面に複数の部材が配置されないように設置し、電波放射量の減衰がないシステムを構成すると良い。照明部材68に設置する際は、建材に比べてライフサイクルが短い為、取り外して交換後の照明部材に再設置できるよう、設置自由性の高いリモコンタイプにすると良い。その結果、所有者が管理したい位置を重点的に検知できる。
【0033】
(参考例3)
防犯用侵入物検知装置の第4の実施形態の外観図を図12(a)に、図12(a)の屋内側から見た拡大図を図12(b)に示す。
【0034】
図12に示すように玄関71には、入出ドア72と、ドアの内外から操作可能な第1のロック機構73と、内側からのみ施錠できる第2のロック機構74と、靴の脱着を行うスペース75と、ドアの外側には来訪者を視認できるカメラ76と、ドアの内側にはドアに近づく人体の動きを検知する為の電波センサ77とが、構成されている。電波センサから出力される信号から人体の位置、大きさ、接近・離遠、を判断し、外部出力信号として、判断結果を出力するコントローラ(図示せず)も設置されている。尚、電波センサ構成、電波方向切替手段の原理、信号処理に関しては、第1の実施例と同様のため省略する。
【0035】
上述のように電波は金属材料を透過しないため、センサのアンテナ前面は、金属材料以外で構成されている。例えばFRP等の高強度のプラスチック材料である。この結果、屋外から電波センサの有無及び設置場所を悟られることなく、接近する人体を検知できる。また、侵入者かペットや子供のような身長の低い物体を検知しないようにドア直前の位置を基準位置とし、所定の高さL10に電波を放射している為、大人だけを識別することが可能である。尚所定の高さL10は、1m以上に設定している。また、家の所有者に対しては、電波センサの設置位置がわかっているため、センサ前面に手をかざすことで、反射信号が最大値となり、検出が可能である。尚、電波センサの指向性が極端に狭く、反射信号の直流成分を合成した際に、個人を識別できる程度の画素数を有する場合には、画像認識結果に応じて所有者か否かを判断しても良い。
【0036】
以上の結果により、所有者以外の人体がドアに接近し、立ち止まったことを検知した際、監視カメラ76を作動し、接近した人体の識別に利用しても良いし、付設設備である照明器具79をON状態にし威嚇しても良いし、第2のロック機構74を駆動源を用いて、施錠しても良い。従って、監視カメラ76を常時作動させず、電波センサ77が異常を感知した時のみ利用するため、小電力なシステム且つ誤報のない検知精度の良い防犯用侵入物検知装置が可能である。また、外出中に内側からのみロックできる第2のロック機構74を作動させることができる為、最悪強行突破されそうな場合にも、家内設備を保護することが可能である。
【0037】
図13に家庭内の各部屋に電波センサ91を構成した状態を示す。電波センサは91、第1の実施形態〜第4の実施形態に記載したように窓サッシ、建材、照明等利用し、各部屋及び玄関にそれぞれ1ヶ配設されている。また、廊下には各部屋の電波センサの検知信号や電波の走査方法を指示する集中管理Box92が配設されている。この集中管理BOX92には、各部屋の照明、空調等の家電製品や防犯設備の制御ができるよう、ネットワーク(図示せず)によって接続されている。
上述のように、電波センサ91がペットあるいは所有者以外の侵入者を検知した場合は、一旦集中管理BOX92にその情報を転送し、集中管理Box92から侵入のあった部屋に対する防犯設備の作動の指示(例えば自動ロック機構や照明、監視カメラ、家電製品を作動し威嚇する)をすると同時に、電力線や電話回線や無線によって外部機関例えば警備会社にその情報を転送するようにプログラミングされている。また、その情報は、家庭内に所有者が存在する場合は、その所有者に対し、存在する空間の家電製品をONしたり、照明をONしたり、個人保有の端末に支持したり等報知することも可能である。また所有者が外出している時にも外出先で速やかに判断できるよう検知情報を転送するようにしても良い。
また、本システムは、外部侵入者に対する検知に留まらず、高齢者や子供の行動把握にも利用することが可能であり、例えば、留守中に高齢者が、寝室以外の場所で長時間横たわっていた際、外出先の関係者に情報を転送したり、家事に気を取られて子供の行動を見失い、水の張った浴室やベランダ等勝手に移動しそうな場合にも、あらかじめ浴槽の水を排水したり、ベランダに通じる窓サッシを自動的に施錠したり、母親他関係者に隣接した家電製品を用いて報知しても良い。
更に、安心、安全用途だけでなく、機器の省エネ制御に利用しても良い。電波センサの最大の特徴は、人の動きが分かる為、例えばリビングに存在する人を電波センサの交流信号の変化量を計測し、変化量が略0の場合は就寝中と判断し、照明の照度を落としたり、テレビ等の家電製品をOFFにしてもよい。また、廊下を移動する人の動きを検知して、トイレ内の暖房便座のヒータのスイッチングを制御し、従来常に保温制御していたものの保温温度を下げたり、停止したりしても良いし、脱衣場に人が侵入したことを検知してから、浴槽の湯温を快適温度にする為の追炊き制御を行うことで、無駄な放熱を無くすことも可能である。また節電だけでなく、移動する先々の部屋の照明や空調をあらかじめ制御することで、暗闇を移動することなく安心且つ容易に行動できる快適環境も提案することが可能である。
















































【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の第1の変形例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の電波センサ固定詳細を示す図である。
【図4】電波センサの構成を示す図である。
【図5】電波センサ及びコントローラのブロック図である。
【図6】電波の放射状態を表す図である。
【図7】電波の放射エリアと反射信号の処理方法を説明する図である。
【図8】一体アンテナの電波走査の概念を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の第2の変形例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態を示す図である。
【図13】防犯用侵入物検知装置をネットワークで接続した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1、50、60…屋内施設
2、8、54、57、65…窓サッシ
3…窓枠
4…外枠
5…窓
6、56、67、77、91…電波センサ
11…発振部
12…検波部
14、18…一体アンテナ
15…交流信号
16…直流信号
17…シールドケース
19…電波方向可変手段
20…スイッチ
21、73、74…電磁ロック
22…外部信号
23、58、66、72…入出ドア
25…コントローラ
26…信号処理部
27…演算処理部
28…電波方向設定手段
29…フィルター
51、52、61、62…壁
63…床材
64…天井材
68…照明器具
69…保護カバー
71…玄関
76…監視カメラ
92…集中管理BOX
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】

【図2a】

【図2b】

【図2c】

【図2d】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波の発信手段と、電波の受信手段とを備えた照明装置であって、前記発信手段および前記受信手段は、照明装置の所定位置に配設されており、前記発信手段からの電波を室内の基準位置における所定高さ以上のポイントまたは領域に向けて、水平方向又は下方に向けて放射したときの、前記受信手段に検知される受信信号の強度データに基づいて、侵入者の有無を識別するようにした照明装置。
【請求項2】
電波の発信手段と、電波の受信手段とを備えた照明装置であって、前記発信手段および前記受信手段は、照明装置の所定位置に配設されており、前記発信手段からの電波を室内への侵入口に位置する基準位置における所定高さ以上のポイントまたは領域に向けて、水平方向又は下方に向けて放射したときの、前記受信手段に検知される受信信号の強度データに基づいて、侵入者の有無を識別するようにした照明装置。
【請求項3】
電波の発信手段と、電波の受信手段と、を備えた照明装置であって、前記発信手段および前記受信手段は、照明装置の所定位置に配設されており、前記発信手段からの電波を室内の第一の基準位置における所定高さ以上のポイントまたは領域および、室内への侵入口に位置する第二の基準位置における所定高さ以上のポイントまたは領域に向けて、水平方向又は下方に向けて放射したときの前記受信手段に検知される受信信号の強度データに基づいて、侵入者の有無を識別するようにした照明装置。
【請求項4】
前記送信手段から送信する電波が複数の方向切り替える電波切替え手段を有する請求項1乃至3記載の照明装置。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−244777(P2006−244777A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56227(P2005−56227)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】