熱収縮性筒状ラベル、及び熱収縮性フィルムの加工方法
【課題】 本発明は、耐衝撃性に優れ、更に、分断補助線を利用しつつ容易に分断することができる熱収縮性筒状ラベルを提供することを課題とする。
【解決手段】 少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルム2と、この筒状フィルム2の縦方向に断続的に形成された切込部6を有する分断補助線3と、を備え、前記分断補助線3の切込部6は、その周方向長さが筒状フィルム2の厚み方向に小さくなっており、該切込部6が、筒状フィルム2の一面から他面に貫通して形成されていると共に、フィルム2の一面に於ける開口面積に比して他面に於ける開口面積が小さく形成されている熱収縮性筒状ラベル。
【解決手段】 少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルム2と、この筒状フィルム2の縦方向に断続的に形成された切込部6を有する分断補助線3と、を備え、前記分断補助線3の切込部6は、その周方向長さが筒状フィルム2の厚み方向に小さくなっており、該切込部6が、筒状フィルム2の一面から他面に貫通して形成されていると共に、フィルム2の一面に於ける開口面積に比して他面に於ける開口面積が小さく形成されている熱収縮性筒状ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分断補助線が形成された熱収縮性筒状ラベル、及び熱収縮性フィルムの加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料容器、食品容器、化粧品容器などの様々な容器に、熱収縮性筒状ラベル(筒状シュリンク、シュリンクフィルムなどとも呼ばれる)が装着されている。
通常、かかる熱収縮性筒状ラベルには、容器から筒状ラベルを除去するため、分断補助線としてミシン目が形成されている。
【0003】
従来、この種のミシン目は、特開2001−290425に記載のように、縦方向に伸びる直線状の貫通孔部と非貫通部が交互に配されたものや、針穴状の貫通孔部と非貫通部が交互に配されたものが用いられている。
かかるミシン目が形成された熱収縮性筒状ラベルは、容器に外嵌された後、加熱することによって周方向に収縮し、容器に装着される。そして、該筒状ラベル付き容器の使用後、筒状ラベルの上縁(又は下縁)に爪などを入れ、筒状ラベルの上端部(又は下縁)を摘んで引き取ることによりミシン目に沿って切取線が形成されていく。従って、筒状ラベルを縦方向に分断し、これを容器から除去できる。
【0004】
しかしながら、上記ミシン目が形成された熱収縮性筒状ラベルは、衝撃によってミシン目から筒状ラベル自体が破断するという問題点を有する。
具体的には、熱収縮性筒状ラベルは、装着時、周方向に大きく熱収縮するため、周方向に引張り力が加わる。このため、熱収縮性筒状ラベルを容器に装着した際、縦方向に伸びる直線状の貫通孔部を有するミシン目は、その貫通孔部が周方向に引張られて拡がることにより、楕円形状に開口する。また、針穴状の貫通孔部を有するミシン目は、その貫通孔部が周方向に引張られて拡がることにより、楕円形状に開口する。このようにミシン目の貫通孔部が拡がると、筒状ラベル付き容器に衝撃が加わった際(例えば容器の落下など)、該拡がった貫通孔部の縁から亀裂が生じ、筒状ラベルが破断する場合がある。特に、飲料容器などとして広く用いられているポリエチレンテレフタレート製容器は、近年薄肉化されているため、衝撃によって変形し易く、この種の容器に装着された上記熱収縮性筒状ラベルは、ミシン目の貫通孔部から破断し易い傾向にある。
また、ミシン目の貫通孔部が拡がることで、ミシン目の貫通孔部が目立ち、筒状ラベルの外観を損ねるという問題もある。
【0005】
【特許文献1】特開2001−290425
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、耐衝撃性に優れ、更に、分断補助線を利用しつつ容易に分断することができる熱収縮性筒状ラベルを提供することを課題とする。さらに、本発明は、分断補助線を熱収縮性フィルムに加工する加工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点に鑑みて、本発明は、少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルムと、この筒状フィルムの縦方向に断続的に形成された切込部を有する分断補助線と、を備え、前記分断補助線の切込部は、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、該切込部が、筒状フィルムの一面から他面に貫通して形成されていると共に、フィルムの一面に於ける開口面積に比して他面に於ける開口面積が小さく形成されている熱収縮性筒状ラベルを提供する。
【0008】
かかる熱収縮性筒状ラベルは、分断補助線の切込部の周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、フィルムの一面に於ける開口面積に比して他面に於ける開口面積が小さく形成されているので、切込部の貫通面積が小さい。このようにフィルムの他面に於ける開口面積が小さいことから、熱収縮性筒状ラベルの熱収縮時、周方向に引張り力が加わっても、このフィルムの他面側に於いて引張り力に抗し、切込部が楕円形状などに拡がることを確実に防止できる。
よって、該熱収縮性筒状ラベルが装着された容器に衝撃が加わっても、筒状ラベルが破断し難い。また、装着時に切込部が拡がらないことから、美麗な装着外観を呈する熱収縮性筒状ラベルを提供できる。
また、切込部は、フィルムの一面に於ける開口面積が大きいので、分断時に筒状ラベルの一部分を摘んで引張ると、切込部に沿って切取線が形成されていく。従って、該切込部を有する分断補助線を利用して、装着された筒状ラベルを容易に分断除去することもできる。
【0009】
また、本発明は、少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルムと、この筒状フィルムの縦方向に断続的に形成された切込部を有する分断補助線と、を備え、前記分断補助線の切込部は、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、該切込部が、筒状フィルムに非貫通な凹状に形成されている熱収縮性筒状ラベルを提供する。
【0010】
かかる熱収縮性筒状ラベルは、分断補助線の切込部の周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、筒状フィルムに非貫通な凹状に形成されているので、フィルムの一面側に開口部分がない。従って、熱収縮性筒状ラベルの熱収縮時、周方向に引張り力が加わっても、切込部が拡がる虞がない。
よって、該熱収縮性筒状ラベルが装着された容器に衝撃が加わっても、筒状ラベルが破断し難く、又、非貫通な切込部であるため、美麗な装着外観を呈する。
また、切込部を有する分断補助線を利用して、装着された筒状ラベルを容易に分断除去することもできる。
【0011】
さらに、本発明の第2の手段は、周囲に複数の刃部が所定間隔をあけて突設された回転刃と、回転刃が回転した際、回転刃の各刃部の先端が順次当接するように設けられた受けロールと、を用い、刃部は、先端が尖状の略三角形状であって回転刃の回転方向に所定厚みを有し、回転刃の刃部と受けロールの間にフィルムを供給すると共に回転刃を回転させ、熱収縮性フィルムの主延伸方向と直交する方向に回転刃の刃部を順次進入させ、フィルムに対して回転刃の各刃部を順次押圧することにより、熱収縮性フィルムに所定間隔をあけて切込部を形成する熱収縮性フィルムの加工方法を提供する。
【0012】
上記熱収縮性フィルムの加工方法は、回転刃の刃部が、受けロールの表面に当接するように構成されているので、刃部がフィルムに対して大きく入り込まない。従って、フィルムに対する刃離れが早くなり、その結果、回転する刃部の先端に起因する尖状痕の発生を防止して、刃部の外形状に合った切込部を確実に形成できる。
また、刃部は、先端が尖状の略三角形状であって回転刃の回転方向に所定厚みを有するので、熱収縮性フィルムの主延伸方向に於ける長さが、フィルムの厚み方向に小さくなった切込部を、熱収縮性フィルムに形成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、これを装着した容器に衝撃が加わっても破断し難いものである。従って、耐衝撃性に優れた熱収縮性筒状ラベルを提供できる。また、本発明の熱収縮性筒状ラベルは、容器への装着外観も良好で、装着後、分断補助線を利用しつつ分断除去することができる。
さらに、本発明の加工方法は、熱収縮性フィルムに進入する刃部の外形状に合った切込部を、熱収縮性フィルムに確実に形成することができる。従って、設計誤差の極めて少ない切込部を熱収縮性フィルムに形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1及び図2に於いて、1は、基材を筒状に成形してなる筒状フィルム2と、該筒状フィルム2の縦方向に形成された分断補助線3と、該筒状フィルム2の一部分を切断することにより形成された分断起点用の切り目5と、を備える熱収縮性筒状ラベルを示す。
【0015】
筒状フィルム2は、所定温度(例えば80〜100℃)で少なくとも周方向に大きく熱収縮する従来公知の筒状体を用いることができる。
具体的には、該筒状フィルム2は、例えば、熱収縮性の基材を筒状にしてその両側端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部分を溶剤又は接着剤などで接着することによってセンターシール21が形成された態様からなる。
上記センターシール21の幅は特に限定されないが、通常、2〜7mm程度が例示される。
【0016】
筒状フィルム2を構成する基材は、少なくとも幅方向(筒状に形成した際に於ける周方向。以下同じ)に熱収縮性を有するものであればその材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種、又は2種以上の混合物などからなる合成樹脂製フィルムなどの公知のフィルムを用いることができる。また、熱収縮性を有する2種以上の樹脂が積層された積層フィルムを用いることもできる。さらに、熱収縮性を有するフィルムに発泡樹脂シート等の断熱層やその他の機能層が積層された公知の積層フィルムを用いることもできる。
【0017】
熱収縮性の基材は、公知の製法で製膜し延伸処理することにより得ることができる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、幅方向に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度で主延伸することにより行われる。さらに、縦方向(筒状に形成した際に於ける縦方向。以下同じ)にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。得られた基材は、一軸延伸フィルム又は主延伸方向と直交する方向に若干延伸された二軸延伸フィルムとなる。基材の厚みは、特に限定されないが、通常、30〜80μm程度のものが用いられる。
【0018】
基材の熱収縮率としては、熱収縮により容器に密着可能な程度であれば特に限定されないが、通常、幅方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は約40%以上、好ましくは約50%以上のものが例示される。また、基材は縦方向に若干熱収縮してもよく、かかる縦方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は、約−3〜15%程度のものが例示される。
但し、熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)−(幅方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
【0019】
尚、基材には、例えば商品名、商標、絵柄デザインなどの公知の意匠印刷がグラビア印刷などによって単色又は多色刷りにて印刷されているが、該意匠印刷は図示しない。
【0020】
次に、筒状フィルム2に形成された分断補助線3は、図1及び図2に示すように、隣接して形成された2本の分断補助線3,3を1組とし、この1組の分断補助線3,3が、センターシール21の両側にそれぞれ形成されている。つまり、センターシール21の一方側には、隣接して2本の分断補助線3,3が形成され、センターシール21の他方側にも同様に、隣接して2本の分断補助線3,3が形成されている。以下、センターシール21の一方側に形成された2本の分断補助線3を、第1補助線31、第2補助線32といい、同他方側に形成された2本の分断補助線3,3を、第3補助線33、第4補助線34という。
【0021】
第1〜第4補助線31〜34は、筒状フィルム2の縦方向に切込部6と非切込部7とが交互に配された構成からなる。換言すると、第1〜第4補助線31〜34は、筒状フィルム2の縦方向に所定間隔をあけて断続的に形成された切込部6を有する。
各切込部6は、筒状フィルム2を厚み方向に切り込んだ線状開口により形成されている。例えば、図3(b)に示すように、分断補助線3の切込部6は、筒状フィルム2の外面2aに開けられた開口の周長さが筒状フィルム2の内面2bに開けられた開口の周長さよりも短く形成されている。かかる分断補助線3によれば、筒状フィルム2の外面2aの開口面積が小さくなるので、外観上も好ましい。
かかる外面2aと内面2bに於ける開口の周長さが異なる切込部6は、図示したような筒状フィルム2の厚み方向に開口面積が次第に拡大するように形成されたものが含まれる。例えば、切込部6は、その周方向両端部が筒状フィルム2の厚み方向に向かって次第に小さくなるテーパ状に形成され、且つ切込部6の縦方向端部(上下端部)が、筒状フィルムの厚み方向に直線状に形成されたものが含まれる。
【0022】
各切込部6は、例えば筒状ラベル1の耐衝撃性の点から、図3にも示すように、筒状フィルム2の内面2bに於ける開口部分が筒状フィルム2の周方向に伸びる線状に形成されている。この場合、筒状フィルム2の内面2bを基準にして、各切込部6は、その周方向の長さ(以下、周長さという)が縦方向の長さ(以下、縦長さという)よりも長く形成されている。特に、各切込部6は、筒状フィルム2を構成する基材の主たる延伸方向(周方向)と平行に伸びる直線状に形成されていることが好ましい。
筒状フィルム2の内面2bに於ける各切込部6の周長さ6X及び縦長さ6Yは、図3(a)に示すように、周長さ6X:縦長さ6Yが、1:5〜5:1程度に形成されていることが好ましく、更に、1:2〜5:1程度に形成されていることがより好ましい。具体的には、同切込部6の周長さ6Xは、例えば0.02〜1.0mm程度が例示され、切込部6の縦長さ6Yは、例えば0.1〜0.5mm程度が例示される。また、上下の切込部6の形成間隔(非切込部7の縦長さ7Y)は、余りに間隔が狭いと耐衝撃性に劣り、余りに広いと筒状ラベル1の分断性が悪くなるので、0.2〜3.0mm程度に形成されていることが好ましい。
【0023】
尚、上記各切込部6は、筒状フィルム2の内面2bに於ける周長さが筒状フィルム2の外面2aに開けられた開口の周長さよりも長く形成されているが、これと逆に、各切込部6が、筒状フィルム2の外面2aに開けられた開口の周長さが筒状フィルム2の内面2bに開けられた開口の周長さよりも長く形成されていてもよい。
もっとも、筒状フィルム2(筒状ラベル1)の外面2aの開口が短く形成されている方が、外観上、切込部6が目立ち難いので好ましい。
【0024】
第1及び第2補助線31,32の切込部6は、縦方向に同じ高さ位置に形成されている。第3及び第4補助線33,34の切込部6についても、同様である。
尚、第1及び第2補助線31,32の切込部6の形成位置は、上記に限られず、例えば、図5に示すように、第1補助線31の切込部6の上下間に、第2補助線32の切込部6が位置するように、第1補助線31の切込部6と第2補助線32の切込部6を互い違いに形成することもできる(第3及び第4補助線33,34についても同様に変更できる)。
【0025】
さらに、第1及び第2補助線31,32は、隣接して形成されているが、余りに両補助線31,32が離れて形成されていると筒状ラベル1を良好に分断できないことから、図3(a)に示すように、第1補助線31と第2補助線32の形成間隔Z(第1補助線31の切込部6の一端部と第2補助線32の切込部6の他端部の距離)は、例えば、0.5〜1.0mm程度が好ましい。尚、第3補助線33と第4補助線34の形成間隔についても同様である。
【0026】
次に、分断起点用の切り目5は、筒状フィルム2の一面の領域に周方向に伸びて形成されており、例えば、図4にも示すように、フィルムが2重となるセンターシール21を横断し且つ筒状フィルム2の周方向に平行に形成されている。
該分断起点用の切り目5は、例えば、周方向に伸びる切込線51と非切込部52が交互に形成された(切込線51が断続的に形成された)態様からなる。該切り目5の一方端は、センターシール21の一方側に形成された分断補助線3(第2補助線32)の切込部6の近傍に位置し、切り目3の他方端は、センターシール21の他方側に形成された分断補助線3(第3補助線33)の切込部6の近傍に位置している。
切り目5の一方端と分断補助線3(第2補助線32)の切込部6の間隔は、例えば、0.5〜3.0mm程度が好ましい。また、切り目5の他方端と分断補助線3(第3補助線33)の切込部6の間隔についても同様である。
尚、筒状ラベル1の分断性が良好になること、及び切り目5の切込線51が長くなり過ぎないことなどから、切り目5の一方端及び/又は他方端は、分断補助線3の切込部6の近傍に位置して形成されていることが好ましい。もっとも、これに代えて、切り目5の一方端及び/又は他方端が、分断補助線3の切込部6に交わって形成されていてもよい。
【0027】
切り目5の切込線51は、筒状フィルム2の外面2aから内面2bにまで貫通する線状の開口によって形成されている。
切り目5を形成する縦方向位置は、特に限定されない。但し、切り目5は、筒状ラベル1の分断起点として利用される点から、切り目5は、筒状フィルム2の上縁寄り又は下縁寄りに形成されていることが好ましい。例えば、切り目5は、筒状フィルム2の上縁又は下縁から縦方向に3〜6mm程度離れた位置に形成される。
特に、切り目5は、装着する容器の凹み部(又はパネル面)に対応する位置に形成することが好ましい。かかる切り目5が形成された熱収縮性筒状ラベル1は、容器に装着した際、容器の凹み部に対応して切り目5が位置する。従って、切り目5の内面側が空間となり、筒状ラベル1の外面から押すことにより断続状の切込線51を容易に開口でき、切り目5を通じて筒状フィルム2の一部分を摘むことができる。
尚、図示した例では、筒状フィルム2の上縁寄りにのみ1本の切り目5を形成したものを例示しているが、これに代えて、筒状フィルム2の下縁寄りにのみ1本の切り目5を形成してもよいし、或いは、筒状フィルム2の上縁寄り及び下縁寄りに、それぞれ切り目5を形成してもよい。
切り目5の切込線51及び非切込部52の周長さは、特に限定されないが、余りに切込線51が短すぎたり、非切込部52が長すぎると、切り目5を通じて筒状フィルム2の一面を開口させることが困難となる。この点を考慮すると、切り目5の切込線51の周長さ51Xは、2〜15mm程度、同非切込部52の周長さ52Xは、2mm以下程度に形成されていることが好ましい。
【0028】
該切り目5(すなわち切込線51)は、トムソン刃などの刃をフィルムに押し付ける、或いはレーザービームなどを用いてフィルムを溶断するなどの手法により、周方向に断続的に形成できる。中でも、レーザービームなどを用いてフィルムの一部を溶断すれば、図4(b)に示すように、切込線51の周縁、特に切込線51の周方向両端部51aに於けるフィルム部分を厚肉状に形成することができる。
このように切り目5を構成する切込線51の両端部51aを厚肉状に形成することにより、切込線51の両端部51aの強度が増し、切込線51の端部から亀裂が生じることを防止できる。特に、レーザービームなどを用いたフィルム溶断により切込線51が形成されている場合、切込線51の両端部51aに於けるフィルム部分が厚肉状になると共に硬化するため、より亀裂が入りにくく好ましい。
【0029】
次に、熱収縮性フィルムに上記切込部6を形成する加工方法について説明する。
筒状フィルム2の外面2aと内面2bに於ける開口の周長さが異なる切込部6を、熱収縮性フィルムに形成するには、例えば、下記機械的加工方法が用いられる。
具体的には、図6に示すように、周囲に複数の刃部101が所定間隔をあけて突設された回転刃100と、回転刃100の回転時、回転刃100の各刃部101の先端が順次当接するように対向配置された受けロール200と、を備える加工装置を用いる。
尚、本例では、センターシール21の両側に、2本の分断補助線3が隣接して形成される筒状ラベル1(即ち図1に示す筒状ラベル1)に用いられる熱収縮性フィルム(基材)を製造する場合を示している。但し、回転刃100の本数や位置は、分断補助線3の形成本数や形成位置に応じて適宜設定変更されるものである。
【0030】
回転刃100は、円盤状の本体部102の周囲に刃部101が突設されており、駆動装置(図示せず)により回転可能である。この回転刃100の刃部101は、図7に示すように、先端が尖状に形成された略三角形状に形成されており、回転刃100の回転方向に所定の厚み(例えば、0.1〜0.5mm)を有する。各刃部101は、その三角面101aを回転刃101の回転軸に平行にして本体部102の外周に放射状に突設されている。刃部101の先端の角度(三角面101aの頂角)は、特に限定されないが、45〜75度程度が好ましい。
【0031】
受けロール200は、駆動装置(図示せず)により回転可能なローラーからなり、表面にフィルム300を回し掛けて該フィルム300を送り出す。受けロール200の表面は、回転刃100の刃部101が入り込むことができるように構成されている。例えば、受けロール200は、硬質の芯材201(鋼材パイプ等)の周囲に、回転刃100の刃部101が入り込むような軟質素材(例えば、ゴム、熱可塑性エラストマーなどの合成樹脂、布地等)からなる表面層202が被覆された構成からなる。
回転刃100と受けロール200は、図6(b)に示すように、フィルムを送り出す方向に同期して回転するようになっている。また、回転刃100と受けロール200は、回転刃100の刃部101が受けロール200の表面層202に僅かに入り込む程度の位置を以て、平行に配置されている。従って、回転刃100の回転時、各刃部101が順次受けロール200の表面に僅かに入り込むようになっている。
【0032】
尚、回転刃100の各刃部101の間隔が、上下の切込部6の形成間隔(非切込部7の縦長さ7Y)に対応し、刃部101の厚みが、切込部6の縦長さ6Yに対応し、刃部101のフィルム300に対する入込み量が、切込部6の周長さ6Xに対応する。但し、それぞれ対応する寸法は、フィルムの弾性や伸びなどが生じるため、完全に一致するものではない。
【0033】
上記回転刃100及び受けロール200を用いて熱収縮性フィルムに分断補助線3を形成する。
フィルム300は、筒状ラベル1を構成する基材であって、筒状に成形される前の長尺状のものである。
このフィルム300を引き出して受けロール200の表面に回し掛け、受けロール200の回転によって、フィルム300を回転刃100と受けロール200の間に供給する。熱収縮性フィルムは、その主延伸方向が回転刃100の回転軸と略平行にして供給される。供給されたフィルム300には、図8に示すように、フィルム300の主延伸方向と直交する方向に刃部101が順次進入し、回転する回転刃100の刃部101が順次押し込まれていく。この刃部101の押圧により、刃部101の先端がフィルム300を僅かに突き抜ける。三角形状の刃部101が、フィルム300を僅かに突き抜けることにより、フィルム300の一面に於ける開口面積が大きく且つ他面に於ける開口面積の小さい切込部6であって、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さい切込部6が、フィルム300の縦方向(長手方向)に所定間隔を開けて形成される(図6(a)参照)。
加工済みフィルム300を幅方向に切断し、両端部を重ね合わせてセンターシールし、分断起点用の切り目5を形成することにより、上記熱収縮性筒状ラベル1が得られる。
【0034】
上記フィルムの加工方法によれば、進入した刃部101の外形状に合った切込部6を、フィルム300に確実に形成することができる。
すなわち、従来、この種フィルムのミシン目加工は、図9に示すように、針401が周囲に突設された回転刃400を回転させながらフィルム300を送り出し、フィルム300に回転刃400の針401を進入退出させる方法により行われている。そして、フィルム300を送るローラ500には、フィルム300に進入した針401が自由に出入りできる空間部501が形成されている。これにより針401の先端は、フィルム300を大きく突き抜けて空間部501に進入した後、回転刃400の回転に従い退出する。
この針401の先端は、回転刃400の回転により円弧状の軌跡を描くので、針401がフィルム300に大きく突き抜けると、針401が進入退出する際に、フィルム300に接触している時間が長くなる。その結果、本来、フィルム300には、針401の胴部の形状に適合した円状の孔部が形成されるべきところ、同図(c)に示すように、回転しながら進入退出する針401の先端によって、孔部600の上下端に亀裂のような尖状痕601が生じる。
孔部600に尖状痕601が生じると、熱収縮性筒状ラベル1の熱収縮時、その部分に収縮応力が加わって、孔部600が拡がり易く、引いては衝撃による破断の原因ともなる。
【0035】
この点、本発明の加工方法によれば、回転刃100の刃部101が、受けロール200の表面に当接するように構成されているので、刃部101がフィルム300に対して大きく入り込まない。従って、フィルム300に対する刃離れが早くなり、その結果、回転する刃部101の先端に起因する尖状痕の発生を防止できる。
特に、筒状フィルム2の縦方向の長さが刃部101の厚みよって一定となる切込部6を確実に形成できるので、本発明の熱収縮性筒状ラベル1を製造する際の加工方法として好適に利用できる。
【0036】
上記構成からなる熱収縮性筒状ラベル1は、容器8に外嵌され、所定温度(例えば80〜100℃)に加熱することにより、周方向に大きく熱収縮する。これにより、図10(a)に示すようなラベル付き容器が製造される。
熱収縮性筒状ラベル1は、飲料容器、食品容器、化粧品容器などの所望の収納物が収納された各種容器8に熱収縮装着できる。
容器8の材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製容器(例えばPETボトル等)、発泡樹脂製容器、ガラス容器、金属製容器など、様々な材質のものに本発明の熱収縮性筒状ラベル1を熱収縮装着することができる。
また、容器8の形状についても特に限定されず、円筒状、角柱状などの胴部81の上方に次第に縮小する傾斜状の肩部82が形成された容器8(例えば、図示したようなボトル型容器など)、このような肩部を有しない円筒状や角柱状の筒状容器、その他、瓢箪型容器、円錐状などの錐状容器など、各種形状の容器に装着することができる。
【0037】
上記熱収縮性筒状ラベル1は、加熱された際、周方向に大きく熱収縮することにより容器8に装着される。
本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、分断補助線3の切込部6の周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっているので、熱収縮時、周方向に大きな引張り力が加わっても、分断補助線3の切込部6が、楕円形状などに拡がることを防止できる。特に、該切込部6は、筒状フィルム2の内面2b(上記[0023]で述べた変形例では、外面2a)に於ける開口が大きく、且つ外面2a(同変形例では内面2b)に於ける開口が小さい。従って、筒状フィルム2の厚み方向に同じ開口面積を以て形成した場合に比して、熱収縮時、切込部6の拡がりをより確実に防止できる。
よって、該熱収縮性筒状ラベル1が装着されたラベル付き容器に衝撃が加わっても、筒状ラベル1が破断し難くなる。また、装着時、分断補助線3の切込部6が拡がらないことから、美麗な外観を呈するラベル付き容器を提供できる。
【0038】
さらに、上記熱収縮性筒状ラベル1は、筒状フィルム2の一面に周方向に伸びる分断起点用の切り目5が形成されているので、該切り目5に爪などを入れることにより、筒状フィルム2の一面を開口し、この開口縁から筒状フィルム2の一部分を摘むことができる。このように筒状フィルム2の面部を開口できるので、筒状ラベル1の容器に対する装着位置に拘わらず、筒状フィルム2の一部分を容易に摘むことができる。
【0039】
そして、筒状フィルム2の一部分を摘んで引き取れば、切り目5の両端部から切れ始めて切取線9が形成されていく。該切り目5の両端部は分断補助線3の近傍に位置しているので、形成される切取線9は、センターシール21の両側に形成された分断補助線3(第2補助線32及び第3補助線33)に至る。そして、図10(b)に示すように、該分断補助線3に沿って切取線9が形成されていくことで、センターシール21を帯状分断片として切り取ることができる。
ところで、分断補助線3の切込部6は、周方向に伸びる線状に形成されているので、分断途中に於いて、切取線9が、第2補助線32の切込部6又は第3補助線33の切込部6の端部から周方向に向きを変える虞がある。
この点、センターシール21の両側の分断補助線3は、それぞれ少なくとも2本隣接して形成されているので、例えば、切取線9が、第2補助線32の切込部6の端部から周方向に向きを変えても、該切取線9は、隣接して形成された第1補助線31に至り、再び縦方向に向きを戻す。従って、切取線9は、分断補助線3に沿って縦方向に確実に形成されていき、これにより、筒状ラベル1を縦方向に確実に分断することができる。
【0040】
また、分断起点用の切り目5は、基材の両側端部が重ねられて厚肉となっているセンターシール21を横断して形成されているので、該切り目5でセンターシール21を切断し、厚肉状のセンターシール21を帯状分断片として切り取ることができる。従って、分断途中で途切れることなく、筒状ラベル1を縦方向に確実に分断して容器8から取り除くことができる。
【0041】
次に、本発明の変形例を示す。以下、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成及び効果は、その説明を省略し、用語及び図番を援用する場合がある。
上記実施形態に於いて、分断補助線3の切込部6は、筒状フィルム2の内面2bと外面2aに於ける開口面積が異なり且つ筒状フィルム2の厚み方向に貫通する線状開口からなるが、例えば、分断補助線3の切込部6は、筒状フィルム2の外面2aから内面2bにまで貫通しない非貫通態様でもよい。例えば、図11に示すように、切込部6は、筒状フィルムの内面2b側から形成された線状の凹み(所謂ハーフカットなども含まれる)などで構成されていてもよい。
尚、上記とは逆に、非貫通態様の切込部6は、筒状フィルム2の外面2a側から形成された線状の凹み(所謂ハーフカット)で構成されていてもよい。
但し、上記非貫通状の切込部6の周長さは、切込部6の開口の最も長い部分を指す。
図11に例示の切込部6は、筒状フィルムの内面2bに於ける開口は、筒状フィルム2の縦方向に長く形成されているが、筒状フィルム2の周方向に長いものでもよい。
【0042】
分断補助線3の切込部6が非貫通状の場合には、熱収縮時、切込部6が拡がる可能性がないので、耐衝撃性や装着外観の点では、より好ましい態様である。
一方、分断補助線3の切込部6が、非貫通状の場合には、筒状ラベル1の分断性という点では貫通状のものよりも劣ると考えられる。もっとも、非貫通状の切込部6であっても、それが形成された部分は、形成されていない部分に比して切れ易くなっているので、該切込線6を有するみ分断補助線3に沿って筒状ラベル1を分断することはできる。
【0043】
上記非貫通状の切込部6は、例えば、上記加工方法で示した受けロール200を下記のように変更することで形成することができる。
すなわち、軟質の表面層202を有する上記受けロール200に代えて、硬質の表面層202を有する受けロール200を用いる。この硬質の表面層202は、回転刃100の刃部101が当接しても、該刃部101が表面層202に入り込まないものである。このような表面層202を有する受けロール200は、芯材201に鋼材などを被覆したり、或いは、芯材201(鋼材パイプ等)をそのまま用いるなどで構成できる。
かかる受けロール200と回転刃100と受けロール200は、回転刃100の刃部101が受けロール200の表面層202に当接する位置を以て、平行に配置されている。従って、回転刃100の回転時、各刃部101が順次受けロール200の表面に接する。
尚、非貫通状の切込部6を上記回転刃100で形成する場合、フィルム300に対する刃部101の入込み量(つまり、切込部6の深さ)は、フィルムの厚みが0.05mmの場合には、例えば0.05〜0.1mm程度が挙げられ、切込部6の開口の周方向長さは、例えば0.05mm程度、同開口の縦方向長さは例えば0.2mm程度が挙げられる。
【0044】
そして、フィルム300を回転刃100と受けロール200の間に供給することにより、図12に示すように、回転する回転刃100の刃部101が順次フィルム300に押し込まれていく。刃部101の先端が、受けロール200の表面層202に接するように配置されているので、刃部101は、フィルム300を突き抜けない。従って、非貫通状の切込部6であって、フィルム300の縦方向に長い切込部6を、フィルム300に形成することができる。
尚、本変形例の加工方法は、上記構成により、非貫通状の切込部6を形成できるが、回転刃100の刃部101をフィルム300に押圧するので、形成される全ての切込部6が非貫通状に形成されるとは限られない。例えば、形成される複数の切込部6のうち、一部の切込部6が貫通状に形成される場合もあり得る。
【0045】
また、上記貫通状及び非貫通状の切込部6を形成する加工方法に於いて、回転刃100の刃部101は、先端が尖状であって、所定厚みの三角形状であれば、図示したもの以外のものも使用できる。
【0046】
上記実施形態に於いて、分断補助線3は、センターシール21を挟んでその両側にそれぞれ形成されていることが好ましいが、図13(a)に示すように、センターシール21の何れか一方側にのみ形成されていてもよい。
また、厚肉状のセンターシール21を分断片として帯状に切り取ることができるので、分断補助線3は、センターシールの近傍に沿って形成することが好ましいが、例えば、図13(b)に示すように、センターシール21の形成されていない領域に、分断補助線3を形成することもできる。
また、上記実施形態では、分断補助線3は、隣接して2本隣接して形成されているが、例えば、図14(a)に示すように、1本の分断補助線3が形成されているものでもよい。また、3本以上の分断補助線3を隣接して形成することも可能である。
【0047】
さらに、上記実施形態では、切り目5は、切込線51が断続状に形成されたものからなるが、切り目5は、図14(a)に示すように、1本の切込線51によって形成されていてもよい。もっとも、この変形例の場合、切込線51の周長さが相対的に長くなるため、ラベル付き容器の搬送・保管時に、該切り目5から異物が筒状ラベル1の内側に入り込んだり、切り目5から不用意に筒状ラベル1が破断する虞がある。この点考慮すると、切り目5は、上記実施形態のように、切込線51が断続状に形成されたものが好ましい。
また、切り目5は、周方向に平行に形成されている構成に限られず、例えば、図14(b)に示すように、周方向に対して斜め(傾斜状)に形成されていてもよい。また、切り目5は、正面視直線状に限られず、例えば、正面視円弧状や波形状などに形成されていてもよい。また、切り目5が形成されていない熱収縮性筒状ラベル1でもよい。
【0048】
さらに、上記加工方法は、筒状フィルム2の周方向に線状に伸びる切込部6を形成する場合を例示したが、本発明の熱収縮性フィルムの加工方法は、これに限られず、例えば、筒状フィルム2の縦方向に線状に伸びる切込部6を形成する場合にも上記加工方法を適用することもできる。
尚、上記各図では、切込部6や切込線51などを直線的に描いているが、実際には、フィルムの加工歪みなどに起因して、湾曲・変形などが起こるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の熱収縮性筒状ラベルの一実施形態を示す正面図。
【図2】同斜視図。
【図3】(a)は、図1の丸囲いA部分の拡大正面図、(b)は、図3(a)のC−C線断面図。
【図4】(a)は、図1の丸囲いB部分の拡大正面図、(b)は、図4(a)のD−D線断面図。
【図5】第1補助線と第2補助線の形成位置の変形例を示す要部拡大正面図。
【図6】(a)は、分断補助線の本発明の加工装置(主として回転刃及び受けロール)の一部省略正面図、(b)は、同側面図。
【図7】(a)は、回転刃に形成された刃部を示す一部省略斜視図、(b)は、同一部省略側面図、(c)は、同(b)のE−E線断面図。
【図8】(a)は、本発明の加工方法によりフィルムに分断補助線を形成する過程を示す一部省略断面図、(b)は、同(a)のF−F線断面図。
【図9】従来の加工装置によるミシン目の形成方法を示し、(a)は、同加工装置を用いてフィルムにミシン目を形成する過程を示す一部省略断面図、(b)は、同(a)のG−G線断面図、(c)は、形成された孔部を示す拡大正面図。
【図10】(a)は、上記熱収縮性筒状ラベルを装着したラベル付き容器を示す正面図、(b)は、同容器の筒状ラベルを分断する際の状態を示す正面図。
【図11】(a)は、分断補助線の切込部の変形例を示す要部拡大正面図、(b)は、同(a)のH−H線断面図、(c)は、非貫通状の切込部を示す概略斜視図。
【図12】(a)は、本発明の変形例に係る加工方法によりフィルムに分断補助線を形成する過程を示す一部省略断面図、(b)は、同(a)のI−I線断面図。
【図13】(a)、(b)共に、変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを示す正面図。
【図14】(a)、(b)共に、変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを示す正面図。
【符号の説明】
【0050】
1…熱収縮性筒状ラベル、2…筒状フィルム、21…センターシール、3…分断補助線、31〜34…第1〜第4補助線、5…分断起点用の切り目、51…切り目の切込線、6…分断補助線の切込部、7…分断補助線の非切込部、8…容器、100…回転刃、101…回転刃の刃部、200…受けロール、202…受けロールの表面層、300…フィルム
【技術分野】
【0001】
本発明は、分断補助線が形成された熱収縮性筒状ラベル、及び熱収縮性フィルムの加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料容器、食品容器、化粧品容器などの様々な容器に、熱収縮性筒状ラベル(筒状シュリンク、シュリンクフィルムなどとも呼ばれる)が装着されている。
通常、かかる熱収縮性筒状ラベルには、容器から筒状ラベルを除去するため、分断補助線としてミシン目が形成されている。
【0003】
従来、この種のミシン目は、特開2001−290425に記載のように、縦方向に伸びる直線状の貫通孔部と非貫通部が交互に配されたものや、針穴状の貫通孔部と非貫通部が交互に配されたものが用いられている。
かかるミシン目が形成された熱収縮性筒状ラベルは、容器に外嵌された後、加熱することによって周方向に収縮し、容器に装着される。そして、該筒状ラベル付き容器の使用後、筒状ラベルの上縁(又は下縁)に爪などを入れ、筒状ラベルの上端部(又は下縁)を摘んで引き取ることによりミシン目に沿って切取線が形成されていく。従って、筒状ラベルを縦方向に分断し、これを容器から除去できる。
【0004】
しかしながら、上記ミシン目が形成された熱収縮性筒状ラベルは、衝撃によってミシン目から筒状ラベル自体が破断するという問題点を有する。
具体的には、熱収縮性筒状ラベルは、装着時、周方向に大きく熱収縮するため、周方向に引張り力が加わる。このため、熱収縮性筒状ラベルを容器に装着した際、縦方向に伸びる直線状の貫通孔部を有するミシン目は、その貫通孔部が周方向に引張られて拡がることにより、楕円形状に開口する。また、針穴状の貫通孔部を有するミシン目は、その貫通孔部が周方向に引張られて拡がることにより、楕円形状に開口する。このようにミシン目の貫通孔部が拡がると、筒状ラベル付き容器に衝撃が加わった際(例えば容器の落下など)、該拡がった貫通孔部の縁から亀裂が生じ、筒状ラベルが破断する場合がある。特に、飲料容器などとして広く用いられているポリエチレンテレフタレート製容器は、近年薄肉化されているため、衝撃によって変形し易く、この種の容器に装着された上記熱収縮性筒状ラベルは、ミシン目の貫通孔部から破断し易い傾向にある。
また、ミシン目の貫通孔部が拡がることで、ミシン目の貫通孔部が目立ち、筒状ラベルの外観を損ねるという問題もある。
【0005】
【特許文献1】特開2001−290425
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、耐衝撃性に優れ、更に、分断補助線を利用しつつ容易に分断することができる熱収縮性筒状ラベルを提供することを課題とする。さらに、本発明は、分断補助線を熱収縮性フィルムに加工する加工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点に鑑みて、本発明は、少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルムと、この筒状フィルムの縦方向に断続的に形成された切込部を有する分断補助線と、を備え、前記分断補助線の切込部は、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、該切込部が、筒状フィルムの一面から他面に貫通して形成されていると共に、フィルムの一面に於ける開口面積に比して他面に於ける開口面積が小さく形成されている熱収縮性筒状ラベルを提供する。
【0008】
かかる熱収縮性筒状ラベルは、分断補助線の切込部の周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、フィルムの一面に於ける開口面積に比して他面に於ける開口面積が小さく形成されているので、切込部の貫通面積が小さい。このようにフィルムの他面に於ける開口面積が小さいことから、熱収縮性筒状ラベルの熱収縮時、周方向に引張り力が加わっても、このフィルムの他面側に於いて引張り力に抗し、切込部が楕円形状などに拡がることを確実に防止できる。
よって、該熱収縮性筒状ラベルが装着された容器に衝撃が加わっても、筒状ラベルが破断し難い。また、装着時に切込部が拡がらないことから、美麗な装着外観を呈する熱収縮性筒状ラベルを提供できる。
また、切込部は、フィルムの一面に於ける開口面積が大きいので、分断時に筒状ラベルの一部分を摘んで引張ると、切込部に沿って切取線が形成されていく。従って、該切込部を有する分断補助線を利用して、装着された筒状ラベルを容易に分断除去することもできる。
【0009】
また、本発明は、少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルムと、この筒状フィルムの縦方向に断続的に形成された切込部を有する分断補助線と、を備え、前記分断補助線の切込部は、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、該切込部が、筒状フィルムに非貫通な凹状に形成されている熱収縮性筒状ラベルを提供する。
【0010】
かかる熱収縮性筒状ラベルは、分断補助線の切込部の周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、筒状フィルムに非貫通な凹状に形成されているので、フィルムの一面側に開口部分がない。従って、熱収縮性筒状ラベルの熱収縮時、周方向に引張り力が加わっても、切込部が拡がる虞がない。
よって、該熱収縮性筒状ラベルが装着された容器に衝撃が加わっても、筒状ラベルが破断し難く、又、非貫通な切込部であるため、美麗な装着外観を呈する。
また、切込部を有する分断補助線を利用して、装着された筒状ラベルを容易に分断除去することもできる。
【0011】
さらに、本発明の第2の手段は、周囲に複数の刃部が所定間隔をあけて突設された回転刃と、回転刃が回転した際、回転刃の各刃部の先端が順次当接するように設けられた受けロールと、を用い、刃部は、先端が尖状の略三角形状であって回転刃の回転方向に所定厚みを有し、回転刃の刃部と受けロールの間にフィルムを供給すると共に回転刃を回転させ、熱収縮性フィルムの主延伸方向と直交する方向に回転刃の刃部を順次進入させ、フィルムに対して回転刃の各刃部を順次押圧することにより、熱収縮性フィルムに所定間隔をあけて切込部を形成する熱収縮性フィルムの加工方法を提供する。
【0012】
上記熱収縮性フィルムの加工方法は、回転刃の刃部が、受けロールの表面に当接するように構成されているので、刃部がフィルムに対して大きく入り込まない。従って、フィルムに対する刃離れが早くなり、その結果、回転する刃部の先端に起因する尖状痕の発生を防止して、刃部の外形状に合った切込部を確実に形成できる。
また、刃部は、先端が尖状の略三角形状であって回転刃の回転方向に所定厚みを有するので、熱収縮性フィルムの主延伸方向に於ける長さが、フィルムの厚み方向に小さくなった切込部を、熱収縮性フィルムに形成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、これを装着した容器に衝撃が加わっても破断し難いものである。従って、耐衝撃性に優れた熱収縮性筒状ラベルを提供できる。また、本発明の熱収縮性筒状ラベルは、容器への装着外観も良好で、装着後、分断補助線を利用しつつ分断除去することができる。
さらに、本発明の加工方法は、熱収縮性フィルムに進入する刃部の外形状に合った切込部を、熱収縮性フィルムに確実に形成することができる。従って、設計誤差の極めて少ない切込部を熱収縮性フィルムに形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1及び図2に於いて、1は、基材を筒状に成形してなる筒状フィルム2と、該筒状フィルム2の縦方向に形成された分断補助線3と、該筒状フィルム2の一部分を切断することにより形成された分断起点用の切り目5と、を備える熱収縮性筒状ラベルを示す。
【0015】
筒状フィルム2は、所定温度(例えば80〜100℃)で少なくとも周方向に大きく熱収縮する従来公知の筒状体を用いることができる。
具体的には、該筒状フィルム2は、例えば、熱収縮性の基材を筒状にしてその両側端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部分を溶剤又は接着剤などで接着することによってセンターシール21が形成された態様からなる。
上記センターシール21の幅は特に限定されないが、通常、2〜7mm程度が例示される。
【0016】
筒状フィルム2を構成する基材は、少なくとも幅方向(筒状に形成した際に於ける周方向。以下同じ)に熱収縮性を有するものであればその材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種、又は2種以上の混合物などからなる合成樹脂製フィルムなどの公知のフィルムを用いることができる。また、熱収縮性を有する2種以上の樹脂が積層された積層フィルムを用いることもできる。さらに、熱収縮性を有するフィルムに発泡樹脂シート等の断熱層やその他の機能層が積層された公知の積層フィルムを用いることもできる。
【0017】
熱収縮性の基材は、公知の製法で製膜し延伸処理することにより得ることができる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、幅方向に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度で主延伸することにより行われる。さらに、縦方向(筒状に形成した際に於ける縦方向。以下同じ)にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。得られた基材は、一軸延伸フィルム又は主延伸方向と直交する方向に若干延伸された二軸延伸フィルムとなる。基材の厚みは、特に限定されないが、通常、30〜80μm程度のものが用いられる。
【0018】
基材の熱収縮率としては、熱収縮により容器に密着可能な程度であれば特に限定されないが、通常、幅方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は約40%以上、好ましくは約50%以上のものが例示される。また、基材は縦方向に若干熱収縮してもよく、かかる縦方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は、約−3〜15%程度のものが例示される。
但し、熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)−(幅方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
【0019】
尚、基材には、例えば商品名、商標、絵柄デザインなどの公知の意匠印刷がグラビア印刷などによって単色又は多色刷りにて印刷されているが、該意匠印刷は図示しない。
【0020】
次に、筒状フィルム2に形成された分断補助線3は、図1及び図2に示すように、隣接して形成された2本の分断補助線3,3を1組とし、この1組の分断補助線3,3が、センターシール21の両側にそれぞれ形成されている。つまり、センターシール21の一方側には、隣接して2本の分断補助線3,3が形成され、センターシール21の他方側にも同様に、隣接して2本の分断補助線3,3が形成されている。以下、センターシール21の一方側に形成された2本の分断補助線3を、第1補助線31、第2補助線32といい、同他方側に形成された2本の分断補助線3,3を、第3補助線33、第4補助線34という。
【0021】
第1〜第4補助線31〜34は、筒状フィルム2の縦方向に切込部6と非切込部7とが交互に配された構成からなる。換言すると、第1〜第4補助線31〜34は、筒状フィルム2の縦方向に所定間隔をあけて断続的に形成された切込部6を有する。
各切込部6は、筒状フィルム2を厚み方向に切り込んだ線状開口により形成されている。例えば、図3(b)に示すように、分断補助線3の切込部6は、筒状フィルム2の外面2aに開けられた開口の周長さが筒状フィルム2の内面2bに開けられた開口の周長さよりも短く形成されている。かかる分断補助線3によれば、筒状フィルム2の外面2aの開口面積が小さくなるので、外観上も好ましい。
かかる外面2aと内面2bに於ける開口の周長さが異なる切込部6は、図示したような筒状フィルム2の厚み方向に開口面積が次第に拡大するように形成されたものが含まれる。例えば、切込部6は、その周方向両端部が筒状フィルム2の厚み方向に向かって次第に小さくなるテーパ状に形成され、且つ切込部6の縦方向端部(上下端部)が、筒状フィルムの厚み方向に直線状に形成されたものが含まれる。
【0022】
各切込部6は、例えば筒状ラベル1の耐衝撃性の点から、図3にも示すように、筒状フィルム2の内面2bに於ける開口部分が筒状フィルム2の周方向に伸びる線状に形成されている。この場合、筒状フィルム2の内面2bを基準にして、各切込部6は、その周方向の長さ(以下、周長さという)が縦方向の長さ(以下、縦長さという)よりも長く形成されている。特に、各切込部6は、筒状フィルム2を構成する基材の主たる延伸方向(周方向)と平行に伸びる直線状に形成されていることが好ましい。
筒状フィルム2の内面2bに於ける各切込部6の周長さ6X及び縦長さ6Yは、図3(a)に示すように、周長さ6X:縦長さ6Yが、1:5〜5:1程度に形成されていることが好ましく、更に、1:2〜5:1程度に形成されていることがより好ましい。具体的には、同切込部6の周長さ6Xは、例えば0.02〜1.0mm程度が例示され、切込部6の縦長さ6Yは、例えば0.1〜0.5mm程度が例示される。また、上下の切込部6の形成間隔(非切込部7の縦長さ7Y)は、余りに間隔が狭いと耐衝撃性に劣り、余りに広いと筒状ラベル1の分断性が悪くなるので、0.2〜3.0mm程度に形成されていることが好ましい。
【0023】
尚、上記各切込部6は、筒状フィルム2の内面2bに於ける周長さが筒状フィルム2の外面2aに開けられた開口の周長さよりも長く形成されているが、これと逆に、各切込部6が、筒状フィルム2の外面2aに開けられた開口の周長さが筒状フィルム2の内面2bに開けられた開口の周長さよりも長く形成されていてもよい。
もっとも、筒状フィルム2(筒状ラベル1)の外面2aの開口が短く形成されている方が、外観上、切込部6が目立ち難いので好ましい。
【0024】
第1及び第2補助線31,32の切込部6は、縦方向に同じ高さ位置に形成されている。第3及び第4補助線33,34の切込部6についても、同様である。
尚、第1及び第2補助線31,32の切込部6の形成位置は、上記に限られず、例えば、図5に示すように、第1補助線31の切込部6の上下間に、第2補助線32の切込部6が位置するように、第1補助線31の切込部6と第2補助線32の切込部6を互い違いに形成することもできる(第3及び第4補助線33,34についても同様に変更できる)。
【0025】
さらに、第1及び第2補助線31,32は、隣接して形成されているが、余りに両補助線31,32が離れて形成されていると筒状ラベル1を良好に分断できないことから、図3(a)に示すように、第1補助線31と第2補助線32の形成間隔Z(第1補助線31の切込部6の一端部と第2補助線32の切込部6の他端部の距離)は、例えば、0.5〜1.0mm程度が好ましい。尚、第3補助線33と第4補助線34の形成間隔についても同様である。
【0026】
次に、分断起点用の切り目5は、筒状フィルム2の一面の領域に周方向に伸びて形成されており、例えば、図4にも示すように、フィルムが2重となるセンターシール21を横断し且つ筒状フィルム2の周方向に平行に形成されている。
該分断起点用の切り目5は、例えば、周方向に伸びる切込線51と非切込部52が交互に形成された(切込線51が断続的に形成された)態様からなる。該切り目5の一方端は、センターシール21の一方側に形成された分断補助線3(第2補助線32)の切込部6の近傍に位置し、切り目3の他方端は、センターシール21の他方側に形成された分断補助線3(第3補助線33)の切込部6の近傍に位置している。
切り目5の一方端と分断補助線3(第2補助線32)の切込部6の間隔は、例えば、0.5〜3.0mm程度が好ましい。また、切り目5の他方端と分断補助線3(第3補助線33)の切込部6の間隔についても同様である。
尚、筒状ラベル1の分断性が良好になること、及び切り目5の切込線51が長くなり過ぎないことなどから、切り目5の一方端及び/又は他方端は、分断補助線3の切込部6の近傍に位置して形成されていることが好ましい。もっとも、これに代えて、切り目5の一方端及び/又は他方端が、分断補助線3の切込部6に交わって形成されていてもよい。
【0027】
切り目5の切込線51は、筒状フィルム2の外面2aから内面2bにまで貫通する線状の開口によって形成されている。
切り目5を形成する縦方向位置は、特に限定されない。但し、切り目5は、筒状ラベル1の分断起点として利用される点から、切り目5は、筒状フィルム2の上縁寄り又は下縁寄りに形成されていることが好ましい。例えば、切り目5は、筒状フィルム2の上縁又は下縁から縦方向に3〜6mm程度離れた位置に形成される。
特に、切り目5は、装着する容器の凹み部(又はパネル面)に対応する位置に形成することが好ましい。かかる切り目5が形成された熱収縮性筒状ラベル1は、容器に装着した際、容器の凹み部に対応して切り目5が位置する。従って、切り目5の内面側が空間となり、筒状ラベル1の外面から押すことにより断続状の切込線51を容易に開口でき、切り目5を通じて筒状フィルム2の一部分を摘むことができる。
尚、図示した例では、筒状フィルム2の上縁寄りにのみ1本の切り目5を形成したものを例示しているが、これに代えて、筒状フィルム2の下縁寄りにのみ1本の切り目5を形成してもよいし、或いは、筒状フィルム2の上縁寄り及び下縁寄りに、それぞれ切り目5を形成してもよい。
切り目5の切込線51及び非切込部52の周長さは、特に限定されないが、余りに切込線51が短すぎたり、非切込部52が長すぎると、切り目5を通じて筒状フィルム2の一面を開口させることが困難となる。この点を考慮すると、切り目5の切込線51の周長さ51Xは、2〜15mm程度、同非切込部52の周長さ52Xは、2mm以下程度に形成されていることが好ましい。
【0028】
該切り目5(すなわち切込線51)は、トムソン刃などの刃をフィルムに押し付ける、或いはレーザービームなどを用いてフィルムを溶断するなどの手法により、周方向に断続的に形成できる。中でも、レーザービームなどを用いてフィルムの一部を溶断すれば、図4(b)に示すように、切込線51の周縁、特に切込線51の周方向両端部51aに於けるフィルム部分を厚肉状に形成することができる。
このように切り目5を構成する切込線51の両端部51aを厚肉状に形成することにより、切込線51の両端部51aの強度が増し、切込線51の端部から亀裂が生じることを防止できる。特に、レーザービームなどを用いたフィルム溶断により切込線51が形成されている場合、切込線51の両端部51aに於けるフィルム部分が厚肉状になると共に硬化するため、より亀裂が入りにくく好ましい。
【0029】
次に、熱収縮性フィルムに上記切込部6を形成する加工方法について説明する。
筒状フィルム2の外面2aと内面2bに於ける開口の周長さが異なる切込部6を、熱収縮性フィルムに形成するには、例えば、下記機械的加工方法が用いられる。
具体的には、図6に示すように、周囲に複数の刃部101が所定間隔をあけて突設された回転刃100と、回転刃100の回転時、回転刃100の各刃部101の先端が順次当接するように対向配置された受けロール200と、を備える加工装置を用いる。
尚、本例では、センターシール21の両側に、2本の分断補助線3が隣接して形成される筒状ラベル1(即ち図1に示す筒状ラベル1)に用いられる熱収縮性フィルム(基材)を製造する場合を示している。但し、回転刃100の本数や位置は、分断補助線3の形成本数や形成位置に応じて適宜設定変更されるものである。
【0030】
回転刃100は、円盤状の本体部102の周囲に刃部101が突設されており、駆動装置(図示せず)により回転可能である。この回転刃100の刃部101は、図7に示すように、先端が尖状に形成された略三角形状に形成されており、回転刃100の回転方向に所定の厚み(例えば、0.1〜0.5mm)を有する。各刃部101は、その三角面101aを回転刃101の回転軸に平行にして本体部102の外周に放射状に突設されている。刃部101の先端の角度(三角面101aの頂角)は、特に限定されないが、45〜75度程度が好ましい。
【0031】
受けロール200は、駆動装置(図示せず)により回転可能なローラーからなり、表面にフィルム300を回し掛けて該フィルム300を送り出す。受けロール200の表面は、回転刃100の刃部101が入り込むことができるように構成されている。例えば、受けロール200は、硬質の芯材201(鋼材パイプ等)の周囲に、回転刃100の刃部101が入り込むような軟質素材(例えば、ゴム、熱可塑性エラストマーなどの合成樹脂、布地等)からなる表面層202が被覆された構成からなる。
回転刃100と受けロール200は、図6(b)に示すように、フィルムを送り出す方向に同期して回転するようになっている。また、回転刃100と受けロール200は、回転刃100の刃部101が受けロール200の表面層202に僅かに入り込む程度の位置を以て、平行に配置されている。従って、回転刃100の回転時、各刃部101が順次受けロール200の表面に僅かに入り込むようになっている。
【0032】
尚、回転刃100の各刃部101の間隔が、上下の切込部6の形成間隔(非切込部7の縦長さ7Y)に対応し、刃部101の厚みが、切込部6の縦長さ6Yに対応し、刃部101のフィルム300に対する入込み量が、切込部6の周長さ6Xに対応する。但し、それぞれ対応する寸法は、フィルムの弾性や伸びなどが生じるため、完全に一致するものではない。
【0033】
上記回転刃100及び受けロール200を用いて熱収縮性フィルムに分断補助線3を形成する。
フィルム300は、筒状ラベル1を構成する基材であって、筒状に成形される前の長尺状のものである。
このフィルム300を引き出して受けロール200の表面に回し掛け、受けロール200の回転によって、フィルム300を回転刃100と受けロール200の間に供給する。熱収縮性フィルムは、その主延伸方向が回転刃100の回転軸と略平行にして供給される。供給されたフィルム300には、図8に示すように、フィルム300の主延伸方向と直交する方向に刃部101が順次進入し、回転する回転刃100の刃部101が順次押し込まれていく。この刃部101の押圧により、刃部101の先端がフィルム300を僅かに突き抜ける。三角形状の刃部101が、フィルム300を僅かに突き抜けることにより、フィルム300の一面に於ける開口面積が大きく且つ他面に於ける開口面積の小さい切込部6であって、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さい切込部6が、フィルム300の縦方向(長手方向)に所定間隔を開けて形成される(図6(a)参照)。
加工済みフィルム300を幅方向に切断し、両端部を重ね合わせてセンターシールし、分断起点用の切り目5を形成することにより、上記熱収縮性筒状ラベル1が得られる。
【0034】
上記フィルムの加工方法によれば、進入した刃部101の外形状に合った切込部6を、フィルム300に確実に形成することができる。
すなわち、従来、この種フィルムのミシン目加工は、図9に示すように、針401が周囲に突設された回転刃400を回転させながらフィルム300を送り出し、フィルム300に回転刃400の針401を進入退出させる方法により行われている。そして、フィルム300を送るローラ500には、フィルム300に進入した針401が自由に出入りできる空間部501が形成されている。これにより針401の先端は、フィルム300を大きく突き抜けて空間部501に進入した後、回転刃400の回転に従い退出する。
この針401の先端は、回転刃400の回転により円弧状の軌跡を描くので、針401がフィルム300に大きく突き抜けると、針401が進入退出する際に、フィルム300に接触している時間が長くなる。その結果、本来、フィルム300には、針401の胴部の形状に適合した円状の孔部が形成されるべきところ、同図(c)に示すように、回転しながら進入退出する針401の先端によって、孔部600の上下端に亀裂のような尖状痕601が生じる。
孔部600に尖状痕601が生じると、熱収縮性筒状ラベル1の熱収縮時、その部分に収縮応力が加わって、孔部600が拡がり易く、引いては衝撃による破断の原因ともなる。
【0035】
この点、本発明の加工方法によれば、回転刃100の刃部101が、受けロール200の表面に当接するように構成されているので、刃部101がフィルム300に対して大きく入り込まない。従って、フィルム300に対する刃離れが早くなり、その結果、回転する刃部101の先端に起因する尖状痕の発生を防止できる。
特に、筒状フィルム2の縦方向の長さが刃部101の厚みよって一定となる切込部6を確実に形成できるので、本発明の熱収縮性筒状ラベル1を製造する際の加工方法として好適に利用できる。
【0036】
上記構成からなる熱収縮性筒状ラベル1は、容器8に外嵌され、所定温度(例えば80〜100℃)に加熱することにより、周方向に大きく熱収縮する。これにより、図10(a)に示すようなラベル付き容器が製造される。
熱収縮性筒状ラベル1は、飲料容器、食品容器、化粧品容器などの所望の収納物が収納された各種容器8に熱収縮装着できる。
容器8の材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製容器(例えばPETボトル等)、発泡樹脂製容器、ガラス容器、金属製容器など、様々な材質のものに本発明の熱収縮性筒状ラベル1を熱収縮装着することができる。
また、容器8の形状についても特に限定されず、円筒状、角柱状などの胴部81の上方に次第に縮小する傾斜状の肩部82が形成された容器8(例えば、図示したようなボトル型容器など)、このような肩部を有しない円筒状や角柱状の筒状容器、その他、瓢箪型容器、円錐状などの錐状容器など、各種形状の容器に装着することができる。
【0037】
上記熱収縮性筒状ラベル1は、加熱された際、周方向に大きく熱収縮することにより容器8に装着される。
本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、分断補助線3の切込部6の周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっているので、熱収縮時、周方向に大きな引張り力が加わっても、分断補助線3の切込部6が、楕円形状などに拡がることを防止できる。特に、該切込部6は、筒状フィルム2の内面2b(上記[0023]で述べた変形例では、外面2a)に於ける開口が大きく、且つ外面2a(同変形例では内面2b)に於ける開口が小さい。従って、筒状フィルム2の厚み方向に同じ開口面積を以て形成した場合に比して、熱収縮時、切込部6の拡がりをより確実に防止できる。
よって、該熱収縮性筒状ラベル1が装着されたラベル付き容器に衝撃が加わっても、筒状ラベル1が破断し難くなる。また、装着時、分断補助線3の切込部6が拡がらないことから、美麗な外観を呈するラベル付き容器を提供できる。
【0038】
さらに、上記熱収縮性筒状ラベル1は、筒状フィルム2の一面に周方向に伸びる分断起点用の切り目5が形成されているので、該切り目5に爪などを入れることにより、筒状フィルム2の一面を開口し、この開口縁から筒状フィルム2の一部分を摘むことができる。このように筒状フィルム2の面部を開口できるので、筒状ラベル1の容器に対する装着位置に拘わらず、筒状フィルム2の一部分を容易に摘むことができる。
【0039】
そして、筒状フィルム2の一部分を摘んで引き取れば、切り目5の両端部から切れ始めて切取線9が形成されていく。該切り目5の両端部は分断補助線3の近傍に位置しているので、形成される切取線9は、センターシール21の両側に形成された分断補助線3(第2補助線32及び第3補助線33)に至る。そして、図10(b)に示すように、該分断補助線3に沿って切取線9が形成されていくことで、センターシール21を帯状分断片として切り取ることができる。
ところで、分断補助線3の切込部6は、周方向に伸びる線状に形成されているので、分断途中に於いて、切取線9が、第2補助線32の切込部6又は第3補助線33の切込部6の端部から周方向に向きを変える虞がある。
この点、センターシール21の両側の分断補助線3は、それぞれ少なくとも2本隣接して形成されているので、例えば、切取線9が、第2補助線32の切込部6の端部から周方向に向きを変えても、該切取線9は、隣接して形成された第1補助線31に至り、再び縦方向に向きを戻す。従って、切取線9は、分断補助線3に沿って縦方向に確実に形成されていき、これにより、筒状ラベル1を縦方向に確実に分断することができる。
【0040】
また、分断起点用の切り目5は、基材の両側端部が重ねられて厚肉となっているセンターシール21を横断して形成されているので、該切り目5でセンターシール21を切断し、厚肉状のセンターシール21を帯状分断片として切り取ることができる。従って、分断途中で途切れることなく、筒状ラベル1を縦方向に確実に分断して容器8から取り除くことができる。
【0041】
次に、本発明の変形例を示す。以下、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成及び効果は、その説明を省略し、用語及び図番を援用する場合がある。
上記実施形態に於いて、分断補助線3の切込部6は、筒状フィルム2の内面2bと外面2aに於ける開口面積が異なり且つ筒状フィルム2の厚み方向に貫通する線状開口からなるが、例えば、分断補助線3の切込部6は、筒状フィルム2の外面2aから内面2bにまで貫通しない非貫通態様でもよい。例えば、図11に示すように、切込部6は、筒状フィルムの内面2b側から形成された線状の凹み(所謂ハーフカットなども含まれる)などで構成されていてもよい。
尚、上記とは逆に、非貫通態様の切込部6は、筒状フィルム2の外面2a側から形成された線状の凹み(所謂ハーフカット)で構成されていてもよい。
但し、上記非貫通状の切込部6の周長さは、切込部6の開口の最も長い部分を指す。
図11に例示の切込部6は、筒状フィルムの内面2bに於ける開口は、筒状フィルム2の縦方向に長く形成されているが、筒状フィルム2の周方向に長いものでもよい。
【0042】
分断補助線3の切込部6が非貫通状の場合には、熱収縮時、切込部6が拡がる可能性がないので、耐衝撃性や装着外観の点では、より好ましい態様である。
一方、分断補助線3の切込部6が、非貫通状の場合には、筒状ラベル1の分断性という点では貫通状のものよりも劣ると考えられる。もっとも、非貫通状の切込部6であっても、それが形成された部分は、形成されていない部分に比して切れ易くなっているので、該切込線6を有するみ分断補助線3に沿って筒状ラベル1を分断することはできる。
【0043】
上記非貫通状の切込部6は、例えば、上記加工方法で示した受けロール200を下記のように変更することで形成することができる。
すなわち、軟質の表面層202を有する上記受けロール200に代えて、硬質の表面層202を有する受けロール200を用いる。この硬質の表面層202は、回転刃100の刃部101が当接しても、該刃部101が表面層202に入り込まないものである。このような表面層202を有する受けロール200は、芯材201に鋼材などを被覆したり、或いは、芯材201(鋼材パイプ等)をそのまま用いるなどで構成できる。
かかる受けロール200と回転刃100と受けロール200は、回転刃100の刃部101が受けロール200の表面層202に当接する位置を以て、平行に配置されている。従って、回転刃100の回転時、各刃部101が順次受けロール200の表面に接する。
尚、非貫通状の切込部6を上記回転刃100で形成する場合、フィルム300に対する刃部101の入込み量(つまり、切込部6の深さ)は、フィルムの厚みが0.05mmの場合には、例えば0.05〜0.1mm程度が挙げられ、切込部6の開口の周方向長さは、例えば0.05mm程度、同開口の縦方向長さは例えば0.2mm程度が挙げられる。
【0044】
そして、フィルム300を回転刃100と受けロール200の間に供給することにより、図12に示すように、回転する回転刃100の刃部101が順次フィルム300に押し込まれていく。刃部101の先端が、受けロール200の表面層202に接するように配置されているので、刃部101は、フィルム300を突き抜けない。従って、非貫通状の切込部6であって、フィルム300の縦方向に長い切込部6を、フィルム300に形成することができる。
尚、本変形例の加工方法は、上記構成により、非貫通状の切込部6を形成できるが、回転刃100の刃部101をフィルム300に押圧するので、形成される全ての切込部6が非貫通状に形成されるとは限られない。例えば、形成される複数の切込部6のうち、一部の切込部6が貫通状に形成される場合もあり得る。
【0045】
また、上記貫通状及び非貫通状の切込部6を形成する加工方法に於いて、回転刃100の刃部101は、先端が尖状であって、所定厚みの三角形状であれば、図示したもの以外のものも使用できる。
【0046】
上記実施形態に於いて、分断補助線3は、センターシール21を挟んでその両側にそれぞれ形成されていることが好ましいが、図13(a)に示すように、センターシール21の何れか一方側にのみ形成されていてもよい。
また、厚肉状のセンターシール21を分断片として帯状に切り取ることができるので、分断補助線3は、センターシールの近傍に沿って形成することが好ましいが、例えば、図13(b)に示すように、センターシール21の形成されていない領域に、分断補助線3を形成することもできる。
また、上記実施形態では、分断補助線3は、隣接して2本隣接して形成されているが、例えば、図14(a)に示すように、1本の分断補助線3が形成されているものでもよい。また、3本以上の分断補助線3を隣接して形成することも可能である。
【0047】
さらに、上記実施形態では、切り目5は、切込線51が断続状に形成されたものからなるが、切り目5は、図14(a)に示すように、1本の切込線51によって形成されていてもよい。もっとも、この変形例の場合、切込線51の周長さが相対的に長くなるため、ラベル付き容器の搬送・保管時に、該切り目5から異物が筒状ラベル1の内側に入り込んだり、切り目5から不用意に筒状ラベル1が破断する虞がある。この点考慮すると、切り目5は、上記実施形態のように、切込線51が断続状に形成されたものが好ましい。
また、切り目5は、周方向に平行に形成されている構成に限られず、例えば、図14(b)に示すように、周方向に対して斜め(傾斜状)に形成されていてもよい。また、切り目5は、正面視直線状に限られず、例えば、正面視円弧状や波形状などに形成されていてもよい。また、切り目5が形成されていない熱収縮性筒状ラベル1でもよい。
【0048】
さらに、上記加工方法は、筒状フィルム2の周方向に線状に伸びる切込部6を形成する場合を例示したが、本発明の熱収縮性フィルムの加工方法は、これに限られず、例えば、筒状フィルム2の縦方向に線状に伸びる切込部6を形成する場合にも上記加工方法を適用することもできる。
尚、上記各図では、切込部6や切込線51などを直線的に描いているが、実際には、フィルムの加工歪みなどに起因して、湾曲・変形などが起こるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の熱収縮性筒状ラベルの一実施形態を示す正面図。
【図2】同斜視図。
【図3】(a)は、図1の丸囲いA部分の拡大正面図、(b)は、図3(a)のC−C線断面図。
【図4】(a)は、図1の丸囲いB部分の拡大正面図、(b)は、図4(a)のD−D線断面図。
【図5】第1補助線と第2補助線の形成位置の変形例を示す要部拡大正面図。
【図6】(a)は、分断補助線の本発明の加工装置(主として回転刃及び受けロール)の一部省略正面図、(b)は、同側面図。
【図7】(a)は、回転刃に形成された刃部を示す一部省略斜視図、(b)は、同一部省略側面図、(c)は、同(b)のE−E線断面図。
【図8】(a)は、本発明の加工方法によりフィルムに分断補助線を形成する過程を示す一部省略断面図、(b)は、同(a)のF−F線断面図。
【図9】従来の加工装置によるミシン目の形成方法を示し、(a)は、同加工装置を用いてフィルムにミシン目を形成する過程を示す一部省略断面図、(b)は、同(a)のG−G線断面図、(c)は、形成された孔部を示す拡大正面図。
【図10】(a)は、上記熱収縮性筒状ラベルを装着したラベル付き容器を示す正面図、(b)は、同容器の筒状ラベルを分断する際の状態を示す正面図。
【図11】(a)は、分断補助線の切込部の変形例を示す要部拡大正面図、(b)は、同(a)のH−H線断面図、(c)は、非貫通状の切込部を示す概略斜視図。
【図12】(a)は、本発明の変形例に係る加工方法によりフィルムに分断補助線を形成する過程を示す一部省略断面図、(b)は、同(a)のI−I線断面図。
【図13】(a)、(b)共に、変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを示す正面図。
【図14】(a)、(b)共に、変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを示す正面図。
【符号の説明】
【0050】
1…熱収縮性筒状ラベル、2…筒状フィルム、21…センターシール、3…分断補助線、31〜34…第1〜第4補助線、5…分断起点用の切り目、51…切り目の切込線、6…分断補助線の切込部、7…分断補助線の非切込部、8…容器、100…回転刃、101…回転刃の刃部、200…受けロール、202…受けロールの表面層、300…フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルムと、この筒状フィルムの縦方向に断続的に形成された切込部を有する分断補助線と、を備え、
前記分断補助線の切込部は、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、該切込部が、筒状フィルムの一面から他面に貫通して形成されていると共に、フィルムの一面に於ける開口面積に比して他面に於ける開口面積が小さく形成されていることを特徴とする熱収縮性筒状ラベル。
【請求項2】
少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルムと、この筒状フィルムの縦方向に断続的に形成された切込部を有する分断補助線と、を備え、
前記分断補助線の切込部は、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、該切込部が、筒状フィルムに非貫通な凹状に形成されていることを特徴とする熱収縮性筒状ラベル。
【請求項3】
周囲に複数の刃部が所定間隔をあけて突設された回転刃と、回転刃が回転した際、回転刃の各刃部の先端が順次当接するように設けられた受けロールと、を用い、前記刃部は、先端が尖状の略三角形状であって回転刃の回転方向に所定厚みを有し、
前記回転刃の刃部と受けロールの間に熱収縮性フィルムを供給すると共に回転刃を回転させ、熱収縮性フィルムの主延伸方向と直交する方向に回転刃の刃部を順次進入させ、フィルムに対して各刃部を押圧することにより、熱収縮性フィルムに所定間隔をあけて切込部を形成することを特徴とする熱収縮性フィルムの加工方法。
【請求項1】
少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルムと、この筒状フィルムの縦方向に断続的に形成された切込部を有する分断補助線と、を備え、
前記分断補助線の切込部は、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、該切込部が、筒状フィルムの一面から他面に貫通して形成されていると共に、フィルムの一面に於ける開口面積に比して他面に於ける開口面積が小さく形成されていることを特徴とする熱収縮性筒状ラベル。
【請求項2】
少なくとも周方向に熱収縮性を有する筒状フィルムと、この筒状フィルムの縦方向に断続的に形成された切込部を有する分断補助線と、を備え、
前記分断補助線の切込部は、その周方向長さが筒状フィルムの厚み方向に小さくなっており、該切込部が、筒状フィルムに非貫通な凹状に形成されていることを特徴とする熱収縮性筒状ラベル。
【請求項3】
周囲に複数の刃部が所定間隔をあけて突設された回転刃と、回転刃が回転した際、回転刃の各刃部の先端が順次当接するように設けられた受けロールと、を用い、前記刃部は、先端が尖状の略三角形状であって回転刃の回転方向に所定厚みを有し、
前記回転刃の刃部と受けロールの間に熱収縮性フィルムを供給すると共に回転刃を回転させ、熱収縮性フィルムの主延伸方向と直交する方向に回転刃の刃部を順次進入させ、フィルムに対して各刃部を押圧することにより、熱収縮性フィルムに所定間隔をあけて切込部を形成することを特徴とする熱収縮性フィルムの加工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−204113(P2007−204113A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25153(P2006−25153)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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