説明

熱可塑性ポリマーブレンドの生成方法

(a)結晶質プロピレンポリマーを含む第1のポリマー成分、および(b)プロピレンと少なくとも1つのコモノマーのコポリマーを含む第2のポリマー成分を含むポリマーブレンドの生成方法であって、コポリマーは約7重量%〜約28重量%のコモノマーを含み、コポリマーは、0.5〜70J/gの融解熱および75%以上の3連子立体規則性(mm)を有する方法が記載されている。前記方法は、プロピレンを第1の重合条件下に重合反応域で重合して、他のモノマーを10重量%以下しか含有しない結晶質プロピレンポリマーを含む第1の流出液を生成するステップ、ただし第1の重合条件は約50℃〜約100℃の第1の反応温度を含むステップを含む。次いで、プロピレンを、第2の重合条件下にメタロセン触媒の存在下で少なくとも1つのコモノマーと、さらにスラリー重合反応域で前記第1の流出液の少なくとも一部分と共重合して、第2のポリマー成分を第1のポリマー成分とのブレンドとして生成する。ただし、第2の重合条件は第1の反応温度より少なくとも7℃低い第2の反応温度を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年7月15日出願の米国特許仮出願第60/699,663号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、熱可塑性ポリマーブレンド、具体的にはアイソタクチックプロピレンホモポリマー成分とプロピレンコポリマー成分のブレンドの生成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アイソタクチックポリプロピレン、および弾性エチレンプロピレンコポリマーを含むブレンドは、周知であり、例えば成形部品、フィルム、繊維、および布地の生産におけるその有用な特性を考えると、商業的に重要である。メタロセン触媒を使用してエチレンプロピレンコポリマーが生成されるポリマーブレンドが特に重要である。というのは、これらのコポリマーは、弾性、曲げ弾性率、および引張強さなどの特性の改善を示すことができるからである。例えば、米国特許第6,642,316号は、イソタクチックポリプロピレン約35%〜約85%、およびキラルメタロセン触媒を使用して生成される、プロピレンと約5%〜約35重量%のα−オレフィン、特にエチレンとのコポリマー30%〜約70%を含むポリマーブレンドを開示する。ブレンドの個々の成分は、個別に生成され、次いで成分の密接混合を保証する任意の手順、例えば溶融加圧、溶融混合、および押出配合によって配合される。
【0004】
同じまたは異なる反応器中、逐次重合段階でブレンドの個々の成分が生成される多段階重合によってポリマーブレンドを生成するための方法が、様々に提案されている。このようにして、個別の押出配合段階の必要性を回避し、または最小限に抑えることができる。しかし、既存の提案はいずれも、完全に満足できるものではなく、したがってポリマーブレンドを生成する多段階重合方法の改善をなす必要がある。
【0005】
現在、アイソタクチックポリプロピレンはスラリー重合方法で広く商業生産される一方、エチレンプロピレンコポリマーエラストマーは溶液重合により生成される。しかし、一部の溶液重合方法は、モノマー変換が限定され、溶媒をリサイクルし精製しなければならないという点で、不利である。さらに、得られる溶液粘度の上昇のため、生成することができるコポリマーの分子量には限りがある。エチレンプロピレンコポリマーエラストマーは、スラリー系重合系を使用して生成することは困難である。というのは、低い反応器温度でさえ、これらは、反応器ファウリング、および反応器の攪拌装置にこれら自体を付着させるゴム様塊の形成を生じる傾向があり、それによって反応器を余儀なく停止させるからである。したがって、プロピレンとエチレンプロピレンコポリマーエラストマーのリアクターブレンドを生成するために広範に使用される重合スキームは、ポリプロピレンをスラリー重合反応器で、コポリマーエラストマーを気相反応器で作製することである。この手法は、相当量の商業的ポリプロピレンインパクトコポリマーを生産するための現在の基本である。
【0006】
米国特許第6,472,474号は、インパクトコポリマーの全重量に対して、40重量%〜95重量%の成分Aおよび5重量%〜60重量%の成分Bを含むプロピレンインパクトコポリマー組成物を開示する。成分Aは、プロピレンホモポリマーまたはコポリマーを含み、ここでコポリマーは、10重量%以下のエチレン、ブテン、ヘキセン、またはオクテンコモノマーを含み、成分A中のアモルファスのポリプロピレンの量は2重量%未満であり;成分Bは、プロピレンコポリマーを含み、ここでコポリマーは、20重量%〜70重量%のエチレン、ブテン、ヘキセン、および/またはオクテンコモノマーを含む。ただし成分Bは、多段階重合方法で成分Aの存在下に生成される。この米国特許第6,472,474号の第5欄第59行から第6欄第4行に従って、重合方法は各段階を独立に、気体または液体スラリー相で実施することができるものの、成分Aを第1の液体スラリーまたは溶液重合反応器中で重合し、成分Bを第2の気相反応器中で重合することが好ましい。
【0007】
2001年11月8日に公開された米国特許出願公開第2001/0039314号は、a)10重量〜90重量%の結晶質プロピレンホモポリマー、およびb)90重量〜10重量%の結晶質プロピレンコポリマーを含む結晶質アイソタクチックプロピレンポリマーを含むフィルムを開示する。ただし、コポリマーは、プロピレンに由来する単位、および少なくとも1つの他のコモノマー、好ましくはエチレンに由来する単位を含み、ここでポリマーの全重量に対してコモノマーの重量%は、0.05〜15の範囲である。ポリマーは、プロピレンホモポリマーおよびコポリマーの逐次または並列重合を必要とする重合方法で少なくとも2つのメタロセンを含むメタロセン触媒系を使用して調製される。一実施形態では、重合は、第1の反応器中で生成されるプロピレンホモポリマー、および最初に生成されたホモポリマーの存在下で生成されるプロピレンコポリマーと連続して連結されているスラリー反応器で行われる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、(a)結晶質プロピレンポリマーを含む第1のポリマー成分、および(b)プロピレンと少なくとも1つのコモノマーのコポリマーを含む第2のポリマー成分を含むポリマーブレンドの生成方法であって、コポリマーは約7重量%〜約28重量%の前記少なくとも1つのコモノマーを含み、コポリマーは75%以上の3連子立体規則性(mm)および0.5J/g〜70J/gの融解熱を有し(好ましくは、85℃未満、好ましくは78℃未満の融点を有する)、前記方法は、
(i)プロピレンを第1の重合条件下に重合反応域で重合して、他のモノマーを10重量%以下しか含有しない結晶質プロピレンポリマーを含む第1の流出液を生成するステップ、ただし第1の重合条件は約50℃〜約100℃の第1の反応温度を含むステップと、
(ii)続いてプロピレンを、第2の重合条件下にメタロセン触媒の存在下で前記少なくとも1つのコモノマーと、さらにスラリー重合反応域で前記第1の流出液の少なくとも一部分と共重合して、前記第2のポリマー成分を生成するステップ、ただし第2の重合条件は前記第1の反応温度より少なくとも7℃低い第2の反応温度を含むステップと
を含む方法に関する。
【0009】
好都合なことには、重合(i)はメタロセン触媒の存在下で行われる。
【0010】
好都合なことには、重合(i)はスラリー方法で行われる。
【0011】
好都合なことには、前記第1の流出液は、他のモノマーを5重量%以下、好ましくは3重量%以下しか含有しない結晶質プロピレンポリマーを含む。
【0012】
好都合なことには、重合(i)は、プロピレン以外のモノマーを実質的に存在させることなく、好ましくはモノマーが存在するモノマーの重量に対して0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満で行われる。
【0013】
好都合なことには、(ii)中の前記少なくとも1つのコモノマーは、エチレン、またはC4〜C12α−オレフィンである。より好ましくは、前記少なくとも1つのコモノマーは、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンから選択され、最も好ましくはエチレンである。
【0014】
好都合なことには、前記第2の重合条件は、約10℃〜約40℃など、前記第1の温度より約7℃〜約50℃低い第2の温度を含む。
【0015】
好都合なことには、共重合(ii)は、重合(i)と同じ重合反応域で行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、結晶質プロピレンポリマーを含む第1のポリマー成分(FPC)、およびプロピレンと少なくとも1つのコモノマーのコポリマーを含む第2のポリマー成分(SPC)を含む熱可塑性ポリマーブレンドの生成方法であって、コポリマーは約7重量%〜約28重量%の前記コモノマーを含み、プロピレン結晶化度を含む方法を提供する。本発明によれば、このようなブレンドは、SPCをスラリー重合によって生成する場合でさえ、実質的に反応器ファウリングなしに連続重合方法で直接生成できることが今回判明した。
【0017】
具体的には、本発明の方法は、他のモノマーが10重量%以下しか、FPCに組み込まれないように、最初にプロピレンを単独でまたは他のモノマーの存在下に約50℃〜約100℃の温度で重合するものである。FPCの重合は、メタロセン触媒の存在下で行うことが好ましいが、その限りではなく、スラリー方法で行うことが好ましいが、その限りではない。FPCの重合が終了した後、プロピレンと、SPCの少なくとも1つのコモノマーを、メタロセン触媒、および第1の重合段階による流出液の少なくとも一部分の存在下に、前記第1の温度より少なくとも7℃低い温度で共重合する。共重合段階をスラリー方法を行う。共重合段階の生成物は、易流動性の顆粒状組成物であるFPCとSPCのリアクターブレンドである。
【0018】
第1のポリマー成分(FPC)
本発明によれば、第1のポリマー成分(FPC)は、プロピレンホモポリマー、またはプロピレンのコポリマー、またはプロピレンホモポリマーおよびコポリマーの混合物とすることができる結晶質プロピレンポリマーを含む。
【0019】
FPCは主に結晶質である。すなわち、少なくとも100℃、一般に少なくとも130℃など、少なくとも110℃、例えば少なくとも140℃、好ましくは170℃以下の融点(Tm;示差走査熱分析で測定した第2の融点)を有する。本明細書では、用語「結晶質」は、高度の分子間および分子内秩序をもつポリマーを特徴付ける。一般に、FPCは、DSC分析で決定して、少なくとも75J/g、あるいは少なくとも80J/gの融解熱を有する。融解熱は、ポリプロピレンの組成物の影響を受ける結晶化度に依存する。一般に、ポリプロピレンホモポリマーは、コポリマー、またはホモポリマーとコポリマーのブレンドより高い融解熱を有する。
【0020】
FPCは、組成物において広く異なる可能性がある。例えば、他のモノマーを5重量%以下、好ましくは3重量%以下しか含まないなど、他のモノマーを10重量%以下しか含有しない、すなわち少なくとも90重量%のプロピレンを有する実質的にアイソタクチックなポリプロピレンホモポリマーまたはプロピレンコポリマーを使用することができる。さらに、ポリプロピレンは、グラフトまたはブロックコポリマーが110℃超、あるいは130℃超、好ましくは140℃超の、立体規則性プロピレン配列にとって特徴的なシャープな融点を有する限り、グラフトまたはブロックコポリマーの形で存在することができ、ここでポリプロピレンのブロックは、プロピレン−α−オレフィンコポリマーと実質的に同じ立体規則性を有する。好ましくは、FPCは、アイソタクチックプロピレン結晶化度を含有する。FPCは、本明細書に記載するホモポリプロピレン、および/またはランダム、および/またはブロックコポリマーの組合せとすることができる。上記のFPCがランダムコポリマーである場合、コポリマー中の共重合されたα−オレフィンの量は、一般に10重量%以下、あるいは0.5%〜8重量%、あるいは2%〜6重量%である。好ましいα−オレフィンは、2個、または4個〜12個の炭素原子を含む。
【0021】
1つ、または2つ以上のα−オレフィンをプロピレンと共重合することができる。
【0022】
例示的α−オレフィンは、エチレン;ブテン−1;ペンテン−l,2−メチルペンテン−l,3−メチルブテン−l;ヘキセン−1,3−メチルペンテン−1,4−メチルペンテン−1,3,3−ジメチルブテン−1;ヘプテン−1;ヘキセン−1;メチルヘキセン−1;ジメチルペンテン−1;トリメチルブテン−1;エチルペンテン−1;オクテン−1;メチルペンテン−1;ジメチルヘキセン−1;トリメチルペンテン−1;エチルヘキセン−1;メチルエチルペンテン−l;ジエチルブテン−1;プロピルペンタン−1;デセン−1;メチルノネン−1;ノネン−1;ジメチルオクテン−1;トリメチルヘプテン−1;エチルオクテン−1;メチルエチルブテン−1;ジエチルヘキセン−1;ドデセン−1、およびヘキサドデセン−1からなる群から選択することができる。
【0023】
FPCの重量平均分子量(Mw)は、10,000〜5,000,000、あるいは50,000〜500,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.5〜10.0とすることができる。本明細書では、分子量(Mw)および分子量分布(MWDまたはMw/Mn)は、ポリスチレン標準物質を使用してゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定する。GPCデータは、3本のShodex AT−80M/S混合式カラムを使用して、Waters 150 GPCで取り込む。使用する溶媒は、300ppmの酸化防止剤Santonox Rを含有する1,2,4 トリクロロベンゼンである。試験条件は、操作温度145℃、公称流量1.0ml/分、および注入量300μLである。注入溶液は1.0〜1.5mg/mlである。一連の分子量の狭いポリスチレン(PS)標準物質を試験し、その保持容量を記録することによって、カラムを較正する。ポリプロピレン(PP)分子量値は、「ユニバーサルキャリブレーション」法、および下記のマーク‐ホーウインク(Mark−Houwink)係数を使用して算出する。
【0024】
K(dL/g) a
PS 1.75×10−4 0.67
PP 8.33×10−5 0.80
3次当てはめ法を用いて、Log(Mw)対保持容量点を当てはめる。データを取り込み、Waters Milleniumソフトウェアで解析する。
【0025】
第2のポリマー成分(SPC)
第2のポリマー成分(「SPC」)は、立体規則性プロピレン配列による低〜中レベルの結晶化度を有する弾性コポリマーである。SPCは、プロピレンコポリマー、具体的にはランダムプロピレンコポリマーを含み、ここでプロピレン立体規則性は少なくとも一部にはコモノマーによって乱れるが、コポリマーの融解熱で測定されるプロピレン結晶化度のレベルは維持される。好都合なことには、SPCは、約5%〜約28重量%、あるいは、約7%〜約25重量%、あるいは、約10%〜約20重量%の1つまたは複数のコモノマーを含み、残部をプロピレンが占める。あるいは、SPCは、約5%〜約16重量%、あるいは、約6%〜約16重量%、あるいは、約7%〜約15重量%の1つまたは複数のコモノマー(好ましくは、エチレン)を含み、残部をプロピレンが占める。
【0026】
一実施形態では、SPCは、ブレンド組成物の加硫および他の化学修飾を助けるような非共役ジエンモノマーをさらに含む。ポリマー中に存在するジエンの量は、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、好ましくは0.1〜2.5重量%のジエンである。エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、およびジシクロペンタジエン、メチルオクタジエン、およびC4〜C20α−ωジエンが挙げられるがこれらに限定されないジエンは、エチレンプロピレンゴムの加硫のために一般的に使用される任意の非共役ジエンとすることができる。
【0027】
一実施形態では、SPCは、プロピレンと、エチレン、C4〜C12α−オレフィン、およびその組合せから選択された少なくとも1つのコモノマーのコポリマーである。通常、少なくとも1つのコモノマーは、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンから選択され、エチレンが好ましい。この実施形態の一態様では、コポリマーには、コモノマー(好ましくは、エチレン由来)単位が下限の7%、8%、または10重量%から上限の20%、25%、または28重量%までの量で含まれる。この実施形態は、コポリマー中に下限の72%、75%、または80重量%から上限の93%、92%、または90重量%までの量で存在するプロピレン由来単位も含む。好ましくは、コポリマーは、約8%〜約20重量%のエチレン由来単位を含み、残部はプロピレン由来単位である。これらの重量百分率は、プロピレンとコモノマー(エチレン由来単位など)の全重量、すなわちプロピレン由来単位(重量パーセント)とエチレン由来単位(重量パーセント)の合計100%に対するものである。
【0028】
ポリマーのエチレン組成物を以下の通り測定することができる。薄い均質フィルムを約150℃以上の温度で圧縮し、次いでパーキン・エルマー(Perkin Elmer) PE 1760赤外分光光度計に載せる。試料の600cm−1〜4000cm−1の全スペクトルを記録し、エチレンのモノマー重量パーセントは、次式:エチレン重量%=82.585−111.987X+30.045X2(式中、Xは、1155cm−1におけるピーク高さと、722cm−1または732cm−1におけるどちらか高い方のピーク高さとの比である)に従って算出することができる。ポリマー中の他のモノマーの濃度も、赤外方法を使用して測定することができる。
【0029】
別々の分子量範囲のコモノマー含有量は、GPCによって回収された試料に関連して、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)により測定することができる。このような一方法は、Wheeler(ウィーラー)およびWillis(ウィリス),「応用分光学(Applied Spectroscopy)」,1993年,47巻,p.1128−1130に記載されている。異なるものの同様の方法は、この目的では等しく機能し、当業者に周知である。
【0030】
ポリマーのコモノマー含有量およびシーケンス分布は、13C核磁気共鳴(13C NMR)により測定することができ、このような方法は当業者に周知である。例えば、アイソタクチックとシンジオタクチックのダイアッド([m]および[r])、3連子立体規則性[mm]および[rr])、ならびにペンタッド([mmmm]および[rrrr])の濃度を含めて、ポリマーミクロ構造を13C−NMR分光法で決定する。試料をd2−1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解する。75または100MHzのNMR分光計を使用して、スペクトルを125℃で記録する。ポリマー共鳴ピークをmmmm=21.8ppmとする。NMRによるポリマーのキャラクタリゼーションに関与する計算は、ボベイ(F.A.Bovey)の「ポリマー・コンフォメーションおよびコンフィギュレーション(Polymer Conformation and Configuration)」,アカデミック・プレス(Academic Press),ニューヨーク(New York),1969年、およびランダル(J.Randall)の「ポリマー・シーケンス決定・13C−NMR法(Polymer Sequence Determination,13C−NMR Method)」、アカデミック・プレス(Academic Press),ニューヨーク(New York),1977年の研究に従う。長さが2のメチレンシーケンスのパーセント(CH2)2%は、以下の通り算出されている。メチル炭素の積分14〜18ppm(濃度が、長さが2のシーケンス中のメチレンの数と等価である)を、長さが1のメチレンシーケンスの積分値45〜49ppmとメチル炭素の積分値14〜18ppmの合計で割り、100倍する。これは、2つより多い場合のメチレンシーケンスを除外するので、シーケンス中のメチレン基の量が2つ以上である場合の最小計算である。帰属は、チェン(H.N.Cheng)およびユーエン(J.A.Ewen),「Makromolecular Chemie」,1989年,190巻,p.1931に基づく。
【0031】
一実施形態では、SPCは、狭い成分分布を有するランダムプロピレンコポリマーを含む。別の実施形態では、ポリマーは、狭い成分分布および25℃〜110℃の融点(DSCで決定)を有するランダムプロピレンコポリマーである。コポリマーはランダムとされている。というのは、プロピレン、コモノマー、および場合によってはジエンを含むポリマーの場合、コモノマー残基の数および分布は、モノマーの統計的ランダム重合に一致する。ステレオブロック構造では、互いに隣接するいずれか1種類のブロックモノマー残基の数は、同様の組成物を有するランダムコポリマー中の統計的分布から予測される数より大きい。ステレオブロック構造を有する従来のエチレンプロピレンコポリマーは、ポリマー中のモノマー残基の統計的ランダム分布ではなく、これらのブロック構造に一致するエチレン残基の分布を有する。コポリマーの分子内組成物分布(すなわち、ブロック性)は、13C NMRにより決定することができ、隣接するプロピレン残基に対してコモノマー残基の位置を示す。コポリマーの分子間組成物分布を、溶媒中での熱分留で決定する。典型的な溶媒は、ヘキサンやヘプタンなどの飽和炭化水素である。熱分留手順を下記に説明する。通常は、約75重量%、好ましくは85重量%のコポリマーを、1つまたは2つの隣接する可溶性画分として単離し、コポリマーの残部を直前または直後の画分とする。これらの画分はそれぞれ、コポリマーの平均コモノマー重量%の20%以下(相対的)、好ましくは10%以下(相対的)の差がある組成物(エチレンや他のα−オレフィンなどのコモノマー重量%)を有する。コポリマーは、上記に記載する分別試験を適う場合に狭い成分分布を有する。所望のランダム性および狭い組成分布を有するコポリマーを生成するためには、(1)第1および第2のモノマーシーケンスの添加について統計的に単一の様式のみ可能にするシングルサイトメタロセン触媒を使用し、(2)コポリマーのポリマー鎖の実質的に全部に対して単一の重合環境のみ可能とする連続フロー型撹拌槽重合反応器中で、コポリマーを十分混合することが有益である。
【0032】
ポリマーの結晶化度は、融解熱で表すことができる。ピーク融点または融点(Tm)、ピーク結晶化温度(Tc)、融解熱(HfまたはΔHf)、および結晶化度パーセントは、下記に説明するDSC測定(ASTM E 794−85)により決定する。データは、ティーエー・インスツルメンツ(TA Instruments)モデル2910機器またはパーキン・エルマー(Perkin−Elmer)DSC 7機器を使用して得る。ティーエー・インスツルメンツ(TA Instruments)2910機器とパーキン・エルマー(Perkin−Elmer)DSC 7機器が異なるDSCデータを生成する場合は、ティーエー・インスツルメンツ(TA Instruments)モデル2910のデータを使用する。計量した約5〜10mgの試料を、アルミニウム製試料皿中に封止する。DSCデータは、最初に試料を約−50℃に冷却し、次いでそれを10℃/分の速度で200℃に徐々に加熱することによって記録する。第2の冷却/加熱サイクルを加える前に、試料を200℃に5分間維持する。第1と第2のサイクル熱イベントを記録する。融点曲線下面積を測定し、それを使用して、融解熱および結晶化度を決定する。結晶化度パーセント(X%)は、式X%=[曲線下面積(J/g)/B(J/g)]*100(式中、Bは、モノマー主成分の100%結晶質ホモポリマーの融解熱である)を使用して算出する。Bの値は、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」,第4版,ジョンウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)出版,ニューヨーク(New York),1999年から得られる。189J/gという値を、100%結晶質ポリプロピレンの融解熱として使用する。相当な結晶化度(第1のポリマー成分)を有する半結晶質ポリマーの場合、第2の加熱サイクル(または第2の溶融)中に融点を測定し、報告する。比較的低い結晶化度(第2のポリマー成分)を有するセミアモルファスまたは弾性コポリマーの場合、融点を第1の加熱サイクル中に測定し、報告する。DSC測定の前に、試料を(通常は、周囲温度で少なくとも48時間、望ましくは最長約5日間保持することによって)熟成させ、またはアニールして、結晶化度のレベルを最大限にする。
【0033】
本発明の実施形態は、下限の約3J/gから上限の約75J/gまでの融解熱(DSCで決定)を有するSPCポリマーを含む。あるいは、SPCポリマーは、約0.5ジュール/グラム(J/g)以上、約70J/g以下、好ましくは約50J/g以下、好ましくは約35J/g以下、好ましくは約25J/g以下のHfを有することができる。好ましくは、SPCポリマーは、約1J/g以上、好ましくは約2.5J/g以上、好ましくは約5J/g以上の融解熱も有する。
【0034】
ポリマーの結晶化度も、結晶化度パーセントで表すことができる。最高次のポリプロピレンの熱エネルギーまたは融解熱は189J/gと推定する。すなわち、100%結晶化度は、189J/gである。したがって、上記の融解熱によれば、SPCポリマーは、上限が40%、30%、25%、または20%、かつ下限が1%、3%、5%、7%、または8%である範囲内の結晶化度パーセントを有する。
【0035】
結晶化度のレベルは、融点にも反映される。本明細書では、第2のポリマー成分に関して用語「融点」は、上記に述べたDSCで決定する主副の融点ピークのうち最高温度ピークである。本発明の一実施形態では、ポリマーは単一の融点を有する。通常は、プロピレンコポリマーの試料は、融点の主ピークに隣接する副ピークを示し、共に単一の融点と見なされる。これらのピークのうち最高のピークが融点と見なされる。SPCは、DSCによる融点が上限の110℃、105℃、90℃、80℃、または70℃から、下限の0℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、または45℃までであることが好ましい。
【0036】
好ましい一実施形態では、SPCは、78℃以下、好ましくは75℃以下の融点を有する。あるいは、SPCは、78℃以下、好ましくは75℃以下の融点を有し、コモノマー含有量(好ましくはエチレン)が15モル%以下である。あるいは、SPCは、85℃以下、好ましくは80℃以下の融点、15モル%超のコモノマー含有量(好ましくは、エチレン)を有する。
【0037】
好ましい一実施形態では、SPCは、アイソタクチックポリプロピレンの固有粘度をベースラインとして使用して、ポリマーのMwで測定されるとき、0.99以上のg’指数値を有することができる。本明細書では、g’指数は:
g’=ηb/ηl
(式中、ηbは、ランダムプロピレンポリマーの固有粘度であり、ηlは、ランダムプロピレンポリマーと同じ粘度−平均分子量(Mv)の線状ポリマーの固有粘度である)と定義される。ηl=KMvα、Kおよびαは、線状ポリマーの測定値であり、g’指数の測定で使用されるものと同じ装置で得られるべきであり、好ましくはプロピレンポリマーの場合、k=0.0002288であり、α=0.705である。
【0038】
好ましい一実施形態では、SPCは、示差走査熱分析(DSC)で測定して、約200℃以下、より好ましくは150℃以下の結晶化温度(Tc)を有することができる。
【0039】
好ましい一実施形態では、SPCは、ASTM D−1505試験方法従って測定して、室温で約0.85〜約0.92g/cc、より好ましくは約0.87〜0.90g/cc、より好ましくは約0.88〜約0.89g/ccの密度を有することができる。
【0040】
SPCは、上限の5,000,000g/mol、1,000,000g/mol、または500,000g/mol、および下限の10,000g/mol、20,000g/mol、または80,000g/molの範囲内の重量平均分子量(Mw)、下限の1.5、1.8、または2.0から、上限の10、8、6、5、または4.5、好ましくは1.5〜5までの範囲の分子量分布Mw/Mn(MWD)(「多分散指数」(PDI)と呼ばれることもある)を有することができる。
【0041】
本発明で有用な好ましいSPCは、0.1〜2000dg/分の溶融流量(ASTM D−1238;2.16kg、230℃)を有する。溶融流量(MFR)の選択は、最終ブレンドの最終用途に依存する。例えば、典型的なMFRは、フィルムの場合、0.1〜20dg/分、成形品の場合、1〜100dg/分、スパンボンド不織布の場合、15〜60dg/分、メルトブローン不織布の場合、200〜2000dg/分である。
【0042】
本発明の実施形態で使用されるSPCは、タクティシティー指数(m/r)が、下限の4または6から、上限の8、10、または12までとなり得る。
【0043】
本明細書で「m/r」で表されるタクティシティー指数は、13C 核磁気共鳴(NMR)で決定される。タクティシティー指数m/rは、H.N.Cheng,Macromolecules,17,1950(1984)で定義されるように算出される。「m」または「r」という呼称は、隣接するプロピレン基対の立体化学を記述し、「m」はメソ、「r」はラセミを意味する。0〜1.0未満のm/r比は、一般にシンジオタクチックポリマー、1.0のm/r比はアタクチックポリマー、1.0超のm/r比はアイソタクチックポリマーを意味する。アイソタクチック材料は、理論的にはほとんど無限大のm/r比を有することができる。
【0044】
一実施形態では、SPCは、アイソタクチック立体規則性プロピレン結晶化度を有する。本明細書では、用語「立体規則性」は、ポリプロピレン中、またはインパクトコポリマーなどブレンドのポリプロピレン連続相中で、エチレンなど他のモノマーを除くプロピレン残基の優勢な数、すなわち80%超は、同じ1,2−挿入であり、懸垂型メチル基の立体化学的配向は同じであり、メソまたはラセミであることを意味する。
【0045】
本発明の実施形態のプロピレン単位のタクティシティを説明するための補助手順は、3連子立体規則性(mm)の使用である。ポリマーの3連子立体規則性(mm)は、mとrのシーケンスの2成分の組合せとして表される、隣接する3つのプロピレン単位のシーケンスで頭尾結合からなる鎖の相対的タクティシティーである。本発明のコポリマーは、通常、コポリマー中、指定された立体規則性の単位の数と、すべての3連子プロピレンの比として表される。
【0046】
プロピレンコポリマーの3連子立体規則性(mm分率)は、プロピレンコポリマーの13C NMRスペクトル、および次式から決定することができる。
【0047】
mm Fraction = PPP(mm)/(PPP(mm)+PPP(mr)+PPP(rr))
式中、PPP(mm)、PPP(mr)、およびPPP(rr)は、頭尾結合からなる下記の3つのプロピレン単位鎖中、第2の単位のメチル基に由来するピーク面積を示す。
【化1】

【0048】
プロピレンコポリマーの13C NMRスペクトルは、米国特許第5,504,172号に記載されるように測定される。メチル炭素領域(19−23部/100万(ppm))に関するスペクトルは、第1の領域(21.2〜21.9ppm)、第2の領域(20.3〜21.0ppm)、および第3の領域(19.5〜20.3ppm)に分けることができる。スペクトルの各ピークは、雑誌「ポリマー(Polymer)」,30巻,(1989年),p.1350の文献を参照して帰属させた。第1の領域では、PPP(mm)で表されるプロピレン単位3個の鎖中、第2の単位のメチル基が共鳴する。第2の領域では、PPP(mr)で表されるプロピレン単位3個の鎖中、第2の単位のメチル基が共鳴し、隣接する単位がプロピレン単位およびエチレン単位である、プロピレン単位のメチル基(PPE−メチル基)(およそ20.7ppm)が共鳴する。第3の領域では、PPP(rr)で表されるプロピレン単位3個の鎖中、第2の単位のメチル基が共鳴し、隣接する単位がエチレン単位である、プロピレン単位のメチル基(EPE−メチル基)(およそ19.8ppm)が共鳴する。
【0049】
3連子立体規則性(mm)の算出は、米国特許第5,504,172号に記載されている技法に概説されている。ピーク面積のうちのプロピレン挿入における誤り(2,1と1,3の両方)のピーク面積を、第2の領域と第3の領域の全ピーク面積から差し引くことによって、頭尾結合からなるプロピレン単位3個の鎖(PPP(mr)およびPPP(rr))に基づくピーク面積を得ることができる。したがって、PPP(mm)、PPP(mr)、およびPPP(rr)のピーク面積を評価することができ、したがって頭尾結合からなるプロピレン単位の鎖の3連子立体規則性を決定することができる。
【0050】
SPCは、13C NMRで測定して、75%以上、80%以上、82%以上、85%以上、または90%以上の3つのプロピレン単位の3連子立体規則性(mm)を有することができる。
【0051】
SPCとして有用な特に好ましいポリマーは、立体規則性プロピレン配列(すなわち、プロピレン結晶化度)に由来する低〜中レベルの結晶化度を有するポリマーである。結晶化度は、位置反転やコモノマーの存在など、いくつかの方式で乱される。
【0052】
一代替実施形態では、本明細書に記載するSPCはいずれも、米国特許第5,504,172号に記載されている炭素13 NMR手順で測定して、0.05%以上、好ましくは0.055以上、好ましくは0.060以上の1,3挿入を有することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明のSPCは、本発明のブレンド組成物中に、組成物の全重量に対して、下限の1%、5%、または10重量%から、組成物の全重量に対して、上限の40%、35%、または30重量%までの量で存在する。
【0054】
本発明の第2のポリマー成分の例は、国際公開第00/69963号、国際公開第00/01766号、国際公開第02/083753号に「第2のポリマー成分(SPC)」として詳述され、国際公開第00/01745号に「プロピレンオレフィンコポリマー」としてさらに詳細に記述されているポリマーである(ただし、これらはすべて、米国特許実務で参照により本明細書に完全に組み込まれる)。国際公開第00/01766号に記載されるように、第2のポリマー成分は、DSCによる融点が、好ましくは約20℃〜90℃である結晶化可能なプロピレン配列を含むプロピレン−エチレンコポリマーとすることができる。国際公開第00/01766号の表1には、様々なエチレン含有量のプロピレン−エチレンコポリマーのDSC Tm(℃)および融解熱(J/g)の値が記載されている。本発明で使用される好ましいSPCは、同時係属中の、1999年5月13日出願の米国特許出願第60/133,966号、および1999年6月29日出願の米国特許出願第60/342,854号に「第2のポリマー成分(SPC)」として詳述され、1999年7月1日出願の米国特許出願第90/346,460号に「プロピレンオレフィンコポリマー」としてさらに詳細に記述されている(ただし、これらは、米国特許実務で参照により本明細書に完全に組み込まれる)。SPCとして使用するのに適したコポリマーは、商標名Vistamaxx(商標)(エクソンモービル(ExxonMobil)、米国テキサス州ベイタウン(Baytown TX))として市販されている。適切な例としては、Vistamaxx(商標)6100、Vistamaxx(商標)6200、およびVistamax(商標)3000が挙げられる。
【0055】
ポリマー組成物の生成
本発明によれば、ポリマー組成物は、新規の2段階方法で生成される。方法の第1の段階では、プロピレンを、第1の重合反応域において約50℃〜約100℃、好ましくは約60℃〜約80℃の温度で、FPCを生成するのに十分な時間、通常は約0.25時間〜約3時間重合する。第1の重合段階は、プロピレン単独で、または5%以下、好ましくは3%以下など10重量%以下のコモノマーがFPCに組み込まれるようにコモノマーと共に行う。
【0056】
第1の重合段階は、通常のZiegler−Natta触媒、もしくはシングルサイトメタロセン触媒系、または均質または担持触媒系を用いるその組合せを使用して、高圧、スラリー、ガス、バルク、もしくは液相、またはその組合せを含めて、任意の周知重合方法で行うことができる。重合は、連続または回分プロセスで実施することができ、連鎖移動剤、捕捉剤、または適用可能と思われるものなど他の添加剤を使用することも含み得る。好ましくは、担持メタロセン触媒の存在下、連続スラリー方法を用いて、第1の重合段階を行って、結晶質アイソタクチックプロピレンポリマーを生成する。
【0057】
次いで、第1の重合段階の生成物を第2の重合段階にかける。この段階では、プロピレンと少なくとも1つのコモノマーを、第2の重合反応域においてメタロセン触媒の存在下で、約7℃〜約50℃など、第1の重合段階の温度より少なくとも7℃低い温度、例えば第1の重合段階の温度より約10℃〜約40℃低い温度で共重合する。第2の重合段階を、FPCとのリアクター内ブレンドとしてSPCが生成されるのに十分な時間、通常は約0.25時間〜約3.0時間行う。
【0058】
第2の重合段階をスラリー重合方法で行う。好ましくは、メタロセン触媒を第1の重合段階でしか添加せず、第1と第2の重合反応域においてポリマーが生じる。
【0059】
第2の重合反応域は、第1の重合反応域と同じでよく、あるいは第1と第2の重合反応域を、同じ反応器の別々の部分、または別の反応器にすることができる。
【0060】
水素を第1および第2の重合反応域の一方または両方に添加して、分子量、固有粘度、および溶融流量を制御することができる。このような目的での水素の使用は、当業者に周知である。
【0061】
本発明の方法で有用なメタロセン触媒は狭義ではないが、全般的には、高分子量、高融点、高アイソタクチックのプロピレンポリマーを生成することが知られている橋状置換ビス(シクロペンタジエニル)メタロセンの一般クラスのもの、特に橋状置換ビス(インデニル)メタロセンが最も適していることがわかっている。しかし、一般的に言えば、米国特許第5,770,753号(参照により本明細書に完全に組み込まれる)に開示されている一般クラスのものが適切であることが判明した。得られたまさにそのポリマーは、メタロセンの特異的置換パターンに極めて依存していることがわかっている。
【0062】
rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[1−ナフチル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[3,5−ジメチルフェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[オルト−メチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac ジメチルシラジイルビス−(2−メチル,4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[3,5 ジ−t−ブチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[オルトフェニル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシラジイル(2−メチル−4−[1−ナフチル]インデニル)ジルコニウムジクロリド、およびrac−ビフェニルシラジイル(2−イソプロピル,4−[3,5 ジ−t−ブチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリドなどのラセミ体メタロセンが特に好ましい。これらのメタロセンのアルキル化変形(例えば、ジクロリドの代わりにジ−メチル)も考えられ、触媒活性化系の選択によって決定される。上記その他のメタロセン組成物は、米国特許第6,376,407号、第6,376,408号、第6,376,409号、第6,376,410号、第6,376,411号、第6,376,412号、第6,376,413号、第6,376,627号、第6,380,120号、第6,380,121号、第6,380,122号、第6,380,123号、第6,380,124号、第6,380,330号、第6,380,331号、第6,380,334号、第6,399,723号、および第6,825,372号(すべて、参照により本明細書に完全に組み込まれる)に詳述されている。好ましい一実施形態では、メタロセン触媒は、国際公開第2004/026921号、p.29、パラグラフ[00100]からp.66、4行目までに挙げられている化合物の1つまたは複数を含む。
【0063】
メタロセンは、一般に活性触媒系を生成するために、いくつかの形の活性化剤と組み合わせて使用される。本明細書では、用語「活性化剤」は、1つまたは複数のメタロセンの、オレフィンを重合させる能力を向上させることができる任意の化合物、もしくは成分、または化合物もしくは成分の組合せであると定義される。メチルアルモキサン(MAO)などのアルキルアルモキサンは、メタロセン活性化剤として一般的に使用される。一般に、アルキルアルモキサンは、5個〜40個の繰返し単位:
R(AlRO)AlR 線状種の場合、および
(AlRO) 環状種の場合
(式中、Rは、混合させたアルキルを含めて、C〜Cアルキルである)を含む。
【0064】
Rがメチルである化合物が、特に好ましい。アルモキサン溶液、具体的にはメチルアルモキサン溶液は、商業の製造業者から様々な濃度の溶液として得ることができる。様々なアルモキサンの調製方法があり、その例は、米国特許第4,665,208号、第4,952,540号、第5,091,352号、第5,206,199号、第5,204,419号、第4,874,734号、第4,924,018号、第4,908,463号、第4,968,827号、第5,308,815号、第5,329,032号、第5,248,801号、第5,235,081号、第5,103,031号、および欧州特許出願公開第0 561 476号(A)、欧州特許第0 279 586号(B1)、欧州特許出願公開第0 594−218号(A)、および国際公開第94/10180号(それぞれ、参照により本明細書に完全に組み込まれる)に記載されているが、これらに限定されない。目で見て透明なメチルアルモキサンを使用することが好ましいことがある。曇ったもしくはゲル化したアルモキサンを濾過して、透明な溶液を生成することができ、または透明なアルモキサンを曇った溶液からデカンテーションすることができる。別の有用なアルモキサンは、改質メチルアルモキサン(MMAO)助触媒型3A(アクゾ・ケミカルズ(Akzo Chemicals、Inc.)から、商標名Modified Methylalumoxane型3Aで市販されている、米国特許第5,041,584号で包含されている)である。活性化剤がアルモキサン(改質または未改質)である場合、いくつかの実施形態は、触媒前駆体に対して(金属触媒部位に付き)5000倍モル過剰のAl/Mで、最大量の活性化剤を選択する。最小量の活性化剤と触媒前駆体は、1:1のモル比である。
【0065】
イオン化活性化剤を使用して、メタロセンを活性化することもできる。これらの活性化剤は、中性またはイオン性であり、あるいは中性メタロセン化合物をイオン化するトリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどの化合物である。このようなイオン化化合物は、活性プロトン、またはイオン化化合物の残りのイオンと会合するが、配位せず、もしくはゆるやかにしか配位しない他のカチオンを含有することができる。活性化剤の組合せ、例えばアルモキサンとイオン化活性化剤の組合せを使用することもできる。例えば、国際公開第94/07928号を参照のこと。
【0066】
非配位アニオンによって活性化されたメタロセンカチオンからなる配位重合用イオン触媒の説明は、欧州特許出願公開第0 277 003号(A)、欧州特許出願公開第0 277 004号(A)、および米国特許第5,198,401号、ならびに国際公開第92/00333号(A)(参照により本明細書に組み込まれる)の初期の研究に出ている。これらは、メタロセン(ビスCpおよびモノCp)がアニオン前駆体によってプロトン化され、したがって非配位アニオンによって、アルキル/ヒドリド基が遷移金属から引き抜かれて、カチオン性でかつ荷電平衡になる望ましい調製方法を教示する。適切なイオン性塩としては、テトラキス−置換ボレート、またはフッ化アリール構成要素(フェニル、ビフェニル、およびナフチル(napthyl)など)を有するアルミニウム塩が挙げられる。
【0067】
用語「非配位アニオン」(NCA)は、前記カチオンに配位せず、または前記カチオンに弱くしか配位せず、それによって十分に不安定なままで、中性のルイス塩基で置換されるアニオンを意味する。「相溶性」非配位アニオンは、最初に形成された複合体が分解するとき、分解されて中性にならないものである。さらに、アニオンは、アニオン性置換基または断片が、中性の四配位メタロセン化合物およびアニオン由来の中性副生物を生成しないようにカチオンに移動させない。特に有用な非配位アニオンは、相溶性であり、メタロセンカチオンのイオン電荷を+1状態で平衡にするという意味でメタロセンカチオンを安定化するが、重合中のエチレン性またはアセチレン性不飽和モノマーによる置換を可能にするような十分な不安定性を保持するものである。
【0068】
活性プロトンを含有しないが、活性メタロセンカチオンと非配位アニオンとを生成することができる、イオン化イオン性化合物の使用も、知られている。例えば、欧州特許出願公開第0 426 637号(A)および欧州特許出願公開第0 573 403号(A)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。イオン触媒を作製する追加の方法は、最初は中性ルイス酸であるが、メタロセン化合物とのイオン化反応時にカチオンおよびアニオンを生成するイオン化アニオン前駆体の使用、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの使用である。欧州特許出願公開第0 520 732号(A)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。付加重合用のイオン触媒は、金属性酸化基をアニオン基と共に含むアニオン前駆体によって、遷移金属化合物の金属中心の酸化により調製することもできる。欧州特許出願公開第0 495 375号(A)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0069】
メタロセンの金属リガンドがハロゲン部分(例えば、ビス−シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド)を含む場合、水素化リチウムや水素化アルミニウムなどの有機金属化合物、またはアルキル、アルキルアルモキサン、グリニャール試薬などとの周知のアルキル化反応を介して変換され得る。活性化アニオン性化合物の添加の前、またはそれと共に、アルキルアルミニウム化合物とジハロ−置換メタロセン化合物との反応を説明する現場方法については、欧州特許出願公開第0 500 944号(A)および欧州特許出願公開第0 570 982号(A1)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0070】
本明細書での使用に好ましい活性化剤には、国際公開第2004/026921号、p.77、パラグラフ[00135]からp.78まで、および国際公開第2004/046214号、パラグラフ[00177]〜パラグラフ[00178]に挙げられているものが含まれる。
【0071】
一般に、触媒化合物および活性化剤を約1000:1〜約0.5:1の比で組み合わせる。好ましい一実施形態では、触媒化合物および活性化剤を約300:1〜約1:1、好ましくは約150:1〜約1:1の比で組み合わせ、ボラン、ボレート、アルミネートなどの場合、好ましくは比が約1:1〜約10:1である。
【0072】
メタロセンカチオンおよびNCAを含むイオン触媒を担持する方法は、米国特許第5,643,847号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。メタロセン担持触媒組成物用の活性化剤がNCAである場合、好ましくはNCAを、第1に担持組成物に添加し、続いてメタロセン触媒を添加する。活性化剤がMAOである場合、好ましくはMAOおよびメタロセン触媒を一緒に溶液に溶解する。次いで、担持物をMAO/メタロセン触媒溶液と接触させる。他の方法および添加順序は、当業者に自明であろう。
【0073】
本発明の方法で使用される触媒系は、例えばタルク、無機酸化物、無機クロライドなどの多孔性粒状材料、およびポリオレフィンやポリマー化合物などの樹脂性材料を使用して担持されていることが好ましい。好ましくは、支持材料は、多孔性無機酸化物材料であり、元素周期表の第2、3、4、5、13、または14族の金属酸化物のものが挙げられる。シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、およびその混合物が特に好ましい。単独で、またはシリカ、アルミナ、もしくはシリカ−アルミナと組み合わせて使用することができる他の無機酸化物は、マグネシア、チタニア、ジルコニアなどである。
【0074】
好ましくは、支持材料は、表面積が10〜700m/gの範囲であり、全細孔容積が0.1〜4.0cc/gの範囲であり、平均粒径が10〜500μmの範囲である多孔性シリカである。より好ましくは、表面積は50〜500m/gの範囲であり、細孔容積は0.5〜3.5cc/gの範囲であり、平均粒径は20〜200μmの範囲である。最も望ましくは、表面積は100〜400m/gの範囲であり、細孔容積は0.8〜3.0cc/gの範囲であり、平均粒径は30〜100μmの範囲である。典型的な多孔性支持材料の平均孔径は、10〜1000Åの範囲である。好ましくは50〜500Å、最も望ましくは75〜350Åの平均細孔直径を有する支持材料が使用される。シリカを、100℃〜800℃の温度において3〜24時間のいずれかで脱水することが特に望ましいことがある。
【0075】
添加剤
本発明に従って生成されたポリマーブレンドは、補強および非補強充填剤、可塑剤、酸化防止剤、安定剤、中和剤、プロセス油、エキステンダー油、潤滑剤、スリップ剤、粘着防止剤、帯電防止剤、ワックス、起泡剤、顔料、難燃剤、炭化水素樹脂、光(例えば、UV)安定剤、核剤、清澄剤、ならびに当技術分野で知られている他の加工助剤を場合によっては含有することができる。このような添加剤は、全組成物の約70重量%までを構成することができる。使用することができる充填剤およびエキステンダーとしては、炭酸カルシウム、粘土、シリカ、タルク、二酸化チタン、カーボンブラックなど、通常の無機物が挙げられる。プロセス油は、一般に石油留分に由来するパラフィン油、ナフテン油、または芳香族油である。
【0076】
本発明に従って生成されたポリマーブレンドを、他のポリマー、特に他のプロピレンポリマーなど他のポリオレフィンと配合することもできる。
【0077】
特に好ましい一実施形態では、本発明に従って生成されたポリマーブレンドを、国際公開第2004/014998号に記載されている「非官能化可塑剤(NFP)」と配合することもできる。好ましくは、本発明に従って生成されたポリマーブレンドを、p.16、第14行〜p.24、第1行に記載されているNFPと配合する。特に好ましい一実施形態では、本発明に従って生成されたポリマーブレンドを、粘度指数が120以上、好ましくは130以上(ASTM 2270で測定)であるポリアルファオレフィンと配合することもできる。特に好ましい一実施形態では、本発明に従って生成されたポリマーブレンドを、引火点が200℃以上、好ましくは210℃以上、好ましくは230℃以上(ASTM 56で測定)であり、100℃における動粘度が35cSt以上、好ましくは40cSt以上、好ましくは45cSt以上(ASTM 445で測定)であり、かつ/または流動点が−20℃未満、好ましくは−25℃未満、好ましくは−30℃未満(ASTM D97で測定)であるポリアルファオレフィンと配合することもできる。
【0078】
用途
本発明に従って作製されたポリマーブレンドには、有用な用途が多数ある。例えば、ポリマーから作製された二次加工品は、すべての通常のポリオレフィン加工技法を用いて調製することができる。有用な物品としては、多層フィルムを含めてフィルム(例えば、流延、ブローン、カレンダ加工、および押出コーティング)、温室用フィルム、クラリティシュリンクフィルムを含めてシュリンクフィルム、ラミネートフィルム、二軸延伸フィルム、押出コーティング、ライナー、クラリティライナー、オーバーラップフィルム、農業用フィルム;繊維の少なくとも一部分を含む本明細書に開示されるインターポリマーを少なくとも1つの成分として使用することを含めて繊維(例えば、ステープル繊維)、スパンボンド繊維またはメルトブローン繊維(例えば、米国特許第4,430,563号、第4,663,220号、第4,668,566号、または第4,322,027号に開示される系を使用)、およびゲルスパン繊維(例えば、米国特許第4,413,110号に開示される系);織布と不織布(例えば、米国特許第3,485,706号に開示されるスパンレース布、スパンボンド布、およびメルトブローン不織布)、またはこのような繊維から作製された構造物(例えば、これらの繊維とPETや綿など他の繊維とのブレンドを含めて)、フォーム、ならびに熱成形品、および成形品(例えば、射出成形法、ブロー成形法、または回転成形法を用いて作製)が挙げられる。単層および多層フィルムを、米国特許第5,685,128号に記載されているフィルム構造物および加工方法に従って、作製することができる。
【0079】
別の実施形態では、本発明は下記に関する。
【0080】
1A. (a)結晶質プロピレンポリマーを含む第1のポリマー成分、および(b)プロピレンと少なくとも1つのコモノマーのコポリマーを含む第2のポリマー成分を含むポリマーブレンドの生成方法であって、コポリマーは約7重量%〜約28重量%の前記少なくとも1つのコモノマーを含み、コポリマーは0.5J/g〜70J/gの融解熱、および75%以上の3連子立体規則性(mm)を有し、前記方法は、
(i)プロピレンを第1の重合条件下に重合反応域で重合して、他のモノマーを10重量%以下しか含有しない結晶質プロピレンポリマーを含む第1の流出液を生成するステップ、ただし第1の重合条件は約50℃〜約100℃の第1の反応温度を含むステップと、
(ii)続いてプロピレンを、第2の重合条件下にメタロセン触媒の存在下で前記少なくとも1つのコモノマーと、さらにスラリー重合反応域で前記第1の流出液の少なくとも一部分と共重合して、前記第2のポリマー成分を生成するステップ、ただし第2の重合条件は前記第1の反応温度より少なくとも7℃低い第2の反応温度を含むステップと、
を含む方法。
【0081】
2A. 重合(i)が、メタロセン触媒の存在下で行われるパラグラフ1Aに記載の方法。
【0082】
3A. (i)および(ii)で使用されるメタロセン触媒が、rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[1−ナフチル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[3,5−ジメチルフェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[オルト−メチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac ジメチルシラジイルビス−(2−メチル、4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[3,5 ジ−t−ブチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[オルトフェニル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシラジイル(2−メチル−4−[1−ナフチル]インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ビフェニルシラジイル(2−イソプロピル,4−[3,5 ジ−t−ブチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド、およびジクロリドがジアルキルで置換されているその変形から選択されるパラグラフ2Aに記載の方法。
【0083】
4A. 同じメタロセン触媒が、重合(i)および(ii)で使用され、重合反応域(i)にしか添加されないパラグラフ2Aまたは3Aに記載の方法。
【0084】
5A. 共重合(i)が、スラリー方法で行われるパラグラフ1A、2A、3A、または4Aに記載の方法。
【0085】
6A. 前記第1の流出液が他のモノマーを5重量%以下しか含有しない結晶質プロピレンポリマーを含むように重合(i)が行われるパラグラフ1Aから5Aのいずれかに記載の方法。
【0086】
7A. 前記第1の流出液が他のモノマーを3重量%以下しか含有しない結晶質プロピレンポリマーを含むように重合(i)が行われるパラグラフ6Aに記載の方法。
【0087】
8A. 重合(i)が、プロピレン以外のモノマーを実質的に存在させることなく行われるパラグラフ6Aに記載の方法。
【0088】
9A. (ii)中の前記少なくとも1つのコモノマーが、エチレンまたはC〜C12α−オレフィンであるパラグラフ1Aから8Aのいずれかに記載の方法。
【0089】
10A. (ii)中の前記少なくとも1つのコモノマーが、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンから選択されるパラグラフ1Aから8Aのいずれかに記載の方法。
【0090】
11A. 第2のポリマーが、約8%〜約28重量%の少なくとも1つのコモノマーを含むパラグラフ1Aから8Aのいずれかに記載の方法。
【0091】
12A. (ii)中の前記少なくとも1つのコモノマーが、エチレンであるパラグラフ10Aに記載の方法。
【0092】
13A. 前記第2の重合条件が、前記第1の温度より約7℃〜約50℃低い第2の温度を含むパラグラフ1Aから12Aのいずれかに記載の方法。
【0093】
14A. 前記第2の重合条件が、前記第1の温度より約10℃〜約40℃低い第2の温度を含むパラグラフ13Aに記載の方法。
【0094】
15A. 共重合(ii)が、重合(i)と同じ重合反応域で行われるパラグラフ1Aから14Aのいずれかに記載の方法。
【0095】
16A. 第2のポリマー成分が、約3J/g〜約50J/gの融解熱を有するパラグラフ1Aから15Aのいずれかに記載の方法。
【0096】
17A. 第2のポリマー成分が、80%以上の3連子立体規則性(mm)を有するパラグラフ1Aから16Aのいずれかに記載の方法。
【0097】
18A. 第2のポリマー成分が、ヘキサン中で熱分留により確定して、85重量%以上の第2のポリマー成分が、1つまたは2つの隣接する可溶性画分として単離され、第2のポリマー成分の残部が、直前または直後の画分に単離されるような分子間組成物分布を有し、かつ前記画分がそれぞれ、第2のポリマー成分の平均コモノマー含有量重量%に比べて、20重量%以下の差しかないコモノマー含有量重量%を有するパラグラフ1Aから17Aのいずれかに記載の方法。
【0098】
19A. 前記画分がそれぞれ、第2のポリマー成分の平均コモノマー含有量重量%に比べて、10重量%以下の差しかないコモノマー含有量重量%を有するパラグラフ1Aから18Aのいずれかに記載の方法。
【0099】
20A. 第2のポリマー成分が、ヘキサン中で熱分留により確定して、90重量%以上の第2のポリマー成分が、1つまたは2つの隣接する可溶性画分として単離され、第2のポリマー成分の残部が、直前または直後の画分に単離されるような分子間組成物分布を有し、前記画分がそれぞれ、第2のポリマー成分の平均コモノマー含有量重量%に比べて、20重量%以下の差しかないコモノマー含有量重量%を有するパラグラフ1Aから19Aのいずれかに記載の方法。
【0100】
21A. 前記画分がそれぞれ、第2のポリマー成分の平均コモノマー含有量重量%に比べて、10重量%以下の差しかないコモノマー含有量重量%を有するパラグラフ20Aに記載の方法。
【0101】
22A. さらに、第2のポリマー成分が、89℃以下、好ましくは85℃以下、好ましくは80℃以下、好ましくは78℃以下、好ましくは75℃以下の融点を有するパラグラフ1Aから21Aのいずれかに記載の方法。
【0102】
23A. さらに、第2のポリマー成分が、13C NMRで測定して、0.05%以上、好ましくは0.055%以上、好ましくは0.060%以上の1,3挿入を有するパラグラフ1Aから22Aのいずれかに記載の方法。
【0103】
24A. 第2のポリマー成分が、15モル%以下のコモノマー(好ましくは、エチレン)を有し、78℃以下、好ましくは75℃以下の融点を有するパラグラフ1Aから23Aのいずれかに記載の方法。
【0104】
25A. 第2のポリマー成分が、15モル%超のコモノマー(好ましくは、エチレン)を有し、89℃以下、好ましくは85℃以下の融点を有するパラグラフ1Aから23Aのいずれかに記載の方法。
【0105】
次に、実施例を参照して、本発明をさらに具体的に記述する。
【0106】
溶融流量(MFR)をASTM D−1238に従って測定した;2.16kg、230℃。
【0107】
示差屈折率検出器(DRI)、オンライン光散乱検出器、および粘度計を装備した高温サイズ除外クロマトグラフ(High Temperature Size Exclusion Chromatograph)(ウォーターズ・コーポレーション製(Waters Corporation)またはポリマー・ラボラトリーズ製(Polymer Laboratories))を使用して、分子量(重量平均分子量Mw、および数平均分子量Mn)を決定した。検出器の較正方法を含めて、実験の詳細は下記には説明しないが、サン(T.Sun)、ブラント(P.Brant)、チャンス(R.R.Chance)、およびグラエスレー(W.W.Graessley),「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」,34巻,19号,p.6812−6820,(2001年)に記載されている。
【0108】
ポリマー・ラボラトリーズ(Polymer Laboratories)のPLgel 10mm Mixed−Bカラムを3本使用した。公称流量は0.5cm/分であり、公称注入量は300μLであった。様々なトランスファーライン、カラム、および示差屈折計(DRI検出器)をオーブンに入れ、135℃に維持した。
【0109】
酸化防止剤としてブチル化ヒドロキシトルエン6グラムをアルドリッチ(Aldrich)の試薬用1,2,4 トリクロロベンゼン(TCB)4リットルに溶解することによって、SEC実験用の溶媒を調製した。次いで、TCB混合物を、0.7μmのガラスプレフィルター、続いて0.1.μmのテフロン(Teflon)フィルターに通して濾過した。次いで、SECを始める前に、TCBをオンラインデガッサーで脱気した。
【0110】
乾燥ポリマーをガラス容器に入れ、所望量のTCBを添加し、次いで混合物を、連続撹拌しながら160℃で約2時間加熱することによって、ポリマー溶液を調製した。量はすべて、重量により測定した。質量/体積の単位でポリマー濃度を表すために使用されるTCB密度は、室温で1.463g/ml、135℃で1.324g/mlである。注入濃度は1.0〜2.0mg/mlであり、より高い分子量の試料の場合には、より低い濃度が使用される。
【0111】
各試料を試験する前に、DRI検出器およびインジェクターをパージした。次いで、装置の流量を0.5ml/分に上げ、最初の試料を注入する前に、DRIを8〜9時間放置して、安定化した。試料を試験する前に、LSレーザーを1〜1.5時間作動させた。
【0112】
クロマトグラムの各点における濃度cは、ベースラインを差し引いたDRIシグナルIDRIから、次式を用いて算出する。
【0113】
c=KDRIDRI/(dn/dc)
式中、KDRIは、DRIを較正することによって決定された定数であり、(dn/dc)は、LS分析について下記に説明するものと同じである。SEC方法のこの説明全体を通してパラメータの単位は、濃度はg/cmで表され、分子量はg/モルで表され、固有粘度はdL/gで表される。
【0114】
使用された光散乱検出器は、ワイアット・テクノロジー(Wyatt Technology)の高温ミニ−DAWNであった。クロマトグラムの各点におけるポリマー分子量Mは、静的光散乱のためにZimmモデルを使用してLS出力を分析することによって決定される(フーグリン(M.B.Huglin),「高分子溶液の光散乱(LIGHT SCATTERING FROM POLYMER SOLUTIONS)」,アカデミック・プレス(Academic Press),1971年):
c/ΔR(θ)=1/MP(θ)+2A
ここで、ΔR(θ)は、散乱角θで測定された過剰レイリー散乱強度であり、cは、DRI分析により決定されたポリマー濃度であり、Aは、第2のビリアル係数であり、P(θ)は、単分散ランダムコイルの形状因子であり(上記の参考文献に記載)、Kは、系の光学定数である。
【0115】
=4π(dn/dc)/λ
式中、Nは、アボガドロ数であり、(dn/dc)は、系の屈折率増分である。屈折率n=1.500(TCBの場合、135℃、λ=690nm)。さらに、A=0.0006(プロピレンポリマーの場合)、0.0015(ブテンポリマーの場合)、ならびに(dn/dc)=0.104(プロピレンポリマーの場合)、0.098(ブテンポリマーの場合)。
【0116】
2つの圧力変換器を備えたホイートストン・ブリッジ構成に、ビキャピラリー4本を配置したスコテックコーポレーション(Viscotek Corporation)の高温粘度計を使用した。一方の変換器は、検出器の両端間の全電圧低下を測定し、他方の変換器は、ブリッジの2辺の間に配置され、電圧差を測定する。粘度計中を流れる溶液の比粘度ηは、その出力から算出される。クロマトグラムの各点における固有粘度[η]は、次式により算出される。
【0117】
η=c[η]+0.3(c[η])
式中、cは、DRI出力から決定された。
【0118】
融点(Tm)は、ティーエー・インスツルメンツ(TA Instruments)モデル2910機器を使用して測定した。計量した約5〜10mgの試料を、アルミニウム製試料皿中に封止した。DSCデータは、最初に試料を約−50℃に冷却し、次いでそれを10℃/分の速度で200℃に徐々に加熱することによって記録した。第2の冷却/加熱サイクルを加える前に、試料を200℃に5分間維持した。第1と第2のサイクル熱イベントを記録した。第1のポリマー成分の場合、第2の加熱サイクル(または第2の溶融)中に融点を測定し、報告した。第2のポリマー成分の場合、第1の加熱サイクル中に融点を測定し、報告した。DSC測定の前に、試料を(周囲温度で少なくとも48時間保持することによって)熟成させた。
【0119】
エチレン含有量を以下の通り測定した。薄い均質フィルムを約150℃以上の温度で圧縮し、次いで、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)PE 1760赤外分光光度計に載せた。試料の600cm−1〜4000cm−1の全スペクトルを記録し、エチレンのモノマー重量パーセントを次式:エチレン重量%=82.585−111.987X+30.045X(式中、Xは、1155cm−1におけるピーク高さと、722cm−1または732cm−1におけるどちらか高い方のピーク高さとの比である)に従って算出した。
【実施例1】
【0120】
(担持触媒の生成)
ドライボックスにおいて、100mlの丸底フラスコ中のトルエン(7.2ml)中30%メチルアルモキサン6.74gに、ボールダー・サイエンティフィック(Boulder Scientific)(米国コロラド州ボールダー(Boulder、Colorado))から得られたrac ジ−メチルシリルビス−(2−メチル,4−ナフチル(napthyl)インデニル)ジルコニウムジクロリド0.044gを添加した。内容物を20分間撹拌し、液体の色は、コハク色から、わずかに曇った鮮紅色に変化した。フラスコの内容物をミディアムフリットフィルターで濾過し、トルエンを添加して、フリットを洗浄した。濾液は、透明な鮮紅色溶液であった。Davison 948シリカ4.0g(600℃で脱水した後)を濾液に添加し、20分間スラリー化した。スラリーを、40℃で2.5時間回転真空装置にかけた。担持触媒5.34gが残留した(桃色固体)。触媒を油に添加し、貯蔵した(油スラリー中18重量%)。
【実施例2】
【0121】
(プロピレンホモポリマーの重合)
清浄で乾燥した2リットルのオートクレーブ中で、重合を行った。関連する反応器条件を表1に示す。反応器をプロピレン蒸気でフラッシュした後、トリエチルアルミニウム(TEAL)捕捉剤(0.3ml、1.5M)を添加した。この時点で、記載された量の水素ガス(表1を参照のこと)も添加した。次いで、反応器を閉じ、液体プロピレン約800mlを充填した。反応器を約70℃に加熱した後、実施例1による担持触媒を、液体プロピレン200mlで流し入れることによって添加した。記載された時間の後(表1を参照のこと)、反応器を約40℃にまで冷却し、過剰のプロピレンを排気した。易流動性の顆粒からなるポリマーを除去し、乾燥した。ホモポリマー生成物は、MFR:1.89dg/分、GPC Mw:348,000、Mw/Mn:2.3、およびDSCピーク融点:150.8℃であった。
【実施例3】
【0122】
(プロピレンエチレンエラストマーの重合)
清浄で乾燥した2リットルのオートクレーブ中で、重合を行った。関連する反応器条件を今回も表1に示す。反応器をプロピレン蒸気でフラッシュした後、トリエチルアルミニウム(TEAL)捕捉剤(0.3ml、1.5M)を添加した。水素は、反応器に供給しなかった。反応器を閉じ、液体プロピレン約800mlを充填した。エチレンガスを反応器供給して、エチレンの200psi(1380kPa)過圧力を維持した。反応器を40℃で維持した。担持触媒を液体プロピレン200mlで流し入れることによって添加した。12分間操作した後、撹拌機にポリマーの塊が成長するため、撹拌速度が400rpmから70rpmに著しく低下した。撹拌機を止め、反応を止めた。ポリマーの塊を除去し、乾燥した。プロピレン/エチレンコポリマーエラストマー生成物は、エチレン含有量:14.8重量%、GPC Mw:559,000、およびMw/Mn:2.35であった。ポリマーは、70℃においてわずかな融解吸熱を示した。
【実施例4】
【0123】
(ポリプロピレン/プロピレンエチレンエラストマーブレンドの重合)
清浄で乾燥した2リットルのオートクレーブ中で、重合を行った。関連する反応器条件を表1に示す。反応器をプロピレン蒸気でフラッシュした後、トリエチルアルミニウム(TEAL)捕捉剤(0.3ml、1.5M)を添加した。この時点で水素ガスも添加した。次いで、反応器を閉じ、液体プロピレン約800mlを充填した。反応器を約70℃に加熱した後、担持触媒を液体プロピレン200mlで流し入れることによって添加した。記載された時間の後(表1を参照のこと)、反応器を44℃にまで冷却し、クールダウンの最中に数秒間排気した(約430psig[3066kPa]から約225psig[1652kPa])。これによって、水素を排気した。新鮮な水素は添加しなかった。エチレンガスを反応器に通して、エチレンの200psi(1379kPa)過圧力を維持した。重合を44℃でさらに10分間続けた。反応を止め、反応器を冷却し、排気した。易流動性の顆粒からなるポリマーを除去し、乾燥した。ホモポリマーとプロピレン−エチレンエラストマーのリアクターブレンドであるポリマーは、MFR:2.0dg/分、GPC Mw:319,000、Mw/Mn:2.7、およびDSC融点:150℃であった。エラストマー成分のエチレンコモノマー含有量は約14重量%であると推定された。
【表1】

【0124】
本発明の好ましい実施形態であると現在思われるものを記載してきたが、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、他のおよび別の実施形態を実施でき、本明細書で記載される特許請求の真の範囲内に入るような別の修正および変更をすべて含むよう意図されていることを理解するであろう。同様に、用語「含む(comprising)」は、オーストラリア法では用語「含む(including)」と同義と見なされる。本明細書に記載する文献は、本明細書と一致しない場合を除いて、いずれの優先権文献および/または試験手順を含めてすべて、参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)結晶質プロピレンポリマーを含む第1のポリマー成分、および(b)プロピレンと少なくとも1つのコモノマーのコポリマーを含む第2のポリマー成分を含む、ポリマーブレンドの生成方法であって、コポリマーは約7重量%〜約28重量%の前記少なくとも1つのコモノマーを含み、コポリマーは0.5J/g〜70J/gの融解熱、および75%以上の3連子立体規則性(triad tacticity)(mm)を有し、前記方法は、
(i)プロピレンを第1の重合条件下に重合反応域で重合して、他のモノマーを10重量%以下しか含有しない結晶性プロピレンポリマーを含む第1の流出液を生成するステップ、ただし第1の重合条件は約50℃〜約100℃の第1の反応温度を含むステップと、
(ii)続いてプロピレンを、第2の重合条件下にメタロセン触媒の存在下で前記少なくとも1つのコモノマーと、さらにスラリー重合反応域で前記第1の流出液の少なくとも一部分と共重合して、前記第2のポリマー成分を生成するステップ、ただし第2の重合条件は前記第1の反応温度より少なくとも7℃低い第2の反応温度を含むステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
重合(i)が、メタロセン触媒の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(i)および(ii)で使用されるメタロセン触媒が、rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[1−ナフチル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[3,5−ジメチルフェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[オルト−メチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac ジメチルシラジイルビス−(2−メチル,4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[3,5 ジ−t−ブチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド;rac−ジメチルシラジイル(2−イソプロピル,4−[オルトフェニル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシラジイル(2−メチル−4−[1−ナフチル]インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ビフェニルシラジイル(2−イソプロピル,4−[3,5 ジ−t−ブチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロリド、およびジクロリドがジアルキルで置換されているその変形から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
同じメタロセン触媒が、重合(i)および(ii)で使用され、重合反応域(i)にしか添加されない、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
共重合(i)が、スラリー方法で行われる請求項1、2、3、または4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の流出液が他のモノマーを5重量%以下しか含有しない結晶質プロピレンポリマーを含むように重合(i)が行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の流出液が他のモノマーを3重量%以下しか含有しない結晶質プロピレンポリマーを含むように重合(i)が行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
重合(i)が、プロピレン以外のモノマーを実質的に存在させることなく行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
(ii)中の前記少なくとも1つのコモノマーが、エチレン、またはC〜C12α−オレフィンである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(ii)中の前記少なくとも1つのコモノマーが、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンから選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
第2のポリマーが、約8%〜約28重量%の少なくとも1つのコモノマーを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
(ii)中の前記少なくとも1つのコモノマーが、エチレンである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の重合条件が、前記第1の温度より約7℃〜約50℃低い第2の温度を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の重合条件が、前記第1の温度より約10℃〜約40℃低い第2の温度を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
共重合(ii)が、重合(i)と同じ重合反応域で行われる、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
第2のポリマー成分が、約3J/g〜約50J/gの融解熱を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
第2のポリマー成分が、80%以上の3連子立体規則性(mm)を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
第2のポリマー成分が、ヘキサン中で熱分留により確定して、85重量%以上の第2のポリマー成分が、1つまたは2つの隣接する可溶性画分として単離され、第2のポリマー成分の残部が、直前または直後の画分に単離されるような分子間組成物分布を有し、前記画分がそれぞれ、第2のポリマー成分の平均コモノマー含有量重量%に比べて、20重量%以下の差しかないコモノマー含有量重量%を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記画分がそれぞれ、第2のポリマー成分の平均コモノマー含有量重量%に比べて、10重量%以下の差しかないコモノマー含有量重量%を有する、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
第2のポリマー成分が、ヘキサン中で熱分留により確定して、90重量%以上の第2のポリマー成分が、1つまたは2つの隣接する可溶性画分として単離され、第2のポリマー成分の残部が、直前または直後の画分に単離されるような分子間組成物分布を有し、前記画分がそれぞれ、第2のポリマー成分の平均コモノマー含有量重量%に比べて、20重量%以下の差しかないコモノマー含有量重量%を有する、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記画分がそれぞれ、第2のポリマー成分の平均コモノマー含有量重量%に比べて、10重量%以下の差しかないコモノマー含有量重量%を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
さらに、第2のポリマー成分が、89℃以下、好ましくは85℃以下、好ましくは80℃以下、好ましくは78℃以下、好ましくは75℃以下の融点を有する、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
さらに、第2のポリマー成分が、炭素13 NMRで測定して、0.05%以上、好ましくは0.055%以上、好ましくは0.060%以上の1,3挿入を有する、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
第2のポリマー成分が、15モル%以下のコモノマーを有し、78℃以下、好ましくは75℃以下の融点を有する、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
第2のポリマー成分が、15モル%超のコモノマーを有し、89℃以下、好ましくは85℃以下の融点を有する、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2009−501262(P2009−501262A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521387(P2008−521387)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/021595
【国際公開番号】WO2007/011464
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】