説明

燃料噴射式内燃機関の複合噴射ノズル技術と制御点火燃焼方式。

【課題】内燃機関の燃料と空気との混合気化条件と制御点火条件を改善しガス機関ガソリン機関の熱効率と排気の低公害化並びに直噴ディ−ゼル機関の排気煤塵問題を解決する。
【解決手段】内燃機関の燃料噴射方向の指向性や複合ノズル噴霧群と燃焼容積部との整合により燃料群の混合気化作用を促進した燃料予混合気群を構成し、エンドガスノッキング現象を抑制して機関の高圧縮比化と低公害化を図り、燃焼容積部の中心域を燃焼反応の起点とする点火条件の構成をピストン面の中心域に制御点火着火し得る手段で構成する事により燃焼反応期間の均等化と短縮を図り高圧縮比燃焼手段によりガソリン機関やガス機関の熱効率向上と排気の低公害化目的を図り、内燃機関の更なる省エネと直噴ディ−ゼル機関のPM炭化煤塵並びにNOx問題を解決し得る燃焼技術を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料噴射内燃機関の制御点火燃焼方式と複合噴射ノズル技術に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は燃焼方式と燃料の違いで火花点火と圧縮着火燃焼方式とに大別されており両燃焼方式共に燃料と空気との混合気化条件が燃焼反応構成前提に重要な事が知られている。内燃機関の燃焼技術は燃料の有する熱エネルギ−を如何に空気との混合による燃焼技術で高熱効率な燃焼とし同時に排気の低公害化を計るべき燃焼条件を短時間のサイクルで実行する必要性から各部要素の最適整合条件の構成は容易ではない。
【0003】
ガソリン燃料の火花点火機関や軽油重油を燃料とするディ−ゼル圧縮着火機関等の内燃機関が自動車用機関として多用されているが人類の生活に利便性をもたらすこの内燃機関も近年億単位で増加し続けるに到り有限で貴重な地球燃料資源の消費と膨大に排出されるCOによる地球温暖化や有害排気による大気汚染や気候変動による環境悪化や災害の危機が現代から次世代の生活をも脅かすまでに到っている。
【0004】
また地球の燃料資源を求める人間の争いも昔から絶える事なく我々人類の唯一の生存基盤である地球の環境は次第に悪化し有限な石油資源も涸渇が近づくと共に価格が高まる事から代替燃料や電気自動車の開発や風力太陽など自然エネルギ−利用技術も進められているが電化社会や電気動力が内燃機関の役割を果たしうるまでにも知恵と工夫と年月が必要でありその間の時間を有効に利用し内燃機関の性能を更に改善する事が現在内燃機関の技術に関わっている者の地球と次世代に対する責務と心得ている。
【0005】
内燃機関の燃焼技術は発明されてから未だ200年に過ぎなく燃焼反応条件に到る燃料と空気との物理的整合条件の解明も未だ不充分なのである。特にガソリン等の火花点火機関は燃料を噴射方式としても高圧縮比の採用が出来なく低負荷運転時には給気を絞る必要性のポンプ損失で熱効率の低くいEFI方式が長く使い続けられている。
【0006】
またガソリン機関より高い圧縮比の採用と安全性に有利な軽重油を燃料とするディ−ゼル機関も発明当時から欠点として解決が求め続けられている排気中の有害なPM炭化煤塵問題は200年経った今日でも解決出来なく触媒やトラップによる後処理が必要とされ熱効率の更なる向上目的も遅滞しているのが現状である。
【0007】
従って貴重な地球の燃料資源を消費し排気によって大気を汚染する内燃機関よりも排気を出さなく静かな電気動力による電化社会の構築を急ぐべしとしたオバマ大統領の呼びかけで世界が改革に動き出しましたが電気自動車や蓄電技術が成長し内燃機関の代替動力となるのにも長い年月を要しその間にもその後にも簡便軽量で動力の得られる内燃機関の需要は続き電化技術との競合の時代が続くと思われます。
【0008】
しかし懸念される事はその間にもエンジン排気のCOによる地球の温暖化や気候変動による自然災害が人類の生活に悪影響を及ぼす事である。従って内燃機関の省エネ・低公害化技術の開発は地球環境保全改善に不可欠であり早期に世界各国において実用化しうる合理的な省エネ・低公害な内燃機関の新技術開発が求められている。
現在のガソリン機関やディ−ゼル機関の各燃焼方式は燃料と空気との物理的整合条件の構成に基本的な大きな誤がある。このためにガソリンやガス機関は燃費が悪くディ−ゼル機関の排気煤塵やNOx問題は200年経った今日でも解決できないのです。
【0009】
特にディ−ゼル機関は高温の燃焼室内に噴射される液滴燃料群は高温に触れる外側から燃焼反応が開始され炎に包まれる内部の燃料粒子は当然に燻蒸燃焼となり液滴粒子に応じた炭化煤塵が物理的に構成されるのであり更に多噴孔ホ−ルノズルよりの燃料噴流群を近接したピストン燃焼容積部内に直噴する方式では先行噴射燃料群の圧縮着火燃焼で酸素の減じた高温雰囲気内に後続の燃料群が突入するホ−ルノズルの特性で後続燃料群は酸素不足の燃焼となり炭化煤塵生成因は更に増大する事になる。
【0010】
この特性を改善するには多噴孔よりの各噴流の重合を避ける為に強い空気流動作用や大量の空気が必要となり多噴孔噴流の多端域同時到達と同時反応による急激な燃焼温度や圧力上昇率によるNOxの発生をも抑制しなければなりません。またピストン燃焼容積部が受ける高い熱負荷問題にも対処する必要があり大量の空気とその流動条件の構成やそれに要する大きな動力損失が熱効率の向上を阻害しているのです。
【0011】
この不合理な燃焼サイクルで一旦生成された炭化煤塵やNOxは触媒やトラップによる後処理に依存する必要があり現在の内燃機関燃焼技術は未だ発展途上の技術であり改善すべき問題を多く有しているのです。
【0012】
本技術の発明者等は内燃機関の燃焼技術の基本に関し独創的思考と燃焼の実験により主にドイツで開発され世界各国がエンジン燃焼技術の基本としているガソリン機関のEFI方式や直噴ディ−ゼル燃焼方式の欠点や問題点の改善や解決技術に取り組みその具体的方法を示してきた。本発明はそれらの更なる改善技術を提示す事にある。
【参考文献】
【0013】
1−1979年 SAE 790501
2−1987年 SAE 871689
3−1988年 SAE 881241
4−1990年 SAE 900608
5−1991年 SAE 911769
6−1992年 SAE 921645
7−1994年 SAE 940667
8−1995年 CIMAC 1995
9−1996年 SAE 961159
【特許出願文献】
特願2010−123488
特願2010−247883
特願2010−294868
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ヨ−ロッパ哲学で開花した内燃機関と燃焼技術はガソリンEFI方式がドイツVW社で開発され燃料の混合気化性と多気筒機関への燃料配分性を改善したボッシュ社の電子噴射制御技術とで改善されたEFI方式が世界の自動車企業に高く評価されましたそして自動車用機関に採用されて以来50年間世界各国で普及し使用されています。
【0015】
このEFI方式はエンジンの吸気内に燃料を噴射し燃料と吸入空気との混合気化条件をピストンの吸気行程と圧縮との時間利用で促進し液滴燃料群の気化ガス化を図る事で炭化煤塵の生成を抑制しNOxの処理に必要な触媒部の汚染も少なく三元触媒の使用による排気低公害化に有利な特性が燃費よりも高く評価されてきたのです。
【0016】
しかし欠点は吸気路内に噴射される燃料が気筒の端域まで混合気として到達する事にあり、この端混合気がピストン上死点での点火による燃焼膨張圧力で燃焼室圧力が高まると端域混合気が自着火するエンドガスノッキング現象が生成される事です。この現象は圧縮比を高める程に発生頻度が高くなり機関の破損因ともなる事から抑制する必要がありEFI方式はディ−ゼルほどの高い圧縮比が採用出来なく低負荷時や無負荷時にも吸気を絞る必要性からガソリン機関の燃費や熱効率は特に悪いのです。
【0017】
また直噴ディ−ゼル燃焼方式でも多噴孔ホ−ルノズルの前後燃料群の同一飛翔噴流特性とピストン燃焼室内壁部とノズル噴孔が近い事で噴射液滴燃料と空気の混合や気化条件を構成するには物理的にも時間的にも無理があり圧縮熱雰囲気においての液滴燃焼では必然的に液滴の内部に燻蒸燃焼因が生じ炭化煤塵が生成されるのです。
【0018】
また先行的に噴射された燃料の反応により開始された燃焼熱雰囲気中に後続の燃料群が重合的に突入する事で後続燃料は空気の不充分な熱雰囲気燃焼となり、ピストン容積部内の噴流到達域も過濃な燃料域となり炭化煤塵発生因が増える事になるのです。
【0019】
この様に液滴燃料の完全燃焼化を図るには多量の空気とスワ−ル等の空気流動条件が不可欠となりこの空気供給仕事に要する過給タ−ビンやスワ−ル生成技術も容易でなく多大なエネルギ−が必要となるのです。また燃焼サイクルにおいて一旦生成された炭化煤塵を排気行程で燃焼させるには再燃焼に要する大きな熱エネルギ−や触媒技術を必要とし機関の熱負荷や動力負担も増加し熱効率を損ずることになるのです。
このためPM炭化煤塵やNOxの低減には排気の後処理技術が必要とされています。
【0020】
この課題の解決策として燃料噴射圧力を200MP以上にまでに高めて液滴燃料の微粒化を図る方法が世界各国において100年以上も続けられていますがこの方法では炭化煤塵もPM2.5と微粒化し生物や妊婦の胎児にまでに影響を及ぼす事が判明し超高圧噴射技術でも微粒煤塵を後処理する触媒やトラップ技術が必要となり直噴ディ−ゼル燃焼機関は次第に複雑高価となり熱効率向上目的も低迷の状態にあります。
【0021】
現直噴ディ−ゼル燃焼方式が基本としている多噴孔ホ−ルノズルとピストン燃焼容積部との整合による燃焼方式は大径ピストン容積部内の圧縮熱雰囲気中に燃料を多噴孔で広角に拡散し得るホ−ルノズルの指向性・慣到性・拡散性・微粒化性を利用した当時の技術者により考案された燃料噴射燃焼技術であり、騒音や排気煤塵やNOxの規制もなく燃費を重視した低回転大型機関の競合時代に構成された技術であります。この燃焼方式がディ−ゼル燃焼方式の基本技術として今日でも継承されているのです。
【0022】
当時の回転数が低い大型機関での燃焼技術で今日の自動車機関が求める高速回転や高出力に加え排気の低公害性や機関の軽量性を求めるには先ず内燃機関の基本である燃焼条件の高速化を図りうる新燃焼技術の開発と問題点の解明が必要なのであります。
【0023】
直噴内燃機関の燃焼に用いる燃料噴射部品は噴射燃料の圧力を高めるポンプ装置と液体燃料を微粒化して燃焼室や給気内に噴射するノズル部と燃料噴射の量や噴射の始や終わりを制御しうる燃料制御部により構成されておりますが、より重要な事は液滴燃料粒子は大小に関わらず着火しうる熱雰囲気に於いては熱に触れる外側から燃焼が開始される自然法則・物理の原則を重視する事が問題の改善に不可欠なのであります。
【0024】
液滴燃料は熱に触る外側から燃え始めその内部は燻蒸燃焼となり必然的に煤塵が生成される事になります。また空気不足の雰囲気に於いても必然的に煤が生成される事になります。しかしこの基本原理も超高圧とノズル噴孔の微細化により液滴の微粒化を図れば解決できると考えた学識や技術者の自然法則を軽視した驕りが現在の圧縮熱雰囲気中に液滴燃料を噴射するディ−ゼル燃焼方式を是認し超高圧や分割噴射に頼りたる事が今日の結果でありPM炭化煤塵の解決を200年も遅らせているのです。
【0025】
本発明はヨ−ロッパで発明されて以来先進的に改善されてきたガソリン機関やディ−ゼルと呼ばれる圧縮着火燃焼機関が燃焼方式の基本としている技術の構成に必要な主な機関部分や部品の要素や部品の整合作用に関する既成概念並びに既存技術を多角度的に解析しその基本的問題点を改善する事により内燃機関の更なる省エネ・低公害化を図り得る内燃機関と新燃焼技術の提示を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明はガソリン機関については近40年間最良の燃焼方式として世界を制してき電子制御燃料噴射燃焼方式「EFI」の欠点であるエンドガスノッキング現象の発生因を新たに燃焼容積部と燃料直噴複合ノズル技術との整合によって解決し、エンドガスに因るノッキングを抑制して高圧縮比の採用を可能とした給気燃焼方式の構成と吸気絞り損失を軽減しうる燃焼手段との相乗効果により火花点火方式内燃機関の省エネと低公害化を両立させる技術の基本構成手段を具体的に提示する事にある。
【0027】
この基本構成は先ず噴射燃料群と気筒内空気との混合気化条件を促進する手段として燃焼容積部を円錐筒状としてシリンダ−ヘッド部の略中心域に構成し、その上部に燃料噴射方向を下方向のピストン面に指向的に設けた噴射ノズルよりの狭角噴霧や狭角環状噴霧を複合的に噴射する燃料噴射ノズルを位置付けた構成にある。この様な燃焼容積部構造と燃料噴射ノズルとの整合によればピストン下死点位置においても燃料群を指向したピストン面に向かい噴射飛翔させる事で燃料飛翔の時間と距離延伸による燃料群と空気との衝突や接触作用の促進向上により燃料と空気との気化混合条件目的が進行する事になる。
【0028】
ノズルより噴射されピストン面方向に指向された燃料群は気筒壁方向に飛撤して潤滑作用を損なう事なく、かつ端域に燃料を配達しないので圧縮比を高めてもエンドガスノッキングが発生しなく直噴燃料群の早期噴射による燃料予混合気化条件の構成が合理的に実現される。この作用はガソリン機関のみならず多種のガス燃料の燃焼方式が求めている燃料群と空気との混合気化条件の構成に不可欠な基本技術である。
【0029】
特に燃料群の早期噴射によればノズル噴孔とピストン内部との距離が離れる事で圧縮行程における燃料群と空気との往復動との時間と熱交換作用で空気との混合気化条件が更に促進される事になり液滴燃料群の微粒気化作用が進行してピストン上死点における混合気はガス化される事になり煤塵発生因は抜本的に改善されるのでの煤の発生による燃焼室や点火栓部やノズル噴孔部のカ−ボン汚染問題が改善される。
【0030】
更に圧縮上死点における混合気群の点火起点を可及的に燃焼容積部中心域とすれば火炎伝播や拡散火炎の広がりが均等化され燃焼期間の短縮により熱損失が低減される。
また従来から問題視されているピストン燃焼容積部の過大な熱負荷もヘッド部の燃焼容積部が熱を分担して軽減する手段とその効果も本燃焼方式の特徴である。
【0031】
本発明の燃焼方式に用いる燃料噴射ノズルはピストン面に指向噴射性を有する複数ホ−ル噴孔やピン型ノズルのピン噴孔部周域に複数のホ−ル噴孔を有する複合噴射ノズル構造であり指向性を有する狭角環状噴流群の霧化を特性とし複数の狭角細ホ−ルノズル噴孔からの狭角噴霧流による合成的噴射噴霧群やホ−ル噴霧群のみの噴射や開閉作用をピン部の芯弁リフトの可変制御により実施する手段を特徴としている。
【0032】
このノズルは従来の多噴孔ホ−ルノズルとは異なりホ−ル噴孔の内部加工が容易である事に加えてサックレス構造である事から噴射燃料の後だれも減じPM排出因は確実に改善される事になる。
【0033】
従来の多噴孔ホ−ルノズルによる直噴ディ−ゼル燃焼方式は燃焼容積部と燃料広角噴射ノズルとの組み合わせによる液滴燃料群の燃焼方式でありピストン上死点以外での早期な燃料噴射による燃料群と空気との予混合気化方法の構成は拡散燃料群が燃焼容積部を外れるので成り立たない。従って液滴燃料群の予混合化を図るには別の方法手段を用いる必要があり構成が更に複雑化する事になる。
また超高圧や分割噴射などにより微粒化した燃料群を熱雰囲気中に噴射しても熱に接触する外側から燃焼が開始される物理の原則は変らず、この様な燃焼方式で省エネ・低公害化の目的を達成しようとしてきた事が不合理で基本的な錯誤なのである。
【0034】
従来のディ−ゼル技術者等は液滴燃料粒子を微粒化しても噴射される高温熱雰囲気では熱に触れる外側から燃え始め粒子内部は必然的に燻蒸燃焼による微小炭化煤塵が生成される物理の原則は微粒化しても不回避なことを200年経った今になりようやく納得した事から今後のディ−ゼル技術は改善が期待できると思われます。しかし現在の直噴燃焼技術が燃焼の基本としている多噴孔ホ−ルノズルとピストン燃焼容積部との組み合わせによる直噴圧縮着火燃焼方式は200年来の結果が示す如く既に過去の技術であり内燃機関の燃焼技術は新しい時代を迎えるべく変革の時にあるのです。
【0035】
また可燃混合気群の端域を燃焼反応の起点とするよりも中心域部を起点とした火炎伝播や拡散燃焼方式が燃焼反応の均等的短縮や熱効率に有利な事も物理的には理解できる事ですが中心域に放電電極部を構成しうる技術は困難視され既成点火栓技術に頼るエンジン技術者にこの問題の早期改善も期待する事にも時間を要すると思われます。
【0036】
発明者はこの問題の解決手段として、可動するピストン面の中心域に放電電極部を構成しピストン上死点前後における狭い範囲での適正な点火や着火タイミングを制御し得る点火条件の構成をピストンの分割形成手段や加工技術で構成し得る事の可能なことを確認しております。従い噴射燃料群の予混合気化条件と制御点火着火条件との整合による新燃焼方式の構成やその利点や作用効果とその手段を提示いたします。
【0037】
さらに従来の多噴孔ノズルとピストン燃焼室との組み合わせによる燃焼方式で多発するNOxの低減についても燃料群の予混合気化促進と燃焼容積部の中心域を燃焼反応の起点とする合理的燃焼制御点火着火方法で改善し得る手段の提示をも目的とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明になる内燃機関とその燃焼技術は先ず請求項1に記載の如く円錐筒状燃焼室とその上部に設けた直噴用狭角複合噴射ノズルとの整合により燃料燃焼条件構成の前提である燃料群と気筒内空気との混合気化作用を合理的に促進する手段をノズル噴射技術とヘッド部に構成した燃焼容積部との整合により燃料群の飛翔距離を延伸して空気との衝突や接触混合作用で燃料液滴の気化混合を図り燃料の気化ガス化燃焼でPM炭化煤塵の生成因を排除する省エネ・低公害機関の基本技術を構成した事にある。
【0039】
更に噴射燃料群の指向性とノズルの複合噴射特性とにより燃料混合気群を気筒壁や端域への拡散を抑制する事でガソリン機関やガス機関の欠点とされていたエンドガスノッキング現象の生成因を解決し高圧縮比の採用を可能として火花点火方式内燃機関や多種燃料機関やガス燃料機関の省エネ低公害化燃焼技術の資質を高めた事にある。
【0040】
また圧縮着火燃焼方式においても未だに解決できないPM炭化煤塵とNOx問題を円錐筒状燃焼容積部と複合燃料噴射ノズルとの整合や燃料群の早期噴射や分割噴射技術による液滴燃料の予混合気化促進作用により燃料の微粒化気化ガス化を図る事で燃焼反応に伴い生成される炭化煤塵問題を抜本的に改善し、従来の多噴孔ホ−ルノズルとピストン燃焼容積部方式での多端域同時反応による急激な圧力上昇率と温度によるNOxの生成因をもEGR技術により抑制した燃焼技術の構成とその効果にある。
【0041】
また圧縮された上死点近傍の燃焼容積部の中心部に放電極部を位置付けしピストン上死点やその前後の最適な点火着火条件を制御点火方式により構成し火炎伝播や拡散火炎の均等化と燃焼期間の短縮や燃焼圧力上昇率の制御を図り、適正な燃焼反応時期の点火制御技術により燃焼反応により生成されるPM炭化煤塵やNOxの生成因である燃焼や温度条件を制御する事で高オクタン価燃料の高圧縮比燃焼を具現化し熱効率の向上と同時に排気の低公害化を達成しうる新燃焼技術の構成とその効果にある。
更に燃料供給手段に既存の低圧EFI技術を用い、このEFI技術とピストン中心域点火方式による省エネ・低公害新燃焼技術手段の効果開示にある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】機関斜視回路構成説明図
【図2】噴射噴霧形態図
【図3】複合ノズル構成図
【図4】複合噴射ノズルの一部拡大図
【図5】合成噴霧図
【図6】層状噴霧図
【図7】ピストン電極構成図
【図8】電極回路構成図
【図9】EFI方式構成説明図
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明を実施するための形態について、図1〜9を用いて説明する。本発明の内燃機関の制御点火方式や複合噴射ノズル技術は機関本体1、気筒部2、気筒ヘッド部3、吸気路4、排気路5、ピストン6、燃料噴射部7、燃料電子制御部8、点火着火用電極部9、狭角複合噴射ノズル10、円錐筒状燃焼容積部11、ピストン容積部12、放電制御部13、主制御部14、放電絶縁回路部15、高電圧発生部16、等を有する。
【0044】
図1に示すが如く本発明は気筒ヘッド部3の略中心域に円錐筒状燃焼容積部11を有しその上部に狭角複合噴射ノズル10による燃料噴流群をピストン6の容積部12方向に指向的に噴射すべくに位置付けし、ピストン容積部12の略中心域には点火着火用電極部9を設けている。
【0045】
狭角複合噴射ノズル10より噴射される燃料群は燃料電子制御部8によりノズル開閉や噴射の時期や噴射量等を主制御部14の指示により実行すべくノズル芯弁bを電磁的または機械的作動により制御し、機関の高負荷時には図2のAに示す如くの噴射形態に複合噴射し、機関の軽負荷時やアイドリング時にはBの如くに芯弁リフトの制御により噴霧パタ−ンの可変や小噴孔群噴射の分割噴射等で調整する構成である。
【0046】
図3の如き構造の狭角複合噴射ノズル10の制御燃料噴射方法は燃料の早期噴射による燃料群の飛翔延伸により空気との衝突や接触や熱交換条件が促進されることで液滴燃料の微粒化や空気との混合気化条件が飛躍的に改善され液滴燃焼による炭化煤塵問題が改善されるので燃焼容積部や点火栓部やノズル噴孔部のカ−ボン汚染問題が改善される事になる。
【0047】
燃料狭角複合噴射ノズル10は拡大図4の如くに噴射指向ノズル面aの中心域にピン状の芯弁部bを有しピン用中心噴孔cの周域に複数の小径ホ−ル噴孔部dを有する構造であり複数噴孔dにより構成されるこれら各噴孔の開閉作用は芯弁部bの可動による芯弁テ−パ−部eにより行い、リフトを制御しうる芯弁bの電磁コイル32または機械制御カム33により開閉時期や期間や噴射量が負荷や回転センサ等の感知を主制御部14により演算しその指示値が燃料電子制御部8で実行される仕組みである。
【0048】
そのため機関の高負荷時に於いては芯弁リフトと開弁期間を大とし図5の如くにピン孔部の狭角環状噴霧群と小ホ−ル噴孔よりの合成噴霧群による早期噴射で燃料群の予混合気化条件が促進される事になり、機関の軽負荷時や層状燃焼時に於いては開弁リフトの制御により小ホ−ル噴孔よりの噴射を主とした噴霧パタ−ンの構成により図6の様に層状給気燃焼条件の構成に有利な燃料噴射条件が空気を絞る事なく構成される。
【0049】
本狭角複合噴射ノズルは噴流指向性とピン孔部や小ホ−ル噴孔の内部よりの加工もfやgの如くに可能であり燃料噴孔溜り部のないサックレス構造により燃料後だれに因るPM排出問題も減じ噴霧パタ−ンを多様化させる特性を有している。
【0050】
本発明は直噴複合燃料噴射ノズル10による燃料噴射技術と円錐筒状燃焼容積部11技術との整合により早期噴射を含めた新しい燃焼方式を既存の火花点火方式機関や空気圧縮による高温熱雰囲気中に液滴燃料を拡散噴射して燃焼を図る既存の直噴ディ−ゼル燃焼方式が多量の空気仕事を使用しても解決し難い炭化煤塵問題を空気流動仕事に依存する事少なく噴射燃料エネルギ−の利用による空気巻き込み条件を促進する事で混合気化ガス化作用を合理的に達成している。
【0051】
従来のピストン圧縮により構成した高熱雰囲気中に燃料噴射律則により液滴燃料を多噴孔ホ−ルノズルのパイロット的分割噴射で燃焼雰囲気温度を更に高めて後続燃料群の着火燃焼条件を促進し、ピストン燃焼室内の過濃燃料域の燃焼に必要な大量の空気や空気流動条件の構成に排気タ−ビン技術を必要とし更に限界的な超高圧噴射により液滴燃料群の微粒化を計る方法では超高圧噴流に耐えるべくアルミピストンを鋳鋼製とする燃焼方法はキャビティ内での燃焼促進に不可欠な空気流動条件を構成する副室や渦流室を必要とし動力損失や熱効率に不利な過去の燃焼に類した方法と言えます。
【0052】
この様な物理の法則を無視した内燃機関の燃焼方法では機関や部品の剛性を高める事で過給によるダウンサイジング効果はあるも高圧縮比による熱効率の向上も発明以来解決できないPM炭化煤塵やNOx問題も大量の空気動力問題と機関コストや価格などの問題と共に解決する事はできません。
【0053】
本発明は内燃機関の制御点火着火条件の構成に関しても新技術を提示している。
本技術は燃焼容積部内の可燃混合気群に対し従来の点火栓による端域着火方式よりも図7の如くに焼容積部の中心域での点火や着火条件とすべくに燃焼容積部中心域を燃焼反応の起点と36とする燃焼方式が火炎伝播や拡散燃焼の燃焼均等化と燃焼反応期間の短縮に有利である事は物理的にも理解出来る事である。
【0054】
然しこの様な燃焼室中心域での放電点火や着火方式を可能とする放電点火技術の実用化は未だ世界には例がない。本燃焼技術の発明者等はこの問題に対しても図8の如くピストンを分割構造や加工で内部に絶縁放電回路15を構成する事でピストン面の中心域に放電極部13を位置付けし、主制御部14による指示で制御放電点火を可能とする回路をピストン内の中心域に図の如く絶縁的に回路を構成し近接通電方法37とすれば当然に燃焼室中心域を燃焼反応起点とする放電点火が構成され層状燃焼条件やエンドガスノッキングの抑制による高圧縮比燃焼効果で内燃機関の性能向上目的が達成される事となり地球環境改善目的と資源保護の究極的目的にも近づくことが出来ます。
【0055】
この様な新燃焼方式や新部品技術は何れもが既成技術の生産や改善で成長してきた企業なら可能な技術であり重要な事であります、この様な新燃焼技術開発のマンネリ化や利益を優先し新技術の開発に注力しない企業の自我は今日ではもう許されません。
内燃機関の好ましい性能は使用する広い負荷範囲において出力に見合う経済的燃費性と騒音が少なく排気が低公害性である性能に加え出力当り重量が軽く低価格である事が重要であり世界のどの国でも生産できる合理的技術でなければなりません。
【0056】
従ってガソリン機関やガス機関のミキサ−やEFI方式では改善困難とされていた燃費と排気問題が本燃焼方式によれば燃費も排気問題も飛躍的に改善されることになる。
このため高い圧縮比で安全性の高い軽油を燃料とした圧縮着火燃焼方式を魅力とした直噴ディ−ゼル機関の熱効率も排気炭化煤塵も超高圧噴射技術や過度な過給タ−ボ技術による複雑性や重さや排気後処理に要する装置費用とによる高価格化等が新しい燃焼技術によるガソリン機関やガス燃料機関と較べれば総てが不利な事になります。
【0057】
発明当時から欠点として問題視されているディ−ゼル方式の排気中の炭化煤塵問題が今日の燃焼技術によっても解決出来ない原因は燃焼の基本にある物理の原理を軽視して液滴の微粒化による解決を期待し電子制御や分割噴射に頼りたる直噴ディ−ゼル燃焼方式が企業を惑わし、結果的に熱効率向上の目的も達しえなく近50年間でも膨大な燃料の消費で地球環境と大気汚染を拡大してきたディ−ゼルや火花点火内燃機関方式は地球資源の保全や環境改善に資する事なく動力を必要とする人間の欲と企業利益のために改善の機会を遅らせた事は内燃機関技術の教導層の不在が原因です。
【0058】
内燃機関の燃焼技術は実験を重ね追究しない限り答えの見えない問題が多く燃焼反応前提の燃料と空気との物理的整合条件の多様な事からもこれらの問題を究めた人間は未だ世界に居ないのです。従って今後は更なる人間の知恵と努力により内燃機関技術は進歩続けると確信しております。
【0059】
本発明は各技術ともに先人の開発した技術を参考として改造しえる技術であり既存の工作機器で製造可能なことが特徴でもある。例えば最も実用化困難と見られるピストン中心電極方式もアルミ系ピストンの分割やセラミックス材料での分割構造で内部に通電絶縁回路を構成し一体的に鋳造する方法などの工夫によれば可能な事などがその1例として挙げられる。
【0060】
また別の例としては既存のEFI技術や加工容易な技術の利用により図9に示す如くの改善設計によれば既存のEFI方式の長所を活用した燃焼方式がピストンや点火栓企業の協力によれば早期に具現化され地球環境の改善と熱資源の保全改善に資する資源小国の我が日本の先進エンジン技術を世界に示し国益を図ることが出来ます。
【0061】
図9の構成例では既存のEFIや動弁技術を活用して燃料オクタン価の高いガソリンやガス燃料の揮発性を利用した新燃焼条件の構成を主燃焼容積室上部の主吸気弁座を経した既存のEFI方式で主燃焼容積部内に求心的に混合気群を供給する手段とし、気筒壁に近い副吸気弁での空気を気筒壁面への供給流れとして空気層を形成する層状の流れ形態にする事で気筒壁面や端域に混合気が到達する事を抑制し端域ガスに因るエンドガスノッキング現象の発生を排除した高圧縮比化燃焼条件の構成が既存のEFI方式で容易に具現化する事が出来ます。
【0062】
この様な混合気給気条件と主燃焼容積部のピストン上死点での容積部中心域制御点火手段によれば点火部を燃焼反応の起点とした火炎伝播燃焼により燃焼容積部の燃焼均等化と燃焼期間の短縮効果により熱効率が向上し炭化煤塵は生成されなく希薄燃焼やEGRによるNOxの生成因も燃焼温度の制御効果により改善される事になる。
このエンジン燃焼方式の実用化には高度な電子制御技術の開発や設備投資を必要としなくピストン電極方式なども既存技術により世界のどのエンジン企業でも実用化が可能な燃焼技術である。
【0063】
本内燃機関の燃料気化混合方式並びに燃焼容積部中心域を燃焼反応の起点とする制御点火燃焼方式は石油系燃料の他に多様な液体燃料や次世代燃料として期待されるガス燃料の利用が拡大される事から将来的な熱エネルギ−問題が大きく担保される事になる。従って危険な核熱エネルギ−の利用技術より優先してガス燃料動力機関の普及を図り特に自動車機関として多用されているガソリン機関の高熱効率化や低公害化を図ることに知恵を使うことが先決に思えます。今後本内燃機関燃焼技術が更に改善され求める技術が容易に安価に構成される効果は地球資源の保護と環境の改善に資する事大であり燃料資源を輸入に頼る国々や人類の喜びでもある。
【符号の説明】
【0064】
1 機関本体
2 気筒部
3 気筒ヘッド部
4 吸気路
5 排気路
6 ピストン
7 燃料噴射部
8 燃料電子制御部
9 点火着火用電極部
10 狭角複合噴射ノズル
11 円錐筒状燃焼容積部
12 ピストン容積部
13 放電制御部
14 主制御部
15 放電絶縁回路部
16 高電圧発生部
17 aは複合ノズル面
18 bはピン状芯弁部
19 cはピン用中心噴孔
20 dは小径ホ−ル噴孔
21 eは開閉座部
22 矢印は空気やガスの流動を示す。
23 ピストン近接電気接点部
24 ピストン内絶縁回路
25 ピストン放電電極部
26 動弁リセス部
27 スキッシュ域
28 高電圧近接接触部
29 ノズル芯弁摺動部
30 燃料容積部
31 芯弁リフト制御カム
32 電磁コイル
33 カム装置
34 動弁カム
35 複吸気弁
36 燃焼反応の起点部
37 近接接地部
38 動弁制御部
39 EFI噴射弁
40 副吸気路
41 円筒主燃焼容積部
42 旋回翼付き吸気弁
43 リング状凸状部
44 火炎伝播の進行を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料直噴式ピストン内燃機関において、燃焼容積部内燃焼反応の前提である噴射燃料群と空気との気化混合条件の構成を重要視し、噴射燃料群の指向性と噴射燃料の飛翔距離延伸により空気との衝突接触での予混合気化条件を円錐筒状燃焼容積部と複合噴射ノズルとの整合技術により促進し、火花点火燃焼機関や圧縮着火機関の燃焼条件を円錐筒状燃焼容積部と燃料複合噴射技術と早期噴射と分割噴射手段との整合により構成する事を特徴とした内燃機関と予混合気化促進燃焼方法。
【請求項2】
噴射燃料群と燃焼室内空気との気化混合条件を促進した前記請求項1記載の内燃機関に於いて、ピストン上死点近傍における点火条件をピストン上面中心域に構成した電極部での制御点火条件とすべくにピストン上面中心域に放電極部を設け、ピストン内に絶縁通電回路を構成して燃焼容積部のピストン中心域を燃焼反応の起点とした火炎伝播や拡散火炎による燃焼条件の構成を特徴とした内燃機関の制御点火燃焼方式。
【請求項3】
請求項1・2記載の燃焼方式機関において、燃焼反応前提の燃料と空気との混合気化条件を構成するに必要な燃料噴射ノズルの噴孔部を複合噴孔構造とし、ノズル芯弁リフトの可変で燃料の制御と弁開閉を行なう構造とし、燃焼室燃焼雰囲気構成に必要な燃料噴射条件をヘッド部に設けた円錐筒状燃焼容積部とその上部に位置付けしたノズルの噴霧指向性と多ホ−ル孔やピン型ノズルとの複合噴射手段により多様化し、燃料噴霧パタ−ンの構成を負荷に応じて可変せしめる事を燃料の早期噴射や分割噴射制御手段との整合により構成する事によって液滴燃料や混合気群が気筒壁方向に飛散する事を抑制することで端域ガスに因るノッキングを排除して機関を高圧縮比化し、燃料噴流噴霧拡散エネルギ−により空気との混合に要する空気流動エネルギ−作用を代替する事とし燃料と空気との混合気化不足に因る熱雰囲気での未燃焼燃料によるPM炭化煤塵の生成問題を改善し、機関の高圧縮比化による直噴式内燃機関の省エネと排気の低公害化目的を特徴とした内燃機関と直噴複合ノズルによる混合気形成方法。
【請求項4】
請求項1・2記載の燃焼方式並びに燃焼技術の構成に効果的な燃料噴射用ノズルの狭角複合噴射ノズル方式並びに燃焼容積部のピストン面中心域を燃焼反応起点とする放電極部によりピストン上死点前後の圧縮雰囲気において任意なタイミングでの放電着火燃焼条件を制御構成する事により混合気群の層状給気燃焼を図り、燃料直噴機関の狭角複合噴射ノズルによる機関の高圧縮比化と多種燃料の燃焼に対応しうる内燃機関の制御点火燃焼方法。
【請求項5】
圧縮着火の困難なCNG・LNG・LPG等のガス燃料と空気との混合燃焼条件を直噴複合ノズルでのガス燃料噴射により端域拡散を抑制して高圧縮比化を可能とし、このガス混合気群を制御点火方式により燃焼室中心域よりの火炎伝播燃焼とする事とし、将来エネルギ−として期待されるガス燃料により内燃機関の高熱効率化燃焼と省エネ低公害化の課題を改善解決し得る高熱効率のガス燃料燃焼方式の構成により地球の環境改善と燃料資源の保全に資するガス燃料内燃機関とその燃焼方法。
【請求項6】
シリンダ−ヘッド部の略中心部に円筒状の主燃焼容積部を構成し、その上部に主吸気路と吸気旋回翼付き茸弁を配備して吸気路内に燃料電子噴射用ノズル部を突出るさせる事として吸気路内に揮発性液体燃料やガス燃料の制御噴射供給を可能としたEFI方式機関において、吸気行程における吸気弁の開口時中に低圧電子制御噴射方式により噴射する燃料を吸気弁座方向に噴射供給する事とし、吸気弁と弁座間より開弁時に円筒状燃焼容積部に流入する空気と燃料群との流れで弁座通過時の前後に燃料と空気とが混合され円筒状容積部内に流入する混合気群の流れ方向を主燃焼容積壁部のR部と容積壁部に設けた凸状リング部により偏向させて気筒中軸に向かい求心的な混合旋回流として燃焼容積部内に供給する手段とし、更に気筒壁に近い位置に構成した副吸気路と副吸気弁よりの空気流入方向を気筒壁に沿って流れるように展開して気筒壁近傍に空気層を展開すべくしこの空気中にEGR排気の混合を可能とする流路構成として主吸気混合気群との層状化を図る事によりエンドガスに因るノッキング現象を排除して機関の高圧縮比化を図ると共に排気ガスの低公割化目的を達成し得る内燃機関の構成を、ピストンの圧縮上死点での点火条件をピストン面中心域に構成した点火電極での制御点火手段により構成し燃焼容積部中心域を燃焼反応の起点とする合理的な燃焼条件の構成により高オクタンや高発熱量のガスやガソリン機関の高圧縮比化燃焼条件を具現化し、内燃機関の省エネ・低公害化の目的を既存のEFI技術や工作加工技術で達成しうる事を特徴とした多種燃料火花点火燃焼内燃機関と燃焼方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−11265(P2013−11265A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156111(P2011−156111)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000152837)株式会社日本クリンエンジン研究所 (12)
【Fターム(参考)】