燃料電池自動車
【課題】 室内スペースを確保しつつ、限られた床下スペースの中で、燃料電池を冷却するための冷却水配管と冷却システム構成部品の配置、加えてその他の水素や酸素などの流体の配管や部品の配置、燃料電池の流体出入口位置の改善により、冷却水の空気抜き性能の向上と部品配管のスペース低減を実現する。
【解決手段】 車両2の前方に配置したラジエータ4と、フロアパネル3の下に配置した燃料電池1との間を接続する冷却水配管5A、5Bを、前記床下スペース内で車両左右方向の略中央部かつ床下パネルの上部に配置すると共に、床下スペース内では冷却水配管5A、5Bを略水平に配置し、他の部分では冷却水配管5A、5Bをラジエータ4に向かって上り勾配で配置させた。
【解決手段】 車両2の前方に配置したラジエータ4と、フロアパネル3の下に配置した燃料電池1との間を接続する冷却水配管5A、5Bを、前記床下スペース内で車両左右方向の略中央部かつ床下パネルの上部に配置すると共に、床下スペース内では冷却水配管5A、5Bを略水平に配置し、他の部分では冷却水配管5A、5Bをラジエータ4に向かって上り勾配で配置させた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両の床下に燃料電池を搭載した燃料電池自動車に関し、詳細には、燃料電池を冷却する部品や燃料供給部品などを床下スペース内に効率良く配置するためのレイアウト技術に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムにおいては、燃料電池(燃料電池スタック)の発電と同時に発熱を伴うことからこの発熱を放熱させるために冷却水を用い、ラジエータなどの熱交換器で冷却するのが一般的である。
【0003】
燃料電池を車両の床下に搭載する場合には、車両前方に設置されるラジエータと床下の燃料電池間で冷却水を循環させることが必要となる。
【0004】
しかしながら、室内スペースを極力広く確保するためには、フロアパネルの高さをできるだけ下げることが望ましいが、冷却水配管やそれらに関する部品、またその他の流体(水素及び酸素などの燃料や酸化剤)の供給部品なども含めて床下での部品搭載スペースの確保およびレイアウトは容易ではない。
【0005】
さらに、ラジエータなどへの冷却水の注水時および運転中に配管内に溜まる空気溜まりを低減する必要があるが、これを含め、室内スペース確保と配管や部品のレイアウトを両立させることは、いっそう容易ではない。
【0006】
そこで、これらの課題を解決すべく、車両の床下に燃料電池を搭載した燃料電池搭載型電気自動車が従来より提案されている(例えば、特許文献1など参照)。かかる燃料電池搭載型電気自動車は、床下に燃料電池システムボックスを設け、そのボックス内に燃料電池、温度調整装置、加湿装置などを纏めて収納させることで、車室及び荷室空間を充分に確保することを目的としている。
【特許文献1】特開2003−182379号公報(第5頁及び第6頁、第1図及び第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記特許文献1に記載の燃料電池搭載型電気自動車は、床下スペース全体が高さをもっており、従来の内燃機関の車両と比べると、室内全域の床面を押し上げることになっている。そのため、この燃料電池搭載型電気自動車では、室内スペースが狭められ、充分な居住空間及び荷室空間を確保できない。
【0008】
そこで、本発明は、室内スペースを確保しつつ、限られた床下スペースの中で、燃料電池を冷却するための冷却水配管と冷却システム構成部品の配置、加えてその他の水素や酸素などの流体の配管や部品の配置、燃料電池の流体出入口位置の改善により、冷却水の空気抜き性能の向上と部品配管のスペース低減を狙うものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、車両の床下に燃料電池を搭載し、この燃料電池を冷却水にて温度調整する冷却システムを有し、該冷却システムの構成部品のうち少なくとも一つを車両の前方に配置してなる燃料電池自動車である。
【0010】
そして、この燃料電池自動車では、車両の前方に配置した冷却システム構成部品と燃料電池間を接続する冷却水配管を、床下スペース内で車両左右方向の略中央部かつ床下パネルの上部に配置すると共に、床下スペース内では冷却水配管を略水平に配置し、他の部分では冷却水配管を前記冷却システム構成部品に向かって上り勾配で配置させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の燃料電池自動車によれば、燃料電池と車両前方に配置した冷却システム構成部品とを接続する冷却水配管を、短距離かつ下り坂無く略水平または上り勾配で配置できるので、注水時の空気溜まりや運転中に流れ込んだ空気の滞留を防止でき、冷却性能の低下防止と温度制御性の向上が期待できる。
【0012】
また、本発明の燃料電池自動車によれば、冷却水配管の余計なアップダウン及び左右への蛇行が無いことから、当該冷却水配管の配管長さを最小限にすることができ、その結果、質量とスペースの低減を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
「第1の実施の形態」
図1は第1の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品などの高さ位置関係を示す模式図、図2は図1の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品の床下レイアウトを示す平面図、図3は図1の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水配管との接続位置を示す要部拡大斜視図である。
【0015】
第1の実施の形態の燃料電池自動車は、図1から図3に示すように、燃料電池システムの主要構成部品である燃料電池(燃料電池スタック)1と、この燃料電池1で発電したエネルギーで駆動するモータと、発電時に燃料電池に生じる熱を放熱して温度調整するための冷却システムとを有する。
【0016】
この燃料電池自動車においては、燃料電池1を車両2の床下であるフロアパネル3の下に搭載(配置)し、さらに、この燃料電池1を冷却水にて温度調整する冷却システム構成部品の一つであるラジエータ4を、前記車両2の前方(モータルーム)に配置させている。なお、図1及び図2の燃料電池前方の矩形状空間は、空気加湿装置や空気調圧弁などの空気系部品及び水素循環装置や水素調圧弁などの水素系部品などが配置される床下燃料電池システムエリア6とされている。
【0017】
そして、本実施の形態の燃料電池自動車では、車両2の前方に配置させたラジエータ4と燃料電池1間を接続する冷却水配管5A、5Bを、床下スペース内で車両左右方向(図2中矢印Xで示す車幅方向)の略中央部かつフロアパネル3の上部に配置させている。
【0018】
これら冷却水配管5A、5Bは、何れも床下スペース内では略水平に配置され、他の部分であるモータルーム内ではラジエータ4に向かって上り勾配で配置されている。冷却水は、ラジエータ4から一方の冷却水配管5Aを通って燃料電池1へと流れ、この燃料電池1を冷却した後、他方の冷却水配管5Bを通ってラジエータ4へと戻る。
【0019】
前記したように冷却水配管5A、5Bを配置すれば、燃料電池1から車両2の前方に配置したラジエータ4への冷却水配管5A、5Bを、短距離かつ下り坂無く水平または上り勾配で配置できるので、注水時の空気溜まりや運転中に流れ込んだ空気の滞留を防止でき、冷却性能の低下防止と温度制御性の向上が期待できる。
【0020】
燃料電池1とラジエータ4間を繋ぐ冷却水配管5A、5Bの一部に下り勾配があると、燃料電池1からラジエータ4方向へ向かって気泡の流れが滞る可能性があり、床下配管内に空気溜まりが生じ易くなり、ラジエータ4への液体注入時に残留する空気や燃料電池システム運転中に発生する気泡などが冷却水配管5A、5B内に溜まり、冷却性能の低下と温度制御性の低下をもたらす。また、冷却水ポンプが溜まった空気を吸うと、又は冷却水ポンプ内に空気が存在すると、吸い上げる冷却水流量が低減し、冷却性能や制御性能が低下する。また、燃料電池1の温度を検知する温度センサの検知部が冷却水に浸からなくなると、温度制御性が悪化する。
【0021】
また、本実施の形態によれば、冷却水配管5A、5Bを車両2の中央部に配置して該冷却水配管5A、5Bの余計なアップダウン及び左右への蛇行が無いことから、当該冷却水配管5A、5Bの配管長さを最小限にすることができ、その結果、質量とスペースの低減を実現することができる。
【0022】
「第2の実施の形態」
図4は第2の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品などの高さ位置関係を示す模式図、図5は図4の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水配管との接続位置を示す要部拡大斜視図である。
【0023】
第2の実施の形態は、図4及び図5に示すように、第1の実施の形態の構成に加えて、フロアパネル3の略中央部を車室側へ盛り上げた部分であるセンタートンネル部7内に、冷却水配管5A、5Bを配置させている。つまり、床下スペース内の冷却水配管5A、5Bが配置される部分のフロアパネル3の高さに高低差を付け、センター部分のみを高くし、そのセンター部分の両側部分をこれよりも低くして、その高さの高いセンタートンネル部7内に冷却水配管5A、5Bを配置させている。
【0024】
本実施の形態によれば、フロアパネル3に高低差を付けたセンタートンネル部7内に冷却水配管5A、5Bを配置させているので、該センタートンネル部7以外の部分のフロアパネル3の高さを下げることができる。その結果、フロアパネル3の高さを低くした分、居住空間を広くすることができる。
【0025】
「第3の実施の形態」
図6は第3の実施の形態の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水部品との接続位置関係を示す要部拡大斜視図である。
【0026】
第3の実施の形態は、図6に示すように、第1及び第2の実施の形態の構成に加えて、ポンプ、フィルタ、バルブなどの冷却水供給用の冷却水部品8を、センタートンネル部7内に集中して配置させている。そして、燃料電池1に接続された冷却水配管5A、5Bを、前記冷却水部品8にそれぞれ接続させている。
【0027】
このような構成とすれば、センタートンネル部7内に冷却水部品8を集中して配置することで、各部品間を接続する配管数や配管長さを低減させることができる。また、集中モジュール内での流路の上下により空気抜き配管が必要となる場合でも、センタートンネル部7内の空間を利用することで、ラジエータ4または空気抜きタンクまでの空気抜き配管の配置が分散することなく簡素化できる。
【0028】
「第4の実施の形態」
図7は第4の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池と冷却水部品との接続高さ位置関係を示す模式図である。
【0029】
第4の実施の形態は、図7に示すように、燃料電池1に形成された冷却水出入口9A、9Bを、該燃料電池1の前方かつ略中央上部であって、前記床下スペース内に設けられた冷却水配管5A、5Bと同等の高さかそれ以下の位置に設けている。
【0030】
本実施の形態によれば、燃料電池1の冷却水出入口9A、9Bを、車両左右方向中央部で上部の冷却水配管5A、5Bに接近させることができるため、配管レイアウト性が向上し、配管スペースと配管質量を低減させることができる。
【0031】
また、本実施の形態によれば、燃料電池1の冷却水配管5A、5Bが上部に設けられることで、下方に配置するよりも燃料電池内部での空気溜まりを防止でき、当該冷却水配管5A、5Bに溜まる空気抜きが容易に行え、別途、空気抜き配管を設置する必要性が無くなる。
【0032】
「第5の実施の形態」
図8は第5の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池と冷却水部品との接続高さ位置関係を示す模式図、図9は第5の実施の形態の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池、冷却水部品及び流体用部品との接続位置関係を示す要部拡大斜視図である。
【0033】
第5の実施の形態は、図8及び図9に示すように、第3の実施の形態の構成に加えて、燃料電池1へ燃料である水素や酸化剤である酸素を供給するための水素系部品及び酸素系部品である反応ガス供給部品10と、水素の温度を昇温させるための熱交換器11を、前記冷却水部品8と同等の高さかそれ以下に配置させている。本実施の形態では、これら反応ガス供給部品10及び熱交換器11は、前記冷却水部品8よりも低い位置に配置させている。
【0034】
前記空気系部品としては、例えば燃料電池1に供給する空気を加湿するための空気加湿装置や空気圧を調整するための空気調整圧弁などである。水素系部品としては、水素を循環させる水素循環装置や水素圧を調整するための水素調整圧弁などである。
【0035】
このような配置構造とすることで、冷却水を燃料電池本体以外の空気系部品や水素系部品などで他の流体と熱交換させる場合に、冷却水部品8よりも同等の高さかそれ以下に他の系を配置することで、他の系の熱交換器11内やそこまでの冷却水供給配管での空気抜き性を向上させることができ、別途、空気抜き配管の設置をせずに済む。つまり、図9に示すように、他の系への冷却水配管12A、12Bは下り坂で供給され、登り坂で戻ってくることから、該冷却水配管12A、12B内にあった、又は、混入した空気や気泡は、他の系内で溜まることなく冷却系(冷却水部品8へと)に向かって上がってこれるので、別途、空気抜き配管を不要にできる。
【0036】
また、本実施の形態によれば、空気系部品や水素系部品などの反応ガス供給部品10を冷却水部品8よりも低く配置することで、燃料電池1からの排出ガスに含まれる水分の収集と処理を有利にさせることができる。つまり、空気系部品や水素系部品などの反応ガス供給部品10が高い位置にあると、燃料電池1内に空気流路や水素流路での液滴が戻り易くなるため、余剰水の排水や空気加湿装置での加湿など、液滴を排水するのが好ましい場合があり、これら空気系部品や水素系部品を低く配置することに効果がある。
【0037】
「第6の実施の形態」
図10は第6の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池、冷却水部品及び反応ガス供給部品の配置高さ関係を示す図、図11は第6の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池、冷却水部品及び反応ガス供給部品の配管接続関係を示す模式図である。
【0038】
第6の実施の形態は、図10及び図11に示すように、燃料電池1に形成された冷却水出入口9A、9Bを、少なくとも燃料を供給するための反応ガス出入口13A、13Bより高位置に設けている。この実施の形態では、冷却水出入口9A、9Bを燃料電池1の上部に設け、その冷却水出入口9A、9Bの下方に反応ガス出入口13A、13Bを設けた。燃料電池1と反応ガス供給部品10とは、前記冷却水配管5A、5Bよりも下方の位置に設けた反応ガス供給接続配管14A、14Bによって接続させている。
【0039】
この実施の形態によれば、冷却水出入口9A、9Bを高い位置に設けることで、水分を含む空気と水素の燃料電池1からの排出部をその位置と同等かそれ以下とし、車両左右方向の中央部のフロアパネル3を盛り上げたセンタートンネル部7に配置した冷却水系(冷却水部品8)への燃料電池1からの冷却水配管5A、5Bと、冷却水系と同等かそれ以下に配置した他の流体系(反応ガス供給部品10及び熱交換器11)に接続される冷却水配管12A、12Bや反応ガス供給接続配管14A、14Bとの交差が低減され、レイアウトの簡素化とスペースの有効利用、配管接続作業性向上などに効果がある。
【0040】
また、本実施の形態によれば、ガス系の燃料電池出入口(反応ガス出入口13A、13B)を下げることになり、燃料電池1からの水分を含んだ排出ガスの各系への配管が簡素化され、ガス系の水つまり防止と水分収集や加湿性能が大幅に向上する。
【0041】
「第7の実施の形態」
図12は第7の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池とラジエータ間を接続する冷却水配管を示す模式図、図13は図12の冷却水配管の斜視図である。
【0042】
第7の実施の形態は、図12及び図13に示すように、冷却水配管5Bの一部が床下下方へ下る下り勾配部15を有し、その下り勾配部15の手前で冷却水配管5Bから分岐させた空気抜き配管16を、車両前方に配置したラジエータ4に向かって略水平に配置させている。この空気抜き配管16は、燃料電池1からラジエータ4に向かって上り勾配としてもよい。
【0043】
本実施の形態によれば、冷却水配管5Bの一部に下り勾配部15があってもその手前で空気抜き配管16を該冷却水配管5Bから分岐させているので、燃料電池1からラジエータ4までの冷却水配管5B内の空気溜まりを低減させることができ、冷却性能の低下防止と温度制御性の向上が期待できる。
【0044】
「その他の実施の形態」
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
【0045】
上述した第1から第7の実施の形態では、何れも燃料電池1とラジエータ4間を接続する冷却水配管5A、5Bを例にとって説明したが、燃料電池1から空気抜きタンクや冷却水リザーバタンクへの冷却水の配管に対しても同様な構成とすることができる。
【0046】
具体的には、ラジエータ4を含むメイン循環系に空気抜きタンクやリザーバタンクを空気抜き配管を介して直列で配置させた場合、これらタンクへはメインラインの気泡も含め冷却水系の全ての空気が集まり溜まることになる。その結果、燃料電池1とラジエータ4間を接続する冷却水配管5A、5Bには、冷却性能の低下や温度制御の低下をもたらす原因となる気泡を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品などの高さ位置関係を示す模式図である。
【図2】図1の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品の床下レイアウトを示す平面図である。
【図3】図1の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水配管との接続位置を示す要部拡大斜視図である。
【図4】第2の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品などの高さ位置関係を示す模式図である。
【図5】図4の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水配管との接続位置を示す要部拡大斜視図である。
【図6】第3の実施の形態の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水部品との接続位置関係を示す要部拡大斜視図である。
【図7】第4の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池と冷却水部品との接続高さ位置関係を示す模式図である。
【図8】第5の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池と冷却水部品との接続高さ位置関係を示す模式図である。
【図9】第4の実施の形態の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池、冷却水部品及び流体用部品との接続位置関係を示す要部拡大斜視図である。
【図10】第6の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池、冷却水部品及び反応ガス供給部品の配置高さ関係を示す図である。
【図11】第6の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池、冷却水部品及び反応ガス供給部品の配管接続関係を示す模式図である。
【図12】第7の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池とラジエータ間を接続する冷却水配管を示す模式図である。
【図13】図12の冷却水配管の斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1…燃料電池
2…車両
3…フロアパネル(床下)
4…ラジエータ(冷却システム構成部品)
5A、5B…冷却水配管
7…センタートンネル部
8…冷却水部品
9A、9B…冷却水出入口
10…反応ガス供給部品
11…熱交換器
12…冷却水配管
13A、13B…反応ガス出入口
14A、14B…反応ガス供給接続配管
15…下り勾配
16…空気抜き配管
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両の床下に燃料電池を搭載した燃料電池自動車に関し、詳細には、燃料電池を冷却する部品や燃料供給部品などを床下スペース内に効率良く配置するためのレイアウト技術に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムにおいては、燃料電池(燃料電池スタック)の発電と同時に発熱を伴うことからこの発熱を放熱させるために冷却水を用い、ラジエータなどの熱交換器で冷却するのが一般的である。
【0003】
燃料電池を車両の床下に搭載する場合には、車両前方に設置されるラジエータと床下の燃料電池間で冷却水を循環させることが必要となる。
【0004】
しかしながら、室内スペースを極力広く確保するためには、フロアパネルの高さをできるだけ下げることが望ましいが、冷却水配管やそれらに関する部品、またその他の流体(水素及び酸素などの燃料や酸化剤)の供給部品なども含めて床下での部品搭載スペースの確保およびレイアウトは容易ではない。
【0005】
さらに、ラジエータなどへの冷却水の注水時および運転中に配管内に溜まる空気溜まりを低減する必要があるが、これを含め、室内スペース確保と配管や部品のレイアウトを両立させることは、いっそう容易ではない。
【0006】
そこで、これらの課題を解決すべく、車両の床下に燃料電池を搭載した燃料電池搭載型電気自動車が従来より提案されている(例えば、特許文献1など参照)。かかる燃料電池搭載型電気自動車は、床下に燃料電池システムボックスを設け、そのボックス内に燃料電池、温度調整装置、加湿装置などを纏めて収納させることで、車室及び荷室空間を充分に確保することを目的としている。
【特許文献1】特開2003−182379号公報(第5頁及び第6頁、第1図及び第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記特許文献1に記載の燃料電池搭載型電気自動車は、床下スペース全体が高さをもっており、従来の内燃機関の車両と比べると、室内全域の床面を押し上げることになっている。そのため、この燃料電池搭載型電気自動車では、室内スペースが狭められ、充分な居住空間及び荷室空間を確保できない。
【0008】
そこで、本発明は、室内スペースを確保しつつ、限られた床下スペースの中で、燃料電池を冷却するための冷却水配管と冷却システム構成部品の配置、加えてその他の水素や酸素などの流体の配管や部品の配置、燃料電池の流体出入口位置の改善により、冷却水の空気抜き性能の向上と部品配管のスペース低減を狙うものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、車両の床下に燃料電池を搭載し、この燃料電池を冷却水にて温度調整する冷却システムを有し、該冷却システムの構成部品のうち少なくとも一つを車両の前方に配置してなる燃料電池自動車である。
【0010】
そして、この燃料電池自動車では、車両の前方に配置した冷却システム構成部品と燃料電池間を接続する冷却水配管を、床下スペース内で車両左右方向の略中央部かつ床下パネルの上部に配置すると共に、床下スペース内では冷却水配管を略水平に配置し、他の部分では冷却水配管を前記冷却システム構成部品に向かって上り勾配で配置させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の燃料電池自動車によれば、燃料電池と車両前方に配置した冷却システム構成部品とを接続する冷却水配管を、短距離かつ下り坂無く略水平または上り勾配で配置できるので、注水時の空気溜まりや運転中に流れ込んだ空気の滞留を防止でき、冷却性能の低下防止と温度制御性の向上が期待できる。
【0012】
また、本発明の燃料電池自動車によれば、冷却水配管の余計なアップダウン及び左右への蛇行が無いことから、当該冷却水配管の配管長さを最小限にすることができ、その結果、質量とスペースの低減を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
「第1の実施の形態」
図1は第1の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品などの高さ位置関係を示す模式図、図2は図1の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品の床下レイアウトを示す平面図、図3は図1の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水配管との接続位置を示す要部拡大斜視図である。
【0015】
第1の実施の形態の燃料電池自動車は、図1から図3に示すように、燃料電池システムの主要構成部品である燃料電池(燃料電池スタック)1と、この燃料電池1で発電したエネルギーで駆動するモータと、発電時に燃料電池に生じる熱を放熱して温度調整するための冷却システムとを有する。
【0016】
この燃料電池自動車においては、燃料電池1を車両2の床下であるフロアパネル3の下に搭載(配置)し、さらに、この燃料電池1を冷却水にて温度調整する冷却システム構成部品の一つであるラジエータ4を、前記車両2の前方(モータルーム)に配置させている。なお、図1及び図2の燃料電池前方の矩形状空間は、空気加湿装置や空気調圧弁などの空気系部品及び水素循環装置や水素調圧弁などの水素系部品などが配置される床下燃料電池システムエリア6とされている。
【0017】
そして、本実施の形態の燃料電池自動車では、車両2の前方に配置させたラジエータ4と燃料電池1間を接続する冷却水配管5A、5Bを、床下スペース内で車両左右方向(図2中矢印Xで示す車幅方向)の略中央部かつフロアパネル3の上部に配置させている。
【0018】
これら冷却水配管5A、5Bは、何れも床下スペース内では略水平に配置され、他の部分であるモータルーム内ではラジエータ4に向かって上り勾配で配置されている。冷却水は、ラジエータ4から一方の冷却水配管5Aを通って燃料電池1へと流れ、この燃料電池1を冷却した後、他方の冷却水配管5Bを通ってラジエータ4へと戻る。
【0019】
前記したように冷却水配管5A、5Bを配置すれば、燃料電池1から車両2の前方に配置したラジエータ4への冷却水配管5A、5Bを、短距離かつ下り坂無く水平または上り勾配で配置できるので、注水時の空気溜まりや運転中に流れ込んだ空気の滞留を防止でき、冷却性能の低下防止と温度制御性の向上が期待できる。
【0020】
燃料電池1とラジエータ4間を繋ぐ冷却水配管5A、5Bの一部に下り勾配があると、燃料電池1からラジエータ4方向へ向かって気泡の流れが滞る可能性があり、床下配管内に空気溜まりが生じ易くなり、ラジエータ4への液体注入時に残留する空気や燃料電池システム運転中に発生する気泡などが冷却水配管5A、5B内に溜まり、冷却性能の低下と温度制御性の低下をもたらす。また、冷却水ポンプが溜まった空気を吸うと、又は冷却水ポンプ内に空気が存在すると、吸い上げる冷却水流量が低減し、冷却性能や制御性能が低下する。また、燃料電池1の温度を検知する温度センサの検知部が冷却水に浸からなくなると、温度制御性が悪化する。
【0021】
また、本実施の形態によれば、冷却水配管5A、5Bを車両2の中央部に配置して該冷却水配管5A、5Bの余計なアップダウン及び左右への蛇行が無いことから、当該冷却水配管5A、5Bの配管長さを最小限にすることができ、その結果、質量とスペースの低減を実現することができる。
【0022】
「第2の実施の形態」
図4は第2の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品などの高さ位置関係を示す模式図、図5は図4の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水配管との接続位置を示す要部拡大斜視図である。
【0023】
第2の実施の形態は、図4及び図5に示すように、第1の実施の形態の構成に加えて、フロアパネル3の略中央部を車室側へ盛り上げた部分であるセンタートンネル部7内に、冷却水配管5A、5Bを配置させている。つまり、床下スペース内の冷却水配管5A、5Bが配置される部分のフロアパネル3の高さに高低差を付け、センター部分のみを高くし、そのセンター部分の両側部分をこれよりも低くして、その高さの高いセンタートンネル部7内に冷却水配管5A、5Bを配置させている。
【0024】
本実施の形態によれば、フロアパネル3に高低差を付けたセンタートンネル部7内に冷却水配管5A、5Bを配置させているので、該センタートンネル部7以外の部分のフロアパネル3の高さを下げることができる。その結果、フロアパネル3の高さを低くした分、居住空間を広くすることができる。
【0025】
「第3の実施の形態」
図6は第3の実施の形態の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水部品との接続位置関係を示す要部拡大斜視図である。
【0026】
第3の実施の形態は、図6に示すように、第1及び第2の実施の形態の構成に加えて、ポンプ、フィルタ、バルブなどの冷却水供給用の冷却水部品8を、センタートンネル部7内に集中して配置させている。そして、燃料電池1に接続された冷却水配管5A、5Bを、前記冷却水部品8にそれぞれ接続させている。
【0027】
このような構成とすれば、センタートンネル部7内に冷却水部品8を集中して配置することで、各部品間を接続する配管数や配管長さを低減させることができる。また、集中モジュール内での流路の上下により空気抜き配管が必要となる場合でも、センタートンネル部7内の空間を利用することで、ラジエータ4または空気抜きタンクまでの空気抜き配管の配置が分散することなく簡素化できる。
【0028】
「第4の実施の形態」
図7は第4の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池と冷却水部品との接続高さ位置関係を示す模式図である。
【0029】
第4の実施の形態は、図7に示すように、燃料電池1に形成された冷却水出入口9A、9Bを、該燃料電池1の前方かつ略中央上部であって、前記床下スペース内に設けられた冷却水配管5A、5Bと同等の高さかそれ以下の位置に設けている。
【0030】
本実施の形態によれば、燃料電池1の冷却水出入口9A、9Bを、車両左右方向中央部で上部の冷却水配管5A、5Bに接近させることができるため、配管レイアウト性が向上し、配管スペースと配管質量を低減させることができる。
【0031】
また、本実施の形態によれば、燃料電池1の冷却水配管5A、5Bが上部に設けられることで、下方に配置するよりも燃料電池内部での空気溜まりを防止でき、当該冷却水配管5A、5Bに溜まる空気抜きが容易に行え、別途、空気抜き配管を設置する必要性が無くなる。
【0032】
「第5の実施の形態」
図8は第5の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池と冷却水部品との接続高さ位置関係を示す模式図、図9は第5の実施の形態の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池、冷却水部品及び流体用部品との接続位置関係を示す要部拡大斜視図である。
【0033】
第5の実施の形態は、図8及び図9に示すように、第3の実施の形態の構成に加えて、燃料電池1へ燃料である水素や酸化剤である酸素を供給するための水素系部品及び酸素系部品である反応ガス供給部品10と、水素の温度を昇温させるための熱交換器11を、前記冷却水部品8と同等の高さかそれ以下に配置させている。本実施の形態では、これら反応ガス供給部品10及び熱交換器11は、前記冷却水部品8よりも低い位置に配置させている。
【0034】
前記空気系部品としては、例えば燃料電池1に供給する空気を加湿するための空気加湿装置や空気圧を調整するための空気調整圧弁などである。水素系部品としては、水素を循環させる水素循環装置や水素圧を調整するための水素調整圧弁などである。
【0035】
このような配置構造とすることで、冷却水を燃料電池本体以外の空気系部品や水素系部品などで他の流体と熱交換させる場合に、冷却水部品8よりも同等の高さかそれ以下に他の系を配置することで、他の系の熱交換器11内やそこまでの冷却水供給配管での空気抜き性を向上させることができ、別途、空気抜き配管の設置をせずに済む。つまり、図9に示すように、他の系への冷却水配管12A、12Bは下り坂で供給され、登り坂で戻ってくることから、該冷却水配管12A、12B内にあった、又は、混入した空気や気泡は、他の系内で溜まることなく冷却系(冷却水部品8へと)に向かって上がってこれるので、別途、空気抜き配管を不要にできる。
【0036】
また、本実施の形態によれば、空気系部品や水素系部品などの反応ガス供給部品10を冷却水部品8よりも低く配置することで、燃料電池1からの排出ガスに含まれる水分の収集と処理を有利にさせることができる。つまり、空気系部品や水素系部品などの反応ガス供給部品10が高い位置にあると、燃料電池1内に空気流路や水素流路での液滴が戻り易くなるため、余剰水の排水や空気加湿装置での加湿など、液滴を排水するのが好ましい場合があり、これら空気系部品や水素系部品を低く配置することに効果がある。
【0037】
「第6の実施の形態」
図10は第6の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池、冷却水部品及び反応ガス供給部品の配置高さ関係を示す図、図11は第6の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池、冷却水部品及び反応ガス供給部品の配管接続関係を示す模式図である。
【0038】
第6の実施の形態は、図10及び図11に示すように、燃料電池1に形成された冷却水出入口9A、9Bを、少なくとも燃料を供給するための反応ガス出入口13A、13Bより高位置に設けている。この実施の形態では、冷却水出入口9A、9Bを燃料電池1の上部に設け、その冷却水出入口9A、9Bの下方に反応ガス出入口13A、13Bを設けた。燃料電池1と反応ガス供給部品10とは、前記冷却水配管5A、5Bよりも下方の位置に設けた反応ガス供給接続配管14A、14Bによって接続させている。
【0039】
この実施の形態によれば、冷却水出入口9A、9Bを高い位置に設けることで、水分を含む空気と水素の燃料電池1からの排出部をその位置と同等かそれ以下とし、車両左右方向の中央部のフロアパネル3を盛り上げたセンタートンネル部7に配置した冷却水系(冷却水部品8)への燃料電池1からの冷却水配管5A、5Bと、冷却水系と同等かそれ以下に配置した他の流体系(反応ガス供給部品10及び熱交換器11)に接続される冷却水配管12A、12Bや反応ガス供給接続配管14A、14Bとの交差が低減され、レイアウトの簡素化とスペースの有効利用、配管接続作業性向上などに効果がある。
【0040】
また、本実施の形態によれば、ガス系の燃料電池出入口(反応ガス出入口13A、13B)を下げることになり、燃料電池1からの水分を含んだ排出ガスの各系への配管が簡素化され、ガス系の水つまり防止と水分収集や加湿性能が大幅に向上する。
【0041】
「第7の実施の形態」
図12は第7の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池とラジエータ間を接続する冷却水配管を示す模式図、図13は図12の冷却水配管の斜視図である。
【0042】
第7の実施の形態は、図12及び図13に示すように、冷却水配管5Bの一部が床下下方へ下る下り勾配部15を有し、その下り勾配部15の手前で冷却水配管5Bから分岐させた空気抜き配管16を、車両前方に配置したラジエータ4に向かって略水平に配置させている。この空気抜き配管16は、燃料電池1からラジエータ4に向かって上り勾配としてもよい。
【0043】
本実施の形態によれば、冷却水配管5Bの一部に下り勾配部15があってもその手前で空気抜き配管16を該冷却水配管5Bから分岐させているので、燃料電池1からラジエータ4までの冷却水配管5B内の空気溜まりを低減させることができ、冷却性能の低下防止と温度制御性の向上が期待できる。
【0044】
「その他の実施の形態」
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
【0045】
上述した第1から第7の実施の形態では、何れも燃料電池1とラジエータ4間を接続する冷却水配管5A、5Bを例にとって説明したが、燃料電池1から空気抜きタンクや冷却水リザーバタンクへの冷却水の配管に対しても同様な構成とすることができる。
【0046】
具体的には、ラジエータ4を含むメイン循環系に空気抜きタンクやリザーバタンクを空気抜き配管を介して直列で配置させた場合、これらタンクへはメインラインの気泡も含め冷却水系の全ての空気が集まり溜まることになる。その結果、燃料電池1とラジエータ4間を接続する冷却水配管5A、5Bには、冷却性能の低下や温度制御の低下をもたらす原因となる気泡を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品などの高さ位置関係を示す模式図である。
【図2】図1の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品の床下レイアウトを示す平面図である。
【図3】図1の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水配管との接続位置を示す要部拡大斜視図である。
【図4】第2の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池及び冷却システム構成部品などの高さ位置関係を示す模式図である。
【図5】図4の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水配管との接続位置を示す要部拡大斜視図である。
【図6】第3の実施の形態の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池と冷却水部品との接続位置関係を示す要部拡大斜視図である。
【図7】第4の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池と冷却水部品との接続高さ位置関係を示す模式図である。
【図8】第5の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池と冷却水部品との接続高さ位置関係を示す模式図である。
【図9】第4の実施の形態の燃料電池自動車の床下に配置された燃料電池、冷却水部品及び流体用部品との接続位置関係を示す要部拡大斜視図である。
【図10】第6の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池、冷却水部品及び反応ガス供給部品の配置高さ関係を示す図である。
【図11】第6の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池、冷却水部品及び反応ガス供給部品の配管接続関係を示す模式図である。
【図12】第7の実施の形態の燃料電池自動車における燃料電池とラジエータ間を接続する冷却水配管を示す模式図である。
【図13】図12の冷却水配管の斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1…燃料電池
2…車両
3…フロアパネル(床下)
4…ラジエータ(冷却システム構成部品)
5A、5B…冷却水配管
7…センタートンネル部
8…冷却水部品
9A、9B…冷却水出入口
10…反応ガス供給部品
11…熱交換器
12…冷却水配管
13A、13B…反応ガス出入口
14A、14B…反応ガス供給接続配管
15…下り勾配
16…空気抜き配管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の床下に燃料電池を搭載し、この燃料電池を冷却水にて温度調整する冷却システムを有し、該冷却システムの構成部品のうち少なくとも一つを車両の前方に配置してなる燃料電池自動車であって、
前記車両の前方に配置した冷却システム構成部品と前記燃料電池間を接続する冷却水配管を、前記床下スペース内で車両左右方向の略中央部かつ床下パネルの上部に配置すると共に、床下スペース内では冷却水配管を略水平に配置し、他の部分では冷却水配管を前記冷却システム構成部品に向かって上り勾配で配置させた
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池自動車であって、
前記車両の前方に配置した冷却システム構成部品は、ラジエータまたは空気抜きタンクからなる
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料電池自動車であって、
前記冷却水配管を、前記床下パネルの略中央部を車室側へ盛り上げた部分に配置した
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項4】
請求項3に記載の燃料電池自動車であって、
前記床下パネルの略中央部を車室側へ盛り上げた部分を、センタートンネル部とした
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池自動車であって、
前記センタートンネル部に、冷却水供給用の冷却水部品を配置した
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項6】
少なくとも請求項1から請求項5の何れか一つに記載の燃料電池自動車であって、
前記燃料電池に形成された冷却水出入口を、該燃料電池の前方かつ略中央上部であって、前記床下スペース内に設けられた前記冷却水配管と同等の高さかそれ以下の位置に設ける
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の燃料電池自動車であって、
前記床下スペース内に、少なくもと前記燃料電池へ燃料を供給するための燃料供給部品を含む流体用部品を、前記冷却水部品と同等の高さかそれ以下に配置する
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項8】
請求項7に記載の燃料電池自動車であって、
前記燃料電池に形成された冷却水出入口を、少なくとも前記燃料を供給するための燃料出入口より高くした
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項9】
少なくとも請求項1から請求項8の何れか一つに記載の燃料電池自動車であって、
前記冷却水配管の一部が床下下方へ下る下り勾配部を有し、その下り勾配部の手前で前記冷却水配管から分岐させた空気抜き配管を、車両前方に配置した前記冷却システム構成部品に向かって略水平または上り勾配で配置させた
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項1】
車両の床下に燃料電池を搭載し、この燃料電池を冷却水にて温度調整する冷却システムを有し、該冷却システムの構成部品のうち少なくとも一つを車両の前方に配置してなる燃料電池自動車であって、
前記車両の前方に配置した冷却システム構成部品と前記燃料電池間を接続する冷却水配管を、前記床下スペース内で車両左右方向の略中央部かつ床下パネルの上部に配置すると共に、床下スペース内では冷却水配管を略水平に配置し、他の部分では冷却水配管を前記冷却システム構成部品に向かって上り勾配で配置させた
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池自動車であって、
前記車両の前方に配置した冷却システム構成部品は、ラジエータまたは空気抜きタンクからなる
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料電池自動車であって、
前記冷却水配管を、前記床下パネルの略中央部を車室側へ盛り上げた部分に配置した
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項4】
請求項3に記載の燃料電池自動車であって、
前記床下パネルの略中央部を車室側へ盛り上げた部分を、センタートンネル部とした
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池自動車であって、
前記センタートンネル部に、冷却水供給用の冷却水部品を配置した
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項6】
少なくとも請求項1から請求項5の何れか一つに記載の燃料電池自動車であって、
前記燃料電池に形成された冷却水出入口を、該燃料電池の前方かつ略中央上部であって、前記床下スペース内に設けられた前記冷却水配管と同等の高さかそれ以下の位置に設ける
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の燃料電池自動車であって、
前記床下スペース内に、少なくもと前記燃料電池へ燃料を供給するための燃料供給部品を含む流体用部品を、前記冷却水部品と同等の高さかそれ以下に配置する
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項8】
請求項7に記載の燃料電池自動車であって、
前記燃料電池に形成された冷却水出入口を、少なくとも前記燃料を供給するための燃料出入口より高くした
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項9】
少なくとも請求項1から請求項8の何れか一つに記載の燃料電池自動車であって、
前記冷却水配管の一部が床下下方へ下る下り勾配部を有し、その下り勾配部の手前で前記冷却水配管から分岐させた空気抜き配管を、車両前方に配置した前記冷却システム構成部品に向かって略水平または上り勾配で配置させた
ことを特徴とする燃料電池自動車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−36117(P2006−36117A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221711(P2004−221711)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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