物体検出装置および物体検出方法
【課題】 検出点の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる物体検出装置を提供する。
【解決手段】 レーザレーダ1と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化するグルーピング部31と、同一グループに含まれる各検出点と自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する相対速度算出部32と、を備えた物体検出装置において、相対速度算出部32は、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する。
【解決手段】 レーザレーダ1と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化するグルーピング部31と、同一グループに含まれる各検出点と自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する相対速度算出部32と、を備えた物体検出装置において、相対速度算出部32は、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて非可視光のレーザ光や電波等を放出して車両前方に存在する物体による反射から、物体と自車との関係を検出する物体検出装置および物体検出方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物体検出装置としては、例えば、レーザレーダで検出した複数の検出点について、それらの検出点が、自車との距離がほぼ等しく(距離差があるしきい値以内)かつ、自車との相対速度もほぼ等しい(相対速度差があるしきい値以内)場合に、複数の検出点を同一の先行車と見なしてグルーピング(グループ化)し、グルーピングされた複数の検出点の距離を平均化し、平均距離の時間的な差分から、先行車と自車との相対速度を算出するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−57339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術にあっては、グルーピングした複数の検出点の平均距離から相対速度を算出するため、検出点の個数が変化した瞬間、平均距離が一時的に変動し、誤った相対速度を算出するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、検出点の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる物体検出装置および物体検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明では、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にあっては、同一グループの検出点の個数が変化した場合には、検出点の個数が変化する直前に算出した過去の相対速度を維持するため、検出点の個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
[全体構成]
図1は、実施例1の物体検出装置の構成を示すブロック図であり、実施例1の物体検出装置は、車両前方に設けられたレーザレーダ(物体検出手段)1と、車両走行時の挙動を検出する車両挙動検出部2と、レーザレーダ1および車両挙動検出部2からの情報に基づいて、自車前方に存在する物体(先行車)を検出し、物体との相対速度を算出する演算部3とを備えている。
【0009】
図2は、自車11の前方部分1aに搭載されるレーザレーダ1、およびレーザレーダ1によるレーザ光の照射方向を示す説明図であり、同図(a)は側面図、(b)は平面図をそれぞれ示している。図示のように、レーザレーダ1は、スキャニング面において所定の角度で光軸Lを変更することで、所定のスキャン範囲でレーザ光を走査する。これにより、レーザレーダ1はスキャン範囲に存在する自車11前方の物体に、レーザ光を照射する。
【0010】
このレーザレーダ1は、出射したレーザ光が前方に存在する物体に照射されて反射した反射レーザ光を検出することで、反射レーザ光の光強度に基づいた反射信号を取得する。さらに、このレーザレーダ1は、取得した反射信号に基づいた距離計測処理を行うことにより、検出点毎の距離計測情報を算出して演算部3に出力する。
【0011】
車両挙動検出部2は、車両のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ21と、従動輪である車両左右後輪の車輪速を検出する車輪速センサ22と、車両の操舵角を検出する操舵角センサ23とを備える。このシフトポジションセンサ21、車輪速センサ22、操舵角センサ23より出力されるセンサ信号を用いて、車両位置、移動距離、車体スリップ角、ヨーレートを算出する演算装置24を備える。
この演算装置24は、各センサ21,22,23からの自車11の位置、移動距離、車体スリップ角、ヨーレートを、走行情報として演算部3に出力する。
【0012】
演算部3は、車両内部に搭載されたCPU、RAM、ROM、入出力I/F等からなるマイクロコンピュータで構成され、グルーピング部(グルーピング手段)31と、相対速度算出部(相対速度算出手段)32とを機能ブロックとして備える。
【0013】
グルーピング部31は、レーザレーダ1のスキャン範囲で生成された複数の検出点から、車間距離と相対速度が近似している検出点を同一の検出物体であると推定してグルーピング(グループ化)を行う。ここで、車間距離が近似している検出点とは、各検出点のうち、車間距離差が所定値以下である検出点をいう。また、相対速度が近似している検出点とは、各検出点のうち、相対速度差が所定車速以下である検出点をいう。
【0014】
相対速度算出部32は、グルーピングした検出物体の存在位置が、設定された先行車検出エリア内に位置する場合、グルーピング結果を先行車と確定し、先行車との車間距離の時間的差分から、先行車の自車11に対する相対速度を算出する。ここで、先行車検出エリアは、車両挙動検出部2により演算された車体スリップ角、ヨーレート等から自車線の曲線半径を推定し、推定した曲線半径に基づいて自車前方の所定範囲に設定する。なお、先行車との車間距離は、グルーピングした各々の検出点の距離の平均値とする。
【0015】
[相対速度算出処理]
図3は、実施例1の演算部3で実行される相対速度算出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
【0016】
ステップS1では、グルーピング部31において、レーザレーダ1により得られたスキャン範囲内の各検出点に関する情報を入力し、ステップS2へ移行する。
【0017】
ステップS2では、グルーピング部31において、ステップS1で取得した各検出点のグルーピングを行い、ステップS3へ移行する。このステップでは、複数の検出点のうち、車間距離と相対速度が近似している検出点を同一の検出物体であると推定してグループ化を行う。
【0018】
ステップS3では、相対速度算出部32において、検出物体の自車11に対する相対速度を算出し、ステップS4へ移行する。ここで、相対速度は、下記の式(1)に示すように、同一グループに含まれる各検出点と自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて算出する。
相対速度=(今回平均距離−前回平均距離)/演算周期 …(1)
【0019】
ステップS4では、相対速度算出部32において、前回演算周期と今回演算周期とで検出点の個数が変化したか否かを判定する。YESの場合にはステップS5へ移行し、NOの場合にはステップS6へ移行する。
【0020】
ステップS5では、相対速度算出部32において、前回演算周期で算出した相対速度算出値を選択し、ステップS7へ移行する。
【0021】
ステップS6では、相対速度算出部32において、ステップS3で算出した今回演算周期の相対速度算出値を選択し、ステップS7へ移行する。
【0022】
ステップS7では、相対速度算出部32において、ステップS5またはステップS6で選択した相対速度算出値を出力し、リターンへ移行する。
【0023】
次に、作用を説明する。
[検出点の変化による相対速度の誤算出について]
実施例1の物体検出装置では、グルーピングした各々の検出点の距離の平均値を距離として、平均化した距離の時間的差分により相対速度を検出している。
【0024】
ここで、相対速度を算出する際に用いる、1演算周期前の距離と、現在(今回演算周期)の距離との関係において、1演算周期前にグルーピングした検出点の個数と、現在の検出点の個数とが異なる場合がある。例えば、図4に示すように、先行車Bが車両Cを積載したトレーラである場合、図5に示すように、先行車Bのリフレクタb1,b2と、積載車両Cのリフレクタc1,c2の合計4つの物体が検出される。このとき、検出点b1,b2と検出点c1,c2は比較的近傍で、かつ同一の相対速度となるため、同一物体としてグルーピング処理がなされ、車間距離は、4つの検出点b1,b2,c1,c2の距離の平均値D1となる。
【0025】
図4の状態から先行車Bが登坂路へ差し掛かると、図6に示すように、リフレクタc1,c2がスキャン範囲外となるため、先行車Bのリフレクタb1,b2のみを検出するようになる。これにより、物体検出装置は、2つの検出点b1,b2をグルーピングすることになるため、車間距離は、2つの検出点b1,b2の平均値D2となる(図7)。すなわち、図5の状態から図7の状態へと移り変わったとき、車間距離計測値がD1からD2へ変動するため、先行車Bと自車11とが等速で走行している場合であっても、両者の間に相対速度が発生しているとの誤判定がなされる(図8)。
【0026】
[検出点変化時の相対速度算出値維持作用]
これに対し、実施例1では、検出点の個数が変化した場合には、図3に示したフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7へと進む流れから、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS7へと流れへと切り替わる。すなわち、ステップS4では、同一グループの検出点の個数が変化したと判定し、ステップS5では、前回の演算周期で算出した相対速度算出値を選択し、ステップS7では、ステップS5で選択した相対速度算出値を出力する。
【0027】
このため、実施例1では、図9に示すように、検出点の個数の変化に伴い先行車との距離の算出値が変化した場合であっても、相対速度算出値は検出点が変化する前の値に維持されるため、誤った相対速度の変化を抑制することができる。
【0028】
次に、効果を説明する。
実施例1の物体検出装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
【0029】
(1) レーザレーダ1と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化するグルーピング部31と、同一グループに含まれる各検出点と自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車11に対する相対速度を算出する相対速度算出部32と、を備えた物体検出装置において、相対速度算出部32は、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する。これにより、検出点の個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【0030】
(2) 自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車11に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する手順(ステップS1)と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する手順(ステップS2)と、同一グループに含まれる各検出点と自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車11に対する相対速度を算出する手順(ステップS3)と、を有する物体検出方法において、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する手順(ステップS5→ステップS6)を設けた。これにより、検出点の個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【実施例2】
【0031】
図2は、実施例2の物体検出装置の構成を示すブロック図であり、以下、図1に示した実施例1と異なる構成のみ説明する。
【0032】
演算部4は、第1グルーピング部(第1グルーピング手段)41と、第2グルーピング部(第2グルーピング手段)42と、相対速度算出部(相対速度算出手段)42とを機能ブロックとして備えている。
【0033】
第1グルーピング部41は、レーザレーダ1のスキャン範囲で生成された複数の検出点から、隣接する検出点を同一の検出物体であると推定してグルーピング(グループ化)を行う。
【0034】
第2グルーピング部42は、第1グルーピング部41によりグループ化された複数のグループから、車間距離と相対速度が近似しているグループを同一の検出物体であると推定してグルーピングを行う。
【0035】
相対速度算出部43は、第2グルーピング部42によりグルーピングしたグループの存在位置が、設定された先行車検出エリア内に位置する場合、グルーピング結果を先行車と確定し、先行車との車間距離の時間的差分から、先行車の自車11に対する相対速度を算出する。なお、先行車との車間距離は、グルーピングした各々のグループに含まれる検出点の距離の平均値とする。
【0036】
[相対速度算出処理]
図11は、実施例2の演算部4で実行される相対速度算出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1の処理と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0037】
ステップS11では、第1グルーピング部41において、ステップS1で取得した各検出点のグルーピングを行い、ステップS12へ移行する。このステップでは、複数の検出点のうち、互いに隣接する検出点を同一の検出物体であると推定してグループ化を行う。
【0038】
ステップS12では、第2グルーピング部42において、ステップS12でグループ化した各グループのグルーピングを行い、ステップS13へ移行する。このステップでは、複数のグループのうち、車間距離と相対速度が近似しているグループを同一の検出物体であると推定してグループ化を行う。
【0039】
ステップS13では、相対速度算出部43において、検出物体の自車11に対する相対速度を算出し、ステップS14へ移行する。ここで、相対速度は、ステップS12でグループ化された各グループに含まれる各検出点と自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて算出する(実施例1の式(1)を用いる。)。
【0040】
ステップS14では、相対速度算出部43において、前回演算周期と今回演算周期とでグループ化されたグループの個数が変化したか否かを判定する。YESの場合にはステップS5へ移行し、NOの場合にはステップS6へ移行する。
【0041】
次に、作用を説明する。
実施例2では、グループ化された各グループの個数が変化した場合には、図11に示したフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS6→ステップS7へと進む流れから、ステップS1→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS5→ステップS7へと進む流れへと切り替わる。すなわち、ステップS14では、同一グループに含まれるグループの個数が変化したと判定し、ステップS5では、前回の演算周期で算出した相対速度算出値を選択し、ステップS7では、ステップS5で選択した相対速度算出値を出力する。
【0042】
このため、グループの個数の変化に伴い先行車との距離の算出値が変化した場合であっても、相対速度算出値は検出点が変化する前の値に維持されるため、誤った相対速度の変化を抑制することができる。
【0043】
次に、効果を説明する。
実施例2の物体検出装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
【0044】
(3) レーザレーダ1と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する第1グルーピング部41と、グループ化された複数のグループのうち、同一物体であると推定されるグループをグループ化する第2グルーピング部42と、この第2グルーピング部42によりグループ化された同一グループに含まれる各グループと自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車11に対する相対速度を算出する相対速度算出部43と、を備えた物体検出装置において、相対速度算出部43は、同一グループに含まれるグループの個数が変化した場合、グループの個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する。これにより、グループの個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【0045】
(4) 自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車11に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する手順(ステップS1)と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する手順(ステップS11)と、グループ化された複数のグループのうち、同一物体であると推定されるグループをグループ化する手順(ステップS12)と、この第2グルーピング手段によりグループ化された同一グループに含まれる各グループと自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車11に対する相対速度を算出する手順(ステップS13)と、を有する物体検出方法において、同一グループに含まれるグループの個数が変化した場合、グループの個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する手順(ステップ5→ステップS6)を設けた。これにより、グループの個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【0046】
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例1,2により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1,2に示したものに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない程度の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0047】
例えば、同一の検出物体であるとの推定方法は任意であり、車幅等を考慮したものであってもよい。
実施例1では、スキャン範囲で生成された複数の検出点から、車間距離と相対速度が近似している検出点を同一の検出物体であると推定してグルーピングする例を示したが、略同一距離に存在し、かつ、同一方向に移動している検出点を同一の検出物体であると推定してもよい。
【0048】
実施例2では、第1グルーピング部41で隣接する検出点をグルーピングし、第2グルーピング部42で車間距離と相対速度が近似するグループをグルーピングする例を示したが、第1グルーピング部41で車間距離と相対速度が近似する検出点をグルーピングし、第2グルーピング部42で隣接するグループをグルーピングしてもよい。さらに、略同一距離に存在し、かつ、同一方向に移動している検出点またはグループを同一の検出物体であると推定してもよい。
【0049】
実施例1,2では、物体検出手段としてレーザレーダを用いた例を示したが、ミリ波レーダやマイクロ波レーダを用いてもよい。ミリ波レーダおよびマイクロ波レーダを用いることで、悪天候時の物体検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1の物体検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】自車11の前方部分1aに搭載されるレーザレーダ1、およびレーザレーダ1によるレーザ光の照射方向を示す説明図である。
【図3】実施例1の演算部3で実行される相対速度算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】先行車が車両を積載するトレーラである場合のスキャン範囲を示す説明図である。
【図5】先行車が車両を積載するトレーラである場合に生成される検出点を示す説明図である。
【図6】トレーラが登坂路に差し掛かった場合のスキャン範囲を示す説明図である。
【図7】トレーラが登坂路に差し掛かった場合に生成される検出点を示す説明図である。
【図8】検出点が変化した場合の従来の相対速度出力例である。
【図9】検出点が変化した場合の実施例1の相対速度出力例である。
【図10】実施例2の物体検出装置の構成を示すブロック図である。
【図11】実施例1の演算部4で実行される相対速度算出処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1 レーザレーダ(物体検出手段)
2 車両挙動検出部
3 演算部
11 自車
21 シフトポジションセンサ
22 車輪速センサ
23 操舵角センサ
24 演算装置
31 グルーピング部(グルーピング手段)
32 相対速度算出部(相対速度検出手段)
4 演算部
41 第1グルーピング部(第1グルーピング手段)
42 第2グルーピング部(第2グルーピング手段)
43 相対速度算出部(相対速度算出手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて非可視光のレーザ光や電波等を放出して車両前方に存在する物体による反射から、物体と自車との関係を検出する物体検出装置および物体検出方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物体検出装置としては、例えば、レーザレーダで検出した複数の検出点について、それらの検出点が、自車との距離がほぼ等しく(距離差があるしきい値以内)かつ、自車との相対速度もほぼ等しい(相対速度差があるしきい値以内)場合に、複数の検出点を同一の先行車と見なしてグルーピング(グループ化)し、グルーピングされた複数の検出点の距離を平均化し、平均距離の時間的な差分から、先行車と自車との相対速度を算出するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−57339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術にあっては、グルーピングした複数の検出点の平均距離から相対速度を算出するため、検出点の個数が変化した瞬間、平均距離が一時的に変動し、誤った相対速度を算出するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、検出点の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる物体検出装置および物体検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明では、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にあっては、同一グループの検出点の個数が変化した場合には、検出点の個数が変化する直前に算出した過去の相対速度を維持するため、検出点の個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
[全体構成]
図1は、実施例1の物体検出装置の構成を示すブロック図であり、実施例1の物体検出装置は、車両前方に設けられたレーザレーダ(物体検出手段)1と、車両走行時の挙動を検出する車両挙動検出部2と、レーザレーダ1および車両挙動検出部2からの情報に基づいて、自車前方に存在する物体(先行車)を検出し、物体との相対速度を算出する演算部3とを備えている。
【0009】
図2は、自車11の前方部分1aに搭載されるレーザレーダ1、およびレーザレーダ1によるレーザ光の照射方向を示す説明図であり、同図(a)は側面図、(b)は平面図をそれぞれ示している。図示のように、レーザレーダ1は、スキャニング面において所定の角度で光軸Lを変更することで、所定のスキャン範囲でレーザ光を走査する。これにより、レーザレーダ1はスキャン範囲に存在する自車11前方の物体に、レーザ光を照射する。
【0010】
このレーザレーダ1は、出射したレーザ光が前方に存在する物体に照射されて反射した反射レーザ光を検出することで、反射レーザ光の光強度に基づいた反射信号を取得する。さらに、このレーザレーダ1は、取得した反射信号に基づいた距離計測処理を行うことにより、検出点毎の距離計測情報を算出して演算部3に出力する。
【0011】
車両挙動検出部2は、車両のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ21と、従動輪である車両左右後輪の車輪速を検出する車輪速センサ22と、車両の操舵角を検出する操舵角センサ23とを備える。このシフトポジションセンサ21、車輪速センサ22、操舵角センサ23より出力されるセンサ信号を用いて、車両位置、移動距離、車体スリップ角、ヨーレートを算出する演算装置24を備える。
この演算装置24は、各センサ21,22,23からの自車11の位置、移動距離、車体スリップ角、ヨーレートを、走行情報として演算部3に出力する。
【0012】
演算部3は、車両内部に搭載されたCPU、RAM、ROM、入出力I/F等からなるマイクロコンピュータで構成され、グルーピング部(グルーピング手段)31と、相対速度算出部(相対速度算出手段)32とを機能ブロックとして備える。
【0013】
グルーピング部31は、レーザレーダ1のスキャン範囲で生成された複数の検出点から、車間距離と相対速度が近似している検出点を同一の検出物体であると推定してグルーピング(グループ化)を行う。ここで、車間距離が近似している検出点とは、各検出点のうち、車間距離差が所定値以下である検出点をいう。また、相対速度が近似している検出点とは、各検出点のうち、相対速度差が所定車速以下である検出点をいう。
【0014】
相対速度算出部32は、グルーピングした検出物体の存在位置が、設定された先行車検出エリア内に位置する場合、グルーピング結果を先行車と確定し、先行車との車間距離の時間的差分から、先行車の自車11に対する相対速度を算出する。ここで、先行車検出エリアは、車両挙動検出部2により演算された車体スリップ角、ヨーレート等から自車線の曲線半径を推定し、推定した曲線半径に基づいて自車前方の所定範囲に設定する。なお、先行車との車間距離は、グルーピングした各々の検出点の距離の平均値とする。
【0015】
[相対速度算出処理]
図3は、実施例1の演算部3で実行される相対速度算出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
【0016】
ステップS1では、グルーピング部31において、レーザレーダ1により得られたスキャン範囲内の各検出点に関する情報を入力し、ステップS2へ移行する。
【0017】
ステップS2では、グルーピング部31において、ステップS1で取得した各検出点のグルーピングを行い、ステップS3へ移行する。このステップでは、複数の検出点のうち、車間距離と相対速度が近似している検出点を同一の検出物体であると推定してグループ化を行う。
【0018】
ステップS3では、相対速度算出部32において、検出物体の自車11に対する相対速度を算出し、ステップS4へ移行する。ここで、相対速度は、下記の式(1)に示すように、同一グループに含まれる各検出点と自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて算出する。
相対速度=(今回平均距離−前回平均距離)/演算周期 …(1)
【0019】
ステップS4では、相対速度算出部32において、前回演算周期と今回演算周期とで検出点の個数が変化したか否かを判定する。YESの場合にはステップS5へ移行し、NOの場合にはステップS6へ移行する。
【0020】
ステップS5では、相対速度算出部32において、前回演算周期で算出した相対速度算出値を選択し、ステップS7へ移行する。
【0021】
ステップS6では、相対速度算出部32において、ステップS3で算出した今回演算周期の相対速度算出値を選択し、ステップS7へ移行する。
【0022】
ステップS7では、相対速度算出部32において、ステップS5またはステップS6で選択した相対速度算出値を出力し、リターンへ移行する。
【0023】
次に、作用を説明する。
[検出点の変化による相対速度の誤算出について]
実施例1の物体検出装置では、グルーピングした各々の検出点の距離の平均値を距離として、平均化した距離の時間的差分により相対速度を検出している。
【0024】
ここで、相対速度を算出する際に用いる、1演算周期前の距離と、現在(今回演算周期)の距離との関係において、1演算周期前にグルーピングした検出点の個数と、現在の検出点の個数とが異なる場合がある。例えば、図4に示すように、先行車Bが車両Cを積載したトレーラである場合、図5に示すように、先行車Bのリフレクタb1,b2と、積載車両Cのリフレクタc1,c2の合計4つの物体が検出される。このとき、検出点b1,b2と検出点c1,c2は比較的近傍で、かつ同一の相対速度となるため、同一物体としてグルーピング処理がなされ、車間距離は、4つの検出点b1,b2,c1,c2の距離の平均値D1となる。
【0025】
図4の状態から先行車Bが登坂路へ差し掛かると、図6に示すように、リフレクタc1,c2がスキャン範囲外となるため、先行車Bのリフレクタb1,b2のみを検出するようになる。これにより、物体検出装置は、2つの検出点b1,b2をグルーピングすることになるため、車間距離は、2つの検出点b1,b2の平均値D2となる(図7)。すなわち、図5の状態から図7の状態へと移り変わったとき、車間距離計測値がD1からD2へ変動するため、先行車Bと自車11とが等速で走行している場合であっても、両者の間に相対速度が発生しているとの誤判定がなされる(図8)。
【0026】
[検出点変化時の相対速度算出値維持作用]
これに対し、実施例1では、検出点の個数が変化した場合には、図3に示したフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7へと進む流れから、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS7へと流れへと切り替わる。すなわち、ステップS4では、同一グループの検出点の個数が変化したと判定し、ステップS5では、前回の演算周期で算出した相対速度算出値を選択し、ステップS7では、ステップS5で選択した相対速度算出値を出力する。
【0027】
このため、実施例1では、図9に示すように、検出点の個数の変化に伴い先行車との距離の算出値が変化した場合であっても、相対速度算出値は検出点が変化する前の値に維持されるため、誤った相対速度の変化を抑制することができる。
【0028】
次に、効果を説明する。
実施例1の物体検出装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
【0029】
(1) レーザレーダ1と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化するグルーピング部31と、同一グループに含まれる各検出点と自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車11に対する相対速度を算出する相対速度算出部32と、を備えた物体検出装置において、相対速度算出部32は、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する。これにより、検出点の個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【0030】
(2) 自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車11に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する手順(ステップS1)と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する手順(ステップS2)と、同一グループに含まれる各検出点と自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車11に対する相対速度を算出する手順(ステップS3)と、を有する物体検出方法において、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する手順(ステップS5→ステップS6)を設けた。これにより、検出点の個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【実施例2】
【0031】
図2は、実施例2の物体検出装置の構成を示すブロック図であり、以下、図1に示した実施例1と異なる構成のみ説明する。
【0032】
演算部4は、第1グルーピング部(第1グルーピング手段)41と、第2グルーピング部(第2グルーピング手段)42と、相対速度算出部(相対速度算出手段)42とを機能ブロックとして備えている。
【0033】
第1グルーピング部41は、レーザレーダ1のスキャン範囲で生成された複数の検出点から、隣接する検出点を同一の検出物体であると推定してグルーピング(グループ化)を行う。
【0034】
第2グルーピング部42は、第1グルーピング部41によりグループ化された複数のグループから、車間距離と相対速度が近似しているグループを同一の検出物体であると推定してグルーピングを行う。
【0035】
相対速度算出部43は、第2グルーピング部42によりグルーピングしたグループの存在位置が、設定された先行車検出エリア内に位置する場合、グルーピング結果を先行車と確定し、先行車との車間距離の時間的差分から、先行車の自車11に対する相対速度を算出する。なお、先行車との車間距離は、グルーピングした各々のグループに含まれる検出点の距離の平均値とする。
【0036】
[相対速度算出処理]
図11は、実施例2の演算部4で実行される相対速度算出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1の処理と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0037】
ステップS11では、第1グルーピング部41において、ステップS1で取得した各検出点のグルーピングを行い、ステップS12へ移行する。このステップでは、複数の検出点のうち、互いに隣接する検出点を同一の検出物体であると推定してグループ化を行う。
【0038】
ステップS12では、第2グルーピング部42において、ステップS12でグループ化した各グループのグルーピングを行い、ステップS13へ移行する。このステップでは、複数のグループのうち、車間距離と相対速度が近似しているグループを同一の検出物体であると推定してグループ化を行う。
【0039】
ステップS13では、相対速度算出部43において、検出物体の自車11に対する相対速度を算出し、ステップS14へ移行する。ここで、相対速度は、ステップS12でグループ化された各グループに含まれる各検出点と自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて算出する(実施例1の式(1)を用いる。)。
【0040】
ステップS14では、相対速度算出部43において、前回演算周期と今回演算周期とでグループ化されたグループの個数が変化したか否かを判定する。YESの場合にはステップS5へ移行し、NOの場合にはステップS6へ移行する。
【0041】
次に、作用を説明する。
実施例2では、グループ化された各グループの個数が変化した場合には、図11に示したフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS6→ステップS7へと進む流れから、ステップS1→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS5→ステップS7へと進む流れへと切り替わる。すなわち、ステップS14では、同一グループに含まれるグループの個数が変化したと判定し、ステップS5では、前回の演算周期で算出した相対速度算出値を選択し、ステップS7では、ステップS5で選択した相対速度算出値を出力する。
【0042】
このため、グループの個数の変化に伴い先行車との距離の算出値が変化した場合であっても、相対速度算出値は検出点が変化する前の値に維持されるため、誤った相対速度の変化を抑制することができる。
【0043】
次に、効果を説明する。
実施例2の物体検出装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
【0044】
(3) レーザレーダ1と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する第1グルーピング部41と、グループ化された複数のグループのうち、同一物体であると推定されるグループをグループ化する第2グルーピング部42と、この第2グルーピング部42によりグループ化された同一グループに含まれる各グループと自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車11に対する相対速度を算出する相対速度算出部43と、を備えた物体検出装置において、相対速度算出部43は、同一グループに含まれるグループの個数が変化した場合、グループの個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する。これにより、グループの個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【0045】
(4) 自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車11に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する手順(ステップS1)と、生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する手順(ステップS11)と、グループ化された複数のグループのうち、同一物体であると推定されるグループをグループ化する手順(ステップS12)と、この第2グルーピング手段によりグループ化された同一グループに含まれる各グループと自車11の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車11に対する相対速度を算出する手順(ステップS13)と、を有する物体検出方法において、同一グループに含まれるグループの個数が変化した場合、グループの個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する手順(ステップ5→ステップS6)を設けた。これにより、グループの個数の変化に伴う相対速度の誤算出を防止でき、物体の検出精度を高めることができる。
【0046】
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例1,2により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1,2に示したものに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない程度の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0047】
例えば、同一の検出物体であるとの推定方法は任意であり、車幅等を考慮したものであってもよい。
実施例1では、スキャン範囲で生成された複数の検出点から、車間距離と相対速度が近似している検出点を同一の検出物体であると推定してグルーピングする例を示したが、略同一距離に存在し、かつ、同一方向に移動している検出点を同一の検出物体であると推定してもよい。
【0048】
実施例2では、第1グルーピング部41で隣接する検出点をグルーピングし、第2グルーピング部42で車間距離と相対速度が近似するグループをグルーピングする例を示したが、第1グルーピング部41で車間距離と相対速度が近似する検出点をグルーピングし、第2グルーピング部42で隣接するグループをグルーピングしてもよい。さらに、略同一距離に存在し、かつ、同一方向に移動している検出点またはグループを同一の検出物体であると推定してもよい。
【0049】
実施例1,2では、物体検出手段としてレーザレーダを用いた例を示したが、ミリ波レーダやマイクロ波レーダを用いてもよい。ミリ波レーダおよびマイクロ波レーダを用いることで、悪天候時の物体検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1の物体検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】自車11の前方部分1aに搭載されるレーザレーダ1、およびレーザレーダ1によるレーザ光の照射方向を示す説明図である。
【図3】実施例1の演算部3で実行される相対速度算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】先行車が車両を積載するトレーラである場合のスキャン範囲を示す説明図である。
【図5】先行車が車両を積載するトレーラである場合に生成される検出点を示す説明図である。
【図6】トレーラが登坂路に差し掛かった場合のスキャン範囲を示す説明図である。
【図7】トレーラが登坂路に差し掛かった場合に生成される検出点を示す説明図である。
【図8】検出点が変化した場合の従来の相対速度出力例である。
【図9】検出点が変化した場合の実施例1の相対速度出力例である。
【図10】実施例2の物体検出装置の構成を示すブロック図である。
【図11】実施例1の演算部4で実行される相対速度算出処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1 レーザレーダ(物体検出手段)
2 車両挙動検出部
3 演算部
11 自車
21 シフトポジションセンサ
22 車輪速センサ
23 操舵角センサ
24 演算装置
31 グルーピング部(グルーピング手段)
32 相対速度算出部(相対速度検出手段)
4 演算部
41 第1グルーピング部(第1グルーピング手段)
42 第2グルーピング部(第2グルーピング手段)
43 相対速度算出部(相対速度算出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する物体検出手段と、
生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化するグルーピング手段と、
同一グループに含まれる各検出点と自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する相対速度算出手段と、
を備えた物体検出装置において、
前記相対速度算出手段は、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持することを特徴とする物体検出装置。
【請求項2】
自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する物体検出手段と、
生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する第1グルーピング手段と、
グループ化された複数のグループのうち、同一物体であると推定されるグループをグループ化する第2グルーピング手段と、
この第2グルーピング手段によりグループ化された同一グループに含まれる各グループと自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する相対速度算出手段と、
を備えた物体検出装置において、
前記相対速度算出手段は、同一グループに含まれるグループの個数が変化した場合、グループの個数が変化する直前に算出した相対速度を維持することを特徴とする物体検出装置。
【請求項3】
自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する手順と、
生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する手順と、
同一グループに含まれる各検出点と自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する手順と、
を有する物体検出方法において、
同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する手順を設けたことを特徴とする物体検出方法。
【請求項4】
自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する手順と、
生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する手順と、
グループ化された複数のグループのうち、同一物体であると推定されるグループをグループ化する手順と、
この第2グルーピング手段によりグループ化された同一グループに含まれる各グループと自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する手順と、
を有する物体検出方法において、
同一グループに含まれるグループの個数が変化した場合、グループの個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する手順を設けたことを特徴とする物体検出方法。
【請求項1】
自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する物体検出手段と、
生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化するグルーピング手段と、
同一グループに含まれる各検出点と自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する相対速度算出手段と、
を備えた物体検出装置において、
前記相対速度算出手段は、同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持することを特徴とする物体検出装置。
【請求項2】
自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する物体検出手段と、
生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する第1グルーピング手段と、
グループ化された複数のグループのうち、同一物体であると推定されるグループをグループ化する第2グルーピング手段と、
この第2グルーピング手段によりグループ化された同一グループに含まれる各グループと自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する相対速度算出手段と、
を備えた物体検出装置において、
前記相対速度算出手段は、同一グループに含まれるグループの個数が変化した場合、グループの個数が変化する直前に算出した相対速度を維持することを特徴とする物体検出装置。
【請求項3】
自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する手順と、
生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する手順と、
同一グループに含まれる各検出点と自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する手順と、
を有する物体検出方法において、
同一グループに含まれる検出点の個数が変化した場合、検出点の個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する手順を設けたことを特徴とする物体検出方法。
【請求項4】
自車前方に送信波を走査させながら出射して自車前方に存在する物体からの反射波を検出し、検出した反射波に基づいて自車に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する手順と、
生成された複数の検出点のうち、同一物体であると推定される検出点をグループ化する手順と、
グループ化された複数のグループのうち、同一物体であると推定されるグループをグループ化する手順と、
この第2グルーピング手段によりグループ化された同一グループに含まれる各グループと自車の距離を平均化し、当該平均距離の時間的差分に基づいて検出物体の自車に対する相対速度を算出する手順と、
を有する物体検出方法において、
同一グループに含まれるグループの個数が変化した場合、グループの個数が変化する直前に算出した相対速度を維持する手順を設けたことを特徴とする物体検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−85921(P2009−85921A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259671(P2007−259671)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]