説明

物品を取扱いかつポリラッピングするためのシステムおよび方法

本発明は、容器のポケット(12)内に保管された物品を取り出しかつポリラッピングするためのシステムおよび方法に関する。容器はDPP機械の一部であってもよい。運転時、分離シート(56)は取去られ、ポケットの底部は、そこにある物品がポリラッピング装置内に落下するように開口され、ポリラッピング装置は物品(14)を順次ポリラッピングする。物品がポケットから落下した後、分離シート(56)は再挿入される。ローラとクロスシーリングバー(28a,28b)は適切に配置されており、ポリラッピングは容易になる。H形ベルトは随意に使用可能であり、同様にポケットをポリラッピング装置へ移送する、軌道を備えたシート底部も同様に使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の取扱いの分野に関し、特に仕分けされる物品を取り出しかつポリラッピングするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品は一般的に受渡し地点包装機械(delivery point packaging machine)(DPP)により仕分けされる。適用分野にわたり使用されるような物品は、少なくとも郵便物の一つとしては、本、雑誌及び他のこのような物品である。DPP機械は大量の物品を仕分けするために使用される。物品はフィーダーにより機械内に供給され、このフィーダーはさらに物品の宛先アドレスだけでなく物品の厚さも解読する。DPPは、物品を収容するための多数のスロットあるいはポケットを備えている。ポケットは宛先アドレスに論理的に割当てられ、一度アドレスが(物品がDPP内に供給されたときの場合のように)知られると、物品は各々のポケット内に送られる。ポケットは容器内に保管されており、容器自体は、タワーの配置で保管されている。
【0003】
一ロットの物品がいったん適当に仕分けされると、アプリケーションに依存して、物品を取り出しかつポリラッピングすることが必要になる。ポケットから物品を取り出すには、維持されたポケット内部の物品の仕分け順序でもって、ポケットから物品を移動させねばならない。物品をポリラッピングするには、物品の取扱い等を容易にするポリラップ−プラスチック類の材料−内に少なくとも一つの物品をポリラッピングしなければならない。
【0004】
物品を取り出しかつポリラッピングするための現行のシステムは、扱いにくく、複雑で、大きくかさばっている。さらに取り出し兼ポリラッピングシステムはDPP機械には効果的に適用されなかった。
【0005】
さらに効果的でかつコストがかからない、物品の取り出し兼ポリラッピングの技術が必要とされている。さらにDPP機械に適用可能な技術が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、物品の取り出しとポリラッピングとを行うための方法を提供することである。さらに本発明の課題は、この方法を実施するためのシステムを提供することである。この方法において、ケーシングを取り出し領域かあるいは取り出し位置内へ移動し、容器内にある分離シートを移動し、容器内の各ポケットの底部を個別に開口し、それによりそこに保管された物品は開口部を通って落下し、H字状ベルトにより物品の下方へ向う動作を補助し、物品をポリラッピングステーションで収容し、そこで物品を次々にポリラッピングする。
【0007】
本システムは、後述の方法工程を達成するための手段を備えている。特に、ポケット床部の横方向の移動を容易にし、何れの物品がポケット側壁とベースの間で捕捉された状態になるのを防ぐように、ポケットの底部は多数の軌道を備え、ポケットを規定する壁は、軌道と相互作用する突出部を備えている。物品の内容物は、ポケット内にとどまっている。
H字状ベルトは二つの壁の間を走り、かつ床めで降下可能な頂部ウェビングを備えている。ポリラッピングステーションは、各々フィルム内に物品を入れるために、物品降下の開始と終わりにおいて、ポリラッピングフィルムを圧着するための第一及び第二圧着ユニットを備えている。同様に、前の組のポリラッピングされた物品の頂部は、次の組のポリラッピングされた物品の底部を形成しており、それにより、フィルムを連続的にかつより効率的に使用することができる。さらに、ポリラッピングステーションは、一対のローラ、ならびにポリラッピングされた物品の組を順次封止しかつ分離するために配置された切断手段を備えている。
【0008】
本発明のこれらの及び他の実施例は、明細書と請求の範囲に関してさらに詳細に以下に述べる.
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の特に有利な実施形態および方法を、添付した図に基づき詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
図1は本発明の第一実施例を概略的に示す図である。図示したように、ポケット担持体すなわちPOD10は、矢印18により示した方向で割り出しされている。第二担持体11は上流に示してある。本システムで使用される担持体の機能は等しく、かつ実例の担持体10を参照して説明する。
【0011】
担持体10は、そこに少なくとも一つの物品14を収容するための多数のポケット12aと12bを備えている。一つの容器あたりのポケットの大きさと数、及びそこに収容される物品の数は構造の問題である。ポケット12aはその中に物品を収容しているが、ポケット12bは空である。ポケットは一般的に物品挿入のための少なくとも一つの開口面を有している。ポケット底部は、ここで論じられるように選択的に開口していてもよい。ポケット頂部は構造に依存して開口するかあるいは閉鎖してもよい。図1に示すように、容器は少なくとも一つの開口部20を備えた底部材16に沿って移動する。代替え案として、容器は本来開口した底部材を備えたレール上を移動してもよい。図示例のために、開口部20を備えた固い底部材16をこの後引き合いに出すものとする。開口部20はポケット底部と位置あわせするように配置されており、かつ十分広いので、物品はそこを容易に通過することができる。
【0012】
開口部20の下方に配置された状態で、ポリラッピング手段21は、フィルム24と、一対のローラ26と、複数のクロスシーリングバー28a,28bとを備えている。ポリラッピング手段は当業者には公知である他の部材を備えており、わかり易くするためにここでは論じない。フィルムは、シート底部材16から間隔をおいて下方向でローラとシーリングバーの間を走行するように、二つの場所からポリラッピング手段内に案内される。シーム(Sheme)を案内する他のフィルムは熟練者により想定される通りに使用される。図1に示すように、フィルム24はシート底部材16の下方に配置され、かつ横方向及び縦方向に移動可能である。フィルムはローラ26の上を通って、ローラの間を通過し、相対するクロスシーリングバー28a,28bの間を下方へ向って下降する。ローラ26は、物品14がその間を通過できるように、十分広く間隔27をおいて設けられている。ローラ26は同一平面上にあってもおよび/または同軸であってもよい。クロスシーリングバー28aと28bは、(フィルム流の方向で)ローラ26の下流に配置されている。クロスシーリングバーは、垂直方向間隔34をおいて設けられており、この垂直方向間隔は最長の物品(14a)よりも大きい。同様に、クロスシーリングバーは、ポケット内の物品がそこを通過できるように十分大きく水平方向の間隔をおいて設けられている。クロスバーは同一平面上にあってもおよび/または同軸であってもよい。クロスシーリングバーは、ポイント36で結合するように横方向へ移動可能である。ポイント36において、フィルムの二つの側は持って来られて、共に封止される。クロスバー28aは上側位置を規定し、クロスバー28bは下側位置を規定する。その間において物品は二箔のフィルムに間に封止されている。さらに示すと、あるグループの物品8は、矢印22により指示された方向で、開口部20を通って降下する。降下長150は約150mmでよいが、他の降下長は構造により使用することができる。
【0013】
図2は単一ポケット12とPODベース100を示す。ベース100は多数の軌道40を備え、その中を突起部分42が通過する。軌道は割り出し方向18(図1)に対してほぼ平行に走っている。多数の突起部分42は、分離シート構造を備えたポケット壁44に取付けられている。この構造は間隔を置いて設けられた複数のローラ46を必要とする。ローラはポケットを規定する四つの角部に移動される。第一シート48はエンドレスループでローラの周囲を垂直方向に走っている。第二シート50はローラの間を水平方向に走っている。二枚のシート48と50、ならびにベース50がポケットキャビティ102を規定する。ローラが回転可能に係合すると、第二シート50はベース100の方向で降下し、同様に上昇するようになっている。さらにベース16は一対のラッチを備えている。底部ローラは、指示方向18で下流において、ラッチ52に当接するための横方向の一対の突出部54を備えており、それによりベース100に対するポケット12の移動は暫定的に保持され、あるいは逆もまた同様である。突出部により、物品はポケット側壁とベースの間で捕捉されるのを回避される。横方向の運動は、軌道40内を走っている部分42により容易になっている。横方向の移動量は、キャビティ内の物品が障害も無く現行の開口したベースの中を通過できるように、キャビティ102の幅とほぼ同じであるかあるいはそれよりも大きい。
【0014】
図2bはポケット12を示しており、ベース100は移動しており、第二シートは降下した状態になっている。ラッチ52は突出部54に当接している。第二シートの降下運動により、物品は開口しているポケット底部を通ってキャビティの内部に入る。第一及び第二シートの組合わせはH字状ベルトを構成する。
【0015】
本発明の操業は図3a,3b及び4に関連して記載してある。図3aおよび3bは各々四つの区分に分けてある(1〜8と呼ぶ)。図4は本発明の方法のフローチャートを示す。区分1,2及び8は、上方からのポケット12を示し、残りの図は側方からのポケットを示す。方法が始まる(工程70)。物品14と分離シート56はポケット12内に保管されている。区分2で示すように、分離シート56を矢印58で示すような方向で開口側から取去る(工程72)。
【0016】
区分3はポケット12の側面図を示し、分離シートは取去られた状態にある。前にポリラッピングされたグループの物品60が、トップクロスシーリングバー28aの下方に示してある。図の左側から右側へ移ると、その下方にベース100を備えたポケット12は、開口部20の上方で横方向に移動する(工程74)。一度ポケットが開口部20上方に配置されると(左の画)、ベース100は矢印106で示した方向で横方向に移動し、それにより、物品14は開口部20にさらされる。
【0017】
区分4において、ポケット12内部に収容された物品14は開口部20とローラ26内に、かつトップクロスシーリングバー28aの頂上に落下する(工程76)。
【0018】
区分5において、クロスシーリングバー28aは、底部クロスバー28bの方向に降下する。この動作は物品を備えたフィルムを引き降ろし、フィルムは側壁を形成し、側壁はフィルムにより物品を封止する。さらに、底部クロス区分バー28bはトップクロス区分バー28aの上方で適所内に上昇し、それにより次のグループの物品に備える。第二シート50は適当に降下した状態で示してあり、突出部42は適当な高さにある状態で示してある(工程78)。
【0019】
区分6において、縦長の物品はトップクロスシーリングバー28aの下方に降下しており、トップクロスシーリングバー28aは互いに近づく。第二シート50は十分降下した状態で示してあり、突出部42は十分な高さにある状態で示してある(工程80)。
【0020】
区分7において、ポケット12は空であり、第二シート50は上昇してトップ位置に戻っており、突出部42は底部位置に降下した状態にある(工程82)。
【0021】
区分8において、分離シート56はキャビティ102内に再挿入される(工程84)。この点で、空のポケットは新しい郵便物を収容するために再案内されてもよく、この方法は物品を備えた次のポケットにより継続する。こうしてこの方法は終了する(工程86)。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一実施例を概略的に示す図である。
【図2a】本発明によるポケットの概略斜視図である。
【図2b】図2aによるポケットの第二図である。
【図3a】本発明の方法の操業を示す図である。
【図3b】本発明の方法の操業を示す図である。
【図4】本発明の方法のフローチャートを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの物品を取扱いかつポリラッピングするための方法であって、
以下の工程、すなわち
−分離シートと前記少なくとも一つの物品をポケット内に挿入し、前記ポケットが、側壁、開口した前面と背面、および閉鎖した底部を備えている工程、
−前記ポケットをポリラッピング手段の上方に配置する工程、
−前記分離シートを前記開口した前面と背面の一つを経由して取去る工程、
−前記少なくとも一つの物品がそこを通過するように十分な大きさを有する開口部を形成するように、前記底部を移動させる工程、および
−前記第二開口部を通って前記物品を取去る工程を備えている特徴と方法。
【請求項2】
さらに前記物品をポリラッピングする工程を備えていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記底部が多数の軌道を備え、前記側壁が各々前記軌道と相互に作用する多数の突起部を備え、それにより前記底部の横方向の運動が容易になり、その一方で、前記側壁が相対的にほぼ静止したままの状態であり、物品が前記側壁と前記底部の間で捕捉されるのを防げることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記物品を取去る工程が、H字状ベルトにより前記開口部を経由して前記物品を強制的に取去る工程を備えていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記物品が前記開口部を経由して強制的に取去られた後、前記H字状ベルトをリセットする工程を備えていることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
さらに前記ポリラッピングの工程が、
スロット底部を備えるように、前記物品が前記第二開口部を経由して強制的に取去られる前に、ポリラップを一方の端部で圧着する工程と、
スロット頂部を備えるように第二の端部で前記ポリラップを圧着する工程を備え、
それにより前記物品が前記底部と頂部の間の前記ポリラップの内部で効率的に収容されていることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記スロット頂部が次のグループの物品のためのスロット底部を形成することを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項8】
前記物品が郵便物、本及び雑誌の少なくとも一つを備えていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
物品を取扱いかつポリラッピングするためのシステムであって、
−分離シートと、側壁と、開口した前面と背面と、閉鎖した底部とを有するポケットと、
−ポリラッピング手段の上方に前記ポケットを配置している手段と、
−前記少なくとも一つの物品がそこを通過するように十分な大きさを有する開口部を形成するように、前記底部を移動させるための手段と、
−前記第二開口部を通って前記物品を取去るための手段とを備えていることを特徴とする方法。
【請求項10】
さらに、前記物品をポリラッピングするための手段と、前記分離シートを取去る手段とを備えていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記底部が多数の軌道を備え、前記側壁が各々前記軌道と相互に作用する多数の突起部を備え、それにより前記底部の横方向の運動が容易になり、その一方で、前記側壁が相対的にほぼ静止したままの状態であり、物品が前記側壁と前記底部の間で捕捉されるのを防げることを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項12】
さらに前記物品を取去るための手段が、H字状ベルトにより前記開口部を経由して前記物品を強制的に取去るための手段を備えていることを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項13】
さらに、前記物品が前記開口部を経由して強制的に取去られた後、前記H字状ベルトをリセットするための手段を備えていることを特徴とする請求項12記載のシステム。
【請求項14】
さらに前記ポリラッピングするための手段が、
−前記物品がスロット底部を備えるように、前記第二開口部を経由して強制的に取去られる前に、ポリラップを一方の端部で圧着するための第一手段と、
−スロット頂部を備えるように第二の端部で前記ポリラップを圧着するための第二手段を備え、
それにより、前記物品が前記底部と頂部の間の前記ポリラップの内部で効率的に収容されていることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項15】
前記スロット頂部が次のグループの物品のためのスロット底部を形成していることを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項16】
さらに前記分離シートを再挿入するための手段を備えていることを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項17】
前記物品が郵便物、本及び雑誌の少なくとも一つを備えていることを特徴とする請求項9記載のシステム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−531668(P2007−531668A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525720(P2006−525720)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009851
【国際公開番号】WO2005/021382
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(591209109)シーメンス アクチェンゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】