説明

物品収納設備

【課題】複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、作業の簡素化を図りながら、物品搬送運転を適正に行うことができる物品収納設備を提供する点。
【解決手段】物品収納棚5の載置支持部12は、支持枠11に対する上下方向での設置位置を変更自在に構成され、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を定める設置パターンとして、予め設定した異なる複数種の設置パターンのうちから、実際に使用する設置パターンを選択する使用設置パターン選択手段が設けられ、運転制御手段は、複数種の設置パターンの夫々について複数の載置支持部12の設置位置の夫々における昇降基準位置から目標昇降位置までの目標昇降距離情報を記憶するように構成され、且つ、記憶している目標昇降距離情報のうち、使用設置パターン選択手段にて選択された設置パターンについての目標昇降距離情報に基づいて、物品搬送運転を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向に沿って立設された支持枠と上下方向に間隔を隔てて前記支持枠に設置自在な複数の物品載置用の載置支持部とを備えた物品収納棚と、上下方向に沿って昇降自在な物品移載装置を備えて前記載置支持部との間で物品を授受する物品搬送装置と、基準昇降位置からの前記物品移載装置の昇降距離を検出する昇降距離検出手段と、前記物品搬送装置の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、前記運転制御手段は、前記昇降距離検出手段の検出情報に基づいて、前記載置支持部の設置位置に対する目標昇降位置に前記物品移載装置を昇降させるべく、前記物品搬送装置を作動させる物品搬送運転を行うように構成されている物品収納設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品収納設備では、上下方向に並ぶ複数の載置支持部の夫々にて物品を載置支持し、複数の物品を上下方向に並べる状態で物品収納棚に収納してあり、物品搬送装置が物品移載装置を昇降させて載置支持部との間で物品の授受を行うようにしている。
【0003】
複数の載置支持部の上下方向での設置位置は、物品の高さによって定められる。例えば、季節が変わることによって物品収納棚に収納する物品が変わることがあり、物品の高さは一定ではない。従来の物品収納設備では、載置支持部が、支持枠に対する上下方向での設置位置を変更自在に構成され、物品の高さによって複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。この従来の物品収納設備では、上下方向での設置位置が複数の載置支持部の夫々に対応するように検出部材が設けられ、物品移載装置にその検出部材を検出する検出手段が設けられている。運転制御手段は、物品搬送運転において、検出手段にて検出部材を検出することにより載置支持部の設置位置に対する目標昇降位置に物品移載装置を昇降させるようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−181810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の物品収納設備では、物品搬送運転において目標昇降位置に物品移載装置を昇降させるために、複数の検出部材の上下方向での設置位置が複数の載置支持部の夫々と対応していることが必要となる。よって、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、載置支持部の設置位置を変更する作業だけでなく、検出部材の設置位置をも変更する作業を行わなければならず、多大な作業が必要であった。
【0006】
他の物品収納設備として、載置支持部を検出する載置支持部検出手段を物品移載装置に備え、運転制御手段が、物品移載装置を昇降させたときの載置支持部検出手段及び昇降距離検出手段の検出情報を用いて、複数の載置支持部の設置位置の夫々における昇降基準位置から目標昇降位置までの目標昇降距離情報を取得する学習運転を行うものがある。学習運転では、運転制御手段が、載置支持部検出手段にて複数の載置支持部を順次検出するように物品移載装置を昇降させ、且つ、載置支持部検出手段にて各載置支持部を検出したときの昇降距離検出手段の検出情報に基づいて、目標昇降距離情報を取得するように構成されている。
【0007】
この他の物品収納設備では、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、載置支持部の設置位置を変更する作業を行った後、運転制御手段にて学習運転を行うことにより、変更後における複数の載置支持部の設置位置の夫々についての目標昇降距離情報を取得できる。これにより、運転制御手段は、学習運転により取得した目標昇降距離情報に基づいて物品搬送運転を行うことができ、変更後の複数の載置支持部の夫々に対して目標昇降位置に物品移載装置を昇降させて、物品搬送運転を適正に行うことができる。よって、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、載置支持部の設置位置を変更する作業を行った後、運転制御手段にて学習運転を行うだけでよく、作業の軽減を図ることができる。
上記他の物品収納設備では、学習運転により複数の載置支持部の設置位置の夫々について変更した後の目標昇降距離情報を取得できるので、載置支持部の上下方向での設置位置を自由に変更できる。しかしながら、載置支持部の上下方向での設置位置を自由に変更すると、載置支持部の設置位置を変更する作業を行う前に、物品の高さに応じて複数の載置支持部の夫々の設置位置を定めなければならず、作業の複雑化を招いたり、載置支持部の設置位置のミスが起こり易くなる。載置支持部の設置位置のミスが生じると、載置支持部を適正な位置に設置し直すとともに、再度、運転制御手段により学習運転を行う必要があり、作業の増大を招いてしまう。
【0008】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、作業の簡素化を図りながら、物品搬送運転を適正に行うことができる物品収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明に係る物品収納設備の第1特徴構成は、上下方向に沿って立設された支持枠と上下方向に間隔を隔てて前記支持枠に設置自在な複数の物品載置用の載置支持部とを備えた物品収納棚と、上下方向に沿って昇降自在な物品移載装置を備えて前記載置支持部との間で物品を授受する物品搬送装置と、基準昇降位置からの前記物品移載装置の昇降距離を検出する昇降距離検出手段と、前記物品搬送装置の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、前記運転制御手段は、前記昇降距離検出手段の検出情報に基づいて、前記載置支持部の設置位置に対する目標昇降位置に前記物品移載装置を昇降させるべく、前記物品搬送装置を作動させる物品搬送運転を行うように構成されている物品収納設備であって、
前記載置支持部は、前記支持枠に対する上下方向での設置位置を変更自在に構成され、前記複数の載置支持部の上下方向での設置位置を定める設置パターンとして、予め設定した異なる複数種の設置パターンのうちから、実際に使用する設置パターンを選択する使用設置パターン選択手段が設けられ、前記運転制御手段は、前記複数種の設置パターンの夫々について前記複数の載置支持部の設置位置の夫々における昇降基準位置から目標昇降位置までの目標昇降距離情報を記憶するように構成され、且つ、記憶している目標昇降距離情報のうち、前記使用設置パターン選択手段にて選択された設置パターンについての目標昇降距離情報に基づいて、前記物品搬送運転を行うように構成されている点にある。
【0010】
すなわち、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、変更後の設置パターンとして、予め設定した異なる複数種の設置パターンのうちから一つの設置パターンを選択する。これにより、運転制御手段は、記憶している目標昇降距離情報のうち、使用設置パターン選択手段にて選択された設置パターンについての目標昇降距離情報に基づいて、物品搬送運転を行うので、実際に使用する設置パターンに対応する目標昇降距離情報を用いて物品搬送運転を行うことができる。よって、物品搬送運転において、実際に使用する設置パターンにおける複数の載置支持部の夫々に対する目標昇降位置に物品移載装置を的確に昇降させることができる。
【0011】
また、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、予め設定した異なる複数種の設置パターンのうちから一つの設置パターンを選択するだけでよく、物品の高さに応じて複数の載置支持部の夫々の設置位置を定める作業を必要とせず、作業の簡素化を図ることができる。しかも、載置支持部の設置位置を変更する作業を行う際には、予め設定した設置パターンに合わせて行うことができ、載置支持部の設置位置を自由に変更するものに比べて、載置支持部の設置位置のミスが起こり難くなる。
【0012】
以上のことから、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、作業の簡素化を図りながら、物品搬送運転を適正に行うことができるに至った。
【0013】
本発明に係る物品収納設備の第2特徴構成は、前記物品移載装置に備えられて前記載置支持部を検出する載置支持部検出手段が設けられ、前記運転制御手段は、前記載置支持部検出手段にて前記複数の載置支持部を順次検出するように前記物品移載装置を昇降させ、且つ、前記載置支持部検出手段にて各載置支持部を検出したときの前記昇降距離検出手段の検出情報及び前記使用設置パターン選択手段にて選択された設置パターンについての前記目標昇降距離情報に基づいて、前記複数の載置支持部の設置位置の夫々が前記使用設置パターン選択手段にて選択された設置パターンと合致するか否かを判定する設置位置確認運転を行うように構成されている点にある。
【0014】
すなわち、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、載置支持部の設置位置を変更する作業を行った後、運転制御手段が設置位置確認運転を行うことにより、変更後の複数の載置支持部の設置位置の夫々が使用設置パターン選択手段にて選択された設置パターンと合致するか否かを判定することができる。これにより、変更後の載置支持部の設置位置が誤っていると、載置支持部を適正な位置に設置し直すことができる。よって、載置支持部の設置位置が誤ったまま、物品搬送運転が行われるのを防止できる。
【0015】
本発明に係る物品収納設備の第3特徴構成は、前記複数種の設置パターンの夫々は、上下方向に隣接する前記載置支持部同士の間隔及び前記支持枠に対して設置する前記載置支持部の数により設定されている点にある。
【0016】
すなわち、物品収納棚に収納する物品の高さによって、上下方向に隣接する載置支持部同士の間隔及び支持枠に対して設置する載置支持部の数が変わる。そこで、複数種の設置パターンの夫々を、上下方向に隣接する載置支持部同士の間隔及び支持枠に対して設置する載置支持部の数により設定することにより、物品収納棚に収納する物品の高さに応じて複数種の設置パターンの夫々を的確に設定できる。
【0017】
本発明に係る物品収納設備の第4特徴構成は、前記物品収納棚は、棚前後幅方向の一端側において前記物品搬送装置と前記載置支持部との間で物品を授受するように構成され、且つ、棚前後幅方向の他端側において前記載置支持部にて載置支持された物品を取り出し自在に構成され、前記載置支持部は、載置支持する物品を棚前後幅方向の一端側から他端側に案内するように傾斜状態に設けられている点にある。
【0018】
すなわち、棚前後幅方向の一端側において物品搬送装置から載置支持部に物品が移載されると、その物品が載置支持部に載置支持された状態で棚前後幅方向の一端側から他端側に案内される。そして、棚前後幅方向の他端側では、載置支持部にて載置支持された物品を取り出し自在であるので、載置支持部に載置支持された物品を順次取り出す作業を行うことができる。したがって、例えば、載置支持部に複数の物品を種類ごとに分けて収納させ、種類ごとに分けて収納された物品の夫々を順次取り出していくような物品収納設備に対応できる。しかも、このような物品収納設備では、載置支持部に収納する物品の種類を変更することがあるので、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する必要が生じる。よって、複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合、作業の簡素化を図りながら、物品搬送運転を適正に行うことができるという効果が好適なものとなる。
【0019】
本発明に係る物品収納設備の第5特徴構成は、前記物品収納棚は、前記複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更可能な設置位置変更区分を水平方向に複数並べて設けるように構成され、前記複数種の設置パターンは、前記複数の設置位置変更区分の夫々に対して予め設定するように構成されている点にある。
【0020】
すなわち、物品収納棚は、設置位置変更区分ごとに複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更することができる。例えば、1つの設置位置変更区分だけを変更したり、3つの設置位置変更区分を変更する等、棚横幅方向において載置支持部の設置位置を変更する必要がある物品収納棚の一部だけを変更することができる。これにより、無駄な載置支持部の設置位置の変更を抑制できる。
【0021】
本発明に係る物品収納設備の第6特徴構成は、前記物品搬送装置は、前記物品収納棚における前記複数の設置位置変更区分に亘って水平方向に移動自在な移動体を備え、前記物品移載装置は、前記移動体に対して昇降自在に備えられている点にある。
【0022】
すなわち、物品搬送装置は、複数の設置位置変更区分に亘って水平方向に移動体を移動させることにより、物品移載装置を複数の設置位置変更区分の夫々に対応する位置に移動させることができる。これにより、複数の設置位置変更区分の夫々に対して物品を搬送するに当り、物品搬送装置を設けるだけでよく、構成の簡素化を図りながら、複数の設置位置変更区分の夫々に対して的確に物品を搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る物品収納設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
この物品収納設備は、図1に示すように、入庫コンベヤ1から分岐した分岐入庫コンベヤ2の夫々にて搬送される物品3を収納する自動倉庫ユニット4を2つ備えている。2つの自動倉庫ユニット4の夫々には、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した一対の物品収納棚5と、一対の物品収納棚5同士の間に形成した作業通路6を自動走行する物品搬送装置としてのスタッカークレーン7とが設けられている。
【0024】
この物品収納設備は、入庫コンベヤ1にて入庫される物品3を分岐入庫コンベヤ2に振り分けて搬送して自動倉庫ユニット4の夫々に物品3を入庫する。各自動倉庫ユニット4では、分岐入庫コンベヤ2にて入庫される物品3をスタッカークレーン7にて棚前後幅方向の一端側から物品収納棚5に収納し、棚前後幅方向の他端側から作業者が物品収納棚5に収納された物品3を取り出すように構成されている。
【0025】
以下、図1〜5に基づいて、自動倉庫ユニット4の構成について説明するが、2つの自動倉庫ユニット4は同様の構成であるので、図1中上方側に位置する自動倉庫ユニット4についてのみ説明し、図1中下方側に位置する自動倉庫ユニット4については説明を省略する。
【0026】
分岐入庫コンベヤ2は、一対の物品収納棚5の一方側においてその上方側に設けられ、棚横幅方向の略中央に位置する入庫部8まで物品3を搬送するように構成されている。作業通路6には、下方側に物品収納棚5の棚横幅方向に沿って走行レール9が設置され、上方側にも物品収納棚5の棚横幅方向に沿ってガイドレール10が設置されている。
【0027】
物品収納棚5は、棚前後幅の大きい第1物品収納棚5aと棚前後幅の小さい第2物品収納棚5bとから構成されている。第1、第2物品収納棚5a,5bは、上下方向に沿って立設された支持枠11と、上下方向に間隔を隔てて支持枠11に設置自在な複数の物品載置用の載置支持部12とを備えている。第1物品収納棚5aと第2物品収納棚5bとは、作業通路6を挟んで対向するように配設され、棚前後方向の一方側(作業通路6が位置する側)において、スタッカークレーン7と載置支持部12との間で物品3を授受するように構成され、且つ、棚前後方向の他方側(作業通路6が位置する側とは反対側)において、作業者Sにより載置支持部12に載置支持された物品3を取り出し自在に構成されている。
【0028】
支持枠11は、前後一対の柱材13と前後一対の柱材13同士を連結する連結部材14とから構成されている。載置支持部12は、水平方向に隣接する支持枠11に亘るように設けられた板状体にて構成されている。載置支持部12は、水平方向に間隔を隔てて並ぶ複数の物品載置位置Tの夫々に物品3を載置支持するように構成されている。載置支持部12は、載置支持する物品3を棚前後幅方向の一端側(作業通路6が位置する側)から他端側(作業通路6が位置する側とは反対側)に案内するように傾斜状態に設けられている。載置支持部12には、水平軸心周りで遊転自在なローラ15が棚前後方向に沿って間隔を隔てて複数設けられている。よって、物品3の自重を利用しながら、複数のローラ15により棚前後幅方向の一端側(作業通路6が位置する側)から他端側(作業通路6が位置する側とは反対側)に物品3を案内する。棚前後幅方向の他端側(作業通路6が位置する側とは反対側)には、載置支持部12から延設されて物品3を係止する延設係止体12aが設けられている。作業者Sは、延設係止体12aに係止された物品3を順次取り出すようにしている。
【0029】
載置支持部12は、支持枠11に対する上下方向での設置位置を変更自在に構成されている。図示は省略するが、支持枠11には、設定間隔(例えば、25mm)で載置支持部12を取り付け用の取付孔が設けられており、その取付孔と載置支持部12に設けられた挿通孔とを貫通する状態でピン等の取付具を設置することにより支持枠11に対して載置支持部12を設置する。そして、載置支持部12を取り付ける取付孔を変更することによって、支持枠11に対する上下方向での設置位置を変更するように構成されている。
【0030】
物品収納棚5は、図1及び図3に示すように、上下方向での複数の載置支持部12の設置位置を変更可能な設置位置変更区分Kを水平方向に複数並べて設けるように構成されている。つまり、水平方向に隣接する一対の支持枠11を一つの設置位置変更区分Kとし、その設置位置変更区分Kを水平方向に複数並べて物品収納棚5を構成している。図3(b)は、図3(a)において真中に位置する設置位置変更区分Kについてのみ、上下方向での複数の載置支持部12の設置位置を変更した場合を示している。
【0031】
スタッカークレーン7は、図4に示すように、走行レール9に沿って走行自在な移動体としての走行台車16と、走行台車16に対して昇降自在な昇降台17と、昇降台17に備えられて物品3を移載する物品移載装置18とを備えて構成されている。物品移載装置18は、走行台車16の走行及び昇降台17の昇降により、水平方向に移動自在で且つ上下方向に移動自在に構成されている。
【0032】
昇降台17は、走行台車16に立設した前後一対の昇降案内マスト19にて昇降自在に案内支持され、その左右両側に連結した昇降用チェーン20にて吊下げ支持されている。この昇降用チェーン20は、前後一対の昇降案内マスト19を連結する上部フレーム21に設けられた案内回転体22に巻き掛けられて、走行台車16の一端に装備の巻き取りドラム23に巻き掛けられている。巻き取りドラム23は、昇降用電動モータ24にて正逆に駆動回転されるように構成されている。昇降用電動モータ24が巻き取りドラム23を正逆に駆動回転させることにより、昇降用チェーン20を繰り出す又は巻き取って昇降台17を昇降させるように構成されている。
【0033】
走行台車16には、昇降経路上における昇降台17の昇降位置を検出する昇降用測距計25が設けられている。昇降用測距計25は、昇降台17に設置された昇降用反射板26に向けて昇降台17の昇降方向に沿って測距用のビーム光を投射して、昇降用反射板26にて反射される光を受光することにより、基準昇降位置(昇降用測距計25の上下方向での設置位置)から昇降台17までの距離を検出して昇降台17の昇降位置を検出するように構成されている。この昇降用測距計25が、昇降距離検出手段に相当する。
【0034】
走行台車16には、走行レール9上を走行自在な前後一対の走行車輪27が設けられている。前後一対の走行車輪27の一方が、走行用電動モータ28にて回転駆動される駆動輪27aとして構成され、他方が遊転自在な従動輪27bとして構成されている。また、走行台車16には、走行レール9上における走行台車16の走行位置を検出する走行用測距計29が設けられている。走行用測距計29は、走行レール9の一端部に設置された走行用反射板30に向けて走行レール9の長手方向に沿って測距用のビーム光を投射して、走行用反射板30にて反射される光を受光することにより、基準水平位置(走行用反射板30の設置位置)から走行台車16までの距離を検出して走行台車16の走行位置を検出するように構成されている。
昇降台17には、載置支持部12を検出する投受光式の載置支持部検出センサ31が設けられている。この載置支持部検出センサ31が、載置支持部検出手段に相当する。
【0035】
図5に示すように、地上側コントローラ32からの指令に基づいて、スタッカークレーン7の作動を制御するクレーン制御装置33が設けられている。クレーン制御装置33は、入庫部8から物品3を取り出す又は複数の物品載置位置物品Tの夫々との間で物品3を授受する物品搬送運転を行うように構成されている。
【0036】
物品搬送運転では、クレーン制御装置33が、入庫部8及び載置支持部12の物品載置位置Tの夫々に対する目標移載位置に物品移載装置18を移動させるべく、走行台車16の走行作動及び昇降台17の昇降作動を制御し、且つ、物品移載装置18を目標移載位置に停止させた状態において入庫部8から物品3を取り出す又は載置支持部12の物品載置位置Tの夫々との間で物品3を授受すべく、物品移載装置18の移載作動を制御する物品搬送運転を行うように構成されている。
【0037】
図2に示すように、クレーン制御装置33は、入庫部8から物品3を取り出すように物品搬送運転を行い、その取り出した物品3を複数の物品載置位置Tの何れかに卸すように物品搬送運転を行うことによって、入庫部8に入庫された物品3を複数の物品載置位置Tの何れかに収納するようにしている。そして、物品載置位置Tに収納された物品3は、載置支持部12及びローラ15の案内により棚前後幅方向の他端側(作業通路6が位置する側とは反対側)に案内され、作業者Sにより順次取り出される。
【0038】
目標移載位置は、物品3の移載を適正に行うための位置であり、水平方向における目標水平位置と上下方向における目標昇降位置とから定まる。物品載置位置Tにおける目標水平位置は、物品載置位置Tの中心位置を基準として定められており、物品載置位置Tにおける目標昇降位置は、載置支持部12の設置位置を基準として定められている。また、入庫部8における目標水平位置は、入庫部8の中心位置を基準として定められており、入庫部8における目標昇降位置は、入庫部8の設置位置を基準として定められている。
【0039】
クレーン制御装置33は、走行用測距計29の検出情報に基づいて、水平方向において目標水平位置に物品移載装置18を移動させるべく、走行台車16の走行作動を制御するとともに、昇降用測距計25の検出情報に基づいて、上下方向において目標昇降位置に物品移載装置18を移動させるべく、昇降台17の昇降作動を制御する。クレーン制御装置33は、入庫部8から物品3を取り出し及び載置支持部12の物品載置位置Tとの間で物品3を授受すべく、物品移載装置18の移載作動を制御する。
【0040】
走行台車16の走行作動については、クレーン制御装置33は、走行台車16の走行速度を制御しながら走行台車16を走行させるように走行用電動モータ28の作動を制御し、走行用測距計29の検出情報に基づいて物品移載装置18が目標水平位置に到達すると走行用電動モータ29を作動停止させて、目標水平位置に物品移載装置16を移動させる。
昇降台17の昇降作動については、クレーン制御装置33は、昇降台17の昇降速度を制御しながら昇降台17を昇降させるように昇降用電動モータ24の作動を制御し、昇降用測距計25の検出情報に基づいて物品移載装置18が目標昇降位置に到達すると昇降用電動モータ24を作動停止させて、目標昇降位置に物品移載装置16を移動させる。
【0041】
クレーン制御装置33は、走行台車16の走行作動及び昇降台17の昇降作動により、水平方向では目標水平位置に且つ上下方向では目標昇降位置に物品移載装置16を移動させて、物品移載装置16を目標移載位置に位置させる。その状態で、クレーン制御装置33は、入庫部8から物品3を取り出す又は物品載置位置Tとの間で物品3を授受すべく、物品移載装置16の作動を制御する。詳述はしないが、物品移載装置16は、昇降台17から水平方向に出退自在な一対の突出部材と、その突出部材の出退方向に物品3を搬送するコンベヤとを備えている。例えば、入庫部8や物品載置位置Yから物品3を取り出すときには、一対の突出部材を突出させて物品3を挟み込み、その挟み込んだ状態で一対の突出部材を引退させるとともに、コンベヤを作動させるようにしている。物品載置位置Tに物品3を卸すときには、物品3を取り出すときとは逆の動作を行う。
【0042】
物品搬送運転において目標移載位置に物品移載装置18を移動させるためには、クレーン制御装置33が、複数の物品載置位置Tの夫々における目標水平位置についての位置情報、及び、複数の載置支持部12の夫々における目標昇降位置についての位置情報を取得しておく必要がある。そこで、クレーン制御装置33は、目標水平位置についての位置情報として、複数の物品載置位置Tの夫々についての基準水平位置から目標水平位置までの目標水平距離情報を記憶するとともに、目標昇降位置についての位置情報として、複数の載置支持部12の夫々についての基準昇降位置から目標昇降位置までの目標昇降距離情報を記憶するように構成されている。
【0043】
ここで、載置支持部12は、支持枠11に対する上下方向での設置位置を変更自在に構成されているので、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を変更することができる。しかしながら、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を自由に変更できるようにすると、かえって作業の複雑化を招いてしまう虞がある。そこで、図6に示すように、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を定める設置パターンとして、異なる複数種の設置パターンを予め設定している。図6に示すものでは、設置パターンI〜IXの9種類を予め設定している。複数種の設置パターンの夫々は、上下方向に隣接する載置支持部12同士の間隔及び支持枠11に対して設置する載置支持部12の数により設定されている。図3(a)及び図6において説明すると、設置パターンIVでは、支持枠11に対して設置する載置支持部12の数は4つであり、且つ、下方側から1つ目の載置支持部12と2つ目の載置支持部12との間の間隔を600mm、下方側から2つ目の載置支持部12と3つ目の載置支持部12との間の間隔を400mm、下方側から3つ目の載置支持部12と4つ目の載置支持部12との間の間隔を250mm、下方側から4つ目の載置支持部12と物品収納棚5の上端部との間の間隔を250mmに設定している。
【0044】
このように、目標昇降距離情報については、複数種の設置パターンの夫々について目標昇降距離情報が存在するので、図5に示すように、クレーン制御装置33は、実際に使用している設置パターンについての目標昇降距離情報だけを記憶するのではなく、複数種の設置パターンの夫々についての目標昇降距離情報を記憶するように構成されている。複数種の設置パターンは、複数の設置位置区分Kの夫々に対して予め設定されているので、クレーン制御装置33は、設置位置区分Kごとに、目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を記憶するように構成されている。
【0045】
複数種の設置パターンのうちから、実際に使用する設置パターンを選択する使用設置パターン選択手段34が設けられている。使用設置パターン選択手段34による選択情報は、地上側コントローラ32を介してクレーン制御装置33に入力される。クレーン制御装置33は、記憶している複数種の設置パターンの夫々についての目標昇降距離情報のうち、使用設置パターン選択手段34にて選択された設置パターンについての目標昇降距離情報に基づいて、物品搬送運転を行うように構成されている。
図3(a)に示すように、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置として設置パターンIVを使用するときには、使用設置パターン選択手段34にて設置パターンIVを選択する。これにより、クレーン制御装置33は、記憶している複数種の設置パターンの夫々についての目標昇降距離情報のうちから設置パターンIVについての目標昇降距離情報を選択する。クレーン制御装置33は、物品搬送運転において、設置パターンIVについての目標昇降距離情報及び昇降用測距計25の検出情報に基づいて、上下方向において目標昇降位置に物品移載装置18を移動させるべく、昇降台17の昇降作動を制御する。
【0046】
クレーン制御装置33は、物品搬送運転を行うだけでなく、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置の夫々が使用設置パターン選択手段34にて選択された設置パターンと合致するか否かを判定する設置位置確認運転を行うように構成されている。設置位置確認運転では、クレーン制御装置33が、載置支持部検出センサ31にて複数の載置支持部12を順次検出するように物品移載装置18を昇降させるべく、昇降台17の昇降作動を制御する。クレーン制御装置33は、載置支持部検出センサ31にて各載置支持部12を検出したときの昇降用測距計29の検出情報及び使用設置パターン選択手段34にて選択された設置パターンについての目標昇降距離情報に基づいて、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置の夫々が使用設置パターン選択手段34にて選択された設置パターンと合致するか否かを判定する。
【0047】
例えば、図3(b)の白抜き矢印にて示すように、クレーン制御装置33は、棚横幅方向での設置位置区分Kの一端部(図中左側端部)において載置支持部検出センサ31にて複数の載置支持部12を順次検出するように物品移載装置18を上昇させるべく、昇降台17の昇降作動を制御する。この物品移載装置18の上昇中に、クレーン制御装置33は、載置支持部検出センサ31にて載置支持部12を検出したときの昇降用測距計29による基準昇降位置からの距離を各載置支持部12について取得する。その後、クレーン制御装置33は、棚横幅方向での設置位置区分Kの一端部(図中左側端部)から他端部(図中右側端部)に物品移載装置18を水平移動させるべく、走行台車16の走行作動を制御したのち、その他端部(図中右側端部)において載置支持部検出センサ31にて複数の載置支持部12を順次検出するように物品移載装置18を下降させるべく、昇降台17の昇降作動を制御する。この物品移載装置18の下降中に、クレーン制御装置33は、載置支持部検出センサ31にて載置支持部12を検出したときの昇降用測距計29による基準昇降位置からの距離を各載置支持部12について取得する。
【0048】
クレーン制御装置33は、複数の載置支持部12の夫々について上昇中に取得した距離と下降中に取得した距離との平均距離を求めるとともに、記憶している複数種の設置パターンの夫々についての目標昇降距離情報のうちから、使用設置パターン選択手段34にて選択された設置パターンについての目標昇降距離情報に基づいて、複数の載置支持部12の夫々について基準昇降位置からの目標昇降距離を求めている。クレーン制御装置33は、複数の載置支持部12の夫々について、平均距離と目標昇降距離とを比較して、平均距離と目標昇降距離とが合致するか否か(例えば、平均距離が目標昇降距離±αの範囲内になるか否か)を判別する。クレーン制御装置33は、複数の載置支持部12の全てについて平均距離と目標昇降距離とが合致すると判別すると、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置の夫々が使用設置パターン選択手段34にて選択された設置パターンと合致すると判定し、複数の載置支持部12の何れかが平均距離と目標昇降距離とが合致しないと判別すると、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置の夫々が使用設置パターン選択手段34にて選択された設置パターンと合致しないと判定する。
【0049】
以下、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を変更する場合の流れについて、図7のフローチャートに基づいて説明する。
季節が変わるなどにより、載置支持部12に収納する物品3が変わることにより物品3の高さが変化すると、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を変更する。この場合、物品収納棚5の棚横幅方向の全てにおいて、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を変更するのではなく、必要に応じて設置位置変更区分Kを一つの単位として変更するようにしている。例えば、図3(b)に示すように、図3(a)において真中に位置する設置位置変更区分Kのみ、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を変更することができる。
【0050】
まず、地上側コントローラ32からクレーン制御装置33に指令を与え、クレーン制御装置33がスタッカークレーン7の作動を制御することにより、複数の設置位置変更区分Kのうち、変更対象の設置位置変更区分Kから物品3を取り出して、その取り出した物品3を図外の取り出し箇所に搬送する物品取り出し運転を行う(#1)。
【0051】
複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を変更する場合、変更後の設置パターンとして、予め設定した異なる複数種の設置パターン(例えば、設置パターンI〜IXの9種類)のうちから、実際に使用する一つの設置パターンを選択する。作業者は、その選択した設置パターンに合わせて、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置を変更する設置位置変更作業を行う(#2)。これにより、物品3の高さに応じて複数の載置支持部12の夫々の設置位置を定める作業を必要とせず、作業の簡素化を図ることができる。しかも、設置パターンを予め設定したものに制限しているので、載置支持部12の設置位置を自由に変更するものに比べて、載置支持部12の設置位置のミスが起こり難くなる。
【0052】
設置位置変更作業を行ったのち、作業者が地上側コントローラ32を介してクレーン制御装置33にあらたに起動信号を与えると、クレーン制御装置33は設置位置確認運転を行う(#3)。クレーン制御装置33は、設置位置確認運転において、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置の夫々が使用設置パターン選択手段34にて選択された設置パターンと合致しないと判定すると、スタッカークレーン7を異常停止させるとともに、地上側コントローラ32を介して設置位置異常である旨を報知する異常処理を行う(#4,5)。
クレーン制御装置33は、設置位置確認運転において、複数の載置支持部12の上下方向での設置位置の夫々が使用設置パターン選択手段34にて選択された設置パターンと合致すると判定すると、その後、地上側コントローラ32からの指令に基づいて物品搬送運転を行う(#6)。
【0053】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態において、物品収納棚5は、単に、棚前後方向の一端側においてスタッカークレーン7と載置支持部12との間で物品3を授受するように構成し、棚前後方向の他端側において載置支持部12に載置支持された物品3を取り出し自在に構成しなくてもよい。
【0054】
(2)上記実施形態において、載置支持部12が水平方向に並べて載置支持する物品3の数は一定個数(例えば、4個)であるが、物品3の横幅によって載置支持部12が水平方向に並べて載置支持する物品3の数を変更することもできる。
【0055】
この場合、載置支持部12が水平方向に並べて載置支持する物品3の数によって、水平方向において複数の物品載置位置Tの夫々の位置が変化する。そこで、例えば、物品3の横幅の大きさによって載置支持部12が水平方向に並べて載置支持する物品3の個数を定める複数種の個数パターンを予め設定しておく。例えば、物品3の横幅が420〜550mmであると物品3の個数を3個とする個数パターンや、物品3の横幅が330〜410mmであると物品3の個数を4個とする個数パターン等を予め設定する。そして、運転制御手段は、複数種の個数パターンの夫々について複数の物品載置位置Tの夫々における目標水平距離情報を記憶するように構成している。実際に使用する物品3の横幅に応じて複数の個数パターンのうちから1つの個数パターンを選択すると、運転制御手段は、選択された個数パターンについての目標水平距離情報に基づいて、物品搬送運転を行うように構成している。このようにして、水平方向において複数の物品載置位置Tの夫々の位置が変化しても、水平方向において変化した各物品載置位置Tに対する目標水平位置に物品移載装置18を移動させることができる。
【0056】
(3)上記実施形態では、物品搬送装置として、水平移動自在な走行台車16と、走行台車16に対して昇降自在な昇降台17とを備えたスタッカークレーン7を例示したが、単に、物品移載装置を昇降自在に備えた昇降式の物品搬送装置を適応することができる。また、例えば、棚横幅方向において物品収納棚5の両端部に昇降案内マストと、その一対の昇降案内マストに亘って設けられて昇降自在な昇降台とを備え、物品移載装置を昇降台に対して水平方向に移動自在に設けた物品搬送装置を適応することもできる。
【0057】
(4)上記実施形態では、走行用測距計29により走行台車8の走行位置を検出するようにしているが、走行台車8の走行位置を検出する検出手段については適宜変更が可能である。例えば、走行レール5の基準位置からの走行距離を検出するロータリエンコーダを走行台車8に設け、このロータリエンコーダにて走行台車8の走行位置を検出することもできる。
また、昇降台10の昇降位置を検出する検出手段についても、昇降用測距計27に限らず、適宜変更が可能である。
【0058】
(5)上記実施形態では、地上側コントローラ32からの指令に基づいて、スタッカークレーン7の運転を制御するクレーン制御装置33をスタッカークレーン7に装備しているが、例えば、クレーン制御装置33をスタッカークレーン7に装備せずに、地上側コントローラ32、走行用電動モータ28、昇降用電動モータ24、及び、物品移載装置18の間で通信ネットワークを構成し、地上側コントローラ32が、走行用電動モータ28、昇降用電動モータ24、及び、物品移載装置18に対して、作動開始及び作動停止などの各種情報を通信ネットワークを介して指令することにより、スタッカークレーン7の運転を制御することもできる。この場合、地上側コントローラ32が運転制御手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】物品収納設備の平面図
【図2】棚前後方向に沿う断面での自動倉庫ユニットを示す図
【図3】棚横幅方向に沿う断面での物品収納棚を示す図
【図4】棚横幅方向に沿う断面でのスタッカークレーンを示す図
【図5】物品収納設備の制御ブロック図
【図6】複数種の設置パターンを示す表
【図7】複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更する場合の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0060】
5 物品収納棚
7 物品搬送装置
11 支持枠
12 載置支持部
16 移動体
18 物品移載装置
25 昇降距離検出手段
31 載置支持部検出手段
32,33 運転制御手段
34 使用設置パターン選択手段
K 設置位置変更区分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に沿って立設された支持枠と上下方向に間隔を隔てて前記支持枠に設置自在な複数の物品載置用の載置支持部とを備えた物品収納棚と、
上下方向に沿って昇降自在な物品移載装置を備えて前記載置支持部との間で物品を授受する物品搬送装置と、
基準昇降位置からの前記物品移載装置の昇降距離を検出する昇降距離検出手段と、
前記物品搬送装置の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
前記運転制御手段は、前記昇降距離検出手段の検出情報に基づいて、前記載置支持部の設置位置に対する目標昇降位置に前記物品移載装置を昇降させるべく、前記物品搬送装置を作動させる物品搬送運転を行うように構成されている物品収納設備であって、
前記載置支持部は、前記支持枠に対する上下方向での設置位置を変更自在に構成され、
前記複数の載置支持部の上下方向での設置位置を定める設置パターンとして、予め設定した異なる複数種の設置パターンのうちから、実際に使用する設置パターンを選択する使用設置パターン選択手段が設けられ、
前記運転制御手段は、前記複数種の設置パターンの夫々について前記複数の載置支持部の設置位置の夫々における昇降基準位置から目標昇降位置までの目標昇降距離情報を記憶するように構成され、且つ、記憶している目標昇降距離情報のうち、前記使用設置パターン選択手段にて選択された設置パターンについての目標昇降距離情報に基づいて、前記物品搬送運転を行うように構成されている物品収納設備。
【請求項2】
前記物品移載装置に備えられて前記載置支持部を検出する載置支持部検出手段が設けられ、
前記運転制御手段は、前記載置支持部検出手段にて前記複数の載置支持部を順次検出するように前記物品移載装置を昇降させ、且つ、前記載置支持部検出手段にて各載置支持部を検出したときの前記昇降距離検出手段の検出情報及び前記使用設置パターン選択手段にて選択された設置パターンについての前記目標昇降距離情報に基づいて、前記複数の載置支持部の設置位置の夫々が前記使用設置パターン選択手段にて選択された設置パターンと合致するか否かを判定する設置位置確認運転を行うように構成されている請求項1に記載の物品収納設備。
【請求項3】
前記複数種の設置パターンの夫々は、上下方向に隣接する前記載置支持部同士の間隔及び前記支持枠に対して設置する前記載置支持部の数により設定されている請求項1又は2に記載の物品収納設備。
【請求項4】
前記物品収納棚は、棚前後幅方向の一端側において前記物品搬送装置と前記載置支持部との間で物品を授受するように構成され、且つ、棚前後幅方向の他端側において前記載置支持部にて載置支持された物品を取り出し自在に構成され、
前記載置支持部は、載置支持する物品を棚前後幅方向の一端側から他端側に案内するように傾斜状態に設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載の物品収納設備。
【請求項5】
前記物品収納棚は、前記複数の載置支持部の上下方向での設置位置を変更可能な設置位置変更区分を水平方向に複数並べて設けるように構成され、
前記複数種の設置パターンは、前記複数の設置位置変更区分の夫々に対して予め設定するように構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の物品収納設備。
【請求項6】
前記物品搬送装置は、前記物品収納棚における前記複数の設置位置変更区分に亘って水平方向に移動自在な移動体を備え、
前記物品移載装置は、前記移動体に対して昇降自在に備えられている請求項5に記載の物品収納設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−143670(P2009−143670A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322202(P2007−322202)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】