説明

物品整列システム及びロボットハンド

【課題】ロボットを備えた物品整列システムにおいて、表裏の区別を有する複数の物品を姿勢及び表裏を揃えて整列させるためのシステム構成を、簡素化する。
【解決手段】第1ロボット30は、第1及び第2表面S1、S2のいずれか一方を上向きにした不規則配置で供給された物品Wを、物品供給部12から取り上げて、物品仮置部14の第1及び第2仮置領域20、24の仮置箇所18、22に、第1表面S1を上向きにした第1姿勢の物品Wと、第2表面S2を上向きにした第2姿勢(第1姿勢の鏡像)の物品Wとの、二列に振り分けて配置する。第2ロボット32は、第1姿勢の物品Wと第2姿勢の物品Wとを物品仮置部14から取り上げて、互いに反対の第1及び第2方向α、βへ回転させることで、それら物品Wを、互いに同一姿勢でそれぞれの第1表面S1及び第2表面S2を互いに同一方向に向けた状態(すなわち規則的配置)に整列させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットを備えた物品整列システムに関する。本発明はまた、物品整列システムで使用されるロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
不規則配置で供給される複数の物品を、ロボットを用いて規則的配置に整列させる物品整列システムは、従来、様々な構成のものが知られている。この種の物品整列システムは一般に、視覚センサが、不規則配置で供給される複数の物品の二次元画像データ(位置及び姿勢のデータを含む)を取得し、ロボットが、取得された二次元画像データに基づいて、個々の物品を把持して取り上げるとともに予め定めた規則的配置に整列させて配置するように構成される。
【0003】
また、表面及び裏面の区別を有する物品に対し、位置及び姿勢が雑多で表向き及び裏向きが混在する不規則配置から、姿勢及び表裏を揃えて整列する規則的配置に整列処理できるシステムも提案されている。例えば、特許文献1に記載される「小物ワークの受渡し制御装置」は、搬送コンベア上に不規則に投入された多数の小物ワークを一対のカメラで撮影して、それら小物ワークの取出し目標位置を演算し、一対の第一ロボットが、取出し目標位置で小物ワークを取り出すとともに、それら小物ワークを一対の第一治具に表裏が不規則な水平姿勢で整列載置し、第二ロボットが、第一治具上の表裏が不規則な小物ワークをそのままの状態で一括して取り上げて、水平姿勢から垂直姿勢に変換して第二治具に整列載置し、撮影した小物ワークの画像から第二治具上での各小物ワークの表裏を特定し、第二治具に搭載された表裏反転機構が、各小物ワークを個別に表裏反転して全ての小物ワークの表裏方向を統一する、という構成を有している。表裏反転機構は、小物ワークを載置する中間治具をそれぞれの上端に有する複数の回転軸を、専用の表裏反転用モータで個別に180度回動駆動するものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−274641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される受渡し制御装置では、小物ワークの位置、姿勢及び表裏を揃えるために、第一及び第二ロボットと、第一及び第二治具と、第二治具に搭載される表裏反転機構とを装備しているから、装置の構成が複雑になり、全体寸法が増加する傾向がある。また、第一ロボットによる搬送コンベアから第一治具へのワーク移送、第二ロボットによる第一治具から第二治具へのワーク移送(姿勢変換を含む)、及び表裏反転機構による個々のワークの表裏反転というように、整列処理のための工程数が多いから、全体の処理時間が長く非能率であるとともに、制御機構が複雑化することが懸念される。
【0006】
本発明の目的は、ロボットを備えた物品整列システムにおいて、表面及び裏面の区別を有する物品に対し、位置及び姿勢が雑多で表向き及び裏向きが混在する不規則配置から、姿勢及び表裏を揃えて整列する規則的配置に整列処理でき、しかも、システム構成を簡素化して整列処理のための工程数を削減できる、コンパクトで高能率の物品整列システムを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、物品整列システムで使用されるロボットハンドにおいて、物品整列システムの構成を簡素化するとともに整列処理のための工程数を削減することができるロボットハンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、互いに同一の形状及び寸法を有するとともに、各々が、第1の面特徴を有する第1表面と、第1表面の反対側の第2表面であって、第1の面特徴とは異なる第2の面特徴を有する第2表面とを備える複数の物品を、それら物品が互いに同一姿勢でそれぞれの第1表面及び第2表面を互いに同一方向に向けて整列する規則的配置に自動整列処理する物品整列システムにおいて、複数の物品を、それぞれが第1表面及び第2表面のいずれか一方を上向きにして二次元面内で様々な位置及び姿勢を呈する不規則配置で供給する物品供給部と、物品供給部が供給する複数の物品を受け取る物品仮置部であって、不規則配置の複数の物品のうち、第1表面を上向きにした物品を個別に一時的に置くことができる複数個の仮置箇所を等間隔整列配置で有する第1仮置領域と、第2表面を上向きにした物品を個別に一時的に置くことができる複数個の仮置箇所を、第1仮置領域と同じ等間隔整列配置で有する第2仮置領域とを、互いに並列に備える物品仮置部と、物品仮置部が受け取った複数の物品をさらに受け取る物品整列部であって、第1仮置領域に置かれた物品と第2仮置領域に置かれた物品とを、規則的配置で置くことができる整列領域を備える物品整列部と、物品供給部が供給する不規則配置の複数の物品を撮像するとともに、撮像したそれら物品の二次元画像を処理して、不規則配置の複数の物品の各々の位置、姿勢及び面特徴のデータを取得する視覚センサと、視覚センサが取得した複数の物品の各々の位置及び姿勢のデータに基づき、物品供給部が供給する不規則配置の複数の物品の各々を把持して取り上げるとともに、視覚センサが取得した複数の物品の各々の面特徴のデータに基づき、取り上げた複数の物品のうち、第1表面を上向きにした幾つかの物品を、物品仮置部の第1仮置領域における幾つかの仮置箇所に、二次元面内で互いに同一の第1姿勢であって第1表面を上向きにしたままの第1姿勢を呈するように置き、第2表面を上向きにした幾つかの物品を、物品仮置部の第2仮置領域における幾つかの仮置箇所に、二次元面内で互いに同一の第2姿勢であって第2表面を上向きにしたままでかつ第1姿勢の鏡像となる第2姿勢を呈するように置く第1ロボットと、第1ロボットが物品仮置部の第1仮置領域と第2仮置領域とに置いた複数の物品を把持して取り上げるとともに、取り上げた複数の物品のうち、第1姿勢を呈する物品を第1表面が横向きになる第1方向へ回転させ、第2姿勢を呈する物品を第2表面が横向きになる第2方向であって第1方向とは逆の第2方向へ回転させて、それら物品を、物品整列部の整列領域に、規則的配置で置く第2ロボットと、を具備することを特徴とする物品整列システムを提供する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の物品整列システムにおいて、第1ロボットは、物品仮置部の第1仮置領域と第2仮置領域との間で、第1姿勢を呈する物品と第2姿勢を呈する物品とが、相互鏡像位置から、仮置箇所の整列方向に見た1つの物品の寸法を超える距離だけ整列方向へ互いにずれて位置するように、第1表面を上向きにした幾つかの物品と第2表面を上向きにした幾つかの物品とを、第1仮置領域の複数個の仮置箇所と第2仮置領域の複数個の仮置箇所とのそれぞれから選択した幾つかの仮置箇所に置く、物品整列システムを提供する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の物品整列システムにおいて、物品仮置部は、第1仮置領域と第2仮置領域とのそれぞれに、複数個の仮置箇所を明示する複数の目印を備え、第1ロボットは、複数の目印に従って複数の物品を第1仮置領域及び第2仮置領域に置く、物品整列システムを提供する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の物品整列システムにおいて、複数の目印を検出して物品仮置部におけるそれら目印の位置データを取得する目印検出部をさらに具備し、第1ロボットは、目印検出部が取得した複数の目印の位置データに基づき、複数の物品を第1仮置領域及び第2仮置領域に置く、物品整列システムを提供する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品整列システムにおいて、第2ロボットは、物品仮置部の第1仮置領域に置かれた1つの物品を把持して第1方向へ変位することができる第1把持部と、第1把持部とは別の第2把持部であって、物品仮置部の第2仮置領域に置かれた1つの物品を把持して第2方向へ変位することができる第2把持部とを備えたハンドを具備する、物品整列システムを提供する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の物品整列システムにおいて、ハンドは、第1仮置領域の複数個の仮置箇所の整列間隔と同一の間隔で設置される複数個の第1把持部と、第2仮置領域の複数個の仮置箇所の整列間隔と同一の間隔で設置される複数個の第2把持部とを、互いに並列に備え、第2ロボットは、第1仮置領域に置かれた所望個数の物品と第2仮置領域に置かれた所望個数の物品とを、ハンドの対応個数の第1把持部と第2把持部とに同時に把持して取り上げる、物品整列システムを提供する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品整列システムにおいて、物品供給部は、複数の物品を不規則配置で搬送する供給コンベアと、供給コンベアの搬送速度を検出する速度検出器とを具備し、視覚センサは、供給コンベアの搬送方向に見て第1ロボットの上流側に設置される撮像部を有し、第1ロボットは、速度検出器が検出した供給コンベアの搬送速度に基づきトラッキング動作して、供給コンベアが搬送する不規則配置の複数の物品の各々を把持して取り上げる、物品整列システムを提供する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の物品整列システムにおいて、物品仮置部は、第1仮置領域及び第2仮置領域を有して物品を搬送する排出コンベアと、排出コンベアの搬送速度を検出する速度検出器とを具備し、第1ロボットは、速度検出器が検出した排出コンベアの搬送速度に基づきトラッキング動作して、排出コンベアの第1仮置領域の仮置箇所及び第2仮置領域の仮置箇所のそれぞれに物品を置く、物品整列システムを提供する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の物品整列システムにおいて、第2ロボットは、速度検出器が検出した排出コンベアの搬送速度に基づきトラッキング動作して、排出コンベアの第1仮置領域及び第2仮置領域のそれぞれに置かれた複数の物品を把持して取り上げる、物品整列システムを提供する。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の物品整列システムにおいて、物品整列部が排出コンベアに設けられ、第2ロボットは、速度検出器が検出した排出コンベアの搬送速度に基づきトラッキング動作して、取り上げた複数の物品を整列領域に規則的配置で置く、物品整列システムを提供する。
【0018】
請求項11に記載の発明は、互いに同一の形状及び寸法を有するとともに、各々が、第1の面特徴を有する第1表面と、第1表面の反対側の第2表面であって、第1の面特徴とは異なる第2の面特徴を有する第2表面とを備える複数の物品を、同時に把持することができるロボットハンドにおいて、第1表面を上向きにした1つの物品を把持するとともに、把持した物品を第1表面が横向きになる第1方向へ回転させるように動作する第1把持部と、第2表面を上向きにした1つの物品を把持するとともに、把持した物品を第2表面が横向きになる第2方向であって第1方向とは逆の第2方向へ回転させるように動作する第2把持部と、第1把持部と第2把持部とを同時に動作させる作動機構と、を具備することを特徴とするロボットハンドを提供する。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のロボットハンドにおいて、予め定めた間隔で設置される複数個の第1把持部と、それら第1把持部と同じ間隔で設置される複数個の第2把持部とを、互いに並列に備える、ロボットハンドを提供する。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載のロボットハンドにおいて、作動機構は、第1把持部と第2把持部とを、第1表面を上向きにした物品と第2表面を上向きにした物品とを把持するときの、互いに離隔する把持位置と、把持位置で把持した物品を第1方向及び第2方向に回転させた後の、互いに対向する整列位置との間で変位させるアームを具備する、ロボットハンドを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る物品整列システムでは、第1ロボットが、不規則配置で供給された物品を、物品仮置部の予め定めた第1及び第2仮置領域の仮置箇所に、第1表面を上向きにした第1姿勢の物品と、第2表面を上向きにした第2姿勢(第1姿勢の鏡像)の物品との、二列に振り分けて並列に配置し、第2ロボットが、二列に振り分けられた第1姿勢の物品と第2姿勢の物品とを物品仮置部から取り上げて、互いに鏡像の第1及び第2姿勢を呈している物品を互いに反対の第1及び第2方向へ回転させることで、それら物品を、互いに同一姿勢でそれぞれの第1及び第2表面を互いに同一方向に向けた状態(すなわち規則的配置)に整列させる。したがって、本発明によれば、物品の姿勢及び表裏を揃える整列処理のために従来技術でロボットに加えて必要とされた表裏反転機構を用いることなく、第1及び第2ロボットだけで物品を規則的配置に整列処理できるから、システム構成を簡素化して整列処理のための工程数を削減でき、以って、コンパクトで高能率の物品整列システムが実現される。
【0022】
第1ロボットが、第1姿勢を呈する物品と第2姿勢を呈する物品とを相互鏡像位置から互いにずれて位置するように第1及び第2仮置領域に置くことで、物品整列作業に際し、物品同士の衝突を回避することができる。
【0023】
第1及び第2仮置領域に仮置箇所を明示する目印を設けるとともに、物品仮置部における目印の位置データを取得する目印検出部を装備することで、物品仮置作業の制御プログラムを簡略化することができる。
【0024】
第2ロボットのハンドが、第1仮置領域の物品を把持して第1方向へ変位する第1把持部と、第2仮置領域の物品を把持して第2方向(第1方向の逆方向)へ変位する第2把持部とを備えるようにすれば、把持した物品を第1及び第2把持部の変位によって迅速に規則的配置に移行させることができる。また、いずれも複数個の第1及び第2把持部を備えるようにすれば、複数の物品を一括して規則的配置に移行させることができる。
【0025】
物品供給部としての供給コンベア、並びに物品仮置部及び物品整列部としての排出コンベアを用いることで、多数の物品に対し、物品仮置作業及び物品整列作業を滞りなく連続して実行することができる。
【0026】
また、本発明に係るロボットハンドによれば、第1表面を上向きにした物品と第2表面を上向きにした物品とを互いに反対の第1及び第2方向へ回転させることで、それら物品を、互いに同一姿勢でそれぞれの第1及び第2表面を互いに同一方向に向けた状態(すなわち規則的配置)に整列させることができるから、このロボットハンドを物品整列システムで使用することにより、物品整列システムの構成を簡素化するとともに整列処理のための工程数を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1は、本発明に係る物品整列システム10の基本構成を機能ブロック図で示す。物品整列システム10は、互いに同一の形状及び寸法を有するとともに、各々が、第1の面特徴を有する第1表面S1と、第1表面S1の反対側の第2表面S2であって、第1の面特徴とは異なる第2の面特徴を有する第2表面S2とを備える複数の物品Wを、それら物品Wが互いに同一姿勢でそれぞれの第1表面S1及び第2表面S2を互いに同一方向に向けて整列する規則的配置に自動整列処理するものである。
【0028】
物品整列システム10は、複数の物品Wを不規則配置で供給する物品供給部12と、物品供給部12が供給する複数の物品Wを受け取って一時的に支持する物品仮置部14と、物品仮置部14が受け取った複数の物品Wをさらに受け取って規則的配置で支持する物品整列部16とを備える。物品供給部12は、複数の物品Wを、それぞれが第1表面S1及び第2表面S2のいずれか一方を上向きにして二次元面内で様々な位置及び姿勢を呈する不規則配置で供給する。物品仮置部14は、不規則配置で供給された複数の物品Wのうち、第1表面S1を上向きにした物品Wを個別に一時的に置くことができる複数個の仮置箇所18を等間隔整列配置で有する第1仮置領域20と、第2表面S2を上向きにした物品を個別に一時的に置くことができる複数個の仮置箇所22を、第1仮置領域20と同じ等間隔整列配置で有する第2仮置領域24とを、互いに並列に備える。物品整列部16は、物品仮置部14の第1仮置領域20に置かれた物品Wと第2仮置領域24に置かれた物品Wとを、互いに同一姿勢でそれぞれの第1表面S1及び第2表面S2を互いに同一方向に向けて整列する規則的配置で置くことができる整列領域26を備える。ここで、物品仮置部14の第1仮置領域20と第2仮置領域24とが「互いに並列」であるということは、図示のように、それら領域20、24が互いに平行に並ぶとともに、それぞれの仮置箇所18、22同士が領域20、24の延長方向に対し直交する方向へ正対する位置関係にあることを意味する。
【0029】
物品整列システム10は、物品供給部12が供給する不規則配置の複数の物品Wを撮像するとともに、撮像したそれら物品Wの二次元画像Gを処理して、不規則配置の複数の物品Wの各々の位置のデータDp、姿勢のデータDo及び面特徴のデータDfを取得する視覚センサ28を、さらに備える。視覚センサ28は、例えば、CCDカメラ等の撮像部と、専用の画像処理装置又は後述するロボットコントローラの一機能である画像処理部とを備えて構成される。
【0030】
物品整列システム10は、視覚センサ28が取得した複数の物品Wの各々の位置のデータDp及び姿勢のデータDoに基づき、物品供給部12が供給する不規則配置の複数の物品Wの各々を把持して取り上げる第1ロボット30を、さらに備える。第1ロボット30は、視覚センサ28が取得した複数の物品Wの各々の面特徴のデータDfに基づき、取り上げた複数の物品Wのうち、第1表面S1を上向きにした幾つかの物品Wを、物品仮置部14の第1仮置領域20における幾つかの仮置箇所18に、二次元面内で互いに同一の第1姿勢であって第1表面S1を上向きにしたままの第1姿勢を呈するように置く一方、第2表面S2を上向きにした幾つかの物品Wを、物品仮置部14の第2仮置領域24における幾つかの仮置箇所22に、二次元面内で互いに同一の第2姿勢であって第2表面S2を上向きにしたままでかつ第1姿勢の鏡像(すなわち面対称)となる第2姿勢を呈するように置く(第1ロボット30によるこのような一連の作業を、以下、物品仮置作業と称する。)。第1ロボット30は、例えば、多関節型マニピュレータ等の機構部と、機構部の動作を制御するロボットコントローラとを備えて構成される。
【0031】
物品整列システム10は、第1ロボット30が物品仮置部14の第1仮置領域20と第2仮置領域24とに置いた複数の物品Wを把持して取り上げる第2ロボット32を、さらに備える。第2ロボット32は、取り上げた複数の物品Wのうち、第1姿勢を呈する物品Wを第1表面S1が横向きになる第1方向αへ回転させ、第2姿勢を呈する物品Wを第2表面S2が横向きになる第2方向βであって第1方向αとは逆の第2方向βへ回転させて、それら物品Wを、物品整列部16の整列領域26に、互いに同一姿勢でそれぞれの第1表面S1及び第2表面S2を互いに同一方向に向けて整列する規則的配置で置く(第2ロボット32によるこのような一連の作業を、以下、物品整列作業と称する。)。第2ロボット32は、例えば、多関節型マニピュレータ等の機構部と、機構部の動作を制御するロボットコントローラとを備えて構成される。
【0032】
上記構成を有する物品整列システム10では、第1ロボット30が、二次元面内での位置及び姿勢が雑多で第1表面S1及び第2表面S2のいずれか一方を上向きにした(つまり表向き及び裏向きが混在する)不規則配置で供給された物品Wを、物品供給部12から取り上げて、物品仮置部14の予め定めた第1及び第2仮置領域20、24の仮置箇所18、22に予め定めたルールに従って置くように動作することで、物品仮置部14に、第1表面S1を上向きにした第1姿勢の物品Wと、第2表面S2を上向きにした第2姿勢(第1姿勢の鏡像)の物品Wとを、二列に振り分けて並列に配置する。そこで、後段の第2ロボット32は、二列に振り分けられた第1姿勢の物品Wと第2姿勢の物品Wとを物品仮置部14から取り上げて、互いに鏡像の第1及び第2姿勢を呈している物品Wを、互いに反対の第1及び第2方向α、βへ回転させることで、それら物品Wを、互いに同一姿勢でそれぞれの第1表面S1及び第2表面S2を互いに同一方向に向けた状態(すなわち規則的配置)に整列させることができる。したがって、物品整列システム10によれば、物品の姿勢及び表裏を揃える整列処理のために従来技術でロボットに加えて必要とされた表裏反転機構を用いることなく、第1ロボット30及び第2ロボット32だけで物品Wを規則的配置に整列処理できるから、システム構成を簡素化して整列処理のための工程数を削減でき、以って、コンパクトで高能率の物品整列システム10が実現される。
【0033】
次に、図2〜図6を参照して、本発明の一実施形態による物品整列システム40の構成を説明する。物品整列システム40は、上記した物品整列システム10の基本構成を有するものであり、対応する構成要素には共通の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
物品整列システム40は、物品供給部12(図1)として、物品整列システム40の前工程Aから投入された複数の物品Wを、前述した不規則配置で支持して搬送する供給コンベア42と、供給コンベア42の搬送速度V1を検出する速度検出器44とを備える。供給コンベア42は、無端ベルト等の移動体46を備えた公知の物品搬送装置であり、図示しない駆動源の駆動により移動体46を連続的又は断続的に搬送速度V1で移動させて、移動体46の上面に搭載した物品Wを図示矢印方向へ搬送する。速度検出器44は、供給コンベア42の駆動源や移動体46に設置されるパルスコーダ等の公知の変位検出器であり、検出した搬送速度V1を物品Wの移動速度データとして第1ロボット30に送る。
【0035】
物品整列システム40は、視覚センサ28(図1)として、供給コンベア42の搬送方向に見て第1ロボット30の上流側に設置されるCCDカメラ等の撮像部48と、撮像部48に無線又は有線で接続される画像処理部50とを備える。撮像部48は、図に破線で示すように、供給コンベア42の移動体46の全幅をカバーするとともに搬送方向所定距離に渡る視野52を有する。画像処理部50は、専用の画像処理装置又は第1ロボット30のロボットコントローラの一機能からなり、撮像部48が撮像した不規則配置の複数の物品Wの二次元画像Gを処理して、各物品Wの位置データDp(X座標、Y座標)、姿勢データDo(R(ロール)角)及び面特徴データDfを取得する。なお、物品Wの第1及び第2の面特徴としては、模様、凹凸、色等を挙げることができるが、いずれの場合も、視覚センサ28による二次元画像での識別が可能な特徴であることが要求される。
【0036】
第1ロボット30は、多関節型マニピュレータ等の機構部54と、機構部54の動作を制御するロボットコントローラ(図示せず)とを備える。第1ロボット30のロボットコントローラは、画像処理部50が取得した複数の物品Wの各々の位置データDp及び姿勢データDoと、速度検出器44が検出した供給コンベア42の搬送速度V1とに基づき、速度V1で移動する各物品Wに対し、機構部54をトラッキング動作させる。このトラッキング動作により、第1ロボット30は、速度V1で移動する物品Wを追尾するように動作して、機構部54の末端(通常は手首軸)に装着したハンド(図示せず)により、供給コンベア42が搬送する不規則配置の複数の物品Wの各々を、1つずつ把持して取り上げる。なお、ロボットのトラッキング動作の制御手法については、公知のものを適用できるので説明を省略する。また、第1ロボット30のハンドの構成は任意である。
【0037】
視覚センサ28の撮像部48は、供給コンベア42の搬送速度V1に基づき、図示しない撮像制御部により動作制御されて、予め定めたタイミングで視野52内の対象物の静止画像の撮像を断続的に実行する。このとき、全ての物品Wを漏れなく撮像する目的で、搬送方向に見てある程度の重複を含む二次元画像Gが得られるように、撮像タイミングを設定する。このような撮像制御部は、第1ロボット30のロボットコントローラの一機能として構成できる。そして、第1ロボット30のロボットコントローラは、画像処理部50が複数の二次元画像Gから取得した複数の物品Wの位置及び姿勢データDp、Doに基づき、位置及び姿勢がいずれも正確に合致する物品同士を同一の物品Wであると判断して、1つの物品Wに対し上記した取り上げ作業を繰り返さないように、機構部54を制御する。
【0038】
このように、物品供給部12として供給コンベア42を用い、第1ロボット30にトラッキング動作を遂行させることで、多数の物品に対し、物品仮置作業を滞りなく連続して効率的に実行することができる。
【0039】
物品整列システム40は、物品仮置部14(図1)として、供給コンベア42から受け取った複数の物品Wを支持して搬送する排出コンベア56と、排出コンベア56の搬送速度V2を検出する速度検出器58とを備える。排出コンベア56は、無端ベルト等の移動体60を備えた公知の物品搬送装置であり、図示しない駆動源の駆動により移動体60を連続的又は断続的に搬送速度V2で移動させて、移動体60の上面に搭載した物品Wを図示矢印方向へ搬送する。速度検出器58は、排出コンベア56の駆動源や移動体60に設置されるパルスコーダ等の公知の変位検出器であり、検出した搬送速度V2を物品W及び移動体60の移動速度データとして、第1ロボット30及び第2ロボット32に送る。
【0040】
排出コンベア56は、移動体60の上面に、第1表面S1を上向きにした物品Wを一時的に置くことができる第1仮置領域20と、第2表面S2を上向きにした物品を一時的に置くことができる第2仮置領域24とを、互いに並列に備えている。第1ロボット30は、視覚センサ28の画像処理部50が取得した複数の物品Wの各々の面特徴データDfに基づき、供給コンベア42から取り上げた複数の物品Wがいずれの表面S1、S2を上向きにしているかを個々に判断し、それら物品Wのうち、第1表面S1を上向きにした物品Wを、排出コンベア56の第1仮置領域20における仮置箇所18(図1)に、前述した第1姿勢を呈するように置くとともに、第2表面S2を上向きにした物品Wを、排出コンベア56の第2仮置領域24における仮置箇所22(図1)に、前述した第2姿勢(第1姿勢の鏡像)を呈するように置く。
【0041】
このとき、第1ロボット30は、速度検出器58が検出した排出コンベア56の搬送速度V2に基づき、速度V2で移動する移動体60(第1仮置領域20及び第2仮置領域24)に対し、機構部54をトラッキング動作させる。このトラッキング動作により、第1ロボット30は、速度V2で移動する移動体60を追尾するように動作して、機構部54のハンド(図示せず)に把持した物品Wを、第1仮置領域20の仮置箇所18(図1)及び第2仮置領域24の仮置箇所22(図1)のそれぞれに、第1姿勢の物品Wと第2姿勢の物品Wとに振り分けて1つずつ、二列に並ぶように配置する。
【0042】
このように、物品仮置部14として排出コンベア56を用い、第1ロボット30にトラッキング動作を遂行させることで、多数の物品に対し、物品仮置作業を滞りなく連続して効率的に実行することができる。
【0043】
上記した物品仮置作業に際し、第1ロボット30のロボットコントローラは、例えば、供給コンベア42上の物品Wをハンドで把持するときに、ハンドと物品Wとを予め定めた相対位置/姿勢に配置して物品W上の予め定めた把持位置を把持するように、機構部54(及びハンド)の動作を制御する。そして、ハンドで把持した物品Wを排出コンベア56の第1及び第2仮置領域20、24に置くときには、第1ロボット30のロボットコントローラは、機構部54(及びハンド)を、各領域20、24用に予め教示したロボット姿勢に移行するように動作させる。それにより、物品Wを第1及び第2仮置領域20、24にそれぞれ第1及び第2姿勢で置くことができる。或いは、供給コンベア42上の物品Wの把持可能な適当な部位をハンドに把持させて、把持したときの機構部54(及びハンド)の位置及び姿勢に基づき、各領域20、24用に予め教示したロボット姿勢を補正することによっても、物品Wを第1及び第2仮置領域20、24にそれぞれ第1及び第2姿勢で置くことができる。
【0044】
上記した物品仮置作業に際し、好ましくは第1ロボット30は、排出コンベア56(物品仮置部14)の第1仮置領域20と第2仮置領域24との間で、第1姿勢を呈する(つまり第1表面S1が上向きの)物品Wと第2姿勢を呈する(つまり第2表面S2が上向きの)物品Wとが、排出コンベア56の幅方向へ正対する相互鏡像位置から、仮置箇所18、22(図1)の整列方向に見た1つの物品Wの寸法Lを超える距離だけ整列方向へ互いにずれて位置する(図2)ように、第1表面S1を上向きにした幾つかの物品Wと第2表面S2を上向きにした幾つかの物品Wとを、第1仮置領域20の複数個の仮置箇所18と第2仮置領域24の複数個の仮置箇所22とのそれぞれから選択した幾つかの仮置箇所18、22に置く。これにより、後述する物品整列作業に際し、物品W同士の衝突を回避することができる。
【0045】
この構成では、第1ロボット30は、排出コンベア56から物品Wを取り上げた順番に従って、第1表面S1を上向きにした物品Wと第2表面S2を上向きにした物品Wとをそれぞれ、第1仮置領域20の仮置箇所18と第2仮置領域24の仮置箇所22とに、排出コンベア56の幅方向に並ぶ仮置箇所18、22のいずれか一方に必ず物品Wが置かれるように、コンベア搬送方向の下流側から上流側へ順次置いていけばよい。結果として、複数個の仮置箇所18、22から適宜選択した仮置箇所18、22に、第1及び第2姿勢の物品Wがそれぞれ置かれることになる。
【0046】
図3に示すように、排出コンベア56(物品仮置部14)は、移動体60の上面に形成した第1仮置領域20と第2仮置領域24とのそれぞれに、複数個の仮置箇所18、22を明示する複数の目印62を備えることが有利である。この場合、第1ロボット30は、それら複数の目印62に従って、前述したように複数の物品Wを第1仮置領域20及び第2仮置領域24に振り分けて置くことができる。このように構成することで、物品仮置作業の制御プログラムを簡略化することができる。なお、図3(a)に描示される一点鎖線は、第1及び第2仮置領域20、24並びにそれぞれの仮置箇所18、22の輪郭を図面上で明らかにするための仮想線であって、移動体60の上面には実際には複数の目印62だけが存在する。各目印62の形状及び寸法並びに仮置箇所18、22内での位置は任意であり、例えば、一点鎖線で描示した仮想線に相当する枠状の目印を採用することもできる。また、移動体60が無端構造であることを考慮すれば、移動体60の表面の全体に複数の目印62を設けることが好ましい。
【0047】
上記構成においては、排出コンベア56(物品仮置部14)に設けた複数の目印62を検出して、排出コンベア56上でのそれら目印62の位置データDmを取得する目印検出部64(図2)を備えることが望ましい。目印検出部64は、排出コンベア56の搬送方向に見て第1ロボット30の上流側に設置される光電センサ等の公知の物体検出器であり、検出した目印62の位置データDmを第1ロボット30に送る。第1ロボット30は、速度検出器58が検出した排出コンベア56の搬送速度V2と、目印検出部64が取得した複数の目印62の位置データDmとに基づき、前述したトラッキング動作により、複数の物品Wを第1仮置領域20及び第2仮置領域24に振り分けて置くことができる。
【0048】
第2ロボット32は、多関節型マニピュレータ等の機構部66と、機構部66の動作を制御するロボットコントローラ(図示せず)とを備える。第2ロボット32のロボットコントローラは、速度検出器58が検出した排出コンベア56の搬送速度V2に基づき、第1ロボット30により排出コンベア56の第1仮置領域20及び第2仮置領域24のそれぞれに振り分けて置かれた複数の物品Wの各々(速度V2で移動)に対し、機構部66をトラッキング動作させる。このトラッキング動作により、第2ロボット32は、速度V2で移動する物品Wを追尾するように動作して、機構部66の末端(通常は手首軸)に装着したハンド68(図4及び図5)により、排出コンベア56が搬送する第1仮置領域20及び第2仮置領域24の複数の物品Wを把持して取り上げる。
【0049】
第2ロボット32のハンド68は、本発明の一実施形態によるロボットハンドである。図4及び図5に示すように、ハンド68は、排出コンベア56(物品仮置部14)の第1仮置領域20に置かれた1つの物品Wを把持して、第1表面S1が上向きの第1姿勢を呈する物品Wを第1表面S1が横向きになる第1方向αへ変位することができる第1把持部70と、第1把持部70とは別の第2把持部72であって、排出コンベア56(物品仮置部14)の第2仮置領域24に置かれた1つの物品Wを把持して、第2表面S2が上向きの第2姿勢を呈する物品Wを第2表面S2が横向きになる第2方向β(第1方向αの逆方向)へ変位することができる第2把持部72とを備える。
【0050】
特に図示実施形態では、ハンド68は、第1仮置領域20の複数個の仮置箇所18(或いは目印62)(図3)の整列間隔と同一の間隔Tで設置される複数個の第1把持部70と、第2仮置領域24の複数個の仮置箇所22(或いは目印62)(図3)の整列間隔に対応する間隔Tで設置される複数個の第2把持部72とを、互いに並列に備える。ここで、複数個の第1把持部70と複数個の第2把持部72とが「互いに並列」であるということは、図示のように、第1把持部70の列と第2把持部72の列とが互いに平行に並ぶとともに、それぞれの列における第1及び第2把持部70、72同士が、列の延長方向に対し直交する方向へ正対する位置関係にあることを意味する。また、仮置箇所18、22、第1把持部70又は第2把持部72の「間隔」とは、整列方向に隣り合う仮置箇所18、22、把持部70、72の間の隙間ではなく、整列方向に隣り合う仮置箇所18、22、把持部70、72のピッチを意味する。
【0051】
ハンド68はさらに、第2ロボット32の機構部66の末端(通常は手首軸)に取り付けられるベース74と、ベース74を中心として両側方へ直線状に延長される固定アーム76と、固定アーム76の長手方向の複数箇所から固定アーム76に直交する二方向へ延設される複数組(図では5組)の可動アーム78とを備える。固定アーム76の長手方向同一位置に設置される各組の一対の可動アーム78の先端には、第1把持部70及び第2把持部72が個別に担持される。それら可動アーム78は、第1把持部70と第2把持部72とを同時に動作させる作動機構として機能する。
【0052】
各組を成す一対の可動アーム78は、それぞれの先端の第1把持部70と第2把持部72とを、第1表面S1を上向きにした物品W(つまり排出コンベア56の第1仮置領域20に第1姿勢で置かれた物品W)と第2表面S2を上向きにした物品W(つまり排出コンベア56の第2仮置領域24に第2姿勢で置かれた物品W)とを把持するときの、互いに離隔する把持位置(図4)と、把持位置で把持したそれら物品Wを第1方向α及び第2方向βにそれぞれ回転させた後の、互いに対向する整列位置(図5)との間で、約90度の中心角に渡り回転変位させる。このような可動アーム78は、エアシリンダ、リンク等の、図示しない駆動手段を個々に内蔵することができる。また、エアシリンダに代えて、電動機等の他の駆動源をハンド68に搭載することもできる。
【0053】
図示実施形態では、第1把持部70及び第2把持部72はいずれも、物品Wを真空吸着する吸着パッドの構成を有する。この場合、ハンド68に接続される真空回路(図示せず)のON/OFF切り換えにより、全ての第1及び第2把持部70、72を把持/解除動作させることができる。また、各組の可動アーム78の第1把持部70及び第2把持部72は、把持位置では、両者の吸着パッドの吸着面を互いに同一の側方へ向けて配置され(図4(b))、整列位置では、両者の吸着パッドの吸着面を、それら吸着面の間に1個の物品Wを挟持可能な隙間を空けて、互いに対向させて配置される(図5(b))。したがってこの構成のハンド68を用いる場合には、前述したように、排出コンベア56の第1及び第2仮置領域20、24に、第1姿勢を呈する物品Wと第2姿勢を呈する物品Wとを、排出コンベア56の幅方向へ正対する相互鏡像位置から互いにずれて配置する必要が有る。なお、把持位置において物品Wを把持していない第1又は第2把持部70、72は、整列位置に移行した後に、対向する第1又は第2把持部70、72に把持されている物品Wの反対側の表面(第1又は第2表面S1、S2)を、改めて把持するように動作することもできる。
【0054】
上記構成のハンド68を備えた第2ロボット32は、排出コンベア56の第1仮置領域20に第1姿勢で置かれた所望個数(図では3個)の物品Wと、排出コンベア56の第2仮置領域24に第2姿勢で置かれた所望個数(図では2個)の物品Wとを、前述したトラッキング動作により、ハンド68の対応個数の第1把持部70と第2把持部72とに同時に把持して取り上げることができる(図4)。そして、排出コンベア56の移動体60の上方へ十分に離れた位置で、第2ロボット32は、ハンド68の全ての可動アーム78を同時に動作させて第1及び第2把持部70、72を把持位置から整列位置へ変位させ、第1及び第2把持部70、72に把持した物品Wを第1方向α及び第2方向βにそれぞれ回転させる。全ての第1及び第2把持部70、72が整列位置に到達した時点で、ハンド68に把持した複数の物品Wは、互いに同一姿勢でそれぞれの第1表面S1及び第2表面S2を互いに同一方向に向けた状態(すなわち規則的配置)に整列している(図5)。なお、第1及び第2把持部70、72を把持位置から整列位置へ変位させる可動アーム78の動作は、必ずしも全ての可動アーム78が同時遂行しなくてもよいし、物品Wを第1又は第2把持部70、72に把持している可動アーム78のみを動作させるようにしてもよい。
【0055】
物品整列システム40においては、物品整列部16(図1)は、排出コンベア56に設けられる。この構成では、図2に示すように、排出コンベア56の搬送方向下流端に近接する移動体60上の予め定めた領域に、複数の物品Wを前述した規則的配置で置くための整列領域26が形成される。整列領域26は基本的には、前述した第1及び第2仮置領域20、24と同様に、移動体60上に仮想線によって画定される領域である。或いは、物品Wが規則的配置の姿勢で自立し難い形状を有する場合には、移動体60の表面に物品Wを受容する溝を形成したり、例えば図6に示すように、移動体60の表面から離隔した位置に静止ガイド80を設置したりすることで、整列領域26を形成することもできる。
【0056】
第2ロボット32は、速度検出器58が検出した排出コンベア56の搬送速度V2に基づき、速度V2で移動する移動体60(整列領域26)に対し、機構部66をトラッキング動作させる。このトラッキング動作により、第2ロボット32は、速度V2で移動する移動体60を追尾するように動作して、機構部66のハンド68(図4、図5)に把持した物品Wを、前述した規則的配置で整列領域26に配置する。このとき、ハンド68に把持した複数の物品Wは、整列領域26に配置される前に既に、規則的配置の状態を呈しているから、第2ロボット32は、整列領域26の上方でハンド68の全ての第1及び第2把持部70、72を解除動作させるとともに整列位置から平常時の待機位置(例えば把持位置)へ変位させるだけで、複数の物品Wを排出コンベア56上の整列領域26に規則的配置で置くことができる。そして、整列領域26に規則的配置で置かれた複数の物品Wは、排出コンベヤ56から物品整列システム40の後工程B(図2)へ排出される。
【0057】
このように、物品整列システム40は、前述した物品整列システム10による作用効果を、基本的に奏するものである。特に物品整列システム40では、第2ロボット32は、複数の物品Wを排出コンベヤ56上の第1及び第2仮置領域20、24から同じ排出コンベヤ56上の整列領域26に移送する間に、ハンド68の機能により、それら物品Wを一括して規則的配置の状態に迅速に移行させることができるから、作業能率が向上する。しかも、整列領域26自体には物品Wを規則的配置に移行させる機能が要求されないので、物品仮置部14として機能する排出コンベア56に整列領域26をさらに設けて、同じ排出コンベア56を物品整列部16としても機能させることが可能になる。このとき、第2ロボット32のトラッキング動作により、多数の物品に対し物品整列作業を滞りなく連続して効率的に実行できる。したがって、物品整列システム40によれば、システム構成を簡素化してスペース効率及び作業能率を一層向上させることができる。
【0058】
以上、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は図示実施形態に限定されず、様々な修正を施すことができる。
例えば、第2ロボット32に装着したハンド68は、複数組の可動アーム78を備えて複数の物品Wを同時に一括して把持できるように構成したが、これに代えて、一組の可動アーム78のみを備える構成とすることもできる。この場合、第2ロボット32は、排出コンベア56の第1及び第2仮置領域20、24の仮置箇所18、22のいずれか一方に置かれた物品Wを、第1及び第2把持部70、72のいずれか一方に把持して取り上げ、両可動アーム78を第1及び第2方向α、βへ変位させて、把持した1個の物品Wを規則的配置の状態に移行させ、その後に、規則的配置の状態にある物品Wを1つずつ、整列領域26に置くように動作する。このような構成によっても、第2ロボット32による物品整列作業を繰り返し実行することで、複数の物品Wを整列領域26に規則的配置で置くことができる。
【0059】
また、第2ロボット32に装着したハンド68は、吸着パッドからなる第1及び第2把持部70、72を備えているが、これに代えて、いわゆるメカニカルチャック等の他の公知の把持手段で、第1及び第2把持部70、72を構成することもできる。この場合、第1及び第2把持部70、72を整列位置に配置したときに一方の把持部70、72に把持した物品Wに他方の把持部70、72のチャック構成部品が衝突しないように、両者のチャック構成部品の配置を工夫する必要が有る。
【0060】
また、第2ロボット32に装着したハンド68は、第1及び第2把持部70、72を整列位置に配置したときに、それら把持部70、72が、両者間に1個の物品Wを挟持可能な隙間を空けて対向配置されるように構成しているが、これに代えて、整列位置にある第1及び第2把持部70、72の間に2個の物品Wを配置できる構成とすることもできる。この構成によれば、第1ロボット30が排出コンベア56の第1及び第2仮置領域20、24の全ての仮置箇所18、22に物品Wを配置し、第2ロボット32がハンド68の全ての第1及び第2把持部70、72に物品Wを把持することで、それら物品Wを、それぞれが規則的配置を呈する二列に整列させて、整列領域26に配置することができる。
【0061】
また、第2ロボット32に装着したハンド68は、第1及び第2把持部70を互いに離隔した把持位置(図4)から互いに対向する整列位置(図5)へ回転変位させるように構成したが、これに代えて、互いに離隔した把持位置(図4)において、可動アーム78自体を中心軸として第1及び第2把持部70を第1及び第2方向(互いに逆方向)へ90度回転させた位置を、整列位置とすることもできる。この構成によれば、例えば図4に示すハンド68の場合、全ての物品Wが、それぞれの第1及び第2表面S1を排出コンベア56の搬送方向に対し直角に、かつ互いに同一方向に向けて、二列に並んだ状態(すなわち規則的配置)に整列されることになる。本発明に係る物品整列システムは、このような整列形態の要求にも対応できるものである。
【0062】
また、図示実施形態では、排出コンベア56に整列領域26を設けて物品整列部16としているが、これに代えて、整列領域26を有する他のコンベア等を排出コンベア56の下流側に設置して物品整列部16を構成することもできる。また、整列領域26は、物品Wの底面を支持する図示構成に限らず、例えば物品Wを引掛けて吊るした状態で支持する構成とすることもできる。
【0063】
また、物品供給部12、物品仮置部14及び物品整列部16は、供給コンベア42及び排出コンベア56のような移動体からなる構成に限らず、静止した物品供給部12、物品仮置部14及び物品整列部16に対し、第1及び第2ロボット30、32が物品仮置作業及び物品整列作業を実行する構成とすることもできる。この構成では、トラッキング動作の制御が不要になる代わりに、物品仮置部14の第1及び第2仮置領域20、24の全ての仮置箇所18、22の位置を、予め第1ロボット30に教示する必要がある。また、物品供給部12、物品仮置部14及び物品整列部16のいずれかを移動体とし、他を静止体とすることもできる。
【0064】
また、物品供給部12から物品仮置部14へ物品Wを移送する物品仮置作業を、複数台の第1ロボット30によって実行することもできる。この構成では、個々の第1ロボット30が相互に干渉しない適当な順序で適当な物品Wを物品供給部12から取り上げて、物品仮置部14の第1及び第2仮置領域20、24に適当な順序で物品Wを置くように、各第1ロボット30を制御する。また、視覚センサ28に三次元センサを採用することで、物品供給部12で重なり合って供給される物品Wに対しても、物品仮置作業を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る物品整列システムの基本構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による物品整列システムの構成を模式図的に示す平面図である。
【図3】図2の物品整列システムにおける物品仮置部の第1及び第2仮置領域を模式図的に示す図で、(a)拡大平面図、及び(b)矢印IIIから見た断面図である。
【図4】図2の物品整列システムにおける第2ロボットのハンドの構成を、把持位置において模式図的に示す図で、(a)拡大平面図、及び(b)矢印IVから見た断面図である。
【図5】図2の物品整列システムにおける第2ロボットのハンドの構成を、整列位置において模式図的に示す図で、(a)拡大平面図、及び(b)矢印Vから見た断面図である。
【図6】図2の物品整列システムにおける物品整列部の整列領域を模式図的に示す図で、(a)拡大平面図、及び(b)矢印VIから見た断面図である。
【符号の説明】
【0066】
10、40 物品整列システム
12 物品供給部
14 物品仮置部
16 物品整列部
18、22 仮置箇所
20 第1仮置領域
24 第2仮置領域
26 整列領域
28 視覚センサ
30 第1ロボット
32 第2ロボット
42 供給コンベア
44、58 速度検出部
46、60 移動体
48 撮像部
50 画像処理部
54 第1ロボット
56 排出コンベア
62 目印
64 目印検出部
66 第2ロボット
68 ハンド
70 第1把持部
72 第2把持部
78 可動アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに同一の形状及び寸法を有するとともに、各々が、第1の面特徴を有する第1表面と、該第1表面の反対側の第2表面であって、該第1の面特徴とは異なる第2の面特徴を有する第2表面とを備える複数の物品を、それら物品が互いに同一姿勢でそれぞれの該第1表面及び該第2表面を互いに同一方向に向けて整列する規則的配置に自動整列処理する物品整列システムにおいて、
前記複数の物品を、それぞれが前記第1表面及び前記第2表面のいずれか一方を上向きにして二次元面内で様々な位置及び姿勢を呈する不規則配置で供給する物品供給部と、
前記物品供給部が供給する前記複数の物品を受け取る物品仮置部であって、前記不規則配置の前記複数の物品のうち、前記第1表面を上向きにした物品を個別に一時的に置くことができる複数個の仮置箇所を等間隔整列配置で有する第1仮置領域と、前記第2表面を上向きにした物品を個別に一時的に置くことができる複数個の仮置箇所を、該第1仮置領域と同じ等間隔整列配置で有する第2仮置領域とを、互いに並列に備える物品仮置部と、
前記物品仮置部が受け取った前記複数の物品をさらに受け取る物品整列部であって、前記第1仮置領域に置かれた物品と前記第2仮置領域に置かれた物品とを、前記規則的配置で置くことができる整列領域を備える物品整列部と、
前記物品供給部が供給する前記不規則配置の前記複数の物品を撮像するとともに、撮像したそれら物品の二次元画像を処理して、前記不規則配置の前記複数の物品の各々の前記位置、前記姿勢及び前記面特徴のデータを取得する視覚センサと、
前記視覚センサが取得した前記複数の物品の各々の前記位置及び前記姿勢のデータに基づき、前記物品供給部が供給する前記不規則配置の前記複数の物品の各々を把持して取り上げるとともに、前記視覚センサが取得した前記複数の物品の各々の前記面特徴のデータに基づき、取り上げた前記複数の物品のうち、前記第1表面を上向きにした幾つかの物品を、前記物品仮置部の前記第1仮置領域における幾つかの前記仮置箇所に、二次元面内で互いに同一の第1姿勢であって前記第1表面を上向きにしたままの第1姿勢を呈するように置き、前記第2表面を上向きにした幾つかの物品を、前記物品仮置部の前記第2仮置領域における幾つかの前記仮置箇所に、二次元面内で互いに同一の第2姿勢であって前記第2表面を上向きにしたままでかつ該第1姿勢の鏡像となる第2姿勢を呈するように置く第1ロボットと、
前記第1ロボットが前記物品仮置部の前記第1仮置領域と前記第2仮置領域とに置いた前記複数の物品を把持して取り上げるとともに、取り上げた前記複数の物品のうち、前記第1姿勢を呈する物品を前記第1表面が横向きになる第1方向へ回転させ、前記第2姿勢を呈する物品を前記第2表面が横向きになる第2方向であって該第1方向とは逆の第2方向へ回転させて、それら物品を、前記物品整列部の前記整列領域に、前記規則的配置で置く第2ロボットと、
を具備することを特徴とする物品整列システム。
【請求項2】
前記第1ロボットは、前記物品仮置部の前記第1仮置領域と前記第2仮置領域との間で、前記第1姿勢を呈する物品と前記第2姿勢を呈する物品とが、相互鏡像位置から、前記仮置箇所の整列方向に見た1つの物品の寸法を超える距離だけ該整列方向へ互いにずれて位置するように、前記第1表面を上向きにした前記幾つかの物品と前記第2表面を上向きにした前記幾つかの物品とを、前記第1仮置領域の前記複数個の仮置箇所と前記第2仮置領域の前記複数個の仮置箇所とのそれぞれから選択した前記幾つかの仮置箇所に置く、請求項1に記載の物品整列システム。
【請求項3】
前記物品仮置部は、前記第1仮置領域と前記第2仮置領域とのそれぞれに、前記複数個の仮置箇所を明示する複数の目印を備え、前記第1ロボットは、該複数の目印に従って前記複数の物品を前記第1仮置領域及び前記第2仮置領域に置く、請求項1又は2に記載の物品整列システム。
【請求項4】
前記複数の目印を検出して前記物品仮置部におけるそれら目印の位置データを取得する目印検出部をさらに具備し、前記第1ロボットは、該目印検出部が取得した前記複数の目印の位置データに基づき、前記複数の物品を前記第1仮置領域及び前記第2仮置領域に置く、請求項3に記載の物品整列システム。
【請求項5】
前記第2ロボットは、前記物品仮置部の前記第1仮置領域に置かれた1つの物品を把持して前記第1方向へ変位することができる第1把持部と、該第1把持部とは別の第2把持部であって、前記物品仮置部の前記第2仮置領域に置かれた1つの物品を把持して前記第2方向へ変位することができる第2把持部とを備えたハンドを具備する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品整列システム。
【請求項6】
前記ハンドは、前記第1仮置領域の前記複数個の仮置箇所の整列間隔と同一の間隔で設置される複数個の前記第1把持部と、前記第2仮置領域の前記複数個の仮置箇所の整列間隔と同一の間隔で設置される複数個の前記第2把持部とを、互いに並列に備え、前記第2ロボットは、前記第1仮置領域に置かれた所望個数の物品と前記第2仮置領域に置かれた所望個数の物品とを、該ハンドの対応個数の該第1把持部と該第2把持部とに同時に把持して取り上げる、請求項5に記載の物品整列システム。
【請求項7】
前記物品供給部は、前記複数の物品を前記不規則配置で搬送する供給コンベアと、該供給コンベアの搬送速度を検出する速度検出器とを具備し、前記視覚センサは、該供給コンベアの搬送方向に見て前記第1ロボットの上流側に設置される撮像部を有し、前記第1ロボットは、該速度検出器が検出した該供給コンベアの該搬送速度に基づきトラッキング動作して、該供給コンベアが搬送する前記不規則配置の前記複数の物品の各々を把持して取り上げる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品整列システム。
【請求項8】
前記物品仮置部は、前記第1仮置領域及び前記第2仮置領域を有して前記物品を搬送する排出コンベアと、該排出コンベアの搬送速度を検出する速度検出器とを具備し、前記第1ロボットは、該速度検出器が検出した該排出コンベアの該搬送速度に基づきトラッキング動作して、該排出コンベアの前記第1仮置領域の前記仮置箇所及び前記第2仮置領域の前記仮置箇所のそれぞれに前記物品を置く、請求項1〜7のいずれか1項に記載の物品整列システム。
【請求項9】
前記第2ロボットは、前記速度検出器が検出した前記排出コンベアの前記搬送速度に基づきトラッキング動作して、前記排出コンベアの前記第1仮置領域及び前記第2仮置領域のそれぞれに置かれた前記複数の物品を把持して取り上げる、請求項8に記載の物品整列システム。
【請求項10】
前記物品整列部が前記排出コンベアに設けられ、前記第2ロボットは、前記速度検出器が検出した前記排出コンベアの前記搬送速度に基づきトラッキング動作して、取り上げた前記複数の物品を前記整列領域に前記規則的配置で置く、請求項9に記載の物品整列システム。
【請求項11】
互いに同一の形状及び寸法を有するとともに、各々が、第1の面特徴を有する第1表面と、該第1表面の反対側の第2表面であって、該第1の面特徴とは異なる第2の面特徴を有する第2表面とを備える複数の物品を、同時に把持することができるロボットハンドにおいて、
前記第1表面を上向きにした1つの物品を把持するとともに、把持した該物品を前記第1表面が横向きになる第1方向へ回転させるように動作する第1把持部と、
前記第2表面を上向きにした1つの物品を把持するとともに、把持した該物品を前記第2表面が横向きになる第2方向であって前記第1方向とは逆の第2方向へ回転させるように動作する第2把持部と、
前記第1把持部と前記第2把持部とを同時に動作させる作動機構と、
を具備することを特徴とするロボットハンド。
【請求項12】
予め定めた間隔で設置される複数個の前記第1把持部と、それら第1把持部と同じ間隔で設置される複数個の前記第2把持部とを、互いに並列に備える、請求項11に記載のロボットハンド。
【請求項13】
前記作動機構は、前記第1把持部と前記第2把持部とを、前記第1表面を上向きにした前記物品と前記第2表面を上向きにした前記物品とを把持するときの、互いに離隔する把持位置と、該把持位置で把持した前記物品を前記第1方向及び前記第2方向に回転させた後の、互いに対向する整列位置との間で変位させるアームを具備する、請求項11又は12に記載のロボットハンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−6590(P2010−6590A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171423(P2008−171423)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)
【Fターム(参考)】