説明

現像ローラ、現像装置、画像形成装置及び現像ローラ製造方法

【課題】現像ローラの撓みに対応して適正な現像特性を得ることが可能な現像ローラ、現
像装置、現像装置を用いた画像形成装置及び現像ローラ製造方法を提供することを目的と
する。
【解決手段】円筒部材の表面にトナーを搬送する溝が連続的に形成され、前記溝の溝深さ
を軸方向の中央部から両端部に向かって連続的に深くすることを特徴とする。溝深さを軸
方向の中央部から端部にいくにしたがい深くすることで、トナー搬送量を中央部と端部と
で変化させ、トナー搬送量の相違による生じるトナー飛翔開始電界値の大きさの相違を利
用して現像ローラの撓みによる電界強度の変化に対応して適正な現像特性を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ローラ、現像ローラで搬送されるトナーにより像担持体上の静電潜像を
現像する現像装置、現像装置を用いた画像形成装置及び現像ローラ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式では、像担持体としての感光体ドラム上に形成した静電潜像を現像装置に
より現像してトナー像として可視化している。
【0003】
供給ローラとの当接によりトナーが現像ローラに供給される。現像ローラに供給されたト
ナーは現像ローラの回転により規制ブレード部材(以後現像ブレード)の位置まで搬送さ
れ、所定の均一な層形成された後、感光体との対向位置(現像領域)へと搬送される。
【0004】
現像ローラには所定の電圧が印加されており、感光体と現像ローラとの間に形成された電
界によって静電潜像の現像が行われる。しかしながら、現像装置の小型化及び低コスト化
を図るために、現像ローラの小径化、軽量化を行うことにより、供給ローラ及び規制ブレ
ードの当接力で現像ローラの中央部が撓んでしまい、この撓みにより現像特性が大きく変
化するという問題が生じる。
【0005】
この問題を解決するために、特開平7−64389号公報には、図13に示されるよう
に、現像ローラの軸方向の両端部のブラスト加工圧を大きくすることや加工時間を長くし
て、現像ローラの軸方向の両端部の表面粗さを中央部の表面粗さより大きくすることで、
現像ローラの撓みによる現像特性の変化に対応する現像装置が開示されている。
【特許文献1】特開平7−64389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開平7−64389号公報に開示された現像装置では表面粗さはデジ
タル的な変化をする。そのため連続的に変化する現像ローラ−感光体間距離に対しては境
界部で画像均一性は損なわれる。また、ブラスト加工により表面粗さを形成する現像ロー
ラではミクロ的には表面粗さにバラツキがあるため中央部、端部でも現像性が異なる。さ
らに、ブラスト加工による表面粗さでは、トナーを主に溝部で搬送する規制方式には適用
できない。
【0007】
本発明は、前記従来技術の持つ課題を解決する、現像ローラの撓みに対応して適正な現
像特性を得ることが可能な現像ローラ、現像装置、現像装置を用いた画像形成装置及び現
像ローラ製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の現像ローラは、前記課題を解決するために、円筒部材の表面にトナーを搬送す
る溝が連続的に形成され、前記溝の溝深さを軸方向の中央部から両端部に向かって連続的
に深くすることを特徴とする。現像ローラの撓みによる像担持体と現像ローラの現像ギャ
ップの軸方向の変化による現像特性の変化に対して、溝部に搬送されるトナーの層の数を
変えてて対応することができる。
【0009】
また、本発明の現像ローラは、前記円筒部材を金属製中空管とすることを特徴とする。
現像ローラ表面を導電性とすることで、溝内で搬送される帯電されたトナーに強い鏡像力
が作用し、主に溝部でトナーを搬送する規制方式に適している。また、中空管とすること
で、現像ローラを軽量化することができる。
【0010】
また、本発明の現像ローラは、前記溝のピッチを等ピッチとすることを特徴とする。溝
ピッチを等ピッチとすることで、溝深さを連続的に変化させることでトナー搬送量を軸方
向に沿って連続的に変化させることができる。
【0011】
また、本発明の現像ローラは、前記溝を転造加工で形成することを特徴とする。溝深さ
が異なる溝を容易かつ確実に形成することができる。
【0012】
また、本発明の現像ローラは、前記中央部に形成される溝の溝深さをトナーの体積平均
粒径以上にすることを特徴とする。最も溝深さが小さい中央部の溝でもトナーを主に溝部
で搬送する規制方式が適用できる。
【0013】
また、本発明の現像ローラは、前記トナーを溝部で搬送することを特徴とする。トナー
を溝部で搬送する規制方式とすることで、溝深さに応じたトナー搬送量を確保できる。
【0014】
また、本発明の現像ローラは、前記トナーとして体積平均粒径が5μm以下の小粒径ト
ナーを用いることを特徴とする。画像の高画質化を実現でき、帯電性の高い小粒径トナー
は溝部で搬送する規制方式に適している。
【0015】
また、本発明の現像装置は、トナーを供給する供給ローラと、前記供給ローラと当接し
てトナーが供給される現像ローラと、前記現像ローラと当接し、前記現像ローラ上のトナ
ー層厚を規制する規制ブレードと、を備え、前記現像ローラとして請求項1ないし7いず
れか1項に記載の現像ローラを用いることを特徴とする。現像ローラの撓みの発生にも拘
わらず良好な現像特性を得ることができる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成される潜像担持体と、前記静電潜像を
トナーにより現像して前記潜像担持体にトナー像を現像する現像装置と、前記潜像担持体
のトナー像を転写媒体に転写する転写装置と、を備え、前記現像装置は請求項8に記載の
現像装置であることを特徴とする。良好な現像特性を得ることができ、画像の高画質化を
実現できる。
【0017】
また、本発明の現像ローラ製造方法は、突条を有するダイスを回転させ、円筒部材を前
記ダイスの回転方向と逆方向に回転させて前記円筒部材に加工圧を加えながら前記円筒部
材の表面に連続する溝を形成する工程を備え、前記加工圧を円筒部材の軸方向の端部では
大きく、軸方向の中央部では小さくなるように制御し、溝深さを軸方向の中央部から両端
部に向かって連続的に深くなるように形成することを特徴とする。加工圧を制御すること
で、通常の転造装置を用いて軸方向に連続して溝深さが異なる溝を形成できる。
【0018】
また、本発明の現像ローラ製造方法は、突条を有するダイスを回転させ、両端部を支持
部材で支持した中空円筒部材を前記ダイスの回転方向と逆方向に回転させ、前記中空円筒
部材に一定の加工圧を加えながら前記中空円筒部材の表面に連続する溝を形成する工程を
備え、溝深さを軸方向の中央部から両端部に向かって連続的に深くなるように形成するこ
とを特徴とする。中空部材は同じ加工圧で転造しても、支持部材で支持された両端部では
加工圧が十分に伝達されるが、軸方向の中央部では加工圧が軸中心方向に逃げるため部材
に伝達される加工圧は小さくなり、結果として、軸方向の中央部から両端部に向かって溝
深さを連続的に深くなる溝を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の画像形成装
置の全体を示す図である。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置10は、4つの画像形成ステーション15(Y、M、
C、K)、中間転写ベルト70、二次転写ユニット80を有し、さらに、定着ユニット9
0、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルからなる表示ユニット95、及び、これらのユ
ニット等を制御し画像形成装置としての動作を司る制御ユニット100を有している。画
像形成ステーション15(Y、M、C、K)は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(
M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーで画像を形成する機能を有している。画像
形成ステーション15(Y、M、C、K)の構成は同様であるので、以下、画像形成ステ
ーション15Yについて説明する。
【0021】
画像形成ステーション15Yは、図1に示すように、像担持体の一例としての感光体2
0Yの回転方向に沿って、帯電ユニット30Y、露光ユニット40Y、現像ユニット50
Y、一次転写ユニットを有している。
【0022】
感光体20Yは、円筒状の基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心
に回転可能であり、本実施の形態においては、矢印で示すように時計回りに回転する。
【0023】
帯電ユニット30Yは、感光体20Yを帯電するための装置である。露光ユニット40
Yからは、レーザを照射することによって帯電された感光体20Y上に潜像を形成する。
【0024】
露光ユニット40Yは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており
、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力
された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20Y上に照射する。
【0025】
現像ユニット50Yは、感光体20Y上に形成された潜像を、イエロー(Y)のトナー
を用いて現像するための装置である。現像ユニット50Yは、交換可能なトナーカートリ
ッジからトナーが供給される現像室内に現像ローラ51Y、供給ローラ52Yが配置され
、現像ローラ51Yには、規制ブレード53Yが当接し現像ローラ51Y上のトナーを薄
層化する。
【0026】
一次転写ユニットは、一次転写部B1で一次転写ローラ65Yにより一次転写バイアス
が印加され、感光体20Yに形成されたイエロートナー像を中間転写ベルト70に転写す
る。各一次転写部B1、B2、B3、B4で4色のトナーが順次重ねて転写された場合に
は、中間転写ベルト70にフルカラートナー像が形成される。
【0027】
中間転写ベルト70は、ベルト駆動ローラ71a、従動ローラ71bに張架されたエン
ドレスのベルトであり、感光体20(Y、M、C、K)と当接しながら回転駆動される。
【0028】
二次転写ユニット80は、中間転写ベルト70上に形成された単色トナー像やフルカラ
ートナー像を紙、フィルム、布等の転写材に転写するための装置である。
【0029】
定着ユニット90は、定着ローラ90aと加圧ローラ90bにより構成され、転写材上
に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を転写材に融着させて永久像とするため
の装置である。
【0030】
次に、このように構成された画像形成装置10の動作について説明する。まず、不図示
のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイスを介して画像形成
装置のメインコントローラに入力されると、このメインコントローラからの指令に基づく
ユニットコントローラの制御により感光体20Y、現像ユニット50Yに備えられた現像
ローラ51Y、及び、中間転写ベルト70等が回転する。感光体20Yは、回転しながら
、帯電位置において帯電ユニット30Yにより順次帯電される。
【0031】
感光体20Yの帯電された領域は、感光体20Yの回転に伴って露光位置に至り、露光
ユニット40Yによって、イエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。感
光体20Y上に形成された潜像は、感光体20Yの回転に伴って現像位置に至り、現像ユ
ニット50Yによって現像される。これにより、感光体20Y上にトナー像が形成される

【0032】
感光体20Y上に形成されたトナー像は、感光体20Yの回転に伴って一次転写部B1
位置に至り、一次転写ユニットによって、中間転写ベルト70に転写される。この際、一
次転写ユニットでは、一次転写ローラ65Yからトナーの帯電極性とは逆の極性の一次転
写電圧が印加される。この結果、各感光体20(Y、M、C、K)上に形成された4色の
トナー像は、中間転写ベルト70に重なり合って転写され、中間転写ベルト70上にはフ
ルカラートナー像が形成される。
【0033】
中間転写ベルト70は、モータ等のベルト駆動手段からの駆動力がベルト駆動ローラ7
1aを介して伝達されることによって駆動される。
【0034】
中間転写ベルト70上に形成されたフルカラートナー像は、二次転写ユニット80によ
って紙等の転写材に転写される。このような転写材は、給紙トレイから、給紙ローラ94
a、レジストローラ94bを介して二次転写ユニット80へ搬送される。
【0035】
転写材に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて
転写材に融着される。定着ユニット90の通過後、排紙ローラ94cにより排紙される。
【0036】
一方、感光体20(Y、M、C、K)は一次転写部B1、B2、B3、B4位置を経過
した後に、除電ユニット(図示せず)によって除電され、次の潜像を形成するための帯電
に備える。
【0037】
二次転写後の中間転写ベルト70の従動ローラ71b側に中間転写ベルトクリーニング
装置(図示せず)が設置され、二次転写後の中間転写ベルト70をクリーニングする。
【0038】
図2(a)は、本発明の現像ユニット50Yの一例を示す模式図であり、図2(b)は
、この例の現像ユニット50Yの部分図である。
【0039】
現像ユニット50Yは、感光体20YにトナーTを搬送する現像ローラ51Y、現像ロ
ーラ51Yに圧接されてトナーTを供給する供給ローラ52Y、現像ローラ51Yに圧接
されて感光体20Yに搬送するトナーTを規制する規制ブレード53Y、トナーTを攪拌
して搬送するトナー攪拌搬送部材54Y、トナー攪拌搬送部材54Yによって搬送された
トナーTを受けて供給ローラ52Yの方へ案内するトナー受け部材55Y、および現像ロ
ーラ51Yに現像後残ったトナーTを回収する方向に当接しながらトナー漏れを防止する
ためのシール部材56Y、トナーTを収容するケース57Yを備えている。
【0040】
現像ローラ51Yは、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属または合金などの導電性
材料で円筒状に形成されている。供給ローラ52Yは、発泡ウレタンゴム、シリコンゴム
等の弾性材料により円筒状に形成されるか、植毛されたシートを円筒形の芯金に巻き付け
たブラシローラとして形成される。現像ローラ51Yと供給ローラ52Yが接触しながら
回転することで、トナーTが現像ローラ51Y上に供給され、所定厚みのトナー層が現像
ローラ51Y上に形成される。トナーTが供給された現像ローラ51Yに規制ブレード5
3Yが当接し、現像ローラ51Y上のトナー層厚を規制する。トナー粒子は現像ローラ5
1Y上を移動し、現像ローラ51Yの凹凸との接触による摩擦帯電により電荷が付与され
る。
【0041】
現像ローラ51Yの両端部には、それぞれスペーサ58Yが固定されている。これらの
スペーサ58Yが感光体20Yの像非担持面に圧接されることで、現像ローラ51Yのト
ナー搬送面とこのトナー搬送面に対向する感光体20Yの像担持面の間に、現像ギャップ
Gが形成されている。
【0042】
そして、この現像ギャップGは、スペーサ58Yの厚みを適宜選択することで所望の大
きさに調節される。これにより、この現像置は非磁性一成分現像剤であるトナーTを用い
た非磁性一成分現像剤非接触ジャンピング現像を行うようになっている。その場合、この
例では、図2(b)に示すように感光体20Yが時計回りに回転するとともに、現像ロー
ラ51Yおよび供給ローラ52Yがともに反時計回りに回転するように設定されている。
そして、感光体20Yの周速と現像ローラ51Y上のスペーサ58Yの周速とが同一また
は略同一に設定されている。
【0043】
用いるトナーとしては、体積平均粒径が5μm以下で、平均円形度を0.95以上の小
粒径/高円径度トナーを用い、シリカ、チタニウム等の外添剤を外添したものである。
【0044】
図3は、本発明の現像ローラおよびその表面の部分拡大図の一例を示す図であり、図3
の部分拡大図(点線円内)は、この例の現像ローラ51Yの表面部拡大図である。
【0045】
トナーの搬送性とトナーの帯電性を向上するために、現像ローラ51Yの表面に、軸方
向及び周方向に対して所定角で傾斜した螺旋状に連続した第1傾斜溝51aと、第1傾斜
溝51aと軸方向及び周方向に対して逆方向に傾斜した螺旋状に連続した第2傾斜溝51
bとが交差して形成される。また、第1傾斜溝51aと第2傾斜溝51bに囲まれ、傾斜
側面51dを有する4角形の凸部51cが形成される。本発明の現像装置は、トナーを主
に第1傾斜溝51aと第2傾斜溝51bの溝部で搬送する規制方式を採用する。小粒径/
高円径度トナー小粒径/高円径度トナーは、高画質の画像を得ることができると共に、大
粒径トナーと比較し帯電性が良くトナーを主に溝部で搬送する規制方式に適している。現
像ローラ51Yを、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属または合金などの導電性材料
で形成することにより、溝内で搬送される帯電したトナーに鏡像力が作用し、トナーを主
に溝部で搬送する規制方式に適している。なお、現像ローラ51Yの表面には、必要に応
じて、ニッケルメッキ、クロムメッキ等が施されていてもよい。また、トナーの平均円形
度が0.95〜 0.99、好ましくは0.972〜 0.983のトナーを用いるとよい
。これにより、帯電量が安定するとともに、搬送性も優れたものとすることができる。ト
ナーの円形度の調節法としては、乳化重合法では2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御
することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜 1.00とでき
る。懸濁重合法では、真球のトナーの作成が可能であり、円形度は0.98〜 1.00
の範囲とできる。平均円形度を0.95〜 0.99とするには、トナーのTg温度以上
で加熱変形させることで適宜調節できる。
【0046】
感光体20Yと現像ギャップGを隔てて対向配置された現像ローラ51Yの溝部にはト
ナーが担持されており、バイアス電源から現像ローラ51Yに現像バイアスが印加される
。現像バイアスは交流電圧と直流電圧とが重畳されたものである。
【0047】
現像ローラ51Yの表面に形成された溝内に担持されたトナーは、現像ローラ51Y表
面と感光体20Y表面との電位差に起因して現像ギャップGに形成される電界の強度があ
る程度以上になると、トナーの電界から受けるクーロン力が現像ローラ51Yへの付着力
を上回って現像ローラ51Y表面から飛翔する。
【0048】
現像ローラ51Yからトナーを飛翔させるために必要な電界強度について検討する。現
像ローラ51Yの表面においてトナーを飛翔させるために必要な電界強度を「飛翔開始電
界強度」とする。図4(a)(b)は、トナー粒子径と飛翔開始電界強度の関係を示す図
である。
【0049】
図4(a)において実線で示す曲線Aは、現像ローラ51Yの溝内に1層のトナーを担
持させた場合の飛翔開始電界強度(以下、「単層トナー飛翔開始電界強度」という。)の
実測結果である。トナーの粒子径が小さいほど飛翔開始電界強度が高くなる事が示されて
いる。これは、トナー粒子径が小さいほど質量当たりの表面積や帯電量が大きくなるため
、より現像ローラ51Yの表面への付着力が大きいためと考えられる。
【0050】
図4(a)において破線で示す曲線B、Cは、現像ローラ51Yの溝内に2層からなる
トナーを担持した場合の実測結果である。溝内に2層のトナーを担持する場合、現像ロー
ラ51Yに直接接触するトナーと、現像ローラ51Y表面と直接接触しないトナーが存在
する。以下、これらのトナーを区別するために、現像ローラ51Y表面に接触するトナー
を「接触トナー」、接触しないトナーを「非接触トナー」と称する。図4(a)に示す曲
線Bは、接触トナーの飛翔開始電界強度(以下、「接触トナー飛翔開始電界強度」という
。)を示している。図4(a)に示す曲線Cは、非接触トナーの飛翔開始電界強度(以下
、「非接触トナー飛翔開始電界強度」という。)を示している。トナー層が2層の場合で
もトナー粒子径が小さいほど飛翔開始電界強度が高くなっている。そして、接触トナー飛
翔開始電界強度(曲線B)は、単層トナー飛翔開始電界強度よりも小さく、また、非接触
トナー飛翔開始電界強度(曲線C)は、接触トナー飛翔開始電界強度よりも小さい。
【0051】
図4(b)は、トナーの体積平均粒径Dtが4.5μmのトナーを用いて測定した時の
、単層トナー飛翔開始電界強度E0、接触トナー飛翔開始電界強度E1及び非接触トナー
飛翔開始電界強度E2の実測結果を示す。
【0052】
図5(a)(b)は、現像ローラ51Yの溝内に1層のトナーが担持される場合と、2
層のトナーが担持される場合の電界が付与された時のトナーの挙動を示す図である。
【0053】
図5(a)に示されるように、現像ローラ51Yの溝内に1層のトナーを担持する場合
、トナーは現像ローラ51Yの表面に直接接触しているため強く拘束されている。したが
って、強い電界E0(単層トナー飛翔開始電界強度)を加えなければ飛翔しない。
【0054】
図5(b)に示されるように、現像ローラ51Yの溝内に2層のトナーを担持する場合
、現像ローラ51Yに直接接触する接触トナーと非接触トナーが存在する。非接触トナー
は現像ローラ51Yからの拘束力が弱く、飛翔するために必要な非接触トナー飛翔開始電
界強度E2は、単層トナー飛翔開始電界強度E0より大幅に低くて済む。一方、現像ロー
ラ51Y表面に直接接触している接触トナーは、1層のトナーを担持する場合と同様に、
現像ローラ51Yから大きな拘束力を受けている。しかしながら、接触トナーの上には、
弱い電界で飛翔する非接触トナーが存在するため、弱い電界で飛翔した非接触トナーが交
番電界により往復移動しながら加速され、十分な運動エネルギーを得て溝内の接触トナー
に衝突してはじき出し、結果として接触トナーを飛翔させることがある。その結果、接触
トナー飛翔開始電界強度E1は、単層トナー飛翔開始電界強度E0より小さくなると考え
られる。
【0055】
図6は、現像ローラ51Yの溝内に1層のトナーを担持した時の電界強度分布を示す図
である。図7は、現像ローラ51Yの溝内に2層のトナーを担持した時の電界強度分布を
示す図である。図6、図7の横軸は、現像ローラ51Yの回転方向から現像ギャップGを
見たときの現像ローラ51Yの表面位置を示している。すなわち、互いに略円筒形状をな
す感光体20Yと現像ローラ51Yが対向配置されてなる現像ギャップGにおいて両者が
最も接近している位置を原点Oとし、現像ローラ51Yの周面上の各位置の原点Oからの
距離を示している。また、縦軸は各位置における電界(トナー飛翔電界)の極性が現像ロ
ーラ51Y表面からトナーを飛翔させる極性になるときの当該電界の電界強度を示してい
る。
【0056】
感光体20Yと現像ローラ51Yとの電位差を各位置における現像ギャップGの大きさ
で除した値がその位置における電界強度であるが、感光体20Y表面では露光部と非露光
部とで表面電位が異なる。感光体20Y上の露光部及び非露光部に対向する現像ローラ5
1Y表面における電界強度は、露光部の感光体表面電位VLと非露光部の感光体表面電位
V0と現像バイアス電位との差を現像ギャップの大きさで除した値である。現像ローラ5
1Yの表面のうち感光体20Yの露光部に対向する位置では、非露光部に対向する位置よ
りも電界強度が高い。また、感光体20Yと現像ローラ51Yとが最近接する位置で電界
強度が最高となり、最近接位置から離れるにしたがい電界強度は低下する。
【0057】
現像ローラ51Yの表面には、供給ローラ52Y、規制ブレード53Yが所定の当接圧
力で当接する。その結果、前記解決すべき課題のところで述べたように現像ローラ51Y
の中央部に当接圧力方向の撓みが発生する。現像ローラ52Yの中央部の撓みにより、図
2(b)で示す感光体20Yと現像ローラ51Y間の現像ギャップGが、現像ローラ51
Yの軸方向の中央部では小さく、両端部にいくにしたがい現像ギャップGが大きくなる。
【0058】
現像ローラ51Yに撓みが発生すると、現像ギャップGの大きさが現像ローラ51Yの
軸方向の中央部と端部で変化する。現像ギャップGの変化は、感光体20Yと現像ローラ
51Yとの電位差を各位置における現像ギャップGの大きさで除した値である電界強度が
現像ローラ51Yの軸方向に沿って変化することになる。感光体20Yと現像ローラ51
Yが対向する現像ニップで現像ローラ51Yの溝内に担持したトナーは、トナー飛翔開始
電界以上の電界が付与されることにより現像ローラ51Yの拘束力に逆らって飛翔する。
【0059】
現像ローラ51Yの撓みの発生により、感光体20Yとの現像ギャップGが狭くなった
現像ローラ51Yの軸方向の中央部に位置する溝内に担持されたトナーは、全てのトナー
がトナー飛翔開始電界強度を越えるため飛翔する。一方、感光体20Yとの現像ギャップ
Gが大きくなるように変化した現像ローラ51Yの軸方向の端部に位置する溝内に担持さ
れたトナーは、一部がトナー飛翔開始電界強度を超えて飛翔するが、特に現像ローラ51
Yと直接接触している接触トナー等はトナー飛翔開始電界強度に達せず飛翔しない恐れが
ある。その結果、軸方向の現像ムラが発生する。
【0060】
本発明は、現像ローラ51Yの撓みによる現像ムラの発生を防止するため、現像ローラ
51Yの溝内に担持される接触トナーと非接触トナーのトナー飛翔開始電界強度の相違に
着目したものである。
【0061】
図8は、本発明の現像ローラの表面に形成される溝の軸方向に沿った断面
図と、溝に担持されるトナーの状態を示す図である。
【0062】
図8に示すように現像ローラ51Yの表面に、現像ローラ51Yの軸方向の中央部では
溝深さが小さい溝を形成し、軸方向の端部にいくにしたがい溝深さを連続して大きく形成
する。溝深さは、供給ローラ及び規制ブレードの当接力で発生する現像ローラの中央部の
撓みによる現像ムラの発生を防止するために滑らかな曲線で軸方向の中央部から軸方向の
端部にいくにしたがい連続して大きくなるように変化させて形成する。図8に示すように
、現像ローラ51Yの軸方向の中央部の溝深さが小さい溝には1層のトナーを担持し、現
像ローラ51Yの軸方向の端部の溝深さが大きい溝には2層のトナーを担持する。なお、
溝深さは、直線で軸方向の中央部から軸方向の端部にいくにしたがい連続して大きくなる
ように形成してもよい。
【0063】
現像ローラ51Yの軸方向の中央部の溝深さが小さい溝内には1層のトナーが担持され
るため、現像ローラ51Yへの拘束力が大きく、電界強度が単層トナー飛翔開始電界強度
E0以上にならなければトナーは飛翔しない。しかし、現像ローラ51Yの撓みにより、
現像ローラ51Yの軸方向の中央部表面と感光体20Yの表面との現像ギャップGが小さ
くなっているため大きな電界強度となり、単層トナー飛翔開始電界強度を超えるので現像
ローラ51Yの溝内から飛翔する。
【0064】
現像ローラ51Yの軸方向の端部の溝深さが大きい溝内には2層のトナーが担持される
ため、現像ローラ51Yに直接接触する接触トナーと非接触トナーが存在する。現像ロー
ラ51Yの撓みにより、現像ローラ51Yの軸方向の端部表面と感光体20Y表面との現
像ギャップGが大きくなり電界強度が小さくなる。非接触トナーは現像ローラ51Yから
の拘束力が弱く、飛翔するために必要な非接触トナー飛翔開始電界強度E2は、単層トナ
ー飛翔開始電界強度E0より大幅に低くて済む。一方、現像ローラ51Y表面に直接接触
している接触トナーは、1層のトナーを担持する場合と同様に、現像ローラ51Yから大
きな拘束力を受けている。しかしながら、接触トナーの上には、弱い電界で飛翔する非接
触トナーが存在するため、弱い電界で飛翔した非接触トナーが交番電界により往復移動し
ながら加速され、十分な運動エネルギーを得て溝内の接触トナーに衝突してはじき出し、
結果として接触トナーを飛翔させることができる。その結果、接触トナー飛翔開始電界強
度E1は、単層トナー飛翔開始電界強度E0より小さい。
【0065】
そのため、現像ローラ51Yの軸方向の端部の溝深さの大きな溝に2層のトナーを担持
しても、現像ローラ51Yの撓みによる現像ギャップGの増加による電界強度の減少にも
拘わらず、溝深さが大きい溝内に2層に担持したトナーを飛翔することができる。その結
果、現像ローラ51Yの撓みの発生にも拘わらず、現像ニップで現像ローラの軸方向に沿
って均一な現像特性を得ることが可能となる。
【0066】
図9(a)(b)は、現像ローラ51Yの溝深さが同じものと、溝深さを軸方向の中央
部から端部に向かって大きくしたときのトナー搬送量を示す図である。溝深さを軸方向の
中央部から端部に向かって連続的に大きくしたときのトナー搬送量は、軸方向の中央部が
少なく、端部に向かってトナー搬送量は増加している。
【0067】
図10は、現像ローラ51Yの表面に溝深さを軸方向の中央部から端部に向かって連続
的に大きくするように溝を形成するための転造装置の第1実施形態を示す図である。
【0068】
転造装置200は、未加工の現像ローラ51Yに第1傾斜溝51aを形成するための軸
方向及び周方向に傾斜した第1傾斜刃201aを備えた第1ダイス201と、未加工の現
像ローラ51Yに第2傾斜溝51bを形成するための第1傾斜刃201aと逆方向の軸方
向及び周方向に傾斜した第2傾斜刃202aを備えた第2ダイス202と、第1ダイス2
01と第2ダイス202の下部に配置されたガイド台203を備えている。
【0069】
転造装置200は、対向する位置に配置され矢印のように時計方向に回転している第1
ダイス201及び第2ダイス202とガイド台203との間に、ワーク(ここでは、未加
工の現像ローラ51Y)を搬送し転造加工する。転造加工時、第1ダイス201と第2ダ
イス202は、未加工の現像ローラ51Yに押圧する方向の加工圧を付与しながら転造加
工する。転造時の加工圧は制御手段により制御可能とする。転造加工中に未加工の現像ロ
ーラ51Yは、第1ダイス201,第2ダイス202の回転方向と逆の反時計方向に回転
させて転造加工する。
【0070】
第1ダイス201及び第2ダイス201には、上述した第1傾斜溝51a及び第2傾斜
溝51bを形成するための第1傾斜刃201a、第2傾斜刃202aが、各々設けられて
いる。第1傾斜刃201a、第2傾斜刃202aは、未加工の現像ローラ51Yの表面に
交差する軸方向及び周方向に対して傾斜する第1傾斜溝51a、第2傾斜溝51b及び傾
斜側面51dを有する載頭4角錐台形状の凸部51cを形成する。
【0071】
載頭4角錐台形状の凸部51cの形状は、第1および第2傾斜溝51a、51bの軸方
向の傾斜角が45°でかつそれらのピッチが互いに同じに設定された場合には正方形状を
呈し、第1および第2傾斜溝51a、51bの軸方向の傾斜角が45°以外の角度でかつ
それらのピッチが互いに同じに設定された場合には菱形状を呈する。また、4角形の凸部
51cの形状は、第1および第2傾斜溝51a、51bの軸方向の傾斜角が45°でかつ
それらのピッチが互いに異なるように設定された場合には長方形状を呈し、第1および第
2傾斜溝51a、51bbの軸方向の傾斜角が45°以外の角度でかつそれらのピッチが
互いに異なるように設定された場合には平行四辺形状を呈する。
【0072】
第1ダイス201と第2ダイス202が未加工の現像ローラ51Yの表面に当接される
部位を第1傾斜刃201a、第2傾斜刃202aとしているが、第1傾斜刃201aと第
2傾斜刃202aは、転造加工においてはワークを積極的に切削するものではなく、押圧
力によりワークを押し潰して窪みを形成するように作用する。
【0073】
また、この転造加工の際には、未加工の現像ローラ51Yの両端部に第1ダイス201
、第2ダイス202が当接されないようにして、両端部には凹凸のない滑らかな面を残し
ておく。すなわち、現像ローラ51Yの中央部で第1ダイス201及び第2ダイス202
が接触しなかった凸部51cと、転造加工による加工対象とされない両端部とは、非加工
面とされる。
【0074】
図11は、転造加工の中の、第1ダイス201と第2ダイス202に付加される加工圧
の未加工の現像ローラ51Yの軸方向に沿った変化を示す図である。加工圧は現像ローラ
51Yの軸方向の一方の端部から中央部に向かって連続的に小さくなるように制御され、
軸方向の中央部から他方の端部に向かって連続的に大きくなるように制御される。
【0075】
図12は、加工圧の変化による溝深さの変化を示す図である。図12に示されるように
、未加工の現像ローラ51Yに付加される加工圧と溝深さは比例関係にある。図11に示
すように転造加工中、未加工の現像ローラ51Yに付加する加工圧を現像ローラ51Yの
軸方向に沿って変化させることにより、図8(a)に示すように、現像ローラ51Yの軸
方向の中央部では溝深さが小さく、中央部から両端部に向かって連続的に溝深さが大きく
なる溝を形成することができる。
【0076】
現像ローラ51Yの表面に溝深さを軸方向の中央部から端部に向かって大きくするよう
に溝を形成するための転造装置の第2実施形態は、第1実施形態で用いた図10に示され
る転造装置200を用いることができる。
【0077】
第2実施形態では、未加工の現像ローラ51Yとして、両端部を支持部材で支持された
金属製のパイプ状の部材(中空円筒部材)を用いる。転造装置200は、未加工の現像ロ
ーラ51Yに第1傾斜溝51aを形成するための軸方向及び周方向に傾斜した第1傾斜刃
201aを備えた第1ダイス201と、未加工の現像ローラ51Yに第2傾斜溝51bを
形成するための第1傾斜刃201aと逆方向の軸方向及び周方向に傾斜した第2傾斜刃2
02aを備えた第2ダイス202と、第1ダイス201と第2ダイス202の下部に配置
されたガイド台203を備えている。
【0078】
転造装置200は、対向する位置に配置され矢印のように時計方向に回転している第1
ダイス201及び第2ダイス202とガイド台203との間に、両端を支持部材で支持さ
れた金属製のパイプ状の未加工の現像ローラ51Yを搬送し転造加工する。転造加工時、
第1ダイス201と第2ダイス202は、未加工の現像ローラ51Yに押圧する方向の一
定の加工圧を付与しながら転造加工する。転造加工中に未加工の現像ローラ51Yは、第
1ダイス201,第2ダイス202の回転方向と逆の反時計方向に回転させて転造加工す
る。
【0079】
金属製のパイプ状の未加工の現像ローラ51Yは、支持部材で支持された端部の転造加
工では、支持部材により加工圧が十分に未加工の現像ローラ51Y表面に伝達され、所望
深さの溝が形成される。転造加工が未加工の現像ローラ51Yの軸方向の中央部にいくに
したがい、パイプ状の未加工の現像ローラ51Yに付加される加工圧は、その一部が軸中
心方向に逃げるため、未加工の現像ローラ51Yに付加される加工圧は、支持部材から遠
ざかるにしたがい連続的に減少する。支持部材による支持部から最も遠い位置にある軸方
向の中央部の加工圧が最小になる。加工圧と溝深さは、図12に示されるように比例関係
にあるため、一定の加工圧で転造加工しても、図8(a)に示すように、現像ローラ51
Yの軸方向の中央部では溝深さが小さく、中央部から両端部に向かって連続的に溝深さが
大きくなる溝を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の画像形成装置の全体を示す図である。
【図2】(a)(b)は、本発明の現像ユニット50Yの一例を示す模式図と、その部分図である。
【図3】は、本発明の現像ローラおよびその表面の部分拡大図の一例を示す図である。
【図4】(a)(b)は、トナー粒子径と飛翔開始電界強度の関係を示す図である。
【図5】(a)(b)は、現像ローラの溝内に1層のトナーが担持される場合と、2層のトナーが担持される場合の電界が付与された時のトナーの挙動を示す図である。
【図6】現像ローラの溝内に1層のトナーを担持した時の電界強度分布を示す図である。
【図7】現像ローラの溝内に2層のトナーを担持した時の電界強度分布を示す図である。
【図8】は、本発明の現像ローラの表面に形成される溝の軸方向に沿った断面図と、溝に担持されるトナーの状態を示す図である。
【図9】(a)(b)は、溝深さが同じ現像ローラと、溝深さを軸方向の中央部から端部に向かって大きくし現像ローラの軸方向のトナー搬送量を示す図である。
【図10】現像ローラ表面に深さが異なる溝を形成する転造装置の一実施形態を示す図である。
【図11】転造加工の際の現像ローラに付加される加工圧の軸方向の変化を示す図である。
【図12】加工圧と溝深さの関係を示す図である。
【図13】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
10:画像形成装置、15(Y、M、C、K):画像形成ステーション、20(Y、M
、C、K):感光体、30(Y、M、C、K):帯電ユニット、40(Y、M、C、K)
:露光ユニット、50(Y、M、C、K):現像ユニット、51Y:現像ローラ、51a
:第1傾斜溝、51b:第2傾斜溝、51c:凸部、51d:傾斜側面、52Y:供給ロ
ーラ、53Y:規制ブレード、54Y:トナー攪拌搬送部材、55Y:トナー受部材、5
6Y:シール部材、57Y:ケース、58Y:スペーサ、70:中間転写ベルト、80:
二次転写ユニット、90:定着ユニット、100:制御ユニット、200:転造装置、2
01:第1ダイス、201a:第1傾斜刃、202:第2ダイス、202a:第2傾斜刃
、203:ガイド台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒部材の表面にトナーを搬送する溝が連続的に形成され、
前記溝の溝深さを軸方向の中央部から両端部に向かって連続的に深くすることを特徴と
する現像ローラ。
【請求項2】
前記円筒部材を金属製中空管とすることを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
【請求項3】
前記溝のピッチを等ピッチとすることを特徴とする請求項1または2に記載の現像ローラ

【請求項4】
前記溝を転造加工で形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
現像ローラ。
【請求項5】
前記中央部に形成される溝の溝深さをトナーの体積平均粒径以上にすることを特徴とする
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の現像ローラ。
【請求項6】
前記トナーを溝部で搬送することを特徴とする請求項1ないし5のいずか1項に記載の現
像ローラ。
【請求項7】
前記トナーとして体積平均粒径が5μm以下の小粒径トナーを用いることを特徴とする請
求項1ないし6のいずれか1項に記載の現像ローラ。
【請求項8】
トナーを供給する供給ローラと、
前記供給ローラと当接してトナーが供給される現像ローラと、
前記現像ローラと当接し、前記現像ローラ上のトナー層厚を規制する規制ブレードと、
を備え、
前記現像ローラとして請求項1ないし7いずれか1項に記載の現像ローラを用いること
を特徴とする現像装置。
【請求項9】
静電潜像が形成される潜像担持体と、
前記静電潜像をトナーにより現像して前記潜像担持体にトナー像を現像する現像装置と

前記潜像担持体のトナー像を転写媒体に転写する転写装置と、
を備え、
前記現像装置は請求項8に記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
突条を有するダイスを回転させ、円筒部材を前記ダイスの回転方向と逆方向に回転させて
前記円筒部材に加工圧を加えながら前記円筒部材の表面に連続する溝を形成する工程を備
え、
前記加工圧を円筒部材の軸方向の端部では大きく、軸方向の中央部では小さくするよう
に制御し、溝深さを軸方向の中央部から両端部に向かって連続的に深くなるように形成す
ることを特徴とする現像ローラ製造方法。
【請求項11】
突条を有するダイスを回転させ、両端部を支持部材で支持した中空円筒部材を前記ダイス
の回転方向と逆方向に回転させ、前記中空円筒部材に一定の加工圧を加えながら前記中空
円筒形部材の表面に連続する溝を形成する工程を備え、
溝深さを軸方向の中央部から両端部に向かって連続的に深くなるように形成することを
特徴とする現像ローラ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−139922(P2010−139922A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318014(P2008−318014)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】