説明

現像剤収容容器、画像形成装置、蓋部材および蓋部材の製造方法

【課題】現像剤収容容器の内部で露出する漏出防止部材の表面の形状を安定させること。
【解決手段】内部に現像剤が収容される容器本体(21)と、容器本体(21)に対して着脱可能な樹脂製の蓋部材(39)と、蓋部材(39)に設けられ、装着された場合に容器本体(21)に接触して内部の現像剤が漏出することを防止する漏出防止部(39a)であって、蓋の内面(61)に2色成形された樹脂(104)製の漏出防止部(39a)と、蓋の内面(61)と蓋の外面(62)とを貫通して樹脂(104)を注入可能な注入部(68)と、注入部(68)を介して蓋の外面(62)側から樹脂が注入されて2色成形された漏出防止部(39a)とを備えた現像剤収容容器(TC)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤収容容器、画像形成装置、蓋部材および蓋部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置では、画像形成に伴って消費される現像剤を収容するための現像剤収容容器に関する技術として、以下の特許文献1、2に記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開平5−134488号公報には、トナー収容部(42)の上枠(A)と下枠(B)とをシール部材(14)を介して結合することによって組立てられる際に、発泡ポリウレタンゴム等の液状物質(14A)をノズル(15)から注入して前記シール部材(14)を形成する技術が記載されている。特許文献1には、各枠(A,B)の結合面(C)の注入溝(C1)に沿って、ノズル(15)から液状物質(14A)を、始点(a)から終点(b)まで閉ループを描いて注入することにより、前記シール部材(14)が形成され、液状物質(14A)の注入開始部分(14A−1)と注入終り部分(14A−2)との重なり部分に、注入溝(C1)よりも深い液溜り部(20)を設けることにより、前記重なり部分に前記液状物質(14A)が溜って表面が盛り上がることを防止し、シール部材(14)の表面、すなわち、結合面(C)を平面状にして、上枠(A)と下枠(B)との密着性を高める技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2としての特開2002−162820号公報には、複数の部材の隙間にシール剤として液状エラストマー(5)を塗布して隙間を封止するトナーカートリッジに関する技術が記載されている。特許文献2には、液状エラストマー(5)の直線状の塗布領域の始点部分と終点部分に中間塗布量より多量に塗布するための溜り溝(7,8)を形成し、塗布領域における塗布量のバラツキを低減して高いシール性を確保すると共に、塗布領域以外の場所で塗布直前に捨て吐出する等の初期塗布量安定化の工程を省略してトナーカートリッジの生産性を高める技術が記載されている。
すなわち、特許文献1、2には、注入ノズルによって液状エラストマーを結合面側から注入して、注入ノズルの始点および終点で結合面の形状が製品ごとにバラツキが発生し易いシール部材を形成する技術が記載されている。
【0005】
また、特許文献3としての特開2001−331026号公報には、トナー補給容器(1)本体である円筒状のトナーコンテナ(11)の長手方向の一端の開口に、第2フランジ(13)がシール部材(17)を介して嵌まって塞ぐ前記トナー補給容器(1)において、前記第2フランジ(13)と前記シール部材(17)とが2色成形によって一体的に成形された構成が記載されている。
すなわち、特許文献3には、トナーカートリッジの蓋部材にシール部材が2色成形された構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−134488号公報(要約書、「0039」〜「0041」、図2、図12)
【特許文献2】特開2002−162820号公報(要約書、「0017」〜「0041」、図1〜図7)
【特許文献3】特開2001−331026号公報(「0223」、図55)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、現像剤収容容器の内部で露出する漏出防止部材の表面の形状を安定させることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の現像剤収容容器は、
内部に現像剤が収容される容器本体と、
前記容器本体に対して着脱可能な樹脂製の蓋部材と、
前記蓋部材に設けられ、前記蓋部材が前記容器本体に装着された場合に、前記容器本体に接触して前記容器本体の内部の現像剤が漏出することを防止する漏出防止部であって、前記蓋部材の前記容器本体側の面である前記蓋部材の内面に2色成形された樹脂製の前記漏出防止部と、
前記蓋部材の内面と、前記蓋部材の内面の裏面である前記蓋部材の外面と、を貫通して形成され、前記樹脂を注入可能な注入部と、
前記注入部を介して、前記蓋部材の外面側から前記樹脂が注入されて2色成形された前記漏出防止部と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像剤収容容器において、
複数の前記注入部が形成された前記蓋部材、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像剤収容容器において、
前記蓋部材の内面と前記蓋部材の外面とを貫通して形成され、前記蓋部材の内面側の流体を前記蓋部材の外面側に排出可能な排出部、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像剤収容容器において、
弾性変形可能な前記漏出防止部と、
前記容器本体の開口の前記蓋部材側の端に設けられた食込部であって、前記蓋部材に対向する第1の接触面と、前記第1の接触面の前記開口に対して内側の端から現像剤が収容される前記容器本体の内面側に延びて形成された第2の接触面と、前記第1の接触面の前記開口に対して外側の端から前記容器本体の外面側に延びて形成された第3の接触面と、を有し、前記蓋部材が前記容器本体に装着された場合に、前記漏出防止部に食い込んで前記各接触面が前記漏出防止部に接触する前記食込部、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の現像剤収容容器において、
前記容器本体に設けられ、且つ、前記食込部に隣接する隣接部であって、前記第3の接触面の前記開口に対して外側の端から前記容器本体の外面側に延びて形成された前記隣接部と、
前記蓋部材が前記容器本体に装着された場合に、前記漏出防止部と前記隣接部との間に形成される隙間と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤収容容器において、
前記漏出防止部に設けられ、且つ、前記容器本体の内部側に延びて形成され、前記容器本体の内面が接触する被接触部と、
前記蓋部材が前記容器本体に装着される際に、前記容器本体の内面を前記被接触部に案内する案内部であって、前記被接触部の前記容器本体の内部側の端部に形成され、且つ、前記容器本体の内部側に進むに連れて前記容器本体の内面から離れる形状の前記案内部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の現像剤収容容器において、
前記漏出防止部に対して前記蓋部材の内面に沿って外側に設けられ、且つ、前記蓋部材の内面から前記容器本体側に延びて形成された壁部と、
前記壁部と前記漏出防止部との間に配置され、前記漏出防止部を2色成形する際に、前記容器本体の内部側に配置され且つ前記蓋部材の中央部と接触する型と対向して接触して受ける受け面であって、前記受け面よりも前記蓋部材の中央部側としての内方に前記樹脂が注入される空間が形成される前記受け面と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記現像装置に補給される現像剤を収容する請求項1ないし7のいずれかに記載の現像剤収容容器と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記技術的課題を解決するために、請求項9に記載の発明の蓋部材は、
内部に現像剤が収容される現像剤収容容器の容器本体に対して着脱可能な樹脂製の蓋部材であって、
前記蓋部材に支持され、前記蓋部材が前記容器本体に装着された場合に、前記容器本体に接触して前記容器本体の内部の現像剤が漏出することを防止する漏出防止部であって、前記蓋部材の前記容器本体側の面である前記蓋部材の内面に2色成形された樹脂製の前記漏出防止部と、
前記樹脂注入部を介して、前記蓋部材の外面側から前記樹脂が注入されて2色成形された前記漏出防止部と、
前記蓋部材の内面と、前記蓋部材の内面の裏面である前記蓋部材の外面と、を貫通して形成され、前記樹脂を注入可能な注入部と、
前記注入部を介して、前記蓋部材の外面側から前記樹脂が注入されて2色成形された前記漏出防止部と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
前記技術的課題を解決するために、請求項10に記載の発明の蓋部材の製造方法は、
内部に現像剤が収容される現像剤収容容器の容器本体の開口を閉塞する蓋部材の前記容器本体側の面である前記蓋部材の内面を成形する第1の型と、前記蓋部材の内面の裏面である前記蓋部材の外面を成形する第2の型と、の間の第1の空間に対して、前記各型の少なくとも一方の型に対して突出し且つ前記第1の空間を横断する注入部作製用の凸部が配置された状態で、前記第1の空間の外方から、第1の樹脂を注入して、前記注入部作製用の凸部に応じて前記蓋部材の内面と前記蓋部材の外面とを貫通する注入部が形成された前記蓋部材の本体、を成形する工程と、
前記注入部に対応する位置が前記第1の型に比べて凹んだ形状の空間形成用の凹部を有する第3の型が、前記蓋部材本体の前記容器本体側に配置された状態で、前記蓋部材本体と前記第3の型との間に形成される第2の空間に対して、前記第2の空間の外方となる前記蓋部材の外面側から、前記注入部を介して、前記第1の樹脂と異なる第2の樹脂を注入して、前記蓋部材本体が前記容器本体に装着された場合に前記容器本体に接触して前記容器本体の内部の現像剤が漏出することを防止する漏出防止部、を2色成形する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1、8〜10に記載の発明によれば、蓋部材の外面側から樹脂が注入されて2色成形された漏出防止部を有しない構成に比べ、現像剤収容容器の内部で露出する漏出防止部材の表面の形状を安定させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、複数の注入部を有しない構成に比べ、樹脂を注入する時間を短縮でき、漏出防止部を2色成形する時間を短縮できる。
請求項3に記載の発明によれば、漏出防止部を2色成形する際に、前記蓋部材の内面側の空気や樹脂の過剰分等の流体を前記蓋部材の外面側に排出することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、食込部が漏出防止部に食い込んで3つの接触面が漏出防止部に接触しない構成に比べ、容器本体と漏出防止部との間から現像剤が漏出することを防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、食込部の食い込みによって押し退けられた漏出防止部が隙間に進入することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、漏出防止部に案内部が設けられていない構成に比べ、容器本体の内面を被接触部に接触させ易くすることができ、容器本体に蓋部材を装着させ易くすることができる。
請求項7に記載の発明によれば、蓋部材に受け面が設けられていない構成に比べて、漏出防止部を成形する際に、注入された樹脂が蓋部材の内面を押して、蓋部材と型との間に形成された隙間に樹脂が進入する成形不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は実施例1の画像形成装置のフロントカバーを開放した状態の説明図である。
【図4】図4はトナーカートリッジが図3に示す離脱不能位置から離脱可能位置に回転移動した状態の説明図である。
【図5】図5はカートリッジホルダからトナーカートリッジが取り外された状態の要部説明図である。
【図6】図6はカートリッジホルダにトナーカートリッジが装着された状態の要部説明図である。
【図7】図7はカートリッジホルダに装着されたトナーカートリッジが離脱不能位置に回転した状態の説明図である。
【図8】図8は図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】図9はトナーカートリッジを斜め前方から見た斜視図である。
【図10】図10はトナーカートリッジを斜め後方から見た斜視図である。
【図11】図11はトナーカートリッジの分解図である。
【図12】図12は図9のXII−XII線断面図である。
【図13】図13は図8のトナーカートリッジ部分の断面図である。
【図14】図14は離脱可能位置に移動した状態のトナーカートリッジの要部説明図である。
【図15】図15は離脱不能位置に移動した状態のトナーカートリッジの要部説明図である。
【図16】図16は実施例1のカバーシールの説明図であり、図16Aはカートリッジ本体に装着されていない状態のカートリッジカバーの要部断面拡大図、図16Bは図16Aの状態からカートリッジ本体の食込部がカバーシールの被食込部に接触した状態の説明図、図16Cは図16Bの状態からカートリッジ本体の食込部がカバーシールの被食込部に食い込んだ状態の説明図である。
【図17】図17は実施例1のカートリッジカバーの製造方法の説明図であり、図17Aは第1の型と第2の型との間の第1の空間にABS樹脂を注入してカートリッジカバーの本体を成形する工程の説明図であり、図17Bは第2の型のスライドコア支持する第1の型を上方から見た状態の説明図であり、図17Cは第3の型とカートリッジカバーの本体との間の第2の空間に熱可塑性エラストマーを注入してカバーシールを2色成形する工程の説明図である。
【図18】図18は実施例1の作用説明図としての比較例の説明図であり、図18Aは受け面が省略され且つカバーシールの後端面が底面の前方に配置されたカートリッジカバーの本体と第3の型との間の第2の空間に対して熱可塑性エラストマーが注入された状態の説明図であり、図18Bはカートリッジカバーと第3の型との間の隙間に進入した熱可塑性エラストマーによって成形されたバリの説明図である。
【図19】図19は実施例1の図17に対応する図であって実施例2のカートリッジカバーの製造方法の説明図であり、図19Aは第1の型と第2の型との間の第1の空間にABS樹脂を注入してカートリッジカバーの本体を成形する工程の説明図であり、図19Bは第2の型のスライドコア支持する第1の型を上方から見た状態の説明図であり、図19Cは第3の型とカートリッジカバーの本体との間の第2の空間に熱可塑性エラストマーを注入してカバーシールを2色成形する工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0023】
図1は実施例1の画像形成装置の斜視図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUでは、前面下部に、媒体の一例としてのシートSが収容される給紙部の一例としての給紙トレイTR1が設けられている。また、プリンタUの上面には、画像が記録されたシートSが排出される排出部の一例としての排出トレイTRhが形成されている。また、前面右部には、後述する現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジTCを操作する際に開閉される開閉部の一例としてのフロントカバーU1aが形成されている。
【0024】
図2は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2において、プリンタUは制御部の一例としてのコントローラCと、前記コントローラCにより作動を制御される画像処理部IPS、潜像形成回路の一例としてのレーザ駆動回路DL、および電源装置E等を有している。電源装置Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ロールCR、現像部材の一例としての現像ローラGaおよび転写部材の一例としての転写ローラTr等に電圧を印加する。
前記画像処理部IPSは、外部の情報送信装置の一例としてのコンピュータ等から入力された印刷情報を潜像形成用の画像情報に変換して予め設定された時期、すなわち、タイミングでレーザ駆動回路DLに出力する。レーザ駆動回路DLは、入力された画像情報に応じて駆動信号を潜像形成装置LHに出力する。実施例1の潜像形成装置LHは、左右方向に沿って、予め設定された間隔で潜像書込素子の一例としてのLEDが線状に配置された装置、いわゆるLEDヘッドにより構成されている。
【0025】
プリンタUの後部には、回転駆動する像保持体の一例としての感光体PRが支持されている。前記感光体PRの周囲には、感光体PRの回転方向に沿って、帯電ロールCR、潜像形成装置LH、現像装置G、転写ロールTr、像保持体用の清掃器の一例としての感光体クリーナCLが配置されている。
図2において、前記帯電ロールCRには、帯電ロールCR表面を清掃する帯電器用の清掃器の一例としての帯電ロールクリーナCRcが対向、接触して配置されている。
【0026】
また、前記現像装置Gは、内部に現像剤が収容される現像容器Vを有する。前記現像容器V内には、感光体PRに対向して配置された現像剤保持体の一例としての現像ロールGaと、現像剤を撹拌しながら循環搬送する一対の循環搬送部材Gb,Gcと、循環搬送部材で撹拌された現像剤を現像ロールGaに搬送する供給部材Gdと、現像ロールGa表面の現像剤の層厚を規制する層厚規制部材Geとが配置されている。
前記現像容器Vの前側上面には、補給部の一例としての現像剤補給口V1が形成されており、現像剤補給口V1には、現像剤搬送路の一例として、前方に延びる現像剤補給路V3が連結されている。前記現像剤補給路V3内部には、現像剤搬送部材の一例としての補給オーガV4が回転可能に支持されている。前記現像剤補給路V3の前端には、トナーカートリッジTCが着脱される被着脱部の一例としてのカートリッジホルダKHが連結されており、トナーカートリッジTCからの現像剤が流入する。したがって、現像装置Gでの現像剤の消費量に応じて、補給オーガV4が駆動すると、トナーカートリッジTCから現像剤が現像装置Gに補給される。
【0027】
回転する感光体PRの表面は、帯電領域Q1において帯電ロールCRにより帯電され、潜像形成位置Q2において潜像形成装置LHから出射する潜像形成光により静電潜像が形成される。前記静電潜像は現像領域Q3において現像ロールGaにより可視像の一例としてのトナー像に現像され、感光体PR及び転写ロールTrとの対向領域により形成される転写領域Q4において転写ロールTrにより媒体の一例としての記録シートSに転写される。感光体PR表面の残留トナーは、転写領域Q4の下流側の清掃領域の一例としてのクリーニング領域Q5において清掃部材の一例としてのクリーニングブレードCBにより除去され、感光体クリーナCL内部に回収される。
なお、前記クリーニングブレードCBの対向する側には飛散防止部材の一例としてのフィルムシールFSが設けられており、フィルムシールFSは感光体クリーナCL内に回収されたトナーが外にこぼれ出るのを防止する。
【0028】
図2において、プリンタUの下部の給紙トレイTR1には、媒体取り出し部材の一例としてのピックアップロールRpが配置されている。前記ピックアップロールRpにより取出された記録シートSは、媒体さばき部材の一例としてのリタードロールおよび給紙ロールを有するさばきロールRsにより1枚づつ分離されて、シート搬送路SHに沿って配置された媒体搬送部材の一例としてのシート搬送ロールRaにより搬送され、転写領域Q4のシート搬送方向の上流側に配置された時期調節部材の一例としてのレジロールRrにより予め設定されたタイミングで、転写領域Q4に搬送される。
【0029】
前記コントローラCにより動作が制御される電源装置E等から転写電圧が印加される転写ロールTrは、転写領域Q4を通過する記録シートSに感光体PR上のトナー像を転写する。
前記転写領域Q4においてトナー像が転写された記録シートSは、トナー像が未定着の状態で定着装置Fに搬送される。前記定着装置Fは定着部材の一例としての一対の定着ロールFh,Fpを有し、前記一対の定着ロールFh,Fpの圧接領域によって定着領域Q6が形成される。前記定着装置Fに搬送された記録シートSは、定着領域Q6において一対の定着ロールFh,Fpによりトナー像が定着される。定着トナー像が形成された記録シートSは、媒体案内部材の一例としてのシートガイドSG1,SG2によってガイドされ、排出部材の一例としての排出ロールR1からプリンタ本体U1上面の前記排出トレイTRhに排出される。
【0030】
(カートリッジホルダの説明)
図3は実施例1の画像形成装置のフロントカバーを開放した状態の説明図である。
図4はトナーカートリッジが図3に示す離脱不能位置から離脱可能位置に回転移動した状態の説明図である。
図1、図3、図4において、実施例1のプリンタUのフロントカバーU1aを、図1に示す通常位置から、図3、図4に示す操作位置に移動させると、トナーカートリッジTCおよびトナーカートリッジTCが装着されているカートリッジホルダKHが外部に露出する。
【0031】
図5はカートリッジホルダからトナーカートリッジが取り外された状態の要部説明図である。
図6はカートリッジホルダにトナーカートリッジが装着された状態の要部説明図である。
図7はカートリッジホルダに装着されたトナーカートリッジが離脱不能位置に回転した状態の説明図である。
図8は図7のVIII−VIII線断面図である。
図3、図4において、画像形成装置本体の一例としてのプリンタ本体U1に支持されたカートリッジホルダKHは、前面部材の一例としてのフロントパネル1を有する。前記フロントパネル1には、トナーカートリッジTCが着脱される円孔状の開口1aが形成されている。開口1aの下端には、開閉部材通過部の一例として、下方に凹んだシャッタ通過部1bが形成され、開口1aの左方には、切れ込み状の突条通過部1cが形成されている。
図5〜図8において、フロントパネル1の内部には着脱部本体の一例としてのホルダ本体2が支持されている。前記ホルダ本体2は、被着脱部の一例として、カートリッジ着脱方向である前後方向を軸方向とする円筒状の凹部により構成されたカートリッジ収容部3を有する。
【0032】
図5において、カートリッジ収容部3は、円板状の後端壁3aと、後端壁3aから前方に延びる筒壁3bとを有する。前記後端壁3aの中央部には、駆動伝達部材の一例としての駆動カップリング4が回転可能に支持されている。前記駆動カップリング4の左方には、凸部の一例として、カートリッジの挿入方向上流側である前方に突出する左右一対の位置決め突起6,7が形成されている。
図5〜図8において、前記筒壁3bの右上部には、読取り支持部の一例として、筒壁3bの内周面3cに対して右上方に凹んだリーダ支持部8が形成されている。前記リーダ支持部8には、情報読み書き装置の一例として、情報を送受信して、情報の読取り、書込が可能なCRUMリーダ9が支持されている。図8において、前記CRUMリーダ9は、接触端子の一例として、筒壁3bの内側に突出する板バネにより構成されたコネクタ9aを有する。
【0033】
図5〜図8において、前記筒壁3bの下部には、開閉収容部の一例として、筒壁3bの内周面3cに対して下方、すなわち筒壁3bの径方向外側に凹んだシャッタ収容部11が形成されている。
また、前記筒壁3bの左部には、突条収容部の一例として、筒壁3bの内周面3cに対して左方、すなわち筒壁3bの径方向外側に凹んだ円弧状の突条収容凹部12が形成されている。
【0034】
図5、図8において、前記筒壁3bのシャッタ収容部11と突条収容凹部12との間には、筒壁3bの周方向に沿って延びる流入口部13が形成されている。図5において、前記流入口部13には、案内部材の一例として、前後一対のシャッタガイド13a,13bが形成されており、シャッタガイド13a,13bの間には、流入開閉部材の一例としての流入口シャッタ14が筒壁3bの周方向に沿って移動可能に支持されている。
図5、図8において、前記流入口部13は、前記シャッタガイド13a,13b間に形成されて、筒壁3bの内周面3cよりも一段低く、且つ、シャッタ収容部11の上面11aに対して一段高い段差状に形成された流入面13cを有する。
図8において、前記流入面13cには、流入口シャッタ14の下方に流入口13dと、流入口13dから下方に延びる流入路13eと、が形成されており、流入路13eの下端は、前記現像剤補給路V3の上流端に接続されている。
【0035】
図5〜図8において、カートリッジ収容部3には、駆動支持部材の一例として、左方に延びるモータ支持プレート16が支持されており、モータ支持プレート16には、駆動源の一例としてのカートリッジモータ17が支持されている。
前記モータ支持プレート16の下方には、伝達系支持部の一例としてのギア支持部18が形成されている。前記ギア支持部18には、カートリッジモータ17からの駆動を、駆動カップリング4や補給オーガV4等に伝達する図示しない複数の歯車を有する歯車列、いわゆるギア列が支持されている。
【0036】
(トナーカートリッジの説明)
図9はトナーカートリッジを斜め前方から見た斜視図である。
図10はトナーカートリッジを斜め後方から見た斜視図である。
図11はトナーカートリッジの分解図である。
図12は図9のXII−XII線断面図である。
図13は図8のトナーカートリッジ部分の断面図である。
図14は離脱可能位置に移動した状態のトナーカートリッジの要部説明図である。
図15は離脱不能位置に移動した状態のトナーカートリッジの要部説明図である。
なお、図14、図15は、それぞれ、離脱可能位置または離脱不能位置においてカートリッジカバーが取り外された状態において、前方から見た状態の説明図である。
【0037】
図5〜図15において、前記カートリッジホルダKHに着脱されるトナーカートリッジTCは、容器本体の一例として、挿入方向または着脱方向である前後方向に延びる回転軸を有する円筒状のカートリッジ本体21を有する。前記カートリッジ本体21は、挿入方向の先方または前後方向の後端に形成された底壁の一例としての円板状の後端壁22と、後端壁22から前方に延びる筒壁23とからなる筒部22+23を有する。筒壁23は容器本体の外面の一例としての外周面23aと、容器本体の内面の一例としての内周面23bとを有する。
なお、実施例1では、図12に示す外周面23aと内周面23bとの距離、すなわち、筒壁23の厚さが、L1[mm]となるように予め設定されている。
【0038】
図10、図12において、前記後端壁22の中央部には、前側に凹んだ円筒状の伝達収容部22aが形成されており、伝達収容部22aには、前後方向に貫通する被伝達用の開口22bが形成されている。図11において、前記伝達収容部22aには、被伝達用の漏出防止部材の一例としてのカップリングシール24を介して、被伝達部材の一例として、駆動カップリング4に噛み合う従動カップリング25が被伝達用の開口22bに回転可能に支持されている。
図8、図10、図12〜図15において、後端壁22には、回り止め部の一例として、前記位置決め突起6、7に対応して、挿入方向または装着方向上流側である前方に凹んだ形状の位置決め溝26,27が形成されている。実施例1の位置決め溝26,27は、後端壁22の中心部である被伝達用の開口22bを中心とする同心円弧状に形成されており、位置決め突起6,7と嵌り合いが可能に形成されている。
【0039】
なお、実施例1では、円弧状の各位置決め溝26,27の中心角は同一に設定されており、トナーカートリッジTCが図4、図14に示す離脱可能位置の一例としてのアンロック位置と、図3、図15に示す離脱不能位置の一例としての位置決め位置との間で回転する回転角に対応する中心角に設定されている。ただし、離脱可能位置から位置決め位置とは反対側に所定角度大きく設定させても良い。更に、円弧状の各位置決め溝26,27の中心角は同一に設定させなくても良い。尚、離脱不能位置の他の例としては、離脱可能位置から位置決め位置に向けて回転されるトナーカートリッジTCが位置決め位置に達する前の位置であって任意の角度だけ回転された位置や、離脱可能位置から位置決め位置とは反対側に向けて任意の角度だけ回転された位置などがある。
【0040】
図14、図15に示すように、位置決め突起6、7は、図14に示すアンロック位置において、位置決め突起6、7が嵌る位置決め溝26,27の円弧の上端側で回転中心に向かう径方向の上端面26b,27bに接触した状態、若しくは、僅かに間隔が空いた状態で保持される。さらに、図15に示す位置決め位置では、位置決め溝26,27の円弧の下端側で回転中心に向かう径方向の下端面26a,27aに接触した状態で保持される。
また、実施例1の位置決め溝26,27は、トナーカートリッジTCがアンロック位置や位置決め位置などに回転される際の回転中心に対して側方に位置するように構成されている。尚、実施例1では回転中心は従動カップリング25が開口22bに回転可能に支持されている回転中心と略同じである。図14に示すアンロック位置において、上端面26b,27bが略水平、いわゆる時計の9時の方向に設定されており、図15に示す位置決め位置において、下端面26a,27aが略水平となるように設定されている。したがって、図15に示す位置決め位置では、上端面26b,27bは、回転中心に向かうに連れて、重力方向下方に傾斜するように設定されている。
【0041】
図5、図8〜図11、図13〜図15において、筒壁23の上端には、記憶部材保持部の一例として、筒壁23の外周面23aに対して内側に凹んだ形状のCRUM保持部31が形成されている。前記CRUM保持部31には、情報記憶部材の一例として、板状の回路基板により構成されたCRUM:Customer Replaceable Unit Memory32が装着されている。なお、CRUM32には、トナーカートリッジTCの対応機種や、内部の現像剤の初期の充填量、現像剤が使用されるに連れて減っていく残量、及び現像剤が空に近くなったか否かや現像剤が空であるか否か等のトナーカートリッジに関する情報が記憶されている。
【0042】
図5において、前記CRUM32は、接触端子の一例として、CRUMリーダ9のコネクタ9aが接触するコネクタ部32aを有し、図15に示す位置決め位置でコネクタ9aに接触して、CRUM32に記憶された情報が読み書き可能になっている。尚、CRUM32のコネクタ部32aとCRUMリーダ9のコネクタ9aとの接触に関して、より詳細には、トナーカートリッジTCが位置決め位置に向けて回転されて所定の角度だけ回転された位置であって位置決め位置に達する前の位置で、CRUM32のコネクタ部32aがCRUMリーダ9のコネクタ9aに接触し、その後、更にトナーカートリッジTCが位置決め位置に向けて回転されると、トナーカートリッジTCの位置決め溝26,27の下端面26a,27aが位置決め突起6、7に接触して、トナーカートリッジTCの回転方向の位置が位置決めされる。
【0043】
前記筒壁23のCRUM保持部32の右部には、干渉防止部の一例として、外周面23aに対して内側に凹んだ形状のコネクタ逃げ部33が形成されている。前記コネクタ逃げ部33は、トナーカートリッジTCがカートリッジ収容部3に挿入される際に、筒壁23がCRUMリーダ9のコネクタ部9aに接触して、コネクタ9aが破損等することを防止するために形成されている。
図8〜図11において、筒壁23の下端部には、シャッタ収容部11に対応して、筒壁23の外周面23aから径方向外方である下方に突出する流出口部36が形成されている。図8、図13において、流出口部36には、筒壁23の内面と外面とを接続する流出口36aが形成されており、図8、図15に示す位置決め位置において流入口13dに接続される。実施例1の流出口36aは、図13に示すように、流出口36aは、筒壁23の径方向に対して下方に傾斜して形成されており、流出口36aから流出する現像剤が流出口36aで詰まることが低減されている。
【0044】
図9、図10において、流出口部36には、本体側の案内部の一例として、下端の前後両端縁に、前後方向外側に張り出し且つ筒壁23の周方向に沿って延びるシャッタガイド36b,36cが形成されており、シャッタガイド36b,36cには開閉部材の一例としての流出口シャッタ37が支持されている。図11、図13において、流出口シャッタ37は、流出口36aに対向する面に漏出防止部材の一例としてのカートリッジシール37aが支持されている。
図8において、実施例1では、前記流出口シャッタ37の厚さは、シャッタ収容部11と流入面13cとの段差に対応する厚みに形成されている。
【0045】
図8〜図11、図13〜図15において、筒壁23の左部には、突条部の一例であって、連動閉塞部の一例として、径方向外方である左方に突出する前後方向に延びるリブ38が形成されている。前記リブ38は、突条収容凹部12に対応して形成されており、トナーカートリッジTCがカートリッジ収容部3に装着された状態で突条収容凹部12に収容された状態となるように設定されている。
【0046】
図5〜図7、図9、図11、図12において、トナーカートリッジTCの着脱方向である前後方向に対して、カートリッジ本体21の前後方向の前端には、蓋部材の一例として、筒部22+23の前端を閉塞するカートリッジカバー39が装着されている。
なお、実施例1の前記カートリッジカバー39の本体は、第1の樹脂の一例としてのABS:Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂により弾性変形可能に構成されている。
図11、図12において、前記カートリッジカバー39は、カートリッジ本体21の筒壁23の前端との間に配置された漏出防止部の一例としてのカバーシール39aを介して装着されている。前記カートリッジカバー39には、操作部の一例として、前面に左右方向に延びるハンドル39bが形成されており、ハンドル39bの上下両側には、操作凹部の一例として、トナーカートリッジTCの挿入方向に対して後方に凹んだハンドル凹部39cが形成されている。
【0047】
図12において、前記ハンドル39bには、軸支持部の一例として、トナーカートリッジTCの挿入方向に対して後面から前方に凹んだ円孔状の窪み状の軸受部39dが形成されている。図9〜図11において、カートリッジカバー39の外周面には、位置合わせ部の一例として、リブ38に対応して形成され、前後方向に延びる前リブ39eが形成されている。したがって、カートリッジカバー39をカートリッジ本体21に組付ける場合に、リブ38と前リブ39eが一致するように位置あわせをして組付けることで、ハンドル39bの位置が予め設定された位置にすることが可能になっている。前記カートリッジ本体21と、カートリッジカバー39とで囲まれた空間により、現像剤が収容される現像剤収容室40が構成されている。
【0048】
図8、図11〜図15において、現像剤収容室40の内部には、現像剤搬送部材の一例としてのアジテータ41が収容されている。前記アジテータ41は、トナーカートリッジTCの挿入方向に対して前後方向に延びる回転軸42を有する。回転軸42の後端42aは、従動カップリング25に連結されており、前端42bは、軸受部39dに回転可能に支持されている。したがって、カートリッジモータ17からの駆動が伝達されると、回転軸42は回転可能な状態で支持されている。
前記回転軸42は、中央部42cが前後方向に延びる角柱状に形成されている。中央部42cの角柱の一面側には、搬送部材用の固定部の一例として、前後方向に離れた前後一対のキノコ形状のフィルム固定突起42dが形成されている。また、フィルム固定突起42dの反対側の面である他面には、中央部42cから径方向に延びる棒状の撹拌部42eが形成されており、回転軸42の回転時に一体的に回転して、現像剤収容室40内の現像剤を撹拌したり、塊状の現像剤を崩したりする。
【0049】
図11、図12において、前記回転軸42のフィルム固定突起42bには、現像剤搬送部材の一例として、薄膜状の可撓性部材により構成された搬送フィルム43が支持されている。図11において、前記搬送フィルム43は、中央部に形成された被固定部の一例としての装着孔43aがフィルム固定突起42dを貫通した状態で支持されており、回転軸42と一体的に回転する。図12において、トナーカートリッジTCの挿入方向に対して搬送フィルム43の後端部には、伝達収容部22aに対応して切除された台形状の後切除部43bが形成されている。したがって、回転軸42が回転すると、搬送フィルム43は、筒壁23の内周面に接触して弾性変形した状態で、現像剤を流出口36aに向けて搬送する。なお、実施例1では、搬送フィルム43は、回転軸42の径方向の一方だけでなく両側に形成されており、1回転で2回流出口36aに現像剤が搬送され、流出口36dから流出する現像剤の単位時間当たりの量、いわゆるディスペンスレートが安定しやすい。
【0050】
(実施例1のカートリッジ本体21とカートリッジカバー39との装着機構の説明)
図5〜図7、図9、図11、図12において、実施例1の前記カートリッジ本体21には、前記外周面23aの前端部に、係合部の一例としての爪部51が形成されている。なお、実施例1では、前記外周面23aの外方に突出する5個の爪部51が周方向に等間隔で配置されている。
また、図11、図12において、前記筒壁23の前端には、前方に突出するリング状の食込部52が形成されている。図12において、実施例1の前記食込部52の前端には、カートリッジカバー39に対向する第1の接触面52aが形成されている。また、前記食込部52には、第1の接触面52aの径方向内端から後方の内周面23bに進むに連れて径方向内側に傾斜して延びる第2の接触面52bが形成されている。さらに、前記食込部52には、第1の接触面52aの径方向外端から後方の外周面23a側に進むに連れて径方向外側に傾斜して延びる第3の接触面52cが形成されている。
また、前記第3の接触面52cと前記外周面23aとの間には、前記食込部52に隣接するリング状の隣接部の一例としての隣接面53が形成されている。なお、実施例1の前記隣接面53は、第1の接触面52aと平行な平面状に形成されている。
【0051】
また、図3〜図7、図9、図11、図12において、実施例1の前記カートリッジカバー39は、カートリッジ本体21側の面である内面61と、内面61の裏面である外面62とを有する。前記内面61の径方向外端には、カートリッジ本体21側に延びて装着時に筒壁23の上端部を覆う円筒状の壁部63が形成されている。前記壁部63には、装着時に爪部51に対応する位置に配置された被係合部の一例として、壁部63を径方向に貫通する貫通孔によって構成された爪部51の受け部の一例としての受け孔64が形成されている。すなわち、実施例1では、前記壁部63を貫通する5個の受け孔64が周方向に等間隔で配置されている。実施例1の前記爪部51と前記受け孔64とは、爪部51が貫通して受け孔64の縁に引っ掛かることによって係合する、いわゆる、スナップフィット(snap-fit)構造によって構成されている。
【0052】
また、実施例1の前記カートリッジカバー39には、内面61において、前記壁部63と前記カバーシール39aとの間に、リング状の受け面66が形成されている。前記カートリッジカバー39の径方向外側、すなわち、外端部の前記受け面66と、径方向内側、すなわち、中央部のハンドル39bおよびハンドル凹部39cとの間には、前方に凹んだ形状の支持部67が形成されている。実施例1の前記支持部67には、受け面66の径方向内端から前方に延びる第1の支持面67aが連続して形成されている。また、前記支持部67には、第1の支持面67aの前端から径方向内方に延びる第2の支持面67bが連続して形成されている。さらに、前記支持部67には、第2の支持面67bの径方向内端から後方に延びる第3の支持面67cが連続して形成されている。
【0053】
なお、実施例1では、前記第3の支持面67cが前記第1の支持面67aよりも下方に長く延びて形成されている。
また、前記第2の支持面67bに対応する位置には、前記各面61,62を前後方向に貫通する貫通孔である注入部の一例としての注入孔68および排出部の一例としての排出孔69が形成されている。なお、実施例1では、前記ハンドル39bの矢印70の位置に排出孔69が配置されており、3個の注入孔68および1個の排出孔69の計4個の貫通孔(68,69)が周方向に等間隔で配置されている。
また、前記第2の支持面67bの後端には、径方向内方に延びるハンドル凹部39cの底面71が形成されている。このため、実施例1の前記カートリッジカバー39では、中央部の前記底面71が外端部の前記受け面66よりも下方に配置されている。
【0054】
図16は実施例1のカバーシールの説明図であり、図16Aはカートリッジ本体に装着されていない状態のカートリッジカバーの要部断面拡大図、図16Bは図16Aの状態からカートリッジ本体の食込部がカバーシールの被食込部に接触した状態の説明図、図16Cは図16Bの状態からカートリッジ本体の食込部がカバーシールの被食込部に食い込んだ状態の説明図である。
また、図16Aにおいて、実施例1の前記カバーシール39aは、前記受け面66の径方向内端から径方向内方に延びる被食込部の一例としての被食込面81と、前記被食込面81の径方向内端から後方に延びる被接触部の一例としての被接触面82とを有する。
【0055】
また、前記被接触面82の後端には、後方に進むに連れて径方向内側に傾斜して延びて形成された案内部の一例としての傾斜面83が形成されている。すなわち、実施例1では、円柱の外周面状の被接触面82の後端に、後方に進むに連れて外径が小さくなる錐状、いわゆる、テーパー形状の傾斜面83が形成されている。
また、前記傾斜面83の後端には、前記底面71まで径方向内方に延びる後端面84が形成されている。
なお、実施例1では、図16Aに示すように、筒壁23の厚さをL1とし、壁部63から被接触面82までの距離をL2[mm]とし、壁部63から傾斜面83の後端までの距離をL3[mm]とした場合に、L3>L1>L2が成立するように予め設定されている。
【0056】
また、実施例1の前記カバーシール39aは、第2の樹脂の一例としての弾性を有する熱可塑性エラストマーにより弾性変形可能に構成されている。
ここで、実施例1では、カートリッジ本体21にカートリッジカバー39が装着される際に、カートリッジカバー39をカートリッジ本体21に向けて相対移動させると、図16Bに示すように、食込部52は、第2の接触面52aが傾斜面83に案内されて前方に相対移動した後、第1の接触面52aが被食込面81に接触する。
【0057】
このとき、食込部52の後方の内周面23bは、カバーシール39aを弾性変形させ、傾斜面83の前部および被接触面82を径方向内側に押圧した状態で接触した状態となっている。また、壁部63は、受け孔64の後方が爪部51に押し退けられて、径方向外方に弾性変形した状態となっている。
すなわち、実施例1では、カバーシール39aと壁部63との間の空間に筒壁23の前端が進入する際に、L3>L1により、食込部52および内周面23bが傾斜面83に案内されながら進入可能となると共に、L1>L2により、内周面23bが被接触面82を押圧して密着可能になっている。
この結果、実施例1の前記トナーカートリッジTCは、傾斜面83によってカートリッジ本体21にカートリッジカバー39を装着させ易くなると共に、カバーシール39aと内周面23bとの接触面積が確保され、内周面23bのシール性が確保されている。
【0058】
また、カートリッジカバー39をさらに後方に相対移動させると、図16Cに示すように、カバーシール39aが弾性変形して、前記食込部52が前記被食込面81に食い込む。このため、食込部52の各接触面52a〜52cが被食込面81に接触した状態となっている。また、爪部51は、受け孔64の後方から受け孔64まで相対移動し、受け孔64を貫通して嵌まった状態となっている。
そして、カートリッジカバー39を後方へ相対移動させる前後方向の外力を解除すると、前記カバーシール39aの弾性反発力によって、カートリッジカバー39が相対移動して前方に戻される。このとき、図12に示すように、爪部51が前記受け孔64の後端の縁に引っ掛かった状態となり、カートリッジ本体21にカートリッジカバー39が装着される。
【0059】
なお、カートリッジ本体21にカートリッジカバー39が装着された状態では、カバーシール39aの弾性反発力でカートリッジカバー39が前方に戻る前に比べ、食込部52の被食込面81に対する食い込み量が小さくなるが、食い込んだ状態が保持されるように、カバーシール39aの厚さや受け孔64の後端の位置が予め設定されている。このため、食込部52の各接触面52a〜52cおよび内周面23bの前端部がカバーシール39aを押圧して密着した状態が保持されており、3面のシール(52a〜52c)によって食込部52のシール性が確保されている。
また、カートリッジ本体21の隣接面53と、カートリッジカバー39の壁部63および受け面66と、カバーシール39aの被食込面81とで囲まれた実施例1の隙間86が形成されている。実施例1では、前記食込部52の前記被食込面81に対する食い込みや、内周面23bの被接触面82の押圧によって押し退けられたカバーシール39aが、径方向外側の隙間86と、径方向内側の傾斜面83と内周面23bとの間のくさび状の隙間87とに進入した状態となっている。
【0060】
ここで、くさび状の隙間87がない場合には、食込部52が食い込んだ分だけカバーシール39aの一部が弾性変形し、変形量に応じた弾性復元力が作用する。よって、個体差等により弾性復元力が大きくなり過ぎると、カートリッジカバー39がカートリッジ本体21から外れてしまうおそれがある。
これに対して、実施例1では、食込部52の食い込みにより弾性変形するカバーシール39aの一部が、隙間86,87に進入して弾性復元する。よって、実施例1のトナーカートリッジTCでは、カバーシール39aの一部が進入する隙間86,87がない場合に比べ、カートリッジ本体21からカートリッジカバー39が外れることが低減されている。
【0061】
なお、実施例1では、カートリッジ本体21にカートリッジカバー39が装着された状態で、カバーシール39aがカートリッジ本体21の内側の各面52b,82と接触する前後方向の長さが、2[mm]以上となるように予め設定されている。すなわち、食込部52の第1の接触面52aから傾斜面83の前部までの前後方向の距離が2[mm]以上となるように予め設定されている。また、実施例1の前記隙間86における受け面66から隣接面53までの前後方向の距離が、0.3[mm]に予め設定されている。すなわち、実施例1の前記トナーカートリッジは、スナップフィット構造のため、0.3[mm]程度の遊び、いわゆる、オーバーストロークが設けられている。
【0062】
(実施例1のカートリッジカバー39の製造方法の説明)
図17は実施例1のカートリッジカバーの製造方法の説明図であり、図17Aは第1の型と第2の型との間の第1の空間にABS樹脂を注入してカートリッジカバーの本体を成形する工程の説明図であり、図17Bは第2の型のスライドコア支持する第1の型を上方から見た状態の説明図であり、図17Cは第3の型とカートリッジカバーの本体との間の第2の空間に熱可塑性エラストマーを注入してカバーシールを2色成形する工程の説明図である。
次に、図17に示す、実施例1の前記カートリッジカバー39の製造方法の各工程の流れを説明する。
【0063】
(実施例1のカートリッジカバー39の本体を成形する工程の説明)
図17A、図17Bにおいて、前記カートリッジカバー39を成形する成形装置91は、前記カートリッジカバー39の本体を成形する本体成形用の成形部材92を有する。前記本体成形部材92は、内面61を成形する第1の型93と、外面62を成形する第2の型94とを有する。
実施例1の前記第1の型93は、3個の注入孔68に応じて前方に突出する注入部作製用の凸部の一例としての3個の注入凸部93aと、排出孔69に応じて前方に突出する排出部作製用の凸部の一例としての排出凸部93bとを有する。また、前記第1の型93の前端面の径方向外端部には、後側の型支持部の一例として、リング状の後側支持面93cが形成されている。
【0064】
また、実施例1の前記第2の型94の本体94aには、前後方向に貫通する樹脂注入用の貫通部94bと流体排出用の貫通部94cとが形成されている。また、前記第2の型94の本体94aには、ハンドル39bの矢印70に応じて後方に突出する矢印作製用の凸部の一例としての矢印凸部94dが形成されている。また、前記第2の型94の本体94a後端面の径方向外端部には、前側の型支持部の一例として、リング状の前側支持面94a1が形成されている。
また、前記第2の型94は、前記本体94aの前側支持面94a1後方に配置され、壁部63後端および5個の受け孔64を成形する孔成形用の型の一例としての5個のスライドコア94eを有する。
【0065】
実施例1の前記各スライドコア94eは、リングを5等分に分割した形状で形成されており、5個のスライドコア94eを組み合わせるとリング状となる。また、前記各スライドコア94eは、後側支持面93cに支持される後端面94e1と、前側支持面94a1に支持される前端面94e2とを有する。また、前記各スライドコア94eには、各受け孔64に応じて内周面から径方向内側に突出する受け孔作製用の凸部としての受け凸部94e3がそれぞれ形成されている。
【0066】
カートリッジカバー39の本体を成形する場合、まず、図17Bに示すように、5個のスライドコア94eをリング状に組み合わせた状態で、スライドコア94eの後端面94e1と第1の型93の後側支持面93cとを対向、接触させる。このとき、スライドコア94eの受け凸部94e3と第1の型93の対向する面とが接触する。次に、スライドコア95の前端面94e2と後側支持面94a1とを対向、接触させる。このとき、型93,94の内部に第1の空間96が形成されると共に、第1の型93の注入凸部93aと第2の型94の対向する面とが接触し且つ第1の型93の排出凸部93bと第2の型94の矢印凸部94dとが対向、接触する。そして、ABS樹脂97を注入可能な第1の注入部材98によって、第2の型94の前方から樹脂注入用の貫通部94bを介して、ABS樹脂97が第1の空間96内に注入される。
【0067】
実施例1では、第1の空間96内の空気や過剰に注入されたABS樹脂97等の流体が流体排出用の貫通部94cから排出されながら第1の注入部材98によってABS樹脂97が第1の空間96内に注入される。この結果、第1の空間96内にABS樹脂97製のカートリッジカバー39の本体が成形され、前記本体には、各凸部93a,93b,94e3に応じて各貫通孔68,69,64が形成されると共に、矢印凸部94dに応じて矢印70の溝が形成される。
なお、カートリッジカバー39の本体の成形後に、各型93,94を取り外す場合、まず、第2の型94の本体94aをカートリッジカバー39の本体に対して前方に相対移動させる。次に、5個のスライドコア94eをカートリッジカバー39の本体に対してそれぞれ径方向外方にそれぞれ相対移動させることにより、第2の型94が取り外される。そして、第1の型93をカートリッジカバー39の本体に対して後方に相対移動させることにより、第1の型93が取り外され、全ての型93,94が取り外される。
【0068】
(実施例1のカバーシール39aを2色生成する工程の説明)
また、図17Cにおいて、前記成形装置91は、前記カバーシール39aを成形する漏出防止部成形用の2色成形部材の一例としてのシール成形部材101を有する。前記シール成形部材101は、漏出防止部成形用の型としてのカートリッジカバー39の本体と、カバーシール39aの各面81〜84を成形する第3の型102とを有する。
実施例1の前記第3の型102は、前記第1の型93に比べ、各凸部93a〜93cが省略され、且つ、カバーシール39aに対応する位置が凹んだ形状で形成されている。すなわち、前記第3の型102には、空間形成用の凹部の一例としてのリング状の空間凹部102aが形成されている。
【0069】
前記空間凹部102aは、前端にリング状に形成され、被食込面81を成形する第1の成形面102a1を有する。前記第1の成形面102a1の径方向内端には、後方に延びるリング状に形成され、被接触面82を成形する第2の成形面102a2が配置されている。前記第2の成形面102a2の後端には、後方に進むに連れて径方向内側に傾斜して延びるテーパー形状に形成され、傾斜面83を成形する第3の成形面102a3が配置されている。前記第3の成形面102a3の後端には、径方向内方に延びるリング状に形成され、後端面84を成形する第4の成形面102a4とを有する。また、前記第3の型102は、第1の成形面102a1と連続して形成され、受け面66と対向・接触可能な第1の被受け面102bと、第4の成形面102a4と連続して形成され、底面71と対向・接触可能な第2の被受け面102cとを有する。
【0070】
カバーシール39aを2色成形する場合、まず、カートリッジカバー39の本体と第3の型102とを対向、接触させる。このとき、カートリッジカバー39の各面66,71と第3の型102の各面102b,102cとが対向、接触する。よって、型39,102の内部に空間凹部102aに応じた第2の空間103が形成される。そして、熱可塑性エラストマー104を注入可能な第2の注入部材105によって、カートリッジカバー39の本体の前方から注入孔68を介して、熱可塑性エラストマー104が第2の空間103内に注入される。
【0071】
なお、図示は省略するが、実施例1では、熱可塑性エラストマー104が充填された3つの第2の注入部材105から3個の注入孔68を介して第2の空間103内に注入される。また、実施例1では、第2の空間103内の空気や過剰に注入された熱可塑性エラストマー104等の流体が排出孔69から排出されながら第2の注入部材105によって熱可塑性エラストマー104が第2の空間103内に注入される。この結果、第2の空間103内に熱可塑性エラストマー104製のカバーシール39aが2色成形される。
【0072】
なお、図示は省略するが、実施例1では、熱可塑性エラストマー104が充填された3つの第2の注入部材105から3個の注入孔68を介して第2の空間103内に注入される。また、実施例1では、第2の空間103内の空気や過剰に注入された熱可塑性エラストマー104等の流体が排出孔69から排出されながら第2の注入部材105によって熱可塑性エラストマー104が第2の空間103内に注入される。この結果、第2の空間103内に熱可塑性エラストマー104製のカバーシール39aが2色成形される。
なお、カバーシール39aの2色成形後に、第3の型102をカートリッジカバー39の本体に対して後方に相対移動させることにより、第3の型102がカートリッジカバー39から取り外される。
【0073】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、カートリッジカバー39を作製する際に、図17Aおよび図17Bに示す、カートリッジカバー39の本体を成形する工程と、図17Cに示す、カバーシール39aを2色成形する工程とが実行される。
実施例1のカートリッジカバー39の本体を成形する工程では、図17A、図17Bに示すように、第1の型93と第2の型94との内部に形成された第1の空間96内にABS樹脂97が注入されてカートリッジカバー39の本体が形成される。
また、実施例1のカバーシール39aを2色成形する工程では、図17Cに示すように、カートリッジカバー39の本体と第3の型102との内部に形成された第2の空間103内に熱可塑性エラストマー104が注入されてカバーシール39aが2色成形される。
【0074】
ここで、カバーシールが設けられたカートリッジカバー39を作製する場合には、リング状のウレタンシール等のカバーシールをカートリッジカバー39の本体に超音波溶着によって自動的に貼り付けることが従来行われている。しかしながら、超音波溶着装置は、その構造上、自動組立ラインに組み込むことが困難であるため、カートリッジカバー39の本体をロボットアーム等によって自動組立ラインコンベアから別の貼り付け場、いわゆる、パレット等に移動させた後、カバーシールをカートリッジカバー39の本体上で位置決めして超音波溶着等によって貼り付ける必要があった。この結果、自動組立ラインコンベア上で貼り付けることができず、自動組立ラインコンベアの一貫性を損ない、カートリッジカバー39の作製工程が複雑化するという問題があった。
【0075】
これに対して、実施例1では、カートリッジカバー39を2色成形によって作製するため、自動組立ラインコンベア上でカートリッジカバー39を作製することが可能となり、ウレタンシール等のカバーシールが自動貼付される場合に比べ、カートリッジカバー39の生産性を向上させることが可能となっている。
また、ウレタンシール等のカバーシールが自動貼付される場合には、例えば、円板状のウレタンシールを中抜きにしてリング状の前記カバーシールを作製すると、中抜きされた円板部分の材料のムダが問題となっていた。
これに対して、実施例1では、中抜き等の作業がなく、必要量の熱可塑性エラストマー104が第2の空間103内に注入されてカバーシール39aが2色成形されるため、材料のムダが低減されている。
【0076】
また、特許文献3等の従来の工程では、カートリッジカバー39の内面61側から熱可塑性エラストマー104が注入されてカバーシール39aが2色成形されていた。カートリッジカバー39の内面61側から熱可塑性エラストマー104を注入する場合、注入路に対応する位置が注入し終わった段階の表面張力等の影響により、凹んだり、盛り上がったりすることがある。カバーシール39aが凹んだ場合には、シール性が低下し、現像剤が漏出するおそれがある。また、カバーシール39aが盛り上がった場合は、カバーシール39aの成形不良部分、いわゆる、バリとなり、カートリッジカバー39がカートリッジ本体21に装着される際やトナーカートリッジTCの使用中に剥がれる等してバリがトナーカートリッジTC内のトナーに混入する可能性があり、この場合、画像不良等の原因となる可能性があった。
【0077】
これに対して、実施例1では、カートリッジカバー39の本体に3個の注入孔68が形成されており、注入孔68を介して、カートリッジカバー39の外面62側から熱可塑性エラストマー104を注入可能になっている。このため、第2の注入部材105によって熱可塑性エラストマー104を注入する位置、すなわち、3個の注入孔68の配置位置でカバーシール39aの形状にバラツキが発生する可能性がある。例えば、注入孔68の前端まで熱可塑性エラストマー104で埋め尽くされずに外面62より凹んで成形されたり、逆に、注入孔68の前端より前方で熱可塑性エラストマー104が外面62から盛り上がって成形されたりする可能性がある。
【0078】
しかしながら、カートリッジカバー39の内面61側のカバーシール39aの各面81〜84の形状は、第1の型93の各成形面102a1〜102a4に応じた形状となっている。すなわち、カバーシール39aが第2の空間103に応じた形状となり、トナーカートリッジTC内部の現像剤収容室40に露出する各面81〜84の形状にバラツキが発生し難く、目的の形状になっている。
したがって、実施例1のプリンタUは、カートリッジカバー39の内面61側から熱可塑性エラストマー104が注入されて2色成形される従来のカートリッジカバー39に比べ、カバーシール39aの各面81〜84の形状を安定させることが可能となっている。この結果、実施例1のプリンタUは、従来の構成に比べ、前記バリ等のカスがトナーカートリッジTC内のトナーに混入して発生する画像不良等を低減することが可能となっている。
【0079】
図18は実施例1の作用説明図としての比較例の説明図であり、図18Aは受け面が省略され且つカバーシールの後端面が底面の前方に配置されたカートリッジカバーの本体と第3の型との間の第2の空間に対して熱可塑性エラストマーが注入された状態の説明図であり、図18Bはカートリッジカバーと第3の型との間の隙間に進入した熱可塑性エラストマーによって成形されたバリの説明図である。
また、前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、カバーシール39aを2色成形する工程において、型39,102どうしが組み合わされると、カートリッジカバー39の各面66,71と、第3の型102の各面102b,102cとが前後方向で対向・接触した状態で第2の空間103が形成される。
ここで、図18Aに示すように、第2の空間103の径方向両側に前後方向に接触する面がない場合について考える。
【0080】
図18Aにおいて、カートリッジカバー01の本体は、カートリッジカバー39の本体に比べ、受け面66が省略されている。すなわち、第2の支持面67bに替えて、第1の支持面67aの径方向外端から後方に延びるリング状の外壁01aが連続して形成されている。また、カートリッジカバー01の本体は、第3の支持面67cに替えて、第1の支持面67aの径方向内端から底面71の径方向外端まで前後方向に延びるリング状の内壁01bが形成されている。
また、第3の型02は、第3の型102に比べ、第1の被受け面102bが省略されている。すなわち、第1の成形面102a1の径方向外端には、外壁01aに対応して後方に延びるリング状の外面02aが形成されている。また、第3の型02は、第3の型102に比べ、各成形面102a1〜102a4が前方に配置されている。すなわち、第4の成形面102a4と第2の被受け面102cとが連続的に形成されておらず、第4の成形面102a4の径方向内端と第2の被受け面102cの径方向外端との間には、内壁01bに対応して前後方向に延びるリング状の内面02bが形成されている。
【0081】
このため、カートリッジカバー01の本体と第3の型02とが組み合わされると、カートリッジカバー01の各壁01a,01bと、第3の型02の各面02a,02bとが径方向で対向・接触した状態で第2の空間03が形成される。
この場合、注入孔68を介して、カートリッジカバー39の外面62側から熱可塑性エラストマー104が注入されると、第2の空間03に進入した熱可塑性エラストマー104によってカートリッジカバー01の各壁01a,01b、特に、外壁01aが押圧されて弾性変形する可能性がある。
外壁01aは、前端の基端01cに対して後端が自由端01dとなっており、且つ、自由端01dの先端が第3の型02に接触した状態になっている。この結果、外壁01aの内面が熱可塑性エラストマー104から圧力を受けると自由端01d側が径方向外側に弾性変形し易く、変形した外壁01aと第3の型02の外面02bとの間に、くさび状の隙間が発生してこの隙間に熱可塑性エラストマー104が入るとバリ04が発生する可能性が高くなっていた。
【0082】
これに対して、実施例1では、第2の支持面67bの前端から後端までの前後方向の長さが、外壁01aの基端01cから自由端01dまでの前後方向の長さに比べ、短くなっている。すなわち、第2の支持面67bが、外壁01aに比べ、弾性変形し難くなっている。また、第2の支持面67bの後端には受け面66が形成されており、受け面66が第3の型102の第1の被受け面102bと面接触しており、第2の支持面67bは、外壁01aに比べ、さらに弾性変形し難くなっている。よって、実施例1のプリンタUは、図18Aの構成に比べ、隙間が発生し難く、バリ04の発生が低減されている。
【0083】
また、前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、カバーシール39aを2色成形する工程において、3つの第2の注入部材105から3個の注入孔68を介して第2の空間103内に熱可塑性エラストマー104が注入される。このため、実施例1のプリンタUは、カートリッジカバー39に注入孔68が複数設けられていない構成に比べ、第2の空間103内に熱可塑性エラストマー104を注入する時間を短縮することが可能になっている。
【実施例2】
【0084】
図19は実施例1の図17に対応する図であって実施例2のカートリッジカバーの製造方法の説明図であり、図19Aは第1の型と第2の型との間の第1の空間にABS樹脂を注入してカートリッジカバーの本体を成形する工程の説明図であり、図19Bは第2の型のスライドコア支持する第1の型を上方から見た状態の説明図であり、図19Cは第3の型とカートリッジカバーの本体との間の第2の空間に熱可塑性エラストマーを注入してカバーシールを2色成形する工程の説明図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0085】
図19Cにおいて、実施例2のカートリッジカバー39は、第1の支持面67aを貫通する実施例1の3個の注入孔68および排出孔69に替えて、第2の支持面67bの後端部を貫通する注入部の一例としての3個の注入孔68′および排出部の一例としての排出孔69′を有する。
また、図19A、図19Bにおいて、実施例2の第1の型93は、3個の注入凸部93aおよび排出凸部93bが省略されている。また、実施例2の第2の型94のスライドコア94eは、3個の注入孔68′に応じて径方向内方に突出する注入部作製用の凸部の一例としての3個の注入凸部94e4と、排出孔69′に応じて径方向内方に突出する排出部作製用の凸部の一例としての排出凸部94e6とを有する。
【0086】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のカートリッジカバー39は、図19に示すように、実施例1のカートリッジカバー39の計4個の貫通孔68,69が、外周面の前端部を径方向に貫通して設けられており、実施例1と同様に、カートリッジカバー39の本体の外面62側から熱可塑性エラストマー104を注入可能になっており、2色成形可能になっている。この結果、カバーシール39aが第2の空間103に応じた形状となり、トナーカートリッジTC内部の現像剤収容室40に露出する各面81〜84の形状にバラツキが発生し難く、目的の形状になっている。
したがって、実施例2のプリンタUは、実施例1のプリンタUと同様に、カートリッジカバー39の内面61側から熱可塑性エラストマー104が注入されて2色成形される従来のカートリッジカバー39に比べ、カバーシール39aの各面81〜84の形状を安定させることが可能となっており、バリ等のカスがトナーカートリッジTC内のトナーに混入して発生する画像不良等を低減することが可能となっている。
その他、実施例2のプリンタUは、実施例1のプリンタUと同様の作用効果を奏する。
【0087】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H011)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタを例示したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、前記プリンタUは、単色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、2色以上の多色の画像形成装置にも適用可能である。
【0088】
(H03)前記実施例において、トナーカートリッジTCの長さや幅等は、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
(H04)前記実施例において、トナーカートリッジTCの形状を円筒状に形成したが、これに限定されず、設計や仕様等に応じて、任意に変更可能である。すなわち、カートリッジカバー39やカバーシール39aの形状についても、設計や仕様等に応じて、任意に変更可能である。例えば、カートリッジカバー39やカバーシール39aの形状を四角筒状にすることも可能である。
【0089】
(H05)前記実施例において、熱可塑性エラストマー104を注入する注入孔68の数を3個としたが、これに限定されず、第2の注入部材105の数に応じて、注入孔68の数を1個、2個に減らしたり、4個以上に増やしたりすることも可能である。また、第2の空間103内の流体を排出する排出孔69の数についても1個に限定されず、2個以上に増やすことも可能である。
(H06)前記実施例のように、第2の空間103内の流体を排出する排出孔69を設けることが好ましいが、これを省略することも可能である。この場合、注入孔68を介して、熱可塑性エラストマー104が注入されながら第2の空間103内の空気等の流体が排出される。
【0090】
(H07)前記実施例1では、注入孔68および排出孔69を、第1の支持部67aを貫通して設けており、前記実施例2では、注入孔68′および排出孔69′を、第2の支持部67bを貫通して設けているが、これに限定されず、例えば、注入孔および排出孔を、第3の支持部67cを貫通して設けることも可能である。
(H08)前記実施例では、食込部52が被食込面81に食い込んで、3つの接触面52a〜52cが被食込面81に接触する構成、すなわち、カバーシール39aが3面をシールする構成としたが、食込部52の接触面の数についてはこれに限定されず、例えば、カバーシール39aが食込部52の2面または4面以上をシールする構成とすることも可能である。なお、前記実施例のように、食込部52を設けることが好ましいが、これを省略することも可能である。すなわち、カバーシール39aがカートリッジ本体21の1面のみをシールする構成とすることも可能である。
【0091】
(H09)前記実施例では、熱可塑性エラストマー104によってカバーシール39aを2色成形したが、カバーシール39aの材料についてはこれに限定されず、注入部68から流体として注入可能で2色成形が可能な第2の樹脂を使用可能であり、例えば、弾性ゴム等によってカバーシール39aを2色成形することも可能である。
(H010)前記実施例のように、バリ04の発生を低減するためにカートリッジカバー39に受け面66を設けることが好ましいが、形状等により成形されるバリ04であり、製品上許容可能な場合には、受け面66を省略することも可能である。
(H011)前記実施例のように、カバーシール39aの後端にテーパー形状の傾斜面83を設けて、食込部52を案内し、弾性変形した熱可塑性エラストマー104が収容できるように形成されたくさび状の隙間87を設けることが好ましいが、設計や材料選択等に応じてくさび状の隙間や傾斜面83を省略することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
21…容器本体、39…蓋部材、39a…漏出防止部、52…食込部、52a…第1の接触面、52b…第2の接触面、52c…第3の接触面、53…隣接部、61…蓋部材の内面、62…蓋部材の外面、63…壁部、66…受け面、68…注入部、69…排出部、82…被接触部、83…案内部、86…隙間、93…第1の型、94…第2の型、94b…注入部作製用の凸部、96…第1の空間、97…第1の樹脂、102…型、第3の型、102a…空間形成用の凹部、103…空間、第2の空間、104…樹脂、第2の樹脂、G…現像装置、PR…像保持体、TC…現像剤収容容器、U…画像形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に現像剤が収容される容器本体と、
前記容器本体に対して着脱可能な樹脂製の蓋部材と、
前記蓋部材に設けられ、前記蓋部材が前記容器本体に装着された場合に、前記容器本体に接触して前記容器本体の内部の現像剤が漏出することを防止する漏出防止部であって、前記蓋部材の前記容器本体側の面である前記蓋部材の内面に2色成形された樹脂製の前記漏出防止部と、
前記蓋部材の内面と、前記蓋部材の内面の裏面である前記蓋部材の外面と、を貫通して形成され、前記樹脂を注入可能な注入部と、
前記注入部を介して、前記蓋部材の外面側から前記樹脂が注入されて2色成形された前記漏出防止部と、
を備えたことを特徴とする現像剤収容容器。
【請求項2】
複数の前記注入部が形成された前記蓋部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の現像剤収容容器。
【請求項3】
前記蓋部材の内面と前記蓋部材の外面とを貫通して形成され、前記蓋部材の内面側の流体を前記蓋部材の外面側に排出可能な排出部、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤収容容器。
【請求項4】
弾性変形可能な前記漏出防止部と、
前記容器本体の開口の前記蓋部材側の端に設けられた食込部であって、前記蓋部材に対向する第1の接触面と、前記第1の接触面の前記開口に対して内側の端から現像剤が収容される前記容器本体の内面側に延びて形成された第2の接触面と、前記第1の接触面の前記開口に対して外側の端から前記容器本体の外面側に延びて形成された第3の接触面と、を有し、前記蓋部材が前記容器本体に装着された場合に、前記漏出防止部に食い込んで前記各接触面が前記漏出防止部に接触する前記食込部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の現像剤収容容器。
【請求項5】
前記容器本体に設けられ、且つ、前記食込部に隣接する隣接部であって、前記第3の接触面の前記開口に対して外側の端から前記容器本体の外面側に延びて形成された前記隣接部と、
前記蓋部材が前記容器本体に装着された場合に、前記漏出防止部と前記隣接部との間に形成される隙間と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の現像剤収容容器。
【請求項6】
前記漏出防止部に設けられ、且つ、前記容器本体の内部側に延びて形成され、前記容器本体の内面が接触する被接触部と、
前記蓋部材が前記容器本体に装着される際に、前記容器本体の内面を前記被接触部に案内する案内部であって、前記被接触部の前記容器本体の内部側の端部に形成され、且つ、前記容器本体の内部側に進むに連れて前記容器本体の内面から離れる形状の前記案内部と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤収容容器。
【請求項7】
前記漏出防止部に対して前記蓋部材の内面に沿って外側に設けられ、且つ、前記蓋部材の内面から前記容器本体側に延びて形成された壁部と、
前記壁部と前記漏出防止部との間に配置され、前記漏出防止部を2色成形する際に、前記容器本体の内部側に配置され且つ前記蓋部材の中央部と接触する型と対向して接触して受ける受け面であって、前記受け面よりも前記蓋部材の中央部側としての内方に前記樹脂が注入される空間が形成される前記受け面と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の現像剤収容容器。
【請求項8】
像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記現像装置に補給される現像剤を収容する請求項1ないし7のいずれかに記載の現像剤収容容器と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
内部に現像剤が収容される現像剤収容容器の容器本体に対して着脱可能な樹脂製の蓋部材であって、
前記蓋部材に支持され、前記蓋部材が前記容器本体に装着された場合に、前記容器本体に接触して前記容器本体の内部の現像剤が漏出することを防止する漏出防止部であって、前記蓋部材の前記容器本体側の面である前記蓋部材の内面に2色成形された樹脂製の前記漏出防止部と、
前記樹脂注入部を介して、前記蓋部材の外面側から前記樹脂が注入されて2色成形された前記漏出防止部と、
前記蓋部材の内面と、前記蓋部材の内面の裏面である前記蓋部材の外面と、を貫通して形成され、前記樹脂を注入可能な注入部と、
前記注入部を介して、前記蓋部材の外面側から前記樹脂が注入されて2色成形された前記漏出防止部と、
を備えたことを特徴とする蓋部材。
【請求項10】
内部に現像剤が収容される現像剤収容容器の容器本体の開口を閉塞する蓋部材の前記容器本体側の面である前記蓋部材の内面を成形する第1の型と、前記蓋部材の内面の裏面である前記蓋部材の外面を成形する第2の型と、の間の第1の空間に対して、前記各型の少なくとも一方の型に対して突出し且つ前記第1の空間を横断する注入部作製用の凸部が配置された状態で、前記第1の空間の外方から、第1の樹脂を注入して、前記注入部作製用の凸部に応じて前記蓋部材の内面と前記蓋部材の外面とを貫通する注入部が形成された前記蓋部材の本体、を成形する工程と、
前記注入部に対応する位置が前記第1の型に比べて凹んだ形状の空間形成用の凹部を有する第3の型が、前記蓋部材本体の前記容器本体側に配置された状態で、前記蓋部材本体と前記第3の型との間に形成される第2の空間に対して、前記第2の空間の外方となる前記蓋部材の外面側から、前記注入部を介して、前記第1の樹脂と異なる第2の樹脂を注入して、前記蓋部材本体が前記容器本体に装着された場合に前記容器本体に接触して前記容器本体の内部の現像剤が漏出することを防止する漏出防止部、を2色成形する工程と、
を備えたことを特徴とする蓋部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−37673(P2012−37673A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176658(P2010−176658)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】