説明

現像装置、この現像装置を備えたプロセスカートリッジおよびこの現像装置を備えた画像形成装置

【課題】簡単な構成で現像ケース外部への現像剤の飛散や落下を防止できるようにする。
【解決手段】現像装置2の感光体ドラム3に対向する側に飛散防止部材201と202が設けられている。飛散防止部材(インナーブレード)202は現像ローラ101側に配置され、飛散防止部材(アウターブレード)201は感光体ドラム3側に配置されている。インナーブレード202は感光体ドラム3に非接触であり、アウターブレード201は感光体ドラム3に接触する構造である。インナーブレード202は、感光体ドラム3に接触しないため、現像剤飛散や現像剤落下を効果的に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像を可視像化する現像装置、この現像装置を備えたプロセスカートリッジおよびこの現像装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現像剤が収納されている現像ケースを備え、現像ケース内に現像ローラを有する現像装置において、現像ケースにおける現像ローラの表面近傍から現像ケース外部へ現像剤が飛散したり、現像剤が落下したりすることがあった。それらによって、直接画像に影響を与えるばかりでなく、光学系や帯電極、転写分離極、各種センサ等を汚染することによる2次的な不具合を発生させる原因となる。
【0003】
上記課題を解決するために、シール部材は、感光体ドラムの中心と現像ローラの中心とを結んだ線が現像ローラの表面と交差する位置Aと、該シール部材の先端位置Bとの距離をLとしたとき、L≧3mmの条件を満足する現像装置が(特許文献1参照)、また、現像剤規制部材から現像ニップにかけての範囲内に現像剤規制部材により層厚を規制された現像剤と所定の間隔をおいて可撓性部材を設置し、可撓性部材は少なくとも現像剤担持体側の面が導電性を有している現像装置(特許文献2参照)が、開示されている。
【特許文献1】特開2002−296902号公報
【特許文献2】特開2005−201943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術では、現像ローラへのトナー落ちへの対処であって、転写用紙へのトナー落ちなどは考慮されていない。また、感光体ドラムと現像ローラとの配置関係から、シール部材の配置に対しスペース的に余裕のある場合に限られる。
【0005】
特許文献2に記載された従来技術では、トナー落下について対応しているものの、現像ローラの回転方向が上方から下方へとなっており、またアースを取るための構造が必要となり、部品点数が増加する。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成で現像ケース外部への現像剤の飛散や落下を防止できる現像装置、この現像装置を備えたプロセスカートリッジおよびこの現像装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、現像剤汲み上げ部で現像剤を汲み上げ、下方から上方に回転することで現像剤を静電潜像作成するための感光体ドラムに担持搬送する現像ローラと、前記現像ローラを軸支し、現像剤を収容する樹脂製の現像ケースと、前記現像ローラの近傍で、現像剤の飛散を防止するために前記現像ケースに設けられた2つの飛散防止部材と、を備え、前記現像ローラ側の飛散防止部材は、前記感光体ドラムには非接触とし、前記感光体ドラム側の飛散防止部材は、前記感光体ドラムに接触させることを特徴とする現像装置である。
【0008】
ここで、前記現像剤は2成分現像剤であってもよいし、前記飛散防止部材はウレタンブレードであってもよい。
【0009】
また、前記感光体ドラムに非接触の前記飛散防止部材は、前記感光体ドラム表面より1.5mmから2.5mm離間していることが望ましい。
【0010】
また、本発明は、少なくとも前記現像装置と前記感光体ドラムとが一体に構成され、画像形成装置に対して着脱可能なことを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0011】
また、本発明は、前記現像装置を備える画像形成装置である。この画像形成装置は、タンデム型カラー機である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、現像ローラの近傍で、現像剤の飛散を防止するために前記現像ケースに設けられた2つの飛散防止部材と、を備え、前記2つの飛散防止部材のうちの一方は、静電潜像を作成するための感光体ドラムには接触しない構造をとることで、製造が容易でありながら、現像剤の落下や飛散を簡単に防止することができる。
【0013】
本発明によれば、2成分現像剤であるため、比重が小さくキャリアとの混合攪拌性に問題を起しやすいトナーに対して、トナーの飛散や落下防止を確実に行うことができる。
【0014】
本発明によれば、前記飛散防止部材として、ウレタンブレードを用いるため、強度面でも強く可撓性も強い。このため、ウレタンブレードは飛散防止部材として適切な材料である。
【0015】
本発明によれば、前記飛散や落下を防止する部材のうちの一方は、前記感光体ドラム表面より1.5mmから2.5mm離間していることで、現像剤の落下や飛散を確実に抑えることができる。
【0016】
本発明によれば、現像装置と感光体ドラムを一体構造とするプロセスカートリッジのため、プロセスカートリッジとして現像剤の飛散や落下を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の最良の実施形態に係る現像装置を備える画像形成装置を、図面を参照にしつつ詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る現像装置が搭載される画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【0019】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色および単色の画像を形成可能とするタンデム型のカラー印刷機である。画像形成装置100は、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4、中間転写ベルトユニット8、定着ユニット12と、用紙搬送路110、給紙トレイ10および排紙トレイ15等より構成されている。
【0020】
なお、画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、4つの画像ステーションが構成されている。従って、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローごとに、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4に対して、a,b,c,dと符号を付けている。
【0021】
現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、画像形成装置100の上部に配置されている。
感光体ドラム3は、画像情報に基づいて露光ユニット1により表面に静電潜像が形成される。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すように接触型のローラ型やブラシ型の帯電器のほかチャージャー型の帯電器が用いられる事もある。
【0022】
露光ユニット1は、図1に示すようにレーザ照射部および反射ミラーを備えた、レーザスキャニングユニット(LSU)を用いる手法のほかに、発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法もある。そして帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有するものである。
【0023】
現像装置2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K、C、M、Y)のトナーにより顕像化するものである。
クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
【0024】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ローラ6、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0025】
中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ローラ6、中間転写ベルト従動ローラ72等は、中間転写ベルト7を張架し、矢印方向(B)に回転駆動させるものである。
【0026】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73の中間転写ローラ6取付部に回転可能に支持されており、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスを与えるものである。
【0027】
中間転写ベルト7は、それぞれの感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト7に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。この中間転写ベルト7は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0028】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施例では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いる事が可能である。
【0029】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じた顕像化された静電像は、中間転写ベルト7で積層され、装置に入力された画像情報となる。このように、積層された画像情報は、中間転写ベルト7の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト7の接触位置に配置される転写ローラ11によって用紙上に転写される。
【0030】
この時、中間転写ベルト7と転写ローラ11は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ11にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ11は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方に硬質材料(金属等)が用いられ、他方に弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0031】
また、上記のように、感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、若しくは、転写ローラ11によって用紙上に転写が行われず、中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト7は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72で支持されている。
【0032】
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、画像形成装置100の画像形成部および露光ユニット1の下側に設けられている。また、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートを反転した状態で(多色トナー像を下側に向けて)載置するためのトレイである。
【0033】
また、画像形成装置100には、給紙トレイ10のシートを転写部11や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に送るための、略垂直形状の用紙搬送路110が設けられている。さらに、給紙トレイ10から排紙トレイ15までの用紙搬送路110の近傍には、ピックアップローラ161、レジストローラ14、転写ローラ11、定着ユニット12、シートを搬送する搬送ローラ251、252、排紙ローラ253等が配されている。
【0034】
搬送ローラ25−1、25−2は、シートの搬送を促進・補助するための、小型のローラであり、用紙搬送路110に沿って複数設けられている。ピックアップローラ16−1は、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10から、シートを1枚ずつ用紙搬送路110に供給する呼び込みローラである。
【0035】
また、レジストローラ14は、用紙搬送路110上に搬送されているシートをいったん保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ11に搬送する機能を有している。
【0036】
定着ユニット12は、加熱ローラ31、加圧ローラ32、等を備えており、加熱ローラ31および加圧ローラ32は、シートを挟んで回転するようになっている。また、加熱ローラ31は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ32とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。
【0037】
次に、シート搬送経路を詳細に説明する。画像形成装置100には予めシートを収納する給紙トレイ10が配置されると共に、ユーザが少数枚の印字を行う時に給紙トレイ10の開閉動作を行わなくても良い手差しトレイ20が配置されている。
【0038】
両給紙方法には、各々ピックアップローラ16−1、16−2が配置され、1枚ずつを搬送路に導くようになっている。
【0039】
給紙トレイ10から搬送されるシートは搬送路110中の搬送ローラ25−1によってレジストローラ14まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト7上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ11に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット12を通過する事によってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され搬送ローラ25−2を経て排紙ローラ25−3から排紙トレイ15上に排出される(片面印字要求の時)。
【0040】
他方、手差しトレイ20に積載されるシートはピックアップローラ162によって給紙され、搬送ローラ25−4、25−5、25−6を経てレジストローラ14に到達し、それ以降は給紙トレイ10から給紙されるシートと同様の経過を経て廃止トレイ15に排出される(片面印字要求の時)。
【0041】
この時、印字要求内容が両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット12を通過したシートの後端が排紙ローラ25−3でチャックされ、排紙ローラ25−3が逆回転する事によって搬送ローラ25−7、25−8に導かれた後レジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に排紙トレイ15に排出される。
【0042】
次に、本実施形態に係る特徴的な現像装置の構成について、図面を参照して説明する。
【0043】
図2は本実施形態の現像装置近傍を示す部分拡大図、図3は現像装置の現像ローラ軸に垂直な面での断面拡大図、図4は、図3における飛散防止部材の位置関係について模式的に示した図である。
【0044】
現像装置2は、図2に示すように、直径16mmの現像ローラ101と、現像剤の穂立ちを規制する穂高規制部材102と、現像剤を攪拌し現像ローラに現像剤を供給する攪拌供給部材103,104とを備えており、直径30mmの感光体ドラム3に現像剤を供給する。現像ローラ101の回転方向と感光体ドラム3の回転方向は逆であるため、現像部においてはフォロー方式で接触現像される。
【0045】
図2に示すように、現像装置2と感光体ドラム3は一体構成とされて、プロセスカートリッジ50が形成される。プロセスカートリッジ50は画像形成装置100に着脱自在に設けられている。
【0046】
ここで従来技術の欠点について説明する。図7に示すように、現像装置500の感光体ドラム3に対向する側に飛散防止部材201と502が設けられている。飛散防止部材201は感光体ドラム側に配置され、飛散防止部材502は現像ローラ側に配置され、どちらの飛散防止部材である201も502も感光体ドラム3に接触する構造を取っている。
【0047】
黒ベタ印刷などトナー消費の多い原稿を連続印刷した場合には、補給されたトナーの現像剤との攪拌が頻繁に行われるが、あまりにトナー量が多くなるとその対応ができなくなるため、トナーだけの塊(TB)が内側(現像ローラ101側)の飛散防止部材(インナーブレード)502のところに出来る。その後さらに連続してトナーが補給された場合には、TBがますます大きくなり、さらに印刷を続けると、そのTBが押し出され、感光体ドラム3側にある飛散防止部材(アウターブレード)201を乗り越えて、現像ケース210の斜面210sをすべり落ちることがある。そうすると、転写用紙の上にトナー落ちとして現われ、印刷画質を劣化させることになる。
【0048】
なお飛散防止部材としては、可撓性に優れ感光体ドラムを傷つけることがなく、トナーなどとの反応が少ないウレタンブレードが優れているが、特にこれに限定されるものではない。
【0049】
そこで、図3に示すように、現像装置2の感光体ドラム3に対向する側に飛散防止部材201と202が設けられている。この配置は図7と同じであり、飛散防止部材(インナーブレード)202は現像ローラ101側に配置され、飛散防止部材(アウターブレード)201は感光体ドラム3側に配置されている。ここで、現像装置2は、図7の現像装置500と、現像ローラ101側のインナーブレード202が感光体ドラム3に非接触である点で異なる。なお、アウターブレード201は、図7と同様に感光体ドラム3に接触する構造を取っている。
【0050】
現像ローラ101側のインナーブレード202の突き出し長さ、すなわち感光体ドラム3の接触部からのカット長さに、ついて検討を加えた。その際、2つの飛散防止部材の先端位置関係について先端開口幅dを測定した(図4参照)。先端開口幅dは、アウターブレード201の感光体ドラム3への接触部分における接線方向で測定し、アウターブレード201とインナーブレード202との先端開口幅である。
【0051】
評価方法として、黒ベタ印字率70%のA4サイズ原稿を用いて、マゼンタトナーで500枚連続印刷した後、イエロートナーの黒ベタ100%のA3サイズ用紙10枚に印刷を行い、噴出する(落下する)マゼンタトナーの個数を確認した。
【0052】
テストでは、インナーブレード202の先端部よりカットする長さを測り、そのときのトナーの落下数を測定した。また、トナー飛散の状況も確認した。その結果、特定のインナーブレード202のカット長さにおいて、トナー落下を起さない範囲があることがわかる(図5参照)。より詳細に説明すると、1.5mmから2.5mmの範囲は、トナー落下が起さない良好な範囲である。これは、図5で得られた測定結果を示す図6のグラフからも明らかである。測定値をプロットした点を結んだ点線では、1.5mm〜2.0mmの間では、発生個数がほぼ1個以下であり、実施の測定値では、1.5mmから2.5mmの範囲で発生個数は0であるので、1.5mmから2.5mmの範囲をトナー落下が起さない良好な範囲と考えることができる。
【0053】
この結果をもたらす要因として、現像ローラ101における現像剤穂立ちがインナーブレード202に接触することが少なくなることに伴うトナー量の減少と、仮にトナー塊ができたとしても、インナーブレード202の現像ケースからの突き出し長さが少なくなったことに伴う剛性アップにより、トナー塊が乗り越えることを防止できるから、と考えられる。
【0054】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係る現像装置が適用される画像形成装置の全体概略図である。
【図2】本実施形態の現像装置近傍を示す部分拡大図である。
【図3】現像装置の現像ローラ軸に垂直な面での断面拡大図である。
【図4】図3における飛散防止部材の位置関係について模式的に示した図である。
【図5】本発明の実施形態に係る効果を示す図である。
【図6】図5における効果を示す図である。
【図7】従来の現像装置近傍を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
【0056】
2 現像装置
3 感光体ドラム
4 クリーナユニット
5 帯電器
101 現像ローラ
102 層厚規制部材
103 攪拌部材
104 攪拌部材
201 飛散防止部材(アウターブレード)
202 飛散防止部材(インナーブレード)
210 現像ケース
500 現像装置
502 飛散防止部材(インナーブレード)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤汲み上げ部で現像剤を汲み上げ、下方から上方に回転することで現像剤を静電潜像を作成するための感光体ドラムに担持搬送する現像ローラと、
前記現像ローラを軸支し、現像剤を収容する樹脂製の現像ケースと、
前記現像ローラの近傍で、現像剤の飛散を防止するために前記現像ケースに設けられた2つの飛散防止部材と、
を備え、
前記現像ローラ側の飛散防止部材は、前記感光体ドラムには非接触とし、前記感光体ドラム側の飛散防止部材は、前記感光体ドラムに接触させることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤は、2成分現像剤であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記飛散防止部材は、ウレタンブレードであることを請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記感光体ドラムに非接触の前記飛散防止部材は、前記感光体ドラム表面より1.5mmから2.5mm離間していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
少なくとも請求項1〜4のいずれかに記載の現像装置と前記感光体ドラムとが一体に構成され、画像形成装置に対して着脱可能なことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の現像装置を備える画像形成装置。
【請求項7】
タンデム型カラー機である請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−14862(P2010−14862A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173191(P2008−173191)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】