説明

現像装置、現像液の処理方法、印刷版の製造装置、及びろ過装置

【課題】現像液中に分散する感光性樹脂成分を効率的に除去可能な現像装置を提供する。
【解決手段】印刷原版1に現像液5を供給する供給装置31と、印刷原版1の感光性樹脂組成物層から遊離した感光性樹脂組成物が分散している現像液5が通され、現像液5中に分散している感光性樹脂組成物を凝集させる分散物フィルタ13と、分散物フィルタ13を通過した現像液5から、凝集された感光性樹脂組成物を除去する凝集物フィルタ15と、凝集物フィルタ15を通過した現像液5を静置する静置槽71と、を備える、現像装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液処理技術に係り、より詳細には、現像装置、現像液の処理方法、印刷版の製造方法、及びろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
感光性樹脂からなる印刷版を製版する際には、例えば選択的に露光された感光性樹脂組成物が水系の現像液によって現像され、露光されなかった部分の感光性樹脂組成物が現像液中に分散又は溶解する。ここで、同一の現像液を用いて感光性樹脂組成物の現像を繰り返すと、現像液中に分散した感光性樹脂組成物の濃度が上昇し、現像性能の低下、及び浮遊物のブラシへの付着等が生じ得る。また、現像液中に分散した未硬化の感光性樹脂組成物が印刷版の表面に再付着し、版面の品質を劣化させる場合もある。そのため、感光性樹脂組成物の濃度が上昇した現像液を廃棄し、新しい現像液を用いて製版を再開することが必要となる。しかし、古くなった現像液を廃棄し、新たな現像液を補充することを頻繁に繰り返すのは、環境への負荷や製造コストの観点から好ましくない。そこで、特許文献1には、現像液中に浮遊した感光性樹脂組成物の凝集物をフィルタで回収する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−258458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された方法において目の粗いフィルタを使用した場合、現像液中で自然に凝集した感光性樹脂組成物は回収できるが、凝集せずに現像液中に分散している感光性樹脂組成物は、フィルタを通り抜けるため、回収することができない。また、特許文献1に記載された方法において目の細かいフィルタを使用した場合、頻繁にフィルタを交換しなければならなくなる。
特許文献1には、オフラインで現像液に凝集剤を添加し、凝集した感光性樹脂組成物を現像液から回収する方法も開示されている。しかし、凝集剤は高価であり、コストの観点から凝集剤の使用は好ましくない。また、現像液を現像装置から回収し、オフラインで凝集剤を添加するのは、製造効率の観点からも好ましくない。さらに、凝集剤が添加された現像液は、そのままでは現像工程に再利用できないという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、現像液中に分散する感光性樹脂成分を効率的に除去可能な現像装置、現像液の処理方法、印刷版の製造方法、及びろ過装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様は、感光性樹脂組成物層に現像液を供給する供給装置と、感光性樹脂組成物層から遊離した感光性樹脂組成物が分散している現像液が通され、現像液中に分散している感光性樹脂組成物を凝集させる分散物フィルタと、分散物フィルタを通過した現像液から、凝集された感光性樹脂組成物を除去する凝集物フィルタと、凝集物フィルタを通過した現像液の静置槽と、を備える、現像装置であることを要旨とする。
【0007】
本発明の他の態様は、感光性樹脂組成物が分散している現像液を分散物フィルタに通し、現像液中に分散している感光性樹脂組成物を分散物フィルタで凝集させることと、分散物フィルタを通過した現像液から、凝集された感光性樹脂組成物を除去することと、凝集された感光性樹脂組成物が除去された現像液を静置槽内で静置して、高濃度層と低濃度層に分離することと、を含む、現像液の処理方法であることを要旨とする。
【0008】
本発明の他の様態は、露光された感光性樹脂組成物層に現像液を供給することと、感光性樹脂組成物が分散している現像液を分散物フィルタに通し、現像液中に分散している感光性樹脂組成物を前記分散物フィルタで凝集させることと、分散物フィルタを通過した現像液から、凝集された感光性樹脂組成物を除去することと、露光された感光性樹脂組成物に凝集物が除去された現像液を含む現像液を供給することと、凝集された感光性樹脂組成物が除去された現像液を静置槽内で静置して、高濃度層と低濃度層に分離することと、を含む、印刷版の製造方法であることを要旨とする。
【0009】
本発明のさらに他の態様は、樹脂組成物が分散している溶液が通され、溶液中に分散している樹脂組成物を凝集させる分散物フィルタと、分散物フィルタを通過した溶液から、凝集された樹脂組成物を除去する凝集物フィルタと、凝集物フィルタを通過した現像液の静置槽と、を備える、ろ過装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現像液中に分散する感光性樹脂成分を効率的に除去可能な現像装置、現像液の処理方法、印刷版の製造方法、及びろ過装置を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る現像装置を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る分散物フィルタを示す側面図である。
【図3】第1の実施形態に係る現像液中に分散する感光性樹脂組成物の凝集過程を示す模式図である。
【図4】第2の実施形態に係る現像装置を示す模式図である。
【図5】第3の実施形態に係る現像装置を示す模式図である。
【図6】第3の実施形態に係るバスケットを示す側面図である。
【図7】第3の実施形態に係るバスケットを示す上面図である。
【図8】第3の実施形態に係る分散物フィルタとバスケットを示す第1の模式図である。
【図9】第3の実施形態に係る分散物フィルタとバスケットを示す第2の模式図である。
【図10】第3の実施形態に係る分散物フィルタ、バスケット、及びハウジングを示す第1の模式図である。
【図11】第3の実施形態に係る分散物フィルタ、バスケット、及びハウジングを示す第2の模式図である。
【図12】第3の実施形態に係る現像液中に分散する感光性樹脂組成物の凝集過程を示す模式図である。
【図13】第3の実施形態に係る分散物フィルタ及びバスケットを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を説明する。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る現像装置は、図1に示すように、印刷原版1に現像液5を供給する供給装置31と、印刷原版1の感光性樹脂組成物層から遊離した感光性樹脂組成物が分散している現像液5が通され、現像液5中に分散している感光性樹脂組成物を凝集させる分散物フィルタ13と、分散物フィルタ13を通過した現像液5から、凝集された感光性樹脂組成物を除去する凝集物フィルタ15と、凝集物フィルタを通過した現像液の静置槽71と、を備える。図1においては、便宜的に、分散物フィルタ13及び分散物フィルタ13を収納するバスケット7を側面図で示し、ハウジング11を断面図で示している。
【0014】
印刷原版1は、ステージ41上に配置されている。印刷原版1の所望の厚さを有する感光性樹脂組成物層は、熱プレス成型法、カレンダー処理法、及び押出成型法等により、感光性樹脂組成物を支持体上に塗工することにより形成される。感光性樹脂組成物は、親水性ポリマー、光重合性不飽和単量体、及び光重合開始剤等を、押出機及びニーダー等で混合して製造される。支持体は、寸法安定性に優れた材料が好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、及びポリカーボネート等からなるプラスチック製部材、並びにスチール、アルミニウム、銅、及びニッケル等からなる金属製部材等が挙げられる。支持体の厚みは、機械的特性、形状安定性、及び印刷版製版時の取り扱い性等の観点から、好ましくは50〜350μmであり、より好ましくは100〜250μmである。支持体と感光性樹脂組成物層との接着を向上させるために、必要により、接着層を設けてもよい。
【0015】
感光性樹脂組成物に含まれる親水性ポリマーとは、水に溶解又は膨潤するポリマーを意味し、例えば、ラジカル系共重合体、ポリアミド系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエステル系重合体、及びウレタン系共重合体等が挙げられる。親水性ポリマーは単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。ラジカル系共重合体は、例えば、不飽和単量体100質量部のうち、親水性の不飽和単量体を1.0質量部以上用い共重合して得られる。親水性の不飽和単量体は、酸性官能基含有不飽和単量体が好ましい。酸性官能基含有不飽和単量体としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ホウ酸基、及び水酸基を有するエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。不飽和単量体全量に占める酸性官能基含有不飽和単量体の使用量は、1〜30wt%が好ましい。該使用量が1wt%以上であることにより、印刷原板を水系現像することができる。該使用量が30wt%以上であることにより、感光性樹脂組成物の吸湿量やインキによる感光性樹脂組成物の膨潤量の増加を抑制することができ、また、感光性樹脂組成物の混合時の加工性にも優れる。
【0016】
親水性のラジカル系共重合体に用いられる不飽和単量体としては、共役ジエン、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基を有するエチレン系モノカルボン酸アルキルエステル単量体、不飽和二塩基酸アルキルエステル、無水マレイン酸、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ハロゲン化ビニル類、アミノ基を有する塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体、並びにアリル化合物等が挙げられる。
【0017】
不飽和単量体は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、2個以上の付加重合可能な基を有する単量体を用いてもよい。第1の実施形態に用いられるラジカル系共重合体の重合方法は特に限定されないが、乳化重合が好ましい。
【0018】
感光性樹脂組成物100質量部に対して、親水性ポリマーを10〜70質量部用いることが好ましく、20〜60質量部用いることがより好ましい。感光性樹脂組成物100質量部に対して親水性ポリマーを10〜70質量用いることにより、感光性樹脂組成物層の水現像性および耐吸湿性が良好となる。
【0019】
感光性樹脂組成物に含まれる光重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸やメタアクリル酸((メタ)アクリル酸)等の不飽和カルボン酸又はそのエステル化合物(例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−(メタ)アクリレート;アルキレングリコール又はポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリットテトラ(メタ)アクリレート等)、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体(例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でN−置換又はN,N'−置換した(メタ)アクリルアミド;ジアセトン(メタ)アクリルアミド;N,N'−アルキレンビス(メタ)アクリルアミド等)、アリル化合物(例えばアリルアルコール、アリルイソシアナート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等)、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸又はそのエステル(例えばアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシアルキルのモノ又はジマレエート及びフマレート等)、及びその他不飽和化合物(例えばスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等)等が挙げられる。
【0020】
光重合性不飽和単量体は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。感光性樹脂組成物100質量部に対して、光重合性不飽和単量体を1〜30質量部用いることが好ましい。感光性樹脂組成物100質量部に対して光重合性不飽和単量体を1質量部以上用いることにより、感光性樹脂組成物を用いて形成されるフレキソ印刷版等の印刷版の細かい点や文字の形成性に優れる。感光性樹脂組成物100質量部に対して光重合性不飽和単量体を30質量部以下用いることにより、感光性樹脂組成物層が硬化する前の印刷原版1を保管又は輸送する際の変形を抑制することができる。また、感光性樹脂組成物を用いて形成される印刷版の硬度を適度なものとすることができ、表面凹凸のある紙質の悪い被印刷体への印刷におけるベタ部分のインキ乗りにも優れる。
【0021】
感光性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン;9−フェニルアクリジン;等が挙げられる。
【0022】
光重合開始剤は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。感光性樹脂組成物100質量部に対して、光重合開始剤を0.1〜10質量部用いることが好ましい。感光性樹脂組成物100質量部に対して光重合開始剤を0.1質量部以上用いることにより、感光性樹脂組成物を用いて形成される印刷版の細かい点や文字の形成性に優れる。感光性樹脂組成物100質量部に対して光重合開始剤を10質量部以下用いることにより、紫外線等の活性光の透過率の低下を抑制することができ、適度な露光感度下で露光することができる。
【0023】
感光性樹脂組成物は、必要に応じて、熱可塑性エラストマーを含んでいてもよい。熱可塑性エラストマーとは、常温付近でゴム弾性を示し、塑性変形しにくく、押出機等で組成物を混合するときに熱で可塑化するエラストマーを意味する。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、熱可塑性ブロック共重合体、1,2―ポリブタジエン、ポリウレタン系エラストマー、及び塩素化ポリエチレン等が挙げられる。熱可塑性エラストマーは単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。熱可塑性エラストマーとして、熱可塑性ブロック共重合体が好ましく、モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーとを重合して得られる重合体がより好ましい。
【0024】
モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、及びp−メトキシスチレン等が挙げられる。共役ジエンモノマーとしては、例えば、ブタジエン及びイソプレン等が挙げられる。これらモノマーを重合することにより、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が得られる。
【0025】
熱可塑性エラストマー中におけるモノビニル置換芳香族炭化水素セグメントの含量は、8〜50wt%が好ましい。該含量が8wt%以上であることにより、感光性樹脂組成物のコールドフローの発生を抑制することができ、厚み精度に優れる。該含量が50wt%以下であることにより、感光性樹脂組成物を用いて形成される印刷版の硬度を適度なものとすることができ、印刷品質に優れる。熱可塑性エラストマーの共役ジエンセグメント中のビニル結合単位は、レリーフの再現性向上に寄与するが、同時に印刷版の表面の粘着性を高める原因にもなる。この両特性のバランスをとる観点で、ビニルセグメントの平均比率は5〜40%が好ましく、10〜35%がより好ましい。ビニルセグメントの平均比率とは、熱可塑性エラストマー中の芳香族環以外の二重結合全量に対するビニル結合単位の比率を意味する。
【0026】
感光性樹脂組成物100質量部に対して、所望により、熱可塑性エラストマーを5〜50質量部用いることが好ましく、10〜40質量部用いることがより好ましい。感光性樹脂組成物100質量部に対して熱可塑性エラストマーを5〜50質量部用いることにより、印刷版の伸長率や耐水性、耐インキ膨潤性が良好なものとなる。
【0027】
感光性樹脂組成物は、例えば可塑剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、及び光安定剤等の種々の補助添加成分を含んでいてもよい。
可塑剤としては、例えば、常温で流動性のある液状のナフテン油、パラフィン油等の炭化水素油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物、液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、及びフタル酸エステル等が挙げられる。可塑剤として、これらの構造に、光重合性の反応基が付与されていてもよい。可塑剤は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
熱重合防止剤としては、例えば、アミド系、ヒドラジド系等の重金属不活性化剤、有機Ni系等のクエンチャー、ヒンダードピペリジン系等のHALS、ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系、ホスホナイト系リン系等の酸化防止剤、チオエーテル系、及びイオウ系等の酸化防止剤等が挙げられる。熱重合防止剤は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、トリアジン系、及びベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
図1に示す印刷原版1は、感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層上に配置された赤外線アブレージョン層をさらに備えていてもよい。赤外線アブレージョン層は、バインダーポリマー、赤外線吸収物質、及び非赤外線遮蔽物質等からなり、露光の際にマスク層として使用される。
【0030】
バインダーポリマーとしては、例えば、特開平11−153865号公報に記載されているスチレン、α−メチルスチレンやビニルトルエン等のモノビニル置換芳香族炭化水素と、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエンとからなる共重合体、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとからなる共重合体に水素添加処理をしたもの、特開平8−305030号公報に記載されているポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールのグラフト共重合体、両性インターポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ニトロセルロース、エチレンとビニルアセテートとの共重合体、セルロースアセテートブチレート、ポリブチラール、環状ゴム、スチレンとアクリル酸との共重合体、及びポリビニルピロリドンとビニルアセテートとの共重合体等が挙げられる。バインダーポリマーは単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
赤外線吸収物質としては、通常750〜2000nmの範囲で強い吸収波長をもつ物質が挙げられ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、及び酸化クロム等の無機顔料、並びにポリフタロシアニン化合物、シアニン色素、及び金属チオレート色素等の色素類等が挙げられる。中でも、カーボンブラックは、粒径13〜85nmの広い範囲で使用可能である。赤外線吸収物質は、使用するレーザー光線で切除可能な感度を付与する範囲で赤外線アブレージョン層に添加され、赤外線アブレージョン層の成分の全量に対して、赤外線吸収物質の添加量は、一般的には10〜80wt%である。赤外線吸収物質は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
非赤外線遮蔽物質としては、紫外光を反射又は吸収する物質が挙げられ、例えば、紫外線吸収剤、カーボンブラック、及びグラファイト等が挙げられる。非赤外線遮蔽物質は、所望の光学濃度を達成できる範囲で赤外線アブレージョン層に添加され、赤外線アブレージョン層の成分の全量に対して、非赤外線遮蔽物質の添加量は、一般的には2.0以上、好ましくは3.0以上の光学濃度となるように添加される。非赤外線遮蔽物質は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
赤外線吸収物質及び非赤外線遮蔽物質は同一の物質であってもよい。
【0033】
赤外線アブレージョン層を備える印刷原版の替わりに、感光性樹脂組成物層の表面に保護層を備える印刷原版を用いてもよい。印刷原版が保護層を有する場合、保護層表面にネガフィルム等の画像担体を密着させて露光し、現像することにより、印刷版を得ることが可能である。保護層は現像工程で除去可能な薄い層が挙げられ、例えば水溶性セルロース被膜層及びポリビニルアルコール被膜層等が挙げられる。特開昭51−49803号公報、特開昭54−68224号公報、及び特開昭56−110941号公報等に記載されている保護層を備える印刷原版を用いることができる。
【0034】
図1に示すステージ41上に搬送される前に、印刷原版1の感光性樹脂組成物層は、活性光線及びマスクを用いて選択的に露光され、光硬化している。活性光線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、及び太陽光等が挙げられる。マスクとしては、例えば、ネガフィルム、及び赤外線レーザーでアブレーションを施した赤外線アブレージョン層等が挙げられる。
【0035】
ステージ41上に配置された印刷原版1の感光性樹脂組成物層を現像する現像液5は、界面活性剤を含み、所望により洗浄促進剤及び/又はpH調整剤等を含む。一般に界面活性剤とは、水に溶けて水の表面張力を低下させる作用を示す物質である。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、及び両性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。現像液5における界面活性剤の濃度は、例えば0.5〜10wt%である。
【0036】
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール型の高級アルコールアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アルキレンオキシド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキシド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキシド付加物、油脂のアルキレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールアルキレンオキシド付加物、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールとソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、及びアルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0037】
アニオン系界面活性剤としては、例えば、平均炭素数8〜16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルフォン酸塩、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4〜10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、及び平均炭素数10〜22の飽和又は不飽和脂肪酸塩等が挙げられる。
【0038】
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アルキルアミンエチレンオキシド付加物、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、サパミン型第4級アンモニウム塩、及びピリジウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム及びラウリルジメチルベタイン等が挙げられる。
【0039】
現像液5に含まれる洗浄促進剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、グリコールエーテル類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム塩類、及びパラフィン系炭化水素等の有機溶剤等が挙げられる。
【0040】
現像液5に含まれるpH調整剤としては、例えば、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、コハク酸ソーダ、及び酢酸ソーダ等が挙げられる。
【0041】
図1に示すように、現像液5は、現像液タンク21に一時的に貯められている。現像液タンク21には、ポンプ等の供給装置31が接続されている。現像液タンク21中の現像液5は、供給装置31を介して、印刷原版1に連続的に供給される。印刷原版1は現像液5中に浸漬されてもよいし、スプレーノズル等から現像液5を印刷原版1に噴射してもよい。現像液5を供給することにより、印刷原版1の感光性樹脂組成物層の未露光部分の感光性樹脂組成物が現像液5と反応し、現像液5中に分散又は溶解する。ブラシ42を用いて、印刷原版1から感光性樹脂組成物層の未露光部分の感光性樹脂組成物をかきとってもよい。現像液5中に分散した感光性樹脂組成物は、現像液5に含まれる界面活性剤によって覆われるため、現像液5中で凝集せずに分散した状態を維持する傾向にある。分散している感光性樹脂組成物のそれぞれの大きさは、例えば10〜70μmである。分散状態の感光性樹脂組成物の一部は現像液5中にて凝集し、現像液タンクの液表面に浮遊することもある。
現像液タンク中で凝集した感光性樹脂組成物は親水性ポリマーを主成分とするものであり、使用する印刷原版によっては熱可塑性エラストマーや、可塑剤、赤外線アブレージョン層成分を含むが、光重合性不飽和単量体や光重合開始剤等は現像液に溶解するため、それら自体が単独で凝集することはない。これは、後述の分散物フィルタで凝集された感光性樹脂組成物に共通して言える。
【0042】
分散した感光性樹脂組成物を含む現像液5は、現像槽43を経て現像液タンク21に再び戻される。現像液タンク21には、ポンプ等の供給装置32がさらに接続されている。現像液タンク21に貯められ、分散した感光性樹脂組成物を含む現像液5は、供給装置32を介して、少なくとも一部が筒状の分散物フィルタ13の筒状部分の内部に送られる。側面図である図2に示すように、分散物フィルタ13は、例えば袋状のバッグフィルタであり、例えばポリエステル、ビスコース、ポリプロピレン、ナイロン、ノーメックス、ウール、又はフッ素樹脂等の高分子からなる。分散物フィルタ13が高分子からなる場合、各繊維の直径は、例えば50μmである。図1に示すように、分散物フィルタ13は、略円筒形でメッシュ状のバスケット7に収納されており、バスケット7は円筒状のハウジング11に格納されている。分散物フィルタ13は、固定リング16によって、ハウジング11の内部に固定されている。ハウジング11は、例えばアルミニウム及びステンレス等の金属からなる。
【0043】
分散した感光性樹脂組成物を含む現像液5を、例えば、袋状の分散物フィルタ13の内部から外部に通すと、図3に示すように、感光性樹脂組成物61a,61b,61c・・・が分散物フィルタ13の膜内に蓄積する。膜内に蓄積した感光性樹脂組成物61a,61b,61c・・・は、例えば分散物フィルタ13との摩擦により、表面を覆っていた界面活性剤が除去され、凝集剤を添加しなくとも互いに凝集し、凝集物62を形成する。凝集物62は、圧によって、例えば、水圧によって、分散物フィルタ13の膜内から外部に押し出され、分散物フィルタ13の外側と、バスケット7の内側との間等に堆積する。現像液タンク21中で凝集した感光性樹脂組成物もフィルタ外部に押出されてもよい。分散した感光性樹脂組成物を含む現像液5を、袋状の分散物フィルタ13の外部から内部に通してもよい。
【0044】
現像液5は、赤外線アブレージョン層を備える印刷原版を現像した場合、現像で剥離した赤外線アブレージョン層の成分を含みうる。現像液5が赤外線アブレージョン層の成分を含んでいる場合、赤外線アブレージョン層の成分は、分散物フィルタ13で形成される凝集物62中に取り込まれる。分散物フィルタ13によって、現像液5中に分散する感光性樹脂組成物の凝集と、赤外線アブレージョン層の成分の捕捉とを、同時に、かつ好適に行うことが可能である。現像液5に含まれる赤外線アブレージョン層の成分が、図1に示す印刷原版1が現像される前から現像液に含まれている場合も同様である。
【0045】
図1に示す現像液5の流れの上流側に対向する分散物フィルタ13の面側の空間の圧力、換言するならば、分散物フィルタ13の供給側の空間の圧力、具体的には、袋状の分散物フィルタ13の内面側の空間の圧力を、P1とし、現像液5の流れの下流側に対向する分散物フィルタ13の面側の空間の圧力、換言するならば分散物フィルタ13の排出側の空間の圧力、具体的には、袋状の分散物フィルタ13の外面側の空間の圧力を、P2とする。この場合、分散物フィルタ13の供給側の空間を加圧するか、及び/又は、分散物フィルタ13の排出側の空間を減圧することが好ましく、具体的には、圧力P1と圧力P2との関係は、好ましくは0.02MPa≦P1−P2≦2MPaであり、より好ましくは0.04MPa≦P1−P2≦1MPaであり、さらに好ましくは0.06MPa≦P1−P2≦0.5MPaである。圧力P1と圧力P2との差が0.02MPa以上であることにより、図3に示す感光性樹脂組成物61a,61b,61c・・・が凝集しやすくなる。圧力P1と圧力P2との差が2MPa以下であることにより、分散物フィルタ13や現像装置の他の構成要素への負担を軽減できる。
【0046】
圧力P1が分散物フィルタ13の内面側の空間の圧力であり、圧力P2が分散物フィルタ13の外面側の空間の圧力である場合を例示して説明すると、圧力P1と圧力P2との差は、例えばP2が大気圧の場合、図1に示すポンプ等の供給装置32によって分散物フィルタ13の内面側の空間の圧力P1を加圧することで設定可能である。袋状の分散物フィルタ13の内側の面にエア圧を加えてもよい。分散物フィルタ13の内面側の空間の圧力P1を加圧する場合、分散物フィルタ13の内面側の空間は、分散物フィルタ13も外壁であると考えた場合、実質的に閉空間になっていることが好ましい。袋状の分散物フィルタ13の外側面の空間の圧力を、ポンプ及びアスピレータ等で減圧してもよい。分散物フィルタ13の外面側の空間の圧力P2を減圧する場合、分散物フィルタ13の外面側の空間は、分散物フィルタ13も外壁であると考えた場合、実質的に閉空間になっていることが好ましい。圧力P1を加圧することと、圧力P2を減圧することを併用してもよい。圧力P1が分散物フィルタ13の外面側の空間の圧力であってもよく、圧力P2が分散物フィルタ13の内面側の空間の圧力であってもよい。
【0047】
分散物フィルタ13の厚みは、凝集効率の観点から、好ましくは0.01mm以上、10mm以下であり、より好ましくは0.5mm以上、5mm以下である。厚みが0.01mm以上であることにより、分散している感光性樹脂組成物の凝集効率が上昇する。厚みが10mm以下であることにより、分散物フィルタ13に加わる圧力を適度な圧力に調節することができる。分散物フィルタの厚みは、ミツトヨ製の厚み計ID−F125をBIEFFEBI Spessimetor2に取り付け、直径1cmの接触面に1.0kgの荷重がかかるように設定して、測定可能である。
【0048】
分散物フィルタ13が上記高分子からなる場合、好適には合成高分子樹脂からなる場合、分散物フィルタ13の密度は、好ましくは0.05g/cm3以上、1g/cm3以下であり、より好ましくは0.07g/cm3以上、0.5g/cm3以下である。密度が0.05g/cm3以上であることにより、分散している感光性樹脂組成物の凝集効率が上昇する傾向にある。密度が1g/cm3以下であることにより、分散物フィルタ13に加わる圧力を適度な圧力に調節することができる。密度は、分散物フィルタ13を10cm×10cmに切断し、重量を計ることにより算出可能である。分散物フィルタ13が金属からなる場合、目開きが1種類のフィルタを用いてもよいし、同じ又は異なる目開きのフィルタを複層に配置してもよい。
【0049】
例えば、現像液100質量部に対して、分散状態の感光性樹脂組成物が好ましくは0.16質量部以上、6質量部以下、より好ましくは0.6質量部以上、3質量部以下であれば、分散物フィルタ13によって、分散している感光性樹脂組成物が好適に凝集される。
【0050】
図1に示すように、分散物フィルタ13を通過した現像液5は、凝集物フィルタ15に供給される。分散物フィルタ13を通過した現像液5は、分散物フィルタ13で凝集された凝集物を含みうる。凝集物フィルタ15は、現像液5に含まれる凝集物62を捕捉する。凝集物フィルタ15の形状及び材質は、現像液5に含まれる凝集物62を補足可能であれば特に限定されない。凝集物62を捕捉する凝集物フィルタ15は、捕捉された凝集物62の量が凝集物フィルタ15の容量に近づいたところで、次の凝集物フィルタ15に交換する必要があるため、定期的に交換及び搬出可能な形状及び材質を用いることが好ましい。凝集物フィルタ15としては、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びポリエチレンテレフタレート(PET)等から製造されるネット、目開き0.3mmのステンレスメッシュフィルタ、布、並びに不拭布等が挙げられる。
【0051】
本実施形態の現像装置及びろ過装置において、凝集物フィルタ15を通過した現像液5は、静置槽71に供給される。凝集物フィルタ15を通過した現像液5は、直接、静置槽71に供給されてもよく、図1のように凝集物フィルタ15を通過した現像液用の現像液タンク120に該現像液5を一度供給した後に、供給装置33によって静置槽71に供給されてもよい。凝集物フィルタ15を通過した現像液用の現像液タンク120を備える場合は、現像液の温度調整機構が現像液タンク120及び/又は静置槽71等に備わっていてもよい。凝集物フィルタ15を通過した現像液用の現像液タンク120を有する場合、該現像液タンクと静置槽71とが隔壁で隔てられている構造をとることが好ましい。該構造によって、静置槽71からオーバーフローした現像液が外部に漏れることなく該現像液タンク120に再び戻るため、安全性の観点から好ましい。
【0052】
凝集物フィルタ15を通過した現像液の一部又は全部は、静置槽に供給される。図1においては、バルブ701と702をOPENにして供給装置33を稼動させることより現像液の一部又は全部を静置槽71に供給することが可能である。
本実施形態において静置とは、静置槽内の現像液が高濃度層と低濃度層とに分離する状態を意味しており、例えば現像液が静置槽に全く流入してこない状態はもちろん、現像液が静置槽内に連続して流入している状態であっても、静置槽内の現像液が高濃度層と低濃度層とに分離するのであれば、本実施形態における静置の状態を意味する。なお、静置槽中で高濃度層と低濃度層のどちらが上層側または下層側になるのかは、分散物の現像液に対する比重等により変化するものであるので特に限定されない。
【0053】
静置槽71における高濃度層81と低濃度層82の分離効率の観点から、静置槽71に一定の量の現像液が供給されてから静置による高濃度層81と低濃度層82の分離がなされている間は、凝集物フィルタ15を通過した現像液は静置槽71には供給されず、バルブ705をOPENにすることで現像液タンク21に供給されることが好ましい。
【0054】
静置槽71にて凝集物フィルタ15を通過した現像液を静置すると、感光性樹脂組成物を主体とする高濃度層81と現像液を主体とする低濃度層82とに分離される。静置する時間は高濃度層と低濃度層が一定量分離すれば特に限定されないが、生産効率の観点から、5分以上、24時間以下静置するのが好ましく、10分以上、12時間以下静置するのがより好ましい。
凝集物フィルタを通過した現像液の静置により、分離度の観点から、静置槽の現像液容量の少なくとも4割以上、好ましくは6割以上の低濃度層が得られることが好ましい。
【0055】
本実施形態において、高濃度層と低濃度層とは、各層の感光性樹脂組成物の濃度が相対的に異なる層を意味する。本実施形態において、高濃度層と低濃度層に含まれる感光性樹脂組成物とは、感光性樹脂組成物層に含まれる全ての成分を意味する。
高濃度層と低濃度層の各濃度は使用する現像液および感光性樹脂組成物に依存するため特に限定されない。低濃度層の感光性樹脂組成物の濃度は、分離前の現像液における感光性樹脂組成物の濃度よりも低い濃度であれば特に限定されないが、連続製版の観点から、0.001g/L以上、20g/L以下であることが好ましく、0.001g/L以上、15g/L以下がより好ましく、0.001g/L以上、10g/L以下がさらに好ましい。高濃度層の感光性樹脂組成物の濃度は、分離前の現像液における感光性樹脂組成物の濃度よりも高い濃度であれば特に限定されないが、前記低濃度層の濃度に対して1.5倍以上の濃度であることが好ましく、2倍以上の濃度であることがより好ましく、5倍以上の濃度であることがさらに好ましい。
高濃度層と低濃度層の分離速度を速めるために現像液の性能に影響を与えない範囲で、アルカリビルダー等を現像液に添加することや、静置槽内の現像液のみ、または、全体の現像液の温度を加温する等の操作を行ってもよい。現像液中の感光性樹脂組成物の濃度が高い場合は短時間で高濃度層と低濃度層に分離する傾向がある。
【0056】
静置槽71で分離した高濃度層は、静置槽から除去されることが好ましい。図1においては、高濃度層81は低濃度層82の上層として例示している。高濃度層を除去する方法としては特に限定されず、例えば高濃度層と低濃度層の比重に合わせて排出口を設ける方法や、高濃度層の比重が低濃度層の比重よりも小さい場合は高濃度層を高濃度層回収用の槽にオーバーフローさせる方法や、高濃度層の比重が低濃度層の比重よりも大きい場合は高濃度層を高濃度層回収用の槽にダウンフローさせる方法がある。高濃度層の除去の容易性の観点から、静置槽71は高濃度層を抜き出すための排出口72を有することが好ましい。排出口72の位置は高濃度層を抜き出すことが出来れば特に制限されず、高濃度層の比重が低濃度層の比重よりも小さいときは静置槽の上方に位置していることが好ましく、高濃度層の比重が低濃度層の比重よりも大きいときは静置槽の下方に位置していることが好ましい。図1においては、バルブ706をOPENとすることにより排出口72から高濃度層81を除去することが可能である。
【0057】
静置槽で分離された低濃度層は、現像液タンク21に供給してもよいし、現像工程の印刷原版1に現像液として供給してもよい。図1に示すように、現像装置は、リンスブラシ51をさらに備えていてもよい。静置槽で分離された現像工程後の感光性樹脂組成物層のリンス液として使用してもよい。静置槽で分離された低濃度層は分散状態及び凝集状態の感光性樹脂組成物が極めて少ないものであるから、リンスブラシに供給されるリンス液として使用することが好ましい。図1においては、バルブ703及びバルブ704をOPENとすることでリンスブラシ51に低濃度層を供給することが可能である。
【0058】
本実施形態において、静置槽で現像液を静置して、分散状態の感光性樹脂組成物を高濃度層として分離することにより、廃棄しなければならない高濃度層を簡易かつ選択的に得ることができ、現像液の廃棄量を低減することが可能となる。
【0059】
図1に示すように、現像装置は、リンスブラシ51を備える場合には、供給装置31で供給された現像液5及びブラシ42を用いて、未露光部分の感光性樹脂組成物が選択的に除去された印刷原版1は、可動式のステージ41によって、リンスブラシ51の下方に搬送される。
【0060】
リンスブラシ51の下方に印刷原版1が搬送された場合、図1においては図示していないが、供給装置31は、凝集物フィルタ15を通過した現像液5をリンスブラシ51の下方に搬送された印刷原版1に噴射してもよいし、表面が現像液で覆われる様に供給してもよい。凝集物フィルタ15を通過した現像液5中に印刷原版1を浸漬させてもよい。また、供給装置33から、凝集物フィルタ15を通過した現像液5を直接印刷原版1に噴射してもよいし、表面が現像液で覆われる様に供給してもよい。凝集物フィルタ15を通過した現像液5中に印刷原版1を浸漬させてもよい。さらに、供給装置33から、静置槽で分離された低濃度層を印刷原版1に噴射してもよいし、表面が低濃度層で覆われる様に供給してもよい。低濃度層中に印刷原版1を浸漬させてもよい。リンスブラシ51で印刷原版1表面を磨くことにより、印刷原版1の表面に残存しうる分散した感光性樹脂組成物を含む現像液5や、凝集した感光性樹脂組成物が除去される。
【0061】
従来技術では、印刷原版の現像に使用した現像液を印刷原版のリンスに再利用すると、現像液中に分散した感光性樹脂組成物が印刷原版に再び付着するおそれがある。そのため、従来技術では、未使用の新しい現像液を用いて印刷原版をリンスしている。これに対し、本実施形態に係る現像装置においては、分散物フィルタ13によって、現像液5中に分散した感光性樹脂組成物が凝集され、凝集物フィルタ15によって、凝集した感光性樹脂組成物が捕捉され、静置槽71により分散物フィルタおよび凝集物フィルタでは捕捉し切れなかった分散した感光性樹脂組成物を高濃度層として分離する。そのため、静置槽71の低濃度層82において、分散した感光性樹脂組成物の濃度は極めて低く、静置槽71の低濃度層82を、現像後の印刷原版1のリンス液として好適に利用することが可能となる。静置槽71の低濃度層82には、凝集剤等が添加されていないことが好ましい。静置槽71の低濃度層82を再利用することにより、現像液5の使用量を低減させ、現像工程のコストを低減することも可能となる。現像液の状態によっては凝集物フィルタ15を通過した現像液をリンス液として用いることも可能である。
【0062】
本実施形態に係る現像装置は、リンスブラシ52、水洗ブラシ53をさらに複数本、備えていてもよい。リンス後の印刷原版1が、可動式のステージ41によって、リンスブラシ52及び水洗ブラシ53の下方に搬送された場合、印刷原版1はリンスブラシ52からは樹脂成分を含まない未使用の現像液、水洗ブラシ53からは純水等を噴射され、リンスブラシ52及び水洗ブラシ53で磨かれる。これにより、印刷原版1表面に残存する樹脂成分と現像液をより洗い流すことが可能となる。リンスブラシ52から噴射される現像液に、静置槽71の低濃度層82を使用してもよい。静置槽71の低濃度層82を使用することにより、新しく用意する現像液の量を少なくすることが可能となる。
【0063】
本実施形態に係る現像装置によれば、分散物フィルタ13によって現像液5中に分散又は溶解する感光性樹脂組成物を凝集し、凝集物フィルタ15によって現像液5から凝集物を効率的に除去し、静置槽71によって現像液中に含まれる分散状態の感光性樹脂組成物を高濃度層として分離することが可能となる。
分散物フィルタ13を用いない従来の現像工程に供された現像液は1日以上静置しても高濃度層と低濃度層に分離することはなかったが、分散物フィルタ13を通過した後の現像液は静置すると、高濃度層と低濃度層に分離することは全く予想されない結果であった。そのメカニズムは明確になっていないものの、分散物フィルタ13を通過することで現像液中の界面活性剤成分が感光性樹脂組成物から遊離するか、または凝集物内に界面活性剤成分が取り込まれることにより、分散状態を保つのに必要な界面活性剤成分が相対的に少なくなり、凝集フィルタにより凝集された感光性樹脂組成物を除去した後において、静置するだけで高濃度層と低濃度層とに分離し易くなったのではないかと推察される。
【0064】
界面活性剤を弱める凝集剤を用いることなく、分散物フィルタ13によって感光性樹脂組成物を凝集するため、凝集物フィルタ15を通過した現像液5を再度現像工程に使用することが可能となる。
また、静置槽71の低濃度層82は分散した感光性樹脂組成物の含有量が極めて少なく、リンス液として好適に使用することが可能となる。
【0065】
従来現像液を再利用する技術は知られているが、斯かる従来技術におけるように、現像液中に分散する感光性樹脂組成物を捕捉できる目の細かいフィルタを使用すると、短時間で目詰まりを起こし頻繁にフィルタ交換を行う必要がある。一方、目の粗いフィルタでろ過した現像液を再利用すると、現像液中に分散する感光性樹脂組成物が印刷原版の表面に付着及び凝集し、製造される印刷版の品質が低下する。凝集剤を使用することで分散している樹脂成分を凝集する方法も知られているが、凝集剤を添加された現像液を再利用すると、感光性樹脂組成物層の未露光部分における感光性樹脂組成物が現像液中に分散した後、凝集剤によって直ちに凝集されて感光性樹脂組成物層に付着し、製造される印刷版の品質がやはり低下する。別の従来技術では、pHを制御したり、温度を制御したりして界面活性剤を弱め、現像液中に分散する感光性樹脂組成物を凝集させるが、操作が煩雑である。
【0066】
これに対し、第1の実施形態に係る現像装置によれば、現像液5中に分散する感光性樹脂組成物を、凝集剤を用いることもなく、目の細かいフィルタを使用しても効果的に除去可能である。また、pHや温度等の制御も不要である。そのため、現像液5中に分散する感光性樹脂組成物を、短時間で、簡易に、低いコストで除去することが可能である。したがって、製造される印刷版の品質を、低いコストで向上させることが可能となる。第1の実施形態に係る現像装置においては、現像液5に凝集剤を添加すると、分散物フィルタ13に目詰まりが生じ得、凝集剤は、むしろ用いないことが好ましい。
【0067】
現像液タンク21中の現像液5の表面に自然に発生して浮遊した凝集物や、現像液タンク21の底部に沈降した凝集物を、選択的に吸引して分散物フィルタ13に供給して除去してもよい。現像液タンク21中で凝集した凝集物を選択的に吸引して分散物フィルタ13に供給することにより、凝集物が過度に大きくなる前に回収することが可能であり、作業者が現像液タンク21を清掃する頻度を減らすことができる。凝集物が現像液タンク21中の現像液5表面に浮遊する傾向にある場合は、凝集物の成長の観点から、現像液タンク21の上部近傍から現像液5を吸引し、分散物フィルタ13に供給することが好ましい。凝集物が現像液タンク21中の底面に沈殿する傾向にある場合は、現像液タンク21の底面近傍から現像液5を吸引し、分散物フィルタ13に供給することが好ましい。
【0068】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、図1に示す分散物フィルタ13が袋状のバッグフィルタであり、高分子からなる例を示した。これに対し、図4に示す第2の実施形態に係る現像装置において、袋状の分散物フィルタ8は、アルミニウムやステンレス等の金属からなり、例えば目開き10μmのメッシュが設けられているメッシュフィルタである。分散物フィルタ8が金属からなるフィルタである場合、分散物フィルタ8を収納するバスケットはなくてもよい。第2の実施形態に係る現像装置のその他の構成要素は、第1の実施形態と同様である。図4においては、便宜的に、分散物フィルタ8を側面図で示し、ハウジング11を断面図で示している。第2の実施形態に係る現像装置においても、現像液5に分散する感光性樹脂組成物を、分散物フィルタ8で効果的に凝集させることが可能となる。
【0069】
(第3の実施形態)
本発明の他の態様として、平行に配置された複数のリングと、複数のリングのそれぞれの内周を接続する短冊状の複数のスペーサと、を備え、複数のスペーサの内側に少なくとも一部が筒状のフィルタが収納される、フィルタのバスケットをも提供する。
図5に示す第3の実施形態に係る現像装置において、分散物フィルタ13は、第1の実施形態と同様に、袋状のバッグフィルタであり、例えば高分子からなる。分散物フィルタ13を収納するバスケット12は、側面図である図6、及び上面図である図7に示すように、略円筒形であり、それぞれの中心が同一線上に並ぶよう、平行に配置された複数のリング111a、111b,111c,111d,111e,111fと、複数のリング111a−111fのそれぞれの内周を接続する短冊状の複数のスペーサ112a,112b,112c,112d,112e,112f,112g,112h,112i・・・と、を備える。
【0070】
複数のリング111a−111fの形状は、例えば、合同である。複数のスペーサ112a−112iの形状も、例えば、合同である。複数のスペーサ112a−112iは、複数のリング111a−111fのそれぞれの内周に接するように、放射状に配置されている。具体的には、複数のスペーサ112a−112iは、複数のリング111a−111fのそれぞれの内周の接線に対して、垂直に配置されている。複数のリング111a−111f、及び複数のスペーサ112a−112iは、例えばアルミニウム及びステンレス等の金属からなる。
【0071】
図8及び図9に示すように、複数のスペーサ112a−112iの内側に、分散物フィルタ13が収納される。分散物フィルタ13が収納されたバスケット12は、図10に示すように、円筒状のハウジング11に格納され、図11に示すように蓋14をされる。図5、図10、及び図11においては、便宜的に、分散物フィルタ13及びバスケット12を側面図で示し、ハウジング11を断面図で示している。ハウジング11にバスケット12が格納された際、バスケット12の複数のスペーサ112a−112iのそれぞれと、ハウジング11の内壁との間には、すき間が設けられる。バスケット12の複数のリング111a−111fと、ハウジング11の内壁との間にも、すき間が設けられる。
【0072】
図12に示すように、分散物フィルタ13を通過することによって、感光性樹脂組成物61a,61b,61c・・・が凝集し、分散物フィルタ13の外側と、バスケット12の複数のリング111a−111dとの間に凝集物62が堆積する。バスケット12のリング111a−111dと、ハウジング11の内壁との間にすき間が設けられているため、リング111a−111d上から遊離した凝集物62は、下流に流される。バスケット12のリング111a−111dと、ハウジング11の内壁との間にすき間が設けられていない場合、図11に示すバスケット12の複数のスペーサ112a−112iのそれぞれと、ハウジング11の内壁との間、あるいはバスケット12のリング111a−111dと、ハウジング11の内壁との間が凝集物で密閉され、現像液5の流動性が低下し、分散物フィルタ13に過剰な圧力がかかる場合が生じ得る。そのため、複数のスペーサ112a−112iのそれぞれと、ハウジング11の内壁との間、及び/又はリング111a−111dと、ハウジング11の内壁との間にすき間を設け、複数のスペーサ112a−112i及びリング111a−111dが、分散物フィルタ13、現像液5、及び凝集物以外のものとは接触しないことが好ましい。すき間の幅は、例えば8mmである。
【0073】
図13に示す複数のスペーサ112a−112iが配置される間隔Dは、5mm以上、50mm以下が好ましい。間隔Dは、分散物フィルタと接するスペーサの最内部分におけるスペーサの間隔を意味することが好ましい。間隔Dが5mm以上であることにより、袋状の分散物フィルタ13の外側において、凝集物が堆積する空間を確保することができる。袋状の分散物フィルタ13の内側に、外側よりも0.02MPa以上高い圧力がかかる場合、間隔Dが50mm以下であることにより、袋状の分散物フィルタ13の撓みを防止することができる。間隔Dを5mm以上、50mm以下とすることにより、分散物フィルタ13の撓みが防止され、分散物フィルタ13に加わる圧力の偏りが低減される。これにより、現像液5中に分散する感光性樹脂組成物を効率的に凝集し、かつ凝集物フィルタ15に凝集物62を効率的に押し流すことが可能となる。
【0074】
図13に示す複数のスペーサ112a−112iのそれぞれの幅Lは、3mm以上、30mm以下が好ましい。複数のスペーサ112a−112iのそれぞれの厚みWは、好ましくは、複数のスペーサ112a−112iが配置される間隔Dより短い。厚みWは、好ましくは間隔Dの1/1000以上、1/2以下であり、より好ましくは1/100以上、1/5以下であり、さらに好ましくは1/70以上、1/10以下である。
【0075】
分散物フィルタ13の外側や、バスケット12上に堆積した凝集物は、圧により、例えば、水圧により、凝集物フィルタ15に押し流されるが、ヘラやブラシ等で堆積した凝集物を掻き落としたり、液体や気体を利用して堆積した凝集物を剥離したりしてもよい。これにより、製造される印刷版の品質を、より向上させることが可能となる。
【0076】
図5に示す第3の実施形態に係る現像装置のその他の構成要素は、第1の実施形態と同様である。第3の実施形態に係る現像装置においても、現像液5に分散する感光性樹脂組成物を、分散物フィルタ13で効果的に凝集させることが可能となり、また、分散物フィルタ13で形成された凝集物62を凝集物フィルタ15に効率的に運搬することが可能となる。
【0077】
本発明のさらなる実施の態様として、本実施形態に係る現像装置を用いて、印刷版を製造することができる。本実施形態に係る印刷版の製造方法は、露光された感光性樹脂組成物層に現像液を供給することと、感光性樹脂組成物が分散している現像液を分散物フィルタに通し、現像液中に分散している感光性樹脂組成物を前記分散物フィルタで凝集させることと、分散物フィルタを通過した現像液から、前記凝集された感光性樹脂組成物を除去することと、凝集された感光性樹脂組成物が除去された現像液を静置槽内で静置して、高濃度層と低濃度層に分離することと、を含む、方法である。感光性樹脂組成物層を現像することにより得られた感光性樹脂組成物が分散している現像液は、現像液タンク21に集められ、現像液タンク21から供給装置32を通じて、分散物フィルタ13に供給され、現像液中に分散している感光性樹脂組成物が分散物フィルタ13で凝集させられる。分散物フィルタを通過した現像液を凝集フィルタ15に送液し、凝集フィルタ15により凝集された感光性樹脂組成物を除去する。そして、凝集フィルタを通過した現像液は、静置槽内で静置され、高濃度層と低濃度層とに分離される。高濃度層は、静置槽に設けられた排出口から抜き出されてもよく、また、低濃度層は、リンスブラシに供給されてもよく、現像液タンク21に供給されてもよい。本実施形態においては、本発明の目的を逸脱しない範囲で、凝集フィルタを通過した現像液が、静置槽に通液されることなく、直接、現像液タンクに通液されてもよい。
【実施例】
【0078】
本発明の実施形態をさらに詳細に説明するために、以下に、実施例及び比較例を示すが、これらの実施例は本発明の実施形態の説明及びそれによって得られる効果等を具体的に示すものであって、本発明の実施形態を何ら制限するものではない。
【0079】
(製造例1)
PET製の支持体と、感光性樹脂組成物層と、赤外線レーザーアブレージョン層と、がこの順で積層された、縦900mm、横1067mm、厚み1.14mmのシート状に形成された旭化成イーマテリアルズ株式会社製の印刷原版「DEF−20」(商標)を用意した。
支持体側から、上記印刷原版の支持体の厚みを含めた硬化層の厚みが0.54mmになるように旭化成イーマテリアル株式会社製の紫外線露光機「AFP−912EDLF」(商標)を用いて露光した。次に、ESKO ARTWORKS社製のレーザー描画機「CDI SPARK 4260」(商標)を用いて、赤外線アブレーション層に画像面積率30%の図柄を描画した。
次に、紫外線アブレージョン層側から、前記露光機で7分間露光し、露光済みの印刷原版を得た。
【0080】
(実施例1)
第1の実施形態で説明した現像装置を使用して現像液の処理の性能を評価した。
<使用した装置の説明>
バスケット7、ハウジング11、蓋14、固定リング16、供給装置32、及び静置槽71を含む株式会社三鷹工業所製の加圧ろ過装置「カスポンフィルター MCF−0420TS」に凝集フィルタ15と静置槽71を設けた装置を使用した。蓋14は閉じた状態とした。
加圧ろ過装置に取り付ける分散物フィルタ13として、株式会社カジカコーポレーション製のポリプロピレン製のフィルタ「R−1−PP−12−ES」(商標)(厚み2.4mm、密度0.174g/cm3)を使用した。
凝集物フィルタ15として、ナイロンメッシュ(目開き0.3mm)を使用した。
ステージ41、ブラシ42、及び現像層43を含む現像装置として、旭化成イーマテリアルズ株式会社製の水現像版現像機「AWP−220W」(商標)を使用した。
現像液5として、旭化成イーマテリアルズ株式会社製の「W300」(商標)を6wt%となるように水で薄め、炭酸ナトリウムを0.4wt%で含む現像液の新液250リットルを現像液タンク21内に、200リットルを現像液タンク120に用意し、40℃に加温した。
【0081】
<工程>
(1)供給装置32を稼動させ、現像液5の新液を現像液タンク21、分散物フィルタ13、凝集物フィルタ15の順で循環させた。
(2)供給装置31を稼動させ、現像液5をブラシ42を介してステージ41に設置された上記旭化成イーマテリアルズ株式会社製の露光されていない印刷原版「DEF−20」(商標)に供して、印刷原版の感光性樹脂組成物と赤外線アブレージョン層を現像液5で現像し、分散状態の感光性樹脂組成物と、凝集状態の感光性樹脂組成物と、赤外線アブレージョン層と、を含む現像液5を現像液タンク21に戻した。
分散状態の感光性樹脂組成物と、凝集状態の感光性樹脂組成物と、赤外線アブレージョン層と、を含む現像液5は供給装置32を介して分散物フィルタ13に供され、分散状態の感光性樹脂組成物が分散物フィルタで凝集され始めた。印刷原版の感光性樹脂組成物層と赤外線アブレージョン層が全てなくなった後、印刷原版をステージ41から取り出し、新たに露光されていない印刷原版「DEF−20」(商標)をステージ41に設置し、現像液5を供給し、感光性樹脂組成物層と赤外線アブレージョン層を現像液5で現像することを繰り返し、合計32版の露光されていない印刷原版を現像した。
静置槽内の現像液は1版洗浄毎に供給装置33を用いリンスブラシ51に供給した。その後、凝集物フィルタ15を通過した現像液5を供給装置33を用いて40秒間供給した。静置槽71に過剰に供給された現像液5は、オーバーフローをして現像液タンク120に戻り、循環した。
(3)供給装置31を稼動させてから3.5時間たったところ、分散物フィルタ13から凝集された感光性樹脂組成物成分が押し出され、凝集物フィルタ15で捕捉され始めた。32版の印刷原版の感光性樹脂組成物層および赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解するまでは12時間であった。この間、蒸発によって失われた水を1版洗浄毎に補充して装置内の水位を一定に保ったが、「W300」(商標)及び炭酸ナトリウムは追加供給しなかった。現像された感光性樹脂組成物層と赤外線アブレーション層の質量の総和は27kgであった。また、質量の総和から光重合性不飽和単量体成分と光重合開始剤成分を引いた質量は22kgであった。
(4)印刷原版の感光性樹脂組成物及び赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解してから更に3時間、供給装置31と供給装置32を稼動させた後、供給装置31、32を停止し、静置槽71の現像液を24時間静置したところ、現像液100Lを40Lの高濃度層と60Lの低濃度層に分離した。このとき、40℃における高濃度層の粘度はザーンカップ♯3にて18秒、低濃度層は10秒であった。
(5)上記低濃度層をリンスブラシ51に供給して洗浄を行い、版面に付着した分散物の個数を10倍のルーペで拡大して数えたところ、1版当たり20個以下であった。
(6)静置前の現像液、低濃度層、高濃度層をそれぞれ20ミリリットル取り出し、50℃で24時間乾燥させて得られたものの質量から現像液の成分を差し引いた質量を算出し、静置前の現像液、低濃度層、高濃度層に含まれる感光性樹脂組成物の濃度をそれぞれ算出した。
静置前の現像液に含まれていた感光性樹脂組成物の濃度は、28g/Lであり、静置後の低濃度層の感光性樹脂組成物の濃度は、6g/Lであり、高濃度層の感光性樹脂組成物の濃度は60g/Lであった。
【0082】
(実施例2)
(1)現像液温度を45℃に加温する以外は、実施例1と同様に連続製版を実施した。
(2)印刷原版1の感光性樹脂組成物層及び赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解してから更に3時間、供給装置31と供給装置32を稼動させた後、供給装置31、32を停止し、静置槽71の現像液を8時間静置したところ、現像液100Lを40Lの高濃度層と60Lの低濃度層に分離した。
(3)上記低濃度層をリンス液としてリンスブラシ51に供給して洗浄を行った後、版面に付着した分散物を10倍のルーペで拡大して個数を数えたところ、1版当たり20個以下であった。
【0083】
(実施例3)
(1)炭酸ナトリウムを0.8wt%に添加する以外は、実施例1と同様に連続製版を実施した。
(2)印刷原版1の感光性樹脂組成物層及び赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解してから更に3時間、供給装置31と供給装置32を稼動させた後、供給装置31、32を停止し、静置槽71の現像液を12時間静置したところ、現像液100Lを40Lの高濃度層と60Lの低濃度層に分離した。
(3)上記低濃度層をリンス液としてリンスブラシ51に供給して洗浄を行った後、版面に付着した分散物を10倍のルーペで拡大して個数を数えたところ、1版当たり20個以下であった。
【0084】
(実施例4)
(1)現像液温度を45℃に加温する、炭酸ナトリウム濃度を0.8wt%にする以外は、実施例1と同様に連続製版を実施した。
(2)印刷原版1の感光性樹脂組成物層および赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解してから更に3時間、供給装置31と供給装置32を稼動させた後、供給装置31、32を停止し、静置槽71の現像液を3時間静置したところ、現像液100Lを40Lの高濃度層と60Lの低濃度層に分離した。
(3)上記低濃度層をリンス液としてリンスブラシ51に供給して洗浄を行った後、版面に付着した分散物を10倍のルーペで拡大して個数を数えたところ、1版当たり20個以下であった。
【0085】
(比較例1)
(1)分散物フィルタと凝集物フィルタを取り付けない以外は実施例1と同様に連続製版を実施した。
(2)印刷原版1の感光性樹脂組成物層および赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解してから更に3時間、供給装置31と供給装置32を稼動させ、供給装置31、32を停止し、静置槽71の現像液を24時間静置したが、高濃度層と低濃度層に分離しなかった。
(3)上記低濃度層をリンス液としてリンスブラシ51に供給して洗浄を行った後、版面に付着した分散物を10倍のルーペで拡大して個数を数えたところ、1版当たり100個以上であった。
【0086】
(比較例2)
(1)蓋14を外し、分散物フィルタの内面側の空間および外面側の空間をともに大気圧となる状態とした以外は実施例1と同様にして露光済みの印刷原版を現像し、連続製版性能を評価した。
(2)印刷原版1の感光性樹脂組成物層および赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解してから更に3時間、供給装置31と供給装置32を稼動させ、供給装置31、32を停止し、静置槽71の現像液を24時間静置したが、高濃度層と低濃度層に分離しなかった。
(3)上記低濃度層をリンス液としてリンスブラシ51に供給して洗浄を行った後、版面に付着した分散物を10倍のルーペで拡大して個数を数えたところ、1版当たり100個以上であった。
【0087】
(比較例3)
(1)分散物フィルタと凝集物フィルタを取り付けない、現像液温度を45℃に加温する以外は実施例1と同様に連続製版を実施した。
(2)印刷原版1の感光性樹脂組成物層および赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解してから更に3時間、供給装置31と供給装置32を稼動させ、供給装置31、32を停止した。静置槽71内の現像液を24時間静置したが、現像液100量に対し、8割の高濃度層と、2割の低濃度層に分離するに留まった。
【0088】
(比較例4)
(1)分散物フィルタと凝集物フィルタを取り付けない、炭酸ナトリウム濃度を0.8wt%にする以外は実施例1と同様に連続製版を実施した。
(2)印刷原版1の感光性樹脂組成物層および赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解してから更に3時間、供給装置31と供給装置32を稼動させ、供給装置31、32を停止し、静置槽71の現像液を24時間静置したが、高濃度層と低濃度層に分離しなかった。
【0089】
(比較例5)
(1)分散物フィルタと凝集物フィルタを取り付けない、現像液温度を45℃に加温する、炭酸ナトリウム濃度を0.8wt%にする以外は実施例1と同様に連続製版を実施した。
(2)印刷原版1の感光性樹脂組成物層および赤外線アブレージョン層が全て現像液に溶解してから更に3時間、供給装置31と供給装置32を稼動させ、供給装置31、32を停止した。静置槽71内の現像液100Lを12時間静置したが、80Lの高濃度層と20Lの低濃度層に分離するに留まった。
【0090】
【表1】

【0091】
(その他の実施形態)
上記のように本発明を実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、図1に示す現像装置おいて、分散物フィルタ13を通過した現像液5を、再び分散物フィルタ13に通して、現像液5中の感光性樹脂組成物の量をさらに低減させてもよい。また、凝集物フィルタ15を通過した現像液5を、再び分散物フィルタ13及び凝集物フィルタ15に通した後に、静置槽71に送液してもよい。凝集物フィルタ15を通過し、静置槽71で静置させた低濃度層82は、凝集物62及び高濃度層81を含んでいないため、分散物フィルタ13の目詰まりを防止し、現像液5の純度をさらに向上させることが可能となる。この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の現像装置及びろ過装置は、化学産業、印刷業、及び半導体産業等に利用可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 印刷原版
5 現像液
11 ハウジング
12 バスケット
13 分散物フィルタ
15 凝集物フィルタ
16 固定リング
21 現像液タンク
31,32,33 供給装置
41 ステージ
42 ブラシ
43 現像槽
51,52 リンスブラシ
53 水洗ブラシ
71 静置槽
81 高濃度層
82 低濃度層
111a、111b,111c,111d,111e,111f リング
112a,112b,112c,112d,112e,112f,112g,112h,112i・・・ スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光性樹脂組成物層に現像液を供給する供給装置と、
前記感光性樹脂組成物層から遊離した感光性樹脂組成物が分散している現像液が通され、前記現像液中に分散している感光性樹脂組成物を凝集させる分散物フィルタと、
前記分散物フィルタを通過した現像液から、前記凝集された感光性樹脂組成物を除去する凝集物フィルタと、
前記凝集物フィルタを通過した現像液の静置槽と、
を備える、現像装置。
【請求項2】
前記分散物フィルタの供給側の空間を加圧する手段及び/又は分散物フィルタの排出側の空間を減圧する手段を、さらに備える、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記静置槽が高濃度層を抜き出すための排出口を備える、請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記静置槽から低濃度層をリンスブラシに供給する供給装置を備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記静置槽が現像液を加熱する温度調節機構を備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記分散物フィルタが、バッグフィルタである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記分散物フィルタが、金属からなるメッシュフィルタである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記凝集物フィルタを通過した現像液を再び感光性樹脂組成物層に供給する供給装置を、備える、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項9】
感光性樹脂組成物が分散している現像液を分散物フィルタに通し、前記現像液中に分散している感光性樹脂組成物を前記分散物フィルタで凝集させることと、
前記分散物フィルタを通過した現像液から、前記凝集された感光性樹脂組成物を除去することと、
前記凝集された感光性樹脂組成物が除去された現像液を静置槽内で静置して、高濃度層と低濃度層に分離することと、
を含む、現像液の処理方法。
【請求項10】
前記感光性樹脂組成物を、前記分散物フィルタの供給側の空間を加圧すること、及び/又は前記分散物フィルタの排出側の空間を減圧することにより凝集させる、請求項9に記載の現像液の処理方法。
【請求項11】
前記分散物フィルタの供給側の空間が前記分散物フィルタの内面側の空間であり、前記分散物フィルタの排出側の空間が前記分散物フィルタの外面側の空間である、請求項10に記載の現像液の処理方法。
【請求項12】
前記分散物フィルタの供給側の空間の圧力P1と、分散物フィルタ13の排出側の空間の圧力P2とが下記式(1)を満たす、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の現像液の処理方法。
0.02MPa≦P1−P2≦2MPa (1)
【請求項13】
前記静置槽内の現像液温度を洗浄機タンクの現像液温度よりも高くすること、を含む、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の現像液の処理方法。
【請求項14】
前記感光性樹脂組成物が、親水性ポリマーを含有する、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の現像液の処理方法。
【請求項15】
前記高濃度層を静置槽から抜き出すこと、をさらに含む、請求項9乃至14のいずれか1項に記載の現像液の処理方法。
【請求項16】
前記低濃度層をリンスブラシに供給すること、をさらに含む、請求項9乃至15のいずれか1項に記載の現像液の処理方法。
【請求項17】
前記凝集された感光性樹脂組成物が除去された現像液を、再び前記分散物フィルタに供給することを含む、請求項9乃至16のいずれか1項に記載の現像液の処理方法。
【請求項18】
前記現像液が、前記分散している感光性樹脂組成物を凝集させる凝集剤を含まない、請求項9乃至17のいずれか1項に記載の現像液の処理方法。
【請求項19】
露光された感光性樹脂組成物層に現像液を供給することと、
感光性樹脂組成物が分散している現像液を分散物フィルタに通し、前記現像液中に分散している感光性樹脂組成物を前記分散物フィルタで凝集させることと、
前記分散物フィルタを通過した現像液から、前記凝集された感光性樹脂組成物を除去することと、
前記凝集された感光性樹脂組成物が除去された現像液を静置槽内で静置して、高濃度層と低濃度層に分離することと、
を含む、印刷版の製造方法。
【請求項20】
前記感光性樹脂組成物を、前記分散物フィルタの供給側の空間を加圧すること、及び/又は前記分散物フィルタの排出側の空間を減圧することにより凝集させる、請求項19に記載の印刷版の製造方法。
【請求項21】
前記分散物フィルタの供給側の空間が前記分散物フィルタの内面側の空間であり、前記分散物フィルタの排出側の空間が前記分散物フィルタの外面側の空間である、請求項20に記載の印刷版の製造方法。
【請求項22】
前記分散物フィルタの供給側の空間の圧力P1と、前記分散物フィルタ13の排出側の空間の圧力P2とが下記式(1)を満たす、請求項19乃至21のいずれか1項に記載の印刷版の製造方法。
0.02MPa≦P1−P2≦2MPa (1)
【請求項23】
前記静置槽内の現像液温度を洗浄機タンクの現像液温度よりも高くすること、を含む、請求項19乃至22のいずれか1項に記載の印刷版の製造方法。
【請求項24】
前記感光性樹脂組成物が親水性ポリマーを含有する、請求項19乃至23のいずれか1項に記載の印刷版の製造方法。
【請求項25】
前記高濃度層を静置槽から抜き出すこと、をさらに含む、請求項19乃至24のいずれか1項に記載の印刷版の製造方法。
【請求項26】
前記低濃度層をリンスブラシに供給すること、をさらに含む、請求項19乃至25のいずれか1項に記載の印刷版の製造方法。
【請求項27】
樹脂組成物が分散している溶液が通され、前記溶液中に分散している樹脂組成物を凝集させる分散物フィルタと、
前記分散物フィルタを通過した溶液から、前記凝集された樹脂組成物を除去する凝集物フィルタと、
前記凝集物フィルタを通過した現像液の静置槽と、
を備える、ろ過装置。
【請求項28】
前記分散物フィルタの供給側の空間を加圧する手段及び/又は前記分散物フィルタの排出側の空間を減圧する手段を、さらに備える、請求項27に記載のろ過装置。
【請求項29】
前記静置槽から高濃度層を抜き出すための排出口を備える、請求項27又は28に記載のろ過装置。
【請求項30】
前記静置槽内の現像液温度を洗浄機タンクの現像液温度よりも高くする請求項27乃至29のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項31】
前記分散物フィルタが、バッグフィルタである、請求項27乃至30のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項32】
前記分散物フィルタが、金属からなるメッシュフィルタである、請求項27乃至30のいずれか1項に記載のろ過装置。

【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−232407(P2011−232407A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100379(P2010−100379)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】