説明

現像装置および画像形成装置

【課題】 本発明は、現像装置および画像形成装置に関し、回転してきた現像器を駆動位置に達するよりも早い段階で駆動力伝達用のギアに噛み合わせるとともに、騒音の発生を抑える。
【解決手段】 カム面に向けて付勢され、その付勢によりカム面に押し当てられたカム受ロールと、そのカム受ロールとともに付勢され、複数台の現像器のうちの、現像を受ける潜像が形成される像担持体に対向する位置に回転移動してきた現像器の第1ギアと噛み合ってその第1ギアに駆動力を伝達する第2ギアとを有する駆動力伝達部材を有し、上記カム面が、第1ギアが第2ギアから駆動力を受ける駆動位置に近づくにつれてカム受ロールを回転軸から一旦離れる方向に移動させた後回転軸に近づく方向に移動させることにより第1ギアが駆動位置に到達するよりも前に第1ギアの第2ギアへの噛合いを開始させる、カム受ロールの曲率よりも小さな曲率を有する曲面に形成されたカム面である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、回転軸の周りに複数台の現像器が支持されたロータリ式現像装置や、そのロータリ式現像装置を採用した画像形成装置が知られている。
【0003】
ここで、特許文献1には、現像器に駆動力を伝達するギアが、そのギアから駆動力を受ける駆動位置に回転してきた現像器のギアと噛み合う多色現像装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、カム面の工夫により、駆動位置に向かって回転してきた現像器のギアが駆動位置に達するよりも早い段階で、現像器に駆動力を伝達するギアと現像器のギアとの噛合いを開始させたロータリ式現像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−96668号公報
【特許文献2】特開2000−231238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、回転してきた現像器を駆動位置に達するよりも早い段階で駆動力伝達用のギアに噛み合わせるとともに、騒音の発生を抑えた現像装置、およびその現像装置を採用した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1は、駆動力を受ける第1ギアと該第1ギアに受けた駆動力で回転する現像ロールとを有する複数台の現像器、
基体に対し回転軸の回りに回転自在に支持され、上記複数台の現像器を回転軸の周りに支持して回転し、回転によりそれら複数台の現像器を回転軸の周りに公転させる回転支持部材、
上記回転軸を取り巻いて一周するカム面を有し、回転支持部材に固定されて回転支持部材とともに回転するカム部材、および
上記カム面に接離自在に基体に支持されてカム面に向けて付勢され、その付勢によりカム面に押し当てられたカム受ロールと、そのカム受ロールとともに付勢され、複数台の現像器のうちの、回転支持部材の回転により、現像を受ける潜像が形成される像担持体に対向する位置に移動してきた現像ロールを有する現像器の、第1ギアと噛み合って、その第1ギアに駆動力を伝達する第2ギアとを有する駆動力伝達部材を有し、
上記カム面が、カム部材の回転により第1ギアが第2ギアから駆動力を受ける駆動位置に近づくにつれてカム受ロールを上記回転軸から一旦離れる方向に移動させた後回転軸に近づく方向に移動させることにより第1ギアが駆動位置に到達するよりも前に第1ギアの第2ギアへの噛合いを開始させる、カム受ロールの曲率よりも小さな曲率を有する曲面に形成されたカム面であることを特徴とする現像装置である。
【0008】
請求項2は、請求項1の現像装置において、上記カム面がさらに、そのカム面の、カム部材の回転により第1ギアが駆動位置から遠ざかる際に回転軸から半径方向に遠ざかる方向にカム受ロールを移動させる、カム受ロールの曲率より小さな曲率を有する曲面に形成されたカム面であることを特徴とする現像装置である。
【0009】
請求項3は、請求項1又は2の現像装置において、上記カム部材が、回転軸の周りの互いに隣接した位置に支持された2台の現像器を構成する2つの第1ギアそれぞれが駆動位置にあるときにカム受ロールがカム面に接する2つの接触位置どうしの間にカム部材を回転支持部材に固定する固定部を有し、カム部材が、そのカム部材の回転に伴うカム受ロールの相対的な移動方向下流側に向かって、1つの接触位置からその接触位置に隣接する固定部までの長さよりもその固定部から次の接触位置までの長さが長い部材であることを特徴とする現像装置である。
【0010】
請求項4は、静電潜像の形成を受け、さらに現像を受けて現像像を保持する像保持体と、像保持体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、像保持体上の現像像を記録媒体に転写する転写器と、記録媒体に転写された現像像を該記録媒体に定着する定着器とを有し、上記現像装置が、
駆動力を受ける第1ギアと該第1ギアに受けた駆動力で回転する現像ロールとを有する複数台の現像器、
基体に対し回転軸の回りに回転自在に支持され、上記複数台の現像器を回転軸の周りに支持して回転し、回転によりそれら複数台の現像器を回転軸の周りに公転させる回転支持部材、
上記回転軸を取り巻いて一周するカム面を有し、回転支持部材に固定されて回転支持部材とともに回転するカム部材、および
上記カム面に接離自在に基体に支持されてカム面に向けて付勢され、その付勢によりカム面に押し当てられたカム受ロールと、そのカム受ロールとともに付勢され、複数台の現像器のうちの、回転支持部材の回転により、現像を受ける潜像が形成される像担持体に対向する位置に移動してきた現像ロールを有する現像器の、第1ギアと噛み合って、その第1ギアに駆動力を伝達する第2ギアとを有する駆動力伝達部材を有し、
上記カム面が、カム部材の回転により第1ギアが第2ギアから駆動力を受ける駆動位置に近づくにつれてカム受ロールを上記回転軸から一旦離れる方向に移動させた後回転軸に近づく方向に移動させることにより第1ギアが駆動位置に到達するよりも前に第1ギアの第2ギアへの噛合いを開始させる、カム受ロールの曲率よりも小さな曲率を有する曲面に形成されたカム面であることを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
請求項5は、請求項4の画像形成装置において、上記カム面がさらに、そのカム面の、カム部材の回転により第1ギアが駆動位置から遠ざかる際に回転軸から半径方向に遠ざかる方向にカム受ロールを移動させる、カム受ロールの曲率より小さな曲率を有する曲面に形成されたカム面であることを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
請求項6は、請求項4又は5の現像装置において、上記カム部材が、回転軸の周りの互いに隣接した位置に支持された2台の現像器を構成する2つの第1ギアそれぞれが駆動位置にあるときにカム受ロールがカム面に接する2つの接触位置どうしの間にカム部材を回転支持部材に固定する固定部を有し、カム部材が、そのカム部材の回転に伴うカム受ロールの相対的な移動方向下流側に向かって、1つの接触位置からその接触位置に隣接する固定部までの長さよりもその固定部から次の接触位置までの長さが長い部材であることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の現像装置および請求項4の画像形成装置によれば、駆動位置に達するよりも早い段階でギアの噛合いが開始されるとともに、本構成を有していない場合と比較して、音の発生が抑えられる。
【0014】
請求項2の現像装置および請求項4の画像形成装置によれば、本構成を有していない場合と比較して、第1ギアの、第2ギアに対する駆動位置からの位置ずれの許容度が高まる。
【0015】
請求項3の現像装置および請求項6の画像形成装置によれば、本構成を有しない場合と比較して、音の発生がさらに抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態としての画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1に略図で示した現像装置の断面図である。
【図3】現像装置の斜視図である。
【図4】現像装置をリア側斜めから見た斜視図である。
【図5】現像装置をリア側から回転軸方向に見た図である。
【図6】現像装置をリア側から回転軸方向に見たときの部分図である。
【図7】現像器への駆動力伝達機構を、リア側から回転軸方向に見て示した図である。
【図8】図7と同じ駆動力伝達機構をリア側から斜めに見て示した斜視図である。
【図9】カム受ロールとカム面の寸法関係を示した図である。
【図10】比較例としての円環部材とカム受ロールを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態としての画像形成装置の概略構成図である。この図1に示す画像形成装置1には、現像装置60が組み込まれている。この現像装置60は、本発明の現像装置の一実施形態に相当する。
【0019】
この画像形成装置1は、原稿読取部10、画像形成部20、および用紙収容部30を有する。
【0020】
原稿読取部10には、原稿Sが重ねられた状態に置かれる原稿給紙台11が備えられている。この原稿給紙台11上に置かれた原稿Sは1枚ずつ送り出されて搬送ロール12によって搬送経路13上を搬送され、透明ガラス製の原稿読取板14の下に置かれた原稿読取光学系15により、その搬送されてきた原稿に記録されている文字や画像が読み取られて原稿排紙台16上に排出される。
【0021】
また、この原稿読取部10は、その奥側に左右に延びるヒンジを有し、そのヒンジを回転中心として、原稿給紙台11および原稿排紙台16を一体的に持ち上げることができる。その持ち上げた下には、原稿読取板14が広がっている。この原稿読取部10では、原稿給紙台11に原稿を置くことに代えて原稿読取板14上に原稿を1枚だけ下向きに置き、原稿読取光学系15が矢印A方向に移動してその原稿読取板14上の原稿から文字や画像を読み取ることもできる。
【0022】
原稿読取光学系15で得られた画像信号は、処理・制御回路21に入力される。処理・制御回路21は、以下のようにして、入力されてきた画像信号に基づく画像を形成する。また、この処理・制御回路21は、この画像形成装置1の各部の動作制御を担っている。
【0023】
また、この画像形成装置1の下部に設けられた用紙収容部30には、3台の給紙台31_1,31_2,31_3が収容されている。これらの給紙台31_1,31_2,31_3には、各給紙台31_1,31_2,31_3ごとに例えば寸法の異なる用紙Pが積み重なった状態に収容されている。各給紙台31_1,31_2,31_3は、用紙Pの補給のために、引出し自在に構成されている。
【0024】
それら3台の給紙台31_1,31_2,31_3のうちの、例えば原稿の寸法に適合した寸法の用紙Pが収容されている給紙台(ここでは一例として給紙台31_3とする)から用紙Pがピックアップロール32により送り出され、さばきロール33により1枚ずつに分離され、その1枚の用紙Pが搬送ロール34により矢印Bの向きに上方に搬送され、待機ロール35によりそれ以降の搬送のタイミングが調整されてさらに搬送される。この待機ロール35以降の搬送については後述する。
【0025】
また、画像形成部20には、手差し給紙台22が備えられている。この手差し給紙台22はその下端部を中心に開く折り畳み式のものであり、この手差し給紙台22を開き、その上に用紙を置き、その手差し給紙台22に置かれた用紙を矢印Cに従って送り込むことも可能である。
【0026】
この画像形成部20の中央部には、矢印Dで示す向きに回転する感光体51を有し、その感光体51の周囲に、帯電器52、現像装置60、除電器54、およびクリーナ55が配置されている。また、感光体51の上方には、露光器53が配置されている。また、後述する中間転写ベルト71を感光体51との間に挟んだ位置には転写器56が置かれている。
【0027】
感光体51は円筒形状を有し、帯電により電荷を保存し露光によりその電荷を放出してその表面に静電潜像が形成される。
【0028】
帯電器52は、感光体51の表面をある帯電電位に帯電する。
【0029】
また、露光器53には、処理・制御回路21から画像信号が入力され、その入力された画像信号に応じて変調された光ビーム531を出力する。この光ビーム531は、矢印D方向に回転する感光体の表面51の帯電器52による帯電を受けた部分を、その感光体51の回転軸方向(図1の紙面に垂直な方向)に繰り返し走査し、感光体51の表面に静電潜像を形成する。
【0030】
さらに感光体51は、光ビーム531の走査を受けて表面に静電潜像が形成された後、現像装置60により現像され、その感光体51の表面にトナー像が形成される。ここで、現像装置60は、6台の現像器61_1,61_2,61_3,61_4,61_5,61_6を備え、矢印Eの向きに回転して、それら6台の現像器61_1〜61_6のうちのいずれか1台の現像器(図1に示す状態では現像器61_1)が感光体51に対面した位置に移動される。感光体51上に形成された静電潜像は、その感光体51に対面した現像器(ここでは現像器61_1とする)により現像されてトナー像が形成される。
【0031】
現像装置60に備えられている6台の現像器61_1〜61_6には、各現像器ごとにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)や、さらにそのユーザの用途に応じた2色の特色のトナーが収容されている。感光体51上の静電潜像の現像にあたっては、今回使用される色のトナーを収容した現像器が感光体51に対面する位置に回転され、その感光体51に対面した現像器により、その現像器に収容された色トナーによる現像が行なわれる。ユーザの用途に応じた特色としては、例えば画像の艶出しに用いる透明トナーや、そのユーザにおいて多用される色に調整されたトナー等が用いられる。
【0032】
現像装置60の上部には、6台の現像器61_1〜61_6のそれぞれで用いられている色トナーと同一の色トナーが収容された6台のトナータンク62_1〜62_6が置かれている。各現像器61_1〜61_6内のトナーが減ると対応する色のトナーが収容されているトナータンク62_1〜62_6からその現像器61_1〜61_6内にトナーが供給される。
【0033】
現像器による現像により、感光体51上に形成されたトナー像は、転写器56の作用により中間転写ベルト71上に転写される。
【0034】
この感光体51は、この転写後に除電器54による除電を受け、さらにクリーナ55により、転写後の感光体51に残存しているトナーが除去される。
【0035】
中間転写ベルト71は、複数のロール72に架け回された、無端の、矢印F方向に循環移動するベルトである。この中間転写ベルト71の近傍には、用紙Pの搬送経路を挟んだ位置に転写器73が配置され、さらにその転写器73よりも中間転写ベルト71の循環移動方向下流側には、転写器73による転写後に中間転写ベルト71上に残存するトナーを除去するクリーナ74が配置されている。これらの転写器73およびクリーナ74は、中間転写ベルト71に接触自在に離間する構成となっている。複数色による画像を形成するときは、転写器73およびクリーナ74を中間転写ベルト71から離間させておき、ある1色のトナーによるトナー像を感光体51上に形成して中間転写ベルト71に転写する過程を、現像装置60を回転させながら複数の現像器(複数色のトナー)について繰り返し、中間転写ベルト71上に複数色のトナーによる複数のトナー像を順次重なるように転写する。
【0036】
その後、転写器73を中間転写ベルト71に接触させ、重ねられた複数色のトナー像がその転写器73が置かれた転写位置に達するときに用紙Pもその転写位置に達するように用紙Pが待機ロール35から送り出され、その転写位置において、転写器73の作用により、中間転写ベルト71上の複数色のトナー像が用紙P上に転写される。トナー像の転写を受けた用紙は、さらに矢印Gで示す向きに搬送され、定着器75による加熱および加圧を受けてその用紙上に定着トナー像からなる画像が形成される。この定着器75を通過した用紙は、さらに矢印Hで示す向きに搬送されて用紙排出台23上に排出される。
【0037】
また、クリーナ74も中間転写ベルト71に接触するように移動し、転写器73による転写後に中間転写ベルト71上に残存するトナーが、クリーナ74により、その中間転写ベルト71上から除去される。
【0038】
また、この画像形成装置1は、用紙Pの両面に画像を形成することが可能な装置となっている。用紙Pの両面に画像を形成する場合、上記のようにして用紙Pの第1面にのみ画像が形成された用紙Pは、用紙排出台23上に排出されることに代わり、案内部材36の切り替えにより、搬送ロール37により矢印Iで示す向きに搬送される。その後搬送方向が反転し、もう1つの案内部材38により、今度は矢印Kで示す向きに搬送ロール39により搬送されて待機ロール35に至る。
【0039】
その後は、再度上記と同様にして、今度はその用紙Pの第2面に画像が形成される。このようにして両面に画像が形成された用紙Pは、今度は用紙排出台23上に排出される。
【0040】
図2は、図1に略図で示した現像装置の断面図、図3は、その現像装置の斜視図である。ただし、図3には、6台の現像器のうちの1台(現像器61_1)のみ支持され、他の現像器61_2〜61_6は取り外された状態が示されている。
【0041】
この現像装置60は、回転支持部材62を有する。この回転支持部材62は、回転軸方向(図1,図2の紙面に垂直な方向、図3に示す矢印M−N方向)に延び図1に示す画像形成装置10の装置本体に回転自在に支持された回転軸部材621と、その回転軸部材621の回転軸方向両端部にそれぞれ設けられ回転軸部材621の半径方向外側に鍔状に張り出し6台の現像器61_1〜61_6を支持する支持部材622とを有する。ここで、図3に示す矢印M側がこの画像形成装置10(図1参照)のフロント側、矢印N側がリア側である。2つの支持部材622に挟まれた空間には、6台の現像器61_1〜61_6が回転軸部材621が一周に渡って取り巻くように60°ずつ角度を変えた位置に配置され、それら2つの支持部材622に支持されている。
【0042】
ここで、各現像器61_1〜61_6は、位置や姿勢が60°ずつ異なっていることを除き同一の構成を有する。現像器61_1で代表させて説明すると、現像器61_1は、ケース611_1,現像ロール612_1,2本のオーガ613_1を有する。ケース611_1は現像ロール612_1を露出させる開口612a_1を有し、そのケース611_1内には、各現像器ごとに色の異なるトナーを含む現像剤が収容されている。現像ロール612_1は、ギア612a_1に回転駆動力を受けて回転し、その回転によりその現像剤を表面に付着させて感光体51に対面した位置に運び感光体51上の静電潜像をトナーで現像する。2本のオーガ613_1は、現像ロール612_1に固定されたもう1つのギア612b_1から回転駆動力を受けて回転し、ケース611_1内の現像剤を攪拌しながら回転軸方向に循環搬送させる。
【0043】
この現像装置60は、そのリア側に外周面にギア列631が形成され(ギア列は図示省略)、内周面にカム面632が形成された円環部材63を備えており、画像形成装置本体に備えられたモータ(図示せず)の駆動力を伝える画像形成装置本体側のギア201から円環部材63の外周面のギア列631に駆動力が伝達され、この駆動力により回転支持部材62が60°ずつ矢印R方向に回転し、支持部材622に支持されている6台の現像器61_1〜61_6を回転軸部材621の回りに公転させる。この60°ずつの公転により、今回の現像に用いる現像器が感光体51と対面した位置(図2に示す現像器61_1の位置)に移動する。
【0044】
図4は、現像装置をリア側斜めから見た斜視図である。
【0045】
この図4上では、6台の現像器61_1〜61_6(図1,図2参照)のうちの、現像器61_1を含むいくつかの現像器があらわれている。現像器61_1は、画像形成装置本体側から駆動される位置に移動した状態にある。
【0046】
また、この図4には、現像装置60のリア側(矢印Nで示す後端)に備えられた円環部材63が示されている。さらにこの図4には、画像形成装置本体のフレーム(図示せず)に固定された板部材81も示されている。
【0047】
さらに、この図4には、現像ロール612_1に同軸に設けられたギア612b_1と噛み合うオーガ613_1(図2参照)側のギア613a_1も示されている。ギア612a_1に駆動力が伝えられて現像ロール612_1が回転するとギア612b_1も回転し、その回転駆動力がギア613a_1にも伝達されてオーガ613_1も回転する。
【0048】
図5は、現像装置をリア側から回転軸方向に見た図である。
【0049】
板部材81には、2つの位置決め穴811と2つのネジ止め穴812とを有し、画像形成装置本体のフレームに位置決めされるとともに2本のネジでネジ止め固定されている。
【0050】
また、この板部材81には、円形の穴813が形成されている。この穴813には画像形成装置本体側のモータ(図示せず)からの駆動力を現像装置60に伝達するためのギア(図示せず)が挿入される。この板部材81の裏側には、穴813から差し込まれたギア(図示せず)から駆動力を受けて現像器(図5に示す回転状態では現像器61_1)に伝達する駆動力伝達機構90が備えられている。この駆動力伝達機構90を構成するギア91は、その回転軸911が板部材81に回転自在に支持されている。
【0051】
円環部材63の内周面はカム面632となっており、そのカム面632には、コイルバネ92により付勢されたカム受ロール93が押し当てられている。このコイルバネ92の一端921は、板部材81の穴814に引っ掛けられている。これらコイルバネ92およびカム受ロール93も駆動力伝達部材90を構成する部品である。駆動力伝達部材90の詳細については後述する。
【0052】
図5に示す状態では、カム受ロール93は、カム面632の、接触位置632aに接触している。カム受ロール93がこの接触位置632aに接した状態では、現像器61_1を構成するギア612a_1が駆動力伝達機構90を介して駆動力の伝達を受ける駆動位置にある。すなわち、この駆動位置では、現像器61_1のギア612a_1が、駆動力伝達機構90を構成するもう1つのギア94と噛み合い、ギア612a_1が駆動力の伝達を受ける。
【0053】
この現像装置60は、前述の通り、矢印R方向に60°ずつ回転する。ここで、この図5に示す矢印Rは、図2,図3に示す矢印Rと比べ図の上では逆方向に見えるが、図5はリア側から見て示しているためであり、現像装置60の回転方向としては同じ方向を示している。
【0054】
この現像装置60が矢印R方向に60°回転すると、次の現像器61_2のギア(現像器61_1のギア612a_1に相当するギア)が駆動位置に到達し、カム受ロール93は、その現像器61_2に対応した位置にある接触位置632bに接する。この状態では、現像器61_2が駆動される。以下同様に、この現像装置60が60°ずつ回転すると、各現像器61_3〜61_6のギアがそれぞれ駆動位置に到達し、カム受ロール93は接触位置632c〜632fに接触した状態となり、各状態において現像器61_3〜61_6がそれぞれ駆動される。
【0055】
これらの接触位置632a〜632fのうちの隣接する2つの接触位置(例えば接触位置632aと接触位置632b)の間には、この円環部材63を現像装置本体にネジ止め固定するためのネジ止め部633a〜633fが設けられている。
【0056】
ここで、この円環部材63は、この現像装置60の矢印R方向への回転に伴うカム受ロール93の相対的な移動方向下流側に向かって、すなわち、図5に示す状態を基準にすると、接触位置632aから次の接触位置632bに向かって、1つの接触位置(例えば接触位置632a)からその接触位置に隣接するネジ止め部(例えばネジ止め部633a)の中心(ネジの中心)までの長さよりも、そのネジ止め部(例えばネジ止め部633a)の中心(ネジの中心)から次の接触位置(例えば接触位置633b)までの長さの方が長い部材である。これは、この円環部材63の内周面に形成されたカム面632の、ネジ止め部(例えばネジ止め部633a)とそのネジ止め部の下流側(カム受ロール93の相対的な移動方向下流側)に隣接する接触位置(例えば接触位置632b)との間の曲面を緩やかにするためである。曲面を緩やかにすることの作用については後述する。
【0057】
図6は、現像装置をリア側から回転軸方向に見たときの部分図である。この図6では、図5に示す板部材81のない状態の駆動力伝達機構90を示している。
【0058】
また、図7は、現像器への駆動力伝達機構を、リア側から回転軸方向に見て示した図である。さらに、図8は、図7と同じ駆動力伝達機構をリア側から斜めに見て示した斜視図である。但し、図7,図8では、コイルバネ92は図示省略されている。
【0059】
これら図6〜図8を参照しながら駆動力伝達機構90について説明する。
【0060】
この駆動力伝達機構90は、前述した、板部材81の穴813(図5参照)から差し込まれた、画像形成装置本体側のギア(図示せず)から駆動力を受けるギア91およびカム受ロール93のほか、ギア91から駆動力の伝達を受けるもう1つのギア94を有する。このギア94は、ギア91から駆動力の伝達を受けて、現像器(ここでは現像器61_1)の現像ロール612_1に固定されたギア612a_1を駆動し、これにより現像ロール612_1が回転する。前述の通り、この現像ロール612_1が回転すると、その現像ロール612_1に同軸に固定されたもう1つのギア612b_1(図4参照)が回転して、そのギア612b_1から、オーガ613_1(図2参照)を回転させるギア613a_1(図4参照)に駆動力が伝達され、オーガ613_1も回転する。
【0061】
この駆動力伝達機構90は、図8に示すように、ケース95を有する。このケース95はギア91の回転軸911に回転自在に支持されており、その回転軸911は、前述の通り、図5に示す、画像形成装置本体のフレームに固定された板部材81に回転自在に支持されている。また、カム受ロール93とギア94は、互いに同軸であって、かつ互いに自在に回転可能にケース95に支持されている。さらにこの駆動力伝達機構90は、図5,図6に示すコイルバネ92を備え、そのコイルバネ92の一端921は、図5に示すように板部材81に引っ掛けられ、他端922は図6に示すようにケース95に引っ掛けられ、カム受ロール93およびギア94を含むケース95の全体を円環部材63側に付勢している。この付勢により、カム受ロール93は、円環部材63の内周面のカム面632に押し当てられている。このようにして、この駆動力伝達機構90は、現像装置60の回転に伴って円環部材63が回転すると、回転軸911を中心としそのカム面632の形状に沿って揺動する。
【0062】
円環部材63の回転によりカム受ロール93がカム面632に沿って相対的に移動してきて接触位置632aに達すると、そこには現像器61_1が備えられており、ギア94が現像器61_1のギア612a_1に噛み合い、画像装置本体側から駆動力がギア91に伝達されるとその駆動力がギア91からギア94を経由して現像器61_1に伝達される。前述の通り、現像装置60が60°ずつ回転すると、カム受ロール93が相対的に各接触位置632b〜632fに達し、ギア94が、各現像器61_2〜61_6の、駆動位置に回転してきたギア(現像器61_1のギア612a_1に相当するギア)に噛み合い、各現像器61_2〜61_6に駆動力が伝達される。この駆動力が伝達される現像器61_1〜61_6は、これも前述の通り、感光体51(図1,図2参照)に対向する位置に回転してきた現像器である。
【0063】
次に円環部材63の内周面のカム面632の形状について説明する。
【0064】
前述し、さらに図7に示すように、カム受ロール93の、円環部材63に対する相対的な移動方向について、ネジ止め部(例えばネジ止め部633f)の中心(ネジの中心)から次の接触位置(例えば接触位置632a)までの区間(この区間を「区間L1」と称する)の長さをL1、その接触位置(例えば接触位置632a)からの次のネジ止め部(例えばネジ止め部633a)までの区間(この区間を「区間L2」と称する)の長さをL2としたとき、L1>L2である。L1>L2とすることにより、カム面632の区間L1の部分の曲率を小さく抑えている。
【0065】
また、このカム面632は、60°ずつ回転させたとき同一の形状となるように同じ形状の曲面が一周に渡り6回繰り返されている。
【0066】
またこのカム面632は、各接触位置632a〜632fと各ネジ止め部633a〜633fで盛り上がり、それらの間が凹んだ形状を有する。ネジ止め部633a〜633fが盛り上がっているのは、現像装置本体へのネジ止めのための幅を必要とするためである。また、接触位置632a〜632fが盛り上がっているのは、カム受ロール93が相対的に移動してきて接触位置に近づいてきたときに、そのカム受ロール93が接触位置(現像器のギア(例えば現像器61_1のギア612_1)がギア94から駆動力の伝達を受ける駆動位置)に到達するよりも前に、ギア94と現像器のギア(例えば現像器61_1のギア612_1)との噛み合わせを開始させ、その現像器の駆動開始を早め、画像形成の生産性を上げるためである。仮に、接触位置前後の凹みが存在せずにカム面632が単純な円弧状の面であったとすると、カム受ロール93が接触位置に到達したときにギア94と現像器のギアとが噛み合うことになり、現像器の駆動は噛合いが完了した後に開始されるため、噛合いが遅れる分、駆動開始も遅れ、画像形成の生産性が低下するおそれがある。
【0067】
図9は、カム受ロールとカム面の寸法関係を示した図である。
【0068】
現像装置本体にネジ止め固定されている円環部材63は、現像装置本体とともに回転中心Oの周りに矢印R方向に回転し、カム受ロール93は、その円環部材63に対し回転しながら相対的に矢印S方向に進む。
【0069】
ここで、回転中心Oから、ネジ止め部633fと接触位置632aとの区間(区間L1)のカム面632の最も凹んだ点までの長さをR1、回転中心Oから接触位置632aまでの長さをR2、接触位置632aと次のネジ止め部633a(例えば図7参照)との区間(区間L2)のカム面632aの最も凹んだ点までの長さをR3とする。またカム受ロール93の回転半径をr1、カム面632の区間L1の最小半径をr2、区間L2の最小半径をr3とする。
【0070】
この時、このカム面632は、R2<R1である。すなわちこの区間L1では、円環部材63の回転により現像器のギア(例えば現像器61_1のギア612_1)が駆動力伝達機構90のギア94から駆動力を受ける駆動位置に近づくにつれて(すなわち、カム受ロール93が接触位置(例えば接触位置632a)に近づくにつれて)カム受ロール93が回転中心Oから一旦離れる方向に移動し、その後その回転中心Oに近づく方向に移動する。このようにR2<R1とするのは、前述の通りここに凹みを形成してギアどうしの噛み合いを早めるためである。また、r1<r2である。r1<r2とすること、すなわちカム面632の区間L1の曲率をカム受ロール93の曲率よりも小さな曲率とするのは、カム受ロール93にカム面632をなぞらせながらカム受ロール93を円滑に相対移動させることにより音の発生を抑えるためである。
【0071】
区間L1の長さを区間L2(図7参照)よりも長い寸法としたことにより区間L1におけるカム面632の曲率が十分に小さく抑えられている。
【0072】
図10は、比較例としての円環部材とカム受ロールを示した図である。
【0073】
この円環部材63cは、現像器を4台搭載したロータリ式現像装置に備えられた円環部材である。この円環部材63cの内周面にはカム面632cとして利用され、このカム面632にはカム受ロール93cが押し当てられている。
【0074】
この円環部材63cのカム面632cの接触位置634cおよびネジ止め部633cは円弧状に盛り上がっており、その円弧状の盛り上がりの開始点632xおよび終了点632yには曲面と曲面が不連続的に接した角が形成されている。ネジ止め部633cが盛り上がっているのはネジ止めのためのスペースを確保するためであり、接触位置634cが盛り上がっているのは、ギアどうしの噛合せを早めるためである。
【0075】
ここで、この円環部材63cが矢印R方向に回転することによりカム受ロール93cが相対的に矢印S方向に進むと、カム受ロール93cは、盛り上がりの開始点632xに接することなく盛り上がった部分に直接にぶつかることになり、その際に不快な音が発せられる。またカム受ロール93cが盛り上がり部分から外れるときも、盛り上がりの終了点632yに接することなく、その盛り上がり部分からいきなり外れることになり、この際にも不快な音が発せられる。
【0076】
図9に戻って説明を続ける。
【0077】
この図9に示す、カム面632の場合、r1<r2が確保されているためカム受ロール93は、カム面632に接しながら滑らかに進行し音の発生が抑えられる。
【0078】
また、この図9に示す例では、R2<R3(<R1)である。すなわち、カム面632は、円環部材63の回転により現像器のギア(例えば現像器61_1のギア612_1)が、駆動力伝達機構90のギア94から駆動力を受けていた駆動位置から遠ざかる際に回転中心Oから半径方向に遠ざかる方向にカム受ロール93を移動させるカム面である。さらにr1<r3である。すなわちこの区間L2も、区間L1と同じく、カム受ロールの曲率よりも小さな曲率を有する曲面に形成されている。このように、R2<R3(<R1)、かつr1<r3とするのは、R2=R3=r3の場合と比べ、カム受ロール93が接触位置632aから多少行き過ぎてもギア94と現像器のギアとの噛合せの変化が小さく、カム受ロール93の停止位置(円環部材63の停止位置)の位置ずれの許容度が高められるからである。
【0079】
尚ここでは、6台の現像器を備えたロータリ式の現像装置およびその現像装置を備えた画像形成装置について説明したが、本発明は現像器を6台備えたものに限定されるものではなく、複数台の現像器を備えたものであれば適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 画像形成装置
10 原稿読取部
20 画像形成部
23 用紙排出台
30 用紙収容部
31_1,31_2,31_3 給紙台
51 感光体
52 帯電器
53 露光器
54 除電器
55,74 クリーナ
56,73 転写器
60 現像装置
61_1,61_2,61_3,61_4,61_5,61_6 現像器
62 回転支持部材
63,63c 円環部材
71 中間転写ベルト
72 ロール
75 定着器
81 板部材
90 駆動力伝達機構
91,94,201,612a_1,612b_1,613a_1 ギア
92 コイルバネ
93,93c カム受ロール
95,611_1 ケース
612_1 現像ロール
612a_1 開口
613_1 オーガ
621 回転軸部材
622 支持部材
631 ギア列
632,632c カム面
632a,632b,632c,632d,632e,632f 接触位置
632x 開始点
632y 終了点
633a,633b,633c,633d,633e,633f ネジ止め部
811 位置決め穴
812 ネジ止め穴
813,814 穴
911 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力を受ける第1ギアと該第1ギアに受けた駆動力で回転する現像ロールとを有する複数台の現像器、
基体に対し回転軸の回りに回転自在に支持され、前記複数台の現像器を該回転軸の周りに支持して回転し、該回転により該複数台の現像器を該回転軸の周りに公転させる回転支持部材、
前記回転軸を取り巻いて一周するカム面を有し、前記回転支持部材に固定されて該回転支持部材とともに回転するカム部材、および
前記カム面に接離自在に前記基体に支持されて該カム面に向けて付勢され、該付勢により該カム面に押し当てられたカム受ロールと、該カム受ロールとともに付勢され、前記複数台の現像器のうちの、前記回転支持部材の回転により、現像を受ける潜像が形成される像担持体に対向する位置に移動してきた現像ロールを有する現像器の、前記第1ギアと噛み合って、該第1ギアに駆動力を伝達する第2ギアとを有する駆動力伝達部材を有し、
前記カム面が、前記カム部材の回転により前記第1ギアが前記第2ギアから駆動力を受ける駆動位置に近づくにつれて前記カム受ロールを前記回転軸から一旦離れる方向に移動させた後該回転軸に近づく方向に移動させることにより該第1ギアが該駆動位置に到達するよりも前に該第1ギアの該第2ギアへの噛合いを開始させる、前記カム受ロールの曲率よりも小さな曲率を有する曲面に形成されたカム面であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記カム面がさらに、該カム面の、前記カム部材の回転により前記第1ギアが前記駆動位置から遠ざかる際に前記回転軸から半径方向に遠ざかる方向に前記カム受ロールを移動させる、前記カム受ロールの曲率より小さな曲率を有する曲面に形成されたカム面であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記カム部材が、前記回転軸の周りの互いに隣接した位置に支持された2台の現像器を構成する2つの第1ギアそれぞれが前記駆動位置にあるときに前記カム受ロールが前記カム面に接する2つの接触位置どうしの間に該カム部材を前記回転支持部材に固定する固定部を有し、該カム部材が、該カム部材の回転に伴う該カム受ロールの相対的な移動方向下流側に向かって、1つの接触位置から該接触位置に隣接する固定部までの長さよりも該固定部から次の接触位置までの長さが長い部材であることを特徴とする請求項1又は2記載の現像装置。
【請求項4】
静電潜像の形成を受け、さらに現像を受けて現像像を保持する像保持体と、
前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、
前記像保持体上の現像像を記録媒体に転写する転写器と、
前記記録媒体に転写された現像像を該記録媒体に定着する定着器とを有し、
前記現像装置が、
駆動力を受ける第1ギアと該第1ギアに受けた駆動力で回転する現像ロールとを有する複数台の現像器、
基体に対し回転軸の回りに回転自在に支持され、前記複数台の現像器を該回転軸の周りに支持して回転し、該回転により該複数台の現像器を該回転軸の周りに公転させる回転支持部材、
前記回転軸を取り巻いて一周するカム面を有し、前記回転支持部材に固定されて該回転支持部材とともに回転するカム部材、および
前記カム面に接離自在に前記基体に支持されて該カム面に向けて付勢され、該付勢により該カム面に押し当てられたカム受ロールと、該カム受ロールとともに付勢され、前記複数台の現像器のうちの、前記回転支持部材の回転により、現像を受ける潜像が形成される像担持体に対向する位置に移動してきた現像ロールを有する現像器の、前記第1ギアと噛み合って、該第1ギアに駆動力を伝達する第2ギアとを有する駆動力伝達部材を有し、
前記カム面が、前記カム部材の回転により前記第1ギアが前記第2ギアから駆動力を受ける駆動位置に近づくにつれて前記カム受ロールを前記回転軸から一旦離れる方向に移動させた後該回転軸に近づく方向に移動させることにより該第1ギアが該駆動位置に到達するよりも前に該第1ギアの該第2ギアへの噛合いを開始させる、前記カム受ロールの曲率よりも小さな曲率を有する曲面に形成されたカム面であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記カム面がさらに、該カム面の、前記カム部材の回転により前記第1ギアが前記駆動位置から遠ざかる際に前記回転軸から半径方向に遠ざかる方向に前記カム受ロールを移動させる、前記カム受ロールの曲率より小さな曲率を有する曲面に形成されたカム面であることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カム部材が、前記回転軸の周りの互いに隣接した位置に支持された2台の現像器を構成する2つの第1ギアそれぞれが前記駆動位置にあるときに前記カム受ロールが前記カム面に接する2つの接触位置どうしの間に該カム部材を前記回転支持部材に固定する固定部を有し、該カム部材が、該カム部材の回転に伴う該カム受ロールの相対的な移動方向下流側に向かって、1つの接触位置から該接触位置に隣接する固定部までの長さよりも該固定部から次の接触位置までの長さが長い部材であることを特徴とする請求項4又は5記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−103426(P2012−103426A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251020(P2010−251020)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】