説明

現像装置及びこれを用いる画像形成装置

【課題】現像装置において、スクレーパ先端で起こるトナーの凝集を防ぎ、長期に渡って画像ムラが発生しない現像装置及びこれを用いる画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像ローラ114と、現像ローラ114上の現像剤を掻き取るスクレーパ118とを備えた現像装置2において、スクレーパ118として、現像ローラ114に沿って設けられるブレード部材121と、ブレード部材121に設けられる複数の圧電素子122とを備え、圧電素子122をブレード部材121の現像ローラ回転方向下流側に向かう面121a2に現像ローラ軸線方向に沿って延設し、現像ローラ軸線方向に沿って複数列並設して、圧電素子122に交流電圧が印加された時に、ブレード部材121の表面に進行波を生じさせ、ブレード部材121の表面に進行波の方向とは逆方向に回転する楕円回転運動を生成することを特徴とするものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを用いる画像形成装置に係り、特に、電子写真方式によりトナーを用いて画像形成を行う画像形成装置に採用されたトナーと磁性キャリアとを含む現像剤を取扱う現像装置及びこれを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機、プリンタ及びファクシミリ等の静電電子写真方式を利用した画像形成装置は、一般に帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電、及び定着の各工程からなる。
【0003】
画像を形成する工程は、例えば、帯電装置によって回転駆動される感光体ドラムの表面を均一に帯電され、露光装置によって帯電した感光体表面にレーザ光を照射され静電潜像が形成される。続いて、現像装置によって感光体ドラム上の静電潜像が現像され感光体ドラム表面上にトナー像が形成される。
【0004】
転写、定着工程では、転写装置によって感光体ドラム上のトナー像が転写材上に転写され、その後、定着装置によって転写材とともにトナー像が加熱されることによって、トナー像は転写材上に固定される。
【0005】
また、感光体ドラム表面上に残った転写残留トナーは、クリーニング装置により除去されて所定の回収部に回収される。クリーニングされた後の感光体ドラム表面は、除電装置により残留電荷が除去されて次の画像形成に備える。
【0006】
このように構成された画像形成装置において、感光体ドラム上の静電潜像を現像する現像剤としては、トナーのみからなる1成分現像剤やトナーとキャリアとからなる2成分現像剤が一般に用いられる。
【0007】
1成分現像剤は、キャリアを用いないため、トナーとキャリアを均一に混合するための攪拌機構などを必要とせず、現像装置がシンプルになるといった利点を有する。しかしながら、1成分現像剤には、トナーの帯電量が安定しにくい等の欠点があるため、高速画像形成装置やカラー画像形成装置には2成分現像剤が一般に使用される。
【0008】
2成分現像剤においては、2成分現像剤中のトナー含有率(以下、「トナー濃度」と称する。)が変化すると、画像濃度が変わるため、トナー濃度の均一な2成分現像剤で感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する必要がある。そこで、トナー濃度を均一にするために、2成分現像剤のキャリアとトナーを十分に攪拌した後、現像ローラによりトナーを感光体ドラム表面に供給するようにしている。
【0009】
ところが、現像を行うために供給されトナーが消費された2成分現像剤が、現像ローラ表面から離れることなく、再度、感光体ドラム表面に搬送されると、画像濃度が不均一になる現像メモリが発生するという問題があった。
【0010】
現像メモリとは、現像領域で現像ローラ上に生じる反転画像(感光体ドラム上に形成される画像の濃淡が反転した画像)が、現像ローラ上に残されたまま、現像ローラの回転により再び現像領域に搬送されたとき、反転画像が感光体ドラム上に現像されてしまう現象をいう。
【0011】
そこで、この問題を解決するために、従来技術として、例えば、感光体ドラム表面に供給された2成分現像剤が、現像ローラから離れることなく再び感光体ドラム表面に搬送されることがないように、2成分現像剤を現像ローラ表面から掻き取るスクレーパを設けた現像装置が開示されている(特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2000−321870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、現像装置にスクレーパを設けると、スクレーパの先端部で2成分現像剤の凝集が発生し、現像ローラ表面におけるトナー成分のフィルミングに起因する画像ムラが発生する問題があった。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、現像装置において、スクレーパ先端で起こるトナーの凝集を防ぎ、長期に渡って画像ムラが発生しない現像装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するための本発明に係る現像装置及びこれを用いる画像形成装置は、次の通りである。
【0015】
本発明は、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持して、静電潜像が形成される感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記現像ローラの前記感光体ドラムと対向する位置より現像ローラ回転方向下流側に配置されて前記現像ローラに担持された現像剤を掻き取るスクレーパと、を備えた現像装置において、前記スクレーパの構成として、現像ローラの軸線方向に沿って設けられる板状のブレード部材と、前記ブレード部材に設けられる複数の圧電素子とを備え、前記複数の圧電素子を、前記ブレード部材の現像ローラ回転方向下流側に向かう面に、現像ローラ軸線方向に沿って延設するとともに、現像ローラ軸線方向に沿って複数列並設し、前記圧電素子に交流電圧が印加された時に、前記ブレード部材の表面に進行波を生じさせるとともに、前記ブレード部材の表面に進行波の方向とは逆方向に回転する楕円回転運動を生成するように設けることを特徴とするものである。
【0016】
本発明において、ブレード部材は、例えば、弾性変形が可能な金属製のステータとして構成するものを含むものとする。
【0017】
また、本発明は、前記楕円回転運動を、現像ローラの回転方向と同じ回転方向とすることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、前記ブレード部材の表面に突起部を備えることが好ましい。
【0019】
また、本発明は、前記突起部を、前記現像ローラの軸線方向に沿って形成される曲面突起とすることが好ましい。
【0020】
また、本発明は、前記ブレード部材の表面に溝部を備えることが好ましい。
【0021】
また、本発明は、前記溝部を、前記現像ローラの軸線方向に沿って形成されるU字溝とすることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、前記楕円回転運動の振動数を20KHz以上1MHz以下とすることが好ましい。
【0023】
また、本発明は、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラム表面を帯電させる帯電装置と、感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置と、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、感光体ドラム表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1乃至7のうちの何れか一項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持して、静電潜像が形成される感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記現像ローラの前記感光体ドラムと対向する位置より現像ローラ回転方向下流側に配置されて前記現像ローラに担持された現像剤を掻き取るスクレーパと、を備えた現像装置において、前記スクレーパの構成として、現像ローラの軸線方向に沿って設けられる板状のブレード部材と、前記ブレード部材に設けられる複数の圧電素子とを備え、前記複数の圧電素子を、前記ブレード部材の現像ローラ回転方向下流側に向かう面に、現像ローラ軸線方向に沿って延設するとともに、現像ローラ軸線方向に沿って複数列並設し、前記圧電素子に交流電圧が印加された時に、前記ブレード部材の表面に進行波を生じさせるとともに、前記ブレード部材の表面に進行波の方向とは逆方向に回転する楕円回転運動を生成するように設けることで、前記ブレード部材の表面が楕円回転運動することにより、現像ローラから回収された現像剤の滞留を抑え、前記ブレード部材の表面へのトナー成分の融着や現像剤の凝集を抑えることができる。これにより、現像メモリの発生を抑えて、長期に渡って画像ムラが発生しない現像装置を提供することができる。
【0025】
また、本発明によれば、前記楕円回転運動を、現像ローラの回転方向と同じ回転方向とすることで、前記ブレード部材の表面の楕円回転運動により、現像剤が現像ローラから離間する方向へ速やかに搬送されるため、スクレーパによる現像剤の掻き取り効果を高めることができる。
【0026】
また、本発明によれば、前記ブレード部材の表面に突起部を備えることで、前記突起部により現像剤の搬送能力、すなわち掻き取り効果を高めることができる。
【0027】
また、本発明によれば、前記突起部を、前記現像ローラの軸線方向に沿って形成される曲面突起とすることで、前記ブレード部材の表面が、楕円回転運動により現像剤が現像ローラから離間する方向へ力を受けるので、効率的に現像剤を搬送することができる。
【0028】
また、本発明によれば、前記ブレード部材の表面に溝部を備えることで、前記溝部により現像剤の搬送能力、すなわち掻き取り効果を高めることができる。
【0029】
また、本発明によれば、前記溝部を、前記現像ローラの軸線方向に沿って形成されるU字溝とすることで、前記ブレード部材の表面が、楕円回転運動により現像剤が現像ローラから離間する方向へ力を受けるので、効率的に現像剤を搬送することができる。
【0030】
また、本発明によれば、前記楕円回転運動の振動数を20KHz以上1MHz以下とすることで、ブレード部材から不快な音を発生することなく、また、ブレード部材が発熱することによる現像剤の流動性が低下することを抑制できる。
【0031】
また、本発明によれば、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラム表面を帯電させる帯電装置と、感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置と、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、感光体ドラム表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1乃至7のうちの何れか一項に記載の現像装置を用いることで、前記現像装置における現像ローラに担持された現像剤を掻き取るスクレーパ表面へのトナー成分の融着や現像剤の凝集を抑えることができ、これにより、現像メモリの発生を抑えて、長期に渡って画像ムラが発生しない画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る現像装置が用いられた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【0033】
本実施形態は、図1に示すように、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム3と、感光体ドラム3表面を帯電させる帯電器(帯電装置)5と、感光体ドラム3表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)1と、感光体ドラム3表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置2と、現像装置2にトナーを補給するトナーホッパー(トナー補給装置)101と、感光体ドラム3表面のトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトユニット(転写装置)8と、トナー像を記録媒体に定着させる定着ユニット(定着装置)12とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置100において、現像装置2として、本発明に係る現像装置の構成を採用したものである。
【0034】
この画像形成装置100は、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙,記録媒体)に多色または単色の画像を形成するものである。なお、画像形成装置100の上方にスキャナ等を備えてもよい。
【0035】
まず、画像形成装置100の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、図1に示すように、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及び黄(Y)の色成分毎の画像データが取り扱われ、黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、黄画像が形成され、各々の色成分の画像を重畳することによってカラー画像が形成されるようになっている。
【0036】
したがって、画像形成装置100においては、図1に示すように、各色成分の画像が形成されるように、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,3d)がそれぞれ4個ずつ設けられている。言い換えると、現像装置2と感光体ドラム3と帯電器5とクリーナユニット4とを1つずつ含む画像形成ステーション(画像形成部)が4つ設けられることになる。
【0037】
なお、上記a〜dの符号は、aが黒画像形成用の部材、bがシアン画像形成用の部材、cがマゼンタ画像形成用の部材、dが黄画像形成用の部材であることを示したものである。また、画像形成装置100には、露光ユニット1、定着ユニット12、シート搬送路S、給紙トレイ10及び排紙トレイ15が備えられている。
【0038】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。
帯電器5としては、図1に示す接触ローラ型の帯電器の他、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器などが使用されることもある。
【0039】
露光ユニット1は、図1に示すように、レーザ照射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。但し、レーザスキャニングユニット以外に、発光素子をアレイ状に並べたEL(エレクトロルミネッセンス)やLED書込みヘッドを露光ユニット1とすることもできる。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0040】
現像装置2は、感光体ドラム3に形成された静電潜像をK,C,M,Yのいずれかのトナーにより顕像化する(現像する)ものである。現像装置2(2a,2b,2c,2d)は、トナーホッパー101(101a,101b,101c,101d)、トナー移送機構102(102a,102b,102c,102d)、現像槽(現像剤収容部)111(111a,111b,111c,111d)を備えている。
【0041】
トナーホッパー101は、現像槽111よりもH方向側に配され、未使用トナー(粉体状のトナー)を貯蔵している。トナーホッパー101から現像槽111へトナー移送機構102を介してトナーが供給されるようになっている。
【0042】
クリーナユニット4は、現像及び画像転写工程後に感光体ドラム3の表面に残留しているトナーを除去し、回収するものである。
【0043】
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット8が配置されている。中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、及び中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0044】
中間転写ローラ6、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73は、中間転写ベルト7を張架し、図1の矢印B方向に中間転写ベルト7を回転駆動させるものである。
【0045】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73における中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6には感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスが印加されている。
【0046】
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。中間転写ベルト7上には、感光体ドラム3に形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト7は、厚さが例えば100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0047】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0048】
中間転写ローラ6は、直径が例えば8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状のもの(中間転写ローラ6)を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0049】
上述のように各感光体ドラム3上の静電潜像は各色成分に応じたトナーにより顕像化されてそれぞれトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト7上に重ねて合わされ積層される。このように、積層されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって、搬送されてきた用紙と中間転写ベルト7との接触位置(転写部)に移動し、この位置に配置されている転写ローラ11によって用紙上に転写される。この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ11にはトナー像を用紙に転写させるための電圧が印加される。この電圧は、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
【0050】
上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方は金属等の硬質材料から形成され、他方は弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)から形成される。
【0051】
中間転写ベルト7と感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、及び中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。
【0052】
中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレード(クリーニング部材)が備えられている。中間転写ベルト7におけるクリーニングブレードに接触している部分は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72にて支持されている。
【0053】
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(例えば記録用紙)を蓄積しておくためのものであり、画像形成部及び露光ユニット1の下側に設けられている。一方、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのものである。
【0054】
また、画像形成装置100には、給紙トレイ10のシート及び手差しトレイ20のシートを転写部や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に案内するためのシート搬送路Sが設けられている。なお、転写部は中間転写ベルト駆動ローラ71と転写ローラ11との間に位置する。
【0055】
さらに、シート搬送路Sには、ピックアップローラ16(16a,16b)、レジストローラ14、転写部、定着ユニット12、搬送ローラ25(25a〜25h)等が配置されている。
【0056】
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16aは、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。ピックアップローラ16bは、手差しトレイ20の近傍に備えられ、手差しトレイ20からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持し、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを転写部に搬送するものである。
【0057】
定着ユニット12は、ヒートローラ81及び加圧ローラ82等を備え、これらヒートローラ81及び加圧ローラ82はシートを挟んで回転する。ヒートローラ81は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって制御される。この制御部は温度検出器(図示せず)からの検出信号に基づいてヒートローラ81の温度を制御する。
【0058】
ヒートローラ81は、加圧ローラ82とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写されている各色トナー像を溶融、混合、圧接させ、シートに対して熱定着させる。なお、多色トナー像(各色トナー像)が定着されたシートは、複数の搬送ローラ25によってシート搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態(多色トナー像を下側に向けた状態)にて、排紙トレイ15上に排出される。
【0059】
次に、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。
画像形成装置100には、図1に示すように、上述したように予めシートを収納する給紙トレイ10、及び少数枚の印字を行う場合等に使用される手差しトレイ20が配置されている。これら両トレイには各々ピックアップローラ16(16a,16b)が配置され、これらピックアップローラ16によってシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給するようになっている。
【0060】
片面印字の場合は、給紙トレイ10から搬送されるシートは、シート搬送路S中の搬送ローラ25aによってレジストローラ14まで搬送され、レジストローラ14によりシートの先端と中間転写ベルト7上の積層されたトナー像の先端とが整合するタイミングで転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト7との接触位置)に搬送される。転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット12にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25bを経て排紙ローラ25cから排紙トレイ15上に排出される。
【0061】
また、手差しトレイ20から搬送されるシートは、複数の搬送ローラ25(25f,25e,25d)によってレジストローラ14まで搬送される。それ以降のシート搬送動作は、上述した給紙トレイ10から供給されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される。
【0062】
一方、両面印字の場合は、上記のようにして片面印字が終了し定着ユニット12を通過したシートは、後端が排紙ローラ25cにてチャックされる。次に、シートは、排紙ローラ25cが逆回転することによって搬送ローラ25g,25hに導かれ、再びレジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ15に排出される。
【0063】
次に、本実施形態の特徴的な現像装置2について図面を参照して説明する。
図2は本実施形態に係る画像形成装置を構成する現像装置の構成を示す断面図、図3は図2のA−A断面矢視図である。
【0064】
現像装置2は、図2に示すように、現像槽111内に、感光体ドラム3と対向するように配置された現像ローラ(現像剤担持部材)114を有し、現像ローラ114によって感光体ドラム3の表面にトナーを供給して、感光体ドラム3の表面に形成された静電潜像を顕像化する(現像する)装置である。
【0065】
現像装置2は、図2,図3に示すように、現像ローラ114の他に、現像槽111、現像槽カバー115、トナー補給口115a、ドクターブレード116、第1搬送部材112、第2搬送部材113、仕切り板(仕切り壁)117、及び特徴的なスクレーパ118を備えている。
【0066】
現像槽111は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤(以下、単に、「現像剤」と称する。)を収容する槽である。また、現像槽111には、現像ローラ114、第1搬送部材112、第2搬送部材113等が配設されている。なお、本実施形態のキャリアは、磁性を有する磁性キャリアである。
【0067】
また、現像槽111の上側には、図2に示すように、取り外し可能な現像槽カバー115が設けられている。さらに、現像槽カバー115には、現像槽111に未使用のトナーを補給するためのトナー補給口115aが形成されている。
【0068】
図1,図2に示すように、トナーホッパー101に収容されているトナーは、トナー移送機構102及びトナー補給口115aを介して現像槽111にトナーが補給されるようになっている。
【0069】
現像ローラ114は、回転するマグネットローラであり、図2に示すように、現像槽111の現像剤を表面に汲み上げて担持し、表面に担持している現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム3に供給するものである。現像ローラ114の表面に近接する位置にはドクターブレード(層厚規制用ブレード)116が配されている。
【0070】
スクレーパ118は、図2に示すように、現像ローラ114の感光体ドラム3と対向する位置、すなわち、現像ローラ114の感光体ドラム3との最近接位置3aより現像ローラ回転方向下流側に配置され、一端部118aを該現像ローラ114の外周面に近接させて、現像ローラ114表面から現像剤を掻き取るようにされている。
スクレーパ118の他端部118bは、一端部118aよりも図中下方に位置するように配置されている。
【0071】
第1搬送部材112及び第2搬送部材113は、図2,図3に示すように、現像槽111内において現像剤を撹拌及び搬送するための螺旋状の搬送羽根112a,113aからなるスクリューオーガにより構成され、駆動ギア112c,113cを介して伝達されるモータ等の駆動手段(図示せず)の駆動によって軸112b,113bが回転駆動することで、現像剤を撹拌すると共に搬送するようになっている。
【0072】
第1搬送部材112及び第2搬送部材113は、互いの周面同士が仕切り板117を介して対向するように且つ互いの軸同士が平行になるように並列され、互いに逆方向に回転するように設定されている。そして、第1搬送部材112は、図3に示すように、矢印X方向に現像剤を搬送し、第2搬送部材113は、矢印X方向とは逆の矢印Y方向に現像剤を搬送するように設定されている。
【0073】
現像槽111には、第1搬送部材112と第2搬送部材113との間に仕切り板117が配設されている。仕切り板117は、第1搬送部材112及び第2搬送部材113の各軸方向(各回転軸方向)に平行に延設されている。現像槽111の内部は、仕切り板117によって、第1搬送部材112が配されている第1搬送路Pと、第2搬送部材113が配されている第2搬送路Qとに区画される。
【0074】
仕切り板117は、第1搬送部材112及び第2搬送部材113の各軸方向の両端部において、現像槽111の内側の壁面から離間して配置されている。これにより、現像槽111には、第1搬送部材112及び第2搬送部材113の各軸方向の両端部付近において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する連通路が形成されている。以下では、図3に示されるように、矢印X方向側に形成されている連通路を第1連通路a、矢印Y方向側に形成されている連通路を第2連通路bと称する。
【0075】
また、本実施形態では、トナー補給口115aは第1搬送路P内の領域であり且つ第2連通路bよりも矢印X方向側の位置に形成されている。つまり、第1搬送路Pにおいて、第2連通路bの下流側にトナーが補給されることになる。
【0076】
現像槽111において、第1搬送部材112及び第2搬送部材113は、モータ等の駆動手段(図示せず)によって回転駆動し、現像剤を搬送する。具体的には、第1搬送路Pにおいて、現像剤は、第1搬送部材112によって撹拌されながら矢印X方向へ搬送され、第1連通路aに到達する。第1連通路aに到達した現像剤は、第1連通路aを通過して第2搬送路Qへ搬送される。一方、第2搬送路Qにおいて、現像剤は、第2搬送部材113によって、撹拌されながら矢印Y方向へ搬送され、第2連通路bに到達する。そして、第2連通路bに到達した現像剤は、第2連通路bを通過して第1搬送路Pへ搬送される。つまり、第1搬送部材112と第2搬送部材113とは、互いに逆方向に現像剤を撹拌しながら搬送している。
【0077】
このようにして、現像剤は、現像槽111において、第1搬送路Pと第1連通路aと第2搬送路Qと第2連通路bとを、第1搬送路P→第1連通路a→第2搬送路Q→第2連通路b、という順序にて循環移動していることになる。そして、現像剤は、第2搬送路Qにて搬送されている間に、現像ローラ114の回転にてその表面に担持されて汲み上げられ、汲み上げられた現像剤中のトナーが感光体ドラム3へと移動して、順次消費されていく。
【0078】
このように消費されるトナーを補うべく、未使用のトナーがトナー補給口115aから第1搬送路Pへ補給される。補給されたトナーは第1搬送路Pにおいて従前より存在する現像剤と混合撹拌される。
【0079】
次に、本実施形態の特徴的なスクレーパ118の構成について図面を参照して具体的に説明する。
図4(a)は本実施形態に係る現像装置を構成するスクレーパの全体構成を示す斜視図、(b)は前記スクレーパの内部構造を部分的に説明する図4(a)B部の拡大図である。
【0080】
スクレーパ118は、図4(a),(b)に示すように、現像ローラ114の軸線方向に沿って設けられる板状のブレード部材121と、ブレード部材121の片面に設けられる複数の圧電素子122とを備えている。
【0081】
ブレード部材121は、弾性変形可能な金属を用いて形成されている。すなわち、ブレード部材121は、金属製のステータとして構成されている。
【0082】
複数の圧電素子122(122a,122b,・・・)は、図4(b)に示すように、ブレード部材121の現像ローラ回転方向下流側に向かう面(裏側面)121a2に、現像ローラ軸線方向に沿って延設されるとともに、現像ローラ軸線方向と略平行に複数列並設されている。そして、圧電素子122は、交流電圧が印加された時に、ブレード部材121の表面121a1に進行波を矢印W方向に生じさせるとともに、ブレード部材121の表面121a1に進行波の方向とは逆方向に回転する楕円回転運動Rを生成するように設けられている。
【0083】
ブレード部材121の表面121a1には、図4(b)に示すように、現像ローラ114の軸線方向に沿って外側に湾曲した突起部121a11と、現像ローラ114の軸線方向に沿って内側へU字状に湾曲した溝部121a12が形成されている。
【0084】
この圧電素子122によるブレード部材121の表面121a1に生じる作用は、基本的には超音波モータにおけるステータに生じる作用と同様である。
【0085】
尚、ブレード部材121及び圧電素子122として、一般に超音波モータに使用されるステータ金属や圧電素子(圧電セラミック)が使用できる。
【0086】
ここで、スクレーパ118によるトナー搬送原理について説明する。
圧電素子122に交流電圧が印加されると、図4(b)に示すように、ブレード部材121の表面121a1には、進行波が矢印W方向に生じるとともに、この進行波の方向とは逆方向に回転する楕円回転運動Rが生じる。この楕円回転運動Rの作用によって、ブレード部材121上のキャリア粒子D1は矢印M方向へと搬送される。
【0087】
圧電素子122に印加される交流電圧は、20KHz以上で1MHz以下の周波数とすることが好ましい。交流電圧の周波数が20KHz未満であれば、不快な音が発生しやすくなり、1MHzを超えると発熱により現像剤が凝集し、流動性が低下しやすくなる。
【0088】
次に、本実施形態に係る現像装置2のスクレーパ118により現像ローラ114から現像剤を掻き取る作用について図面を参照して説明する。
図5は本実施形態の現像装置においてスクレーパにより現像ローラから現像剤を掻き取る状態を示す説明図である。
【0089】
本実施形態の画像形成装置100において、第2搬送部材113から現像ローラ114に供給された現像剤は、図5に示すように、ドクターブレード116との隙間を通過した後、現像ローラ114に担持されたまま感光体ドラム3との最近接位置3aに搬送され、感光体ドラム3表面に形成される静電潜像の現像に使用される。
【0090】
現像後の現像剤Dは、現像ローラ114に担持された状態で現像槽111内部に搬送され、スクレーパ118により掻き取られ、スクレーパ118の上部、すなわち、ブレード部材121の上部を通って第2搬送部材113の上部に戻される。
【0091】
ブレード部材121の表面121a1においては、図4(b)に示すように、圧電素子122に交流電圧が印加されると、楕円回転運動Rが生じてキャリア粒子D1が現像ローラ114から離れる方向(矢印M方向)に搬送するように作用する。
【0092】
従って、スクレーパ118により掻き取られたキャリア粒子D1は、ブレード部材121の一端部118a側、すなわち現像ローラ114付近に留まることなく他端部118b側に搬送される。
【0093】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、現像装置2において、現像ローラ114に担持された現像剤を掻き取るために、ブレード部材121の片面に圧電素子122を備えたスクレーパ118を設けたことで、現像ローラ114から回収された現像剤Dをブレード部材121上に滞留することなく搬送することができるので、ブレード部材121の表面121a1へのトナー成分の融着や現像剤Dの凝集を抑えることができる。これにより、現像メモリの発生を防止して、長期に渡って画像ムラが発生しない画像形成装置を実現できる。
【0094】
また、本実施形態では、図4(b)に示すように、ブレード部材121の表面121a1に発生する楕円回転運動Rが、現像ローラ114の回転方向と同じ回転方向となるようにしているので、回収された現像剤Dを現像ローラ114から離間する方向へ速やかに搬送することができ、スクレーパ118による現像剤Dの掻き取り効果を高めることができる。
【0095】
尚、上述した実施形態では、本発明に係る現像装置2を図1に示すような画像形成装置100に適用した例について説明したが、現像後に現像ローラに担持されたトナーをスクレーパにより掻き取り回収するようにした現像装置を搭載する画像形成装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、その他の画像形成装置等に展開が可能である。
【0096】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施形態に係る現像装置が用いられた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】前記画像形成装置を構成する現像装置の構成を示す断面図である。
【図3】図2のA−A断面矢視図である。
【図4】(a)は前記現像装置を構成するスクレーパの全体構成を示す斜視図、(b)は前記スクレーパの内部構造を部分的に説明する図4(a)B部の拡大図である。
【図5】前記現像装置においてスクレーパにより現像ローラから現像剤を掻き取る状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0098】
2 現像装置
3 感光体ドラム
3a 最近接位置
100 画像形成装置
111 現像槽
112 第1搬送部材
113 第2搬送部材
114 現像ローラ
118 スクレーパ
118a 一端部
118b 他端部
121 ブレード部材
121a1 表面
121a11 突起部
121a12 溝部
121a2 裏側面
122 圧電素子
D 現像剤
D1 キャリア粒子
R 楕円回転運動

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持して、静電潜像が形成される感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記現像ローラの前記感光体ドラムと対向する位置より現像ローラ回転方向下流側に配置されて前記現像ローラに担持された現像剤を掻き取るスクレーパと、を備えた現像装置において、
前記スクレーパは、現像ローラの軸線方向に沿って設けられる板状のブレード部材と、前記ブレード部材に設けられる複数の圧電素子とを備え、
前記複数の圧電素子は、前記ブレード部材の現像ローラ回転方向下流側に向かう面に、現像ローラ軸線方向に沿って延設されるとともに、現像ローラ軸線方向に沿って複数列並設され、前記圧電素子に交流電圧が印加された時に、前記ブレード部材の表面に進行波を生じさせるとともに、前記ブレード部材の表面に進行波の方向とは逆方向に回転する楕円回転運動を生成するように設けられることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記楕円回転運動は、現像ローラの回転方向と同じ回転方向であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記ブレード部材は、その表面に突起部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記突起部は、前記現像ローラの軸線方向に沿って形成される曲面突起であることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記ブレード部材は、その表面に溝部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項6】
前記溝部は、前記現像ローラの軸線方向に沿って形成されるU字溝であることを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
前記楕円回転運動は、その振動数が20KHz以上1MHz以下であることを特徴とする請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載の現像装置。
【請求項8】
表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラム表面を帯電させる帯電装置と、感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置と、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、感光体ドラム表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記現像装置として、請求項1乃至7のうちの何れか一項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−96784(P2010−96784A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264757(P2008−264757)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】