説明

現像装置

【課題】飛散防止シート200aの内側でトナー塊が発生しても現像スリーブ6と飛散防止シート200aの隙間から漏れ出しにくくして、トナー塊に起因する出力画像の品質低下の発生頻度を低下させた現像装置を提供する。
【解決手段】飛散防止シート200aは、現像領域Aと層厚規制ブレード5との間で先端側を現像剤に接触させて飛散したトナーを遮蔽する。飛散防止カバー200bは、平面形状がコの字に突き出した部分が、現像スリーブ6の現像剤担持領域の外側で、飛散防止シート200aの先端側の厚み方向の移動を制限する。飛散防止シート200aは、現像スリーブ6に担持された現像剤にシート面を接触させて配置され、飛散防止シート200aの接着範囲は、現像スリーブ6に担持された現像剤と飛散防止シート200aの接触位置よりも飛散防止シート200aの先端側まで達している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像スリーブに担持された現像剤に先端側を当接させてトナー飛散を防止する飛散防止シートを設けた現像装置、詳しくは飛散防止シートの両端部に形成されたトナー塊が記録材に付着して発生するボタ落ち画像を減少させる構造に関する。
【背景技術】
【0002】
感光ドラムに形成された静電像を現像装置で現像してトナー像を形成し、形成したトナー像を直接又は中間転写体を介して記録材に転写し、トナー像が転写された記録材を定着装置で加熱加圧して画像を記録材に形成する画像形成装置が広く用いられている。
【0003】
現像装置は、現像スリーブに磁気的に担持させた現像剤を、現像スリーブと層厚規制部材の隙間を通過させて層厚を規制し、現像スリーブの回転に伴って感光ドラムとの対向位置へ搬送してトナーを電気的に静電像に付着させてトナー像を現像する。
【0004】
回転する現像スリーブに現像剤を担持して感光ドラムにトナー像を現像する現像装置は、層厚規制部材と感光ドラム対向位置の間の現像スリーブの現像剤担持面からトナーが飛散する問題がある。
【0005】
そこで、図6を参照して示すように、特許文献1に示される現像装置(104)では、飛散防止シート(200a)によって現像スリーブ(6)のトナーが飛散する領域全体を覆って、飛散したトナーを層厚規制部材(5)側の小空間に閉じ込めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−276149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現像スリーブの回転軸線方向の両端部に現像剤を担持しない領域が設定されている場合、特許文献1に示される飛散防止シートを採用すると、現像剤を担持しない領域を通じてトナー塊が外部へ排出される可能性があることが判明した。
【0008】
現像スリーブの中央部の現像剤担持領域では、飛散防止シートの先端側が現像剤層の表面に接触しているため、飛散防止シートの内側でトナー塊が発生しても外へは漏れ出さない。しかし、現像スリーブの端部の現像剤が担持されない領域では、現像スリーブと飛散防止シートの間に隙間が形成され易い。また、飛散防止シートは、薄くて柔らかいため、現像スリーブの回転軸線方向の両端部では、ばたつきが発生して現像スリーブと飛散防止シートの隙間が変動し易い。そのため、現像スリーブの回転軸線方向の両端部では、中央部の現像剤担持領域に比較して、飛散防止シートと現像スリーブの間からトナー塊が吐き出され易くなる。
【0009】
吐き出されたトナー塊は、通常は、画像形成領域外なので問題とはなりにくい。しかし、長期間に渡ってトナー塊があちこちに蓄積していると、振動や機体内の風に乗って中間転写ベルトや記録材の画像領域に到達して、出力画像の品質を低下させる可能性がある。
【0010】
本発明は、飛散防止シートの内側でトナー塊が発生しても現像スリーブと飛散防止シートの隙間から漏れ出しにくくして、トナー塊に起因する出力画像の品質低下の発生頻度を低下させた現像装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の現像装置は、現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に担持されて現像領域へ搬送される現像剤の層厚を規制する規制部材と、前記現像領域と前記規制部材との間に先端側を接触させて、前記現像剤担持体に担持されて前記規制部材に層厚を規制された現像剤を覆って配置されたシート部材とを備えるものである。そして、前記現像剤担持体の回転軸線方向の現像剤担持領域の外側における前記シート部材の先端側の厚み方向の移動を制限する移動制限部材を備え、前記シート部材の前記現像剤担持領域に位置する部分は、先端側が厚み方向に移動可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の現像装置では、移動制限部材が、現像剤担持体の回転軸線方向における現像剤担持領域の外側でシート部材の厚み方向の移動を制限するから、現像剤担持領域での接触をソフトに保った状態のまま、現像剤担持領域の外側でシート部材がばたつきにくい。シート部材の端部がばたつきにくいから、回転軸線方向の端部でシート部材と現像剤担持体の隙間が変動しにくく、シート部材の内側でトナー塊が形成されても外へ漏れ出しにくい。
【0013】
したがって、飛散防止シートの内側でトナー塊が発生しても現像スリーブと飛散防止シートの隙間から漏れ出しにくくして、トナー塊に起因する出力画像の品質低下の発生頻度を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像形成装置の構成の説明図である。
【図2】画像形成部の構成の説明図である。
【図3】現像装置の軸線方向に垂直な断面における構成の説明図である。
【図4】現像装置の平断面における構成の説明図である。
【図5】マグネットローラの磁極配置の説明図である。
【図6】比較例における飛散防止シートの配置の説明図である。
【図7】比較例の飛散防止カバーの配置の説明図である。
【図8】実施例1の飛散防止カバーの配置の説明図である。
【図9】実施例1における飛散防止シートの取り付け状態の説明図である。
【図10】飛散防止シートの固定方法の説明図である。
【図11】実施例2におけるリーク防止部材の配置の説明図である。
【図12】実施例2における飛散防止シートの取り付け構造の説明図である。
【図13】飛散防止シートの固定方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、飛散防止シートの長手方向の端部のばたつきを抑え込む構造を有する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
【0016】
したがって、現像スリーブに現像剤を担持して現像を行う現像装置であれば、二成分現像剤に限らず、一成分現像剤を用いる現像装置でも実施可能である。しかし、磁気ブラシ状態で現像スリーブに現像剤を担持させる二成分現像剤において、後述するように、その効果はより顕著である。本実施例では、現像室と攪拌室を水平方向に配置したいわゆる横型の現像装置を説明するが、現像室と攪拌室を上下に配置したいわゆる縦型の現像装置でも本発明は実施可能である。本実施例では、現像スリーブを1本設けた現像装置を説明するが、2本以上の現像スリーブを配置して現像剤を受け渡す現像装置でも本発明は実施可能である。その他の形態の現像装置においても、本発明は適用可能である。
【0017】
現像装置が搭載される画像形成装置は、タンデム型/1ドラム型、中間転写型/記録材搬送型/直接転写型、静電像の形成方式、転写方式の区別無く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。現像剤、現像装置、および画像形成装置の構成等は以下の説明に限ったものではない。
【0018】
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図2は画像形成部の構成の説明図である。
【0019】
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト121に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部150Y、150M、150C、150Kを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。画像形成部150Yでは、感光ドラム101Yにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト121に転写される。画像形成部150Mでは、感光ドラム101Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト121に転写される。画像形成部150C、150Kでは、感光ドラム101C、101Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト121に転写される。
【0020】
二次転写ローラ125は、対向ローラ124に内側面を支持された中間転写ベルト121に当接して二次転写部T2を形成する。記録材カセット140から引き出された記録材Pは、分離ローラ141で1枚ずつに分離して、レジストローラ142へ送り出される。レジストローラ142は、中間転写ベルト121のトナー像にタイミングを合わせて二次転写部T2へ記録材Pを送り出す。記録材Pが二次転写部T2を挟持搬送される過程で、二次転写ローラ125に正極性の直流電圧が印加されることにより、フルカラートナー像が中間転写ベルト121から記録材Pへ二次転写される。転写されずに中間転写ベルト121に残った転写残トナーは、ベルトクリーニング装置126によって回収される。
【0021】
四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、中間転写ベルト121から曲率分離して定着装置130へ送り込まれる。定着装置130は、記録材Pを加熱加圧して画像を記録材Pの表面に定着させる。その後、記録材Pが機体外へ排出される。
【0022】
画像形成部150Y、150M、150C、150Kは、現像装置104Y、104M、104C、104Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、図2を参照して、画像形成部を区別するY、M、C、Bkを除いた参照符号を用いて、一般的な画像形成部150についてトナー像の形成プロセスを説明する。
【0023】
図2に示すように、画像形成部150は、感光ドラム101の周囲に、コロナ帯電器102、露光装置103、現像装置104、転写ブレード105、ドラムクリーニング装置109を配置している。感光ドラム101は、アルミニウムの管材料の表面に帯電特性が負極性の有機光導電体(OPC)を形成しており、所定のプロセススピードで矢印R1方向に回転する。
【0024】
コロナ帯電器102は、コロナ放電に伴う荷電粒子を感光ドラム101に照射して感光ドラム101の表面を一様な負極性の暗部電位VDに帯電処理する。露光装置103は、画像の分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム101の表面に画像の静電像を書き込む。現像装置104は、感光ドラム101の静電像をトナー像に現像する。
【0025】
転写ブレード105は、感光ドラム101に支持された中間転写ベルト121の内側面に当接して感光ドラム101と中間転写ベルト121の間にトナー像の転写部を形成する。電源D1は、トナーの帯電極性とは逆極性である正極性の直流電圧を転写ブレード105に印加して、感光ドラム101のトナー像を中間転写ベルト121へ静電転写させる。ドラムクリーニング装置109は、感光ドラム101にクリーニングブレードを摺擦させて、転写を逃れて感光ドラム101に残った転写残トナーを回収する。
【0026】
<現像装置>
図3は現像装置の軸線方向に垂直な断面における構成の説明図である。図4は現像装置の平断面における構成の説明図である。トナーを帯電させ静電気力を用いて画像形成を行う画像形成装置では、像担持体に形成された静電像に対して現像装置から現像剤を供給して可視像化する。現像装置は、通常、現像剤を循環させるスクリューが内蔵された現像容器と静電像担持体に対向し、現像剤を静電像担持体へ搬送する現像剤担持体を備えている。
【0027】
図3に示すように、現像装置104は、二成分磁気ブラシ現像法により感光ドラム101の静電像を反転現像する。現像容器2内で二成分磁性現像剤(以下現像剤と略す)を攪拌して帯電させ、現像スリーブ6に磁気ブラシ状態で担持させて、感光ドラム101に磁気ブラシを摺擦させ、現像スリーブ6に電圧を印加してトナーを感光ドラム101へ移転させる。
【0028】
現像容器2の内部空間は、中央の隔壁8によって左右に仕切られて現像室4aと攪拌室4bとが形成されている。現像室4aには現像スクリュー3aが配置され、攪拌室4bには攪拌スクリュー3bが配置されている。
【0029】
図4に示すように、現像スクリュー3aは、現像室4aの底部に現像スリーブ6と平行に配置され、回転に伴って現像室4a内の現像剤を現像スリーブ6に沿って一方向に搬送する。攪拌スクリュー3bは、攪拌室4bの底部に現像スクリュー3aと平行に配置され、回転に伴って攪拌室4b内の現像剤を現像スクリュー3aとは反対方向に搬送する。
【0030】
現像スクリュー3aによって現像室4aを搬送された現像剤は、隔壁8の端部の開口部10を通じて攪拌室4bへ溢れ出して攪拌スクリュー3bに受け渡される。攪拌スクリュー3bによって攪拌室4bを搬送された現像剤は、隔壁8の端部の開口部9を通じて現像室4aへ溢れ出して現像スクリュー3aに受け渡される。これにより、現像剤は、現像室4aと攪拌室4bとを循環して攪拌され、攪拌に伴って現像剤中のトナーとキャリアが摩擦して、それぞれマイナスとプラスに帯電する。
【0031】
図3に示すように、現像容器2は、感光ドラム101に対向した現像領域Aに相当する位置に開口部を有し、この開口部において現像スリーブ6が感光ドラム101へ向かって一部露出するように、回転可能に配設されている。現像剤担持体の一例である現像スリーブ6は、現像剤を担持して回転する。
【0032】
現像スリーブ6の直径は24mm、感光ドラム101の直径は80mmである。現像スリーブ6と感光ドラム101の最近接位置での対向距離は、約400μmである。現像スリーブ6は、アルミニウムやステンレスのような非磁性材料で薄肉に構成され、その内部に磁界発生手段であるマグネットローラ6mが非回転状態で設置されている。
【0033】
現像スリーブ6は、トナーとキャリアが帯電して電気的に結びついた現像剤を現像領域Aに搬送して、感光ドラム101上に形成された静電像にトナーを供給する。現像スリーブ6は、マグネットローラ6mの磁界によって、表面に現像剤を磁気ブラシ状態で担持して矢印b方向(反時計方向)に回転し、層厚規制ブレード(穂切り部材)5によって磁気ブラシを穂切りされて、現像剤の層厚を規制される。層厚を規制されて現像領域Aに搬送された現像剤の磁気ブラシの先端部が感光ドラム101に接触した状態で、感光ドラム101の静電像が現像される。
【0034】
この時、現像効率、つまり、静電像へのトナーの付与率を向上させるために、現像スリーブ6には、電源D4から直流電圧Vdcに交流電圧Vacを重畳した振動電圧が印加される。ここでは、−500Vの直流電圧Vdcに、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが1800V、周波数fが12kHzの交流電圧vacを重畳した。しかし、直流電圧値、交流電圧値及び波形はこれに限られるものではない。
【0035】
二成分磁気ブラシ現像法においては、一般に、交流電圧Vacを印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆に画像の白地にトナーが付着する白地カブリ不良が発生し易くなる。このため、現像スリーブ6に印加する直流電圧Vdcと感光ドラム101の暗部電位(即ち白地部電位)VDとの間に電位差Vbackを設けることにより、白地カブリ不良を防止している。
【0036】
トナー像の現像に伴って消費されたトナーを補給するために、現像装置104の上部には、トナーとキャリアを混合した補給用二成分現像剤(通常はトナー/補給用現像剤=100%〜80%)を収容するホッパー12が配置される。図4は現像剤1の循環経路を見るため現像装置104を上から見ているが、ホッパー12は現像剤1の経路が分かるよう現像装置104に取り付けて図示している。
【0037】
ホッパー12は、下部にスクリュー状の補給部材、即ち、補給スクリュー13を備え、図4に示すように、補給スクリュー13の一端が現像装置104の前端部に設けられた現像剤補給口11の位置まで延びている。補給用二成分現像剤は、補給スクリュー13の回転力と、現像剤の重力によって、ホッパー12から現像剤補給口11を通過して、現像容器2内に補給される。このようにして、ホッパー12から現像装置104にトナーが補充される。補給用二成分現像剤の補給量は、補給スクリュー13の回転数によっておおよそ定められる。補給スクリュー13の回転数は、画像データのビデオカウント値や、現像容器2内に設置された不図示のトナー濃度検知センサの検知結果等に基づいて、不図示のトナー補給量制御手段によって定められる。
【0038】
<二成分現像剤>
現像装置104の現像容器2には、トナーとキャリアからなる二成分現像剤1が充填されている。トナーは、結着樹脂と、着色剤と、必要に応じてシリカ等の添加剤とを有している。トナーの樹脂は、例えば負帯電性ポリエステル系樹脂があり、体積平均粒径は4μm以上、10μm以下が好ましい。より好ましくは8μm以下である。近年のトナーにおいては、定着性を良くするために、低融点のトナー或いは低ガラス転移点Tg(例えばTg≦70℃)のトナーが用いられることが多い。さらに定着後の分離性を良くするためにトナーにワックスを含有させる場合もある。
【0039】
トナーの体積平均粒径は、以下に示す装置及び方法にて測定した。測定装置としては、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)、個数平均分布、体積平均分布を出力するためのインターフェース(日科機製)及びパーソナルコンピュータを使用した。電解水溶液として、一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を使用し、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加え、測定試料を0.5〜50mg加えた。測定試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、コールターカウンターTA−II型により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求めた。こうして求めた体積平均分布より、体積平均粒径を得た。
【0040】
キャリアは、例えば表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用可能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。キャリアは、重量平均粒径が20〜60μm、好ましくは30〜50μmであり、抵抗率が10Ωcm以上、好ましくは10Ωcm以上である。ここでは、10Ωcmのものを用いた。
【0041】
キャリアの抵抗率は、測定電極面積4cm、電極間間隔0.4cmのサンドイッチタイプのセルを用いて、片方の電極に1kgの重量の加圧下で、両電極間の印加電圧E(V/cm)を印加して、回路に流れた電流から、キャリアの抵抗率を得た。
【0042】
<層厚規制ブレード>
現像剤担持体に担持されて像担持体との対向部に搬送される現像剤を所望の量にするために、通常の場合、現像容器と現像担持体の間隔を規制する層厚規制部材が現像容器に設けられている。規制部材の一例である層厚規制ブレード5は、現像スリーブ6に担持されて現像領域Aへ搬送される現像剤の層厚を規制する。
【0043】
層厚規制ブレード5は、現像スリーブ6の回転軸線方向に沿って延在した板状の部材で構成される。層厚規制ブレード5には、アルミニウムやステンレス等の非磁性材料、またはSPCC、低炭素鋼等の磁性材料、或いは非磁性材料と磁性材料との張り合わせ部材が用いられる。層厚規制ブレード5は、感光ドラム101よりも現像スリーブ6の回転方向上流側に配設されている。そして、層厚規制ブレード5の先端部と現像スリーブ6との間を現像剤のトナーとキャリアの両方が通過して現像領域Aへと送られる。
【0044】
層厚規制ブレード5と現像スリーブ6表面との間隙を調整することによって、現像スリーブ6上に担持した現像剤磁気ブラシの穂切り量が規制されて、現像領域Aへ搬送される現像剤量が調整される。層厚規制ブレード5と現像スリーブ6の間隙は、通常、200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。ここでは、500μmに設定した。
【0045】
現像領域Aにおいては、現像装置104の現像スリーブ6は、感光ドラム101の表面の移動方向と順方向で回転し、周速比は、対感光ドラム2.0倍である。現像スリーブ6と感光ドラム101の周速比は、通常0.1〜3.0倍の間で設定され、好ましくは、0.5〜2.0倍の間に設定される。周速比は、大きくなればなるほど現像効率がアップするが、あまり大きすぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
【0046】
<現像スリーブ>
ところで、現像スリーブの表面が鏡面のような平滑な場合は、現像剤と現像スリーブ表面との摩擦が極端に少ない為に、現像剤は殆ど搬送されない。そこで、現像スリーブ表面に適度な凹凸を作り、この凹凸によって現像剤と現像スリーブ表面との摩擦を意図的に作り出し、現像剤の搬送量を確保するような構成が一般的に用いられている。本実施例では、現像スリーブ表面に適度な凹凸を作成する手法としてブラスト処理を用いた。
【0047】
ブラスト処理とは、例えば、高温下でスリーブ状に押し出された素管金属に対して、冷間で、所定の粒度分布を有する砥粉やガラスビーズ等の粒子を高圧で吹き付ける加工法である。以下ブラスト加工した部分をブラスト領域と呼び、ブラスト領域を現像剤担持能力のある現像剤担持領域とする。また、ブラスト加工していない端部を非ブラスト領域と呼ぶ。
【0048】
ブラスト加工した領域の現像剤担持能力は、層厚規制ブレード5と現像スリーブ6の間隙を高い圧力状態で通過する現像剤との摺擦によって次第に損なわれるため、現像スリーブの現像剤搬送性が経時的に低下する。現像装置104においては、現像スリーブ6上を搬送される現像剤の単位面積あたりの質量が23mg/cm以下になった場合に、画像濃度の低下が発生するので、これを現像装置104の寿命と定めている。現像スリーブ6の寿命とは、一般的に、現像スリーブ6の表面性の変化によって、現像スリーブ6の現像剤搬送能力が低下し、現像領域Aへの現像剤の搬送が不十分になり、画像濃度の低下等の不良画像が発生した時を言う。
【0049】
そこで、現像装置104の寿命を延ばすために、初期の設定時に、層厚規制ブレード5と現像スリーブ6のギャップを離して、現像スリーブ6上を搬送される現像剤の単位面積当たりの質量を多くすることも考えられる。しかし、現像スリーブ6上を搬送される現像剤の単位面積当たりの質量を増やし過ぎると、感光ドラム101とのギャップに現像剤が詰まりキャリ着等の画像不良が起きる場合がある。従って、初期の設定時における現像スリーブ上を搬送される現像剤の、単位面積当たりの質量の最適な値が存在し、本実施例においては、30mg/cmとなるように、層厚規制ブレード5と現像スリーブ6の隙間を管理している。
【0050】
なお、現像スリーブ6の現像剤担持領域は、正確に言えば、マグネットローラ6mの磁力が及んで現像スリーブ6の表面に二成分現像剤が担持される領域である。このため、厳密にはブラスト加工がされたブラスト領域とは一致しない。回転軸線方向におけるブラスト領域の最端部は、マグネットローラ6mの磁力が及ばず、表面に凹凸があっても二成分現像剤を担持することができない。したがって、厳密に言えば、ブラスト領域の外側の非ブラスト領域のみが現像剤担持領域の外側とは言えない。しかし、便宜上、以下の説明では、ブラスト領域を現像剤担持領域とし、非ブラスト領域を現像剤担持領域の外側として説明する。
【0051】
<マグネットローラ>
図5はマグネットローラの磁極配置の説明図である。磁性現像剤を扱う現像装置は、通常の場合、現像剤担持体として現像剤担持能力を担うマグネットローラを内蔵した現像スリーブを用いる。現像スリーブは、マグネットローラの磁力により現像剤を担持し、回転することで現像剤を像担持体に搬送する。
【0052】
図5に示すように、現像剤は、現像スリーブ6内に非回転状態で固定されているマグネットローラ6mの磁力によって、現像スリーブ6の表面に担持されて搬送される。現像スリーブ6内には、ローラ状のマグネットローラ6mが固定配置されている。マグネットローラ6mは、現像領域Aに対向する現像磁極S1を有している。現像磁極S1が現像領域Aに形成する現像磁界によって現像剤の磁気ブラシが形成され、磁気ブラシが、現像領域Aで矢印R1方向に回転する感光ドラム101に接触して、静電潜像を現像領域Aで現像する。
【0053】
マグネットローラ6mは、現像磁極S1の他に、N1、N2、N3、S2極の合計5極を有しており、現像スクリュー3aの搬送及び跳ね上げにより、現像スリーブ6のN2(汲み上げ極)に現像剤1は拘束される。現像スリーブ6の表面に拘束された現像剤は、現像スリーブ6の回転に伴って、N2(汲み上げ極)→S2(カット極)→N1(搬送極)→S1(現像極)→N3(剥ぎ取り極)と搬送される。しかし、現像剤容器2内に位置する同極性のN2極とN3極との間では、現像スリーブ6の表面に現像剤を拘束する磁力が途切れて、スリーブ回転方向へ搬送を促されない。N3極とN2極は、同極で隣り合っているため、現像剤は磁極による磁気拘束力から解放されて、現像スクリュー3aに再び戻ってきて搬送される。
【0054】
<比較例の飛散防止シート>
図6は比較例における飛散防止シートの配置の説明図である。図7は比較例の飛散防止カバーの配置の説明図である。図5に示すように、現像剤は、現像容器2から現像領域Aへ搬送される過程でN1極付近を通過する際に、現像スリーブ6内のマグネットローラ6mの磁力に従ってできる現像剤の磁気穂がばたつく。現像剤の磁気穂がばたつくと、磁気穂から振り落とされたトナーが粉煙状になり、現像装置104外に飛散する問題が起こる。特に、現像スリーブ6の回転数が高い時には、トナーに働く遠心力が大きいため、飛散が著しくなる。また、現像剤中のトナー比率が高いと、トナーの電荷が低下して、トナーとキャリアの静電的な付着力が低下するので、トナーの飛散が著しくなる。
【0055】
図6に示すように、このような飛散を防止するために、比較例では、現像スリーブ6の回転方向において、現像領域Aとその上流の磁極N1の間で先端側が現像剤担持面に接するように飛散防止シート200aを配置している。飛散防止シート200aは、現像領域Aの上流側の磁極N1と層厚規制ブレード5とを覆うように配置されて、現像剤を搬送する際に生じる粉煙状になったトナーの飛散を抑制している。
【0056】
図7に示すように、飛散防止シート200aは、現像スリーブ6のブラスト領域6bと対向している部分では、現像スリーブ6上の現像剤と触れている。このため、ブラスト領域6bと対向している飛散防止シート200aの領域にトナーが付着しても、現像スリーブ6上で搬送される現像剤によって随時掻き取られる。
【0057】
しかし、比較例では、飛散防止カバー200bは、飛散防止シート200aの現像剤に接触する反対側の根元が固定されて、層厚規制ブレード5を覆うように配置される。このため、飛散防止シート200aは、ブラスト領域6bよりも外側に位置して現像剤担持能力のない非ブラスト領域6cと対向している部分で、現像スリーブ6上の現像剤と触れていない。比較例の飛散防止シート200aは、現像スリーブ6の回転軸線方向の両端部の非ブラスト領域6cに位置する部分が現像剤と接触していない。
【0058】
このため、現像スリーブ6上の非ブラスト領域6cに対向する飛散防止シート200aの部分にトナーが付着すると、現像剤に掻き取られることなく、堆積していく。非ブラスト領域6cの飛散防止シート200aにトナーが付着すると、付着したトナーは、現像剤にかき取られずに堆積してしまう。
【0059】
そして、現像装置104の駆動に伴う振動や吸排気による空気の流れによって飛散防止シート200aの端部が振動すると、堆積したトナーが落下して、感光ドラム101や中間転写ベルト121に付着して画像不良を発生させる可能性がある。現像装置104の駆動振動や吸排気による空気の流れによって、飛散防止シート200aの端部が振動すると、堆積したトナーが落下して、感光ドラム101や中間転写ベルト121に付着し、画像不良を発生する可能性がある。この画像不良は、一般的にトナーボタ落ち画像と呼ばれている。
【0060】
そこで、以下の実施例では、飛散防止シート200aの両端部の先端側を固定することで、飛散防止シート200aの両端部の振動を抑え、飛散防止シート200aの端部に堆積したトナーの落下を防止する。
【0061】
<実施例1>
図8は実施例1の飛散防止カバーの配置の説明図である。図9は実施例1における飛散防止シートの取り付け状態の説明図である。図10は飛散防止シートの固定方法の説明図である。
【0062】
図8に示すように、実施例1では、移動制限部材の一例である飛散防止カバー200bは、そのコの字に突き出した部分が、飛散防止シート200aの先端側の厚み方向の移動を、現像剤担持領域の外側で制限する。飛散防止カバー200bは、飛散防止シート200aの根元側を覆って配置され、現像剤担持領域の外側に位置する部分が飛散防止シート200aに沿って前記現像剤担持体の接線方向へ突き出したカバー部材である。飛散防止カバー200bの飛散防止シート200aに沿って突き出した部分は、飛散防止シート200aに接着されている。
【0063】
図9に示すように、シート部材の一例である飛散防止シート200aは、現像領域Aと層厚規制ブレード5との間で先端側を現像剤に接触させて現像剤を遮蔽する。現像スリーブ6の回転軸線方向の現像剤担持領域に位置する飛散防止シート200aの先端は、厚み方向へ材料の弾性力に従って移動可能である。飛散防止シート200aは、現像スリーブ6に担持された現像剤にシート面を接触させて配置される。飛散防止シート200aの接着範囲は、現像スリーブ6に担持された現像剤と飛散防止シート200aの接触位置よりも飛散防止シート200aの先端側まで達している。
【0064】
現像剤を搬送する際に生じる粉煙状になったトナーの飛散を抑制するため、飛散防止シート200aは、現像スリーブ6の回転方向において、現像領域Aと現像領域Aの上流の磁極N1の間の現像剤担持面に接するように配置される。飛散防止シート200aは、トナーが付着しにくいように、トナーと同極性に帯電する材質が望ましい。実施例1では、100μmのウレタンシートを用いた。
【0065】
図8に示すように、現像スリーブ6の回転軸線方向における飛散防止シート200aの範囲は、現像スリーブ6における現像剤担持能力があるブラスト領域6bよりも広く確保している。ブラスト領域6bが330mm、非ブラスト領域6cが両端でそれぞれ20mmで、飛散防止シート200aは360mmである。
【0066】
飛散防止カバー200bは、飛散防止シート200aの根元側と、先端200cとを覆ってコの字型に配置されている。現像スリーブ6の回転軸線方向における飛散防止シート200aの先端200cを、飛散防止カバー200bに固定することで、飛散防止シート200aの先端200cの振動を抑えている。飛散防止シート200aの先端200cの振動を抑えることにより、先端200cの付近に付着して堆積したトナーが落下することを防止している。
【0067】
実施例1では、現像スリーブ6の回転軸線方向において飛散防止シート200aの端部に重なる飛散防止カバー200bの先端200cを、現像スリーブ6の接線方向に飛散防止シート200aの領域まで伸ばした。飛散防止カバー200bは、飛散防止シート200aよりも硬度がある材質か厚いものを用いる必要がある。実施例1では、厚さ0.1mmの飛散防止シート200aよりも厚い、厚さ0.5mmのポリカーボネイトを用いた。
【0068】
図10に示すように、現像スリーブ6の接線方向に伸ばした飛散防止カバー200bの飛散防止シート200aと重なる部分200cに、飛散防止シート200aの端部を接着剤300によって線状に接着して固定した。飛散防止カバー200bの部分200cと飛散防止シート200aの両端部は、1mm重ねて接着した。
【0069】
実施例1の構成によって、現像スリーブ6に担持した現像剤を層厚規制ブレード5から現像領域Aへ搬送する際に、トナーが粉煙状になって現像装置外に飛散する現象は見られなくなった。飛散防止シート200aの両端部に堆積したトナーが落下してボタ落ち画像が発生する現象も見られなくなった。現像スリーブ6内のマグネットローラ6mの磁力に従ってできる現像剤の磁気穂がばたついても、トナーが現像装置104の外へ飛散する現象が見られなくなった。効果を具体的に検証するために、温度30℃相対湿度50%の環境下で画像比率5%の画像を20万枚連続して出力した。
【0070】
【表1】

【0071】
表1に示すように、図7の比較例では20万枚に200枚あったトナーボタ落ち画像が、図8の実施例1では、20万枚に50枚となり1/4に減った。
【0072】
実施例1では、飛散防止シート200aの端部を固定することで、飛散防止シート200aに堆積したトナーが振動により落下することを防ぐことができる。飛散防止シート200aに堆積したトナーが落下することで生じる画像不良(飛散トナーボタ落ち)を防ぐことができる。
【0073】
実施例1では、現像スリーブ6は、現像剤担持領域をブラスト処理したものである。しかし、現像剤を搬送する性能が確保できれば、機械加工、ローレット加工、型押し転写等を選択でき、現像剤担持領域に形成する凹凸形状は、現像剤のサイズに合わせたどのような凹凸形状のものでもよい。
【0074】
実施例1では、画像形成装置100について説明した。しかし、感光ドラムの材質、現像剤の種類、画像形成装置の構成等はこれに限ったものではなく、実施例1は、様々な現像剤および画像形成装置に適用可能である。トナーの色、各色のトナーの現像を行う順序、現像剤を攪拌するスクリューの配置等は任意に設定することができる。
【0075】
<実施例2>
図11は実施例2におけるリーク防止部材の配置の説明図である。図12は実施例2における飛散防止シートの取り付け構造の説明図である。図13は飛散防止シートの固定方法の説明図である。
【0076】
実施例2では、現像スリーブの回転軸線方向の端部にリーク防止部材(剤漏れ防止部材)がある場合、これを利用して飛散防止シート端部のばたつきを固定する。実施例2では、飛散防止カバーがリーク防止部材に置き換わる以外は実施例1と同一に現像装置104が構成されるため、実施例1のものと同一の部材には共通の符号を付して、実施例2における重複した説明を省略する。
【0077】
図12に示すように、移動制限部材の一例であるリーク防止部材201は、現像剤担持領域の外側で現像領域Aを含む現像スリーブ6の周面を円周状に覆って遮蔽する端部カバー部材を兼ねている。飛散防止シート200aは、現像領域Aと層厚規制ブレード5との間で、現像剤担持領域の外側に位置する部分がリーク防止部材201に接着されている。
【0078】
リーク防止部材201について説明する。現像時には、現像スリーブ6上のトナーを感光ドラム101の静電像に供給するため、現像スリーブ6に電圧を印加し、現像スリーブ6のトナーに感光ドラム101の静電像へ向かう静電力を与える。このとき加える電圧が現像スリーブ6と感光ドラム101との距離で決まるリーク開始電圧よりも大きいと、リークが起きてしまい、現像スリーブ6に所望の電圧が印加されない。
【0079】
現像スリーブ6の現像剤担持領域をブラスト加工した場合、ブラスト領域の径は非ブラスト部分よりも小さくなる。従って、現像スリーブと感光ドラムの距離は、ブラスト領域6bよりも非ブラスト領域6cが近くなり、リーク開始電圧が小さくなるため、非ブラスト領域6cはリークしやすい。
【0080】
そこで、非ブラスト領域6cと感光ドラム101の間に絶縁シートを設け、リークを防止する。リーク防止部材201は、スリーブ長手方向においては非ブラスト領域6cに、スリーブ回転方向においては、現像容器2に現像スリーブ6を覆うように配置した。リーク防止部材201は、絶縁性の材料で形成され、厚さは、現像スリーブ6と感光ドラム101の対向間隔に入って非接触を保てる程度である必要がある。実施例2では、リーク防止部材201として100μmのポリエステルのシートを用い、現像スリーブ6の非ブラスト領域6cが現像容器2から外部へ露出する部分の全体を覆った。
【0081】
図13に示すように、実施例2は、現像スリーブ6の回転軸線方向における飛散防止シート200aの先端部を固定することで、飛散防止シート200aの先端部の振動を抑える。これにより、飛散防止シート200aに付着して堆積したトナーが落下することで起きる画像不良を防止する。現像スリーブ6の回転軸線方向における飛散防止シート200aの両端部を現像スリーブ6の回転方向においてリーク防止シート201の感光ドラム側に接着剤300で張り付け、飛散防止シート200aの端部を固定した。飛散防止シート200aとリーク防止シートの201の重複する部分200cを1mm設けて接着剤300で固定した。
【0082】
この構成によって、飛散防止シート200aの端部に堆積するトナーの落下を防止することができる。そして、飛散防止シート200aの端部に隙間がなくなるため、搬送する際に粉煙状になった現像剤の飛散をより改善できる。効果を具体的に検証するために、温度30℃相対湿度50%の環境下で画像比率5%の画像を20万枚連続して出力した。
【0083】
【表2】

【0084】
表2に示すように、図7の比較例では20万枚に200枚あったトナーボタ落ち画像が、図13の実施例2では20万枚に20枚となり1/10に減った。
【0085】
実施例2では、リーク防止シート201を用いたが、剤漏れ防止シートの場合も同様である。剤漏れ防止シートは、現像スリーブ長手方向端部の現像剤担持能力のない非ブラスト領域6cから現像剤が漏れるのを防ぐシートである。剤漏れ防止シートは、リーク防止シート201と同様に、現像スリーブ6の回転軸線方向においては、非ブラスト領域6cに、現像スリーブ6の回転方向においては、現像スリーブ6を覆うように現像容器2に配置する。
【符号の説明】
【0086】
1 現像剤、2 現像容器、3a 現像スクリュー、3b 攪拌スクリュー
4a 現像室、4b 攪拌室、5 層厚規制ブレード、6 現像スリーブ
6m マグネットローラ、8 隔壁
101 感光ドラム、104 現像装置、105 転写ブレード
121 中間転写ベルト、200a 飛散防止シート
200b 飛散防止カバー、201 リーク防止シート、A 現像領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に担持されて現像領域へ搬送される現像剤の層厚を規制する規制部材と、
前記現像領域と前記規制部材との間に先端側を接触させて、前記現像剤担持体に担持されて前記規制部材に層厚を規制された現像剤を覆って配置されたシート部材と、を備える現像装置において、
前記現像剤担持体の回転軸線方向の現像剤担持領域の外側における前記シート部材の先端側の厚み方向の移動を制限する移動制限部材を備え、
前記シート部材の前記現像剤担持領域に位置する部分は、先端側が厚み方向に移動可能であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記移動制限部材は、前記シート部材の根元側を固定して配置され、前記現像剤担持領域の外側に位置する部分が前記シート部材に沿って前記現像剤担持体の接線方向へ突き出したカバー部材であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記カバー部材の前記シート部材に沿って突き出した部分は、前記シート部材に接着されていることを特徴とする請求項2記載の現像装置。
【請求項4】
前記シート部材は、前記現像剤担持体に担持された現像剤にシート面を接触させて配置され、
前記シート部材の接着範囲は、前記現像剤担持体に担持された現像剤と前記シート部材の接触位置よりも前記シート部材の先端側まで達していることを特徴とする請求項3記載の現像装置。
【請求項5】
前記移動制限部材は、前記現像剤担持領域の外側で前記現像領域を含む前記現像剤担持体の周面を円周状に覆って遮蔽する端部カバー部材を兼ね、
前記現像領域と前記規制部材との間で前記シート部材の前記現像剤担持領域の外側に位置する部分が前記端部カバー部材に接着されていることを特徴とする請求項1記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−45058(P2013−45058A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184703(P2011−184703)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】