説明

球状体搭載方法、球状体搭載装置および球状体搭載済基板

【課題】大形の基板に対して半田ボールを過不足なく確実に搭載する。
【解決手段】基板400の搭載対象領域に半田ボール300を搭載する際に、搭載対象領域の全域を複数に分割した分割領域502に搭載する分の半田ボール300を吸着部4に吸着させて吸着部4と基板400とを近接させた状態で吸着を解除して半田ボール300を分割領域502に搭載する搭載処理を実行して、搭載対象領域内における複数の分割領域502の少なくとも一部の分割領域502に半田ボール300を搭載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に球状体を搭載する球状体搭載方法および球状体搭載装置、並びにその球状体搭載方法または球状体搭載装置を用いて製造される球状体搭載済基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の球状体搭載装置として、特開平10−126046号公報に開示されたボールグリッドアレイの製造装置が知られている。この製造装置は、保持台、マスク、ブレード等を備え、基板に形成されているパターン上に球状体としての半田(はんだ)ボールを搭載可能に構成されている。この製造装置を用いて半田ボールの搭載を行う際には、まず、基板を保持台に保持させ、次いで、基板の上にマスクを載置する。続いて、マスクの上部に半田ボールを供給する。次いで、ブレードを水平方向(マスクの表面に沿って)に移動させることにより、マスクに形成された導入孔に半田ボールを1つずつ落とし込むと共に、余分な半田ボールをかき取る。これにより、導入孔に落とし込んだ半田ボールが基板のパターン上に搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−126046号公報(第2−3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記した従来の製造装置には、以下の問題点がある。すなわち、この製造装置では、マスクに形成されている導入孔に半田ボールを落とし込むことによって基板のパターン上に半田ボールを搭載している。この場合、近年の電子部品の微小化に対応してボールグリッドアレイの小形化が進んでおり、これに伴って半田ボールも数μm〜数十μm程度の微小なものが使用されている。このような微少な半田ボールは、静電気や分子間力に起因して半田ボール同士が互いに引き合う力が、半田ボールの重量に対して相対的に大きくなる。このため、マスクを用いる従来の製造装置には、半田ボール同士が互いに付着して、マスクの導入孔に半田ボールを1つずつ落とし込むことが困難となることがある。一方、数多くの基板を製造する際には、一般的に、複数の基板(ピース)を面付けした多面付け基板として製造される。このような多面付け基板は、単一の基板と比較して必然的に大形となるため、多面付け基板に対する半田ボールの搭載に用いるマスクも大形となる。このような大形のマスクでは、高い寸法精度を維持するのが困難なことに加えて、半田ボールの搭載の際の基板とマスクとの位置合わせが困難となるため、マスクの導入孔に半田ボールを1つずつ落とし込むことがさらに困難となる。したがって、従来の製造装置には、特に搭載対象の基板が大形のときに、基板における全てのパターンに半田ボールを過不足なく搭載するのが困難となるという問題点が存在する。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、大形の基板に対して半田ボールを過不足なく確実に搭載し得る球状体搭載方法および球状体搭載装置、並びにその球状体搭載方法または球状体搭載装置を用いて製造される球状体搭載済基板を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の球状体搭載方法は、基板の搭載対象領域に球状体を搭載する球状体搭載方法であって、前記搭載対象領域の全域を複数に分割した分割領域に搭載する分の前記球状体を吸着部に吸着させて当該吸着部と前記基板とを近接させた状態で当該吸着を解除して当該球状体を当該分割領域に搭載する搭載処理を実行して、前記搭載対象領域内における前記複数の分割領域の少なくとも一部の当該分割領域に前記球状体を搭載する。
【0007】
また、請求項2記載の球状体搭載方法は、請求項1記載の球状体搭載方法において、前記基板の前記各分割領域に対して電気的検査を実行し、当該電気的検査において良好と判別された前記分割領域のみに対して前記搭載処理を実行する。
【0008】
また、請求項3記載の球状体搭載方法は、請求項1または2記載の球状体搭載方法において、前記各分割領域の全域にフラックスを塗布した後に前記搭載処理を実行する。
【0009】
また、請求項4記載の球状体搭載方法は、請求項1から3のいずれかに記載の球状体搭載方法において、前記吸着部における予め定められた位置に予め定められた数の前記球状体が吸着されているか否かを検査する吸着状態検査を実行し、当該吸着状態検査において良好と判別されたときに前記搭載処理を実行する。
【0010】
また、請求項5記載の球状体搭載方法は、請求項1から4のいずれかに記載の球状体搭載方法において、前記搭載処理の実行時において、固定した前記基板に対して前記吸着状態の前記吸着部を移動させて当該吸着部と当該基板とを近接させる。
【0011】
また、請求項6記載の球状体搭載方法は、請求項1から4のいずれかに記載の球状体搭載方法において、前記搭載処理の実行時において、固定した前記吸着状態の前記吸着部に対して前記基板を移動させて当該吸着部と当該基板とを近接させる。
【0012】
また、請求項7記載の球状体搭載装置は、基板の搭載対象領域に球状体を搭載する球状体搭載装置であって、前記球状体を吸着する吸着部と、当該吸着部および基板を相対的に移動させる移動機構と、前記吸着部および前記移動機構を制御する制御部とを備え、前記吸着部は、前記搭載対象領域の全域を複数に分割した分割領域に搭載する分の前記球状体を吸着し、前記制御部は、前記吸着部および前記移動機構を制御して、前記球状体を吸着させている前記吸着部と前記基板とを近接させた状態で当該吸着を解除させて当該球状体を前記分割領域に搭載する搭載処理を実行して、前記搭載対象領域内における前記複数の分割領域の少なくとも一部の当該分割領域に前記球状体を搭載する。
【0013】
また、請求項8記載の球状体搭載装置は、請求項7記載の球状体搭載装置において、前記基板の前記各分割領域に対して電気的検査を実行する基板検査部を備え、前記制御部は、前記電気的検査において良好と判別された前記分割領域のみに対して前記搭載処理を実行する。
【0014】
また、請求項9記載の球状体搭載装置は、請求項7または8記載の球状体搭載装置において、前記搭載対象領域にフラックスを塗布する塗布部を備え、前記塗布部は、前記分割領域の全域が含まれる大きさの開口部を有するステンシルを用いて前記分割領域の全域に前記フラックスを塗布する。
【0015】
また、請求項10記載の球状体搭載装置は、請求項7から9のいずれかに記載の球状体搭載装置において、前記吸着部における予め定められた位置に予め定められた数の前記球状体が吸着されているか否かを検査する吸着状態検査を実行する吸着状態検査部を備え、前記制御部は、前記吸着状態検査において良好と判別されたときに前記搭載処理を実行する請求項7から9のいずれかに記載の球状体搭載装置。
【0016】
また、請求項11記載の球状体搭載装置は、請求項7から10のいずれかに記載の球状体搭載装置において、前記基板を固定する基板固定機構を備え、前記移動機構は、前記搭載処理の実行時において、前記基板固定機構によって固定されている前記基板に対して前記吸着状態の前記吸着部を移動させて当該吸着部と当該基板とを近接させる。
【0017】
また、請求項12記載の球状体搭載装置は、請求項7から10のいずれかに記載の球状体搭載装置において、前記吸着部を固定する吸着部固定機構を備え、前記移動機構は、前記搭載処理の実行時において、前記吸着部固定機構によって固定されている前記吸着状態の前記吸着部に対して前記基板を移動させて当該吸着部と当該基板とを近接させる。
【0018】
また、請求項13記載の球状体搭載済基板は、請求項1から6のいずれかに記載の球状体搭載方法によって前記基板に搭載された前記球状体が溶融されて当該基板に固着されている。
【0019】
また、請求項14記載の球状体搭載済基板は、請求項7から12のいずれかに記載の球状体搭載装置によって前記基板に搭載された前記球状体が溶融されて当該基板に固着されている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の球状体搭載方法、および請求項7記載の球状体搭載装置では、基板における搭載対象領域の全域を複数に分割した分割領域に搭載する分の球状体を吸着する吸着部を用いた搭載処理を実行して、搭載対象領域内における複数の分割領域の少なくとも一部の分割領域に球状体を搭載する。つまり、この球状体搭載方法および球状体搭載装置によれば、マスクを用いることなく球状体を搭載することができるため、マスクの導入孔に1つずつ落とし込むのが困難な程に球状体が微細な場合であっても、その微細な球状体を基板に過不足なく確実に搭載することができる。また、この球状体搭載方法および球状体搭載装置では、分割領域に搭載する分の球状体だけ(搭載対象領域の全域に搭載する球状体の一部だけ)を吸着する吸着部を用いている。このため、吸着部を小形に構成できるため、吸着部を高い寸法精度に維持することができる。したがって、この球状体搭載方法および球状体搭載装置によれば、高い寸法精度を維持するのが困難でかつ位置合わせが困難な大形の基板用のマスクを用いる従来の球状体搭載装置とは異なり、基板が大形の場合であっても、その大形の基板に対して球状体を過不足なく確実に搭載することができる。
【0021】
また、請求項2記載の球状体搭載方法、および請求項8記載の球状体搭載装置では、基板の各分割領域に対して電気的検査を実行し、電気的検査において良好と判別された分割領域のみに対して搭載処理を実行する。このため、この球状体搭載方法および球状体搭載装置によれば、電気的検査において不良と判別された分割領域に対する球状体の搭載を確実に防止することができるため、球状体の無駄な消費を十分に低く抑えることができる結果、コストを十分に低減することができる。
【0022】
また、請求項3記載の球状体搭載方法、および請求項9記載の球状体搭載装置では、各分割領域の全域にフラックスを塗布した後に搭載処理を実行する。このため、この球状体搭載方法および球状体搭載装置によれば、小径の開口部が形成されたステンシルを用いて球状体の搭載部位にのみフラックスを塗布する従来の球状体搭載装置とは異なり、分割領域と同じ大きな面積の開口部を有するステンシルを用いてフラックスを塗布することができる。したがって、この球状体搭載方法および球状体搭載装置によれば、分割領域の全域にフラックスをむらなく確実に塗布することができる結果、搭載した球状体を溶融させる処理の際に基板と球状体とを確実に接続(固着して電気的に接続)させることができる。
【0023】
さらに、請求項4記載の球状体搭載方法、および請求項10記載の球状体搭載装置によれば、吸着部における予め定められた位置に予め定められた数の球状体が吸着されているか否かを検査する吸着状態検査を実行し、吸着状態検査において良好と判別されたときに搭載処理を実行することにより、例えば、吸着部に吸着されている球状体に過不足が生じているときには、搭載処理を停止させて吸着処理の再実行を行うことで、基板(分割領域)に搭載される球状体に過不足が生じる事態を防止することができる。このため、この球状体搭載方法および球状体搭載装置によれば、球状体の過不足によってその基板が不良品となる事態を防止することができる結果、これに起因する不良品の発生率を十分に低下させることができる。
【0024】
また、請求項5記載の球状体搭載方法、および請求項11記載の球状体搭載装置によれば、搭載処理の実行時において、固定した基板に対して吸着状態の吸着部を移動させて吸着部と基板とを近接させることにより、例えば、吸着部が基板に比べて小形のときには、吸着部を移動させるための移動機構を小形に構成することができるため、基板を移動させる方法および構成と比較して、球状体搭載装置を全体として小形に構成することができる。
【0025】
また、請求項6記載の球状体搭載方法、および請求項12記載の球状体搭載装置によれば、搭載処理の実行時において、固定した吸着状態の吸着部に対して基板を移動させて吸着部と基板とを近接させることにより、例えば、基板が吸着部に比べて小形のときには、基板を移動させるための移動機構を小形に構成することができるため、吸着部を移動させる方法および構成と比較して、球状体搭載装置を全体として小形に構成することができる。
【0026】
また、請求項13記載の球状体搭載済基板、および請求項14記載の球状体搭載済基板では、上記の球状体搭載方法または球状体搭載装置によって基板に搭載された球状体が溶融されて基板に固着されている。このため、この球状体搭載済基板では、基板における球状体を搭載すべき全ての部位に球状体が過不足なく搭載されているため、それらの全ての部位に半田が過不足なく確実に固着されている。したがって、この球状体搭載済基板によれば、半田の固着部分に電子部品を実装する際に、その電子部品と基板の導体パターンとを確実に接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】半田ボール搭載装置1の構成を示す構成図である。
【図2】基板検査部2の構成を示す構成図である。
【図3】半田ボール300が搭載された基板400の平面図である。
【図4】基板400の構成を示す平面図である。
【図5】吸着部4の構成を示す断面図である。
【図6】分割領域502に対する搭載処理の順序を説明する説明図である。
【図7】基板400の構成を示す断面図である。
【図8】半田ボール300の搭載工程を説明する第1の説明図である。
【図9】半田ボール300の搭載工程を説明する第2の説明図である。
【図10】半田ボール300の搭載工程を説明する第3の説明図である。
【図11】半田ボール300の搭載工程を説明する第4の説明図である。
【図12】半田ボール300の搭載工程を説明する第5の説明図である。
【図13】半田ボール300の搭載工程を説明する第6の説明図である。
【図14】半田ボール300の搭載工程を説明する第7の説明図である。
【図15】半田ボール300の搭載工程を説明する第8の説明図である。
【図16】半田ボール300の搭載工程を説明する第9の説明図である。
【図17】半田搭載済基板600の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、球状体搭載方法、球状体搭載装置および球状体搭載済基板の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0029】
最初に、図1に示す半田ボール(球状体)搭載装置1の構成について説明する。半田ボール搭載装置1は、球状体の一例としての微小な球状粒体である半田ボール(マイクロボール)300(図5参照)を、基板400(図3参照)に搭載可能に構成されている。この場合、半田ボール300は、直径が50μm程度の球状に構成され、半田ボール搭載装置1によって基板400に搭載された後に加熱処理(リフロー処理)がされることにより、基板400上にボールグリッドアレイ(BGA)を構成する。また、基板400は、図3,4に示すように、一例として、複数のピース401を面付け(配列)した多面付け基板であって、半田ボール300によってボールグリッドアレイを構成した後に切断されることにより、各ピース401がそれぞれ製品としての基板となる。また、図7に示すように、各ピース401の一面(同図における上面)における半田ボール300を搭載すべき各部位には、凹部402が狭ピッチ(例えば、半田ボール300の直径の2倍程度のピッチ)で形成されている。なお、以下の説明において、基板400における半田ボール300を搭載すべき全領域(図4に一点鎖線で示す領域)を搭載対象領域501ともいい、各ピース401における半田ボール300を搭載すべき領域(同図に破線で示す領域)を分割領域502(搭載対象領域501の全域を複数に分割した領域)ともいう。
【0030】
一方、半田ボール搭載装置1は、図1に示すように、基板検査部2、塗布部3、吸着部4、移動機構5、吸着状態検査部6、基板固定機構7、搬送機構8および制御部9を備えて構成されている。
【0031】
基板検査部2は、図2に示すように、一例として、電源回路21、電圧検出回路22、電流検出回路23、複数のプローブ24、および検査回路25を備えて、基板400の各ピース401(分割領域502)に対する電気的検査を実行して、各ピース401の良否(具体的には、ピース401に形成されている図外の導体パターンの断線や短絡の有無)を判別する。この場合、電源回路21は、検査用電流Iを出力する。電圧検出回路22は、プローブ24を介して検査対象の導体パターンに検査用電流Iが供給されたときにプローブ24間に生じる電圧Vの電圧値を検出し、電流検出回路23は、供給される検査用電流Iの電流値を検出する。検査回路25は、電圧検出回路22によって検出された電圧Vの電圧値と電流検出回路23によって検出された検査用電流Iの電流値とに基づいて導体パターン(または、導体パターン間)の抵抗値を測定し、その測定値に基づいて導体パターンの断線や短絡の有無、つまり基板400の良否を判別する。
【0032】
塗布部3は、図9に示すように、基板400の各ピース401における分割領域502にフラックスFを塗布する塗布処理を実行する。具体的には、塗布部3は、同図に示すように、ステンシル31、供給機構32およびスキージ33を備えて構成されている。ステンシル31は、図8,9に示すように、基板400の一面に載置された状態において分割領域502に対向する部分に、分割領域502と同じ形状で同じ大きさの開口部31aが形成され、基板400における分割領域502を除く部分を覆う(遮蔽する)ように構成されている。
【0033】
この場合、マスクを用いて半田ボール300を搭載する従来の半田ボール搭載装置(従来の製造装置)では、マスクに対するフラックスFの付着を防止するために、基板400の凹部402(半田ボール300が搭載される部位)にのみフラックスFを塗布する必要がある。このため、従来の半田ボール搭載装置で用いられるステンシルには、凹部402のピッチと同じ狭ピッチで小径の開口部(孔)を形成する必要があり、ステンシルの製作が困難であることに加えて、ステンシルの各開口部と各凹部402とが一致するように位置合わせするのが困難となるという不都合が生じている。これに対して、この半田ボール搭載装置1では、半田ボール300の搭載にマスクを用いないため、分割領域502と同じ比較的大きな面積の開口部31aを有するステンシル31を用いて分割領域502の全域にフラックスFを塗布しても問題が生じることがない。このため、この半田ボール搭載装置1では、ステンシル31の製作が容易で、かつ、ステンシル31と基板400との位置合わせを容易に行うことが可能となっている。
【0034】
また、従来の半田ボール搭載装置では、ステンシルの開口部が小径なため、フラックスFの塗布むら(塗布されない部位)が生じるおそれがある。これに対して、この半田ボール搭載装置1では、開口部31aが分割領域502と同じ比較的大きな面積であるため、分割領域502の全域にフラックスFが確実に塗布される結果、リフロー処理の際に基板400と半田ボール300とが確実に接続(固着して電気的に接続)される。
【0035】
供給機構32は、基板400の一面に載置されたステンシル31における開口部31aから基板400における分割領域502の表面にフラックスFを供給する。スキージ33は、図外の駆動機構によってステンシル31の表面(同図における上面)に沿って移動させられることにより、基板400における分割領域502の表面に供給されたフラックスFを引き伸ばす。
【0036】
吸着部4は、図5に示すように、一例として、内部に空隙41が形成された箱状に構成されると共に、吸着面(同図における下面)に開口する複数の吸気孔42が形成されている。また、吸着部4は、空隙41内が排気口43からの排気によって負圧状態となることにより、図外の半田ボール供給部によって供給されると共に整列用プレート44によって整列された半田ボール300を吸気孔42の縁部に吸着する吸着処理を実行する。
【0037】
この場合、吸着部4の吸着面は、基板400における1つのピース401の分割領域502とほぼ同じ形状で、かつほぼ同じ面積に形成されている。また、吸着面に形成されている吸気孔42の数および配列ピッチは、1つのピース401の分割領域502に形成されている凹部402と同数で同ピッチに規定されている。つまり、吸着部4は、1つの分割領域502に搭載する分の半田ボール300だけを吸着するように構成されている。
【0038】
移動機構5は、制御部9の制御に従い、吸着部4によって吸着処理が行われる吸着位置、吸着状態検査部6によって吸着状態検査が行われる検査位置、および半田ボール300を搭載する搭載位置において基板固定機構7によって固定されている基板400の上面(具体的には各分割領域502の上面)の間で吸着部4を移動させる移動処理を実行する。この場合、移動機構5は、一例として、吸着部4をX−Y方向に移動させるX−Y移動機構と、吸着部4をZ方向に移動させる上下移動機構とを備えて構成されている。
【0039】
吸着状態検査部6は、例えばカメラを備えて構成され、吸着部4における全ての吸気孔42の縁部に半田ボール300が1つずつ吸着されているか否か、つまり予め定められた位置(この例では、凹部402)に予め定められた数の半田ボール300が吸着されているか否かをカメラによる画像に基づいて判別する吸着状態検査を実行する。基板固定機構7は、基板検査部2による電気的検査および塗布部3による塗布処理が終了して、搬送機構8によって搬送された基板400を例えば吸着して搭載位置に固定する。
【0040】
搬送機構8は、基板検査部2、塗布部3および基板固定機構7の間で基板400を搬送する搬送処理を実行する。制御部9は、各種の処理を実行して、基板検査部2、塗布部3、吸着部4、移動機構5、吸着状態検査部6、基板固定機構7および搬送機構8の動作を制御する。また、制御部9は、吸着部4および移動機構5を制御して、半田ボール300を吸着させた状態(吸着状態)の吸着部4と基板400とを近接させて吸着状態を解除させて半田ボール300を分割領域502に搭載する搭載処理を、搭載対象領域501内における各分割領域502のうちの少なくとも一部(1つ以上の分割領域502)に対して実行する。この場合、制御部9は、搭載対象領域501内における複数の分割領域502に対して搭載処理を実行する(つまり、搭載処理を複数回実行する)ときには、各分割領域502に対して予め定められた順序で搭載処理を実行する。
【0041】
次に、半田ボール搭載装置1を用いて半田ボール300を基板400に搭載する方法(球状体搭載方法)、およびその際の半田ボール搭載装置1の動作について、図面を参照して説明する。
【0042】
この半田ボール搭載装置1では、処理開始が指示されたときに、制御部9が、基板検査部2、塗布部3、吸着部4、移動機構5、吸着状態検査部6、基板固定機構7および搬送機構8に対して各処理の実行を指示する。これに応じて、基板検査部2が電気的検査を実行する。
【0043】
この電気的検査では、基板検査部2は、図2に示すように、電源回路21によって出力された検査用電流Iをプローブ24を介して基板400のピース401における導体パターン(図示せず)に供給する。次いで、基板検査部2の電圧検出回路22が検査用電流Iの供給によってプローブ24間に生じる電圧Vの電圧値を検出し、基板検査部2の電流検出回路23が検査用電流Iの電流値を検出する。続いて、基板検査部2の検査回路25が、電圧Vの電圧値と検査用電流Iの電流値とに基づいて導体パターン(または、導体パターン間)の抵抗値を測定し、その測定値に基づいて導体パターンの断線や短絡の有無を判別する。この場合、検査回路25は、断線や短絡が存在していないときには、そのピース401を良品と判別し、断線や短絡が存在しているときには、そのピース401を不良品と判別する。次いで、基板検査部2は、基板400における他の全てのピース401に対して同様の電気的検査を実行する。
【0044】
続いて、搬送機構8が、制御部9の指示に従って搬送処理を実行する。この搬送処理では、搬送機構8は、全てのピース401に対する電気的検査が終了した基板400を塗布部3に搬送する。この場合、搬送機構8は、基板検査部2による電気的検査において1以上のピース401が良品と判別された基板400だけを塗布部3に搬送し、電気的検査において全てのピース401が不良と判別された基板400を所定の保管場所に搬送する。
【0045】
次いで、塗布部3が制御部9の指示に従って塗布処理を実行する。この塗布処理では、塗布部3は、図8,9に示すように、図外の駆動機構を作動させてステンシル31を基板400の上面に載置させる。この際に、基板400の各ピース401における分割領域502がステンシル31の開口部31aに対向して露出し、基板400における分割領域502を除く部分がステンシル31によって覆われる(遮蔽される)。続いて、図9に示すように、塗布部3の供給機構32が基板400における分割領域502(つまり、露出部分)にフラックスFを供給する。次いで、塗布部3は、駆動機構を作動させてスキージ33をステンシル31の表面(同図における上面)に沿って移動させる。これにより、基板400における分割領域502の全域にフラックスFが引き伸ばされて塗布される。続いて、塗布部3は、図10に示すように、駆動機構を作動させてステンシル31を基板400の上面から離反させる。以上により、塗布処理が完了する。
【0046】
次いで、搬送機構8は、制御部9の指示に従って搬送処理を実行することにより、塗布部3による塗布処理が終了した基板400を基板固定機構7に搬送する。続いて、基板固定機構7が、搬送された基板400を吸着して固定する。
【0047】
次いで、制御部9は、搭載処理を実行する。この搭載処理では、制御部9は、移動機構5に対して移動処理の実行を指示する。これに従い、移動機構5が、吸着部4を吸着位置に移動させる。続いて、制御部9は、吸着部4に対して吸着処理の実行を指示する。これに従い、吸着部4が、図外の半田ボール供給部を駆動させて吸着部4の吸着面に対して半田ボール300を供給させる。この際に、供給された半田ボール300が、整列用プレート44によって整列され、図5に示すように、吸着部4における吸気孔42の縁部に吸着される。
【0048】
次いで、制御部9は、移動機構5に対して移動処理の実行を指示し、これに従い、移動機構5が、半田ボール300を吸着している状態(吸着状態)の吸着部4を吸着状態検査部6の配設位置に移動させる。続いて、制御部9は、吸着状態検査部6に対して吸着状態検査の実行を指示する。これに従い、吸着状態検査部6が、吸着部4の吸着面を図外のカメラで撮像し、その画像に基づいて吸着部4における全ての吸気孔42の縁部に半田ボール300が1つずつ吸着されているか否かを判別する。
【0049】
次いで、制御部9は、移動機構5に対して移動処理の実行を指示する。この場合、制御部9は、上記の吸着状態検査において、吸着部4における全ての吸気孔42の縁部に半田ボール300が1つずつ吸着されていない(半田ボール300の過不足生じている)旨が吸着状態検査部6によって判別されたときには、移動機構5に対して吸着部4を吸着位置に移動させると共に、吸着部4に対して吸着処理を再実行させる。
【0050】
ここで、例えば、吸着部4に吸着されている半田ボール300に過不足が生じているにも拘わらずそのまま搭載処理が継続される構成では、ピース401の分割領域502に搭載される半田ボール300に過不足が生じることとなり、この際には、ピース401が不良品として取り扱われることとなる。これに対して、この半田ボール搭載装置1では、上記したように、吸着状態検査の結果に応じて吸着処理の再実行が行われるため、不良品の発生率を低下させることが可能となっている。
【0051】
一方、上記の吸着状態検査において、吸着部4における全ての吸気孔42の縁部に半田ボール300が1つずつ吸着されている(半田ボール300の過不足生じていない)旨が吸着状態検査部6によって判別されたときには、制御部9は、移動機構5に対して移動処理の実行を指示して、図11に示すように、基板固定機構7によって固定されている基板400における1つの分割領域502の上部に吸着部4を移動させる。続いて、制御部9は、図12に示すように、移動機構5に対して、基板400に塗布されているフラックスFに半田ボール300が接触するように吸着部4を下降させる(吸着部4と基板400とを近接させる)。次いで、制御部9は、吸着部4に対して、半田ボール300の吸着を解除させ、続いて、図13に示すように、移動機構5に対して、吸着部4を上昇させる。これにより、基板400における1つの分割領域502内の各凹部402上(凹部402に塗布されたフラックスF上)に半田ボール300がそれぞれ搭載されて、1回目の搭載処理が終了する。
【0052】
次いで、制御部9は、図14〜図16に示すように、上記した搭載処理を繰り返して実行することにより、基板400の各分割領域502における各凹部402上に半田ボール300を搭載する。この場合、制御部9は、一例として、図6に示すように、右上に位置するピース401(同図における(1)の番号が付されたピース401)の分割領域502を最初の搭載対象として、次いで、同図に示す矢印の順序(同図に示す番号(2)〜(20)の順序)で搭載対象の分割領域502を変更して搭載処理を繰り返して実行する。また、制御部9は、基板検査部2によって実行された電気的検査の結果、不良と判別されたピース401が存在するときには、そのピース401の分割領域502に対する半田ボール300の搭載を省略して(その分割領域502を搭載対象から除外して)搭載処理を実行する。
【0053】
この半田ボール搭載装置1では、このようにして、マスクを用いることなく半田ボール300を吸着する吸着部4を用いて半田ボール300を搭載しているため、マスクの導入孔に1つずつ落とし込むのが困難な程に半田ボール300が微細な場合であっても、その微細な半田ボール300を過不足なく確実に搭載することが可能となっている。また、この半田ボール搭載装置1では、搭載処理を複数回実行することによって基板400の搭載対象領域501に半田ボール300を搭載している。つまり、この半田ボール搭載装置1では、高い寸法精度を維持するのが困難で、かつ基板400との位置合わせが困難な大形の基板用のマスクを用いることなく基板400に半田ボール300を搭載することが可能となっている。このため、この半田ボール搭載装置1では、基板400が大形の多面付け基板の場合であっても、その基板400に半田ボール300を過不足なく確実に搭載することが可能となっている。
【0054】
また、この半田ボール搭載装置1では、電気的検査において不良と判別されたピース401の分割領域502に対する半田ボール300の搭載を省略するため、半田ボール300の無駄な消費が抑えられる結果、コストを十分に低減することが可能となっている。
【0055】
続いて、各分割領域502に対する半田ボール300の搭載が完了したときには、制御部9は、基板固定機構7に対して基板400の固定を解除させる。次いで、半田ボール300の搭載が完了した基板400は、図外の取り出し装置によって取り出されて、次の工程(例えば、各分割領域502に半田ボール300が過不足なく搭載されているか否かの検査工程や、基板400に対するリフロー処理)が行われる位置に搬送される。続いて、基板検査部2、塗布部3、吸着部4、移動機構5、吸着状態検査部6、基板固定機構7および搬送機構8が制御部9の指示に従って上記した検査や処理を繰り返して実行することにより、他の基板400における各分割領域502に対する半田ボール300の搭載が連続して行われる。
【0056】
続いて、各分割領域502に対する半田ボール300の搭載が完了したときには、制御部9は、基板固定機構7に対して基板400の固定を解除させる。次いで、半田ボール300の搭載が完了した基板400は、図外の取り出し装置によって取り出されて、各分割領域502に半田ボール300が過不足なく搭載されているか否かの搭載状態検査が行われる搭載状態検査位置に搬送される。続いて、基板検査部2、塗布部3、吸着部4、移動機構5、吸着状態検査部6、基板固定機構7および搬送機構8が制御部9の指示に従って上記した検査や処理を繰り返して実行することにより、他の基板400における各分割領域502に対する半田ボール300の搭載が連続して行われる。
【0057】
一方、搭載状態検査位置に搬送された基板400に対して、図外の搭載状態検査装置によって搭載状態検査が行われる。この場合、搭載状態検査において不良と判別された基板400は、不良品のストック場所に搬送される。また、搭載状態検査において良好と判別された基板400は、図外のリフロー処理装置に搬送され、リフロー処理装置によってリフロー処理が行われることにより、図17に示すように、基板400に搭載された各半田ボール300が溶融されて半球状(同図に示す半田301)となった状態で、基板400の各凹部402に固着する。以上により、同図に示すように、半田搭載済基板(球状体搭載済基板)600が完成する。次いで、半田搭載済基板600は、図外の切断装置に搬送され、切断装置によって各ピース401に切断される。
【0058】
このように、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1では、基板400における搭載対象領域501の全域を複数に分割した分割領域502に搭載する分の半田ボール300を吸着する吸着部4を用いた搭載処理を実行して、搭載対象領域501内における各分割領域502の少なくとも一部の分割領域502に半田ボール300を搭載する。つまり、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1によれば、マスクを用いることなく半田ボール300を搭載することができるため、マスクの導入孔に1つずつ落とし込むのが困難な程に半田ボール300が微細な場合であっても、その微細な半田ボール300を基板400に過不足なく確実に搭載することができる。また、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1では、分割領域502に搭載する分の半田ボール300だけ(搭載対象領域501の全域に搭載する半田ボール300の一部だけ)を吸着する吸着部4を用いている。このため、吸着部4を小形に構成できるため、吸着部4を高い寸法精度に維持することができる。したがって、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1によれば、高い寸法精度を維持するのが困難でかつ位置合わせが困難な大形の基板用のマスクを用いる従来の半田ボール搭載装置とは異なり、基板400が大形の場合であっても、その大形の基板400に対して半田ボール300を過不足なく確実に搭載することができる。
【0059】
また、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1では、基板400の各分割領域502に対して電気的検査を実行し、電気的検査において良好と判別された分割領域502のみに対して搭載処理を実行する。このため、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1によれば、電気的検査において不良と判別された分割領域502に対する半田ボール300の搭載を確実に防止することができるため、半田ボール300の無駄な消費を十分に低く抑えることができる結果、コストを十分に低減することができる。
【0060】
また、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1では、分割領域502の全域にフラックスFを塗布した後に搭載処理を実行する。このため、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1によれば、小径の開口部が形成されたステンシルを用いて半田ボール300の搭載部位にのみフラックスFを塗布する従来の半田ボール搭載装置とは異なり、分割領域502と同じ大きな面積の開口部31aを有するステンシル31を用いてフラックスFを塗布することができる。したがって、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1によれば、分割領域502の全域にフラックスFをむらなく確実に塗布することができる結果、リフロー処理の際に基板400と半田ボール300とを確実に接続(固着して電気的に接続)させることができる。
【0061】
さらに、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1によれば、吸着部4の各吸気孔42の縁部に半田ボール300が1つずつ吸着されているか否かを検査する吸着状態検査を実行し、吸着状態検査において良好と判別されたときに搭載処理を実行することにより、例えば、吸着部4に吸着されている半田ボール300に過不足が生じているときには、搭載処理を停止させて吸着処理の再実行を行うことで、基板400におけるピース401の分割領域502に搭載される半田ボール300に過不足が生じる事態を防止することができる。このため、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1によれば、半田ボール300の過不足によってそのピース401が不良品となる事態を防止することができる結果、これに起因する不良品の発生率を十分に低下させることができる。
【0062】
また、この球状体搭載方法および半田ボール搭載装置1によれば、固定した基板400に対して吸着部4を移動させて基板400と基板400とを近接させることにより、例えば、吸着部4が搭載対象の基板400に比べて小形のときには、吸着部4を移動させるための移動機構5を小形に構成することができるため、半田ボール搭載装置1を全体として小形に構成することができる。
【0063】
また、この半田搭載済基板600では、上記の球状体搭載方法(半田ボール搭載装置1)によって基板400に搭載された半田ボール300が溶融されて基板400に固着されている。このため、この半田搭載済基板600では、半田ボール300が基板400に過不足なく搭載されているため、全ての凹部402に半田301が過不足なく確実に固着されている。したがって、この半田搭載済基板600によれば、半田301の固着部分に電子部品を実装する際に、その電子部品と基板の導体パターンとを確実に接続させることができる。
【0064】
なお、多面付けの基板400に対して半田ボール300を搭載する例について上記したが、通常の(多面付けではない単一の)基板に対しても、半田ボール搭載装置1を用いて半田ボール300を搭載することができる。この場合、この通常の基板における半田ボール300の搭載対象の全領域を搭載対象領域501として、その搭載対象領域501を複数に分割した領域を分割領域502とし、1つの分割領域502に搭載する分の半田ボール300だけを吸着可能に吸着部4を構成することで、上記した各効果と同様の効果を実現することができる。
【0065】
また、吸着部4をX−Y方向に移動させるX−Y移動機構と、吸着部4をZ方向に移動させる上下移動機構とを備えて移動機構5を構成した例について上記したが、例えば、X−Y方向に吸着部4を平行移動および回動させると共に、Z方向に吸着部4を移動可能なロボットアームを備えて移動機構5を構成することもできる。
【0066】
また、搭載処理の実行時において、基板400を固定し、その固定した基板400に対して吸着部4を移動させて、基板400と吸着部4とを近接させる例について上記したが、これとは逆に、吸着部4を固定し、この固定した吸着部4に対して基板400を移動させて、吸着部4と基板400とを近接させる方法および構成を採用することもできる。この方法および構成によれば、例えば、搭載対象の基板400が吸着部4に比べて小形のときには、基板400を移動させるための移動機構を小形に構成することができるため、半田ボール搭載装置1を全体として小形に構成することができる。
【0067】
さらに、基板400および吸着部4の双方を移動させて両者を近接させる方法および構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0068】
1 半田ボール搭載装置
2 基板検査部
3 塗布部
4 吸着部
5 移動機構
6 吸着状態検査部
7 基板固定機構
9 制御部
31 ステンシル
31a 開口部
300 半田ボール
400 基板
401 ピース
501 搭載対象領域
502 分割領域
F フラックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の搭載対象領域に球状体を搭載する球状体搭載方法であって、
前記搭載対象領域の全域を複数に分割した分割領域に搭載する分の前記球状体を吸着部に吸着させて当該吸着部と前記基板とを近接させた状態で当該吸着を解除して当該球状体を当該分割領域に搭載する搭載処理を実行して、前記搭載対象領域内における前記複数の分割領域の少なくとも一部の当該分割領域に前記球状体を搭載する球状体搭載方法。
【請求項2】
前記基板の前記各分割領域に対して電気的検査を実行し、当該電気的検査において良好と判別された前記分割領域のみに対して前記搭載処理を実行する請求項1記載の球状体搭載方法。
【請求項3】
前記各分割領域の全域にフラックスを塗布した後に前記搭載処理を実行する請求項1または2記載の球状体搭載方法。
【請求項4】
前記吸着部における予め定められた位置に予め定められた数の前記球状体が吸着されているか否かを検査する吸着状態検査を実行し、当該吸着状態検査において良好と判別されたときに前記搭載処理を実行する請求項1から3のいずれかに記載の球状体搭載方法。
【請求項5】
前記搭載処理の実行時において、固定した前記基板に対して前記吸着状態の前記吸着部を移動させて当該吸着部と当該基板とを近接させる請求項1から4のいずれかに記載の球状体搭載方法。
【請求項6】
前記搭載処理の実行時において、固定した前記吸着状態の前記吸着部に対して前記基板を移動させて当該吸着部と当該基板とを近接させる請求項1から4のいずれかに記載の球状体搭載方法。
【請求項7】
基板の搭載対象領域に球状体を搭載する球状体搭載装置であって、
前記球状体を吸着する吸着部と、当該吸着部および基板を相対的に移動させる移動機構と、前記吸着部および前記移動機構を制御する制御部とを備え、
前記吸着部は、前記搭載対象領域の全域を複数に分割した分割領域に搭載する分の前記球状体を吸着し、
前記制御部は、前記吸着部および前記移動機構を制御して、前記球状体を吸着させている前記吸着部と前記基板とを近接させた状態で当該吸着を解除させて当該球状体を前記分割領域に搭載する搭載処理を実行して、前記搭載対象領域内における前記複数の分割領域の少なくとも一部の当該分割領域に前記球状体を搭載する球状体搭載装置。
【請求項8】
前記基板の前記各分割領域に対して電気的検査を実行する基板検査部を備え、
前記制御部は、前記電気的検査において良好と判別された前記分割領域のみに対して前記搭載処理を実行する請求項7記載の球状体搭載装置。
【請求項9】
前記搭載対象領域にフラックスを塗布する塗布部を備え、
前記塗布部は、前記分割領域の全域が含まれる大きさの開口部を有するステンシルを用いて前記分割領域の全域に前記フラックスを塗布する請求項7または8記載の球状体搭載装置。
【請求項10】
前記吸着部における予め定められた位置に予め定められた数の前記球状体が吸着されているか否かを検査する吸着状態検査を実行する吸着状態検査部を備え、
前記制御部は、前記吸着状態検査において良好と判別されたときに前記搭載処理を実行する請求項7から9のいずれかに記載の球状体搭載装置。
【請求項11】
前記基板を固定する基板固定機構を備え、
前記移動機構は、前記搭載処理の実行時において、前記基板固定機構によって固定されている前記基板に対して前記吸着状態の前記吸着部を移動させて当該吸着部と当該基板とを近接させる請求項7から10のいずれかに記載の球状体搭載装置。
【請求項12】
前記吸着部を固定する吸着部固定機構を備え、
前記移動機構は、前記搭載処理の実行時において、前記吸着部固定機構によって固定されている前記吸着状態の前記吸着部に対して前記基板を移動させて当該吸着部と当該基板とを近接させる請求項7から10のいずれかに記載の球状体搭載装置。
【請求項13】
請求項1から6のいずれかに記載の球状体搭載方法によって前記基板に搭載された前記球状体を溶融して当該基板に固着させた球状体搭載済基板。
【請求項14】
請求項7から12のいずれかに記載の球状体搭載装置によって前記基板に搭載された前記球状体を溶融して当該基板に固着させた球状体搭載済基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−119494(P2011−119494A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276170(P2009−276170)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】