説明

生ごみ処理装置

【課題】流し台にビルトインしても悪臭漏れが少ない生ごみ処理装置を提供する。
【解決手段】生ごみ処理容器21と、生ごみ処理容器21に連通する生ごみ投入通路27と、生ごみ投入通路の投入口28を開閉し生ごみを投入するための投入蓋31と、生ごみ処理容器21を収納する収納部26と、生ごみを加熱するための加熱手段34と、生ごみから発生した蒸気や臭気成分を取り除く凝縮脱臭手段35と、生ごみ処理容器21と凝縮脱臭手段35との間で空気を循環させる往き循環路44及び戻り循環路45と、往き循環路44及び戻り循環路45に空気の循環流を形成する循環手段47とを備え、収納部26は流し台内のシンク25下方に設けられ、天板から収納部26に達する生ごみ投入通路27の距離がシンク25の深さより長くなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流し台に内蔵した生ごみ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の生ごみ処理装置は一般家庭等の流し台で発生する生ごみを乾燥させて減量処理するもので、流し台に内蔵して使われている(例えば、特許文献1参照)。図5はこの特許文献1に記載された従来の生ごみ処理装置を示すものである。
【0003】
この生ごみ処理装置は、本体1に配置させた生ごみ処理容器2内の生ごみを温風で加熱する加熱ヒータ3及び送風ファン4と、生ごみの撹拌手段5、生ごみ処理容器2を着脱するために、開閉自在の蓋6及びパッキン7が設けられている。排出ファン8は生ごみの乾燥減量時に発生する蒸気や臭気成分等の排気を本体1外に出するためのものであり、生ごみ処理容器2の上方にその排気の出口9、排出経路10及び排気中の臭気成分を除去できる触媒脱臭装置11を介して本体1外部に排出するようになっている。
【0004】
また、触媒脱臭装置11には、通過する排気の臭気を酸化反応により脱臭するために、白金等の物質を担持させたプレートと、そのプレートを加熱する電気ヒータとが配備されている。また、吸気口12は生ごみ処理容器2内へ外気を導入するものである。この本体1は流し台13に収納した収納部14内にスライドレール15等により引き出せる構成となっている。また、前面パネル16は本体1の前面に位置し、収納時に外観部となり、その一部に給気口17が設けられている。また、収納部14には給排気手段18が設けられ、収納部14から屋外に通じる排気通路19が設けられている。
【0005】
以上のように構成された生ごみ処理装置の動作を説明する。
【0006】
上記構成の生ごみ処理装置は、生ごみ処理容器2内の生ごみは、加熱ヒータ3と送風ファン4により加熱され、同時に撹拌手段5により撹拌・粉砕されながら乾燥される。生ごみの乾燥工程において発生する蒸気や臭気成分は、排出ファン8により吸引され排出経路10を通り、生ごみ処理容器2から触媒脱臭装置11へ送られる。
【0007】
触媒脱臭装置11では、触媒反応により排気中の臭気成分が脱臭され本体1外に排出される。このとき、同時に生ごみ処理容器2内が減圧されるため、外部より吸気口12を通って外気が導入されるようになっている。本体1外に排出された排気は、給排気手段18により排気通路19を通り屋外に排出している。以上のように、触媒脱臭装置11により脱臭して外部に排出するため臭気はほとんど感じられず、外気と混合して給排気手段18で排気することで十分である。
【特許文献1】特許第4126983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の生ごみ処理装置では、生ごみを投入しょうとする時、本体1を引き出して蓋6を開ける必要があり、さらにまな板などから生ごみを投入する際に生ごみが床などに散らばってしまう危険性がある。特に、乾燥処理中に蓋6を開けると、生ごみ処理容器2に充満している臭気成分を含んだ蒸気が一気に拡散し、室内に臭気が広まってしまうという課題を有していた。なお、収納部14に設けられた給排気手段18では、本体1が引き出されているため、ほとんど効果がない。
【0009】
他方、室内の換気が悪い場合、臭気をほとんど感じない臭気成分量でも徐々に室内に蓄積して臭気を感じるという課題を有していた。また、加熱ヒータ3や触媒脱臭装置11の発熱により温度上昇し、生ごみから発生した蒸気を含んだ排気が給排気手段18により排気通路19を通り屋外に排出するので、室内の温度や湿度が上昇してしまうという課題を有していた。
【0010】
本発明は上記課題を解決するもので、生ごみを簡単に投入でき、乾燥処理中に生ごみを投入しても室内に臭気が拡散しない生ごみ乾燥処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来の課題を解決するために、本発明の生ごみ処理装置は、天板にシンクが設けられた流し台の内部に収納される生ごみ処理装置であって、生ごみを収容する生ごみ処理容器と、真下に設けられた前記生ごみ処理容器に連通する生ごみ投入通路と、前記生ごみ投入通路の投入口を開閉し前記生ごみを投入するための投入蓋と、前記生ごみ処理容器を引き出し自在に収納する収納部と、前記生ごみを加熱するための加熱手段と、前記生ごみから発生した蒸気や臭気成分を取り除く凝縮脱臭手段と、前記生ごみ処理容器と前記凝縮脱臭手段との間で空気を循環させる往き循環路及び戻り循環路と、前記往き循環路及び前記戻り循環路に空気の循環流を形成する循環手段とを備え、前記収納部は前記流し台内のシンク下方に設けられ、前記天板から前記収納部に達する前記投入通路の距離が前記シンクの深さより長くなっている。
【0012】
そして、投入蓋を開けるだけで、生ごみは簡単にシンク側の投入口に投入できる。すなわち、従来のように生ごみ処理容器を引き出してから投入蓋を開ける必要はない。また、生ごみ処理容器と投入口との間にはシンクの深さよりも長い生ごみ投入通路が存在するので、生ごみを投入する短い時間だけ投入蓋を開放するのであれば、生ごみから発生する臭気成分はほとんど投入口まで上昇できない、また時間を要する。この結果、乾燥処理中に生ごみを投入しても室内に臭気が拡散することはない。
【0013】
そして、投入口に投入された生ごみは生ごみ投入通路を通過して生ごみ処理容器に貯められる。その後、再び投入蓋を閉めると、循環手段が駆動して循環流を形成する。同時に、加熱手段が生ごみを加熱し、発生した蒸気を含む空気は往き循環路を通り凝縮脱臭手段により蒸気や臭気成分を取り除かれる。この結果、室内の温度や湿度が上昇してしまうことがない。続いて、蒸気や臭気成分を取り除かれた空気は戻り循環路を通り生ごみ処理容器に戻り、外へ漏れることはない。この動作により生ごみは乾燥される。他方、室内の温度や湿度が上昇しない。乾燥した生ごみは生ごみ処理容器を引き出し、廃棄する。
【0014】
他方、投入口はシンクを内側に凹ませて開口しているので、生ごみ処理容器を収容する収納部は流し台のシンク下方に設けることができる。この結果、狭いシンクの下方を有効に利用できる。また、生ごみはシンクの周囲で処理(投入口に投入)できるという効果がある。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、生ごみを簡単に投入でき、乾燥処理中に生ごみを投入しても室内に臭気が拡散しない生ごみ処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
第1の発明は、天板にシンクが設けられた流し台の内部に収納される生ごみ処理装置であって、生ごみを収容する生ごみ処理容器と、真下に設けられた前記生ごみ処理容器に連通する生ごみ投入通路と、前記生ごみ投入通路の投入口を開閉し前記生ごみを投入するための投入蓋と、前記生ごみ処理容器を引き出し自在に収納する収納部と、前記生ごみを加
熱するための加熱手段と、前記生ごみから発生した蒸気や臭気成分を取り除く凝縮脱臭手段と、前記生ごみ処理容器と前記凝縮脱臭手段との間で空気を循環させる往き循環路及び戻り循環路と、前記往き循環路及び前記戻り循環路に空気の循環流を形成する循環手段とを備え、前記収納部は前記流し台内のシンク下方に設けられ、前記天板から前記収納部に達する前記投入通路の距離が前記シンクの深さより長くなっている生ごみ処理装置である。
【0017】
そして、投入蓋を開ける動作だけで、調理により発生した生ごみは流し台の天板に置かれているまな板などから略水平移動し簡単にシンク側の投入口に投入できる。すなわち、従来のように生ごみ処理容器を引き出してから投入蓋を開ける手間は必要ない。
【0018】
加えて、生ごみ処理容器内の生ごみと投入口との間にはシンクの深さよりも長い生ごみ投入通路が存在するので、生ごみを投入する短い時間だけ投入蓋を開放するのであれば、生ごみから発生する臭気成分はほとんど投入口まで上昇できない、また時間を要する。この結果、乾燥処理中に投入蓋を開け投入口に生ごみを投入しても室内に臭気が拡散することはない。
【0019】
そして、投入口に投入された生ごみは生ごみ投入通路を通過して生ごみ処理容器に貯められる。その後、再び投入蓋を閉めると、循環手段が駆動して空気の循環流を形成する。次に、加熱手段が生ごみを加熱し、発生した蒸気を含む空気は往き循環路を通り凝縮脱臭手段により蒸気、臭気成分及び熱を取り除かれる。続いて、蒸気や臭気成分を取り除かれた空気は戻り循環路を通り生ごみ処理容器に戻り、外へ漏れることはない。この動作により生ごみは乾燥される。他方、室内の温度や湿度が上昇しない。乾燥した生ごみは生ごみ処理容器を引き出して廃棄することができる。
【0020】
また、投入口とシンク底面とは高低差があるので、生ごみ投入時にシンクの水が飛び散り投入口に誤って入ることを防止でき、さらに投入蓋や投入口周辺を掃除し易いという効果がある。さらに、生ごみ片が投入口に入らずにこぼれてもシンクに落ちるだけなので、再びまとめて簡単に投入口に投入できる。すなわち、室内の床を汚すことがない。
【0021】
他方、投入口はシンクを内側に凹ませて開口しているので、生ごみ処理容器を収容する収納部は流し台のシンク下方に設けることができる。この結果、狭いシンクの下方空間を有効に利用できる。また、生ごみはシンクの周囲で処理(投入口に投入)できるという効果がある。
【0022】
第2の発明は、特に、第1の発明の循環手段は開閉蓋の開動作に応じて動作を停止するので、生ごみから発する水蒸気や悪臭は、生ごみを投入する短い時間だけ投入蓋を開放するのであれば、ほとんど投入口まで上昇できないため、悪臭を流し台の周辺に殆ど拡散しない。
【0023】
第3の発明は、特に、第1の発明の収容部に取り付けられた往き循環路の蒸気入口と戻り循環路の噴出口は、互いに離され生ごみ処理容器に臨むように設けられているので、噴出口から蒸気入口への流れは生ごみ処理容器全体を通り生ごみから発生した蒸気を効率よく搬送できるので、乾燥時間が短縮でき、熱効率向上が図れる。
【0024】
第4の発明は、特に、第3の発明の往き循環路の蒸気入口は生ごみ投入通路の傍に設けられ、循環手段は開閉蓋の開閉動作と無関係に動作するので、生ごみ投入通路近傍の蒸気や悪臭は常に蒸気入口で吸引される。そのため、生ごみを投入するために投入蓋を開いても、蒸気や悪臭が生ごみ投入通路から拡散する心配が殆どない。
【0025】
第5の発明は、特に、第1から第4のいずれか1つの発明の生ごみ投入通路は内側に挿脱自在な内通路を設けているので、投入された生ごみによって内通路が汚れても、汚れた内通路を取り外して水洗いなどの清掃が容易に行うことができるので、衛生的な状態を維持することが容易である。
【0026】
第6の発明は、特に、第1から第5のいずれか1つの発明の投入蓋のヒンジは、投入口におけるワークトップ部側の一辺に設けられているので、投入蓋はヒンジを中心に回転して開くと、流し台の天板に置かれるから、投入蓋はシンクを使用するのに邪魔にならない。さらに、開いた投入蓋は流し台の天板に支えられるので、調理人が誤って上から力を加えても壊れ難い。
【0027】
第7の発明は、特に、第1から第5のいずれか1つの発明の投入口は、投入口は、シンクの手前側角部に開口されているので、調理人の眼下に投入口が見えるので、生ごみを投入口へ投入し易くなる。また、通常カランがシンクの奥に設置されるので、誤ってカランから放出した水道水が直接投入口に入ることを防止できる。
【0028】
第8の発明は、特に、第7の発明の投入口は、開口形状が略長方形であり、その長辺がシンクの一辺に沿うように形成されているので、投入口の幅が狭い分流し台の手前側のシンク角部を内側に凹ませた距離が小さくて済むので、比較的シンク全体を有効に使える。また、投入口のシンクから離れた側の長い奥行一辺側にまな板が置かれるので、まな板などでの調理により発生した生ごみは容易に投入口に投入できる。他方、生ごみは生ごみ処理容器の長手方向全体に貯めることができるので、加熱手段が生ごみを加熱し易く、乾燥時間の短縮化が図れる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0030】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る生ごみ処理装置について、図1〜図3を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態1における生ごみ処理装置の図3中のA−A断面構成を示す側面断面図、図2は同生ごみ処理装置の図3中のB−B断面構成を示す正面断面図、図3は同生ごみ処理装置の要部平面図を示すものである。
【0031】
図1〜図3において、生ごみ処理容器21は、生ごみを攪拌する攪拌手段22を内蔵しており、スライドレール23上に載置された状態で流し台24のシンク25下方に在る収納部26内に収まっている。生ごみ処理容器21は、スライドレール23a,23b上に載置されているので、流し台24から引き出すことが容易である。
【0032】
生ごみ投入通路27は、生ごみ処理容器21の真上に略垂直に設けられ、投入口28から投入された生ごみを真下に落下させ生ごみ処理容器21へと導入する。生ごみ投入通路27の長さは、シンク25の深さより十分長くなっており、これによって生ごみ処理容器27内の空気を流し台24の上部(外部)へ漏れにくくしている。
【0033】
シンク部25Aは、ステンレスを圧延加工して構成され、生ごみ投入通路27の投入口28がシンク25の手前側角部を内側に凹ませた箇所の天面に横長形状に開口されており、生ごみ投入通路27の出口29は収納部26の上部に臨ませている。
【0034】
攪拌手段22は、生ごみ投入通路27の出口29下方に位置し、複数の回転羽根22A,22Bを有しており、撹拌手段22の回転軸の手前側は回転羽根22Aが回転軸に対して斜めに取り付けられており、撹拌手段22の回転によって生ごみを撹拌するだけでなく
、生ごみ処理容器21の手前側から奥側へ搬送するように機能する。そして、撹拌手段22の回転軸の奥側は回転羽根22Bが回転軸と同一方向に取り付けられており、奥側に寄せ集めた生ごみを回転羽根22Bが撹拌する。そのため、この撹拌手段22は、生ごみ処理容器21内に堆積した生ごみの量が少なくても、生ごみを奥側に寄せ集めて十分な撹拌を行う一方、新たに投入された生ごみを収容する空間を十分に確保することができる。
【0035】
内通路30は、出口29から生ごみ処理容器21内へ少し突出するように生ごみ投入通路27内に設けられ、生ごみ投入通路27の内側が汚れないようにカバーの役割を果たす。また、内通路30は、生ごみ投入通路27に対して挿脱自在となっており、内通路30内に汚れが溜まると、取り外して水洗いすることが可能になっている。
【0036】
投入蓋31は、調理作業を行うワークトップ24A側の、投入口28の一辺にヒンジ32を設けており、開閉自在になっている。ここでは、流し台24の天板において、まな板を置いたり、調理作業を行ったりするための空きスペースをワークトップと言う。投入蓋31は、通常は閉めて使用され、生ごみを投入する際に開けられる。
【0037】
面状ヒータ33は、収納部26の内面下部に内貼りされ、生ごみ処理容器21内の生ごみ加熱するものであり、加熱手段34は内蔵したヒータで戻り循環路45を通過する空気を加熱する。
【0038】
凝縮脱臭手段35は生ごみから発生した蒸気、臭気成分及び熱を取り除くものであり、水道管36に連結した給水弁37とバキュームブレーカ38、下水管39に連結した排水弁40と逆止弁41及び水温センサ42を内蔵した水槽43から構成されている。
【0039】
往き循環路44及び戻り循環路45は、生ごみ処理容器21と凝縮脱臭手段35との間で空気を循環させるための循環路であり、吸引ポンプまたはファンからなる循環手段47とともに、空気の循環流を発生させる。
【0040】
そして、循環手段47の下流側には加熱手段34を内蔵している。往き循環路44の蒸気入口48と戻り循環路45の噴出口49とは、互いに離して配置され、生ごみ処理容器21に臨ませており、生ごみ処理容器21内の気流は噴出口49から蒸気入口48へ向かって生ごみ処理容器21内を突っ切るように流れる。
【0041】
多孔を有する気泡ノズル46は、往き循環路44に連結され、水槽43内の水に水没するように設置されている。
【0042】
駆動モータ50は攪拌手段22を回転するためのものであり、駆動モータ50の回転軸と攪拌手段22の回転軸とは接続機構51を介して連結され、駆動モータ50の回転駆動により攪拌手段22を回転させることができると共に、生ごみ処理容器21を流し台24から引き出すと接続機構51による連結が解除できる構成になっている。
【0043】
カラン52はシンク25の側に設けられ、水道管36に連結されている。制御部(図示せず)は、加熱手段34、給水弁37、排水弁40、循環手段47、駆動モータ50を制御する。
【0044】
以上のように構成された生ごみ処理装置において、その動作を説明する。
【0045】
調理などで生じた生ごみを捨てる場合、先ずは投入蓋31を流し台24の天板側へ開けた後、まな板などから生ごみを投入口28へ略水平に移動して簡単に投入できる。特に、投入蓋31や投入口28が手前側(使用者の手元側)にあり、使用者の眼下に見えるので
、投入蓋31が開け易く、投入口28への生ごみを投入し易い。また、カラン52はシンク25の奥に設置さているので、カラン52から放出した水道水が直接投入口28に入り難い位置関係になっている。さらに、従来のように生ごみ投入毎に生ごみ処理容器21を引き出し、次に投入蓋31を開けるという手間はない。
【0046】
また、投入蓋31を開けると、投入蓋31の開閉動作に連動した運転スイッチ(図示せず)が切れて、循環手段47が動作を停止するため、生ごみ処理容器21内の臭気は自然対流で上昇しようするが、シンク25の深さよりも長くした生ごみ投入通路27を臭気が通過するのに時間を要すため、生ごみを投入する短い時間内では投入口28から流し台24外部の室内へ漏れる臭気を少なくすることができる。
【0047】
そして、投入蓋31はヒンジ32を中心に回転して流し台24の天板24A上に置かれるように開かれ、開いた投入蓋31は流し台24の天板に支えられるので、仮に投入蓋31に力(例えば物が落下、手で押す)が加わってもヒンジ32が壊れ難い。また、投入蓋31はシンク25を遮るように開かないので、投入蓋31はシンク25の使い勝手が良い。
【0048】
次に、投入口28へ投入された生ごみは生ごみ投入通路27の内面に触れることなく生ごみ処理容器21まで真直ぐ落下するので、生ごみ投入通路27が汚れ難い。しかし、投入された生ごみにより生ごみ投入通路27が汚れても、内通路30を取り外し水洗いなどで掃除することができ、清潔である。
【0049】
他方、投入口28を横長形状に形成したので、投入口28の奥行が狭くなり、流し台24の手前側のシンク25角部を内側に凹ませる量が小さくて済む。この結果、シンク25角部を内側に凹ませた側のシンク25が広く使え、加えて投入蓋31や投入口28越しにシンク25が広く使える。他方、生ごみは生ごみ処理容器21の手前に集中して投入できる。そして、投入口28に投入された生ごみは生ごみ処理容器21に貯められる。
【0050】
その後、再び投入蓋31を閉めると、投入蓋31の開閉動作に連動した運転スイッチ(図示せず)が入り、駆動モータ50が所定期間(例えば10〜60秒)駆動し、以降は所定間隔(5〜30分)で間欠運転する。すなわち、駆動モータ50は接続機構51を介して攪拌手段22を間欠的に所定期間回転させる。この攪拌手段22により投入された生ごみは生ごみ処理容器21の手前から後へ攪拌されながら移動するので、生ごみ処理容器21の手前は生ごみが少なくなり、空き空間ができる。この結果、略連続して生ごみを投入口28へ投入しても、生ごみは生ごみ処理容器21の手前に形成された空き空間に貯めることができる。
【0051】
また、循環手段47が駆動して吸引作用により生ごみ処理容器21から往き循環路44を通り凝縮脱臭手段35へ流れ、さらに凝縮脱臭手段35から戻り循環路45を通り再び生ごみ処理容器21へと流れる閉塞された循環流を形成する。同時に、面状ヒータ33が生ごみ処理容器21の底部を介して生ごみを加熱し、一方加熱手段34が戻り循環路45を通り生ごみ処理容器21へと流れ込む循環流を加熱して温風を形成し、温風は噴出口49から生ごみへ向けて噴出する。
【0052】
この結果、加熱され温度上昇した生ごみから臭気成分(トリメチルアミンやメチルメルカプタンなど)を含む蒸気が発生し、発生した蒸気を含む空気は循環流として蒸気入口48から往き循環路44を通り凝縮脱臭手段35へ流れ込む。特に、噴出口49から蒸気入口48への流れは生ごみ処理容器21全体を通り生ごみから発生した蒸気を効率よく搬送できるので、乾燥時間が短縮でき、熱効率向上が図れる。
【0053】
事前に、水槽43は水道水を、給水弁37を開けて水道管36からバキュームブレーカ38を通り所定量貯められている。そして、凝縮脱臭手段35へ流れ込んだ循環流は気泡ノズル46から液中へ噴出して気泡を形成する。この結果、循環流中の蒸気は水道水へ凝縮し、かつ臭気成分は溶解し、さらに熱も取り除かれる。
【0054】
続いて、蒸気、臭気成分及び熱を取り除かれた循環流は戻り循環路45を通り加熱手段34に加熱されて相対湿度を低くして生ごみ処理容器21に戻り、外へ漏れることはない。この動作により生ごみは乾燥される。他方、室内の温度や湿度が上昇しない。乾燥した生ごみは生ごみ処理容器21を引き出し、廃棄する。
【0055】
なお、水槽43に貯められた水道水は循環流の蒸気を凝縮する際に熱を吸収し温度上昇する。しかし、水槽43に貯められた水道水が高温になると、蒸気の凝縮性能が悪化し、臭気成分の溶解度も小さくなるので、水温センサ42が所定水温に達した場合、排水弁40を開けて下水管39へ逆止弁41を通り温度上昇した水道水を排水する。排水後、水槽43は水道水を、給水弁37を開けて水道管36からバキュームブレーカ38を通り再び所定量貯める。
【0056】
また、投入口28とシンク25底面とは高低差があるので、生ごみ投入時にシンク25の水が飛び散り投入口28に誤って入ることを防止でき、さらに投入口28や投入蓋31周辺の掃除がし易いという効果がある。さらに、投入口28からこぼれ落ちた生ごみ片はシンク25に貯まるので、再びまとめて簡単に投入口28に投入できる。すなわち、室内の床を汚すことがない。
【0057】
他方、投入口28はシンク25を内側に凹ませて開口しているので、収納部26は流し台24のシンク25下方に設けることができる。この結果、狭いシンク25の下方空間の有効利用が図れる。また、生ごみはシンク25の周囲で処理(投入口28に投入)できるという効果がある。
【0058】
なお、上述した実施の形態は、シンク部25Aと流し台24の天板を異なる材質で構成した事例で説明したが、シンク部25Aと流し台24の天板を同一のステンレスで一体的に構成しても良い。また、凝縮脱臭手段35は上述した水冷式のものだけでなく、空冷式のものでも同様の効果が得られる。
【0059】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る生ごみ処理装置について、図1、図2、図4を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態2における生ごみ処理装置の構成図、図2は生ごみ処理装置の正面断面、図4は生ごみ処理装置の要部平面図をそれぞれ示すものである。
【0060】
以下、実施の形態1と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態1と異なるところは、投入蓋53と投入口54を縦長に形成した点である。
【0061】
そして、投入蓋53と投入口54との横幅が狭い分流し台24の手前側のシンク25角部を内側に凹ませた距離が小さくて済む。この結果、シンク25全体が比較的有効に使える。また、投入口54のシンク25から離れた側の長い奥行一辺側にまな板が置かれるので、まな板などでの調理により発生した生ごみは投入蓋53を開けて、容易に投入口54の長い奥行一辺から投入できる。他方、生ごみは生ごみ処理容器21の長手方向全体に貯められるので、加熱手段34が生ごみを加熱し易く、乾燥時間の短縮化が図れる。
【0062】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る生ごみ処理装置について、図1、図2を用いて説明する。
本実施の形態は、上述した実施の形態1と異なるところは、循環手段47が投入蓋31の開閉動作と無関係に常に動作している点である。
【0063】
したがって、往き循環路44の蒸気入口48が生ごみ投入通路27の近傍に設けてあれば、生ごみ投入通路27近傍に漂う水蒸気や悪臭を常に吸い込んで凝縮脱臭手段47へ導くため、生ごみを投入するために投入蓋31を開いても、流し台24の周辺に殆ど悪臭を漏らさない。
【0064】
なお、往き循環路44の蒸気入口48と、戻り循環路45の噴出口49とは、生ごみ投入通路27を挟むような位置関係で収納部26に設けると、噴出口49から蒸気入口48へ向かって流れる気流が生ごみ投入通路27を介して上昇しようとする悪臭の動きを遮るので、より一層悪臭の漏れを抑制することができる。
【0065】
なお、上述した各実施の形態は、例示した通りに実施しても構わないし、これらを組み合わせて実施しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明の生ごみ処理装置は、乾燥処理中に生ごみを投入しても室内に臭気が拡散しないので、家庭用のシステムキッチンやホテルの厨房等の流し台にビルトインすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1、2における生ごみ処理装置の構成を示すA−A側面断面図
【図2】同生ごみ処理装置のB−B正面断面図
【図3】実施の形態1における生ごみ処理装置の要部平面図
【図4】実施の形態2における生ごみ処理装置の要部平面図
【図5】従来の生ごみ処理装置の構成図
【符号の説明】
【0068】
21 生ごみ処理容器
24 流し台
25 シンク
26 収納部
27 生ごみ投入通路
28、54 投入口
30 内通路
31、53 投入蓋
32 ヒンジ
34 加熱手段
44 往き循環路
45 戻り循環路
47 凝縮脱臭手段
48 蒸気入口
49 噴出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板にシンクが設けられた流し台の内部に収納される生ごみ処理装置であって、生ごみを収容する生ごみ処理容器と、真下に設けられた前記生ごみ処理容器に連通する生ごみ投入通路と、前記生ごみ投入通路の投入口を開閉し前記生ごみを投入するための投入蓋と、前記生ごみ処理容器を引き出し自在に収納する収納部と、前記生ごみを加熱するための加熱手段と、前記生ごみから発生した蒸気や臭気成分を取り除く凝縮脱臭手段と、前記生ごみ処理容器と前記凝縮脱臭手段との間で空気を循環させる往き循環路及び戻り循環路と、前記往き循環路及び前記戻り循環路に空気の循環流を形成する循環手段とを備え、前記収納部は前記流し台内のシンク下方に設けられ、前記天板から前記収納部に達する前記投入通路の距離が前記シンクの深さより長くなっている生ごみ処理装置。
【請求項2】
循環手段は開閉蓋の開動作に応じて動作を停止する請求項1に記載の生ごみ処理装置。
【請求項3】
収容部に取り付けられた往き循環路の蒸気入口と戻り循環路の噴出口は、互いに離され生ごみ処理容器に臨むように設けられている請求項1に記載の生ごみ処理装置。
【請求項4】
往き循環路の蒸気入口は生ごみ投入通路の傍に設けられ、循環手段は開閉蓋の開閉動作と無関係に動作する請求項3記載の生ごみ処理装置。
【請求項5】
生ごみ投入通路は内側に挿脱自在な内通路を設けている請求項1から4のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項6】
投入蓋のヒンジは、投入口におけるワークトップ部側の一辺に設けられている請求項1から5のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項7】
投入口は、シンクの手前側角部に開口されている請求項1から5のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項8】
投入口は、開口形状が略長方形であり、その長辺がシンクの一辺に沿うように形成されている請求項6に記載の生ごみ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−125343(P2010−125343A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298975(P2008−298975)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】