生体内硬化性整形外科用インプラント装置
整形外科用インプラント装置(100、200、300、301、320、340、400、500、600、700’、720、740、760、770、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800)は非剛性である。すなわち、所望の生体内の部位に挿入するための第1の形態では可撓性および/または展性であり、次いで、移植後に、耐荷重機能を提供し、または他の構造的および/または機械的機能を提供するための剛性あるいは硬化した形態に変化可能である。装置は、生体適合性被覆体(110)、および被覆体(110)内に密封された硬化性材料(120)を含む。硬化性材料(120)は装置に可撓性を与える第1の形態で提供され、挿入前に硬化開始エネルギーを材料(120)に与えてから少なくとも1分後に、生体内の部位に挿入した後に、第2の形態に剛直化するように構成される。関連する方法およびキットも提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、整形外科用インプラント、および整形外科用インプラントを所望の生体内の部位に配置する方法の分野に関する。より詳細には、本出願は、脊椎の変形および状態、または他の骨格の変形および状態を治療するための装置、システム、およびインプラントに関する。装置は、または急性状態の治療に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
補綴インプラントを使用した整形外科的傷害および病気の対処は一般的になった。創傷を受けた骨は再生することができるが、骨折および他の整形外科的傷害の治癒にはかなり時間がかかり、その間、骨は生理的負荷を支持することができない。よく理解されるように、隣接する骨部分の安定化を骨部分の間に配置したインプラント、および/または骨部分に沿って配置したインプラントで完全なものにすることができる。患者の脊椎、または他の骨、あるいは関節に構造的支持を提供するように設計された多様な整形外科用インプラント装置が知られている。インプラントは、骨部分間の運動を阻止するように剛性でもよく、または安定効果を与えつつ、骨部分間の少なくとも限定的な運動が可能になるように可撓性でもよい。本明細書で使用されるように、骨部分は1つまたは複数の関節、骨折、切断、または他の空間によって分離された骨の部分でもよい。インプラントは、たとえば、ロッド、プレート、テザー、およびステープルなど剛性脊椎後方固定システム、椎体間脊椎固定術あるいは椎体切除術、動的脊椎安定術、または他の骨あるいは骨格関節の剛性もしくは動的安定術で使用されるように配置することができる。さらに、骨の治癒および再生中に、ピン、ねじ、およびメッシュが、損傷を受けた骨の機械的機能に代わる働きをする装置で頻繁に使用される。
【0003】
この領域では、しばしば、インプラント配置法の侵襲性を低減し、インプラントの完全性を向上させ、より良好な患者の結果をもたらすことが望まれる。特に、移植を容易にするための縮小された寸法および/または可撓性の特性を有し、同時に、矯正治療に支持を与える十分な剛性ももたらすインプラントの提供がしばしば望まれている。残念なことに、現在の装置は幾つかの用途に制限されている。したがって、この技術の領域にさらなる貢献が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、移植処置中は展性および/または可撓性であり、次いで移植部位で硬化される多様な整形外科用インプラント装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、装置は第2の状態よりも可撓性を提供する第1の状態を有する。他の態様は、対象の整形外科用インプラント装置に関する独特の方法、システム、装置、器具、および装置を含む。
【0006】
本出願の一態様では、整形外科用インプラント装置は、生体適合性被覆体(シース)、および被覆体内に収容され、密封(シール)された、非剛性形態を有する硬化性材料を含む。装置は患者の体内に移植する前およびその間は変形可能であり、硬化性材料は、材料を硬化させるのに有効な開始エネルギーの量を材料に与えた後に剛性形態に変化可能であり、硬化性材料は、エネルギーを与えた後、かつ剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示す。
【0007】
本出願の他の態様では、整形外科用インプラント装置は、生体適合性被覆体と、前記被覆体内に収容される硬化性材料であって、前記硬化性材料が、硬化開始エネルギーが与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように動作可能であり、前記硬化性材料が、前記エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示す硬化性材料と、前記被覆体内に収容され、開始エネルギーを前記硬化性材料に送出するように動作可能なエネルギー送出要素とを備える。
【0008】
他の態様では、本出願は、生体適合性被覆体および生体適合性被覆体内に収容された硬化性材料を含み、前記硬化性材料が、硬化開始エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように動作可能である、整形外科用インプラント装置を提供する。硬化性材料は、エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示し、開始エネルギーは所定の波長の電磁放射であり、被覆体は放射に対して透過性である。
【0009】
本出願は、生体適合性被覆体と、前記被覆体内に収容された加圧可能なバルーンと、前記被覆体内に前記バルーンの外部に収容された硬化性材料とを含み、前記硬化性材料が、硬化エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように動作可能である、整形外科用インプラント装置も提供する。硬化性材料は、エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示し、バルーンは加圧流体を受けて、バルーンを加圧し、外向きの圧力を硬化性材料および被覆体に加えるように動作可能である。
【0010】
他の態様では、本出願は、生体適合性被覆体と、前記生体適合性被覆体内に収容される硬化性材料であって、前記硬化性材料が、前記硬化性材料に硬化開始エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように動作可能であり、前記硬化性材料が、エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示す硬化性材料と、生体適合性被覆体内に含まれた内部補強部材とを備える、整形外科用インプラント装置を提供する。
【0011】
本出願の他の態様では、硬化性材料を収容する可撓性の手段、および硬化前の期間中は装置に展性を与え、硬化後の期間中は剛性を与える前記収容手段に収容された硬化性手段を含む、整形外科用インプラント装置が提供される。硬化性手段は、開始エネルギーの付与によって硬化されて剛性を与え、硬化性手段は、エネルギーが与えられた後、かつ剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示し、装置は患者の体内に移植する前およびその間は変形可能である。
【0012】
本出願は、(1)生体適合性被覆体および被覆体に収容され密封された非剛性形態を有する硬化性材料を含む装置であって、材料が材料を完全に硬化させるのに有効な開始エネルギーの量が材料に与えられた後に剛性形態に変化可能であり、硬化性材料が、エネルギーが与えられた後、かつ剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示す装置、および(2)装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に配置し、装置が生体内の部位に配置された後に、硬化開始エネルギーを硬化性材料に与えるための有形媒体に記録された使用説明書を含む整形外科用インプラントキットも提供する。
【0013】
他の態様では、本出願は、(1)非剛性形態の材料を提供し、材料に開始エネルギーが与えられた後に、材料が剛性形態に有効に変化し、硬化性材料が、エネルギーが与えられた後、かつ剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示すこと、および(2)材料を生体適合性被覆体内に密封して自蔵式展性装置を提供することを含む、整形外科用インプラント装置の作成方法を提供する。
【0014】
本出願のさらなる実施形態、形態、特徴、および態様は、本出願に記載した詳細な説明および添付の図から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】インプラント装置の一実施形態の横断面図である。
【図2】患者の脊柱に対する円板外脊椎インプラントシステムの側平面図である。
【図3】幾つかの形状が仮想線で示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の側面図である。
【図4】幾つかの形状が破線で示された、図2の骨アンカー装置の一代替実施形態による調整可能な構成の骨アンカー装置の側平面図である。
【図5】幾つかの形状が破線で示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の側平面図である。
【図6】断面で示された骨部分内に予め形成された空洞と関連して示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の他の実施形態の側平面図である。
【図7】骨アンカー装置の軸部が予め形成された空洞内に配置された状態の図6の実施形態の側平面図である。
【図8】幾つかの形状が破線で示された、図2の脊椎インプラントシステムの細長い脊椎固定要素装置の斜視図である。
【図9】図8の線9−9に沿って切り取られた図8の細長い脊椎固定要素装置の横断面図である。
【図10】幾つかの形状が破線で示された、図2の脊椎インプラントシステムで使用することができる架橋装置の側平面図である。
【図11】円板外プレートインプラント装置の一実施形態の側平面図である。
【図12】図11の線12−12に沿って切り取られた図11の装置の横断面図である。
【図13】図11の線13−13に沿って切り取られた図11の装置の横断面図である。
【図14】患者の脊柱に対する円板内(intradiscal)インプラント装置の概略側平面図である。
【図15】図14の線15−15に沿った、図14のインプラント装置の横断面図である。
【図16】幾つかの形状が破線で示された、円板内インプラント装置の他の実施形態の斜視図である。
【図17】幾つかの形状が破線で示された、円板内インプラント装置の他の実施形態の側平面図である。
【図18】幾つかの形状が破線で示された、円板内インプラント装置の他の実施形態の斜視図である。
【図19】幾つかの形状が破線で示された、円板内インプラント装置の他の実施形態の斜視図である。
【図20】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図21】骨アンカーの軸部が非拡張形態から拡張形態に変形するように構成され、前記軸部がこの図では非拡張形態で示されている、断面で示された骨部分内に予め形成された空洞と関連して示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の他の実施形態の部分側断面図である。
【図22】骨アンカー装置の軸部が非拡張、非係合形態で予め形成された空洞内に配置された状態の図21で示した骨アンカーの実施形態の側平面図である。
【図23】骨アンカー装置の軸部が拡張し係合した形態で予め形成された空洞内に配置された状態の図21で示した骨アンカーの実施形態の側平面図である。
【図24】図2の脊椎インプラントシステムの細長い脊椎固定要素装置の他の実施形態の部分縦断面図である。
【図25】図2の脊椎インプラントシステムの細長い脊椎固定装置の他の実施形態の横断面図である。
【図26】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図27】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図28】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図29】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図30】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図31】インプラント装置の他の実施形態の部分切欠き側平面図である。
【図32】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図33】パッケージ内に収容されたインプラント装置の横断面図である。
【図34】電源に接続されたインプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図35】光源に接続されたインプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図36】光源と共に示されたインプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図37】骨アンカーの軸部が非拡張形態から拡張形態に変形するように構成され、前記軸部がこの図では非拡張形態で示されている、断面で示された骨部分内に予め形成された空洞と関連して示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の他の実施形態の部分側断面図である。
【図38】エネルギー源内に配置されたインプラント装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に記載した本発明の原理がよりよく理解されるために、次に図面で示した実施形態を参照する。実施形態の記載には特定の言語が使用される。しかし理解されるように、それによって本発明の範囲が限定されないものとする。図で示した実施形態への全ての変更およびさらなる修正、並びに本明細書に記載し図で示した原理の全てのさらなる用途を当業者が普通に思いつくであろうということが企図されている。
【0017】
本出願は、移植前に開始エネルギーを与えることによって硬化形態に硬化するが、(本明細書で「加工時間」と呼ぶ)開始エネルギーを与えた後の一時期は展性のままであって、完全に硬化する前に、所望の生体内の部位に挿入し、所望の位置および形状に配置し形成するのに十分な時間が提供される植込型整形外科用補綴装置を提供する。この装置は、硬化する前の加工時間中に、装置が展性のままで維持されるように調節された反応によって重合および/または架橋される前駆体を含み、硬化されると、装置は耐荷重機能を提供し、または他の構造的および/または機械的機能を提供する。「硬化可能」または「硬化性」などの用語は本明細書で互換的に使用され、可撓性が損失されない最初の展性または可撓性形態で長期間にわたり安定して保管することができ、開始エネルギーを与えた後に第2の硬化形態に移行可能な任意の材料を指すものである。こうした用語はどの硬化の特定の機構にも限定されないものとする。当業者には理解されるように、たとえば、紫外放射、可視光、赤外放射、高周波、X線放射、γ線放射、または他の波長の電磁エネルギーによって開始される硬化、触媒によって開始される重合、熱的に開始される重合、電気的に開始される重合、機械的に開始される重合、電子ビーム放射によって開始される硬化などを含む材料の選択によって、多様な硬化機構を使用することができる。
【0018】
硬化性材料を含む少なくとも1つの展性の装置を含み、移植前に硬化開始エネルギーを与えることによって、所望の生体内の部位に配置した後に硬化されるように構成された整形外科用インプラントは、多様な環境で有利に使用されることが判明している。たとえば、限定的ではないが、こうしたインプラントを、医療関係者が移植処置の過程中に構成要素を形付け、または再形付けすることが望ましい状況で有利に使用することができる。多用性によって、整形外科移植処置にあまり侵襲性でない技法が可能になり、インプラント装置に関する設計の柔軟性をより大きくすることができ、湿潤(wet out)中、または術中の2つの部分の混合工程中に発生する恐れがある合併症を回避することもできるようになる。主に脊椎装置を参照して実施形態を記載したが、本出願は非脊椎部位に使用される整形外科用装置も包含していることを理解されたい。本出願による整形外科用インプラントは、たとえば股または膝関節など関節の安定化に有利に使用されることが判明している。
【0019】
本出願によって企図される装置は、装置内の硬化性材料が材料の硬化を開始するエネルギー源に暴露される前、およびその後の加工時間中は展性または可撓性であることができ、その間に装置が生体内の部位に導入され、次いで装置が適切な位置に配置された後に比較的剛性状態になる。図1を参照すると、装置100は、生体適合性被覆体110、および被覆体110内に収容され密封された硬化性材料120を含む。硬化性材料120は非剛性形態を有し、材料120の硬化に有効な量の開始エネルギーを材料120に与えた後に剛性形態に変化可能である。装置100が硬化すると、装置は、所望の形状を有し、所望の位置にある、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素になる。構成要素は、たとえば、脊椎ロッド、プレート、スペーサ、骨ねじ、アンカー、人工円板、および核インプラントでもよい。所望の場合は、硬化性材料120を被覆体110内に密封して、外科的処置中の硬化性材料の注入、または他の処理、あるいは用意を回避することができる。
【0020】
被覆体110の主な機能は、硬化性材料120を収容し、硬化が完了する前に装置100の形状に影響を与え、または制御することである。被覆体110は、硬化性材料を取り囲むそれぞれのインプラント装置の全てまたは一部を含むことができ、被覆体110は、単独で、または装置の本体を構成する他の材料と併せて、少なくとも硬化性材料が展性形態である場合に硬化性材料が受容者の組織と接触するのを阻止する。被覆体110は、通常は、長期間にわたって圧力を抑制する必要はない。したがって、かなり柔軟な設計が可能である。(本明細書で「被覆体材料」とも呼ばれる)被覆体を作成する材料は生体安定性または生体吸収性でもよい。たとえば被覆体110は、薬物の送達、または骨取り込み(osteoincorporation)および/あるいは軟組織の内部成長を可能にするのに有利な多孔性でもよい。別法として、被覆体に吸収された活性剤を有するように被覆体110を設計することもできる。他の代替形態では、任意選択で1つまたは複数の活性剤が被覆体に含浸され、それが移植後に長い時間をかけた自然の過程で吸収される生体分解性材料で、被覆体110を構成することができる。被覆体110を任意の多様な方法で構成することができ、多様な織物繊維または不織繊維、布、金網または編組線などの金属メッシュ、および炭素から作成することができる。適した生体適合性被覆体材料の例には、たとえば数例を挙げると、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ乳酸(PLA)、PLDLA、ePTFE、およびDacron(商標)が含まれる。被覆体を作成することができる他の材料には、ポリエステル、シリコーン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリ乳酸、およびポリグリコライドが含まれる。材料を、たとえば数例を挙げると、シート、管材、バルーン、パウチ、および布を含む多様な形態に形成することができる。
【0021】
一実施形態では、被覆体110はエネルギー透過性であり、装置の外部にあるエネルギー源からのエネルギーが被覆体110を通過して、硬化性材料120と接触し、硬化性材料120の硬化を開始できるように構成される。例示の一実施形態では、硬化性材料120が熱エネルギーに暴露されると硬化するタイプのものである場合、被覆体110は、熱を伝導し硬化性材料120を密封して包囲することができる生体適合性材料を含むことができる。硬化は、温度約20℃から約70℃で行われることが好ましい。他の実施形態では、硬化性材料は、光、または他の被覆体を通過する電磁放射に暴露されると硬化する光硬化性材料を含む。こうした実施形態で完全に硬化させるには、被覆体および硬化性材料自体が、たとえば透過性および/または半透過性、並びに厚さなど適切な特性を有して、硬化開始エネルギーが硬化性材料内に十分に浸透して、十分な硬化が行われるようにすることが重要である。当然、当業者には理解されるように、完全な硬化に至らない程度の硬化でも、その硬化の程度によって、装置が使用される他の機械的機能に対して十分な耐荷重強度、または十分な強度を有する装置が作成される限り十分である。当然、やはり理解されるように、幾つかの選択された光の波長、または他の電磁放射でのみ透過あるいは半透過である、所与の被覆体を提供することもできる。共に動作可能な被覆体材料および硬化性材料の選択は、当業者の選択範囲内である。
【0022】
本明細書で提供される耐荷重構成要素を位置付けるには、生体適合性被覆体および被覆体内に密封された硬化性材料を含む展性装置が開始エネルギーの量に暴露され、次いで耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に挿入される。装置は、暴露され挿入されるときは非剛性形態を有し、生体内に配置された後に剛性形態に変化可能である。使用することができる硬化開始エネルギーの例には、たとえば、電磁放射、熱エネルギー、電気エネルギー、化学エネルギー、および機械的エネルギーが含まれる。図1で示した装置100は、患者の体内に移植前およびその間は変形可能である。装置100を、たとえば円板外脊椎インプラントシステム、円板内脊椎インプラントシステム、および身体の他の領域用のインプラントシステムの構成要素としてなど、硬化性材料の硬化後に、多様な最終用途のための多様な形状および寸法に構成することができる。幾つかの例示の実施形態に関するさらなる詳細を図を参照して提供する。図はそれぞれ1つまたは複数の内部室を取り囲む、またはそれに隣接した被覆体を含む発明に係る装置を示しており、1つまたは複数の内部室はその中に収容された硬化性材料を含む。図2〜図13、および図21〜図25で示したインプラント装置は、本出願によって企図された円板外インプラント装置の多くのタイプ、形状、形態、および構成の例であり、それぞれ図14〜図19の装置は、本出願によって企図された円板内インプラント装置の例である。理解されるように、本明細書に提供した特徴を、他の円板外インプラント装置の他の形態、形状、構成に適用することもできる。
【0023】
図2を参照すると、患者の脊柱SCに対する円板外脊椎インプラントシステム200を含む装置が側平面図で示されている。脊椎インプラントシステム200は、1対のアンカー装置300、301、および脊椎ロッド400の形態の細長い固定要素装置を備える。さらに、当業者には理解されるように、システム200は、たとえば図10で示した架橋装置500など、追加の構成要素を含むことができる。システム200は、限定的ではないが、変性脊椎すべり症、骨折、脱臼、脊柱側彎症、脊柱後彎症、脊髄腫瘍、および/または失敗した以前の癒合治療を含む、幾つかの脊椎変形の治療に使用することができる。
【0024】
アンカー装置300および301が図3の側平面図で示されており、幾つかの形状が破線で示されている。アンカー装置300および301は、それぞれ骨係合構造304を有する細長いシャフトまたは軸部303を有することができる。構造304は、ねじ山、スパイク、バーブ、または他の構造の形態でもよい。骨係合構造を持たない軸部も企図される。軸部303は、標準の方法で1つまたは複数の骨または骨構造内に作成された通路内に配置されて係合するように構成され、ねじ切り(タッピング)および/または穿孔(ドリリング)能力のための切削溝あるいは他の構造を設けることができる。軸部303をカニューレ状にして、ガイドワイヤを受けて配置を容易にすることができ、軸部303は骨成長材料を配置するための開窓または他の開口さらに含むことができる。
【0025】
アンカー装置300、301は、直立腕部307の間の受け通路306を画定する頭部または受け部分305を備えることができる。頭部または受け部分305を軸部303に固定して単軸構成にすることができる。受け通路306は、脊椎ロッド400を受ける寸法および形状になされ、両方とも図で示していないが、受け通路306に沿った内部ねじ切り、または頭部305上の外部ねじ切りなど、脊椎ロッドを頭部305に固定するための係合部材310、311と係合する構造を含むことができる。他の実施形態では、頭部305は、当業者に周知の脊椎ロッド400を頭部305に固定する任意の手段を備えることができる。図で示したように、受け通路306を凹面に湾曲させ、円形の一部の形状を有する通路を形成して、ロッドをその中に嵌合係合の形で受けることができる。他の実施形態では、ロッドが受け通路306内で近位の軸部頭部、または軸部の頭部に隣接するキャップまたはクラウンに接触するように配置されることが企図される。受け通路306を多様な構成に形付けて、限定的ではないが、楕円形、長方形、六角形、または八角形の断面など非円形の断面を有する脊椎ロッド400に対応することができることがさらに企図される。
【0026】
次に図4を参照すると、他の実施形態のアンカー装置320が示されている。アンカー装置320は、頭部分322内に旋回式に捕獲された軸部分321の形態でもよい。旋回式アンカー装置320は、軸部分321と頭部322が互いに可動であるように多軸(multi−axial)、複軸(poly−axial)、単軸、または単平面(uni−planar)でもよい。一可動形態では、軸部分321および頭部322が、組立ての少なくとも幾つかの段階中に2つの間の比較的自在な運動を可能にする「玉継手」またはスイベル型継手で互いに係合される。
【0027】
他の形態では、インプラントシステム200は、茎、薄片、棘突起、横突起、または他の脊椎フックと適切に係合する骨構造など、隣接する骨構造と係合する1つまたは複数のフックの形態の骨アンカーを含むことができる。たとえば、多軸薄片フック形態の骨アンカーを1つまたは複数のアンカー装置300、301の代わりに使用することができる。他の実施形態では、骨アンカーは、ステープル、骨プレート、椎体間癒合装置、椎体間スペーサ、脊椎アンカー、脊椎内固定装置、骨クランプ、または他のアンカーの形態の骨接合構造を含むことができる。
【0028】
一実施形態では、1つまたは複数の骨アンカー300、301、および/または320は、軸部303および/または321が、それぞれ硬化性材料を収容するための内部室308および323を画定する被覆体として機能するように形成される。図3で示したように、内部室308は軸部303に沿って近位の頭部305から遠位の先端302まで延びる。図4で示したように、内部室323は軸部321に沿って近位の頭部322から遠位の先端324まで延びる。第1の構成では、硬化性材料がまだエネルギー源に暴露されていないとき、および暴露された後のある期間は、硬化の完了前に、作成された通路内で軸部の係合が容易になり、軸部の軸に沿って角度を調整して、脊椎ロッド400または他のインプラント装置との連結がより容易になるように、軸部303および321は可撓性のままである。
【0029】
図5で示した代替実施形態では、頭部305または322は、硬化性材料を有する内部室325含んで、頭部305または322に脊椎ロッド400または他の装置を単独またはそれぞれ内部室308および323を備える軸部303および321と組み合わせて、連結しやすくできる。たとえば、腕部307が可撓性の場合に腕部307をロッドの周囲で屈曲させ、次いでロッドが腕部307の間の通路内に剛体的に係合されるように硬化させることができる。さらに、軸部303および/または321の一部分だけが硬化性材料を有する内部室を備えて、それぞれアンカー装置300、301、および/または320の可撓性を制御することができることが企図される。
【0030】
他の実施形態では、図6で示したように、軸部分341が骨部分365内に予め形成された空洞360に挿入されたときに空洞360の形状と一致する、不定形の展性の構成で軸部分341が提供される。図7で示したように、適切な量の開始エネルギーを与え、軸部分341を空洞360に挿入した後、内部空洞343内に収容された硬化性材料の硬化によって、アンカー340が骨部分365と耐久的に係合される。
【0031】
インプラントシステム200の脊椎ロッド400が図8に示されている。脊椎ロッド400は全般的に第1の端部402と第2の端部403の間で長手方向軸線Lに沿って延びる細長い本体401を備える。第1の端部402と第2の端部403の間に延びる脊椎ロッド400の長さL1は、通常、少なくとも隣接する椎体の間の距離にわたるように十分長いものであるが、代替実施形態は、2つ以上または1つの椎体間の距離にわたる寸法の長さL1を有することができる。図で示したように、脊椎ロッド400は実質的に円形または丸みのある断面形を含む。しかし代替実施形態では脊椎ロッド400の断面形が変化してもよいことが企図される。たとえば、脊椎ロッド400の断面形は、限定的ではないが、可能性を幾つか挙げると、三角形、長方形、六角形、八角形、楕円形、または星形を含むことができる。
【0032】
脊椎ロッド400は、たとえば上記で論じた骨アンカー装置300、301、320の受け通路306など、骨アンカーの受け部分と係合する寸法で構成される。脊椎ロッド400は、受け通路306内に配置された場合、受け通路306に結合されて、2つ以上の骨アンカー装置の間の剛直な構造を生成することができる。脊椎ロッド400を骨アンカーに受動的に固定して、骨アンカーと脊椎ロッド400との間の相対運動を可能にすることもできる。
【0033】
図8では、脊椎ロッド400は、ロッド400の長さL1のかなりの部分に沿って延びる内部室404を備える。内部室404は、被覆体409によって少なくとも部分的に包囲され、本体401の全てまたは一部を含むことができ、硬化性材料411を収容する。図で示した実施形態では、第1の構成では、および暴露された後の一時期は、硬化性材料411がエネルギー源に暴露されていないとき、脊椎ロッド400は長さL1のかなりの部分に沿って可撓性のままであり、第2の構成では、硬化開始エネルギーに暴露された後の加工時間の経過後、硬化性材料411が硬化し、脊椎ロッド400が長さL1に沿ってより剛直、または剛直になる。
【0034】
内部室404が本体401の長さL1のかなりの部分に沿って延びているところが図で示されているが、理解されるように、図で示していない代替実施形態では、内部室404は長さL1の一部だけに沿って延びることができる。さらに、本体401が2つ以上の内部室404を備えて、脊椎ロッド400が最初の構成中に2つ以上の可撓性部分を含みうることが企図される。脊椎ロッド400が2つ以上の可撓性部分を含み、または内部室404が長さL1の一部分にだけに沿って延びる実施形態では、残りの1つまたは複数の部分は、限定的ではないが、ステンレス鋼、ニチノール、クロムコバルト、チタン、およびその合金、並びにポリマーが含まれる任意の適した生体適合性材料を含むことができる。さらに、脊椎ロッド400の残りの部分の構成は固体でもよく、テザー、ワイヤ、またはケーブルを受けるためのカニューレ挿入部または通路(チャネル)を含むことができる。
【0035】
次に図9を参照すると、図8の線9−9に沿って見た脊椎ロッド400の横断面図が示されている。図で示したように、脊椎ロッド400の断面形は実質的に円形であり、被覆体409が硬化性材料411の漏れを防止するように硬化性材料411を密封して包囲している。硬化性材料411は、開始エネルギーに暴露される前は最初の流体構成を有し、エネルギー源に暴露された後、かつ硬化期間に剛性形態に変化するように構成される。本明細書で使用されるように、用語「流体」は、脊椎ロッド400に展性または可撓性の特性を与える形態を指すものである。本出願では、たとえば粒状固体、または他の変形可能な固体など、幾つかの固体形態が、こうした特性を装置に与えることができることが企図されており、したがって、それらが用語「流体」の意味に含まれる。可撓性構成から剛性構成への移行に必要とされる時間は、硬化性材料411を構成する材料のタイプに依存する。硬化状態になった後、材料はそれぞれのインプラントの全てまたは一部に支持を提供するように構成される。
【0036】
脊椎インプラントシステム200はさらに、図10の幾つかの形状が破線で示された側面図で示した架橋装置500を備える。架橋装置500は、第1の分岐部材502、および相互連結装置501で連結された第2の分岐部材507を備える。相互連結装置501を、分岐部材502および/または507が相互連結装置501に対して、かつ/または互いに、移動(並進)および/または回転しやすくなるように構成することができる。別法として、分岐部材502および/または507を相互連結装置501と共に、あるいは互いに単一ユニットとして一体型に形成することができる。分岐部材502は、第1の端部504と第2の端部505の間の本体503を備える。本体503は、被覆体として機能する、本体503によって包囲された内部室506を備え、硬化性材料を内部室506内に含むことができる。分岐部材507は、第2の端部510と反対側の第1の端部509を備え、本体508がその間に延びる。本体508は、被覆体として機能し、硬化性材料を含む内部室511を備える。
【0037】
それぞれ分岐部材502および507は、それぞれ端部504、509に隣接する係合部分512および513を備える。係合部分512および513は、脊椎インプラントシステム200の他の構成要素と係合する寸法および構成にすることができる。たとえば、システム200は、追加のセットの骨ねじ300および301に連結された2つ以上の脊椎ロッド400を含むことができる。それぞれ脊椎ロッド400は患者の脊柱に沿って互いに平行に延びる。この実施形態では、係合部分512および513はそれぞれ脊椎ロッド400と係合して、架橋装置500がその間で横方向に延びるようになされる。代替実施形態では、係合部分512および513を、脊椎ロッドが結合される骨フック、骨ねじ、または他の固定装置と係合するように構成することができる。
【0038】
図で示したように、内部室506および511は、それぞれ分岐部材502および507の実質的に全長に沿って延びる。硬化性材料が硬化する前に、架橋装置500と多様な脊椎構成要素との相互連結が容易になるように架橋装置500を可撓性のままにすることができ、分岐部材502および507が剛直化して、架橋装置500とそれぞれインプラント構成要素の間の剛直な構成が生成される。図で示していない代替実施形態では、内部室506および/または511はそれぞれ分岐部材502および/または507の一部だけに沿って延びることができる。さらに、それぞれ分岐部材502および/または507が硬化性材料を有する2つ以上の内部室を備えることができ、被覆体が分岐部材502、507の全てまたは一部を形成することができることが企図される。
【0039】
図11では、幾つかの形状が破線で示された、代替の細長い脊椎固定要素600の平面図が示されている。固定要素600は脊椎プレートの形態であり、第2の端部分602と反対側の第1の端部分601、およびその間に延びる本体603を備える。固定要素600は、全般的に、少なくとも一組の隣接する椎体の間に延びる寸法および構成であるが、代替実施形態では、3つ以上の椎骨にわたり、頚、胸郭、腰、および仙椎部を含む脊柱の1つまたは複数の領域に沿って延びるように構成することができる。固定要素600は、端部分601および602を通って延びる孔604を含む。孔604は、骨ねじなど固定装置が通過し、それぞれ椎体と係合して、固定要素600を椎体に固定できるようにする寸法および構成である。さらに、固定要素600の外部は、円板内突起と固定部材、隆起部と谷部、および/または多孔性材料を含む、骨構造との係合をさらに促進するための1つまたは複数の表面形状を含むことができる。
【0040】
さらに図12および図13を参照すると、固定要素600は、被覆体610、および被覆体610内に含まれた硬化性材料620を含む。第1の構成では、固定要素600の本体603は可撓性のままであり、屈曲、脊椎の解剖学的構造に従った形付け、および/または、たとえば配備用カテーテルなど導管を通した移植部位への送達が容易になされる。たとえば、幾つかの構成の中でも特に、固定要素600を、屈曲し、ねじり、回転させ、平坦化し、細長くし、かつ/または拡幅して、最小限の侵襲的方法で送達するのを容易にし、または所望の移植部位の周囲の特性に従うようにすることができる。硬化性材料をエネルギー源に暴露した後の加工時間の経過後、固定要素600は所望の形成物に剛直化することができる。
【0041】
図で示していない代替実施形態では、プレート600の1つまたは複数の部分を内部で互いに区画化して、様々な材料をその中に含めることができることが企図される。たとえば、1つまたは複数の端部分601または602が、硬化性材料を含む内部室を備え、その間に延びる本体603が様々な生体適合性材料を含み、最初の構成中に端部分601および/または602が可撓性であり、本体603が剛性、または永久に可撓性であるようにすることができる。さらに、本体603が、単一、または端部分601および/あるいは602と組み合わせて、硬化性材料を含む内部室を備え、他の1つまたは複数の部分が様々な材料を含んで、本体603が最初の構成中に可撓性であり、端部分601または602の1つあるいは両方が剛性、または永久に可撓性することができることが企図される。
【0042】
図14を参照すると、装置を円板内脊椎インプラントに関連して使用することもできる。図14は、整形外科用装置の一例を示しており、全般的に、患者の脊柱SCに対する円板内脊椎インプラント700を対象とするものである。インプラント700は、限定的ではないが、無分離脊椎すべり症、骨折、脱臼、脊柱側彎症、脊柱後彎症、脊髄腫瘍、および/または失敗した以前の癒合治療を含む、幾つかの脊椎変形の治療に使用することができる。図で示した実施形態では、インプラント700が第1の椎体20と第2の椎体22の間に配置され、各椎体がそれぞれエンドプレート24、26を含み、エンドプレート24および26が互いに向き合うように方向付けられている。エンドプレート24と26の間の空間を円板空間の全てまたは一部を取り除いて形成することができる。また、インプラント700を、1つまたは複数の椎骨を除去する椎体切除術の処置で使用することができる。
【0043】
インプラント700は、第1の椎骨係合面702、および本体701の反対側に配置された第2の椎骨係合面704を備え、各表面702、704は、それぞれ隣接するエンドプレート24、26の1つと係合するように構成される。表面702および704は、図では比較的滑らかに示されているが、特定の実施形態では、エンドプレート24、26と係合しやすくする代替表面形状を含むことができる。たとえば、表面702および704の構造は、多孔性でもよく、かつ/または隆起部、谷部、スパイク、ぎざぎざ、および/または当業者に認識される他の固定構造を含むこともできる。
【0044】
図15は、図14の線15−15に沿って切り取られたインプラント700の横断面図である。脊椎インプラント700は、硬化性材料711を含む内部室710を形成する本体701の概ね全てまたは一部の被覆体709を備える。硬化性材料711は被覆体709と連通しており、被覆体709および/または本体701から漏れたり流れたりできないように室710内に密封される。しかし、再密封可能な1つまたは複数のポートを設け、それを通って硬化性材料711を選択的に流すこともできる。それぞれ被覆体709および硬化性材料711は、インプラント700が最初の可撓性、屈曲性、または形成可能な構成を有するように全般的に構成される。しかし、硬化性材料711が開始エネルギーに暴露された後、かつ加工時間後は、硬化性材料711は硬化または剛直化し、剛性インプラントが作成される。
【0045】
図16〜図19のインプラント装置は、インプラント700に関して上記に挙げた脊椎変形の治療に使用することができる円板内インプラント装置の代替例である。図16にインプラント720の斜視図が示されている。インプラント720は、脊椎円板空間の全てまたは実質的に全てを占める寸法および形状でもよく、前方、前外側、あるいは側方の手術で移植することができる。インプラント720は、第2の椎骨係合面722と反対側の第1の椎骨係合面721、および本体723を備える。それぞれ面721および722は、たとえば図14のエンドプレート24、26など椎体のエンドプレートと係合するように構成される。したがって、それぞれ表面721および722自体は、隆起部、谷部、歯、ぎざぎざ、および/または突起、あるいは係合構造など固定形状を含むことができる。当技術分野で周知のように、表面721および722は、多孔性材料を含んで、組織の侵入および退出を容易にして、インプラント720を脊椎部位にさらに固定し、かつ/または隣接する椎体の固定を生成することができる。
【0046】
インプラント720はさらに、本体723を通って表面721から表面722まで延びる開口724を含む。一実施形態では、開口724は1つまたは複数の生体適合性材料を含むことができる。他の実施形態では、開口724は、限定的ではないが、骨移植材料、骨形態形成蛋白質(BMP)、骨細片、骨髄、脱無機質骨基質(DBM)、間葉幹細胞、および/またはLIM無機質化蛋白質(LMP)、あるいは任意の他の適した骨成長促進材料もしくは物質を含む骨成長促進材料など生体吸収性材料を含む。
【0047】
図で示した実施形態では、開口724を取り囲む本体723全体は、上記で論じた硬化性材料711など硬化性材料を含む内部室725を画定する被覆体729を備える。硬化性材料がエネルギー源に暴露されていないとき、および暴露された後の加工時間にわたり、脊椎インプラント720は、方向矢印Bで示したように、インプラント720の多様な方向の圧縮または拡張によって多様な構成に再構成することができる。たとえば、幾つか構成の中でも特に、表面721および722の全てあるいは一部を湾曲させて、全体的あるいは部分的に湾曲された脊椎エンドプレートに着座させることができ、または脊椎インプラント720の高さHを椎体間の間の空間を満たすように変更することができる。
【0048】
理解されるように、図で示していない代替実施形態では、本体723の1つまたは複数の部分だけが硬化性材料を含む内部室725を備えて、幾つかの場所に可撓性を提供することができる。こうした実施形態では、硬化性材料を含む内部室725を備えていないインプラント720の残りは、当業者に認識される任意の適した生体適合性材料を含むことができる。また、図で示していない他の実施形態では、表面721と表面722の間の高さHの1つまたは複数の部分だけが内部室725および硬化性材料を含んで、本体723が多平面構成をとり、幾つかの平面が硬化性材料711を含み、残りの平面が、被覆体729の材料と同じ、または異なる任意の適した生体適合性材料を含むことが企図される。それぞれ企図された実施形態では、硬化性材料をエネルギー源に暴露して、所望の構成の形成物の剛直な脊椎インプラント720を作成することができる。
【0049】
次に図17を参照すると、円板内連接脊椎インプラント740が示されている。インプラント740は第1の連接部分741を備える。部分741は、第1の取付プレート743の内面745に取り付けられた連接部材742を備える。インプラント740は、第2の取付プレート748の内面750に取り付けられた連接部材747を備える第2の連接部分746も含む。それぞれ取付プレート743および748は、それぞれ椎骨係合面744および749を備える。係合面744および749は、図で示したキールなど1つまたは複数の骨係合構造744a、749aを備えることができる。限定的ではないが、隆起部、谷部、歯、ぎざぎざ、および/または他の突起、あるいは1つまたは複数の係合構造を含む他の骨係合構造が企図される。当業者には理解されるように、係合面744および749は、骨および/または組織の取付プレート743および748への内部成長を促進するための多孔性でもよいことがさらに企図される。図で示していない他の実施形態では、取付プレート743および748は、1つまたは複数のフランジおよび/またはフランジを通って延びる孔を含むことができ、孔は、限定的ではないが、ねじ、フック、ステープル、および/または縫合糸を含むアンカーが通過して、インプラント740をそれぞれ隣接する椎体に固定できるように構成される。理解されるように、孔およびアンカー装置の追加を単独または上記に挙げた任意の骨係合構造と組み合わせて使用することができる。
【0050】
連接部分741および連接部分746は、境界部751で互いに係合して、取付プレート743および748が互いに可動であるように構成される。当業者には理解されるように、インプラント740が椎間空間内に移植された場合、部分741と746の間の連接部は脊椎の円板様の運動を生成し、したがって、インプラント740を、幾つかの適用例の中でも特に、円板の置換に使用することができる。図で示した実施形態では、連接部分741、746は、球面自在型構成に構成される。他の実施形態では、取付プレート743と748の間の弾性的に圧縮可能な部材、プレート743と748の間のばね要素、または他の適した運動維持構造を含む、他の構成が企図される。
【0051】
図で示した実施形態では、それぞれ第1の取付プレート743、連接部材742、連接部材747、および第2の取付プレート748は、それぞれ内部室752、753、754、および755の1つを収容する材料で形成される。それぞれ内部室752〜755はさらに硬化性材料711など硬化性材料を含んで、インプラント740が硬化性材料711および被覆体材料の構造によって提供される最初の可撓性構成を有するようになされる。他の実施形態では、連接部分741または746の1つだけが内部室752および753、または754および755の1つ、あるいは両方、並びに関連する硬化性材料を含むことができる。また、他の実施形態では、連接部分741および746を備える1つまたは複数の部分がそれぞれ内部室および硬化性材料711を備えることができる。たとえば、1つまたは複数の取付プレート743および748が内部室752または755および硬化性材料を含んで、1つまたは複数の取付プレート743および748を、隣接する椎骨エンドプレートの自然または形成された表面特性と対合し係合するように構成することができる。他の例では、1つまたは複数の連接部材742および747がそれぞれ内部室753または754内に硬化性材料を含んで、1つまたは複数の連接部材742および747が、たとえば、取付プレート743と748の間の距離DDを変更して、円板内空間への挿入が容易になるように構成可能になされる。さらに、連接部材742および747の任意のもの、並びに取付プレート743および748の任意のものが、単一または任意の他のインプラント構成要素と組み合わせた可撓性構成を含むことができることが企図される。それぞれ企図された実施形態では、硬化性材料をエネルギー源に暴露してから所望の生体内の部位に挿入して、加工時間後に、所望の構成の剛直な脊椎インプラント740を作成することができる。
【0052】
後外側または後方椎体間癒合術用インプラント760が図18の斜視図で示されている。インプラント760を単独で、または脊椎円板空間内の1つまたは複数の他のインプラントと組み合わせて使用することができる。インプラント760は、後方または後外側に作成されたポータルを通して挿入するのに対応した幅を有し、円板空間内で前方―後方に方向付けられるように細長くすることができる。他の構成では、椎間孔(transforaminal)の配置で、矢状面に対して斜めに、または矢状面に対して横方向に方向付けた方向の移植が企図される。別法として、前方固定術でインプラント760を他のインプラント760と並列関係に前方に移植することもできる。
【0053】
脊椎インプラント760は、第1の端部764と第2の端部765の間に延びる細長い本体763を備える。本体763は、実質的に細長い長方形および対応する長方形の断面を有するところが図で示されているが、たとえば、限定的ではないが、実質的に円形、三角形、六角形、または八角形を含む他の断面形状も適していることが企図されている。上面および下面をエンドプレートの解剖学的構造に対して凸面に湾曲させることができる。1つまたは複数の側壁は、凹面形状または凸面形状を含むことができる。図で示していない一実施形態では、脊椎インプラント760は、端部764と765の間で本体763の全てまたは一部に沿って延びる外部ねじを備えて、隣接する椎体とのねじ係合を行うことができる。インプラント760は、多孔性構造、隆起部、溝、歯、および/または他の突起を含む、インプラントの外面の全てまたは一部に沿った他の係合構成を含むことができ、それらは全てインプラントの保持力および/またはインプラント部位の固定を向上させるように構成される。
【0054】
図で示したように、脊椎インプラント760の本体763は、硬化性材料をその中に含み、本体763のほぼ全てに沿って延びる内部室766を画定する被覆体を形成する。硬化性材料を有する内部室766が本体763のほぼ全てに沿って延びる場合、インプラント760は、方向矢印Cで示したように複数の方向にインプラント760の形状、長さ、幅、および/または高さを変えて、移植部位または挿入ポータルに対応するように構成可能でもよい。図で示していない他の実施形態では、本体763は、硬化性材料を有し、本体763の一部分だけに沿って延びる内部室を画定する。内部室に沿った本体763の一部は、少なくとも部分的に被覆体によって形成され、本体763の残りを任意の適した生体適合性材料で形成することができる。幾つかの実施形態では、本体763は、限定的ではないが、骨移植材料、骨形態形成蛋白質(BMP)、骨細片、骨髄、脱無機質骨基質(DBM)、間葉幹細胞、および/またはLIM無機質化蛋白質(LMP)、あるいは任意の他の適した骨成長促進材料もしくは物質など、骨成長誘導剤を含むように構成された少なくとも1つの空洞を含むことができる。それぞれインプラント760用に企図された実施形態では、室内の硬化性材料をエネルギー源に暴露して、所望の構成の形成物の剛直な脊椎インプラント760を作成することができる。
【0055】
図19は、繊維輪の増強を容易にするための髄核の一部または全体の置換に使用することができる円板内インプラント770の斜視図である。インプラント770は、硬化性材料をその中に収容するための内部室772を取り囲み、内部室772を作成する被覆体を形成する本体771を備える。この実施形態では、インプラント770は、たとえば方向矢印Eで示したように、複数の方向に構成可能である。すなわち、移植部位とより良好に嵌合するように本体771の高さおよび半径方向の調整が可能であることを指す。図で示していない他の実施形態では、インプラント770は、本体771の選択された1つまたは複数の部分だけに内部室772を含むことができる。さらに、図で示したように、インプラント770は実質的に円筒形状を有することができるが、理解されるように、インプラント770の代替形状および構成も企図される。たとえば、インプラント770の寸法、高さ、および形状を変えて、対応して作成された移植部位の形状、自然の解剖学的構造、または特定の寸法および形状の挿入ポータルにより良好に一致するようにすることができる。それぞれ企図された実施形態では、硬化性材料をエネルギー源に暴露してから所望の生体内の部位に挿入して、加工時間後に、所望の構成の剛直な脊椎インプラント770を作成することができる。
【0056】
装置800が、生体適合性被覆体810、および被覆体810内に含まれ密封された硬化性材料820を含む、本出願の他の態様が図20に示されている。硬化性材料820は非剛性の形態であり、材料820の硬化に有効な量の開始エネルギーを材料820に与えた後の加工時間後に剛性形態に変化可能である。装置800は患者の体内への移植前およびその間は変形可能であり、硬化性材料の硬化後の多様な最終用途のための多様な形状および寸法に構成することができる。装置800は、硬化性材料820がバルーン840の外部に配置されるように、被覆体810内に収容された加圧可能なバルーン840も備える。加圧流体が十分な圧力下でバルーン840内にポート850を通して導入されると、バルーン840が加圧され、硬化性材料820および被覆体810に外向きの圧力を加える。外向きの圧力によって、有利に、被覆体810が、たとえば隣接する骨部分または隣接するインプラント構成要素など、隣接する構造に押し付けられて、装置がより適切にそれらと係合し、かつ/または対合するようになる。次いで挿入前に硬化性材料が開始エネルギーに暴露された結果、硬化して、所望の構成の形成物の剛性インプラントが作成される。本明細書で使用されるように、用語「バルーン」は、圧力下で液体または気体を充填して、バルーンを膨張させることによって、硬化性材料および硬化性材料が含まれる被覆体に圧力を加えて膨張させることができる薄い可撓性容器を指すために使用される。
【0057】
使用のために選択されるバルーンは、バルーン血管形成用途のバルーンの作成に有効であることが知られている技法の使用を含む多様な方法で構成することができ、バルーンの作成に適した材料には、バルーン血管形成などの目的に現在使用されているものが含まれる。望ましい材料は、伸展性(適応性)、生体安定性、および/または生体適合性などの特性と、弾性および強度などの機械的特性の最適な組み合わせを提供するものである。バルーンを、複数の層を有する形態、膨張したときに複数の区画を有する形態を含む、多様な適切な形態で提供することができる。有用なバルーン装置は、流体または気体に圧力を加える手段と共にバルーン自体を備えるものである。
【0058】
バルーンの作成に適した材料の例には、限定的ではないが、ポリオレフィンコポリマー、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、およびポリ(エーテルエーテルケトン)などエーテルーケトンポリマーが含まれる。こうした高分子材料を、支持されない形態、または、たとえばDacron(商標)あるいは他の繊維の組み込みによって支持された形態で使用することができる。さらに、バルーン(またはバルーン様構成)は、多様な織物繊維または不織繊維、布、金網または編組線などの金属メッシュ、および炭素を含むことができる。ePTFEおよびDacron(商標)など生体適合性布またはシート材料を使用することもできる。幾つかの実施形態では、バルーンは金属ワイヤまたは他のバルーンに組み込まれる想像可能な手段を有する。X線螢光透視法で見ることができる任意の材料が許容される。可能な材料には、任意の金属、金属合金、またはポリマーと組み合わせることができるセラミックが含まれる。材料はバルーン内、またはバルーンの表面上に組み込まれた、ワイヤ、メッシュ、または粒子の形態でもよい。
【0059】
バルーンを含む幾つかの例示の実施形態に関するさらなる詳細を図21〜図23を参照して提供する。図21で示した実施形態では、骨アンカー装置900は展性構成で提供され、硬化性材料920を収容するための内部室を画定する被覆体910を含む軸部分903を備える。内部室、したがって硬化性材料920は、軸部903に沿って近位の頭部905から遠位の先端902まで延びる。第1の構成では、および暴露された後の加工時間中、硬化性材料がエネルギー源に暴露されていないとき、軸部903は可撓性のままであり、骨部分965内に予め形成された空洞960など作成された通路内での軸部903の係合が容易になり、または、たとえば脊椎ロッド400など他の構造構成要素とのより良好な連結が容易になるように、軸部の軸に沿って角度調整ができるようになされる。骨アンカー装置900は、硬化性材料920がバルーン940の外側に存在するように被覆体910内に収容された加圧可能なバルーン940も備える。たとえば食塩水など加圧流体が十分な圧力下でバルーン940内にポート950を通して導入されると、バルーン940が加圧され、外向きの圧力を硬化性材料920および被覆体910に加える。したがって、図22で示したように、軸部903が空洞960内に配置された後にバルーン940が加圧されると、図23で示したように、軸部903が空洞960の形状に一致される。軸部903が所望の構成を有する場合、硬化性材料920の硬化によって、アンカー900が骨部分965と耐久的に係合される。
【0060】
図24で示した実施形態では、脊椎ロッド1000は、硬化性材料1020を収容するための内部室を画定する被覆体1010を備える。内部室、したがって硬化性材料1020は、ロッド1000に沿って第1の端部1002から第2の端部1003まで延びる。第1の構成では、硬化性材料が開始エネルギー源に暴露されていないとき、ロッド1000と他のインプラント構成要素との係合が容易になり、たとえばロッドの軸に沿った角度を調整して、たとえば骨アンカーまたは架橋装置など他の構成要素との連結を容易にすべく、ロッド1000は可撓性のままである。脊椎ロッド1000は、硬化性材料1020がバルーン1040の外側に配置されるように、被覆体1010に収容された加圧可能なバルーン1040も備える。たとえば食塩水など加圧流体が十分な圧力下でバルーン1040内にポート1050を通して導入されると、バルーン1040が加圧され、外向きの圧力を硬化性材料1020および被覆体1010に加える。したがって、バルーン1040が加圧されると、ロッド1000は、隣接する構造(図示せず)の形状に全般的に一致され、かつ/または、たとえば1つまたは複数の骨アンカー、あるいは架橋装置など、隣接する構造と係合され、もしくは締まり嵌めが形成される。ロッド1000が所望の構成を有する場合、硬化性材料1020の硬化によって、ロッド100が剛直化され、耐荷重機能が提供される。バルーン840、940、および1040などバルーンの加圧を、たとえば、限定的ではないが、椎骨および椎体間癒合装置を可動に支持するように動作可能な装置を含む、他の円板内および円板外装置用脊椎装置など、多様な他の実施形態と関連して使用することができる。
【0061】
図25では、横断面図で示された脊椎ロッド1100は、被覆体1110内に収容され、硬化性材料1120に埋め込まれた補強部材1170を備える。図で示した実施形態では、補強部材1170は、たとえば炭素繊維のマトリクスなど、複数の繊維からなる構造のマトリクス材料を含む。別法として、当業者によって企図されるであろう、多様な代替的な、材料および構造を補強部材1170に使用することができる。たとえば、補強部材1170は、限定的ではないが、数例を挙げると、融解石英、金属、またはセラミック粒子、PET繊維、PETメッシュ、および/または炭素繊維を含むことができる。補強部材1170は、移植部位で所望の圧縮を行い、または他の力を加える必要がある場合に、インプラントの剛性および強度を増すための追加のインプラントの支持が与えられるように構成される。図では補強部材1170が脊椎ロッド1100内に存在するところが示されているが、理解されるように、補強部材1170は本明細書に記載し企図される他のインプラントに含まれてもよい。
【0062】
光および他の電磁放射、並びに熱エネルギーは、硬化反応を開始させるために貫通可能な深さに関する限界を有するため、特に被覆体および/もしくは硬化性材料が放射の波長に対して透過でない、あるいは半透過であり、または(熱で開始される硬化性材料の場合は)熱伝導があまり良好でない実施形態では、本出願は開始エネルギーを硬化性材料に送出するための内部要素を備える装置も提供する。
【0063】
図26で示した実施形態では、装置1200は、被覆体1210内に含まれ、硬化性材料1220に隣接する内部エネルギー送出要素1280を含む。装置1200は、エネルギー送出要素1280を外部エネルギー源(図示せず)に接続するためのコネクタ1282も備える。代替実施形態では、エネルギー送出要素1280は、加熱素子、光ファイバ素子、アンテナ、電気素子、または他の形態のエネルギーを送出するための要素でもよい。当然、所与の実施形態で使用されるように選択されたエネルギー送出要素のタイプは、使用に選択された硬化性材料、その硬化性材料の硬化の開始に必要なエネルギーのタイプ、および所望の硬化程度を得るのに必要なエネルギーの量による。
【0064】
一実施形態では、エネルギー送出要素1280は熱送出要素である。使用に適した熱送出要素は多様な形態を含むことができる。たとえば、一実施形態では、熱送出要素はループとして形成された導管であり、加熱された媒体をその導管を通して循環させて、熱を硬化性材料に送出し、それによって硬化性材料の硬化を開始させる。当然、この実施形態で熱エネルギーを硬化性材料に送出するには、加熱媒体源をループの一端に連結し、装置を通過した後にインプラントの位置から媒体を除去するための排出部をループの他端に連結する必要がある。別法として、ループは、ループを有する閉回路を形成する加熱ポンプへの連結部でもよく、それによって、媒体が再加熱され、再循環されて、ループに戻される。
【0065】
使用することができる熱送出要素の他の例は、たとえば、コーティングされたタングステンワイヤまたは炭素繊維など、抵抗加熱素子である。この実施形態では、電流が抵抗加熱素子を通過するときだけ抵抗加熱素子が作動するため、加熱素子は、素子が連続した電気経路を形成するように方向付けられる。様々な実施形態では、抵抗加熱素子を、たとえば、それぞれ温度に直接または間接的に比例する電気抵抗など、抵抗の正あるいは負の温度係数を有する材料から作成することができる。抵抗加熱素子のDC電圧の測定によって、温度を監視することができる。電圧は所与の電流については抵抗に直接比例し、抵抗の温度係数は知られているからである。別法として、電圧、電流、および駆動システムの位相の測定によって、加熱素子の抵抗、したがって温度を、任意選択でマイクロプロセッサまたは専用回路によって計算することができる。
【0066】
抵抗加熱素子を使用して熱を送出するには、電流源をエネルギー送出要素1280にコネクタ1282を介して操作可能に接続し、それを通して電流を、硬化性材料1220に所望の量の開始熱エネルギーを送るのに十分な期間にわたり通過させる必要がある。源は、たとえば電池(図示せず)またはAC/DC変換器でもよい。図26のコネクタ1282および要素1280は、たとえば光を要素1280内に通過させることなどによって、エネルギーがエネルギー送出要素1280内に単に導入される実施形態の他に、必要に応じて、複数のエネルギー導管およびループ式エネルギー送出要素が必要な実施形態も概略的に示すものである。この点で、電流を使用して熱を提供し、または電気エネルギーを硬化性材料に直接提供する一実施形態では、コネクタ1282は、要素1280を通して電流を伝導するための複数の電気接点を含むことができる。たとえば、電気接点は、コネクタ1282を電力源(図示せず)にリンクするための同心の滑合連結部を含むことができる。こうした電気接点は、電源上のコンプリメンタリ接点と係合して、近位に配置された電源との電気回路を完全なものにして、抵抗加熱素子を作動させる。ループ式回路または他のタイプのループ式導管を得るための複数の接続を行う他の方法は、任意選択の第2のコネクタ1283を備えることである。この点で、装置1200は、複数のコネクタ1282、1283を備え、両方のコネクタを電源からの別々のリードに接続して、エネルギー送出回路を提供し、それによって装置1200を通る電気回路を提供することができる。
【0067】
熱硬化が使用される場合、移植時に装置の外側の温度が組織壊死が起こるほど高くならないことが好ましい。組織壊死は約45℃で起こる。これは、たとえば、インプラントの表面とインプラントの内部の温度差を設定する熱源を使用するなどによる、または加熱素子によって発生する熱から隣接する組織を熱断熱する材料からなり、および/もしくはそうする厚さを有する被覆体1210を使用するなどによる、幾つかの方法で行うことができる。使用に選択された硬化性材料1120の組成によって、幾つかの実施形態では、電気絶縁物からなる被覆体を使用することが望ましい。
【0068】
場合によっては、硬化性材料は、体温(37℃)より僅かに高い(結晶質の)融点、または(非晶質の)ガラス移転温度を有し、したがって体温では固体の(低温ポリマーなど)単なる材料である。一実施形態では、融点またはガラス移転温度は約37℃〜約100℃である。他の実施形態では、融点またはガラス移転温度は約37℃〜約75℃である。他の実施形態では、融点またはガラス移転温度は約37℃〜約50℃である。一部の実施形態では、こうした低温材料が粘性および流動性になる点まで単に加熱され、次いで所望の位置の所望の部位に配置されて、その後、粘性材料を体温まで冷却することによって装置が凝固する。他の実施形態では、加熱媒体を使用する実施形態に関する上記と同様の方法で、冷却媒体を装置内部のループを通過させることによって、装置の凝固を促進することができる。こうした材料は生体内で反応する必要がないため、比較的不活性であることが望ましい。
【0069】
他の代替実施形態では、熱送出要素は、RFアンテナ、超音波変換器、マイクロ波アンテナ、またはそれぞれエネルギーの形態を熱エネルギーに変換して、硬化性材料に送出することができる導波管を備えることができる。やはり当業者には理解されるように、補強部材1170など補強部材が導電性材料またはRFアンテナ、超音波変換器、マイクロ波アンテナ、または導波管としての使用に適した材料から作成された装置に含まれる場合、補強部材を使用して、補強機能を提供し、かつ加熱素子として作動させることができる。
【0070】
他の実施形態では、硬化性材料1220は、光硬化性材料であり、エネルギー送出要素1280は光送出要素である。本明細書で使用されるように、用語「光硬化性」は、可視光スペクトル内の波長で電磁エネルギーを与えると硬化が開始されるタイプの材料を指すものである。こうした実施形態では、エネルギー送出要素は、光ファイバ素子でもよく、または有効に光を透過する他の材料からなるものでもよい。一実施形態では、内部要素1280は、開放空洞(すなわち光源を一時的に挿入するためのもの)を画定する透過性または半透過性の導管である。他の実施形態では、被覆体1210は、要素1280によって出される光の少なくとも一部を反射するのに有効な硬化性材料1220に向けて方向付けられた内面1212を有する。
【0071】
光エネルギーを使用して硬化を開始する一実施形態では、光を多様な方法でエネルギー送出要素に送出することができる。たとえば光ファイバケーブルなどエネルギー送出要素に光を送出することができる露出されたポータルに手持型光エミッタからの光を単に照射することによって、光を提供することができる。あるいは、光源を要素に物理的に接続することによって、光を要素に送出することができる。他の実施形態では、硬化性材料1220は、可視光スペクトル外の波長で電磁エネルギーを与えると硬化が開始されるタイプのものである。この実施形態では、エネルギー送出要素1280は電磁放射送出要素を備える。他の実施形態では、被覆体1210は、電磁放射の少なくとも一部を反射するのに有効な硬化性材料1220に向けて方向付けられた内面1212を有する。様々な実施形態では、電磁放射は、限定的な例ではないが、高周波、X線放射、赤外放射、紫外放射、およびマイクロ波放射である。
【0072】
装置は、たとえば図27および図28で示したように、単一の被覆体内に複数のエネルギー送出要素を備えることもできる。図27では、装置1300は、外部エネルギー源(図示せず)に接続するためのコネクタ1382にリンクされた2つのエネルギー送出要素1380aおよび1380bを備える。任意選択のコネクタ1383を含むこともできる。コネクタ1383は、上記の電気回路または加熱媒体循環ループなど、ループまたは回路に1つまたは複数の要素1380aおよび1380bを備えることが望ましい実施形態では特に有用である。図28では、装置1400は、それぞれそれ自体のコネクタ1482aおよび1482bにリンクされた2つのエネルギー送出要素1480aおよび1480bを備える。任意選択のコネクタ1483aおよび1483bを含むこともでき、これらは上記の電気回路または加熱媒体循環ループなど、ループまたは回路に1つまたは複数の要素1480aおよび1480bを備えることが望ましい実施形態では特に有用である。当然、適切な量のエネルギーを硬化性材料に所望の速度で送出するのに適した、単一の被覆体に収容された他の数のエネルギー送出要素、およびコネクタの任意の組み合わせを使用することができる。
【0073】
本出願では、エネルギー送出要素が、当業者が思いつく多様な形態をとりえることが企図される。たとえば、理解されるように、エネルギー源またはエネルギー送出要素と硬化の開始が望まれる硬化性材料を分離する距離が比較的短いと、比較的均一で完全な硬化を行うことができる。たとえば、比較的薄い装置では、エネルギーが通過するように被覆体が形成されている限り、内部エネルギー送出要素は不要である。エネルギーが硬化性材料内に一定の距離だけ貫通することができるからである。一方、装置が比較的大きい寸法の硬化性材料を含む場合、硬化性材料全てがエネルギー送出要素から一定の最大距離を越えないように配置された1つまたは複数のエネルギー送出要素を有することが望ましい。より均一なエネルギー送出を行う方法の一例では、図29で示した装置1500など装置は、エネルギーを硬化性材料1520に比較的近い点からその硬化性材料の周辺部分に送出するための複数の付属部1581を有するエネルギー送出要素1580を備える。図30で示した他の実施形態では、装置1600は、コイル形状のエネルギー送出要素1680を備える。他の実施形態では、図31で示したエネルギー送出要素1780は可撓性のジグザグパターンを有する。当然、多様な代替構成を他の実施形態で使用することができる。
【0074】
本出願では、たとえば可視光を送出するための1つまたは複数のエネルギー送出要素、および熱を送出するための1つまたは複数の他のエネルギー送出要素など同じ被覆体内に含まれた様々なタイプのエネルギー送出要素を備える装置も企図される。この点で、本出願では、所与の装置の被覆体内に含まれた硬化性材料が、様々なタイプのエネルギーによって硬化が開始される組成物の混合物を含むシステムが企図される。他の実施形態では、様々なタイプのエネルギーによって開始される硬化性材料を1つの被覆体の分離された区画内、または単一装置の複数の被覆体内に含むことができる。したがって、様々な硬化性材料によって示される様々な硬化プロファイルによる様々な硬化特性を有する装置を構成することができる。本明細書で使用されるように、用語「硬化プロファイル」は、たとえば、限定的ではないが、硬化の開始に使用することができるエネルギーのタイプ、硬化の開始あるいは材料を完全に硬化させるのに必要なエネルギー量、硬化開始後の硬化の進行速度、エネルギーへの暴露の妨げが硬化に与える影響、エネルギー量が硬化速度に与える影響など、効果特性に影響を与える材料の特性の組み合わせを指すものである。
【0075】
図32は、エネルギー送出要素I880aおよび1880b、加圧可能なバルーン1840、並びに被覆体1810内に含まれた補強部材1870を備える装置1800を示す。本出願では、本明細書で論じるように、これらの構成要素の1つまたは複数を省いた装置も企図される。たとえば、本出願では、(たとえばエネルギーが装置の外部の点から被覆体を通して硬化性材料に送出される実施形態では)加圧可能なバルーンおよび補強部材を含むが、エネルギー送出要素を含まない装置が企図される。本出願では、補強部材およびエネルギー送出要素を含むが、加圧可能なバルーンを含まない装置、および加圧可能なバルーンおよびエネルギー送出構成要素を含むが、補強部材を含まない装置も企図される。当然、本出願では、本明細書で論じるように、これらの構成要素の1つだけを含む装置も企図される。
【0076】
装置が自蔵式であり、密封され、長期間にわたり貯蔵安定性がある特徴を有するように装置を作成することができる。たとえば、一実施形態では、装置は、予備混合され、装置の被覆体内に密封され、開始エネルギーが与えられるまで硬化を開始しない単一成分の硬化性組成物を含む。こうした一実施形態では、他の優れた特徴の他に、従来技術で提案された幾つかの硬化性システムで必要とされるように、湿潤または術中の2部分の混合工程中に発生する合併症が回避される。さらに、こうした装置を事前包装し、滅菌して、医療関係者が装置をパッケージから取り出したときに、すぐに開始エネルギーを与え、患者に移植する準備ができる。実際、所望の場合は、装置をパッケージから取り出す前に、開始エネルギーを与えることができる。図33で示した一実施形態では、パッケージ130に収容された装置100が示されている。代替実施形態では、装置100はパッケージ130内に密封される前に滅菌され、または装置100がパッケージ130内に配置された後に、装置100およびパッケージ130が共に滅菌される。パッケージを、予期される移植時の前の開始エネルギーへの暴露からインプラントを保護するように構成することができる。カバーを、移植前に除去されるように、または生体内の部位に配置した後に除去できるように構成することができる。
【0077】
本出願では、移植時に展性および/または可撓性であり、次いで移植部位に配置された後に剛性形態に硬化する複数の構成要素を備える整形外科用インプラントも企図される。一実施形態では、インプラントは、同じ硬化性材料を含む複数の発明に係る装置を備える。他の実施形態では、それぞれ装置は様々な硬化性材料を含む。インプラントを、様々な硬化プロファイルを有する様々な構成要素を有するように構成して、移植処置を行う外科医が、それぞれ装置の硬化を制御して行うことができる。たとえば、幾つかの環境では、インプラントの骨と係合しない装置の前に、またはそれよりも速く硬化する骨係合装置の使用が好ましいことがある。他の実施形態では、骨係合装置の前に、またはそれよりも速く硬化する骨と係合しない装置の使用が好ましいこともある。
【0078】
当業者には理解されるように、硬化性材料は多様な組成物を含むことができる。一実施形態では、硬化性材料は単一成分のエポキシを含む。他の実施形態では、硬化性材料は光硬化性材料を含む。例示の一実施形態では、硬化性材料が光硬化性である場合、中度の粘性の事前活性化されたエポキシ接着剤を含む。この性質の一光硬化性材料は、Loctite(登録商標)3355としてHenkel Corporationから市販されている。幾つかの特質の中でも特に、この材料は、単一成分構成であり、UV光に曝すと硬化性があり、硬化時間が速く、硬化時の収縮および抵抗特性が低い。この材料は、ガス発生が少なく、影の部分でも、全ての領域にわたり均一に硬化する。硬化性材料を、たとえば使用の直前に混合が不要な形態など、単体形態で提供することができる。むしろ、装置の配置後に、硬化性材料を開始エネルギーに曝して、触媒系の介在によって重合化させる。上記のように、複数の異なる硬化性材料を、すなわち様々な層または装置の部分で使用して、たとえば可視光または他のタイプの1つの波長の電磁放射など1つのタイプの開始エネルギーによる硬化によって、装置の一部が硬化し、次いで他の波長または他のタイプのエネルギーに暴露することよって他の部分が硬化するようにすることができる。多様な硬化性材料が本出願によって企図されている。使用に適した硬化性材料の例を、それぞれ参照により全体が本明細書に組み込まれている、1つまたは複数の、Shastriの米国特許第5,837,752号、Erbe他の米国特許第6,987,136号、Erbeの米国特許第5,681,872号、Bagga他の米国特許出願第2003/0125739号、およびDi Mauroの米国特許出願第2004/0230309号で見ることができる。
【0079】
さらに、硬化を開始するために開始エネルギーに曝し、曝した後に患者に移植するだけでよい完全に組立てられた装置を有する製品キットで装置を提供できることが企図される。他の形態では、装置が部分的に組立てられ、または組立てられない状態の製品キットが提供される。この形態では、外科医は、装置のタイプ、装置の寸法、および/または装置に充填される硬化性材料のタイプおよび量の選択で可撓性が得られるように、処置中に組立用に装置の構成要素を選択することができる。
【0080】
整形外科用インプラント装置の耐荷重構成要素の形成および位置付け方法は、本明細書に記載した自蔵式、展性の装置を提供すること、適した開始エネルギーの量を材料に与えること、装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に挿入することを含む。装置が密封されたパッケージ内の滅菌済みの形態で提供される場合、硬化開始エネルギーに暴露する前または後、かつ生体内の部位に挿入する前または後に、装置を滅菌環境、すなわち外科手術室でパッケージから取り出すことができる。
【0081】
この方法を実行する一方法では、装置が生体内の部位に挿入される前に、たとえば装置を折りたたみ、または屈曲させることによって、装置が送出用の圧縮された構成に形付けられる。装置の挿入後、装置を所望の形状および骨部分に対して所望の方向に形成することができる。たとえば、生体内の部位に挿入した後、装置を少なくとも1次元において圧縮された形態よりも大きい拡張された形態に再形成することができる。装置が被覆体内に収容された加圧可能なバルーンを含む一実施形態では、再形成は、たとえば食塩水または空気など加圧流体をバルーンに導入して、バルーンを加圧し、外向きの圧力を硬化性材料および被覆体に加えることを含むことができる。
【0082】
この方法を実行する一方法では、装置が所望の生体内の部位に挿入され、所望の形態に構成される前に、硬化性材料が手持型または携帯用エネルギー源から送られるエネルギーに暴露される。エネルギーは、硬化性材料への暴露が生じる場合、2つ以上の形態でもよい。たとえば、エネルギーはUV光でもよく、熱エネルギーを含むこともでき、それによって一部の実施形態では、硬化性材料の硬化速度を上げることができる。十分な量の開始エネルギーを与えた後の加工時間後、硬化性材料が剛直化して、インプラントの耐荷重構成要素が提供される。開始エネルギーが材料に与えられた後、展性の構成要素が所望の生体内の部位に挿入され、硬化性材料の硬化に十分な期間にわたり所望の方向に維持され、それによって、骨部分または他の整形外科用インプラントの構成要素と係合するための所望の構成を有する耐荷重構成要素が形成される。硬化性材料が硬化する期間中、外科医または他の医療関係者は、任意選択で、装置の位置または形状が変更されるように装置をさらに屈曲させ、または他の方法で形成することができる。こうすると、装置の可撓性および形状の制御が得られる。
【0083】
一実施形態では、エネルギーの付与は、硬化性材料を約1秒から約30分間、開始材料に暴露することを含む。他の実施形態では、付与は、硬化性材料を約5秒から約5分間、開始エネルギーに暴露することを含む。エネルギーへの暴露後の加工時間は、たとえば約1分から60分にわたることができることがさらに企図される。他の形態では、加工時間は少なくとも約2分である。他の形態では、加工時間は少なくとも約5分である。他の形態では、加工時間は少なくとも約10分である。本明細書で使用されるように、用語「加工時間」は、装置の加工が不可能または実行不可能な点まで係数が上がる硬化のレベルが生じる前の、装置を加工または操作することができる硬化開始エネルギーの付与後の時間を指すものである。理解されるように、硬化性材料の硬化時間は使用される材料のタイプに依存し、幾つかの実施形態では、硬化時間は暴露時間およびエネルギーの強度に依存する。さらに、所望の程度の硬化を行うのに必要とされるエネルギーの暴露時間および強度は、硬化性材料の特性に依存する。たとえば、硬化性材料が光硬化性材料である一実施形態では、暴露時間および強度は硬化性材料が透過性または不透過性かどうかに依存する。やはり理解されるように、暴露させる必要がある装置の量が全体または一部かどうかも硬化性材料の組成物および使用されるエネルギーのタイプの1つまたは両方による。
【0084】
幾つかの実施形態を硬化する場合、硬化開始エネルギーが装置100に物理的に接続されていない離れた源から被覆体110を通って硬化性材料120に与えられる。たとえば、図36で示した手持型伝送器200から装置100にエネルギーを伝送することができる。たとえば光、非可視電磁放射、または熱でもよい開始エネルギーが図36の矢印205で示されている。こうした実施形態では、被覆体110が開始エネルギー205を被覆体110を通して伝送するように構成され、硬化性材料120が十分小さい寸法を有して、エネルギー205が被覆体を通って硬化性材料の全ての必要な部分に到達して、所望のレベルの硬化を開始することができることが重要である。たとえば、上記で論じたように、硬化性材料が光硬化性材料である実施形態では、被覆体を半透過性または透過性の材料で構成し、材料の硬化に使用される光エネルギーが所望のレベルの硬化を行うのに十分な程度まで硬化性材料内に通ることができる。硬化性材料が熱硬化性材料である実施形態では、被覆体を熱伝導材料で構成することができる。熱硬化性材料を含む装置を使用する場合、熱伝導構造(図示せず)を被覆体内に配置して、熱を被覆体から装置内の硬化性材料の最内部に送出する助けとすることができる。こうした構造は、上記のエネルギー送出要素として動作するものであり、必要ではないが、被覆体と直接接触してもよい。
【0085】
エネルギーを硬化性材料120に被覆体110を通して送出する他の方法では、図38で示したように、装置100がエネルギー源210の内部に配置される。たとえば、硬化性材料を含む装置を使用する場合、源210は、たとえば対流オーブンなど加熱装置でもよい。数例を挙げると、誘導加熱機構、または抵抗電気コイルを含む、当技術分野で周知の多様な方法で熱を源210によって提供することができる。別法として、装置100が光硬化性材料または可視光スペクトル外の電磁放射への暴露によって硬化可能な材料を含む場合、源210は装置100に光または他の形態の電磁放射を与えることができる。他の実施形態では、源210は、たとえば源210内に配置された装置100に超音波エネルギーなど機械的エネルギーを与える。
【0086】
他の実施形態では、源210は、源210から装置100に送出されるエネルギーの強度を調整するための強度制御装置211を備える。他の実施形態では、源210はタイマー212を備える。タイマー212は、たとえば所定時間後にエネルギー源210をターンオフし、所定時間後に、光、ベル、またはブザーなど信号を活動化させ、または源210によって放出されるエネルギーのタイプあるいは強度を変更するように動作することができる。
【0087】
他の実施形態では、詳細に前述し、図34および図35で示したように、開始エネルギーが、被覆体を通過して被覆体内に収容された1つまたは複数のエネルギー送出要素に到る1つまたは複数のコネクタを通して装置に導入される。図34を参照すると、生体内装置1200内のエネルギー送出要素1280への開始エネルギーの送出を、エネルギー送出リード1291、1292を装置の被覆体1210を通過するコネクタ1282、1283に接続して行うことができる。たとえば、それぞれ電流の送出を必要とする抵抗加熱素子または電気送出要素の場合、電流がエネルギー送出要素1280(または2つ以上が装置内に存在する場合は複数の要素)を適切に通る方法で、電源1290からのリード1291、1292をコネクタ1282、1283に接続することができる。図35を参照すると、光硬化性実施形態の場合、エネルギー送出リード1296を被覆体1210を通過するコネクタ1282に接続して、光を光源1295から、この実施形態では光ファイバ素子であるエネルギー送出要素1280に送出して、光を装置1200に提供することができる。当然、2つ以上の要素が装置内に存在する場合は、追加のリード(図示せず)を使用して、光を追加の要素(図示せず、しかし他の実施形態に関連して示してある)に送出することができる。他の実施形態では、源1270および源1295は、源1270および源1295から装置1200に送出されるエネルギーの強度を調整するための強度制御装置1293、1297を備える。他の実施形態では、源1270、1295はタイマー1294、1298を備える。タイマー1294、1298は、たとえば所定時間後にエネルギー源1270、1295をターンオフし、所定時間の終わりに、光、ベル、またはブザーなど信号を活動化させ、または源1270、1295によって放出されるエネルギーのタイプあるいは強度を変更するように動作することができる。
【0088】
本出願では、被覆体が自己密封材料からなり、硬化の開始に有効な量の化学開始剤を硬化性材料に注入することによって硬化が開始される実施形態も企図される。
それぞれの実施形態において、光、電気、または他のタイプのエネルギーを送出しても、リード1291、1292、または1296を装置に接続して硬化を開始させることができ、次いで、比較的大きい外科的に作成された開口、または最小限の侵襲的処置で使用するのに適した内視鏡機器もしくは放射線によって案内される機器を使用して1つもしくは複数の比較的小さい開口を通して、装置を生体内の部位に挿入することができる。
【0089】
加圧可能なバルーンを含む装置が使用される場合、開始エネルギーの量を材料に与え、装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に挿入し、流体をバルーンに注入してバルーンを加圧し、それによって硬化性材料を加圧することによって、整形外科用インプラント装置の耐荷重構成要素を形成し位置付けることができる。装置が密封されたパッケージ内の滅菌済み形態で提供される場合、硬化開始エネルギーを与える前または後、かつ生体内の部位に挿入する前または後に、装置を滅菌環境、すなわち外科手術室でパッケージから取り出すことができる。
【0090】
本出願のこの態様は、骨アンカーの配置に関して特に有利である。上記のように、例示の骨アンカー装置は、頭部分の反対側の骨係合部分を備える。骨係合部分は骨組織と係合するように構成され、頭部分は、たとえば脊椎ロッドなど細長いインプラント構成要素と係合するように構成される。幾つかの実施形態では、頭部分は軸部に対して可動である。被覆体は、骨係合部分の全てまたは一部に沿って延びることができる。軸部は膨張可能なため、骨アンカーを受ける空洞を骨部分内に作成する際に、程度の大きい変動性を許容することができる。より詳細には、通常、骨アンカーを配置する前に、アンカーの軸部を受ける空洞を骨部分に設ける必要がある。空洞の正確な寸法、および空洞形状の均一性は、アンカーが予備形成され、事前に寸法設定され、剛性の場合ほど重要でない。さらに、空洞は、アンカーを空洞内に固定するための少なくとも1つのアンカー保持面を有するだけでよい。実際、図37で示したように、空洞960が、骨部分965の表面966よりも遠位にある領域962よりも狭い骨部分965の表面966に近位の領域961を有する限り、たとえばアンカー900など本明細書で提供されるアンカー装置を使用して、アンカー900の軸部903を空洞960の壁964に圧入することによって骨部分965と係合することができる。
【0091】
したがって、一実施形態では、アンカー装置を受けるための空洞が骨部分に設けられ、空洞は、骨アンカーと係合するように構成された少なくとも1つのアンカー保持面を画定する。開始エネルギーを硬化性材料に与えた後、アンカー装置の軸部が空洞内に通され、バルーンが加圧されて、軸部が空洞の壁に圧入される。硬化性材料の硬化によって骨アンカーと骨部分の係合が凝固される。加圧可能なバルーンを含む実施形態は、椎体間装置としての使用にも適している。この点で、椎体間脊椎装置を適所に配置した後にバルーンを加圧することによって、装置が装置に隣接するエンドプレートの自然の形状とより良好に一致し、耐荷重機能が装置およびエンドプレートの表面にわたってより均一に広がることができるようになり、それによって、隣接する椎骨の圧迫骨折の危険性が低減される。
【0092】
バルーンの加圧は、当技術分野で周知の血管形成術用バルーンの加圧と同様に行うことができる。たとえば食塩水または空気など加圧流体を生体内に配置された装置に連結された送出導管(図示せず)によって装置に送出することができる。比較的大きい外科的に作成された開口、または最小限の侵襲的処置で使用するのに適した内視鏡機器あるいは放射線によって案内される機器を使用して比較的小さい開口に導管を通すことによって、たとえば様々な実施形態のポート850、950、または1050など、ポートに導管を連結することができる。理解されるように、導管およびポートは、バルーンの加圧中に加圧流体を保持するのに適した連結を行うのに必要な構造を備える。
【0093】
本出願では、複数の構成要素が本明細書に記載された硬化性装置を使用して形成される整形外科用インプラント装置も企図される。たとえば、幾つかの脊椎固定装置では、複数の骨アンカー、脊椎ロッド、および支持構成要素が通常含まれ、その複数のものを本明細書に記載した展性装置から形成することができる。したがって、本出願の一態様では、上記の方法はさらに、第2の硬化性装置を提供すること、開始エネルギーの量を第2の硬化性装置の硬化性材料に与えること、および第2の硬化性装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に挿入することを含む。第2の硬化性装置は、第1の構成要素と同じ硬化プロファイルを示すことができ、または任意選択で第1の構成要素と異なる硬化プロファイルを示すことができる。
【0094】
本出願の他の態様では、(1)生体適合性被覆体および被覆体内に収容され密封された非剛性形態を有する硬化性材料を含む装置であって、材料を完全に硬化させるのに有効な量の開始エネルギーを材料に与えた後に材料が剛性形態に変化可能な装置、および(2)硬化開始エネルギーを硬化性材料に与え、次いで装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に配置するための有形媒体に記録された使用説明書を含む整形外科用インプラントキットが提供される。使用説明書は、様々な実施形態の多様な装置に適用されるようにカスタマイズすることができ、装置を使用する外科医に柔軟性を提供する所与の装置用の代替使用説明書を含むこともできる。
【0095】
複数の実施形態を図面で示し、上記に詳細に説明したが、それは特徴の例示であり限定的ではないと考えられたい。理解されるように、選択された実施形態だけが図で示され、記載されており、当業者が思いつく全ての変更、等価のもの、および修正は、本明細書に記載し、または保護されることが望まれる添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲に包含されるものとする。本明細書に記載された全ての理論、操作の機構、証明、または発見は、本出願の理解をさらに深めるためのものであり、本発明をこうした理論、操作の機構、証明、または発見に決して限定するものではない。さらに、様々な処置、技法、および操作を当業者が思いつくように、変更し、再構成し、置換し、削除し、複製し、または組み合わせることができる。また、本明細書で引用した米国特許、係属中の米国特許出願または他の刊行物は全て、個々の刊行物、特許、または特許出願が、特に、かつ個々にその全体が参照により本明細書に組み込まれていることが示され、記載されているように、参照により全体が本明細書に組み込まれている。特許請求の範囲を読む際に、単語「1つの」、単語「少なくとも1つの」、および単語「少なくとも一部」などの単語は、そうでないことが特に明記されていない場合、特許請求の範囲を1つのアイテムだけに限定するものではない。さらに、言語「少なくとも一部」および/または「一部」が使用される場合、そうでないことが特に明記されていない場合、特許請求の範囲はアイテムの一部および/または全体を含むことができる。
【0096】
特定の方向の引用、たとえば、上、上方、下、下方などの引用は全て、理解されるように、単に例示するためであり、または多様な構成要素をよりよく確認し、あるいは他と区別するためのものである。第1または第2の椎骨、あるいは椎体の引用は全て、2つの椎骨を区別するためであり、引用した椎骨を隣接する椎骨、第1および第2の頚椎、または第1および第2の腰椎、胸椎、もしくは仙椎として特別に確認するためではない。こうした参照は、本明細書に記載した医療装置および/または方法を決して限定するものではないと考えられたい。別段の指定がない限り、本明細書で使用される全ての用語は通常および通例の専門用語を含むように使用される。また、特定の構成要素および構成を有する医療装置の多様な実施形態を本明細書に記載し、図で示したが、理解されるように、選択された実施形態は全て、可能な場合は、他の実施形態について記載された1つまたは複数の特定の構成要素および/または構造を含むことができる。
【技術分野】
【0001】
本出願は、整形外科用インプラント、および整形外科用インプラントを所望の生体内の部位に配置する方法の分野に関する。より詳細には、本出願は、脊椎の変形および状態、または他の骨格の変形および状態を治療するための装置、システム、およびインプラントに関する。装置は、または急性状態の治療に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
補綴インプラントを使用した整形外科的傷害および病気の対処は一般的になった。創傷を受けた骨は再生することができるが、骨折および他の整形外科的傷害の治癒にはかなり時間がかかり、その間、骨は生理的負荷を支持することができない。よく理解されるように、隣接する骨部分の安定化を骨部分の間に配置したインプラント、および/または骨部分に沿って配置したインプラントで完全なものにすることができる。患者の脊椎、または他の骨、あるいは関節に構造的支持を提供するように設計された多様な整形外科用インプラント装置が知られている。インプラントは、骨部分間の運動を阻止するように剛性でもよく、または安定効果を与えつつ、骨部分間の少なくとも限定的な運動が可能になるように可撓性でもよい。本明細書で使用されるように、骨部分は1つまたは複数の関節、骨折、切断、または他の空間によって分離された骨の部分でもよい。インプラントは、たとえば、ロッド、プレート、テザー、およびステープルなど剛性脊椎後方固定システム、椎体間脊椎固定術あるいは椎体切除術、動的脊椎安定術、または他の骨あるいは骨格関節の剛性もしくは動的安定術で使用されるように配置することができる。さらに、骨の治癒および再生中に、ピン、ねじ、およびメッシュが、損傷を受けた骨の機械的機能に代わる働きをする装置で頻繁に使用される。
【0003】
この領域では、しばしば、インプラント配置法の侵襲性を低減し、インプラントの完全性を向上させ、より良好な患者の結果をもたらすことが望まれる。特に、移植を容易にするための縮小された寸法および/または可撓性の特性を有し、同時に、矯正治療に支持を与える十分な剛性ももたらすインプラントの提供がしばしば望まれている。残念なことに、現在の装置は幾つかの用途に制限されている。したがって、この技術の領域にさらなる貢献が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、移植処置中は展性および/または可撓性であり、次いで移植部位で硬化される多様な整形外科用インプラント装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、装置は第2の状態よりも可撓性を提供する第1の状態を有する。他の態様は、対象の整形外科用インプラント装置に関する独特の方法、システム、装置、器具、および装置を含む。
【0006】
本出願の一態様では、整形外科用インプラント装置は、生体適合性被覆体(シース)、および被覆体内に収容され、密封(シール)された、非剛性形態を有する硬化性材料を含む。装置は患者の体内に移植する前およびその間は変形可能であり、硬化性材料は、材料を硬化させるのに有効な開始エネルギーの量を材料に与えた後に剛性形態に変化可能であり、硬化性材料は、エネルギーを与えた後、かつ剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示す。
【0007】
本出願の他の態様では、整形外科用インプラント装置は、生体適合性被覆体と、前記被覆体内に収容される硬化性材料であって、前記硬化性材料が、硬化開始エネルギーが与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように動作可能であり、前記硬化性材料が、前記エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示す硬化性材料と、前記被覆体内に収容され、開始エネルギーを前記硬化性材料に送出するように動作可能なエネルギー送出要素とを備える。
【0008】
他の態様では、本出願は、生体適合性被覆体および生体適合性被覆体内に収容された硬化性材料を含み、前記硬化性材料が、硬化開始エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように動作可能である、整形外科用インプラント装置を提供する。硬化性材料は、エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示し、開始エネルギーは所定の波長の電磁放射であり、被覆体は放射に対して透過性である。
【0009】
本出願は、生体適合性被覆体と、前記被覆体内に収容された加圧可能なバルーンと、前記被覆体内に前記バルーンの外部に収容された硬化性材料とを含み、前記硬化性材料が、硬化エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように動作可能である、整形外科用インプラント装置も提供する。硬化性材料は、エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示し、バルーンは加圧流体を受けて、バルーンを加圧し、外向きの圧力を硬化性材料および被覆体に加えるように動作可能である。
【0010】
他の態様では、本出願は、生体適合性被覆体と、前記生体適合性被覆体内に収容される硬化性材料であって、前記硬化性材料が、前記硬化性材料に硬化開始エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように動作可能であり、前記硬化性材料が、エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示す硬化性材料と、生体適合性被覆体内に含まれた内部補強部材とを備える、整形外科用インプラント装置を提供する。
【0011】
本出願の他の態様では、硬化性材料を収容する可撓性の手段、および硬化前の期間中は装置に展性を与え、硬化後の期間中は剛性を与える前記収容手段に収容された硬化性手段を含む、整形外科用インプラント装置が提供される。硬化性手段は、開始エネルギーの付与によって硬化されて剛性を与え、硬化性手段は、エネルギーが与えられた後、かつ剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示し、装置は患者の体内に移植する前およびその間は変形可能である。
【0012】
本出願は、(1)生体適合性被覆体および被覆体に収容され密封された非剛性形態を有する硬化性材料を含む装置であって、材料が材料を完全に硬化させるのに有効な開始エネルギーの量が材料に与えられた後に剛性形態に変化可能であり、硬化性材料が、エネルギーが与えられた後、かつ剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示す装置、および(2)装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に配置し、装置が生体内の部位に配置された後に、硬化開始エネルギーを硬化性材料に与えるための有形媒体に記録された使用説明書を含む整形外科用インプラントキットも提供する。
【0013】
他の態様では、本出願は、(1)非剛性形態の材料を提供し、材料に開始エネルギーが与えられた後に、材料が剛性形態に有効に変化し、硬化性材料が、エネルギーが与えられた後、かつ剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示すこと、および(2)材料を生体適合性被覆体内に密封して自蔵式展性装置を提供することを含む、整形外科用インプラント装置の作成方法を提供する。
【0014】
本出願のさらなる実施形態、形態、特徴、および態様は、本出願に記載した詳細な説明および添付の図から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】インプラント装置の一実施形態の横断面図である。
【図2】患者の脊柱に対する円板外脊椎インプラントシステムの側平面図である。
【図3】幾つかの形状が仮想線で示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の側面図である。
【図4】幾つかの形状が破線で示された、図2の骨アンカー装置の一代替実施形態による調整可能な構成の骨アンカー装置の側平面図である。
【図5】幾つかの形状が破線で示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の側平面図である。
【図6】断面で示された骨部分内に予め形成された空洞と関連して示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の他の実施形態の側平面図である。
【図7】骨アンカー装置の軸部が予め形成された空洞内に配置された状態の図6の実施形態の側平面図である。
【図8】幾つかの形状が破線で示された、図2の脊椎インプラントシステムの細長い脊椎固定要素装置の斜視図である。
【図9】図8の線9−9に沿って切り取られた図8の細長い脊椎固定要素装置の横断面図である。
【図10】幾つかの形状が破線で示された、図2の脊椎インプラントシステムで使用することができる架橋装置の側平面図である。
【図11】円板外プレートインプラント装置の一実施形態の側平面図である。
【図12】図11の線12−12に沿って切り取られた図11の装置の横断面図である。
【図13】図11の線13−13に沿って切り取られた図11の装置の横断面図である。
【図14】患者の脊柱に対する円板内(intradiscal)インプラント装置の概略側平面図である。
【図15】図14の線15−15に沿った、図14のインプラント装置の横断面図である。
【図16】幾つかの形状が破線で示された、円板内インプラント装置の他の実施形態の斜視図である。
【図17】幾つかの形状が破線で示された、円板内インプラント装置の他の実施形態の側平面図である。
【図18】幾つかの形状が破線で示された、円板内インプラント装置の他の実施形態の斜視図である。
【図19】幾つかの形状が破線で示された、円板内インプラント装置の他の実施形態の斜視図である。
【図20】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図21】骨アンカーの軸部が非拡張形態から拡張形態に変形するように構成され、前記軸部がこの図では非拡張形態で示されている、断面で示された骨部分内に予め形成された空洞と関連して示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の他の実施形態の部分側断面図である。
【図22】骨アンカー装置の軸部が非拡張、非係合形態で予め形成された空洞内に配置された状態の図21で示した骨アンカーの実施形態の側平面図である。
【図23】骨アンカー装置の軸部が拡張し係合した形態で予め形成された空洞内に配置された状態の図21で示した骨アンカーの実施形態の側平面図である。
【図24】図2の脊椎インプラントシステムの細長い脊椎固定要素装置の他の実施形態の部分縦断面図である。
【図25】図2の脊椎インプラントシステムの細長い脊椎固定装置の他の実施形態の横断面図である。
【図26】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図27】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図28】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図29】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図30】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図31】インプラント装置の他の実施形態の部分切欠き側平面図である。
【図32】インプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図33】パッケージ内に収容されたインプラント装置の横断面図である。
【図34】電源に接続されたインプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図35】光源に接続されたインプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図36】光源と共に示されたインプラント装置の他の実施形態の部分横断面図である。
【図37】骨アンカーの軸部が非拡張形態から拡張形態に変形するように構成され、前記軸部がこの図では非拡張形態で示されている、断面で示された骨部分内に予め形成された空洞と関連して示された、図2の脊椎インプラントシステムの骨アンカー装置の他の実施形態の部分側断面図である。
【図38】エネルギー源内に配置されたインプラント装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に記載した本発明の原理がよりよく理解されるために、次に図面で示した実施形態を参照する。実施形態の記載には特定の言語が使用される。しかし理解されるように、それによって本発明の範囲が限定されないものとする。図で示した実施形態への全ての変更およびさらなる修正、並びに本明細書に記載し図で示した原理の全てのさらなる用途を当業者が普通に思いつくであろうということが企図されている。
【0017】
本出願は、移植前に開始エネルギーを与えることによって硬化形態に硬化するが、(本明細書で「加工時間」と呼ぶ)開始エネルギーを与えた後の一時期は展性のままであって、完全に硬化する前に、所望の生体内の部位に挿入し、所望の位置および形状に配置し形成するのに十分な時間が提供される植込型整形外科用補綴装置を提供する。この装置は、硬化する前の加工時間中に、装置が展性のままで維持されるように調節された反応によって重合および/または架橋される前駆体を含み、硬化されると、装置は耐荷重機能を提供し、または他の構造的および/または機械的機能を提供する。「硬化可能」または「硬化性」などの用語は本明細書で互換的に使用され、可撓性が損失されない最初の展性または可撓性形態で長期間にわたり安定して保管することができ、開始エネルギーを与えた後に第2の硬化形態に移行可能な任意の材料を指すものである。こうした用語はどの硬化の特定の機構にも限定されないものとする。当業者には理解されるように、たとえば、紫外放射、可視光、赤外放射、高周波、X線放射、γ線放射、または他の波長の電磁エネルギーによって開始される硬化、触媒によって開始される重合、熱的に開始される重合、電気的に開始される重合、機械的に開始される重合、電子ビーム放射によって開始される硬化などを含む材料の選択によって、多様な硬化機構を使用することができる。
【0018】
硬化性材料を含む少なくとも1つの展性の装置を含み、移植前に硬化開始エネルギーを与えることによって、所望の生体内の部位に配置した後に硬化されるように構成された整形外科用インプラントは、多様な環境で有利に使用されることが判明している。たとえば、限定的ではないが、こうしたインプラントを、医療関係者が移植処置の過程中に構成要素を形付け、または再形付けすることが望ましい状況で有利に使用することができる。多用性によって、整形外科移植処置にあまり侵襲性でない技法が可能になり、インプラント装置に関する設計の柔軟性をより大きくすることができ、湿潤(wet out)中、または術中の2つの部分の混合工程中に発生する恐れがある合併症を回避することもできるようになる。主に脊椎装置を参照して実施形態を記載したが、本出願は非脊椎部位に使用される整形外科用装置も包含していることを理解されたい。本出願による整形外科用インプラントは、たとえば股または膝関節など関節の安定化に有利に使用されることが判明している。
【0019】
本出願によって企図される装置は、装置内の硬化性材料が材料の硬化を開始するエネルギー源に暴露される前、およびその後の加工時間中は展性または可撓性であることができ、その間に装置が生体内の部位に導入され、次いで装置が適切な位置に配置された後に比較的剛性状態になる。図1を参照すると、装置100は、生体適合性被覆体110、および被覆体110内に収容され密封された硬化性材料120を含む。硬化性材料120は非剛性形態を有し、材料120の硬化に有効な量の開始エネルギーを材料120に与えた後に剛性形態に変化可能である。装置100が硬化すると、装置は、所望の形状を有し、所望の位置にある、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素になる。構成要素は、たとえば、脊椎ロッド、プレート、スペーサ、骨ねじ、アンカー、人工円板、および核インプラントでもよい。所望の場合は、硬化性材料120を被覆体110内に密封して、外科的処置中の硬化性材料の注入、または他の処理、あるいは用意を回避することができる。
【0020】
被覆体110の主な機能は、硬化性材料120を収容し、硬化が完了する前に装置100の形状に影響を与え、または制御することである。被覆体110は、硬化性材料を取り囲むそれぞれのインプラント装置の全てまたは一部を含むことができ、被覆体110は、単独で、または装置の本体を構成する他の材料と併せて、少なくとも硬化性材料が展性形態である場合に硬化性材料が受容者の組織と接触するのを阻止する。被覆体110は、通常は、長期間にわたって圧力を抑制する必要はない。したがって、かなり柔軟な設計が可能である。(本明細書で「被覆体材料」とも呼ばれる)被覆体を作成する材料は生体安定性または生体吸収性でもよい。たとえば被覆体110は、薬物の送達、または骨取り込み(osteoincorporation)および/あるいは軟組織の内部成長を可能にするのに有利な多孔性でもよい。別法として、被覆体に吸収された活性剤を有するように被覆体110を設計することもできる。他の代替形態では、任意選択で1つまたは複数の活性剤が被覆体に含浸され、それが移植後に長い時間をかけた自然の過程で吸収される生体分解性材料で、被覆体110を構成することができる。被覆体110を任意の多様な方法で構成することができ、多様な織物繊維または不織繊維、布、金網または編組線などの金属メッシュ、および炭素から作成することができる。適した生体適合性被覆体材料の例には、たとえば数例を挙げると、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ乳酸(PLA)、PLDLA、ePTFE、およびDacron(商標)が含まれる。被覆体を作成することができる他の材料には、ポリエステル、シリコーン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリ乳酸、およびポリグリコライドが含まれる。材料を、たとえば数例を挙げると、シート、管材、バルーン、パウチ、および布を含む多様な形態に形成することができる。
【0021】
一実施形態では、被覆体110はエネルギー透過性であり、装置の外部にあるエネルギー源からのエネルギーが被覆体110を通過して、硬化性材料120と接触し、硬化性材料120の硬化を開始できるように構成される。例示の一実施形態では、硬化性材料120が熱エネルギーに暴露されると硬化するタイプのものである場合、被覆体110は、熱を伝導し硬化性材料120を密封して包囲することができる生体適合性材料を含むことができる。硬化は、温度約20℃から約70℃で行われることが好ましい。他の実施形態では、硬化性材料は、光、または他の被覆体を通過する電磁放射に暴露されると硬化する光硬化性材料を含む。こうした実施形態で完全に硬化させるには、被覆体および硬化性材料自体が、たとえば透過性および/または半透過性、並びに厚さなど適切な特性を有して、硬化開始エネルギーが硬化性材料内に十分に浸透して、十分な硬化が行われるようにすることが重要である。当然、当業者には理解されるように、完全な硬化に至らない程度の硬化でも、その硬化の程度によって、装置が使用される他の機械的機能に対して十分な耐荷重強度、または十分な強度を有する装置が作成される限り十分である。当然、やはり理解されるように、幾つかの選択された光の波長、または他の電磁放射でのみ透過あるいは半透過である、所与の被覆体を提供することもできる。共に動作可能な被覆体材料および硬化性材料の選択は、当業者の選択範囲内である。
【0022】
本明細書で提供される耐荷重構成要素を位置付けるには、生体適合性被覆体および被覆体内に密封された硬化性材料を含む展性装置が開始エネルギーの量に暴露され、次いで耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に挿入される。装置は、暴露され挿入されるときは非剛性形態を有し、生体内に配置された後に剛性形態に変化可能である。使用することができる硬化開始エネルギーの例には、たとえば、電磁放射、熱エネルギー、電気エネルギー、化学エネルギー、および機械的エネルギーが含まれる。図1で示した装置100は、患者の体内に移植前およびその間は変形可能である。装置100を、たとえば円板外脊椎インプラントシステム、円板内脊椎インプラントシステム、および身体の他の領域用のインプラントシステムの構成要素としてなど、硬化性材料の硬化後に、多様な最終用途のための多様な形状および寸法に構成することができる。幾つかの例示の実施形態に関するさらなる詳細を図を参照して提供する。図はそれぞれ1つまたは複数の内部室を取り囲む、またはそれに隣接した被覆体を含む発明に係る装置を示しており、1つまたは複数の内部室はその中に収容された硬化性材料を含む。図2〜図13、および図21〜図25で示したインプラント装置は、本出願によって企図された円板外インプラント装置の多くのタイプ、形状、形態、および構成の例であり、それぞれ図14〜図19の装置は、本出願によって企図された円板内インプラント装置の例である。理解されるように、本明細書に提供した特徴を、他の円板外インプラント装置の他の形態、形状、構成に適用することもできる。
【0023】
図2を参照すると、患者の脊柱SCに対する円板外脊椎インプラントシステム200を含む装置が側平面図で示されている。脊椎インプラントシステム200は、1対のアンカー装置300、301、および脊椎ロッド400の形態の細長い固定要素装置を備える。さらに、当業者には理解されるように、システム200は、たとえば図10で示した架橋装置500など、追加の構成要素を含むことができる。システム200は、限定的ではないが、変性脊椎すべり症、骨折、脱臼、脊柱側彎症、脊柱後彎症、脊髄腫瘍、および/または失敗した以前の癒合治療を含む、幾つかの脊椎変形の治療に使用することができる。
【0024】
アンカー装置300および301が図3の側平面図で示されており、幾つかの形状が破線で示されている。アンカー装置300および301は、それぞれ骨係合構造304を有する細長いシャフトまたは軸部303を有することができる。構造304は、ねじ山、スパイク、バーブ、または他の構造の形態でもよい。骨係合構造を持たない軸部も企図される。軸部303は、標準の方法で1つまたは複数の骨または骨構造内に作成された通路内に配置されて係合するように構成され、ねじ切り(タッピング)および/または穿孔(ドリリング)能力のための切削溝あるいは他の構造を設けることができる。軸部303をカニューレ状にして、ガイドワイヤを受けて配置を容易にすることができ、軸部303は骨成長材料を配置するための開窓または他の開口さらに含むことができる。
【0025】
アンカー装置300、301は、直立腕部307の間の受け通路306を画定する頭部または受け部分305を備えることができる。頭部または受け部分305を軸部303に固定して単軸構成にすることができる。受け通路306は、脊椎ロッド400を受ける寸法および形状になされ、両方とも図で示していないが、受け通路306に沿った内部ねじ切り、または頭部305上の外部ねじ切りなど、脊椎ロッドを頭部305に固定するための係合部材310、311と係合する構造を含むことができる。他の実施形態では、頭部305は、当業者に周知の脊椎ロッド400を頭部305に固定する任意の手段を備えることができる。図で示したように、受け通路306を凹面に湾曲させ、円形の一部の形状を有する通路を形成して、ロッドをその中に嵌合係合の形で受けることができる。他の実施形態では、ロッドが受け通路306内で近位の軸部頭部、または軸部の頭部に隣接するキャップまたはクラウンに接触するように配置されることが企図される。受け通路306を多様な構成に形付けて、限定的ではないが、楕円形、長方形、六角形、または八角形の断面など非円形の断面を有する脊椎ロッド400に対応することができることがさらに企図される。
【0026】
次に図4を参照すると、他の実施形態のアンカー装置320が示されている。アンカー装置320は、頭部分322内に旋回式に捕獲された軸部分321の形態でもよい。旋回式アンカー装置320は、軸部分321と頭部322が互いに可動であるように多軸(multi−axial)、複軸(poly−axial)、単軸、または単平面(uni−planar)でもよい。一可動形態では、軸部分321および頭部322が、組立ての少なくとも幾つかの段階中に2つの間の比較的自在な運動を可能にする「玉継手」またはスイベル型継手で互いに係合される。
【0027】
他の形態では、インプラントシステム200は、茎、薄片、棘突起、横突起、または他の脊椎フックと適切に係合する骨構造など、隣接する骨構造と係合する1つまたは複数のフックの形態の骨アンカーを含むことができる。たとえば、多軸薄片フック形態の骨アンカーを1つまたは複数のアンカー装置300、301の代わりに使用することができる。他の実施形態では、骨アンカーは、ステープル、骨プレート、椎体間癒合装置、椎体間スペーサ、脊椎アンカー、脊椎内固定装置、骨クランプ、または他のアンカーの形態の骨接合構造を含むことができる。
【0028】
一実施形態では、1つまたは複数の骨アンカー300、301、および/または320は、軸部303および/または321が、それぞれ硬化性材料を収容するための内部室308および323を画定する被覆体として機能するように形成される。図3で示したように、内部室308は軸部303に沿って近位の頭部305から遠位の先端302まで延びる。図4で示したように、内部室323は軸部321に沿って近位の頭部322から遠位の先端324まで延びる。第1の構成では、硬化性材料がまだエネルギー源に暴露されていないとき、および暴露された後のある期間は、硬化の完了前に、作成された通路内で軸部の係合が容易になり、軸部の軸に沿って角度を調整して、脊椎ロッド400または他のインプラント装置との連結がより容易になるように、軸部303および321は可撓性のままである。
【0029】
図5で示した代替実施形態では、頭部305または322は、硬化性材料を有する内部室325含んで、頭部305または322に脊椎ロッド400または他の装置を単独またはそれぞれ内部室308および323を備える軸部303および321と組み合わせて、連結しやすくできる。たとえば、腕部307が可撓性の場合に腕部307をロッドの周囲で屈曲させ、次いでロッドが腕部307の間の通路内に剛体的に係合されるように硬化させることができる。さらに、軸部303および/または321の一部分だけが硬化性材料を有する内部室を備えて、それぞれアンカー装置300、301、および/または320の可撓性を制御することができることが企図される。
【0030】
他の実施形態では、図6で示したように、軸部分341が骨部分365内に予め形成された空洞360に挿入されたときに空洞360の形状と一致する、不定形の展性の構成で軸部分341が提供される。図7で示したように、適切な量の開始エネルギーを与え、軸部分341を空洞360に挿入した後、内部空洞343内に収容された硬化性材料の硬化によって、アンカー340が骨部分365と耐久的に係合される。
【0031】
インプラントシステム200の脊椎ロッド400が図8に示されている。脊椎ロッド400は全般的に第1の端部402と第2の端部403の間で長手方向軸線Lに沿って延びる細長い本体401を備える。第1の端部402と第2の端部403の間に延びる脊椎ロッド400の長さL1は、通常、少なくとも隣接する椎体の間の距離にわたるように十分長いものであるが、代替実施形態は、2つ以上または1つの椎体間の距離にわたる寸法の長さL1を有することができる。図で示したように、脊椎ロッド400は実質的に円形または丸みのある断面形を含む。しかし代替実施形態では脊椎ロッド400の断面形が変化してもよいことが企図される。たとえば、脊椎ロッド400の断面形は、限定的ではないが、可能性を幾つか挙げると、三角形、長方形、六角形、八角形、楕円形、または星形を含むことができる。
【0032】
脊椎ロッド400は、たとえば上記で論じた骨アンカー装置300、301、320の受け通路306など、骨アンカーの受け部分と係合する寸法で構成される。脊椎ロッド400は、受け通路306内に配置された場合、受け通路306に結合されて、2つ以上の骨アンカー装置の間の剛直な構造を生成することができる。脊椎ロッド400を骨アンカーに受動的に固定して、骨アンカーと脊椎ロッド400との間の相対運動を可能にすることもできる。
【0033】
図8では、脊椎ロッド400は、ロッド400の長さL1のかなりの部分に沿って延びる内部室404を備える。内部室404は、被覆体409によって少なくとも部分的に包囲され、本体401の全てまたは一部を含むことができ、硬化性材料411を収容する。図で示した実施形態では、第1の構成では、および暴露された後の一時期は、硬化性材料411がエネルギー源に暴露されていないとき、脊椎ロッド400は長さL1のかなりの部分に沿って可撓性のままであり、第2の構成では、硬化開始エネルギーに暴露された後の加工時間の経過後、硬化性材料411が硬化し、脊椎ロッド400が長さL1に沿ってより剛直、または剛直になる。
【0034】
内部室404が本体401の長さL1のかなりの部分に沿って延びているところが図で示されているが、理解されるように、図で示していない代替実施形態では、内部室404は長さL1の一部だけに沿って延びることができる。さらに、本体401が2つ以上の内部室404を備えて、脊椎ロッド400が最初の構成中に2つ以上の可撓性部分を含みうることが企図される。脊椎ロッド400が2つ以上の可撓性部分を含み、または内部室404が長さL1の一部分にだけに沿って延びる実施形態では、残りの1つまたは複数の部分は、限定的ではないが、ステンレス鋼、ニチノール、クロムコバルト、チタン、およびその合金、並びにポリマーが含まれる任意の適した生体適合性材料を含むことができる。さらに、脊椎ロッド400の残りの部分の構成は固体でもよく、テザー、ワイヤ、またはケーブルを受けるためのカニューレ挿入部または通路(チャネル)を含むことができる。
【0035】
次に図9を参照すると、図8の線9−9に沿って見た脊椎ロッド400の横断面図が示されている。図で示したように、脊椎ロッド400の断面形は実質的に円形であり、被覆体409が硬化性材料411の漏れを防止するように硬化性材料411を密封して包囲している。硬化性材料411は、開始エネルギーに暴露される前は最初の流体構成を有し、エネルギー源に暴露された後、かつ硬化期間に剛性形態に変化するように構成される。本明細書で使用されるように、用語「流体」は、脊椎ロッド400に展性または可撓性の特性を与える形態を指すものである。本出願では、たとえば粒状固体、または他の変形可能な固体など、幾つかの固体形態が、こうした特性を装置に与えることができることが企図されており、したがって、それらが用語「流体」の意味に含まれる。可撓性構成から剛性構成への移行に必要とされる時間は、硬化性材料411を構成する材料のタイプに依存する。硬化状態になった後、材料はそれぞれのインプラントの全てまたは一部に支持を提供するように構成される。
【0036】
脊椎インプラントシステム200はさらに、図10の幾つかの形状が破線で示された側面図で示した架橋装置500を備える。架橋装置500は、第1の分岐部材502、および相互連結装置501で連結された第2の分岐部材507を備える。相互連結装置501を、分岐部材502および/または507が相互連結装置501に対して、かつ/または互いに、移動(並進)および/または回転しやすくなるように構成することができる。別法として、分岐部材502および/または507を相互連結装置501と共に、あるいは互いに単一ユニットとして一体型に形成することができる。分岐部材502は、第1の端部504と第2の端部505の間の本体503を備える。本体503は、被覆体として機能する、本体503によって包囲された内部室506を備え、硬化性材料を内部室506内に含むことができる。分岐部材507は、第2の端部510と反対側の第1の端部509を備え、本体508がその間に延びる。本体508は、被覆体として機能し、硬化性材料を含む内部室511を備える。
【0037】
それぞれ分岐部材502および507は、それぞれ端部504、509に隣接する係合部分512および513を備える。係合部分512および513は、脊椎インプラントシステム200の他の構成要素と係合する寸法および構成にすることができる。たとえば、システム200は、追加のセットの骨ねじ300および301に連結された2つ以上の脊椎ロッド400を含むことができる。それぞれ脊椎ロッド400は患者の脊柱に沿って互いに平行に延びる。この実施形態では、係合部分512および513はそれぞれ脊椎ロッド400と係合して、架橋装置500がその間で横方向に延びるようになされる。代替実施形態では、係合部分512および513を、脊椎ロッドが結合される骨フック、骨ねじ、または他の固定装置と係合するように構成することができる。
【0038】
図で示したように、内部室506および511は、それぞれ分岐部材502および507の実質的に全長に沿って延びる。硬化性材料が硬化する前に、架橋装置500と多様な脊椎構成要素との相互連結が容易になるように架橋装置500を可撓性のままにすることができ、分岐部材502および507が剛直化して、架橋装置500とそれぞれインプラント構成要素の間の剛直な構成が生成される。図で示していない代替実施形態では、内部室506および/または511はそれぞれ分岐部材502および/または507の一部だけに沿って延びることができる。さらに、それぞれ分岐部材502および/または507が硬化性材料を有する2つ以上の内部室を備えることができ、被覆体が分岐部材502、507の全てまたは一部を形成することができることが企図される。
【0039】
図11では、幾つかの形状が破線で示された、代替の細長い脊椎固定要素600の平面図が示されている。固定要素600は脊椎プレートの形態であり、第2の端部分602と反対側の第1の端部分601、およびその間に延びる本体603を備える。固定要素600は、全般的に、少なくとも一組の隣接する椎体の間に延びる寸法および構成であるが、代替実施形態では、3つ以上の椎骨にわたり、頚、胸郭、腰、および仙椎部を含む脊柱の1つまたは複数の領域に沿って延びるように構成することができる。固定要素600は、端部分601および602を通って延びる孔604を含む。孔604は、骨ねじなど固定装置が通過し、それぞれ椎体と係合して、固定要素600を椎体に固定できるようにする寸法および構成である。さらに、固定要素600の外部は、円板内突起と固定部材、隆起部と谷部、および/または多孔性材料を含む、骨構造との係合をさらに促進するための1つまたは複数の表面形状を含むことができる。
【0040】
さらに図12および図13を参照すると、固定要素600は、被覆体610、および被覆体610内に含まれた硬化性材料620を含む。第1の構成では、固定要素600の本体603は可撓性のままであり、屈曲、脊椎の解剖学的構造に従った形付け、および/または、たとえば配備用カテーテルなど導管を通した移植部位への送達が容易になされる。たとえば、幾つかの構成の中でも特に、固定要素600を、屈曲し、ねじり、回転させ、平坦化し、細長くし、かつ/または拡幅して、最小限の侵襲的方法で送達するのを容易にし、または所望の移植部位の周囲の特性に従うようにすることができる。硬化性材料をエネルギー源に暴露した後の加工時間の経過後、固定要素600は所望の形成物に剛直化することができる。
【0041】
図で示していない代替実施形態では、プレート600の1つまたは複数の部分を内部で互いに区画化して、様々な材料をその中に含めることができることが企図される。たとえば、1つまたは複数の端部分601または602が、硬化性材料を含む内部室を備え、その間に延びる本体603が様々な生体適合性材料を含み、最初の構成中に端部分601および/または602が可撓性であり、本体603が剛性、または永久に可撓性であるようにすることができる。さらに、本体603が、単一、または端部分601および/あるいは602と組み合わせて、硬化性材料を含む内部室を備え、他の1つまたは複数の部分が様々な材料を含んで、本体603が最初の構成中に可撓性であり、端部分601または602の1つあるいは両方が剛性、または永久に可撓性することができることが企図される。
【0042】
図14を参照すると、装置を円板内脊椎インプラントに関連して使用することもできる。図14は、整形外科用装置の一例を示しており、全般的に、患者の脊柱SCに対する円板内脊椎インプラント700を対象とするものである。インプラント700は、限定的ではないが、無分離脊椎すべり症、骨折、脱臼、脊柱側彎症、脊柱後彎症、脊髄腫瘍、および/または失敗した以前の癒合治療を含む、幾つかの脊椎変形の治療に使用することができる。図で示した実施形態では、インプラント700が第1の椎体20と第2の椎体22の間に配置され、各椎体がそれぞれエンドプレート24、26を含み、エンドプレート24および26が互いに向き合うように方向付けられている。エンドプレート24と26の間の空間を円板空間の全てまたは一部を取り除いて形成することができる。また、インプラント700を、1つまたは複数の椎骨を除去する椎体切除術の処置で使用することができる。
【0043】
インプラント700は、第1の椎骨係合面702、および本体701の反対側に配置された第2の椎骨係合面704を備え、各表面702、704は、それぞれ隣接するエンドプレート24、26の1つと係合するように構成される。表面702および704は、図では比較的滑らかに示されているが、特定の実施形態では、エンドプレート24、26と係合しやすくする代替表面形状を含むことができる。たとえば、表面702および704の構造は、多孔性でもよく、かつ/または隆起部、谷部、スパイク、ぎざぎざ、および/または当業者に認識される他の固定構造を含むこともできる。
【0044】
図15は、図14の線15−15に沿って切り取られたインプラント700の横断面図である。脊椎インプラント700は、硬化性材料711を含む内部室710を形成する本体701の概ね全てまたは一部の被覆体709を備える。硬化性材料711は被覆体709と連通しており、被覆体709および/または本体701から漏れたり流れたりできないように室710内に密封される。しかし、再密封可能な1つまたは複数のポートを設け、それを通って硬化性材料711を選択的に流すこともできる。それぞれ被覆体709および硬化性材料711は、インプラント700が最初の可撓性、屈曲性、または形成可能な構成を有するように全般的に構成される。しかし、硬化性材料711が開始エネルギーに暴露された後、かつ加工時間後は、硬化性材料711は硬化または剛直化し、剛性インプラントが作成される。
【0045】
図16〜図19のインプラント装置は、インプラント700に関して上記に挙げた脊椎変形の治療に使用することができる円板内インプラント装置の代替例である。図16にインプラント720の斜視図が示されている。インプラント720は、脊椎円板空間の全てまたは実質的に全てを占める寸法および形状でもよく、前方、前外側、あるいは側方の手術で移植することができる。インプラント720は、第2の椎骨係合面722と反対側の第1の椎骨係合面721、および本体723を備える。それぞれ面721および722は、たとえば図14のエンドプレート24、26など椎体のエンドプレートと係合するように構成される。したがって、それぞれ表面721および722自体は、隆起部、谷部、歯、ぎざぎざ、および/または突起、あるいは係合構造など固定形状を含むことができる。当技術分野で周知のように、表面721および722は、多孔性材料を含んで、組織の侵入および退出を容易にして、インプラント720を脊椎部位にさらに固定し、かつ/または隣接する椎体の固定を生成することができる。
【0046】
インプラント720はさらに、本体723を通って表面721から表面722まで延びる開口724を含む。一実施形態では、開口724は1つまたは複数の生体適合性材料を含むことができる。他の実施形態では、開口724は、限定的ではないが、骨移植材料、骨形態形成蛋白質(BMP)、骨細片、骨髄、脱無機質骨基質(DBM)、間葉幹細胞、および/またはLIM無機質化蛋白質(LMP)、あるいは任意の他の適した骨成長促進材料もしくは物質を含む骨成長促進材料など生体吸収性材料を含む。
【0047】
図で示した実施形態では、開口724を取り囲む本体723全体は、上記で論じた硬化性材料711など硬化性材料を含む内部室725を画定する被覆体729を備える。硬化性材料がエネルギー源に暴露されていないとき、および暴露された後の加工時間にわたり、脊椎インプラント720は、方向矢印Bで示したように、インプラント720の多様な方向の圧縮または拡張によって多様な構成に再構成することができる。たとえば、幾つか構成の中でも特に、表面721および722の全てあるいは一部を湾曲させて、全体的あるいは部分的に湾曲された脊椎エンドプレートに着座させることができ、または脊椎インプラント720の高さHを椎体間の間の空間を満たすように変更することができる。
【0048】
理解されるように、図で示していない代替実施形態では、本体723の1つまたは複数の部分だけが硬化性材料を含む内部室725を備えて、幾つかの場所に可撓性を提供することができる。こうした実施形態では、硬化性材料を含む内部室725を備えていないインプラント720の残りは、当業者に認識される任意の適した生体適合性材料を含むことができる。また、図で示していない他の実施形態では、表面721と表面722の間の高さHの1つまたは複数の部分だけが内部室725および硬化性材料を含んで、本体723が多平面構成をとり、幾つかの平面が硬化性材料711を含み、残りの平面が、被覆体729の材料と同じ、または異なる任意の適した生体適合性材料を含むことが企図される。それぞれ企図された実施形態では、硬化性材料をエネルギー源に暴露して、所望の構成の形成物の剛直な脊椎インプラント720を作成することができる。
【0049】
次に図17を参照すると、円板内連接脊椎インプラント740が示されている。インプラント740は第1の連接部分741を備える。部分741は、第1の取付プレート743の内面745に取り付けられた連接部材742を備える。インプラント740は、第2の取付プレート748の内面750に取り付けられた連接部材747を備える第2の連接部分746も含む。それぞれ取付プレート743および748は、それぞれ椎骨係合面744および749を備える。係合面744および749は、図で示したキールなど1つまたは複数の骨係合構造744a、749aを備えることができる。限定的ではないが、隆起部、谷部、歯、ぎざぎざ、および/または他の突起、あるいは1つまたは複数の係合構造を含む他の骨係合構造が企図される。当業者には理解されるように、係合面744および749は、骨および/または組織の取付プレート743および748への内部成長を促進するための多孔性でもよいことがさらに企図される。図で示していない他の実施形態では、取付プレート743および748は、1つまたは複数のフランジおよび/またはフランジを通って延びる孔を含むことができ、孔は、限定的ではないが、ねじ、フック、ステープル、および/または縫合糸を含むアンカーが通過して、インプラント740をそれぞれ隣接する椎体に固定できるように構成される。理解されるように、孔およびアンカー装置の追加を単独または上記に挙げた任意の骨係合構造と組み合わせて使用することができる。
【0050】
連接部分741および連接部分746は、境界部751で互いに係合して、取付プレート743および748が互いに可動であるように構成される。当業者には理解されるように、インプラント740が椎間空間内に移植された場合、部分741と746の間の連接部は脊椎の円板様の運動を生成し、したがって、インプラント740を、幾つかの適用例の中でも特に、円板の置換に使用することができる。図で示した実施形態では、連接部分741、746は、球面自在型構成に構成される。他の実施形態では、取付プレート743と748の間の弾性的に圧縮可能な部材、プレート743と748の間のばね要素、または他の適した運動維持構造を含む、他の構成が企図される。
【0051】
図で示した実施形態では、それぞれ第1の取付プレート743、連接部材742、連接部材747、および第2の取付プレート748は、それぞれ内部室752、753、754、および755の1つを収容する材料で形成される。それぞれ内部室752〜755はさらに硬化性材料711など硬化性材料を含んで、インプラント740が硬化性材料711および被覆体材料の構造によって提供される最初の可撓性構成を有するようになされる。他の実施形態では、連接部分741または746の1つだけが内部室752および753、または754および755の1つ、あるいは両方、並びに関連する硬化性材料を含むことができる。また、他の実施形態では、連接部分741および746を備える1つまたは複数の部分がそれぞれ内部室および硬化性材料711を備えることができる。たとえば、1つまたは複数の取付プレート743および748が内部室752または755および硬化性材料を含んで、1つまたは複数の取付プレート743および748を、隣接する椎骨エンドプレートの自然または形成された表面特性と対合し係合するように構成することができる。他の例では、1つまたは複数の連接部材742および747がそれぞれ内部室753または754内に硬化性材料を含んで、1つまたは複数の連接部材742および747が、たとえば、取付プレート743と748の間の距離DDを変更して、円板内空間への挿入が容易になるように構成可能になされる。さらに、連接部材742および747の任意のもの、並びに取付プレート743および748の任意のものが、単一または任意の他のインプラント構成要素と組み合わせた可撓性構成を含むことができることが企図される。それぞれ企図された実施形態では、硬化性材料をエネルギー源に暴露してから所望の生体内の部位に挿入して、加工時間後に、所望の構成の剛直な脊椎インプラント740を作成することができる。
【0052】
後外側または後方椎体間癒合術用インプラント760が図18の斜視図で示されている。インプラント760を単独で、または脊椎円板空間内の1つまたは複数の他のインプラントと組み合わせて使用することができる。インプラント760は、後方または後外側に作成されたポータルを通して挿入するのに対応した幅を有し、円板空間内で前方―後方に方向付けられるように細長くすることができる。他の構成では、椎間孔(transforaminal)の配置で、矢状面に対して斜めに、または矢状面に対して横方向に方向付けた方向の移植が企図される。別法として、前方固定術でインプラント760を他のインプラント760と並列関係に前方に移植することもできる。
【0053】
脊椎インプラント760は、第1の端部764と第2の端部765の間に延びる細長い本体763を備える。本体763は、実質的に細長い長方形および対応する長方形の断面を有するところが図で示されているが、たとえば、限定的ではないが、実質的に円形、三角形、六角形、または八角形を含む他の断面形状も適していることが企図されている。上面および下面をエンドプレートの解剖学的構造に対して凸面に湾曲させることができる。1つまたは複数の側壁は、凹面形状または凸面形状を含むことができる。図で示していない一実施形態では、脊椎インプラント760は、端部764と765の間で本体763の全てまたは一部に沿って延びる外部ねじを備えて、隣接する椎体とのねじ係合を行うことができる。インプラント760は、多孔性構造、隆起部、溝、歯、および/または他の突起を含む、インプラントの外面の全てまたは一部に沿った他の係合構成を含むことができ、それらは全てインプラントの保持力および/またはインプラント部位の固定を向上させるように構成される。
【0054】
図で示したように、脊椎インプラント760の本体763は、硬化性材料をその中に含み、本体763のほぼ全てに沿って延びる内部室766を画定する被覆体を形成する。硬化性材料を有する内部室766が本体763のほぼ全てに沿って延びる場合、インプラント760は、方向矢印Cで示したように複数の方向にインプラント760の形状、長さ、幅、および/または高さを変えて、移植部位または挿入ポータルに対応するように構成可能でもよい。図で示していない他の実施形態では、本体763は、硬化性材料を有し、本体763の一部分だけに沿って延びる内部室を画定する。内部室に沿った本体763の一部は、少なくとも部分的に被覆体によって形成され、本体763の残りを任意の適した生体適合性材料で形成することができる。幾つかの実施形態では、本体763は、限定的ではないが、骨移植材料、骨形態形成蛋白質(BMP)、骨細片、骨髄、脱無機質骨基質(DBM)、間葉幹細胞、および/またはLIM無機質化蛋白質(LMP)、あるいは任意の他の適した骨成長促進材料もしくは物質など、骨成長誘導剤を含むように構成された少なくとも1つの空洞を含むことができる。それぞれインプラント760用に企図された実施形態では、室内の硬化性材料をエネルギー源に暴露して、所望の構成の形成物の剛直な脊椎インプラント760を作成することができる。
【0055】
図19は、繊維輪の増強を容易にするための髄核の一部または全体の置換に使用することができる円板内インプラント770の斜視図である。インプラント770は、硬化性材料をその中に収容するための内部室772を取り囲み、内部室772を作成する被覆体を形成する本体771を備える。この実施形態では、インプラント770は、たとえば方向矢印Eで示したように、複数の方向に構成可能である。すなわち、移植部位とより良好に嵌合するように本体771の高さおよび半径方向の調整が可能であることを指す。図で示していない他の実施形態では、インプラント770は、本体771の選択された1つまたは複数の部分だけに内部室772を含むことができる。さらに、図で示したように、インプラント770は実質的に円筒形状を有することができるが、理解されるように、インプラント770の代替形状および構成も企図される。たとえば、インプラント770の寸法、高さ、および形状を変えて、対応して作成された移植部位の形状、自然の解剖学的構造、または特定の寸法および形状の挿入ポータルにより良好に一致するようにすることができる。それぞれ企図された実施形態では、硬化性材料をエネルギー源に暴露してから所望の生体内の部位に挿入して、加工時間後に、所望の構成の剛直な脊椎インプラント770を作成することができる。
【0056】
装置800が、生体適合性被覆体810、および被覆体810内に含まれ密封された硬化性材料820を含む、本出願の他の態様が図20に示されている。硬化性材料820は非剛性の形態であり、材料820の硬化に有効な量の開始エネルギーを材料820に与えた後の加工時間後に剛性形態に変化可能である。装置800は患者の体内への移植前およびその間は変形可能であり、硬化性材料の硬化後の多様な最終用途のための多様な形状および寸法に構成することができる。装置800は、硬化性材料820がバルーン840の外部に配置されるように、被覆体810内に収容された加圧可能なバルーン840も備える。加圧流体が十分な圧力下でバルーン840内にポート850を通して導入されると、バルーン840が加圧され、硬化性材料820および被覆体810に外向きの圧力を加える。外向きの圧力によって、有利に、被覆体810が、たとえば隣接する骨部分または隣接するインプラント構成要素など、隣接する構造に押し付けられて、装置がより適切にそれらと係合し、かつ/または対合するようになる。次いで挿入前に硬化性材料が開始エネルギーに暴露された結果、硬化して、所望の構成の形成物の剛性インプラントが作成される。本明細書で使用されるように、用語「バルーン」は、圧力下で液体または気体を充填して、バルーンを膨張させることによって、硬化性材料および硬化性材料が含まれる被覆体に圧力を加えて膨張させることができる薄い可撓性容器を指すために使用される。
【0057】
使用のために選択されるバルーンは、バルーン血管形成用途のバルーンの作成に有効であることが知られている技法の使用を含む多様な方法で構成することができ、バルーンの作成に適した材料には、バルーン血管形成などの目的に現在使用されているものが含まれる。望ましい材料は、伸展性(適応性)、生体安定性、および/または生体適合性などの特性と、弾性および強度などの機械的特性の最適な組み合わせを提供するものである。バルーンを、複数の層を有する形態、膨張したときに複数の区画を有する形態を含む、多様な適切な形態で提供することができる。有用なバルーン装置は、流体または気体に圧力を加える手段と共にバルーン自体を備えるものである。
【0058】
バルーンの作成に適した材料の例には、限定的ではないが、ポリオレフィンコポリマー、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、およびポリ(エーテルエーテルケトン)などエーテルーケトンポリマーが含まれる。こうした高分子材料を、支持されない形態、または、たとえばDacron(商標)あるいは他の繊維の組み込みによって支持された形態で使用することができる。さらに、バルーン(またはバルーン様構成)は、多様な織物繊維または不織繊維、布、金網または編組線などの金属メッシュ、および炭素を含むことができる。ePTFEおよびDacron(商標)など生体適合性布またはシート材料を使用することもできる。幾つかの実施形態では、バルーンは金属ワイヤまたは他のバルーンに組み込まれる想像可能な手段を有する。X線螢光透視法で見ることができる任意の材料が許容される。可能な材料には、任意の金属、金属合金、またはポリマーと組み合わせることができるセラミックが含まれる。材料はバルーン内、またはバルーンの表面上に組み込まれた、ワイヤ、メッシュ、または粒子の形態でもよい。
【0059】
バルーンを含む幾つかの例示の実施形態に関するさらなる詳細を図21〜図23を参照して提供する。図21で示した実施形態では、骨アンカー装置900は展性構成で提供され、硬化性材料920を収容するための内部室を画定する被覆体910を含む軸部分903を備える。内部室、したがって硬化性材料920は、軸部903に沿って近位の頭部905から遠位の先端902まで延びる。第1の構成では、および暴露された後の加工時間中、硬化性材料がエネルギー源に暴露されていないとき、軸部903は可撓性のままであり、骨部分965内に予め形成された空洞960など作成された通路内での軸部903の係合が容易になり、または、たとえば脊椎ロッド400など他の構造構成要素とのより良好な連結が容易になるように、軸部の軸に沿って角度調整ができるようになされる。骨アンカー装置900は、硬化性材料920がバルーン940の外側に存在するように被覆体910内に収容された加圧可能なバルーン940も備える。たとえば食塩水など加圧流体が十分な圧力下でバルーン940内にポート950を通して導入されると、バルーン940が加圧され、外向きの圧力を硬化性材料920および被覆体910に加える。したがって、図22で示したように、軸部903が空洞960内に配置された後にバルーン940が加圧されると、図23で示したように、軸部903が空洞960の形状に一致される。軸部903が所望の構成を有する場合、硬化性材料920の硬化によって、アンカー900が骨部分965と耐久的に係合される。
【0060】
図24で示した実施形態では、脊椎ロッド1000は、硬化性材料1020を収容するための内部室を画定する被覆体1010を備える。内部室、したがって硬化性材料1020は、ロッド1000に沿って第1の端部1002から第2の端部1003まで延びる。第1の構成では、硬化性材料が開始エネルギー源に暴露されていないとき、ロッド1000と他のインプラント構成要素との係合が容易になり、たとえばロッドの軸に沿った角度を調整して、たとえば骨アンカーまたは架橋装置など他の構成要素との連結を容易にすべく、ロッド1000は可撓性のままである。脊椎ロッド1000は、硬化性材料1020がバルーン1040の外側に配置されるように、被覆体1010に収容された加圧可能なバルーン1040も備える。たとえば食塩水など加圧流体が十分な圧力下でバルーン1040内にポート1050を通して導入されると、バルーン1040が加圧され、外向きの圧力を硬化性材料1020および被覆体1010に加える。したがって、バルーン1040が加圧されると、ロッド1000は、隣接する構造(図示せず)の形状に全般的に一致され、かつ/または、たとえば1つまたは複数の骨アンカー、あるいは架橋装置など、隣接する構造と係合され、もしくは締まり嵌めが形成される。ロッド1000が所望の構成を有する場合、硬化性材料1020の硬化によって、ロッド100が剛直化され、耐荷重機能が提供される。バルーン840、940、および1040などバルーンの加圧を、たとえば、限定的ではないが、椎骨および椎体間癒合装置を可動に支持するように動作可能な装置を含む、他の円板内および円板外装置用脊椎装置など、多様な他の実施形態と関連して使用することができる。
【0061】
図25では、横断面図で示された脊椎ロッド1100は、被覆体1110内に収容され、硬化性材料1120に埋め込まれた補強部材1170を備える。図で示した実施形態では、補強部材1170は、たとえば炭素繊維のマトリクスなど、複数の繊維からなる構造のマトリクス材料を含む。別法として、当業者によって企図されるであろう、多様な代替的な、材料および構造を補強部材1170に使用することができる。たとえば、補強部材1170は、限定的ではないが、数例を挙げると、融解石英、金属、またはセラミック粒子、PET繊維、PETメッシュ、および/または炭素繊維を含むことができる。補強部材1170は、移植部位で所望の圧縮を行い、または他の力を加える必要がある場合に、インプラントの剛性および強度を増すための追加のインプラントの支持が与えられるように構成される。図では補強部材1170が脊椎ロッド1100内に存在するところが示されているが、理解されるように、補強部材1170は本明細書に記載し企図される他のインプラントに含まれてもよい。
【0062】
光および他の電磁放射、並びに熱エネルギーは、硬化反応を開始させるために貫通可能な深さに関する限界を有するため、特に被覆体および/もしくは硬化性材料が放射の波長に対して透過でない、あるいは半透過であり、または(熱で開始される硬化性材料の場合は)熱伝導があまり良好でない実施形態では、本出願は開始エネルギーを硬化性材料に送出するための内部要素を備える装置も提供する。
【0063】
図26で示した実施形態では、装置1200は、被覆体1210内に含まれ、硬化性材料1220に隣接する内部エネルギー送出要素1280を含む。装置1200は、エネルギー送出要素1280を外部エネルギー源(図示せず)に接続するためのコネクタ1282も備える。代替実施形態では、エネルギー送出要素1280は、加熱素子、光ファイバ素子、アンテナ、電気素子、または他の形態のエネルギーを送出するための要素でもよい。当然、所与の実施形態で使用されるように選択されたエネルギー送出要素のタイプは、使用に選択された硬化性材料、その硬化性材料の硬化の開始に必要なエネルギーのタイプ、および所望の硬化程度を得るのに必要なエネルギーの量による。
【0064】
一実施形態では、エネルギー送出要素1280は熱送出要素である。使用に適した熱送出要素は多様な形態を含むことができる。たとえば、一実施形態では、熱送出要素はループとして形成された導管であり、加熱された媒体をその導管を通して循環させて、熱を硬化性材料に送出し、それによって硬化性材料の硬化を開始させる。当然、この実施形態で熱エネルギーを硬化性材料に送出するには、加熱媒体源をループの一端に連結し、装置を通過した後にインプラントの位置から媒体を除去するための排出部をループの他端に連結する必要がある。別法として、ループは、ループを有する閉回路を形成する加熱ポンプへの連結部でもよく、それによって、媒体が再加熱され、再循環されて、ループに戻される。
【0065】
使用することができる熱送出要素の他の例は、たとえば、コーティングされたタングステンワイヤまたは炭素繊維など、抵抗加熱素子である。この実施形態では、電流が抵抗加熱素子を通過するときだけ抵抗加熱素子が作動するため、加熱素子は、素子が連続した電気経路を形成するように方向付けられる。様々な実施形態では、抵抗加熱素子を、たとえば、それぞれ温度に直接または間接的に比例する電気抵抗など、抵抗の正あるいは負の温度係数を有する材料から作成することができる。抵抗加熱素子のDC電圧の測定によって、温度を監視することができる。電圧は所与の電流については抵抗に直接比例し、抵抗の温度係数は知られているからである。別法として、電圧、電流、および駆動システムの位相の測定によって、加熱素子の抵抗、したがって温度を、任意選択でマイクロプロセッサまたは専用回路によって計算することができる。
【0066】
抵抗加熱素子を使用して熱を送出するには、電流源をエネルギー送出要素1280にコネクタ1282を介して操作可能に接続し、それを通して電流を、硬化性材料1220に所望の量の開始熱エネルギーを送るのに十分な期間にわたり通過させる必要がある。源は、たとえば電池(図示せず)またはAC/DC変換器でもよい。図26のコネクタ1282および要素1280は、たとえば光を要素1280内に通過させることなどによって、エネルギーがエネルギー送出要素1280内に単に導入される実施形態の他に、必要に応じて、複数のエネルギー導管およびループ式エネルギー送出要素が必要な実施形態も概略的に示すものである。この点で、電流を使用して熱を提供し、または電気エネルギーを硬化性材料に直接提供する一実施形態では、コネクタ1282は、要素1280を通して電流を伝導するための複数の電気接点を含むことができる。たとえば、電気接点は、コネクタ1282を電力源(図示せず)にリンクするための同心の滑合連結部を含むことができる。こうした電気接点は、電源上のコンプリメンタリ接点と係合して、近位に配置された電源との電気回路を完全なものにして、抵抗加熱素子を作動させる。ループ式回路または他のタイプのループ式導管を得るための複数の接続を行う他の方法は、任意選択の第2のコネクタ1283を備えることである。この点で、装置1200は、複数のコネクタ1282、1283を備え、両方のコネクタを電源からの別々のリードに接続して、エネルギー送出回路を提供し、それによって装置1200を通る電気回路を提供することができる。
【0067】
熱硬化が使用される場合、移植時に装置の外側の温度が組織壊死が起こるほど高くならないことが好ましい。組織壊死は約45℃で起こる。これは、たとえば、インプラントの表面とインプラントの内部の温度差を設定する熱源を使用するなどによる、または加熱素子によって発生する熱から隣接する組織を熱断熱する材料からなり、および/もしくはそうする厚さを有する被覆体1210を使用するなどによる、幾つかの方法で行うことができる。使用に選択された硬化性材料1120の組成によって、幾つかの実施形態では、電気絶縁物からなる被覆体を使用することが望ましい。
【0068】
場合によっては、硬化性材料は、体温(37℃)より僅かに高い(結晶質の)融点、または(非晶質の)ガラス移転温度を有し、したがって体温では固体の(低温ポリマーなど)単なる材料である。一実施形態では、融点またはガラス移転温度は約37℃〜約100℃である。他の実施形態では、融点またはガラス移転温度は約37℃〜約75℃である。他の実施形態では、融点またはガラス移転温度は約37℃〜約50℃である。一部の実施形態では、こうした低温材料が粘性および流動性になる点まで単に加熱され、次いで所望の位置の所望の部位に配置されて、その後、粘性材料を体温まで冷却することによって装置が凝固する。他の実施形態では、加熱媒体を使用する実施形態に関する上記と同様の方法で、冷却媒体を装置内部のループを通過させることによって、装置の凝固を促進することができる。こうした材料は生体内で反応する必要がないため、比較的不活性であることが望ましい。
【0069】
他の代替実施形態では、熱送出要素は、RFアンテナ、超音波変換器、マイクロ波アンテナ、またはそれぞれエネルギーの形態を熱エネルギーに変換して、硬化性材料に送出することができる導波管を備えることができる。やはり当業者には理解されるように、補強部材1170など補強部材が導電性材料またはRFアンテナ、超音波変換器、マイクロ波アンテナ、または導波管としての使用に適した材料から作成された装置に含まれる場合、補強部材を使用して、補強機能を提供し、かつ加熱素子として作動させることができる。
【0070】
他の実施形態では、硬化性材料1220は、光硬化性材料であり、エネルギー送出要素1280は光送出要素である。本明細書で使用されるように、用語「光硬化性」は、可視光スペクトル内の波長で電磁エネルギーを与えると硬化が開始されるタイプの材料を指すものである。こうした実施形態では、エネルギー送出要素は、光ファイバ素子でもよく、または有効に光を透過する他の材料からなるものでもよい。一実施形態では、内部要素1280は、開放空洞(すなわち光源を一時的に挿入するためのもの)を画定する透過性または半透過性の導管である。他の実施形態では、被覆体1210は、要素1280によって出される光の少なくとも一部を反射するのに有効な硬化性材料1220に向けて方向付けられた内面1212を有する。
【0071】
光エネルギーを使用して硬化を開始する一実施形態では、光を多様な方法でエネルギー送出要素に送出することができる。たとえば光ファイバケーブルなどエネルギー送出要素に光を送出することができる露出されたポータルに手持型光エミッタからの光を単に照射することによって、光を提供することができる。あるいは、光源を要素に物理的に接続することによって、光を要素に送出することができる。他の実施形態では、硬化性材料1220は、可視光スペクトル外の波長で電磁エネルギーを与えると硬化が開始されるタイプのものである。この実施形態では、エネルギー送出要素1280は電磁放射送出要素を備える。他の実施形態では、被覆体1210は、電磁放射の少なくとも一部を反射するのに有効な硬化性材料1220に向けて方向付けられた内面1212を有する。様々な実施形態では、電磁放射は、限定的な例ではないが、高周波、X線放射、赤外放射、紫外放射、およびマイクロ波放射である。
【0072】
装置は、たとえば図27および図28で示したように、単一の被覆体内に複数のエネルギー送出要素を備えることもできる。図27では、装置1300は、外部エネルギー源(図示せず)に接続するためのコネクタ1382にリンクされた2つのエネルギー送出要素1380aおよび1380bを備える。任意選択のコネクタ1383を含むこともできる。コネクタ1383は、上記の電気回路または加熱媒体循環ループなど、ループまたは回路に1つまたは複数の要素1380aおよび1380bを備えることが望ましい実施形態では特に有用である。図28では、装置1400は、それぞれそれ自体のコネクタ1482aおよび1482bにリンクされた2つのエネルギー送出要素1480aおよび1480bを備える。任意選択のコネクタ1483aおよび1483bを含むこともでき、これらは上記の電気回路または加熱媒体循環ループなど、ループまたは回路に1つまたは複数の要素1480aおよび1480bを備えることが望ましい実施形態では特に有用である。当然、適切な量のエネルギーを硬化性材料に所望の速度で送出するのに適した、単一の被覆体に収容された他の数のエネルギー送出要素、およびコネクタの任意の組み合わせを使用することができる。
【0073】
本出願では、エネルギー送出要素が、当業者が思いつく多様な形態をとりえることが企図される。たとえば、理解されるように、エネルギー源またはエネルギー送出要素と硬化の開始が望まれる硬化性材料を分離する距離が比較的短いと、比較的均一で完全な硬化を行うことができる。たとえば、比較的薄い装置では、エネルギーが通過するように被覆体が形成されている限り、内部エネルギー送出要素は不要である。エネルギーが硬化性材料内に一定の距離だけ貫通することができるからである。一方、装置が比較的大きい寸法の硬化性材料を含む場合、硬化性材料全てがエネルギー送出要素から一定の最大距離を越えないように配置された1つまたは複数のエネルギー送出要素を有することが望ましい。より均一なエネルギー送出を行う方法の一例では、図29で示した装置1500など装置は、エネルギーを硬化性材料1520に比較的近い点からその硬化性材料の周辺部分に送出するための複数の付属部1581を有するエネルギー送出要素1580を備える。図30で示した他の実施形態では、装置1600は、コイル形状のエネルギー送出要素1680を備える。他の実施形態では、図31で示したエネルギー送出要素1780は可撓性のジグザグパターンを有する。当然、多様な代替構成を他の実施形態で使用することができる。
【0074】
本出願では、たとえば可視光を送出するための1つまたは複数のエネルギー送出要素、および熱を送出するための1つまたは複数の他のエネルギー送出要素など同じ被覆体内に含まれた様々なタイプのエネルギー送出要素を備える装置も企図される。この点で、本出願では、所与の装置の被覆体内に含まれた硬化性材料が、様々なタイプのエネルギーによって硬化が開始される組成物の混合物を含むシステムが企図される。他の実施形態では、様々なタイプのエネルギーによって開始される硬化性材料を1つの被覆体の分離された区画内、または単一装置の複数の被覆体内に含むことができる。したがって、様々な硬化性材料によって示される様々な硬化プロファイルによる様々な硬化特性を有する装置を構成することができる。本明細書で使用されるように、用語「硬化プロファイル」は、たとえば、限定的ではないが、硬化の開始に使用することができるエネルギーのタイプ、硬化の開始あるいは材料を完全に硬化させるのに必要なエネルギー量、硬化開始後の硬化の進行速度、エネルギーへの暴露の妨げが硬化に与える影響、エネルギー量が硬化速度に与える影響など、効果特性に影響を与える材料の特性の組み合わせを指すものである。
【0075】
図32は、エネルギー送出要素I880aおよび1880b、加圧可能なバルーン1840、並びに被覆体1810内に含まれた補強部材1870を備える装置1800を示す。本出願では、本明細書で論じるように、これらの構成要素の1つまたは複数を省いた装置も企図される。たとえば、本出願では、(たとえばエネルギーが装置の外部の点から被覆体を通して硬化性材料に送出される実施形態では)加圧可能なバルーンおよび補強部材を含むが、エネルギー送出要素を含まない装置が企図される。本出願では、補強部材およびエネルギー送出要素を含むが、加圧可能なバルーンを含まない装置、および加圧可能なバルーンおよびエネルギー送出構成要素を含むが、補強部材を含まない装置も企図される。当然、本出願では、本明細書で論じるように、これらの構成要素の1つだけを含む装置も企図される。
【0076】
装置が自蔵式であり、密封され、長期間にわたり貯蔵安定性がある特徴を有するように装置を作成することができる。たとえば、一実施形態では、装置は、予備混合され、装置の被覆体内に密封され、開始エネルギーが与えられるまで硬化を開始しない単一成分の硬化性組成物を含む。こうした一実施形態では、他の優れた特徴の他に、従来技術で提案された幾つかの硬化性システムで必要とされるように、湿潤または術中の2部分の混合工程中に発生する合併症が回避される。さらに、こうした装置を事前包装し、滅菌して、医療関係者が装置をパッケージから取り出したときに、すぐに開始エネルギーを与え、患者に移植する準備ができる。実際、所望の場合は、装置をパッケージから取り出す前に、開始エネルギーを与えることができる。図33で示した一実施形態では、パッケージ130に収容された装置100が示されている。代替実施形態では、装置100はパッケージ130内に密封される前に滅菌され、または装置100がパッケージ130内に配置された後に、装置100およびパッケージ130が共に滅菌される。パッケージを、予期される移植時の前の開始エネルギーへの暴露からインプラントを保護するように構成することができる。カバーを、移植前に除去されるように、または生体内の部位に配置した後に除去できるように構成することができる。
【0077】
本出願では、移植時に展性および/または可撓性であり、次いで移植部位に配置された後に剛性形態に硬化する複数の構成要素を備える整形外科用インプラントも企図される。一実施形態では、インプラントは、同じ硬化性材料を含む複数の発明に係る装置を備える。他の実施形態では、それぞれ装置は様々な硬化性材料を含む。インプラントを、様々な硬化プロファイルを有する様々な構成要素を有するように構成して、移植処置を行う外科医が、それぞれ装置の硬化を制御して行うことができる。たとえば、幾つかの環境では、インプラントの骨と係合しない装置の前に、またはそれよりも速く硬化する骨係合装置の使用が好ましいことがある。他の実施形態では、骨係合装置の前に、またはそれよりも速く硬化する骨と係合しない装置の使用が好ましいこともある。
【0078】
当業者には理解されるように、硬化性材料は多様な組成物を含むことができる。一実施形態では、硬化性材料は単一成分のエポキシを含む。他の実施形態では、硬化性材料は光硬化性材料を含む。例示の一実施形態では、硬化性材料が光硬化性である場合、中度の粘性の事前活性化されたエポキシ接着剤を含む。この性質の一光硬化性材料は、Loctite(登録商標)3355としてHenkel Corporationから市販されている。幾つかの特質の中でも特に、この材料は、単一成分構成であり、UV光に曝すと硬化性があり、硬化時間が速く、硬化時の収縮および抵抗特性が低い。この材料は、ガス発生が少なく、影の部分でも、全ての領域にわたり均一に硬化する。硬化性材料を、たとえば使用の直前に混合が不要な形態など、単体形態で提供することができる。むしろ、装置の配置後に、硬化性材料を開始エネルギーに曝して、触媒系の介在によって重合化させる。上記のように、複数の異なる硬化性材料を、すなわち様々な層または装置の部分で使用して、たとえば可視光または他のタイプの1つの波長の電磁放射など1つのタイプの開始エネルギーによる硬化によって、装置の一部が硬化し、次いで他の波長または他のタイプのエネルギーに暴露することよって他の部分が硬化するようにすることができる。多様な硬化性材料が本出願によって企図されている。使用に適した硬化性材料の例を、それぞれ参照により全体が本明細書に組み込まれている、1つまたは複数の、Shastriの米国特許第5,837,752号、Erbe他の米国特許第6,987,136号、Erbeの米国特許第5,681,872号、Bagga他の米国特許出願第2003/0125739号、およびDi Mauroの米国特許出願第2004/0230309号で見ることができる。
【0079】
さらに、硬化を開始するために開始エネルギーに曝し、曝した後に患者に移植するだけでよい完全に組立てられた装置を有する製品キットで装置を提供できることが企図される。他の形態では、装置が部分的に組立てられ、または組立てられない状態の製品キットが提供される。この形態では、外科医は、装置のタイプ、装置の寸法、および/または装置に充填される硬化性材料のタイプおよび量の選択で可撓性が得られるように、処置中に組立用に装置の構成要素を選択することができる。
【0080】
整形外科用インプラント装置の耐荷重構成要素の形成および位置付け方法は、本明細書に記載した自蔵式、展性の装置を提供すること、適した開始エネルギーの量を材料に与えること、装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に挿入することを含む。装置が密封されたパッケージ内の滅菌済みの形態で提供される場合、硬化開始エネルギーに暴露する前または後、かつ生体内の部位に挿入する前または後に、装置を滅菌環境、すなわち外科手術室でパッケージから取り出すことができる。
【0081】
この方法を実行する一方法では、装置が生体内の部位に挿入される前に、たとえば装置を折りたたみ、または屈曲させることによって、装置が送出用の圧縮された構成に形付けられる。装置の挿入後、装置を所望の形状および骨部分に対して所望の方向に形成することができる。たとえば、生体内の部位に挿入した後、装置を少なくとも1次元において圧縮された形態よりも大きい拡張された形態に再形成することができる。装置が被覆体内に収容された加圧可能なバルーンを含む一実施形態では、再形成は、たとえば食塩水または空気など加圧流体をバルーンに導入して、バルーンを加圧し、外向きの圧力を硬化性材料および被覆体に加えることを含むことができる。
【0082】
この方法を実行する一方法では、装置が所望の生体内の部位に挿入され、所望の形態に構成される前に、硬化性材料が手持型または携帯用エネルギー源から送られるエネルギーに暴露される。エネルギーは、硬化性材料への暴露が生じる場合、2つ以上の形態でもよい。たとえば、エネルギーはUV光でもよく、熱エネルギーを含むこともでき、それによって一部の実施形態では、硬化性材料の硬化速度を上げることができる。十分な量の開始エネルギーを与えた後の加工時間後、硬化性材料が剛直化して、インプラントの耐荷重構成要素が提供される。開始エネルギーが材料に与えられた後、展性の構成要素が所望の生体内の部位に挿入され、硬化性材料の硬化に十分な期間にわたり所望の方向に維持され、それによって、骨部分または他の整形外科用インプラントの構成要素と係合するための所望の構成を有する耐荷重構成要素が形成される。硬化性材料が硬化する期間中、外科医または他の医療関係者は、任意選択で、装置の位置または形状が変更されるように装置をさらに屈曲させ、または他の方法で形成することができる。こうすると、装置の可撓性および形状の制御が得られる。
【0083】
一実施形態では、エネルギーの付与は、硬化性材料を約1秒から約30分間、開始材料に暴露することを含む。他の実施形態では、付与は、硬化性材料を約5秒から約5分間、開始エネルギーに暴露することを含む。エネルギーへの暴露後の加工時間は、たとえば約1分から60分にわたることができることがさらに企図される。他の形態では、加工時間は少なくとも約2分である。他の形態では、加工時間は少なくとも約5分である。他の形態では、加工時間は少なくとも約10分である。本明細書で使用されるように、用語「加工時間」は、装置の加工が不可能または実行不可能な点まで係数が上がる硬化のレベルが生じる前の、装置を加工または操作することができる硬化開始エネルギーの付与後の時間を指すものである。理解されるように、硬化性材料の硬化時間は使用される材料のタイプに依存し、幾つかの実施形態では、硬化時間は暴露時間およびエネルギーの強度に依存する。さらに、所望の程度の硬化を行うのに必要とされるエネルギーの暴露時間および強度は、硬化性材料の特性に依存する。たとえば、硬化性材料が光硬化性材料である一実施形態では、暴露時間および強度は硬化性材料が透過性または不透過性かどうかに依存する。やはり理解されるように、暴露させる必要がある装置の量が全体または一部かどうかも硬化性材料の組成物および使用されるエネルギーのタイプの1つまたは両方による。
【0084】
幾つかの実施形態を硬化する場合、硬化開始エネルギーが装置100に物理的に接続されていない離れた源から被覆体110を通って硬化性材料120に与えられる。たとえば、図36で示した手持型伝送器200から装置100にエネルギーを伝送することができる。たとえば光、非可視電磁放射、または熱でもよい開始エネルギーが図36の矢印205で示されている。こうした実施形態では、被覆体110が開始エネルギー205を被覆体110を通して伝送するように構成され、硬化性材料120が十分小さい寸法を有して、エネルギー205が被覆体を通って硬化性材料の全ての必要な部分に到達して、所望のレベルの硬化を開始することができることが重要である。たとえば、上記で論じたように、硬化性材料が光硬化性材料である実施形態では、被覆体を半透過性または透過性の材料で構成し、材料の硬化に使用される光エネルギーが所望のレベルの硬化を行うのに十分な程度まで硬化性材料内に通ることができる。硬化性材料が熱硬化性材料である実施形態では、被覆体を熱伝導材料で構成することができる。熱硬化性材料を含む装置を使用する場合、熱伝導構造(図示せず)を被覆体内に配置して、熱を被覆体から装置内の硬化性材料の最内部に送出する助けとすることができる。こうした構造は、上記のエネルギー送出要素として動作するものであり、必要ではないが、被覆体と直接接触してもよい。
【0085】
エネルギーを硬化性材料120に被覆体110を通して送出する他の方法では、図38で示したように、装置100がエネルギー源210の内部に配置される。たとえば、硬化性材料を含む装置を使用する場合、源210は、たとえば対流オーブンなど加熱装置でもよい。数例を挙げると、誘導加熱機構、または抵抗電気コイルを含む、当技術分野で周知の多様な方法で熱を源210によって提供することができる。別法として、装置100が光硬化性材料または可視光スペクトル外の電磁放射への暴露によって硬化可能な材料を含む場合、源210は装置100に光または他の形態の電磁放射を与えることができる。他の実施形態では、源210は、たとえば源210内に配置された装置100に超音波エネルギーなど機械的エネルギーを与える。
【0086】
他の実施形態では、源210は、源210から装置100に送出されるエネルギーの強度を調整するための強度制御装置211を備える。他の実施形態では、源210はタイマー212を備える。タイマー212は、たとえば所定時間後にエネルギー源210をターンオフし、所定時間後に、光、ベル、またはブザーなど信号を活動化させ、または源210によって放出されるエネルギーのタイプあるいは強度を変更するように動作することができる。
【0087】
他の実施形態では、詳細に前述し、図34および図35で示したように、開始エネルギーが、被覆体を通過して被覆体内に収容された1つまたは複数のエネルギー送出要素に到る1つまたは複数のコネクタを通して装置に導入される。図34を参照すると、生体内装置1200内のエネルギー送出要素1280への開始エネルギーの送出を、エネルギー送出リード1291、1292を装置の被覆体1210を通過するコネクタ1282、1283に接続して行うことができる。たとえば、それぞれ電流の送出を必要とする抵抗加熱素子または電気送出要素の場合、電流がエネルギー送出要素1280(または2つ以上が装置内に存在する場合は複数の要素)を適切に通る方法で、電源1290からのリード1291、1292をコネクタ1282、1283に接続することができる。図35を参照すると、光硬化性実施形態の場合、エネルギー送出リード1296を被覆体1210を通過するコネクタ1282に接続して、光を光源1295から、この実施形態では光ファイバ素子であるエネルギー送出要素1280に送出して、光を装置1200に提供することができる。当然、2つ以上の要素が装置内に存在する場合は、追加のリード(図示せず)を使用して、光を追加の要素(図示せず、しかし他の実施形態に関連して示してある)に送出することができる。他の実施形態では、源1270および源1295は、源1270および源1295から装置1200に送出されるエネルギーの強度を調整するための強度制御装置1293、1297を備える。他の実施形態では、源1270、1295はタイマー1294、1298を備える。タイマー1294、1298は、たとえば所定時間後にエネルギー源1270、1295をターンオフし、所定時間の終わりに、光、ベル、またはブザーなど信号を活動化させ、または源1270、1295によって放出されるエネルギーのタイプあるいは強度を変更するように動作することができる。
【0088】
本出願では、被覆体が自己密封材料からなり、硬化の開始に有効な量の化学開始剤を硬化性材料に注入することによって硬化が開始される実施形態も企図される。
それぞれの実施形態において、光、電気、または他のタイプのエネルギーを送出しても、リード1291、1292、または1296を装置に接続して硬化を開始させることができ、次いで、比較的大きい外科的に作成された開口、または最小限の侵襲的処置で使用するのに適した内視鏡機器もしくは放射線によって案内される機器を使用して1つもしくは複数の比較的小さい開口を通して、装置を生体内の部位に挿入することができる。
【0089】
加圧可能なバルーンを含む装置が使用される場合、開始エネルギーの量を材料に与え、装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に挿入し、流体をバルーンに注入してバルーンを加圧し、それによって硬化性材料を加圧することによって、整形外科用インプラント装置の耐荷重構成要素を形成し位置付けることができる。装置が密封されたパッケージ内の滅菌済み形態で提供される場合、硬化開始エネルギーを与える前または後、かつ生体内の部位に挿入する前または後に、装置を滅菌環境、すなわち外科手術室でパッケージから取り出すことができる。
【0090】
本出願のこの態様は、骨アンカーの配置に関して特に有利である。上記のように、例示の骨アンカー装置は、頭部分の反対側の骨係合部分を備える。骨係合部分は骨組織と係合するように構成され、頭部分は、たとえば脊椎ロッドなど細長いインプラント構成要素と係合するように構成される。幾つかの実施形態では、頭部分は軸部に対して可動である。被覆体は、骨係合部分の全てまたは一部に沿って延びることができる。軸部は膨張可能なため、骨アンカーを受ける空洞を骨部分内に作成する際に、程度の大きい変動性を許容することができる。より詳細には、通常、骨アンカーを配置する前に、アンカーの軸部を受ける空洞を骨部分に設ける必要がある。空洞の正確な寸法、および空洞形状の均一性は、アンカーが予備形成され、事前に寸法設定され、剛性の場合ほど重要でない。さらに、空洞は、アンカーを空洞内に固定するための少なくとも1つのアンカー保持面を有するだけでよい。実際、図37で示したように、空洞960が、骨部分965の表面966よりも遠位にある領域962よりも狭い骨部分965の表面966に近位の領域961を有する限り、たとえばアンカー900など本明細書で提供されるアンカー装置を使用して、アンカー900の軸部903を空洞960の壁964に圧入することによって骨部分965と係合することができる。
【0091】
したがって、一実施形態では、アンカー装置を受けるための空洞が骨部分に設けられ、空洞は、骨アンカーと係合するように構成された少なくとも1つのアンカー保持面を画定する。開始エネルギーを硬化性材料に与えた後、アンカー装置の軸部が空洞内に通され、バルーンが加圧されて、軸部が空洞の壁に圧入される。硬化性材料の硬化によって骨アンカーと骨部分の係合が凝固される。加圧可能なバルーンを含む実施形態は、椎体間装置としての使用にも適している。この点で、椎体間脊椎装置を適所に配置した後にバルーンを加圧することによって、装置が装置に隣接するエンドプレートの自然の形状とより良好に一致し、耐荷重機能が装置およびエンドプレートの表面にわたってより均一に広がることができるようになり、それによって、隣接する椎骨の圧迫骨折の危険性が低減される。
【0092】
バルーンの加圧は、当技術分野で周知の血管形成術用バルーンの加圧と同様に行うことができる。たとえば食塩水または空気など加圧流体を生体内に配置された装置に連結された送出導管(図示せず)によって装置に送出することができる。比較的大きい外科的に作成された開口、または最小限の侵襲的処置で使用するのに適した内視鏡機器あるいは放射線によって案内される機器を使用して比較的小さい開口に導管を通すことによって、たとえば様々な実施形態のポート850、950、または1050など、ポートに導管を連結することができる。理解されるように、導管およびポートは、バルーンの加圧中に加圧流体を保持するのに適した連結を行うのに必要な構造を備える。
【0093】
本出願では、複数の構成要素が本明細書に記載された硬化性装置を使用して形成される整形外科用インプラント装置も企図される。たとえば、幾つかの脊椎固定装置では、複数の骨アンカー、脊椎ロッド、および支持構成要素が通常含まれ、その複数のものを本明細書に記載した展性装置から形成することができる。したがって、本出願の一態様では、上記の方法はさらに、第2の硬化性装置を提供すること、開始エネルギーの量を第2の硬化性装置の硬化性材料に与えること、および第2の硬化性装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に挿入することを含む。第2の硬化性装置は、第1の構成要素と同じ硬化プロファイルを示すことができ、または任意選択で第1の構成要素と異なる硬化プロファイルを示すことができる。
【0094】
本出願の他の態様では、(1)生体適合性被覆体および被覆体内に収容され密封された非剛性形態を有する硬化性材料を含む装置であって、材料を完全に硬化させるのに有効な量の開始エネルギーを材料に与えた後に材料が剛性形態に変化可能な装置、および(2)硬化開始エネルギーを硬化性材料に与え、次いで装置を耐荷重機能の提供が望まれる生体内の部位に配置するための有形媒体に記録された使用説明書を含む整形外科用インプラントキットが提供される。使用説明書は、様々な実施形態の多様な装置に適用されるようにカスタマイズすることができ、装置を使用する外科医に柔軟性を提供する所与の装置用の代替使用説明書を含むこともできる。
【0095】
複数の実施形態を図面で示し、上記に詳細に説明したが、それは特徴の例示であり限定的ではないと考えられたい。理解されるように、選択された実施形態だけが図で示され、記載されており、当業者が思いつく全ての変更、等価のもの、および修正は、本明細書に記載し、または保護されることが望まれる添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲に包含されるものとする。本明細書に記載された全ての理論、操作の機構、証明、または発見は、本出願の理解をさらに深めるためのものであり、本発明をこうした理論、操作の機構、証明、または発見に決して限定するものではない。さらに、様々な処置、技法、および操作を当業者が思いつくように、変更し、再構成し、置換し、削除し、複製し、または組み合わせることができる。また、本明細書で引用した米国特許、係属中の米国特許出願または他の刊行物は全て、個々の刊行物、特許、または特許出願が、特に、かつ個々にその全体が参照により本明細書に組み込まれていることが示され、記載されているように、参照により全体が本明細書に組み込まれている。特許請求の範囲を読む際に、単語「1つの」、単語「少なくとも1つの」、および単語「少なくとも一部」などの単語は、そうでないことが特に明記されていない場合、特許請求の範囲を1つのアイテムだけに限定するものではない。さらに、言語「少なくとも一部」および/または「一部」が使用される場合、そうでないことが特に明記されていない場合、特許請求の範囲はアイテムの一部および/または全体を含むことができる。
【0096】
特定の方向の引用、たとえば、上、上方、下、下方などの引用は全て、理解されるように、単に例示するためであり、または多様な構成要素をよりよく確認し、あるいは他と区別するためのものである。第1または第2の椎骨、あるいは椎体の引用は全て、2つの椎骨を区別するためであり、引用した椎骨を隣接する椎骨、第1および第2の頚椎、または第1および第2の腰椎、胸椎、もしくは仙椎として特別に確認するためではない。こうした参照は、本明細書に記載した医療装置および/または方法を決して限定するものではないと考えられたい。別段の指定がない限り、本明細書で使用される全ての用語は通常および通例の専門用語を含むように使用される。また、特定の構成要素および構成を有する医療装置の多様な実施形態を本明細書に記載し、図で示したが、理解されるように、選択された実施形態は全て、可能な場合は、他の実施形態について記載された1つまたは複数の特定の構成要素および/または構造を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体適合性の被覆体と、
前記被覆体内に収容され且つ密封され、非剛性形態を有する硬化性材料と、を含む整形外科用インプラント装置であって、
前記装置が患者の体内に移植する前およびその間は変形可能であり、
前記材料を硬化させるのに有効な開始エネルギーの量を前記材料に与えた後に、前記硬化性材料が剛性形態に変化可能であり、前記エネルギーを与えた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、前記硬化性材料が少なくとも1分の加工時間を示す、整形外科用インプラント装置。
【請求項2】
前記装置が滅菌される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置はパッケージをさらに含み、前記装置が前記パッケージ内に収容される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置および前記パッケージが滅菌される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、前記開始エネルギーを与えた後、前記装置が前記剛性形態に完全に変化する前に約1分から約60分の加工時間を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記開始エネルギーを与えた後、前記装置が前記剛性形態に完全に変化する前に少なくとも約2分の加工時間を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記材料が単一成分のエポキシを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記開始エネルギーが、電磁放射、熱エネルギー、電気エネルギー、化学エネルギー、および機械的エネルギーからなるグループから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記電磁放射が、可視光、紫外光、赤外光、γ放射、X線放射、および高周波からなるグループから選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記被覆体が、前記被覆体を通して前記開始エネルギーを送るように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記被覆体が自己密封材料からなり、前記開始が硬化の開始に有効な化学開始剤の量を前記硬化性材料へ注入することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、硬化後、脊椎ロッド、プレート、スペーサ、骨ねじ、アンカー、人工円板、および核インプラントからなるグループから選択される部材になる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記硬化が温度約20℃から約70℃で行われる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記被覆体が、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリ乳酸、およびポリグリコライドからなるグループから選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記被覆体が生体吸収性材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、前記被覆体内に含まれた補強部材をさらに含み、前記補強部材は、硬化後に追加の強度を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記補強部材がマトリクス材料の構造である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記マトリクス材料が炭素繊維を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記装置が加圧可能なバルーンをさらに備え、前記加圧可能なバルーンは、前記被覆体内に配置され、前記被覆体を通過する流体注入ポートを有し、前記加圧可能なバルーンが、前記硬化性材料が硬化する前に流体を受けて前記バルーンを加圧し、それによって前記装置の寸法を少なくとも1次元で大きくするように作用できる、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、硬化すると骨アンカーになる、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記骨アンカーが頭部分の反対側の骨係合部分を備え、前記骨係合部分が骨組織と係合するように構成され、前記頭部分が細長いインプラント要素と係合するように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記被覆体が前記骨係合部分に沿って延びる、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記骨係合部分が細長い軸部を備え、前記頭部分が前記軸部に対して可動である、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記バルーンが膨張されると、前記骨アンカーが骨部分内に形成された空洞内に設けられた少なくとも1つのアンカー保持面と係合するように作用できる、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記装置は、硬化すると椎体間装置および椎骨ロッドから選択される部材になる、請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記装置が、椎骨を可動に支持するように動作可能な椎体間装置と、椎体間癒合装置とから選択される、請求項19に記載の装置。
【請求項27】
生体適合性の被覆体と、
前記被覆体内に収容される硬化性材料であって、前記硬化性材料が、硬化開始エネルギーが与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように作用でき、前記エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、前記硬化性材料が少なくとも1分の加工時間を示す、硬化性材料と、
前記被覆体内に収容されるエネルギー送出要素であって、前記エネルギー送出要素は、開始エネルギーを前記硬化性材料に送出するように作用できる、エネルギー送出要素とを備える、整形外科用インプラント装置。
【請求項28】
前記エネルギー送出要素が電磁放射送出要素を含み、前記被覆体が前記硬化性材料に向けて方向付けられた内面を備え、前記内面が前記電磁放射の少なくとも一部の反射に有効である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記要素が光ファイバ素子を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記エネルギー送出要素が、加熱素子、アンテナ、電気素子、および光ファイバ素子からなるグループから選択される、請求項27に記載の装置。
【請求項31】
前記エネルギー送出要素が前記材料内のコイルとして形成される、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記エネルギー送出要素は、少なくとも1つのコネクタを備え、前記コネクタは、外部エネルギー源に接続するために、前記被覆体を通過する、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記硬化性材料が光硬化性組成物を含み、前記エネルギー送出要素が光ファイバ素子を含み、前記装置が光を光ファイバケーブルに送るための少なくとも1つのコネクタを含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記装置は、前記被覆体内に配置された複数のエネルギー送出部材をさらに備える、請求項27に記載の装置。
【請求項35】
前記装置は、前記被覆体を通過する複数のコネクタをさらに備える、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
生体適合性の被覆体と、
前記生体適合性の被覆体内に収容される硬化性材料であって、前記硬化性材料は、硬化開始エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように作用できる、硬化性材料とを含み、
前記硬化性材料が、前記エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示し、
前記開始エネルギーが所定の波長の電磁的な放射であり、
前記被覆体が前記放射に対して透過性である、整形外科用インプラント装置。
【請求項37】
生体適合性の被覆体と、
前記被覆体内に収容された加圧可能なバルーンと、
前記被覆体内に前記バルーンの外部に含まれた硬化性材料であって、前記硬化性材料は、硬化開始エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように作用できる、硬化性材料とを含み、
前記エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、前記硬化性材料が少なくとも1分の加工時間を示し、
前記バルーンが加圧流体を受けて前記バルーンを加圧し、外向きの圧力を前記硬化性材料および前記被覆体に加えるように作用できる、整形外科用インプラント装置。
【請求項38】
前記装置が、加圧流体を前記バルーンに導入すべく形成されて、前記バルーンを加圧し、外向きの圧力を前記硬化性材料および前記被覆体に加えるように作用できる、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記装置は、硬化すると骨アンカーまたは椎体間装置になる、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記装置が、椎骨を可動に支持するように動作可能な椎体間装置と、椎体間癒合装置とから選択される、請求項37に記載の装置。
【請求項1】
生体適合性の被覆体と、
前記被覆体内に収容され且つ密封され、非剛性形態を有する硬化性材料と、を含む整形外科用インプラント装置であって、
前記装置が患者の体内に移植する前およびその間は変形可能であり、
前記材料を硬化させるのに有効な開始エネルギーの量を前記材料に与えた後に、前記硬化性材料が剛性形態に変化可能であり、前記エネルギーを与えた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、前記硬化性材料が少なくとも1分の加工時間を示す、整形外科用インプラント装置。
【請求項2】
前記装置が滅菌される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置はパッケージをさらに含み、前記装置が前記パッケージ内に収容される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置および前記パッケージが滅菌される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、前記開始エネルギーを与えた後、前記装置が前記剛性形態に完全に変化する前に約1分から約60分の加工時間を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記開始エネルギーを与えた後、前記装置が前記剛性形態に完全に変化する前に少なくとも約2分の加工時間を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記材料が単一成分のエポキシを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記開始エネルギーが、電磁放射、熱エネルギー、電気エネルギー、化学エネルギー、および機械的エネルギーからなるグループから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記電磁放射が、可視光、紫外光、赤外光、γ放射、X線放射、および高周波からなるグループから選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記被覆体が、前記被覆体を通して前記開始エネルギーを送るように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記被覆体が自己密封材料からなり、前記開始が硬化の開始に有効な化学開始剤の量を前記硬化性材料へ注入することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、硬化後、脊椎ロッド、プレート、スペーサ、骨ねじ、アンカー、人工円板、および核インプラントからなるグループから選択される部材になる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記硬化が温度約20℃から約70℃で行われる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記被覆体が、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリ乳酸、およびポリグリコライドからなるグループから選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記被覆体が生体吸収性材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、前記被覆体内に含まれた補強部材をさらに含み、前記補強部材は、硬化後に追加の強度を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記補強部材がマトリクス材料の構造である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記マトリクス材料が炭素繊維を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記装置が加圧可能なバルーンをさらに備え、前記加圧可能なバルーンは、前記被覆体内に配置され、前記被覆体を通過する流体注入ポートを有し、前記加圧可能なバルーンが、前記硬化性材料が硬化する前に流体を受けて前記バルーンを加圧し、それによって前記装置の寸法を少なくとも1次元で大きくするように作用できる、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、硬化すると骨アンカーになる、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記骨アンカーが頭部分の反対側の骨係合部分を備え、前記骨係合部分が骨組織と係合するように構成され、前記頭部分が細長いインプラント要素と係合するように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記被覆体が前記骨係合部分に沿って延びる、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記骨係合部分が細長い軸部を備え、前記頭部分が前記軸部に対して可動である、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記バルーンが膨張されると、前記骨アンカーが骨部分内に形成された空洞内に設けられた少なくとも1つのアンカー保持面と係合するように作用できる、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記装置は、硬化すると椎体間装置および椎骨ロッドから選択される部材になる、請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記装置が、椎骨を可動に支持するように動作可能な椎体間装置と、椎体間癒合装置とから選択される、請求項19に記載の装置。
【請求項27】
生体適合性の被覆体と、
前記被覆体内に収容される硬化性材料であって、前記硬化性材料が、硬化開始エネルギーが与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように作用でき、前記エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、前記硬化性材料が少なくとも1分の加工時間を示す、硬化性材料と、
前記被覆体内に収容されるエネルギー送出要素であって、前記エネルギー送出要素は、開始エネルギーを前記硬化性材料に送出するように作用できる、エネルギー送出要素とを備える、整形外科用インプラント装置。
【請求項28】
前記エネルギー送出要素が電磁放射送出要素を含み、前記被覆体が前記硬化性材料に向けて方向付けられた内面を備え、前記内面が前記電磁放射の少なくとも一部の反射に有効である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記要素が光ファイバ素子を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記エネルギー送出要素が、加熱素子、アンテナ、電気素子、および光ファイバ素子からなるグループから選択される、請求項27に記載の装置。
【請求項31】
前記エネルギー送出要素が前記材料内のコイルとして形成される、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記エネルギー送出要素は、少なくとも1つのコネクタを備え、前記コネクタは、外部エネルギー源に接続するために、前記被覆体を通過する、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記硬化性材料が光硬化性組成物を含み、前記エネルギー送出要素が光ファイバ素子を含み、前記装置が光を光ファイバケーブルに送るための少なくとも1つのコネクタを含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記装置は、前記被覆体内に配置された複数のエネルギー送出部材をさらに備える、請求項27に記載の装置。
【請求項35】
前記装置は、前記被覆体を通過する複数のコネクタをさらに備える、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
生体適合性の被覆体と、
前記生体適合性の被覆体内に収容される硬化性材料であって、前記硬化性材料は、硬化開始エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように作用できる、硬化性材料とを含み、
前記硬化性材料が、前記エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、少なくとも1分の加工時間を示し、
前記開始エネルギーが所定の波長の電磁的な放射であり、
前記被覆体が前記放射に対して透過性である、整形外科用インプラント装置。
【請求項37】
生体適合性の被覆体と、
前記被覆体内に収容された加圧可能なバルーンと、
前記被覆体内に前記バルーンの外部に含まれた硬化性材料であって、前記硬化性材料は、硬化開始エネルギーの量が与えられると硬化して、整形外科用インプラントの耐荷重構成要素を形成するように作用できる、硬化性材料とを含み、
前記エネルギーが与えられた後、かつ前記剛性形態に完全に変化する前に、前記硬化性材料が少なくとも1分の加工時間を示し、
前記バルーンが加圧流体を受けて前記バルーンを加圧し、外向きの圧力を前記硬化性材料および前記被覆体に加えるように作用できる、整形外科用インプラント装置。
【請求項38】
前記装置が、加圧流体を前記バルーンに導入すべく形成されて、前記バルーンを加圧し、外向きの圧力を前記硬化性材料および前記被覆体に加えるように作用できる、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記装置は、硬化すると骨アンカーまたは椎体間装置になる、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記装置が、椎骨を可動に支持するように動作可能な椎体間装置と、椎体間癒合装置とから選択される、請求項37に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公表番号】特表2010−514471(P2010−514471A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543176(P2009−543176)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/088096
【国際公開番号】WO2008/079864
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/088096
【国際公開番号】WO2008/079864
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
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