説明

生分解性スクラブ剤及び皮膚洗浄剤

【課題】自然界へ排出された場合でも影響が極めて低く、また洗浄力に優れたスクラブ剤及びその製造方法を提供すること、並びに前記スクラブ剤を含有する洗浄力に優れた洗剤を提供すること。
【解決手段】生分解性プラスチック及び天然植物性粉体を含有するスクラブ剤であって、溶融又は溶解された生分解性プラスチックと天然植物性粉体との混合物を硬化させてなることを特徴とする生分解性スクラブ剤、ならびに該生分解性スクラブ剤を含有する皮膚洗浄剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性スクラブ剤及びその製造方法、ならびに前記生分解性スクラブ剤を含有する皮膚洗浄剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚用の洗浄剤には、皮膚の洗浄及びマッサージ効果を目的として、合成樹脂、炭酸カルシウム、結晶セルロース、クルミ殻、カルナウバロウ、コルク粉末、難溶性デキストリン、トウモロコシ末等のスクラブ剤が配合されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
しかしながら、例えば、合成樹脂や炭酸カルシウムを用いたスクラブ剤を含む洗浄剤は使用後に水とともに排水として自然界に排出されると、生態系等に長くとどまり、さらに蓄積することでさまざまな影響をおよぼす可能性がある。
一方、結晶セルロース、クルミ殻、コルク粉末、難溶性デキストリン、トウモロコシ末等の天然系のスクラブ剤については、自然界への影響の問題は低いものの、洗浄効果が必ずしも高いとはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−189612号公報
【特許文献2】特開2003−342162号公報
【特許文献3】特開平10−279470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、自然界へ排出された場合でも影響が極めて低く、また洗浄力に優れたスクラブ剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記スクラブ剤を含有する洗浄力に優れた皮膚洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するために、生分解性プラスチックと天然植物性粉体に着目し、これらの溶融混合物から得られる粉末が、従来のスクラブ剤に比べて洗浄効果を有意に向上させることを見出して本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕生分解性プラスチック及び天然植物性粉体を含有するスクラブ剤であって、溶融又は溶解された生分解性プラスチックと天然植物性粉体との混合物を硬化させてなることを特徴とする生分解性スクラブ剤、
〔2〕前記生分解性プラスチックと前記天然植物性粉体とが重量比で3:7〜9:1となるように含有されている前記生分解性スクラブ剤、
〔3〕前記生分解性プラスチックが微生物産系生分解性プラスチック、化学合成系生分解性プラスチック及び天然物系生分解性プラスチックからなる群より選ばれる1種以上である前記生分解性スクラブ剤、
〔4〕前記天然植物性粉体が、デンプン粉、木粉、竹粉、植物種子粉、植物繊維粉及びセルロース粉からなる群より選ばれる1種以上である前記生分解性スクラブ剤、
〔5〕前記生分解性プラスチックがデンプン脂肪酸エステル、化学合成デンプン、デンプンポリエステル、酢酸セルロース、ヤシ殻粉からなる群より選ばれる1種以上の天然物系プラスチックであり、前記天然植物性粉体がデンプン粉である前記生分解性スクラブ剤、
〔6〕平均粒径20〜800μmの粉末である前記生分解性スクラブ剤、
〔7〕皮膚洗浄剤用である前記生分解性スクラブ剤、
〔8〕前記生分解性スクラブ剤を含有する皮膚洗浄剤、
〔9〕クリーム洗剤である前記皮膚洗浄剤、
〔10〕加熱溶融した生分解性プラスチックと天然植物性粉体とを混合し、次いで得られる混合物を硬化する工程を有する生分解性スクラブ剤の製造方法
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の生分解性スクラブ剤は、従来のスクラブ剤に比べて優れた洗浄効果を奏することから、皮膚洗浄剤等の洗剤に配合することで、洗浄力を向上させることができる。
また、本発明の生分解性スクラブ剤は、自然界で微生物等により分解される材料で構成されているため、手、頭皮、身体などの皮膚用の洗浄剤等の洗剤に配合しても、環境への影響も顕著に少ないものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
(生分解性スクラブ剤)
本発明の生分解性スクラブ剤は、生分解性プラスチック及び天然植物性粉体を含有するスクラブ剤であって、溶融又は溶解された生分解性プラスチックと天然植物性粉体との混合物を硬化させてなることを特徴とする。
【0011】
生分解性プラスチックとは、使用中は通常のプラスチックと同様に使え、使用後はバクテリア、黴、藻類などの微生物の採用により低分子量化合物、例えば、好気的分解であれば最終的に水と二酸化炭素、嫌気的分解であればメタンと二酸化炭素に分解されるようなプラスチックをいう。本発明で用いられる生分解性プラスチックとしては、いわゆる「グリーンプラ」と呼ばれる熱可塑性のプラスチックであればよく、微生物系、化学合成系、天然物系等の製造法に関わらず使用することができる。
【0012】
微生物系生分解性プラスチックとは、微生物を培養し、その菌体内で生成される生分解性プラスチックをいい、例えば、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・コ・ヒドロキシヘキサノエート)、ポリヒドロキシアルカノエート、マルトトリオースなどが挙げられる。
【0013】
化学合成系生分解性プラスチックとは、化学合成によって得られる生分解性プラスチックをいい、例えば、ポリブチレンサクシネート・コ・アジペート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート・コ・テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸/ポリカプロラクトン共重合体、ポリ乳酸/ポリエーテル共重合体、ポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体、ポリ乳酸、ポリテトラメチレンアジペート・コ・テレフタレート、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート・コ・サクシネート、ポリエチレンセバケート、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ブタンジオール/長鎖ジカルボン酸共重合体、脂肪族芳香族系ポリエステル、(1,4−ブタンジオール,琥珀酸,アジペート,乳酸)コポリマーなどが挙げられる。
【0014】
天然物系生分解性プラスチックとは、植物が産生するデンプン、セルロースやカニ、エビなどの甲殻類の甲羅に含まれるキチンなどの多糖を利用した生分解性プラスチックをいい、例えば、デンプン脂肪酸エステル、デンプンポリエステル、酢酸セルロース、キトサン、ヤシ殻粉などが挙げられる。
【0015】
前記生分解性プラスチックは1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記生分解性プラスチックの分子量については特に限定はない。
【0016】
前記天然植物性粉体としては、デンプン粉、木粉、竹粉、植物種子粉、植物繊維粉及びセルロース粉が挙げられる。これらの天然植物性粉体は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記天然植物性粉末の原料となる天然植物の種類についても特に限定はない。
例えば、デンプン粉としては、コーンスターチ、小麦デンプン、米デンプン、豆(ソラマメ、緑豆、小豆)デンプン、馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、タピオカデンプン等が挙げられる。
植物種子粉としては、アンズ種子粉末、モモ種子粉末、クルミ種子粉末等が挙げられる。
植物繊維粉としては、セルロース粉末、トウモロコシ粉、麻粉、綿粉等が挙げられる。
【0017】
前記天然植物性粉体の平均粒径としては、20〜600μmが好ましい。
なお、この平均粒径は、レーザー粒度分布計によって、又は標準篩を備えたロータップ式ふるい振盪機によって測定することができる。
【0018】
本発明の生分解性スクラブ剤中には、前記生分解性プラスチックと前記天然植物性粉体とが重量比で3:7〜9:1となるように含有されていることがより好ましい。なお、前記生分解性スクラブ剤は、前記2成分のみから構成されていてもよい。
【0019】
また、本発明の生分解性スクラブ剤には、前記生分解性プラスチック及び天然植物性粉体のほかに、可塑剤、光安定剤、酸化防止剤、安定化助剤、着色剤等の任意成分を含有してもよい。
これらの任意成分の含有量は、前記生分解性プラスチック100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましい。
【0020】
本発明の生分解性スクラブ剤は、溶融又は溶解された前記生分解性プラスチックと前記天然植物性粉体との混合物を硬化させてなるものである。
前記生分解性プラスチックの溶融は、その融点以上の温度に加熱すればよい。
また、前記生分解性プラスチックの溶解には、適当な溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸メチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン等、使用条件に応じていずれを使用してもよい。また、生分解性プラスチックの原料を適当な溶媒に溶解して合成した溶液を、溶解された生分解性プラスチックとして用いてもよい。
【0021】
また、溶融又は溶解された生分解性プラスチックと天然植物性粉体との混合では、生分解性プラスチックと天然植物性粉体とが均一に混合できればよい。例えば、溶融された生分解性プラスチックと天然植物性粉体との混合には、ヘンシェルミキサー、プラストミル、コーンミキサー、ニーダー、リボンミキサー等の攪拌機を用いることができる。
前記の攪拌機には、溶融又は溶解された生分解性プラスチックと天然植物性粉体とを同時又は別々に投入して混合を行えばよく、投入する順番については特に限定はない。
【0022】
次に、得られる混合物の硬化は、室温以下の温度で冷却することで行うことができる。
前記硬化の際には、プレス機、円筒押出機等を用いて予め所定の形状になるよう成形してもよい。
【0023】
得られた硬化物はそのまま生分解性スクラブとして使用してもよいが、所望の平均粒径となるように調整する場合には、前記硬化物を粉砕してから必要に応じて分級すればよい。前記粉砕には、ピンミル、ジェットミル、ロッドミル、凍結粉砕機等の粉砕装置を用いることができる。
【0024】
前記生分解性スクラブ剤は、粉末状であればよいが、汚れのかきおとし効果、手触り、肌触りの観点から、平均粒径20〜800μmの粉末とすることが好ましい。
【0025】
前記の生分解性スクラブ剤の製造方法の好適例として、混合溶融方法、造粒方法、円筒造粒方法等が挙げられる。
【0026】
前記混合溶融方法では、まず、生分解性プラスチックの粉体又は樹脂ペレットに、天然植物性粉体を混合し、ヘンシェルミキサー等の攪拌機で混合攪拌する。前記攪拌機では、生分解性プラスチックの融点まで加温し、よく生分解性プラスチックを溶解しながら、前記天然植物性粉体を混合することが好ましい。次いで、得られる混合物をペレット成型機にて、円柱状等の所望の形状に加工した後、ピンミル等で粉砕して、篩にかけて、目的の平均粒径を有する生分解性スクラブ剤を得る。
【0027】
前記造粒方法では、生分解性プラスチックを予め所望の溶媒に溶解しておき、別に天然植物性粉体をヘンシェルミキサー等の攪拌機にて混合攪拌しながら、前記生分解性プラスチック溶液を添加していき、造粒させて目的の平均粒径を有する生分解性スクラブ剤を得る。
【0028】
前記円筒造粒方法では、まず、生分解性プラスチックを予め所望の溶媒に溶解しておき、別に天然植物性粉体をヘンシェルミキサー等の攪拌機にて混合攪拌しながら、前記生分解性プラスチック溶液を添加して混練し、団子状の柔らかさの塊にする。次いで、これをバスケットリューザー等の造粒機にて造粒させ、円柱状等の所望の形状に化工した後、加熱乾燥し、ピンミル等で粉砕し、篩にかけて、目的の平均粒径を有する生分解性スクラブ剤を得る。
【0029】
以上のようにして製造される本発明の生分解性スクラブ剤は、従来のスクラブ剤に比べて、洗浄力向上効果に優れるという利点がある。
この利点に関して、本発明では、天然物系生分解性プラスチックと天然植物性粉体としてデンプン粉を用いて生分解性スクラブ剤を製造した場合に、そのスクラブ剤粒子の表面に微細な凹凸が生じている。
具体的には、天然物系生分解性プラスチックであるデンプン脂肪酸エステル、天然植物性粉体であるデンプン粉(コーンスターチ)の表面を電子顕微鏡で見ると、それぞれの表面には微細な凹凸はあまり見られず、略平滑である部分が多いのに対して、これらの原料を用いて得られる本発明のスクラブ剤の表面を電子顕微鏡で見ると、各原料に見られなかった微細な凹凸が生じているのが確認されている。
このようにスクラブ剤粒子の表面に微細な凹凸があることで、手等の皮膚表面に付着した汚れに対する洗浄力が顕著に向上することが考えられる。
なお、スクラブ剤の表面に微細な凹凸が生じるメカニズムとしては明確ではないが、天然植物性粉体粒子が均一に生分解性プラスチック内に存在することにより凸部が形成され、又は一部分が剥離することにより凹部が形成されることが考えられる。
【0030】
したがって、本発明の生分解性スクラブ剤は、皮膚洗浄剤用のスクラブ剤として好適に使用できるものである。
【0031】
(皮膚洗浄剤)
本発明の皮膚洗浄剤は、前記生分解性スクラブ剤を含有するものである。
本発明の皮膚洗浄剤中の生分解性スクラブ剤の含有量としては、使用感及び汚れのかきとり効果の観点から、1〜35重量%が好ましい。
中でも、皮膚洗浄剤がクリーム剤である場合には、生分解性スクラブ剤の含有量は、5〜35重量%であることが好ましい。
【0032】
また、本発明の皮膚洗浄剤の他の成分としては、従来の皮膚洗浄剤と同様であればよく、特に限定はないが、例えば、界面活性剤に加えて、必要であれば、溶剤、増粘剤、中和剤、手荒れ防止剤等の成分が挙げられる。
【0033】
本発明にいう界面活性剤とは、通常皮膚洗浄剤に用いる界面活性剤であれば、特に限定されないが、本発明を実施するためには非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤が好ましい。
【0034】
非イオン界面活性剤としては、具体的には、以下(1)〜(5)のものが例示される。
(1)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリル酸モノエタノールアミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ラウリル酸ミリスチン酸ジエタノールアミド。
(2)ポリオキシエチレン(重合度2〜60)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)ラウリル酸アミド、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)ジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)ジオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度2〜60)アルキル(C6〜C30)エーテル。
(3)モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリプロピレングリコール、ジオレイン酸ポリプロピレングリコール、
モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリプロピレングリコール、ジステアリン酸ポリプロピレングリコール、
モノカプリル酸デカグリセリン、モノカプリル酸ソルビタン、モノラウリル酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ジカプリル酸ソルビタン、ジラウリル酸ソルビタン、ジパルミチン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン。
(4)モノラウリン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、ジカプリル酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、ジラウリン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、ジパルミチン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、ジオレイン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、ジステアリン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビタン。
(5)テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ソルビット、ポリオキシエチレン(重合度2〜30)ポリオキシプロピレン(重合度2〜30)アルキル(C6〜C30)エーテル。
【0035】
アニオン界面活性剤としては、一般式(1):
R−O−(CH2CHO)n−SO3M (1)
(式中、Rは炭素数8〜16の脂肪族基であり、飽和又は不飽和の炭素数8〜16の脂肪族基が好ましく、nは平均付加モル数を示し、n=0〜3であり、Mはトリエタノールアミン、アンモニウム又はナトリウムである。)
で示されるアニオン界面活性剤が挙げられる。
前記Rの炭素数としては、10〜16が好ましい。平均付加モル数nとしては、殺菌性能の観点から0〜1が好ましい。また、Mで示される対イオンとしては、トリエタノールアミン、アンモニウム又はナトリウムであるが、殺菌性能の観点からアンモニウムが好ましい。
【0036】
前記一般式(1)で示されるアニオン界面活性剤の例としては、アルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン(アルキル硫酸トリエタノールアミン)、アルキルエーテル硫酸アンモニウム(アルキル硫酸アンモニウム)、アルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキル硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(n=1)アルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(n=1)アルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(n=2)アルキルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられ、泡立ちと殺菌性能、皮膚刺激性の観点から、ポリオキシエチレン(n=1)アルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン及びポリオキシエチレン(n=1)アルキルエーテル硫酸アンモニウムが好ましい。なお、本明細書において、これらの化合物の括弧内の数値はエチレンオキシドの平均付加モル数を意味する。
【0037】
両性界面活性剤としては、ヤシ油アルキルベタインなどが挙げられる。
【0038】
界面活性剤として、前記非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤の一種類を単独で用いてもよく、又は複数の種類を組み合わせて用いてもよい。
【0039】
本発明の皮膚洗浄剤には、洗浄効果を得る観点から、前記界面活性剤を5〜75重量%配合するのが好ましい。
中でも、皮膚洗浄剤がクリーム剤である場合には、界面活性剤の含有量は、35〜75重量%であることが好ましい。
【0040】
本発明でいう増粘剤とは、水溶液の粘度を高め、粉体の分散性を良くする作用をもつ化合物であれば、特に限定されないが、水溶性高分子化合物がその反応性のうえからも好ましい。水溶性高分子化合物としては、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、多糖類等の水溶性高分子化合物等を例示することができる。
カルボキシビニルポリマーとしては、架橋型アクリル酸重合体が挙げられる。
また、増粘剤としては、無機系増粘剤も使用することができる。無機系増粘剤としては、水膨潤性粘土鉱物、微粒子無水ケイ酸等が挙げられる。これらの中でも、優れた分散安定性向上効果を得る観点から、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、合成スメクタイト、水膨潤性フッ素雲母等の水膨潤性粘土鉱物が好ましい。これらは、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
【0041】
本発明の皮膚洗浄剤には、洗浄剤の安定効果を得る観点から、前記増粘剤を0.1〜35重量%配合するのが好ましい。
中でも、皮膚洗浄剤がクリーム剤である場合には、増粘剤の含有量は、1〜35重量%であることが好ましい。
【0042】
本発明でいう中和剤とは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アセチルモノエタノールアミド、アンモニア水、モルホリン、ジエタノールアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ステアリルジメチルアミン、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリラウリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、N−ラウリルジエタノールアミン等を例示することができる。これらは、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
【0043】
前記中和剤は、前記増粘剤のカルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子化合物を中和するために使用するので、配合した水溶性高分子化合物の量によって中和剤の配合量を変え、最終製品である洗浄剤を中性にする。
したがって、本発明の皮膚洗浄剤には、中和剤を0.1〜2.0重量%配合することが好ましい。
【0044】
また、本発明の皮膚洗浄剤には手荒れ防止剤を併用することで、過剰な脱脂による皮膚の荒れを防止することができ、使用感の向上に寄与することができる。
本発明にいう手荒れ防止剤とは、通常手荒れを防止する効果のある物質であれば、特に限定されないが、オレイルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール等の高級アルコール、デカオレイン酸デカグリセリル等の多価アルコール脂肪酸エステル、ヒアルロン酸、フィトグリコーゲン等の多糖類、酢酸トコフェロール、レシチン、レシチン誘導体、アロエエキス、オレンジエキス、カッコンエキス、米ぬかエキス、タイソウエキス、トマトエキス、ヘチマエキス、ローヤルゼリーエキス、プロポリスエキス等のエキス、ホホバ種子油、スクワラン、グリセリン等を例示することができる。
本発明の皮膚洗浄剤には、手荒れ防止効果を得る観点から、手荒れ防止剤を0.1〜5.0重量%配合するのが好ましい。
【0045】
また、溶剤としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のポリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトース、ショ糖、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール等の多価アルコールを例示することができる。
また、他の溶剤としては、牛脂、オリーブ油、月見草油、米糠油等の動植物油、炭化水素、流動パラフィン等の鉱物油、イソプロピルミリステート、ペンタエリスリトール−テトラ−2−エチルヘキサノエート等のエステル油、メチルフェニルシリコーン、ジメチルシリコーン等のシリコーン油、エタノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、セチルアルコール等のアルコール、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンK及びこれらの誘導体を例示することができる。
本発明の皮膚洗浄剤には、溶剤を0〜30重量%配合するのが好ましい。
【0046】
また、本発明の皮膚洗浄剤において、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、防腐剤等と併用することで、長期間又は過酷な使用条件下における製品の変化を防止し、良好な使用感を提供し続けることができる。
例えば、ポリリン酸塩、ポリカルボキシレート、ホスホエート、錯化剤、例えば、メチルグリシン二酢酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、エチレンジアミン四酢酸及びその塩と、必要によりコビルダーと組み合わせが挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤には、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、防腐剤を0.001〜1重量%配合するのが好ましい。
【0047】
また、本発明の皮膚洗浄剤には、染料や香料等を添加することができる。これらの含有量は特に限定はない。
【0048】
また、本発明の皮膚洗浄剤では、水は前記各成分の残部であってもよいし、クリーム洗剤のように水を全くあるいはほとんど含有していなくてもよい。
中でも、本発明の皮膚洗浄剤は、クリーム洗剤であれば、前記生分解性スクラブ剤を洗剤中に均一に分散させやすいために好ましい。
【0049】
本発明の皮膚洗浄剤は、前記の各成分を混合することで得ることができる。混合装置や混合温度等の製造条件については、従来の皮膚洗浄剤と同じであればよく、特に限定はない。
【0050】
次に実施例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0051】
(実施例1:配合1)
表1に示す配合1において、天然植物性粉体として木粉(平均粒径10μm、原料植物:シラカバ)、生分解性プラスチックとしてポリカプロラクトン(ユニオンカーバイド製、商品名「TONE787」)、可塑剤としてトリアセチン(大八化学製)を用い、これらの配合物をプラストミル(東洋精機30C150型)を用いて120℃で混合混練した後、熱プレスにより120℃で成形し、角柱状(30×10×4mm)の生分解性プラスチック複合成形体を得た。これをピンミルにて粉砕後50メッシュの篩にてふるい、平均粒径約100μmの粉体状の生分解性スクラブ剤を得た。
【0052】
(実施例2:配合2)
表1に示す配合2において、天然植物性粉体として竹粉(平均粒径30μm)、生分解性プラスチックとしてポリ乳酸(ユニチカ製、商品名「テラマック」)を予め約175℃で加温し、よく溶解し、ペレット成型機にて直径6mm、長さ10〜15mmほどの円柱状に加工後、ピンミルにて粉砕した後、50メッシュの篩にてふるい、平均粒径約100μmの粉体状の生分解性スクラブ剤を得た。
【0053】
(実施例3:配合3)
表1に示す配合3において、天然植物性粉体としてアンズ種粉末(平均粒径約50μm)を用いた以外は、実施例1と同様の生分解性プラスチックと可塑剤を用い、実施例1と同様の方法で、同一形状の生分解性プラスチック複合成形体を得た。これをピンミルにて粉砕後50メッシュの篩にてふるい、平均粒径約100μmの粉体状の生分解性スクラブ剤を得た。
【0054】
(実施例4:配合4)
表1に示す配合4において、天然植物性粉体としてコーンスターチ(平均粒径約10μm)、生分解性プラスチックとしてポリ乳酸(ユニチカ製、商品名「テラマック」)を予め約175℃で加温し、よく溶解し、ペレット成型機にて直径6mm、長さ10〜15mmほどの円柱状に加工後、ピンミルにて粉砕した後、50メッシュの篩にてふるい、平均粒径約100μmの粉体状の生分解性スクラブ剤を得た。
【0055】
(実施例5:配合5)
表1に示す配合5において、天然植物性粉体としてセルロース粉(平均粒径約5μm)、生分解性プラスチックとしてポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)(昭和高分子製、商品名「ビオノーレ3001」)を予め約175℃で加温し、よく溶解し、ペレット成型機にて直径6mm、長さ10〜15mmほどの円柱状に加工後、ピンミルにて粉砕した後、50メッシュの篩にてふるい、平均粒径約100μmの粉体状の生分解性スクラブ剤を得た。
【0056】
(実施例6:配合6)
表1に示す配合6において、天然植物性粉体としてコーンスターチ(平均粒径約10μm)、生分解性プラスチックとしてデンプン脂肪酸エステル(日本コーンスターチ製、商品名「コーンポールCP」)を予め約175℃で加温し、よく溶解し、ペレット成型機にて直径6mm、長さ10〜15mmほどの円柱状に加工後、ピンミルにて粉砕した後、50メッシュの篩にてふるい、平均粒径約100μmの粉体状の生分解性スクラブ剤を得た。
【0057】
(実施例7:配合7)
表1に示す配合7において、天然植物性粉体としてモモ種子粉末(平均粒径30μm)、生分解性プラスチックとしてポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)(三菱ガス化学製、商品名「ユーベック」)を予め約175℃で加温し、よく溶解し、ペレット成型機にて直径6mm、長さ10〜15mmほどの円柱状に加工後、ピンミルにて粉砕した後、50メッシュの篩にてふるい、平均粒径約100μmの粉体状の生分解性スクラブ剤を得た。
【0058】
(実施例8:配合8)
表1に示す配合8において、生分解性プラスチックとしてデンプン脂肪酸エステル(日本コーンスターチ製、商品名「コーンポールCP」)を予めアセトンに溶解し、25%溶液を作製した。次に、天然植物性粉体であるコーンスターチ(平均粒径10μm)を高速攪拌機ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)にて攪拌しながら、前記の生分解性プラスチック溶液を添加していき造粒させ、平均粒径約100μmの粉体状の生分解性スクラブ剤を得た。
【0059】
(実施例9:配合9)
表1に示す配合9において、数平均分子量2300で水素基価約53(KOHmg/g)のポリテトラメチレンアジペート100重量部をトルエン溶剤に十分に溶解させた。その溶液に、更に、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマータイプ18重量部と架橋触媒としてジブチルスズジアセテート0.5重量部とを添加し、十分に攪拌することによりポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)溶液を得た。別にセルロース粉末(平均粒径15μm)を高速攪拌ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)にて混合攪拌し、上記ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)溶液を加え、混練し、団子状の柔らかさの塊にした。これをバスケットリューザー(ダルトン製)にてスクリーン径3mmにて造粒させ、直径3mm、長さ10〜10mmほどの円柱状に加工し、100℃で乾燥し、ピンミルにて粉砕した後、50メッシュの篩にてふるい、平均粒径約100μmの粉体状の生分解性スクラブ剤を得た。
【0060】
【表1】

【0061】
実施例6で得られた生分解性スクラブ剤の粒子表面を電子顕微鏡で100倍にして観察したところ、原料であるデンプン脂肪酸エステル及びコーンスターチの表面(いずれも略平滑)には見られない微細な凹凸が多数形成されているのを確認できた。
【0062】
(実施例10〜19、比較例1〜8)
表2〜3に示す配合となるように各成分をプロペラの追加攪拌でよく攪拌混合して皮膚洗浄剤を得た。
なお、界面活性剤として使用したのは以下のとおりである。
(1)(C12−14)パレス−5:
ポリオキシエチレン(平均付加モル数(n)=5)アルキル(炭素数12〜14)エーテル
(2)(C12−14)パレス−9:
ポリオキシエチレン(n=9)アルキル(炭素数12〜14)エーテル
(3)PPG−3ラウレス−9:
ポリオキシエチレン(n=9)ポリオキシプロピレン(n=3)ラウリルエーテル
(4)PPG−7ラウレス−10:
ポリオキシエチレン(n=10)ポリオキシプロピレン(n=7)ラウリルエーテル
(5)PEG/PPG−8/2プロピルヘプチルエーテル:
ポリオキシエチレン(n=8)ポリオキシプロピレン(n=2)プロピルヘプチルエーテル
(6)PEG/PPG−6/2プロピルヘプチルエーテル:
ポリオキシエチレン(n=6)ポリオキシプロピレン(n=2)プロピルヘプチルエーテル
(7)(C9−11)パレス−8:
ポリオキシエチレン(n=8)アルキル(炭素数9〜11)エーテル
(8)ウンデセス−7:
ポリオキシエチレン(n=7)ウンデシルエーテル アルキル(炭素数11)
(9)セテス−20:ポリオキシエチレン(n=20)セチルエーテル
(10)コカミドDEA:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
(11)POEヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド:
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド
(12)ラウレス硫酸Na:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム
(13)ココベタイン:ヤシ油アルキルベタイン
【0063】
また、比較例1〜8で使用したスクラブ剤は、以下のとおりである。
(1)ポリカプロラクトン:ポリカプロラクトンの樹脂粉体(平均粒径90μm)
(2)ポリ乳酸:ポリ乳酸の樹脂粉体(平均粒径100μm)
(3)ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート):ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)の樹脂粉体(平均粒径90μm)
(4)デンプン脂肪酸エステル:デンプン脂肪酸エステルの樹脂粉体(平均粒径80μm)
(5)モモ種子粉:モモ種子粉体(平均粒径150μm)
(6)コーンスターチ:コーンスターチ粉体(平均粒径10μm)
(7)セルロース粉:セルロース粉体(平均粒径20μm)
【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【0066】
次いで、実施例10〜19及び比較例1〜8で得られた皮膚洗浄剤の洗浄効果について、洗浄力、使用感及び臭気に分けてそれぞれを以下のようにして測定した。それらの結果を表4に示す。
【0067】
〔評価1:洗浄力〕
カップグリース1−2(日本グリース(株)製)に、廃エンジンオイルを1:1の割合で混合した人口汚垢を作製し、皮膚に塗布後、皮膚洗浄剤を約3g使用して洗浄し、目視にて汚れの落ち具合と官能にてグリース等の残り感がないのかを確認した。評価は、10名のパネラーが以下の基準に従って行い、最も人数の多い評価を試験品の代表値とした。
<評価基準>
○:洗浄力良好で、シワの間にも汚れは見られない。
△:汚れは目立たないが、グリースの残り感がある。
×:汚れが残っており、グリースも落ちていない。
【0068】
〔評価2:使用感〕
皮膚洗浄剤について、評価1の洗浄を行った際に、使用中の汚れとの馴染み、ぬるつき、すすぎ性と使用乾燥後(タオルドライ後)のヌメリ感(指の間のペタペタ感)、刺激(手荒れ)を総合的に評価した。評価は10名のパネラーが以下の基準に従って行い、最も人数の多い評価を試験品の代表値とした。
<評価基準>
○:厚みのある心地よい使用感とヌメリ感の残らないさっぱりとした感触がある。
△:感触はあまり気にならないが、ヌメリの残り感があり、すすぎ性が悪い。
×:使用感が悪く、洗った気がしない。ヌメリ感が残る。
【0069】
〔評価3:臭気〕
皮膚洗浄剤について、約40℃の温水にて手指洗浄に使用した際に、汚れ由来の不快な臭いを感じるか否かを評価した。評価は10名のパネラーが以下の基準に従って行い、最も人数の多い評価を試験品の代表値とした。
<評価基準>
○:特に気にならない。
△:使用中は多少臭いがするが、手には臭いが残らない。
×:手に臭いが残る。
【0070】
【表4】

【0071】
表4の結果、実施例10〜19で得られた皮膚洗浄剤は、いずれも、比較例1〜8のものに比べて、洗浄力、さらに使用感及び使用後の臭いの評価が有意に優れる点で、総合的な洗浄力に優れていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性プラスチック及び天然植物性粉体を含有するスクラブ剤であって、溶融又は溶解された生分解性プラスチックと天然植物性粉体との混合物を硬化させてなることを特徴とする生分解性スクラブ剤。
【請求項2】
前記生分解性プラスチックと前記天然植物性粉体とが重量比で3:7〜9:1となるように含有されている請求項1記載の生分解性スクラブ剤。
【請求項3】
前記生分解性プラスチックが微生物産系生分解性プラスチック、化学合成系生分解性プラスチック及び天然物系生分解性プラスチックからなる群より選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の生分解性スクラブ剤。
【請求項4】
前記天然植物性粉体が、デンプン粉、木粉、竹粉、植物種子粉、植物繊維粉及びセルロース粉からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3いずれか記載の生分解性スクラブ剤。
【請求項5】
前記生分解性プラスチックがデンプン脂肪酸エステル、化学合成デンプン、デンプンポリエステル、酢酸セルロース、ヤシ殻粉からなる群より選ばれる1種以上の天然物系プラスチックであり、前記天然植物性粉体がデンプン粉である請求項3又は4いずれか記載の生分解性スクラブ剤。
【請求項6】
平均粒径20〜800μmの粉末である請求項1〜5いずれか記載の生分解性スクラブ剤。
【請求項7】
皮膚洗浄剤用である請求項1〜6いずれか記載の生分解性スクラブ剤。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか記載の生分解性スクラブ剤を含有する皮膚洗浄剤。
【請求項9】
クリーム洗剤である請求項8記載の皮膚洗浄剤。
【請求項10】
溶融又は溶解した生分解性プラスチックと天然植物性粉体とを混合し、次いで得られる混合物を硬化する工程を有する生分解性スクラブ剤の製造方法。

【公開番号】特開2012−233057(P2012−233057A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101725(P2011−101725)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(391034891)鈴木油脂工業株式会社 (13)
【Fターム(参考)】