説明

生産管理システム

【解決手段】 画像表示手段は、入力部を介して所定の時刻が入力されると、操業履歴管理手段に記録された作業者の位置履歴および設備7a〜7fの設備履歴より、表示部には配置図記憶手段に記憶された工場および設備の配置図を表示させるとともに、該配置図上に上記入力された時刻における作業者の位置と設備の状態とを表示させるようになっている。
【効果】 所定の時間における作業者の位置と設備の状態との因果関係を直感的に認識することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生産管理システムに関し、詳しくは作業者の位置をその検出した時刻とともに行動履歴として記録するとともに、設備の状態についての情報を時刻とともに設備履歴として記録する生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、設備で発生した異常やイベントなどの設備の状態に関する情報を時刻とともに設備履歴として記録し、この設備履歴を設備の管理に用いる設備管理システムが知られている(特許文献1)。
また、作業者に位置特定機器を携帯させるとともに、該位置特定機器の位置から作業者の位置を検出することで、作業者の行動を管理する作業管理システムも知られている(特許文献2)。
このうち上記特許文献2では、作業者の位置を時刻とともに位置履歴として記録し、この位置履歴と上記設備の状態に関する設備履歴とから、設備の配置図上に作業者の移動した動線や、各設備で発生したイベント等についての付帯情報を表示させ、設備の管理も行うようになっている(特許文献2の図17参照)。
【特許文献1】特開2005−11185号公報
【特許文献2】特開2003−140728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら特許文献2の場合、設備の配置図上には作業者の動線が示されるものの、作業者の位置とそのときの設備の状態との因果関係を認識するのが困難であるという問題がある。
例えば、ある設備で異常が発生したときに、作業者がどこにいて、そのときほかの設備はどのような状態であったのかを確認するには、作業者の動線をたどって異常が発生したときの作業者の位置を特定し、さらに各設備の付帯情報を閲覧して、異常が発生したときの各設備の状態を確認する必要があった。
このような問題に鑑み、本発明は所定の時刻における作業者の位置と設備の状態との因果関係を直感的に認識することの可能な生産管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明にかかる生産管理システムは、設備の配置図を記憶する配置図記憶手段と、位置特定機器を所持した作業者の上記配置図上の位置を検出する位置検出手段と、設備の状態を検出する設備状態検出手段と、上記位置検出手段により検出された作業者の位置を時刻とともに行動履歴として記録するととともに、上記設備状態検出手段により検出された設備の状態についての情報を時刻とともに設備履歴として記録する操業履歴管理手段とを備えた生産管理システムにおいて、
所定の時刻を入力するための入力部と、上記配置図記憶手段に記憶された設備の配置図を表示する表示部と、上記入力部を介して所定の時刻が入力されると、上記操業履歴管理手段に記録された上記行動履歴および設備履歴より、上記表示部に表示された設備の配置図上に上記所定の時刻における作業者の位置と、それと同一時刻における設備の状態とを表示する画像表示手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
上記発明によれば、上記入力部を介して入力された所定の時刻における作業者の位置と設備の状態とが、表示部に表示された設備の配置図上に表示されることとなるので、所定の時刻における作業者の位置と設備の状態との因果関係を直感的に認識することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図示実施例について説明すると、図1はペットボトル等の容器に飲料を充填する容器処理ライン1を示し、容器処理ライン1は工場2内に設置されるとともに生産管理システム3によって管理されるようになっている。
上記工場2内には、上記容器処理ライン1のほか、容器処理ライン1の管理を行うための生産管理室4と、備品などを収容する倉庫5と、充填される飲料等を貯蔵する保冷室6が設置されている。
容器処理ライン1は複数の設備7a〜7fから構成され、上流側から、ケースから空のボトルを取出すデパレタイザ7a、空のボトルを洗浄する洗浄機7b、ボトルに飲料を充填する充填機7c、ボトルにキャップを装着するキャッパ7d、ボトルにラベルを貼付するラベラ7e、飲料の充填されたボトルをケースに収納するケーサ7fとから構成されている。
そして上記容器処理ライン1を稼動させるには、上記各設備7a〜7fに対して作業者による型替え、調整、修理等の作業が必要であり、また作業者は定期的に巡回して目視による設備7a〜7fの点検を行うようになっている。
なお、上記容器処理ライン1の構成については従来公知であり、詳細な説明は省略する。
【0007】
上記生産管理システム3にはキーボードやマウスなどの入力部8と、モニタなどの表示部9とを備えた従来公知のパーソナルコンピュータPCを使用することが可能であり、このパーソナルコンピュータPCは上記生産管理室4に設置されている。
そして、図2に示すように、上記生産管理システム3は設備7a〜7fの配置図を記憶する配置図記憶手段11と、作業者に所持される位置特定機器12と、各位置特定機器12からの情報をもとに作業者の位置を検出する位置検出手段13と、設備7a〜7fの状態に関する情報を検出する設備状態検出手段14と、上記作業者の位置や設備7a〜7fの状態の情報を時刻とともに記録する操業履歴管理手段15と、上記入力部8の操作に応じて表示部9に所要の画像を表示させる画像表示手段16とから構成されている。
【0008】
上記配置図記憶手段11は図3に示すような工場2および容器処理ライン1の配置図を記憶し、この配置図には所要の座標系が設定されている。そして各設備7a〜7fや作業者の位置はこの座標系の座標値として認識される。
また上記配置図記憶手段11には、各設備7a〜7fごとに、その周囲に作業者が進入すると所定の警告が発生される警告発生領域21と、作業者が進入すると設備7a〜7fに所定の安全運転作動をさせる進入規制領域22とが設定されている。
【0009】
上記位置特定機器12は工場2内で作業を行う全ての作業者が所持するようになっており、例えば作業者の腰などに装着されるようになっている。
この位置特定機器12は作業者の移動速度または移動距離を検出する加速度センサと、作業者の向いている方向を検出する磁気センサやジャイロセンサとを備えている。
そして位置特定機器12はこれら加速度センサや磁気センサによって工場2内における作業者の位置や、作業者の移動速度や向き等に関する位置情報を収集し、この位置情報を無線により所定の時間間隔で発信するようになっている。
【0010】
上記位置検出手段13は少なくとも1基のアンテナ13aを備え、該アンテナ13aは上記位置特定機器12より発信された位置情報を受信するようになっている。本実施例では、電波の死角がないよう、図1に示すようにアンテナ13aは工場2の3ヶ所に設けられている。
位置検出手段13は位置特定機器12からの位置情報を受信すると、その位置特定機器12の位置を作業者の位置として上記配置図記憶手段11に登録された座標系の座標値として認識する。
また、各作業者が所持する位置特定機器12が発信する位置情報にはそれぞれ独自の識別情報が付与されており、これにより複数の作業者が工場2内で作業を行っていても、各作業者ごとに位置を検出することができるようになっている。
さらに、位置検出手段13には警報発生手段13bが接続されており、位置検出手段13が検出した作業者の位置が、上記配置図記憶手段11に記憶された各設備7a〜7fの警告発生領域21や進入規制領域22に進入していると判断された場合、警報発生手段13bはその旨を該当する設備7a〜7fの下記制御手段17a〜17fに送信するようになっている。
なお、上記位置検出手段13による作業者の位置検出方法として、上記位置特定機器12から発信された電波を工場2に複数配置した各アンテナ13aにより受信させ、電波の到達時間の差から位置特定機器12の位置を検出する方法も知られており、またその他の位置特定の方法を使用することも可能である。
【0011】
上記設備状態検出手段14は各設備7a〜7fに設けられた制御手段17a〜17fと有線または無線によって通信可能に接続され、必要な設備に関する情報を各制御手段17a〜17fから収集するようになっている。
上記制御手段17a〜17fは、図示しないタッチパネル等を有する操作盤を備え、各設備7a〜7fを制御すると共に、上記操作盤により各種設定を行うことができるようになっている。
また、各制御手段17a〜17fは各設備7a〜7fの状態を示す情報を格納する記憶部を有し、この記憶部に記録される情報は設備の状態変化とともに書き換えられるようになっている。
これらの情報として、例えば上記操作盤を介して各制御手段17a〜17fに行った操作や、図示しないセンサ等が検出する各設備7a〜7fで処理した容器の処理本数や、設備7a〜7fで発生した異常等の設備状態についての情報がある。
具体的に例を挙げると、例えば上記充填機7cでは、充填完了した容器の本数や充填液の温度に関するトレンド情報のほか、充填不良や液温異常等の警告に関するアラーム情報、作業者が充填機7cを起動させたり停止させたり、上記操作盤を用いて設定変更等を行った旨のイベント情報がある。
また、上記充填機7cに設定された警告発生領域21や進入規制領域22に作業者が進入すると、上記警報発生手段13bは制御手段17bにその旨を送信するようになっており、制御手段17bでは所定の警告を発したり、充填機7cに所定の安全運転動作を行わせ、さらにこのような警告や安全運転動作を行った旨のイベント情報がある。
そして、設備状態検出手段14は制御手段17a〜17fの記憶部を常時監視しており、制御手段17a〜17fから各設備7a〜7fの設備状態に関する情報を収集するようになっている。
例えば、設備状態検出手段14は上記容器の処理本数や充填液の液温などのトレンド情報については所定時間間隔で収集し、上記アラーム情報やイベント情報についてはこれらの情報が発生すると直ちに収集するようになっている。
【0012】
そして、操業履歴管理手段15は上記位置検出手段13が検出した作業者の位置や、作業者の移動速度や向き等に関する位置情報を、その検出した時刻とともに行動履歴として順次記録し、また上記設備状態検出手段14が収集した各設備7a〜7fの状態に関する情報をその情報が収集された時刻とともに設備履歴として順次記録する。
上記画像表示手段16は上記配置図記憶手段11および操業履歴管理手段15に接続されており、図3に示すように上記配置図記憶手段11に記録された工場2や容器処理ライン1の配置図を上記表示部9に表示させ、かつ、この配置図上に設備7a〜7fの状態および作業者の位置を表示させて、容器処理ライン1の操業履歴を管理することができるようになっている。
【0013】
以下具体的に説明すると、画像表示手段16は最初に図4に示すようなメニュー画面を表示部9に表示させる。
このメニュー画面には、作業者の入力欄23a、開始日時の入力欄23b、終了日時の入力欄23cが表示されており、オペレータは上記入力部8を用いてこれらの入力欄23a〜23cに適宜入力を行う。
本実施例では一例として、全ての作業者を選択するとともに、開始日時を「13:10:00」、終了日時を「13:15:00」とする。なお作業者の入力欄23には、工場2内で作業していた全ての作業者を選択できるほか、特定の作業者だけを選択することが可能となっている。
このように各入力欄23a〜23cに入力が終わったら、作業者は図示右側にある「シミュレーション」「軌跡表示」のいずれかを選択する。
【0014】
「シミュレーション」が選択されると、画像表示手段16は図3に示すような画像を表示部9に表示させ、この画像には各設備7a〜7fの配置図と、該配置図の下方に位置する設備履歴とが表示されている。
配置図の左上にはステータス枠24が表示され、先のメニュー画面で入力した作業者、開始日時、終了日時のほか、表示日時が表示されている。ここでは説明のため表示日時は「13:12:22」となっているが、実際に表示部9に最初に表示される画面の表示日時は、入力した開始日時である「13:10:00」となる。
またステータス枠24の下方には、それぞれ「まき戻し」「再生」「一時停止」「早送り」の操作を行うための各ボタン25が表示されている。
これらステータス枠24や各ボタン25の位置については、配置図の邪魔にならない位置に適宜移動させることが可能となっている。
【0015】
一方、上記入力欄23a〜23cに所定の事項を入力して「シミュレーション」を選択すると、画像表示手段16は上記操業履歴管理手段15に記録された行動履歴および設備履歴から、「13:10:00」〜「13:15:00」における作業者の位置情報および設備の状態に関する情報を収集する。
そして、画像表示手段16は配置図の下方に上記設備履歴を表示させ、この設備履歴には開始日時である「13:10:00」から表示日時である「13:12:22」までの間に、上記設備状態検出手段14が各制御手段17a〜17fから収集した各設備7a〜7fの状態が表示される。
ここで、この設備履歴に表示させる各設備7a〜7fの状態は、その種類を絞って表示させることができるようになっており、ここでは「全設備」に関する全ての「アラーム情報」を表示させるようになっている。
そして「アラーム情報」として、異常の発生した「設備名」、異常の発生した「発生日時」、異常状態から復旧した「復旧日時」、異常の内容を示す「アラーム名」が表示され、画面に表示しきれない場合には適宜スクロールが可能となっている。
ここで、上記「アラーム情報」の「発生日時」は、異常の発生した設備の制御手段から設備状態検出手段14がアラーム情報を収集した時刻であり、「復旧日時」は、作業者が設備を正常運転可能な状態にし、さらにタッチパネル等に運転の操作等を行った旨のイベント情報を設備状態検出手段14が収集した時刻となる。
【0016】
そして画像表示手段16は、上記配置図記憶手段11に記録された工場2の配置図をこの画像に表示させるようになっており、工場2内に設置された容器処理ライン1のほか、上記生産管理室4、倉庫5、保冷室6なども表示され、実際の工場2と同じ配置で配置図が表示されるようになっている。
各設備7a〜7fには、それぞれ警告発生領域21や進入規制領域22が表示されており、また各設備7a〜7fに隣接した位置には数値等を表示する状態表示部26が設けられている。
この状態表示部26には上記表示日時における各設備7a〜7fの状態が表示されるようになっており、ここでは各設備7a〜7fにおける容器の処理本数が表示されている。
具体的には、画像表示手段16は上記操業履歴管理手段15が記憶した設備履歴から、「13:12:22」における各設備7a〜7fの処理本数に関するトレンド情報を注出して、状態表示部26に表示させるようになっている。
この状態表示部26には、その他にも例えば充填機7cにおけるタンク内の飲料の残量や温度等を表示させることも可能であり、また複数の項目を表示させることも可能となっている。
また、各設備7a〜7fはそれぞれフレーム27で囲われており、設備の状態に応じて色分けして表示させるようになっている。具体的には、設備7a〜7fが正常運転している場合はこのフレーム27の内部は緑色(図3、5では無色)で表示され、待機状態の場合は黄色(図3、5ではハッチング)で表示され、設備7a〜7fの停止ボタンが押されたり異常により停止した場合には赤色(図3、5では着色)で表示されるようになっている。
そしてこれらフレーム27の色も、上記表示日時である「13:12:22」における各設備7a〜7fの状態を表示するようになっている。
【0017】
さらに、画像表示手段16は上記操業履歴管理手段15に記録された行動履歴から、表示日時である「13:12:22」における各作業員の位置情報を抽出して、該位置情報に記録された座標値に基づいて全ての作業員をアイコン28a、28bとして配置図上に表示させる。
上記位置情報には各作業者ごとに識別情報が付与されていることから、画像表示手段16は上記作業員を示すアイコン28a、28bのそれぞれに該作業員の氏名等を表示させるようになっている。
また、上記位置情報には作業員の向きが含まれているため、画像表示手段16は上記作業員を示すアイコン28a、28bに該作業員の向いている向きを矢印で表示させるようになっている。
さらに、画像表示手段16は、表示日時から所定時間さかのぼって上記行動履歴を検索し、作業者が所定時間移動していないと判断すると、上記作業員を示すアイコン28a、28bの色を緑色から赤色に変化させるようになっている。
【0018】
このようにして、画像表示手段16が配置図上に開始日時における各設備7a〜7fの状態と、各作業者の位置をアイコン28a、28bで示したら、オペレータは「再生」のボタン25を指示する。
すると、画像表示手段16は操業履歴管理手段15に収集された各設備7a〜7fの設備履歴から、各設備7a〜7fの状態を時系列的に順次変化させながら表示し、かつ作業者の行動履歴から、各作業者の位置を時系列的に順次移動させながら表示する。
【0019】
具体的に説明すると、図5は図3における「13:12:22」から8秒経過した時点で「一時停止」のボタン25を操作し、表示時間が「13:12:30」となった時の画面を示している。
ここで、図3における設備履歴では、「13:12:21」の時点で充填機7cおよびキャッパ7dにおいて「エアー圧異常」「リジェクトミス」といったアラームが発生し、配置図では、充填機7cおよびキャッパ7dを囲うフレーム27が赤色に表示されていた。また、洗浄機7bは下流側の充填機7cの停止のために待機状態となっており、フレーム27は黄色に表示されていた。
また、図3の「13:12:21」時点で、作業者A(アイコン28a)は充填機7c近傍で充填機7cを向いており、作業者B(アイコン28b)はケーサ7f近傍でケーサ7fの方を向いていた。
【0020】
そして、図5の「13:12:30」の時点において、設備履歴では、充填機7cが「13:12:26」に異常状態から復旧し、また配置図では、充填機7cのフレーム27は待機状態を示す黄色に表示されている。
具体的には、画像表示手段16は上記設備履歴管理手段15に収集された設備履歴から「13:12:26」に充填機7cが復旧した旨のイベント情報が記録されているのを抽出し、この情報をアラーム情報における復旧日時として表示させ、さらに上記フレーム27を赤色から黄色に変化させたものである。
そのほかにも、図3から図5となるまでの間、キャッパ7dの下流に位置するラベラ7eおよびケーサ7fでは運転が継続されており、それぞれ状態表示部26に表示された処理本数がラベラ7eでは「6242」から「10065」へと、ケーサ7fでは「3132」から「5055」へと変化していることがわかる。
一方、キャッパ7dが異常停止した状態であるので、キャッパ7dの状態表示部26の処理本数に変化は無く、また正常運転可能であっても、キャッパ7dの上流に位置する充填機7cおよび洗浄機7bの処理本数にも変化が無いことがわかる。
【0021】
そして、作業者A(アイコン28a)は図5においてキャッパ7dの近傍に接近した位置まで移動している。これにより、作業者Aは図3から図5までの間に充填機7cからキャッパ7dの近傍まで移動していることがわかる。
また図3から図5までの間に上記充填機7cが異常状態から復旧しているので、「13:12:26」の時点で充填機7cの近傍にいた作業者Aが充填機7cの復旧作業を行ったものと判定することができる。
他方、作業者B(アイコン28b)は図5において図3の状態から移動しておらず、画像表示手段16はこの作業者Bが所定時間移動していなかったものとして、アイコン28bを緑色から赤色に変化させて表示するようになっている。
【0022】
このように、本実施例の生産管理システム3によれば、各設備7a〜7fの状態および作業者の位置を、入力した時刻の範囲内で連続的に確認することができ、設備7a〜7fの状態と作業者の位置との因果関係を直感的に認識することができる。
また、上記図3に示す設備履歴が表示されている場合、所要のアラーム情報の発生時刻や復旧時刻を選択すると、画像表示手段16は選択された時刻における、設備7a〜7fの状態および作業者の位置を配置図上に表示し、アラーム発生時や復旧時における工場2の様子を確認することができる。
さらに、図4のメニュー画面において、開始時刻にのみ所要の日時を入力し、終了時刻に日時を入力しないことで、開始時刻に入力した時刻における設備7a〜7fの状態および作業者の位置を確認することができる。
このような生産管理システム3の活用例としては、例えば次のようなことが考えられる。つまり、1時間おきに作業者が容器処理ライン1の各設備7a〜7fを巡回して、作業者が手書きのチェックシートに記入するという作業を行う場合において、実際にチェックシートに記入された時刻にその記入作業が行われたかどうかの裏付けをとることが可能となる。
また、容器処理ライン1の設備7a〜7fの一部が故障した場合においては、該設備7a〜7fが故障した時に故障箇所の近くにどの作業者がいたのかを特定したり、あるいは、故障前にその設備7a〜7fに対してどの作業者によって何らかの作業が行われたのかといったことを推定することもできる。
【0023】
なお、上記図4のメニューにおいて、開始日時と終了日時を入力して、「軌跡表示」を選択すると、画像表示手段16は入力された期間に発生した全ての設備7a〜7fの状態を設備履歴に表示させるとともに、上記配置図には各作業者が通過した軌跡を表示する。これは例えば上記特許文献1における図17のような画面となる。
この画面によれば、作業者がどのような経路で工場2内を移動したかを確認することができ、作業者の適正配置等の改善に役立てることができる。また生産管理者は工場の効率的な管理のために、上記シミュレーション画像や軌跡表示画像を使い分けて分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施例にかかる容器処理ラインの設置された工場の配置図。
【図2】生産管理システムの構成図。
【図3】表示部に表示された配置図に、設備の状態と作業者の位置を表示させた図。
【図4】メニュー画面を示した図。
【図5】図3に示した配置図から、所定時間経過後における配置図。
【符号の説明】
【0025】
1 容器処理ライン 2 工場
3 生産管理システム 7a〜7f 設備
8 入力部 9 表示部
11 配置図記憶手段 12 位置特定機器
13 位置検出手段 14 設備状態検出手段
15 操業履歴管理手段 16 画像表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備の配置図を記憶する配置図記憶手段と、位置特定機器を所持した作業者の上記配置図上の位置を検出する位置検出手段と、設備の状態を検出する設備状態検出手段と、上記位置検出手段により検出された作業者の位置を時刻とともに行動履歴として記録するととともに、上記設備状態検出手段により検出された設備の状態についての情報を時刻とともに設備履歴として記録する操業履歴管理手段とを備えた生産管理システムにおいて、
所定の時刻を入力するための入力部と、上記配置図記憶手段に記憶された設備の配置図を表示する表示部と、上記入力部を介して所定の時刻が入力されると、上記操業履歴管理手段に記録された上記行動履歴および設備履歴より、上記表示部に表示された設備の配置図上に上記所定の時刻における作業者の位置と、それと同一時刻における設備の状態とを表示する画像表示手段とを備えることを特徴とする生産管理システム。
【請求項2】
上記画像表示手段は、上記入力部を介して所定の開始時刻および所定の終了時刻が入力されると、上記設備の配置図上に、上記開始時刻から終了時刻までの作業者の位置および設備の状態の変化を時系列に沿って連続的に表示させることを特徴とする請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項3】
上記画像表示手段は、上記行動履歴において作業者の位置が所定時間変化しない場合に、該作業者の表示を該作業者が移動している際の表示とは異ならせて表示することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の生産管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−157517(P2009−157517A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333166(P2007−333166)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】