説明

画像を捕捉及び表示する装置及び方法

両面表示パネル、並びに画像を捕捉及び表示する方法が開示される。両面表示パネルは、第一の表示パネルと第二の表示パネルとを含む。第一及び第二の表示パネルは、画像を捕捉し、捕捉された画像を表示するために制御装置により制御可能である。第一及び第二の表示パネルは、互いに背中合わせの関係で配置される。本方法では、第一の画像が第一の表示パネルにより捕捉され、第二の画像が第二の表示パネルにより捕捉される。捕捉された第一の画像は、第二の表示パネルで表示され、捕捉された第二の画像は、第一の表示パネルで表示される。第一の表示パネルの表示する方向は、第二の表示パネルの表示する方向とは反対である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像捕捉及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を捕捉し、捕捉した画像をディスプレイパネルに表示することができる画像捕捉及び表示装置が知られている。これらの装置は、DTS(Display That Sees)として一般的に知られている。これらのDTSは、たとえばミラーをシミュレートする場合がある。DTSは、DTSの前にあるオブジェクトの画像を捕捉し、次いで捕捉された画像をDTSに表示する。従って、実際に、DTSの前にあるオブジェクトの画像は、DTSにより捕捉され、次いで、捕捉された画像をDTSに表示することで、DTSに描写される。しかし、DTSによれば、実際のミラーとは対照的に、DTSの前にある画像は、電子的に捕捉され、次いで電子的に表示される。これにより、ユーティリティが提供される。これは、電子的に捕捉及び表示された画像は、電子的な画像に対して修正を行うことができるように処理することができるからである。勿論、ミラーによれば、係る電子的な修正は不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
DTSの前の画像を捕捉及び表示するためにDTSが現在知られている一方で、この技術を利用する幅広い可能性が実現されていない。したがって、DTS技術の機能を更に十分に利用することができる改善されたシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施の形態に係る装置では、両面表示パネルが提供される。この両面表示パネルは、画像を捕捉し、捕捉された画像を表示する第一の表示パネルと、画像を捕捉し、捕捉された画像を表示する第二の表示パネルとを含む。第一及び第二の表示パネルは、互いに背中合わせの関係で位置合わせされる。第一及び第二の表示パネルを制御する制御装置が設けられる。
【0005】
本発明の実施の形態に係る方法では、第一の表示パネルにより第一の画像が捕捉され、第二の表示パネルにより第二の画像が捕捉される。第一の捕捉された画像は、第二の表示パネルに表示され、第二の捕捉された画像は、第一の表示パネルに表示される。第一の表示パネルの表示する方向は、第二の表示パネルの表示する方向とは反対である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の装置及び方法で使用される表示パネルの第一の実施の形態を例示する図である。
【図2】本発明の装置及び方法で使用される表示パネルの第二の実施の形態を例示する図である。
【図3】本発明の原理に係る両面表示パネルの第一の実施の形態を例示する図である。
【図4】本発明の原理に係る両面表示パネルの第二の実施の形態を例示する図である。
【図5】本発明の原理に係る両面表示パネルの第三の実施の形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の装置及び方法で使用される表示パネルの第一の実施の形態を例示する図である。本発明の原理に係る両面表示パネル及び画像を捕捉及び表示する方法を説明する前に、表示パネルがはじめに説明される。
【0008】
図1は、Display That Seesとして示される場合がある、表示パネル又は画像捕捉及び表示装置10の実施の形態を例示する。図示されるように、DTS10は、キャビネット12に収容される。電子動画像カメラ14は、DTSの前に配置される被写体24の画像を捕捉するために利用される。捕捉された画像は、たとえば写真といった静止画像、又はたとえば映画のクリップといった動画像である。デジタルイメージプロジェクタ16は、カメラ14により捕捉された画像をライトバルブ投影スクリーン22に投影するために利用され、この投影スクリーンは、透過的な状態(transparent state)と霜で覆われた状態(frosted state)の間で電子的に切り替え可能であり、任意にタッチスクリーン23を含む。ライトバルブ投影スクリーン22は、カメラ14及びプロジェクタ16の共通の光軸20に位置する。スクリーン22は、透過的な状態にあるとき、電子カメラ14が投影スクリーンを通して被写体24の画像を捕捉するのを可能にし、霜で覆われた状態にあるとき、デジタルイメージプロジェクタ16による捕捉された画像の表示を提供する。
【0009】
ライトバルブ投影スクリーン22は、たとえば電流が印加されたときに状態を変える液晶フィルムを含む。「電源オフ」状態において、材料は「霜で覆われた」状態にあり、リアプロジェクションに適している。「電源オン」状態において、材料は透明であり、カメラにとって材料を通して「見る」のに適している。光21は、被写体24を照明するために設けられる。
【0010】
画像捕捉及び表示装置の制御並びにデジタル画像処理は、標準的なマイクロプロセッサ又はパーソナルコンピュータのようなコンピュータ26により提供され、このコンピュータに、動画像カメラ14の出力及びデジタルプロジェクタ16の入力が接続される。コンピュータ26は、コントローラ及び画像処理コンピュータの両者として機能する。個別のコントローラ及びデジタル画像処理回路を設けることができることが理解されるであろう。ライトバルブ投影スクリーン22をその透過的な状態と霜で覆われた状態との間で切り替えるために駆動されるデジタル制御ドライバ28が設けられる。
【0011】
動作において、コンピュータ26は、はじめに、スクリーンに電圧を印加するようにドライバ28に信号を発することで、ライトバルブ投影スクリーン22をその透過的な状態に切り替え、次いで、カメラ14から画像を捕捉し、スクリーンをオフにして霜で覆われた状態にするドライバ28への信号により、ライトバルブ投影スクリーン22をその霜で覆われた状態に切り替え、次いで、デジタルイメージプロジェクタ16を使用して、前に捕捉された画像をライトバルブスクリーン22に投影する。次いで、このサイクルは、毎秒15〜30又は30以上の完全なサイクルで繰り返され、洗練され且つ「フリッカのない」表示の外観が提供される。捕捉された画像は、既知の画像処理技術を使用した表示の前に、コンピュータ26により処理される場合がある。たとえば、画像は、ファンハウスミラー(fan house mirror)におけるように幾何学的に歪められる。代替的に、背景のシーンは、既知のブルースクリーン技術を使用して追加される場合があり、色が変更される場合があり、或いは、口ひげ、帽子、メガネ等のような前もって記憶されている画像要素がデジタル的に付加される場合がある。また、たとえばマネキンといった、被写体が衣類においてどのように見えるかを表示するため、衣類が被写体の画像に付加される場合がある。これらの異なる処理技術の制御は、コンピュータ26により提供される場合があり、特定の技術の適用は、たとえば捕捉された画像といった内部入力によるか、たとえば音声又はタッチ入力といった外部入力、或いは、捕捉された画像の被写体の動きによる入力により指示される場合がある。
【0012】
図1の画像捕捉及び表示装置10の更なる特徴は、Manico等により2006年5月9日に発行された米国特許第7042486号で開示され、この全体の開示は、引用により本明細書に盛り込まれる。
【0013】
図2は、本発明の装置及び方法で使用される表示パネルの第二の実施の形態を例示する。参照の容易さのため、図1の構成要素と共通する図2における構成要素について同じ参照符号が使用される。図2で示されるように、画像捕捉及び表示装置(DTS)10は、キャビネット12に収容される。電子カメラ14及び表示パネル15が設けられる。表示パネル15は、第一の状態と第二の状態との間で電子的に切り替え可能である。DTSのこの実施の形態では、表示パネル15は、たとえばOLED(Organic Light Emitting Diodes)のマトリクスを含み、このOLEDは、電流が印加されたときに状態を変化させる。「電源オフ状態」(透過的な状態)において、材料は実質的に透明であり、この材料を通して見るのに適している。「電源オン」状態において、表示パネル15は、表示パネル15の前に位置される個人(見る人)24により見るために画像を表示する。任意のタッチスクリーン23は、表示パネル15を覆うように設けられる。タッチスクリーン23は、表示パネル15の周辺に配置される赤外線送信機及び検出器のアレイを有するタイプ、又は表示パネル15を覆うように配置される透明感圧パネルとすることができる。表示パネル15は、透過的な状態において、電子カメラ20が表示パネル15を通して被写体24の画像を捕捉でき、表示軸に沿って個人(ユーザ)24により見るためにデジタル表示パネル15で画像を表示するため、共通の光軸20に関して位置される。図1の実施の形態と同様に、図2のDTSは、コンピュータ26及びデジタル制御ドライバ28を含む。
【0014】
図2の実施の形態は、Fredlund等により出願された2005年2月3日に公開された米国特許出願公開第2005/0024489号に開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に盛り込まれる。上述された実施の形態に加えて、米国特許出願公開第2005/0024489号は、本発明の装置及び方法においても利用されるDTSについて更なる実施の形態を開示している。たとえば、表示パネル15は、OLEDの代わりにLCD(Liquid Crystal Display)から構成される場合がある。
【0015】
本発明は、本発明における使用のためのDTSについて特定の実施の形態に限定されない。様々な既知又は意図されるDTSの何れかは、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに利用される場合がある。必要とされるものは、DTSが画像を捕捉し、捕捉された画像を表示することができることである。
【0016】
さらに、図1及び図2のDTSの実施の形態の例示がスケーリングされるように描写されていない。たとえば、全体のDTSは、幅でたった数センチメートルであり、カメラ及びプロジェクタは、ガラス又はミラーの枠の断面のように薄い断面をDTSが含むように、DTS内に配置することができるように小型化されたデザインである。このように、デジタル画像捕捉装置及び投影装置は、その全体の開示が参照により本明細書に盛り込まれる、Cok等により出願された2008年5月8日に公開された米国特許出願公開第2008/0106628号におけるような第一及び第二の表示パネルのそれぞれにおいて一体化して形成される場合がある。さらに、コンピュータ及びドライバは、DTS内に配置されるように小型化することができるか、DTSの外部に配置され、DTS内のカメラ及びプロジェクタに電子的に結合することができる。このように、本発明は、DTSの構成要素について特定の物理的な構造に限定されない。
【0017】
図3は、本発明の原理に係る両面表示パネル100の第一の実施の形態を例示する。両面表示パネル100は、第一の表示パネル110又は第一のDTSを含む、第二の表示パネル120又は第二のDTSを含む。上述されたように、第一の表示パネル110及び第二の表示パネル120の両者は、画像を捕捉し、捕捉された画像を表示する。従って、第一の表示パネル110及び第二の表示パネル120は、DTSについて、開示される実施の形態又は意図される実施の形態のいずれかからそれぞれ構成される。
【0018】
理解されるように、第一の表示パネル110は、第一の表示パネル110の前に配置される画像を捕捉するために利用することができる。二重の矢印は、第一の表示パネル110に関する表示方向を例示する。従って、(第一の表示パネル110の左にある)第一の表示パネル110の前にあるオブジェクトは、第一の表示パネル110により捕捉され、捕捉された画像は、第一の表示パネル110の前方の接面(第一の表示パネル110の左の接面)に表示される。
【0019】
同様に、第二の表示パネル120は、(第二の表示パネル120の右にある)第二の表示パネル120の前に配置される画像を捕捉する。次いで、第二の表示パネル120は、捕捉された画像を第二の表示パネル120の前側(右に面する側)に投影する。
【0020】
図3に示されるように、本発明の原理によれば、第一の表示パネル110及び第二の表示パネル120は、互いに背中合わせの関係で位置合わせされる。位置合わせされた位置は、第一の表示パネル110の捕捉及び表示のための光軸と呼ばれ、この光軸は、第二の表示パネル120の捕捉及び表示のための光軸に揃えられている。本発明のこの位置合わせの特徴は、以下に更に詳細に説明される。図3の実施の形態では、それぞれの表示パネルの背面は、互いに隣接して配置され、それぞれの表示パネルのディスプレイスクリーンは、互いに対向し、反対方向において向かい合っている。従って、第一の表示パネル110のディスプレイスクリーンは、左を向いており、第二の表示パネル120の表示スクリーンは、右を向いている。上述されたように、第一の及び第二の表示パネルの両者は、画像を捕捉し、捕捉された画像を表示し、第一及び第二の表示パネルを制御する制御装置が含まれる。
【0021】
本発明の原理によれば、DTS110及びDTS120を互いに背中合わせの関係で配置することは、DTS技術を利用するあらゆる種類の可能性を提供する。本発明の構造によれば、あるDTSが該DTSの前にある画像を捕捉し、該DTSの表示パネルに捕捉された画像を表示するだけでなく、さらに、該DTSは、捕捉された画像を、その対向して面しているDTSの表示パネルで表示するため、第二のDTSに提供することができる。このように、DTSの一方の側でDTSを見ているビューアは、反対の側にあるDTSによりDTSの他方の側で捕捉された画像を実際に「見る」ことができ、このDTSは、ビューアが見ている反対側の画像をDTSに提供する。
【0022】
たとえば、第一の表示パネル110は、第一の表示パネル110の前にある画像を捕捉することができる。次いで、第一の表示パネル110は、捕捉された画像をその表示パネルで表示するだけでなく、さらに、その捕捉された画像を、第二の表示パネルの表示パネルで表示するために第二の表示パネル120に供給する。第二の表示パネル120は、同様に動作することができる。このように、理解されるように、両面表示パネル100の一方の側で捕捉された画像は、両面表示パネルの反対の側に提供される。
【0023】
本発明のこの特徴は、様々な有効な用途を有する。たとえば、両面表示パネル100をウィンドウとして動作するように利用することができる。図3では、第二の表示パネル120が右側の画像を捕捉し、捕捉された画像を、左側での表示のために第一の表示パネル110に供給するときに、両面表示パネル100の左側にあるビューアは、両面表示パネル100の右側にあるオブジェクトを見ることができる。実際に、両面表示パネル100の左側にあるビューアは、両面表示パネル100の反対側にあるものを見るために、両面表示パネル100を「通して」覗いている。これは、あるウィンドウの機能が提供されることを考慮したとき、特定のユーティリティを提供するが、たとえばウィンドウの中断、最小の物理的なセキュリティ、プライバシー等といったウィンドウを利用することに関する問題点が回避される。
【0024】
さらに、本発明の原理によれば、両面表示パネル100の一方の側からの捕捉された画像を両面表示パネルの反対の側に投影することができるだけでなく、さらに、投影された画像は、両面表示パネルの電子回路により処理することができ、ビューアに表示される画像を、両面表示パネルが利用される特定の用途の要件に依存して制御することができる。たとえば、更にシーンを投影される画像に提供することができ、仮像をセキュリティの目的で提供することができ、画像をその特性を変えるために処理することができる。
【0025】
図4及び図5は、本発明の両面表示パネルの更なる実施の形態を例示する。図4では、両面表示パネル200は、第一の表示パネル210及び第二の表示パネル220を含み、これらは上述されたように動作する。しかし、この実施の形態では、第一の及び第二の表示パネルの外側の接面に外側保護パネル215及び225が設けられる。これらの保護パネル215及び225は、画像が表示パネルで捕捉及び表示されるように一般的に透過的であるが、保護パネルは、たとえば物理的な損傷、圧力、環境の影響から表示パネルを保護するために十分な強度を有する。さらに、パネルは、静止画像等を含め、着色効果を提供するために影付きにされるような、更なる又は代替的な効果を提供する場合がある。
【0026】
同様に、図5の実施の形態では、第一の表示パネル310と第二の表示パネル320との間に中間のパネル330が設けられる。この中間のパネル330は、セキュリティ、断熱、防音、放射障壁、或いは、たとえば2つの表示パネル間の通過できない障壁又は単なる見ることが意図されないスペースを設けるといった他の保護的な目的で、画像捕捉又はディスプレイに接続されない様々な目的のために設けられる。両面表示パネル300が店舗のフロントウィンドウとして利用されない用途では、たとえば、中間のパネルは、典型的なウィンドウが提供するものを覆って及び上に更なる物理的なセキュリティを提供することができる。更なる用途は、米国国防省い関連する「ウィンドウ」又は法執行機関のような更なる用途を本実施の形態について考えることができる。しかし、先に記載されたように、この改善されたセキュリティ機能によっても、両面表示パネル300は、ウィンドウの同じ機能をなお提供することができ、両面表示パネル300の左側にある人物は、両面表示パネル300の右側で現れているものを見る事ができ、同様に、両面表示パネル300の右側にある人物は、両面表示パネル300の左側で現れているものを見る事ができる。
【0027】
理解されるように、幾つかの例の環境で上述されたように、両面表示パネルは、DTS技術を更に利用する多くの可能性を提供することができる。説明されるように、両面表示パネルは、ウィンドウの取替えとして利用することができる。「ウィンドウ」はセキュリティ、広告、娯楽及び装飾の用途を含むさまざまな目的のために利用される。
【0028】
さらに、セキュリティに関して、DTSで表示される画像は、DTSの反対側で捕捉される画像から変更された画像であるか、又は表示される画像は、仮像である。このように、ビューアは、彼/彼女が「ウィンドウ」の反対側で現れているものを見ていると思うが、ビューアは、両面表示パネルの反対側で実際に現れるものから仮又は処理された画像のみを実際に見ている。
【0029】
本発明の両面表示パネルは、広告の環境におけるユーティリティを有することができる。たとえば、ビューアが実際に両面表示パネルである店舗のフロント「ウィンドウ」を見ている場合、両面表示パネルは、さらに、ビューアの画像を捕捉し、捕捉された画像を処理することができ、変化した状態でビューアに投影される。変化した状態は、たとえば、マネキンとしてビューアの画像の使用であり、この場合、ビューアの画像は、オブジェクトによる画像を表示するために処理され、また、この画像は、「店舗のフロントウィンドウ」において表示される。従って、「バーチャルマネキン」が表示され、この場合、店舗のフロントウィンドウで表示されるとき、販売のための衣服がビューアの画像に投影され、すなわち仮想的なマネキンである。このバーチャルマネキンは、リアルタイムで表示される。さらに、この環境では、たとえば「店舗」内の店主といった、両面表示パネルの反対側のビューアは、「ウィンドウ」の買い物客を見ることができる。
【0030】
別の考えられる用途では、両面表示パネルは、たとえばオフィスの小個室を囲むために一般的に使用される壁の代替として使用される。したがって、壁はなお存在する。プライバシー及びセキュリティを占有者に提供するが、占有者は、壁が所定の位置にないと思うこと、壁を見る代わりに役員室におけるようなフルパネルウィンドウから外を見ていると思うこと、といった更に感じのよい経験を有する。この効果は、上述されたように、両面表示パネルの反対側からの画像は、両面表示パネルの内側の占有者に表示されるために達成される。又は、代替的に、オフィスの小個室は、中間のパネル330において第一の表示パネル310と第二の表示パネル320との間に位置され、第一の表示パネル310のビューア又は第二の表示パネル320のビューアは、オフィスの小個室を見通しているように見える。同様に、家庭における白地の娯楽スクリーンは、両面表示パネルにより覆われ、スクリーンの領域は、ウィンドウであるように見えるか、又は両面表示パネルに投影することができる画像を含む場合がある。
【0031】
第一の表示パネル及び第二の表示パネルが背中合わせの関係で光学的に配置される発明の特徴は、更なるユーティリティを提供する。従って、両面表示パネルの反対側で捕捉及び表示される両面表示パネルの一方の側にある画像は、ビューアの基準のフレームに関する軸上に現れる。これは、両方の表示パネルの光軸が揃えられているからである。軸が揃えられていない場合、両面表示パネルの反対側で表示される両面表示パネルの一方の側からの捕捉された画像は、両面表示パネルを「通して」ビューアにより見られる本当の画像であるように見えない。
【0032】
この光学的に位置合わせされていることは、両面表示パネルの一方の側で捕捉された画像と両面表示パネルの反対側で表示される画像との間で、より大きな対話性を提供するものである。たとえば、表示パネルの一方の側からの軸上の画像を捕捉し、両面表示パネルの反対側で軸上にそれを表示することで、及び逆に、表示パネルの他方の側からの軸上の画像を捕捉し、両面表示パネルの一方の側で軸上にそれを表示することで、両面表示パネルの両側のビューアは、反対側でのアクティビティと物理的に対話していることを感じることができる。たとえば、両面表示パネルの反対側のビューアは、テニスをしているような、互いに対話しているように見える。一方の側でボールを打っているビューアの画像は、他方の側でビューアに軸上で表示される。次いで、他方の側のビューアは、表示される画像のボールを打つ。この画像は、次いで捕捉され、反対側のビューアにより同様に打つために、両面表示パネルの反対側に表示される。
【0033】
さらに、このように、両面表示パネルの一方の側で現れるものは、両面表示パネルの他方の側に現れるものを制御する場合がある。たとえば、表示パネルの一方の側で捕捉される特定の画像について、この捕捉された画像は、どの画像が捕捉され又は反対の側で表示されるかを制御するために利用される。同様に、両面表示パネルの一方の側で表示される特定の画像について、この表示された画像は、どの画像が反対側で捕捉又は表示されるかを制御するために利用される。同様に、第一及び第二の表示パネルは、両面表示パネルの何れかの側で、どの画像が捕捉及び表示されるかを制御するために利用されるサウンド及びタッチセンサを含む場合がある。さらに、サウンドセンサは、音声をパネルの表示に加えて表示パネルの画像の表示を改善する音声再生装置を含む。従って、表示パネルの制御に関して、画像は、捕捉及び表示され、処理される場合があるので、どの特定の画像が捕捉及び表示されたかに関する制御、たとえば接触、音声、画像捕捉、画像表示等といった、この制御がどのように実現される場合があるかについて多くの可能性が存在する。これらの入力は制御装置に供給され、この制御装置は、入力に応答して、処理命令に従って画像を捕捉及び/又は表示する。
【0034】
両面表示パネルは、たとえばウィンドウ、ディスプレイスクリーン及び壁といった大型パネルの環境で主に説明されたが、本発明は、係る環境において使用されることに限定されない。本発明は、両面表示パネルの一方の側で画像を捕捉し、捕捉された画像を両面表示パネルの反対側で表示することが望まれる任意の環境で利用することができる。さらに、本発明は、更なる機能を達成するために捕捉された画像及び投影された画像の制御が望まれる任意の環境で利用することができる。たとえば、両面表示パネルは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)として利用することができ、この場合、ユーザによるインタフェースの操作により、画像が捕捉されて表示される。さらに、GUIとして使用することで、画像を捕捉するために使用されるカメラは、たとえば手/指の位置、顔の表情、唇の動き、体の位置及び動きを検出するために使用され、ディスプレイは、GUIによりユーザにより検出されるポインタ又はカーソルのようなバーチャルオブジェクトを介してフィードバックを提供することができる。したがって、GUIとして使用することで、ユーザは、GUIの適用に関する特定の要件に基づいて、画像の捕捉/検出及び画像の表示といった適切なフィードバックを提供しつつ、入力及び制御を提供することができる。
【0035】
さらに、両面表示パネルは、装置の一方の側からの画像を捕捉し、捕捉された画像を装置の反対の側に表示することが望まれる携帯電話又はハンドヘルド表示装置の用途に組み込むことができる。本発明は、両面表示パネルが組み込まれる環境に限定されるものではない。両面表示パネルの使用向けに本明細書で説明された例は、本発明が組み込まれる多くの用途のうちの幾つかである。本発明は、考えられる多数の応用の何れかで利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
10:画像捕捉及び表示装置
12:キャビネット
14:電子動画カメラ
15:表示パネル
16:デジタルイメージプロジェクタ
20:共通の光軸
21:光
22:ライトバルブ投影スクリーン
23:タッチスクリーン
24:被写体
26:コンピュータ
28:デジタル制御ドライバ
100:両面表示パネル
110:第一の表示パネル
120:第二の表示パネル
200:両面表示パネル
210:第一の表示パネル
215:外側保護パネル
220:第二の表示パネル
225:外側保護パネル
300:両面表示パネル
310:第一の表示パネル
320:第二の表示パネル
330:中間パネル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を捕捉し、捕捉された画像を表示する第一の表示パネルと、
画像を捕捉し、捕捉された画像を表示する第二の表示パネルと、前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルとは、互いに背中合わせの関係で位置合わせされており、
前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルとを制御する制御装置と、
を備える両面表示パネル。
【請求項2】
前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルとの間に中間のパネルが配置される、
請求項1記載の両面表示パネル。
【請求項3】
前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルとに結合される、音を捕捉及び/又は生成するオーディオセンサを更に備える、
請求項1記載の両面表示パネル。
【請求項4】
前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルのそれぞれの外側に外側保護パネルが配置される、
請求項1記載の両面表示パネル。
【請求項5】
前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルのそれぞれにおいて、前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルのそれぞれの前における画像を捕捉するデジタル画像捕捉装置が設けられる、
請求項1記載の両面表示パネル。
【請求項6】
前記デジタル画像捕捉装置は、前記第一及び第二の表示パネルの表示軸と実質的に一直線上にある軸に沿って画像を捕捉するように、前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルのそれぞれに関して位置合わせされる、
請求項5記載の両面表示パネル。
【請求項7】
前記第一の表示パネル又は前記第二の表示パネルの前記デジタル画像捕捉装置により捕捉される画像は、前記第一の表示パネル及び/又は前記第二の表示パネルを制御するために使用される、
請求項5記載の両面表示パネル。
【請求項8】
前記制御は、前記第一の表示パネル及び/又は前記第二の表示パネルによる画像の捕捉を制御することを含む、
請求項7記載の両面表示パネル。
【請求項9】
前記制御は、前記第一の表示パネル及び/又は前記第二の表示パネルでの画像を表示を制御することを含む、
請求項7記載の両面表示パネル。
【請求項10】
前記第一の表示パネル及び/又は前記第二の表示パネルを制御するため、前記第一の表示パネル及び/又は前記第二の表示パネルに関連するセンサを備える、
請求項1記載の両面表示パネル。
【請求項11】
画像を捕捉及び表示する方法であって、
第一の表示パネルにより第一の画像を捕捉するステップと、
第二の表示パネルにより第二の画像を捕捉するステップと、
捕捉された第一の画像を前記第二の表示パネルで表示するステップと、
捕捉された第二の画像を前記第一の表示パネルで表示するステップとを含み、
前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルは、互いに背中合わせの関係で位置合わせされ、前記第一の表示パネルの第一の表示する方向は、前記第二の表示パネルの第二の表示する方向とは反対である、方法。
【請求項12】
前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルとの間に中間のパネルが配置される、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルとに結合されるオーディオセンサにより音を生成するステップを更に含む、
請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルのそれぞれの外側に外側保護パネルが配置される、
請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記第一の画像を捕捉するステップ及び前記第二の画像を捕捉するステップは、前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルのそれぞれにおいて設けられる画像捕捉装置により実行される、
請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記デジタル画像捕捉装置は、前記第一及び第二の表示パネルの表示軸と実質的に一直線上にある軸に沿って画像を捕捉するように、前記第一の表示パネルと前記第二の表示パネルのそれぞれに関して位置合わせされる、
請求項15記載の両面表示パネル。
【請求項17】
制御装置により前記捕捉するステップ及び前記表示するステップを制御するステップを更に含む、
請求項11記載の方法。
【請求項18】
前記第二の画像を捕捉するステップは、前記第一の画像を捕捉するステップに基づいて制御される、
請求項11記載の方法。
【請求項19】
前記第二の画像を表示するステップは、前記第一の画像を表示するステップに基づいて制御される、
請求項11記載の方法。
【請求項20】
捕捉された第一の画像を前記第一の表示パネルに表示するステップと、
捕捉された第二の画像を前記第二の表示パネルに表示するステップと、
を更に含む請求項11記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−530717(P2011−530717A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522058(P2011−522058)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/004468
【国際公開番号】WO2010/016893
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】