説明

画像データセットのスケールベースで可視化する方法、装置、及びコンピュータ可読媒体

画像データのスケールベースの可視化に使用する方法が提供される。該方法は、画像データセットに統計的にしばしば存在するグレイ値を有する。画像データセットの第1セットのボクセルを識別するステップと、画像データセットに統計的にあまり存在しないグレイ値を有する第2セットのボクセルを識別するステップと、非線形である伝達関数を使用して、第1セットのボクセル及び第2セットのボクセルに基づいてスケールを計算するステップとを含む。該方法は、線形の相互作用スケールを非線形のスケールに変更することにより、制限された大きさのディスプレイ空間において必要とされる高い操作の正確性を提供する。重要な画像/ボリュームグレイ値は、利用可能なディスプレイ空間において、他のあまり重要でないグレイ値よりも高いパーセンテージの相互作用空間を与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として画像分析の分野に関する。より詳細には、本発明は、例えばコンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)又は超音波イメージング(US)からスキャンされたボリュームにある構造を表示するための3Dボリュームの可視化に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイパラメータは、2D又は3D画像がディスプレイ上に可視化される態様を制御する。これらのディスプレイパラメータは、ソフトウェア又はハードウェアユーザインタフェースガジェットの支援で修正され得る。
【0003】
2Dイメージング及び3Dイメージングにおいて、画像がスクリーン上に表示される態様は、評価部を操作することにより変更され得る。評価部は、スカラの入力としてグラフィカルシステムに使用される論理クラスのユニットである。評価部は、異なるグラフィックパラメータ、例えば回転角、スケール因子を設定するとともに、特定の用途と関連付けられる物理パラメータ、例えば温度設定、電圧レベル等を設定するために使用される。
【0004】
スクリーン上に画像を表示する態様を変更する他のアプローチは、マウス又はジョイスティックをディスプレイ上の特定の領域の上をドラッグするか、又はダイアルボックス上のホイールと相互作用することによる。ダイアルボックスは、6つ又は8つの(ハードウェア)ダイアルを含むボックスである。これらのダイアルは、これらに割り当てられたパラメータを変更するために使用される。(ソフトウェア)パラメータを変更する他の態様は、この目的のために設計されるいずれかのハードウェア装置を使用することである。操作の結果として、グレイ値又はカラー値を表示するボクセルの再構成は、変更される。
【0005】
Philips ViewForum ワークステーションは、評価部の操作か、又はマウスをディスプレイ上の特定の領域上でドラッグする、すなわちいわゆる直接マウス操作により、画像データセットからボクセルの可視化を変更する可能性を提供する。これは、2D画像データセットのウィンドウ幅及び高さを変更するか、又は3D画像データセットに存在する構造の可視性、すなわち不透明度マップを変更するという結果になる。
【0006】
従来技術の問題は、ユーザインタラクションに利用可能なスクリーン領域の大きさが制限されるので、評価ガジェットが、ほとんど、必要とされるスケール範囲を表示するのに十分大きくならないことである。ウィンドウスクリーン領域に合わせるようにスケール範囲を制限すると、解像度の低下となる。この問題を解決するため、修正可能なスケール範囲及びオフセットが使用され得る。しかしながら、スケール範囲及びオフセットの修正は、更なるユーザインタラクションを必要とし、これは非常に時間がかかる。
【0007】
ViewForumアプリケーション評価部及びディスプレイドラッグ領域は、線形スケール範囲を有する。高い相互作用の正確さを可能にするか、より広いパラメータ範囲をカバーするため、評価部スケール範囲及びオフセットを修正することが可能である。ドラッグの間、マウスの加速は、高い感度で相互作用するか、又は大きなステップで相互作用する弁別器としても使用され得る。しかしながら、この特徴は、このようなシステムの振る舞いが予測困難であるので、現在使用可能にされておらず、したがって、線形なスケール上でマウスが移動したときに何が起こるのかを予期することは、より容易である。
【0008】
他の問題は、あるディスプレイ領域上でマウスをドラッグすることにより画像表示パラメータを操作するとき、最小限の感度が必要とされる。大きなパラメータの変更が必要とされるとき、複数回のドラッグが不可避である。パラメータを変更するために、直接マウス操作が使用される場合、必要とされる(可能な限り大きい)範囲をカバーするとともに、最終的な(可能な限り小さい)値を正確に規定できることが必要である。しかしながら、この要件は、現在の線形スケールの規定で満たすのが困難であり得る。スケールが高感度であり、小さい範囲をカバーするか、又はスケールが低感度であり、大きい範囲をカバーする。
【0009】
したがって、画像表示パラメータを正確に修正するために広いディスプレイ空間が必要とされるか、又は制限された大きさのディスプレイ空間において所与のタスクを正確に実行する高感度なユーザインタフェースガジェットを克服するため、多くのユーザインタラクションが必要とされるかである。
【0010】
したがって、向上された柔軟性、費用対効果、時間効率、ユーザフレンドリ性を可能にするように、画像ディスプレイ特性を変更する改善された方法が、有利であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、本発明の請求項による方法、装置、及びコンピュータ可読媒体を提供することにより、好ましくは、従来技術の1又はそれより多くの欠点、及び不利な点の1つ又は組み合わせを和らげる、緩和する、又は排除しようとし、少なくとも上記の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によると、画像データセットのスケールベースの可視化に使用する方法が提供される。該方法は、統計的にしばしば画像データセットに存在するグレイ値を有する、画像データセットの第1セットのボクセルを識別するステップと、画像データセットに統計的にあまり存在しないグレイ値を有する、画像データセットの第2セットのボクセルを識別するステップと、非線形な伝達関数を使用して、前記第1セットのボクセル及び前記第2セットのボクセルに基づくスケールを計算するステップとを有する。
【0013】
本発明の他の態様において、スケールベースの可視化に使用する装置が提供される。該装置は、画像データセットに統計的にしばしば存在するグレイ値を有する、画像データセットの第1セットのボクセルを識別する第1識別ユニットと、画像データに統計的にあまり存在しないグレイ値を有する、画像データセットの第2セットのボクセルを識別する第2識別ユニットと、非線形である伝達関数を使用して、前記第1セットのボクセル及び前記第2セットのボクセルに基づくスケールを計算する計算ユニットとを有する。
【0014】
更なる態様において、コンピュータにより処理されるコンピュータプログラムを組み込むコンピュータ可読媒体が設けられる。コンピュータプログラムは、画像データセットに統計的にしばしば存在するグレイ値を有する、画像データセットの第1セットのボクセルを識別する第1識別コードセグメントと、画像データセットに統計的にあまり存在しないグレイ値を有する、画像データセットの第2セットのボクセルを識別する第2識別コードセグメントと、非線形である伝達関数を使用して、第1セットのボクセル及び第2セットのボクセルに基づいてスケールを計算する計算コードセグメントを含む。
【0015】
本発明の目的は、従来技術の欠点を排除するとともに、制限された大きさのディスプレイ空間において必要とされる高い操作の正確性を提供することである。これは、重要な画像データセットグレイ値に、他のあまり重要でない画像データセットグレイ値よりも、利用可能なディスプレイ空間におけるより高いパーセンテージの相互作用空間を付与することによって、線形相互作用スケールを非線形スケールに変更することにより達成され得る。これは、重要な画像データセットグレイ値、例えばマウスドラッグの開始点に近接して位置されるグレイ値が、最も高い可能な相互作用解像度をもつと考慮されることを意味する。最も重要でないグレイ値は、ユーザインタフェースの制限された正確性のため、自動的にスキップされるであろう。したがって、いくつかの実施例による方法は、価値あるディスプレイ領域を節約し、相互作用の性能を向上させる。
【0016】
本発明のこれら及び他の態様、特徴、及び利点は、本発明の実施例の以下の記載から、添付の図面を参照して明らかにされ得るであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、スケール範囲ボタン12,13を備える評価器ガジェット11を有するPhilips ViewForumシステム10からのスクリーンダンプを図示する。
【0018】
以下の記載は、ディスプレイのある領域(例えばビューポート)に渡ってマウスをドラッグするか、又は評価器のようなユーザインタフェースガジェット、又はジョイスティック若しくはスペースボールのような特定のハードウェア、又はいずれかの他の物理的入力装置を操作することにより、(ピクセル又はボクセルを含む)画像データセット表示特性を修正する用途に適用可能な本発明の実施例にフォーカスする。
【0019】
本発明は、従来技術の上記欠点を排除し、制限された大きさの表示空間に必要とされる高い操作の正確性を提供する。たいていの場合において、評価器、ディスプレイドラッグ領域、又はジョイスティックを通じて、全てのグレイ値へのアクセスを提供することは必要とされない。線形のスケールを提供する代わりに、スケールは非線形であり得る。
【0020】
図2によると、一実施例において、画像データセットを可視化する方法が提供される。該方法は、
精度高く可視化する、画像データセットの第1セットのボクセルを識別するステップ21と、
精度低く可視化する、画像データセットの第2セットのボクセルを識別するステップ22と、
前記第1セットのボクセル及び前記第2セットのボクセルに基づいてスケールを計算するステップ23と
を含む。この実施例による方法は、重要なものに対して高い正確性、すなわち第1セットのボクセルを提供し、あまり重要でないものに対して低い正確性、すなわち第2セットのボクセルを提供する。これは、第1セットのボクセルは、利用可能な表示空間において、第2セットのボクセルよりも高いパーセンテージの相互作用空間を与えられることを意味する。
【0021】
一実施例において、第1セットのボクセルを識別するステップと、第2セットのボクセルを識別するステップとが、ヒストグラム等化を使用して実行される。ヒストグラム等化の中間の結果は、よりしばしば存在するボクセルグレイ値に対して、急な登り傾斜、すなわち高い1次導関数をもつ伝達関数f(x)(より詳細には、以下を参照されたい)である。ヒストグラム等化のデジタル実施は、以下の形態の伝達関数を規定することにより、通常実施される。
f(x)=max(0,round[Dm*nx/N2]−1)
Nは画像ピクセルの数であり、nxは強度レベルx以下のピクセルの数である。Dは、画像に存在する強度レベルの数である。
【0022】
非線形出力スケールから画像ピクセル値を計算するため、出力スケール値は、伝達関数の逆数を通じてマッピングされる。したがって、よりしばしば存在するグレイ値を有するボクセルは、より多くの物理的表示相互作用空間を受ける。
【0023】
他の実施例において、前記識別するステップは、利用可能な表示空間とともにグレイ値を再度分配するいずれかの他の方法を使用して実行される。
【0024】
一実施例において、前記計算するステップは、大抵関心ある構造が、画像データセットボクセルコンテンツの中心にあるので、元の画像データセットの中心付近の領域からのオフセット及びスケール範囲を得ることに関する。
【0025】
他の実施例において、前記計算するステップは、関心ある構造が、画像データセットボクセルコンテンツの中心に存在しない場合に、初期表示ドラッグ領域開始点付近の画像データセットボクセルコンテンツからのオフセット及びスケール範囲を決定することに関する。
【0026】
他の実施例において、前記計算するステップは、画像データセットにおいて規定される関心ボリュームからのオフセット及びスケール範囲を決定することに関する。
【0027】
いくつかの実施例による方法を使用した結果、高い操作解像度を必要とするグレイ値を有するボクセルが、低い操作解像度しか必要としないグレイ値を有するボクセルよりも、より大きな表示空間を割り当てられる。
【0028】
一実施例において、計算されたスケールは、ディスプレイ上に表示される画像データセットの2D又は3D可視化を生成するレンダリングアルゴリズム24に向けられる。2D可視化及び3D最大強度投影に対する実施例による方法は、グレイレベルウィンドウの幅及び高さパラメータを規定するときに円滑にする。3D影付きボリュームレンダリング可視化に対する方法は、不透明度のマップ又はカラーマップを操作する場合に役立つ。最大強度投影は、所与の視野方向に沿う3D画像ボリュームの2D投影である。2D投影における各々の点に対して、光線は、3Dボリュームを通って、所与の視野方向に沿って向けられ、2D投影における点は、光線に沿って遭遇する最大値を割り当てられる。このように、3Dボリュームにおいてより明るくない値は、2D投影におけるより明るい値をふさぎ得ない。視野方向は、ユーザ、例えばマウスインタラクションにより自由に選択され得るか、又は垂直な体軸のような所与の軸の周囲を自動的に回転され得る。
【0029】
一実施例において、図3により、前記方法の実際的な実施が提示される。ヒストグラム等化を使用して、より高い重要性を持つグレイ値、すなわちよりしばしば存在するグレイ値を持つボクセルが、あまり存在しないグレイ値のボクセルよりも大きなスケールに渡って広げられる。ヒストグラムは、x軸においてボクセル値を表示し、y軸においてボクセル値が提示される回数を表示する。その結果、他のものよりもしばしば提示されるボクセルは、ヒストグラムにおいてより高いピークをもつ。伝達関数f(x)は、上で説明されるようにヒストグラムのy軸の値を累算することにより計算される。f(x)の急勾配、及びその周囲の値は、より表示空間を付与され、したがってより高い操作の正確性を有する。ヒストグラム等化の中間結果は、ルックアップテーブルF(x)(図3を参照されたい)であり、元のヒストグラムHをいわゆる等化されたヒストグラムHに変換するために使用され得るよく知られたヒストグラム等化関数の説明も参照されたい。例えば関数Hの値nは、ルックアップテーブルFを通じて変換され、n'=F(n)であり、n'は、関数Hの新たなスケール値である。スケール値n'から元の値nを決定するため、スケール値n'は、逆関数F(x)を用いて見つけられ得る。これは、図3から観測され得、n乃至n+1の範囲におけるヒストグラムHのボクセルは、変換された範囲n'乃至n'+1におけるヒストグラムHのボクセルにマッピングされる。xがボクセル位置を規定する、パラメータ操作に対して、関数H(x)のスケールであって、xがボクセル位置を規定するスケールを使用する代わりに、関数H(x)のスケールが使用される。高度な相互作用の正確性は、n乃至n+1の範囲におけるボクセルに対して得られ、低度の相互作用の正確性は、この範囲の外側のボクセルに対して得られる。一実施例において、ボクセルは、2D画像データセットにおけるピクセルである。一実施例において、図4によると、画像データセットの可視化をする装置40が提供される。該装置40は、
高い正確性を持つ可視化に対して、しばしば提示される画像データセットの第1セットのボクセルを識別する第1識別ユニット41と、
低い正確性を持つ可視化に対して、あまり提示されない画像データセットの第2セットのボクセルを識別する第2識別ユニット42と、
非線形である伝達関数を使用して、第1セットのボクセル及び第2セットのボクセルに基づくスケールを計算する計算ユニット42と
を有し、これは導関数を有し、第1セットのボクセルに対する導関数は、第2セットのボクセルに対する導関数よりも大きい。
【0030】
本発明の一実施例において、装置40は、計算されたスケールに基づいて画像データセットの2D又は3D可視化をレンダリングするレンダリングユニット44を更に有する。2D画像における通常の相互作用は、グレイ値の適合(ウィンドウレベル/幅)である。3D画像セッティング相互作用は、あまり一般的ではない。しかしながら、3D画像における通常の(熟達した)相互作用は、不透明マップ及びカラーマップの操作である。
【0031】
一実施例において、装置40は、レンダリングされた2D又は3Dの可視化をユーザに対して表示するディスプレイユニット45を更に有する。2D可視化及び3D最大強度投影に対して、導入された方法は、グレイレベルウィンドウ幅及びレベルパラメータを規定するときに役立つ。3D影付きボリュームレンダリングされた可視化に対して、前記方法は、不透明度マップ又はカラーマップを操作する時に役立つ。
【0032】
第1識別ユニット41、第2識別ユニット42、計算ユニット43及びレンダリングユニット44は、関連するタスクを実行するために通常使用されるいかなるユニット、例えメモリを備えるプロセッサのようなハードウェアであり得る。プロセッサは、Intel又はAMDプロセッサ、CPU、マイクロプロセッサ、プログラム可能インテリジェントコンピュータ(PIC)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)等のいずれかであり得る。メモリは、情報を記憶することができるいずれかのメモリ、例えばDouble Density RAM(DDR、DDR2)、Single Density RAM(SDRAM)、静的RAM、動的RAM(DRAM)、ビデオRAM(VRAM)等であり得る。メモリはフラッシュメモリでもあり得、例えばUSB、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、MMCメモリ、メモリスティック、SDカード、MiniSD、マイクロSD、xDカード、トランスフラッシュ、及びマイクロドライブ等であり得る。しかしながら、本発明の範囲は、これらの特定のメモリに制限されない。
【0033】
一実施例において、装置は、いくつかの実施例による方法を実行するユニットを有する。
【0034】
一実施例において、装置は、医療ワークステーション、又は医療システム、例えばコンピュータ断層撮像(CT)システム、磁気共鳴イメージング(MRI)システム、超音波イメージング(US)システムに含まれる。
【0035】
一実施例において、図5によると、コンピュータにより処理するコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体が設けられる。コンピュータ可読媒体は、
しばしば存在する画像データセットの第1セットのボクセルを高い正確性で可視化するために識別する第1識別コードセグメント51と、
あまり存在しない画像データセットの第2セットのボクセルを低い正確性で可視化するために識別する第2識別コードセグメント52と、
非線形である伝達関数を使用して、第1セットのボクセル及び第2セットのボクセルに基づいてスケールを計算する計算コードセグメント53とを含み、該伝達関数は導関数を含み、第1セットのボクセルの導関数は、第2セットのボクセルの導関数よりも高い。
【0036】
一実施例において、コンピュータプログラム50は、計算されたスケールに基づいて、画像データセットの2D又は3D可視化をレンダリングするレンダリングコードセグメントを更に有する。2D画像の通常の相互作用は、グレイ値適合(ウィンドウレベル/幅)である。3D画像設定相互作用は、あまり一般的ではない。しかしながら、通常3Dの(専門的な)相互作用は、不透明度マップ、及びカラーマップの操作である。
【0037】
一実施例において、コンピュータプログラム50は、レンダリングされた2D又は3D可視化をユーザに表示する。ディスプレイコードセグメント55を更に有する。2D可視化及び3D最大強度投影に対して、導入された方法は、グレイレベルウィンドウ幅及びレベルパラメータを規定するときに役立つ。3D影付きボリュームレンダリング可視化に対して、前記方法は、不透明度マップ又はカラーマップを操作する時に役立つ。
【0038】
一実施例において、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ処理特性を持つ装置により実行されるとき、いくつかの実施例において規定される方法ステップの全てを実行するように構成されるコードセグメントを有する。
【0039】
一実施例による方法がアプリケーションにより使用される場合、これは以下のように検出され得る。1)画像をアプリケーションにロードする。2)ユーザインタフェースガジェットのスケールを検査するか、又はユーザインタフェース表示ドラッグ領域若しくはダイアルボックスに対してこれを決定する。後者の場合、パラメータ値は、ユーザインタフェース上でいくらか可視化されるべきである。3)異なる中身を持つ他の画像をアプリケーションにロードする。4)ユーザインタフェースガジェットのスケールを検査するか、又はユーザインタフェース表示ドラッグ領域若しくはダイアルボックスに対してこれを決定する。一実施例による方法は、ユーザインタフェースガジェットが非線形であり、両方の場合で異なるときに使用される。
【0040】
本発明による上記実施例の応用及び使用は様々であり、画像データセットを可視化する画像データセットディスプレイ特性の変形を利用する例示的な分野を含む。
【0041】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのいずれかの組み合わせを含むいずれかの適切な形態で実施され得る。しかしながら、好ましくは、本発明は、1又はそれより多くのデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で実行するコンピュータソフトウェアとして実現される。本発明の一実施例の要素及びコンポーネントは、いずれかの適切な態様で物理的、機能的、且つ論理的に実現される。実際に機能は、単一のユニット、複数のユニット、又は他の機能ユニットの一部として実現され得る。このようなものとして、本発明は、単一のユニットで実現され得るか、又は異なるユニット及びプロセッサの間に物理的且つ機能的に分散し得る。
【0042】
本発明は、特定の実施例を参照して上に記載されているが、ここで説明される特定の形態に制限されることを意図されない。更に、本発明は、請求項のみにより制限され、上記の特定のもの以外の他の実施例も同様にこれらの請求項の範囲にあり得る。また、特定の実施例の組み合わせも、同様に本発明の範囲にあり得る。
【0043】
請求項における「有する」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除しない。更に、ここに列挙されるが、複数の手段、要素、又は方法ステップは、例えば単一のユニットまたはプロセッサにより実現され得る。更に、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは、おそらく有利に組み合わされ得、異なる請求項に含めることは、現実的でない、及び/又は有利でないことを意図しない。更に単数形の表記は、複数形を排除しない。単数形を表わす用語「第1」「第2」等は、複数形を排除しない。請求項における参照符号は、単に例を明確にするとして設けられ、いずれの態様でも請求項を制限するとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、Philips ViewForumシステムからの画面ダンプである。
【図2】図2は、一実施例による方法の概略図である。
【図3】図3は、一実施例による方法の実際的な実施の図である。
【図4】図4は、一実施例による装置の概略図である。
【図5】図5は、一実施例によるコンピュータ可読媒体の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データセットのスケールベースの可視化に使用する方法であって、
前記画像データセットに統計的にしばしば存在するグレイ値を含む、前記画像データセットの第1セットのボクセルを識別するステップと、
前記画像データセットに統計的にあまり存在しないグレイ値を有する、第2セットのボクセルを識別するステップと、
非線形である伝達関数を使用して、前記第1セットのボクセル及び前記第2セットのボクセルに基づくスケールを計算するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記伝達関数が導関数を有し、前記第1セットのボクセルに対する前記導関数が、前記第2セットのボクセルに対する前記導関数よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記計算されたスケールに基づいて、ディスプレイ上において第1解像度で前記第1セットのボクセルを可視化し、第2解像度で前記第2セットのボクセルを可視化するステップを更に有し、前記第1解像度が、前記第2解像度よりも高い、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1セットのボクセルを識別するステップ、前記第2セットのボクセルを識別するステップ、及び前記非線形伝達関数を含むヒストグラム等化をするステップが更に有する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ヒストグラム等化をするステップが、前記ヒストグラム等化から得られるルックアップテーブルに基づいて、元のヒストグラムを等化されたヒストグラムに変換するステップを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記スケールの前記元のボクセル値を、前記伝達関数の逆数により計算するステップを更に有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1セットのボクセルを識別するとともに、前記第2セットのボクセルを識別する利用可能なディスプレイ空間とともにグレイ値を再度配分するステップを更に有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記スケールを計算するステップが、前記画像データセットに存在する前記第1セットのボクセル及び前記第2セットのボクセルから前記スケールを得るステップを含む、請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記スケールを計算するステップが、規定された構造内に存在するボクセル、又は前記画像データセットの中心の付近の領域に存在するボクセルから前記スケールを得るステップを含む、請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記スケールを計算するステップが、初期ディスプレイドラッグ領域開始点付近の画像データセットボクセルコンテンツから前記スケールを決定するステップを含む、請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記画像データセットが、2D,3D、又は多次元医療画像データセットである、請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
ディスプレイ上に表示するため、前記画像データセットの2D又は3D可視化を生成する前記計算されたスケールをレンダリングするステップを更に有する、請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
画像データセットのスケールベースの可視化に使用する装置であって、
前記画像データセットに統計的にしばしば存在するグレイ値を有する、前記画像データセットの第1セットのボクセルを識別する第1識別ユニットと、
前記画像データセットに統計的にあまり存在しないグレイ値を有する、前記画像データセットの第2セットのボクセルを識別する第2識別ユニットと、
非線形である伝達関数を使用して、前記第1セットのボクセル及び前記第2セットのボクセルに基づいてスケールを計算する計算ユニットと
を含む装置。
【請求項14】
前記計算されたスケールに基づいて、前記画像データセットの2D又は3D可視化をレンダリングするレンダリングユニットを更に有する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記レンダリングされた2D又は3D可視化をユーザに表示するディスプレイユニットを更に含む、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
医療ワークステーション又は医療システム、例えばコンピュータ断層撮影システム、磁気共鳴システム、又は超音波システムに含まれる、請求項13乃至15の何れか一項に記載の装置。
【請求項17】
コンピュータにより処理するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体であって、該コンピュータプログラムが
画像データセットに統計的にしばしば存在するグレイ値を有する、前記画像データセットの第1セットのボクセルを識別する第1識別コードセグメントと、
前記画像データセットに統計的にあまり存在しないグレイ値を有する、第2セットのボクセルを識別する第2識別コードセグメントと、
非線形である伝達関数を使用して、前記第1セットのボクセル及び前記第2セットのボクセルに基づいて、スケールを計算する計算コードセグメントと
を含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記計算されたスケールに基づいて、前記画像データセットの2D又は3D可視化をレンダリングするレンダリングコードセグメントを更に有する、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
ディスプレイ上に前記レンダリングされた2D又は3D可視化を表示するディスプレイコードセグメントを更に有する、請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
コンピュータ処理特性を有する装置により実行されるとき、請求項1乃至12に規定される全ての方法ステップを実行するように構成されるコードセグメントを有する、請求項17乃至19の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−545355(P2009−545355A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522374(P2009−522374)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052638
【国際公開番号】WO2008/015592
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】