説明

画像データ処理サーバ、画像データ処理システムおよび画像印刷システム

【課題】携帯情報端末で撮影した画像から手軽にシール付写真を作成するために、当該携帯情報端末から送信された画像データを処理し、当該携帯情報端末に向けて処理済み画像データを返信可能な画像データ処理サーバを提供する。
【解決手段】画像データ処理サーバは、携帯情報端末と電気通信回線を通じて接続され、携帯情報端末から送信された、処理前画像データが添付された電子メールを受信する受信手段と、受信手段により受信した前記電子メールに添付された処理前画像データにより表される画像のサイズを変換した変換後画像データを作成し、変換後画像データにより表される画像が複数箇所に配置されてなる処理済み画像データを作成する画像データ処理手段と、画像データ処理手段により作成した処理済み画像データを添付した電子メールを携帯情報端末の電子メールアドレス宛に送信する送信手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末から送信された画像データを処理するための画像データ処理サーバ、および当該サーバを利用した画像データ処理システム、並びに当該システムを利用した画像印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンター等の遊戯施設、繁華街、ショッピングセンター等には、ユーザの写真を撮影し、その画像を粘着シールの台紙に印刷して、シール付写真を作成する遊戯装置、いわゆるプリクラ(登録商標)と呼ばれる写真シール機が数多く設置されている。
【0003】
この写真シール機は、多種多様の機能を搭載したものが多くのメーカーから発売されている。例えば、写真にフレームを入れるものや、写真にスタンプを押すもの、ペンタブレットを用いて写真に自由に落書きを加えるもの等があり、女子学生や若い女性を中心に広く普及している。
【0004】
一方、携帯電話機やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム機等の携帯情報端末において、カメラ機能は今や標準的機能の一つとして備えられている。その中でも、カメラ付携帯電話機は性別年齢を問わずあらゆる層で必携の携帯情報端末となっており、当該携帯電話機を使って写真を撮影することは、通話やメール送受信と同様、非常に一般的な携帯電話機の使用目的の一つとなっている。
【0005】
ここで、前述の写真シール機の主たるユーザ層である女子学生や若い女性も、そのほとんどが前述のカメラ付携帯電話機を所有しており、当該カメラ付携帯電話機を用いて手軽に写真撮影を楽しんでいる。所定の場所での写真撮影を余儀なくされる写真シール機と異なり、カメラ付携帯電話機では好きな場所で好きな時に写真を撮影できるため、そのカメラ付携帯電話機で撮影した写真を元に手軽にシール付写真を作りたいとの要望があった。
【0006】
そのような要望に応えるべく、カメラ付携帯電話機を写真シール機に接続して、当該カメラ付携帯電話機で撮影した画像の画像データを写真シール機に受け渡し、当該写真シール機がこの受け渡された画像データを元にシール付写真を作成する画像印刷システム等が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−117995
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムでは、ユーザがカメラ付携帯電話機で撮影した画像の画像データを当該携帯電話機に保存し、当該携帯電話機を持って写真シール機が設置してある場所に赴き、当該携帯電話機を当該写真シール機に接続することが必要となる。
【0009】
したがって、付近に当該写真シール機が設置されていなければ、当該携帯電話機で撮影した画像を元にシール付写真を即座に作ることはできず、仮に、付近に写真シール機が設置されていたとしても、当該写真シール機が上記特許文献1に記載のシステムに対応した写真シール機でなければ、やはり当該携帯電話機で撮影した画像を元に即座にシール付写真を作ることができないという問題がある。
【0010】
上記課題に鑑みて、本発明は、カメラ付携帯電話機等の携帯情報端末で撮影した画像を元にして手軽にシール付写真を作成することができるように、当該携帯情報端末から送信された画像データを処理し、当該携帯情報端末に向けて処理済み画像データを返信することができる画像データ処理サーバ、および当該サーバを利用した画像データ処理システム、並びに当該システムを利用した画像印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、第一に本発明は、携帯情報端末と電気通信回線を通じて接続される画像データ処理サーバであって、前記携帯情報端末から送信された、処理前画像データが添付された電子メールを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記電子メールに添付された前記処理前画像データにより表される画像のサイズを変換した変換後画像データを作成し、前記変換後画像データにより表される画像が複数箇所に配置されてなる処理済み画像データを作成する画像データ処理手段と、前記画像データ処理手段により作成した前記処理済み画像データを添付した電子メールを前記携帯情報端末の電子メールアドレス宛に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする画像データ処理サーバを提供する(発明1)。
【0012】
上記発明(発明1)によれば、携帯情報端末のユーザは、携帯情報端末と画像データ処理サーバとの間での電子メールのやりとりにより、時間や場所を選ばず、手軽に当該携帯情報端末で撮影した画像を元にしたシール付写真用の画像データを入手することができる。
【0013】
上記発明(発明1)においては、前記変換後画像データにより表される画像を配置する領域に関する領域情報を複数記憶する領域情報記憶手段と、前記領域情報記憶手段において記憶された複数の領域情報のうちから一の領域情報を選択する領域情報選択手段と、を備え、前記画像データ処理手段は、前記領域情報選択手段によって選択された領域情報に基づいて前記変換後画像データを作成し、前記領域情報選択手段によって選択された領域情報に基づいて前記変換後画像データにより表される画像を配置して前記処理済み画像データを作成することが好ましい(発明2)。
【0014】
本発明において、領域情報には、例えば、一枚のシール付写真上における複数の画像を配置する領域を分割する方式に関する情報等が含まれる。
【0015】
上記発明(発明2)によれば、画像データ処理サーバは、一枚のシール付写真上における複数の画像を配置する領域を分割する方式に関する情報を複数有しているため、それらの中から選択された一の情報に基づいて処理済み画像データを作成することができる。
【0016】
上記発明(発明2)においては、前記携帯情報端末から電子メールを送信するための送信先電子メールアドレスが複数存在し、前記領域情報記憶手段は、前記複数の領域情報のそれぞれを、前記複数の送信先電子メールアドレスのうちの一の送信先電子メールアドレスに対して一の領域情報を関連付けるように記憶し、前記領域情報選択手段は、前記携帯情報端末から前記複数の送信先電子メールアドレスのうちの一の送信先電子メールアドレス宛てに前記処理前画像データが添付された電子メールが送信されると、前記領域情報記憶手段において前記一の送信先電子メールアドレスに関連付けて記憶された一の領域情報を選択することが好ましい(発明3)。
【0017】
上記発明(発明3)によれば、携帯情報端末のユーザは、携帯情報端末から画像データ処理サーバに処理前画像データが添付された電子メールを送信する際の送信先電子メールアドレスを選択することにより、一枚のシール付写真上における複数の画像を配置する領域を分割する複数の方式の中から一の方式を手軽に選択することができるとともに、画像データ処理サーバは、ユーザの携帯情報端末からの指示に従って当該方式を選択し、処理済み画像データを作成することができる。
【0018】
上記発明(発明1から3)においては、画像データに合成可能な付加情報を、前記処理前画像データ、前記変換後画像データ、および前記処理済み画像データのうちの少なくとも一つの画像データに合成する付加情報合成手段を備えていてもよい(発明4)。さらに、上記発明(発明4)においては、複数の前記付加情報を記憶する付加情報記憶手段と、前記付加情報記憶手段において記憶された複数の付加情報のうちから一又は二以上の付加情報を選択する付加情報選択手段と、を備え、前記付加情報合成手段は、前記付加情報選択手段において選択された一又は二以上の付加情報を、前記処理前画像データ、前記変換後画像データ、および前記処理済み画像データのうちの少なくとも一つの画像データに合成することが好ましい(発明5)。
【0019】
上記発明(発明4,5)によれば、携帯情報端末のユーザは、携帯情報端末で撮影した画像を元にしたシール付写真用の画像データであって、付加情報の合成された画像データを、手軽に入手することができる。なお、本発明において、付加情報には、シール付写真用の画像データに合成されるフレームの画像データや、スタンプの画像データ等が含まれる。
【0020】
上記発明(発明1から5)においては、前記処理前画像データ、前記変換後画像データ、および前記処理済み画像データのうちの少なくとも一つの画像データにより表される画像に対して視覚効果を付与する処理を行う画像データ加工手段を備えていてもよい(発明6)。
【0021】
上記発明(発明6)によれば、携帯情報端末のユーザは、携帯情報端末で撮影した画像を元にしたシール付写真用の画像データであって、視覚効果を付与する処理が行われた画像についての画像データを、手軽に入手することができる。
【0022】
第二に本発明は、上記発明(発明1から6)に係る画像データ処理サーバと、前記画像データ処理サーバに電気通信回線を通じて接続された携帯情報端末と、を備えることを特徴とする画像データ処理システムを提供する(発明7)。
【0023】
第三に本発明は、上記発明(発明1から3)に係る画像データ処理サーバと、前記画像データ処理サーバに電気通信回線を通じて接続された携帯情報端末と、を備え、前記携帯情報端末は、画像データに合成可能な付加情報を前記処理前画像データに合成する付加情報合成機能を備え、前記付加情報合成機能により付加情報が合成された処理前画像データを添付した電子メールを、前記画像データ処理サーバに宛てて送信することを特徴とする画像データ処理システムを提供する(発明8)。
【0024】
上記発明(発明8)によれば、携帯情報端末のユーザは、携帯情報端末で撮影した画像を元にしたシール付写真用の画像データであって、付加情報の合成された画像データを、手軽に入手することができる。
【0025】
上記発明(発明8)においては、前記携帯情報端末と電気通信回線を通じて接続されるウェブサーバをさらに備え、前記ウェブサーバは、複数の前記付加情報を記憶する付加情報記憶手段を備え、前記携帯情報端末は、前記付加情報記憶手段において記憶された複数の前記付加情報のうち一または二以上の前記付加情報を前記ウェブサーバより取得し、前記付加情報合成機能は、取得した一または二以上の前記付加情報を前記処理前画像データに合成することが好ましい(発明9)。
【0026】
上記発明(発明9)によれば、携帯情報端末のユーザは、自分の好みに合わせた付加情報をウェブサーバから取得することができるため、携帯情報端末に付加情報を大量に記憶しておかなくとも、自分の好みの付加情報の合成されたシール付写真用の画像データを、手軽に入手することができる。
【0027】
上記発明(発明8,9)においては、前記携帯情報端末は、前記処理前画像データにより表される画像に対して視覚効果を付与する処理を行う画像データ加工機能を備えていてもよい(発明10)。
【0028】
上記発明(発明10)によれば、携帯情報端末のユーザは、携帯情報端末で撮影した画像を元にしたシール付写真用の画像データであって、視覚効果を付与する処理が行われた画像についての画像データを、手軽に入手することができる。
【0029】
第四に本発明は、上記発明(発明7から10)に係る画像データ処理システムと、前記携帯情報端末から前記処理済み画像データを受信し、前記処理済み画像データにより表される画像を印刷可能である印刷装置と、を備えることを特徴とする画像印刷システムを提供する(発明11)。
【0030】
上記発明(発明11)においては、前記印刷装置は、前記処理済み画像データにより表される画像を粘着シールの表面に印刷可能であることが好ましい(発明12)。
【0031】
上記発明(発明11,12)によれば、携帯情報端末のユーザは、時間や場所を選ばず、手軽に当該携帯電話機で撮影した画像を元にしたシール付写真を作成することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、カメラ付携帯電話機等の携帯情報端末で撮影した画像を元にして手軽にシール付写真を作成することができるように、当該携帯情報端末から送信された画像データを処理し、当該携帯情報端末に向けて処理済み画像データを返信することができる画像データ処理サーバ、および当該サーバを利用した画像データ処理システム、並びに当該システムを利用した画像印刷システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像データ処理システムを示す概略構成図である。
【図2】同実施形態における画像データ処理サーバの内部構成を示す概略図である。
【図3】同実施形態における画像データ処理サーバ内の領域情報DBの構成の一例を示す表図である。
【図4】同実施形態における四つの領域情報に基づいて画像が配置されたシール付写真用の画像の構成を示す概略図である。
【図5】同実施形態における四つのフレーム情報による画像の構成を示す概略図である。
【図6】同実施形態における四つのスタンプ情報による画像の構成を示す概略図である。
【図7】同実施形態における送信先メールアドレスの構成を示す概略図である。
【図8】同実施形態における画像データ処理サーバのデータ処理工程を示すフローチャートである。
【図9】同実施形態における画像データ処理サーバのデータ処理工程での視覚効果付与処理工程を示すサブフローチャートである。
【図10】同実施形態における画像データ処理サーバのデータ処理工程でのスタンプ情報合成処理工程を示すサブフローチャートである。
【図11】同実施形態における画像データ処理サーバのデータ処理工程でのフレーム情報合成処理工程を示すサブフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る画像データ処理システムを示す概略構成図である。
【図13】同実施形態における画像データ処理サーバのデータ処理工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像データ処理システムを示す概略構成図であり、図2は、同実施形態における画像データ処理サーバの内部構成を示す概略図であり、図3は、同実施形態における画像データ処理サーバ内の領域情報DBの構成の一例を示す表図であり、図4は、同実施形態における四つの領域情報に基づいて画像が配置されたシール付写真用の画像の構成を示す概略図であり、図5は、同実施形態における四つのフレーム情報による画像の構成を示す概略図であり、図6は、同実施形態における四つのスタンプ情報による画像の構成を示す概略図であり、図7は、同実施形態における送信先メールアドレスの構成を示す概略図であり、図8〜11は、同実施形態における画像データ処理サーバのデータ処理工程を示すフローチャートである。
【0035】
図1に示すように、本実施形態に係る画像データ処理システム1は、複数の携帯情報端末2と、画像データ処理サーバ3とを備え、各携帯情報端末2と画像データ処理サーバ3とは、インターネット等の電気通信回線4を介して通信可能に接続されてなる。
【0036】
携帯情報端末2は、インターネット等の電気通信回線4を介して電子メールによる通信が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PDA、携帯型ゲーム機等が挙げられ、これらのうち、特に、カメラ機能を有する携帯電話機であることが好ましい。さらには、特に、赤外線通信機能(例えばIrDA規格)、あるいは、近距離無線通信機能(例えばBluetooth規格)等の無線通信機能を有する携帯電話機であることが好ましい。なお、本実施形態においては、携帯情報端末2として、カメラ機能及びBluetooth規格の無線通信機能を有する携帯電話機を例に挙げて説明する。
【0037】
画像データ処理サーバ3は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、通信部34と、画像データ処理用データベース35とを備える。
【0038】
CPU31は、例えば、ROM32に記憶された画像データ処理プログラムに従い、画像データ処理用データベース35の各データベースに格納された各種データを用いて画像データにより表される画像のサイズを変換した変換後画像データを作成したり、複数の画像を配置した処理済み画像データを作成したり、画像データ合成プログラムに従い、画像データ処理用データベース35の各データベースに格納された各種データを用いて画像データを合成して合成済み画像データを作成したり、画像データ加工プログラムに従い、画像データを加工して加工済み画像データを作成したり、通信プログラムに従い、通信部34を介して電気通信回線4を通じた通信処理(電子メール通信処理等)を行ったり、メールアドレス抽出プログラムに従い、携帯電話機2から送信された電子メールより送信元メールアドレス及び送信先メールアドレスを抽出したり、判定プログラムに従い、携帯電話機2から送信された電子メールの送信元メールアドレスや送信先メールアドレスについて判定したり、携帯電話機2から送信された電子メールに添付されている写真のデータ形式が適当であるか否か等を判定したりする。
【0039】
ROM32は、CPU31が作動するための各種プログラム等が記憶された記憶領域であり、例えば、画像データにより表される画像のサイズを変更したり、複数の画像を配置した画像データを作成したりするための画像データ処理プログラム、各データベースに格納された各種データを用いて画像データを合成する画像データ合成プログラム、画像データを加工するための画像データ加工プログラム、通信処理を行うための通信プログラム、メールアドレスに関する情報を抽出するためのメールアドレス抽出プログラム、各種判定処理を行うための判定プログラム等が記憶されている。なお、本実施形態においては画像データ合成プログラムや画像データ加工プログラムが記憶されているが、本発明は画像データ処理プログラムが記憶されている限りこれに限定されるものではなく、画像データ合成プログラムや画像データ加工プログラムが記憶されていなくてもよい。
【0040】
RAM33は、携帯情報端末から送信された電子メールに添付された画像データや、ROM32及び画像データ処理用データベース35からCPU31によって読み出された各種プログラム、各種データ等とともに、画像データ処理プログラムに従って処理された画像データや、画像データ加工プログラムに従って加工された画像データを、一時的に記憶するための記憶領域である。
【0041】
画像データ処理用データベース35は、画像データを処理するための各種データが格納されたデータベースであり、領域情報DB351と、フレーム情報DB352と、スタンプ情報DB353と、ユーザ情報DB354と、を備える。なお、本実施形態においてはフレーム情報DB352とスタンプ情報DB353とユーザ情報DB354とを備えているが、本実施形態は領域情報DB351を備えている限りこれに限定されるものではなく、上記フレーム情報DB352、スタンプ情報DB353およびユーザ情報DB354のうちのいずれか一つのデータベースだけを備えていてもよいし、いずれか二つのデータベースだけを備えていてもよいし、いずれのデータベースも備えていなくてもよい。
【0042】
領域情報DB351には、画像データ処理プログラムに従って処理された画像データにより表される画像が配置されてなる一枚のシール付写真用の画像データを作成するための領域に関する情報(領域情報)が格納されている。
【0043】
かかる領域情報は、一枚のシール付写真上における複数の画像を配置する領域を分割する方式を定めるものである。分割する区分の数及び各区分の大きさの異なる複数の領域情報が領域情報DB351に格納されている。
【0044】
本実施形態においては、図3に示すように、領域情報DBNo.1として、領域を分割する区分数を2、かつ、その二つの区分の大きさをいずれも一枚のシール付写真全体の1/2とするもの、領域情報DBNo.2として、領域を分割する区分数を4、かつ、その四つの区分の大きさをいずれも一枚のシール付写真全体の1/4とするもの、領域情報DBNo.3として、領域を分割する区分数を5、かつ、その五つの区分のうち一つの区分の大きさを一枚のシール付写真全体の1/2とし、残りの四つの区分の大きさをいずれも一枚のシール付写真全体の1/8とするもの、領域情報DBNo.4として、領域を分割する区分数を8、かつ、その八つの区分の大きさをいずれも一枚のシール付写真全体の1/8とするもの、以上四つの領域情報が領域情報DB351に格納されている。なお、本発明において、領域情報はこの四つの領域情報に限定されるものではなく、四つの領域情報のうちの一部のみを格納していてもよいし、区分数と区分の大きさとを変えて、格納する領域情報の数を更に増やしてもよい。
【0045】
上記四つの領域情報のそれぞれに基づいて画像を配置したシール付写真用の画像の例を、図4(a)から(d)に示す。図4(a)は領域情報DBNo.1の領域情報に基づいて画像が配置されたシール付写真用の画像の構成を、図4(b)は領域情報DBNo.2の領域情報に基づいて画像が配置されたシール付写真用の画像の構成を、図4(c)は領域情報DBNo.3の領域情報に基づいて画像が配置されたシール付写真用の画像の構成を、図4(d)は領域情報DBNo.4の領域情報に基づいて画像が配置されたシール付写真用の画像の構成を、それぞれ示している。
【0046】
フレーム情報DB352には、画像データに合成されるフレーム画像に関する複数の情報(フレーム情報)が格納されている。フレーム画像は、シール付写真用の画像を作成する際に写真の外枠となるものであり、単純な線により構成されるものから複雑な紋様、図形、絵柄等から構成されるものまで、多種多様のものが存在する。
【0047】
本実施形態においては、図5(a)から(d)に示すように、フレーム情報は四つ用意されている。それぞれのフレーム情報には番号が付されており、図5(a)はフレーム情報DBNo.1に係る画像、図5(b)はフレーム情報DBNo.2に係る画像、図5(c)はフレーム情報DBNo.3に係る画像、図5(d)はフレーム情報DBNo.4に係る画像を示すものである。なお、本発明において、フレーム情報はこの四つのフレーム情報に限定されるものではなく、四つのフレーム情報のうちの一部のみを格納していてもよいし、格納するフレーム情報の数を更に増やしてもよい。
【0048】
スタンプ情報DB353には、画像データに合成されるスタンプ画像に関する複数の情報(スタンプ情報)が格納されている。スタンプ画像は、シール付写真用の画像を作成する際に写真を装飾する文字、図形、記号等により構成されるもので、多種多様のものが存在する。
【0049】
本実施形態においては、図6(a)から(d)に示すように、スタンプ情報は四つ用意されている。それぞれのスタンプ情報には番号が付されており、図6(a)はスタンプ情報DBNo.1に係る画像、図6(b)はスタンプ情報DBNo.2に係る画像、図6(c)はスタンプ情報DBNo.3に係る画像、図6(d)はスタンプ情報DBNo.4に係る画像を示すものである。なお、本発明において、スタンプ情報はこの四つのスタンプ情報に限定されるものではなく、四つのスタンプ情報のうちの一部のみを格納していてもよいし、区分数と区分の大きさとを変えて、格納するスタンプ情報の数を更に増やしてもよい。
【0050】
ユーザ情報DB354には、当該画像データ処理システム1を利用するユーザに関する情報(ユーザ情報)が格納されている。ユーザ情報としては、氏名、携帯電話機2の電話番号、携帯電話機2のメールアドレス(送信元メールアドレス)、等が挙げられる。
【0051】
ROM32に記憶されている画像データ処理プログラムは、CPU31に、領域情報DB351に格納された領域情報に基づいて、画像データにより表される画像のサイズを変換させ、サイズを変換した画像を複数配置してシール付写真用の画像データを作成させるための画像データ処理プログラムである。
【0052】
ROM32に記憶されている画像データ合成プログラムは、CPU31に、フレーム情報DB352に格納されたフレーム情報およびスタンプ情報DB353に格納されたスタンプ情報を画像データに合成させるための画像データ合成プログラムである。
【0053】
また、ROM32に記憶されている画像データ加工プログラムは、画像データにより表される画像に対して、輝度調整、輪郭補正、セピア処理、モノクロ処理等の視覚効果を付与するための処理をCPU31に行わせるための画像データ加工プログラムである。
【0054】
携帯電話機2から画像データ処理サーバ3に送信される、画像データを添付した電子メールの送信先メールアドレスは、図7に示すように、ローカル部が4桁の数字から構成されている。当該4桁の数字は、左から順に、領域情報、フレーム情報、スタンプ情報、画像に付与される視覚効果の種類を指定する役割を担っている。
【0055】
ローカル部の一番左の数字は領域情報を指定するものであり、本実施形態においては、1から4のいずれかの数字が入る。例えば、「1」は領域情報DBNo.1を、「2」は領域情報DBNo.2を、「3」は領域情報DBNo.3を、「4」は領域情報DBNo.4を意味する。
【0056】
ローカル部の左から二番目の数字はフレーム情報を指定するものであり、本実施形態においては、0から4のいずれかの数字が入る。例えば、「0」はフレーム情報を合成しないことを、「1」はフレーム情報DBNo.1を、「2」はフレーム情報DBNo.2を、「3」はフレーム情報DBNo.3を、「4」はフレーム情報DBNo.4を意味する。
【0057】
ローカル部の左から三番目の数字はスタンプ情報を指定するものであり、本実施形態においては、0から4のいずれかの数字が入る。例えば、「0」はスタンプ情報を合成しないことを、「1」はスタンプ情報DBNo.1を、「2」はスタンプ情報DBNo.2を、「3」はスタンプ情報DBNo.3を、「4」はスタンプ情報DBNo.4を意味する。
【0058】
ローカル部の左から四番目の数字は、画像データ加工プログラムに従ってCPU31にどのような視覚効果の処理をさせるか指定するものであり、本実施形態においては、0から4のいずれかの数字が入る。例えば、「0」は視覚効果の処理をしないことを、「1」は輝度調整を、「2」は輪郭補正を、「3」はセピア処理を、「4」はモノクロ処理を意味する。
【0059】
本実施形態においては、上記の各数字の組合せにより4桁のローカル部の組合せが500通りあるため、送信先メールアドレスとして全部で500のメールアドレスが存在している。
【0060】
このような画像データ処理システム1を利用してユーザがシール付写真用の画像データを作成する場合には、まず、各ユーザが、携帯電話機2のカメラ機能を用いて撮影した写真の画像データ等を添付した電子メールを作成し、複数の送信先メールアドレスのうちの一の送信先メールアドレス宛に当該電子メールを送信する。
【0061】
図8に示すように、画像データ処理サーバ3の通信部34が、システムユーザの携帯電話機2から送信された電子メールを受信すると(S101)、CPU31が当該電子メールから送信元メールアドレスに関する情報を抽出する(S102)。
【0062】
CPU31は、抽出された送信元メールアドレスに関する情報と、ユーザ情報DB354に格納されているユーザ情報とを照合し、当該送信元メールアドレスに関する情報が、ユーザ情報DB354に格納されているか否かを判定する(S103)。抽出された送信元メールアドレスに関する情報が、ユーザ情報DB354に格納されていないと判定された場合(S103,No)、エラーメッセージ付の電子メール(エラーメール)が生成され(S104)、当該エラーメールが抽出された送信元メールアドレス宛に送信される(S105)。
【0063】
一方、抽出された送信元メールアドレスに関する情報が、ユーザ情報DB354に格納されていると判定された場合(S103,Yes)、受信した電子メールに添付された画像データを処理前画像データとしてRAM33に記憶する(S106)。
【0064】
続いて、CPU31は、RAM33に記憶した処理前画像データのデータ形式が、所定の形式に適合するか否かをさらに判定する(S107)。例えば、当該処理前画像データのデータ形式が、JPEG形式等であるか否かを判定する。受信した電子メールに添付された処理前画像データのデータ形式が、所定の形式に適合しないと判定された場合(S107,No)、エラーメールが生成され(S104)、当該エラーメールが抽出された送信元メールアドレス宛に送信される(S105)。
【0065】
受信した電子メールに添付された処理前画像データのデータ形式が、所定の形式に適合すると判定された場合(S107,Yes)、CPU31は、当該電子メールから送信先メールアドレスに関する情報を抽出する(S108)。
【0066】
続いて、CPU31は、抽出した送信先メールアドレスのローカル部の左から4番目の数字が1〜4のいずれかの数字であるかどうかを判定する(S109)。抽出した送信先メールアドレスのローカル部の左から4番目の数字が1〜4のいずれかであると判定された場合(S109,Yes)、CPU31は、視覚効果付与処理を行う(S110)。
【0067】
視覚効果付与処理において、図9に示すように、CPU31は、判定した数字に対応する視覚効果を選択して(S110−1)、その選択した視覚効果の付与処理を画像データ加工プログラムに従って行い、処理前画像データを加工し、加工済み画像データを作成する(S110−2)。その後、CPU31は、視覚効果付与処理を終了する。
【0068】
抽出した送信先メールアドレスのローカル部の左から4番目の数字が1〜4のいずれかではない、すなわち、0であると判定された場合(S109,No)、視覚効果付与処理はされずに次のステップ(S110)はスキップされる。
【0069】
続いて、CPU31は、抽出した送信先メールアドレスのローカル部の左から3番目の数字が1〜4のいずれかの数字であるかどうかを判定する(S111)。抽出した送信先メールアドレスのローカル部の左から3番目の数字が1〜4のいずれかであると判定された場合(S111,Yes)、CPU31は、スタンプ情報合成処理を行う(S112)。
【0070】
スタンプ情報合成処理において、図10に示すように、CPU31は、判定した数字に対応するスタンプ情報を選択し(S112−1)、当該スタンプ情報を画像データ合成プログラムに従って処理前画像データ、または加工済み画像データに合成し、スタンプ情報合成済み画像データを作成する(S112−2)。
【0071】
抽出した送信先メールアドレスのローカル部の左から3番目の数字が1〜4のいずれかではない、すなわち、0であると判定された場合(S111,No)、スタンプ情報合成処理はされずに次のステップ(S112)はスキップされる。
【0072】
続いて、CPU31は、抽出した送信先メールアドレスのローカル部の左から2番目の数字が1〜4のいずれかの数字であるかどうかを判定する(S113)。抽出した送信先メールアドレスのローカル部の左から2番目の数字が1〜4のいずれかであると判定された場合(S113,Yes)、CPU31は、フレーム情報合成処理を行う(S114)。
【0073】
フレーム情報合成処理において、図11に示すように、CPU31は、判定した数字に対応するフレーム情報を選択し(S114−1)、当該フレーム情報を画像データ合成プログラムに従って処理前画像データ、加工済み画像データ、またはスタンプ情報合成済み画像データに合成し、フレーム情報合成済み画像データを作成する(S114−2)。
【0074】
抽出した送信先メールアドレスのローカル部の左から2番目の数字が1〜4のいずれかではない、すなわち、0であると判定された場合(S113,No)、フレーム情報合成処理はされずに次のステップ(S114)はスキップされる。
【0075】
続いて、CPU31は、抽出した送信先メールアドレスのローカル部の一番左の数字が1〜4のいずれであるかを判定する(S115)。CPU31は、判定した数字に対応する領域情報を選択し(S116)、当該領域情報に基づき、画像データ処理プログラムに従って、処理前画像データ、加工済み画像データ、スタンプ情報合成済み画像データ、またはフレーム情報合成済み画像データにより表される画像のサイズを変換した変換後画像データを作成し、当該変換後画像データによる表される画像が配置されてなる処理済み画像データを作成する(S117)。
【0076】
CPU31は、作成した処理済み画像データを添付した電子メールを作成し、抽出された送信元メールアドレス宛に通信部34を通じて当該電子メールを送信する(S118)。
【0077】
上述したように、携帯電話機2から送信された電子メールの送信先メールアドレスのローカル部の数字の組合せにより画像データ処理サーバ3の行う処理が指定されるため、画像データ処理サーバ3は携帯電話機2から送信された電子メールより送信元メールアドレス及び送信先メールアドレスを抽出しさえすれば、ユーザの好みに合わせたシール付写真用の画像データを作成して、ユーザの携帯電話機2に返信することができる。ユーザからすると、シール付写真にしたい画像の画像データを添付した電子メールを作成する際に、送信先メールアドレスを選択するだけで、自分の好みに合わせたシール付写真用の処理済み画像データを手軽に入手することができる。
【0078】
処理済み画像データを添付した電子メールを受け取ったユーザは、例えば、Bluetooth規格の無線通信機能を搭載したプリンターであって、粘着シールの台紙に画像を印刷可能なプリンター(図示せず)を用意し、Bluetooth規格の無線通信機能を利用して携帯電話機2から当該プリンターに画像データを送信すれば、手軽に処理済み画像データによるシール付写真を作成することができる。
【0079】
〔第2の実施形態〕
図12は本発明の第2の実施形態に係る画像データ処理システムを示す概略構成図であり、図13は同実施形態における画像データ処理サーバのデータ処理工程を示すフローチャートである。
【0080】
図12に示すように、本実施形態に係る画像データ処理システム1Aは、複数の携帯情報端末2Aと、画像データ処理サーバ3Aと、ウェブサーバ5Aとを備え、各携帯情報端末2Aと画像データ処理サーバ3Aおよびウェブサーバ5Aとは、インターネット等の電気通信回線4Aを介して通信可能に接続されてなる。
【0081】
携帯情報端末2Aは、第1の実施形態における携帯情報端末2と同様に、インターネット等の電気通信回線4Aを介して電子メールによる通信が可能なものであれば特に限定されるものではない。本実施形態においては、カメラ機能、Bluetooth規格の無線通信機能、画像データ合成機能および画像データ加工機能を有する携帯電話機を例に挙げて説明する。
【0082】
携帯電話機2Aの画像データ合成機能は、各ユーザが携帯電話機2Aのカメラ機能を用いて撮影した写真に、図5に示したようなフレーム画像や図6に示したようなスタンプ画像を合成した画像データを作成するものであり、携帯電話機2Aに画像データ合成用アプリケーションソフトをインストールすることにより具備される。フレーム画像やスタンプ画像に関する情報は、インターネット等の電気通信回線4Aを介して、後述するウェブサーバ5Aから取得される。
【0083】
携帯電話機2Aの画像データ加工機能は、各ユーザが携帯電話機2Aのカメラ機能を用いて撮影した写真の画像データ、または、その写真にフレーム画像やスタンプ画像を合成した画像データにより表される画像に対して、輝度調整、輪郭補正、セピア処理、モノクロ処理等の視覚効果を付与した画像データを作成するものであり、携帯電話機2Aに画像データ加工用アプリケーションソフトをインストールすることにより具備される。
【0084】
画像データ処理サーバ3Aは、CPU31Aと、ROM32Aと、RAM33Aと、通信部34Aと、画像データ処理用データベース35Aとを備えており、ROM32Aに画像データ合成プログラムおよび画像データ加工プログラムが記憶されていないこと、および、画像データ処理用データベース35Aにフレーム情報DB352およびスタンプ情報DB353が設けられていないことを除けば、第1の実施形態に係る画像データ処理サーバ3と同様の構成となっている。
【0085】
ウェブサーバ5Aは、CPUやROM、RAM等からなる制御部と、電気通信回線4Aを介して外部端末との間で通信を行う通信部と、複数のフレーム画像およびスタンプ画像に関する情報が記憶されている記憶部とを備えている。携帯電話機2Aの各ユーザは、インターネット等の電気通信回線4Aを介してウェブサーバ5Aに携帯電話機2Aを接続し、記憶部に記憶された複数のフレーム画像およびスタンプ画像に関する情報から必要なものを取得することができる。
【0086】
携帯電話機2Aから画像データ処理サーバ3Aに送信される、画像データを添付した電子メールの送信先メールアドレスは、第1の実施形態における送信先メールアドレスと異なり、ローカル部が1桁の数字から構成されている。その1桁の数字は領域情報を指定する役割を担っている。
【0087】
本実施形態においては、ローカル部に1から4のいずれかの数字が入り、「1」は領域情報DBNo.1を、「2」は領域情報DBNo.2を、「3」は領域情報DBNo.3を、「4」は領域情報DBNo.4を意味する。すなわち、送信先メールアドレスは全部で4つのみ存在する。
【0088】
このような画像データ処理システム1Aを利用してユーザがシール付写真用の画像データを作成する場合には、第1の実施形態の画像データシステム1Aと異なり、まず各ユーザがウェブサーバ5Aにアクセスし、携帯電話機2Aのカメラ機能を用いて撮影した写真に合成したいフレーム画像やスタンプ画像に関する情報を取得する。
【0089】
続いて、携帯電話機2Aに具備された画像データ合成機能が、各ユーザが携帯電話機2Aのカメラ機能を用いて撮影した写真に、取得したフレーム画像やスタンプ画像に関する情報により表される画像を合成した画像データを作成したり、携帯電話機2Aに具備された画像データ加工機能が、各ユーザが携帯電話機2Aのカメラ機能を用いて撮影した写真の画像データ、または、その写真にフレーム画像やスタンプ画像に関する情報により表される画像を合成した画像データにより表される画像に対して、輝度調整、輪郭補正、セピア処理、モノクロ処理等の視覚効果を付与した画像データを作成したりする。
【0090】
各ユーザは、上記のようにして作成した画像データを添付した電子メールを作成し、複数の送信先メールアドレスのうちの一の送信先メールアドレスに当該電子メールを送信する。
【0091】
図13に示すように、画像データ処理サーバ3Aの通信部34Aが、ユーザの携帯電話機2Aから送信された電子メールを受信すると(S201)、CPU31Aが当該電子メールから送信元メールアドレスに関する情報を抽出する(S202)。
【0092】
CPU31Aは、抽出された送信元メールアドレスに関する情報と、ユーザ情報DB354に格納されているユーザ情報とを照合し、当該送信元メールアドレスに関する情報が、ユーザ情報DB354に格納されているか否かを判定する(S203)。抽出された送信元メールアドレスに関する情報が、ユーザ情報DB354に格納されていないと判定された場合(S203,No)、エラーメッセージ付の電子メール(エラーメール)が生成され(S204)、当該エラーメールが抽出された送信元メールアドレス宛に送信される(S205)。
【0093】
一方、抽出された送信元メールアドレスに関する情報が、ユーザ情報DB354に格納されていると判定された場合(S203,Yes)、受信した電子メールに添付された画像データを処理前画像データとしてRAM33Aに記憶する(S206)。
【0094】
続いて、CPU31Aは、RAM33Aに記憶した処理前画像データのデータ形式が、所定の形式に適合するか否かをさらに判定する(S207)。例えば、当該処理前画像データのデータ形式が、JPEG形式等であるか否かを判定する。受信した電子メールに添付された処理前画像データのデータ形式が、所定の形式に適合しないと判定された場合(S207,No)、エラーメールが生成され(S204)、当該エラーメールが抽出された送信元メールアドレス宛に送信される(S205)。
【0095】
受信した電子メールに添付された処理前画像データのデータ形式が、所定の形式に適合すると判定された場合(S207,Yes)、CPU31Aは、当該電子メールから送信先メールアドレスに関する情報を抽出する(S208)。
【0096】
続いて、CPU31Aは、抽出した送信先メールアドレスのローカル部の数字が1〜4のいずれであるかを判定する(S209)。CPU31Aは、判定した数字に対応する領域情報を選択し(S210)、当該領域情報に基づき、画像データ処理プログラムに従って、処理前画像データにより表される画像のサイズを変換した変換後画像データを作成し、当該変換後画像データによる表される画像が配置されてなる処理済み画像データを作成する(S211)。
【0097】
CPU31Aは、作成した処理済み画像データを添付した電子メールを作成し、抽出された送信元メールアドレス宛に通信部34Aを通じて当該電子メールを送信する(S212)。
【0098】
本実施形態においては、上述したように、前もってユーザが自分の携帯電話機2A上でフレーム画像やスタンプ画像の合成、視覚効果を付与する画像データ加工を行っており、それらの処理を行ったあとで画像データを電子メールに添付して画像データ処理サーバ3Aに送信するため、画像データ処理サーバ3Aにかかる負荷は第1の実施形態におけるものよりもかなり軽減される。
【0099】
処理済み画像データを添付した電子メールを受け取ったユーザは、例えば、Bluetooth規格の無線通信機能を搭載したプリンターであって、粘着シールの台紙に画像を印刷可能なプリンター(図示せず)を用意し、Bluetooth規格の無線通信機能を利用して携帯電話機2Aから当該プリンターに画像データを送信すれば、手軽に処理済み画像データによるシール付写真を作成することができる。
【0100】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0101】
例えば、ユーザがウェブページ等に携帯電話機からアクセスして画像データをウェブページ上に一旦アップロードし、当該画像データに任意の文字や絵等を手書きする落書き機能を、画像データ処理サーバが備えていてもよいし、当該機能を有する別個のサーバを画像データ処理システムがさらに備えていてもよい。このような構成とすることで、ユーザは、より自分の好みに合わせたシール付写真用の画像を入手することができるようになる。
【0102】
また、上記実施形態においては、携帯電話機2および2Aから画像データ処理サーバ3および3Aに、電子メールの添付ファイルとして写真データを送信しているが、これに限定されるものではなく、例えば、ウェブページ等に携帯電話機2および2Aからアクセスし、画像データを直接送信するようにしてもよい。この場合、画像データを送信した携帯電話機2および2Aを特定するために、ウェブページにアクセスする際のID及びパスワードを予め設定し、当該ID及びパスワードに関する情報とユーザ情報とを関連付けて記憶しておけばよい。また、上記実施形態において送信先メールアドレスのローカル部が果たす役割を補完するために、ウェブページ上で領域情報やフレーム情報、スタンプ情報を選択するインターフェースを設けておけばよい。
【0103】
さらに、上記第1の実施形態において、視覚効果を付与処理するステップ、スタンプ情報を合成するステップ、フレーム情報を合成するステップ、および画像データにより表される画像のサイズを変換した変換後画像データを作成し、当該変換後画像データによる表される画像を配置して処理済み画像データを作成するステップは、この順序で処理されるものに限られず、これらのステップの順序を入れ替えてもよい。
【0104】
また、上記第2の実施形態において、画像データ処理サーバ3Aにて行っているユーザの確認を、各ユーザがウェブサーバ5Aにアクセスする際に行うようにしてもよい。
【0105】
さらに、上記第2の実施形態において、あらかじめフレーム画像およびスタンプ画像に関する情報を携帯電話機2Aに記憶させておいてもよいし、画像データ処理システム1Aにおいて、ウェブサーバ5Aが備えられていなくてもよい。
【0106】
なお、上記実施形態においては、処理済み画像データを添付した電子メールを受け取ったユーザは、処理済み画像データにより表される画像を当該粘着シールの台紙に印刷しているが、印刷する対象はこれに限られるものではなく、例えば、通常の写真プリント用紙、事務用紙、または厚紙などに印刷してもよいし、DVDやCDの印刷面に印刷してもよい。更に、衣服、鞄、プラスティック製品などに印刷してもよいし、金属製品や革製品、食品などに印刷してもよい。
【符号の説明】
【0107】
1,1A…画像データ処理システム
2,2A…携帯電話機(携帯情報端末)
3,3A…画像データ処理サーバ
31,31A…CPU
32,32A…ROM
33,33A…RAM
34,34A…通信部
35,35A…画像データ処理用データベース
351…領域情報DB
352…フレーム情報DB
353…スタンプ情報DB
354…ユーザ情報DB
4,4A…電気通信回線
5A…ウェブサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末と電気通信回線を通じて接続される画像データ処理サーバであって、
前記携帯情報端末から送信された、処理前画像データが添付された電子メールを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記電子メールに添付された前記処理前画像データにより表される画像のサイズを変換した変換後画像データを作成し、前記変換後画像データにより表される画像が複数箇所に配置されてなる処理済み画像データを作成する画像データ処理手段と、
前記画像データ処理手段により作成した前記処理済み画像データを添付した電子メールを前記携帯情報端末の電子メールアドレス宛に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像データ処理サーバ。
【請求項2】
前記変換後画像データにより表される画像を配置する領域に関する領域情報を複数記憶する領域情報記憶手段と、
前記領域情報記憶手段において記憶された複数の領域情報のうちから一の領域情報を選択する領域情報選択手段と、を備え、
前記画像データ処理手段は、前記領域情報選択手段によって選択された領域情報に基づいて前記変換後画像データを作成し、前記領域情報選択手段によって選択された領域情報に基づいて前記変換後画像データにより表される画像を配置して前記処理済み画像データを作成することを特徴とする請求項1に記載の画像データ処理サーバ。
【請求項3】
前記携帯情報端末から電子メールを送信するための送信先電子メールアドレスが複数存在し、
前記領域情報記憶手段は、前記複数の領域情報のそれぞれを、前記複数の送信先電子メールアドレスのうちの一の送信先電子メールアドレスに対して一の領域情報を関連付けるように記憶し、
前記領域情報選択手段は、前記携帯情報端末から前記複数の送信先電子メールアドレスのうちの一の送信先電子メールアドレス宛てに前記処理前画像データが添付された電子メールが送信されると、前記領域情報記憶手段において前記一の送信先電子メールアドレスに関連付けて記憶された一の領域情報を選択することを特徴とする請求項2に記載の画像データ処理サーバ。
【請求項4】
画像データに合成可能な付加情報を、前記処理前画像データ、前記変換後画像データ、および前記処理済み画像データのうちの少なくとも一つの画像データに合成する付加情報合成手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像データ処理サーバ。
【請求項5】
複数の前記付加情報を記憶する付加情報記憶手段と、
前記付加情報記憶手段において記憶された複数の付加情報のうちから一又は二以上の付加情報を選択する付加情報選択手段と、を備え、
前記付加情報合成手段は、前記付加情報選択手段において選択された一又は二以上の付加情報を、前記処理前画像データ、前記変換後画像データ、および前記処理済み画像データのうちの少なくとも一つの画像データに合成することを特徴とする請求項4に記載の画像データ処理サーバ。
【請求項6】
前記処理前画像データ、前記変換後画像データ、および前記処理済み画像データのうちの少なくとも一つの画像データにより表される画像に対して視覚効果を付与する処理を行う画像データ加工手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像データ処理サーバ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の画像データ処理サーバと、
前記画像データ処理サーバに電気通信回線を通じて接続された携帯情報端末と、
を備えることを特徴とする画像データ処理システム。
【請求項8】
請求項1から3のいずれかに記載の画像データ処理サーバと、
前記画像データ処理サーバに電気通信回線を通じて接続された携帯情報端末と、を備え、
前記携帯情報端末は、画像データに合成可能な付加情報を前記処理前画像データに合成する付加情報合成機能を備え、前記付加情報合成機能により付加情報が合成された処理前画像データを添付した電子メールを、前記画像データ処理サーバに宛てて送信することを特徴とする画像データ処理システム。
【請求項9】
前記携帯情報端末と電気通信回線を通じて接続されるウェブサーバをさらに備え、
前記ウェブサーバは、複数の前記付加情報を記憶する付加情報記憶手段を備え、
前記携帯情報端末は、前記付加情報記憶手段において記憶された複数の前記付加情報のうち一または二以上の前記付加情報を前記ウェブサーバより取得し、
前記付加情報合成機能は、取得した一または二以上の前記付加情報を前記処理前画像データに合成することを特徴とする請求項8に記載の画像データ処理システム。
【請求項10】
前記携帯情報端末は、前記処理前画像データにより表される画像に対して視覚効果を付与する処理を行う画像データ加工機能を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の画像データ処理システム。
【請求項11】
請求項7から10のいずれかに記載の画像データ処理システムと、
前記携帯情報端末から前記処理済み画像データを受信し、前記処理済み画像データにより表される画像を印刷可能である印刷装置と、
を備えることを特徴とする画像印刷システム。
【請求項12】
前記印刷装置は、前記処理済み画像データにより表される画像を粘着シールの表面に印刷可能であることを特徴とする請求項11に記載の画像印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−55290(P2011−55290A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202929(P2009−202929)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(509007724)
【Fターム(参考)】