説明

画像データ送信装置、画像処理システム及び画像データ送受信装置

【課題】プリント装置とコントロール装置との間で通信ケーブルがどのような形態で接続された場合にも、プリント装置に設けられた各々の受信手段に、適切な色の画像データを高速で送信する処理を簡易な構成で実現する。
【解決手段】コントロール装置とプリント装置との間は着脱自在の2本の通信ケーブルを介して接続される。デバイスドライバ部は、通信ケーブルを介してコマンド制御部がプリントコマンド制御部に接続された画像処理部を特定し、その画像処理部に対してはYMの画像データを供給し、それ以外の画像処理部に対してはCKの画像データを供給する。画像処理部は、制御コマンドに従って、デバイスドライバ部によって供給された画像データを、通信ケーブルを介して自身と接続されたプリント装置のYMプリント通信部又はCKプリント通信部に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ送信装置、画像処理システム及び画像データ送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能化を目的として、プリントエンジンを備えるプリント装置と、このプリント装置に画像データを供給するコントロール装置とを、それぞれ別々の装置として構成し、これらを通信ケーブルで接続して利用する画像形成システムがある。特許文献1には、この通信ケーブルの誤接続を検出するための技術が開示されている。また、特許文献2には、プリント装置に設けられたY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)毎のプリントインタフェースに対して、コントロール装置に設けられた4つのインタフェースから、適切な色の画像データを送信する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−231229号公報
【特許文献2】特開2004−287520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した特許文献2に記載の技術において、コントロール装置は、各々のプリントインタフェースが取り扱う画像データの色を表す処理色情報をプリント装置から取得することにより、各々のプリントインタフェースに対して適切な色の画像データを送信している。すなわち、コントロール装置は、画像データを送信する際には、プリント装置から処理色情報を取得するという処理を行わなければならないため、画像データを送信する処理に遅延が生じ、プリント装置に画像データが送信されるまでに要する時間が長くなってしまう。
【0004】
また、上述した画像システムにおいて、構成を簡素化するために、画像データを送信するインタフェースと、画像データの送信を制御するための制御コマンドを遣り取りするインタフェースとを兼用する場合がある。例えば、プリント装置に、YMの画像データを取り扱うプリントインタフェースAと、CKの画像データを取り扱うプリントインタフェースBとを設け、コントロール装置に、YM又はCKのいずれかの画像データを送信する2つのコントロールインタフェースA,Bを設けるといった構成を想定する。この構成において、例えばプリントインタフェースAとコントロールインタフェースAとは、画像データの送信の他に、制御コマンドの遣り取りも行うようにする。この場合、プリント装置とコントロール装置とを接続する通信ケーブルは着脱自在になっているため、この通信ケーブルは、利用者によって繋ぎ変えられることがある。例えば、利用者によって、プリント装置のプリントインタフェースA(制御コマンドの解釈可)とコントロール装置のコントロールインタフェース部A(制御コマンドの解釈可)とが接続された場合には、これらのインタフェース間では制御コマンドの遣り取りを正常に行うことができるため、この制御コマンドに従ってコントロール装置からプリント装置に画像データが送信されることになる。一方、利用者によって、プリント装置のプリントインタフェースA(制御コマンドの解釈可)とコントロール装置のコントロールインタフェースB(制御コマンドの解釈不可)とが通信ケーブルで接続された場合には、これらのインタフェース間で制御コマンドの遣り取りを行うことができないため、コントロール装置からプリント装置に画像データが送信されないという問題が起こる。
【0005】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、プリント装置などの処理装置とコントロール装置などの画像データ送信装置との間で通信線がどのような形態で接続された場合にも、処理装置に設けられた各々の受信手段に、適切な色の画像データを高速で送信する処理を簡易な構成で実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、画像データに応じた処理を行う処理装置に設けられた複数の受信手段に対し、着脱自在の通信線を介してそれぞれ接続され、前記通信線経由で前記受信手段に情報を送信する複数の送信手段と、前記複数の受信手段のうちのいずれかは、前記送信手段から前記受信手段への情報の送信を制御するための制御情報を受信して解釈する制御受信手段であり、前記複数の送信手段の中から、前記制御受信手段に前記通信線を介して接続された前記送信手段を特定する特定手段と、色別に区分された画像データのうち、前記特定手段によって特定された前記送信手段と、前記特定手段によって特定された前記送信手段以外の送信手段とに対して、それぞれ決められた色の画像データを供給する供給手段とを備え、各々の前記送信手段は、前記特定手段によって特定された送信手段が前記制御受信手段と遣り取りした制御情報に従って、前記供給手段によって供給される画像データを前記通信線経由で自身に接続された前記受信手段に送信することを特徴とする画像データ送信装置を提供する。
【0007】
本発明の好ましい態様において、前記特定手段によって特定された送信手段は、前記制御受信手段と遣り取りした制御情報を、自身以外の前記送信手段に通知し、前記制御情報が通知された前記送信手段は、当該制御情報に従って画像データを送信してもよい。
【0008】
本発明の好ましい態様において、前記特定手段によって特定された送信手段は、前記制御受信手段と遣り取りした制御情報を、前記供給手段を経由する第1の通信路又は前記供給手段を経由しない第2の通信路のいずれか一方を用いて、自身以外の前記送信手段に通知し、当該通知が正常に行われなかった場合には、当該制御情報を他方の前記通信路を用いて自身以外の前記送信手段に通知してもよい。
【0009】
また、本発明は、上記いずれかに記載の画像データ送信装置と、前記画像データ送信装置の前記送信手段によって送信された画像データに応じた処理を行う処理装置とを備えることを特徴とする画像処理システムを提供する。
【0010】
また、本発明は、画像データに応じた処理を行う処理装置に設けられた送信手段及び複数の受信手段に対し、着脱自在の通信線を介してそれぞれ接続され、前記通信線経由で前記送信手段又は受信手段と情報を送受信する複数の送受信手段と、各々の前記送受信手段が、前記送信手段又は前記受信手段のうちのどちらに接続されているかを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記送信手段に接続されていると判定された前記送受信手段が、前記送信手段から前記送受信手段への情報の送信を制御するための第1の制御情報に従って当該送信手段から当該送受信手段に送信されてきた画像データを取得する取得手段と、前記複数の受信手段のうちのいずれかは、前記送受信手段から前記受信手段への情報の送信を制御するための第2の制御情報を受信して解釈する制御受信手段であり、前記複数の送受信手段の中から、前記制御受信手段に前記通信線を介して接続された前記送受信手段を特定する特定手段と、前記取得手段によって取得された画像データに基づいて色別に区分された画像データのうち、前記特定手段によって特定された前記送受信手段と、前記特定手段によって特定された前記送受信手段以外の送受信手段とに対して、それぞれ決められた色の画像データを供給する供給手段とを備え、前記判定手段によって前記受信手段に接続されていると判定された各々の前記送受信手段は、前記特定手段によって特定された送受信手段が前記制御受信手段と遣り取りした第2の制御情報に従って、前記供給手段によって供給される画像データを前記通信線経由で自身に接続された前記受信手段に送信することを特徴とする画像データ送受信装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、上記記載の画像データ送受信装置と、前記送信手段及び前記受信手段を備え、原稿画像を読み取って当該原稿画像を表す画像データを生成し、生成した画像データを前記送信手段から前記画像データ送受信装置に送信し、さらに前記画像データ送受信装置の前記送受信手段から送信されてきた画像データを前記受信手段によって受信し、受信した画像データに応じた処理を行う処理装置とを備えることを特徴とする画像処理システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プリント装置などの処理装置とコントロール装置などの画像データ送信装置との間で通信線がどのような形態で接続された場合にも、処理装置に設けられた各々の受信手段に、適切な色の画像データを高速で送信する処理を簡易な構成で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[構成]
図1は、本発明の一実施形態である画像処理システム1の構成を示す図である。同図に示すように、画像処理システム1は、プリント装置10とコントロール装置20とを備えており、プリント装置10とコントロール装置20とは、着脱可能な2本の通信ケーブルCで接続されている。このコントロール装置20は、プリント装置10に画像データを送信する画像データ送信装置として機能する。また、プリント装置10は、コントロール装置20から送信されてきた画像データに応じた処理を行う処理装置として機能する。
【0014】
図2は、利用者によって、プリント装置10とコントロール装置20との間を接続する通信ケーブルCが繋ぎ変えられたときの画像処理システム1の構成を示す図である。図1に示した構成では、通信ケーブルCを介して、画像処理部2AとYMプリント通信部12A、画像処理部2BとCKプリント通信部12Bとが接続されていた。一方、図2に示す構成では、通信ケーブルCを介して、画像処理部2AとCKプリント通信部12B、画像処理部2BとYMプリント通信部12Aとが接続されている。その他の構成については、図1に示す構成と図2に示す構成とで共通である。
【0015】
次に、図1及び図2を参照して、画像処理システム1を構成する各部について詳細に説明する。
プリント装置10は、いわゆるタンデム方式のプリント装置であり、プリントコマンド制御部11と、YMプリント通信部12Aと、CKプリント通信部12Bと、画像形成部13とを備えている。本実施形態において、プリントコマンド制御部11は、YMプリント通信部12Aに接続されている。プリントコマンド制御部11は、YMプリント通信部12Aを用いて、画像データの送信を制御するための制御コマンドを、コントロール装置20のコマンド制御部24A又は24Bと遣り取りする。そして、プリントコマンド制御部11は、YMプリント通信部12Aを用いて、コマンド制御部24A又は24Bから送信されてきた制御コマンドを受信し解釈して、その制御コマンドによって要求された処理をプリント装置10の各部に指示する。つまり、YMプリント通信部12Aは、画像処理部2A,2Bなどの送信手段からYMプリント通信部12A,CKプリント通信部12Bなどの受信手段への情報の送信を制御するための制御情報を受信して解釈する制御受信手段として機能する。YMプリント通信部12Aは、上述した制御コマンドの遣り取りに加えて、コントロール装置20の画像処理部2A又は2Bから送信されてきたY(イエロー)とM(マゼンタ)の画像データを受信し、受信したYMの画像データを画像形成部13に供給する。CKプリント通信部12Bは、コントロール装置20の画像処理部2A又は2Bから送信されてきたC(シアン)とK(ブラック)の画像データを受信し、受信したCKの画像データを画像形成部13に供給する。画像形成部13は、YMCK各色のタンデムエンジンを備えており、供給されたYMCKの画像データに応じた画像を用紙に形成する。画像形成部13によって画像が形成された用紙は、印刷物として出力される。
【0016】
コントロール装置20は、画像展開部21と、デバイスドライバ部22と、画像処理部2A,2Bとを備えている。デバイスドライバ部22は、例えばCPU(Central Processing Unit)がメモリに記憶されているデバイスドライバプログラムを実行することによって実現される。画像処理部2A,2Bは、それぞれPCI(Peripheral Components Interconnect)バスを介してCPUと接続されるPCIデバイスである。画像処理部2Aは、コントロール通信部23Aと、コマンド制御部24Aと、画像メモリ25Aと、色処理部26Aとを備えている。また、画像処理部2Bは、コントロール通信部23Bと、コマンド制御部24Bと、画像メモリ25Bと、色処理部26Bとを備えている。なお、以下の説明では、画像処理部2A,2Bを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「画像処理部2」と呼ぶ。同様にして、特に区別する必要がない場合には、コントロール通信部23A,23Bを「コントロール通信部23」と呼び、コマンド制御部24A,24Bを「コマンド制御部24」と呼び、画像メモリ25A,25Bを「画像メモリ25」と呼び、色処理部26A,26Bを「色処理部26」と呼ぶ。
【0017】
画像展開部21は、図示せぬ端末装置から送信されてきたPDL(Page Description Language)データを解釈して、YMCK各色の画像データに展開する。このPDLデータは、ページ記述言語で記述されたデータである。デバイスドライバ部22は、プリント装置10とコントロール装置20との間の通信ケーブルCが接続されると、コマンド制御部24がプリントコマンド制御部11に接続されている画像処理部2を特定する。この特定方法については、後述にて詳細に説明する。すなわち、デバイスドライバ部22は、画像処理部2A,2Bなどの複数の送信手段の中から、YMプリント通信部12Aなどの制御受信手段に通信線を介して接続された送信手段を特定する特定手段として機能する。さらに、デバイスドライバ部22は、画像展開部21からYMCKの画像データが供給されると、予め記憶されている画像データ供給テーブルTに基づいて、各々の画像処理部2に画像データを供給する。すなわち、デバイスドライバ部22は、色別に区分された画像データのうち、特定手段によって特定された画像処理部2などの送信手段と、特定手段によって特定された送信手段以外の送信手段とに対して、それぞれ決められた色の画像データを供給する供給手段として機能する。
【0018】
ここで、画像データ供給テーブルTの内容について説明する。図3は、画像データ供給テーブルTの一例を示す図である。図中の「接続」は、画像処理部2のコマンド制御部24がプリントコマンド制御部11に接続されていることを表しており、「未接続」は、画像処理部2のコマンド制御部24がプリントコマンド制御部11に接続されていないことを表している。例えば、図1に示すように、画像処理部2Aのコマンド制御部24Aが、プリントコマンド制御部11に接続されている場合には、画像処理部2Aが「接続」になり、画像処理部2Bが「未接続」になる。この場合には、「画像処理部2A」に「YMの画像データ」が供給され、「画像処理部2B」に「CKの画像データ」が供給される。一方、図2に示すように、画像処理部2Bのコマンド制御部24Bが、プリントコマンド制御部11に接続されている場合には、画像処理部2Aが「未接続」になり、画像処理部2Bが「接続」になる。この場合には、「画像処理部2A」に「CKの画像データ」が供給され、「画像処理部2B」に「YMの画像データ」が供給される。なお、コントロール装置20とプリント装置10とを接続する通信ケーブルCが抜けていたり、あるいはプリント装置10の電源が入っていなかったりすることにより、画像処理部2A,2Bともに「未接続」である場合には、いずれの画像処理部2にも画像データが供給されず、利用者に異常を通知するなどの処理が行われる。
【0019】
図1及び図2の説明に戻る。プリントコマンド制御部11に接続されているコマンド制御部24は、自身に接続されたコントロール通信部23を用いて、画像データの送信を制御するための制御コマンドをプリント装置10のプリントコマンド制御部11と遣り取りする。そして、このコマンド制御部24は、自身に接続されたコントロール通信部23を用いて、プリントコマンド制御部11から送信されてきた制御コマンドを受信して解釈し、画像処理部2の各部に対して、その制御コマンドによって要求された画像データの送信指示を行う。画像メモリ25は、デバイスドライバ部22から供給される画像データを記憶する。色処理部26は、コマンド制御部24の指示に従って、画像メモリ25から画像データを読み出し、読み出した画像データに対して各種の画像処理を施す。例えば、色処理部26は、プリント装置10の画像形成部13の特性に応じた色補正処理などを施す。コントロール通信部23は、色処理部26によって画像処理が施された画像データを、通信ケーブルCを介して接続されたYMプリント通信部12A又はCKプリント通信部12Bに送信する。
【0020】
[動作]
次に、上述した構成による画像処理システム1の動作について説明する。
(通信ケーブル接続時の処理)
まず、図4を参照して、プリント装置10とコントロール装置20との間が通信ケーブルCで接続された際の処理について説明する。
利用者によってプリント装置10とコントロール装置20との間が通信ケーブルCで接続されると、コントロール装置20のコマンド制御部24A,24Bはそれぞれ、接続されたコントロール通信部23A,23Bを用いて、プリント装置10のプリントコマンド制御部11と接続されているか否かを調べるための接続確認コマンドをプリントコマンド制御部11に送信する(ステップS110)。このときに、一方のコントロール通信部23から送信された接続確認コマンドはプリントコマンド制御部11に到達するが、他方のコントロール通信部23から送信された接続確認コマンドは、プリントコマンド制御部11に到達しないまま破棄される。例えば、図1に示した構成では、コマンド制御部24Aによって送信された接続確認コマンドは、YMプリント通信部12Aを介してプリントコマンド制御部11に到達する。一方、コマンド制御部24Bによって送信された接続確認コマンドは、CKプリント通信部12Bの先にプリントコマンド制御部11が接続されていないため、プリントコマンド制御部11に到達しないまま破棄される。これに対し、図2に示した構成では、コマンド制御部24Bによって送信された接続確認コマンドは、プリント通信部12Aを介してプリントコマンド制御部11に到達する。一方、コマンド制御部24Aによって送信された接続確認コマンドは、CKプリント通信部12Bの先にプリントコマンド制御部11が接続されていないため、プリントコマンド制御部11に到達しないまま破棄される。
【0021】
プリントコマンド制御部11は、コマンド制御部24から送信されてきたいずれか一方の接続確認コマンドを受信し、YMプリント通信部12Aを用いて、受信した接続確認コマンドの送信元のコマンド制御部24に応答コマンドを返信する(ステップS120)。例えば、図1に示した構成では、コマンド制御部24Aによって送信された接続確認コマンドがプリントコマンド制御部11に受信されるため、その接続確認コマンドの送信元であるコマンド制御部24Aに応答コマンドが返信される。一方、図2に示した構成では、コマンド制御部24Bによって送信された接続確認コマンドがプリントコマンド制御部11に受信されるため、その接続確認コマンドの送信元であるコマンド制御部24Bに応答コマンドが返信される。
【0022】
コントロール装置20のコマンド制御部24A,24Bは、プリントコマンド制御部11から応答コマンドが送信されてきたか否かに基づいて、自身がプリントコマンド制御部11に接続されているか否かを判定する(ステップS130)。例えば、図1に示した構成では、応答コマンドがコマンド制御部24Aに返信されるため、コマンド制御部24Aは、プリントコマンド制御部11に接続されていると判定し、コマンド制御部24Bは、プリントコマンド制御部11に接続されていないと判定する。一方、図2に示した構成では、応答コマンドがコマンド制御部24Bに返信されるため、コマンド制御部24Bは、プリントコマンド制御部11に接続されていると判定し、コマンド制御部24Aは、プリントコマンド制御部11に接続されていないと判定する。この判定において、プリントコマンド制御部11に接続されていると判定したコマンド制御部24は、後述する処理において、プリントコマンド制御部11と制御コマンドの遣り取りを行うことになる。一方、この判定において、プリントコマンド制御部11に接続されていないと判定したコマンド制御部24は、プリントコマンド制御部11との制御コマンドの遣り取りを行わない。
【0023】
続いて、コマンド制御部24は、この判定結果をデバイスドライバ部22に通知する(ステップS140)。デバイスドライバ部22は、コマンド制御部24から通知された判定結果に基づいて、プリントコマンド制御部11に接続されているコマンド制御部24を備える画像処理部2を特定する(ステップS150)。例えば、図1に示した構成では、コマンド制御部24Aからは、プリントコマンド制御部11に接続されていることを表す判定結果が通知され、コマンド制御部24Bからは、プリントコマンド制御部11に接続されていないことを表す判定結果が通知される。この場合、デバイスドライバ部22は、プリントコマンド制御部11に接続されているコマンド制御部24を備える画像処理部2として、画像処理部2Aを特定する。一方、例えば図2に示した構成では、コマンド制御部24Aからは、プリントコマンド制御部11に接続されていないことを表す判定結果が通知され、コマンド制御部24Bからは、プリントコマンド制御部11に接続されていることを表す判定結果が通知される。この場合、デバイスドライバ部22は、プリントコマンド制御部11に接続されているコマンド制御部24を備える画像処理部2として、画像処理部2Bを特定する。
上述したステップS110〜S150の処理は、利用者によって通信ケーブルCが繋ぎ直される度あるいは電源が投入される度に実行される。
【0024】
(画像データ供給処理)
次に、図5を参照して、コントロール装置20からプリント装置10に画像データを供給する処理について説明する。
端末装置からPDLデータが送信されてくると、画像展開部21は、そのPDLデータをYMCK各色の画像データに展開する(ステップS210)。画像展開部21によって展開されたYMCKの画像データは、デバイスドライバ部22に供給される。デバイスドライバ部22は、画像展開部21からYMCKの画像データが供給されると、画像データ供給テーブルTに基づいて、各々の画像処理部2に決められた色の画像データを供給する(ステップS220)。ここでは、図3に示した画像データ供給テーブルTが記憶されている場合の動作を例に挙げて説明する。例えば、図1に示した構成では、上述したステップS150において、プリントコマンド制御部11に接続されているコマンド制御部24を備える画像処理部2として画像処理部2Aが特定されるため、画像処理部2Aが「接続」、画像処理部2Bが「未接続」となる。この場合、デバイスドライバ部22は、図3に示した画像データ供給テーブルTに基づいて、「画像処理部2A」に対しては「YMの画像データ」を供給し、「画像処理部2B」に対しては「CKの画像データ」を供給する。一方、図2に示した構成では、上述したステップS150において、プリントコマンド制御部11に接続されているコマンド制御部24を備える画像処理部2として画像処理部2Bが特定されるため、画像処理部2Aが「未接続」、画像処理部2Bが「接続」となる。この場合、デバイスドライバ部22は、図3に示した画像データ供給テーブルTに基づいて、「画像処理部2A」に対しては「CKの画像データ」を供給し、「画像処理部2B」に対しては「YMの画像データ」を供給する。つまり、デバイスドライバ部22は、YMの画像データを、コマンド制御部11に接続されている画像処理部2に供給し、CKの画像データをそれ以外の画像処理部2に供給することになる。
【0025】
デバイスドライバ部22から画像データが供給されると、画像処理部2は、供給された画像データを自身が備える画像メモリ25に記憶させる(ステップS230)。これにより、例えば図1に構成では、画像メモリ25AにYMの画像データが記憶され、画像メモリ25BにCKの画像データが記憶される。一方、図2に示した構成では、画像メモリ25AにCKの画像データが記憶され、画像メモリ25BにYMの画像データが記憶される。
【0026】
デバイスドライバ部22から供給された画像データが画像メモリ25に記憶されると、上述したステップS130において自身がプリントコマンド制御部11に接続されていると判定したコマンド制御部24は、プリントを要求する制御コマンドをプリントコマンド制御部11に送信する(ステップS240)。例えば、図1に示した構成では、ステップS130においてプリントコマンドに接続されていると判定したコマンド制御部24Aが、この制御コマンドを送信する。一方、図2に示した構成では、ステップS130においてプリントコマンドに接続されていると判定したコマンド制御部24Bが、この制御コマンドを送信する。この制御コマンドには、画像メモリ25に記憶された画像データの用紙サイズやページ数などの情報が含まれる。
【0027】
プリントコマンド制御部11は、コマンド制御部24から送信されてきた制御コマンドを受信すると、その制御コマンドを解釈して、その制御コマンドによってプリントを要求された画像データのページ取得順序を決定する。例えば、プリントを要求された画像データが、両面5ページの画像データである場合には、1ページ目の表面の画像データ→3ページ目の表面の画像データ→1ページ目の裏面の画像データ・・・といった具合に、ページ取得順序を決定する。続いて、プリントコマンド制御部11は、YMプリント通信部12Aを用いて、決定したページ取得順序に基づいたページ、例えば1ページ目の表面の画像データの送信を要求するための制御コマンドを、YMプリント通信部12Aに接続されたコマンド制御部24に送信する(ステップS250)。例えば、図1に示した構成では、この制御コマンドは、コマンド制御部24Aに送信される。一方、図2に示した構成では、この制御コマンドは、コマンド制御部24Bに送信される。
【0028】
プリントコマンド制御部11から、制御コマンドが送信されてきたコマンド制御部24は、その制御コマンドを受信して解釈する。そして、そのコマンド制御部24は、受信した制御コマンドによって要求されたページの画像データ、例えば1ページ目の表面の画像データの送信指示を、自身を実現する画像処理部2の各部に指示し、さらに、この要求されたページの画像データの送信指示を、デバイスドライバ部22を介して他の画像処理部2に通知する(ステップS260)。例えば、図1に示した構成では、コマンド制御部24Aが、制御コマンドを受信して解釈し、画像処理部2Aの各部に対して、この制御コマンドによって要求されたページの画像データの送信指示を行う。さらに、このコマンド制御部24Aは、要求されたページの画像データの送信指示を、デバイスドライバ部22を介して画像処理部2Bに通知する。一方、図2に示した構成では、コマンド制御部24Bが、制御コマンドを受信して解釈し、画像処理部2Bの各部に対して、この制御コマンドによって要求されたページの画像データの送信指示を行う。さらに、このコマンド制御部24Bは、要求されたページの画像データの送信指示を、デバイスドライバ部22を介して画像処理部2Aに通知する。
【0029】
コマンド制御部24から、画像データの送信が指示されると、色処理部26は、指示されたページの画像データ、例えば1ページ目の表面の画像データを画像メモリ25から読み出す。そして、色処理部26は、読み出した画像データに対して、色補正処理などの画像処理を施す(ステップS270)。色処理部26によって画像処理が施された画像データは、コントロール通信部23に供給される。例えば、図1に示した構成では、画像メモリ25Aに記憶されているYMの画像データが色処理部26Aによって読み出され、画像処理が施された後、コントロール通信部23Aに供給される。また、画像メモリ25Bに記憶されているCKの画像データが色処理部26Bによって読み出され、画像処理が施された後、コントロール通信部23Bに供給される。一方、図2に示した構成では、画像メモリ25Aに記憶されているCKの画像データが色処理部26Aによって読み出され、画像処理が施された後、コントロール通信部23Aに供給される。また、画像メモリ25Bに記憶されているYMの画像データが色処理部26Bによって読み出され、画像処理が施された後、コントロール通信部23BAに供給される。
【0030】
コントロール通信部23は、色処理部26から供給された画像データを、通信ケーブルC経由で自身に接続されているYMプリント通信部12A又はCKプリント通信部12Bに送信する(ステップS280)。例えば、図1に示した構成では、コントロール通信部23AからYMプリント通信部12AにYMの画像データが送信され、コントロール通信部23BからCKプリント通信部12AにCKの画像データが送信さる。一方、図2に示した構成では、コントロール通信部23AからCKプリント通信部12AにCKの画像データが送信され、コントロール通信部23BからYMプリント通信部12AにYMの画像データが送信される。この画像データの送信は、例えば、YMプリント通信部12A,CKプリント通信部12Bから送信されてくる同期信号に応じたタイミングで行われる。
【0031】
YMプリント通信部12Aは、送信されてきたYMの画像データを受信し、CKプリント通信部12Bは送信されてきたCKの画像データを受信する(ステップS290)。つまり、図1に示した形態で通信ケーブルCが接続された場合でも、図2に示した形態で通信ケーブルCが接続された場合であっても、プリント装置10のYMプリント通信部12AにはYMの画像データが供給され、CKプリント通信部12BにはCKの画像データが供給されることになる。上述したステップS240〜S290の処理は、ステップS230においてメモリに記憶された画像データの全てのページがページ取得順序に従って送信されるまで繰り返される。このようにして、プリント装置10のYMプリント通信部12A,CKプリント通信部12Bに供給された画像データは、画像形成部13に供給される。画像形成部13は、供給されたYMCKの画像データに基づいて、用紙に画像を形成する(ステップS300)。
【0032】
以上説明した実施形態によれば、プリント装置10とコントロール装置20との間で通信ケーブルCがどのような形態で接続された場合にも、プリント装置10のYMプリント通信部12A,CKプリント通信部12Bに適切な色の画像データを高速で送信することができる。また、この画像処理システム1においては、画像データを送信する通信部と、画像データの送信を制御するための制御コマンドを遣り取りする通信部とを兼用しているため、画像処理システムの構成を簡易なものにすることができる。
【0033】
[変形例]
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の各態様を適宜組み合わせてもよい。
(1)上述した実施形態において、コマンド制御部24は、受信した制御コマンドによって要求されたページの画像データの送信指示を、デバイスドライバ部22を介して、自身を実現する画像処理部2以外の画像処理部2に通知していた。これに対し、コマンド制御部24は、この画像データの送信指示を、デバイスドライバ部22を経由する第1の通信路又はデバイスドライバ部22を経由しない第2の通信路のいずれか一方を用いて、自身を実現する画像処理部2以外の画像処理部2に通知し、この通知が正常に行われなかった場合には、この画像データの送信指示を他方の通信路を用いて、自身を実現する画像処理部2以外の画像処理部2に通知してもよい。
【0034】
図6は、この変形例に係るコントロール装置20の構成を示す図である。図中の「R1」は、コマンド制御部24が、制御コマンドによって要求されたページを、デバイスドライバ部22を経由して自身を実現する画像処理部2以外の画像処理部2に通知するための第1の通信路を表している。また、図中の「R2」は、コマンド制御部24が、制御コマンドによって要求されたページの画像データの送信指示を、デバイスドライバ部22を経由せずに、自身を実現する画像処理部2以外の画像処理部2に直接通知するための第2の通信路を表している。例えば、図に示すように、プリントコマンド制御部11とコマンド制御部24Aとが接続されている場合、コマンド制御部24Aは、まず第1の通信路「R1」を用いて、プリントコマンド制御部11から受信した制御コマンドによって要求されたページの画像データの送信指示を画像処理部2Bに通知する。このときに、コマンド制御部24Aは、例えば画像処理部2Bから所定時間応答がなければ、通知が正常に行われなかったと判断し、今度は第2の通信路「R2」を用いて、この画像データの送信指示を画像処理部2Bに通知する。これにより、一方の通信路が遮断された場合にも、制御コマンドによって要求されたページの画像データの送信指示の通知を行うことができる。
【0035】
また、コマンド制御部24は、受信した制御コマンド自体を、自身を実現する画像処理部2以外の画像処理部2に通知してもよい。この場合には、通知された画像処理部2のコマンド制御部24が、通知された制御コマンドを解釈すればよい。この構成であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0036】
さらに、コマンド制御部24は、受信した制御コマンドを、自身を実現する画像処理部2以外の画像処理部2に直接通知しなくてもよい。この場合には、例えば制御コマンドを受信したコマンド制御部24が、受信した制御コマンドを例えばデバイスドライバ部22に供給し、デバイスドライバ部22がその制御コマンドを記憶しておく。そして、制御コマンドを受信しなかったコマンド制御部24が、デバイスドライバ部22に問い合わせて、記憶されている制御コマンドを取得してもよい。この構成であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0037】
(2)上述した実施形態では、画像処理システム1は、コントロール装置20とプリント装置10とを備えていた。これに対し、画像処理システムは、プリント装置に代えて、スキャナ装置とプリント装置とを備えるコピー装置を備えてもよい。
【0038】
図7及び図8は、この変形例に係る画像処理システム5の構成を示す図である。同図に示すように、コピー装置30とコントロール装置40とは、3本の通信ケーブルCで接続されている。図7に示す構成と図8に示す構成とは、通信ケーブルCの接続の形態が異なる。その他の構成については、図7に示す構成と図8に示す構成とで共通である。コントロール装置40は、図1,図2に示した構成の他に、画像処理部2Cを備えている。この画像処理部2Cの構成は、上述した画像処理部2A,2Bと同様である。コピー装置30は、図1,図2に示した構成の他に、スキャン通信部12Cと、スキャンコマンド制御部14と、画像読取部15とを備えている。スキャンコマンド制御部14は、コピー装置30からコントロール装置40への画像データの送信を制御するための制御コマンドを解釈して送信する。画像読取部15は、利用者によってセットされた原稿画像を読み取り、その原稿画像を表すRGB各色の画像データを生成する。スキャン通信部12Cは、画像読取部15によって生成されたRGBの画像データを、スキャンコマンド制御部14の指示に従って、コントロール装置40のコントロール通信部23に送信する。すなわち、スキャン通信部12Cは、画像データに応じた処理を行うコピー装置などの処理装置に設けられた送信手段として機能する。
【0039】
次に、この変形例に係る画像処理システム5の動作について説明する。
(通信ケーブル接続時の処理)
利用者によってコピー装置30とコントロール装置40との間が通信ケーブルCで接続されると、デバイスドライバ部22は、各々の画像処理部2が、スキャン通信部12Cに接続されているか、YMプリント通信部12A又はCKプリント通信部12Bに接続されているかを判定する。この判定は、例えば各々の画像処理部2のコマンド制御部24によって行われるパワーオンシーケンスの違いによって行われる。すなわち、デバイスドライバ部22は、画像処理部2A,2B,2Cなどの各々の送受信手段が、スキャン通信部12Cなどの送信手段又はYMプリント通信部12A,CKプリント通信部12Bなどの受信手段のうちのどちらに接続されているかを判定する判定手段として機能する。例えば、図7に示す構成では、画像処理部2Cが、スキャン通信部12Cに接続されていると判定され、画像処理部2A,2Bが、YMプリント通信部12A又はCKプリント通信部12Bに接続されていると判定される。これに対し、図8に示す構成では、画像処理部2Bが、スキャン通信部12Cに接続されていると判定され、画像処理部2A,2Cが、YMプリント通信部12A又はCKプリント通信部12Bに接続されていると判定される。続いて、デバイスドライバ部22は、上述した実施形態と同様にして、プリントコマンド制御部11に接続されているコマンド制御部24を備える画像処理部2を特定する。例えば、図7に示す構成では、画像処理部2Aが特定される。一方、図8に示す構成では、画像処理部2Cが特定される。
【0040】
(画像データ取得処理)
画像読取部15によって原稿画像が読み取られ、その原稿画像を表すRGBの画像データが生成されると、生成されたRGBの画像データは、スキャン通信部12Cに供給される。RGBの画像データがスキャン通信部12Cに供給されると、スキャンコマンド制御部14はスキャン通信部12Cを用いて、スキャン通信部12Cに接続されている画像処理部2のコマンド制御部24と、制御コマンドの遣り取りを行う。スキャン通信部12Cは、スキャンコマンド制御部14の指示に従って、供給されたRGBの画像データを、自身に接続された画像処理部2のコントロール通信部23に送信する。スキャン通信部12Cから送信されてきたRGBの画像データを受信したコントロール通信部23は、受信した画像データをメモリなどに記憶させる。例えば、図7に示す構成では、スキャンコマンド制御部14とコマンド制御部24Cとが制御コマンドの遣り取りを行い、スキャン通信部12Cから送信されてきたRGBの画像データは、画像処理部2Cのコントロール通信部23Cによって受信される。一方、図8に示す構成では、スキャンコマンド制御部14とコマンド制御部24Bとが制御コマンドの遣り取りを行い、スキャン通信部12Cから送信されてきたRGBの画像データは、画像処理部2Bのコントロール通信部23Bによって受信される。
【0041】
(画像データ供給処理)
色変換部27は、上述のようにしてRGBの画像データを受信したコントロール通信部23によってメモリなどに記憶されたRGBの画像データを読み出して、YMCKの画像データに変換する。デバイスドライバ部22は、色変換部27によって変換されたYMCKの画像データのうち、YMの画像データを上述にて特定した画像処理部2に供給し、CKの画像データを上述にてYMプリント通信部12A又はCKプリント通信部12Bに接続されていると判定された画像処理部2のうち、上述にて特定された画像処理部2以外の画像処理部2に供給する。例えば、図7に示す構成では、YMの画像データが画像処理部2Aに供給され、CKの画像データが画像処理部2Bに供給される。一方、図8に示す構成では、YMの画像データが画像処理部2Cに供給され、CKの画像データが画像処理部2Aに供給される。すなわち、画像処理部2は、画像データに応じた処理を行うコピー装置30などの処理装置に設けられたスキャン通信部12Cなどの送信手段及びYMプリント通信部12A又はCKプリント通信部12Bなどの複数の受信手段に対し、着脱自在の通信線を介してそれぞれ接続され、通信線経由で送信手段又は受信手段と情報を送受信する複数の送受信手段として機能する。また、デバイスドライバ部22は、判定手段によってスキャン通信部12Cなどの送信手段に接続されていると判定された画像処理部2など送受信手段が、送信手段から送受信手段への情報の送信を制御するための制御情報に従って送信手段から送受信手段に送信されてきた画像データを取得する取得手段として機能する。さらに、デバイスドライバ部は、取得手段によって取得された画像データに基づいて色別に区分された画像データのうち、特定手段によって特定された画像処理部2などの送受信手段と、特定手段によって特定された送受信手段以外の送受信手段とに対して、それぞれ決められた色の画像データを供給する供給手段として機能する。以降の処理は、上述した実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0042】
この構成によれば、スキャン装置とプリント装置からなるコピー装置30とコントロール装置40との間で通信ケーブルCがどのような形態で接続された場合にも、コピー装置30に設けられたYMプリント通信部12A,CKプリント通信部12Bに適切な色の画像データを高速で送信する処理を簡易な構成で実現することができる。
【0043】
(3)上述した実施形態において、デバイスドライバ部22は、YMの画像データをスキャンコマンド制御部14に接続されている画像処理部2に供給し、CKの画像データをそれ以外の画像処理部2に供給していたが、画像データの供給先は、プリント装置10の構成に応じて変更され得る。例えば、プリント装置10のプリントコマンド制御部11がCKプリント通信部12Bに接続されている場合には、デバイスドライバ部22は、CKの画像データをコマンド制御部11に接続されている画像処理部2に供給し、YMの画像データをそれ以外の画像処理部2に供給することになる。
また、供給する画像データの色の組み合わせは、YMとCKに限らない。例えば、YMCの画像データが、一方の画像処理部2に供給され、Kの画像データが他方の画像処理部2に供給されてもよい。どの色の画像データをどの画像処理部2に供給するかは、プリント装置10の構成に応じて決定されればよい。
【0044】
(4)上述した実施形態では、コントロール装置20とプリント装置10から構成される画像処理システム1を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、コントロール装置20に代えて第1の画像データ処理装置が設けられ、プリント装置10に代えて第2の画像データ処理装置が設けられていてもよい。この場合、第1の画像データ処理装置は、画像データを用いて各種の処理を行った後、画像処理を施した画像データを第2の画像データ処理装置に送信する。そして、第2の画像データ処理装置は、第1の画像データ処理装置から送信されてきた画像データを用いて各種の処理を行う。この構成であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】画像処理システム1の構成を示す図である。
【図2】画像処理システム1の構成を示す図である。
【図3】画像データ供給テーブルTの一例を示す図である。
【図4】通信ケーブルCの接続時の処理を示すフロー図である。
【図5】画像データ供給処理を示すフロー図である。
【図6】変形例に係る画像処理システム1の構成を示す図である。
【図7】変形例に係る画像処理システム5の構成を示す図である。
【図8】変形例に係る画像処理システム5の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1,5…画像処理システム、10…プリント装置、11…プリントコマンド制御部、12A…YMプリント通信部、12B…CKプリント通信部、13…画像形成部、20,40…コントロール装置、21…画像展開部、22…デバイスドライバ部、2A,2B…画像処理部、23A,23B…コントロール通信部、24A,24B…コマンド制御部、25A,25B…画像メモリ、26A,26B…色処理部、30…コピー装置、27…色変換部、12C…スキャン通信部、14…スキャンコマンド制御部、15…画像読取部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに応じた処理を行う処理装置に設けられた複数の受信手段に対し、着脱自在の通信線を介してそれぞれ接続され、前記通信線経由で前記受信手段に情報を送信する複数の送信手段と、
前記複数の受信手段のうちのいずれかは、前記送信手段から前記受信手段への情報の送信を制御するための制御情報を受信して解釈する制御受信手段であり、前記複数の送信手段の中から、前記制御受信手段に前記通信線を介して接続された前記送信手段を特定する特定手段と、
色別に区分された画像データのうち、前記特定手段によって特定された前記送信手段と、前記特定手段によって特定された前記送信手段以外の送信手段とに対して、それぞれ決められた色の画像データを供給する供給手段とを備え、
各々の前記送信手段は、前記特定手段によって特定された送信手段が前記制御受信手段と遣り取りした制御情報に従って、前記供給手段によって供給される画像データを前記通信線経由で自身に接続された前記受信手段に送信する
ことを特徴とする画像データ送信装置。
【請求項2】
前記特定手段によって特定された送信手段は、前記制御受信手段と遣り取りした制御情報を、自身以外の前記送信手段に通知し、
前記制御情報が通知された前記送信手段は、当該制御情報に従って画像データを送信する
ことを特徴とする請求項1記載の画像データ送信装置。
【請求項3】
前記特定手段によって特定された送信手段は、前記制御受信手段と遣り取りした制御情報を、前記供給手段を経由する第1の通信路又は前記供給手段を経由しない第2の通信路のいずれか一方を用いて、自身以外の前記送信手段に通知し、当該通知が正常に行われなかった場合には、当該制御情報を他方の前記通信路を用いて自身以外の前記送信手段に通知する
ことを特徴とする請求項2記載の画像データ送信装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の画像データ送信装置と、
前記画像データ送信装置の前記送信手段によって送信された画像データに応じた処理を行う処理装置と
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
画像データに応じた処理を行う処理装置に設けられた送信手段及び複数の受信手段に対し、着脱自在の通信線を介してそれぞれ接続され、前記通信線経由で前記送信手段又は受信手段と情報を送受信する複数の送受信手段と、
各々の前記送受信手段が、前記送信手段又は前記受信手段のうちのどちらに接続されているかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記送信手段に接続されていると判定された前記送受信手段が、前記送信手段から前記送受信手段への情報の送信を制御するための第1の制御情報に従って当該送信手段から当該送受信手段に送信されてきた画像データを取得する取得手段と、
前記複数の受信手段のうちのいずれかは、前記送受信手段から前記受信手段への情報の送信を制御するための第2の制御情報を受信して解釈する制御受信手段であり、前記複数の送受信手段の中から、前記制御受信手段に前記通信線を介して接続された前記送受信手段を特定する特定手段と、
前記取得手段によって取得された画像データに基づいて色別に区分された画像データのうち、前記特定手段によって特定された前記送受信手段と、前記特定手段によって特定された前記送受信手段以外の送受信手段とに対して、それぞれ決められた色の画像データを供給する供給手段とを備え、
前記判定手段によって前記受信手段に接続されていると判定された各々の前記送受信手段は、前記特定手段によって特定された送受信手段が前記制御受信手段と遣り取りした第2の制御情報に従って、前記供給手段によって供給される画像データを前記通信線経由で自身に接続された前記受信手段に送信する
ことを特徴とする画像データ送受信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像データ送受信装置と、
前記送信手段及び前記受信手段を備え、原稿画像を読み取って当該原稿画像を表す画像データを生成し、生成した画像データを前記送信手段から前記画像データ送受信装置に送信し、さらに前記画像データ送受信装置の前記送受信手段から送信されてきた画像データを前記受信手段によって受信し、受信した画像データに応じた処理を行う処理装置と
を備えることを特徴とする画像処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−65250(P2009−65250A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228924(P2007−228924)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】