説明

画像倍率変換装置および画像倍率変換プログラム

【課題】2値画像の画像倍率変換処理を小規模でかつ高速に行うことができるようにした画像倍率変換装置および画像倍率変換プログラムを提供する。
【解決手段】入力2値画像を投影法を用いて倍率変換処理部20で多値画像に変換し、この多値画像を2値化処理部40で2値化して出力する。領域分離処理部30は、中間調検出部31、孤立点検出部32、累計情報参照部33、近傍情報参照部34で写真領域か否を段階的に判別して、倍率変換処理部20で変換された多値画像を領域分離部35で写真領域と文字領域に分離し、文字領域として分離された多値画像に対して閾値2値化処理部43で閾値2値化処理を行い、写真領域として分離された多値画像に対して擬似中間調2値化処理部44で擬似中間調2値化処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像倍率変換装置および画像倍率変換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文字または線図形画像と擬似中間長画像とが混在している2値画像を、階調を保存して縮小する装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に記載された装置は、パターンマッチングによる領域分離と着目領域の近傍を参照して縮小処理を行うものである。
【0003】
また、ディジタル画像を任意の倍率でその画像の性質を保持したままサイズ変換する装置としては、特許文献2に記載されたものが知られている。この特許文献2に記載された装置は、ルックアップテーブルを用いて画像の縮小を行うもので、縮小率が高い場合、例えば、1/3に縮小する場合は、3×3=9bit、つまり2の9乗(512種類)のデータが必要であり、縮小率が低い場合、例えば、4/5に縮小する場合は、5×5=25bit、つまり2の25乗(33554432種類)のデータが必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−105133号公報
【特許文献2】特開平8−153189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、2値画像の画像倍率変換処理を小規模でかつ高速に行うことができるようにした画像倍率変換装置および画像倍率変換プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の画像倍率変換装置は、2値画像から所定の大きさの画素ブロックを抽出する抽出手段と、注目画素ブロックが写真領域に属する写真ブロックであるか否か検出する中間調検出手段と、前記注目画素ブロックが孤立点を含むか否かを検出する孤立点検出手段と、前記2値画像を前記画素ブロック単位で多値濃度情報からなる多値画像に倍率変換処理する投影法処理手段と、前記中間調検出手段による検出結果と前記孤立点検出手段による検出結果とに基づき前記多値画像を写真領域と文字領域とに分離する分離手段と、前記分離手段により前記写真領域として分離された多値画像に対して擬似中間調2値化処理を行い、前記文字領域として分離された多値画像に対して所定の閾値による閾値2値化処理を行う2値化処理手段とを具備する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記中間調検出手段は、前記注目画素ブロックを所定の中間調パターンテーブルの中間長パターンとパターン照合して該画素ブロックが前記写真ブロックであるか否かを検出する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記中間調検出手段は、前記注目画素ブロックが前記中間調パターンより小さい場合であって、前記パターン照合により前記注目画素ブロックが前記写真ブロックでないと検出された場合、該中間調パターンを前記注目画素ブロックに対してずらして照合を行い、該照合により前記写真ブロックであると検出された場合は、該写真ブロックの検出を優先させる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記孤立点検出手段は、前記注目画素ブロックの少なくとも1つの画素を含む所定の大きさの孤立点検出領域内に少なくとも1つの黒画素があり、かつ、該孤立点検出領域の上下左右を囲む画素が全て白画素である場合、該注目画素ブロックが孤立点を含むと検出する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記孤立点検出手段は、前記注目画素ブロックが前記孤立点検出領域より小さい場合、前記孤立点検出領域を前記画素ブロックに対して1画素ずつずらして前記孤立点の検出を行い、該検出により前記注目画素ブロックに対して孤立点が検出された場合は、該検出を優先して該注目画素ブロックが孤立点を含むと検出する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記孤立点検出手段は、前記中間調検出手段により前記写真ブロックでないと検出された場合に、前記孤立点検出手段による検出を行う。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記投影法処理手段は、前記注目画素ブロックを変換倍率にそれぞれ対応した複数のルックアップテーブルの照合パターンとパターン照合して該注目画素ブロックを多値濃度情報からなる多値画像ブロックに変換する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記変換手段は、前記注目画素ブロックを前記ルックアップテーブルを複数に分割した分割ルックアップテーブルの分割照合パターンと部分的にパターン照合して該注目画素ブロックを多値画像ブロックに変換する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項7の発明において、前記ルックアップテーブルは、前記注目画素ブロックに細線が含まれる場合、前記閾値2値化処理において該細線を保存するように設定される。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記中間調検出手段による検出結果と前記孤立点検出手段による検出結果とに基づき前記注目画素ブロックが前記写真ブロックか文字若しくは線画領域に属する文字ブロックかを示す分離情報を前記画素ブロックに対応して設定する設定手段を具備し、前記分離手段は、前記分離情報に基づき前記多値画像を写真領域と文字領域とに分離する。
【0016】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記注目画素ブロックのこれまでの前記分離情報を累計して参照する累計情報参照手段を具備し、前記設定手段は、前記分離情報が文字ブロックを示す場合に、前記累計情報参照手段が参照する前記分離情報の累計値に基づき該注目画素ブロックが写真ブロックであると判別された場合は、該注目画素ブロックの分離情報を写真ブロックを示す分離情報に更新設定する。
【0017】
請求項12の発明は、請求項10の発明において、前記注目画素ブロックの左右の一定数画素ブロックを参照して、該注目画素ブロックの注目ラインの左右の一定数画素ブロックの画素が全黒若しくは全白でない場合は、該注目画素ブロックを写真ブロックと判定する近傍画素参照手段を具備し、前記設定手段は、前記分離情報が文字ブロックを示す場合に、該注目画素ブロックが前記近傍画素参照手段により写真ブロックであると判別された場合は、該注目画素ブロックの分離情報を前記写真ブロックを示す分離情報に更新設定する。
【0018】
請求項13の発明は、請求項12の発明において、前記近傍画素参照手段は、前記注目画素ブロックの注目ラインの左右の一定数画素ブロックの画素が全黒若しくは全白でない場合に、該注目画素ブロックの左右の所定数ブロックで上下ライン間で画素の論理和をとり、この論理和の結果が全黒の場合は、該注目画素ブロックを写真ブロックと判定する。
【0019】
請求項14の発明は、請求項12の発明において、前記近傍画素参照手段は、前記注目画素ブロックを含む所定の参照枠内の全領域が一定の濃度である場合、該注目画素ブロックを写真ブロックと判定する。
【0020】
請求項15の発明は、請求項14の発明において、前記近傍画素参照手段は、前記参照枠内の全領域に亘って単位画素数の複数の隣接するライン間で論理和と論理積を求め、これら論理和および論理積の結果のすべての濃度が所定の範囲内の濃度である場合に、前記注目画素ブロックを写真ブロックと判定する。
【0021】
請求項16の発明は、請求項1の発明において、前記所定の処理理単位数の画素ブロックが空白であるか否かを検出する空白検出手段と、前記空白検出手段により空白が検出された場合は、該所定の処理理単位数の画素ブロックに対して前記投影法処理手段による処理に代えて所定の白画素を挿入する白画素挿入手段とを具備する。
【0022】
請求項17の発明は、請求項1の発明において、前記画素ブロックが所定の処理単位数の画素ブロックで連続して罫線を含むか否かを検出する罫線検出手段と、前記罫線検出手段により罫線を含むと検出された場合は、前記投影法処理手段により処理された多値画像の中の前記罫線検出手段により検出された罫線を構成する画素の濃度情報を前ラインの画素で同一の処理がなされていないことを条件に最大値に補正する罫線補正手段とを具備する。
【0023】
請求項18の発明は、請求項17の発明において、前記罫線検出手段は、所定の処理単位数の画素ブロックの注目ラインと該注目ラインの直下のラインと該直下のラインを1画素ライン方向にシフトしたラインとの論理和をとった結果が全黒の場合、前記罫線を含むと検出する。
【0024】
請求項19の発明は、請求項17または18の発明において、前記罫線補正手段は、前記罫線検出手段により検出された罫線の間隔が所定のライン数に満たない場合は前記罫線検出手段により検出された罫線を構成する画素の濃度情報を前ラインの画素で同一の処理がなされていないことを条件に最大値に補正する罫線補正処理を行わない。
【0025】
請求項20の発明は、請求項19の発明において、前記罫線補正手段は、前記罫線検出手段により検出された罫線の間隔が所定のライン数以上で、かつ前記罫線検出手段により検出された罫線による累積ラインパターンが予め設定されたパターンと一致した場合に前記罫線補正処理を行う。
【0026】
請求項21の発明は、請求項1の発明において、前記中間調検出手段の検出結果に基づき該画素ブロックが前記写真ブロックであるか前記文字ブロックであるかを判別する第1の判別手段と、前記孤立点検出手段の検出結果に基づき該画素ブロックが前記写真ブロックであるか前記文字ブロックであるかを判別する第2の判別手段と、前記画素ブロックが写真ブロックか文字ブロックかを示すこれまでの分離情報の累計値を参照して該当画素ブロックが前記写真ブロックであるか前記文字ブロックであるかを判別する第3の判別手段と、該当画素ブロックの近傍情報を参照して該当画素ブロックの左右の一定値幅で全黒若しくは全白でない画素ブロックが連続しているか否かに基づき該画素ブロックが前記写真ブロックであるか前記文字ブロックであるかを判別する第4の判別手段とを具備し、前記第1の判別手段により前記画素ブロックが前記文字ブロックであると判別された場合は、前記第2の判別手段から第4の判別手段による判別を当該画素ブロックが前記写真ブロックであると判別されるまで段階的に行う。
【0027】
請求項22の発明は、請求項21の発明において、前記2値画像の変換倍率に応じて前記第1の判別手段から第4の判別手段による判別を選択的に行う。
【0028】
請求項23の発明は、請求項1の発明において、前記2値化処理手段は、対象画素ブロックが前記文字ブロックである場合であって、前ラインの画素若しくは横方向1つ前の画素の2値化処理結果のいずれか一方が黒の場合は、前記多値ブロックの該当画素の濃度情報を所定の比率で高くした後に前記閾値2値化処理を行う。
【0029】
請求項24の発明の画像倍率変換プログラムは、コンピュータを、2値画像から所定の大きさの画素ブロックを抽出する抽出手段、前記画素ブロックが写真領域に属する写真ブロックであるか否か検出する中間調検出手段、前記画素ブロックが孤立点を含むか否かを検出する孤立点検出手段、前記2値画像を前記画素ブロック単位で多値濃度情報からなる多値画像に倍率変換処理する投影法処理手段、前記中間調検出手段による検出結果と前記孤立点検出手段による検出結果とに基づき前記多値画像を写真領域と文字領域とに分離する分離手段、前記分離手段により前記写真領域として分離された多値画像に対して擬似中間調2値化処理を行い、前記文字領域として分離された多値画像に対して所定の閾値による閾値2値化処理を行う2値化処理手段として機能させる。
【発明の効果】
【0030】
請求項1の発明によれば、写真領域と文字領域との領域分離を中間調検出処理と孤立点検出処理とを組み合わせて行うので、2値画像の倍率変換処理を小規模でかつ高速に行うことができる。
【0031】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、中間調パターンテーブルの規模が小さくても精度よい領域分離を行うことができる。
【0032】
請求項3の発明によれば、請求項2の効果に加えて、写真領域が文字領域として領域分離される不都合が可及的に小さくできる。
【0033】
請求項4の発明によれば、請求項1の効果に加えて、孤立点検出処理を小規模でかつ高速に行うことができる。
【0034】
請求項5の発明によれば、請求項4の効果に加えて、孤立点検出処理を高精度で行うことができる。
【0035】
請求項6の発明によれば、中間調検出手段により写真ブロックと検出された場合は、孤立点検出手段による孤立点検出処理が行われないので、請求項1の効果に加えて、処理時間を短縮できる。
【0036】
請求項7の発明によれば、投影法による倍率変換処理を高速に行うことができる。
【0037】
請求項8の発明によれば、請求項7の効果に加えて、ルックアップテーブルの規模を小さくすることができる。
【0038】
請求項9の発明によれば、請求項7の効果に加えて、閾値2値化処理により細線が消えてしまうという不都合を解消できる。
【0039】
請求項10の発明によれば、請求項1の効果に加えて、写真領域と文字領域との領域分離を効率よく行うことができる。
【0040】
請求項11の発明によれば、請求項10の効果に加えて、写真領域が文字領域として領域分離される不都合が可及的に小さくできる。
【0041】
請求項12の発明によれば、請求項10の効果に加えて、写真領域が文字領域として領域分離される不都合が可及的に小さくできる。
【0042】
請求項13の発明によれば、請求項10の効果に加えて、写真領域が文字領域として領域分離される不都合が可及的に小さくできる。
【0043】
請求項14の発明によれば、請求項10の効果に加えて、写真領域が文字領域として領域分離される不都合が可及的に小さくできる。
【0044】
請求項15の発明によれば、請求項10の効果に加えて、写真領域が文字領域として領域分離される不都合が可及的に小さくできる。
【0045】
請求項16の発明によれば、請求項1の効果に加えて、処理時間の更なる短縮が期待できる。
【0046】
請求項17の発明によれば、請求項1の効果に加えて、投影法処理手段による罫線消え、かすれが防止できるとともに、罫線の太線化を防止できる。
【0047】
請求項18の発明によれば、請求項17の効果に加えて、一部が途切れている罫線、スキューしている罫線を保存できる。
【0048】
請求項19の発明によれば、請求項17または18の効果に加えて、罫線の間隔が小さい場合の黒潰れを防止することができる。
【0049】
請求項20の発明によれば、請求項19の効果に加えて、罫線の間隔が小さい場合でも濃度を保つことができる。
【0050】
請求項21の発明によれば、請求項1の効果に加えて、写真領域と文字領域との領域分離を高精度で行うことができるとともに、処理時間の短縮が期待できる。
【0051】
請求項22の発明によれば、請求項21効果に加えて、写真領域と文字領域との領域分離を変換倍率に対応して最適に行うことができる。
【0052】
請求項23の発明によれば、請求項1効果に加えて、閾値2値化処理による細線保存を有効に行うとともに、黒つぶれを防止できる。
【0053】
請求項24の発明によれば、2値画像の倍率変換処理を小規模でかつ高速に行うことができる画像倍率変換プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明に係わる画像倍率変換装置の実施例1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示した投影法処理部で用いるルックアップテーブルを説明する図である。
【図3】図3は、図2にルックアップテーブルを複数の分割した分割ルックアップテーブルを説明する図である。
【図4】図4は、図2は、図1に示した投影法処理部による1/3(33.3%)縮小処理を説明する図である。
【図5】図5は、図1に示した形成補正部の処理を説明する図である。
【図6】図6は、図1に示した中間調検出部の処理を説明する図である。
【図7】図7は、図1に示した孤立点検出部の処理を説明する図である。
【図8】図8は、図1に示した累計情報参照部の処理を説明する図である。
【図9】図9は、図1に示した近傍情報参照部の処理を説明する図である。
【図10】図10は、図1に示した画像倍率変換装置の動作の単位処理を説明するフローチャートである。
【図11】図11は、図10に示した2値化処理の詳細動作を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、図1に示した配分補正部の処理を説明する図である。
【図13】図13は、本発明に係わる画像倍率変換装置の実施例2の概略構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、この実施例2における罫線補正処理の具体例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、図14に示した罫線検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図15は、図14に示した罫線検出処理の具体例を説明する図である。
【図17】図17は、罫線補正処理を実施するか否かを判定する累積ラインパターンの一例を示す図である。
【図18】図18は、この実施例2における領域分離処理の具体例を示すフローチャートである。
【図19】図19は、図18に示した近傍画素参照処理の詳細を示すフローチャートである。
【図20】図20は、図18に示した近傍画素参照処理の参照方式が横広域である場合の処理を説明する図である。
【図21】図21は、図18に示した近傍画素参照処理の参照方式が矩形領域である場合の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0056】
図1は、本発明に係わる画像倍率変換装置の実施例1の概略構成を示すブロック図である。
【0057】
この実施例1の画像倍率変換装置100は、空白検出部10、倍率変換処理部20、領域分離処理部30、2値化処理部40から構成される。
【0058】
さて、この実施例の画像倍率変換装置100は、入力2値画像を投影法を用いて倍率変換処理部20で多値画像に変換し、この多値画像を2値化処理部40で2値化して出力する。
【0059】
n/m倍率の倍率変換を行う場合は、図2(a)に示すように、m×mドットの2値画素ブロックを投影法を用いてn×nドットの多値画素ブロックに変換し、このn×nドットの多値画素ブロックを2値化して2値画像を出力する。
【0060】
例えば、2値画像を投影法を用いて、1/3(33.3%)に縮小する場合は、図2(b)に示すように、3×3ドットのA〜Iの2値画素ブロックを多値濃度情報aの1×1ドットの多値画素ブロックに変換する。
【0061】
また、2値画像を投影法を用いて、3/4(75%)に縮小する場合は、図2(c)に示すように、4×4ドットのA〜Pの2値画素ブロックを濃度情報a〜iの3×3の多値画素ブロックに変換する。
【0062】
この実施例では、例えば、入力2値画像を1/3(33.3%)に縮小する場合は、図4に示すように、24×3ドットが処理単位となり、24×3ドットの入力2値画像を8×1(8バイト)の多値画像に変換する。
【0063】
空白検出部10は、1/3(33.3%)縮小の場合、上記24×3ドットの入力画像を処理単位としてこの処理単位の2値画像が空白である否かの検出を行う。
【0064】
倍率変換処理部20は、入力画像を投影法を用いて多値画像に縮小処理する。この倍率変換処理部20においても、例えば、入力2値画像を1/3(33.3%)に縮小する場合は、上記24×3ドットの入力画像を処理単位として縮小処理する。
【0065】
倍率変換処理部20は、罫線検出部21、投影法処理部22、罫線補正部23を有する。罫線検出部21は、図5に示すように、上記処理単位で横に連続連した黒の画素があるかを検出する。
【0066】
投影法処理部22は、1/3(33.3%)縮小の場合、図2(b)に示すように、3×3ドットのA〜Iの2値画素ブロックを多値濃度情報aの1×1ドットの多値画素ブロックに変換する。この変換は、ルックアップテーブルの照合パターンとのパターン照合により行われる。
【0067】
1/3(33.3%)縮小の場合、2の9(3×3)乗の512種類のルックアップテーブルが予め設けられており、処理単位の入力画像を3×3の2値画素ブロック毎に上記512種類のルックアップテーブルの照合パターンと照合して、一致した照合パターンに対応する多値画像ブロックに変換し、結果として図4(a)に示すように8×1ドット(8バイト)の多値画像を出力する。
【0068】
また、3/4(75%)縮小の場合は、2の16乗(4×4)乗の65536種類のルックアップテーブルが予め設けられており、処理単位の入力画像を4×4ドットの2値画素ブロック毎に上記65536種類のルックアップテーブルの照合パターンと照合して、一致した照合パターンに対応する3×3ドットの多値画素ブロックに変換出力する。
【0069】
なお、上記ルックアップテーブルは、細線を保存するために、画素ブロックに細線が含まれる場合は、閾値2値化処理において該細線を保存するように設定されている。例えば、1/3(33.3%)縮小の場合、9ドットを1ドットに変換するため、1ドットの加重は255/9つまり28となるが、9ドットの画素ブロックに細線が存在する場合は、上記「28」を例えば「43」に設定したルックアプテーブルを用いる。
【0070】
さて、ルックアップテーブルが大きくなると、それに応じてルックアップテーブルの種類が多くなるので、図3に示すような分割ルックアップテーブルを用いて多値画素ブロックへの変換を行うことができる。
【0071】
図3は、3/4(75%)縮小の場合を示しており、この場合は、参照パターンが3×3ドットの分割ルックアップテーブルを用いて、4×4ドットの2値画素ブロックを4回の参照パターンの照合により3×3ドットの多値画素ブロックに変換する。
【0072】
この場合、65536種類のルックアップテーブルに代えて、3×3ドットの2値画素ブロックに対応する512種類の分割ルックアップテーブルを4種類、計2048種類の分割ルックアップテーブルを予め用意しており、4×4ドットの2値画素ブロックを図3(a)〜(b)に示すように、異なる4箇所で4種類の分割ルックアップテーブルを用いてパターン照合を行い、これにより3×3ドットの多値画素ブロックの部分的値を得ることにより、3×3ドットの多値画素ブロックへの変換を行う。
【0073】
罫線補正部23は、投影法処理部22による多値画像への変換による罫線消え、かすれが防止および罫線の太線化を防止するものである。
【0074】
この実施例においては、投影法処理部22で変換された多値画像に対して、領域分離処理部30で分離された写真領域に対しては、擬似中間調2値化処理を行い、文字領域に対しては閾値2値化処理を行う。ここで、閾値2値化処理を行う場合、投影法処理部22で変換された多値画像の濃度値によっては、罫線部分が白に2値化されると、罫線消え若しくはかすれが生じることになり、また、罫線に隣接する画素が黒に2値化されると、罫線の太線化が生じる。
【0075】
そこで、罫線補正部23では、罫線検出部21で罫線が検出された場合は、該罫線に対応する画素の濃度情報を最大値に補正する強調処理を行って罫線消え若しくはかすれを防止し、また、前ラインの画素で同一の強調処理処理がなされている画素がある場合は、この画素に対する部分には上記強調処理処理を行わないことにより罫線の太線化を防止している。
【0076】
すなわち、図5の場合、処理単位の8ドットの内で4番目から7番目の画素は、前ラインで同一の強調処理処理が行われているので、ここでは、4番目から7番目の画素に対して上記強調処理処理を行わない。
【0077】
領域分離処理部30は、中間調検出部31、孤立点検出部32、累計情報参照部33、近傍情報参照部34、領域分離部35を有し、中間調検出部31、孤立点検出部32、累計情報参照部33、近傍情報参照部34で写真領域か否か段階的に判別して写真領域と文字領域を分離するための分離情報を設定し、この分離情報に基づき倍率変換処理部20で変換された多値画像を領域分離部35で写真領域と文字領域に分離する処理を行う。ここで、写真領域は、2値画像が擬似中間調2値化処理された画像等を含む領域であり、文字領域は、文字、罫線等の2値画像を含む領域である。この領域分離処理部30の処理も、基本的には、1/3(33.3%)縮小の場合、24×3ドットの入力画像を処理単位として処理する。
【0078】
中間調検出部31は、中間調パターンテーブルを用いて処理単位の入力2値画像の各画素ブロックが写真領域に属する写真ブロックであるか否かを検出する。1/3(33.3%)縮小の場合、3×3ドットの2値画素ブロック毎に、この画素ブロックが写真領域に属する写真ブロックであるか否かを検出して、図6に示すように8画素に対応する8ビットの分離情報を形成する。
【0079】
なお、この実施例では、中間調パターンテーブルの中間調パターンが4×4ドットの中間調パターンから構成されているので、入力2値画像を1ライン先読みし、中間調パターンによる中間調の検出を行う。なお、この場合、中間調パターンの数は、2の16乗(4×4)乗の65536種類となる。
【0080】
中間調検出部31は、まず、図6(a)、図6(b)に示すように、4×4ドットの中間調パターンを2ドットずつずらして該当画素ブロックが写真ブロックか否かを検出する。ここで、写真ブロックが検出された画素ブロックに対しては8ビットの分離情報の該当ビットに写真フラグを設定する。
【0081】
このようにして、各画素ブロックの全てに対応して写真フラグが設定された場合は、この中間調検出部31の処理を終了するが、1つでも写真フラグが設定されていない分離情報がある場合は、図6(c)、図6(d)に示すように、2ドット先から同様の処理を行う。この処理により、写真ブロックであると検出された場合は、このブロックに写真フラグを設定する。すなわち、写真領域の検出を優先して分離情報の設定を行う。
【0082】
孤立点検出部32は、処理単位の入力2値画像の各画素ブロックに孤立点が含まれているか否かを検出する。この孤立点検出部32による孤立点検出処理は、中間調検出部31により写真フラグが設定されていない分離情報がある場合に実行される。
【0083】
孤立点検出部32による孤立点検出処理は、4×4ドットの孤立点検出領域が使用される。すなわち、この4×4ドットの孤立点検出領域に少なくとも1つの黒画素があり、かつ、該孤立点検出領域の上下左右を囲む画素が全て白画素である場合、該画素ブロックが孤立点を含むと検出する。この孤立点検出のために、中間調検出部31で使用した4ラインに加えて更に1ライン先読みする。
【0084】
図7は、孤立点検出部32による処理を説明するもので、まず、図7(a)で斜線で示した孤立点検出領域に少なくとも1つの黒画素があり、かつ、該孤立点検出領域の上下左右(斜めの画素を除く)を囲む画素が全て白画素であるか調べる。
【0085】
この処理を、図7(b)、図7(c)に示すように、1ドットずつずらして行い、孤立点検出領域に少なくとも1つの黒画素があり、かつ、該孤立点検出領域の上下左右を囲む画素が全て白画素である場合該当画素ブロックが孤立点を含むと検出し、孤立点を含むと検出れた場合は、分離情報の対応するビットに写真フラグを設定する。この場合も写真領域の検出を優先して分離情報の設定を行う。なお、孤立点検出処理は、例えば、3×3ドットであってもよい。
【0086】
累計情報参照部33は、孤立点検出部32による孤立点検出処理で、孤立点が検出されなかった場合に実行される。累計情報参照部33による累計情報参照は、図8に示すように、該当画素800に対するこれまでの横方向(主走査方向)の所定数の分離情報810と、縦方向(副走査方向)の所定数の分離情報820をそれぞれ累計カウンタにセットして累計し、その累計値を参照する。
【0087】
すなわち、分離情報が写真領域の場合は1、文字領域である場合は−1を上記累計カウンタにセットして、縦横のいずれかの累計カウンタの累計値が所定の値以上なった場合は、8ビット単位で分離情報を写真フラグで設定更新する。
【0088】
近傍情報参照部34は、累計情報参照部33による処理でも写真フラグが設定されなかった場合に実行される。近傍情報参照部34は、図9に示すように、該当画素900の主走査方向の両脇の絵柄、すなわち、当画素900の左方向の画素910および当画素900の右方向の画素920を検査して、8ビット単位で全黒でも全白でもない絵柄が連続している場合は、該当画素900を写真領域と判別する。なお、近傍情報参照は1ラインだけでなく、複数ラインを参照しても良い。
【0089】
領域分離部35は、分離情報を参照して倍率変換処理部20から出力された多値画像を文字領域と写真領域とに分離する。
【0090】
2値化処理部40は、白画素挿入部41、分配補正部42、閾値2値化処理部43、擬似中間調2値化処理部44を有し、空白検出部10で空白と検出された処理単位の画素に対応して白画素挿入部41で白画素を挿入し、領域分離部35で文字領域として分離された多値画像に対して閾値2値化処理部43で閾値2値化処理を行い、写真領域として分離された多値画像に対して擬似中間調2値化処理部44で擬似中間調2値化処理を行う。
【0091】
閾値2値化処理部43による閾値2値化処理においては、細線保存と黒つぶれ防止を行うための配分情報による配分補正を配分補正部42で行う。
【0092】
配分補正部42による配分補正は、文字領域の場合であって、前ラインの画素若しくは横方向1つ前の画素の2値化処理結果のいずれか一方が黒の場合は、閾値2値化処理を行う前に、前ラインの画素若しくは横方向1つ前の画素が白画素であるか黒画素であるかを示す配分情報に基づき該当画素の濃度情報を所定の比率で高くする投影法情報加算処理を行う。
【0093】
図10は、この発明に係わる画像倍率変換装置の動作の単位処理を示すフローチャートである。
【0094】
図10において、まず、入力2値画素をこの装置の処理単位(1/3縮小の場合、24×3ドットの2値画像)で空白か否かを空白検出部10で調べる(ステップ1001)。ここで空白であると検出された場合は(ステップ1001でYES)、この処理単位の2値画像に対して空白処理フラグを設定して(ステップ1002)、ステップ1017へ進む。
【0095】
ステップ1001で、空白と検出されなかった場合は(ステップ1001でNO)、次に、罫線検出部21で、処理単位の2値画像に罫線が含まれているかの罫線検出を行う(ステップ1003)。ここで、罫線が検出された場合は(ステップ1003でYES)、前ラインは罫線かを調べ(ステップ1004)、罫線の場合は(ステップ1004でYES)ステップ1006に進み、罫線でない場合は(ステップ1004でNO)、この画素を最も濃い濃度情報に補正して(ステップ1005)、ステップ1007へ進む。ここで、ステップ1004、1005の処理は、罫線補正部23で行われる。
【0096】
ステップ1006では、投影法による倍率変換処理が行われる。この投影法による倍率変換処理は、投影法処理部22で実行される。
【0097】
ステップ1007では、中間調パターンテーブルを参照した中間調検出処理が行われる。この中間調検出処理は、中間調検出部31で実行される。
【0098】
次に、中間調検出部31による中間調パターンテーブルの参照により中間調検出かが調べられる(ステップ1008)。ここで、中間調が検出された場合は(ステップ1008でYES)、分離情報の該当ビットに写真フラグを設定する(ステップ1009)。
【0099】
次に、孤立点検出部32により孤立点検出したかが調べられる(ステップ1010)。ここで、孤立点が検出された場合は(ステップ1010でYES)、分離情報の該当ビットに写真フラグを設定する(ステップ1011)。
【0100】
ステップ1010で孤立点画検出されない場合は(ステップ1010でNO)、次に、分離情報の累計を行う(ステップ1012)。この分離情報の累計は、累計情報参照部33で行われる。
【0101】
そして、累計情報参照部33による累計値が所定のしきい値を超えた場合は(ステップ1013でYES)、分離情報の該当ビットに写真フラグを設定して(ステップ1009)、ステップ1017へ進む。
【0102】
また、累計情報参照部33による累計値が所定のしきい値以下の場合は(ステップ1013でNO)、次に、近傍情報参照部34による近傍情報の参照を行い、近傍画素が全黒または全白でない場合は(ステップ1015でNO)、分離情報の該当ビットに写真フラグを設定して(ステップ1009)ステップ1017へ進み、また、ステップ1015で近傍画素が全黒または全白である場合は(ステップ1015でYES)ステップ1017へ進む。
【0103】
ステップ1017では、1ライン終了かが調べられ、1ライン終了でないと(ステップ1017でNO)、ステップ1001に戻り、ステップ1001からステップ1015の処理を、1ライン終了と判断される(ステップ1017でYES)まで繰り返す。
【0104】
ステップ1017で、1ライン終了と判断されると(ステップ1017でYES)、次に、2値化処理部40による2値化処理が行われ(ステップ1015)、この処理を終了する。
【0105】
図11は、図10に示した2値化処理の詳細動作を示すフローチャートである。
【0106】
図11に示す2値化処理は、ライン単位で実行される。この2値化処理が開始されると、まず、処理単位の2値画素が空白か、すなわち、処理単位の2値画像に対して空白検出部10で空白処理フラグが設定されているかを調べる(ステップ1101)。ここで、空白処理フラグが設定されていると、この処理単位の2値画素に対応して白画素挿入部41で素白画素を挿入し(ステップ1102)、ステップ1112に進む。
【0107】
次に、領域分離部35で分離された領域は写真領域かを調べる(ステップ1103)。ここで、写真領域であると判別された場合は(ステップ1103でYES)、擬似中間調2値化処理部44で擬似中間調2値化処理を行い(ステップ1104)、ステップ1112に進む。
【0108】
ステップ1103で、領域分離部35で分離された領域が写真領域でない、すなわち文字領域であると判別されると(ステップ1103でNO)、前方分配情報縦横一方が1(黒画素)かを調べる(ステップ1105)。ここで、前方分配情報縦横一方が1であると配分補正部42による投影法情報加算処理が行われる(ステップ1106)。
【0109】
この投影法情報加算処理は、前述したように細線保存と黒つぶれ防止のために行われるもので、図12(a)に示すように、該当画素1210の前ラインの画素1211の配分情報が白「0」で横方向1つ前の画素1212の配分情報が黒「1」のときは、該当画素1210の濃度情報を、例えば20%引き上げる処理を行って横方向(主走査方向)の細線保存を行い、図12(b)に示すように、該当画素1220の前ラインの画素1221の配分情報が黒「1」で横方向1つ前の画素1222の配分情報が白「0」のときは、該当画素1220の濃度情報を、例えば10%引き上げる処理を行って縦方向(副走査方向)の細線保存を行う。
【0110】
ステップ1107では、配分補正部42で配分補正された多値画像に対して閾値2値化処理部43による閾値2値化処理が行われる。
【0111】
次に、この閾値2値化処理の処理結果が白か否かが調べられ(ステップ1108)、白であると(ステップ1108でYES)、この画素の縦横の画素の配分情報に「0」セットし(ステップ1109)、黒であると、(ステップ1108でNO)、この画素の縦横の画素の配分情報に「1」セットする(ステップ1110)。
【0112】
次に、この処理が8ビット終了かが調べられ(ステップ1111)、8ビット終了でない場合は(ステップ1111でNO)、ステップ1103に戻り、ステップ1103からステップ1109までの処理を、8ビット終了(ステップ1111YES)まで繰り返す。
【0113】
ステップ1112では、1ライン終了かが調べられる。ここで、1ライン終了でない場合は(ステップ1112でNO)、ステップ1101に戻り、ステップ1101からステップ1111までの処理を、1ライン終了(ステップ1112YES)まで繰り返す。
【実施例2】
【0114】
図13は、本発明に係わる画像倍率変換装置の実施例2の概略構成を示すブロック図である。
【0115】
この実施例2の画像倍率変換装置200も、図1に示した画像倍率変換装置100と同様に、空白検出部10、倍率変換処理部20、領域分離処理部30、2値化処理部40から構成されるが、倍率変換処理部20は、罫線検出部210、投影法処理部22、罫線補正部230から構成され、罫線検出部210および罫線補正部230が図1に示した罫線検出部21および罫線補正部23と異なる。
【0116】
また、領域分離処理部30は、中間調検出部31、孤立点検出部32、分離情報補正部360、累計情報参照部33、近傍情報参照部340、領域分離部35から構成され、ここでは、分離情報補正部360が追加され、近傍情報参照部340が図1に示した近傍情報参照部34と異なる。その他の構成は、図1に示した構成と同様であり、図13においては図1と共通する部分については図1と同一の符号を付してその詳細説明を省略する。
【0117】
図13において、罫線検出部210は、各ラインが横に連続した黒を罫線として検出する構成においては、図1に示した罫線検出部21と同様であるが、図13の罫線検出部210においては、2値画像を投影法を用いて、1/3(33.3%)に縮小する場合に、罫線が検出できないときには、さらに、上下のラインの論理和と更に下ラインを1ビットシフトしたラインの論理和を求めることで罫線を検出する。
【0118】
つまり、図16に示すように、図5に示した8ドット(8ビット)のラインに対応する1番目のラインと2番目のラインとの論理和、2番目のラインと3番目のラインとの論理和、1番目のラインと2番目のラインと2番目のラインを1ビット右方にシフトしたラインとの論理和、2番目のラインと3番目のラインと3番目のラインを1ビット右方にシフトしたラインとの論理和の計4種類の論理和をとり、これら4種類の論理和のうちの1つでも全黒になるものがあると、これを罫線として検出する。
【0119】
また、罫線補正部23で、図5で説明した罫線補正を行う場合、横の細線が縦に連続する場合は、この部分が黒く潰れてしまうので、この罫線補正は下記のような判定結果に応じて行う。
【0120】
すなわち、処理単位内のライン情報を白ライン、黒ライン(グレーラインを含む)の2種類に分類し累積する。
【0121】
そして、全黒ラインを検出してから所定ライン、例えば10ライン以上の間隔が無い場合は、上記罫線補正を実施しない。
【0122】
また、全黒ラインを検出してから10ライン以上の間隔がある場合は、罫線を検出したラインを基点とした上の4ラインの情報を参照し、この4ラインの情報に白黒変化が少ない場合は、上記罫線補正を実施するが、白黒変化が多いは、中間調検出部31で中間調を検出し、孤立点検出部32で孤立点の検出を行った後に、分離情報補正部360で、分離情報を写真フラグに変更する。
【0123】
具体的には、罫線を検出したラインを基点とした上4ラインの情報が、図17(A)に示した累積ラインパターンP−1〜P−6、すなわち、白、白、白、白ラインからなる第1のパターンP−1、白、白、白、黒ラインからなる第2のパターンP−2、白、白、黒、黒ラインからなる第3のパターンP−3、白、黒、黒、黒ラインからなる第4のパターンP−4、黒、黒、黒、黒ラインからなる第5のパターンP−5、黒、白、黒、黒ラインからなる第6のパターンP−6のいずれかと一致した場合は、この4ラインの情報は白黒変化が少ないと判定し、図17(B)に示すその他の11パターンP−7〜P−16のいずれかと一致した場合は、白黒変化が多いと判定する。
【0124】
なお、ここでは、4ラインの16パターンP−1〜P−16の一致を調べているが、倍率によって参照するライン数を変え、例えば、6ラインの64パターンとしても良い。
【0125】
また、上記ライン間隔として10ラインを適用するのは倍率が1/3から1/6の場合が好ましく、倍率1/2などでは、上記ライン間隔としては、例えば、7ラインを適用することができる。
【0126】
図14は、この実施例2における罫線補正処理の具体例を示すフローチャートである。この図14に示す罫線補正処理は、図10で点線枠Aで囲んで示したステップ1003〜1006の処理に対応する。
【0127】
この罫線補正処理が開始されると、まず、罫線検出部210による罫線検出処理が行われる(ステップ1401)。このステップ1404の罫線検出処理の詳細は図15に示される。
【0128】
図15において、まず、図16に示した1番目と2番目のラインとの論理和がとられ、この論理和が全黒(0xFF)かが調べられる(ステップ1501)。ここで、この論理和が全黒でないと判定されると(ステップ1501でNO)、次に、図16に示した2番目と3番目のラインとの論理和がとられ、この論理和が全黒(0xFF)かが調べられる(ステップ1502)。
【0129】
ここで、2番目と3番目のラインとの論理和が全黒でないと判定されると(ステップ1502でNO)、次に、1番目のラインと2番目のラインと2番目のラインを1ビット右方にシフトしたラインとの論理和がとられ、この論理和が全黒(0xFF)かが調べられ(ステップ1503)、このこの論理和が全黒でないと判定されると(ステップ1503でNO)、次に、図16に示した2番目のラインと3番目のラインと3番目のラインを1ビット右方にシフトしたラインとの論理和がとられ、この論理和が全黒(0xFF)かが調べられる(ステップ1504)。
【0130】
そしてステップ1504で、この論理和が全黒でないと判定されると(ステップ1504でNO)、全黒無しと設定してこの処理を終了する。
【0131】
また、ステップ1501で、論理和が全黒と判定された場合(ステップ1501でYES)、ステップ1502で、論理和が全黒と判定された場合(ステップ1502でYES)、ステップ1503で、論理和が全黒と判定された場合(ステップ1503でYES)、ステップ1504で、論理和が全黒と判定された場合(ステップ1504でYES)は、全黒有りと設定してこの処理を終了する。
【0132】
図14に戻り、ステップ1402では、図16に示した8ビットの白黒ライン情報を順次蓄積し、また、ステップ1401で罫線を検出してからのライン間隔を計数する(ステップ1403)。
【0133】
次に、ステップ1404で全黒有りと設定されたかを調べ(ステップ1404)、全黒無しと設定されている場合は(ステップ1404でNO)、ステップ1412に進むが、全黒有りと設定されていると(ステップ1404でYES)、ステップ1405に進む。
【0134】
ステップ1405では、ステップ1403で計数したライン間隔は10ライン未満かを調べる(ステップ1405)。ここで、ライン間隔が10ライン以上であると判定されると(ステップ1405でNO)ステップ1407に進む。また、ステップ1405で、ライン間隔が10ライン未満であると判定された場合は(ステップ1405でYES)、罫線検出部210による罫線補正処理の未実施を決定して(ステップ1406)、ステップ1407に進む。
【0135】
ステップ1407では、罫線を検出したラインを基点とした上4ラインの情報が、図17(A)に示した累積ラインパターンP−1〜P−6のいずれかと一致するから調べられる。ここで、累積ラインパターンが一致すると(ステップ1407でYES)、罫線検出部210による罫線補正処理の実施を決定してステップ1411に進む。
【0136】
また、ステップ1407で、累積ラインパターンが一致しないと(ステップ1407でNO)、罫線検出部210による罫線補正処理の未実施を決定し(ステップ1409)、分離情報補正部360で、分離情報を写真フラグに変更するための横線連続補正フラグを設定して(ステップ1410)、ステップ1411に進む。
【0137】
ステップ1412では、ステップ1411で罫線補正処理の実施が決定されているかを調べ、罫線補正処理の実施が決定されていないと(ステップ1412でNO)、ステップ1414に進むが、罫線補正処理の実施が決定されていると(ステップ1402でYES)、ステップ1413に進む。
【0138】
ステップ1413では、前ライン情報の濃度は25%以上かが調べられ(ステップ1413)、25%以上でない場合は(ステップ1413でNO)、この処理を終了するが、25%以上の場合は(ステップ1413でYES)、ステップ1414に進む。
【0139】
ステップ1414では、投影法による倍率変換処理が行われる。この投影法による倍率変換処理は、投影法処理部22で実行される。
【0140】
図18は、この実施例2における領域分離処理の具体例を示すフローチャートである。この図18に示す領域分離処理は、図10で点線枠Bで囲んで示したステップ1007〜1116の処理に対応する。
【0141】
なお、図18の領域分離処理においては、ステップ1806の処理、ステップ1806の処理、ステップ1810の処理が、図10の点線枠Bで囲んで示したステップ1007〜1116の処理に新たに加えられている。
【0142】
ここで、ステップ1806の処理は、図14のステップ1410で横線連続のフラグが設定されている場合、すなわち、罫線のライン間隔が10ライン以下で、累積ラインパターンが図17(A)に示した累積ラインパターンP−1〜P−6のいずれかと一致しないことにより、罫線補正処理の未実施が決定され、写真として処理する場合、若しくは、罫線のライン間隔が10ラインを超えているが、累積ラインパターンが図17(A)に示した累積ラインパターンP−1〜P−6のいずれかと一致しないことにより、罫線補正処理の未実施が決定され、写真として処理する場合は、ステップ1806で横線連続の補正と判別され(ステップ1806でYES)、分離情報の全ビットに写真フラグが設定される(ステップ1807)。この処理は、図13の分離情報補正部36で行われる。
【0143】
また、ステップ1808の処理は、処理単位の切れ目に文字情報として隙間ができてしまうという不都合を解消するものである。すなわち、この実施例2においては、図6で説明したように、処理単位の切れ目で重ねて2度検査しているが、その結果は後方の分離情報にのみ反映され、前方の分離情報へは反映されない。そのため、切れ目に文字情報として隙間ができてしまう。これを補正するために、分離情報(8ビット)に含まれる写真情報が、例えば、5ビット以上含まれる場合は、今回の分離情報の全てを写真とする。さらに、前回(左横)の処理単位の分離情報(8ビット)に、例えば、写真情報)が5ビット以上含まれ、かつ、今回の分離情報に写真情報が、例えば、4ビット以上含まれる場合に、今回の分離情報の全てを写真とする。
【0144】
ステップ1808では、この分離間隔の補正を行うか否かを判断し、ここで、分離間隔の補正を行うと判断されると(ステップ1808でYES)、分離情報の全ビットに写真フラグが設定される(ステップ1809)。この処理は、図13の分離情報補正部36で行われる。
【0145】
ステップ1810の累計、近傍処理オフまたは高画質以下かの判断は、図13の累計情報判断部330の処理がオフになっているか、近傍情報参照部340の処理がオフになっているか、設定画質が高画質以下かの判断を行うもので、ステップ1810で累計、近傍処理オフまたは高画質以下と判断されると(ステップ1810でYES)、その後の分離情報累計処理、近郷が素参照処理を行わずにこの処理を終了する。
【0146】
図18において、この領域分離処理が開始されると、まず、中間調パターンテーブルの参照が行われ(ステップ1801)、この中間調パターンテーブルの参照により中間調検出かが調べられる(ステップ1802)、ここで、中間調が検出されない場合は(ステップ1802でNO)、ステップ1804に進むが、中間調が検出された場合は(ステップ1802でYES)、分離情報の該当ビットに写真フラグが設定され(ステップ1803)、ステップ1804に進む。
【0147】
ステップ1804では、孤立点検出部32により孤立点検出したかが調べられ(ステップ1804)、ここで、孤立点が検出されない場合は(ステップ1804でNO)、ステップ1806に進むが、孤立点が検出された場合は(ステップ1804でYES)、分離情報の該当ビットに写真フラグが設定され(ステップ1805)、ステップ1806に進む。。
【0148】
ステップ1806では、横線連続の補正かが調べられ(ステップ1806)、ここで、横線連続の補正を行う場合は(ステップ1806でYES)、分離情報の全ビットに写真フラグを設定し(ステップ1807)、この処理を終了する。
【0149】
また、ステップ1806で、横線連続の補正を行わないと判断された場合は(ステップ1806でNO)、次に、分離隙間の補正かが調べられる(ステップ1808)。ここで、分離隙間の補正を行う場合は(ステップ1808でYES)、分離情報の全ビットに写真フラグを設定し(ステップ1809)、この処理を終了する。
【0150】
また、ステップ1808で、分離隙間の補正を行わないと判断された場合は(ステップ1808でYES)、次に、累計、近傍処理オフまたは高画質以下かが調べられ(ステップ1810)、ここで、累計、近傍処理オフまたは高画質以下の場合は(ステップ1810でNO)、次に分離情報の累計を行う(ステップ1811)。この分離情報の累計は、累計情報参照部33で行われる。
【0151】
そして、累計情報参照部33による累計値が所定のしきい値を超えた場合は(ステップ1812YES)、分離情報の全ビットに写真フラグを設定して(ステップ1813)、この処理を終了する。
【0152】
また、ステップ1812で、累計値が所定のしきい値以下であると判断された場合は(ステップ1812でNO)、次に、近傍画素参照処理を行う(ステップ1814)。この近傍画素参照処理は、近傍情報参照部340により行われる。
【0153】
ステップ1814の近傍情報参照部340で行われる近傍画素参照処理の詳細は図19に示される。
【0154】
図19に示す近傍画素参照処理においては、まず、近傍画素参照処理における参照方式が調べられる(ステップ1901)。この実施例においては、近傍画素参照処理における参照方式として以下に説明する横広域方式と矩形領域方式が採用されている。
【0155】
横広域方式は、図20(A)に示すように、注目画素(8ビット)2001の両脇(主走査方向)一定値幅の左右の絵柄を検査し、8ビット単位で全黒でも全白でもない絵柄が連続している場合に写真と判定する処理で、該当画素を基点とし、左右の連続性を検査することで、写真の両端を抽出する。
【0156】
この一定値幅の左右の絵柄を検査は、倍率によっては、図20(B)に示すように、複数ラインを参照する。複数ラインを参照する場合は、縦方向に各画素毎の論理和を求め、この結果が0以外で、且つ、縦方向に各画素毎の論理積した結果が0xFF以外である場合に、この画素を写真と判定する。
【0157】
この処理で写真を検出しない場合は、さらに、図20(C)に示すように、横方向の画素、例えば7バイト×3ラインの画素に対して、縦方向の論理和を求め、この論理和の結果が、7バイト共4〜8ビット黒である場合に、この画素を写真と判定する。
【0158】
矩形領域方式は、例えば、図21(A)に示すように、横が6バイト、縦が7ラインの参照枠を設定し、この参照枠内の濃度が一定の場合に写真領域とする。
【0159】
例えば、図21(A)に示す、参照画素2101を含む横が6バイト、縦が7ラインの参照枠内の全領域に亘って単位画素数の複数の隣接するライン間で論理和と論理積、すなわち、図21(A)で丸数字「1」から「5」に示す隣接する3ラインでそれぞれ1バイト(8ビット)毎の、図21(B)に示す、5×6=30個の論理和および論理積を求め、その論理和若しくは論理積の結果の少なくとも1つが一定の濃度である場合に、注目の画素を写真と判定する。
【0160】
ここで、一定の濃度とは、
a)8ビット中黒が1〜4
b)8ビット中黒が2〜6
c)8ビット中黒が4〜8
の場合で、上記5×6=30個の8ビットのそれぞれの論理和若しくは論理積の結果の全てが、上記a)〜c)のいずれかとなった場合、この画素を写真と判定する。
【0161】
なお、上記説明では、5×6=30個のそれぞれ8ビットの論理和若しくは論理積の結果の全てが、上記a)〜b)に示す濃度のいずれかとなった場合、この画素を写真と判定するようにしたが、図21Aに示す丸数字「1」で示す近隣3ラインの論理和、すなわち、6個のそれぞれ8ビットの論理和若しくは図21Aに示す丸数字「4」で示す近隣3ラインの論理和、すなわち、6個のそれぞれ8ビットの論理和のいずれかが上記c)に示す場合に、この画素ブロックを写真と判定するようにしてもよい。
【0162】
図19に戻り、この処理では、ステップ1901で近傍画素参照処理における参照方式が横広域であると判定されると、図20(A)に示す注目画素2001の右側の9バイトがそれぞれ全黒でも全白でもないかが調べられる(ステップ1902)。ここで、注目画素2001の右側の9バイトがそれぞれ全黒若しくは全白であると判定されると(ステップ1902でNO)、ステップ1903に進むが、それぞれ全黒でも全白でもないと判定されると(ステップ1902でYES)、この注目画素2001は写真と判別される(ステップ1910)。
【0163】
ステップ1903では、図20(A)に示す注目画素2001の左側の9バイトがそれぞれ全黒でも全白でもないかが調べられる(ステップ1903)。ここで、注目画素2001より左側の9バイトがそれぞれ全黒若しくは全白であると判定されると(ステップ1903でNO)、この処理を終了するが、それぞれ全黒でも全白でもないと判定されると(ステップ1903でYES)、この画素は写真と判別され(ステップ1910)、この処理を終了する。
【0164】
また、ステップ1901で、近傍画素参照処理における参照方式が矩形領域であると判定されると、図21(A)に示すように、注目画素2101の右側の参照枠の全域に亘って隣接する3ラインの8ビット毎の論理和および論理積、すなわち図21(B)に示す、5×6=30個の論理和および論理積を算出する。
【0165】
そして、上記30個の論理和の全ての濃度が一定か、すなわち、上記30個の論理和の全てが上記a)からc)いずれかに該当するかを判定する(ステップ1905)。ここで、上記30個の論理和の全てが上記a)からc)いずれかに該当しない場合は(ステップ1905でNO)、ステップ1906に進む。
【0166】
ステップ1906では、上記30個の論理積の全ての濃度が一定か、すなわち、上記30個の論理積の全ての上記a)からc)いずれかに該当するかを判定する(ステップ1906)。ここで、上記30個の論理積の全てが上記a)からc)いずれかに該当しない場合は(ステップ1906でNO)、ステップ1907に進む。
【0167】
ステップ1907では、図21に示した場合と同様に、注目画素の右側の参照枠の全域に亘って隣接する3ラインの8ビット毎の論理和および論理積を算出する。
【0168】
そして、上記30個の論理和の全ての濃度が一定か、すなわち、上記30個の論理和の全てが上記a)からc)いずれかに該当するかを判定する(ステップ1908)。ここで、上記30個の論理和の全てが上記a)からc)いずれかに該当しない場合は(ステップ1908でNO)、ステップ1909に進む。
【0169】
ステップ1909では、上記30個の論理積の全ての濃度が一定か、すなわち、上記30個の論理積の全てが上記a)からc)いずれかに該当するかを判定する(ステップ1909)。ここで、上記30個の論理積の全てが上記a)からc)いずれかに該当しない場合は(ステップ1909でNO)、この処理を終了する。
【0170】
また、ステップ1905で、上記30個の論理和の全てが上記a)からc)いずれかに該当する場合(ステップ1905でYSE)、若しくはステップ1906で、上記30個の論理積の全てが上記a)からc)いずれかに該当する場合(ステップ1906でYSE)、若しくはステップ1908で、上記30個の論理和の全てが上記a)からc)いずれかに該当する場合は(ステップ1908でYSE)、若しくはステップ1909で、上記30個の論理積の全てが上記a)からc)いずれかに該当する場合(ステップ1909でYSE)は、この画素は写真と判別され(ステップ1910)、この処理を終了する。
【0171】
図18に戻り、ステップ1815では、ステップ1814の近傍画素参照処理の結果により写真と判定されたかを調べる。ここで、写真と判定されない場合は(ステップ1815でNO)この処理を終了するが、写真と判定された場合は(ステップ1815でYES)、分離情報の全ビットに写真フラグを設定し(ステップ1816)、この処理を終了する。
【0172】
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記実施例及び図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0173】
なお、上記画像倍率変換制御は、記憶装置に記憶された画像倍率変換制御プログラムに基づき中央演算処理装置で処理することにより行うことができる。
【0174】
なお、上記画像倍率変換制御プログラムは、ネットワーク等の通信手段により提供することは勿論、CD−ROM、DVD等の外部記録媒体に記録して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0175】
10 空白検出部
20 倍率変換処理部
21 罫線検出部
22 投影法処理部
23 罫線補正部
30 領域分離処理部
31 中間調検出部
32 孤立点検出部
33 累計情報参照部
34 近傍情報参照部
35 領域分離部
40 2値化処理部
41 白画素挿入部
42 分配補正部
43 閾値2値化処理部
44 擬似中間調2値化処理部
100 画像倍率変換装置
200 画像倍率変換装置
210 罫線検出部
340 近傍情報参照部
360 分離情報補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2値画像から所定の大きさの画素ブロックを抽出する抽出手段と、
注目画素ブロックが写真領域に属する写真ブロックであるか否か検出する中間調検出手段と、
前記注目画素ブロックが孤立点を含むか否かを検出する孤立点検出手段と、
前記2値画像を前記画素ブロック単位で多値濃度情報からなる多値画像に倍率変換処理する投影法処理手段と、
前記中間調検出手段による検出結果と前記孤立点検出手段による検出結果とに基づき前記多値画像を写真領域と文字領域とに分離する分離手段と、
前記分離手段により前記写真領域として分離された多値画像に対して擬似中間調2値化処理を行い、前記文字領域として分離された多値画像に対して所定の閾値による閾値2値化処理を行う2値化処理手段と
を具備する画像倍率変換装置。
【請求項2】
前記中間調検出手段は、
前記注目画素ブロックを所定の中間調パターンテーブルの中間長パターンとパターン照合して該画素ブロックが前記写真ブロックであるか否かを検出する請求項1記載の画像倍率変換装置。
【請求項3】
前記中間調検出手段は、
前記注目画素ブロックが前記中間調パターンより小さい場合であって、前記パターン照合により前記注目画素ブロックが前記写真ブロックでないと検出された場合、該中間調パターンを前記注目画素ブロックに対してずらして照合を行い、該照合により前記写真ブロックであると検出された場合は、該写真ブロックの検出を優先させる請求項2記載の画像倍率変換装置。
【請求項4】
前記孤立点検出手段は、
前記注目画素ブロックの少なくとも1つの画素を含む所定の大きさの孤立点検出領域内に少なくとも1つの黒画素があり、かつ、該孤立点検出領域の上下左右を囲む画素が全て白画素である場合、該注目画素ブロックが孤立点を含むと検出する請求項1記載の画像倍率変換装置。
【請求項5】
前記孤立点検出手段は、
前記注目画素ブロックが前記孤立点検出領域より小さい場合、前記孤立点検出領域を前記画素ブロックに対して1画素ずつずらして前記孤立点の検出を行い、該検出により前記注目画素ブロックに対して孤立点が検出された場合は、該検出を優先して該注目画素ブロックが孤立点を含むと検出する請求項4記載の画像倍率変換装置。
【請求項6】
前記孤立点検出手段は、
前記中間調検出手段により前記写真ブロックでないと検出された場合に、前記孤立点検出手段による検出を行う請求項1記載の画像倍率変換装置。
【請求項7】
前記投影法処理手段は、
前記注目画素ブロックを変換倍率にそれぞれ対応した複数のルックアップテーブルの照合パターンとパターン照合して該注目画素ブロックを多値濃度情報からなる多値画像ブロックに変換する請求項1記載の画像倍率変換装置。
【請求項8】
前記変換手段は、
前記注目画素ブロックを前記ルックアップテーブルを複数に分割した分割ルックアップテーブルの分割照合パターンと部分的にパターン照合して該注目画素ブロックを多値画像ブロックに変換する請求項7記載の画像倍率変換装置。
【請求項9】
前記ルックアップテーブルは、
前記注目画素ブロックに細線が含まれる場合、前記閾値2値化処理において該細線を保存するように設定される請求項7記載の画像倍率変換装置。
【請求項10】
前記中間調検出手段による検出結果と前記孤立点検出手段による検出結果とに基づき前記注目画素ブロックが前記写真ブロックか文字若しくは線画領域に属する文字ブロックかを示す分離情報を前記画素ブロックに対応して設定する設定手段
を具備し、
前記分離手段は、
前記分離情報に基づき前記多値画像を写真領域と文字領域とに分離する請求項1記載の画像倍率変換装置。
【請求項11】
前記注目画素ブロックのこれまでの前記分離情報を累計して参照する累計情報参照手段
を具備し、
前記設定手段は、
前記分離情報が文字ブロックを示す場合に、前記累計情報参照手段が参照する前記分離情報の累計値に基づき該注目画素ブロックが写真ブロックであると判別された場合は、該注目画素ブロックの分離情報を写真ブロックを示す分離情報に更新設定する請求項10記載の画像倍率変換装置。
【請求項12】
前記注目画素ブロックの左右の一定数画素ブロックを参照して、該注目画素ブロックの注目ラインの左右の一定数画素ブロックの画素が全黒若しくは全白でない場合は、該注目画素ブロックを写真ブロックと判定する近傍画素参照手段
を具備し、
前記設定手段は、
前記分離情報が文字ブロックを示す場合に、該注目画素ブロックが前記近傍画素参照手段により写真ブロックであると判別された場合は、該注目画素ブロックの分離情報を前記写真ブロックを示す分離情報に更新設定する請求項10記載の画像倍率変換装置。
【請求項13】
前記近傍画素参照手段は、
前記注目画素ブロックの注目ラインの左右の一定数画素ブロックの画素が全黒若しくは全白でない場合に、該注目画素ブロックの左右の所定数ブロックで上下ライン間で画素の論理和をとり、この論理和の結果が全黒の場合は、該注目画素ブロックを写真ブロックと判定する請求項12記載の画像倍率変換装置。
【請求項14】
前記近傍画素参照手段は、
前記注目画素ブロックを含む所定の参照枠内の全領域が一定の濃度である場合、該注目画素ブロックを写真ブロックと判定する請求項12記載の画像倍率変換装置。
【請求項15】
前記近傍画素参照手段は、
前記参照枠内の全領域に亘って単位画素数の複数の隣接するライン間で論理和と論理積を求め、これら論理和および論理積の結果のすべての濃度が所定の範囲内の濃度である場合に、前記注目画素ブロックを写真ブロックと判定する請求項14記載の画像倍率変換装置。
【請求項16】
前記所定の処理理単位数の画素ブロックが空白であるか否かを検出する空白検出手段と、
前記空白検出手段により空白が検出された場合は、該所定の処理理単位数の画素ブロックに対して前記投影法処理手段による処理に代えて所定の白画素を挿入する白画素挿入手段と
を具備する請求項1記載の画像倍率変換装置。
【請求項17】
前記画素ブロックが所定の処理単位数の画素ブロックで連続して罫線を含むか否かを検出する罫線検出手段と、
前記罫線検出手段により罫線を含むと検出された場合は、前記投影法処理手段により処理された多値画像の中の前記罫線検出手段により検出された罫線を構成する画素の濃度情報を前ラインの画素で同一の処理がなされていないことを条件に最大値に補正する罫線補正手段と
を具備する請求項1記載の画像倍率変換装置。
【請求項18】
前記罫線検出手段は、
所定の処理単位数の画素ブロックの注目ラインと該注目ラインの直下のラインと該直下のラインを1画素ライン方向にシフトしたラインとの論理和をとった結果が全黒の場合、前記罫線を含むと検出する請求項17記載の画像倍率変換装置。
【請求項19】
前記罫線補正手段は、
前記罫線検出手段により検出された罫線の間隔が所定のライン数に満たない場合は前記罫線検出手段により検出された罫線を構成する画素の濃度情報を前ラインの画素で同一の処理がなされていないことを条件に最大値に補正する罫線補正処理を行わない請求項17または18記載の画像倍率変換装置。
【請求項20】
前記罫線補正手段は、
前記罫線検出手段により検出された罫線の間隔が所定のライン数以上で、かつ前記罫線検出手段により検出された罫線による累積ラインパターンが予め設定されたパターンと一致した場合に前記罫線補正処理を行う請求項19記載の画像倍率変換装置。
【請求項21】
前記中間調検出手段の検出結果に基づき該画素ブロックが前記写真ブロックであるか前記文字ブロックであるかを判別する第1の判別手段と、
前記孤立点検出手段の検出結果に基づき該画素ブロックが前記写真ブロックであるか前記文字ブロックであるかを判別する第2の判別手段と、
前記画素ブロックが写真ブロックか文字ブロックかを示すこれまでの分離情報の累計値を参照して該当画素ブロックが前記写真ブロックであるか前記文字ブロックであるかを判別する第3の判別手段と、
該当画素ブロックの近傍情報を参照して該当画素ブロックの左右の一定値幅で全黒若しくは全白でない画素ブロックが連続しているか否かに基づき該画素ブロックが前記写真ブロックであるか前記文字ブロックであるかを判別する第4の判別手段と
を具備し、
前記第1の判別手段により前記画素ブロックが前記文字ブロックであると判別された場合は、前記第2の判別手段から第4の判別手段による判別を当該画素ブロックが前記写真ブロックであると判別されるまで段階的に行う請求項1記載の画像倍率変換装置。
【請求項22】
前記2値画像の変換倍率に応じて前記第1の判別手段から第4の判別手段による判別を選択的に行う請求項21記載の画像倍率変換装置。
【請求項23】
前記2値化処理手段は、
対象画素ブロックが前記文字ブロックである場合であって、前ラインの画素若しくは横方向1つ前の画素の2値化処理結果のいずれか一方が黒の場合は、前記多値ブロックの該当画素の濃度情報を所定の比率で高くした後に前記閾値2値化処理を行う請求項1載の画像倍率変換装置。
【請求項24】
コンピュータを、
2値画像から所定の大きさの画素ブロックを抽出する抽出手段、
前記画素ブロックが写真領域に属する写真ブロックであるか否か検出する中間調検出手段、
前記画素ブロックが孤立点を含むか否かを検出する孤立点検出手段、
前記2値画像を前記画素ブロック単位で多値濃度情報からなる多値画像に倍率変換処理する投影法処理手段、
前記中間調検出手段による検出結果と前記孤立点検出手段による検出結果とに基づき前記多値画像を写真領域と文字領域とに分離する分離手段、
前記分離手段により前記写真領域として分離された多値画像に対して擬似中間調2値化処理を行い、前記文字領域として分離された多値画像に対して所定の閾値による閾値2値化処理を行う2値化処理手段
として機能させる画像倍率変換プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−213252(P2010−213252A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167929(P2009−167929)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】