説明

画像入出力装置

【課題】イメージスキャナのような画像入出力装置処理において、著作権上適法なやり方で出力画像を使用するようユーザを導く。
【解決手段】イメージスキャナは、出版物5の任意の頁51の画像をスキャンするとき、出版物5を特定する情報(例えばISBN)も、出版物5から取得し、ISBNを検索キーとして用いて外部DB57から出版物5の詳細情報(出版社名や著作者名など)を取得する。イメージスキャナは、詳細情報を用いて、出版社名や著作者名などを文字列で表した出典データを生成し、スキャンで得た頁51の画像データと出典データを結合して、合成画像データを生成する。この合成画像が、プリンタ3や外部機器へ出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、イメージスキャナのような画像入出力装置に関し、特に、著作権を考慮した画像入出力の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージスキャナにおいて、書籍などの出版物の画像を読み取るときに、その出版物に印刷されている出版物を特定する情報、例えば、ISBN(International Standard Book Number)、を自動的に読み取るか又はユーザに入力させ、そのISBNを著作権管理団体のデータベースへ送信して著作権の利用許諾を得るなどの著作権管理のための必要な処理を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−174531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術によれば、出版物より読み取った画像の複写版の著作権管理はなされてるが、出版物から読み取った画像をユーザがどのように利用するかについては何の制御もなされない。例えば、ユーザは、出版物から読み取った画像を、ユーザの作成した文中に貼り付けることができる。その場合、その画像をユーザ自身の創作物の如くにユーザの作品中に組み込むというように、著作権上違法なやり方でその画像がユーザに使用される可能性がある。この問題は、イメージスキャナだけに限らず、例えばネットワークや外部接続機器から画像を入力して、その入力画像を、プリントアウトや画像ファイルなど何らかの形で出力することができる装置(例えば、汎用のパーソナルコンピュータなど)においても、同様に存在するであろう。
【0004】
従って、本発明の目的は、画像の入出力処理を制御して、著作権上適法なやり方で出力画像を使用するようユーザを導くことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの側面に従う画像読取装置は、画像源から提供される目的画像を表した画像データを入力する画像入力手段と、前記画像源に関する詳細情報を、所定の詳細情報源から取得する画像源詳細情報取得手段と、画像源詳細情報取得手段により取得された前記画像源に関する前記詳細情報に基づいて、前記画像源を表す文字列情報を含んだ出典データを生成する出典データ生成手段と、前記画像入力手段により入力された前記目的画像の前記画像データと、前記出典データ生成手段により生成された前記出典データとを結合して、前記目的画像と前記文字列情報の双方を含んだ合成画像を表した合成画像データを作成する合成画像作成手段と、前記合成画像作成手段により作成され前記合成画像データを出力する合成画像出力手段とを備える。
【0006】
画像源には種々のものが採用可能であり、例えば書籍のような出版物であっても、或いは、インターネット上の画像提供サイトであってもよい。出版物から目的画像の画像データを入力する方法には、例えばイメージスキャンを用いることができ、また、インターネット上の画像提供サイトから目的画像の画像データを入力する方法には、例えば画像提供サイトからのダウンロードの方法が採用できる。
【0007】
この画像入出力装置は、目的画像の画像データを入力するだけでなく、その目的画像を提供する画像源の詳細情報を取得して、その詳細情報に基づいて、その画像源を表した文字列情報を含む出典データを作成し、そして、その出典データと目的画像の画像データとを結合して合成画像データを生成し、その合成画像データを出力する。従って、出力された合成画像には、目的画像だけでなく、その出典を表す文字列が自動的に組み込まれる。ユーザは、この合成画像を例えばユーザの作成文書に組み入れて使用することができるが、この合成画像に目的画像の出典情報が記述されている。よって、ユーザにとって、自己の文書中で、出典を明示して目的画像を適法に引用することが容易である。
【0008】
好適な実施形態では、その画像入出力装置は、前記画像源を特定するための画像源特定情報を入力する画像源特定情報入力手段をさらに備え、前記画像源詳細情報取得手段が、前記画像源特定情報入力手段により入力された前記画像源特定情報を用いて、前記詳細情報源から、前記画像源特定情報により特定される前記画像源の前記詳細情報を検索する。例えば、画像源が書籍のような出版物である場合、その出版物の例えばISBN(International Standard Book Number)を、上記画像源特定情報として入力することができる。その場合、ISBNを検索キーとして出版物の詳細情報(例えば出版物名、出版社名及び著作者名など)をサーチし検索できるようになったデータベースシステムを、上記詳細情報源として利用することができる。
【0009】
書籍のような出版物を画像源とした好適な実施形態では、上記詳細情報は、上述したように、その出版物の出版物名、出版社名及び著作者名を特定する情報が含まれる。そして、出典データにも、その出版物名、出版社名及び前記著作者名を表した文字列情報が含まれる。
【0010】
上記好適な実施形態では、画像入出力装置は、出版物の任意の頁中の目的画像の画像データを入力できるだけでなく、その頁の頁番号の画像データも入力して、その頁番号を認識することができる。そして、画像入出力装置は、出版物名、出版社名及び前記著作者名を表した文字列情報だけでなく、認識された頁番号を表した文字列情報も、出典データに組み込むことができる。
【0011】
上記好適な実施形態では、画像入出力装置が取得する出版物の詳細情報には、その出版物の目次情報も含まれている。そして、画像入出力装置は、上記認識された頁番号と、上記取得された詳細情報に含まれる目次情報とに基づいて、その出版物のもつ種々の内容項目の中から、上記認識された頁番号に対応する内容項目を選択して、その内容項目を表した文字列情報を前記出典データに組み込むことができる。
【0012】
上記好適な実施形態では、さらに、画像入出力装置は、上記取得された詳細情報又は上記生成された出典データに基づいて電子透かしデータを生成し、その電子透かしデータを合成画像データに組み込むことができる。
【0013】
上記好適な実施形態では、出版物には、ISBNようなその出版物の特定情報を記憶したICメモリチップのような記憶装置が付属している。そして、画像入出力装置は、その出版物に付属する記憶装置から、ISBNようなその出版物の特定情報を入力する。或いは、変形例として、出版物に付属する上記記憶装置に、その出版物の出版物名、出版社名及び前記著作者名などの詳細情報が記憶されていてもよい。そして、画像入出力装置は、その出版物に付属する記憶装置から、その出版物の詳細情報を取得するようになっていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像入出力装置によれば、入力した目的画像を出力する場合、その目的画像とその出典情報とが結合された合成画像が出力されるから、例えば、ユーザがその目的画像を自己の文書中で引用しようとする場合、出力された合成画像をその文書に入れることで、出典を明らかにしてその目的画像の適法に引用することが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る画像入出力装置の構成及びデータの流れを示すブロック図である。
【0016】
この画像入出力装置は、一例として、イメージスキャナ1とプリンタ3とを備えた複合機(MFP:Multi
Function Peripherals)であり、イメージスキャナ、プリンタ、ファクシミリ装置及び複写装置として機能することができる。イメージスキャナ1とプリンタ3は一体であっても別体であってもよい。イメージスキャナ1は、画像源としての書籍のような出版物5の任意の頁51から任意の領域の画像(目的画像)を読み取り、本発明の原理に従って、読み取られた目的画像の画像データとその出典情報とを結合した合成画像データを生成して、その合成画像データをプリンタ3へ出力したり、記憶したり、或いは、他の外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ、外部記憶装置、ネットワークサイトなど)へ送信したりすることができる。プリンタ3は、イメージスキャナ1から合成画像データを受けて、合成画像のプリントアウトを出力することができる。
【0017】
出版物5には、外部と無線(又は有線)通信可能な小型のICメモリチップ(例えばRFIDタグ)53が付属しており(例えば、表紙に貼付または埋め込まれており)、そのICメモリチップ53に、その出版物5を特定するための情報、例えばISBN(International Standard Book Number)が記憶されている。また、出版物5の特定情報としてのISBNは、出版物5の裏表紙に、バーコードや数字で印刷されてもいる。
【0018】
イメージスキャナ1は、スキャナエンジン11と、ユーザインタフェース(ユーザI/F)13と、ISBN入力部15と、詳細情報取得部17と、頁番号認識部19と、出典情報生成部21と、ログストレージ部23と、画像合成部25と、プリンタ制御部27と、画像ストレージ部29とを備える。
【0019】
スキャナエンジン11は、原稿台や光学システムやイメージセンサやキャリッジ機構などを有し、原稿台上に置かれた出版物5の中の任意の頁51から任意の範囲の目的画像を読み取ることができる。ユーザI/F13は、例えば各種のボタンや表示パネルなどを備えたコントロールパネルであり、ユーザ59からプレスキャン要求、スキャン範囲指定、本スキャン要求及び印刷要求などの各種の動作要求を受けたり、ユーザ59へ各種のメッセージや画像を表示したりする。
【0020】
ISBN入力部15は、出版物5の特定情報であるISBNを入力するものである。ここで、ISBNの入力方法として、次の3通りの方法が使用できる。第1の方法は、ISBN入力部15が出版物5に付属するICメモリチップ53から無線(又は有線)通信により出版物5のISBNを読み取る方法である。第2の方法は、スキャナエンジン11により出版物5の裏表紙に印刷されたISBNのバーコード又は数字の画像を読み取ってISBN入力部15に渡し、ISBN入力部15がその画像からISBNを認識する方法である。第3の方法は、ユーザ59にISBNをユーザI/F13へ入力させ、ISBN入力部15がそのISBNをユーザI/F13から受ける方法である。
【0021】
詳細情報取得部17は、出版物5のISBNをISBN入力部15から受け取り、そのISBNを検索キーとして用いて、ネットワーク55上の外部データベース57から、出版物5の詳細情報を取得するものである。外部データベース57は、種々の出版物に関する詳細情報(例えば、出版物名、出版社名、著作者名及び目次情報など)を、それぞれの出版物のISBNに関連付けて記憶しており、詳細情報取得部17から検索キーとして或るISBNを受けると、その検索キーに対応する出版物の詳細情報をサーチし検索して、詳細情報取得部17へ返すことができる。なお、変形例として、出版物5のICメモリチップ53に、その出版物5の詳細情報が記憶されていて、詳細情報取得部17が、図1で点線で示すように、ICメモリチップ53から無線(又は有線)通信により、その出版物5の詳細情報を取得するようにしてもよい。この変形例では、ISBN入力部15により出版物5のISBNを入力する動作は省略することができる。
【0022】
頁番号認識部19は、エンジンスキャナ11がプレスキャンして読み取った出版物5の任意の頁の全体範囲の画像データを受け取り、その画像データから、その頁に記された頁番号を認識する。なお、プレスキャンで得られた頁の全体画像中から頁番号認識部19が頁番号の画像を見つけ出すことを容易にするために、その頁の全体画像をユーザI/F13に表示して、その表示画像上で頁番号が記された部分の範囲をユーザ59に指定させて、その指定された範囲をユーザI/F13から頁番号認識部19に通知する方法、或いは、頁番号認識部19が、その頁の全体画像の中の、予め設定されている頁番号の存在する可能性のある領域(余白領域)を自動的にチェックして、頁番号を自動的に見つけ出す方法などを採用することができる。或いは、変形例として、画像からページ番号を認識するのではなく、ユーザに頁番号をユーザI/F13へ入力させる方法を用いてもよい。
【0023】
出典情報生成部21は、詳細情報取得部17から出版物5の詳細情報を受け取り、その詳細情報に出版物名、出版社名及び著作者名などの情報項目に基づいて、その出版物名、出版社名及び著作者名などを記述した文字列情報を含んだ出典データを生成する。出典情報生成部21は、また、頁番号認識部19から頁番号を受け取り、その頁番号を記述した文字列情報も、上記生成される出典データに組み込むことができる。
【0024】
さらに、出典情報生成部21は、上記の頁番号と、上記の詳細情報に含まれる目次情報とから、その頁番号の頁に記載されている内容項目を決定し、その内容項目を記述した文字列情報も、上記生成される出典データに組み込むこともできる。すなわち、出版物5の目次情報は、その出版物5に含まれる多数の内容項目(章、節、項など)(つまり、出版物5内の多数の論理位置)と、それぞれの内容項目が記載された頁の頁番号(つまり、出版物5内の多数の物理位置)とを、互いに関連付けて定義する。出典情報生成部21は、そのような目次情報と、頁番号認識部19からの特定の頁番号とから、その特定の頁番号(物理位置)の頁に記載されている特定の内容項目(論理位置)を特定し、その特定された内容項目を表した文字列情報を、上記出典データに組み込むことができる。
【0025】
従って、出典情報生成部21によって生成される出典データには、目的画像の出典である出版物5の出版物名、出版社名及び著作者名などを示す文字列情報が含まれるだけでなく、その目的画像が記載されている頁の頁番号(物理位置)を示す文字列も含まれることができ、さらには、その目的画像が記載されている章、節、項などの内容項目(論理位置)を示す文字列も含まれることができる。
【0026】
ログストレージ部23は、出典情報生成部21から、読み取られた目的画像の出典データを受け取り、その出典データを、その目的画像に割り当てられた画像ID(例えば、画像ストレージ部29に保存される合成画像ファイルのファイル名)、及びその目的画像が読み取られた日時を示すタイムスタンプと関連付けて、ログデータとして保存しておき、そして、保存されたログデータを必要に応じて外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ、外部記憶装置、ネットワークサイトなど)へ送信するものである。
【0027】
画像合成部25は、スキャナエンジン11から目的画像の画像データを受け取り、出典情報生成部21からその目的画像の出典データを受け取り、その画像データと出典データを結合して、図2に例示するような、目的画像63とその出典(例えば、出版物名、出版社名、著作者名、頁番号、内容項目など)を示した文字列の画像(以下、出典情報画像という)65との双方を含んだ合成画像61を表した合成画像データを作成する。また、画像合成部25は、上記出典データに基づいて電子透かし67を形成して、図2に例示するように、電子透かし67を合成画像61に埋め込むように上記合成画像データを作成することもできる。なお、上記出典データに代えて、詳細情報取得部17により取得された詳細情報に基づいて、上記電子透かしを作成してもよい。
【0028】
プリンタ制御部27は、画像合成部25から上記合成画像データを受け取り、受け取った合成画像データに基づいて、1つの合成画像61を、目的画像63と出典情報画像65とが別の用紙に分離されることなく、1枚の用紙上に印刷するためのプリントジョブデータを作成して、そのプリントジョブデータをプリンタ3へ出力する。プリンタ3は、プリントジョブデータを受けて、1つの合成画像を1枚の用紙上に印刷する。
【0029】
画像ストレージ部29は、画像合成部25から、合成画像データのファイル(これを、合成画像ファイルという)を受け取って保存しておき、そして、保存された合成画像ファイルを必要に応じて外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ、外部記憶装置、ネットワークサイトなど)又はプリンタ制御部27へ送信するものである。合成画像ファイルの形式には、PDF形式、あるいはJPEGまたはGIFのような汎用的なラスタ形式など、種々の形式が採用できるが、著作権保護の観点から、ユーザが目的画像と出典情報画像とを容易には分離できない形式が好ましい。
【0030】
次に、図1に示す画像入出力装置によって出版物5の任意の頁51から目的画像を読み取るときの動作の流れの一例について説明する。
【0031】
ユーザ59が、出版物5の任意の頁51を開いてスキャナエンジン11の原稿台に載せ、ユーザI/F13にプレスキャン要求を入力すると、スキャナエンジン11がその頁51の全体範囲の画像を読み取る。このとき、ISBN入力部15が出版物5のICメモリチップ53からISBNを読み取る(あるいは、ユーザ59がユーザI/F13にISBNを入力してもよい)。プレスキャンされた頁51の全体範囲の画像は、ユーザI/F13に表示される。次に、ユーザ59が、ユーザI/F13に表示された頁51の全体範囲の画像上で、目的画像の範囲を指定し、且つユーザI/F13に本スキャン要求を入力すると、スキャナエンジン11がその頁51から、指定された範囲の画像(目的画像)を読み取る。
【0032】
詳細情報取得部17が、ISBN入力部15からISBNを受け取り、そのISBNを検索キーとした検索要求を、ネットワーク55を通じて外部DB57へ送信する。外部DB57は、そのISBNによって特定される出版物5の詳細情報((例えば、出版物名、出版社名、著作者名、目次情報など)を検索して、詳細情報取得部17へ返送する。その詳細情報は、詳細情報取得部17から出典情報生成部21へ渡される。
【0033】
一方、頁番号認識部19は、スキャナエンジン11によりプレスキャンされた頁51の全体範囲の画像から、その頁51の頁番号を認識し、認識された頁番号を出典情報生成部21へ送信する。出典情報生成部21は、詳細情報取得部17からの詳細情報(出版物名、出版社名、著作者名、及び目次情報など)と頁番号認識部19からの頁番号とに基づいて、目的画像の出典((出版物名、出版社名、著作者名、頁番号、内容項目など)を文字列で表現した出典データを作成し、その出典データを画像合成部25へ送信する。
【0034】
画像合成部25は、スキャナエンジン11から本スキャンで読み取られた目的画像の画像データを受け取り、出典情報生成部21から出典データを受け取り、目的画像の画像データと出典データとを結合して合成画像データを生成する。さらに、画像合成部25は、ユーザ59がユーザI/F13に入力したプリント要求または保存要求に応じて、その合成画像データを、プリンタ制御部27へ送信してプリンタ3に合成画像を印刷させ、又は、画像ストレージ部29へ送信してそこに保存する。
【0035】
本発明を実施する場合、目的画像の入力方法、ISBNなどの画像源の特定情報を入力する方法、詳細情報の取得方法などに、幾つかのバリエーションが採用し得る。目的画像の入力方法のバリエーションには、例えば次のようなものがある。
【0036】
1つ目の目的画像の入力方法は、上記実施形態で行われたイメージスキャンのように、目的画像を光学的に読み取って画像データを得る方法である。2つ目の方法は、ネットワークサイトや外部記憶装置やデジタルカメラなどの外部装置から、画像データを受信する方法である。
【0037】
ISBNなどの画像源の特定情報を入力する方法のバリエーションには、次のようなものがある。
【0038】
1つ目の入力方法は、上記実施形態で行われたように、出版物のような画像源に表示されたISBNのようなコードの画像を、光学的に読み取り、読み取られた画像からそのコードを認識する方法である。これには、バーコードリーダのような専用の読み取り装置を用いることもできるし、あるいは、目的画像を読み取るためのイメージスキャナを用いてもよい。ISBNのようなコードは、出版物の裏表紙のような、目的画像の記載場所とは異なる個所に表示されてもよいし、あるいは、出版物のあらゆる頁のように、目的画像の近傍の場所に表示されてもよい。
【0039】
2つ目の入力方法は、上記実施形態で行われたように、出版物のような画像源に付属する記憶媒体から、そこに予め記憶されているISBNのようなコードを入力する方法である。
【0040】
3つ目の入力方法は、上記実施形態で行われたように、ユーザに、ISBNのようなコードを入力させる方法である。
【0041】
詳細情報の取得方法のバリエーションには、次のようなものがある。
【0042】
1つ目の入力方法は、上記実施形態で行われたように、ISBNのような画像源の特定情報を用いて、データベースから、その画像源の詳細情報を検索する方法である。
【0043】
1つ目の入力方法は、画像源に付属する記憶媒体(又は画像源そのもの)から、そこに予め記憶されている詳細情報を受信する方法である。この方法は、画像源がデジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、外部記憶装置又はネットワークサイトなどの外部情報処理装置である場合に最も適している。この方法を用いる場合には、ISBNのような画像源の特定情報を入力する必要はない。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は本発明の説明のための例示にすぎず、本発明の適用範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。
【0045】
例えば、出典データに含まれる情報項目は、必ずしも上述した情報項目でなければならないわけではなく、上述した情報項目以外の情報項目(例えば、目的画像が図面である場合の図番など)が含まれていてもよいし、上述した情報項目のどれかが抜けていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る画像入出力装置の構成及びデータの流れを示すブロック図。
【図2】合成画像の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0047】
1 イメージスキャナ
3 プリンタ
5 出版物
11 スキャナエンジン
13 ユーザインタフェース(ユーザI/F)
15 ISBN入力部
17 詳細情報取得部
19 頁番号認識部
21 出典情報生成部
23 ログストレージ部
25 画像合成部
27 プリンタ制御部
29 画像ストレージ部
51 出版物の任意の頁
53 ICメモリチップ
55 通信ネットワーク
57 外部データベース(外部DB)
61 合成画像
63 目的画像
65 出典情報画像
67 電子透かし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像源から提供される目的画像を表した画像データを入力する画像入力手段と、
前記画像源に関する詳細情報を、所定の詳細情報源から取得する画像源詳細情報取得手段と、
画像源詳細情報取得手段により取得された前記画像源に関する前記詳細情報に基づいて、前記画像源を表す文字列情報を含んだ出典データを生成する出典データ生成手段と、
前記画像入力手段により入力された前記目的画像の前記画像データと、前記出典データ生成手段により生成された前記出典データとを結合して、前記目的画像と前記文字列情報の双方を含んだ合成画像を表した合成画像データを作成する合成画像作成手段と、
前記合成画像作成手段により作成され前記合成画像データを出力する合成画像出力手段と
を備える画像入出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像入出力装置において、
前記画像源を特定するための画像源特定情報を入力する画像源特定情報入力手段をさらに備え、
前記画像源詳細情報取得手段が、前記画像源特定情報入力手段により入力された前記画像源特定情報を用いて、前記詳細情報源から、前記画像源特定情報により特定される前記画像源の前記詳細情報を検索する、
画像入出力装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像入出力装置において、
前記画像源が出版物であり、
前記詳細情報は、前記出版物の出版物名、出版社名及び著作者名を特定する情報を含み、
前記出典データは、前記詳細情報により特定される前記出版物名、前記出版社名及び前記著作者名を表す文字列情報を含む電子データである、
画像入出力装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像入出力装置において、
前記画像源が、頁番号の記された複数の頁を有する出版物であり、
前記画像入力手段が、前記出版物の任意の頁中に存在する前記目的画像の画像データと前記頁番号の画像データとを入力し、
前記画像入出力装置は、さらに、前記画像入力手段により入力された前記頁番号の画像データから、前記頁番号を認識する頁番号認識手段を備え、
前記出典データ生成手段が、前記画像源詳細情報取得手段により取得された前記詳細情報と、前記頁番号認識手段により認識された前記頁番号とに基づいて、前記頁番号を表した文字列情報を前記出典データに組み込む、
画像入出力装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像入出力装置において、
前記画像源が出版物であり、
前記詳細情報が、さらに、前記出版物が有する複数の内容項目と前記複数の頁との対応関係を示した目次情報を含み、
前記出典データ生成手段が、前記頁番号認識手段により認識された前記頁番号と、前記画像源詳細情報取得手段により取得された前記詳細情報に含まれる前記目次情報と、に基づいて、前記複数の内容項目の中から前記頁番号に対応する少なくとも1つの内容項目を選択し、そして、前記選択された内容項目を表した文字列情報を前記出典データに組み込む、
画像入出力装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像入出力装置において、
前記合成画像作成手段は、前記詳細情報又は前記出典データに基づいて電子透かしデータを生成し、生成された前記電子透かしデータを前記合成画像データに組み込む、
画像入出力装置。
【請求項7】
請求項2に記載の画像入出力装置において、
前記画像源が出版物であり、前記出版物には、前記出版物を特定するための前記画像源特定情報を記憶した記憶装置が付属しており、
前記画像源特定情報入力手段が、前記出版物に付属する前記記憶装置から、前記出版物の前記画像源特定情報を入力する、
画像入出力装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像入出力装置において、
前記画像源が出版物であり、前記出版物には、前記出版物に関する前記詳細情報を記憶した記憶装置が、前記詳細情報源として、付属しており、
前記画像源詳細情報取得手段が、前記出版物に付属する前記記憶装置から、前記出版物の前記詳細情報を取得する、
画像入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−244568(P2008−244568A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78829(P2007−78829)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】