説明

画像処理システム、制御方法、プログラム、記録媒体及び画像供給装置

【課題】ユーザビリティを向上させてヒューマンエラーによる情報の漏洩を防止することができる画像処理システムを提供する。
【解決手段】ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムであって、前記画像供給装置は、前記画像データがセキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索して表示する手段と、前記ユーザによって選択された画像処理装置に前記画像データを送信する送信手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、制御方法、プログラム、記録媒体及び画像供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地紋技術などを利用して印刷ドキュメントに所定の情報を含ませる(埋め込む)ことが可能となっており、例えば、自由に複写などをされないようにする情報が埋め込まれた印刷ドキュメント(以下、「機密ドキュメント」とする)が存在している。
【0003】
そこで、画像読取機能及び画像形成機能を有する画像処理装置(所謂、複写機)などでは、画像読取時に機密ドキュメントであるかどうかを判別し、機密ドキュメントに対しては、ユーザを認証した後で操作を許可する(処理を実行する)装置が登場している。また、このような画像処理装置では、機密ドキュメントの読取データを保存する場合には、ユーザの認証が必要な領域に保存してセキュリティを確保している。なお、ユーザの認証は、一般的に、パスワードやICカードを用いて行われる。
【0004】
このような技術に関しては、従来から提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−186810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年では、画像読取装置や画像処理装置のネットワーク化が進んでいるため、画像読取装置、画像処理装置及びネットワークの全体で機密ドキュメント(の読取データ)に対してセキュリティを確保する必要がある。従って、画像読取装置で機密ドキュメントを読み取ってネットワーク上の画像処理装置で処理を行うような場合、ユーザは、セキュリティを考慮して画像処理装置を検索及び選択しなければならない。
【0006】
具体的には、画像読取装置で機密ドキュメントを読み取ってネットワーク上の画像処理装置で印刷処理を行う場合、ユーザは、例えば、以下の(1)乃至(4)のセキュリティ条件を満たす画像処理装置を検索及び選択する必要がある。
【0007】
(1)画像読取装置と画像処理装置との間のネットワーク(通信路)の暗号化(セキュア)が可能である。
【0008】
(2)ポーズプリント機能を有している。
【0009】
(3)機密ドキュメントの読取データを印刷処理後に確実に消去する機能を有している。
【0010】
(4)信頼されている(例えば、会社内又は課内に設置されている)画像処理装置である。
【0011】
ここで、ポーズプリント機能とは、画像読取装置から送信される印刷データを一時的に画像処理装置に保存し、かかる画像処理装置の前でユーザの認証を行った後で印刷データの印刷処理を行う機能であって、印刷物がユーザ以外の他者の目に触れることを防止する。
【0012】
また、画像読取装置で機密ドキュメントを読み取ってネットワーク上の画像処理装置に保存する場合、ユーザは、例えば、以下の(1)乃至(3)のセキュリティ条件を満たす画像処理装置を検索及び選択する必要がある。
【0013】
(1)画像読取装置と画像処理装置との間のネットワーク(通信路)の暗号化(セキュア)が可能である。
【0014】
(2)パスワードやICカードによるユーザの認証が必要な保存領域を有している。
【0015】
(3)信頼されている(例えば、会社内又は課内に設置されている)画像処理装置である。
【0016】
このように、同じ機密ドキュメントであっても、ユーザが所望する処理によって画像処理装置に要求されるセキュリティ条件が異なる場合がある。一方、ネットワーク上の画像処理装置が有するセキュリティ機能はそれぞれ異なるため、ユーザは所望する処理に応じてセキュリティ条件を満たすことが可能な画像処理装置を検索及び選択し、かかるセキュリティ条件を満たすための設定を行わなければならない。従来技術では、このような操作をユーザの手動で行っていたため、ヒューマンエラーが発生しやすく、機密ドキュメントが漏洩する可能性があった。
【0017】
例えば、セキュアでないネットワーク(通信路)を介して機密ドキュメントの読取データを送信してしまった場合、かかるネットワークから機密ドキュメントが傍受されてしまうことがある。また、ポーズプリント機能を有していない画像処理装置を選択して印刷処理を行ってしまった場合、機密ドキュメントがユーザ以外の他者の目に触れてしまうことがある。更には、信頼されていない(例えば、社外に設置されている)画像処理装置を選択して印刷処理を行ってしまった場合、機密ドキュメントが社外に漏洩してしまう。
【0018】
そこで、本発明は、このような従来技術の課題に鑑みて、ユーザビリティを向上させてヒューマンエラーによる情報の漏洩を防止することができる画像処理システムを提供することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の第1の側面としての画像処理システムは、ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像読取装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムであって、前記画像供給装置は、前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する決定手段と、前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ前記決定手段によって決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された画像処理装置を、前記ユーザが選択可能に表示する表示手段と、前記表示手段に表示され、前記ユーザによって選択された画像処理装置に前記画像データを送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の第2の側面としての制御方法は、ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムの制御方法であって、前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する決定ステップと、前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ前記決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索ステップと、前記検索ステップで検索された画像処理装置を、前記ユーザが選択可能に表示する表示ステップと、前記表示ステップで表示され、前記ユーザによって選択された画像処理装置に前記画像データを送信する送信ステップと、を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の第3の側面としての制御方法は、ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムの制御方法であって、前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有する画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索ステップと、前記検索ステップで検索された画像処理装置から前記ユーザの要求する処理を実行する画像処理装置を決定する第1の決定ステップと、前記第1の決定ステップの後で、前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップで前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する第2の決定ステップと、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たすかどうかを判定する第2の判定ステップと、前記第2の判定ステップにおいて、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たすと判定された場合に、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置に前記画像データを送信する送信ステップと、を有することを特徴とする。
【0022】
本発明の第4の側面としてのプログラムは、ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムの制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する決定ステップと、前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ前記決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索ステップと、前記検索ステップで検索された画像処理装置を、前記ユーザが選択可能に表示する表示ステップと、前記表示ステップで表示され、前記ユーザによって選択された画像処理装置に前記画像データを送信する送信ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明の第5の側面としてのプログラムは、ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムの制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有する画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索ステップと、前記検索ステップで検索された画像処理装置から前記ユーザの要求する処理を実行する画像処理装置を決定する第1の決定ステップと、前記第1の決定ステップの後で、前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップで前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する第2の決定ステップと、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たすかどうかを判定する第2の判定ステップと、前記第2の判定ステップにおいて、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たすと判定された場合に、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置に前記画像データを送信する送信ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0024】
本発明の第6の側面としての記録媒体は、上述のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
【0025】
本発明の第7の側面としての画像供給装置は、ネットワークを介して複数の画像処理装置と接続され、供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行させる画像供給装置であって、前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する決定手段と、前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ前記決定手段によって決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された画像処理装置を、前記ユーザが選択可能に表示する表示手段と、前記表示手段に表示され、前記ユーザによって選択された画像処理装置に前記画像データを送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【0026】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、例えば、ユーザビリティを向上させてヒューマンエラーによる情報の漏洩を防止することができる画像処理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の構成については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0029】
図1は、本発明の一側面としての画像処理システム1の構成を示す概略図である。画像処理システム1は、ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、かかる画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理をネットワーク上の画像処理装置で実行するシステムである。
【0030】
図1を参照するに、画像処理システム1は、単機能印刷装置(SFP:Sigle Function Printer)10と、複合機能印刷装置(MFP:Multi Function Printer)20及び30とを有する。更に、画像処理システム1は、SFP10とMFP20及び30とをそれぞれ接続するLAN40と、LAN40を外部のインターネット(Internet)60に接続するファイアウォール(Fire Wall)50とを有する。なお、LAN40は、ファイアウォール50及びインターネット60を介して、別のネットワーク(Network)70に接続されている。
【0031】
SFP10は、画像処理として、LAN40を介して受信する画像データを記録紙に印刷する印刷機能のみを有する。MFP20及び30は、画像処理として、印刷ドキュメントを読み取って画像データを生成する画像読取機能、画像データを記録紙に印刷する印刷機能、画像データを保存する保存機能やLAN40を介して画像データを送信する送信機能などの種々の機能を有する。
【0032】
本実施形態の画像処理システム1において、MFP20は、印刷ドキュメントを読み取って画像データを生成し、かかる画像データをSFP10又はMFP30に送信(供給)する画像供給装置として機能する。また、SFP10及びMFP30は、MFP20から受信した画像データに対して、ユーザの要求する処理(画像処理)を実行する画像処理装置として機能する。なお、以下では画像供給装置として原稿(印刷ドキュメント)上の画像をリーダによって読み取って得た画像データをネットワークを介して画像処理装置に供給するMFPを例に説明するがこれに限るものではない。即ち、パーソナルコンピュータ等で動作するアプリケーションで作成したデータ等をデバイスドライバ等を介してネットワーク上の画像処理装置に供給するものなど、種々のタイプの画像供給装置を採用可能である。
【0033】
図2を参照して、MFP20の内部構成について説明する。なお、SFP10及びMFP30は、MFP20と同様な内部構成を有するため、ここでの詳細な説明は省略する。図2は、MFP20の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。
【0034】
MFP20は、図2に示すように、CPU201と、ROM202と、RAM203と、システムバス204とを有する。また、MFP20は、ユーザインタフェースコントローラ(UIC)205と、ファンクションコントローラ(FUNCC)206と、ディスクコントローラ(DKC)207と、ネットワークインターフェースカード(NIC)208とを有する。更に、MFP20は、ユーザインタフェース(UI)209と、ファンクション(FUNC)210と、ハードディスク(HD)211と、フレキシブルディスク(FD)212とを有する。
【0035】
CPU201は、ROM202又はHD211に記憶された各種プログラム、或いは、FD212から供給される各種プログラムを実行する。また、CPU201は、システムバス204に接続されている各構成要素を総括的に制御する。
【0036】
RAM203は、CPU201の主メモリやワークエリア等として機能する。
【0037】
UIC205は、UI209への表示(例えば、MFP20の動作状態、MFP20の操作画面、ユーザへの警告など)や、UI209から入力される指示(例えば、画像処理の設定や選択など)を制御する。
【0038】
FUNCC206は、MFP20の特有の機能(即ち、上述した画像読取機能、印刷機能、保存機能、送信機能など)であるFNC210を実現及び制御する。例えば、MFP20がモノクロ印刷を行う装置である場合、FUNCC206はモノクロプリントエンジンコントローラを含み、FNC210はモノクロプリントエンジンを含む。同様に、MFP20がカラー印刷を行う装置である場合、FUNCC206はカラープリントエンジンコントローラを含み、FNC210はカラープリントエンジンを含む。
【0039】
DKC207は、ブートプログラム、画像処理システム1の動作(制御)プログラム、種々のアプリケーションを記憶する機能、或いは、画像データを記憶するBox機能(保存機能)を実現する記憶領域としてのHD211及びFD212とのアクセスを制御する。
【0040】
NIC208は、LAN40を介して、LAN40に接続された機器(他のネットワーク機器も含む)とデータ(画像データなど)の送受信(双方向通信)を可能にする。
【0041】
また、図2に示すMFP20の各内部構成は、画像処理システム1において、それぞれ単独で、或いは、協働して、判定部、決定部、検索部、表示部、送信部、記憶部などとして機能する。
【0042】
例えば、CPU201は、印刷ドキュメントを読み取って生成した画像データが機密データであるかどうかを判定する判定部として機能する。なお、機密データとは、MFP20によって生成された画像データにユーザの要求する処理を実行するSFP10又はMFP30に対してセキュリティ条件を要求するデータであって、例えば、機密ドキュメントの画像データである。具体的には、CPU201は、印刷ドキュメントを読み取る際に、印刷ドキュメントに埋め込まれた地紋を抽出し、かかる地紋が機密ドキュメントを示す情報を含んでいれば、機密データであると判定する。なお、地紋とは、オリジナルのドキュメントには目に見え難い形式で印刷され、このドキュメントをスキャナで読み取った場合に、浮き出てくる画像のことを指す。また、セキュリティ条件を要求しているか否かは、これに限らず、ユーザがセキュリティ条件を必要とする旨を指示したかどうか、特定のキーワードを含むドキュメントかどうかなどを判定するようにしてもよい。CPU201は、画像処理を実行する画像処理装置がセキュリティ条件を満たすかどうかを判定することもできる。
【0043】
また、CPU201は、印刷ドキュメントを読み取って生成した画像データが機密データである場合に、ユーザの要求する処理に応じて、SFP10又はMFP30に必要となるセキュリティ条件を決定する決定部として機能する。例えば、CPU201は、ユーザの要求する処理及び後述するROM202やHD211に記憶されたテーブル(図3参照)に基づいてセキュリティ条件を決定する。なお、CPU201は、ユーザの要求する処理を実行する画像処理装置を決定する機能も有する。
【0044】
更に、CPU201は、ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、LAN40に接続された複数の画像処理装置(本実施形態では、SFP10及びMFP30)から検索する検索部として機能する。また、CPU201は、画像データが機密データではない場合に、ユーザの要求する処理を実行する機能を有する画像処理装置を、LAN40に接続された複数の画像処理装置から検索する。なお、CPU201は、セキュリティ条件にかかわらず、ユーザの要求する処理を実行する機能を有する画像処理装置を、LAN40に接続された複数の画像処理装置から検索することも可能である。
【0045】
UI209は、タッチパネルなどで構成され、CPU201によって検索された画像処理装置(ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置)を、ユーザが選択可能に表示する表示部として機能する。また、UI209は、ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつCPU201によって決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を検索できなかった場合に、その旨を表示する。
【0046】
NIC208は、UI209に表示され、ユーザによって選択された画像処理装置に画像データを送信する送信部として機能する。
【0047】
ROM202やHD211は、MFP20によって生成された画像データに対して実行する処理と、かかる処理に必要なセキュリティ条件との関係を示すテーブルを記憶する記憶部として機能する。
【0048】
図3は、画像データに対して実行する処理と、かかる処理に必要なセキュリティ条件との関係を示すテーブルTBLの一例を示す図である。かかるテーブルTBLは、一般には、ユーザによって予め設定されていているが、例えば、処理実行時に一時的に変更されてもよい。なお、図3に示すテーブルTBLにおける画像処理及びセキュリティ条件は一例であり、これに限定されるものではない。
【0049】
図3を参照するに、画像データに対して印刷処理を実行する場合には、セキュリティ条件として、通信路(本実施形態では、LAN40)の暗号化、及び、ポーズプリント機能が必要となる。また、画像データに対して保存処理を実行する場合には、セキュリティ条件として、通信路の暗号化、セキュアBOX機能、ハードディスク(HD)の暗号化、及び、信頼されている画像処理装置が必要となる。ここで、セキュアBOX機能とは、パスワードやICカードによってユーザが認証された場合にのみ、画像データを記憶する記憶領域における操作を可能とする機能である。同様に、画像データに対してFAX処理を実行する場合には、セキュリティ条件として、通信路の暗号化、及び、信頼されている画像処理装置が必要となる。なお、信頼されている画像処理装置は、画像データの送信を指示するユーザや送信元の画像供給装置との関係等で決定される。即ち、例えば、ユーザが所属しているグループに属する画像処理装置、また送信元の画像供給装置と同じセグメントに設置されている画像処理装置が信頼されている画像処理装置である。
【0050】
画像処理システム1における全体的な動作について説明する。図4は、画像処理システム1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。図5は、画像処理システム1の動作の別の例を説明するためのフローチャートである。
【0051】
まず、図4を参照して、ユーザの要求する処理に必要なセキュリティ条件を決定した後、MFP20によって生成された画像データに対して処理を実行する画像処理装置を選択する場合を例に説明する。
【0052】
ステップS1002では、MFP20によって生成された画像データに対して実行する処理(即ち、ユーザの要求する処理)を決定する。例えば、MFP20は、画像データに対して実行する各処理(印刷処理、保存処理、FAX処理など)を、ユーザに選択可能にUI209に表示し、ユーザがUI209に表示された各処理の1つを選択することで、画像データに対して実行する処理が決定される。
【0053】
ステップS1004では、MFP20が印刷ドキュメントを読み取って画像データを生成する。
【0054】
ステップS1006では、MFP20は、ステップS1004で生成した画像データが機密データであるかどうか(即ち、画像データがセキュリティ条件を要求するかどうか)を判定する。例えば、MFP20は、上述したように、印刷ドキュメントを読み取る際に、印刷ドキュメントに埋め込まれた地紋を抽出し、かかる地紋から機密データであるかどうかを判定する。また、MFP20は、UI209を介してユーザからの指示(画像データが機密データである、或いは、機密データではないことを示す指示)を受け付け、かかる指示に応じて機密データであるかどうかを判定してもよい。
【0055】
ステップS1006で画像データが機密データではないと判定された場合には、MFP20は、ステップS1008において、ステップS1002で決定された処理(ユーザの要求する処理)を実行する機能を有する画像処理装置を検索する。但し、ステップS1002で決定された処理を実行する機能を有する画像処理装置は、画像処理システム1のネットワーク上の複数の画像処理装置(本実施形態では、SFP10及びMFP30)から検索されることは言うまでもない。
【0056】
次に、MFP20は、ステップS1010において、ステップS1008で検索された画像処理装置を、ユーザに選択可能にUI209に表示する。なお、ステップS1002で決定された処理を実行する機能を有する画像処理装置を検索することができなかった場合には、その旨を表示する。
【0057】
一方、ステップS1006で画像データが機密データであると判定された場合には、MFP20は、ステップS1012において、ステップS1002で決定された処理に必要なセキュリティ条件を決定する。例えば、MFP20は、上述したように、ROM202やHD211に記憶されたテーブルTBLを参照して、ステップS1002で決定された処理に対して画像処理装置に必要となるセキュリティ条件を決定する。
【0058】
次に、MFP20は、ステップS1008において、ステップS1002で決定された処理を実行する機能を有し、かつステップS1012で決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を検索する。但し、ステップS1002で決定された処理を実行する機能を有し、かつステップS1012で決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置は、画像処理システム1のネットワーク上の複数の画像処理装置から検索されることは言うまでもない。
【0059】
次いで、MFP20は、ステップS1016において、ステップS1014で検索された画像処理装置を、ユーザに選択可能にUI209に表示する。なお、ステップS1002で決定された処理を実行する機能を有し、かつステップS1012で決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を検索することができなかった場合には、その旨を表示する。
【0060】
ステップS1018では、MFP20は、ステップS1010又はS1016で表示された画像処理装置から、ステップS1004で生成された画像データに対してステップS1002で決定された処理を実行する画像処理装置を決定する。具体的には、ユーザがステップS1010又はS1016で表示された画像処理装置から1つの画像処理装置を選択することで、画像データに対して処理を実行する画像処理装置が決定される。この際、ステップS1012で決定されたセキュリティ条件が画像処理装置で設定される機能に関わるものであれば、当該機能が画像処理装置に設定される。
【0061】
ステップS1020では、MFP20は、ステップS1004で生成された画像データを、ステップS1018で決定された画像処理装置に送信する。
【0062】
ステップS1022では、ステップS1018で決定された画像処理装置が、MFP20から送信されてきた画像データに対して、ステップS1002で決定された処理を実行する。
【0063】
画像処理システム1では、ユーザの要求する処理に応じて変化するセキュリティ条件の決定、かかるセキュリティ条件を満たす画像処理装置の検索をMFP20で自動的に行うことができる。そして、ユーザが検索された画像処理装置から少なくとも1つの画像処理装置を選択することで、かかる画像処理装置で画像データに対する処理が実行される。このように、画像処理システム1は、ユーザビリティを向上させてヒューマンエラーによる機密ドキュメントの漏洩を防止することができる。
【0064】
次に、図5を参照して、MFP20によって生成された画像データに対して処理を実行する画像処理装置を選択した後、ユーザの要求する処理に必要なセキュリティ条件を決定する場合を例に説明する。
【0065】
ステップS1102では、MFP20によって生成された画像データに対して実行する処理(即ち、ユーザの要求する処理)を決定する。例えば、MFP20は、画像データに対して実行する各処理(印刷処理、保存処理、FAX処理など)を、ユーザに選択可能にUI209に表示し、ユーザがUI209に表示された各処理の1つを選択することで、画像データに対して実行する処理が決定される。
【0066】
ステップS1104では、MFP20は、ステップS1102で決定された処理(ユーザの要求する処理)を実行する機能を有する画像処理装置を検索する。但し、ステップS1102で決定された処理を実行する機能を有する画像処理装置は、画像処理システム1のネットワーク上の複数の画像処理装置(本実施形態では、SFP10及びMFP30)から検索されることは言うまでもない。
【0067】
ステップS1106では、MFP20は、ステップS1104で検索された画像処理装置を、ユーザに選択可能にUI209に表示する。なお、ステップS1102で決定された処理を実行する機能を有する画像処理装置を検索することができなかった場合には、その旨を表示する。
【0068】
ステップS1108では、MFP20は、ステップS1106で表示された画像処理装置から、MFP20によって生成される画像データに対してステップS1102で決定された処理を実行する画像処理装置を決定する(第1の決定ステップ)。具体的には、ユーザがステップS1106で表示された画像処理装置から1つの画像処理装置を選択することで、画像データに対して処理を実行する画像処理装置が決定される。
【0069】
ステップS1110では、MFP20が印刷ドキュメントを読み取って画像データを生成する。
【0070】
ステップS1112では、MFP20は、ステップS1110で生成した画像データが機密データであるかどうか(即ち、画像データがセキュリティ条件を要求するかどうか)を判定する(第1の判定ステップ)。例えば、MFP20は、上述したように、印刷ドキュメントを読み取る際に、印刷ドキュメントに埋め込まれた地紋を抽出し、かかる地紋から機密データであるかどうかを判定する。また、MFP20は、UI209を介してユーザからの指示(画像データが機密データである、或いは、機密データではないことを示す指示)を受け付け、かかる指示に応じて機密データであるかどうかを判定してもよい。
【0071】
ステップS1112で画像データが機密データではないと判定された場合には、MFP20は、ステップS1114において、ステップS1110で生成された画像データを、ステップS1108で決定された画像処理装置に送信する。
【0072】
一方、ステップS1006で画像データが機密データであると判定された場合には、MFP20は、ステップS1116において、ステップS1102で決定された処理に必要なセキュリティ条件を決定する(第2の決定ステップ)。例えば、MFP20は、上述したように、ROM202やHD211に記憶されたテーブルTBLを参照して、ステップS1102で決定された処理に対して画像処理装置に必要となるセキュリティ条件を決定する。
【0073】
次に、MFP20は、ステップS1118において、ステップS1108で決定された画像処理装置がステップS1116で決定されたセキュリティ条件を満たすかどうかを判定する(第2の判定ステップ)。
【0074】
ステップS1118で画像処理装置がセキュリティ条件を満たすと判定された場合には、MFP20は、ステップS1120において、ステップS1110で生成された画像データを、ステップS1108で決定された画像処理装置に送信する。
【0075】
一方、ステップS1118で画像処理装置がセキュリティ条件を満たさないと判定された場合には、MFP20は、ステップS1122において、画像処理装置がセキュリティ条件を満たさない旨を、UI209に表示する。
【0076】
次いで、MFP20は、ステップS1124において、MFP20によって生成される画像データに対する処理を終了するかどうか(即ち、画像データに対する処理を継続するかどうか)を確認する。例えば、MFP20は、画像データに対する処理を終了するかどうかを、ユーザに選択可能にUI209に表示し、ユーザがUI209を介して画像データに対する処理を終了するかどうかを入力することで、画像データに対する処理を終了するかどうかを確認する。
【0077】
ステップS1124において、画像データに対する処理を終了する場合には、画像処理システム1における動作を終了し、画像データに対する処理を継続する場合には、ステップS1126に進む。
【0078】
ステップS1126では、MFP20は、ステップS1102で決定された処理を実行する機能を有し、かつステップS1116で決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を再検索する。但し、ステップS1102で決定された処理を実行する機能を有し、かつステップS1116で決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置は、画像処理システム1のネットワーク上の複数の画像処理装置から検索されることは言うまでもない。
【0079】
ステップS1128では、ステップS1126で再検索された画像処理装置を、ユーザに選択可能にUI209に表示する。なお、ステップS1102で決定された処理を実行する機能を有し、かつステップS1116で決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を検索することができなかった場合には、その旨を表示する。
【0080】
ステップS1130では、MFP20は、ステップS1128で表示された画像処理装置から、ステップS1110で生成された画像データに対してステップS1102で決定された処理を実行する画像処理装置を決定する。具体的には、ユーザがステップS1128で表示された画像処理装置から1つの画像処理装置を選択することで、画像データに対して処理を実行する画像処理装置が決定される。
【0081】
ステップS1132では、MFP20は、ステップS1110で生成された画像データを、ステップS1130で決定された画像処理装置に送信する。
【0082】
ステップS1134では、ステップS1108又はS1130で決定された画像処理装置が、MFP20から送信されてきた画像データに対して、ステップS1102で決定された処理を実行する。
【0083】
画像処理システム1では、ユーザの要求する処理に応じて変化するセキュリティ条件の決定、かかるセキュリティ条件を満たす画像処理装置の検索をMFP20で自動的に行うことができる。そして、ユーザが検索された画像処理装置から少なくとも1つの画像処理装置を選択することで、かかる画像処理装置で画像データに対する処理が実行される。但し、画像処理装置が画像データに対する処理に必要なセキュリティ条件を満たさない場合には、画像データに対する処理を実行することなく、画像処理システム1における動作を終了する。このように、画像処理システム1は、ユーザビリティを向上させてヒューマンエラーによる機密ドキュメントの漏洩を低減することができる。
【0084】
以下、図6を参照して、画像処理システム1において、画像供給装置として機能するMFP20の動作について説明する。図6は、MFP20の動作を説明するためのフローチャートである。
【0085】
ステップS2100では、MFP20の初期化を実行する。
【0086】
ステップS2200では、UI209を介して入力されるユーザからの指示を待つ。ステップS2200において、ユーザから入力される指示は、MFP20が実行する処理であって、例えば、読取・送信処理、終了処理、その他の処理などがある。
【0087】
ステップS2200でユーザが読取・送信処理を指示した場合、ステップS2300において、印刷ドキュメントを読み取って画像データを生成し、かかる画像データを画像処理装置に送信する読取・送信処理を実行して、ステップS2200に戻る。なお、読取・送信処理については、後で詳細に説明する。
【0088】
ステップS2200でユーザが終了処理を指示した場合、ステップS2400において、MFP20の動作を終了させる終了処理を実行する。
【0089】
ステップS2200でユーザがその他の処理を指示した場合、ステップS2500において、その他の処理を実行して、ステップS2200に戻る。
【0090】
ここで、図7を参照して、ステップS2200の読取・送信処理について説明する。図7は、ステップS2200の読取・送信処理の詳細なフローチャートである。
【0091】
ステップS2302では、UI209を介して入力されるユーザからの指示を待つ。ステップS2302において、ユーザから入力される指示は、処理決定指示、画像処理装置決定指示、読取指示、検索指示、終了指示、実行指示などがある。
【0092】
ステップS2302でユーザが処理決定指示を指示した場合、ステップS2304において、画像処理装置がMFP20によって生成される画像データに対して実行する処理を決定して、ステップS2302に戻る。
【0093】
ステップS2302でユーザが画像処理装置を決定する指示を行った場合、ステップS2306において、ステップS2302又はS2314で決定された処理を画像データに対して実行する画像処理装置を決定して、ステップS2302に戻る。
【0094】
ステップS2302でユーザが読取指示を指示した場合、ステップS2308において、印刷ドキュメントを読み取って画像データを生成する。
【0095】
次に、ステップS2310において、ステップS2308で生成した画像データが機密データであるかどうか(即ち、画像データがセキュリティ条件を要求するかどうか)を判定する。
【0096】
ステップS2308で生成した画像データが機密データでなければ、ステップS2302に戻る。
【0097】
ステップS2308で生成した画像データが機密データであれば、ステップS2312において、MFP20によって生成される画像データに対して実行する処理が決定されているか(即ち、ステップS2304が実行されているかどうか)を判定する。
【0098】
画像データに対して実行する処理が決定されていないと判定された場合には、ステップS2314において、画像処理装置がMFP20によって生成される画像データに対して実行する処理を決定する。
【0099】
画像データに対して実行する処理が決定されていると判定された場合には、ステップS2316において、ステップS2304又はS2314で決定された処理に必要なセキュリティ条件を決定する。
【0100】
次に、ステップS2318において、ステップS2302又はS2314で決定された処理を画像データに対して実行する画像処理装置が決定しているかどうか(即ち、ステップS2302又はS2314が実行されているかどうか)を判定する。
【0101】
画像データに対して処理を実行する画像処理装置が決定していないと判定された場合には、ステップS2302に戻る。
【0102】
画像データに対して処理を実行する画像処理装置が決定していると判定された場合には、ステップS2320に進む。
【0103】
ステップS2320では、ステップS2302又はS2314で決定された画像処理装置がステップS2316で決定されたセキュリティ条件を満たす機能を有しているかどうかを判定する。
【0104】
画像処理装置がセキュリティ条件を満たすと判定された場合には、ステップS2302に戻る。
【0105】
画像処理装置がセキュリティ条件を満たさないと判定された場合には、ステップS2322において、画像処理装置がセキュリティ条件を満たさない旨を表示する。
【0106】
また、ステップS2302でユーザが検索指示を指示した場合、ステップS2324において、セキュリティ条件があるかどうか(即ち、ステップS2316が実行されているかどうか)を判定する。
【0107】
セキュリティ条件があると判定された場合には、ステップS2326において、ステップS2316で決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、画像処理システム1のネットワーク上から検索する。
【0108】
セキュリティ条件がないと判定された場合には、ステップS2328において、ステップS2316で決定されたセキュリティ条件を満たすかどうかにかかわらず、画像処理システム1のネットワーク上の画像処理装置を検索する。
【0109】
次いで、ステップS2330において、ステップS2326又はS2328で検索された画像処理装置を表示して、ステップS2302に戻る。
【0110】
また、ステップS2302でユーザが終了指示を指示した場合、読取・送信処理を終了する。
【0111】
また、ステップS2302でユーザが実行指示を指示した場合、ステップS2332において、画像処理装置がMFP20によって生成される画像データに対して処理を実行するための実行情報が全て決定されているかどうかを判定する。ここで、実行情報とは、画像データに対して実行する処理、画像データに対して処理を実行するために決定すべき処理内容や画像処理装置を特定する情報などである。
【0112】
実行情報が全て決定されていないと判定された場合には、ステップS2302に戻る。
【0113】
実行情報が全て決定されていると判定された場合には、ステップS2334において、ステップS2308で生成した画像データと、ステップS2304又はS2314で決定した画像データに対して実行する処理の内容を示す処理情報とを含むジョブを生成する。
【0114】
次いで、ステップS2336において、ステップS2306で決定した画像処理装置にステップS2334で生成したジョブを送信して、読取・送信処理を終了する。
【0115】
以下、図8を参照して、画像処理システム1において、受信した画像データを処理する画像処理装置として機能するMFP30の動作について説明する。図8は、MFP30の動作を説明するためのフローチャートである。
【0116】
ステップS3002では、MFP30の初期化を実行する。
【0117】
ステップS3004では、MFP20(画像供給装置)から送信されるジョブを待つ。
【0118】
ステップS3004でMFP20からジョブを受信し、かかるジョブに含まれる処理情報が印刷処理である場合、ステップS3006において、画像データを記録紙に印刷する印刷処理を実行して、ステップS3004に戻る。
【0119】
ステップS3004でMFP20からジョブを受信し、かかるジョブに含まれる処理情報が保存処理である場合、ステップS3008において、画像データを保存する保存処理を実行して、ステップS3004に戻る。
【0120】
ステップS3004でMFP20からジョブを受信し、かかるジョブに含まれる処理情報がFAX処理である場合、ステップS3010において、画像データをFAX送信するFAX処理を実行して、ステップS3004に戻る。この場合、FAX送信宛先はMFP20でユーザから指定され、処理情報内に書き込まれる。
【0121】
ステップS3004でMFP20からジョブを受信し、かかるジョブに含まれる処理情報がその他の処理である場合、ステップS3012において、その他の処理を実行して、ステップS3004に戻る。
【0122】
上述した実施形態は、システム又は装置のコンピュータ(CPU又はMPUなど)によって、ソフトウエア的に実現することが可能である。
【0123】
従って、上述した実施形態をコンピュータで実現するために、かかるコンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。換言すれば、上述した実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一側面を構成する。
【0124】
なお、上述した実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能であれば、どのようか形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
【0125】
上述した実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記録媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記録媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
【0126】
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであってもよい。
【0127】
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
【0128】
従って、上述した実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一側面を構成する。
【0129】
また、上述した実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記録媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。
【0130】
また、上述した実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
【0131】
更に、上述した実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。
【0132】
図9は、本実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体のメモリマップを示す図である。ここでは、記録媒体の一例としてCD−ROMを例に説明する。
【0133】
DIAは、ディレクトリ情報を記録している領域であって、後述する領域PA1及び領域PA2の位置を示す。
【0134】
領域PA1は、本実施形態を実現するプログラムをインストールするためのインストールプログラムを記録している領域である。
【0135】
領域PA2は、本実施形態を実現するプログラムを記録している領域である。
【0136】
本実施形態を実現するプログラムがMFP20にインストールされる際には、まず、領域PA1に記録されているインストールプログラムがシステムにロードされ、CPU201によって実行される。
【0137】
次に、CPU201によって実行されるインストールプログラムが、領域PA2に記録されている本実施形態を実現するプログラムを読み出して、HD211に格納する。
【0138】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の一側面としての画像処理システムの構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す画像処理システムにおけるMFPの内部構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図3】画像データに対して実行する処理と、かかる処理に必要なセキュリティ条件との関係を示すテーブルの一例を示す図である。
【図4】図1に示す画像処理システムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示す画像処理システムの動作の別の例を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示す画像処理システムにおいて、画像読取装置として機能するMFPの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示すステップS2200の読取・送信処理の詳細なフローチャートである。
【図8】図1に示す画像処理システムにおいて、画像読取装置として機能するMFPの動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体のメモリマップを示す図である。
【符号の説明】
【0140】
1 画像処理システム
10 単機能印刷装置(SFP)
20 複合機能印刷装置(MFP)
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 ユーザインタフェースコントローラ(UIC)
206 ファンクションコントローラ(FUNCC)
207 ディスクコントローラ(DKC)
208 ネットワークインターフェースカード(NIC)
209 ユーザインタフェース(UI)
210 ファンクション(FUNC)210
211 ハードディスク(HD)
212 フレキシブルディスク(FD)
30 複合機能印刷装置(MFP)
40 LAN
50 ファイアウォール
60 インターネット
70 ネットワーク
TBL テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムであって、
前記画像供給装置は、
前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する決定手段と、
前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ前記決定手段によって決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された画像処理装置を、前記ユーザが選択可能に表示する表示手段と、
前記表示手段に表示され、前記ユーザによって選択された画像処理装置に前記画像データを送信する送信手段と、
を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記画像処理装置が前記画像データに対して実行する処理と、当該処理に必要な前記セキュリティ条件との関係を示すテーブルを記憶する記憶手段を更に有し、
前記決定手段は、前記ユーザの要求する処理及び前記記憶手段に記憶されたテーブルに基づいて前記セキュリティ条件を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記検索手段は、前記判定手段によって前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータではないと判定された場合に、前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有する画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記検索手段が前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ前記決定手段によって決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を検索できなかった場合に、その旨を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項5】
ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムの制御方法であって、
前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する決定ステップと、
前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ前記決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索ステップと、
前記検索ステップで検索された画像処理装置を、前記ユーザが選択可能に表示する表示ステップと、
前記表示ステップで表示され、前記ユーザによって選択された画像処理装置に前記画像データを送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項6】
ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムの制御方法であって、
前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有する画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索ステップと、
前記検索ステップで検索された画像処理装置から前記ユーザの要求する処理を実行する画像処理装置を決定する第1の決定ステップと、
前記第1の決定ステップの後で、前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップで前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する第2の決定ステップと、
前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たすかどうかを判定する第2の判定ステップと、
前記第2の判定ステップにおいて、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たすと判定された場合に、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置に前記画像データを送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
前記第2の判定ステップにおいて、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たさないと判定された場合に、その旨を表示する表示ステップを有することを特徴とする請求項6記載の制御方法。
【請求項8】
前記第2の判定ステップにおいて、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たさないと判定された場合に、前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から再検索する再検索ステップを有することを特徴とする請求項6記載の制御方法。
【請求項9】
ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムの制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する決定ステップと、
前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ前記決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索ステップと、
前記検索ステップで検索された画像処理装置を、前記ユーザが選択可能に表示する表示ステップと、
前記表示ステップで表示され、前記ユーザによって選択された画像処理装置に前記画像データを送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
ネットワークを介して画像供給装置と複数の画像処理装置とが接続され、前記画像供給装置が供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行する画像処理システムの制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有する画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索ステップと、
前記検索ステップで検索された画像処理装置から前記ユーザの要求する処理を実行する画像処理装置を決定する第1の決定ステップと、
前記第1の決定ステップの後で、前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップで前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する第2の決定ステップと、
前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たすかどうかを判定する第2の判定ステップと、
前記第2の判定ステップにおいて、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置が前記第2の決定ステップで決定されたセキュリティ条件を満たすと判定された場合に、前記第1の決定ステップで決定された画像処理装置に前記画像データを送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
ネットワークを介して複数の画像処理装置と接続され、供給する画像データに対して、ユーザの要求する処理を前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つの画像処理装置で実行させる画像供給装置であって、
前記画像データが前記画像処理装置に対してセキュリティ条件を要求するデータであるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記画像データが前記セキュリティ条件を要求するデータであると判定された場合に、前記ユーザの要求する処理に応じて前記セキュリティ条件を決定する決定手段と、
前記ユーザの要求する処理を実行する機能を有し、かつ前記決定手段によって決定されたセキュリティ条件を満たす画像処理装置を、前記ネットワークに接続された前記複数の画像処理装置から検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された画像処理装置を、前記ユーザが選択可能に表示する表示手段と、
前記表示手段に表示され、前記ユーザによって選択された画像処理装置に前記画像データを送信する送信手段と、
を有することを特徴とする画像供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−206653(P2009−206653A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−45099(P2008−45099)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】