説明

画像処理システムおよび画像処理方法

【課題】ユーザが望むフレームの画像データを高精度に検出することができ、効率よく動画の観測、評価を行うことが可能な画像処理システムを提供する。
【解決手段】連続した複数フレームの画像データを記憶する画像データ記憶部203と、記憶された画像データを表示する表示部207と、表示された画像データにおいて注目領域を設定する注目領域設定部210と、設定された注目領域について、画像データ記憶部203に記憶された隣接するフレームの画像データを比較して、その変化量を検出する変化量検出部204と、検出された変化量が所定の閾値を超えたことを判定する変化判定部205と、変化判定部205によって所定の閾値を超えたと判定されたフレームの画像データをインデックスとして記憶するインデックス記憶部206とを備える画像処理システムを採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを処理するための画像処理システムおよび画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡システムにおいて、長時間の動画撮影またはタイムラプス撮影後に動画全体を見直すことで、注目すべき部分を決定してから観測、評価などの操作が行われる。この注目すべき部分の決定には、通常の再生速度より速い速度で再生しながら動画の内容を確認したり、適当な位置まで早送りしてから再生する必要があり、当該作業に多くの時間を要するという課題があった。
【0003】
この課題を解決するために、従来、動画の内容を確認しやすいようにインデックスを自動的に付加し、ユーザによる動画の内容の把握を補助する動画像処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−45426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている動画像処理装置では、記録された動画のフレーム間において、均等間隔で格子状に配置された複数の測定ポイントにおける輝度の変化量が閾値以上のフレームにインデックスを付加することで、画像全体の変化が大きいフレームの自動検出を実現している。
【0006】
しかしながら、画像全体の変化量が常に大きい場合や、画像中におけるユーザが注目する注目領域の変化量よりも該注目領域外の変化量が大きい場合には、図15に示すように、多くのフレームにおいて、出力画面101における輝度の変化量102が所定の閾値を超えてしまう。この場合には、本来望まない多くのフレームにインデックスが付加されてしまい、観察作業の効率が低下するという課題がある。
【0007】
また、実際には、ユーザが注目したいフレームは、単純に変化量が大きいフレームに限られない。具体的には、変化量の小さいフレームや、ある特定領域で変化量が大きく、かつ別の領域で変化量が小さいフレームなどが、ユーザが注目したいフレームの場合もある。したがって、画像全体の変化が大きいフレームだけでなく、ユーザが注目したい特定の条件を満たすフレームの高精度な自動検出が望まれている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ユーザが望むフレームの画像データを高精度に検出することができ、効率よく動画の観測、評価を行うことが可能な画像処理システムおよび画像処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の態様は、連続した複数フレームの画像データを記憶する画像データ記憶部と、該画像データ記憶部に記憶された画像データを表示する表示部と、該表示部に表示された画像データにおいて注目領域を設定する注目領域設定部と、該注目領域設定部によって設定された注目領域について、前記画像データ記憶部に記憶された隣接するフレームの画像データを比較して、その変化量を検出する変化量検出部と、該変化量検出部によって検出された変化量が所定の閾値を超えたことを判定する判定部と、該判定部によって所定の閾値を超えたと判定されたフレームの画像データをインデックスとして記憶するインデックス記憶部とを備える画像処理システムである。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、連続した複数フレームの画像データが画像データ記憶部に記憶され、該画像データが表示部に表示される。そして、表示部に表示された画像データにおいて、ユーザが注目する注目領域が注目領域設定部により設定される。このように設定された注目領域について、変化量検出部により、隣接するフレームの画像データが比較され、その変化量が検出される。そして、判定部により変化量が所定の閾値を超えたと判定されたフレームの画像データが、インデックス記憶部にインデックスとして記憶される。
【0011】
このようにすることで、ユーザが注目する注目領域内において変化が生じたフレームの画像データにインデックスを付加することができる。これにより、インデックスが付加された画像データ、すなわち、ユーザが注目したいフレームの画像データを高精度に自動検出して、検出した画像データを表示部に表示させることができる。これにより、ユーザは効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0012】
上記態様において、前記注目領域設定部が、複数の注目領域を設定し、前記インデックス記憶部が、複数の注目領域ごとに、その変化量が所定の閾値を超えたフレームの画像データをインデックスとして記憶することとしてもよい。
このようにすることで、ユーザが注目する注目領域が複数ある場合にも、これら注目領域内において変化が生じたフレームの画像データにインデックスを付加することができる。これにより、複数の注目領域ごとに、ユーザが注目したいフレームの画像データを高精度に自動検出して、検出した画像データを表示部に表示させることができ、ユーザは効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0013】
上記態様において、前記変化量検出部において比較を行う対象を設定する比較対象設定部を備えることとしてもよい。
このようにすることで、ユーザが注目する注目領域内において、比較を行う対象を任意に設定することができ、この比較対象の変化が、特定の条件を満たすフレームの画像データにインデックスを付加することができる。これにより、特定の条件を満たすフレームの画像データを高精度に自動検出することができ、効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0014】
上記態様において、前記判定部において判定の基準とする前記閾値を設定する条件設定部を備えることとしてもよい。
このようにすることで、ユーザが注目する注目領域内において、隣接するフレームの画像データ間で変化が生じたと判定する基準(閾値)を任意に設定することができ、変化が生じたフレームの画像データにインデックスを付加することができる。これにより、ユーザが注目したいフレームの画像データを高精度に自動検出して、検出した画像データを表示部に表示させることができ、ユーザは効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0015】
上記態様において、前記注目領域設定部によって設定された注目領域の妥当性を判断する妥当性判断部と、該妥当性判断部の判断結果によって注目領域を再設定する注目領域再設定部とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、注目領域設定部によって設定された注目領域の妥当性が、妥当性判断部により判断され、その判断結果によって新たな注目領域が注目領域再設定部により再設定される。これにより、例えば観察対象物の移動や成長が大きく、観察対象物が最初に設定した注目領域内から外れた場合においても、観察対象物を含む新たな注目領域を再設定することができる。これにより、ユーザが注目したいフレームの画像データを高精度に自動検出して、検出した画像データを表示部に表示させることができ、ユーザは効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0016】
本発明の第2の態様は、連続した複数フレームの画像データを記憶する画像データ記憶工程と、該画像データ記憶工程によって記憶された画像データを表示する表示工程と、該表示工程によって表示された画像データにおいて注目領域を設定する注目領域設定工程と、該注目領域設定工程によって設定された注目領域について、前記画像データ記憶工程において記憶された隣接するフレームの画像データを比較して、その変化量を検出する変化量検出工程と、該変化量検出工程によって検出された変化量が所定の閾値を超えたことを判定する判定工程と、該判定工程によって所定の閾値を超えたと判定されたフレームの画像データをインデックスとして記憶するインデックス記憶工程とを含む画像処理方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザが望むフレームの画像データを高精度に検出することができ、効率よく動画の観測、評価を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係る顕微鏡システムの機能ブロック図である。
【図2】図1の顕微鏡システムにより実行される処理を示すフローチャートである。
【図3】図1の顕微鏡システムの表示部に表示される画面例である。
【図4】第2の実施形態に係る顕微鏡システムの表示部に表示される画面例である。
【図5】第3の実施形態に係る顕微鏡システムの機能ブロック図である。
【図6】図5の顕微鏡システムにより実行される処理を示すフローチャートである。
【図7】図5の顕微鏡システムの表示部に表示される画面例である。
【図8】第4の実施形態に係る顕微鏡システムの機能ブロック図である。
【図9】図8の顕微鏡システムにより実行される処理を示すフローチャートである。
【図10】図8の顕微鏡システムの表示部に表示される画面例である。
【図11】第5の実施形態に係る顕微鏡システムの表示部に表示される画面例である。
【図12】第6の実施形態に係る顕微鏡システムの機能ブロック図である。
【図13】図12の顕微鏡システムにより実行される処理を示すフローチャートである。
【図14】図12の顕微鏡システムの表示部に表示される画面例である。
【図15】従来の顕微鏡システムの課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る画像処理システムについて図1から図3を参照して説明する。本実施形態では、本発明に係る画像処理システムを顕微鏡システムに適用した例について説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム1は、図1に示すように、顕微鏡部201と、処理部200と、表示部207と、入力部209とを備えている。
【0020】
顕微鏡部201、表示部207、および入力部209は、処理部200にそれぞれ接続されており、ユーザが入力部209を介してパラメータの設定や動画の選択などを行うようになっている。また、入力部209に入力されたパラメータの設定値や、顕微鏡部201により取得した画像データは、処理部200を介して表示部207に出力されるようになっている。
【0021】
入力部209は、ユーザが注目する注目領域を入力する入力手段として、注目領域設定部210を包含し、パラメータの入力を統括するようになっている。入力部209の具体的な構成としては、例えば、キーボード、マウス、ジョイスティックなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
表示部207は、例えばディスプレイ等の画像表示部208を備えており、入力部209に入力されたパラメータの設定値や、顕微鏡部201により取得された画像データを表示するようになっている。
【0023】
処理部200は、画像データの処理を行うものであり、画像データ記憶部203と、変化量検出部204と、変化判定部(判定部)205と、インデックス記憶部206とを機能として備えている。処理部200の具体的な構成としては、例えばPC(パーソナルコンピュータ)を用いる事ができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
画像データ記憶部203は、例えばハードディスクであり、顕微鏡部201により取得した画像データを記憶する記憶手段である。
変化量検出部204は、画像データ記憶部203に記憶されている情報をもとに、隣接するフレーム間における変化量を算出する。具体的には、変化量検出部204は、入力部209に設定された注目領域について、隣接するフレーム間における輝度等の変化量を検出する。ここで、変化量としては、注目領域における輝度の平均値でもよく、注目領域における輝度の総和値としてもよい。
【0025】
変化判定部205は、入力部209に予め設定された条件と、変化量検出部204により検出された検出結果とを比較し、隣接するフレーム間に変化が生じたことを判定する。具体的には、変化判定部205は、変化量検出部204により検出された輝度の変化量が、入力部209に予め設定された閾値よりも大きい場合に、隣接するフレーム間に変化が生じたこととして判定する。
【0026】
インデックス記憶部206は、変化判定部205により変化が生じたと判定されたフレームにインデックスを付加するとともに、インデックスが付加された画像データのフレーム番号を記憶するようになっている。
【0027】
顕微鏡部201は、例えば正立顕微鏡装置、倒立顕微鏡などを用いることができるが、これに限定されるものではない。顕微鏡部201には、観測対象の画像を撮像し、撮像した複数の画像データを画像データ記憶部203に記憶させる手段として、撮像部202が含まれる。撮像部202には、公知の光検出器、例えばCCDカメラ、CMOSカメラ、ビデオカメラ、光増倍管など用いる事ができるが、これに限定されるものではない。
【0028】
上記構成を有する顕微鏡システム1の作用について以下に説明する。
図2は、本実施形態の顕微鏡システム1において実行される処理を示したフローチャートである。以下、本実施形態の顕微鏡システム1において実行される処理について図2に従って説明する。
【0029】
まず、ステップS301において、注目領域の設定を行う。
ここでは、ユーザが注目領域設定部210によって、画像データにおける注目する注目領域を指定する。
【0030】
具体的には、図1に示すように、画像データ記憶部203であるハードディスクに記憶されている複数の画像データのうち、1フレーム目の画像データを検索して、画像表示部208であるディスプレイに表示させる。ユーザは、画像表示部208に表示された1フレーム目の画像を確認して、図3に示すように、出力画像401における注目領域402を、注目領域設定部210であるマウスを操作することによって設定する。注目領域402の大きさは、マウスを操作することによって自由に設定できる。なお、図中の符号403は隣接するフレームにおける輝度の差分値の時間的変化を示している。
【0031】
ここで、画像データ記憶部203はハードディスク、画像表示部208はディスプレイ、注目領域設定部210はマウスとして説明したが、これに限定されるものではない。
また、図3において、注目領域402として、四角形状の領域が指定されているが、これに限定されるものではない。例えば楕円形、多角形等のように、領域が明確に指定されるのであれば問題はない。
【0032】
次に、ステップS302において、初期フレームの読み込みを行う。
ここでは、変化量検出部204は、画像データ記憶部203であるハードディスクに記憶されている画像データの1フレーム目を読み込む。
【0033】
次に、ステップS303において、次フレームの読み込みを行う。
ここでは、変化量検出部204は、既に読み出してあるフレーム(N番目)の画像データに加えて、次のフレーム(N+1番目)の画像データを、画像データ記憶部203から読み込む。
【0034】
次に、ステップS304において、変化量の計算を行う。
ここでは、変化量検出部204は、読み込んだN番目、N+1番目のフレームの画像データにおける注目領域402の変化量を計算する。変化量としては、例えばピクセルごとの輝度値の差分の平均値が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0035】
次に、ステップS305において、算出された変化量が条件を満たしているか否かが判断される。
具体的には、変化判定部205は、変化量検出部204によって検出された変化量が、所定の閾値を超えているか否かを判断する。条件を満たす場合(変化量が所定の閾値を超える場合)には、ステップS306に移行する。一方、条件が満たされない場合(変化量が所定の閾値以下の場合)には、ステップS307に移行する。ここで、上記の条件は、例えば、変化量がピクセルごとの輝度値の差分の平均値の場合には、その変化量が50以上あるいは40以下などが考えられるが、これに限定されるものではない。
【0036】
次に、ステップS306において、インデックスの付加が行われる。
具体的には、インデックス記憶部206は、現在読み出して計算を行ったフレーム、すなわち、変化量検出部204によって検出された変化量が上記の条件を満たしているフレームを記憶するとともに、インデックスを付加する。記憶の方法としては、例えば、現在読み出したフレーム番号Nを記憶する方法があるが、これに限定されるものではない。
【0037】
次に、ステップS307において、最終フレームであるか否かが判断される。
ここでは、変化量検出部204に読み込まれているフレームが、最終フレームである場合には処理を終了する。一方、最終フレームでない場合には、ステップS303に移行して、変化量の計算を続ける。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システム1によれば、連続した複数フレームの画像データが画像データ記憶部203に記憶され、画像データが表示部207に表示される。そして、表示部207に表示された画像データにおいて、ユーザが注目する注目領域が注目領域設定部210により設定される。このように設定された注目領域について、変化量検出部204により、隣接するフレームの画像データが比較され、その変化量が検出される。そして、変化判定部205により変化量が所定の閾値を超えたと判定されたフレームの画像データが、インデックス記憶部206にインデックスとして記憶される。
【0039】
このようにすることで、ユーザが注目する注目領域内において変化が生じたフレームの画像データにインデックスを付加することができる。これにより、インデックスが付加された画像データ、すなわち、ユーザが注目したいフレームの画像データを高精度に自動検出して、検出した画像データを表示部207に表示させることができる。これにより、ユーザは効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0040】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システムについて、図4を参照して以下に説明する。以下、本実施形態の顕微鏡システム2について、第1の実施形態の顕微鏡システム1と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0041】
本実施形態の顕微鏡システム2の構成は、第1の実施形態の顕微鏡システム1の構成図と同様であるため、図1を参照する。
また、本実施形態の顕微鏡システム2における処理は、第1の実施形態の顕微鏡システム1における処理とほぼ同様であるため、図2を参照し、変更点についてのみ記載する。
【0042】
本実施形態の顕微鏡システム2では、ステップS301において注目領域を以下のように複数設定する。
ここでは、ユーザが注目領域設定部210によって、1フレームの画像データにおいてユーザが注目する複数の注目領域を指定する。
【0043】
具体的は、まず、図4に示すように、画像データ記憶部203であるハードディスクに記憶されている画像データの1フレーム目を検索して表示部208であるディスプレイに表示させる。ユーザは、画像表示部208に表示された1フレーム目の画像を確認して、出力画像501における複数の注目領域502、503、504を注目領域設定部210であるマウスによって設定する。なお、図中の符号505は隣接するフレームにおける輝度の差分値の時間的変化を示している。
【0044】
以降の処理は、第1の実施形態の顕微鏡システム1と同様であり、設定した複数の注目領域502、503、504のそれぞれについて、隣接するフレーム間における変化量を検出して、変化が生じたと判定された場合にそのフレームの画像データにインデックスを付加する。
【0045】
ここで、画像データ記憶部203はハードディスク、画像表示部208はディスプレイ、注目領域設定部210はマウスとしたが、これに限定されるものではない。
また、図4では、注目領域502、503、504は、四角形状の領域が指定されているが、これに限定されるものではない。例えば楕円形、多角形などのように領域が明確に指定されるのであれば問題はない。
【0046】
以上のように、本実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システム2によれば、ユーザが注目する注目領域が複数ある場合にも、これら注目領域内において変化が生じたフレームの画像データにインデックスを付加することができる。これにより、複数の注目領域ごとに、ユーザが注目したいフレームの画像データを高精度に自動検出して、検出した画像データを表示部に表示させることができ、ユーザは効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0047】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システムについて、図5から図7を参照して以下に説明する。以下、本実施形態の顕微鏡システム3について、前述の各実施形態の顕微鏡システムと共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0048】
本実施形態の顕微鏡システム3の構成は、図5に示すように、第1の実施形態の顕微鏡システム1の構成(図1参照)とほぼ同様であるが、その相違点について以下に説明する。
本実施形態の顕微鏡システム3では、図5に示すように、入力部610に、注目領域設定部611に加えて、変化量検出部605において比較を行う対象を設定する比較対象設定部612を有している。
【0049】
比較対象設定部612は、例えば、キーボード、マウス、ジョイスティックなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。
比較対象の例としては、各ピクセルの輝度値YやRGB値などの差分の平均値、総和値などが考えられるが、これに限定されるものではない。また、注目領域内に存在する観察対象物が細胞などの場合は、その大きさや移動量などを用いてもよい。前後のフレームでの変化を判断できる特定の要素が設定されればよい。
【0050】
上記構成を有する顕微鏡システム3の作用について以下に説明する。
図6は、本実施形態の顕微鏡システムにおいて実行される処理を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の顕微鏡システム3の処理について、第1の実施形態の顕微鏡システム1の処理との相違点について以下に説明する。
【0051】
図6に示すように、ステップS702では、比較対象の設定を行う。
ここでは、図7に示すように、表示部の出力画面801中の比較対象を表すコンボボックス803から、比較対象設定部612であるマウスによって比較対象を設定する。図7に示す例では、比較対象として、B値の差分の平均値とする。
【0052】
次に、ステップS705において変化量の計算を行う。
具体的には、変化量検出部605は、読み込んだN番目、N+1番目のフレームの画像データの注目領域802の変化量を計算する。変化量は、比較対象設定部612で設定された比較対象について計算する。すなわち、本実施形態の場合には、B値の差分の平均値である。
【0053】
次に、ステップS706において、変化量が条件を満たしているか否かを判断する。
ここでは、変化判定部606は、変化量検出部605によって検出された変化量が、予め設定された条件を満たしているかを判断する。条件を満たす場合には、ステップS707に移行する。一方、条件が満たされない場合には、ステップS708に移行する。本実施形態では、比較対象がB値の差分の平均値とされているので、条件は例えば、B値の差分の平均値が50以上、40以下などが考えられるが、これに限定されるものではない。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システム3によれば、ユーザが注目する注目領域内において、比較を行う対象を任意に設定することができ、この比較対象の変化が、特定の条件を満たすフレームの画像データにインデックスを付加することができる。これにより、特定の条件を満たすフレームの画像データを高精度に自動検出することができ、効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0055】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システムについて、図8から図10を参照して以下に説明する。以下、本実施形態の顕微鏡システム4について、前述の各実施形態の顕微鏡システムと共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0056】
本実施形態の顕微鏡システム4の構成は、図8に示すように、第3の実施形態の顕微鏡システム3の構成(図5参照)とほぼ同様であるが、その相違点について以下に説明する。
本実施形態の顕微鏡システム4では、図8に示すように、入力部910に、注目領域設定部911および比較対象設定部912に加えて、変化判定部906で判断を行う際の比較条件を設定する比較条件設定部(条件設定部)913を有している。
【0057】
比較条件設定部913は、例えば、キーボード、マウス、ジョイスティックなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。
比較条件の例としては、比較対象が輝度値YやRGB値などの差分の平均値の場合には、その差分の平均値が50以上、60以下、40以上かつ80以下などが考えられるが、これに限定されるものではない。比較対象に適した条件であればよい。
【0058】
上記構成を有する顕微鏡システム4の作用について以下に説明する。
図9は、本実施形態の顕微鏡システムにおいて実行される処理を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の顕微鏡システム4の処理について、第3の実施形態の顕微鏡システム3の処理(図6参照)との相違点について以下に説明する。
【0059】
ステップS1003において、比較条件の設定を行う。
具体的には、図10に示すように、表示部908の出力画面1101中の比較条件を表すコンボボックス1104から、比較条件設定部913であるマウスによって比較条件を設定する。図10に示す例では、比較条件として100を超えるものとする。
【0060】
次に、ステップS1007において注目領域1102の変化量が条件を満たしているか否かの判断を行う。
ここでは、変化判定部906は、変化量検出部905によって算出された変化量が比較条件設定部913で設定した条件を満たしているかを判断する。条件を満たす場合には、ステップS1008に移行する。一方、条件が満たされない場合には、ステップS1009に移行する。
【0061】
以上のように、本実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システム4によれば、ユーザが注目する注目領域内において、隣接するフレームの画像データ間で変化が生じたと判定する基準(比較条件)を任意に設定することができ、変化が生じたフレームの画像データにインデックスを付加することができる。これにより、ユーザが注目したいフレームの画像データを高精度に自動検出して、検出した画像データを表示部に表示させることができ、ユーザは効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0062】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システムについて、図11を参照して以下に説明する。以下、本実施形態の顕微鏡システム5について、前述の各実施形態の顕微鏡システムと共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0063】
本実施形態の顕微鏡システム5の構成は、第4の実施形態の顕微鏡システム4の構成と同様であるため、図8を参照する。
また、本実施形態の顕微鏡システム5における処理は、第4の実施形態の顕微鏡システム4における処理とほぼ同様であるため、図9を参照し、変更点についてのみ記載する。
【0064】
本実施形態の顕微鏡システム5では、ステップS1002において、比較対象を以下のように設定する。
ここでは、図11に示すように、表示部908の出力画面1201中の比較対象を表すコンボボックス1205から、比較対象設定部912であるマウスによって比較対象を設定する。この際、複数の注目領域1202、1203、1204ごとに比較対象を設定する。図11に示す例では、注目領域1の比較対象はB値の差分の平均値、注目領域2の比較対象はG値の差分の総和値、注目領域3の比較対象はR値の差分の平均値とする。
【0065】
次に、ステップS1003において、比較条件の設定を行う。
ここでは、図11に示すように、表示部908の出力画面1201中の比較条件を表すコンボボックス1206から、比較条件設定部913であるマウスによって比較条件を設定する。この際、複数の注目領域1202、1203、1204ごとに比較条件を設定する。図11に示す例では、注目領域1の比較条件は50を超えるもの、注目領域2の比較条件は1000を超えるもの、注目領域3の比較条件は30未満とする。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システム5によれば、注目領域ごとの個別の比較対象、比較条件を設定できるため、ユーザが注目したい指定条件を満たすフレームの自動検出を、前述の各実施形態よりも高精度に実現することができる。これにより、ユーザは効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0067】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システムについて、図12から図14を参照して以下に説明する。以下、本実施形態の顕微鏡システム6について、前述の各実施形態の顕微鏡システムと共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0068】
本実施形態の顕微鏡システム6の構成は、図12に示すように、第4の実施形態の顕微鏡システム4の構成(図8参照)とほぼ同様であるが、その相違点について以下に説明する。
本実施形態の顕微鏡システム6では、図12に示すように、処理部1303に、図8の構成に加えて、注目領域妥当性判断部(妥当性判断部)1308と、注目領域再設定部1309とを備えている。
【0069】
注目領域妥当性判断部1308は、注目領域設定部1313で設定した注目領域内の対象物のエッジを抽出し、抽出されたエッジが途切れることなく注目領域内に全て収まっているかを判断するようになっている。なお、注目領域妥当性判断部1308は、例えばPCを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0070】
注目領域再設定部1309は、注目領域妥当性判断部1308において、抽出されたエッジが途切れることなく注目領域内に全て収まっていないと判断された場合に、エッジが全て途切れることなく注目領域内に全て収まるように注目領域を再設定するようなっている。なお、注目領域再設定部1309も同様に、例えばPCを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0071】
上記構成を有する顕微鏡システム6の作用について以下に説明する。
図13は、本実施形態の顕微鏡システムにおいて実行される処理を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の顕微鏡システム6の処理について、第4の実施形態の顕微鏡システム4の処理(図9参照)との相違点について以下に説明する。
【0072】
ステップS1406において、観察対象物が領域内に収まっているか否かについての判断を行う。
ここで、変化量は、例えば本実施形態の場合は細胞の移動量、面積に設定したものとするが、これに限定されるものではない。なお、細胞の移動量は、エッジから求まる重心の位置の移動量、面積はエッジを基に算出可能である。
【0073】
注目対象となる細胞の全体、すなわちエッジが途切れることなく注目領域に含まれていないことには正確な比較は行えない。
例として、比較対象が細胞の移動量の場合は、細胞の移動量があまりに大きく、指定した注目領域から外れてしまうことが想定される。比較対象が細胞の大きさの場合は、大きく成長しすぎて指定した注目領域から外れてしまうことが想定される。
【0074】
注目領域妥当性判断部1308は、読み込んだフレームの画像データの注目領域内に微分フィルタを適用することで、観察対象物のエッジを抽出する。そして、抽出された観察対象物のエッジが注目領域内に収まっているかどうかを判断する。
なお、本実施形態では、エッジ抽出の方法として、微分フィルタを画像データに適用することを挙げたが、ソベールフィルタやプリューウィットフィルタなど公知の技術であればこれに限定されるものではない。
【0075】
図14(a)に示すように、観察対象物Aが注目領域B内に収まっている場合には、ステップS1407に移行する。一方、図14(b)に示すように、観察対象物Aが注目領域B内に収まっていない場合はステップS1411に移行する。
【0076】
次に、ステップS1411において、注目領域の再設定を行う。
注目領域再設定部1309は、自動的に注目領域を変更する。
例として、図14(c)に示すように、現在の注目領域Bの中心位置を基準として、注目領域Bのサイズを任意の倍数に拡大する。次に、図14(d)に示すように、エッジが途切れている方向に対して任意のサイズだけ拡張する。次に、図14(e)に示すように、エッジが途切れている方向に対して注目領域Bの位置を任意の方向に移動させる。
【0077】
以上のように、本実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システム6によれば、注目領域設定部1313によって設定された注目領域の妥当性が、注目領域妥当性判断部1308により判断され、その判断結果によって新たな注目領域が注目領域再設定部1309により再設定される。これにより、例えば観察対象物の移動や成長が大きく、観察対象物が最初に設定した注目領域内から外れた場合においても、観察対象物を含む新たな注目領域を再設定することができる。これにより、ユーザが注目したいフレームの画像データを高精度に自動検出して、検出した画像データを表示部に表示させることができ、ユーザは効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0078】
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システムについて、図8から図10を参照して以下に説明する。以下、本実施形態の顕微鏡システム7について、前述の各実施形態の顕微鏡システムと共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0079】
本実施形態の顕微鏡システム7の構成は、第4の実施形態の顕微鏡システム4の構成図と同様であるため、図8を参照する。
また、本実施形態の顕微鏡システム7における処理は、第4の実施形態の顕微鏡システム4における処理とほぼ同様であるため、図9を参照し、変更点についてのみ記載する。
【0080】
本実施形態の顕微鏡システム7では、ステップS1005において次フレームを以下のように読み込む。
変化量検出部905は、既に読み出してあるフレーム(N番目)の画像データに加えて、N番目以降のフレーム(N+M番目)の画像データを読み込む。ここで、Mは2、3などの任意の整数である。
【0081】
次に、ステップS1006において変化量の計算を行う。
変化量検出部905は、読み込んだN番目、N+M番目のフレームの画像データの注目領域の変化量を計算する。
本実施形態では、N番目以降のフレーム(N+M番目)の画像データを読み込んで比較を行っているが、これに限らずに、既に読み出してあるフレーム(N番目)の画像データに加えて、N番目以降の複数のフレーム(N+M番目)、(N+L番目)の画像データを読み込み、比較を行っても良い。ここで、M、Lは2、3などの任意の整数である。また、ユーザが指定した任意の画像に対して、読み込んだN番目のフレームの画像データの比較を行っても良い。
【0082】
以上のように、本実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システム7によれば、比較するフレームを次フレームに限らないことで、前述の各実施形態よりもユーザが注目したい指定条件を満たすフレームの自動検出を高精度に行うことができる。これにより、効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0083】
[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システムについて、図8から図10を参照して以下に説明する。以下、本実施形態の顕微鏡システム8について、前述の各実施形態の顕微鏡システムと共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0084】
本実施形態の顕微鏡システム8の構成は、第4の実施形態の顕微鏡システム4の構成図と同様であるため、図8を参照する。
また、本実施形態の顕微鏡システム8における処理は、第4の実施形態の顕微鏡システム4における処理とほぼ同様であるため、図9を参照し、変更点についてのみ記載する。
【0085】
本実施形態の顕微鏡システム8では、ステップS1002において比較対象を以下のように設定する。
第4の実施形態の顕微鏡システム4では、1つの注目領域に対して1つの比較対象を設定しているが、本実施形態の顕微鏡システム8では、1つの注目領域に対して、複数の比較対象を設定する。比較対象の具体例としては、Bの差分の平均値及びGの差分の平均値が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0086】
次に、ステップS1003において比較条件を設定する。
ここでは、ステップS1002で設定された比較対象に対して、比較条件設定部913によって個別に条件を設定する。
比較条件の具体例としては、Bの差分の平均値は100以上、Gの差分の平均値は150以上が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0087】
以上のように、本実施形態に係る画像処理システムを備える顕微鏡システム8によれば、注目領域に複数の変化対象、条件を設定することにより、ユーザが注目したい指定条件を満たすフレームの自動検出を、前述の各実施形態よりも高精度に行うことができる。これにより、効率よく動画の観測、評価を行うことが可能となる。
【0088】
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記の各実施形態に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0089】
1,2,3,4,5,6,7,8 顕微鏡システム
200 処理部
201 顕微鏡部
202 撮像部
203 画像データ記憶部
204 変化量検出部
205 変化判定部(判定部)
206 インデックス記憶部
207 表示部
208 画像表示部
209 入力部
210 注目領域設定部
612 比較対象設定部
913 比較条件設定部(条件設定部)
1308 注目領域妥当性判断部(妥当性判断部)
1309 注目領域再設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した複数フレームの画像データを記憶する画像データ記憶部と、
該画像データ記憶部に記憶された画像データを表示する表示部と、
該表示部に表示された画像データにおいて注目領域を設定する注目領域設定部と、
該注目領域設定部によって設定された注目領域について、前記画像データ記憶部に記憶された隣接するフレームの画像データを比較して、その変化量を検出する変化量検出部と、
該変化量検出部によって検出された変化量が所定の閾値を超えたことを判定する判定部と、
該判定部によって所定の閾値を超えたと判定されたフレームの画像データをインデックスとして記憶するインデックス記憶部とを備える画像処理システム。
【請求項2】
前記注目領域設定部が、複数の注目領域を設定し、
前記インデックス記憶部が、複数の注目領域ごとに、その変化量が所定の閾値を超えたフレームの画像データをインデックスとして記憶する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記変化量検出部において比較を行う対象を設定する比較対象設定部を備える請求項1または請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記判定部において判定の基準とする前記閾値を設定する条件設定部を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記注目領域設定部によって設定された注目領域の妥当性を判断する妥当性判断部と、
該妥当性判断部の判断結果によって注目領域を再設定する注目領域再設定部とを備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
連続した複数フレームの画像データを記憶する画像データ記憶工程と、
該画像データ記憶工程によって記憶された画像データを表示する表示工程と、
該表示工程によって表示された画像データにおいて注目領域を設定する注目領域設定工程と、
該注目領域設定工程によって設定された注目領域について、前記画像データ記憶工程において記憶された隣接するフレームの画像データを比較して、その変化量を検出する変化量検出工程と、
該変化量検出工程によって検出された変化量が所定の閾値を超えたことを判定する判定工程と、
該判定工程によって所定の閾値を超えたと判定されたフレームの画像データをインデックスとして記憶するインデックス記憶工程とを含む画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−256980(P2012−256980A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127518(P2011−127518)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】