説明

画像処理装置、及び画像処理プログラム

【課題】特定パターンの検出精度低下を防止できる画像処理装置、及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】
所定の画像の繰り返しで構成される画像パターンと印刷出力する画像データとを重畳する重畳手段と重畳手段において画像パターンと重畳された画像データを印刷する印刷手段と、印刷手段によって画像データを印刷される印刷媒体に関する情報であって、画像パターンと印刷媒体とを区別するための情報を検出する検出手段と、検出手段で検出した情報と画像パターンに関する情報とに基づいて、印刷手段に印刷をさせるか否かを判定する判定手段とを備える。この構成によれば、画像パターンと印刷媒体とを区別することができないために、画像パターンの検出精度が低下することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定画像パターンの検出精度低下を防止できる画像処理装置、及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ、プリンタ、及び複写機が普及し、文書の複製が容易となった。それに伴い、機密情報を記載した文書の複写が容易となり、不正複写によって文書に記載された機密情報が漏洩することを防止する必要が生じた。このように、機密情報の漏洩を防止できる画像生成装置としては、複写を禁止する複写禁止情報を画像中に予め埋め込んで文書として印刷し、印刷された文書を読み取って複写する際には、読み取った画像中に埋め込まれた複写禁止情報を検知しない場合のみ複写機能を提供する画像生成装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、利便性を犠牲にせずに機密情報の漏洩を防止できる画像読取装置及び複写装置としては、複写禁止情報のみならず、例えば、暗証番号等により複写禁止を解除する条件を表した条件情報を画像中に予め埋め込んで文書として印刷し、印刷された文書を読み取って複写する際には、読み取った画像中に埋め込まれた複写禁止情報を検知した場合であっても、画像中に埋め込まれた条件情報を検出し、かつ条件情報の表す複写禁止を解除する条件を満たす場合には、複写機能を引き続き提供する画像読取装置及び複写装置が知られている(例えば、特許文献2)。
【0004】
更に、印刷された文書を読み取って複写する際に、印刷物の厚さむらや照明むらによる影響を抑制して、印刷物に記載された複写禁止情報を取得できる画像処理装置が知られている(例えば、特許文献3)。この画像処理装置は、特定パターンにより複写禁止情報を画像中に予め埋め込んで印刷された印刷文書を読み取って画像データを取得する。次に、画像処理装置は、読み取って得た画像を構成するそれぞれの画素を処理対象とし、処理対象とする画素の近傍にある画素の画素値の最大値を取得し、処理対象とした画素の画素値が取得した最大値となるように置き換える最大値フィルタ処理を行う。その後、画像処理装置は、最大値フィルタ処理を行った画像に対し特定パターンとその特定パターン以外の画素との境界を強調するエッジ検出処理を行なう。最後に、画像処理装置は、エッジ検出処理を行なった画像に基づき特定パターンを検出することで、むらによる影響を抑制して複写禁止情報を取得することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−280469
【特許文献2】特開2003−283790
【特許文献3】特開2002−33912
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
更に、コピー禁止情報等を表す特定パターンの検出精度は、印刷物の厚さむらや照明むらのみならず、例えば、カラーペーパーのような印刷媒体の地肌の色又は濃度にも影響を受ける。つまり、用紙の色又は濃度と、複写禁止情報等の情報を表す特定パターンの色又は濃度との関係により特定パターンの検出精度が影響を受けるため、特定パターンの検出精度の低下を防止する必要が生じる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、特定パターンの検出精度低下を防止できる画像処理装置、及び画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、所定の画像の繰り返しで構成される画像パターンと印刷出力する画像データとを重畳する重畳手段と、重畳手段において画像パターンと重畳された画像データを印刷する印刷手段と、印刷手段によって画像データを印刷される印刷媒体に関する情報であって、画像パターンと印刷媒体とを区別するための情報を検出する検出手段と、検出手段で検出した情報と画像パターンに関する情報とに基づいて、印刷手段に印刷をさせるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
上記構成において、印刷媒体に関する情報は、印刷手段で印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の色又は濃度のいずれか1つ以上に関する情報を含み、画像パターンに関する情報は、重畳手段で重畳される画像パターンの色又は濃度のいずれか1つ以上に関する情報を含み、判定手段は、色又は濃度のいずれか1つ以上に関する情報の相違に基づいて、印刷手段に画像データを印刷させるか否かを判定する構成を採用できる。
【0010】
上記構成において、色に関する情報とは、明度、彩度、又は色相のいずれか1つ以上である構成を採用できる。
【0011】
上記構成において、印刷手段で印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の色又は濃度は、印刷媒体が反射する反射光に基づいて検出される構成を採用できる。
【0012】
上記構成において、印刷手段で印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の色又は濃度は、印刷媒体を透過する透過光に基づいて検出される構成を採用できる。
【0013】
上記構成において、印刷手段が印刷対象とする印刷媒体を印刷手段へ搬送する搬送路を更に有し、検出手段は、印刷媒体を搬送路を通じて印刷手段へ送り込む前に、印刷媒体に関する情報を検出する構成を採用できる。
【0014】
上記構成において、検出手段は、搬送路に設置されたロールであって、印刷媒体を印刷手段へ送り込むフィードロールの手前の搬送路を通過する印刷媒体から、印刷媒体に関する情報を検出する構成を採用できる。
【0015】
上記構成において、印刷手段が印刷対象とする印刷媒体であって、搬送路へ搬送される印刷媒体を保持する保持部を更に有し、検出手段は、保持部に保持された印刷媒体から、印刷媒体に関する情報を検出する構成を採用できる。
【0016】
上記構成において、印刷手段は画像データを印刷しないことの通知を行う通知手段を更に備え、通知手段は、判定手段が印刷手段に画像データを印刷させないと判定した場合に通知する構成を採用できる。
【0017】
上記構成において、通知手段は、判定手段が印刷手段に画像データを印刷させると判定した場合には通知しない構成を採用できる。
【0018】
本発明に係る画像処理プログラムは、コンピュータに、所定の画像の繰り返しで構成される画像パターンと印刷出力する画像データとを重畳する重畳ステップと、重畳ステップにおいて画像パターンと重畳された画像データを印刷する印刷ステップと、印刷ステップによって画像データを印刷される印刷媒体に関する情報であって、画像パターンと印刷媒体とを区別するための情報を検出する検出ステップと、検出ステップで検出した情報と画像パターンに関する情報とに基づいて、印刷ステップを実行するか否かを判定する判定ステップとを実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、特定画像パターンの検出精度低下を防止できる画像処理装置、及び画像処理プログラムを提供できる。
【0020】
請求項1の構成によれば、画像パターンと印刷媒体とを区別することができないために、画像パターンの検出精度が低下することを防止できる。
【0021】
請求項2の構成によれば、画像パターンと印刷媒体とを色又は濃度に関する情報に基づいて区別することができないために、画像パターンの検出精度が低下することを防止できる。
【0022】
請求項3の構成によれば、画像パターンと印刷媒体とを明度、彩度、又は色相のいずれか1つ以上に関する情報に基づいて区別することができないために、画像パターンの検出精度が低下することを防止できる。
【0023】
請求項4の構成によれば、印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の色又は濃度を十分に取得できる程度に光を透過しない印刷媒体であっても色又は濃度を検出できる。
【0024】
請求項5の構成によれば、印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の色又は濃度を十分に取得できる程度に光を反射しない印刷媒体であっても色又は濃度を検出できる。
【0025】
請求項6の構成によれば、印刷媒体を印刷手段へ送り込む前に印刷手段に印刷をさせるか否かを判定することができるだけでなく、印刷手段において印刷媒体が詰まることを防止できる。
【0026】
請求項7の構成によれば、印刷媒体を印刷手段へ送り込む前に印刷手段に印刷をさせるか否かを判定することができるだけでなく、印刷手段において印刷媒体が詰まることを防止できる。
【0027】
請求項8の構成によれば、印刷媒体を搬送路へ送り込む前に印刷手段に印刷をさせるか否かを判定することができるだけでなく、搬送路において印刷媒体が詰まることを防止できる。
【0028】
請求項9の構成によれば、画像処理装置が印刷媒体に関する情報と画像パターンに関する情報とに基づいて印刷出力するか否かを判断した結果として出力画像を印刷出力しなかったことを容易に知ることができる。
【0029】
請求項10の構成によれば、画像処理装置が出力画像を印刷出力したことを容易に知ることができる。
【0030】
請求項11の構成によれば、画像パターンと印刷媒体とを区別することができないために、画像パターンの検出精度が低下することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は本発明の画像処理装置1000の一実施形態を示す構成図である。
画像処理装置1000は、例えば、例えば、プリンタ、ファクシミリ、自動複製機又は複合機等で構成される。本画像処理装置100は、ネットワーク2000に接続している。
【0033】
画像処理装置1000は、ネットワーク2000を通じて、例えば、ページ記述言語で記述されたデータを取得し、取得したデータに基づいて画像データを展開し、展開した画像データを印刷出力する。
【0034】
画像処理装置1000は、画像展開部110、読取部120、スキャン画像処理部130、禁止コード検知部140、デジタルコードデコード部150、画像蓄積部160、コード画像生成部170、重畳部180、印刷部190、判別部200、ユーザインタフェース部210、及び制御部220で構成されている。
【0035】
画像展開部110、スキャン画像処理部130、禁止コード検知部140、デジタルコードデコード部150、画像蓄積部160、コード画像生成部170、重畳部180、判別部200、及び制御部220の有する各機能は、画像処理装置1000が実行するソフトウェア制御により実現される。
【0036】
ここで図2を参照して、ソフトウェア制御を実行するための画像処理装置1000のハードウェア構成について説明する。図2は、このソフトウェア制御を実現するための画像処理装置1000のハードウェアの一構成例を表すハードウェア構成図である。
【0037】
画像処理装置1000は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置1001、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の読み出し専用メモリであるROM1002(Read-Only Memory )、DRAM(Dynamic RAM)又はSRAM(Static RAM)等の揮発性メモリ及びNVRAM(Non Volatile RAM)等の不揮発性メモリで構成されるRAM1003(Random Access Memory)、並びにI/Oポート1004(Input/Output Port)で構成され、演算装置1001、ROM1002、RAM1003、及びI/Oポートは互いにバス1005によって接続している。
【0038】
ソフトウェア制御は、ROM1002に格納したプログラムを演算装置1001が読み、読込んだプログラムに従って演算装置1001が演算を行うことにより上記各部の機能を実現する。なお、RAM1003には、演算結果のデータが書き込まれ、特にNVRAMには、電源オフ時にバックアップが必要なデータが保存される。
【0039】
ここで、図1に戻り、画像処理装置1000の構成について引き続き説明する。
画像展開部110は、ネットワーク2000、及び画像蓄積部160に接続している。尚、ネットワーク2000は、例えば、LAN(Local Area Network )、WAN(Wide Area Network)、又は公衆回線網で構成されている。
【0040】
画像展開部110は、ネットワーク2000からデータを取得し、取得したデータ基づいて画像データを展開する。次に、画像展開部110は、展開した画像データを画像蓄積部160に蓄積する。
【0041】
読取部120は、例えば、スキャナで構成され、スキャン画像処理部130、禁止コード検知部140、及びデジタルコードデコード部150に接続している。読取部120は、プラテンに置かれた原稿を読取って画像データを取得する。次に、読取部120は、取得した画像データをスキャン画像処理部130、禁止コード検知部140、及びデジタルコードデコード部150へ出力する。
【0042】
スキャン画像処理部130は、読取部120、及び画像蓄積部160に接続している。スキャン画像処理部130は、読取部120から画像データを取得し、画像補正、色変換、及び拡大縮小などの画像処理を行い、画像処理を行った画像データを画像蓄積部160へ蓄積する。
【0043】
禁止コード検知部140は、読取部120及び制御部220に接続している。禁止コード検知部140は、読取部120から画像データを取得する。次に、禁止コード検知部140は、取得した画像データが禁止コードを有するか否かを、取得した画像データが有する背景地紋画像から検出する。尚、背景地紋画像及び禁止コードについては後述する。最後に、禁止コード検知部140は、禁止コードの有無を制御部220へ出力する。
【0044】
ここで、図3を参照して、画像データの有する背景地紋画像について説明する。図3は、背景地紋画像の一例を説明するための図である。
背景地紋画像とは、潜像部と背景部からなり、背景部は斜線画像である斜線パターンの繰り返しで構成される画像パターンを含み、潜像部はコピーすると再現されない細かいドットパターンで構成されている画像を言う。又、背景地紋画像は、プリント出力する出力画像の背景に合成される。
【0045】
具体的には、背景地紋画像は、出力画像Oに示されるように、潜像部である潜像画像IPと、出力画像Oの全面にわたる画像パターンである背景パターンPBとで構成される。
【0046】
背景(画像)パターンPBと潜像画像IPとは、それぞれを構成するパターンが異なる。しかし、人間の目には全面均一のグレイ背景として見える様に、単位面積あたりの画素面積及び画素色が同一なパターンにより出力画像Oを形成する。
【0047】
潜像画像は、複写された文書において、潜像画像IPが人間の目で識別できる程度に画像が浮かびあがるよう、他の部分のよりも細かいドットで構成されている。
【0048】
背景(画像)パターンPBは、コードで構成される。よって図4を参照して、背景(画像)パターンPBを構成するコードについて説明する。図4はコードの一例を説明するための図である。
【0049】
図4は、図3の背景地紋画像Wの部分拡大図である。背景地紋画像Wを構成するコードは、斜線パターンPSで構成される。斜線パターンPSは、走査方向Dに対し反時計回りに45度傾いた半直線で表されるものがコードデータのビット0を、135度傾いたものがコードデータのビット1を表す。
【0050】
またコードは、任意のコードデータを表すデータコードCDとコードデータに従った処理をする必要があることを表す禁止コードCPとから構成される。
【0051】
よって次に、図5を参照して、禁止コード検知部140が検出する禁止コードについて説明する。図5は、禁止コードの一例を説明するための図である。
【0052】
禁止コードCPは、全斜線パターンPSがビット0を表すものとビット1を表すものとから構成される。禁止コード検知部140は、2種類の禁止コードCPを所定個数以上検出した場合に、取得した画像データが禁止コードCPを有すると判断する。
【0053】
データコードCDは、同期コード領域ASとデータコード領域ACとから構成される。同期コード領域ASとは、データコード領域ACを囲む所定サイズの矩形領域の外周がすべてビット1を表す斜線パターンPS1で構成されているコード領域を言う。
【0054】
データコード領域ACは、任意の情報を表すデジタルなコードデータを、ビット0を表す斜線パターンPS0及びビット1を表す斜線パターンPS1で表現する。
【0055】
次に、図6を用いて禁止コード検知部140の構成を説明する。図6は、禁止コード検知部140の一構成例を説明するための構成図である。
【0056】
禁止コード検知部140は、グレースケール変換部141、二値化処理部142、ノイズ除去処理部143、パターン検出部144、ブロック化処理部145、個数算出部146、比率算出部147、及び判定処理部148で構成されている。
【0057】
グレースケール変換部141は、図示は省略するが、読取部120及び二値化処理部142に接続している。グレースケール変換部141は、読取部120から画像データを取得する。その後、グレースケール変換部141は、取得した画像データがフルカラーの画像データである場合には、グレースケール化する。次に、グレースケール変換部141は、グレースケース化された画像データを二値化処理部142へ出力する。
【0058】
二値化処理部142は、グレースケール変換部141及びノイズ除去処理部143に接続している。二値化処理部142は、グレースケール変換部141からグレースケース化された画像データを取得する。その後、二値化処理部142は、グレースケール化された画像データの各画素を黒又は白を表す0又は1と言う二値で表す二値化処理を実行する。次に、二値化された画像データをノイズ除去処理部143へ出力する。
【0059】
ノイズ除去処理部143は、二値化処理部142及びパターン検出部144に接続している。ノイズ除去処理部143は、二値化処理部142から二値化された画像データを取得する。その後、ノイズ除去処理が実行される。
【0060】
具体的には、ノイズ除去処理部143は、黒画素が連結している画素塊を求める。次に、その画素塊の大きさ(連結画素数)が所定の範囲に収まってい無い場合には、画素塊を構成する各画素を白画素に置換する。
【0061】
尚、上記所定の範囲は、画像(斜線)パターンやその他のパターンである孤立ドットや文書中の文字や図形が削除されることが無いように適切な範囲に設定されている。最後に、ノイズ除去処理部143は、ノイズ除去された画像データをパターン検出部144へ出力する。
【0062】
パターン検出部144は、ノイズ除去処理部143、及びブロック化処理部145に接続している。パターン検出部144は、ノイズ除去処理部143からノイズ除去処理の行われた画像データを取得する。その後、パターン検出部144は、画像(斜線)パターンの検出処理を行う。
【0063】
具体的には、パターン検出部144は、画像データ中の各画素の位置で、各濃度に対応する斜線パターンを当てはめてテンプレートマッチングによって検出を行う。画像(斜線)パターンのビット0が検出された場合は画素値0を、画像(斜線)パターンのビット1が検出された場合は画素値1を、いずれのパターンも検出されない場合に画素値3を出力する。最後に、各画素毎にマッチングをした結果を記述した画像データをバッファメモリ155へ蓄積し、かつブロック化処理部145へ出力する。尚、バッファメモリ155についてはデジタルコードでコード部150の構成を説明する際に説明する。
【0064】
ブロック化処理部145は、パターン検出部144及び個数算出部146に接続している。ブロック化処理部145は、パターン検出部144からパターン検出処理後の画像データを取得する。次に、ブロック化処理部145は、取得した画像データを所定サイズのブロックに分割する。ここで、ブロックサイズは、禁止コード及びデータコードのサイズの半分よりも小さいサイズとし、コードの中に一個以上のブロックが完全に含まれるようなサイズに設定されている。最後に、分割した画像データを個数算出部146へ出力する。
【0065】
個数算出部146は、ブロック化処理部145、比率算出部147及び判定処理部148に接続している。個数算出部146は、ブロック化処理部145から分割された画像データを取得する。次に、個数算出部146は、ブロック内に画素値0の画素の個数、および画素値1の画素をそれぞれ算出する。その後、算出結果を比率算出部147出力する。また、画素値0及び画素値1の画素の個数の合計値を判定処理部148ヘ出力する。
【0066】
比率算出部147は、個数算出部146及び判定処理部148に接続している。比率算出部147は、個数算出部146からブロック毎に画素値0の個数及び画素値1の個数を取得する。次に、比率算出部147は、画素値0の比率を算出し、その結果を判定処理部148へ出力する。
【0067】
判定処理部148は、個数算出部146、比率算出部147、及び制御部220に接続している。判定処理部148は、個数算出部146から画素値0及び画素値1の画素の個数の合計値を取得する。また、比率算出部147から、画素値0の比率を取得する。次に、取得したデータに基づいて判定処理を行う。
【0068】
判定処理について説明するために、先ず判定処理が利用する特性について説明する。処理しているブロックの内部が、全ビット1の禁止コードの内部に位置している場合、ブロック内部には所定個数以上のビット1に対応する斜線パターンが検出され、かつビット0に対応する斜線パターンはほとんど検出されないため、ビット0に対応する斜線パターンの比率は低くほぼ0である。
【0069】
処理しているブロックがデータコードの少なくとも一部を含む場合、ブロック内部には複数のビット0に対応する斜線パターン及び複数のビット1に対応する斜線パターンが検出されるため、ビット0に対応する斜線パターンの比率は1.0よりもかなり低く、0よりもかなり高くなる。
【0070】
さらに、入力された画像データがデータコードを埋め込まれた画像であれば、画像中にはブロックの内部が全ビット0の禁止コードCP0とブロックの内部が全ビット1の禁止コードCP1とがそれぞれ複数個埋め込まれている。
【0071】
以上の特性を利用して、以下のような判定処理を行う。
合計個数>第一閾値、かつ、比率>第二の閾値、の場合は、そのブロックは禁止コード0と判定する。
合計個数>第一閾値、かつ、(1−比率)>第二の閾値、の場合は、そのブロックは禁止コード1と判定する。
上記以外の場合には、そのブロックは禁止コードではないと判定する。
【0072】
第一の閾値は、ブロックサイズとパターンサイズとからブロックに含まれる値論的なパターン個数にマージンを加味して設定する。第二の閾値は、1.0に近い値を設定する(例として、第二の閾値=0.95)
【0073】
判定処理部148は、禁止コード0と判定されたブロック数、及び禁止コード1と判定されたブロック数をそれぞれ別個にカウントする。禁止コード0と判定されたブロック数が閾値3以上となり、かつ禁止コード0と判定されたブロック数が閾値3以上となった場合、その画像は、禁止コードを有すると判断し、制御部220へその判断を出力する。
【0074】
ここで、図1に戻り、本発明の画像処理装置1000の構成の説明を続ける。
デジタルコードデコード部150は、読取部120、及び制御部220に接続している。デジタルコードデコード部150は、読取部120から画像データを取得する。
【0075】
デジタルコードデコード部150は、読取部120から取得した画像データが有する背景地紋画像Wを構成する図5に示したコード領域ACからデータコードを取得し、取得したデータコードを復号する。その後、デジタルコードデコード部150は、復号したデータコードを制御部220へ出力する。
【0076】
ここで、図7を参照してデジタルコードデコード部150の構成について説明する図7は、デジタルコードデコード部の一例を説明するための構成図である。
【0077】
デジタルコードデコード部150は、グレースケール変換部151、二値化処理部152、ノイズ除去処理部153、パターン検出部154、 バッファメモリ155、スキュー角検出部156、コード検出部157、及び誤り訂正復号部158で構成されている。
【0078】
デジタルコードデコード部150を構成するグレースケール変換部151、二値化処理部152、ノイズ除去処理部153、及びパターン検出部154は、禁止コード検知部140を構成するグレースケール変換部151、二値化処理部152、ノイズ除去処理部153、及びパターン検出部154と同様であるため説明を省略する。
【0079】
バッファメモリ155は、例えば、SDRAMから構成される。バッファメモリ155は、パターン検出部154、スキュー角検出部156及びコード検出部157に接続している。
【0080】
バッファメモリ155は、パターン検出部154によりパターン検出後の画像データを蓄積される。その後、バッファメモリ155はは、スキュー角検出部156及びコード検出部157により、蓄積した画像データを参照される。
【0081】
スキュー角検出部156は、バッファメモリ155及びコード検出部157に接続している。スキュー角検出部156は、バッファメモリ155に蓄積された画像データを参照する。次に、スキュー角検出部156は、スキュー角の検出を行い、参照された画像データのスキュー角を求める。
【0082】
具体的には、画素値0又は1のみの画素のハフ変換を行い、その角度軸上への投影分布のピークを求めることによって行われる。最後に、求めたスキュー角を、コード検出部157へ出力する。
【0083】
コード検出部157は、バッファメモリ155、スキュー角検出部156、及び誤り訂正復号部158に接続している。コード検出部157は、バッファメモリ155に蓄積された画像データを参照する。次に、コード検出部157は、スキュー角検出部156からスキュー角を入力される。その後、入力されたスキュー角と参照した画像データとから、二次元コードの検出処理を実行する。
【0084】
具体的には、入力されたスキュー角にそって参照した画像データをスキャンし、0または1の画素値を取り出す(ビットの0または1に対応している)。次に、取り出されたビット列の中から同期コードを見つけ出す。同期コードとは、所定の縦横サイズの矩形領域の外周がすべてビット1で構成されているコードとして定義されている。この同期コードに囲まれたビット列がコードデータに対応している。このビット列を一次元のビット列に並べ替えて誤り訂正復号部158に出力する。
【0085】
誤り訂正復号部158は、コード検出部157、及び制御部220に接続している。誤り訂正復号部158は、コード検出部157から取得したコードデータに対して誤り訂正復号処理を実行し、誤り訂正復号を行ったコードデータを制御部220へ出力する。
【0086】
ここで、図1に戻り引き続き画像処理装置1000の説明を続ける。
画像蓄積部160は、例えば、ハードディスク、又はフラッシュメモリ等の外部記憶装置を有し、画像展開部110、スキャン画像処理部130、コード画像生成部170、及び重畳部180に接続している。
【0087】
画像蓄積部160は、画像展開部110及びスキャン画像処理部130から画像データを取得して外部記憶装置に蓄積する。また、画像蓄積部160は、後述するコード画像生成部170により生成されたデータコードCDで構成される背景地紋画像Wを蓄積する。画像蓄積部160は、重畳部180により背景地紋画像Wと画像データとを参照される。
【0088】
コード画像生成部170は、画像蓄積部160及び制御部220に接続している。コード画像生成部170は、制御部220から、背景地紋画像Wを構成するコード画像を生成する斜線パターンPSの濃度、背景地紋画像を構成するコード領域ACに斜線パターンPSによって表されるデータコード、背景地紋画像Wを構成する潜像画像IPとして表される文字列、及び背景地紋画像Wを画像データに重畳配置する配置位置を取得する。
【0089】
次に、コード画像生成部170は、取得した濃度、データコード、及び文字列に基づいて背景地紋画像を生成して画像蓄積部160へ背景地紋画像W及び配置座標を関連付けて蓄積する。
【0090】
ここで、図8を参照して、コード画像生成部170について説明する。図8は、コード画像生成部170の一例を説明するための構成図である。
【0091】
コード画像生成部170は、パターン濃度設定部171、パターン生成部172、誤り訂正符号化部173、コード生成部174、潜像描画部175、コード画像生成部176、コード画像配置部177、及び画像バッファ178で構成されている。
【0092】
パターン濃度設定部171は、例えば、DRAM(Dynamic RAM)又はSRAM(Static RAM)で構成される記憶部を有し、パターン生成部172及び制御部220に接続している。パターン濃度設定部171は、制御部220から斜線パターンの濃度を指定され、指定された濃度を記憶部に記憶する。その後、パターン生成部172によって記憶した濃度を参照される。
【0093】
パターン生成部172は、パターン濃度設定部171、及びコード画像生成部176に接続している。パターン生成部172は、例えば、ハードディスク、又はフラッシュメモリで構成される記憶部を有し、記憶部にディザマトリックスを記憶している。尚、ディザマトリックスについては、後述する。
【0094】
尚、本実施例において、パターン生成部172の有する記憶部は、データコードのビット0に対応する斜線パターンPS0を生成するためのディザマトリックスと、データコードのビット1に対応する斜線パターンPS1を生成するためのディザマトリックスとの2種類のディザマトリックスを有する。
【0095】
パターン生成部172は、パターン濃度設定部171が記憶した濃度を参照する。その後、パターン生成部172は、パターン生成部172の有する記憶部のコードデータのビット0を表すディザマトリックスとビット1を表すディザマトリックスとの双方を取得する。
【0096】
その後、パターン生成部172は、取得したディザマトリックスに基づいて、取得した濃度の斜線パターンPSを生成する。尚、パターン生成部172は、コードデータのビット0を表すディザマトリックスからはコードデータのビット0を表す斜線パターンPS0を、コードデータのビット1を表すディザマトリックスからはコードデータのビット1を表す斜線パターンPS1を、それぞれ生成する。次に、生成した画像(斜線)パターンをコード画像生成部176へ出力する。
【0097】
ここで、パターン生成部172が斜線パターンPSを生成する方法について図9を参照して説明する。図9は、濃度と画像(斜線)パターンとの関係を表す図である。尚、図9においてはビット0についてのみ説明するが、ビット1についても同様である。
【0098】
先ず、パターン生成部172は、ディザマトリックスと同じ行及び列を有し、濃度SPを要素とする濃度マトリックスMSを生成する。その後、ディザマトリックスMD0と濃度マトリックスMSとを比較する。
【0099】
次に、パターン生成部172は、ディザマトリックスMDの要素の値が濃度マトリックスMSの各要素の値以下の場合に1を、そうでない場合に0を行列の要素とする結果マトリックスMCを生成する。その後、パターン生成部172は、結果マトリックスMCの要素と斜線パターンPSを構成するドットとを対応付けて斜線パターンPSを生成する。具体的には、値が1の要素に関連したドットを、斜線パターンPSを構成するドットとして採用する。
【0100】
次に、図8に戻り、コード画像生成部170の構成について引き続き説明を続ける。誤り訂正符号化部173は、コード生成部174及び制御部220に接続している。誤り訂正符号化部173は、制御部220からコードデータを取得する。その後、誤り訂正符号化部173は、取得したコードデータから誤り訂正符号を有する二次元コードデータを生成する。その後、誤り訂正符号化部173は、生成したコードデータをコード生成部174へ出力する。
【0101】
コード生成部174は、誤り訂正符号化部173及びコード画像生成部176に接続している。コード生成部174は、誤り訂正符号化部173から二次元コードデータを取得する。その後、コード生成部174は、取得した二次元コードデータを一次元のビット列であるコードデータに並べ替えてコード画像生成部176へ出力する。
【0102】
潜像描画部175は、コード画像生成部176及び制御部220に接続している。潜像描画部175は、制御部220から、潜像画像IPとして表現される文字列である潜像文字列を取得する。その後、潜像描画部175は、潜像文字列を表す潜像画像IPを生成する。最後に、潜像描画部175は、コード画像生成部176へ生成した潜像画像IPを出力する。
【0103】
コード画像生成部176は、パターン生成部172、コード生成部174、潜像描画部175、及び画像バッファ178に接続している。
コード画像生成部176は、コード生成部174からコードデータを、パターン生成部172から斜線パターンPSを、潜像描画部175から潜像画像IPを取得する。その後、コード画像生成部176はは、禁止コード及び取得したコードデータを表現するデータコードを、取得した画像(斜線)パターンを用いて生成する。
【0104】
次に、コード画像生成部176は、生成したコードで構成される背景(画像)パターンPBを生成し、取得した潜像画像IPと生成した背景(画像)パターンPBとを合成して背景地紋画像Wを生成する。その後、コード画像生成部176は、背景地紋画像Wを画像バッファ178へ出力する。
【0105】
コード画像配置部177は、画像バッファ178及び制御部220に接続している。コード画像配置部177は、制御部220から背景地紋画像Wを画像データに配置する配置位置を入力され、入力された配置位置を記憶する。次に、コード画像配置部177は、記憶した配置位置を、コード画像生成部176が生成したコード画像と関連付けて画像バッファ178に蓄積する。
【0106】
画像バッファ178は、コード画像生成部176、コード画像配置部177、及び画像蓄積部160に接続している。画像バッファ178は、コード画像生成部176によりコード画像を、コード画像配置部177によりコード画像の配置位置をそれぞれ関連付けて蓄積される。その後、画像バッファ178が蓄積したコード画像及び配置位置はそれぞれ関連付けられて画像蓄積部160に蓄積される。
【0107】
ここで、図1に戻り引き続き画像処理装置1000の構成について説明する。
重畳部180は、画像蓄積部160及び印刷部190に接続している。
【0108】
ここで、後述する印刷部190によって印刷出力された画像データを取り扱う画像処理装置1000及びそれ以外の画像処理装置に対し、例えば、複写の禁止等の所定の動作制御を課す場合(以下単に、背景地紋画像プリントモードにある場合と言う)には、重畳部180は、画像蓄積部160から画像データのみならず、画像データに重畳する背景地紋画像W、及び背景地紋画像Wの配置位置を取得する。また、そうでない場合には、画像蓄積部160から画像データのみを取得する。
【0109】
重畳部180が、画像データ、背景地紋画像W、及び配置位置を取得した場合には、取得した印刷出力する画像データと背景(画像)パターンPBで構成される背景地紋画像Wとを、取得した配置位置に基づいて重畳する。次に、重畳部180は、重畳した画像データを印刷部190へ出力する。重畳部180が、画像データのみを取得した場合には、取得した画像データをそのまま印刷部190へ出力する。
【0110】
印刷部190は、重畳部180に接続してる。印刷部190は、重畳部180から背景(画像)パターンPBで構成される背景地紋画像Wと重畳された画像データを取得する。次に、印刷部190は、取得した画像データを、例えば、印刷対象とする板、又は用紙等の印刷媒体に印刷出力する。
【0111】
ここで、図10を参照して、印刷部190について説明する。図10は、印刷部190と印刷媒体である用紙を搬送する搬送経路との関係を説明するための図である。
【0112】
図10に示すように、画像処理装置1000は、印刷部190、保持部H、用紙搬送経路RP、及び出力口OPを有している。
保持部Hは、例えば、カセットトレイ、又は手差しトレイ等の給紙手段で構成され、用紙搬送経路RPに接続している。保持部Hは、印刷部190が印刷対象とする印刷媒体であって、用紙搬送経路RPへ搬送される印刷媒体を保持する。尚、保持部Hの近辺については、図17にて部分的に拡大して後ほど説明する。
【0113】
用紙搬送経路RPは、印刷媒体を搬送する搬送ロールと、用紙搬送経路RPに設置されたロールであって、印刷媒体を印刷部190へ一定量ずつ送り込む用紙フィードロールRFとによって用紙が搬送される経路である。用紙搬送経路RPは、印刷部190が印刷対象とする印刷媒体を、保持部Hから印刷部190へ搬送する経路であり、また用紙搬送経路RPは、印刷部190が印刷をした印刷媒体を出力口OPへ搬送する経路である。尚、保持部Hの近辺については、図12及び16にて部分的に拡大して後ほど説明する。
【0114】
出力口OPは、用紙搬送経路RPに接続し、用紙搬送経路RPに沿って搬送された印刷媒体を出力する開口部である。
印刷部190は、レーザ駆動部L、トナーカートリッジT、感光性ドラムDM、及び転写ベルトBで構成される。
【0115】
レーザ駆動部Lは、印刷出力する印刷画像に基づいて、レーザービームLBを感光性ドラムに照射する。トナーカートリッジTは、トナーを保持する。
【0116】
感光性ドラムDMは、レーザ駆動部Lからレーザービームを照射される。感光性ドラムDMは、一様に有していた帯電電荷の内で、レーザービームの照射された部分的の帯電電化を除去され、残存した帯電電荷により印刷出力する印刷画像を現す。次に、感光性ドラムDMは、帯電電荷により電気的に、トナーカートリッジTの有するトナーを吸着する。
【0117】
転写ベルトBは、感光性ドラムDM及び用紙搬送経路RPを搬送される印刷媒体に接している。転写ベルトBは、感光性ドラムDMが吸着したトナーを転写され、転写されたトナーを用紙搬送経路RPを搬送される印刷媒体へ転写する。
その後、印刷部190は、印刷媒体に転写されたトナーに対して、熱と圧力を加えて印刷媒体に溶着する。
【0118】
ここで、図1に戻り引き続き画像処理装置1000の構成を説明する。
判別部200は、制御部220に接続している。判別部200は、制御部220から画像パターンに関する情報を取得する。次に、判別部200は、印刷部190が印刷対象とする印刷媒体に関する情報を検出する。
【0119】
その後、判別部200は、検出した印刷媒体に関する情報と画像パターンに関する情報とに基づいて、印刷部190に画像データを印刷させるか否かを判別し、判別結果を制御部220へ出力する。
【0120】
尚、印刷媒体に関する情報とは、印刷部190で印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の濃度に関する情報を含み、画像パターンに関する情報は、重畳部180で重畳される画像パターンPBの濃度に関する情報を含む。
【0121】
ここで、図11を参照して、実施例1における判別部200の構成を説明する。図11は、実施例1における判別部200の一例を説明するための構成図である。
【0122】
判別部200は、濃度検出部201、濃度閾値管理部202、及び判定部205で構成される。濃度検出部201は、印刷媒体に関する情報を取得し、取得した情報を判定部205に出力する。
【0123】
具体的には、濃度検出部201は、印刷部190によって画像データを印刷される印刷媒体に関する情報であって、画像データの有する背景(画像)パターンPBと前記印刷媒体とを区別するための情報を検出する。実施例1においては、濃度検出部201は、印刷部190で印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の濃度に関する情報を検出する。
【0124】
ここで、図12を参照して、実施例1における濃度検出部201の構成を説明する。図12は、実施例1における濃度検出部201の一例を説明するための構成図である。尚、図12は、図10で示した画像処理装置1000のフィードロール付近における部分拡大図である。
【0125】
用紙搬送経路RP、搬送ロールRD、及び用紙フィードロールRFについては、既に説明したために説明を省略する。尚、用紙搬送経路RPを搬送される印刷媒体は、用紙搬送経路RP1から5を順番に搬送される。また、印刷媒体は、用紙フィードロールRFによって、一定量ずつ印刷部190へ送り込まれる。
【0126】
濃度検出部201は、投光部FL及び受光部RLで構成される。投光部FLは、例えば、発光ダイオードLED(Light Emitting Diode)で構成され、光を投光する。受光部RLは、例えば、フォトセンサで構成され、投光部FLが投光した光の反射光を受光する。
【0127】
ここで、濃度検出部201は、印刷媒体である印刷用紙であって、用紙搬送ロールRD及び用紙フィードロールRFにより用紙搬送経路RPに沿って搬送される印刷用紙に対し、投光部FLが投光可能なように設置される。また、濃度検出部201は、投光部FLが投光であって、かつ印刷用紙が反射する反射光を受光可能に設置さる。特に、投光部FLは、印刷部190によって印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体に投光可能なように設置される。
【0128】
また、濃度検出部201は、用紙フィードロールRFの手前の用紙搬送経路RPを通過する印刷媒体から、印刷媒体に関する情報を検出できるように設置され、印刷媒体を用紙搬送経路RPを通じて印刷部190へ送り込む前に、印刷媒体に関する情報を検出する。
【0129】
受光部RLは、印刷媒体である印刷用紙の反射光を受光すると、受光した光を光電変換して電圧レベルで検知する。次に、受光部RLは、検知した電圧をA/D変換してデジタル情報として判定部205へ出力する。
【0130】
ここで、図11に戻り、引き続き判別部200の構成について説明する。
濃度閾値管理部202は、図示を省略するが、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリで構成される記憶部を有し、制御部220、及び判定部205に接続している。濃度閾値管理部202は、濃度閾値管理部202の有する記憶部が記憶する情報を管理する。
【0131】
濃度閾値管理部202の有する記憶部は、パターン検出部144が斜線パターンPSを検出可能な場合における斜線パターンPSの濃度と斜線パターンPSが印刷される印刷媒体の部分又は全体の濃度とを関係付けて記憶する。
【0132】
濃度閾値管理部202は、制御部220から、制御部220がパターン濃度設定部171へ指定した斜線パターンPSの濃度を取得する。次に、濃度閾値管理部202は、制御部220から取得した濃度で印刷された斜線パターンPSをパターン検出部144が検出できる印刷媒体の濃度を、濃度閾値管理部202の有する記憶部から取得する。その後、濃度閾値管理部202は、取得した印刷媒体の部分又は全体の濃度の内で最大の濃度を閾値として取得し、取得した濃度の閾値及び斜線パターンPSの濃度を判定部205へ出力する。
【0133】
判定部205は、濃度検出部201及び濃度閾値管理部202に接続している。判定部205は、図示を省略するが、不揮発性メモリで構成される記憶部を有する。判定部205の有する記憶部に濃度検出部201が検知した電圧に関する情報と印刷媒体の部分又は全体の濃度とを対応させるルックアップテーブル(Look Up Table)を記憶する。
【0134】
判定部205は、濃度検出部201が検知した電圧に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて記憶部の有するテーブルを参照することで、印刷媒体の部分又は全体の濃度を取得する。
【0135】
次に、判定部205は、濃度閾値管理部202から印刷媒体の濃度の閾値を取得する。その後、判定部205は、濃度検出部201を通じて検出した印刷媒体の濃度と濃度閾値管理部202から取得した斜線パターンPSで構成される画像パターンPBの濃度との差を判別度として求める。また、判定部205は、画像パターンPBの濃度と濃度閾値管理部202から取得した閾値との差を判別可能レベルとして求める。
【0136】
その後、判定部205は、判別度が判別可能レベル以下であるか、又はより小さいかを判定する。つまり、判定部205は、濃度検出部201で検出した濃度に関する情報と画像パターンPBの濃度に関する情報とに基づいて、パターン検出部144が画像パターンPBを構成する斜線パターンPSを検出できるかを判定し、検出できると判断する場合には印刷部190に印刷を行わせると判定する。そうでない場合には、判定部205は、印刷部190に印刷を行わせないと判定する。その後、判定部205は、判定した結果を制御部220へ出力する。
【0137】
ここで、図1に戻り、画像処理装置1000の構成について引き続き説明する。
ユーザインタフェース部210は、例えば、液晶パネル又はCRT(Cathode Ray Tube)で構成される表示部と、例えば、タッチパネル、キーボード、ポインティングディバイス、又はボタンで構成される入力部と、例えば、スピーカで構成される出音部とで構成されている。
【0138】
ユーザインタフェース部210を構成する入力部は、画像処理装置1000のユーザにより操作されて、各種の命令及び情報を入力する。
【0139】
具体的には、入力部は、通常のコピーを提供するモードである通常コピーモードから、出力画像に背景地紋画像Wを重畳して出力するモードである背景地紋画像プリントモードへ移行する命令、及び背景地紋画像プリントモードから通常プリントモードへ移行する命令を入力する。また、入力部は、コピー機能又はプリント機能の提供を命じる命令を入力する。
【0140】
更に、入力部は、コード画像生成部170が生成する背景地紋画像Wを構成するコード領域ACに斜線パターンPSによって表されるデータコードを入力する。入力部が入力した命令及び情報は制御部220へ出力される。
【0141】
表示部及び出音部は、制御部220に制御されて各種情報を表示及び出音してユーザに情報を通知する。
【0142】
制御部220は、禁止コード検知部140、デジタルコードデコード部150、コード画像生成部170、重畳部180、印刷部190、判別部200、ユーザインタフェース部210、及び図示は省略するが、搬送ロールRDに接続している。
【0143】
制御部220は、ユーザインタフェース部210から命令を取得し、取得した命令に従って例えば、コピー機能、又はプリント機能等の提供を行なうよう各部を制御する。制御部220は、機能を提供する際に、印刷部190が出力する画像データが、禁止コードCPを有するか否かを、禁止コード検知部140から通知される。
【0144】
制御部220は、画像データが禁止コードCPを有しないと判断した場合は通常のコピー又はプリント機能等を提供するよう各部を制御する。そうでない場合には、制御部220は、デジタルコードデコード部150からデータコードを取得し、取得したデータコードに従ってコピー又はプリント機能等を提供するか否かを判断し、提供すると判断した場合には引き続きコピー又はプリント機能等を提供するよう各部を制御する、そうでない場合にはコピー又はプリント機能等の提供を中止するよう各部を制御する。
【0145】
また、制御部220は、ユーザインタフェース部210からコピー機能又はプリント機能を提供する命令を取得し、取得した命令に従ってコピー機能又はプリント機能を提供するよう各部を制御する制御処理を実行する。
【0146】
ここで図13を参照して、制御部220が実行する制御処理について説明する。図13は、制御部220が実行する制御処理の一例を表すフローチャートである。
【0147】
先ず、制御部220は、背景地紋画像プリントモードに既に移行しているかを判断する(ステップST001)。制御部220は、背景地紋画像プリントモードに既に移行していると判断する場合にはステップST002の処理を、そうでない場合にはステップST009の処理を実行する。
【0148】
ステップST001において、制御部220は、背景地紋画像プリントモードに既に移行していると判断した場合には、印刷媒体である印刷用紙の濃度を検出するよう濃度検出部201を制御する(ステップST002)。
【0149】
次に、制御部220は、パターン濃度設定部171に指定する斜線パターンの濃度を濃度閾値管理部202へ入力し、濃度閾値管理部202が濃度と閾値とを判定部205へ出力するよう制御する。その後、制御部220は、取得した濃度の閾値と取得した画像パターンの濃度とに基づいて判別可能レベルを算出し、また検出した印刷用紙の濃度と取得した画像パターンの濃度とに基づいて判別度を算出するよう判定部205を制御する(ステップST003)。
【0150】
次に、制御部220は、算出した判別度が判別可能レベルより小さいかを判断するよう判定部205を制御する(ステップST004)。つまり、制御部220は、印刷部190に画像データを印刷させるか否かを判定部205に判定させる。その後、制御部220は、判定部205の判定結果を取得し、取得した判定結果が判別度が判別可能レベルより小さいと言う結果である場合にはステップST005の処理を、そうでない場合にはステップST007の処理を実行する。
【0151】
ステップST004において、判別度が判別可能レベルより小さいと判断した場合には、制御部220は、ユーザインタフェース部210からデータコードを取得し、取得したデータコード、背景地紋画像Wを構成する斜線パターンPSの濃度、背景地紋画像Wを構成する潜像画像IPとして表される文字列、及び背景地紋画像Wを画像データに重畳配置する配置位置をコード画像生成部170へ出力する。
【0152】
その後、制御部220は、コード画像生成部170が出力した背景地紋画像Wを画像データに重畳するよう重畳部180を制御する(ステップST005)。その後、制御部220は、背景地紋画像Wが重畳された画像データを印刷するよう印刷部190を制御する(ステップST006)。その後、制御部220は処理を終了する。
【0153】
ステップST004において、判別度が判別可能レベルより小さくないと判断した場合には、制御部220は、コード画像生成部170、重畳部180、印刷部190、及び搬送ロールTR等を制御して、コピー機能又はプリント機能の提供を中止をする。
【0154】
その後、制御部220は、印刷部190は画像データを印刷しない旨の表示又は音声を、ユーザインタフェース部210を構成する表示部に表示又は出音部から出音するよう制御することで、ユーザに通知する(ステップST008)。
【0155】
ステップST001において、制御部220は、背景地紋画像プリントモードに既に移行していないと判断した場合には、画像データに背景地紋画像Wを重畳することなく印刷部に出力するよう重畳部180を制御し、重畳部180が出力した画像データを印刷するよう印刷部190を制御する(ステップST009)。
【0156】
本実施例においては、重畳部180が重畳手段に相当し、印刷部190が印刷手段に相当し、濃度検出部201が検出手段に相当し、判定部205が判定手段に相当する。
また、ST002が検出ステップに相当し、ST003及びST004が判定ステップに相当し、ST006及びST009が印刷ステップに相当し、ST008が通知ステップに相当する。
【0157】
以下、本発明の第2の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
第2の実施例においては、判別部200は、印刷媒体の濃度ではなく色に関する情報と画像パターンPBの色に関する情報とに基づいて、印刷部190に印刷をさせるか否かを判定する点で実施例1と異なる。
【実施例2】
【0158】
本実施例における画像処理装置1000の構成は、実施例1で説明した画像処理装置1000の構成とほぼ同様であるため、以下相違点についてのみ説明する。
【0159】
コード画像生成部170は、パターン濃度設定部171ではなく、パターン色設定部を有する点で実施例1と異なる。パターン色設定部は、制御部220から斜線パターンPSの濃度ではなく色を指定され、指定された色を記憶する点、及びパターン生成部172によって記憶した色を参照される点で実施例1と異なる。
【0160】
パターン生成部172は、パターン色設定部が記憶した色を参照し、参照した色の斜線パターンPSを生成する点で実施例1と異なる。
【0161】
次に、図14を参照して、実施例2における判別部200の構成について説明する。図14は、実施例2における判別部200の一例を説明するための構成図である。
【0162】
実施例2において、判別部200は、濃度検出部201及び濃度閾値管理部202で構成されるのではなく、色検出部203及び色閾値管理部204で構成される点で実施例1と異なる。
【0163】
色検出部203は、印刷部190で印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の色に関する情報を検出する。尚、色検出部203は、実施例1と同様に、投光部FL及び受光部RLで構成される。
【0164】
投光部FLは、実施例1と異なり、色を検出可能な分光特性を有する光源で構成される。具体例としては、白色発光ダイオードLED(Light Emitting Diode)又はEL(Electronic Luminescent)素子で構成される。
【0165】
受光部RLは、例えば、フォトセンサで構成され、投光部FLが投光した光の反射光を受光する点で実施例1と同様である。しかし、受光部は、RGB3原色の光学フィルタで覆われ、それぞれのRGB3原色の反射光を受光する点で実施例1と異なる。受光部は、それぞれ受光したRGB3原色を光電変換して電圧レベルで検知する。次に、受光部RLは、検知したそれぞれの電圧をA/D変換してデジタル情報として判定部205へ出力する。
【0166】
色閾値管理部204は、図示を省略するが、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリで構成される記憶部を有し、制御部220及び判定部205に接続している。
【0167】
色閾値管理部204の有する記憶部は、パターン検出部144が斜線パターンPSを検出可能な場合における斜線パターンPSの色と斜線パターンPSが印刷される印刷媒体の部分又は全体の色とを関係付けて記憶する。
【0168】
色閾値管理部204は、制御部220から、制御部220がパターン色設定部へ指定した斜線パターンPSの色を明度、色相、及び彩度で表す均等色空間(L*a*b*空間)で入力される。次に、色閾値管理部204は、制御部220から取得した色で印刷された斜線パターンPSをパターン検出部144が検出できる印刷媒体の部分又は全体の色であって均等色空間で表された色を、色閾値管理部204の有する記憶部から取得する。その後、色閾値管理部204は、取得した印刷媒体の部分又は全体の色から閾値を取得し、取得した閾値及び斜線パターンPSの色を判定部205へ出力する。
【0169】
実施例2において、判定部205は、記憶部に色検出部203が検知した電圧に関する情報と印刷媒体の部分又は全体のRGB3原色とを対応させるルックアップテーブル(Look Up Table)を記憶する。
【0170】
判定部205は、色検出部203が検知した電圧に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて記憶部の有するテーブルを参照することで、印刷媒体の部分又は全体のRGB色を取得する。
【0171】
その後、判定部205は、取得したRGB色で表される色を、均等色空間で表すよう色変換処理を行なう。具体例としては、3次元ダイレクトLUT(Look Up Table)により変換する。
【0172】
次に、判定部205は、色閾値管理部204から印刷媒体の部分又は全体の色の閾値を取得する。その後、判定部205は、色検出部203を通じて検出した印刷媒体の部分又は全体の色と色閾値管理部204から取得した斜線パターンPSで構成される画像パターンPBの色との差を判別度として求める。
【0173】
具体的には、均等色空間で表された色同士の差は、下記数式 (1)によって求める。
【0174】
【数1】

【0175】
また、判定部205は、画像パターンPBの色と色閾値管理部204から取得した閾値との差を判別可能レベルとして求める。尚、均等色空間で表された色と色の閾値との差は、同様に下記数式 (2)によって求める。
【0176】
【数2】

【0177】
その後、判定部205は、判別度が判別可能レベル以下であるか、又はより小さいかを判定する。つまり、判定部205は、色検出部203で検出した色に関する情報と画像パターンPBの色に関する情報とに基づいて、パターン検出部144が画像パターンPBを構成する斜線パターンPSを検出できるかを判定し、検出できると判断する場合には印刷部190に印刷を行わせると判定する。そうでない場合には、判定部205は、印刷部190に印刷を行わせないと判定する。その後、判定部205は、判定した結果を制御部220へ出力する。
【0178】
次に、図15を参照して、実施例2において制御部220が実行する制御処理について説明する。図15は、実施例2において制御部220が実行する制御処理の一例を表すフローチャートである。
【0179】
制御部220が実行するステップST101の処理は、実施例1で説明したステップST001の処理と同様であるので説明を省略する。
【0180】
ステップST101において、制御部220は、背景地紋画像プリントモードに既に移行していると判断した場合には、印刷媒体である印刷用紙の色を検出するよう色検出部203を制御する(ステップST102)。
【0181】
次に、制御部220は、パターン色設定部に指定する斜線パターンPSの色を色閾値管理部204へ入力し、色閾値管理部204が色と閾値とを判定部205へ出力するよう制御する。
【0182】
その後、制御部220は、パターン色設定部に指定する斜線パターンPSで構成される画像パターンPBの色と取得した色の閾値とに基づいて判別可能レベルを算出し、また検出した印刷用紙の色と取得した画像パターンPBの色とに基づいて判別度を算出するよう判定部205を制御する(ステップST103)。
【0183】
その後、制御部220は、ステップST104からステップST109の処理を実行するのだが、制御部220が実行するステップST104からステップST109の処理は、実施例1で説明したステップST004からステップST009の処理と同様であるので説明を省略する。
【0184】
本実施例においては、重畳部180が重畳手段に相当し、印刷部190が印刷手段に相当し、判定部205が判定手段に相当する点で実施例1と同様であるが、色検出部203が検出手段に相当する点で異なる。
また、ST102が検出ステップに相当し、ST103及びST104が判定ステップに相当し、ST106及びST109が印刷ステップに相当し、ST108が通知ステップに相当する。
【0185】
以下、本発明の第3の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
第3の実施例においては、印刷部190で印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の濃度は、実施例1のように印刷媒体が反射する反射光に基づいて濃度検出部201が検出するのではなく、印刷媒体を透過する透過光に基づいて検出する点で実施例1と異なる。
【実施例3】
【0186】
本実施例における画像処理装置1000の構成は、実施例1で説明した画像処理装置1000の構成とほぼ同様であるため、以下相違点についてのみ説明する。
【0187】
先ず、図16を参照して、実施例3における濃度検出部201の構成を説明する。図16は、実施例3における濃度検出部201の一例を説明するための構成図である。尚、図16は、図10で示した画像処理装置1000のフィードロール付近における部分拡大図である。
【0188】
濃度検出部201は、投光部FL及び受光部RLで構成される点で実施例1と同様であるが、投光部FLと受光部RLとは、用紙搬送経路RPを挟んでそれぞれが反対方向に設置される点で実施例1と異なる。
【0189】
つまり、投光部FLは、用紙搬送経路RPに沿って搬送される印刷用紙に対し投光可能に、かつ受光部RLは、投光部FLによって投光された光であって、印刷用紙を透過する透過光を受光可能に設置されている点で実施例1と異なる。
【0190】
以下、本発明の第4の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
第4の実施例において、濃度検出部201は、用紙フィードロールRFの手前の用紙搬送経路RPを通過する印刷媒体から印刷媒体の濃度を検出するのではなく、保持部Hに保持された印刷媒体から印刷媒体の濃度を検出する。
【実施例4】
【0191】
本実施例における画像処理装置1000の構成は、実施例1で説明した画像処理装置1000の構成とほぼ同様であるため、以下相違点についてのみ説明する。
【0192】
先ず、図17を参照して、実施例4における濃度検出部201の構成を説明する。図17は、実施例4における濃度検出部201の一例を説明するための構成図である。尚、図17は、図10で示した画像処理装置1000の保持部H付近における部分拡大図である。
【0193】
濃度検出部201は、印刷媒体である印刷用紙であって、保持部Hに保持された印刷用紙に対し、投光部FLが投光可能に設置されている。また、濃度検出部201は、投光部FLが投光した光であって、かつ印刷用紙が反射する反射光を受光可能に設置されている。
【0194】
尚、本発明の画像処理プログラムは、画像処理装置1000により実行される。
また、画像処理プログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより、提供することができる。
【0195】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【0196】
上記実施形態では、濃度検出部201が透過光により印刷媒体の濃度を取得する場合について説明したがこれに限定されるわけではなく、例えば、色検出部203が透過光により印刷媒体の色を取得する構成を採用することもできる。
【0197】
上記実施形態では、濃度検出部201が、カセットトレイで構成される保持部Hに保持された印刷媒体の濃度を検出する場合について説明したがこれに限定されるわけではなく、例えば、色検出部203が、保持部Hに保持された印刷媒体の色を検出する構成を採用することもできる。
【0198】
上記実施形態では、保持部Hはカセットトレイで構成される場合について説明したがこれに限定されるわけではなく、例えば、保持部Hは手差しトレイで構成されることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本発明の画像処理装置の実施形態を表す機能ブロック図である。
【図2】本発明の画像処理装置の実施形態を表すハードウェア構成図である。
【図3】背景地紋画像の一例を説明するための図である。
【図4】コードの一例を説明するための図である。
【図5】禁止コードの一例を説明するための図である。
【図6】禁止コード検知部の一例を説明するための構成図である。
【図7】デジタルコードデコード部の一例を説明するための構成図である。
【図8】コード画像生成部の一例を説明するための構成図である。
【図9】濃度と斜線パターンとの関係を表す図である。
【図10】印刷部190と用紙搬送経路との関係を説明するための図である。
【図11】実施例1における判別部の一例を説明するための構成図である。
【図12】実施例1における濃度検出部の一例を説明するための構成図である。
【図13】実施例1における制御部が実行する制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図14】実施例2における判別部の一例を説明するための構成図である。
【図15】実施例2における制御部が実行する制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図16】実施例3における濃度検出部の一例を説明するための構成図である。
【図17】実施例4における濃度検出部の一例を説明するための構成図である。
【符号の説明】
【0200】
110…画像展開部
120…読取部
130…スキャン画像処理部
140…禁止コード検知部
141…グレースケール変換装置
142…二値化処理装置
143…ノイズ除去処理装置
144…パターン検出装置
145…ブロック化処理装置
146…個数算出装置
147…比率算出装置
148…判定処理装置
150…デジタルコードデコード部
151…グレースケール変換装置
152…二値化処理装置
153…ノイズ除去処理装置
154…パターン検出装置
155…バッファメモリ
156…スキュー角検出装置
157…コード検出装置
158…パターン検出装置
160…画像蓄積部
170…コード画像生成部
171…パターン濃度設定部
172…パターン生成部
173…誤り訂正符号部
174…コード生成部
175…潜像画像描画部
176…コード画像生成手段
177…コード画像配置部
178…画像バッファ
180…重畳部(重畳手段)
190…印刷部(印刷手段)
200…判別部
201…濃度検出部(検出手段)
202…閾値管理部
203…色検出部(検出手段)
204…用紙色閾値管理部
205…判定部(判定手段)
210…ユーザインタフェース部(通知手段)
220…制御部
1000…画像処理装置
1001…演算装置
1002…ROM
1003…外部記憶装置
1004…I/Oポート
1005…バス
2000…ネットワーク
AC1〜4…コード領域
AS1〜4…同期コード領域
B…転写ベルト
CD1〜4…データコード
CP01,02,03,11,12…禁止コード
D…走査方向
DM…感光性ドラム
FL…投光部
H…保持部
IP1〜10…潜像画像
MC0…結果マトリックス(Bit0)
MD0…ディザマトリックス(Bit0)
MS…濃度マトリックス
O…出力画像
P…用紙
PB…背景パターン(画像パターン)
PS0…斜線パターン(Bit0)
PS1…斜線パターン(Bit1)
R…レーザ駆動機構
RB…レーザビーム
RD1〜8…用紙搬送ロール
RF…用紙フィードロール
RL…受光部
RP…用紙搬送路
SP…指定濃度
T1〜4…トナーカートリッジ
W…背景地紋画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像の繰り返しで構成される画像パターンと印刷出力する画像データとを重畳する重畳手段と、
前記重畳手段において画像パターンと重畳された画像データを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段によって画像データを印刷される印刷媒体に関する情報であって、前記画像パターンと前記印刷媒体とを区別するための情報を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した情報と前記画像パターンに関する情報とに基づいて、前記印刷手段に印刷をさせるか否かを判定する判定手段とを備える画像処理装置。
【請求項2】
前記印刷媒体に関する情報は、前記印刷手段で印刷される前記印刷媒体の部分又は前記印刷媒体全体の色又は濃度のいずれか1つ以上に関する情報を含み、
前記画像パターンに関する情報は、前記重畳手段で重畳される画像パターンの色又は濃度のいずれか1つ以上に関する情報を含み、
前記判定手段は、色又は濃度のいずれか1つ以上に関する情報の相違に基づいて、印刷手段に画像データを印刷させるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記色に関する情報とは、明度、彩度、又は色相のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記印刷手段で印刷される印刷媒体の部分又は印刷媒体全体の色又は濃度は、印刷媒体が反射する反射光に基づいて検出されることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記印刷手段で印刷される前記印刷媒体の部分又は前記印刷媒体全体の色又は濃度は、前記印刷媒体を透過する透過光に基づいて検出されることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記印刷手段が印刷対象とする印刷媒体を前記印刷手段へ搬送する搬送路を更に有し、
前記検出手段は、前記印刷媒体を前記搬送路を通じて前記印刷手段へ送り込む前に、前記印刷媒体に関する情報を検出することを特徴とする請求項1から5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記搬送路に設置されたロールであって、前記印刷媒体を前記印刷手段へ送り込むフィードロールの手前の前記搬送路を通過する印刷媒体から、前記印刷媒体に関する情報を検出することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記印刷手段が印刷対象とする印刷媒体であって、前記搬送路へ搬送される前記印刷媒体を保持する保持部を更に有し、
前記検出手段は、前記保持部に保持された印刷媒体から、前記印刷媒体に関する情報を検出することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記印刷手段は前記画像データを印刷しないことの通知を行う通知手段を更に備え、
前記通知手段は、前記判定手段が前記印刷手段に画像データを印刷させないと判定した場合に通知することを特徴とする請求項1ないし8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記通知手段は、前記判定手段が前記印刷手段に画像データを印刷させると判定した場合には通知しないことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、所定の画像の繰り返しで構成される画像パターンと印刷出力する画像データとを重畳する重畳ステップと、
前記重畳ステップにおいて画像パターンと重畳された画像データを印刷する印刷ステップと、
前記印刷ステップによって画像データを印刷される印刷媒体に関する情報であって、前記画像パターンと前記印刷媒体とを区別するための情報を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出した情報と前記画像パターンに関する情報とに基づいて、前記印刷ステップを実行するか否かを判定する判定ステップとを実行させる画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−35185(P2008−35185A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206027(P2006−206027)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】