説明

画像処理装置、方法及びプログラム

【課題】 特色をCMYKで表現する印刷装置において、オーバープリントの指定があって特色同士或いは特色とその他の色が重なる場合に、色材が100%を超えて表現される部分についても正しく印刷する。
【解決手段】 特色をCMYKで表現する印刷装置において、オーバープリントが指定されている場合は、特色指定のオブジェクトを特色の種類毎とそれ以外のオブジェクトとで特色の指定数+1のPDLコマンドに分離し、複数回に分けて印刷を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特色をCMYKに分版して重ねることで表現する画像処理装置において、特色とCMYKの通常色とを重ねて印刷する際に重なりの部分を正確に表現する印刷方法並びに印刷方法を実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば会社のロゴ等明確に色が指定されている場合、印刷機においてはインキを混ぜ合わせて調整した特色インキを作りCMYK版に特色を加えた5色以上の版で印刷する方法がとられている。これに対して一般に使用される電子写真ではCMYKの4色で構成されることが通例であり、特色はCMYKに分解してこれを重ねることで表現している。また、印刷機においては、CMYK特色の版をそれぞれ作成して、それらを重ねて印刷する分版合成という手法が一般である。電子写真においてはこの分版合成に対応するため、CMYK特色の版をそれぞれ受信し、特色をCMYKの版に分けてその他の受信したCMYKの版と合成してから、CMYKの4つの版を合成して印刷するオーバープリントという機能でこれに対応している。電子写真ではPOD市場において印刷機による印刷前のシミュレーションや印刷機のそのものの置き換えとして使用されるため、前述の特色のCMYKトナーによる再現とオーバープリントという技術でこれに対応している。ところで、従来の特色のオーバープリントには、CMYKの通常色に対してカラーマネージメントを行い特色に対してはカラーマネージメントを行わずにオーバープリントを行うことによって正確な特色の色再現を施すというものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-148535
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術を用いて特色のオーバープリントを行った場合の処理結果を図16に示す。例えば特色(1601)がC=100%(1602), Y=100%(1603)であり、これに通常色Y=50%(1504)の版をオーバープリントしようとした場合を想定する。この場合、特色と通常色との重なり部分(1605)はY=100%を超えて印刷することはできないためにC=100%, Y100%で表現される(1606)ことになる。印刷機においてはグリーンインキとイエローインキがそれぞれ載るために重なり部分はグリーンインキの上にイエローインキが載っているように見えるが、電子写真においては重なって見えないという問題があった。ここで図16は特色をCMYKに分解し、通常色(CMYKのいずれか或いはそれらの組み合わせで示される色)との合成を説明するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、特色をCMYKの組み合わせで表現する画像処理装置において、PDLコマンドを受信する受信部と、前記受信したPDLコマンドを解析するPDLコマンド解析部と、前記解析したPDLコマンドを複数のPDLコマンドに分離するPDLコマンド分離部と、前記PDLコマンド分離部において分離されたPDLコマンドを格納するPDLコマンド格納部と、前記PDLコマンドで特色が指定されている場合は特色をCMYKに変換する特色CMYK変換部と、前記PDLコマンドから印刷画像を生成する画像形成部と、印刷の指示があった場合に給紙する給紙部とを備え、前記PDLコマンド分離部において特色を含むPDLコマンドとそれ以外とを分離し、特色を含むPDLコマンドについては前記特色CMYK変換部において特色をCMYKに変換することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
これにより、各色のトナーを100%を超えて載せることが可能となり、特色のオーバープリントをより印刷機に近い形で再現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態としてのシステム構成の説明
【図2】本発明の一実施形態としてのデータを受信してから印刷するまでのフローチャート
【図3】本発明の一実施形態としてのシステム構成の説明
【図4】本発明の一実施形態としてのデータを受信してから印刷するまでのフローチャート
【図5】本発明の一実施形態としてのシステム構成の説明
【図6】本発明の一実施形態としてのデータを受信してから印刷するまでのフローチャート
【図7】本発明の一実施形態としてのシステム構成の説明
【図8】本発明の一実施形態としてのデータを受信してから印刷するまでのフローチャート
【図9】本発明の一実施形態としてのシステム構成の説明
【図10】本発明の一実施形態としてのデータを受信してから印刷するまでのフローチャート
【図11】本発明の一実施形態としての画像の状態遷移の一例
【図12】本発明の一実施形態としての画像の状態遷移の一例
【図13】本発明の一実施形態としての画像の状態遷移の一例
【図14】本発明の一実施形態としての画像の状態遷移の一例
【図15】本発明の一実施形態としての画像の状態遷移の一例
【図16】従来技術における画像の状態遷移の一例
【図17】本発明の一実施形態としてのPDLコマンドの描画例
【図18】本発明の一実施形態としてのPDLコマンドの構成の説明
【図19】本発明の一実施形態としてのPDLコマンドの構成の説明
【図20】本発明の一実施形態としてのPDLコマンドの構成の説明
【図21】本発明の一実施形態としてのPDLコマンドの構成の説明
【図22】本発明の一実施形態としてのPDLコマンドの構成の説明
【図23】本発明の一実施形態としてのPDLコマンドの構成の説明
【図24】本発明の一実施形態としてのPDLコマンドの構成の説明
【図25】本発明の一実施形態としての特色リストの一例
【図26】本発明の一実施形態としてのIDとジョブの管理リストの一例
【図27】本発明の一実施形態としてのPDLコマンドの構成の説明
【図28】本発明の一実施形態としてのユーザインターフェースの一例
【図29】本発明の一実施形態としてのユーザインターフェースの一例
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、特色をCMYKの組み合わせで表現する画像処理に関するものである。以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の記述において、「PDLコマンド」とは、PDL(Page Description Language)においてプリンタに対して描画を指示するためのコマンドである。
【0009】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る画像処理装置について説明する。図1は、本実施形態のシステム構成図である。
【0010】
システム100は、メモリ101、受信部106、PDLコマンド解析部107、PDLコマンド分離部108、特色CMYK変換部109、ユーザインターフェース110、給紙部111、画像形成部112、印刷部113で構成されている。メモリ101は、複数のPDLコマンド格納部を備える。即ち、受信したPDLコマンドを格納する受信PDLコマンド領域102、分離されたPDLコマンドを格納するPDLコマンド領域103、分離された特色からなるPDLコマンドを格納する特色PDLコマンド領域104を備える。メモリ101はさらに、前記受信したPDLコマンドに特色が含まれていたか否かを示すための特色ありフラグ領域105を備える。受信部106は、ネットワーク経由でPDLコマンドを受信する。PDLコマンド解析部107は、前記受信したPDLコマンドを解析する。PDLコマンド分離部108は、前記受信したPDLコマンドを特色とそれ以外で分離する。特色CMYK変換部109は、特色をCMYKの内の1色以上に分解する。ユーザインターフェース110は、ユーザからの指示を受ける。給紙部111は、印刷用紙を受け取る。画像形成部112は、前記PDLコマンド或いは特殊PDLコマンドから印刷用データを形成する。印刷部113は、前記画像形成部で形成した画像を印刷する。
【0011】
図2は、受信部106がPDLコマンドを受信してから印刷部113で印刷するまでの流れを示すフローチャートである。なお、図11〜図15はこの処理の流れにおける画像の変化について、図17はPDLコマンド1801の描画図について説明するものである。また、図18〜21はこの処理の流れにおけるPDLコマンドの変化について、図28は2度目の印刷を促すためのユーザインターフェースについて説明するものである。
【0012】
図2のステップS201において、受信部106でPDLコマンドを受信し、メモリ101の受信PDLコマンド領域102に格納してステップS202へ進む。この時、受信PDLコマンド領域102には、PDLコマンド1801(図18)、1901(図19)、2001(図20)、2101(図21)のいずれかが格納されている。ステップS202において、メモリ101の特色ありフラグ105をクリアし、ステップS203へ進む。ステップS203において、メモリ101にPDLコマンド領域103を獲得し、ステップS204へ進む。
【0013】
ステップS204において、PDLコマンド解析部107で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、オーバープリントが指定されているか確認し、オーバープリントが指定されている場合はステップS205へ進む。つまり、受信PDLコマンド領域102に格納されている、PDLコマンド1801、1901、2001、2101の内の“Overprint”が“ON”になっている場合はS205へ進む。ステップS205において、PDLコマンド解析部107で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得したPDLコマンド領域103にコピーし、ステップS206へ進む。この時、PDLコマンド領域103には、PDLコマンド1902、2105のいずれかが格納されている。ステップS206において、PDLコマンド解析部107で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し終えたかを確認し、解析し終えていない場合はステップS207へ進む。
【0014】
ステップS207において、現在解析中のオブジェクトは特色が指定されているか否かを判定し、特色が指定されている場合は、ステップS208へ進む。ステップS208において、メモリ101に特色PDLコマンド領域が既に獲得されているか確認し、されていない場合はステップS209へ進む。ステップS209において、メモリ101に特色PDLコマンド領域104を獲得し、ステップS210へ進む。ステップS210において、PDLコマンド解析部107で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得した特色PDLコマンド領域104にコピーし、ステップS211へ進む。この時特色PDLコマンド領域104には、PDLコマンド2102が格納されている。
【0015】
ステップS211において、メモリ101の特色ありフラグ105を立て、ステップS212へ進む。ステップS212において、PDLコマンド分離部108で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドを特色PDLコマンド領域104にコピーし、ステップS206へ戻り処理を繰り返す。この時特色PDLコマンド領域104には、PDLコマンド2103が格納されている。
【0016】
ステップS208において、メモリ101に既に特色PDLコマンド領域104が獲得されている場合は、ステップS212に進む。また、ステップS207において、現在解析中のオブジェクトに特色が指定されていない場合は、ステップS213へ進む。ステップS213において、PDLコマンド分離部108で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドをPDLコマンド領域103にコピーし、ステップS206へ戻り処理を繰り返す。この時PDLコマンド領域103には、PDLコマンド2106が格納されている。
【0017】
ステップS206において、前記受信PDLコマンドを解析し終えた場合はステップS214へ進む。ステップS214において、メモリ101の特色ありフラグを確認し、特色ありフラグが立っている場合は、ステップS215へ進む。この時、メモリ101のPDLコマンド領域103にはPDLコマンド2106であるデータ1506が、特色PDLコマンド領域104にはPDLコマンド2103であるデータ1505がそれぞれ格納されている。
【0018】
ステップS215において、メモリ101のPDLコマンド領域103のPDLコマンドの用紙指定を給紙段指定に再設定し、ステップS216へ進む。この時PDLコマンド領域103のPDLコマンド2106の給紙段指定"PaperFeed"は"1"から"2"に変更され、PDLコマンド2107として格納される。ステップS216において、特色PDLコマンド領域104の特色を特色CMYK変換部109において図25の特色リストに基づきCMYKの組み合わせに変換する。さらに、PDLコマンドに基づいて画像形成部112において印刷画像を形成し、印刷部113で印刷して、ステップS217へ進む。この時、データ1505はシアン版1508、マゼンタ版1509、イエロー版1510、ブラック版1511に変換され、出力結果1512を得る。
【0019】
ステップS217において、ユーザインターフェース110に特色印刷スタートボタン2801(図28)を表示し、給紙段"2"に出力結果1512がセットされ特色印刷スタートボタン2801が押下されたかを確認し、されていない場合はこれを繰り返す。一方、ステップS217において、給紙段"2"に出力結果1512がセットされ特色印刷スタートボタン2801が押下された場合は、ステップS220へ進む。ステップS220で、メモリ101のPDLコマンド領域103のPDLコマンド2107に基づいて画像形成部112において印刷画像を形成し、印刷部113で印刷して、終了する。この時、データ1506はシアン版1514、マゼンタ版1515、イエロー版1516、ブラック版1517で表わされており、給紙部111にある出力結果1512の上に印刷した出力結果1518を得る(図15)。出力結果1518は、特色領域1520と通常色領域1519とその両方が重なった領域1521からなる。
【0020】
ステップS214において、特色ありフラグが立っていない場合は、ステップS220へ進む。この時、オーバープリントが指定されているが特色が含まれない処理となり、図12の通常色同士のオーバープリントとなる。この時、PDLコマンド領域103にはPDLコマンド1904(図19)で表わされるデータ1201(図12)が格納されている。画像形成部においてシアン版1206、マゼンタ版1207、イエロー版1208、ブラック版1209の画像が形成され、印刷部113において入力用紙1205上に上記各版が印刷されて出力結果1210が得られる。出力結果1210は、通常色1212と1211、それらの重なった領域1213からなる。
【0021】
ステップS204において、オーバープリントが指定されていないと判定された場合は、ステップS218へ進む。ステップS218において、メモリ101のPDLコマンド領域103に全てのオブジェクト部分のコマンドをコピーし、ステップS219へ進む。この時PDLコマンド領域103には、PDLコマンド1802、2002のいずれかが格納されている。ステップS219において、PDLコマンド領域103に格納の前記PDLコマンドに特色指定がある場合は、特色CMYK変換部109において特色をシアン版、マゼンタ版、イエロー版、ブラック版に分離する。そして、通常色のオブジェクトと合成して上書きし、ステップS220へ進む。この時、PDLコマンド領域103には2002(図20)で表わされるデータ1301(図13)が格納されている。画像形成部においてシアン版1305、マゼンタ版1306、イエロー版1307、ブラック版1308の画像が形成され、印刷部113において入力用紙1304上に上記各版が印刷されて出力結果1309が得られる。出力結果1309は、特色領域1311と通常色領域1310からなる。或いは、特色が含まれていない場合は、ステップS219においては何もしない。この時、PDLコマンド領域103には1802で表わされるデータ1101(図11)が格納されている。画像形成部においてシアン版1105、マゼンタ版1106、イエロー版1107、ブラック版1108の画像が形成され、印刷部113において入力用紙1104上に上記各版が印刷されて出力結果1109が得られる。出力結果1109は、通常色1111と1110からなる。
【0022】
図14は上記手順をふまずオーバープリントが指定されていてかつ特色のオブジェクトが含まれている場合の出力結果の一例を示している。ユーザが作成したデータ1401では、特色領域1403と通常色1402とそれらが重なった1404で構成されている。これを通常の手順で印刷するとシアン版1406、マゼンタ版1407、イエロー版1408、ブラック版1409で表わされ、これらを画像形成して印刷すると、出力結果1410が得られる。出力結果1410は特色領域1412と通常色1411との重なりの部分1413が特色領域1412と同色となっていて、本来求められている1404のような色で再現することが出来ない。
【0023】
[実施形態2]
本発明の実施形態2に係る画像処理装置について説明する。図3は、本実施形態のシステム構成図であり、実施形態1のシステムに印刷ジョブをID管理する機能を追加したものである。
【0024】
システム300は、メモリ301、受信部306、PDLコマンド解析部307、PDLコマンド分離部308、特色CMYK変換部309、ユーザインターフェース310、給紙部311、画像形成部312、印刷部313を備える。システム300はさらに、ID発行部314、ID−PDLコマンド管理部315、ページ生成部316を備える。メモリ301は、受信したPDLコマンドを格納する受信PDLコマンド領域302、分離されたPDLコマンドを格納するPDLコマンド領域303、分離された特色からなるPDLコマンドを格納する特色PDLコマンド領域304を備える。メモリ301はさらに、前記受信したPDLコマンドに特色が含まれていたか否かを示すための特色ありフラグ領域305を備える。受信部306は、ネットワーク経由でPDLコマンドを受信する。PDLコマンド解析部307は、前記受信したPDLコマンドを解析する。PDLコマンド分離部308は、前記受信したPDLコマンドを特色とそれ以外で分離する。特色CMYK変換部309は、特色をCMYKの内の1色以上に分解する。ユーザインターフェース310は、ユーザからの指示を受ける。給紙部311は、印刷用紙を受け取る。画像形成部312は、前記PDLコマンド或いは特殊PDLコマンドから印刷用データを形成する。印刷部313は、前記画像形成部で形成した画像を印刷する。ID発行部314は、IDを発行する。ID−PDLコマンド管理部315は、発行したIDと前記PDLコマンド領域303、或いは、前記特色PDLコマンド領域304とを関連付けて管理する。ページ生成部316は、ID発行部314から発行された前記IDからページを生成する。
【0025】
図4は、受信部306がPDLコマンドを受信してから印刷部313で印刷するまでの流れを示すフローチャートである。なお、図11〜図15はこの処理の流れにおける画像の変化について、図17はPDLコマンド1801の描画図について説明するものである。図18〜20、22はこの処理の流れにおけるPDLコマンドの変化について、図25は特色をC,M,Y,Kの色に変換するための参照リストについて説明するものである。図26は発行されたIDとPDLの関連付けを行い管理するジョブ管理リストについて、図29は印刷の関連付けを行うためのIDの入力と2度目の印刷を促すためのユーザインターフェースについて説明するものである。
【0026】
図4のステップS401において、受信部306でPDLコマンドを受信し、メモリ301の受信PDLコマンド領域302に格納してステップS402へ進む。この時、受信PDLコマンド領域302には、PDLコマンド1801(図18)、1901(図19)、2001(図20)、2201(図22)のいずれかが格納されている。ステップS402において、メモリ301の特色ありフラグ305をクリアし、ステップS403へ進む。ステップS403において、メモリ301にPDLコマンド領域303を獲得し、ステップS404へ進む。
【0027】
ステップS404において、PDLコマンド解析部307で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、オーバープリントが指定されているか確認し、オーバープリントが指定されている場合はステップS405へ進む。つまり、受信PDLコマンド領域302に格納されている、PDLコマンド1801、1901、2001、2201の内の“Overprint”が“ON”になっている場合はS405へ進む。ステップS405において、PDLコマンド解析部307で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得したPDLコマンド領域303にコピーし、ステップS406へ進む。この時PDLコマンド領域303には、PDLコマンド1902、2205のいずれかが格納されている。ステップS406において、PDLコマンド解析部307で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し終えたかを確認し、解析し終えていない場合はステップS407へ進む。
【0028】
ステップS407において、現在解析中のオブジェクトは特色が指定されているか否かを判定し、特色が指定されている場合は、ステップS408へ進む。ステップS408において、メモリ301に特色PDLコマンド領域が既に獲得されているか確認し、されていない場合はステップS409へ進む。ステップS409において、メモリ301に特色PDLコマンド領域304を獲得し、ステップS410へ進む。ステップS410において、PDLコマンド解析部307で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンド2202を解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得した特色PDLコマンド領域304にコピーし、ステップS411へ進む。この時特色PDLコマンド領域304には、PDLコマンド2202が格納されている。
【0029】
ステップS411において、メモリ301の特色ありフラグ305を立て、ステップS412へ進む。ステップS412において、前記PDLコマンドに対応するIDをID発行部314で発行し、ステップS413へ進む。IDはジョブカウンタによるカウント値と特色数で表わされ空きのある番号の小さい順で使用する。ステップS413において、ID−PDLコマンド管理部315で前記発行されたIDとPDLコマンド領域303とを関連付けし管理し、ステップS414へ進む。ID−PDLコマンド管理部315ではジョブとIDの管理リスト2600を作成してIDとそれに関連するPDLコマンドの格納されているメモリを関連付けている。
【0030】
ステップS414において、ページ生成部316は前記発行されたIDからページを生成しPDLコマンド化して、ステップS415へ進む。ステップS415において、特色PDLコマンド領域304に格納のPDLコマンドの先頭に前記発行されたIDを含むページのPDLコマンドを追加して上書き保存し、ステップS416へ進む。この時特色PDLコマンド領域304には、PDLコマンド2203が格納されている。ステップS416において、PDLコマンド分離部308で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドを特色PDLコマンド領域304にコピーし、ステップS406へ戻り処理を繰り返す。この時PDLコマンド領域304には、PDLコマンド2204が格納されている。
【0031】
ステップS408において、メモリ301に既に特色PDLコマンド領域304が獲得されている場合は、ステップS416に進む。また、ステップS407において、現在解析中のオブジェクトに特色が指定されていない場合は、ステップS417へ進む。ステップS417において、PDLコマンド分離部308で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドをPDLコマンド領域303にコピーし、ステップS406へ戻り処理を繰り返す。この時PDLコマンド領域303には、PDLコマンド2206が格納されている。
【0032】
ステップS406において、前記受信PDLコマンドを解析し終えた場合はステップS418へ進む。ステップS418において、メモリ301の特色ありフラグを確認し、特色ありフラグが立っている場合は、ステップS419へ進む。この時、メモリ301のPDLコマンド領域303にはPDLコマンド2206で表わされるデータ1506が、特色PDLコマンド領域304にはPDLコマンド2204で表わされる1505がそれぞれ格納されている。
【0033】
ステップS419において、メモリ301のPDLコマンド領域303のPDLコマンドの用紙指定を給紙段指定に再設定し、ステップS420へ進む。この時PDLコマンド領域303には、PDLコマンド2206の給紙段指定“PaperFeed”を“1”から“2”に変更したPDLコマンド2207が格納される。ステップS420において、特色PDLコマンド領域304の特色を特色CMYK変換部309において特色リスト2500に基づいてCMYKの組み合わせに変換する。さらに、PDLコマンドに基づいて画像形成部312において印刷画像を形成し、印刷部313で印刷して、ステップS421へ進む。PDLコマンド2204に従って印刷されるため、1ページ目にはIDが書かれたページが印刷され、2ページ目に特色のページが印刷される。この時、データ1505はシアン版1508、マゼンタ版1509、イエロー版1510、ブラック版1511に変換され、出力結果1512を得る。
【0034】
ステップS421において、ユーザインターフェース310に特色印刷スタートボタン2901とID入力ウィンドウ2902(図29)を表示する。さらに、給紙段に出力結果1512がセットされ、ID入力ウィンドウ2902に正しいIDが入力され、特色印刷スタートボタンが押下されたかを確認し、されていない場合はこれを繰り返す。一方、ステップS421において、正しいIDが指定され、給紙段に出力結果1512がセットされ、特色印刷スタートボタン2901が押下された場合は、ステップS422へ進む。
【0035】
ステップS422において、ID−PDLコマンド管理部315で、IDとジョブの管理リストを用いて入力されたIDから関連のPDLコマンド領域を検索する。さらに、関連付けされたメモリ301のPDLコマンド領域303のPDLコマンド2206に基づいて画像形成部312で印刷画像を形成し、印刷部313で印刷して、終了する。この時、PDLコマンド2206で表わされるデータ1506はシアン版1514、マゼンタ版1515、イエロー版1516、ブラック版1517で表わされており、給紙部311にある出力結果1512の上に印刷した出力結果1518を得る。出力結果1518は、特色領域1520と通常色領域1519とその両方が重なった領域1521からなる。
【0036】
ステップS418において、特色ありフラグが立っていない場合は、ステップS425へ進む。ステップS425において、メモリ301のPDLコマンド領域303のPDLコマンドに基づいて画像形成部312において印刷画像を形成し、印刷部313で印刷して、終了する。この時、オーバープリントが指定されているが特色が含まれない処理となり、PDLコマンド領域303にはPDLコマンド1904が格納されており、図12の通常色同士のオーバープリントとなる。この時、PDLコマンド領域103にはPDLコマンド1904で表わされるデータ1201が格納されている。画像形成部においてシアン版1206、マゼンタ版1207、イエロー版1208、ブラック版1209の画像が形成され、印刷部313において入力用紙1205上に上記各版が印刷されて出力結果1210が得られる。出力結果1210は、通常色1212と1211、それらの重なった領域1213からなる。
【0037】
ステップS404において、オーバープリントが指定されていないと判定された場合は、ステップS423へ進む。ステップS423において、メモリ301のPDLコマンド領域303に全てのオブジェクト部分のコマンドをコピーし、ステップS424へ進む。この時PDLコマンド領域303には、1802或いは2002が格納されている。ステップS424で、PDLコマンド領域303にPDLコマンド2002(PDLコマンドに特色指定あり)が格納されている場合は、特色CMYK変換部309で特色リスト2500に基いて特色をシアン版、マゼンタ版、イエロー版、ブラック版に分離する。そして、通常色のオブジェクトと合成して上書きし、ステップS425へ進む。この時、PDLコマンド領域303にはPDLコマンド2002で表わされるデータ1301が格納されている。画像形成部においてシアン版1305、マゼンタ版1306、イエロー版1307、ブラック版1308の画像が形成され、印刷部313において入力用紙1304上に上記各版が印刷されて出力結果1309が得られる。出力結果1309は、特色領域1311と通常色領域1310からなる。或いは、特色が含まれていない場合であるPDLコマンド1802の場合は、ステップS424においては何もしない。この時、PDLコマンド領域303にPDLコマンド1802で表わされるデータ1101が格納されている。画像形成部においてシアン版1105、マゼンタ版1106、イエロー版1107、ブラック版1108の画像が形成され、印刷部313において入力用紙1104上に上記各版が印刷されて出力結果1109が得られる。出力結果1109は、通常色1111と1110からなる。
【0038】
[実施形態3]
本発明の実施形態3に係る画像処理装置について説明する。図5は、本実施形態のシステム構成図であり、実施形態2のシステムのジョブのID管理をユーザインターフェースからの入力ではなく、読み取り装置によるパターン読み取りで実施したものである。
【0039】
システム500は、メモリ501、受信部506、PDLコマンド解析部507、PDLコマンド分離部508、特色CMYK変換部509と、ユーザインターフェース510、給紙部511、画像形成部512、印刷部513を備える。システム500はさらに、ID発行部514、ID−PDLコマンド管理部515、ページ生成部516、IDパターン化部517、画像読み取り部518、パターン解析部520を備える。メモリ501は、受信したPDLコマンドを格納する受信PDLコマンド領域502、分離されたPDLコマンドを格納するPDLコマンド領域503、分離された特色からなるPDLコマンドを格納する特色PDLコマンド領域504を備える。メモリ501はさらに、前記受信したPDLコマンドに特色が含まれていたか否かを示すための特色ありフラグ領域505と、読み取り画像領域519を備える。受信部506は、ネットワーク経由でPDLコマンドを受信する。PDLコマンド解析部507は、前記受信したPDLコマンドを解析する。PDLコマンド分離部508は、前記受信したPDLコマンドを特色とそれ以外で分離する。特色CMYK変換部509、特色をCMYKの内の1色以上に分解する。ユーザインターフェース510は、ユーザからの指示を受ける。給紙部511は、印刷用紙を受け取る。画像形成部512は、前記PDLコマンド或いは特殊PDLコマンドから印刷用データを形成する。印刷部513は、前記画像形成部で形成した画像を印刷する。ID発行部514は、IDを発行する。ID−PDLコマンド管理部515は、発行したIDと前記PDLコマンド領域503、或いは、前記特色PDLコマンド領域504とを関連付けて管理する。IDパターン化部517は、ID発行部514から発行された前記IDをパターン化する。ページ生成部516は、前記パターン化したIDからページを生成する。画像読み取り部518は、画像を読み取る。パターン解析部520は、前記画像読み取り部から読み取られた画像を解析してパターンが存在する場合はそのパターンを解析する。
【0040】
図6は、受信部506がPDLコマンドを受信してから印刷部513で印刷するまでの流れを示すフローチャートである。なお、図11〜図15はこの処理の流れにおける画像の変化について、図17はPDLコマンド1801の描画図について説明するものである。図18〜20,23はこの処理の流れにおけるPDLコマンドの変化について、図25は特色をC,M,Y,Kの色に変換するための参照リストについて説明するものである。図26は発行されたIDとPDLの関連付けを行い管理するジョブ管理リストについて、図28は2度目の印刷を促すためのユーザインターフェースについて説明するものである。
【0041】
図6のステップS601において、受信部506でPDLコマンドを受信し、メモリ501の受信PDLコマンド領域502に格納してステップS602へ進む。この時、受信PDLコマンド領域502には、PDLコマンド1801(図18)、1901(図19)、2001(図20)、2301(図23)のいずれかが格納されている。ステップS602において、メモリ501の特色ありフラグ505をクリアし、ステップS603へ進む。ステップS603において、メモリ501にPDLコマンド領域503を獲得し、ステップS604へ進む。
【0042】
ステップS604において、PDLコマンド解析部507で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、オーバープリントが指定されているか確認し、オーバープリントが指定されている場合はステップS605へ進む。つまり、受信PDLコマンド領域502に格納されている、PDLコマンド1801、1901、2001、2301の内の“Overprint”が“ON”になっている場合はS605へ進む。ステップS605において、PDLコマンド解析部507で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得したPDLコマンド領域503にコピーし、ステップS606へ進む。この時PDLコマンド領域503には、PDLコマンド1902、2305のいずれかが格納されている。ステップS606において、PDLコマンド解析部507で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し終えたかを確認し、解析し終えていない場合はステップS607へ進む。
【0043】
ステップS607において、現在解析中のオブジェクトは特色が指定されているか否かを判定し、特色が指定されている場合は、ステップS608へ進む。ステップS608において、メモリ501に特色PDLコマンド領域が既に獲得されているか確認し、されていない場合はステップS609へ進む。ステップS609において、メモリ501に特色PDLコマンド領域504を獲得し、ステップS610へ進む。ステップS610において、PDLコマンド解析部507で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得した特色PDLコマンド領域504にコピーし、ステップS611へ進む。この時特色PDLコマンド領域504には、PDLコマンド2302が格納されている。
【0044】
ステップS611において、メモリ501の特色ありフラグ505を立て、ステップS612へ進む。ステップS612において、前記PDLコマンドに対応するIDをID発行部514で発行し、ステップS613へ進む。IDはジョブカウンタによるカウント値と特色数で表わされ空きのある番号の小さい順で使用する。ステップS613において、ID−PDLコマンド管理部515で前記発行されたIDとPDLコマンド領域503とを関連付けし管理し、ステップS614へ進む。ID−PDLコマンド管理部515ではジョブとIDの管理リスト2600を作成してIDとそれに関連するPDLコマンドの格納されているメモリを関連付けている。
【0045】
ステップS614において、ID発行部514より発行された前記IDをIDパターン化部517でパターン化し、ステップS615へ進む。IDパターンは1bitイメージで構成される。ステップS615において、ページ生成部516は前記生成されたIDパターンからページを生成しPDLコマンド化して、ステップS616へ進む。ステップS616において、特色PDLコマンド領域504に格納のPDLコマンドの先頭に前記発行されたIDを含むページのPDLコマンドを追加して上書き保存し、ステップS617へ進む。この時特色PDLコマンド領域504には、PDLコマンド2303が格納されている。ステップS617において、PDLコマンド分離部508で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドを特色PDLコマンド領域504にコピーし、ステップS606へ戻り処理を繰り返す。この時PDLコマンド領域504にはPDLコマンド2304が格納されている。
【0046】
ステップS608において、メモリ501に既に特色PDLコマンド領域504が獲得されている場合は、ステップS617に進む。また、ステップS607において、現在解析中のオブジェクトに特色が指定されていない場合は、ステップS618へ進む。ステップS618において、PDLコマンド分離部508で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドをPDLコマンド領域503にコピーし、ステップS606へ戻り処理を繰り返す。この時PDLコマンド領域503にはPDLコマンド2306が格納されている。
【0047】
ステップS606において、前記受信PDLコマンドを解析し終えた場合はステップS619へ進む。ステップS619において、メモリ501の特色ありフラグを確認し、特色ありフラグが立っている場合は、ステップS620へ進む。この時、メモリ501のPDLコマンド領域503にはPDLコマンド2306で表わされるデータ1506が、特色PDLコマンド領域504にはPDLコマンド2304で表わされる1505がそれぞれ格納されている。
【0048】
ステップS620において、メモリ501のPDLコマンド領域503のPDLコマンドの用紙指定を給紙段指定に再設定し、ステップS621へ進む。PDLコマンド領域503には、PDLコマンド2306の給紙段指定“PaperFeed”を“1”から“2”に変更したPDLコマンド2307が格納される。ステップS621において、特色PDLコマンド領域504の特色を特色CMYK変換部509において特色リスト2500に基づいてCMYKの組み合わせに変換する。さらに、PDLコマンドに基づいて画像形成部512において印刷画像を形成し、印刷部513で印刷して、ステップS622へ進む。1ページ目にはIDパターンが描かれたページが印刷され、2ページ目に特色のページが印刷される。この時、PDLコマンド2304で表わされるデータ1505はシアン版1508、マゼンタ版1509、イエロー版1510、ブラック版1511に変換され、出力結果1512を得る。
【0049】
ステップS622において、ユーザインターフェース510に特色印刷スタートボタン2801(図28)を表示する。さらに、給紙段に出力結果1512がセットされ、画像読み取り部518にIDパターンの印刷された用紙が正しくセットされ、特色印刷スタートボタン2801が押下されたかを確認し、されていない場合はこれを繰り返す。一方、ステップS622において、正しいIDが指定され、給紙段に出力結果1512がセットされ、特色印刷スタートボタン2801が押下された場合は、ステップS623へ進む。ステップS623において、読み取り装置518にセットされた用紙を読み取りメモリ501の読み取り画像領域519に格納し、ステップS624へ進む。ステップS624において、パターン解析部520で読み取り画像領域519に格納されている画像のパターンを解析し、ステップS625へ進む。
【0050】
ステップS625において、前記パターン解析の結果IDパターンが存在したかどうかを判定し、存在しなかった場合はステップS626へ進む。ステップS626において、ユーザインターフェース510にIDパターンが印刷された用紙を画像読み取り部518に置くよう警告を表示し、ステップS622へ戻り処理を繰り返す。一方、ステップS625において、IDパターンが存在した場合はステップS630へ進む。ステップS630において、ID−PDLコマンド管理部において入力されたIDからジョブとIDの管理リスト2600を用いて関連のPDLコマンド領域を検索する。さらに、関連付けされたメモリ501のPDLコマンド領域503のPDLコマンド2307に基づいて画像形成部512で印刷画像を形成し、印刷部513で印刷して、終了する。この時、PDLコマンド2307で表わされるデータ1506はシアン版1514、マゼンタ版1515、イエロー版1516、ブラック版1517で表わされており、給紙部511にある出力結果1512の上に印刷した出力結果1518を得る。出力結果1518は、特色領域1520と通常色領域1519とその両方が重なった領域1521からなる。
【0051】
ステップS619において、特色ありフラグが立っていない場合は、ステップS629へ進む。ステップS629において、メモリ501のPDLコマンド領域503のPDLコマンドに基づいて画像形成部512において印刷画像を形成し、印刷部513で印刷して、終了する。この時、オーバープリントが指定されているが特色が含まれない処理となり、図12の通常色同士のオーバープリントとなる。この時、PDLコマンド領域503にPDLコマンド1904で表わされるデータ1201が格納されている。画像形成部においてシアン版1206、マゼンタ版1207、イエロー版1208、ブラック版1209の画像が形成され、印刷部113において入力用紙1205上に上記各版が印刷されて出力結果1210が得られる。出力結果1210は、通常色1212と1211、それらの重なった領域1213からなる。
【0052】
ステップS604において、オーバープリントが指定されていないと判定された場合は、ステップS627へ進む。ステップS627において、メモリ501のPDLコマンド領域に全てのオブジェクト部分のコマンドをコピーし、ステップS628へ進む。ステップS628において、PDLコマンド領域503に格納の前記PDLコマンドに特色指定がある場合は、特色CMYK変換部509において特色をシアン版、マゼンタ版、イエロー版、ブラック版に分離する。そして、通常色のオブジェクトと合成して上書きし、ステップS629へ進む。この時、PDLコマンド領域503にはPDLコマンド2002で表わされるデータ1301が格納されている。画像形成部においてシアン版1305、マゼンタ版1306、イエロー版1307、ブラック版1308の画像が形成され、印刷部513において入力用紙1304上に上記各版が印刷されて出力結果1309が得られる。出力結果1309は、特色領域1311と通常色領域1310からなる。或いは、特色が含まれていない場合は、ステップS628においては何もしない。この時、PDLコマンド領域503にはPDLコマンド1802で表わされるデータ1101が格納されている。画像形成部においてシアン版1105、マゼンタ版1106、イエロー版1107、ブラック版1108の画像が形成され、印刷部513において入力用紙1104上に上記各版が印刷されて出力結果1109が得られる。出力結果1109は、通常色1111と1110からなる。
【0053】
[実施形態4]
本発明の実施形態4に係る画像処理装置について説明する。図7は、本実施形態のシステム構成図であり、実施形態1のシステムを複数の特色指定に対応させたものである。
【0054】
システム700は、メモリ701、受信部706、PDLコマンド解析部707、PDLコマンド分離部708、特色CMYK変換部709、ユーザインターフェース710、給紙部711、画像形成部712、印刷部713で構成されている。メモリ701は、受信したPDLコマンドを格納する受信PDLコマンド領域702、分離されたPDLコマンドを格納するPDLコマンド領域703、分離された特色からなるPDLコマンドを格納する特色PDLコマンド領域704を備える。メモリ701はさらに、前記受信したPDLコマンドに含まれる特色の色数をカウントする特色カウンタ705を備える。受信部706は、ネットワーク経由でPDLコマンドを受信する。PDLコマンド解析部707は、前記受信したPDLコマンドを解析する。PDLコマンド分離部708は、前記受信したPDLコマンドを特色とそれ以外で分離する。特色CMYK変換部709は、特色をCMYKの内の1色以上に分解する。ユーザインターフェース710は、ユーザからの指示を受ける。給紙部711は、印刷用紙を受け取る。画像形成部712は、前記PDLコマンド或いは特殊PDLコマンドから印刷用データを形成する。印刷部713は、前記画像形成部で形成した画像を印刷する。
【0055】
図8は、受信部706がPDLコマンドを受信してから印刷部713で印刷するまでの流れを示すフローチャートである。なお、図11〜図14,27はこの処理の流れにおける画像の変化について、図17はPDLコマンド1801の描画図について説明するものである。また、図18〜20、24はこの処理の流れにおけるPDLコマンドの変化について、図25は特色をCMYKの色に変換するための参照リストについて、図28は2度目の印刷を促すためのユーザインターフェースについて説明するものである。
【0056】
図8のステップS801において、受信部706でPDLコマンドを受信し、メモリ701の受信PDLコマンド領域702に格納してステップS802へ進む。この時、受信PDLコマンド領域702には、PDLコマンド1801(図18)、1901(図19)、2001(図20)、2401(図24)のいずれかが格納されている。ステップS804において、メモリ701の特色カウンタ705をゼロに初期化し、ステップS805へ進む。ステップS805において、メモリ701にPDLコマンド領域703を獲得し、ステップS806へ進む。
【0057】
ステップS806において、PDLコマンド解析部707で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、オーバープリントが指定されているか確認し、オーバープリントが指定されている場合はステップS807へ進む。つまり、受信PDLコマンド領域702に格納されている、PDLコマンド1801、1901、2001、2401の内の“Overprint”が“ON”になっている場合はS807へ進む。ステップS807において、PDLコマンド解析部707で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得したPDLコマンド領域703にコピーし、ステップS808へ進む。この時PDLコマンド領域703には、PDLコマンド1902、2406のいずれかが格納されている。ステップS808において、PDLコマンド解析部707で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し終えたかを確認し、解析し終えていない場合はステップS809へ進む。
【0058】
ステップS809において、現在解析中のオブジェクトは特色が指定されているか否かを判定し、特色が指定されている場合は、ステップS810へ進む。ステップS810において、メモリ701に現在解析中の特色と同一の特色PDLコマンド領域が既に獲得されているか確認し、されていない場合はステップS811へ進む。ステップS811において、メモリ701に特色PDLコマンド領域704を獲得し、ステップS812へ進む。ステップS812において、PDLコマンド解析部707で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得した特色PDLコマンド領域704にコピーし、ステップS813へ進む。この時特色PDLコマンド領域704には、PDLコマンド2402が格納されている。2度目には2つ目の特色PDLコマンド領域が作成されPDLコマンド2404が格納されている。
【0059】
ステップS813において、メモリ701の特色カウンタ705を1カウントアップし、ステップS814へ進む。ステップS814において、PDLコマンド分離部708で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドを特色PDLコマンド領域704にコピーし、ステップS808へ戻り処理を繰り返す。この時特色PDLコマンド領域704には、PDLコマンド2403、2つ目の特色PDLコマンド領域704には、PDLコマンド2405がそれぞれ格納されている。
【0060】
ステップS810において、メモリ701に既に特色PDLコマンド領域704が獲得されている場合は、ステップS815へ進む。ステップS815において、現在解析中の特色と同一の特色PDLコマンド領域を検索し、現在の特色PDLコマンド領域として、ステップS814へ進み、処理を繰り返す。
【0061】
ステップS809において、現在解析中のオブジェクトに特色が指定されていない場合は、ステップS816へ進む。ステップS816において、PDLコマンド分離部708で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドをPDLコマンド領域703にコピーし、ステップS808へ戻り処理を繰り返す。この時PDLコマンド領域703にはPDLコマンド2407が格納されている。
【0062】
ステップS808において、前記受信PDLコマンドを解析し終えた場合はステップS817へ進む。ステップS817において、メモリ701の特色カウントを確認し、ゼロでない場合は、ステップS818へ進む。この時、メモリ701のPDLコマンド領域703にはPDLコマンド2407で表わされるデータ1506が、特色PDLコマンド領域704にはPDLコマンド2403で表わされる2707或いは2405で表わされる2708がそれぞれ格納されている。
【0063】
ステップS818において、メモリ701のPDLコマンド領域703のPDLコマンドの用紙指定を給紙段指定に再設定し、ステップS819へ進む。この時PDLコマンド領域703のPDLコマンド2407の給紙段指定“PaperFeed”は“1”から“2”に変更されPDLコマンド2409に格納される。また、特殊PDLコマンド領域704のPDLコマンド2405の給紙段指定“PaperFeed”は“1”から“2”に変更されPDLコマンド2408に格納される。ステップS819において、特色PDLコマンド領域704の特色を特色CMYK変換部709において特色リスト2500に基づいてCMYKの組み合わせに変換する。さらに、PDLコマンドに基づいて画像形成部712において印刷画像を形成し、印刷部713で印刷して、ステップS820へ進む。この時、PDLコマンド2403で表わされるデータ2707はシアン版2711、マゼンタ版2712、イエロー版2713、ブラック版2714に変換され、出力結果2715を得る。
【0064】
ステップS820において、特色カウントを1カウントダウンし、ステップS821へ進む。ステップS821において、ユーザインターフェース710に特色印刷スタートボタン2801(図28)を表示し、給紙段に出力結果2716がセットされ特色印刷スタートボタン2801が押下されたかを確認し、されていない場合は処理を繰り返す。一方、ステップS821において、給紙段に出力結果1512がセットされ特色印刷スタートボタン2801が押下された場合は、ステップS817へ戻り処理を繰り返す。この時2度目の処理においてPDLコマンド2408で表わされるデータ2708はシアン版2717、マゼンタ版2718、イエロー版2719、ブラック版2720に変換され、出力結果2721を得る。
【0065】
ステップS817において、メモリ701の特色カウンタ705を確認し、ゼロの場合は、ステップS824へ進む。ステップS824において、メモリ701のPDLコマンド領域703のPDLコマンド2409に基づいて画像形成部712において印刷画像を形成し、印刷部713で印刷して、終了する。この時、PDLコマンド2409で表わされるデータ2709はシアン版2725、マゼンタ版2726、イエロー版2727、ブラック版2728で表わされ、給紙部711にある出力結果2724の上に印刷した出力結果2729を得る。出力結果2729は、特色領域2730、2732と通常色領域2731とそれぞれが重なった領域2733、2734からなる。或いは、初めから特色カウンタ705がゼロの時は、オーバープリントが指定されているが特色が含まれない処理となり、図12の通常色同士のオーバープリントとなる。この時、PDLコマンド領域703にPDLコマンド1904で表わされるデータ1201が格納されている。画像形成部においてシアン版1206、マゼンタ版1207、イエロー版1208、ブラック版1209の画像が形成され、印刷部713において入力用紙1205上に上記各版が印刷されて出力結果1210が得られる。出力結果1210は、通常色1212と1211、それらの重なった領域1213からなる。
【0066】
ステップS806において、オーバープリントが指定されていないと判定された場合は、ステップS822へ進む。ステップS822において、メモリ701のPDLコマンド領域に全てのオブジェクト部分のコマンドをコピーし、ステップS823へ進む。ステップS823において、PDLコマンド領域703に格納の前記PDLコマンドに特色指定がある場合は、特色CMYK変換部709において特色をシアン版、マゼンタ版、イエロー版、ブラック版に分離して通常色のオブジェクトと合成して上書きする。その後ステップS824へ進む。この時、PDLコマンド領域703にはPDLコマンド2002で表わされるデータ1301が格納されており、画像形成部においてシアン版1305、マゼンタ版1306、イエロー版1307、ブラック版1308の画像が形成される。さらに、印刷部713において入力用紙1304上に上記各版が印刷されて出力結果1309が得られる。出力結果1309は、特色領域1311と通常色領域1310からなる。或いは、特色が含まれていない場合は、ステップS823においては何もしない。この時、PDLコマンド領域703にはPDLコマンド1802で表わされるデータ1101が格納されており、画像形成部においてシアン版1105、マゼンタ版1106、イエロー版1107、ブラック版1108の画像が形成される。さらに、印刷部113において入力用紙1104上に上記各版が印刷されて出力結果1109が得られる。出力結果1109は、通常色1111と1110からなる。
【0067】
[実施形態5]
本発明の実施形態5に係る画像処理装置について説明する。図9は、本実施形態のシステム構成図であり、2台のプリンタを連続通紙、連続印刷可能となるよう接続したものである。本システムはシステム900とシステム915の2つのシステムから構成されている。
【0068】
一方のシステム900は、メモリ901、受信部906、PDLコマンド解析部907、PDLコマンド分離部908、特色CMYK変換部909、ユーザインターフェース910、給紙部911、画像形成部912、印刷部913及び送信部914で構成されている。メモリ901は、受信したPDLコマンドを格納する受信PDLコマンド領域902、分離されたPDLコマンドを格納するPDLコマンド領域903、分離された特色からなるPDLコマンドを格納する特色PDLコマンド領域904を備える。メモリ901はさらに、前記受信したPDLコマンドに特色が含まれていたか否かを示すための特色ありフラグ領域905を備える。受信部906はネットワーク経由でPDLコマンドを受信する。PDLコマンド解析部907は前記受信したPDLコマンドを解析する。PDLコマンド分離部908は前記受信したPDLコマンドを特色とそれ以外で分離する。特色CMYK変換部909は特色をCMYKの内の1色以上に分解する。ユーザインターフェース910はユーザからの指示を受ける。給紙部911は印刷用紙を受け取る。画像形成部912は前記PDLコマンド或いは特殊PDLコマンドから印刷用データを形成する。印刷部913は前記画像形成部で形成した画像を印刷する。送信部914はPDLコマンドを送信する。
【0069】
他方のシステム915は、メモリ916、受信部918、PDLコマンド解析部919、給紙部920、特色CMYK変換部921、画像形成部922及び印刷部923で構成されている。メモリ916は受信したPDLコマンドを格納する受信PDLコマンド領域917を有する。受信部918はネットワーク経由でPDLコマンドを受信する。PDLコマンド解析部919は前記受信したPDLコマンドを解析する。給紙部920は印刷用紙を受け取る。特色CMYK変換部921は特色をCMYKの内の1色以上に分解する。画像形成部922は前記PDLコマンドから印刷用データを形成する。印刷部923は前記画像形成部で形成した画像を印刷する。
【0070】
図10は、システム900が受信部906でPDLコマンドを受信してから印刷部913で印刷し、システム915にPDLコマンドを送信するまでの流れを示すフローチャートである。なお、図11〜図15はこの処理の流れにおける画像の変化について説明するものである。図17はPDLコマンド1801の描画図について説明するものである。また、図18〜24はこの処理の流れにおけるPDLコマンドの変化について、図25は特色をCMYKの色に変換するための参照リストについて説明するものである。システム915における処理についてはシステム900の処理を縮小したものであり、ここでの説明は省略する。
【0071】
図10のステップS1001において、受信部906でPDLコマンドを受信し、メモリ901の受信PDLコマンド領域902に格納してステップS1002へ進む。この時、受信PDLコマンド領域902には、PDLコマンド1801(図18)、1901(図19)、2001(図20)、2101(図21)のいずれかが格納されている。ステップS1002において、システムの接続台数は2台以上であるか否かを判定し、2台以上であると判定された場合はステップS1003へ進む。ステップS1003において、メモリ901の特色ありフラグ905をクリアし、ステップS1004へ進む。ステップS1004において、メモリ901にPDLコマンド領域903を獲得し、ステップS1005へ進む。
【0072】
ステップS1005において、PDLコマンド解析部907で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、オーバープリントが指定されているか確認し、オーバープリントが指定されている場合はステップS1006へ進む。つまり、受信PDLコマンド領域902に格納されている、PDLコマンド1801、1901、2001、2101の内の“Overprint”が“ON”になっている場合はS1006へ進む。ステップS1006において、PDLコマンド解析部907で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得したPDLコマンド領域903にコピーし、ステップS1007へ進む。この時PDLコマンド領域903には、PDLコマンド1902、2105のいずれかが格納されている。ステップS1007において、PDLコマンド解析部907で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し終えたかを確認し、解析し終えていない場合はステップS1008へ進む。
【0073】
ステップS1008において、現在解析中のオブジェクトは特色が指定されているか否かを判定し、特色が指定されている場合は、ステップS1009へ進む。ステップS1009において、メモリ901に特色PDLコマンド領域が既に獲得されているか確認し、されていない場合はステップS1010へ進む。ステップS1010において、メモリ901に特色PDLコマンド領域904を獲得し、ステップS1011へ進む。ステップS1011において、PDLコマンド解析部907で受信PDLコマンド領域に格納された前記受信PDLコマンドを解析し、ページの構成を示すコマンドを前記獲得した特色PDLコマンド領域904にコピーし、ステップS1012へ進む。この時特色PDLコマンド領域904には、PDLコマンド2102が格納されている。
【0074】
ステップS1012において、メモリ901の特色ありフラグ905を立て、ステップS1013へ進む。ステップS1013において、PDLコマンド分離部908で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドを特色PDLコマンド領域904にコピーし、ステップS1007へ戻り処理を繰り返す。この時特色PDLコマンド領域904には、PDLコマンド2103が格納されている。
【0075】
ステップS1009において、メモリ901に既に特色PDLコマンド領域904が獲得されている場合は、ステップS1013に進む。また、ステップS1008において、現在解析中のオブジェクトに特色が指定されていない場合は、ステップS1014へ進む。ステップS1014において、PDLコマンド分離部908で現在解析中のオブジェクト部分のコマンドをPDLコマンド領域903にコピーし、ステップS1007へ戻り処理を繰り返す。この時PDLコマンド領域904にはPDLコマンド2106が格納されている。
【0076】
ステップS1007において、前記受信PDLコマンドを解析し終えた場合はステップS1015へ進む。ステップS1015において、メモリ901の特色ありフラグを確認し、特色ありフラグが立っている場合は、ステップS1016へ進む。この時、メモリ901のPDLコマンド領域903にはPDLコマンド2106で表わされるデータ1506が、特色PDLコマンド領域904にはPDLコマンド2103で表わされる1505がそれぞれ格納されている。
【0077】
ステップS1016において、メモリ901のPDLコマンド領域903のPDLコマンド2106の用紙指定“PaperFeed”を“1”から“2”に再設定し、PDLコマンド2107として格納し、ステップS1017へ進む。ステップS1017において、特色PDLコマンド領域904の特色を特色CMYK変換部909において特色リスト2500に基づきCMYKの組み合わせに変換する。さらに、PDLコマンドに基づいて画像形成部912において印刷画像を形成し、印刷部913で印刷して、ステップS1018へ進む。この時、PDLコマンド2103で表わされるデータ1505はシアン版1508、マゼンタ版1509、イエロー版1510、ブラック版1511に変換され、出力結果1512を得る。
【0078】
ステップS1018において、PDLコマンド領域903に格納されているPDLコマンド1507を送信部914を通じて他方のシステム915へ送信する。この時送信されるPDLコマンド2107で表わされるデータ1506は、システム915においてシアン版1514、マゼンタ版1515、イエロー版1516、ブラック版1517で表わされる。さらに、用紙指定“PaperFeed”“2”に基づいて給紙部920より、システム900の出力結果である1512を取りこんでその上にこれらを印刷して出力結果1518を得る。出力結果1518は、特色領域1520と通常色領域1519とその両方が重なった領域1521からなる。
【0079】
ステップS1015において、特色ありフラグが立っていない場合は、ステップS1018へ進む。この時、オーバープリントが指定されているが特色が含まれない処理となり、図12の通常色同士のオーバープリントとなる。この時、受信PDLコマンド領域917にはPDLコマンド1904で表わされるデータ1201が格納されている。画像形成部922においてシアン版1206、マゼンタ版1207、イエロー版1208、ブラック版1209の画像が形成され、印刷部923において入力用紙1205上に上記各版が印刷されて出力結果1210が得られる。出力結果1210は、通常色1212と1211、それらの重なった領域1213からなる。
【0080】
ステップS1005において、オーバープリントが指定されていないと判定された場合は、ステップ1019へ進む。ステップS1019において、メモリ901のPDLコマンド領域に全てのオブジェクト部分のコマンドをコピーし、ステップS1018へ進む。この時、受信PDLコマンド領域917にはPDLコマンド2002で表わされるデータ1301が格納されている。PDLコマンドに特色指定がある場合は、特色CMYK変換部921において特色をシアン版、マゼンタ版、イエロー版、ブラック版に分離して通常色のオブジェクトと合成して上書きする。これにより、画像形成部922においてシアン版1305、マゼンタ版1306、イエロー版1307、ブラック版1308の画像が形成され、印刷部113において入力用紙1304上に上記各版が印刷されて出力結果1309が得られる。出力結果1309は、特色領域1311と通常色領域1310からなる。或いは、特色が含まれていない場合は、受信PDLコマンド領域917にはPDLコマンド1802で表わされるデータ1101が格納されている。これにより、画像形成部においてシアン版1105、マゼンタ版1106、イエロー版1107、ブラック版1108の画像が形成され、印刷部113において入力用紙1104上に上記各版が印刷されて出力結果1109が得られる。出力結果1109は、通常色1111と1110からなる。
【0081】
ステップS1002において、システムの接続台数は2台以上でないと判定された場合は、ステップS1020へ進む。ステップS1020において、特色指定のオブジェクトが存在しオーバープリントが指定されている場合は一部正確に再現できない場合がある旨の警告をユーザインターフェース910に表示してステップS1021へ進む。ステップS1021において、受信PDLコマンド領域902のPDLコマンドに基づいて画像形成部912において印刷画像を形成し、印刷部913で印刷して、終了する。
【0082】
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0083】
106 受信部
107 PDLコマンド解析部
108 PDLコマンド分離部
109 特色CMYK変換部
111 給紙部
112 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特色をCMYKの組み合わせで表現する画像処理装置において、
PDLコマンドを受信する受信部と、
前記受信したPDLコマンドを解析するPDLコマンド解析部と、
前記解析したPDLコマンドを複数のPDLコマンドに分離するPDLコマンド分離部と、
前記PDLコマンド分離部において分離されたPDLコマンドを格納するPDLコマンド格納部と、
前記PDLコマンドにおいて特色が指定されている場合は特色をCMYKに変換する特色CMYK変換部と、
前記PDLコマンドから印刷画像を生成する画像形成部と、
印刷の指示があった場合に給紙する給紙部とを備え、
前記PDLコマンド分離部において特色を含むPDLコマンドとそれ以外とを分離し、特色を含むPDLコマンドについては前記特色CMYK変換部において特色をCMYKに変換することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の画像処理装置が連続通紙、連続印刷可能に接続されていて、各画像処理装置は、前記画像形成部で生成された印刷画像を印刷する印刷部と、前記分離されたPDLコマンドの一部を他の画像処理装置に送信する送信部とをさらに備え
前記PDLコマンド格納部に格納されているPDLコマンドを前記送信部を通じて他の画像処理装置に送信し、
特色指定のPDLコマンドについては前記特色CMYK変換部において特色をCMYKに変換し、
それぞれの画像形成部で印刷画像を生成し一方の画像処理装置から給紙された紙に対して順に他方の画像処理装置の印刷部で印刷を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部で生成された印刷画像を印刷する印刷部さらに備え、前記PDLコマンド格納部に格納されているPDLコマンドを順に呼び出して、PDLコマンドが特色の場合は前記特色CMYK変換部で特色をCMYKに変換し、前記画像形成部で印刷画像を生成し、前記印刷部で印刷した後、前記印刷の指示があった場合は前記給紙部から用紙を給紙することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
特色をCMYKの組み合わせで表現する画像処理装置における画像処理方法において、
PDLコマンドを受信する工程と、
前記受信したPDLコマンドを解析する工程と、
前記解析したPDLコマンドを複数のPDLコマンドに分離する工程と、
前記分離されたPDLコマンドを格納する工程と、
前記PDLコマンドで特色が指定されている場合に特色をCMYKに変換する工程と、
前記PDLコマンドから印刷画像を生成する工程と、
印刷の指示があった場合に給紙する工程とを備え、
前記分離する工程において特色を含むPDLコマンドとそれ以外とを分離し、特色を含むPDLコマンドについては前記変換する工程において特色をCMYKに変換することを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−218379(P2012−218379A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88861(P2011−88861)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】